JP2016224122A - トナー、現像剤及び現像剤収容ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
また、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及びグラフト重合体を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらの提案の技術は、結晶性ポリエステル樹脂が非晶質ポリエステル樹脂に比べて低温で急速に溶融するため低温定着化を成し得る。
また、近年は、更なる高品質化の要求から、優れた低温定着性と耐熱保存性および画質を高いレベルで両立したトナーが求められている。
顔料を分散させて高い画質を得ようとするものとしてはたとえば特許文献3に見られるように、顔料分散剤を用いることで顔料をトナー母体粒子内部に均一に分散させる手法が一般的である。
また、難溶性の樹脂によって、顔料の表面を予め処理し、ケミカル工法におけるトナー造粒時の顔料の活性を低下させることで、顔料が表面に偏在してしまうことを防止する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、分岐構造を有する非晶質ポリエステル樹脂と、非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを併用するトナーが開示されている(例えば、特許文献5参照)。
本発明に係るトナーは、少なくともポリエステル樹脂、着色剤を含む母体粒子を有するものであって、透過型電子顕微鏡(TEM)における割断面画像において、海島構造が形成されていて、島構造に着色剤が含有され、前記島構造の直径が平均径0.2μm以上、1.0μm以下、島構造が5個以上30個以下であることを特徴とする。また、本発明に係る現像剤は前記のトナーを含有することを特徴とし、及び本発明に係る現像剤収容ユニットは前記の現像剤を収容したことを特徴とする。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
本発明のトナーは少なくともポリエステル樹脂、着色剤を含む母体粒子を有し、かつ透過型電子顕微鏡(TEM)における該トナーの割断面を観察したとき、上記の要件を満たす海島構造が形成されているものである。
なお、本発明のトナーはポリエステル樹脂、着色剤以外にも必要に応じてその他の成分(離型剤、帯電制御剤、外添剤、クリーニング性向上剤、磁性材料など)が含まれる。
ここでTEM観察として、例えば、トナーをエポキシ樹脂に包埋したのち、ウルトラミクロトーム(ウルトラソニック)でスライスしてトナーの薄片を作製し、これを透過型電子顕微鏡を用い、顕微鏡の倍率を調整してトナーの割断面から海島構造が分かるようにコントラストを調整し、島構造を観察可能になるまで顕微鏡の視野を拡大して任意の50点のトナーを抽出する。抽出後、それらの画像ファイルを例えば画像解析用ソフトウェアImageJを用いて島の直径を平均で求めることが出来る。また、1つ1つの島の定義であるが、お互いの粒子間距離が平均粒径の1/50以上離れていれば1つとみなす。
即ち、トナーの超薄切片を作成し、10万倍の倍率でTEM(透過型電子顕微鏡)によって観察された画像を画像処理によって2値化し、顔料部分の占める面積を最表面から1,000nm以内S1と、以外(内部)S2を求めて調べることができる。本発明のトナーにおいては、S1/(S1+S2)が0.5以下である。
これには任意に選ばれた体積平均径±10%の最大径を有す10個のトナー母体粒子画像を調査して平均化すればよい。
海島構造を形成し、島構造に着色剤を有するには、着色剤分散用樹脂とその他ポリエステル樹脂との相分離性、着色剤、着色剤分散用樹脂で形成されるマスターバッチ(以下「マスターバッチ」という)の製造条件、トナー処方、乳化条件等で調整が可能である。
着色剤分散用樹脂は酢酸エチルに溶解させた後の透過率を以下の数値に規定することで酢酸エチルに難溶性な着色剤分散用樹脂とその他ポリエステル樹脂とで適度に相分離が起こる。
(a)着色剤分散用樹脂濃度20質量%の上記溶液の60分後の光路長1cmで500nmの光の透過率がT(60)%、480分後の前記透過率をT(480)%とした時、T(60)%−T(480)%≧30%であり、T(480)%が50%以下となること。
(b)好ましくは、前記(a)に加えT(60)%が30%以上であること。
前記透過率T(%)は低い方が難溶性を示すが、本発明においてはT(60)%−T(480)%を大きくかつ、T(60)%を適度に上げることでその他ポリエステル樹脂との適度な相溶性を確保させている。
また、マスターバッチの製造方法でも海島構造の状態に差がある。顔料と着色剤分散用樹脂の分散性の良し悪しによるものだが、分散性の悪いものは島構造が存在しない、もしくは少ない島構造で大きな径のものというものが出来やすい。分散性を向上させるには混練を強化するか、もしくは混練及び冷却の工程を2、3回繰り返すことで可能になる。
こうしたポリエステル樹脂としては、下記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するものが好ましい。
(1) R1−(NHCONH−R2)n−
(2) R1−(NHCOO−R2)n−
(3) R1−(OCONH−R2)n−
(上記式中、n≧3
R1:芳香族、又は脂肪族系の有機基、
R2:ポリカルボン酸、及びポリオールの少なくともいずれかからなるポリエステル樹脂、並びにポリエステル樹脂がイソシアネート変性された変性ポリエステル樹脂のいずれかの樹脂に由来する基を表す。)
前記マスターバッチは、着色剤分散用樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
具体的には、着色剤分散用樹脂は、これを酢酸エチルに分散乃至溶解させた溶液が以下の特性を有することが好ましい。
(a)着色剤分散用樹脂濃度20質量%の上記溶液の60分後の光路長1cmで500nmの光の透過率がT(60)%、480分後の前記透過率をT(480)%とした時、T(60)%−T(480)%≧30%であり、T(480)%が50%以下となること。
(b)好ましくは、前記(a)に加えT(60)%が30%以上であること。
着色剤分散用樹脂が溶液中で物理ゲルを形成することにより、機械的に分散させた着色剤が物理ゲル内部で補足されることでトナー組成液での着色剤の再凝集や、トナー粒子内での結着樹脂からのブリードアウトを抑制することが可能となる。前記着色分散用樹脂が溶液中で物理ゲルを形成できることを確認する方法として、本明細書では前記着色分散用樹脂を酢酸エチルに溶解させた固形分20質量%溶液の光路長1cmで500nmの光の透過率T(60)%−T(480)%≧30%となること、T(480)%が50%以下となること、T(60)%が30%以上であることにより確認している。
この際にT(60)%−T(480)%が30%より低い場合、あるいはT(480)%が50%より高い場合、着色剤分散用樹脂の溶解性が高く、物理ゲルの形成が不十分となりトナー組成液作成時に機械的に分散させた顔料一時粒子を再凝集させずに保持する効果が得られない。T(60)%が30%より低い場合、着色剤分散用樹脂の溶解性が低く、極端に物理ゲルが形成することにより顔料が凝集し、着色度が低下する。
40℃に予め調整した酢酸エチル80gに対し、着色剤分散用樹脂20gを加えて振とう機において溶解させ、目視で樹脂の粒がなくなったのを確認した後に40℃の恒温槽に入れて所定に(60分、480分)静置する。静置後のそれぞれの着色剤分散用樹脂溶液サンプルを光路長1cmのガラスセルに投入し、直ちに分光光度計(日本分光社製V−660)にセットし、500nmの光の透過率を測定する。
本発明のトナーは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を少なくとも含有し、好ましくは結晶性ポリエステル樹脂を含有し、着色剤を含有する。更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂を用いることで海島構造を形成したトナーの光沢度、IDがトナー付着量を振ったときにカーブが大きく上がる。
なお、本発明でいう前記ポリエステル樹脂の好ましい例としては、上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂が含有されていればよく、上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂を単独で使用してもよいし、あるいは上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂(第一のポリエステル樹脂ともいう)の他に、他のポリエステル樹脂(第二のポリエステル樹脂ともいう)を併用してもよい。
それに対して、本発明の前記トナーにおいて、前記ポリエステル樹脂は、ウレタン、又はウレア結合により分子骨格中に分岐構造を有し、分子鎖が三次元的な網目構造となるため、低温で変形するが、流動しないというゴム的な性質を有する。そのため、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度を非常に低くした場合にも、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性の保持が可能となる。
例えば、前記特許文献5に記載のポリエステル樹脂において、分岐を形成している部分が、エステル構造である場合(つまり、本発明で規定する上記(1)〜(3)のいずれかで表される構造式中、R2の部分が分岐構造を有する場合)、図6のイメージ図で示すように分岐構造が不均一に存在するため、低温定着性や画像光沢性が十分に満足のいくものとはならない。なお図6は、従来の合成方法で得られるポリエステル樹脂の分岐構造の概略図である。
このように、従来のポリエステル樹脂では、低温定着性や画像光沢性も良く、一方、耐熱保存性や耐高温オフセット性も良いという、これらの全ての項目が満足のいくバランスのとれた結果を得ることは容易ではない。
本発明で規定する上記(1)〜(3)のいずれかで表される構造式を有する前記ポリエステル樹脂の状態は、図7のイメージ図のように示される。すなわち図7は、以下で記載する本発明の合成方法で得られるポリエステル樹脂の分岐構造の概略図である。R2部分の直鎖のポリエステル樹脂部分の長さが揃っているため、図7で示されるように、前記ポリエステル樹脂の分岐構造は均一化されている。
更に、前記ポリエステル樹脂は、分岐構造部分が凝集エネルギーの高いウレタン結合又はウレア結合を有するため、 強い架橋点のような挙動を示すことから、より粗い網目構造であった場合でも、樹脂の流動抑制の効果が強いため、トナーの耐熱保存性、低温定着性、画像光沢、耐高温オフセット性の両立が可能となる。
前記トナーを分析する際の各成分の分離手段の一例を詳細に示す。
まず、トナー1gを100mLのTHF中に投入し、25℃の条件下、30分間攪拌しながら可溶分が溶解した溶解液を得る。
これを目開き0.2μmのメンブランフィルターにてろ過し、トナー中のTHF可溶分を得る。
次いで、これをテトラヒドロフラン(THF)に溶解してGPC測定用の試料とし、前述の各樹脂の分子量測定に用いるGPCに注入する。
一方、GPCの溶出液排出口にフラクションコレクターを配置して、所定のカウントごとに溶出液を分取しておき、溶出曲線の溶出開始(曲線の立ち上がり)から面積率で5%毎に溶出液を得る。
次いで、各溶出分について、1mLの重クロロホルムに30mgのサンプルを溶解させ、基準物質として0.05体積%のテトラメチルシラン(TMS)を添加する。
溶液を5mm径のNMR測定用ガラス管に充填し、核磁気共鳴装置(日本電子社製JNM−AL400)を用い、23℃〜25℃の温度下、128回の積算を行い、スペクトルを得る。
例えば、以下のようにピークの帰属を行い、それぞれの積分比から構成モノマーの成分比率を求める。
ピークの帰属は、例えば、
8.25ppm付近:トリメリット酸のベンゼン環由来(水素1個分)
8.07ppm〜8.10ppm付近:テレフタル酸のベンゼン環由来(水素4個分)
7.1ppm〜7.25ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)
6.8ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)及びフマル酸の二重結合由来(水素2個分)
5.2ppm〜5.4ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチン由来(水素1個分)
3.7ppm〜4.7ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素2個分)及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素4個分)
1.6ppm付近:ビスフェノールAのメチル基由来(水素6個分)
とすることができる。
また、同様に前記他のポリエステル樹脂が90%以上を占めるフラクションに回収された抽出物を前記他のポリエステル樹脂として扱うことができる。
また、前記結晶性ポリエステル樹脂が90%以上を占めるフラクションに回収された抽出物を前記結晶性ポリエステル樹脂として扱うことができる。
前記トナーのTHF不溶分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して3質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜11質量部がより好ましい。前記THF不溶分が、3質量部未満であると、低温定着性が低下することがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記THF不溶分は、非線状のポリエステル樹脂に該当する。前記トナーは、従来のトナーよりTgが低いが、前記THF不溶分を特定量含有することにより、十分に耐熱保存性を保持することができる。特に、前記非晶質ポリエステル樹脂が凝集力の高いウレタン結合又はウレア結合を有する場合には、耐熱保存性を保持する効果がより顕著になる。
前記トナーのTHF不溶分は、以下のようにして得ることができる。
THF40部に対してトナー1部を添加し6時間還流した後に、遠心分離機により不溶成分を沈降させて、不溶成分と上澄み液とを分離する。
前記不溶成分を40℃、20時間乾燥させて、THF不溶分を得る。
前記ポリエステル樹脂は、上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有し、ポリエステル樹脂又は変性ポリエステル樹脂部分であるR2と、分岐構造に相当するR1とをウレタン又はウレア基により結合させた構造を持つものが好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、分岐構造部分にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有しているため、ウレタン結合又はウレア結合が擬似架橋点のような挙動を示し、前記ポリエステル樹脂のゴム的性質が強くなり、耐熱保存性、耐高温オフセット性に優れたトナーを作製することができる。
前記ポリエステル樹脂において、上記構造式(1)〜(3)中、R1の有機基としては、炭素数が短い有機基で構成されることが、網目構造が均一化しやすい点で好ましく、炭素数20以下の脂肪族、芳香族有機基が好ましい。
R1の有機基は、エステル結合を含んでもよい。中でも、架橋点の凝集力を適切な範囲に調整でき、高光沢と耐熱保存性を両立しやすい点から、R1の有機基としては、脂肪族系、又はエステル結合を含んでなる脂肪族系化合物が好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、非晶質ポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂又は変性ポリエステル樹脂部に相当するR2と分岐構造部分に相当するR1とをウレタンまたはウレア基により結合させたものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記R1とR2との結合方法としては、以下に制限されるものではないが、例えば以下三点のような方法がある。
(ii)ジオール成分とジカルボン酸成分とをエステル反応させ、末端が水酸基になるポリエステルポリオール(R2)を作製し、得られたポリエステルポリオールを2価のポリイソシアネートと反応させ、イソシアネート変性ポリエステル(R2)を作製し、得られたイソシアネート変性ポリエステルを3価以上のアルコール(R1)と反応させる方法。
(iii)ジオール成分とジカルボン酸成分とをエステル反応させ、末端が水酸基になるポリエステルポリオール(R2)を作製し、得られたポリエステルポリオールを2価のポリイソシアネートと反応させ、イソシアネート変性ポリエステル(R2)を作製し、純水の存在下、得られたイソシアネート変性ポリエステルに3価以上のポリイソシアネート(R1)を反応させる方法。
前記ポリエステル樹脂において、前記炭素数3〜12の脂肪族ジオールを50mol%以上含有することが好ましく、80mol%以上含有することがより好ましく、90mol%以上含有することがさらに好ましい。
ただし、前記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは、3〜9の奇数を表す。n個の繰り返し単位において、R1は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、n個の繰り返し単位において、R2はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記ポリエステル樹脂のTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記ポリエステル樹脂は構成成分にジカルボン酸成分を含み、前記ジカルボン酸成分は、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を含有することが好ましい。
前記ポリエステル樹脂において、前記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸を、30mol%以上含有することが好ましい。前記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などが挙げられる。
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜12の脂肪族ジオールが好ましい。
これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネートなどが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化剤としては、ポリエステルプレポリマー(前記R2のポリエステル樹脂部と前記ポリイソシアネートとの反応生成物、つまり硬化剤と反応させる反応前駆体をいう)と反応し、前記ポリエステル樹脂を生成できる硬化剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物における活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア結合を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−60℃以上0℃以下であることが好ましく、−40℃以上−20℃以下がより好ましい。
前記ガラス転移温度が、−60℃未満であると、低温でのトナーの流動が抑制できずに、耐熱保存性が悪化し、また、耐フィルミング性が悪化することがある。前記ガラス転移温度が、0℃を超えると、定着時の加熱及び加圧によるトナーが十分に変形できず、低温定着性が不十分であることがある。
本発明の前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料のガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minにて−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱(昇温2回目)する。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度を求めることができる。本発明においては、2回目昇温時におけるTgを各対象試料のTgとする。
前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、20,000以上1,000,000以下が好ましい。
前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、前記反応性前駆体と前記硬化剤とを反応させた反応生成物の分子量をいう。
前記重量平均分子量が、20,000未満であると、トナーが低温で流動しやすくなり、耐熱保存性に劣る場合がある。また溶融時の粘性が低くなり、高温オフセット性が低下する場合がある。
前記他のポリエステル樹脂(第二のポリエステル樹脂)は、例えば、構成成分として、ジオール成分及びジカルボン酸成分を含む。
前記他のポリエステル樹脂は、上記(1)〜(3)のいずれかの構造式を有する前記ポリエステル樹脂とは異なる種類のポリエステル樹脂をいう。
前記他のポリエステル樹脂は、非晶質ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、前記他のポリエステル樹脂は、線状のポリエステル樹脂であることが好ましい。
さらにまた、前記他のポリエステル樹脂としては、未変性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
前記ジオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
また、数平均分子量(Mn)は、1,000〜4,000であることが好ましく、1,500〜3,000がより好ましい。
また、Mw/Mnは、1.0〜4.0であることが好ましく、1.0〜3.5がより好ましい。
前記酸価が1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、更には、紙への定着時に、紙とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。また、前記酸価が50mgKOH/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。
前記ガラス転移温度が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存性、及び現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が劣り、また、耐フィルミング性が悪化することがある。また、前記ガラス転移温度が、70℃を超えると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分ではなく、低温定着性が不十分となることがある。
前記ポリエステル樹脂(上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂の単独使用、及び前記他のポリエステル樹脂との併用のいずれの場合も含む)の分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを前記ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。このような特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂を前記ポリエステル樹脂と共に用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では結晶性ポリエステル樹脂の融解による急激な粘度低下(シャープメルト)を起こし、それに伴い前記ポリエステル樹脂と相溶し、共に急激に粘度低下することで定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度と耐高温オフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
まず、対象試料を乳鉢によりすり潰し試料粉体を作成し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に試料ホルダーをセットし、測定を行い、回折スペクトルを得る。
得られた回折ピークに20°<2θ<25°の範囲に得られたピークのうち最もピーク強度が大きいピークのピーク半値幅が2.0以下である場合結晶性を有すると判断する。
結晶性ポリエステル樹脂に対し、上記状態を示さないポリエステル樹脂を、本発明では、非晶質ポリエステル樹脂という。
〔測定条件〕
Tension kV: 45kV
Current: 40mA
MPSS
Upper
Gonio
Scanmode: continuos
Start angle : 3°
End angle : 35°
Angle Step:0.02°
Lucident beam optics
Divergence slit : Div slit 1/2
Difflection beam optics
Anti scatter slit: As Fixed 1/2
Receiving slit : Prog rec slit
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては12以下であることがより好ましい。
これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
0〜5.0であることが好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記その他の成分としては、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
前記外添剤としては酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmの無機微粒子がより好ましい。
また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(ガラス転移温度(Tg1st))
前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が、20℃以上50℃以下であることが好ましい。
従来のトナーであると、Tgが50℃以下程度になると、夏場や熱帯地方を想定したトナーの輸送時、及び保管環境での温度変化によりトナーの凝集が発生しやすくなる。その結果、トナーボトル中での固化、及び現像機内でのトナーの固着が発生する。また、トナーボトル内でのトナー詰りによる補給不良、及び現像機内でのトナー固着による画像異常が発生しやすくなる。
本発明の好ましい態様として、前記ポリエステル樹脂が、上記(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂及び前記他のポリエステル樹脂の2種類を含有し、前記ポリエステル樹脂を含有するトナーのTg1stが、20℃以上50℃以下である態様が挙げられる。
前記差が10℃以上であると、より低温定着性に優れる点で有利である。前記差が10℃以上であることは、加熱前(昇温1回目の前)には非相溶状態で存在していた前記結晶性ポリエステル樹脂と、前記ポリエステル樹脂とが、加熱後(昇温1回目の後)には相溶状態になることを意味する。なお、加熱後の相溶状態は、完全な相溶状態である必要はない。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
前記ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、及び離型剤のSP値、Tg、酸価、水酸基価、分子量、及び融点は、それぞれ、それ自体について測定してもよいが、実際のトナーからゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等により分離を行い、その分離した各成分について後述の分析手法を採ることで、SP値、Tg、分子量、融点、構成成分の質量比を算出してもよい。
THF(テトラヒドロフラン)を移動相としたGPC測定において、溶出液についてフラクションコレクターなどにより分取を行い、溶出曲線の全面積分のうちの所望の分子量部分に相当するフラクションをまとめる。
このまとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮及び乾燥した後、固形分を重クロロホルム又は重THFなどの重溶媒に溶解させ、1H−NMR測定を行い、各元素の積分比率から、溶出成分における樹脂の構成モノマー比率を算出する。
また、他の手法としては、溶出液を濃縮後、水酸化ナトリウムなどにより加水分解を行い、分解生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などにより定性定量分析することで構成モノマー比率を算出する。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーは、前記ポリエステル樹脂を含み、好ましく前記結晶性ポリエステル樹脂を更に含み、更に必要に応じて、前記離型剤、前記着色剤などを含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。特に前記ポリエステル樹脂が、上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂と、前記他のポリエステル樹脂との2種類のポリエステル樹脂を含んでいるとより好ましい。
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水系媒体100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部が好ましい。
前記トナー材料を含有する油相の調製は、前記ポリエステルプレポリマーと、前記他のポリエステル樹脂と、前記結晶性ポリエステル樹脂とを少なくとも含み、更に必要に応じて前記硬化剤、前記離型剤、前記着色剤などを含むトナー材料を、有機溶媒中に溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、前記硬化剤と前記ポリエステルプレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより、上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂が生成する。
(1)前記ポリエステルプレポリマーと前記硬化剤とを含む油相を、水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で前記硬化剤と前記ポリエステルプレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂を生成させる方法。
(2)前記ポリエステルプレポリマーを含む油相を、予め前記硬化剤を添加した水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で前記硬化剤と前記ポリエステルプレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂を生成させる方法。
(3)前記ポリエステルプレポリマーを含む油相を水系媒体中で乳化又は分散させた後で、水系媒体中に前記硬化剤を添加し、水系媒体中で粒子界面から前記硬化剤と前記ポリエステルプレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより上記構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有するポリエステル樹脂を生成させる方法。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記水系媒体の使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母体粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、さらに分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50emu/g〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明における現像剤収容ユニットとは、現像剤を収容する機能を有するユニットに、現像剤を収容したユニットのことをいう。
ここで、現像剤収容ユニットの態様としては、現像剤入り容器、現像器、プロセスカートリッジがある。
現像剤入り容器とは、現像剤を収容した容器のことをいう。
現像器は、現像剤を収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。帯電手段、露光手段、クリーニング手段の少なくとも一つと、像担持体と現像手段とを一体としてもよい。
また、容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、特に限定されないが、形状は、円筒状等であることが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより、内容物である現像剤が排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが特に好ましい。さらに、材質は、特に限定されないが、寸法精度がよいものであることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
現像剤収容ユニットは、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れるため、後述するプロセスカートリッジであれば、画像形成装置等に着脱可能に取り付け、現像剤の補給に使用することができる。
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(化学気相成長、Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有する感光体を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよい。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されている。そのため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
ここで、前記記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合に、前記転写手段により、前記中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて当該中間転写体上に画像を形成し、前記中間転写手段により、当該中間転写体上の画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する構成とすることができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm2〜80N/cm2であることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
図1に示すカラー画像形成装置100Aは、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」と称することがある)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像器40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動する。そして、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
本発明に関するプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも有する。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、他の手段をさらに有していてもよい。
前記現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容容器と、現像剤収容容器内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体を少なくとも有する。なお、現像手段は、担持する現像剤の厚さを規制するため規制部材等をさらに有してもよい。
<ケチミンの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−プレポリマーA−1の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、テレフタル酸、アジピン酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.2であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がテレフタル酸90mol%及びアジピン酸10mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応し中間体ポリエステルA’−1を得た。得られた中間体ポリエステルA’−1のTgは−5℃、Mw13,000、Mw/Mn2.2であった。
得られたプレポリマーA−1を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−1中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質のポリエステル樹脂A−1を得た。
−プレポリマーA−2の合成−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、テレフタル酸、アジピン酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.2であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がテレフタル酸50mol%及びアジピン酸50mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。
その後更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応し中間体ポリエステルA’−2を得た。得られた中間体ポリエステルA’−2のTgは−40℃、Mw15,000、Mw/Mn2.0であった。
得られた中間体ポリエステルA−2のTgは−34℃、Mw17,000、Mw/Mn2.2であった。
得られたプレポリマーA−2を加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA−2中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質のポリエステル樹脂A−2を得た。
窒素導入管、脱水管、撹拌機及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸、及びアジピン酸を、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物とがモル比(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物)で60/40であり、テレフタル酸とアジピン酸とがモル比(テレフタル酸/アジピン酸)で97/3であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.3となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧で230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、非晶質ポリエステル樹脂B−1を得た。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は5,300、Tgは67℃であった。
窒素導入管、脱水管、撹拌機及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、セバシン酸、及び1,6−ヘキサンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂C−1を得た。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は25,000、融点は67℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、テレフタル酸62.5質量部、エチレングリコール14.0質量部、ネオペンチルグリオール23.5質量部、ジブチルスズオキシド0.2質量部を入れ、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaにて2時間反応させて[着色剤分散用樹脂b1]を得た。
窒素導入管、還流管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに着色剤分散用樹脂としてb1を70質量部、前記C−1の結晶性ポリエステル樹脂を30質量部、トルエン100質量部を添加し60℃で均一溶解させた後に、ジブチルスズオキシド0.2質量部、ジフェニルメタンジイソシアナート5質量部を入れ、80℃で4時間反応させた。
反応物を120℃、1kPaでトルエンを留去し[着色剤分散用樹脂b2]を得た。
着色剤分散用樹脂b3の合成において、下記表1に示すように、材料の投入量を調整した以外は、着色剤分散用樹脂b1と同様にして、着色剤分散用樹脂b3を合成した。
マスターバッチ(MB)の調製は主にスーパーミキサーの工程、ミキシングロールの工程、圧延ロールの工程、冷却の工程、破砕の工程に分かれている。スーパーミキサーの工程では原材料(顔料、樹脂、ワックス、水)を混ぜ、ミキシングロールの工程で練っていき、圧延ロールの工程で薄く板状にさせていき、冷却工程を経て、最後に粉砕させるのが流れとなる。顔料分散性を良好させるにはどの工程も重要となっているが、特にミキシングロール〜冷却工程の部分が分散性には重要であり、下記に記載される混練条件で、「通常混練条件」とはミキシングロール〜冷却工程の回数を1回にしたもののことであり、「中混練条件」とはミキシングロール〜冷却工程の回数を2回にしたもののことであり、「強混練条件」とはミキシングロール〜冷却工程の回数を3回にしたもののことである。
また、混練温度を適切な温度にすることでも顔料分散性にも効いていき、一般的には100〜175℃の範囲で混練することが好ましく、より好ましくは125〜150℃の範囲である。
水100部、及びマゼンタ顔料(C.I.Pigment Red 269)を40部、および着色剤分散樹脂b1、60部を混合攪拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マゼンタマスターバッチM1を調製した。(通常混練条件)
M1の1回目の圧延冷却後、再度二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練、圧延冷却の工程を1回繰り返し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マゼンタマスターバッチM2を調製した。(中混練条件)
M2の圧延冷却後、再度二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練、圧延冷却の工程を1回繰り返し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マゼンタマスターバッチM3を調製した。(強混練条件)
M3の着色剤分散樹脂b1をb2に置き換えたこと以外はM3と同様にして、マゼンタマスターバッチM4を調製した。
M1の着色剤分散樹脂b1を前記非晶質ポリエステルB−1に置き換えたこと以外はM1と同様にして、マゼンタマスターバッチM5を調製した。
水100部、シアン顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、大日精化工業社製)40部、および着色剤分散樹脂b1、60部を混合攪拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、シアンマスターバッチC1を調製した。(通常混練条件)
C1の1回目の圧延冷却後、再度二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練、圧延冷却の工程を1回繰り返し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、シアンマスターバッチC2を調製した。(中混練条件)
C2の圧延冷却後、再度二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練、圧延冷却の工程を1回繰り返し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、シアンマスターバッチC3を調製した。(強混練条件)
C1の着色剤分散樹脂b1をb2に置き換えたこと以外はC1と同様にして、シアンマスターバッチC4を調整した。
C2の着色剤分散樹脂b1をb3に置き換えたこと以外はC2と同様にして、シアンマスターバッチC5を調整した。
C1の着色剤分散樹脂b1をb3に置き換えたこと以外はC1と同様にして、シアンマスターバッチC6を調整した。
水100部、イエロー顔料(C.I.Pigment yellow 185、BASF社製)40部、および着色剤分散樹脂b1、60部を混合攪拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、更に圧延冷却の工程をもう1回繰り返し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、イエローマスターバッチY1を調製した。(中混練条件)
Y1の2回目の圧延冷却後、再度二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練、圧延冷却の工程を1回繰り返し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、イエローマスターバッチY2を調製した。(強混練条件)
Y1の着色剤分散樹脂b1を前記非晶質ポリエステルB−1に置き換えたこと以外はY1と同様にして、イエローマスターバッチY3を調製した。
水100部、イエロー顔料(C.I.Pigment yellow 185、BASF社製)40部、および着色剤分散樹脂b3、60部を混合攪拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、イエローマスターバッチY4を調製した。(通常混練条件)
Y4の着色剤分散樹脂b3をb2に置き換えたこと以外はY4と同様にして、イエローマスターバッチY5を調製した。
水100部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)40部、および着色剤分散樹脂b3、60部を混合攪拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、ブラックマスターバッチB1を調製した。(通常混練条件)
水100部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)40部、および着色剤分散樹脂b1、60部を混合攪拌した。該混合物を二本ロールで150℃にて10分間混練した後、100℃にて20分間混練し、圧延冷却し、更に圧延冷却の工程をもう2回繰り返しパルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、ブラックマスターバッチB2を調製した。(強混練条件)
B1の着色剤分散樹脂b3を前記非晶質ポリエステルB−1に置き換えたこと以外はB1と同様にして、ブラックマスターバッチB3を調製した。(通常混練条件)
<WAX分散液の作製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に離型剤としてパラフィンワックス50部(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行ない[WAX分散液1]を得た。
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に結晶性ポリエステル樹脂C−1を50部、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[結晶性ポリエステル樹脂分散液C]を得た。
[WAX分散液1]50部、[非晶質ポリエステル樹脂A−1]150部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液C]50部、[非晶質ポリエステル樹脂B−1]750部、[マゼンタマスターバッチM2]30部、及び[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相1]を得た。
なお、上記配合量は、各原材料における固形分の配合量を示す。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
[微粒子分散液1]を粒子径測定装置LA−920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、
という前記(1)〜(4)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmのメッシュで篩い[トナー母体粒子]を得た。
[トナー母体粒子]100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、実施例1のトナーを得た。
表3で示されたトナーの構成比で実施例2〜15のトナー、及び比較例1〜5のトナーを得た。
得られたトナーについて以下の方法により現像剤を作製し、以下の評価を行った。結果を表4に示した。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に前記樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
ボールミルを用いて、トナー5部と前記キャリア95部とを混合し、現像剤を作製した。
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JISK2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
なお、本発明においては針入度を貫入深さ(mm)で表す。
[評価基準]
◎ :針入度20mm以上25mm未満
○ :針入度10mm以上20mm未満
△ :針入度5mm以上10mm未満
× :針入度5mm未満
上記手法にて得られたトナーをIMAGEO MP C4300(リコー社製)に使用されているキャリアとトナー濃度5%となるように混合し、該画像形成装置のイエローユニットに現像剤重量180gとなるように投入した。
この現像剤を用いて、A4サイズの用紙(T6000 70W T目、リコー社製)に面積が2cm×15cmの長方形のベタ画像をトナー量が0.40mg/cm2、0.30mg/cm2となるように、定着ローラーの表面温度を120℃となるように出力し、定着画像をX−Rite938(X−Rite社製)にてイエロートナーの場合はイエローの、シアン、マゼンタ、ブラックトナーの場合はそれぞれシアン、マゼンタ、ブラックの画像濃度(ID)をステータスAモード、d50光にて測定した。
前記のトナー量が0.40mg/cm2のIDの評価結果より、以下のようにトナーの合否判定を行った。
◎:IDが1.5以上
○:IDが1.4以上1.5未満
△:IDが1.2以上1.4未満
×:IDが1.2未満
前記のトナー量が0.40mg/cm2、0.30mg/cm2のID差の評価結果より、以下のようにトナーの合否判定を行った。
◎:ID差が0.3以上
○:ID差が0.2以上0.3未満
△:ID差が0.1以上0.2未満
×:ID差が0.1未満
画像担持体から紙媒体へ定着されたベタ画像の現像残画像が所望の場所以外の場所に定着された場合(コールドオフセット、およびホットオフセット)は×を、これらのオフセットが観察されない場合を○とした。
[評価基準]
◎:105℃超110℃以下
○:110℃超115℃以下
△:115℃超130℃以下
×:130℃超
imagioMP C5002(リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、PODグロスコート 128g/m2(王子製紙社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を140、150度で通紙した画像の光沢度を求めた。複写テスト後の画像を光沢度計VG−7000(日本電色社製)で60度光沢を計測した。定着評価条件は、紙送りの線速度を100mm/秒間、面圧を1.0kgf/cm2、ニップ幅を7mmとした。
[評価基準]
◎:画像光沢が30以上
○:画像光沢が20以上30未満
△:画像光沢が10以上20未満
×:画像光沢が10未満
前記定着温度が140度、150度の画像光沢差の評価結果より、以下のようにトナーの合否判定を行った。
◎:画像光沢差が10以上
○:画像光沢差が5以上10未満
△:画像光沢差が2以上5未満
×:画像光沢差が2未満
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
20 帯電ローラ
30 露光装置
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
L 露光光
(図3において)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10Cシアン用感光体
14、15、16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
62 転写ローラ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
(図4において)
10 感光体ドラム
18 画像形成手段
50 中間転写体
61 現像器
62 転写ローラ
63 クリーニング装置
64 除電ランプ
160 帯電ローラ
L 露光光
(図5において)
10 感光体ドラム
40 現像器
58 コロナ帯電器
80 転写ローラー
90 クリーニング装置
95 記録媒体
110 プロセスカートリッジ
L 露光光
Claims (10)
- 少なくともポリエステル樹脂、着色剤を含む母体粒子を有するトナーであって、透過型電子顕微鏡(TEM)における割断面画像において、海島構造が形成されていて、島構造に着色剤が含有され、前記島構造の直径が平均径0.2μm以上、1.0μm以下、島構造が5個以上30個以下であることを特徴とするトナー。
- 前記トナーの表面からその中心部に向かって1,000nm以内の領域に存在する前記着色剤の割合が、着色剤全体の5%以上、50%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記トナー中に島構造が10個以上20個以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記トナーのTHF不溶分が3価の脂肪族のイソシアネートを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーにさらに着色剤分散用樹脂が含まれ、前記着色剤分散用樹脂を固形分20質量%で酢酸エチルに溶解した着色剤分散用樹脂溶液の60分後の光路長1cmで500nmの光の透過率がT(60)%、480分後の前記透過率をT(480)%とした時、T(60)%−T(480)%≧30%であり、かつ、T(480)%が50%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
- 前記T(60)%が30%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂が、以下構造式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
(1) R1−(NHCONH−R2)n−
(2) R1−(NHCOO−R2)n−
(3) R1−(OCONH−R2)n−
(上記式中、n≧3
R1:芳香族、又は脂肪族系の有機基、
R2:ポリカルボン酸、及びポリオールの少なくともいずれかからなるポリエステル樹脂、並びにポリエステル樹脂がイソシアネート変性された変性ポリエステル樹脂のいずれかの樹脂に由来する基を表す) - 有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させ、前記溶解乃至分散物を水系媒体中で分散乃至乳化し、造粒して得られた分散液から溶媒を除去することにより得られるトナーであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
- 請求項9に記載の現像剤を収容したことを特徴とする現像剤収容ユニット。
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