JP2016218249A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れる電子写真用トナーに関すること。
【解決手段】結着樹脂と離型剤とを含有する電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む、結晶性複合樹脂を含有する電子写真用トナーであって、該結晶性複合樹脂が、工程1:前記アルコール成分と、全カルボン酸成分中、10モル%以上100モル%以下のカルボン酸成分と、(メタ)アクリル酸化合物とを、重縮合する工程、工程2:工程1で得られた重縮合物に、重合開始剤の存在下、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを100℃以上170℃以下で付加重合する工程、及び工程3:工程2の付加重合反応の終了後、0モル%以上90モル%以下のカルボン酸成分を混合して、170℃を超え230℃以下で重縮合反応を行う工程を含む方法により得られる、電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
印刷装置の高速化、省エネルギー化の観点から、低温定着性に優れたトナーが要求されている。しかしながら、低温定着性を改良するために、トナーの軟化点やガラス転移温度を低く設計すると、保存安定性が低下するという弊害が生じる。そこで、低温定着性及び保存安定性を両立させるため、結晶性ポリエステルを用いたトナーの開発が行われている。
例えば、特許文献1には、分子末端に不飽和二重結合を有する結晶性ポリエステルの存在下でビニル単量体を重合する、トナー用バインダー樹脂の製造方法が開示されている。
特開平3−6572号公報
しかしながら、特許文献1で得られた樹脂は、結晶性ポリエステルに対して重合するビニル単量体量が多く、得られた樹脂は、結晶性を有しておらず、また、ビニル重合体が微分散されていない。
本発明は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れる電子写真用トナーに関する。
本発明は、結着樹脂と離型剤とを含有する電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む、結晶性複合樹脂を含有する電子写真用トナーであって、該結晶性複合樹脂が、
工程1:前記アルコール成分と、全カルボン酸成分中、10モル%以上100モル%以下のカルボン酸成分と、(メタ)アクリル酸化合物とを、重縮合する工程、
工程2:工程1で得られた重縮合物に、重合開始剤の存在下、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを100℃以上170℃以下で付加重合する工程、及び
工程3:工程2の付加重合反応の終了後、0モル%以上90モル%以下のカルボン酸成分を混合して、170℃を超え230℃以下で重縮合反応を行う工程
を含む方法により得られる、電子写真用トナーに関する。
本発明の電子写真用トナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れるという効果を奏するものである。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂と離型剤とを含有し、結着樹脂が、炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む、結晶性複合樹脂を含有する電子写真用トナーであって、該結晶性複合樹脂が、
工程1:前記アルコール成分と、全カルボン酸成分中、10モル%以上100モル%以下のカルボン酸成分と、(メタ)アクリル酸化合物とを、重縮合する工程、
工程2:工程1で得られた重縮合物に、重合開始剤の存在下、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを100℃以上170℃以下で付加重合する工程、及び
工程3:工程2の付加重合反応の終了後、0モル%以上90モル%以下のカルボン酸成分を混合して、170℃を超え230℃以下で重縮合反応を行う工程
を含む方法により得られる結晶性複合樹脂(以下、結晶性複合樹脂Cともいう)である。
本発明の結晶性複合樹脂Cと離型剤とを含有する電子写真用トナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れる。この理由として、次のように考えられる。
結晶性複合樹脂Cを製造する工程1では、(メタ)アクリル酸化合物と、重縮合系樹脂成分の原料モノマーとを、最初に重縮合反応する。この工程により、重縮合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーである(メタ)アクリル酸化合物が、重縮合系樹脂成分の末端に位置することになる。次に、工程2では、工程1で得られた重縮合物に、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを付加重合することで、スチレン系樹脂成分と重縮合系樹脂成分とが各々の分離した機能を有する複合樹脂が得られる。
この複合樹脂が、分散剤として働くことで、工程2では、同時に、重縮合系樹脂成分に結合していないスチレン系樹脂(単にスチレン系樹脂ともいう)が製造された場合であっても、工程3で重縮合反応を行うことで、この重縮合系樹脂成分に結合していないスチレン系樹脂が結晶性複合樹脂中に微分散されると考えられる。
スチレン系樹脂成分と重縮合系樹脂成分とが各々の分離した機能を有する結晶性複合樹脂Cは、離型剤の分散性を高めることができ、低温定着性に優れるとともに耐ホットオフセット性にも優れると考えられる。また、スチレン系樹脂が微分散された結晶性複合樹脂Cは、トナー粉砕時に、この脆いスチレン系樹脂の部分で粉砕され易くなり、結晶性複合樹脂Cの重縮合系樹脂部分の表面露出が抑制されて、トナーの流動性が向上すると考えられる。
さらに、結晶性複合樹脂Cは、スチレン系樹脂成分が結合していない重縮合系樹脂が少ないことも、トナーの流動性が向上する理由と考えられる。
本発明において、結晶性複合樹脂Cは、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む樹脂である。
アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド等が挙げられるが、トナーの低温定着性及び耐久性を向上させる観点から、ポリエステルが好ましい。
アルコール成分は、炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールを含有する。
炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール等が挙げられ、α,ω−脂肪族ジオールが好ましい。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
脂肪族ジオールの炭素数は、流動性の観点から、2以上、好ましくは4以上、より好ましくは6以上であり、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、14以下、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下である。
炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールの含有量は、流動性及び低温定着性の観点から、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、より好ましくは100モル%である。
他のアルコール成分としては、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
一方、カルボン酸成分としては、流動性及び低温定着性の観点から、脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、コハク酸(炭素数:4)、フマル酸(炭素数:4)、グルタル酸(炭素数:5)、アジピン酸(炭素数:6)、スベリン酸(炭素数:8)、アゼライン酸(炭素数:9)、セバシン酸(炭素数:10)、ドデカン2酸(炭素数:12)、テトラデカン2酸(炭素数:14)、側鎖にアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸、これらの酸の無水物、それらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物における鎖状炭化水素基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数は、流動性の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは12以上、さらに好ましくは14であり、入手性の観点から、好ましくは14以下である。なお、本発明において、カルボン酸化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1以上3以下のアルキルエステルも含まれる。ただし、アルキルエステル部のアルキル基の炭素数は、脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数には含めない。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、流動性及び低温定着性の観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、より好ましくは100モル%である。
他のカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸化合物、3価以上のカルボン酸化合物、これらの酸の無水物、それらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等の観点から、適宜含有されていてもよい。
重縮合系樹脂成分におけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量モル比(COOH基/OH基)は、複合樹脂の軟化点を調整する観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.1以下である。
スチレン系樹脂成分は、少なくとも、スチレン、又はα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体(以下、スチレンとスチレン誘導体をまとめて「スチレン化合物」という)を含む原料モノマーを付加重合して得られる。
スチレン化合物の含有量は、トナーの流動性を向上させる観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマー中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100モル%以下、より好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である。
スチレン化合物以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。
スチレン化合物以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーは2種以上を組み合わせて使用することができる。
スチレン化合物以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーの中では、トナーの低温定着性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、上記の観点から好ましくは1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは4以上であり、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは12以下である。なお、該アルキルエステルの炭素数は、エステルを構成するアルコール成分由来の炭素数をいう。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、「(イソ又はターシャリー)」、「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマー中、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下であり、好ましくは0質量%以上である。
なお、スチレン化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含む原料モノマーを付加重合させて得られる樹脂をスチレン−(メタ)アクリル樹脂ともいう。
結晶性複合樹脂Cは、
工程1:前記アルコール成分と、全カルボン酸成分中、10モル%以上100モル%以下のカルボン酸成分と、(メタ)アクリル酸化合物とを、重縮合する工程、
工程2:工程1で得られた重縮合物に、重合開始剤の存在下、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを100℃以上170℃以下で付加重合する工程、及び
工程3:工程2の付加重合反応の終了後、0モル%以上90モル%以下のカルボン酸成分を混合して、170℃を超え230℃以下で重縮合反応を行う工程
を含む方法により得られる。
(メタ)アクリル酸化合物は、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれた1種又は2種以上であり、(メタ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1以上22以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸化合物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。アルキルエステルのアルキル基のアルコール成分がエステル交換反応により、重縮合物のカルボン酸末端と反応して、重縮合物同士の架橋反応を抑制することができると考えられる。
アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、反応性が高く、系外に揮発され難く、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れる観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは4以上、さらに好ましくは6以上であり、同様の観点から、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、さらに好ましくは16以下、さらに好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である。
工程1におけるカルボン酸成分の使用量は、結晶性複合樹脂Cの製造に用いる全カルボン酸成分中、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、10モル%以上、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは40モル%以上であり、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、100モル%以下、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、60モル%以下である。なお、カルボン酸成分の使用量に、(メタ)アクリル酸化合物の使用量は含まれない。
また、工程1におけるアルコール成分の使用量は、カルボン酸成分のモル数以上であることが好ましく、結晶性複合樹脂Cの製造に用いる全アルコール成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であり、好ましくは100モル%以下、未反応のアルコール成分が工程2を行う際の溶媒となることから、より好ましくは全量であることが好ましい。
工程1における(メタ)アクリル酸化合物の使用量は、結晶性複合樹脂Cの製造に用いる全カルボン酸成分100モルに対して、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは1モル以上、より好ましくは3モル以上、さらに好ましくは5モル以上、さらに好ましくは7モル以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは25モル以下、より好ましくは20モル以下、さらに好ましくは15モル以下、さらに好ましくは13モル以下である。
工程1における重縮合反応の温度は、反応性の観点から、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは140℃以上であり、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。
重縮合反応の圧力は、減圧であってもよいが、系外から脂肪族ジオールの留出を抑制する観点から、常圧が好ましい。
反応時間は、好ましくは3時間以上、より好ましくは5時間以上、さらに好ましくは7時間以上であり、好ましくは20時間以下、より好ましくは15時間以下、さらに好ましくは10時間以下である。
工程1における重縮合反応は、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒等の存在下で行ってもよい。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。
エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
工程1終了後の重縮合樹脂の数平均分子量は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは1000以上、さらに好ましくは1200以上であり、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは4000以下、より好ましくは3500以下、さらに好ましくは3000以下、さらに好ましくは2500以下、さらに好ましくは2000以下であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは1800以下である。
工程1終了時の数平均分子量は、工程1の反応時間や温度等により調整することができる。
工程1終了時の重縮合物に含まれるクロロホルム不溶分は、重縮合物中、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。工程1終了時の重縮合物に含まれるクロロホルム不溶分は、工程1に供する重縮合系樹脂成分の原料モノマー中の3価以上のモノマー量等により調整することができる。
工程1で重縮合物の数平均分子量及びクロロホルム不溶分を上記範囲に調整することにより、工程2で形成されるスチレン系樹脂成分や複合樹脂に結合していないスチレン系樹脂の分散性が高くなると考えられる。また、重縮合物反応物の数平均分子量や軟化点を一定の範囲に調整することによりスチレン系樹脂成分の原料モノマーの反応性が高まるとともに、重縮合系樹脂成分と結合したスチレン系樹脂成分だけではなく、重縮合物と結合しないスチレン系樹脂成分も、適度に増えると考えられる。
工程2は、工程1で得られた重縮合物に、重合開始剤の存在下、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを100℃以上170℃以下で付加重合する工程である。工程2においては、工程1で得られた重縮合物に、スチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤を添加して、付加重合反応を行うことが好ましい。
工程2で付加重合反応に供するスチレン系樹脂成分の原料モノマーは、予め工程1で反応系に添加してもよいが、工程1終了後、重合開始剤とともに、得られた重縮合物に添加することが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、工程1で添加した場合、(メタ)アクリル酸化合物として働くため、工程2で入れることが必要である。
重合開始剤としては、アゾ系又はジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。アゾ系又はジアゾ系重合開始剤としては、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。過酸化物系重合開始剤としては、ジブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
工程2に供する重合開始剤の量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー100質量部に対して、低温定着性の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、電荷安定性及び放置カブリに優れる観点から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは12質量部以下である。
工程2の付加重合反応は、有機溶媒存在下又は無溶媒下で行うことができるが、付加重合反応の温度は、反応性の観点から、100℃以上であり、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、同様の観点から、170℃以下であり、好ましくは165℃以下、より好ましくは163℃以下である。
付加重合反応の際に有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル等を用いることができる。
工程2において、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを全量の25質量%混合した時点の、生成した複合樹脂中の二重結合消失率は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上であり、好ましくは100%以下、より好ましくは100%である。
工程2の付加重合反応は、スチレン系樹脂成分の残存モノマー量を低減するために、減圧下で行うことが好ましい。減圧とは、常圧(101.3kPa)未満の圧力であり、好ましくは80kPa以下、より好ましくは50kPa以下、さらに好ましくは20kPa以下であり、好ましくは1kPa以上、より好ましくは3kPa以上、さらに好ましくは5kPa以上である。
付加重合反応の反応時間は、反応性の観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上、さらに好ましくは1.5時間以上であり、同様の観点から、好ましくは10時間以下、より好ましくは7時間以下、さらに好ましくは5時間以下である。
なお、反応時間は、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの添加時間、スチレン系樹脂成分の原料モノマー添加終了後の熟成時間、残存するスチレン系樹脂成分の原料モノマーを除去する時間を含む。
工程2終了時、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの残存量は、工程2で得られる樹脂100質量部に対して0.1質量部以下であることが好ましい。
スチレン系樹脂成分の原料モノマーの残存量は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて、エチルベンゼンを標準物質としてスチレン等の各々の原料モノマーの検量線を作成し、その含有量を求めることができる。なお、ガスクロマトグラフィー(GC)の測定条件は、下記のものを用いることができる。
〔測定機器〕
測定器:GC-14A(島津製作所製)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
カラム:内径32mm×長さ2.1m
充填剤:PEG-20M(10%),Chromosorb W60/80 AW-DMCS
〔測定条件〕
昇温プログラム:
INITIAL TEMP:100℃
INITIAL TIME:10min
PROGRAM RATE:10℃/min
FINAL TEMP:200℃
FINAL TIME:10min
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
RANG:102
溶媒:酢酸エチル及びヘキサン
工程3は、工程2の付加重合反応の終了後、0モル%以上90モル%以下のカルボン酸成分を混合して、170℃を超え230℃以下で重縮合反応を行う工程である。高温で、再度重縮合反応を行うことにより、スチレン系樹脂成分が重縮合系樹脂成分中に微細に分散する。
工程3におけるカルボン酸成分の使用量は、全カルボン酸成分中、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、90モル%以下、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは60モル%以下であり、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、0モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは40モル%以上である。
工程1で使用するカルボン酸成分と工程3で使用するカルボン酸成分のモル比(工程1で使用するカルボン酸成分/工程3で使用するカルボン酸成分)は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、さらに好ましくは30/70以上であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは40/60以上であり、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、さらに好ましくは70/30以下であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、さらに好ましくは60/40以下である。
工程3は、エステル化触媒の存在下で重縮合反応を行うことが好ましい。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、結晶性複合樹脂Cの製造に用いるアルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。
エステル化触媒とともにエステル化助触媒が使用されていてもよい。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、結晶性複合樹脂Cの製造に用いるアルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
工程3における重縮合反応の温度は、流動性の観点から、170℃を超える温度であり、好ましくは175℃以上、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは190℃以上、さらに好ましくは195℃以上であり、分解を抑制する観点から、230℃以下、好ましくは220℃以下、より好ましくは210℃以下である。
また、工程2の付加重合反応と工程3の重縮合反応との温度差(工程3−工程2)は、反応性の観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは20℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
工程3における重縮合反応の圧力は、常圧であってもよいが、反応性の観点から、減圧が好ましい。減圧とは、常圧(101.3kPa)未満の圧力であり、好ましくは80kPa以下、より好ましくは50kPa以下、さらに好ましくは20kPa以下であり、好ましくは1kPa以上、より好ましくは3kPa以上、さらに好ましくは5kPa以上である。
工程3では、複合樹脂の軟化点が好ましい範囲に達するまで減圧下で重縮合反応を行うことが好ましい。反応時間は、電荷安定性及び放置カブリに優れる観点から、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上であり、同様の観点から、好ましくは15時間以下、より好ましくは10時間以下、さらに好ましくは8時間以下、さらに好ましくは6時間以下、さらに好ましくは4時間以下である。
重縮合系樹脂成分の原料モノマーとして、3価以上の原料モノマー、即ち3価以上のアルコール及び/又は3価以上のカルボン酸化合物を用いる場合、それらを工程3で添加して、重縮合反応を行うことが、電荷安定性及び放置カブリに優れる観点から、好ましい。
工程1〜工程3は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れる観点から、同一反応容器中で行うことが好ましい。
工程3により得られる結晶性複合樹脂におけるスチレン系樹脂成分と重縮合系樹脂成分の質量比(スチレン系樹脂成分/重縮合系樹脂成分)は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れる観点から、好ましくは3/97以上、より好ましくは7/93以上、さらに好ましくは10/90以上、さらに好ましくは15/85以上であり、同様の観点から、好ましくは45/55以下、より好ましくは40/60以下、さらに好ましくは35/65以下、さらに好ましくは30/70以下、さらに好ましくは25/75以下である。なお、上記の計算において、重縮合系樹脂成分の質量は、用いられる重縮合系樹脂成分の原料モノマーの合計量であり、(メタ)アクリル酸化合物の量は、重縮合系樹脂成分の原料モノマー量に含める。また、スチレン系樹脂成分の量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー量であるが、重合開始剤の量はスチレン系樹脂成分の原料モノマー量に含める。従って、スチレン系樹脂成分には、重縮合系樹脂成分に結合していないスチレン系樹脂も含める。
結晶性複合樹脂Cの軟化点は、定着性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましく70℃以上、さらに好ましくは75℃以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは85℃以下である。
なお、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6以上1.4以下、好ましくは0.7以上1.2以下、より好ましくは0.9以上1.2以下、さらに好ましくは0.9以上1.1以下の樹脂であり、非晶質樹脂は、結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満、好ましくは1.5を超えるか、0.5以下、より好ましくは1.6以上か、0.5以下の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。結晶性樹脂においては、吸熱の最高ピーク温度を融点とする。
結晶性複合樹脂Cの酸価は、電荷安定性及び放置カブリに優れる観点から、好ましくは2mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは10mgKOH/g以上であり、同様の観点から、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、さらに好ましくは25mgKOH/g以下である。
本発明の電子写真用トナーは、結晶性複合樹脂Cに加えて、結着樹脂として、さらに非晶質樹脂を含むことが好ましい。
非晶質樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む非晶質複合樹脂Aであることが好ましい。
重縮合系樹脂成分としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド等が挙げられるが、トナーの低温定着性及び耐久性を向上させる観点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルは、2価以上のアルコールを含有するアルコール成分と2価以上のカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを重縮合させて得られるものが好ましい。
アルコール成分は、トナーの低温定着性及び耐久性の観点から、式(I):
Figure 2016218249
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは16以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有することが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I)においてROがプロピレンオキサイドであるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の式(I)においてROがエチレンオキサイドであるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、トナーの低温定着性及び耐久性を向上させる観点から、非晶質複合樹脂Aのアルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以であり、好ましくは100モル%以下、より好ましくは実質的に100モル%、さらに好ましくは100モル%である。
他のアルコール成分としては、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外の芳香族ジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
カルボン酸成分は、トナーの耐久性及び帯電安定性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸;これらの酸の無水物及びこれらの酸のアルキル(炭素数1以上3以下)エステル等が挙げられ、これらのなかではテレフタル酸が好ましい。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。なお、本発明において、カルボン酸化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1以上3以下のアルキルエステルも含まれる。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、非晶質複合樹脂Aのカルボン酸成分中、耐久性の観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。
また、カルボン酸成分は、低温定着性の観点から、さらに脂肪族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物における鎖状炭化水素基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数は、好ましくは4以上であり、入手性の観点から、好ましくは14以下、より好ましくは12以下である。なお、本発明において、カルボン酸化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1以上3以下のアルキルエステルも含まれる。ただし、アルキルエステル部のアルキル基の炭素数は、脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数には含めない。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、コハク酸(炭素数:4)、フマル酸(炭素数:4)、グルタル酸(炭素数:5)、アジピン酸(炭素数:6)、スベリン酸(炭素数:8)、アゼライン酸(炭素数:9)、セバシン酸(炭素数:10)、ドデカン2酸(炭素数:12)、テトラデカン2酸(炭素数:14)、側鎖にアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸、これらの酸の無水物、それらの炭素数1以上3以下のアルキルエステル等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、非晶質複合樹脂Aのカルボン酸成分中、低温定着性の観点から、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上であり、耐久性の観点から、好ましくは70モル%以下、より好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下である。
カルボン酸成分は、耐ホットオフセット性の観点から、さらに3価以上のカルボン酸化合物を含有することが好ましい。
3価以上のカルボン酸化合物としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸の無水物、これらの酸のアルキル(炭素数1以上3以下)エステル等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸化合物の含有量は、非晶質複合樹脂Aのカルボン酸成分中、耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは40%以下、より好ましくは35モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
他のカルボン酸成分としては、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1以上3以下)エステル;ロジン;フマル酸、マレイン酸、アクリル酸等で変性されたロジン等が挙げられる。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等の観点から、適宜含有されていてもよい。
重縮合系樹脂成分におけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、複合樹脂の軟化点を調整する観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.1以下である。
重縮合系樹脂成分の原料モノマーの重縮合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180℃以上250℃以下程度の温度で行うことできる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化触媒とともに用い得るエステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
スチレン系樹脂成分の原料モノマーとしては、少なくとも、スチレン、又はα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体(以下、スチレンとスチレン誘導体をまとめて「スチレン化合物」という)が用いられる。
スチレン化合物の含有量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー中、トナーの流動性、耐久性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。
スチレン化合物以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。
スチレン化合物以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーは2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
スチレン化合物以外に用いられるスチレン系樹脂成分の原料モノマーの中では、トナーの低温定着性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基の炭素数は、上記の観点から好ましくは1以上、より好ましくは8以上であり、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。なお、該アルキルエステルの炭素数は、エステルを構成するアルコール成分由来の炭素数をいう。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。ここで、「(イソ又はターシャリー)」、「(イソ)」は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を含むことを意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの双方の場合を含むことを示す。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー中、低温定着性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは12質量%以上であり、上記の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
なお、スチレン化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含む原料モノマーを付加重合させて得られる樹脂をスチレン−(メタ)アクリル樹脂ともいう。
スチレン系樹脂成分の原料モノマーの付加重合反応は、例えば、ジクミルパーオキサイド等の重合開始剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒存在下又は無溶媒下で、常法により行うことができるが、温度条件としては、好ましくは110℃以上、より好ましくは140℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは170℃以下である。
付加重合反応の際に有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等を用いることができる。有機溶媒の使用量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下程度が好ましい。
非晶質複合樹脂Aは、トナーの低温定着性及び耐久性を向上させる観点から、重縮合系樹脂成分の原料モノマーとスチレン系樹脂成分の原料モノマーに加えて、さらに重縮合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る、両反応性モノマーを用いて得られる樹脂(ハイブリッド樹脂)であることが好ましい。従って、重縮合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーを重合させて非晶質複合樹脂Aを得る際に、重縮合反応及び/又は付加重合反応は、両反応性モノマーの存在下で行うことが好ましい。これにより、非晶質複合樹脂Aは、両反応性モノマー由来の構成単位を介して重縮合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とが結合した樹脂(ハイブリッド樹脂)となり、重縮合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とがより微細に、かつ均一に分散したものとなる。
即ち、非晶質複合樹脂Aは、(イ)アルコール成分と、芳香族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを含む、重縮合系樹脂成分の原料モノマー、(ロ)スチレン系樹脂成分の原料モノマー、及び(ハ)重縮合系樹脂成分の原料モノマー及びスチレン系樹脂成分の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを重合させることにより得られる樹脂であることが好ましい。
両反応性モノマーとしては、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシ基、より好ましくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、このような両反応性モノマーを用いることにより、分散相となる樹脂の分散性をより向上させることができる。両反応性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましいが、重縮合反応及び付加重合反応の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸又はフマル酸がより好ましい。但し、重合禁止剤と共に用いた場合は、フマル酸等のエチレン性不飽和結合を有する多価カルボン酸化合物は、重縮合系樹脂成分の原料モノマーとして機能する。この場合、フマル酸等は両反応性モノマーではなく、重縮合系樹脂成分の原料モノマーである。
両反応性モノマーの使用量は、低温定着性の観点から、重縮合系樹脂成分のアルコール成分の合計100モルに対して、好ましくは0.5モル以上、より好ましくは1モル以上であり、スチレン系樹脂成分と重縮合系樹脂成分との分散性を高め、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは30モル以下、より好ましくは20モル以下、さらに好ましくは10モル以下である。
また、両反応性モノマーの使用量は、低温定着性の観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、スチレン系樹脂成分と重縮合系樹脂成分との分散性を高め、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。ここで、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの合計に重合開始剤は含める。
両反応性モノマーを用いて得られるハイブリッド樹脂は、具体的には、以下の方法により製造することが好ましい。両反応性モノマーは、トナーの耐久性を向上させる観点、トナーの低温定着性及び耐熱保存性を向上させる観点から、スチレン系樹脂成分の原料モノマーとともに付加重合反応に用いることが好ましい。
(i) 重縮合系樹脂成分の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)の後に、スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)を行う方法
この方法では、重縮合反応に適した反応温度条件下で工程(A)を行い、反応温度を低下させ、付加重合反応に適した温度条件下で工程(B)を行う。スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーは、付加重合反応に適した温度で反応系内に添加にすることが好ましい。両反応性モノマーは付加重合反応をすると共に重縮合系樹脂成分とも反応する。
工程(B)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上の重縮合系樹脂成分の原料モノマー等を重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応や両反応性モノマーとの反応をさらに進めることができる。
(ii) スチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)の後に、重縮合系樹脂成分の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)を行う方法
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(B)を行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、工程(A)の重縮合反応を行う。両反応性モノマーは付加重合反応と共に重縮合反応にも関与する。
重縮合系樹脂成分の原料モノマーは、付加重合反応時に反応系内に存在してもよく、重縮合反応に適した温度条件下で反応系内に添加してもよい。前者の場合は、重縮合反応に適した温度でエステル化触媒を添加することで重縮合反応の進行を調節できる。
(iii) 重縮合系樹脂成分の原料モノマーによる重縮合反応の工程(A)とスチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応の工程(B)とを、並行して進行する条件で反応を行う方法
この方法では、付加重合反応に適した反応温度条件下で工程(A)と工程(B)とを並行して行い、反応温度を上昇させ、重縮合反応に適した温度条件下で、必要に応じて架橋剤となる3価以上の重縮合系樹脂成分の原料モノマーを重合系に添加し、工程(A)の重縮合反応をさらに行うことが好ましい。その際、重縮合反応に適した温度条件下では、ラジカル重合禁止剤を添加して重縮合反応だけを進めることもできる。両反応性モノマーは付加重合反応とともに重縮合反応にも関与する。
上記(i)の方法においては、重縮合反応を行う工程(A)の代わりに、予め重合した重縮合系樹脂を用いてもよい。上記(iii)の方法において、工程(A)と工程(B)を並行して進行する条件で反応を行う際には、重縮合系樹脂成分の原料モノマーを含有した混合物中に、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを含有した混合物を滴下して反応させることもできる。
上記(i)〜(iii)の方法は、同一容器内で行うことが好ましい。
非晶質複合樹脂Aにおける重縮合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分との質量比(重縮合系樹脂成分/スチレン系樹脂成分)は、低温定着性の観点から、好ましくは55/45以上、より好ましくは70/30以上、さらに好ましくは80/20以上であり、耐久性の観点から、好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下である。なお、上記の計算において、重縮合系樹脂成分の質量は、用いられる重縮合系樹脂成分の原料モノマー合計量であり、両反応性モノマーの量は、重縮合系樹脂成分の原料モノマー量に含める。また、スチレン系樹脂成分の量は、スチレン系樹脂成分の原料モノマー量であり、重合開始剤の量も含める。
非晶質複合樹脂A以外の非晶質樹脂としては、非晶質ポリエステル、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が挙げられるが、非晶質複合樹脂Aの含有量は、非晶質樹脂中、トナーの低温定着性及び耐久性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは100質量%である。
非晶質樹脂、好ましくは非晶質複合樹脂Aの軟化点は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは105℃以上であり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下である。2種以上の非晶質複合樹脂Aを含有する場合は、軟化点の加重平均値が上記範囲にあることが好ましい。
非晶質樹脂、好ましくは非晶質複合樹脂Aの吸熱の最高ピーク温度は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下である。
非晶質樹脂、好ましくは非晶質複合樹脂Aのガラス転移温度は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは70℃以下である。なお、ガラス転移温度は非晶質相に特有の物性であり、吸熱の最高ピーク温度とは区別される。
非晶質樹脂、好ましくは非晶質複合樹脂Aの酸価は、トナーの帯電量の環境安定性を向上させる観点から、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、さらに好ましくは25mgKOH/g以下であり、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは2mgKOH/g以上である。
非晶質樹脂と結晶性複合樹脂Cの質量比(非晶質樹脂/結晶性複合樹脂C)は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは99/1以下、より好ましくは98/2以下、さらに好ましくは95/5以下であり、低温定着性及び流動性の観点から、さらに好ましくは93/7以下であり、耐ホットオフセット性及び流動性の観点から、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、さらに好ましくは80/20以上、さらに好ましくは85/15以上である。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス;マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、低温定着性、耐オフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、低温定着性の観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは115℃以下である。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、流動性の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。
また、トナー中の離型剤の含有量は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、流動性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
本発明のトナーには、着色剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよく、着色剤及び荷電制御剤が含有されることが好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業株式会社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業株式会社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業株式会社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業株式会社製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成株式会社製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業株式会社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業株式会社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット株式会社製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業株式会社製)、「TN-105」(保土谷化学工業株式会社製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの電荷安定性及び放置カブリに優れる観点から、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましい。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、同様の観点から、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは90nm以下である。
外添剤の含有量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、同様の観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度50℃/minで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの数平均値とする。
〔トナーの体積中位粒径〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター株式会社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター株式会社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター株式会社製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー社製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1(製法A)〔樹脂C1、C5〜C11、C15、C16〕
〔工程1〕
表1、2に示す、重縮合系樹脂成分のアルコール成分及び(メタ)アクリル酸化合物の全てと、カルボン酸成分の50モル%を、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温しながら反応させた。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表1、2に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
8kPaの減圧条件を維持したまま温度を140℃に下げ、カルボン酸成分の残り(50モル%)と2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、200℃まで8時間かけて昇温した。200℃で1時間8kPaにて反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
樹脂製造例2(製法B)〔樹脂C2〕
〔工程1〕
表1に示す、重縮合系樹脂成分のアルコール成分及び(メタ)アクリル酸化合物の全てと、カルボン酸成分の30モル%を、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温した。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表1に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
8kPaの減圧条件を維持したまま温度を140℃に下げ、カルボン酸成分の残り(70モル%)と2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、200℃まで8時間かけて昇温した。200℃で1時間8kPaにて反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
樹脂製造例3(製法C)〔樹脂C3〕
〔工程1〕
表1に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分及び(メタ)アクリル酸化合物の全てと、カルボン酸成分の70モル%を、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温した。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表1に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
8kPaの減圧条件を維持したまま温度を140℃に下げ、カルボン酸成分の残り(30モル%)と2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、200℃まで8時間かけて昇温した。200℃で1時間8kPaにて反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
樹脂製造例4(製法D)〔樹脂C4〕
〔工程1〕
表1に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分、(メタ)アクリル酸化合物及びカルボン酸成分の全てを、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温した。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表1に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
8kPaの減圧条件を維持したまま温度を140℃に下げ、2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、200℃まで8時間かけて昇温した。200℃で1時間8kPaにて反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
樹脂製造例5(製法E)〔樹脂C12〕
〔工程1〕
表2に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分、(メタ)アクリル酸化合物、及びカルボン酸成分の全てを、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温した。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表2に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
160℃にてさらに2時間反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
樹脂製造例6(製法F)〔樹脂C13〕
〔工程1〕
表2に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分及び(メタ)アクリル酸化合物の全てを、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温した。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表2に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
8kPaの減圧条件を維持したまま温度を140℃に下げ、表2に示すカルボン酸成分の全てと2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、200℃まで8時間かけて昇温した。200℃で1時間8kPaにて反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
樹脂製造例7(製法G)〔樹脂C14〕
〔工程1〕
表2に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分の全てと、カルボン酸成分の50モル%を、温度計、ステンレス製撹拌棒、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、130℃から180℃まで8時間かけて昇温した。
〔工程2〕
次に、温度を160℃に下げ、表2に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及び(メタ)アクリル酸化合物及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
〔工程3〕
8kPaの減圧条件を維持したまま温度を140℃に下げ、カルボン酸成分の残り(50モル%)と2-エチルヘキサン酸錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、200℃まで8時間かけて昇温した。200℃で1時間8kPaにて反応を行って、結晶性複合樹脂を得た。
工程1終了時の数平均分子量を、以下の方法により測定した。結果を表1、2に示す。
〔重縮合物の数平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、試料をクロロホルムに、40℃で溶解させる。次いで、この溶液を孔径0.20μmのPTFEタイプメンブレンフィルター「DISMIC-25JP」(東洋濾紙株式会社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー株式会社製)
分析カラム:TSKgel GMHXL+TSKgel G3000HXL(東ソー株式会社製)
工程2において、スチレン系樹脂成分の原料モノマーの滴下開始から15分目、即ちスチレン系樹脂成分の原料モノマーを25質量%混合した時点で系内サンプルをとり、生成した複合樹脂中の二重結合消失率を、以下の方法により測定した。結果を表1、2に示す。
〔複合樹脂中の二重結合消失率〕
下記式より、算出する。
Figure 2016218249
重縮合物中又は複合樹脂中の二重結合由来のピーク面積は、下記の1H−NMR方法により、二重結合を構成する炭素原子に直接結合したプロトンのピーク面積により求めることができる。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mLの重水素化クロロホルムを加え溶解させる。その後、約0.1mLの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。
<NMR測定>
機器:Mercury-400 (VARIAN社製)
観測核:1H
観測範囲:6410.3Hz
データポイント数:65536
パルス幅:45°(4.5μs)
待ち時間:10s
積算回数:128回
測定温度:室温
測定溶媒:重クロロホルム(CDCl3
試料濃度:1%
Figure 2016218249
Figure 2016218249
樹脂製造例8〔樹脂A1〕
表3に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分と、テレフタル酸、アジピン酸、2-エチルヘキサン酸錫(II)50g、及び没食子酸2gを添加し、温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、200℃から235℃まで8時間かけて昇温し、さらに235℃にて4時間保持した。
次に、温度を160℃に下げ、表3に示すスチレン系樹脂成分の原料モノマー及び両反応性モノマー及びラジカル重合開始剤の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間反応を熟成した後、210℃に昇温し、8kPaにて1時間減圧し、残存したスチレン系樹脂成分の原料モノマー等を除去した。
トリメリット酸を添加し、210℃で4時間反応した後、8kPaにて所定の軟化点になるまで反応を行って、非晶質複合樹脂を得た。
樹脂製造例9〔樹脂A2〕
表3に示す重縮合系樹脂成分のアルコール成分と、テレフタル酸、アジピン酸、2-エチルヘキサン酸錫(II)50g、及び没食子酸2gを添加し、温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、200℃から235℃まで8時間かけて昇温し、さらに235℃にて4時間保持した。その後、210℃に下げて、トリメリット酸を加え、210℃で4時間反応した後、8kPaにて所定の軟化点になるまで反応を行って、非晶質ポリエステルを得た。
Figure 2016218249
実施例1〜17及び比較例1〜3〔トナーの製造〕
表4に示す樹脂を混合した結着樹脂100質量部、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、C.I.ピグメントブルー15:3)5質量部、負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1質量部、離型剤「パラフリントH105」(サゾールワックス社製、融点:110℃)5質量部を、ヘンシェルミキサーによく攪拌した後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱温度は120℃であり、混合物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を冷却ローラーで圧延冷却した後、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)で1.0mm以下まで粗粉砕した。粗粉砕物の一部を採取し、下記のトナー中の離型剤残存量の測定に用いた。
得られた粗粉砕物を衝突板式ジェットミル粉砕機IDS-2型(日本ニューマチック社製)にて、粗粉砕物の供給速度4.0kg/hの条件で、微粉砕後の体積中位粒径(D50)が6.5μmになるように粉砕圧を調整して微粉砕を行った。
その後、DSX-2型気流分級機(日本ニューマチック社製)にて分級し、体積中位粒径(D50)が7.0μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、外添剤「アエロジルR-972」(疎水性シリカ、日本アエロジル社製、平均粒子径:16nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3600r/min、3分間混合することにより、外添剤処理を行い、トナーを得た。
以下の方法により、トナー中の離型剤の残存率を測定した。結果を表4に示す。
〔トナー中の離型剤残存量〕
混練物の粗粉砕物をコーヒーミルにて粉砕した後、示差走査熱量計「DSCQ20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度5℃/minにて、200℃まで昇温し、離型剤と結晶性複合樹脂の混合物(トナー配合量比)の吸熱面積αを算出する(融点が近いと離型剤と結晶性複合樹脂の吸熱面積切り分けができないため、混合物で吸熱面積を求める)。
次にトナー粒子について同様の測定を行い、吸熱面積βを得る。
得られたαとβの値を用い、トナー中の離型剤残存量(β/α×100,%)を算出する。
トナー中の離型剤の分散性が高いと、離型剤残存量は理論通りに100%となるが、分散性が低下すると、粉砕時に離型剤が微粉としてトナー粒子から脱落してしまうため、離型剤残存量は低下する。
離型剤の残存量は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性の観点から、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上、さらに好ましくは100%である。
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBond SF-70NA(75g/m2)]上に、トナー付着量が0.6mg/cm2となるように未定着の状態で印刷物を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度200mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと5℃ずつ順次上昇させながら、各温度で前記未定着状態の印刷物の定着試験を行った。
500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムで、定着機を通して定着された画像を5往復こすり、こする前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(こすり後/こすり前)が最初に70%を超える定着ローラの温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど低温定着性が良好であり、最低着温度は、130℃以下が好ましく、125℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。
試験例2〔耐ホットオフセット性〕
試験例1の印刷試験において、最低着温度以上でオフセットが最初に発生する温度(ホットオフセット発生温度)を測定した。ホットオフセット発生温度が高いほど、耐ホットオフセット性が良好であり、ホットオフセット発生温度は、185℃以上が好ましく、205℃以上がより好ましく、215℃以上がさらに好ましい。
試験例3〔流動性〕
500gのトナーを5リットル容のヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)に投入し、回転数3700r/minで4分間撹拌した。
撹拌後、得られたトナーをパウダーテスター(ホソカワミクロン(株)製)に、上から順に、篩いA(目開き250μm)、篩いB(目開き150μm)、篩いC(目開き75μm)の3つの篩を重ね合わせて設置し、篩いA上にトナー10gを乗せて60秒間振動を与えた。篩いA上に残存したトナー質量WA(g)を、篩いB上に残存したトナー質量WB(g)を、篩いC上に残存したトナー質量WC(g)を、それぞれ測定し、下記式に従って算出される値(α)をもとに、流動性を評価した。値(α)が100に近いほど、流動性が良好である。
α=100−(WA+WB×0.6+WC×0.2)/10×100
なお、本試験は、トナーにストレスを与えた後でも流動性を保っているか否かの簡易評価といえる。表面に結晶性複合樹脂が露出していると、外添剤の埋め込みにより流動性が低下しやすい。トナーをそのまま篩に乗せて振動させても同様の傾向がみえるが、差をよりはっきりさせるために、篩に乗せる前に、ヘンシェルミキサーで余分に撹拌を行っている。
Figure 2016218249
以上の結果より、実施例のトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性が良好であることがわかる。
実施例1(樹脂C1)、実施例2(樹脂C2)、実施例3(樹脂C3)、実施例4(樹脂C4)、比較例2(樹脂C13)の対比において、工程1で添加するカルボン酸成分が全カルボン酸成分の50質量%である製法Aにより得られた樹脂C1を含む実施例1のトナーは、トナー中の離型剤残存量が最も多く、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れていることが分かる。
これは、製法Aでは、工程1終了後の末端に二重結合を有する重縮合物の数平均分子量が適度な大きさに保たれており、工程2でスチレン系樹脂成分の原料モノマーとの反応性が高く、さらに、工程3で残りの50質量%のカルボン酸成分を入れて重縮合反応するため、スチレン系樹脂が微分散していると考えられる。これにより、流動性に優れるとともに、離型剤の分散性が高まり、低温定着性や耐ホットオフセット性が向上したものと考えられる。また、スチレン系樹脂成分と反応していない重縮合系樹脂成分量を減少させることができるため、流動性も向上すると考えられる。
実施例1、5〜7の対比において、(メタ)アクリル酸化合物として、2-エチルヘキシルアクリレートを用いた樹脂C1を含む実施例1のトナーが、低温定着性、耐ホットオフセット性、流動性に優れていることが分かる。
実施例1、8の対比において、結晶性複合樹脂の重縮合系樹脂成分のアルコール成分、カルボン酸成分の炭素数が短くなると、樹脂が親水的になり、流動性が低下することが分かる。これは、スチレン系樹脂の分散性が低下するためと推定される。
実施例1、16、17の対比において、(メタ)アクリル酸化合物の使用量が、重縮合系樹脂成分の原料モノマーであるカルボン酸成分100モルに対して、10モルである樹脂C1を含む実施例1のトナーが低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れていることが分かる。
実施例1、12の対比から、非晶質樹脂として非晶質複合樹脂を含む実施例1のトナーが低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れることが分かる。
実施例1、13〜15を比較すると、非晶質樹脂/結晶性複合樹脂(質量比)が90/10である実施例1のトナーが、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性に優れていることが分かる。
比較例1に用いた樹脂C12は、工程3の重縮合反応の温度が低いため、比較例1のトナーは、樹脂C4を用いた実施例4のトナーと比較して、特に流動性の低下が著しい。これは、スチレン系樹脂が微分散していないためと推定される。
比較例2は、工程1でカルボン酸成分を添加しておらず、特に低温定着性及び耐ホットオフセット性の低下が著しい。
比較例3に用いた樹脂C14は、(メタ)アクリル酸化合物を工程1ではなく、工程2で使用しているため、比較例3のトナーは、実施例1のトナーと比較して、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び流動性が低下している。
本発明の電子写真用トナーは、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられる。

Claims (9)

  1. 結着樹脂と離型剤とを含有する電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、炭素数2以上14以下の脂肪族ジオールを含有するアルコール成分と、カルボン酸成分とを重縮合させて得られる重縮合系樹脂成分と、スチレン系樹脂成分とを含む、結晶性複合樹脂を含有する電子写真用トナーであって、該結晶性複合樹脂が、
    工程1:前記アルコール成分と、全カルボン酸成分中、10モル%以上100モル%以下のカルボン酸成分と、(メタ)アクリル酸化合物とを、重縮合する工程、
    工程2:工程1で得られた重縮合物に、重合開始剤の存在下、スチレン系樹脂成分の原料モノマーを100℃以上170℃以下で付加重合する工程、及び
    工程3:工程2の付加重合反応の終了後、0モル%以上90モル%以下のカルボン酸成分を混合して、170℃を超え230℃以下で重縮合反応を行う工程
    を含む方法により得られる、電子写真用トナー。
  2. (メタ)アクリル酸化合物の使用量が、全カルボン酸成分100モルに対して、1モル以上25モル以下である、請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 工程1で使用するカルボン酸成分と工程3で使用するカルボン酸成分のモル比(工程1で使用するカルボン酸成分/工程3で使用するカルボン酸成分)が、10/90以上90/10以下である、請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. (メタ)アクリル酸化合物が、(メタ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1以上22以下である(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
  5. カルボン酸成分が、炭素数8以上14以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有する、請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナー。
  6. 工程2において、工程1で得られた重縮合物に、スチレン系樹脂成分の原料モノマー及びラジカル重合開始剤を添加して、付加重合反応を行う、請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナー。
  7. 工程3において、エステル化触媒の存在下で重縮合反応を行う、請求項1〜6いずれか記載の電子写真用トナー。
  8. 工程1〜工程3を、同一反応容器中で行う、請求項1〜7いずれか記載の電子写真用トナー。
  9. 結着樹脂が、さらに非晶質樹脂を含む、請求項1〜8いずれか記載の電子写真用トナー。
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