JP6319843B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
近年、省エネルギーの観点から、低温定着性に優れたトナーの開発が行われており、結晶性ポリエステルが用いられている。
例えば、特許文献1には、少なくとも結着樹脂、離型剤、及び定着助剤を含有するトナーであって、前記結着樹脂がポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂が1,2-プロパンジオールを2価のアルコール成分中65モル%以上含有するアルコール成分と、精製ロジンを含有するカルボン酸成分とを縮重合させてなり、かつ該ポリエステル樹脂の軟化点が80℃以上160℃未満であり、前記定着助剤の融点が50℃以上150℃未満であり、かつ該定着助剤が前記トナー中に結晶ドメイン状態で含まれていることを特徴とするトナーが開示されている。
また、特許文献2には、
(a)少なくとも1つの二酸、酸エステルまたはジエステルと;
(b)少なくとも1つのジオールとの重縮合生成物を含み、
(i)少なくとも1つの二酸、酸エステルまたはジエステルが、ロジン二酸、ロジン酸エステルまたはロジンジエステルを含むか、または、
(ii)少なくとも1つのジオールが、ロジンジオールを含む、ポリエステル樹脂
が開示されている。
特開2012−63559号公報 特開2012−149254号公報
結晶性ポリエステルは、低温定着性に有効であるものの、結晶性ポリエステルがトナーの表面に露出すると、トナーの保存性や、高湿下での耐久性、帯電安定性が低下してしまうという課題がある。
本発明は、低温定着性を満足しつつ、トナーの保存性、高湿下での耐久性、及び帯電安定性に優れる、電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
本発明は、
〔1〕 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分と、ロジン及び/又は変性ロジンを含有するカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(A)、数平均分子量が2500以上10000以下の結晶性ポリエステル(B)、及びイソシアネート基を有するポリエステル(C)を含有する混合物を40℃以上160℃以下の範囲内の温度で加熱する工程を含む方法により得られる、電子写真用トナー、並びに
〔2〕 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分と、ロジン及び/又は変性ロジンを含有するカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(A)、数平均分子量が2500以上の結晶性ポリエステル(B)、及びイソシアネート基を有するポリエステル(C)を含有する混合物を40℃以上160℃以下の範囲内の温度で加熱する工程を含む、電子写真用トナーの製造方法
に関する。
本発明の電子写真用トナーは、低温定着性、保存性、高湿下での耐久性、及び帯電安定性に優れた効果を奏するものである。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂として、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有するアルコール成分とロジン及び/又は変性ロジンを含有するカルボン酸成分とを、重縮合して得られる非晶質ポリエステル(A)、数平均分子量が2500以上の結晶性ポリエステル(B)、及びイソシアネート基を有するポリエステル(C)の3種のポリエステルが用いられており、これらを含む混合物を加熱することにより、低温定着性、保存性、高湿下での耐久性、及び帯電安定性が向上する。
本発明のトナーは、非晶質ポリエステル(A)に第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有するアルコール成分が用いられているため、ガラス転移温度が高く、保存性に優れる。また、エステルの耐加水分解性にも優れるため、高湿下での耐久性に優れている。
また、非晶質ポリエステル(A)が、疎水性の高いロジン及び/又は変性ロジン骨格を有するとともに、イソシアネート基を有するポリエステル(C)により、疎水性の高い高分子量体が樹脂全体に形成されることで、吸湿性が抑制される。これにより、高湿下での耐久性が向上するとともに、イソシアネート基を有するポリエステル(C)により、ガラス転移温度が向上し、保存性に優れると考えられる。
さらに、疎水性の高いロジン及び/又は変性ロジン骨格を有する非晶質ポリエステル(A)は、結晶性ポリエステル(B)との親和性が高く、前記高分子量体により結晶性ポリエステル(B)の分散が促進されることで、帯電安定性に優れると考えられる。
また、本発明のトナーは、結晶性ポリエステル(B)を含有しているため、低温定着性に優れるが、結晶性ポリエステル(B)の数平均分子量が2500以上であるため、低分子量成分が少なく、トナーの表面への結晶性ポリエステル(B)の露出が抑制され、高湿下での耐久性や帯電安定性にも優れると考えられる。
なお、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であり、非晶質樹脂は1.4を超えるか、0.6未満の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。結晶性樹脂においては、吸熱の最高ピーク温度を融点とする。
非晶質ポリエステル(A)は、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合して得られる樹脂である。
第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの炭素数は、低温定着性の観点から、3以上が好ましい。また、保存性の観点から、8以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。具体的な好適例としては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール等が挙げられる。
アルコール成分中の第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、保存性及び高湿下での耐久性の観点から、60モル%以上であり、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい。
他のアルコール成分は、α,ω-脂肪族ジオール、芳香族ジオール、3価以上のアルコール等が挙げられる。
カルボン酸成分は、高湿下での耐久性と帯電安定性の観点から、ロジン及び/又は変性ロジンを含有する。
本発明において、ロジンは、松類から得られる天然樹脂類が好ましく、その主成分は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸及びこれらの混合物である。
ロジンは、天然ロジンの他、異性化ロジン、二量化ロジン、重合ロジン、不均化ロジン等であってもよいが、色目の観点から、天然ロジンが好ましい。
天然ロジンの種類は、パルプを製造する工程で副産物として得られるトール油から得られるトールロジン、生松ヤニから得られるガムロジン、松の切株から得られるウッドロジン等に大別される。本発明におけるロジンは、トナーの低温定着性を向上させる観点から、トールロジンが好ましい。
ロジンは、さらに未精製ロジンと精製ロジンがあり、本発明では、いずれであってもよい。未精製ロジンとは、精製前の不純物を多量に含むロジンであり、精製ロジンとは、精製工程により不純物が低減されたロジンである。主な不純物としては、2-メチルプロパン、アセトアルデヒド、3-メチル-2-ブタノン、2-メチルプロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、n-ヘキサナール、オクタン、ヘキサン酸、ベンズアルデヒド、2-ペンチルフラン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、1-メチル-2-(1-メチルエチル)ベンゼン、3,5-ジメチル-2-シクロヘキセン、4-(1-メチルエチル)ベンズアルデヒド等が挙げられる。
変性ロジンは、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸及びレポピマール酸を主成分とするロジンに、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和結合を有する化合物とを加熱下でディールス-アルダー(Diels-Alder)反応させることにより得られる。本発明における変性ロジンは、(メタ)アクリル酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン及びマレイン酸変性ロジンが好ましく、(メタ)アクリル酸変性ロジン及びフマル酸変性ロジンがより好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。従って、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、本発明において、「(メタ)アクリル酸変性ロジン」は、アクリル酸で変性されたロジン又はメタクリル酸で変性されたロジンを意味する。本発明における(メタ)アクリル酸変性ロジンとしては、ディールス-アルダー(Diels-Alder)反応における反応活性の観点から、立体障害の少ないアクリル酸で変性したアクリル酸変性ロジンが好ましい。
本発明における(メタ)アクリル酸変性ロジンとは、(メタ)アクリル酸で変性されたロジンであり、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、レポピマール酸等を主成分とするロジンに、(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、(メタ)アクリル酸とによる加熱下でのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応を経て得ることができる。
(メタ)アクリル酸によるロジンの変性度((メタ)アクリル酸変性度)は、ポリエステルユニットの分子量を高め、低分子量のオリゴマー成分を低減させる観点から、5以上が好ましく、20以上がより好ましく、40以上がさらに好ましく、60以上がさらに好ましく、80以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、105以下が好ましい。
(メタ)アクリル酸変性度は、式(Aa):
Figure 0006319843
(式中、Xa1は変性度を算出する(メタ)アクリル酸変性ロジンのSP値、Xa2は(メタ)アクリル酸1モルとロジン1モルとを反応させて得られる(メタ)アクリル酸変性ロジンの飽和SP値、YはロジンのSP値を示す)
により算出される。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。また、飽和SP値とは、(メタ)アクリル酸とロジンとの反応を、得られる(メタ)アクリル酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。式(Aa)の分子は、(メタ)アクリル酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Aa)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
(メタ)アクリル酸変性ロジンの製造方法は特に限定されないが、例えば、ロジンと(メタ)アクリル酸を混合し、180〜260℃程度、好ましくは180〜210℃に加熱することで、ディールス-アルダー反応により、ロジンに含まれる共役二重結合を有する酸に(メタ)アクリル酸を付加させて、(メタ)アクリル酸変性ロジンを得ることができる。(メタ)アクリル酸変性ロジンは、そのまま使用してもよく、さらに蒸留等の操作を経て精製して使用してもよい。
本発明におけるフマル酸変性ロジンとは、フマル酸で変性されたロジンであり、(メタ)アクリル酸変性ロジンと同様に、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、レポピマール酸等を主成分とするロジンに、フマル酸を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、フマル酸とによる加熱下でのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応を経て得ることができる。
フマル酸によるロジンの変性度(フマル酸変性度)は、ポリエステルの分子量を高め、ガラス転移点を高める観点から、5以上が好ましく、20以上がより好ましく、40以上がさらに好ましく、60以上がさらに好ましく、80以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、105以下が好ましい。
フマル酸変性度は、式(Af):
Figure 0006319843
(式中、Xf1は変性度を算出するフマル酸変性ロジンのSP値、Xf2はフマル酸1モルとロジン0.7モルとを反応させて得られるフマル酸変性ロジンのSP値、YはロジンのSP値を示す)
により算出する。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。式(Aa)により算出される(メタ)アクリル酸変性度と同様に、式(Af)の分子は、フマル酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Af)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
フマル酸変性ロジンの製造方法は特に限定されないが、例えば、ロジンとフマル酸を混合し、180〜260℃程度、好ましくは180〜210℃に加熱することで、ディールス-アルダー反応により、ロジンに含まれる共役二重結合を有する酸にフマル酸を付加させて、フマル酸変性ロジンを得ることができる。
さらに、ロジンとフマル酸を効率よく反応させる観点から、フェノール類の存在下で、ロジンとフマル酸を反応させてもよい。フェノール類としては、2価のフェノール及び水酸基に対して少なくともオルト位に置換基を有するフェノール性化合物(以下、ヒンダードフェノールという)が好ましく、ヒンダードフェノールがより好ましい。
2価のフェノールとは、ベンゼン環に、OH基が2個結合したものであり、他の置換基がついていない化合物を意味し、ハイドロキノンが好ましい。
ヒンダードフェノールとしては、モノ-t-ブチル-p-クレゾール、モノ-t-ブチル-m-クレゾール、t-ブチルカテコール、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-t-アミルハイドロキノン、プロピルガレード、4,4’-メチレンビス(2,6-t-ブチルフェノール)、4,4’-イソプロピリデンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ブチルヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、オクタデシル-3-(4-ハイドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル(4-ハイドロキシ-3-メチル-5-t-ブチル)ベンジルマロネート、6-(4-ハイドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-2,4-ビスオクチルチオ-1,3,5-トリアジン、2,6-ジフェル-4-オクタデカノキシフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール)、2,2’-ジハイドロキシ-3,3’-ジ-(α-メチルシクロヘキシル)-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、トリス[β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ハイドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロキシフェノール)イソシアヌレート、1,1,3’-トリス(2-メチル-4-ハイドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(2’-ハイドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロキシハイドロシンナメート)、ヘキサメチレングルコールビス[β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコールビス[β-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ハイドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられ、これらの中では、t-ブチルカテコールが好ましい。
フェノール類の使用量は、フマル酸変性ロジンの原料モノマー100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.003〜0.1質量部がより好ましく、0.005〜0.1質量部がさらに好ましい。
フマル酸変性ロジンは、そのまま使用してもよく、さらに蒸留等の操作を経て精製して使用してもよい。
本発明におけるマレイン酸変性ロジンとは、マレイン酸又は無水マレイン酸で変性されたロジンであり、(メタ)アクリル酸変性ロジンと同様に、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸、レポピマール酸等を主成分とするロジンに、マレイン酸又は無水マレイン酸を付加反応させて得られるものであり、具体的には、ロジンの主成分の中で共役二重結合を有するレポピマール酸、アビエチン酸、ネオアビエチン酸及びパラストリン酸と、マレイン酸又は無水マレイン酸とによる加熱下でのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応を経て得ることができる。
マレイン酸又は無水マレイン酸によるロジンの変性度(マレイン酸変性度)は、ポリエステルの分子量を高め、低分子量のオリゴマー成分を低減させる観点から、30以上が好ましく、40以上がより好ましく、50以上がさらに好ましく、60以上がさらに好ましく、70以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、105以下が好ましい。
マレイン酸変性度は、式(Am):
Figure 0006319843
(式中、Xm1は変性度を算出するマレイン酸変性ロジンのSP値、Xm2はマレイン酸1モルとロジン1モルとを230℃で反応させて得られるマレイン酸変性ロジンの飽和SP値、YはロジンのSP値を示す)
により算出する。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。また、飽和SP値とは、マレイン酸とロジンとの反応を、得られるマレイン酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。式(Aa)により算出される(メタ)アクリル酸変性度と同様に、式(Am)の分子は、マレイン酸又は無水マレイン酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Am)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
マレイン酸変性ロジンの製造方法は特に限定されないが、例えば、ロジンとマレイン酸又は無水マレイン酸を混合し、180〜260℃程度、好ましくは180〜210℃に加熱することで、ディールス-アルダー反応により、ロジンに含まれる共役二重結合を有する酸にマレイン酸又は無水マレイン酸を付加させて、マレイン酸変性ロジンを得ることができる。マレイン酸変性ロジンは、そのまま使用してもよく、さらに蒸留等の操作を経て精製して使用してもよい。
未変性(変性前)のロジンの軟化点は、保存性の観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上がさらに好ましい。低温定着性の観点から、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、85℃以下がさらに好ましい。本発明におけるロジンの軟化点とは、後述記載の方法により、ロジンを一度溶融させ、温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させた後に測定される軟化点を意味する。
さらに、未変性(変性前)のロジンの酸価は、耐久性の観点から、100mgKOH/g以上が好ましく、130mgKOH/g以上がより好ましく、150mgKOH/g以上がさらに好ましい。また、保存性の観点から、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、170mgKOH/g以下がさらに好ましい。
非晶質ポリエステル(A)のカルボン酸成分に含まれるロジン及び/又は変性ロジンとしては、トナーの低温定着性の観点から、未変性のロジンが好ましく、未精製ロジンがより好ましい。
ロジン及び変性ロジンの合計量は、非晶質ポリエステル(A)のカルボン酸成分中、高湿下での耐久性、及び帯電安定性の観点から、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がより好ましく、5モル%以上がさらに好ましく、10モル%以上がさらに好ましい。高湿下での耐久性の観点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。
カルボン酸成分は、低温定着性と耐久性を向上させる観点から、さらに芳香族ジカルボン酸化合物を含有していることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられ、これらの中では、低温定着性と耐久性の観点から、テレフタル酸が好ましい。
なお、カルボン酸化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1〜3のアルキルエステルも含まれる。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、帯電安定性の観点から、40モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。また、高湿下での耐久性の観点から、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、80モル%以下がさらに好ましい。
その他のカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、3価以上のカルボン酸化合物、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられ、これらの中では、保存性及び耐久性の観点から、無水トリメリット酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、保存性及び耐久性の観点から、3モル%以上が好ましく、4モル%以上がより好ましく、低温定着性の観点から、15モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、8モル%以下がさらに好ましい。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、適宜含有されていてもよい。
アルコール成分とカルボン酸成分のモル比(アルコール成分/カルボン酸成分)は、低温定着性の観点から、1.00以上が好ましい。また、保存性の観点から、1.35以下が好ましく、1.25以下がより好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合は、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、好ましくは不活性ガス雰囲気中にて行うことができる。
エステル化触媒としては、低温定着性と保存性の観点から、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
Sn−C結合を有していない錫(II)化合物としては、触媒活性、低温定着性、保存性、耐久性、及び帯電安定性の観点から、Sn−O結合を有する錫(II)化合物、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が挙げられ、Sn−O結合を有する錫(II)化合物が好ましい。
Sn−O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の好ましくは炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の好ましくは炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が好ましい。
Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられる。
上記Sn−C結合を有していない錫(II)化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Sn−C結合を有していない錫(II)化合物としては、触媒活性、低温定着性、保存性、耐久性、及び帯電安定性の観点から、カルボン酸錫(II)、アルコキシ錫(II)及び酸化錫(II)からなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。具体的には、同様の観点から、(R1COO)2Sn(ここでR1は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(ここでR2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)の少なくともいずれかがさらに好ましく、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)からなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましい。
Sn−C結合を有していない錫(II)化合物の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、低温定着性、保存性、耐久性、及び帯電安定性の観点から、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。また、生産コストの観点から、2.0質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下がさらに好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合時の温度は、反応性の観点から、200℃以上が好ましい。また、熱分解性の観点から、250℃以下が好ましい。
非晶質ポリエステル(A)の軟化点は、保存性の観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
非晶質ポリエステル(A)のガラス転移温度は、保存性の観点から、45℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、80℃以下が好ましく、75℃以下がより好ましい。
非晶質ポリエステル(A)の酸価は、イソシアネート基を有するポリエステル(C)と反応させる観点、及び低温定着性の観点から、3mgKOH/g以上が好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上がさらに好ましい。また、保存性の観点から、40mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましい。
非晶質ポリエステル(A)の水酸基価は、低温定着性の観点から、8mgKOH/g以上が好ましく、15mgKOH/g以上がより好ましい。また、保存性の観点から、50mgKOH/g以下が好ましく、40mgKOH/g以下がより好ましく、35mgKOH/g以下がより好ましい。
なお、ポリエステルの軟化点、ガラス転移温度、酸価、及び水酸基価は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により調整することができる。
結晶性ポリエステル(B)としては、炭素数2〜12の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と炭素数4〜14の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを重縮合して得られる樹脂が好ましい。
脂肪族ジオールの炭素数は、低温定着性の観点から、2以上が好ましく、4以上がより好ましく、6以上がさらに好ましい。また、保存性の観点から、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。
炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられ、α,ω−脂肪族ジオールが好ましい。
炭素数2〜12の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい。
他のアルコール成分としては、芳香族ジオール、3価以上のアルコール等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数は、保存性の観点から、4以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、14以下が好ましい。
炭素数4〜14の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、コハク酸(炭素数:4)、フマル酸(炭素数:4)、アジピン酸(炭素数:6)、スベリン酸(炭素数:8)、アゼライン酸(炭素数:9)、セバシン酸(炭素数:10)、ドデカン二酸(炭素数:12)、テトラデカン二酸(炭素数:14)、側鎖にアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。
炭素数4〜14の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい。
他のカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上のカルボン酸化合物、これらの酸の無水物、それらの炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、樹脂の分子量調整の観点から、適宜含有されていてもよい。
アルコール成分とカルボン酸成分のモル比(アルコール成分/カルボン酸成分)は、低温定着性の観点から、0.90以上が好ましく、0.97以上がより好ましい。また、保存性の観点から、1.35以下が好ましく、1.2以下がより好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合は、好ましくは不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、好ましくは160〜240℃、より好ましくは190〜230℃の温度で行うことができる。α,ω−脂肪族ジオール等、反応性の高い原料モノマーを用いる場合は、エステル化触媒を使用せずとも重縮合が進行させることができる。
結晶性ポリエステル(B)の数平均分子量は、高湿下での耐久性及び帯電安定性の観点から、2500以上であり、2700以上が好ましく、3000以上がより好ましく、4000以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、10000以下であり、9000以下が好ましく、8000以下がより好ましい。
結晶性ポリエステル(B)の軟化点は、保存性の観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
また、結晶性ポリエステル(B)の軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、非晶質樹脂(A)の軟化点よりも低いことが好ましく、その差は、20℃以上が好ましく、20〜60℃がより好ましい。ここで、非晶質ポリエステル(A)の軟化点との差とは、非晶質樹脂(A)が複数の樹脂からなる場合、加重平均した軟化点との差をいう。
結晶性ポリエステル(B)の融点は、保存性、耐久性、及び帯電安定性の観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。また、低温定着性及び耐久性の観点から、120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下がさらに好ましく、80℃以下がさらに好ましく、70℃以下がさらに好ましい。
結晶性ポリエステル(B)の酸価は、低温定着性の観点から、0.5mgKOH/g以上が好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましい。また、保存性及び低温定着性の観点から、40mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以下がさらに好ましい。
結晶性ポリエステル(B)の水酸基価は、低温定着性の観点から、0.5mgKOH/g以上が好ましく、2mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がさらに好ましい。また、イソシアネート基を有するポリエステル(C)との反応を抑制する観点、保存性及び低温定着性の観点から、35mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以下がより好ましく、15mgKOH/g以下がさらに好ましい。
本発明において、非晶質ポリエステル(A)及び結晶性ポリエステル(B)には、ポリエステルのみならず、その変性樹脂も含まれる。変性樹脂としては、例えば、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、及びポリエステル成分を含む2種以上の樹脂成分を有する複合樹脂等が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステル(C)(以下、単にポリエステル(C)ともいう)は、水酸基を有するポリエステル(以下、プレポリマーともいう)とイソホロンジイソシアネートの一方のイソシアネート基とを反応させ、ウレタン結合を形成することで得られる。
イソホロンジイソシアネートとの反応に供するプレポリマーとしては、低温定着性、保存性、及び耐久性の観点から、式(I):
Figure 0006319843
(式中、R3O及びOR3はオキシアルキレン基であり、R3はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステルが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等が挙げられる。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、低温定着性、保存性、及び耐久性の観点から、アルコール成分中、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい。
カルボン酸成分は、低温定着性と保存性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有していることが好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、これらの酸の無水物、これらの酸の炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられ、これらの中では、低温定着性と耐久性の観点から、テレフタル酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、低温定着性及び耐久性の観点から、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましく、100モル%がさらに好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合は、非晶質ポリエステル(A)のアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合と同様にして行うことができる。
エステル化触媒は、低分子量成分を減少させることができ、保存性、耐久性、及び帯電安定性が向上する観点から、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。好ましいSn−C結合を有していない錫(II)化合物及びその使用量は、非晶質ポリエステル(A)に用いられるものと同様である。
イソホロンジイソシアネートとの反応に供するプレポリマーの軟化点は、保存性の観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、120℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。
イソホロンジイソシアネートとの反応に供するプレポリマーのガラス転移温度は、保存性の観点から、40℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、70℃以下が好ましく、55℃以下がより好ましい。
イソホロンジイソシアネートとの反応に供するプレポリマーの酸価は、低温定着性の観点から、0.5mgKOH/g以上が好ましく、3mgKOH/g以上がより好ましい。また、保存性の観点から、15mgKOH/g以下が好ましく、12mgKOH/g以下がより好ましい。
イソホロンジイソシアネートとの反応に供するプレポリマーの水酸基価は、イソホロンジイソシアネートとの反応性の観点から、30mgKOH/g以上が好ましく、40mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましい。また、150mgKOH/g以下が好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下がさらに好ましい。
プレポリマーとイソホロンジイソシアネートとの反応において、イソホロンジイソシアネートのイソシアネート基は、プレポリマーの水酸基1モルに対して、反応性の観点から、0.5モル以上が好ましく、0.6モル以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、1.2モル以下が好ましく、1.0モル以下がより好ましい。
プレポリマーとイソホロンジイソシアネートとの反応温度は、40〜160℃程度が好ましく、反応時間は、2〜10時間程度が好ましい。
イソシアネート基が導入されていることは、NMRやIRによって確認することができる。
非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)の質量比(非晶質ポリエステル(A)/結晶性ポリエステル(B))は、保存性、高湿下での耐久性、及び帯電安定性の観点から、60/40以上が好ましく、70/30以上がより好ましく、80/20以上がさらに好ましく、85/15以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、98/2以下が好ましく、97/3以下がより好ましく、95/5以下がさらに好ましい。
イソシアネート基を有するポリエステル(C)と、非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)との合計量の質量比(イソシアネート基を有するポリエステル(C)/非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)との合計量)は、保存性、及び高湿下での耐久性の観点から、2/100以上が好ましく、5/100以上がより好ましく、8/100以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、30/100以下が好ましく、20/100以下がより好ましく、15/100以下がさらに好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、非晶質ポリエステル(A)、結晶性ポリエステル(B)及びイソシアネート基を有するポリエステル(C)を含有する混合物を所定の温度範囲で加熱する工程を含む方法により得られる。非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)とを含有する混合物を、ポリエステル(C)の存在下で加熱することにより、ポリエステル(C)が架橋剤として働き、主に、ポリエステル(C)が有するイソシアネート基が非晶質ポリエステル(A)の水酸基と反応すると考えられる。
非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)とポリエステル(C)を含有する混合物を加熱する温度は、耐久性の観点から、40℃以上であり、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、160℃以下であり、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。加熱時間は、好ましくは30分〜10時間、より好ましくは1〜4時間程度である。
非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)とポリエステル(C)とを含有する混合物の加熱は、ポリエステルが混ざり合った状態で前記温度範囲に保持することが好ましい。例えば、溶融混練法により粉砕トナーを得る場合には、上記混合物を溶融混練し、上記の温度範囲を保持しながら冷却する過程で架橋反応を進行させることが好ましい。溶融混練に用いられる混練機としては、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等が挙げられる。溶融混練時の混練機の温度(加熱設定温度)は、80〜180℃が好ましく、80〜160℃がより好ましい。また、水系媒体中で造粒する場合も、前記温度範囲で保持することにより、架橋反応を進行させることができる。
混合物は、ケチミン化合物(D)をさらに含有することが好ましい。ケチミン化合物の存在下で混合物を加熱することにより、イソシアネート基を有するポリエステル(C)による架橋を促進させることができる。
ケチミン化合物(D)はジアミンとケトンとの反応物であり、ジアミンとしては、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン等が挙げられる。また、ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
ケチミン化合物(D)の量は、ポリエステル(C)100質量部に対して、耐久性の観点から、1.5質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
架橋反応の際には、さらに、架橋剤及び/又は伸長剤として、ジアミン、トリアミン、アミノアルコール等を用いてもよい。例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン等)、脂環式ジアミン(4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等のジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のトリアミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等のアミノアルコール等が挙げられる。ジアミン、トリアミン、及びアミノアルコールの合計量は、ポリエステル(C)100質量部に対して、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、非晶質ポリエステル(A)、結晶性ポリエステル(B)、ポリエステル(C)以外の公知の結着樹脂、例えば、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されていてもよいが、トナーに用いられる非晶質ポリエステル(A)、結晶性ポリエステル(B)、及びポリエステル(C)の総含有量は、結着樹脂中、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましく、100質量%がさらに好ましい。
本発明のトナーは、保存性を向上させる観点から、さらに、アミド化合物を含有していることが好ましい。
アミド化合物としては、ポリアミド、脂肪酸アミド、芳香族アミド化合物等が挙げられるが、これらの中では、触媒との親和性の観点から脂肪酸アミドが好ましく、脂肪酸アミドとしては、ポリエステルとの相溶性の観点から、アルキレンビス脂肪酸アミドが好ましい。本発明において好適な脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メタクリル酸アミド、ニコチン酸アミドフェニル酢酸アミド、n-酪酸アミド、イソ酪酸アミド、プロピオンアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N-エチレンビスオクタドアミド等が挙げられ、熱的安定性の高さから、ステアリン酸アミド及びエチレンビスステアリン酸アミドがより好ましい。
アミド化合物の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5〜8質量部が好ましく、0.8〜5質量部がより好ましい。
本発明のトナーは、着色剤、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を含有していてもよく、着色剤、離型剤及び荷電制御剤を含有していることが好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、
ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、40質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、7質量部以下がさらに好ましい。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成社製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット社製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業社製)、「TN-105」(保土谷化学工業社製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物、例えば「TN105」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。また、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
前記の非晶質ポリエステル(A)、結晶性ポリエステル(B)、及びポリエステル(C)、さらに必要に応じて、ケチミン化合物(D)、着色剤、離型剤、荷電制御剤等の原料を含有する混合物は、ヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、前記加熱工程に供することが好ましい。
溶融混練法により粉砕トナーを得る方法では、溶融混練後、混合物を徐冷や加熱保持により加熱処理した後、冷却、粉砕、分級する通常の方法によりトナーを製造することができる。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましく、外添剤としては、無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の例は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛が挙げられ、シリカが好ましい。
シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましい。また、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、90nm以下がさらに好ましい。
外添剤の含有量は、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。また、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度10℃/minで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの頂点の温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔樹脂の水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔樹脂の数平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料をクロロホルムに、40℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC-25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
〔ロジンのSP値〕
溶融した状態の試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行う。
測定機:環球式自動軟化点試験器 ASP-MGK2((株)メイテック製)
昇温速度:5℃/min
昇温開始温度:40℃
測定溶剤:グリセリン
〔ロジンの軟化点〕
(1) 試料の調製
ロジン10gを、170℃で2時間ホットプレートで溶融する。その後、開封状態で温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させ、コーヒーミル(National MK-61M)で10秒間粉砕する。
(2) 測定
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔ロジンの酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の数平均値をいう。長径と短径がある場合は長径を指す。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
アクリル酸変性ロジンの飽和SP値の測定
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製トールロジン(SP値:77.0℃、軟化点:74.3℃、酸価:169mgKOH/g)332g(1モル)とアクリル酸72g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、5.3kPaの減圧下で未反応のアクリル酸及び低沸点物の留去を行い、アクリル酸変性ロジンを得た。得られたアクリル酸変性ロジンのSP値、即ち未精製ロジンを使用したアクリル酸変性ロジンの飽和SP値は110.1℃であった。
アクリル酸変性ロジンの製造例
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製トールロジン(SP値:76.8℃)6084g(18モル)とアクリル酸907.9g(12.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、アクリル酸変性ロジンAを得た。アクリル酸変性ロジンAのSP値は110.4℃、アクリル酸変性度は100であった。
Xf2値として用いられるロジンを使用したフマル酸変性ロジンのSP値の測定
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製トールロジン(SP値:77.0℃)332g(1モル)、フマル酸81g(0.7モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに5.3kPaの減圧下で蒸留して未反応のフマル酸及び低沸点物を留去し、フマル酸変性ロジンを得た。得られたフマル酸変性ロジンのSP値は130.6℃であった。
フマル酸変性ロジンの製造例
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製トールロジン(SP値:76.8℃)5408g(16モル)、フマル酸928g(8モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、フマル酸変性ロジンAを得た。フマル酸変性ロジンAのSP値は130.8℃、ガラス転移温度は74.4℃、フマル酸変性度は100であった。
非晶質ポリエステルの製造例1
表1、2に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後、無水トリメリット酸を投入し、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表1、2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂A1〜A7、A9)を得た。
非晶質ポリエステルの製造例2
表2に示すアルコール成分、カルボン酸成分及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(樹脂A8)を得た。
Figure 0006319843
Figure 0006319843
結晶性ポリエステルの製造例1
表3に示すアルコール成分、カルボン酸成分及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、140℃まで昇温した後、200℃まで8時間かけて昇温を行った。その後、8.0kPaにて表3に示す軟化点に達するまで反応を行い、結晶性ポリエステル(樹脂B1〜B4)を得た。
Figure 0006319843
プレポリマーの製造例1
表4に示すアルコール成分、カルボン酸成分及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、230℃にて8時間かけて反応を行った。その後、8.0kPaにて表4に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(プレポリマーc1)を得た。
プレポリマーの製造例2
表4に示すアルコール成分、カルボン酸成分及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後、220℃まで昇温し、8.0kPaにて表4に示す軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(プレポリマーc2)を得た。
Figure 0006319843
イソシアネート基を有するポリエステルの製造例1
プレポリマーc1 2kgを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、イソホロンジイソシアネート400g及び酢酸エチル2500gを添加し、100℃で5時間反応させ、酢酸エチルを取り除き、イソシアネート基を有するポリエステル(樹脂C1)を得た。プレポリマーc2を用いた以外は、同様にして、イソシアネート基を有するポリエステル(樹脂C2)を得た。なお、プレポリマーの水酸基1モルに対するイソホロンジイソシアネートのイソシアネート基は、樹脂C1の製造においては0.60モル、樹脂C2の製造においては0.72モルであった。
ケチミン化合物の製造例1
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに、イソホロンジアミン2kg及びメチルエチルケトン880gを仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物Dを得た。
実施例1〜10及び比較例1、5〜7
表5に示す使用量で、非晶質ポリエステル、結晶性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステル、及びケチミン化合物Dと、着色剤「ECB-301」(大日精化社製)5質量部、荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1質量部、エチレンビスステアリン酸アミド「カオーワックスEB-P」(花王株式会社製)1質量部及び離型剤「カルナウバワックス C1」(加藤洋行社製、融点:80℃)2質量部を、ヘンシェルミキサーでよく攪拌した後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱設定温度は90℃であり、混練物の温度は140℃、混練物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を140℃から50℃まで1.5時間で冷却し、50℃で、冷却ローラーで圧延冷却した後、45℃で4時間静置後、ジェットミルで体積中位粒径(D50)5.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対し、外添剤「アエロジル R-972」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製、疎水化処理剤:DMDS、平均粒子径:16nm)1.5質量部及び「SI-Y」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製、疎水化処理剤:シリコーンオイル、平均粒子径:40nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3600r/min、5分間混合することにより、外添剤処理を行い、トナーを得た。
実施例11
ケチミン化合物Dを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例2、3
イソシアネート基を有するポリエステル及びケチミン化合物Dを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例4
結晶性ポリエステルを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。
その後、総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)で、100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像の定着試験を行った。定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。結果を表5に示す。なお、定着試験に用いた紙は、シャープ(株)製のCopyBond SF-70NA(75g/m2)である。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れ、最低定着温度は、130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましい。
試験例2〔保存性〕
トナー4gを温度55℃、湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、保存性を評価した。結果を表5に示す。
〔評価基準〕
A:48時間後及び72時間後も凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後ではわずかに凝集が認められる。
C:48時間以内で既に凝集が認められる。
試験例3〔高湿下での耐久性〕
「ページプレスト N-4」(カシオ計算機社製、定着:接触定着方式、現像:非磁性一成分現像方式、現像ロール径:2.3cm)にトナーを実装し、温度32℃、相対湿度90%の条件下にて黒化率5.5%の斜めストライプのパターンにて、耐刷を行った。途中、500枚ごとに黒ベタ画像を印字し、画像上のスジを確認した。画像上にスジが目視にて観察された時点までの印字枚数を、現像ロールにトナーが融着・固着したことによりスジが発生した枚数として、耐久性を評価した。結果を表5に示す。スジが発生した枚数が多いほど、トナーの耐久性に優れ、その枚数は、3000枚以上が好ましく、4000枚以上がより好ましく、5000枚以上がさらに好ましい。
試験例4〔帯電安定性〕
温度25℃、相対湿度50%の環境下で、トナー0.6gと、体積平均粒径60μmのシリコーンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製)9.4gを20mL容の円柱状のポリエチレン製の容器に入れ、容器をターブラシェイカーミキサー中に固定し、90r/minの速度にて回転させた。経時での帯電量(混合時間1分、3分、5分、10分での帯電量)をq/mメータ(Epping社製)にて測定し、各混合時間(1分、3分、5分、10分)での帯電量の平均値(帯電量平均値)から、以下の評価基準に従って帯電安定性を評価した。結果を表5に示す。
〔q/mメーターの設定〕
メッシュ サイズ:400メッシュ(ステンレス製)
ソフトブロー吸引時間(ブロー圧 1050V):90秒
帯電量(μC/g)=トナー吸引時間90秒後の総電気量(μC)/吸引されたトナー量(g)
〔帯電安定性の評価基準〕
A:帯電量平均値と各混合時間の帯電量差が全て2μC/未満
B:帯電量平均値と各混合時間の帯電量差の少なくとも1つが2μC/g以上、5μC/g未満
C:帯電量平均値と各混合時間の帯電量差の少なくとも1つが5μC/g以上
(但し、BとCの両方に該当する場合は、Cとする)
Figure 0006319843
実施例1〜11のトナーは、比較例1〜7のトナーと対比して、低温定着性、保存性、高湿下での耐久性、及び帯電安定性のいずれもが良好であることが分かる。
実施例1と実施例4、5の比較により、実施例4で、高湿下での耐久性がやや低下するのは、ロジンが多く用いられており、非晶質ポリエステルが高分子量化し難かったためと考えられ、実施例5で、高湿下での耐久性や帯電安定性に低下するのは、ロジンが少ないため、結晶性ポリエステルの分散性が低下したためと考えられる。
実施例1と実施例7の比較により、実施例7で、高湿下での耐久性や帯電安定性が低下するのは、結晶性ポリエステルの分子量がやや低く、トナー表面への露出し易くなったためと考えられる。
実施例1と実施例9、10の比較により、実施例9で、結晶性ポリエステルが多いと、保存性、高湿下での耐久性、帯電安定性が低下し、実施例10で、結晶性ポリエステルが少ないと低温定着性が低下することがわかる。
比較例1は、非晶質ポリエステルがロジン又は変性ロジン骨格を有していないため、高湿下での耐久性が低下するとともに、結晶性ポリエステルの分散性が低下し、帯電安定性が低下したと考えられる。
比較例2は、イソシアネート基を有するポリエステルを用いていないため、高分子量体が少なく、保存性、高湿下での耐久性が低下するが、高分子量体が少ないため、結晶性ポリエステルは、分散し易く、帯電安定性には優れる。
比較例3は、低軟化点樹脂と高軟化点樹脂とを用いているため、保存性に加えて、高軟化点樹脂に含まれる高分子量体により耐久性も良好であるが、イソシアネート基を有するポリエステルを用いた場合と異なって、高分子量体が不均一に存在するため、結晶性ポリエステルの分散が十分とはならず、帯電安定性が低下したと考えられる。
比較例4は、結晶性ポリエステルを用いておらず、低温定着性に低下したと考えられる。
比較例5は、結晶性ポリエステルの数平均分子量が低く、高湿下での耐久性、帯電安定性が低下したのは、結晶性ポリエステルの低分子量体が、トナー表面に露出し易くなったためと考えられる。
比較例6は、非晶質ポリエステルに第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールが用いられていないため、保存性、高湿下での耐久性が低下したと考えられる。
比較例7は、非晶質ポリエステルに用いられた第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールが、アルコール成分中、50モル%であるため、保存性、高湿下での耐久性が低下したと考えられる。
本発明の電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを60モル%以上含有するアルコール成分と、ロジン及び/又は変性ロジンを含有するカルボン酸成分とを重縮合して得られる非晶質ポリエステル(A)、数平均分子量が2500以上の結晶性ポリエステル(B)、及びイソシアネート基を有するポリエステル(C)を含有する混合物を40℃以上160℃以下の範囲内の温度で加熱する工程を含む、電子写真用トナーの製造方法。
  2. 非晶質ポリエステル(A)のカルボン酸成分中、ロジン及び変性ロジンの合計量が、1モル%以上70モル%以下である、請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法
  3. 非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)の質量比(非晶質ポリエステル(A)/結晶性ポリエステル(B))が、60/40以上98/2以下である、請求項1又は2記載の電子写真用トナーの製造方法
  4. イソシアネート基を有するポリエステル(C)と、非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)との合計量の質量比(イソシアネート基を有するポリエステル(C)/非晶質ポリエステル(A)と結晶性ポリエステル(B)との合計量)が、2/100以上30/100以下である、請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法
  5. 結晶性ポリエステル(B)が、炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と炭素数4以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを重縮合して得られる樹脂である、請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法
  6. 混合物が、さらに、ケチミン化合物(D)を含有する、請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法
  7. 非晶質ポリエステル(A)のカルボン酸成分が、芳香族ジカルボン酸化合物を40モル%以上含有する、請求項1〜6いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法
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