JP4749240B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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〔1〕 結着樹脂として、ポリエステル系樹脂(A)及び該ポリエステル系樹脂(A)より軟化点が10℃以上高いポリエステル系樹脂(B)を含有してなるトナーであって、前記ポリエステル系樹脂(A)が、アルコール成分とフマル酸変性ロジン及び/又はマレイン酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有するフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂であり、前記ポリエステル系樹脂(B)が、アルコール成分と(メタ)アクリル酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有する(メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂である電子写真用トナー、並びに
〔2〕 少なくともポリエステル系樹脂(A)及び該ポリエステル系樹脂(A)より軟化点が10℃以上高いポリエステル系樹脂(B)を溶融混練する工程を含むトナーの製造方法であって、ポリエステル系樹脂(A)が、アルコール成分とフマル酸変性ロジン及び/又はマレイン酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有するフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂であり、ポリエステル系樹脂(B)が、アルコール成分と(メタ)アクリル酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有する(メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂である電子写真用トナーの製造方法
に関する。
により算出される。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。また、飽和SP値とは、(メタ)アクリル酸とロジンとの反応を、得られる(メタ)アクリル酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。式(Aa)の分子は、(メタ)アクリル酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Aa)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
により算出する。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。式(Aa)により算出される(メタ)アクリル酸変性度と同様に、式(Af)の分子は、フマル酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Af)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
により算出する。ここで、SP値とは、後述の環球式自動軟化点試験器で測定される軟化点を意味する。また、飽和SP値とは、マレイン酸とロジンとの反応を、得られるマレイン酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。式(Aa)により算出される(メタ)アクリル酸変性度と同様に、式(Am)の分子は、マレイン酸又は無水マレイン酸で変性したロジンのSP値の上昇度を意味するものであり、式(Am)の値が大きいほど変性の度合いが高いことを示す。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(1) 試料の調製
ロジン10gを、170℃で2時間ホットプレートで溶融する。その後、開封状態で温度25℃、相対湿度50%の環境下で1時間自然冷却させ、コーヒーミル(National MK-61M)で10秒間粉砕する。
(2) 測定
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
JIS K0070の方法に基づき測定する。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量分布を測定する。トナー30mgにテトラヒドロフラン10mlを加え、ボールミルで1時間混合後、ポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター「FP-200」(住友電気工業(株)製)を用いて濾過して不溶成分を除き、試料溶液を調製する。
溶融した状態の試料2.1gを所定のリングに流し込んだ後、室温まで冷却後、JIS B7410に基づき、下記の条件で測定を行う。
測定機:環球式自動軟化点試験器 ASP-MGK2((株)メイテック製)
昇温速度:5℃/min
昇温開始温度:40℃
測定溶剤:グリセリン
式(Aa):
により算出する。飽和SP値とは、(メタ)アクリル酸とロジンとの反応を、得られる(メタ)アクリル酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。
式(Af):
により算出する。Xf2で示されるSP値は、フマル酸1モル、ロジン0.7モル及びt-ブチルカテコール0.4gの混合物を160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに200℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行って得られたフマル酸変性ロジンのSP値である。
式(Am):
により算出する。飽和SP値とは、マレイン酸とロジンとの反応を、得られるマレイン酸変性ロジンのSP値が飽和値に達するまで反応させたときのSP値を意味する。
分子量=56100÷x (B)
により算出することができる。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
下記式より求める。
個数平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは無機微粉末又は外添剤の比重であり、比表面積は原体の、外添剤の場合は疎水化処理前の原体の、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。例えば、シリカの比重は2.2であり、酸化チタンの比重は4.2である。
なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
BET比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×密度
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mlに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した2000ml容の蒸留フラスコに1000gのトールロジンを加え、1kPaの減圧下で蒸留を行い、195〜250℃での留出分を主留分として採取した。以下、精製に供したトールロジンを未精製ロジン、主留分として採取したロジンを精製ロジンとする。
A. ヘッドスペースサンプラー(Agilent社製、HP7694)
サンプル温度: 200℃
ループ温度: 200℃
トランスファーライン温度: 200℃
サンプル加熱平衡時間: 30min
バイヤル加圧ガス: ヘリウム(He)
バイヤル加圧時間: 0.3min
ループ充填時間: 0.03min
ループ平衡時間: 0.3min
注入時間: 1min
分析カラム: DB-1(60m-320μm-5μm)
キャリアー: ヘリウム(He)
流量条件: 1ml/min
注入口温度: 210℃
カラムヘッド圧: 34.2kPa
注入モード: split
スプリット比: 10:1
オーブン温度条件: 45℃(3min)-10℃/min-280℃(15min)
イオン化法: EI(電子イオン化)法
インターフェイス温度: 280℃
イオン源温度: 230℃
四重極温度: 150℃
検出モード: Scan 29-350m/s
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃)332g(1モル)とアクリル酸72g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、230℃、5.3kPaの減圧下で未反応のアクリル酸及び低沸点物の留去を行い、アクリル酸変性ロジンを得た。得られたアクリル酸変性ロジンのSP値、即ち未精製ロジンを使用したアクリル酸変性ロジンの飽和SP値は110.1℃であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)338g(1モル)とアクリル酸72g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、230℃、5.3kPaの減圧下で未反応のアクリル酸及び低沸点物の留去を行い、アクリル酸変性ロジンを得た。得られたアクリル酸変性ロジンのSP値、即ち精製ロジンを使用したアクリル酸変性ロジンの飽和SP値は110.4℃であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)6084g(18モル)とアクリル酸907.9g(12.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに、220℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、アクリル酸変性ロジンAを得た。アクリル酸変性ロジンAのSP値は110.4℃、ガラス転移点は57.1℃、アクリル酸変性度は100であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)6084g(18モル)とアクリル酸648.5g(9.0モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに、220℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、アクリル酸変性ロジンBを得た。アクリル酸変性ロジンBのSP値は99.1℃、ガラス転移点は53.2℃、アクリル酸変性度は66であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃)5976g(18モル)とアクリル酸907.6g(12.6モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、250℃にて2時間反応させた後、さらに、250℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、アクリル酸変性ロジンCを得た。アクリル酸変性ロジンCのSP値は110.1℃、ガラス転移点は54.5℃、アクリル酸変性度は100であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃)332g(1モル)、フマル酸81g(0.7モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに、200℃、5.3kPaの減圧下で蒸留して未反応のフマル酸及び低沸点物を留去し、フマル酸変性ロジンを得た。得られたフマル酸変性ロジンのSP値、即ち未精製ロジンを使用したフマル酸変性ロジンのSP値は130.6℃であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)338g(1モル)、フマル酸81g(0.7モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに、200℃、5.3kPaの減圧下で蒸留して未反応のフマル酸及び低沸点物を留去し、フマル酸変性ロジンを得た。得られたフマル酸変性ロジンのSP値、即ち精製ロジンを使用したフマル酸変性ロジンのSP値は130.9℃であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)5408g(16モル)、フマル酸928g(8モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに、200℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、フマル酸変性ロジンAを得た。フマル酸変性ロジンAのSP値は130.8℃、ガラス転移点は74.4℃、フマル酸変性度は100であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃)5312g(16モル)、フマル酸928g(8モル)及びt-ブチルカテコール0.4gを加え、160℃から200℃に2時間かけて昇温し、200℃にて2時間反応させた後、さらに、200℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、フマル酸変性ロジンBを得た。フマル酸変性ロジンCのSP値は130.4℃、ガラス転移点は72.1℃、フマル酸変性度は100であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃)332g(1モル)と無水マレイン酸98g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、230℃、5.3kPaの減圧下で未反応の無水マレイン酸及び低沸点物の留去を行い、マレイン酸変性ロジンを得た。得られたマレイン酸変性ロジンのSP値、即ち未精製ロジンを使用したマレイン酸変性ロジンの飽和SP値は116℃であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した1000ml容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)338g(1モル)と無水マレイン酸98g(1モル)を加え、160℃から230℃に8時間かけて昇温し、230℃にてSP値が上がらなくなったことを確認した後に、230℃、5.3kPaの減圧下で未反応の無水マレイン酸及び低沸点物の留去を行い、マレイン酸変性ロジンを得た。得られたマレイン酸変性ロジンのSP値、即ち精製ロジンを使用したマレイン酸変性ロジンの飽和SP値は116℃であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)6084g(18モル)と無水マレイン酸1323g(13.5モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに、220℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸酸変性ロジンAを得た。マレイン酸酸変性ロジンAのSP値は116.2℃、ガラス転移点は57.6℃、マレイン酸変性度は101であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに精製ロジン(SP値:76.8℃)6084g(18モル)と無水マレイン酸529g(5.4モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに、220℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンBを得た。マレイン酸変性ロジンBのSP値は96.4℃、マレイン酸変性度は50であった。
分留管、還流冷却器及び受器を装備した10L容のフラスコに未精製ロジン(SP値:77.0℃)5976g(18モル)と無水マレイン酸529g(5.4モル)を加え、160℃から220℃に8時間かけて昇温し、220℃にて2時間反応させた後、さらに、220℃、5.3kPaの減圧下で蒸留を行い、マレイン酸変性ロジンCを得た。マレイン酸変性ロジンCのSP値は96.4℃、マレイン酸変性度は50であった。
表2、3に示すアルコール成分、無水トリメリット酸以外のカルボン酸成分及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で10時間縮重合反応させた後、230℃、8kPaにて1時間反応を行った。220℃まで冷却した後、表2、3に示す無水トリメリット酸を投入し、1時間常圧(101.3kPa)で反応させた後に、220℃、20kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行ってポリエステル(樹脂1〜12)を得た。
表4に示す結着樹脂、カーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)4重量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン S-34」(オリエント化学工業社製)1重量部及びポリプロピレンワックス「NP-105」(三井化学社製、融点:105℃)1重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度を200r/min、ロール内の加熱温度を80℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmの粉体を得た。
プリンター「ページプレスト N-4」(カシオ計算機社製、定着:接触定着方式、現像方式:非磁性一成分現像方式、現像ロール径:2.3cm)にトナーを実装し、トナー付着量を0.6mg/cm2に調整して未定着画像を得た。得られた未定着画像を接触定着方式の複写機「AR-505」(シャープ社製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した定着機(定着速度:300mm/s)を用いて、定着ロールの温度を100℃から240℃へと5℃ずつ上昇させながら未定着画像を定着させ、定着試験を行った。
◎:最低定着温度が150℃未満
○:最低定着温度が150℃以上、170℃未満
△:最低定着温度が170℃以上、180℃未満
×:最低定着温度が180℃以上
◎:240℃でもホットオフセットは発生しない。
○:220℃以上、240℃以下でホットオフセットが発生する。
△:190℃以上、220℃未満でホットオフセットが発生する。
×:190℃未満でホットオフセットが発生する。
プリンター「OKI Microline 18」(沖データ社製カシオ計算機社製、定着:接触定着方式、現像方式:非磁性一成分現像方式)にトナーを実装し、25℃、相対湿度60%の条件下にて黒化率10%の斜めストライプのパターンを連続して印刷し、耐刷試験を行った。初期(100枚)印刷時と、耐刷(10000枚)後に、3cm×3cmのベタ画像を印刷し、その画像濃度を測定した。なお、画像濃度とは、ベタ画像の4隅及び中心の5箇所の画像濃度の平均値とした。初期印刷時と耐刷後の画像濃度の差に基づき、以下の評価基準に従って、耐久性を評価した。結果を表4に示す。
初期印刷時と耐刷後の画像濃度の差が、
◎:0.1未満
○:0.1以上、0.2未満
△:0.2以上、0.3未満
×:0.3以上
実施例及び比較例において結着樹脂として使用した表4に示す組み合わせの樹脂を粗粉砕して篩いにかけ、16メッシュ(目開き:1mm)の篩いを通過し22メッシュ(目開き:710μm)の篩いは通過しない樹脂粉体を得た。この分級された樹脂粉末を10.00g精秤し、ミル&ミキサー MM-I型((株)日立リビングサプライ製)にて30秒間粉砕後、30メッシュ(目開き:500μm)の篩いにかけ、通過しない樹脂の重量(A)gを精秤し、次式により、残存率を求め、この操作を3回行い、平均して求めた値を粉砕性指数とし、以下の評価基準に従って粉砕性を評価した。結果を表4に示す。
残存率=(A)/粉砕前の樹脂重量(10.00g)×100
◎:粉砕性指数が5未満
○:粉砕性指数が5以上15未満
×:粉砕性指数が15以上
トナー4gを、直径5cm、高さ2cmの開封系の円筒容器に入れたサンプルを2個用意し、一方は温度40℃、相対湿度60%の環境下に、他方は温度55℃、相対湿度60%の環境下に、72時間放置した。放置後、トナーを入れた容器を軽く振り、トナーの凝集発生の有無を目視
により観察し、以下の評価基準に従って保存性を評価した。結果を表4に示す。
◎:40℃、55℃のいずれの環境下でもトナーの凝集は全く認められない。
○:40℃の環境下ではトナーの凝集は全く認められないが、55℃の環境下ではトナーの凝集の粒が僅かに観測される。
△:40℃の環境下ではトナーの凝集の粒が僅かに観測され、55℃の環境下では明らかに凝集が認められる。
×:40℃、55℃のいずれの環境下で明らかに凝集が認められる。
トナー20gをアルミホイルカップ((株)テラオカ製;FM-409(本体))に測り取り、150℃に加熱したホットプレートの上に30分間静置し、トナーから発生する臭気を以下の評価基準に従って評価した。結果を表4に示す。
◎:臭気は全く感じられない。
○:臭気はほとんど感じられない。
△:臭気が若干感じられるが、実用上問題ない。
×:臭気が強く感じられる。
Claims (11)
- 結着樹脂として、ポリエステル系樹脂(A)及び該ポリエステル系樹脂(A)より軟化点が10℃以上高いポリエステル系樹脂(B)を含有してなるトナーであって、前記ポリエステル系樹脂(A)が、アルコール成分とフマル酸変性ロジン及び/又はマレイン酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有するフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂であり、前記ポリエステル系樹脂(B)が、アルコール成分と(メタ)アクリル酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有する(メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂である電子写真用トナー。
- (メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂及び/又はフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂のアルコール成分が、脂肪族アルコールを含有するものである請求項1記載の電子写真用トナー。
- (メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂のカルボン酸成分中、(メタ)アクリル酸変性ロジンの含有量が5〜85重量%であり、フマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂のカルボン酸成分中、フマル酸変性ロジン及びマレイン酸変性ロジンの総含有量が5〜85重量%である請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
- (メタ)アクリル酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン及びマレイン酸変性ロジンの少なくとも1つが精製ロジンを変性して得られるものである請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
- (メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂及び/又はフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂のアルコール成分が3価以上のアルコールを、及び/又はカルボン酸成分が3価以上のカルボン酸化合物を含有してなる請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナー。
- ポリエステル系樹脂(A)及び/又はポリエステル系樹脂(B)中の分子量が500以下の低分子量成分の含有量が12%以下である、請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナー。
- (メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂及び/又はフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂の縮重合を、チタン化合物及び/又はSn−C結合を有していない錫(II)化合物の存在下で行う請求項1〜6いずれか記載の電子写真用トナー。
- 結着樹脂中の(メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂及びフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂の総含有量が70重量%以上である請求項1〜7いずれか記載の電子写真用トナー。
- 式(Aa):
により算出される、(メタ)アクリル酸変性ロジンの(メタ)アクリル酸変性度、式(Af):
により算出される、フマル酸変性ロジンのフマル酸変性度、及び/又は、式(Am):
により算出される、マレイン酸変性ロジンのマレイン酸変性度が、5〜105である、請求項1〜8いずれか記載の電子写真用トナー。 - ポリエステル系樹脂(A)の軟化点が80〜120℃であり、ポリエステル系樹脂(B)の軟化点が100〜180℃である、請求項1〜9いずれか記載の電子写真用トナー。
- 少なくともポリエステル系樹脂(A)及び該ポリエステル系樹脂(A)より軟化点が10℃以上高いポリエステル系樹脂(B)を溶融混練する工程を含むトナーの製造方法であって、ポリエステル系樹脂(A)が、アルコール成分とフマル酸変性ロジン及び/又はマレイン酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有するフマル酸/マレイン酸変性ロジン由来の樹脂であり、ポリエステル系樹脂(B)が、アルコール成分と(メタ)アクリル酸変性ロジンを含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルユニットを有する(メタ)アクリル酸変性ロジン由来の樹脂である電子写真用トナーの製造方法。
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JP2006155271A JP4749240B2 (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | 電子写真用トナー |
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