JP5576223B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー、該トナーに用いられる結着樹脂及び結晶性ポリエステルに関する。
特許文献1には、高温高湿条件下においても、低温定着性を維持しつつ、高濃度画像が得られ、かぶりを抑制できる、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を少なくとも含有し、30℃90%RHにおける0.1Hz、500Vでの誘電損失率ε”が、0.1以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーが開示されている。
特許文献2には、帯電性、低温定着性、及び、クリーニング性の3つの特性を高いレベルで両立させることができる結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂及び無定形高分子を少なくとも含み、連続したマトリックスからなり、前記結晶性ポリエステル樹脂を含むコア層と、前記コア層を完全に被覆し、前記無定形高分子を含むシェル層と、を含む静電荷像現像用トナーにおいて、形状係数SF1の平均値が110以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
特開2009−75342号公報 特開2005−215298号公報
特許文献1、2には、炭素数2〜12の脂肪族ジオールを含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分を縮重合させて得られる結晶性ポリエステルが記載されているが、未だ低温定着性は十分とは言えず、さらにトナー使用時の微粉発生も課題でもある。
本発明の課題は、トナーの低温定着性及び微粉の発生の抑制に優れる、電子写真用トナー、該トナーに用いられるトナー用結着樹脂及び該結着樹脂に用いられるトナー用結晶性ポリエステルを提供することにある。
本発明は、
〔1〕 炭素数2〜12の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含むカルボン酸成分を縮重合させて得られる結晶性ポリエステルであり、100℃における損失弾性率が500〜100,000Paであり、かつ100℃における損失弾性率と140℃における損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が1〜10である結晶性ポリエステルと、非晶質ポリエステルとを含有してなる、トナー用結着樹脂、
〔2〕 前記〔1〕記載の結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー、並びに
〔3〕 炭素数2〜12の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含むカルボン酸を縮重合して得られるトナー用結晶性ポリエステルであって、該結晶性ポリエステルの100℃における損失弾性率が500〜100,000Paであり、且つ100℃における損失弾性率と140℃における損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が1〜10である、結晶性ポリエステル
に関する。
本発明のトナー用結着樹脂を含有する電子写真用トナーは、低温定着性及び微粉の発生の抑制に優れた効果を奏する。
炭素数2〜12の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含むカルボン酸成分を縮重合させて得られる結晶性ポリエステルは、低融点であるものの、非晶質ポリエステルとともに用いても、予想されるほど、優れた低温定着性を示さない。
この原因として、低融点である前記結晶性ポリエステルは、非晶質ポリエステルと親和性が低く、溶融混練後、再凝集を起こし、結晶性ポリエステルの結晶粒径が大きくなったためと考えられる。
そこで、本発明者らは、前記結晶性ポリエステルの損失弾性率を所定の範囲に調整することで、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとが溶融した時の粘度を高め、、非晶質ポリエステル樹脂中に前記結晶性ポリエステルを微分散させることができ、トナーの低温定着性を向上させ、かつ現像時、耐久時のトナーの微粉の発生を抑制できることを見出した。トナーの微粉の発生を抑制できたのは、前記結晶性ポリエステルの分散性を高めて、結晶性ポリエステルの結晶が小粒径したため、結晶性ポリエステルが再結晶化した時の収縮による、トナー中の比較的大きな空隙の発生を抑制できたためと考えられる。
結晶性ポリエステルの100℃における損失弾性率(G”)は、非晶質ポリエステル中に結晶性ポリエステルが分散したまま、定着することができるため、トナーの低温定着性に優れる観点から、500Pa以上であり、好ましくは1,000Pa以上であり、より好ましくは4,000Pa以上であり、トナー全体の粘度を定着可能粘度に下げ、トナーの低温定着性に優れる観点から、100,000Pa以下であり、好ましくは50,000Pa以下であり、より好ましくは30,000Pa以下であり、さらに好ましくは20,000Pa以下である。
従って、トナーの低温定着性の観点から、500〜100,000Paであり、好ましくは1,000〜50,000Pa、より好ましくは4,000〜30,000Pa、さらに好ましくは4000〜20,000Paである。損失弾性率は粘性の指標として有効であり、トナーの定着温度よりもやや低い温度である100℃におけるG”の値は、定着性能と相関がある。
結晶性ポリエステルの140℃における損失弾性率(G”)は、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの溶融粘度差を小さくすることで、非晶質ポリエステル中に結晶性ポリエステルを分散し易くし、トナーの低温定着性と微粉の発生の抑制とに優れる観点から、50Pa以上が好ましく、600Pa以上がより好ましく、1000Pa以上がさらに好ましい。トナー全体を溶融混練し易い粘度となる観点から、50,000Pa以下が好ましく、20,000Pa以下がより好ましく、10,000Pa以下がさらに好ましく、5,000Pa以下がよりさらに好ましい。
従って、結晶性ポリエステルの140℃におけるG”は、トナーの低温定着性と微粉の発生の抑制の観点から、50〜50,000Paが好ましく、600〜20,000Paがより好ましく、1000〜10,000Paがさらに好ましく、1000〜5,000Paがよりさらに好ましい。140℃はトナーの溶融混練時の温度に近いので、140℃におけるG”の値は溶融工程での物性に相当し、結晶性ポリエステルの混練状態の評価に適している。
結晶性ポリエステルの損失弾性率(G”)は、縮重合の反応温度を高めたり、反応時間を長くしたり、触媒量を増加させたり、助触媒を併用したりして縮重合の反応性を高めることで大きくすることができ、またアルコール成分として長鎖のアルコールを用い、結晶性を高めることでも大きくすることができる。
前述の通り、140℃におけるG”の値は、溶融工程での物性に対応し、100℃におけるG”の値は、定着工程の物性に対応している。
損失弾性率の比の値(100℃のG”/140℃のG”)は、結着樹脂の混練時のシェアを大きくし結晶性ポリエステルの分散性を高めるとともに、結晶性ポリエステルの再凝集を抑制して、低温定着性を向上させ、微粉の発生を抑制する観点から、10以下であり、7以下が好ましく、5以下がより好ましく、低温定着性を向上させる観点から、1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。
従って、トナーの低温定着性と微粉の発生を抑制する観点から、本発明の結晶性ポリエステルの100℃における損失弾性率と140℃における損失弾性率の比の値(100℃のG”/140℃のG”)は、1〜10であり、2〜7が好ましく、3〜5がより好ましい。
損失弾性率の比の値(100℃のG”/140℃のG”)は、縮重合の反応温度を高めたり、反応時間を長くしたり、触媒量を増加させたり、助触媒を併用したりして縮重合の反応性を向上することで小さくすることができ、またアルコール成分として長鎖のアルコールを用い、結晶性を高めることでも小さくすることができる。逆に、3価以上のカルボン酸成分やアルコール成分を用いて、結晶性を低下させることで、前記損失弾性率の比の値を大きくすることができる。
トナーの低温定着性の向上と微粉発生の抑制の観点から、結晶性ポリエステルは、100℃における損失弾性率が500〜100,000Paであり、かつ損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が1〜10であり、100℃における損失弾性率が1000〜50,000Paであり、かつ損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が2〜7であることが好ましく、100℃における損失弾性率が4000〜30,000Paであり、かつ損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が2〜7であることがより好ましく、100℃における損失弾性率が4000〜20,000Paであり、かつ損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が3〜5であることがさらに好ましい。
本発明の結着樹脂は、それぞれ特定の原料モノマーを用いて得られる結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含むものである。
ここで、ポリエステル等の樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち、「軟化点/吸熱の最高ピーク温度」で定義される結晶性指数によって表される。一般に、この結晶性指数が1.4を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満では結晶性が低く非晶質部分が多い。本発明において、「結晶性ポリエステル」とは、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.9〜1.2、さらに好ましくは1.0〜1.2であるポリエステルをいい、「非晶質ポリエステル」とは、結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満のポリエステルをいう。
「吸熱の最高ピーク温度」とは、実施例に記載する測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度のことを指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば、最高ピーク温度を結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)の融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークは非晶質ポリエステルのガラス転移に起因するピークとする。
樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。
結晶性ポリエステルの原料モノマーであるアルコール成分は、ポリエステルの結晶性を高める観点から、炭素数2〜12の脂肪族ジオールを含有する。
本発明における炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4-ブテンジオール等が挙げられる。これらの中でも、トナーの低温定着性及び微粉の発生の抑制の観点からは、炭素数6〜12の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数9〜12の脂肪族ジオールがより好ましく、また、結晶性の観点からは、炭素数2〜12のα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましく、炭素数6〜12のα,ω−直鎖アルカンジオールがより好ましく、炭素数9〜12のα,ω−直鎖アルカンジオールがさらに好ましい。
上記炭素数2〜12、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数9〜12の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中、70モル%以上であり、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%である。1種類の炭素数2〜12、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数9〜12のα,ω−直鎖アルカンジオールのアルコール成分中における含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
炭素数2〜12の脂肪族ジオール以外のアルコール成分としては、例えば、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む下記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
Figure 0005576223
(式中、R1O及びOR1はオキシアルキレン基であり、R1はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
結晶性ポリエステルのカルボン酸成分は、トナーの低温定着性、及び微粉の発生の抑制の観点から、少なくとも炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有する。
なお、本発明においては、カルボン酸並びにその酸無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等を、カルボン酸化合物と総称する。なお、カルボン酸化合物がアルキルエステルの場合、カルボン酸化合物の炭素数として記載している炭素数に、アルキルエステルのアルキル基の炭素数は含まれない。
炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、トナーの低温定着性、加圧保存安定性、及び環境安定性の観点から、炭素数10〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、セバシン酸がより好ましい。
炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、70モル%以上であり、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは実質的に100モル%である。当該含有量が、カルボン酸成分中、70モル%未満であると、トナーの低温定着性が低下する。
炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸化合物、炭素数2〜7の脂肪族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステルが好ましく挙げられる。
炭素数2〜7の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸等;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、樹脂の分子量調整の観点から、適宜含有されていてもよい。
縮重合反応の原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とのモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、好ましくは0.95〜1.10であり、より好ましくは0.98〜1.05である。
本発明における結晶性ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性、及び微粉の発生の抑制の観点から、60〜120℃が好ましく、65〜110℃がより好ましく、65〜100℃がさらに好ましく、65〜95℃がよりさらに好ましい。軟化点は、縮重合の反応温度を高めたり、触媒量を増加させたり、助触媒を併用したり、反応時間を長くすることで高めることができる。
本発明における結晶性ポリエステルの融点は、トナーの低温定着性、及び微粉の発生の抑制の観点から、好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜90℃、さらに好ましくは75〜90℃である。
本発明における結晶性ポリエステルの数平均分子量は、トナーの低温定着性及び微粉の発生の抑制の観点から、好ましくは3000以上、さらに好ましくは5000以上である。ただし、結晶性ポリエステルの生産性を考慮すると、数平均分子量は30,000以下が好ましく、15,000以下がより好ましい。これらの観点から、3000〜30,000がさらに好ましく、5000〜1,5000がより好ましい。
また、重量平均分子量も、トナーの低温定着性及び微粉の発生の抑制の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上であり、好ましくは500,000以下、より好ましくは300,000以下である。これらの観点から、重量平均分子量は、好ましくは10,000〜500,000であり、より好ましくは20,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜300,000である。なお、本発明において、結晶性ポリエステルの数平均分子量及び重量平均分子量は、いずれもクロロホルム可溶分を測定した値をいう。数平均分子量及び重量平均分子量は、縮重合の反応温度を高めたり、触媒量を増加させたり、助触媒を併用したり、反応時間を長くすることで大きくすることができる。
本発明において、非晶質ポリエステルは、前記結晶性ポリエステルとの親和性を向上させ、トナーの低温定着性を高めると共に、トナーの微粉の発生の抑制の観点から、炭素数2〜5の脂肪族ジオールを70モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分を重合して得られる非晶質ポリエステルが好ましい。
炭素数2〜5の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール等が挙げられる。トナーの低温定着性の観点から、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、トナーの低温定着性と加圧保存性の観点から、2級炭素原子に水酸基を有する化合物が好ましく、1,2-プロパンジオール、2,3-ブタンジオールがより好ましい。
炭素数2〜5の脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性の観点から、アルコール成分中、70モル%以上が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
炭素数2〜5の脂肪族ジオール以外のアルコール成分としては、芳香族ジオール、炭素数6〜10の脂肪族ジオール、3価以上のアルコール等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、前述のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が挙げられ、炭素数6〜10の脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール等が挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
非晶質ポリエステルのカルボン酸成分は、結晶性ポリエステルとの相溶性を向上させ、低温定着性を向上する観点から、炭素数9〜18のアルキル基を有するコハク酸(以下、単にアルキルコハク酸ともいう)及び炭素数9〜18のアルケニル基を有するコハク酸(以下、単にアルケニルコハク酸ともいう)から選ばれる少なくとも1種のコハク酸化合物(以下、単にコハク酸化合物ともいう)を含有することが好ましい。ここでいう「種類」は、アルキル基又はアルケニル基に由来するもので、アルキル基又はアルケニル基の炭素数の鎖長が異なるものや構造異性体は異なる種類のアルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸として扱う。なお、コハク酸化合物は、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸の無水物や炭素数1〜3の低級アルキルエステルであってもよい。
アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸におけるアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、トナーの低温定着性の分散性の観点から、9〜18が好ましく、9〜14がより好ましく、10〜12がさらに好ましい。それらのアルキル基及びアルケニル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、分岐鎖であることが好ましい。
分岐鎖を有する炭素数9〜18のアルキル基及びアルケニル基としては、具体的には、イソドデセニル基、イソドデシル基等が挙げられる。
トナーの低温定着性を向上させる観点から、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸は、アルキレン基を有する化合物(アルキレン化合物)と、マレイン酸、フマル酸及びそれらの酸無水物から選ばれる少なくとも1種とから得られるものであることが好ましい。
アルキレン化合物としては、炭素数が9〜18、好ましくは9〜14のものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ノルマルブチレン等から得られるもの、例えばこれらのトリマー、テトラマー等が好ましく用いられる。アルキレン化合物の合成に使用される好適な原料としては、構造異性体数を増やす観点から、分子量の小さいプロピレンが好ましい。
アルキレン化合物の合成に使用される好適な触媒としては、液体リン酸、固体リン酸、タングステン、三フッ化ホウ素錯体等が挙げられる。なお、構造異性体の数の制御容易性の観点から、ランダム重合した後に、蒸留により調整する方法が好ましい。
一方、マレイン酸、フマル酸及びそれらの酸無水物のなかでは、反応性の観点から、無水マレイン酸が好ましい。
アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸は、任意の製造方法により得ることができるが、例えば、アルキレン化合物と、マレイン酸、フマル酸及びそれらの酸無水物から選ばれる少なくとも1種とを混合し、加熱することで、エン反応を利用することにより得られる(特開昭48−23405号公報、特開昭48−23404号公報、米国特許第3,374,285号明細書等を参照)。
コハク酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、カルボン酸成分中、3〜60モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましい。
カルボン酸成分には、コハク酸化合物以外に、ジカルボン酸化合物や3価以上の多価カルボン酸化合物が含有されていてもよい。
ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
カルボン酸成分は、トナーの帯電率の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましい。カルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性及び帯電率の観点から、好ましくは30〜90モル%、より好ましくは40〜90モル%、さらに好ましくは50〜85モル%である。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
その他のカルボン酸化合物として、ロジン;フマル酸、マレイン酸、アクリル酸等で変性されたロジン等も挙げられる。
本発明において、カルボン酸成分は、樹脂の分子量を上げ、トナーの耐キャリア汚染性及び保存性を高める観点から、3価以上の多価カルボン酸化合物、好ましくはトリメリット酸化合物、より好ましくは無水トリメリット酸を含有していることが好ましい。3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、0.1〜30モル%が好ましく、1〜25モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、樹脂の分子量調整の観点から、適宜含有されていてもよい。
本発明において、上記の非晶質ポリエステルは、ポリエステルのみならず、その変性樹脂も含まれる。
変性樹脂としては、例えば、ポリエステルがウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、及びポリエステル成分を含む2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられる。
ポリエステル成分とビニル系樹脂成分とを有するハイブリッド樹脂は、それぞれの樹脂を必要に応じて開始剤等の存在下に溶融混練する方法、それぞれの樹脂を溶剤に溶解させ混合する方法、それぞれの樹脂の原料モノマー混合物を重合させる方法等の、いずれの方法により製造されたものでもよい。好ましくは、前記ポリエステル成分の原料モノマー及びビニル系樹脂成分の原料モノマーを用いて、縮重合反応と付加重合反応とを行う方法により得られる樹脂(特開平7−98518号公報)である。
ビニル系樹脂成分の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。スチレン、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸メチルが好ましく、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、ビニル系樹脂成分中、50重量%以上含有されていることが好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。
なお、ビニル系樹脂成分の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
ビニル系樹脂成分の原料モノマーに対するポリエステル成分の原料モノマーの重量比(ポリエステル成分の原料モノマー/ビニル系樹脂成分の原料モノマー)は、ポリエステル成分により連続相を形成する観点から、好ましくは55/45〜95/5、より好ましくは60/40〜95/5、70/30〜90/10がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性、結晶性ポリエステルとの分散性の観点から、好ましくは70〜180℃、より好ましくは90〜150℃である。
非晶質ポリエステルの酸価は、トナーの低温定着性の観点から、5〜50mgKOH/gが好ましく、10〜40mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。水酸基価は、トナーの低温定着性の観点から、5〜50mgKOH/gが好ましく、10〜40mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。
非晶質ポリエステルのガラス転移点は、トナーの低温定着性及び微分発生量の観点から、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。
非晶質ポリエステルの数平均分子量は、1,000〜6,000が好ましく、2,000〜5,000がより好ましい。また、重量平均分子量は、好ましくは10,000〜1,000,000であり、より好ましくは200,000〜700,000である。なお、非晶質ポリエステルの数平均分子量及び重量平均分子量は、いずれもテトラヒドロフラン可溶分を測定した値をいう。
なお、軟化点、酸価、ガラス転移点、数平均分子量及び重量平均分子量は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により調整することができる。
結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルのいずれの製造においても、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、例えば、錫化合物、チタン化合物等の後述するエステル化触媒等の存在下、不活性ガス雰囲気中で行うことができ、温度条件は、130〜250℃が好ましく、非晶質ポリエステルの製造における昇温後の最終到達温度としては、180〜250℃が好ましく、190〜230℃がより好ましい。
エステル化触媒として用いられる錫化合物としては、例えば、酸化ジブチル錫が知られているが、本発明では、ポリエステル系樹脂中での分散性を良好にする観点から、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
Sn-C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn-O結合を有する錫(II)化合物、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn-O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
Sn-O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、触媒能の点から、(R2COO)2Sn(ここでR2は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R3O)2Sn(ここでR3は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R2COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらに好ましい。
チタン化合物としては、Ti-O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、総炭素数2〜28のアルケニルオキシ基又は総炭素数1〜28のアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)(C37O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商(株)の市販品としても入手できる。
他の好ましいチタン化合物の具体例としては、テトラ-n-ブチルチタネート〔Ti(C49O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C37O)4〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C817O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C817O)2(OHC816O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)2(C817O)2〕等が挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができ、又は、ニッソー社等の市販品としても入手できる。
上記錫(II)化合物及びチタン化合物は、1種又は2種以上を併せて使用することができる。
エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分と前記脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物との総使用量100重量部に対して、0.01〜2.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましく、0.2〜1.0重量部がさらに好ましい。
本発明において、互いに隣接する3個の炭素原子に結合した水素原子が水酸基で置換されたベンゼン環を有するピロガロール化合物をエステル化触媒とともに助触媒として用いることが、結晶性ポリエステルのG”を向上させる観点から好ましい。
ピロガロール化合物としては、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4-テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等のカテキン誘導体等が挙げられ、これらの中では、得られる樹脂の耐久性の観点から、式(II):
Figure 0005576223
(式中、R4〜R6はそれぞれ独立して、水素原子又は−COOR7(R7は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜12のアルケニル基を示す)を示す)
で表される化合物が好ましい。式中、R7の炭化水素基の炭素数は、1〜8が好ましく、反応活性の観点から、炭素数1〜4がより好ましい。式(II)で表される化合物のなかでは、R4及びR6が水素原子、R5が水素原子又は−COOR7である化合物がより好ましい。具体例としては、ピロガロール(R4〜R6:水素原子)、没食子酸(R4及びR6:水素原子、R5:−COOH)、没食子酸エチル(R4及びR6:水素原子、R5:−COOC25)、没食子酸プロピル(R4及びR6:水素原子、R5:−COOC37)、没食子酸ブチル(R4及びR6:水素原子、R5:−COOC49)、没食子酸オクチル(R4及びR6:水素原子、R5:−COOC817)、没食子酸ラウリル(R4及びR6:水素原子、R5:−COOC1225)等の没食子酸エステル等が挙げられる。トナーの保存性の観点からは、没食子酸及び没食子酸エステルが好ましい。
縮重合反応におけるピロガロール化合物の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分と前記脂肪族ヒドロキシカルボン酸化合物との総使用量100重量部に対して、トナーの保存性の観点から、0.001〜1.0重量部が好ましく、0.005〜0.4重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部がさらに好ましい。ここで、ピロガロール系化合物の使用量とは、縮重合反応に供したピロガロール系化合物の全配合量を意味する。
ピロガロール化合物は、エステル化触媒の助触媒として働いていると考えられる。ピロガロール化合物とともに用いられるエステル化触媒としては、錫化合物、チタン化合物、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、及び2酸化ゲルマニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属触媒が好ましい。
ピロガロール化合物とエステル化触媒の重量比(ピロガロール化合物/エステル化触媒)は、トナーの保存性の観点から、0.01〜0.5が好ましく、0.03〜0.3がより好ましく、0.05〜0.2がさらに好ましい。
本発明の結着樹脂において、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(非晶質ポリエステル/結晶性ポリエステル)は、トナーの低温定着性の向上と微粉の発生の抑制の観点から、95/5〜50/50が好ましく、95/5〜60/40がより好ましく、93/7〜70/30がさらに好ましい。
本発明の結着樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル以外の公知の結着樹脂、例えば、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されていてもよいが、前記結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの総含有量は、結着樹脂中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、離型剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、結着樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(ヘキスト社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられる。
また、負帯電性の荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット社製);サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「E-304」(以上、オリエント化学工業社製)、「TN-105」(保土谷化学工業社製);銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(ヘキスト社製)、ニトロイミダゾール誘導体;有機金属化合物、例えば「TN105」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電立ち上がり性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましく、0.3〜3重量部がさらに好ましく、0.5〜3重量部がよりさらに好ましく、1〜2重量部がよりさらに好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、無機微粒子を外添剤として用いるのが好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上が好ましく挙げられ、これらの中では、シリカが好ましく、埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが含有されているのがより好ましい。
外添剤の含有量は、外添剤で処理する前のトナー粒子100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部であり、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度及び融点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させた。その後、昇温速度50℃/分で測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とした。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば、そのピーク温度を融点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔樹脂の水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、重量平均分子量及び数平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料を、クロロホルム(結晶性ポリエステル)又はテトラヒドロフラン(非晶質ポリエステル)に、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター(ADVANTEC社製、DISMIC-25JP)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルム(結晶性ポリエステル)又はテトラヒドロフラン(非晶質ポリエステル)を、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
〔樹脂の損失弾性率(G”)〕
粘弾性測定装置(レオメーター)ARES(TA社製)を用いて測定する。
損失弾性率(G”)をレオメーター(ARES、TAインスツルメント社製)により測定する(Strain:0.05%、周波数:6.28rad/sec、Auto strain)。直径25mmのパラレルプレートを140℃に加熱/放置し、試料1gを140℃でパラレルプレートにのせ上下のプレートで挟んだ後、90℃まで降温した後、180℃まで5℃/minで昇温し、100℃及び140℃での損失弾性率を求める。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
結晶性ポリエステルの製造例1〔樹脂A〜H、J、K〕
窒素導入管、脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに、表1、2に示した原料モノマーを仕込んで140℃まで昇温し、4時間反応させた。その後200℃まで10時間かけて反応させ、8.3kPaにて30分反応させた。常圧に戻した後、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート30g及び没食子酸1水和物3gを加え常圧で30分反応させた後、8.3kPaで表1、2に記載の数平均分子量になるまで反応させた。
結晶性ポリエステルの製造例2〔樹脂I〕
窒素導入管、脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに、表2に示した原料モノマー並びにターシャリブチルカテコール5gを仕込んで140℃まで昇温し、4時間反応させた。そのご200℃まで10時間かけて反応させ、8.3kPaにて30分反応させた。常圧に戻した後、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート30g及び没食子酸1水和物3gを加え常圧で30分反応させた後、8.3kPaで表2に記載の数平均分子量になるまで反応させた。
Figure 0005576223
Figure 0005576223
非晶質ポリエステルの製造例1〔樹脂a、b〕
窒素導入管、脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに、表3に示すトリメリット酸以外の原料モノマー、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート40g及び没食子酸1水和物2gを所定量入れ、230℃にて8時間反応させた。その後、210℃まで温度を下げ、表3に示すトリメリット酸を加えて、210℃にて1時間反応させた。さらに8.3kPaに減圧して210℃で表3に記載の軟化点まで反応させた。
非晶質ポリエステルの製造例2〔樹脂c、d〕
窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに、表3に示すトリメリット酸以外の原料モノマー、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート50g及び没食子酸1水和物3gを所定量入れ、180℃から210℃まで8時間かけて反応させた。さらに、230℃にて8時間反応させた。その後、210℃まで温度を下げ、表3に示すトリメリット酸を加えて、210℃にて1時間反応させた。さらに8.3kPaに減圧して210℃で表3に記載の軟化点まで反応させた。
Figure 0005576223
実施例1〜10及び比較例1〜3(実施例3〜5、7、9、10は参考例である)
表4に示す結着樹脂100重量部、着色剤「MOGUL L」(カーボンブラック、キャボット社製)3重量部及び負帯電性荷電制御剤「T-77」(保土ヶ谷化学工業製)1重量部、及び離型剤「ポリワックス655」(東洋ペトロライト社製、融点:99℃)2重量部を、ヘンシェルミキサーでよく攪拌した後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱温度は100℃であり、混合物の供給速度は10kg/hr、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を冷却ローラーで圧延冷却した後、50℃4時間保持し、再度冷却後、ジェットミルで体積中位粒径(D50)が8.0μm、5μm以下の粒子が3.0重量%の粉体を得た。
得られた粉体100重量部に対し、外添剤として、疎水性シリカ「アエロジル R-972」(日本アエロジル社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで3600r/min、5分間混合することにより、外添剤処理を行い、体積中位粒径(D50)が8.0μmのトナーを得た。
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ社製)にトナーを実装し、未定着で画像出しを行った(印字面積:2cm×12cm、付着量:0.5mg/cm2)。前記複写機の定着機をオフラインで、90℃から240℃へ5℃ずつ順次定着温度を上昇させながら、400mm/secで用紙に定着させた。なお、定着紙には、「CopyBond SF-70NA」(シャープ社製、75g/m2)を使用した。
定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。結果を表4に示す。
〔評価基準〕
A:最低定着温度が110℃未満である。
B:最低定着温度が110℃以上、115℃未満である。
C:最低定着温度が115℃以上、120℃未満である。
D:最低定着温度が120℃以上、130℃未満である。
E:最低定着温度が130℃以上である。
試験例2〔微粉発生量〕
複写機「AR-505」(シャープ社製)を改造した装置(70枚/min)に、トナー4重量部に対しシリコンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製)96重量部を混合し現像剤を実装した。1時間空転(印字せずに現像機のみを稼動させる)させた後、現像剤を取り出した。トナー粒径を測定し、以下の評価基準に従って、微粉発生量を評価した。結果を表4に示す。
〔評価基準〕
A:5.0μm以下の粒子の含有量が3.1重量%未満である。
B:5.0μm以下の粒子の含有量が3.1重量%以上3.5重量%未満である。
C:5.0μm以下の粒子の含有量が3.5重量%以上4.0重量%未満である。
D:5.0μm以下の粒子の含有量が4.0重量%以上である。
Figure 0005576223
以上の結果より、実施例1〜10のトナーは、比較例1〜3のトナーと対比して、低温定着性に優れ、微粉発生量も少ないことが分かる。
本発明の結着樹脂を含有する電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 炭素数9〜12の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含むカルボン酸成分を縮重合させて得られる結晶性ポリエステルであり、100℃における損失弾性率が1,000〜9,900Paであり、かつ100℃における損失弾性率と140℃における損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が1〜7である結晶性ポリエステルと、
    炭素数2〜5の脂肪族ジオールを70モル%以上含有するアルコール成分と3価以上の多価カルボン酸化合物を1〜25モル%含有するカルボン酸成分を縮重合させて得られる非晶質ポリエステル
    とを含有してなる、トナー用結着樹脂組成物。
  2. 非晶質ポリエステルのカルボン酸成分が、炭素数9〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するコハク酸化合物を3〜60モル%含む、請求項1記載のトナー用結着樹脂組成物。
  3. 結晶性ポリエステルの融点が60〜100℃である、請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂組成物。
  4. 請求項1〜いずれか記載の結着樹脂組成物を含有してなる、電子写真用トナー。
  5. 炭素数9〜12の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含むカルボン酸を縮重合して得られるトナー用結晶性ポリエステルであって、該結晶性ポリエステルの100℃における損失弾性率が1,000〜9,900Paであり、且つ100℃における損失弾性率と140℃における損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が1〜7である、結晶性ポリエステルからなるトナー用結着樹脂。
  6. 炭素数9〜12の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含むカルボン酸成分を縮重合させて得られる結晶性ポリエステルであり、100℃における損失弾性率が1,000〜9,900Paであり、かつ100℃における損失弾性率と140℃における損失弾性率の比の値(100℃の損失弾性率/140℃の損失弾性率)が1〜7である結晶性ポリエステルと、
    炭素数2〜5の脂肪族ジオールを70モル%以上含有するアルコール成分と3価以上の多価カルボン酸化合物を1〜25モル%含有するカルボン酸成分を縮重合させて得られる非晶質ポリエステル
    とを含有してなる、電子写真用トナー。
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