JP6315795B2 - トナー用結着樹脂組成物 - Google Patents

トナー用結着樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6315795B2
JP6315795B2 JP2014106906A JP2014106906A JP6315795B2 JP 6315795 B2 JP6315795 B2 JP 6315795B2 JP 2014106906 A JP2014106906 A JP 2014106906A JP 2014106906 A JP2014106906 A JP 2014106906A JP 6315795 B2 JP6315795 B2 JP 6315795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
resin composition
mass
binder resin
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014106906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015007765A (ja
JP2015007765A5 (ja
Inventor
浩太 伊知地
浩太 伊知地
白井 英治
英治 白井
上野 哲也
哲也 上野
憲廣 福利
憲廣 福利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014106906A priority Critical patent/JP6315795B2/ja
Publication of JP2015007765A publication Critical patent/JP2015007765A/ja
Publication of JP2015007765A5 publication Critical patent/JP2015007765A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6315795B2 publication Critical patent/JP6315795B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

本発明は、電子写真法において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂組成物、その製造方法、及び該結着樹脂組成物を含有した静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用のトナーの開発が要求されている。
高画質化及び高速化に対応して、特に熱特性を改善するために、トナー用結着樹脂として、組成の調整が容易であるポリエステル樹脂が汎用されており、さらに複数の樹脂成分を複合化したり、複数の樹脂を混合して用いる試みがなされている。
例えば、特許文献1には、耐オフセット性を改善することを目的として、数平均分子量が400〜1000である1価の脂肪族化合物を含有してなる原料モノマーを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなる電子写真用トナー用結着樹脂であって、前記1価の脂肪族化合物が1価の脂肪族カルボン酸化合物及び1価の脂肪族アルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種である電子写真用トナー用結着樹脂が開示されている。
特許文献2には、ブロッキングと濃度低下の抑制を目的として、結着樹脂、着色剤及びエステル基、カルボキシル基、水酸基から選ばれる一種以上の官能基を有するワックス成分Aを含有するトナーであり、結着樹脂はポリエステル系樹脂成分を主成分とし、該ワックス成分Aの存在下で重合したものであり、重合後に冷却固化して、固化物を溶融混練して溶融状態で薄膜蒸発機に導入し、揮発成分を留去する工程を経て得られたものであることを特徴とするトナーが開示されている。
特許文献3には、低温定着性、印字物の保存性の向上及びカールの発生の抑制を目的として、アルコール成分と、アルコール成分100モルに対して、5〜25モルのアジピン酸化合物を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、数平均分子量が1000〜2400である非晶質ポリエステルと、炭素数6〜12の脂肪族ジオールを70〜100モル%含有するアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70〜100モル%含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる結晶性ポリエステルとを含有してなる、トナー用結着樹脂が開示されている。
特許文献4には、低温定着性、画像の光沢性、耐フィルミング性の向上を目的として、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを含有したアルコール成分と、芳香族ジカルボン酸を含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂成分とスチレン系樹脂成分とを含む複合樹脂からなるトナー用結晶性樹脂が開示されている。
特開2007−093808号公報 特開2012−128127号公報 特開2012−118395号公報 特開2010−139659号公報
電子写真法においては、幅広い非オフセット域を有し、より一層優れた低温定着性を有するトナーの開発が求められており、特に、高速機では、定着機の温度に対してトナーに伝導するエネルギー量が少なくなるため、さらなる低温定着性の向上が求められる。低温定着性を向上させるためには、トナーにワックスや結晶性ポリエステル等を含有させることで、融解挙動を調節する方法が用いられる。しかし、融解しやすくなったトナーは、保存性に劣る。従って、低温定着性と保存性を両立するトナーが求められている。
本発明は、得られるトナーの低温定着性と保存性を両立できるトナー用結着樹脂組成物、その製造方法、及び該結着樹脂組成物を含有する静電荷像現像用トナーに関する。
本発明者らは、トナーの低温定着性及び保存性に影響する要因は、トナーに含有される結着樹脂中の樹脂の状態によるものと考えて検討を行った。その結果、炭化水素ワックスをポリエステル樹脂部分に結合させることによって得られた特定の複合樹脂と特定の原料モノマーを用いて得られた結晶性ポリエステルを混合することで、得られるトナーに優れた低温定着性及び保存性を発現させることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
〔1〕 ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、前記複合樹脂が、融点が60〜110℃である水酸基を有する炭化水素ワックス由来の構造部位を0.5〜10質量%含み、前記結晶性ポリエステルが、炭素数6〜12の脂肪族ジオールを含む原料モノマーを用いて得られる、トナー用結着樹脂組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂組成物を含有した、静電荷像現像用トナー、
〔3〕 前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂組成物と炭化水素ワックスを含有する、トナー用結着樹脂組成物、並びに
〔4〕 融点が60〜110℃である水酸基を有する炭化水素ワックスの存在下に、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させるとともに、該水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率が40〜98%となるまで反応させる工程(1)、工程(1)の重縮合物及びスチレンを含むビニル系樹脂の原料モノマーとを混合して付加重合反応を行う工程(2)、及び工程(2)で得られたポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを混合する工程(3)とを有するトナー用結着樹脂組成物の製造方法
に関する。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、得られるトナーの低温定着性及び保存性を両立することができるという優れた効果を奏する。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを有するトナー用結着樹脂組成物であって、前記複合樹脂のポリエステル樹脂部分が、融点が60〜110℃である水酸基を有する炭化水素ワックス由来の構造部位を0.5〜10質量%含み、前記結晶性ポリエステルが、炭素数6〜12のジオールを含む原料モノマーを用いて得られるものである。
本発明の結着樹脂組成物を含有したトナーが、低温定着性と保存性を両立することができる理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明の結着樹脂組成物はポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と、長鎖のモノマーを用いる結晶性ポリエステルを有する。非晶質の複合樹脂におけるポリエステル樹脂部分と結晶性ポリエステル樹脂は相溶性に乏しく、低温で融解しやすい結晶ドメインが非晶質樹脂に覆われるため、保存性に優れるものとなる。しかし、相溶性が著しく低下すると、定着時にも低温で融解しにくく、低温定着性に乏しいものとなる。また、結晶性ポリエステルに短鎖のモノマーを用いると相溶性が向上するものの、保存性が低下する。
本発明においては、非晶質の複合樹脂が、ポリエステル樹脂に水酸基を有する炭化水素ワックス由来の構造部位を含み、さらにビニル系樹脂部分を含む。このように、構造中に少量の非常に長鎖の炭化水素基と、ポリエチレン構造を主鎖としたビニル系樹脂部分を櫛形構造で含むことによって、結晶性ポリエステルと複合樹脂全体が相溶することなく、結晶ドメインが非晶質樹脂に覆われる形状は維持したまま、界面のみが相溶し、印刷時には低温で定着するものと考えられる。
このようにして、低温定着性と保存性を両立することができるものと考えられる。
なお、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であり、非晶質樹脂は1.4を超えるか、0.6未満の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、ワックスに由来するピークを除いて、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークとする。
複合樹脂は、ポリエステル樹脂部分の原料モノマー、水酸基を有する炭化水素ワックス、スチレンを含むビニル系樹脂部分の原料モノマーを用い、重縮合反応と付加重合反応を行って得られる。
ポリエステル樹脂部分の原料モノマーとしては、アルコール成分とカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の、式(I):
Figure 0006315795
(式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)
で表される、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水素添加ビスフェノールA等の2価のアルコール;ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
本発明においては、アルコール成分として、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が用いられていることが好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、保存性、特に高温高湿下での長期保存性の観点から、アルコール成分中、80〜100モル%が好ましく、90〜100モル%がより好ましく、95〜100モル%がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
一方、カルボン酸成分において、2価のカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、帯電性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましく、テレフタル酸及びイソフタル酸がより好ましく、テレフタル酸がさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、保存性、特に高温高湿下での長期保存性の観点から、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、90モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、粉砕性の観点から、カルボン酸成分中、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。また、30モル%以下が好ましい。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、適宜含有されていてもよい。
水酸基を有する炭化水素ワックスは、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素ワックスを酸化処理により変性させて得られるものである。酸化処理の方法としては、例えば、特開昭62−79267号公報、特開2010−197979号公報記載の方法等が挙げられる。具体的には、炭化水素ワックスをホウ酸の存在下で酸素を含有するガスで液相酸化することにより、酸化する方法がある。これらの方法によれば、2級水酸基を有する炭化水素ワックスを合成することができ、好ましい。
水酸基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、ベーカー・ペトロライト社製のユニリン700、ユニリン425等が挙げられる。
炭化水素ワックスの変性率は、保存性の観点から、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、同様の観点から、90%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。ここで、水酸基を有する炭化水素ワックスにおける水酸基の数はワックス1分子につき1つであり、ワックスにおける水酸基の数が水酸基を有するワックスの分子数に相当すると仮定した場合の、炭化水素ワックス全分子のうち水酸基を有する炭化水素ワックス分子の割合のことをいい、実施例に示すように、水酸基価と分子量より算出される値である。
炭化水素ワックスの水酸基は、保存性、特に高温高湿下での長期保存性の観点から、2級水酸基であることが好ましい。2級水酸基の割合は、炭化水素ワックスの水酸基中、90〜100%が好ましく、100%がより好ましい。2級水酸基の割合はNMR(核磁気共鳴分光法)によって求められる。
水酸基を有する炭化水素ワックスの融点は、低温定着性の観点から、60℃以上であり、好ましくは65℃以上、より好ましくは70℃以上である。また、低温定着性の観点から、110℃以下であり、好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下である。また、これらの観点から、水酸基を有する炭化水素ワックスの融点は、60〜110℃であり、好ましくは65〜100℃、より好ましくは70〜95℃である。
水酸基を有する炭化水素ワックスの分子量は、低温定着性の観点から、200以上が好ましく、300以上がより好ましく、500以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、2000以下が好ましく、1500以下がより好ましく、1300以下がさらに好ましい。また、これらの観点から、水酸基を有する炭化水素ワックスの分子量は、200〜2000が好ましく、300〜1500がより好ましく、500〜1300がさらに好ましい。
ビニル系樹脂部分は構成単位としてスチレンを含むことが好ましい。スチレンの含有量は、ビニル系樹脂部分の原料モノマー中、保存性の観点から、70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%がさらに好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましい。また、保存性と低温定着性を両立する観点から、80〜95質量%がより好ましく、80〜90質量%がさらに好ましく、85〜90質量%がさらに好ましい。
スチレン以外の原料モノマーとしては、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。これらの中では、トナーの低温定着性の観点から、(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステルのアルキル基の炭素数は、トナーの低温定着性の観点から、4〜8が好ましく、4〜6がより好ましい。
(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステルの含有量は、ビニル系樹脂部分の原料モノマー中、トナーの低温定着性の観点から、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、10〜20質量%がさらに好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。
複合樹脂は、両反応性モノマー由来の構造部位を含んでいることが好ましく、従って、複合樹脂の製造には、ポリエステル樹脂部分の原料モノマーとビニル系樹脂部分の原料モノマーに加えて、両反応性モノマーが用いられていることが好ましい。
両反応性モノマーは、ポリエステル樹脂部分の原料モノマーとビニル系樹脂部分の原料モノマーのいずれとも反応し得る。両反応性モノマーを用いることにより、ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とが両反応性モノマーを介して部分的に化学結合し、ポリエステル樹脂中にビニル系樹脂がより微細に、かつ均一に分散した樹脂が得られる。
両反応性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が好ましく、なかでも、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸がさらに好ましい。カルボキシ基を1つのみ有する(メタ)アクリル酸を用いた場合、ワックス鎖の運動が阻害されず、ワックスの再結晶化が促進されるため、低温定着性と保存性が良好になると考えられる。
両反応性モノマー由来の構造部位の含有量は、ポリエステル樹脂部分のアルコール成分100モルに対して、低温定着性の観点から、1.2モル以上が好ましく、2.0モル以上がより好ましく、4.0モル以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、12.0モル以下が好ましく、11.0モル以下がより好ましく、10.0モル以下がさらに好ましい。両反応性モノマーの量は、ポリエステル樹脂のアルコール成分100モルに対して、1.2〜12.0モルが好ましく、2.0〜11.0モルがより好ましく、4.0〜10.0モルがさらに好ましい。
複合樹脂は、例えば、水酸基を有する炭化水素ワックスの存在下に、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させるとともに、該水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率が40〜98%となるまで反応させる工程(1)、工程(1)の重縮合物及びスチレンを含むビニル系樹脂部分の原料モノマーとを混合して付加重合反応を行う工程(2)とを有する方法により得られる。両反応性モノマーを用いる場合は、ビニル系樹脂部分の原料モノマーとともに重合系に添加して、付加重合反応を行うことが好ましい。即ち、工程(2)において、工程(1)の重縮合物と両反応性モノマー及びスチレンを含むビニル系樹脂部分の原料モノマーとを混合して付加重合反応を行うことが好ましい。
ポリエステル樹脂部分の原料モノマーの重縮合反応とビニル系樹脂部分の原料モノマーの付加重合反応は同一反応容器中で行うことが好ましい。また、それぞれの重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。
また、ポリエステル樹脂部分の原料モノマーとして3価以上の原料モノマーを使用する場合は、工程(2)の前に、3価以上の原料モノマーを反応系に添加し、工程(2)を行った後に、再度温度を上げて、重縮合反応を行ってもよい。
工程(1)における重縮合反応時の温度は、現像性の観点から、200℃以上が好ましく、225℃以上がより好ましい。保存性、特に高温高湿下での長期保存性の観点から、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。また、重縮合反応時の温度は、200〜300℃が好ましく、225〜250℃がより好ましい。
重縮合反応は、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下で行ってもよい。エステル化触媒としては、スズ触媒、チタン触媒等が挙げられる。スズ触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等が挙げられるが、現像性の観点から、2-エチルヘキサン酸錫(II)等のSn−C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。チタン触媒としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
工程(2)における付加重合反応時の温度は、反応性、分子量調整の観点から、140℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。反応性、分子量調整の観点から、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
また、付加重合反応は、必要に応じて、重合開始剤等の存在下で行ってもよい。重合開始剤としては、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、ビニル系樹脂部分の原料モノマー100質量部に対して、4〜12質量部が好ましく、6〜10質量部がより好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分の質量比(ポリエステル樹脂部分/ビニル系樹脂部分)は、高温高湿下での長期保存性の観点から、50/50〜90/10が好ましく、55/45〜85/15がより好ましく、60/40〜80/20がさらに好ましい。なお、この質量比において、ポリエステル樹脂部分に炭化水素ワックスの質量は含めない。また、(メタ)アクリル酸の質量もポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分のいずれにも含めない。
複合樹脂に含まれる水酸基を有する炭化水素ワックスに由来する構造部位は、複合樹脂中のポリエステル樹脂部分で前記ワックスとエステル結合している部位であり、その量は、例えば、測定核をプロトンとする核磁気共鳴分光法(1H-NMR)により測定し、ポリエステルと炭化水素ワックスに特徴的なピークの積分値によって算出することができる。
ポリエステル樹脂部分に含まれる水酸基を有する炭化水素ワックスの量は、現像性の観点から、複合樹脂中、0.5質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、10質量%以下であり、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。ポリエステル樹脂部分に含まれる水酸基を有する炭化水素ワックスの量は、複合樹脂中、0.5〜10質量%であり、1.0〜5.0質量%が好ましく、1.5〜3.0質量%がより好ましく、2.0〜3.0質量%がさらに好ましい。
なお、水酸基を有する炭化水素ワックスの量は、重縮合反応に供する量で調整することができるが、水酸基を有する炭化水素ワックスは、アルコール成分と同様に、カルボン酸成分と反応するため、炭化水素ワックスの反応率を調整し、重合後、未反応の炭化水素ワックスを除去することにより、その量を調整することもできる。水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率は、現像性の観点から、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、98%以下が好ましい。水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率は、30〜98%が好ましく、40〜98%が好ましく、70〜98%がより好ましい。従って、工程(1)では、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させるとともに、水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率が上記反応率となるまで反応させることが好ましい。ワックスの反応率は、未反応ワックス部の吸熱量から算出することができる。未反応の炭化水素ワックスも、離型剤として機能するため、複合樹脂中に残存していてもよい。
複合樹脂は、未反応の炭化水素ワックスを含む炭化水素ワックスと併用することが好ましく、本発明の結着樹脂組成物は、複合樹脂と結晶性ポリエステルを含む本発明の結着樹脂組成物と炭化水素ワックスを含有する、トナー用結着樹脂組成物として用いることが好ましい。
本発明の結着樹脂組成物中に含まれる炭化水素ワックスの量は、保存性、特に高温高湿下での長期保存性を向上させる観点から、複合樹脂と結晶性ポリエステルからなる結着樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましい。
ビニル系樹脂の構成単位におけるスチレンの割合は、長期保存性の観点から、80〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%がさらに好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましい。
複合樹脂の軟化点は、保存性、特に高温高湿下での長期保存性の観点から、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい。複合樹脂の軟化点は、高温高湿下での長期保存性と低温定着性の観点から、80〜160℃が好ましく、90〜150℃がより好ましく、100〜140℃がさらに好ましい。
複合樹脂のガラス転移温度は、保存性、特に高温高湿下での長期保存性の観点から、45℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、70℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましい。
結晶性ポリエステルのアルコール成分は、保存性の観点から、炭素数6〜12、好ましくは9〜12の脂肪族ジオールを含有する。
炭素数6〜12の脂肪族ジオールとしては、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられる。
脂肪族ジオールの炭素数は、保存性の観点から、6以上が好ましく、9以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、12以下が好ましい。
また、炭素数6〜12の脂肪族ジオールは、トナーの低温定着性を向上させる観点から、水酸基を炭素鎖の末端に有していることが好ましく、α,ω−直鎖アルカンジオールであることが好ましい。
アルコール成分には、炭素数6〜12の脂肪族ジオール以外のアルコールが含まれていてもよいが、炭素数6〜12の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、70〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
炭素数6〜12の脂肪族ジオール以外のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール等の炭素数2〜7のα,ω−脂肪族ジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、グリセリン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
結晶性ポリエステルのカルボン酸成分は、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有していることが好ましい。
炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、スベリン酸(炭素数:8)、アゼライン酸(炭素数:9)、セバシン酸(炭素数:10)、ドデカン二酸(炭素数:12)、側鎖にアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸、これらの酸の無水物、それらの炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。なお、本発明において、カルボン酸化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び炭素数1〜3のアルキルエステルも含まれる。ただし、アルキルエステル部のアルキル基の炭素数は、脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数には含めない。
脂肪族ジカルボン酸化合物における鎖状炭化水素基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、脂肪族ジカルボン酸化合物の炭素数は、10以上が好ましい。また、低温定着性の観点から、11以下が好ましい。
カルボン酸成分には、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸化合物が含まれていてもよいが、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、70〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
他のカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物、炭素数2〜7の脂肪族ジカルボン酸化合物、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸化合物等が挙げられる。
炭素数6〜12の脂肪族ジオールと炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物の総含有量は、原料モノマー中、80〜100モル%が好ましく、85〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、200〜250℃程度の温度で重縮合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。重合禁止剤としては、tert-ブチルカテコール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
結晶性ポリエステルの軟化点は、保存性の観点から、50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。また、低温定着性の観点から、120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下がさらに好ましい。
また、結晶性ポリエステルの軟化点は、低温定着性の観点から、複合樹脂の軟化点よりも低いことが好ましく、その差は、20℃以上が好ましく、20〜40℃がより好ましい。ここで、複合樹脂の軟化点との差とは、複合樹脂が複数の樹脂からなる場合、加重平均した軟化点との差をいう。
結晶性ポリエステルの融点は、保存性の観点から、60℃以上が好ましく、65℃以上がより好ましい。また、低温定着性の観点から、110℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。
複合樹脂と結晶性ポリエステルの質量比(複合樹脂/結晶性ポリエステル)は、低温定着性及び保存性の観点から、65/35〜97/3が好ましく、低温定着性及び保存性を両立し、現像性を向上させる観点から、85/15〜95/5がより好ましい。複合樹脂と結晶性ポリエステルをこの比率とすることで、複合樹脂のワックス由来の部分と結晶性ポリエステルが相互に微細に分散され、さらに現像性が向上すると考えられる。
本発明の結着樹脂組成物を含有する静電荷像現像用トナーは、低温定着性と保存性を両立することができる。なお、本発明の結着樹脂組成物は、工程(1)及び工程(2)で得られた複合樹脂と結晶性ポリエステルを混合する工程(3)により得られたものを用いてもよく、トナーを製造する際に、それぞれの樹脂を直接原料の混合に供してもよい。
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の結着樹脂組成物以外の公知の樹脂が併用されていてもよいが、本発明の結着樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、90〜100質量%が好ましく、93〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%がさらに好ましく、実質的に100質量%がさらに好ましい。
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、他のワックスが離型剤として含有されていてもよい。
本発明のトナーには、着色剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよく、着色剤、離型剤及び荷電制御剤が含有されることが好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましい。また、40質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成社製)等が挙げられる。
また、負帯電性の荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット社製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「E-304」(以上、オリエント化学工業社製)、「TN-105」(保土谷化学工業社製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物、例えば「TN105」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性の観点から、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましく、1質量部以上がさらに好ましく、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下がさらに好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、外添剤を用いることが好ましく、外添剤としては、無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の例は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛が挙げられ、シリカが好ましい。
シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの中ではヘキサメチルジシラザンが好ましい。
外添剤の平均粒子径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましい。また、250nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、90nm以下がさらに好ましい。
外添剤の含有量は、外添剤で処理する前のトナー100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がさらに好ましい。また、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のトナー用結着樹脂組成物、その製造方法、及び該結着樹脂を含有した静電荷像現像用トナーを開示する。
<1> ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、前記複合樹脂が、融点が60〜110℃である水酸基を有する炭化水素ワックス由来の構造部位を0.5〜10質量%含み、前記結晶性ポリエステルが、炭素数6〜12の脂肪族ジオールを含む原料モノマーを用いて得られる、トナー用結着樹脂組成物。
<2> 複合樹脂と結晶性ポリエステルの質量比(複合樹脂/結晶性ポリエステル)が65/35〜97/3である、前記<1>記載のトナー用結着樹脂組成物。
<3> 結晶性ポリエステルの原料モノマーが、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を含み、炭素数6〜12の脂肪族ジオールと炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物の総含有量が、原料モノマー中、80〜100モル%である、前記<1>又は<2>記載のトナー用結着樹脂組成物。
<4> 結晶性ポリエステルの融点が60〜110℃である、前記<1>〜<3>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<5> 水酸基を有する炭化水素ワックスの分子量が200〜2000である、前記<1>〜<4>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<6> 炭化水素ワックスの水酸基が2級水酸基である、前記<1>〜<5>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<7> 複合樹脂の軟化点が90〜150℃である、前記<1>〜<6>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<8> 複合樹脂のポリエステル樹脂部分の原料モノマーであるアルコール成分が、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を80〜100モル%含有する、前記<1>〜<7>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<9> 複合樹脂のポリエステル樹脂部分の原料モノマーであるカルボン酸成分が、芳香族ジカルボン酸化合物を60モル%以上含有する、前記<1>〜<8>いずれか記載のトナー用結着樹脂の製造方法。
<10> ビニル系樹脂部分が、構成単位としてスチレンを70〜100質量%含む、前記<1>〜<9>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<11> ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分の質量比(ポリエステル樹脂部分/ビニル系樹脂部分)が50/50〜90/10である、前記<1>〜<10>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<12> 複合樹脂が、(メタ)アクリル酸由来の構造部位を含む、前記<1>〜<11>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<13> (メタ)アクリル酸由来の構造部位の含有量が、ポリエステル樹脂部分の原料モノマーであるアルコール成分100モルに対して、1.2〜12.0モルである、前記<12>記載のトナー用結着樹脂組成物。
<14> 前記<1>〜<13>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物を含有した、静電荷像現像用トナー。
<15> 前記<1>〜<13>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物と炭化水素ワックスを含有する、トナー用結着樹脂組成物。
<16> ビニル系樹脂部分が、構成単位として(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステルを0〜30質量%含む、前記<1>〜<15>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物。
<17> 融点が60〜110℃である水酸基を有する炭化水素ワックスの存在下に、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させるとともに、該水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率が40〜98%となるまで反応させる工程(1)、工程(1)の重縮合物及びスチレンを含むビニル系樹脂の原料モノマーとを混合して付加重合反応を行う工程(2)、及び工程(2)で得られたポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを混合する工程(3)とを有するトナー用結着樹脂組成物の製造方法。
<18> 工程(1)における重縮合反応時の温度が200〜300℃である、前記<17>記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法。
<19> 複合樹脂のポリエステル樹脂部分の数平均分子量が2000〜3000である、前記<17>又は<18>記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法。
<20> 工程(1)における重縮合反応を、スズ触媒又はチタン触媒の存在下で行う、前記<17>〜<19>いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法。
<21> スズ触媒が、Sn−C結合を有していない錫(II)化合物である、前記<20>記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法。
〔樹脂の軟化点(Tm)〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度50℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの頂点の温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
〔樹脂のガラス転移温度(Tg)〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔炭化水素ワックスの融点(Mp)〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔炭化水素ワックスの変性率〕
JIS K0070の方法により測定した水酸基価と以下の方法で測定する分子量より算出する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒を、クロロホルムに変更する。
〔炭化水素ワックスにおける2級水酸基の割合〕
下記測定条件でNMR法(核磁気共鳴分光法)を用いて測定する。
測定機器:Mercury-400 (VARIAN社製)
観測核:1H
観測範囲:6410.3Hz
データポイント数:65536
パルス幅:45°(4.5μs)
待ち時間:10s
積算回数:8回
測定温度:室温
測定溶媒:クロロホルム溶液
試料濃度:1.0質量%
〔炭化水素ワックスの分子量(Mw)〕
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
〔炭化水素ワックスの反応率〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)により得られた樹脂の吸熱面積と、反応前の炭化水素ワックスの吸熱面積を測定し、下記式に従って算出する。
Figure 0006315795
(式中、Xは、ポリエステル樹脂の原料モノマー100質量部に対する反応に使用した炭化水素ワックスの質量比を示す。)
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径は、個数平均粒子径を指し、外添剤の走査型電子顕微鏡(SEM)写真から測定した、500個の粒子の粒径の平均値をいう。長径と短径がある場合は長径を指す。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔樹脂の製造〕
製造例1〔樹脂AA、AB、AD〕
表1に示す無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、炭化水素ワックス及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で表1に記載の反応温度及び反応時間で重縮合させた後、160℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸を添加した後、ビニル系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合物を、160℃で攪拌しながら1時間かけて滴下し、さらに1時間160℃を保持して付加重合反応を行った後、200℃に昇温し、重縮合反応を行い、軟化点が表1に示す軟化点に達するまで反応させて、複合樹脂を得た。
なお、樹脂ABの製造においては、炭化水素ワックスを用いなかった。
製造例2〔樹脂AC〕
表1に示す無水トリメリット酸以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、炭化水素ワックス及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で235℃で6時間重縮合させた後、160℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸を添加した後、200℃に昇温し、重縮合反応を行い、軟化点が表1に示す軟化点に達するまで反応させて、非晶質ポリエステルを得た。
Figure 0006315795
製造例4〔樹脂A〜Iの製造〕
表2に示す原料モノマーを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、140℃で6時間保持、さらに200℃まで6時間かけて昇温後、2-エチルヘキサン酸錫(II)20g及び没食子酸2gを入れ、200℃にて1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させて、結晶性ポリエステルを得た。
Figure 0006315795
〔静電荷像現像用トナーの製造〕
実施例1〜及び比較例1〜5
表3に示す樹脂を混合した結着樹脂100質量部、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)7質量部、及び荷電制御剤「ボントロン S-34」(オリエント化学社製)1質量部を予備混合した後、二軸押出機で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級工程を経て、体積中位粒径(D50)6μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル社製、疎水化処理剤:HMDS、平均粒子径:30nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
得られたトナー各々39質量部と、スチレン・メチルメタクリレート樹脂被覆されたフェライト粉(平均粒径100μm)1261質量部とを混合して二成分現像剤を得た。
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBond SF-70NA(75g/m2)]上に、未定着の状態で印刷物を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で前記未定着状態の印刷物の定着試験を行った。
500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムで、定着機を通して定着された画像を5往復こすり、こする前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(こすり後/こすり前)が最初に70%を越える定着ローラの温度を最低定着温度とした。最低定着温度が低いほど低温定着性が良好である。得られた最低定着温度から、以下の評価基準により低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
A+:120℃未満
A:120℃以上、130℃未満
B:130℃以上、165℃未満
C:165℃以上、180℃未満
D:180℃以上
試験例2〔保存性〕
トナー5gを円柱型容器に入れ、50℃、湿度20%で72時間放置後、200メッシュ(目開き:75μm)の篩にかけ、通過したトナーの質量を秤量し、以下の評価基準に従って保存性を評価した。通過したトナーの質量が多いほど保存性に優れる。以下の評価基準により短期保存性を評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
A:篩を通過したトナーが90質量%以上
B:篩を通過したトナーが80質量%以上、90質量%未満
C:篩を通過したトナーが20質量%以上、80質量%未満
D:篩を通過したトナーが20質量%未満
試験例3〔現像性〕
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)のIDカートリッジにトナーを実装し、温度30℃、相対湿度65%の条件下で、70r/min(36枚/分相当)で空回し運転を行い、現像ロール表面のスジムラ発生を目視にて観察し、スジムラが発生するまでの時間を測定した。スジムラが発生するまでの時間が長いほど現像性に優れる。なお、スジムラとは現像ロール上に付着しているトナー量にばらつきが発生している状態のことをいい、スジムラの発生により、印字の際に画像濃度に濃淡が発生する。結果を表3に示す。
(評価基準)
A:スジムラが発生するまでの時間が1週間以上
B:スジムラが発生するまでの時間が1日以上、1週間未満
C:スジムラが発生するまでの時間が1日未満
Figure 0006315795
以上の結果より、実施例のトナーは、比較例のトナーに比べて、いずれも低温定着性と保存性を両立できることがわかる。
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられるトナーの結着樹脂組成物として好適に用いられるものである。

Claims (9)

  1. ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを含有するトナー用結着樹脂組成物であって、前記複合樹脂が、融点が60〜110℃である水酸基を有する炭化水素ワックス由来の構造部位を0.5〜10質量%含み、前記結晶性ポリエステルが、炭素数6〜12の脂肪族ジオールを含む原料モノマーを用いて得られる、トナー用結着樹脂組成物の製造方法であって、前記水酸基を有する炭化水素ワックスの存在下に、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させるとともに、該水酸基を有する炭化水素ワックスの反応率が40〜98%となるまで反応させる工程(1)、工程(1)の重縮合物及びスチレンを含むビニル系樹脂の原料モノマーとを混合して付加重合反応を行う工程(2)、及び工程(2)で得られたポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分とを有する非晶質の複合樹脂と結晶性ポリエステルを混合する工程(3)を有するトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  2. 複合樹脂と結晶性ポリエステルの質量比(複合樹脂/結晶性ポリエステル)が65/35〜97/3である、請求項1記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  3. 結晶性ポリエステルの原料モノマーが、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を含み、炭素数6〜12の脂肪族ジオールと炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物の総含有量が、原料モノマー中、80〜100モル%である、請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  4. 水酸基を有する炭化水素ワックスの分子量が200〜2000である、請求項1〜3いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  5. 炭化水素ワックスの水酸基が2級水酸基である、請求項1〜4いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  6. 複合樹脂のポリエステル樹脂部分の原料モノマーであるアルコール成分が、式(I):
    Figure 0006315795
    (式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は1〜16である)
    で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を80〜100モル%含有する、請求項1〜5いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  7. ポリエステル樹脂部分とビニル系樹脂部分の質量比(ポリエステル樹脂部分/ビニル系樹脂部分)が50/50〜90/10である、請求項1〜6いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  8. 複合樹脂が、(メタ)アクリル酸由来の構造部位を含む、請求項1〜7いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法
  9. 工程(1)における重縮合反応時の温度が200〜300℃である、請求項1〜8いずれか記載のトナー用結着樹脂組成物の製造方法。
JP2014106906A 2013-05-28 2014-05-23 トナー用結着樹脂組成物 Active JP6315795B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014106906A JP6315795B2 (ja) 2013-05-28 2014-05-23 トナー用結着樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013112046 2013-05-28
JP2013112046 2013-05-28
JP2014106906A JP6315795B2 (ja) 2013-05-28 2014-05-23 トナー用結着樹脂組成物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015007765A JP2015007765A (ja) 2015-01-15
JP2015007765A5 JP2015007765A5 (ja) 2015-02-26
JP6315795B2 true JP6315795B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=52338051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014106906A Active JP6315795B2 (ja) 2013-05-28 2014-05-23 トナー用結着樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6315795B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6124450B2 (ja) * 2013-05-28 2017-05-10 花王株式会社 トナー用結着樹脂
JP6427426B2 (ja) * 2015-01-22 2018-11-21 花王株式会社 電子写真用トナー用結着樹脂組成物粒子の水系分散体の製造方法
JP6427444B2 (ja) * 2015-03-16 2018-11-21 花王株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP6598112B2 (ja) * 2015-10-08 2019-10-30 花王株式会社 電子写真用トナー及びその製造方法
JP6693034B2 (ja) * 2015-11-05 2020-05-13 花王株式会社 電子写真トナー
JP6631252B2 (ja) * 2015-12-28 2020-01-15 花王株式会社 静電荷像現像用トナー
JP6950910B2 (ja) * 2016-06-22 2021-10-13 花王株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP6707796B2 (ja) * 2016-06-22 2020-06-10 花王株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP6711314B2 (ja) * 2016-07-20 2020-06-17 花王株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
US10241430B2 (en) 2017-05-10 2019-03-26 Canon Kabushiki Kaisha Toner, and external additive for toner
JP6547976B2 (ja) * 2017-06-26 2019-07-24 花王株式会社 トナー用結着樹脂組成物
JP6923176B2 (ja) * 2017-11-17 2021-08-18 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法
JP2020008816A (ja) 2018-07-12 2020-01-16 花王株式会社 トナー用結着樹脂組成物
JP6875477B2 (ja) 2019-09-13 2021-05-26 花王株式会社 静電荷像現像用トナー

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4189989B2 (ja) * 2001-09-14 2008-12-03 花王株式会社 トナー用結着樹脂の製造方法
JP4079255B2 (ja) * 2001-09-28 2008-04-23 花王株式会社 トナー
JP3897687B2 (ja) * 2002-12-09 2007-03-28 花王株式会社 トナー用結着樹脂
JP4721343B2 (ja) * 2005-12-12 2011-07-13 花王株式会社 電子写真用トナー用結着樹脂
JP4773862B2 (ja) * 2006-04-11 2011-09-14 キヤノン株式会社 トナー
JP5060072B2 (ja) * 2006-06-29 2012-10-31 花王株式会社 電子写真用トナー
JP5656604B2 (ja) * 2010-12-15 2015-01-21 キヤノン株式会社 トナー
JP6124450B2 (ja) * 2013-05-28 2017-05-10 花王株式会社 トナー用結着樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015007765A (ja) 2015-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6315795B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6124450B2 (ja) トナー用結着樹脂
JP6054810B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6223109B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6316106B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6387269B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6181580B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6055152B1 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6392635B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物の製造方法
JP6223102B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6055153B1 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6184023B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP5579546B2 (ja) 電子写真用トナー
JP6263022B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP6368632B2 (ja) 静電荷像現像トナー用結着樹脂組成物
JP6249890B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP5576223B2 (ja) 電子写真用トナー
JP6132631B2 (ja) ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法
JP6100624B2 (ja) ポリエステル系トナー用結着樹脂の製造方法
WO2011043257A1 (ja) トナー用ポリエステル系樹脂
JP6378579B2 (ja) トナー用結着樹脂組成物
JP2016218249A (ja) 電子写真用トナー
JP6673757B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2016012067A (ja) 電子写真用トナー
JP2020042151A (ja) 静電荷像現像用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180326

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6315795

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250