JP2010164720A - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents

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裕二 森木
Kazuki Yoshizaki
和已 吉▲崎▼
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憲一 中山
Takeshi Kaburagi
武志 鏑木
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Abstract

【課題】低温低湿度環境下において長期に渡って使用した場合においても、高画質な画像が安定して得られるトナーを提供する。
【解決手段】(構成1)トナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子は結着樹脂、着色剤、およびワックスを含有しており、
該トナー粒子表面近傍の着色剤存在比と、トナー粒子全体の着色剤存在比の関係について規定し、(4)トナーモード径よりも粒径が小さいトナーの存在比と、トナーをミリング処理したときの、トナーモード径よりも粒径が小さいトナーの存在比について規定したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真法、静電記録法等を利用した記録方法に用いられるトナーに関するものである。また、本発明は電子写真法、静電記録法等を利用した記録方法に用いられるトナーの製造方法に関するものである。
電子写真法は、感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成し、紙の如き記録材(転写材)にトナー画像を転写させた後、熱・圧力により記録材上にトナー画像を定着してプリント又は複写物を得るものである。
近年、コンピュータ及びマルチメディアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている。ヘビーユーザーは多数枚の複写又はプリントによっても画質低下のない高耐久性を要求する一方、スモールオフィスや家庭では、装置の小型化、定着温度の低温化等が要望されている。また、出力されるフルカラー画像の画質も、文書、表、グラフ等のいわゆるビジネス画質から写真画質まで、多種多様化している。加えて、装置の使用環境においても多様化しており、高温高湿度、あるいは低温低湿度といった過酷な環境においても、高品質の画像を安定して出力することが求められている。
耐久性と定着性の両立という観点では、トナーの粘弾性や溶融粘度で議論されている。
一般的にトナーは、現像装置内で機械的な摩擦力を受け劣化するので、トナーの粘弾性や溶融粘度を高くする方が有利である。一方で定着工程では消費エネルギーを削減するために、トナーの粘弾性や溶融粘度を下げる必要がある。しかしながらトナーの粘弾性や溶融粘度を下げることは、現像特性や転写特性に対して不利になるばかりか、トナーの保存安定性も低下する。このように耐久性と定着性は相反する性能であるが、この両者を満足させる手法について、従来より種々の検討がなされている。
耐久性と定着性を両立させる方法としては、コア部に定着性を、シェル部に耐久性の機能を持たせたいわゆるコアシェル構造を有するトナーを用いる方法が知られている。例えば、トナー粒子の破壊が起こる強度が従来公知のトナーよりも高く、シェル層の厚さを25乃至70nm(トナー粒子粒径の約100分の1程度)とすることで、耐久性、低温定着性、保存性に優れたトナーとなることが開示されている(特許文献1)。さらに長期にわたって高品位な画像を得るために、トナー粒子を水系媒体中に分散させ、異なる強度の超音波処理を行った際の小粒子存在比の関係について規定したトナーが開示されている(特許文献2)。
一方、写真や地図、ビジネス文書といった多種多様な原稿においても高品質な画像を得るためには、例えばフルカラー複写機においては「文字/写真/地図」「印刷写真」といった画像処理モードを複数備え、必要に応じて使い分ける方法が広く知られている。
特開2007−171272 特開2003−330217
本発明者らは異なる画像処理を用いて得られるフルカラー画像のうち、2次色ハーフトーン画像について種々の検討を行ったところ、従来公知のトナーではある検討条件において画像品質に問題があることを見出した。具体的には、異なるパターンのハーフトーン画像において、同一負荷にて画像を擦ったにもかかわらず、摺擦後の画像濃度が異なったものとなった。この現象は低温低湿度環境下においてより顕著であった。
上述のハーフトーン画像のパターンの一例について図1に示し、本発明が解決しようとする課題について、更に詳細に説明する。
図1(a)乃至(c)は2次色ハーフトーン画像のパターンの一例である。図1では黒色で塗りつぶしたものを第1色、斜線で示したものを第2色とする。第1色および第2色ともに印字比率は12.5%である。1画素の1辺の長さは約42μm(解像度600dpi)であり、(a)(b)(c)いずれも144画素分のパターンを表示している。
低温低湿度環境下において、図1(a)乃至(c)に示す画像を連続印字したところ、初期画像においては問題ないものであった。しかしながら長期にわたる使用に伴い、パターン(b)においては摺擦後の画像濃度に問題が無いのに対して、パターン(a)およびパターン(c)においては摺擦後の画像濃度が低下した。画像濃度の低下率はパターン(a)が小さく、パターン(c)が大きかった。第1色のみのハーフトーン画像(印字比率12.5%)および第2色のみのハーフトーン画像(印字比率12.5%)においても同様の検討を行ったが、上述のような濃度低下は認められなかった。
なお、図1に示す画像パターンは、第1色と第2色が転写材上で混色しない画像パターンの一例である。従来公知のフルカラー画像形成装置においては、第1色のドットと第2色のドットが一部重なってトナー混色画像を形成する方法も好適に用いられるが、その場合においても上述の問題は同様に発生した。
本課題は、トナー粒子を少なくとも有するトナーであって、該トナー粒子は結着樹脂、着色剤、およびワックスを少なくとも含有しており、
該トナーの示差走査熱量計測定におけるガラス転移温度が40.0℃以上60.0℃以下であり、
該トナーの結着樹脂中のテトラヒドロフラン不溶分が25質量%以下であり、
透過型電子顕微鏡(TEM)観察によるトナー粒子表面からトナー粒子直径の0.1倍深さまでの領域における着色剤存在量をX(面積%)、トナー粒子全体の着色剤存在量をY(面積%)としたときに下記関係式(1)を満たし、
X/Y ≦ 0.30 …(1)
該トナーの分散液に20kHz,50W/10cm2 の超音波を3分間照射した場合のフロー式粒子像分析装置における粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比をA(個数%)、0.8μmガラスビーズにて該トナーを5時間ミリング処理した処理トナーの分散液に20kHz,50W/10cm2 の超音波を3分間照射した場合のフロー式粒子像分析装置における粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比をB(個数%)としたときに下記関係式(2)及び(3)を満たすことを特徴とするトナーを用いることで解決される。
A ≦ 10.0 …(2)
B ≦ 20.0 …(3)
(ただし、Dm(μm)はフロー式粒子像分析装置におけるトナーのモード径である。)
低温低湿度環境下において長期に渡って使用した場合においても、高画質な画像が安定して得られるトナーが得られる。
加えて、低温低湿度環境下において長期に渡って使用した場合においても、2次色ハーフトーン画像の定着性に優れたトナーが得られる。
本発明者らは詳細な検討の結果、下記(1)乃至(5)を規定することで、低温低湿度環境下における長期使用においても、高画質画像を安定して出力し、2次色ハーフトーン定着性にも優れたトナーが得られることを見出した。(1)トナーのガラス転移温度を規定する。(2)トナーの結着樹脂中のテトラヒドロフラン不溶分量を規定する。(3)トナー粒子表面近傍の着色剤存在比と、トナー粒子全体の着色剤存在比の関係について規定する。(4)トナーモード径よりも粒径が小さいトナーの存在比について規定する。(5)トナーをミリング処理したときの、トナーモード径よりも粒径が小さいトナーの存在比について規定する。
本発明が解決しようとする課題が生じる詳細なメカニズム、および本発明が上述の効果を発揮できる理由について、その詳細は不明であるが、以下のように推察される。
まず、本発明が解決しようとする課題が生じるメカニズムについて述べる。
電子写真で一般に用いられる定着工程では、トナーが熱、圧力等の外部因子によって変形し、例えば記録材が紙である場合には紙の繊維に溶着することにより定着画像が得られる。
本発明者らは各種の定着画像の摺擦試験を繰り返し行った結果、印字比率の高いベタ黒画像(印字可能な領域全てにトナー像を形成した画像)のほうが、印字比率の低いハーフトーン画像よりも耐摺擦性に優れることを確認した。これは、ハーフトーン画像の定着性は記録材との相互作用が支配的であるのに対して、ベタ黒画像の定着性は記録材との相互作用以外にも、トナー同士の溶着による定着性向上効果が出現するためであると考えられる。
図1において、パターン(b)においては摺擦後の画像濃度に問題が無いのに対して、パターン(a)およびパターン(c)においては摺擦後の画像濃度が低下した理由は、上述の効果が影響しているものと思われる。すなわち、パターン(a)、(b)、(c)はいずれも同じ画像濃度でありながら、孤立ドットの配置が異なることで、トナー同士の溶着による定着性向上効果に差が出現したものである。この耐摺擦性の違いは微小なものであるため、従来技術においては問題とならないレベルのものであったが、定着速度の向上および定着温度の低下といった、より高レベルでの定着性が求められるようになり、顕在化したものであると推察される。なお、2次色ハーフトーン画像では耐摺擦性に劣るのに対して、単色のハーフトーン画像では問題ない理由については、トナーを溶解、変形するための熱総量が異なるからであると推察される。すなわち、単色ハーフトーンでは定着に十分な熱量であっても、2次色ハーフトーンでは十分な熱量といえず、定着不良が発生するものと思われる。
次いで、本発明が上述の効果を発揮できる理由について述べる。
本発明のトナーは、高耐久性を維持しつつ、トナー同士の溶着による定着性向上効果が好適に出現するよう設計されたものである。まず、高耐久性の指標となる物性より説明を加える。
本発明のトナーは、トナーの分散液に20kHz,50W/10cm2の超音波を3分間照射した場合の粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比Aが10.0個数%以下であることが必須である。なお、Aは7.0個数%以下であることが好ましい。また、本発明のトナーは、0.8μmガラスビーズにて該トナーをミリング処理した処理トナーにおける、粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比Bが20.0個数%以下であることが必須である。
更には、上述AおよびBの差分(B−A)が0以上13.0未満であることが好ましい。
トナーのミリング処理は、実際に現像装置内で行われるトナー同士の摺擦および、トナーと現像部材との摺擦によるトナーへのストレスを模したものであり、本手法とトナー耐久性との間に高い相関があることを本発明者らは見出したものである。
ここで差分(B−A)は、トナーが上述のストレスにより破壊されたときに生じる、トナー破片粒子の増加量について示している。
Aが10.0個数%を超える場合は、次の2つの状態のうちいずれかであることを示している。(1)トナーに外部添加剤として加えた、粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子が多数存在する。(2)トナーが脆弱であり、軽負荷のストレスでも崩壊し、破壊されたトナー粒子(以後、破壊トナー粒子とも記す)が多数存在する。(1)である場合には外部添加剤の粒子に熱量を奪われ、定着性において劣るトナーとなり好ましくない。具体的には2次色ハーフトーン画像の評価において、評価初期より定着性に劣る画像となる。一方(2)である場合には、破壊トナー粒子が正規現像を行えないため、高品質画像が得られないため好ましくない。具体的には、評価初期より細線再現性に劣るトナーとなる。
Bが20.0個数%を超える場合は、トナーが上述のストレスにより多数破壊されていることを示しており、耐久性に劣るトナーとなるため好ましくない。具体的には長期に渡る評価試験において、細線再現性および定着性に劣るトナーとなる。好ましくは、差分(B−A)が13.0以下であることで、長期に渡る評価試験においても、安定した高品質画像が得られる。なお、差分(B−A)の好ましい下限値は0であるが、これは本発明における測定方法においてはBが常にAよりも大となるからである。
なお、前述したように、特許文献2にはトナー粒子を水系媒体中に分散させ、異なる強度の超音波処理を行った際の小粒子存在比の関係について規定したトナーが開示されている。しかしながら本発明者らが詳細な検討を行った結果、特許文献2のトナーを用いても本発明の課題は解決されないことが明らかとなった。具体的には、低温低湿度環境下での連続印字において、2次色ハーフトーン画像の耐摺擦性に劣るものとなった。この詳細な理由については不明であるが、特許文献2に記載のトナーは、外添剤あるいは超微粒子(トナー製造工程時に生成するサブミクロン粒子)がトナー粒子より遊離しないことを規定したトナーである。特許文献2のトナーはトナー粒子強度について言及したものではないため、本発明の課題を解決するには至らないものと推察される。
AおよびBの数値は、例えば下記手法を用いることで上記関係を満足させることが可能であるがこれらに限定されるものではない。
(1)水系媒体中でコア粒子を製造した後、別途単量体を添加してシード重合することによりトナー粒子表層にシェル層を形成させる。このときシード重合用単量体の組成比を2段階以上に変化させて繰り返しシード重合を行うことで、コア粒子とシェル層の密着性を高めることができ、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
(2)水系媒体中でコア粒子を製造した後、後述するパワーフィード重合を行い、トナー粒子表層にシェル層を形成させる。
(3)トナー粒子を水系媒体中で製造する場合に、トナー粒子に樹脂を含有させ、樹脂によるシェル層を形成させる。このとき該樹脂は、コア層を形成する結着樹脂との相溶性を考慮して選定する。また、このとき極性を有する樹脂を用いると、該樹脂によるシェル層が容易に、且つ均一に得られる。
(4)コア粒子よりも体積平均粒径が小さい樹脂微粒子をコア粒子に機械的に付着させる。あるいは水系媒体中でコア粒子よりも体積平均粒径が小さい樹脂微粒子をコア粒子に付着させたあと、加熱工程によって固着させる。
本発明において、トナーのミリング処理は以下の手順にて行った。
100mlサンプル管にトナー2gと0.8μmガラスビーズ(商品名BZ−08、アズワン株式会社製)38gを入れ、卓上型ボールミル(商品名V−1ML、株式会社入江商会製)を使用して23℃環境下において5時間ミリング処理を行った。回転速度はダイヤル目盛の50%とした。
また、本発明において、フロー式粒子像分析装置を用いた数値A、B、およびモード径は以下の手順にて求めた。フロー式粒子像分析装置の概要については以下のとおりである。
フロー式粒子像分析装置(例えば「FPIA−3000」(シスメックス社製)であり、本発明の測定にはFPIA−3000を用いた)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことである。本発明においては各粒子の円相当径の相加平均値を求め、個数平均粒径(D1)とした。
フロー式粒子像分析装置においては、上記面積Sと周囲長Lを用いて円形度を求めることもできる。円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
測定および解析条件としては、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。本発明における具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数20kHz、出力50W/10cm2の卓上型の超音波分散器(例えば超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5Φのチタン合金チップを装着したもの)を用いた。前述振動子を測定用分散液に約1mm浸し、最大出力にて3分間分散処理を行った。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径0.60μm以上、39.69μm未満に限定し、トナーの円相当径の相加平均値(個数平均粒径D1)、モード径Dmおよび平均円形度を求める。求めたDmより粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比を算出し、それぞれAおよびBとした。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径0.60μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
次に本発明の定着性向上の指標となる物性について、以下に説明を加える。
本発明のトナーは、示差走査熱量計測定におけるトナーのガラス転移温度が40.0℃以上60.0℃以下であり、該トナーの結着樹脂中のテトラヒドロフラン(以下THFとも略す)不溶分が25質量%以下であることが必須である。トナーのガラス転移温度は40.0℃以上56.0℃以下であることが好ましい。また、該トナーの結着樹脂中のTHF不溶分は20質量%以下であることが好ましい。上記の数値範囲を満たすことで、定着性および現像性に優れたトナーを得ることができる。
上記トナーのガラス転移温度は結着樹脂を構成する単量体組成比を適宜調整したり、複数の結着樹脂を用い、その配合比を調製することで達成することが可能であるが、これらに限定されるものではない。また、上記トナーのTHF不溶分は、用いる架橋剤の種類および添加量を適宜選択したり、重合反応時の反応温度および圧力を適宜調製することで達成することが可能であるが、これらに限定されるものではない。
トナーのガラス転移温度が40.0℃未満である場合には、現像装置部材への融着が容易に起こるため、好ましくない。具体的には細線再現性に劣るトナーとなる。一方60.0℃を超える場合には2次色ハーフトーン画像の定着性に劣るトナーとなるため、好ましくない。
また、該トナーの結着樹脂中のTHF不溶分は、結着樹脂中の架橋成分量(ゲル量)を示している。該トナーの結着樹脂中のTHF不溶分が25質量%を超える場合には、定着工程によるトナーの塑性変形が好適に行われず,好ましくない。具体的には2次色ハーフトーン画像の定着性に劣るトナーとなる。
なお、トナーのガラス転移温度の測定は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー約10mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40℃乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tg(℃)とする。
また、トナーの結着樹脂中のTHF不溶分量の測定方法は以下のとおりである。
トナー約1.0gを秤量(W1(g))し、予め秤量した円筒濾紙(例えば、商品名No.86R(サイズ28×100mm)、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。そして、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mlを用いて16時間抽出する。このとき、溶媒の抽出サイクルが約5分に1回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒ろ紙を取り出して風乾した後、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を含む円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量を差し引くことにより、抽出残分の質量(W2(g))を算出する。
そして、樹脂成分以外の成分の含有量(W3(g))を下記式(6)のように差し引くことによって、THF不溶分を求めることができる。
THF不溶分(質量%)={(W2−W3)/(W1−W3)}×100・・・(6)
樹脂成分以外の成分の含有量は、公知の分析手段によって測定することができる。分析が困難な場合には、以下のようにして樹脂成分以外の成分の含有量(トナー中の焼却残灰分(W3’(g))を見積もり、その含有量を差し引くことによって、THF不溶分を求めることができる。
トナー中の焼却残灰分は以下の手順で求める。予め秤量した30mlの磁性るつぼに約2gのトナーを秤量(Wa(g))する。るつぼを電気炉に入れ約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Wb(g))を算出する。そして、下記式(7)により、試料W1(g)中の焼却残灰分の質量(W3’(g))を算出する。
W3’=W1×(Wb/Wa) ・・・(7)
この場合、THF不溶分は、下記式(8)で求められる。
THF不溶分(質量%)={(W2−W3’)/(W1−W3’)}×100・・(8)
さらに本発明のトナーは、TEM観察によるトナー粒子表面からトナー粒子直径の0.1倍深さまでの領域における着色剤存在量をX(面積%)、トナー粒子全体の着色剤存在量をY(面積%)としたときに、下記関係式(1)を満たすことが必須である。
X/Y ≦ 0.30 …(1)
ここでXはトナー粒子表面近傍の着色剤存在比であり、Yはトナー粒子全体の着色剤存在比である。上記関係式(1)は、トナー粒子表面近傍に着色剤が占める割合が、トナー粒子全体に対して少ないことを示しているが、関係式(1)を満たすことで本発明の効果が好適に出現する理由について、本発明者らは以下のように考えている。
トナーは定着工程において、トナー粒子の表層より熱を受ける。ここでトナー粒子表面近傍部(具体的にはトナー粒子表面からトナー粒子直径の0.1倍深さまでの領域)の比熱が均質であれば、トナー同士の溶着による定着性向上効果が好適に出現する。すなわち、トナー粒子の表面近傍部同士が速やかに溶融、変形し、定着性が向上する。
X/Yの値が0.30を超える場合には、表面近傍の着色剤によってトナー粒子の表面近傍部同士が速やかに溶融、変形することが阻害され、好ましくない。具体的には、2次色ハーフトーン画像の定着性について劣る画像となる。
X/Yの値は、例えば下記手法を用いることで上記関係を満たすことが可能であるがこれらに限定されるものではない。
(1)水系系媒体中でコア粒子を製造した後、別途単量体を添加してシード重合することによりトナー粒子表層にシェル層を形成させる。このとき、シード用単量体の添加量を適宜調整することで、シェル層の厚さを調整する。
(2)水系媒体中でコア粒子を製造した後、後述するパワーフィード重合を行い、トナー粒子表層にシェル層を形成させる。このとき、滴下する単量体の添加量を適宜調整することで、シェル層の厚さを調整する。
(3)トナー粒子を水系媒体中で製造する場合に、トナー粒子に樹脂を含有させ、樹脂によるシェル層を形成させる。このとき該樹脂は、コア層を形成する結着樹脂との相溶性を考慮して選定する。このとき、極性を有する樹脂を用いると、該樹脂によるシェル層が容易に、且つ均一に得られる。また、含有させる極性樹脂の添加量を適宜調整することで、シェル層の厚さを調整することができる。
(4)コア粒子よりも体積平均粒径が小さい樹脂微粒子をコア粒子に機械的に付着させる。あるいは水系媒体中でコア粒子よりも体積平均粒径が小さい樹脂微粒子をコア粒子に付着させたあと、加熱工程によって固着させる。このとき、樹脂微粒子の粒径および添加量を適宜調整することで、シェル層の厚さを調整する。
本発明におけるトナーを好適に製造することができるパワーフィード重合について、以下に詳細に説明する。
パワーフィード重合を行う際の製造装置の一例について図2を用いて説明するが、これらに限定されるものではない。なお本発明においては、パワーフィード重合とは、滴下する単量体の組成比を重合中に連続的に変化させる工程を有するシード重合を行う重合方法のことを指す。
図2において、201は単量体タンクA、202は単量体タンクBであり、AとBには単量体1(図中211)と単量体2(図中212)がそれぞれ保管されている。207および208は送液ポンプであり、送液速度は任意の値に変更することが可能である。203は開始剤タンクであり、水溶性開始剤(不図示)が保管されている。反応タンク204には、別途作製したコア粒子含有スラリー213が保管されており、攪拌モーター206および攪拌羽根210を用いてコア粒子が沈降しないよう攪拌を行っている。
送液ポンプ207を駆動させることで、単量体1は単量体タンクBに移送される。単量体タンクBに取り付けられたモータ205および攪拌羽根209によって、単量体タンクBに移送された単量体1は、単量体タンクB中に均一分散する。任意のタイミングで送液ポンプ208を駆動させ、同時に開始剤タンク203より水溶性開始剤の滴下を開始する。
送液ポンプ207および208の送液速度を調整することにより、単量体タンクB中の単量体1と単量体2の組成比を連続的に変化させることができる。例えばシード重合反応初期においては単量体2のみを、シード重合反応後期においては単量体1のみを滴下することができる。その結果、シェル層の単量体組成比を連続的に変化させることが可能となる。本発明において前述したその他のトナー製造方法によって得られたトナーにおいては、長期に渡る使用に伴いシェル層の剥離が起こることがあるが、本手法を用いるとシェル層がコア層により均質に密着するため、好ましいトナーが容易に得られる。
なお、図2においてはシード重合用単量体は2種であるが、3種以上となってもよい。また、送液ポンプ207および208の送液速度は一定である必要はなく、送液ポンプ207と208の送液速度が同一である必要もない。
本発明においては、シード重合用単量体として少なくとも2種以上の単量体を用い、滴下する単量体の組成比を段階的に変化させ、シード層の組成変化を少なくとも2段階以上とすることも好ましい(以下、この重合方法を「階段シード重合」とも呼ぶ。)。図2を用いて説明を加えるが、これに限定されるものではない。
階段シード重合は、パワーフィード重合の場合と装置構成および内容物構成を同一で行うことができる。送液ポンプ207および208の稼動を交互に行うことで、階段シード重合とすることが可能である。具体的には以下のとおりである。
まず、送液ポンプ208のみを一定時間稼動させ、通常のシード重合を行う(第1段シード重合)。次いで、送液ポンプ208を一旦停止させ、それと同時に送液ポンプ207を一定時間稼動させる。単量体1が単量体タンクBに移送され、単量体タンクBに取り付けられたモータ205および攪拌羽根209によって、単量体タンクBに移送された単量体1は、単量体タンクB中の単量体と攪拌・混合される。所定時間終了後、送液ポンプ207を停止させ、それと同時に送液ポンプ208を再稼動させることで、再度シード重合を行う(第2段シード重合)。このとき、第2段シード重合に供される単量体は、単量体1と単量体2がある一定割合で混合されたものとなる。この工程を必要に応じて繰り返し行うことで、階段シード重合が行われる。
このとき、第N段シード重合に供される単量体組成と、第(N+1)段シード重合に供される単量体組成は、以下の関係式(9)を満たすことが好ましく、さらには関係式(10)および(11)を満たすことが好ましい。さらには関係式(12)を満たすことが好ましい。ここでNは1以上の正数である。
−10℃≦{Tg(N+1)−Tg(N)}≦10℃ …(9)
0℃≦{Tg(N+1)−Tg(N)}≦10℃ …(10)
0℃≦{Tg(N=L)−Tg(N=1)} …(11)
0℃≦{Tg(N=L)−Tg(N=1)}≦20℃…(12)
ただし、Tg(N)は、第N段での単量体組成から計算される理論ガラス転移温度であり、Tg(N+1)は、第(N+1)段での単量体組成から計算される理論ガラス転移温度である。N=1は第1段シード重合を示し、N=Lは最終段シード重合を示す。理論ガラス転移温度は、Foxの式(例えば特開2001−181557号公報〔0013〕)より算出したものである。なお、Foxの式で用いられる各単量体のホモポリマーのガラス転移温度は、「Polymer Handbook 第4版(Wiley−Interscience社発行)」に記載の値を使用した。
なお、図2においてはシード重合用単量体は2種であるが、3種以上となってもよい。また、送液ポンプ207および単量体タンクAを用いる代わりに、別途(N+1)段用の単量体を準備し、単量体タンクBに任意のタイミングで一括添加しても良い。
本発明におけるトナーにおいては、重合転化率が30%以上90%以下であるときにシード重合を開始することが好ましい。コア粒子の重合反応が進行している際にシード重合を開始することで、コア粒子とシェル層の密着性を高めることができ、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
重合転化率が30%未満でシード重合を開始した場合には、組成分布がブロードなトナー粒子が得られるため好ましくない。具体的には、帯電特性が異なるトナー粒子が混在し、細線再現性に劣るトナーとなる。一方、重合転化率が90%以上でシード重合を開始した場合には、コア粒子とシェル層の密着性に劣るトナーとなりこのましくない。具体的には長期に渡る使用に伴い、破壊トナーが生成するため細線再現性に劣るトナーとなる。
なお、本発明における重合転化率とは、トナーに用いられる重合性ビニル系単量体の総質量(Wa)を基準として、未反応の重合性ビニル系単量体の総質量(Wb)を定量することにより下記式から求められる。
重合転化率(%)=(Wa−Wb)/Wa×100
また、未反応の重合性ビニル系単量体の質量は、反応容器からサンプリングした直後に、重合停止剤や冷メタノール等を採取サンプルに添加して重合反応を停止させ、トナー粒子を濾別した後、以下に示す手法を用いて測定することができる。(1)熱天秤等により加熱時の重量減少量として測定する熱重量測定(TG)を用いる方法。(2)ガスクロマトグラフィー(GC)を用いる方法。これらの中でもGCを用いる方法は、特に有効な方法であり、本発明においてはGCを用いて重合転化率を算出した。
重合転化率をGCを用いて定量する場合の具体例を以下に示す。
〈GCの測定条件〉
装置 :GC−14A(島津製作所社製)
カラム:溶融シリカキャピラリカラム(J&W SCIENTIFC社製;サイズ…3 0m×0.249mm、液相…DBWAX、膜厚…0.25μm)
試料 :2.55mgのDMFを内部標準とし、100mlのアセトンを加えて内部標準品入り溶媒をつくる。次にトナー粒子400mgを上記溶媒で10mlの溶液とする。30分間超音波振とう機にかけた後、1時間放置する。次に0.5μmのフィルターで濾過する。打ち込み試料量は4μlとする。
検出器:FID(スプリット比…1:20)
キャリアガス:N2ガス
オーブン温度:70℃→220℃(70℃で2分待機後、5℃/分の割合で昇温)
注入口温度:200℃
検出器温度:200℃
検量線の作成:サンプル溶液と同様のDMF、アセトン溶液に対象となる重合性ビニル系単量体を加えた標準サンプルについて同様にガスクロマトグラフ測定し、重合性ビニル系単量体と内部標準品DMFの重量比/面積比を求める。
本発明におけるXおよびYの算出方法について、以下に記す。
最初に、トナー粒子断面を観察する具体的な方法について記す。
常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、40℃の雰囲気下で2日間硬化させた。得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出して透過型電子顕微鏡(TEM)を用い1万倍の拡大倍率でトナーの断層面を観察した。本発明では、透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を装置として用い、加速電圧100kVで観察、測定した。
次いで、得られたTEM画像を用いてXおよびYを算出する方法について記す。まず最初に、Yの算出方法について示す。
TEMによるトナー粒子の断面観察において、短径と長径の相加平均が(0.9×Dm)μm以上(1.1×Dm)μm以下であるトナー粒子断面像を20個抽出する。なお、Dmはフロー式粒子像分析装置におけるトナーのモード径である。
(2−1)各々の粒子について、画像解析ソフトanalySIS(Soft Imaging System GmbH 製)を使用し、画像を2値化することにより着色剤粒子を選出し、着色剤粒子の総面積を求める。なお、本発明においてはトナー断層面中で黒く見える粒子状の部位を着色剤粒子とした。また、各々の粒子について、画像解析ソフトanalySIS(同上)を使用し、トナー粒子の断面積を求める。
(2−2)トナー粒子断面積に対する、着色剤粒子の総面積の比を個々のトナー粒子について算出し、トナー粒子の着色剤存在量を求める。
(2−3)各々の粒子における着色剤存在量の相加平均値がY(%)である。
次に、Xの算出方法について示す。
(3)Yの算出方法において抽出した粒子について、長径の中点が原点となり、長径がx軸と重なるようにxy軸(2次元直交座標系)を設定する。
(4)長径を長軸(2a)、短径を短軸(2b)とする楕円OV1を作成する。楕円OV1は下式(13)により表される。
2/a2+y2/b2=1・・・(13)
長径の0.8倍長を長軸(1.6a)、短径の0.8倍長を短軸(1.6b)とする楕円OV2を作成する。楕円OV2は下式(14)により表される。
2/(0.8a)2+y2/(0.8b)2=1・・・(14)
OV2以上OV1以下の領域におけるトナー粒子の着色剤存在量を算出する。算出方法については上述(2−1)乃至(2−3)に示した方法と同様にして行う。
各々の粒子における着色剤存在量の相加平均値がX(%)である。
上述楕円OV1およびOV2について、図3に示す。
なお、上述のようにトナー粒子を楕円とみなす理由は、TEM画像用サンプル調整方法においては、ミクロトームの切削条件によってトナー粒子が楕円状に扁平することがあるためである。よって、短径と長径の相加平均を切削前のトナー粒子直径とみなし、測定トナー粒子を選択するときの条件として用いている。
本発明のトナーの構成材料について詳しく説明する。
本発明のトナー粒子は結着樹脂、着色剤、およびワックスを少なくとも含有する。
結着樹脂(コア粒子及びシェル層の結着樹脂の両方を含む)としては、従来よりトナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を用いることができる。具体的には以下のとおりである。ポリスチレン及びポリビニルトルエン等のスチレン、並びにその置換体の重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、及びスチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、ポリオレフィン、(メタ)アクリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びスチレン系樹脂の各水添物。
着色剤としては、一般にトナーに用いられる顔料及び染料を用いることができる。
モノクロトナーを得る場合、ブラック着色剤として、カーボンブラックやチタンブラックを用いることができる。
フルカラートナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)を得る場合は、各々、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を使用する。
イエロー着色剤としては、アゾ系顔料や縮合多環系顔料を用いることができる。具体的には以下のとおりである。C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、75、83、90、93、97、120、138、155、180、181、185及び186。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料や縮合多環系顔料を用いることができる。具体的には以下のとおりである。C.I.ピグメントレッド31、48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、C.I.ピグメントバイオレット19。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物等のフタロシアニン化合物及びその誘導体や、アントラキノン化合物を用いることができる。具体的には以下のとおりである。C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、および60。
着色剤の量は、コア粒子の結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1乃至10質量部である。
トナー粒子には、必要に応じて帯電制御剤を含有させることもできる。帯電制御剤としては、従来からトナーに用いられている帯電制御剤を何ら制限なく用いることができる。帯電制御剤には、負帯電制御剤と正帯電制御剤とがあり、本発明のトナーを負帯電性トナーとするか、正帯電性トナーとするかによって、使い分ける。
帯電制御剤の中でも、帯電制御樹脂を用いることが好ましい。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり、高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができる。
以下、負帯電制御樹脂及び正帯電制御樹脂について説明する。
負帯電制御樹脂としては、重合体の側鎖に、カルボキシル基又はその塩、フェノール類基又はその塩、チオフェノール基又はその塩、スルホン酸基又はその塩から選択される置換基を有する樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、重合体の側鎖にスルホン酸基又はその塩を有する樹脂が好ましく用いられる。具体的には、スルホン酸基又はその塩を含有するモノビニル単量体と、該モノビニル単量体と共重合可能な他のモノビニル単量体を共重合することによって得られる樹脂が挙げられる。
スルホン酸基又はその塩を含有するモノビニル単量体の配合量は、負帯電制御樹脂を構成する全単量体中、好ましくは0.5乃至15重量%であり、更に好ましくは1乃至10重量%である。スルホン酸基又はその塩を含有するモノビニル単量体の配合量が上記範囲未満であると、トナーの帯電量が不十分となる場合があり、上記範囲を超えると、低温低湿下におけるトナーの帯電量の上昇が大きくなり、印字汚れが発生する場合がある。
正帯電制御樹脂としては、例えば、−NH2、−NHCH3、−N(CH32、−NHC25、−N(C252、−NHC24OH等のアミノ基を含有する樹脂、及びそれらがアンモニウム塩化された官能基を含有する樹脂が挙げられる。
アミノ基及びアンモニウム塩基等の官能基を有するモノビニル単量体の配合量は、正帯電制御樹脂を構成する全単量体中、好ましくは0.5乃至15重量%であり、更に好ましくは1乃至10重量%である。官能基を有するモノビニル単量体の配合量が上記範囲未満であると、トナーの帯電量が不十分となる場合があり、上記範囲を超えると、低温低湿下におけるトナーの帯電量の上昇が大きくなり、印字汚れが発生する場合がある。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40乃至100℃であり、更に好ましくは45乃至80℃であり、最も好ましくは45乃至70℃である。ガラス転移温度が上記範囲未満であるとトナーの保存性が悪くなり、上記範囲を超えると定着性が低下する場合がある。
帯電制御剤の使用量は、コア粒子の結着樹脂を得るために使用されるモノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1乃至10質量部である。
なお、荷電制御樹脂のガラス転移温度は、トナーのガラス転移温度の測定と同様の方法で行うことができる。
本発明のトナーに用いるワックスは、従来公知のものを使用することができる。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等のポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラクタム等の石油ワックス及びその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、及びジペンタエリスリトールヘキサステアレート等の多官能エステル化合物;が挙げられる。
上記ワックスの中でも以下の化合物が定着−剥離性バランスの面で特に好ましい。(1)示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/minにおける昇温時のDSC曲線から測定される、吸熱ピーク温度が30乃至150℃、好ましくは50乃至120℃、より好ましくは60乃至100℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステル。(2)同吸熱ピーク温度が50乃至80℃の範囲にあるジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化物。
ワックスの添加量は、コア粒子の結着樹脂100質量部に対して、1乃至8質量部であることが好ましく、3乃至6質量部であることがより好ましい。
ワックスの添加量が上記範囲より多くなると、トナーの保存性が低下する。一方で、ワックスの添加量が上記範囲未満となると、ワックスによる効果が十分に得られない。
ワックスは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、ワックスの吸熱ピーク温度は、トナーのガラス転移温度の測定と同様の方法で行うことができる。
本発明に係るトナー粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型(又は「カプセル型」ともいう。)の粒子が好適に用いられる。コアシェル型トナー粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、最低定着温度の低温化(低温定着性)とトナーの保存性とのバランスを取ることができる。
本発明におけるコアシェル型トナー粒子のコア層となる粒子(「コア粒子」ともいう。)は、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び必要に応じて帯電制御剤や、その他の添加剤で構成される。一方、シェル層は、通常、結着樹脂のみで構成されるが、ワックスや荷電制御剤を更に含有していてもよい。
トナー粒子は、フロー式粒子像分析装置における測定による個数平均粒径(D1)が4乃至10μmであることが好ましく、5乃至8μmであることが更に好ましい。D1が4μm未満であると、トナーの流動性が小さくなり、カブリが発生したり、転写残が発生したり、クリーニング性が低下する場合がある。一方、D1が10μmを超えると、細線再現性が低下して高画質を達成できなかったり、定着性が低下する場合がある。
また、トナー粒子の平均円形度は、0.950乃至0.990であることが好ましく、0.975乃至0.990であることが更に好ましい。
本発明においてコア粒子となるトナー粒子は、粉砕法;乳化重合法、及び懸濁重合法等の重合法;転相乳化法;溶解懸濁法等、従来から知られた方法により製造することができる。これらの製造方法の中でも、平均円形度が1、すなわち真球に近く、且つ、粒径分布がシャープなトナー粒子を得ることができるので、重合法によりトナー粒子を製造することが好ましい。
上記いずれかの方法により得られたコア粒子の表面に、スプレードライ法、界面反応法、in situ重合法、層分離法等、従来から知られた方法でシェル層を被覆することにより、コアシェル型トナー粒子が得られる。中でも、重合法により製造したトナー粒子に、in situ重合法の一例である前述のパワーフィード重合法により、シェル層を被覆する方法が好ましい。
以下、重合法によりコア粒子を製造し、さらに、in situ重合法により、シェル層を被覆する方法を説明する。
本発明では、コア粒子の結着樹脂の原料であるコア用重合性単量体に、着色剤、ワックス、及び必要に応じて帯電制御剤等の他の成分を溶解あるいは分散させてコア用重合性単量体組成物とする。次いで、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、該コア用重合性単量体組成物の液滴を形成する。この液滴を含有する分散液中にコア用重合開始剤を添加して重合し、必要に応じて粒子同士を会合させることで、コア粒子を調製することができる。
本発明では、コア粒子の結着樹脂となる重合体として、コア用重合性単量体を用いる。
コア用重合性単量体として、モノビニル単量体を使用する。モノビニル単量体としては、次のような化合物が挙げられる。スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸のアミド化合物、及びメタクリル酸のアミド化物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、及びフッ化ビニル等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン;酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、及びビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、及びメチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、及びN−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
上記モノビニル単量体の割合は、コア用結着樹脂成分を形成するために用いられるコア用重合性単量体中、少なくとも80質量%以上であることが好ましい。
本発明のトナーは、コア用重合性単量体は上記モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いてもよい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つ単量体のことをいう。架橋性の重合性単量体としては、次のような化合物が挙げられる。ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等のジアクリレート化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のその他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明においては、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1乃至5質量部、好ましくは0.3乃至2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000乃至30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。
マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のTgよりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01乃至10質量部、好ましくは0.03乃至5質量部、さらに好ましくは0.05乃至1質量部である。
分散安定剤としては、以下のような化合物が好適に用いられる。硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物。これらの化合物は酸又はアルカリに溶解する無機化合物であることが好ましい。さらに下記の有機高分子化合物を併用してもよい。ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤。上記分散安定剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定剤の中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、トナー粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定剤残存量が少ないので、環境安定性に優れたトナーとなり好ましい。
分散安定剤は水系分散媒体100質量部に対して0.1乃至20質量部、好ましくは0.2乃至10質量部用いることが好ましい。
本発明において、重合性単量体組成物の重合を行なう重合開始剤としては、以下に挙げる化合物が好適に用いられる。過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチラート等の有機過酸化物。また、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を用いてもよい。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も良いことから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系分散媒体中へ分散された後、液滴形成前に、添加されても良いが、重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1乃至20質量部であり、さらに好ましくは0.3乃至15質量部であり、最も好ましくは1.0乃至10質量部である。
さらに、重合に際しては、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、以下の化合物が好適に用いられる。t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類。分子量調整剤は、重合開始前または重合途中に添加することができる。上記分子量調整剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.01乃至10質量部であり、更に好ましくは0.1乃至5質量部である。
上記重合法で得られたコア粒子にin situ重合法によりシェル層を被覆する場合、以下の方法にてコアシェル型のトナー粒子を得ることができる。(1)コア粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル用重合性単量体とシェル用重合開始剤を添加して重合させ、濾過、洗浄、脱水及び乾燥する。
具体的な方法としては、以下の方法が挙げられる。(1)コア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合性単量体と重合開始剤を添加して継続的に重合する方法。(2)別の反応系で重合性単量体組成物を重合、さらに会合した後に濾過、洗浄、脱水、及び乾燥して得られたコア粒子を水系分散媒体中に入れ、これにシェル用重合性単量体と重合開始剤を添加して、段階的に重合する方法。
上記シェル用重合性単量体としては、前述のコア用重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
上記シェル用重合性単量体の添加量は、モノビニル単量体に対して好ましくは、10乃至50質量部、より好ましくは15乃至40質量部である。
シェル用重合性単量体の添加量が上記範囲より多くなると、トナーの高耐久性は達成されるものの、定着性に劣るトナーとなり好ましくない。
一方で、シェル用重合性単量体の添加量が上記範囲未満となると、耐久性もしくは安定性に劣るトナーとなり好ましくない。具体的には、シェル層の強度が高い場合には2次色ハーフトーン画像の対摺擦性に劣り、シェル層の強度を下げた場合には低温低湿度環境下の連続印字において高品位の画像を継続して得ることができない。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、以下に挙げる水溶性重合開始剤を好適に用いることができる。過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、及び2,2’−アゾビス−{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ系開始剤。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1乃至30質量部、より好ましくは1乃至20質量部である。
本発明では、コアシェル型トナー粒子のシェル層の厚さ(以下シェル層厚ともいう。)は、好ましくは0.1乃至3.0μm、より好ましくは0.3乃至2.0μmである。
シェル層厚が上記範囲より大きいと、トナーの最低定着温度が高くなるおそれがあるため、低温定着性が低下し、上記範囲未満となるとブロッキングが発生しやすくなり保存性が低下する。
本発明では、コアシェル型のトナー粒子のシェル層の厚さは、コア粒子又はトナー粒子の粒径、及びトナー製造時に用いるコア粒子を形成するコア用重合性単量体、及びシェル用重合性単量体の添加量から以下のように求めることができる。
コアシェル型トナー粒子の体積は、コア用重合性単量体とシェル用重合性単量体の比重が同じであると仮定した時、トナーを調製に使用するコア用重合性単量体の添加量とシェル用重合性単量体の添加量により表すことができる。これはシェル層厚とコア粒子の粒径、又はトナー粒子との間で以下の近似式が成り立つためであり、下記式を用いてシェル層の厚さを算出することができる。なお、下記式において重合性単量体とは、コア粒子及びシェル層の結着樹脂の原料であり、主にモノビニル単量体、架橋性の単量体、マクロモノマーである。
Figure 2010164720
上記工程によって得られたトナー粒子(以下、「トナー粒子」とは、コアシェル型のトナー粒子のことをいう。)の水分散液は、酸又はアルカリを添加して、分散安定剤を水に溶解して除去することが好ましい。分散安定剤として酸に可溶な難水溶性無機化合物である場合、トナー粒子の水分散液への酸の添加により、分散安定剤を水に溶解し除去する。一方で、使用した分散安定剤がアルカリに可溶な難水溶性無機化合物である場合は、酸の代わりにアルカリを使用する。
分散安定剤として、酸に可溶なものを使用した場合、トナー粒子の水分散液のpHを6.5以下になるように酸を添加することが好ましく、より好適にはpH6以下となるようにする。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸や、蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率が大きいことや、製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
本発明においては、上記方法により得られたトナー粒子は、外添剤を付着させたものを一成分トナーとして用いることができる。さらに該トナー粒子に、キャリアその他の微粒子をV型混合機等の混合機を用いて混合することにより二成分トナーとして用いることもできる。
本発明のトナーは、外添剤として各種微粒子を用いることができる。外添剤をトナー粒子の表面に付着、埋設等させることによって、トナーの帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
外添剤としては、従来からトナーに用いられている外添剤を何ら制限なく用いることができ、例えば、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及び酸化錫が挙げられ、有機樹脂粒子としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体粒子、及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体粒子が挙げられる。これらのうち、シリカや酸化チタンが好適であり、粒子表面が疎水化処理されたものが好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
外添剤の量は、特に限定されないが、トナー粒子100質量部に対して、通常、0.1乃至6質量部である。
トナー粒子と混合するキャリアとしては、従来からトナーに用いられているものを何ら制限なく用いることができ、例えば、ガラスビーズや、その表面をフッ素系樹脂又はスチレン/アクリル系樹脂又はシリコーン樹脂で表面処理したものが挙げられる。
二成分トナーの場合は、トナー中のトナー粒子濃度は、通常0.1乃至50質量%、好ましくは0.5乃至15質量%、さらに好ましくは3乃至10質量%である。
本発明におけるトナーが好適に使用される画像形成方法についてその一例を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<プロセスカートリッジ>
図4は、本発明のトナーを適用した画像形成装置に好適に用いることのできる、プロセスカートリッジ7(以下、「カートリッジ」ともいう。)の断面模式図である。
カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2及びクリーニング手段6を備えたクリーナユニット50と、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像手段4を有する現像ユニット4Aとを有する。クリーナユニット50を構成するクリーニング枠体31には、感光体ドラム1が軸受部材(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。
感光体ドラム1には、感光体ドラム1の外周面に設けられた感光層を一様に帯電させるための帯電ローラー2、転写後に感光体ドラム1上に残った現像剤(残留トナー)を除去するためのクリーニングブレード60が接触している。クリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去されたトナー(除去トナー)は、クリーニング枠体31に設けられた除去トナー収納室35に納められる。
現像ユニット4Aは、トナーを収容する現像枠体45(45a、45b、45e)を有しており、現像ローラー40(矢印Y方向に回転)が軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。また、現像ローラー40と接触してトナー供給ローラー43(矢印Z方向に回転)とトナー規制部材44がそれぞれ設けられている。さらに現像枠体45には収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラー43に搬送するためのトナー搬送機構42が設けられている。
そして、現像ユニット4Aがクリーナユニット50に対して揺動自在に支持されている。すなわち、現像枠体45の両端に設けた結合穴47、48とクリーナユニット50のクリーニング枠体31両端に設けた支持穴(不図示)を合わせ、クリーナユニット50両端からピン(不図示)を差し込んでいる。
また、支持穴を回転軸中心として現像ローラー40が感光体ドラム1に接触するように加圧バネ(不図示)によって現像ユニット4Aが常に付勢されている。
現像時には、トナー容器41内に収納されたトナーがトナー攪拌機構42によってトナー供給ローラー43へ搬送される。トナー供給ローラー43が、現像ローラー40との摺擦によって現像ローラー40にトナーを供給し、現像ローラー40上にトナーを付着させる。現像ローラー40上に付着されたトナーは、現像ローラー40の回転にともなってトナー規制部材44のところに至る。そして、トナー規制部材44がトナーを規制して所定のトナー薄層を形成し、所望の帯電電荷量を付与する。現像ローラー40上で薄層化されたトナーは、現像ローラー40の回転につれて、感光体ドラム1と現像ローラー40とが接近した現像部に搬送される。そして、現像部において、電源(不図示)から現像ローラー40に印加した現像バイアスにより、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像に付着して、潜像を現像化する。静電潜像の現像化に寄与せずに現像ローラー40の表面に残留したトナーは、現像ローラー40の回転にともなって現像枠体45内に戻される。そして、トナー供給ローラー43との摺擦部で現像ローラー40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー攪拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
ここで現像ローラー40には弾性ローラーを用い、これを感光体ドラム1表面と接触させる方法を用いることができる。一般にトナー担持体と感光体が接触する現像方式においては、トナーの破損、変形が生じやすくなるが、本発明記載のトナーを用いた場合にはこうした変化を効果的に抑制することが出来るため、好ましい。
トナー担持体と感光体が接触する現像方式では、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラー表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法が利用できる。さらには、該導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体としてのローラーの抵抗値としては102乃至109Ω・cmの範囲が好ましい。
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗さRa(μm)を0.1乃至3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該表面粗さRaはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗さRaが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗さRaが0.1よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
本発明において、トナー担持体の表面粗さRaは、日本工業規格(JIS)B06014.2.1項(改正年月日2001年1月20日、確認年月日2005年7月20日)に定める算術平均粗さである。本発明においては、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE3500)を用い、トナー担持体表面の任意の1点より、トナー担持体回転軸と平行となる方向に測定を行った。なお、カットオフ値は0.8mm、測定長さは2.5mm、測定速度は0.1mm/秒とした。
図4の画像形成方法においては、トナー担持体は感光体の周速同方向に回転しているが、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05乃至3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。また、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ましくない。
トナー担持体が弾性ローラーである場合、表面に弾性層を有する構造のものが好ましく用いられる。該弾性ローラーに使用される弾性層の材料の硬度としては、30乃至60度(ASKER−C/荷重1kg)のものが好適に使用される。
また、トナーコート量はトナー規制部材44により制御されるが、このトナー規制部材44はトナー層を介して現像ローラー40に接触している。この時のトナー規制部材44と現像ローラー40との接触圧は、線圧として0.05N/cm以上0.5N/cm以下が好ましい範囲である。
尚、線圧とはトナー規制部材の長さ当たりに加えられる荷重のことであり、例えば1mの当接長さを有するトナー規制部材に1.2Nの荷重を加えて現像ローラーに接触させた場合、線圧は1.2N/mとなる。線圧が0.05N/cmよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリの悪化等の原因となる。一方、線圧が0.5N/cmよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形やトナー規制部材或いは現像ローラーへのトナーの融着等が発生しやすくなり、好ましくない。
トナー規制部材44の自由端部はどのような形状でもよく、例えば断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のもの等が好適に用いられる。
トナー規制部材としては、基材としてステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体を用い、スリーブ当接部に当る部位に樹脂を接着あるいはコーティング塗布したものが好適に用いられる。
またさらに、トナー規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
<画像形成装置>
図5は、本発明のトナーを適用した画像形成装置の一例を示す断面模式図である。画像形成装置100は4個の画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdを縦方向に並設している。そして、各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdには、各々、装着手段(不図示)によってプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が着脱可能に装着される。なお、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各カートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成である。
本模式図では、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、縦方向に僅かに傾斜して並設されているが、傾斜することなく縦方向に整列して設けてもよい。また、プロセスカートリッジ7は、図4に例示したものと同じであっても良いし、異なっていても良い。
各カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に以下の手段が設けられている。(A)感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電手段2(2a、2b、2c、2d)。(B)画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)。(C)静電潜像に現像剤(以下、「トナー」という。)を付着させてトナー像として現像する現像手段4(4a、4b、4c、4d)。(D)感光体ドラム1上のトナー像を記録媒体Sに転写させる転写装置5。(E)転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段6(6a、6b、6c、6d)。
ここで、感光体ドラム1と、プロセス手段である、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段6は、カートリッジ枠体により一体的に構成してカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、シリンダの外周面に感光層を設けて構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されている。そして、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
上記感光体としては、a−Se、CdS、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムが好適に使用される。また、上記OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではない。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
帯電手段2(2a、2b、2c、2d)としては、接触帯電方式のものを使用している。帯電手段2は、ローラー状に形成された導電性ローラーである。このローラーを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラーに帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が線圧として0.05乃至5N/cmである。また印加電圧としては、直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳したものが好適に用いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5乃至5dVpp、交流周波数=50Hz乃至5kHz、直流電圧=±0.2乃至±1.5kVであることが好ましい。また、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2乃至±5kVであることが好ましい。
帯電ローラー以外の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、高速回転されるポリゴンミラー(不図示)及び結像レンズ(不図示)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を画像情報に応じ露光する。これによって、感光体ドラムに静電潜像を形成する。
現像手段4(4a、4b、4c、4d)は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各色のトナーを夫々収納したトナー容器41から構成され、トナー容器41内のトナーを送り機構42によってトナー供給ローラー43へ送り込む。
前記トナー供給ローラー43は、図示時計方向に回転し、トナー担持体としての現像ローラー40へのトナーの供給、及び、静電潜像の現像化に寄与せず現像ローラー40上に残留したトナーのはぎとりを行う。
現像ローラー40へ供給されたトナーは、現像ローラー40外周に圧接されたトナー規制部材44によって現像ローラー40(時計回り方向に回転)の外周に塗布され、且つ電荷を付与される。そして、潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラー40に現像バイアスを印加する。そして、潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
転写装置5には、すべての感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向し、接するように循環移動する静電転写ベルト11が設けられている。この転写ベルト11は、駆動ローラー13、従動ローラー14a、14b、テンションローラー15に張架されていて、図中左側の外周面に記録媒体Sを静電吸着する。そして、転写ベルト11は、感光体ドラム1に記録媒体Sを接触させるべく循環移動する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
この転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向した位置に転写ローラー12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラー12には、転写時にバイアスが印加されて、電荷が静電転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光体ドラム1に接触中の記録媒体Sに、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
給送部16は、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdに記録媒体Sを給送搬送するものである。給送部16には、複数枚の記録媒体Sがカセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラー18(半月ローラー)、レジストローラー19が画像形成動作に応じて駆動回転する。給送ローラー18は、カセット17内の記録媒体Sを1枚毎に分離給送した後、レジストローラー19に記録媒体S先端を突き当てて一旦停止させる。その後レジストローラー19は、転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、記録媒体Sを静電転写ベルト11へと給送する。
定着部20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。そして、定着部20は、加熱ローラー21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラー21bとを有する。即ち、感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写された記録媒体Sは定着部20を通過する際に、加圧ローラー21bで搬送されるとともに、加熱ローラー21aによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が記録媒体S表面に定着される。
画像形成の動作としては、カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、画像形成タイミングに合わせて順次駆動される。そして、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラー2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与する。そして、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面に静電潜像を形成する。現像手段4内の現像ローラー40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に記録媒体Sの印字開始位置が一致するようにレジストローラー19が回転し記録媒体Sを転写ベルト11へ給送する。
記録媒体Sは吸着ローラー22と転写ベルト11とによって挟み込むようにして転写ベルト11の外周に圧接される。そして、転写ベルト11と吸着ローラー22との間に電圧を印加する。そして、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起して、記録媒体Sを転写ベルト11の外周に静電吸着させている。これにより、記録媒体Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。
このように搬送されながら記録媒体Sは、各感光体ドラム1と転写ローラー12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
4色のトナー像を転写された記録媒体Sは、ベルト駆動ローラー13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。記録媒体Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排紙ローラー23によって、排紙部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
図5においては、定着部20に加熱ローラーを用いる方法を例示したが、本発明の画像形成方法には他の定着方法も好適に用いることができる。図6および図7には、発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置を示す。
図6はフィルムに常にテンションが加わっている構造の定着装置である。
本発明において、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100乃至300℃であることが好ましい。
また、フィルムは、厚さ1乃至100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。
より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
51は装置に固定支持された加熱体であって、ヒータ基板52、通電発熱抵抗体(発熱体)53・検温素子54等よりなる。
ヒータ基板52は耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
発熱体53はヒータ基板52の下面(フィルム55との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1乃至3mmの線状または細帯状にスクリーン印刷等により塗工したものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、Ta2N、RuO2等が用いられる。
検温素子54は、一例としてヒータ基板52の上面(発熱体53を設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体51の場合は、線状又は面状をなす発熱体53に対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体53を略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子54の検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。
加熱体51はその発熱体53への通電により、ヒータ基板52・発熱体53の熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140乃至200℃)まで急速に温度上昇する。
そしてこの加熱体51に耐熱性フィルム55が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム55には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。
例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー58は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体51にフィルム55を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、フィルム55を所定速度に移動駆動する。フィルム55との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートをフィルム55面に密着させて加熱体51に圧接し、フィルム55と共に移動駆動させる。
発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置の他の形態について示す。
図7はフィルムにテンションが加わらない状態がある構造を有する、定着装置である(テンションフリータイプ)。
本発明において、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100乃至300℃であることが好ましい。
また、フィルムは、厚さ1乃至100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。
より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
64は装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であって、ヒータ基板64a、通電発熱抵抗体(発熱体)64b・表面保護層64c・検温素子64d等よりなる。
ヒータ基板64aは耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
発熱体64bはヒータ基板64aの下面(フィルム65との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1乃至3mmの線状または細帯状に塗工し、その上に表面保護層64cとして耐熱ガラスを約10μmコートしたものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、Ta2N、RuO2等が用いられる。また、電気抵抗材料の塗工方法としては、スクリーン印刷する方法等が用いられる。
検温素子64dは一例としてヒータ基板64aの上面(発熱体64bを設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体64の場合は、線状又は面状をなす発熱体64bに対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体64bを略全長にわたって発熱させる。
通電はAC100Vであり、検温素子64dの検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。
加熱体64はその発熱体64bへの通電により、ヒータ基板64a・発熱体64b・表面保護層64cの熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140乃至200℃)まで急速に温度上昇する。
そしてこの加熱体64に耐熱性フィルム65が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム65には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。
例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー62は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体64にフィルム65を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、フィルム65を所定速度に移動駆動する。フィルム65との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートをフィルム65面に密着させて加熱体64に圧接し、フィルム65と共に移動駆動させる。
以下、本発明を製造例および実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
(トナー製造例1:実施例)
60℃に加温したイオン交換水280質量部に塩化マグネシウム13.7質量部を溶解した水溶液に、60℃に加温したイオン交換水50質量部に水酸化ナトリウム7.7質量部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加した。前記操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて毎分100回転にて溶解せしめ、重合性単量体を含む分散液1を調製した。
・スチレン 80.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 20.0質量部
・マゼンタ着色剤
(クラリアント製、商品名「TONER MAGENTA 6B」) 5.0質量部
・負帯電性荷電制御樹脂(FCA1001NS,藤倉化成製) 1.0質量部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー
(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.25質量部
・tert−ドデカンチオール 1.0質量部
・ワックス(日本油脂社製、商品名「WEP−7」) 5.0質量部
上記により得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液1を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分12000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、3時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、52%であった。
その後、図2に示す反応装置を用い、以下の条件にてパワーフィード重合を行った。
<単量体タンクA内>
・メチルメタクリレート 5.0質量部
<単量体タンクB内>
・スチレン 12.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 3.0質量部
<開始剤タンク内>
・2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド](和光純薬社製、商品名「VA−086」、10時間半減期温度=86℃)
0.42質量部
・イオン交換水 42.0質量部
<製造条件>
・ポンプ207(単量体タンクA)移送速度 10.0質量部/時間
・ポンプ208(単量体タンクB)移送速度 20.0質量部/時間
・開始剤タンク 滴下速度 30.0質量部/時間
・攪拌羽根209 回転速度 40.0回転/分
・攪拌羽根210 回転速度 40.0回転/分
・スラリー213 温度 89.0℃
・反応時間 5.0時間
なお、開始剤タンクからの滴下が始まるのと同時に、ポンプ207およびポンプ208を稼動させた。
所定時間終了後、冷却して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
このトナー粒子の粒径は、個数平均粒径(D1)が6.00μmで、モード径(Dm)が6.28μmであった。このトナー粒子の水分散液をpH6になるまで硫酸を添加してトナー粒子表面の水酸化マグネシウムを水に可溶化させた。そして、得られたコアシェル型のトナー粒子の水分散液を遠心濾過により水を分離した。次いで新たにイオン交換水500質量部を加えて再スラリー化して、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離して、濾過ケーキを得た。
得られた濾過ケーキを真空乾燥して、乾燥したトナー粒子1を得た。得られたトナー粒子100質量部に、下記微粒子を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、外添剤を着色重合体粒子に付着させてトナー1を得た。(1)平均粒径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名「NA50Y」)1.5質量部。(2)BET比表面積が約200cm2/gのシリカ微粒子(キャボット社製、商品名「TG820F」)1.0質量部。なお、得られたトナー1の個数平均粒径(D1)は6.01μmであり、モード径(Dm)は6.30μmであった。
トナー1の物性を表1に示す。
(トナー製造例2:実施例)
トナー製造例1と同様の方法にて、水酸化マグネシウムのコロイド分散液を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて毎分100回転にて溶解せしめ、重合性単量体を含む分散液2を調製した。
・スチレン 74.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 26.0質量部
・マゼンタ着色剤
(クラリアント製、商品名「TONER MAGENTA 6B」) 5.0質量部
・負帯電性荷電制御樹脂(FCA1001NS,藤倉化成製) 1.0質量部
・tert−ドデカンチオール 1.0質量部
・ワックス(日本油脂社製、商品名「WEP−7」) 5.0質量部
上記により得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液2を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分12000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、3時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、54%であった。
その後、図2に示す反応装置を用い、以下の条件にてパワーフィード重合を行った。
<単量体タンクA内>
・メチルメタクリレート 8.0質量部
・ジビニルベンゼン 2.0質量部
<単量体タンクB内>
・スチレン 22.2質量部
・アクリル酸n−ブチル 7.8質量部
<開始剤タンク内>
・2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド](和光純薬社製、商品名「VA−086」、10時間半減期温度=86℃)
0.90質量部
・イオン交換水 84.0質量部
<製造条件>
・ポンプ207(単量体タンクA)移送速度 10.0質量部/時間
・ポンプ208(単量体タンクB)移送速度 20.0質量部/時間
・開始剤タンク 滴下速度 30.0質量部/時間
・攪拌羽根209 回転速度 40.0回転/分
・攪拌羽根210 回転速度 40.0回転/分
・スラリー213 温度 89.0℃
・反応時間 5.0時間
なお、開始剤タンクの滴下が始まるのと同時に、ポンプ208を稼動させ、その1時間後にポンプ207を稼動させた。
所定時間終了後、冷却して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
これ以降はトナー製造例1と同様にして、トナー2を得た。
トナー2の物性を表1に示す。
(トナー製造例3:実施例)
60℃に加温したイオン交換水224質量部に塩化マグネシウム11.0質量部を溶解した水溶液に、60℃に加温したイオン交換水40質量部に水酸化ナトリウム6.2質量部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加した。前記操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて毎分100回転にて溶解せしめ、重合性単量体を含む分散液3を調製した。
・スチレン 82.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 18.0質量部
・ジビニルベンゼン 3.0質量部
・マゼンタ着色剤
(クラリアント製、商品名「TONER MAGENTA 6B」) 11.0質量部
・負帯電性荷電制御樹脂(FCA1001NS,藤倉化成製) 1.0質量部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー
(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.25質量部
・tert−ドデカンチオール 1.0質量部
・ワックス(日本油脂社製、商品名「WEP−7」) 5質量部
上記により得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液3を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分7000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、3時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、55%であった。
その後、図2に示す反応装置を用い、以下の条件にてパワーフィード重合を行った。
<単量体タンクA内>
・メチルメタクリレート 5.0質量部
・ジビニルベンゼン 5.0質量部
<単量体タンクB内>
・スチレン 12.3質量部
・アクリル酸n−ブチル 2.7質量部
<開始剤タンク内>
・2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド](和光純薬社製、商品名「VA−086」、10時間半減期温度=86℃)
0.42質量部
・イオン交換水 42.0質量部
<製造条件>
・ポンプ207(単量体タンクA)移送速度 10.0質量部/時間
・ポンプ208(単量体タンクB)移送速度 20.0質量部/時間
・開始剤タンク 滴下速度 30.0質量部/時間
・攪拌羽根209 回転速度 40.0回転/分
・攪拌羽根210 回転速度 40.0回転/分
・スラリー213 温度 89.0℃
・反応時間 5.0時間
なお、開始剤タンクの滴下が始まるのと同時に、ポンプ207およびポンプ208を稼動させた。
所定時間終了後、冷却して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
これ以降はトナー製造例1と同様にして、トナー3を得た。
トナー3の物性を表1に示す。
(トナー製造例4:実施例)
トナー製造例1と同様の操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて毎分100回転にて溶解せしめ、重合性単量体を含む分散液4を調製した。
・スチレン 82.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 18.0質量部
・ジビニルベンゼン 3.0質量部
・マゼンタ着色剤
(クラリアント製、商品名「TONER MAGENTA 6B」) 11.0質量部
・負帯電性荷電制御樹脂(FCA1001NS,藤倉化成製) 1.0質量部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー
(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.25質量部
・tert−ドデカンチオール 1.0質量部
・ワックス(日本油脂社製、商品名「WEP−7」) 5質量部
上記により得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液4を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分15000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、1.5時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、24%であった。
これ以降はトナー製造例3と同様にして、トナー4を得た。
トナー4の物性を表1に示す。
(トナー製造例5:実施例)
トナー製造例2と同様の操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液および分散液2を調製した。
得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液2を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分6000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、6.0時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、95%であった。
これ以降はトナー製造例1と同様にして、トナー5を得た。
トナー5の物性を表1に示す。
(トナー製造例6:実施例)
トナー製造例1において得られたトナー粒子1を用い、二軸式押出し機PCM−30(株式会社 磯貝製)を用いて溶融、混練した後、ハンマーミルを用いて粒径約1乃至2mm程度の粒子に粗粉砕した。次いでこの粗粉砕物をエアージェット方式による微粉砕機により微粉砕した。更に得られた微粉砕物に120℃の熱風で球形化処理を行い、個数平均粒径6.51μmの熱球形処理粒子6を得た。
得られた熱球形処理粒子6を100質量部用い、トナー製造例1で用いたコロイド分散液中に分散させた。コロイド分散液の液温は89.0℃とした。
その後、図2に示す反応装置を用い、トナー製造例1と同様にしてパワーフィード重合を行った後、トナー製造例1と同様にしてトナー6を得た。
トナー6の物性を表1に示す。
(トナー製造例7:比較例)
60℃に加温したイオン交換水280質量部に塩化マグネシウム13.7質量部を溶解した水溶液に、60℃に加温したイオン交換水50質量部に水酸化ナトリウム7.7質量部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加した。前記操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて毎分100回転にて溶解せしめ、重合性単量体を含む分散液7を調製した。
・スチレン 80.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 20.0質量部
・ジビニルベンゼン 8.0質量部
・マゼンタ着色剤
(クラリアント製、商品名「TONER MAGENTA 6B」) 5.0質量部
・負帯電性荷電制御樹脂(FCA1001NS,藤倉化成製) 1.0質量部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー
(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.25質量部
・tert−ドデカンチオール 1.0質量部
・ワックス(日本油脂社製、商品名「WEP−7」) 5.0質量部
上記により得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液7を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分12000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、4時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、74%であった。
その後、シェル用単量体としてメチルメタクリレートを5.0質量部添加し、更にその10分後にシェル用重合開始剤として以下の水溶液を反応容器に入れた。
・2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド](和光純薬社製、商品名「VA−086」、10時間半減期温度=86℃)
0.42質量部
・イオン交換水 42.0質量部
反応温度は89.0℃とし、反応時間は5.0時間とした。
所定時間終了後、冷却して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
これ以降はトナー製造例1と同様にして、トナー7を得た。
トナー7の物性を表1に示す。
(トナー製造例8:比較例)
トナー製造例7と同様の操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて毎分100回転にて溶解せしめ、重合性単量体を含む分散液8を調製した。
・スチレン 85.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 15.0質量部
・ジビニルベンゼン 5.0質量部
・マゼンタ着色剤
(クラリアント製、商品名「TONER MAGENTA 6B」) 5.0質量部
・負帯電性荷電制御樹脂(FCA1001NS,藤倉化成製) 1.0質量部
・ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー
(東亞合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃) 0.25質量部
・tert−ドデカンチオール 1.0質量部
・ワックス(日本油脂社製、商品名「WEP−7」) 5.0質量部
上記により得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液8を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分12000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、8時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、98%であった。
その後、シード重合を行うことなく冷却して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
これ以降はトナー製造例1と同様にして、トナー8を得た。
トナー8の物性を表1に示す。
(トナー製造例9:比較例)
トナー製造例1と同様の操作により、水酸化マグネシウムのコロイド分散液および分散液1を調製した。
得られた水酸化マグネシウムのコロイド分散液に、分散液1を投入し、液滴が安定するまで攪拌した。そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、10時間半減期温度=72℃)6質量部を添加した。その後、造粒機(荏原製作所製、商品名「エバラマイルダー」)を用いて毎分12000回転の速度で高速せん断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、重合反応を開始させ、3時間反応させた。このときの反応液をサンプリングし、重合転化率を測定したところ、52%であった。
その後、図2に示す反応装置を用い、以下の条件にてパワーフィード重合を行った。
<単量体タンクA内>
なし(単量体タンクAを使用せず)
<単量体タンクB内>
・スチレン 20.0質量部
・メチルメタクリレート 10.0質量部
<開始剤タンク内>
・2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド](和光純薬社製、商品名「VA−086」、10時間半減期温度=86℃)
0.42質量部
・イオン交換水 42.0質量部
<製造条件>
・ポンプ207(単量体タンクA)移送速度 0質量部/時間(使用せず)
・ポンプ208(単量体タンクB)移送速度 20.0質量部/時間
・開始剤タンク 滴下速度 30.0質量部/時間
・攪拌羽根209 回転速度 40.0回転/分
・攪拌羽根210 回転速度 40.0回転/分
・スラリー213 温度 89.0℃
・反応時間 5.0時間
なお、開始剤タンクの滴下が始まるのと同時に、ポンプ208を稼動させた。
所定時間終了後、冷却して反応を停止し、トナー粒子の水分散液を得た。
これ以降はトナー製造例1と同様にして、トナー9を得た。
トナー9の物性を表1に示す。
(トナー製造例10:実施例)
トナー製造例1において、ポンプ207とポンプ208を10分間隔で交互に稼動させること以外にはトナー製造例1と同様にして、トナー10を得た。なお、開始剤タンクからの滴下が始まるのと同時に、ポンプ208を稼動させた。
トナー10の物性を表1に示す。
(実施例1乃至7および比較例1乃至3)
以下に本発明の評価方法および評価基準について説明する。
細線再現性
画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、温度10℃、相対湿度5%の低温低湿度環境下でA4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いて行った。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが190mm/secとなるようにした。
(2)定着温度が150℃となるよう、定着器の温度設定を変更した。
評価機外部より画像処理装置を接続し、評価用画像を出力した。
評価に用いた画像について、図8を用いて説明する。
図8−aは、細線再現性の評価に用いた画像の模式図である。サイズはA4縦サイズであり、網点部は潜像として幅42μmである線状の印字部と、幅84μmである線状の非印字部からなるハーフトーン画像である。ハーフトーン画像の拡大模式図を、図8−bに示す。なお、図8−aとしては印字比率が1%となるよう、ハーフトーン画像の面積を調整した。
下記の条件にて図8−aの画像を連続印字し、評価を行った。
評価に用いるカートリッジはマゼンタカートリッジを用いた。すなわち、市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを200g充填して評価を行った。なお、シアン、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたシアン、イエロー、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
得られた画像の1枚目、1000枚目、5000枚目、10000枚目および20000枚目を用い、ハーフトーン画像部の任意の5点について、定着画像の細線幅の最大値および最小値を測定した。測定には超深度形状測定顕微鏡 VK−8500(株式会社キーエンス製)を用い、観察倍率は100倍とした。
下記評価基準に基づき、細線再現性について評価した。a、b、およびcは使用上問題とならないレベルであるが、dは使用上問題となるレベルである。
a:最大値と最小値の差分が8μm(潜像に対して±10%の振れ幅)未満である。
b:最大値と最小値の差分が8μm以上13μm(潜像に対して±15%の振れ幅)未満 である。
c:最大値と最小値の差分が13μm以上17μm(潜像に対して±20%の振れ幅)未 満である。
d:最大値と最小値の差分が17μm以上である。
評価結果について、表2に示す。
2次色ハーフトーン定着性
画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、温度10℃、相対湿度5%環境下でA4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いて行った。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが190mm/secとなるようにした。
(2)定着温度が150℃となるよう、定着器の温度設定を変更した。
(3)シアンステーションを改造し、マゼンタカートリッジが装着できるようにした。
評価機外部より画像処理装置を接続し、評価用画像を出力した。
評価に用いた画像について、図9を用いて説明する。
図9は、2次色ハーフトーン定着性の評価に用いた画像の模式図である。サイズはA4縦サイズであり、印字可能領域を9領域に区切り、以下のようにハーフトーン画像を配置してある。
(1)領域1、領域5、領域9には、図1に示したハーフトーンパターン(a)
(2)領域2、領域6、領域7には、図1に示したハーフトーンパターン(b)
(3)領域3、領域4、領域8には、図1に示したハーフトーンパターン(c)
下記の条件にて図9の画像を連続印字し、評価を行った。
評価に用いるカートリッジとしてはマゼンタカートリッジを2本用いた。すなわち、市販のマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを200g充填したものを2本用意し、それらをシアンステーションおよびマゼンタステーションに装着して評価を行った。なお、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたイエローおよびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。また、評価枚数2000枚毎に一旦カートリッジを評価機より取り出し、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを再度200g充填して評価枚数が20000枚になるまで評価を継続した。
得られた画像の1枚目、1000枚目、5000枚目、10000枚目および20000枚目を用い、領域1乃至9の9箇所において画像濃度を測定した後、下記条件にて摺擦試験を行った。なお、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計 RD918(マクベス社製)」を用いた。
摺擦条件:得られた定着画像を4.9kPaの荷重をかけたクリーニングワイパー(商品名ダスパーK−3、小津産業株式会社製)にて5往復摺擦する。
摺擦後の画像において、再度画像濃度を測定し、下記評価基準に基づき、2次色ハーフトーン画像の定着性について評価した。a、b、およびcは使用上問題とならないレベルであるが、dは使用上問題となるレベルである。
a:各領域の画像濃度低下率が10%未満
b:領域3、領域4、領域8のうち、いずれかの画像濃度低下率が10%以上、15%未 満であり、それ以外の領域の画像濃度低下率が10%未満
c:領域3、領域4、領域8のうち、いずれかの画像濃度低下率が15%以上、20%未 満であり、それ以外の領域の画像濃度低下率が15%未満
d:領域3、領域4、領域8のうち、いずれかの画像濃度低下率が20%以上
評価結果について、表2に示す。
(実施例8)
トナー製造例1において、用いる着色剤をC.I.ピグメントブルー15:3に変更すること以外には、トナー製造例1と同様にしてトナー11(シアントナー)を得た。
トナー11の物性について、表1に示す。
得られたトナー11およびトナー1(マゼンタトナー)を用いて、市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用いて評価を行った。評価環境は温度10℃、相対湿度5%とし、評価紙にはA4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが190mm/secとなるようにした。
(2)定着温度が150℃となるよう、定着器の温度設定を変更した。
トナー11をシアントナーとして用い、トナー1をマゼンタトナーとして用いて、細線再現性および2次色ハーフトーン画像定着性について評価を行ったところ、いずれにおいても良好な結果を得た。
Figure 2010164720
Figure 2010164720
2次色ハーフトーン画像のパターンの一例である。 本発明におけるパワーフィード重合を行う際の製造装置の一例である。 本発明におけるXを求める際に用いる、楕円OV1およびOV2の模式図である。 本発明のトナーを好適に用いることができる、画像形成方法に用いられるプロセスカートリッジの断面説明図である。 本発明のトナーを好適に用いることができる、画像形成方法を実施する装置の一例の概略構成図である。 本発明のトナーを好適に用いることができる、画像形成装置における他の定着装置の概略構成図である。 本発明のトナーを好適に用いることができる、画像形成装置における他の定着装置の概略構成図である。 本発明のトナー評価に用いた画像の模式図である。 本発明のトナー評価に用いた画像の模式図である。
Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成ステーション
1(1a乃至1d) 感光体ドラム(像担持体)
2(2a乃至2d) 帯電手段
3(3a乃至3d) スキャナユニット
4(4a乃至4d) 現像手段
4A 現像ユニット
5 静電転写装置
6(6a乃至6d) クリーニング手段
7(7a乃至7d) プロセスカートリッジ
11 静電転写ベルト
12(12a乃至12d) 転写ローラー
13 ベルト駆動ローラー
14a、14b 従動ローラー
15 テンションローラー
16 給送部
17 カセット
18 給送ローラー
19 レジストローラー
20 定着部
21a 加熱ローラー
21b 加圧ローラー
22 吸着ローラー
23 排紙ローラー
24 排紙部
31 クリーニング枠体(カートリッジ枠体)
35 除去トナー収納室
40 現像ローラー(トナー担持体)
41 トナー容器(現像剤収納部)
42 トナー搬送機構
43 トナー供給ローラー
44 トナー規制部材(ブレード)
45(45a、45b、45e) 現像枠体(カートリッジ枠体)
47、48 結合穴
50 クリーナーユニット
51、64 加熱体
52、64a ヒーター基板
53、64b 通電発熱抵抗体(発熱体)
54、64d 検温素子
55、65 耐熱性フィルム
56、57 ベルト支持ローラー
58 支持ローラー
60 クリーニングブレード
62 支持ローラー(回転体)
63 ベルト支持体
64c 表面保護層
100 画像形成装置本体
201 単量体タンクA
202 単量体タンクB
203 開始剤タンク
204 反応タンク
205、206 攪拌モーター
207、208 送液ポンプ
209、210 攪拌羽根
211 単量体1
212 単量体2
213 コア粒子含有スラリー
S 記録媒体(記録材シート)

Claims (13)

  1. トナー粒子を少なくとも有するトナーであって、該トナー粒子は結着樹脂、着色剤、およびワックスを少なくとも含有しており、
    該トナーの示差走査熱量計測定におけるガラス転移温度が40.0℃以上60.0℃以下であり、
    該トナーの結着樹脂中のテトラヒドロフラン不溶分が25質量%以下であり、
    透過型電子顕微鏡(TEM)観察によるトナー粒子表面からトナー粒子直径の0.1倍深さまでの領域における着色剤存在量をX(面積%)、トナー粒子全体の着色剤存在量をY(面積%)としたときに下記関係式(1)を満たし、
    X/Y ≦ 0.30 …(1)
    該トナーの分散液に20kHz,50W/10cm2の超音波を3分間照射した場合のフロー式粒子像分析装置における粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比をA(個数%)、0.8μmガラスビーズにて該トナーを5時間ミリング処理した処理トナーの分散液に20kHz,50W/10cm2の超音波を3分間照射した場合のフロー式粒子像分析装置における粒径0.6μm以上(0.5×Dm)μm以下の粒子の存在比をB(個数%)としたときに下記関係式(2)及び(3)を満たすことを特徴とするトナー。
    A ≦ 10.0 …(2)
    B ≦ 20.0 …(3)
    (ただし、Dm(μm)はフロー式粒子像分析装置におけるトナーのモード径である。)
  2. AおよびBが下記関係式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
    A ≦ 7.0 …(4)
    0 ≦ B−A ≦ 13.0 …(5)
  3. 該トナー粒子は水系媒体中での剪断により得られることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該トナー粒子はシード重合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 懸濁重合法により該トナー粒子を製造し、その重合転化率が30%以上90%以下であるときにシード重合を行うトナーであって、シード重合用単量体として少なくとも2種以上の単量体を用い、滴下する単量体の組成比を連続的に変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 懸濁重合法により該トナー粒子を製造し、その重合転化率が30%以上90%以下であるときにパワーフィード重合を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  7. 懸濁重合法により該トナー粒子を製造し、その重合転化率が30%以上90%以下であるときにシード重合を行うトナーであって、シード重合用単量体として少なくとも2種以上の単量体を用い、滴下する単量体の組成比を段階的に変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  8. シード重合用単量体の重合により得られるシード層の組成変化が、少なくとも2段階以上であることを特徴とする請求項7に記載のトナー。
  9. 水系媒体中での剪断によりトナー粒子を製造した後、シード重合を行うトナーの製造方法であって、シード重合用単量体として少なくとも2種以上の単量体を用い、滴下する単量体の組成比を重合中に変化させることを特徴とするトナーの製造方法。
  10. 懸濁重合法により該トナー粒子を製造し、その重合転化率が30%以上90%以下であるときにシード重合を行うトナーの製造方法であって、シード重合用単量体として少なくとも2種以上の単量体を用い、滴下する単量体の組成比を連続的に変化させることを特徴とする請求項9に記載のトナーの製造方法。
  11. 懸濁重合法により該トナー粒子を製造し、その重合転化率が30%以上90%以下であるときにパワーフィード重合を行うことを特徴とする請求項9に記載のトナーの製造方法。
  12. 懸濁重合法により該トナー粒子を製造し、その重合転化率が30%以上90%以下であるときにシード重合を行うトナーの製造方法であって、シード重合用単量体として少なくとも2種以上の単量体を用い、滴下する単量体の組成比を段階的に変化させることを特徴とする請求項9に記載のトナーの製造方法。
  13. シード重合用単量体の重合により得られるシード層の組成変化が、少なくとも2段階以上であることを特徴とする請求項12に記載のトナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013195937A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Canon Inc トナー
US9285695B2 (en) 2011-09-16 2016-03-15 Ricoh Company, Ltd. Latent electrostatic image developing toner
JP2016070984A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2016224122A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 株式会社リコー トナー、現像剤及び現像剤収容ユニット

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