JP2004126233A - 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤 - Google Patents

画像形成方法、トナー及び二成分現像剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004126233A
JP2004126233A JP2002290317A JP2002290317A JP2004126233A JP 2004126233 A JP2004126233 A JP 2004126233A JP 2002290317 A JP2002290317 A JP 2002290317A JP 2002290317 A JP2002290317 A JP 2002290317A JP 2004126233 A JP2004126233 A JP 2004126233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
image forming
forming method
carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002290317A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004126233A5 (ja
Inventor
Yuji Mikuriya
御厨 裕司
Shinya Yanai
谷内 信也
Katsuyuki Nonaka
野中 克之
Shuntaro Watanabe
渡辺 俊太郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002290317A priority Critical patent/JP2004126233A/ja
Publication of JP2004126233A publication Critical patent/JP2004126233A/ja
Publication of JP2004126233A5 publication Critical patent/JP2004126233A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】オイルレスの定着方法を用いた画像形成方法において、プリント物の面内及び多数枚複写した後の画像グロスを安定させることができ、長期にわたって高画質の画像を形成することができる画像形成方法を提供する。
【解決手段】定着工程において定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面温度を検知する画像形成方法において、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、110℃における貯蔵弾性率G’が3.00×10〜8.00×10(dN/m)であり且つ160℃における貯蔵弾性率G’が7.00×10〜3.00×10であり、離型剤がトナー100質量部中に2〜25質量部含有されるトナーを用いる。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法あるいは静電印刷法などの画像形成方法、該画像形成方法に好適に用いることができるトナーおよび二成分現像剤に関する。より詳しくは、定着工程において、定着体が加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体が表面温度を検知する手段として非接触型の温度検知手段を定着体のニップ部に有する画像形成方法、該画像形成方法に好適に用いることができるトナーおよび二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録材(転写材)にトナーを転写させた後、熱・圧力により記録材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。転写されず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年このような複写装置は、ユーザーの高い要求に伴い、より小型化、より軽量化そしてより高速化、より高信頼性化の方向に改良が進められ、製品の性能が厳しく追及されてきている。また、一般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコピー用に使われるようになって久しい。さらには環境対応、省エネ対応等への配慮も必要となってきている。
【0004】
ユーザーの欲求を満たす上で最も重要であり技術的に困難な工程の中に定着工程がある。
【0005】
定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は、加熱させたローラーやフィルムあるいはベルトによる圧着加熱方式である。
【0006】
圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素樹脂)で表面を形成した加熱体の表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過させることにより定着を行うものである。この方法は、加熱体の表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、加熱体表面とトナー像とが溶融状態で加圧接触するためにトナー像の一部が加熱体表面に付着・転移し、次の被定着シートを汚すことがある(これを「オフセット現象」という)。そのため加熱体にトナーが付着しないようにすることは、必須条件の一つとされている。
【0007】
このような問題に対しこれまでに、低温時の定着性と高温時の耐オフセット性を両立すべく、種々のトナーが提案されている。例えば、低温定着性、高温耐オフセット性、耐ブロッキング性を向上させる目的で2種の非線状ポリエステルを含有してなるトナーがある(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。しかしながら、低速から高速まで適用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性に優れたトナーとしては、後述の画像特性と併せて未だ改良すべき課題を残している。
【0008】
フルカラー画像を形成する画像形成方法の場合は、白黒画像を形成する画像形成方法以上にこの様な定着性にまつわる問題が深刻である。フルカラー画像の形成は色材の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色再現を行うものであり、多色面像を紙上に定着し、且つオーバーヘッドプロジェクターシート(OHT)に定着して、色再現・透過性を満足しなくてはならない。
【0009】
このためトナー層を充分に溶融し、画像表面を平滑にすることが要求され、オフセットを防止する目的で、定着体に例えばシリコーンオイル等のオイルを供給し、定着体上に均一に被覆する方法が現在の主流となっている。
【0010】
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になるという問題点を有しており、小型で安価なシステムを設計する上での阻害因子となっている。さらに、プレゼンテーション用としての必要性が増しているオーバーヘッドプロジェクターを利用するトランスペアレンシーフィルム(OHPフィルム)においては、紙と異なりオイル吸収能力が低いため、定着後のOHPフィルム表面のべたつきが問題となっている。このような背景からオイルレス又はオイルの塗布量の少ない定着が可能なフルカラートナーが強く求められている。
【0011】
このような状況の中、カラートナーにおいても、トナー中に離型剤を含有させることにより、オイルレスの定着体又はオイル少量塗布の定着体を実現している。
【0012】
これまでに、離型剤含有トナーの弾性率を規定することで、オイルレス定着を可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献7、特許文献8参照)。このような技術では、確かに150℃、170℃という定着設定温度近傍での粘弾性を規定することにより、OHPの透明性と高温耐オフセット性を両立させる方法として効果を上げている。しかし連続通紙時の加熱体の温度低下が激しくなる高速定着の場合の低温時の定着不良、所謂低温オフセット現象や、排紙・積載不良等の定着に関する点及び、長期的に安定した現像性を供する点に対し、若干の課題を有している。
【0013】
上記の排紙・積載不良に関して記す。オイルレス又はオイル少量塗布の定着体を用いた場合の課題として、転写紙の排紙側先端が定着ニップ通過後に定着体方向に引っ張られた形で排紙される。この場合、多数排紙した紙の積載不良の問題を生じる。また、上記現象のレベルが悪い場合、転写紙が定着体に巻きつき、排紙不良を引き起こす。この現象は、トナーと定着体の親和性が高いほど起こるものであり、定着器の構成としては定着スピードが大きくなればなるほど、定着温度が下がるほど悪化傾向にある。
【0014】
またフルカラー画像のグロスに対する市場の要求も変化してきており、従来は高グロスの画像のみが好まれていたのに対し、最近では、自然なしっとりとした質感の中〜低グロスの画像の方が適する場合も増えてきている。また、グロスの温度安定性に対しても要求が高まっている。例えば装置を小型化するほど定着器の熱容量は小さくなり、その場合定着させるトナー画像を定着器に通した際に、加熱体の温度が低下してしまうため、定着画像の定着時に被定着シートの先端と後端部でかかる熱量に差が生じ、グロスに差が生じてしまう現象が起こりやすい。また小サイズ紙連続プリント直後にそれよりも大きいサイズのプリントをした場合、加熱体の小サイズ紙の通紙部と非通紙部で温度差が生じ、同様の現象が起こりやすいという問題もある。このような現象が、特に全面ベタのフルカラー画像において発生すると非常に違和感がある。
【0015】
これまで上記のようにグロスを安定化させるための、定着体を一定温度に制御する方法としては、サーミスタ等を定着体に直接接触させて、定着体の温度をモニターする方法が採られてきた。この方法は低コストで定着温度をコントロールできる方法ではあるものの、次の欠点を有している。ひとつには、接触部分にオフセットしたトナーが滞留することで、温度検出性能が低下し定着設定温度の上昇を引き起こし出力画像のグロスが高まり、多数枚の出力時の安定性を欠く。また滞留したトナーにより定着体表面を傷つけてしまい、その部分の定着性が低下することで他の部分とのグロス差を生じ、定着画像の品位がその部分のみ異なる。さらには、サーミスタ部に滞留したトナーは、あるタイミングで剥がれ落ちて加圧体まで転移し、出力画像の裏面を汚す所謂裏汚れを発生する。その現象を低減させるために、シリコーンオイル等を含浸させたウエッブ等を当接させることが試みられているが、前述の様に定着器の小型化・低コスト化に反する。
【0016】
画像欠陥とならないために、定着体の端部に温度検知センサーを当接することも行われているが、この方法では、本来コントロールされるべき画像通紙域の定着温度を正確にモニターすることができないため、例えば多数枚通紙時の出力画像のグロスを安定して供することができないという問題を残す。
【0017】
上述のように、特にフルカラー画像では定着画像の問題を多く抱えている。また、定着工程以外にも、画像の高画質化・高精細化・高安定化のための困難な工程として、現像工程が挙げられる。
【0018】
電子写真法において、静電荷像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電荷像との静電相互作用を利用して静電荷像上に画像形成を行うものである。トナーを用いて静電荷像を現像する現像剤のうち、磁性体を樹脂中に分散してなる磁性トナーを用いる磁性一成分系現像剤と、非磁性トナーを弾性ブレード等の帯電付与部材により帯電させて現像させる非磁性一成分現像剤と、非磁性トナーを磁性キャリアと混合した二成分系現像剤とがあり、特に高速で高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタの如きフルカラー画像形成装置では、後者が好適に用いられている。
【0019】
一方、近年感光体上に静電潜像を形成する工程において、小径レーザービームなどを用い、感光体へ露光を行う技術が発達して静電潜像が細密化してきている。これに伴い、静電潜像に対して忠実に現像を行い、より高画質出力を得るため、トナー粒子及びキャリア粒子ともに小径化が進んでいる。特に、トナーの平均粒子径を小さくして画質を改善することがしばしば行われている。
【0020】
トナーの平均粒子径を小さくすることは、画質特性のうち、特に粒状性や文字再現性をより良くするための有効な手段であるが、特定の画質項目、特に耐久印刷時のカブリ、トナー飛散において改善すべき課題を有している。
【0021】
この原因としては、まず第一に、長期にわたる使用によって、トナーの外添剤の劣化や、スリーブやキャリア等の帯電付与部材がトナーや外添剤により汚染される、即ちスペントがおこり、結果としてトナーの帯電量が低下して起こるものである。この現象はトナーを小径化することによってより生じやすくなる。より詳細に説明すると摩擦帯電は、一成分系の現像剤ではトナーとスリーブ間の、二成分系ではトナーとキャリアの間の接触・衝突などの物理的外力によりなされるため、どうしてもトナーと帯電付与部材(スリーブ・キャリア)の双方にダメージを与えてしまう。例えば、トナーにおいては、その表面に添加される外添剤がトナー中に埋め込まれたり、トナー成分が脱落したりする。帯電付与部材においては、外添剤を含むトナー成分により汚染されたり、帯電を適正に安定化させるために帯電付与部材上にコートされたコート成分成分が摩耗したり、破壊されたりする。これらのダメージは、複写回数が増えるにしたがって、現像剤の初期特性が維持できなくなり、地カブリや機内汚れ、画像濃度の変動を引き起こす原因となる。この現象は、特に静電潜像の画素単位が細密化するほど目立ちやすいものとなる。
【0022】
第二に、画像面積比率の高い原稿を用いた場合において、トナーが大量に帯電付与部材上に供給される場合、供給された際にトナーが均一に帯電されるまでに時間がかかり、未帯電トナーが現像に寄与することによって、上記の問題を生じる。この現象は、トナーを小径化し、流動性が低下した際に顕著に起こる現象である。このような画像欠陥は、フルカラーでの多色重ね合わせ像を形成する場合に、特に改善を要する。この問題は帯電付与部剤の帯電系列・抵抗に関する検討が中心となっていたが、未だ解決されていない。
【0023】
二成分系現像剤に使用される磁性キャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、または磁性体微粒子を結着樹脂中に分散した樹脂コートキャリアが知られている。これらの内、キャリアコア材の表面に樹脂を被覆した樹脂コートキャリアを用いる現像剤は、抵抗を適性化することができ、帯電制御性が優れ、環境依存性や経時安定性の改善が比較的容易であるため、好ましく用いられている。
【0024】
上述したような小粒径トナーに対する帯電の不十分さを解決するために、特に二成分系ではキャリアを小粒径化することも好適な手段であるが、キャリアの比表面積の増大に伴い、耐スペント性の悪化を引き起こし易くなる。
【0025】
これらの問題については、用いるキャリア量を増やすこと等が行われているものの、複写機あるいはプリンター本体の小型化に反するものであり実用的ではない。
【0026】
つまり、画質を維持した上で、耐久安定性に優れた現像剤とりわけ二成分現像剤は、未だ提供されていないのが実状である。
【0027】
上記、定着工程、現像工程以外にも、ユーザーの要求を満たすためには、さまざまな技術的課題が発生している。
【0028】
感光体のクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等の手段が用いられていた。該手段は力学的に感光体上の転写残トナーを掻き落とすか、またはせき止めて廃トナー容器へと転写残トナーを捕集するものであった。よって、このような手段を構成する部材が感光体表面に押し当てられることに起因し、問題が生じやすかった。例えば、クリーニング部材を強く押し当てることにより感光体表面が摩耗されるということが挙げられる。
【0029】
さらに、クリーニング手段を具備するために装置全体が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネックになっていた。
【0030】
また、エコロジーの観点からは、廃トナーの出ないシステムが待望されている。上述の問題点を解決するために、現像兼クリーニング又は、クリーナーレスと呼ばれる技術を採用した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献9参照)。該画像形成装置では感光体一回転につき一画像を形成し、転写残留トナーの影響が同一画像に現れないようにしている。また、転写残留トナーを散らし部材により感光体上に散らし、非パターン化することで、一画像につき感光体同一表面が複数回利用される場合でも、画像上で顕在化しにくい方法も提案されている(例えば、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13参照)。
【0031】
このような、小型化、環境対応化という観点に加え、今まで以上にプリント物あるいは複写物に対し、高速でかつ高画質なもの多数枚安定して出力することへのユーザーの欲求が強まっているのが現状である。
【0032】
高画質化のためにトナーを小粒径化すると、潜像担持体上の転写残トナーをクリーニングするシステムにおいては、クリーニング不良を発生し易くなり、クリーナーレスシステムでは、カブリトナーによる転写残トナーが増大し、その存在により帯電部位での潜像担持体の帯電を阻害し、更なるカブリの悪化等を引き起こし、高品位な画像を提供できなくなる。
【0033】
また、高画質化対応及びオゾンを発生させない意味からの環境対応として、感光体の帯電手法として従来のコロナ帯電にかわり、ローラーやキャリアによる接触帯電方式が主流となってきた。画質の面では、コロナ帯電使用の場合、飛散したトナーが帯電ワイヤーを汚染し易く、その汚染部での放電が不十分となり、感光ドラムに所定の電位を付与することができない。そのため、スジ画像という画像欠陥が生じ易い。接触帯電方式の中でも長期にわたり十分に潜像担持体を帯電させるといった観点から、直流の帯電に交流を重畳し印加する帯電方式が用いられている。
【0034】
上記方式は、長期にわたり高画質化を維持できるものの、交流成分を印加することで、帯電部位に介在したトナーが帯電部材もしくは潜像担持体に強固に付着しやすい。潜像担持体に付着せしめられる場合、所謂トナー融着となり、帯電部材に付着せしめられた場合、帯電不良を引き起こし、両者ともを付着部分に応じた画像欠陥となる。
【0035】
このような潜像担持体周りでの問題は、定着に有利な離型剤を大量に含有させた低軟化なトナーほど生じ易い。
【0036】
以上のように、低コスト・小型・高速マシンを達成しうる定着性、画像品位を長期にわたり満足できる画像形成方法及びそれに適合したトナー及び現像剤が未だ提供できていない現状にある。
【0037】
【特許文献1】
米国特許第2,297,691号明細書
【特許文献2】
特公昭42−23910号公報
【特許文献3】
特公昭43−24748号公報
【特許文献4】
特開昭63−225244号公報
【特許文献5】
特開昭63−225245号公報
【特許文献6】
特開昭63−225246号公報
【特許文献7】
特開平6−59502号公報
【特許文献8】
特開平8−54750号公報
【特許文献9】
特公平5−69427号公報
【特許文献10】
特開昭64−20587号公報
【特許文献11】
特開平2−259784号公報
【特許文献12】
特開平4−50886号公報
【特許文献13】
特開平5−165378号公報
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、オイルレス等の定着体に定着補助部材を当接させない定着方法を用いた画像形成方法において、プリント物の面内及び多数枚複写した後の画像グロスを安定させることができ、長期にわたって高画質の画像を形成することができる画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0039】
また、本発明は、オイルレス等の定着体に定着補助部材を当接させない定着方法を用いた画像形成方法において、多数枚の連続排紙時も紙つまりを起こすことなく良好な排紙特性を満足する画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0040】
また、本発明は、オイルレス等の定着体に定着補助部材を当接させない定着方法を用いた画像形成方法において、長期にわたり安定して定着体の温度を正確に検知し得る画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、画像形成方法の定着工程において特定の温度検知方法を用いるとともに、特定の物性を有するトナーを用いることにより、定着画像のグロスを安定させ、長期にわたって高画質のコピー画像が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0042】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0043】
(1)感光体表面を帯電させる帯電工程と、
前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、前記静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、
定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、
前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
前記トナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が3.00×10〜8.00×10(dN/m)であり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が7.00×10〜3.00×10であり、
前記離型剤がトナー100質量部中に2〜25質量部含有されることを特徴とする画像形成方法。
【0044】
(2)前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする(1)の画像形成方法。
【0045】
(3)前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする(1)または(2)の画像形成方法。
【0046】
(4)前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの画像形成方法。
【0047】
(5)前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有し、この帯電量制御工程を経た後に前記帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの画像形成方法。
【0048】
(6)前記転写工程において、接触帯電により感光体上のトナー像が前記転写材に転写されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの画像形成方法。
【0049】
(7)前記トナーの110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が5.00×10〜5.00×10dN/mであり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が1.00×10〜1.00×10dN/mであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの画像形成方法。
【0050】
(8)前記離型剤がトナー中に4〜20質量部含有されることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの画像形成方法。
【0051】
(9)前記トナーの数平均分子量が5000〜5万であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの画像形成方法。
【0052】
(10)前記トナーの数平均分子量が1.5万〜2.5万であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかの画像形成方法。
【0053】
(11)前記トナーの重量平均分子量が7万〜100万であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかの画像形成方法。
【0054】
(12)前記トナーの重量平均分子量が10万〜45万であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかの画像形成方法。
【0055】
(13)前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が100℃以上であることを特徴とする(1)〜(12)の画像形成方法。
【0056】
(14)前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が150℃以上であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかの画像形成方法。
【0057】
(15)前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかの画像形成方法。
【0058】
(16)前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかの画像形成方法。
【0059】
(17)前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする(1)〜(16)のいずれかの画像形成方法。
【0060】
(18)前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする(1)〜(17)のいずれかの画像形成方法。
【0061】
(19)前記離型剤の重量平均分子量が300〜1,500であることを特徴とする(1)〜(18)のいずれかの画像形成方法。
【0062】
(20)前記離型剤の重量平均分子量が400〜1,250であることを特徴とする(1)〜(19)のいずれかの画像形成方法。
【0063】
(21)前記離型剤の針入度が15度以下であることを特徴とする(1)〜(20)のいずれかの画像形成方法。
【0064】
(22)前記離型剤の針入度が8度以下であることを特徴とする(1)〜(21)のいずれかの画像形成方法。
【0065】
(23)前記現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤であることを特徴とする(1)〜(22)のいずれかの画像形成方法。
【0066】
(24)前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60Am/kgであることを特徴とする(23)の画像形成方法。
【0067】
(25)前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする(23)または(24)の画像形成方法。
【0068】
(26)前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする(23)〜(25)のいずれかの画像形成方法。
【0069】
(27)前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする(23)〜(26)のいずれかの画像形成方法。
【0070】
(28)前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする(23)〜(27)のいずれかの画像形成方法。
【0071】
(29)前記キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする(23)〜(28)のいずれかの画像形成方法。
【0072】
(30)前記トナーは、少なくともイエロー系着色剤を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤を含有するシアントナーと、少なくとも黒色系着色剤を含有するブラックトナーとを含み、フルカラー画像を形成することを特徴とする(1)〜(29)のいずれかの画像形成方法。
【0073】
(31)感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーであって、
(I)感光体表面を帯電させる帯電工程と、(II)前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する静電形成工程と、(III)現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する担持体と、前記静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、(IV)前記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、(V)定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し、前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が3.00×10〜8.00×10dN/mであり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が7.00×10〜3.00×10dN/mであり、
該離型剤がトナー100質量部中に2〜25質量部含有されることを特徴とするトナー。
【0074】
(32)前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする(31)のトナー。
【0075】
(33)前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする(31)または(32)のトナー。
【0076】
(34)前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする(31)〜(33)のいずれかのトナー。
【0077】
(35)前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有し、この帯電量制御工程を経た後に前記帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする(31)〜(34)のいずれかのトナー。
【0078】
(36)前記転写工程において、接触帯電により感光体上のトナー像が前記転写材に転写されることを特徴とする(31)〜(35)のいずれかのトナー。
【0079】
(37)110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が5.00×10〜5.00×10dN/mであり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が1.00×10〜1.00×10dN/mであることを特徴とする(31)〜(36)のいずれかのトナー。
【0080】
(38)前記離型剤がトナー中に4〜20質量部含有されることを特徴とする(31)〜(37)のいずれかのトナー。
【0081】
(39)数平均分子量が5000〜5万であることを特徴とする(31)〜(38)のいずれかのトナー。
【0082】
(40)数平均分子量が1.5万〜2.5万であることを特徴とする(31)〜(39)のいずれかのトナー。
【0083】
(41)重量平均分子量が7万〜100万であることを特徴とする(31)〜(40)のいずれかのトナー。
【0084】
(42)重量平均分子量が10万〜45万であることを特徴とする(31)〜(41)のいずれかのトナー。
【0085】
(43)前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が100℃以上であることを特徴とする(31)〜(42)のいずれかのトナー。
【0086】
(44)前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が150℃以上であることを特徴とする(31)〜(43)のいずれかのトナー。
【0087】
(45)前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする(31)〜(44)のいずれかのトナー。
【0088】
(46)前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする(31)〜(45)のいずれかのトナー。
【0089】
(47)前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする(31)〜(46)のいずれかのトナー。
【0090】
(48)前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする(31)〜(47)のいずれかのトナー。
【0091】
(49)前記離型剤の重量平均分子量が300〜1,500であることを特徴とする(31)〜(48)のいずれかのトナー。
【0092】
(50)前記離型剤の重量平均分子量が400〜1,250であることを特徴とする(31)〜(49)のいずれかのトナー。
【0093】
(51)前記離型剤の針入度が15度以下であることを特徴とする(31)〜(50)のいずれかのトナー。
【0094】
(52)前記離型剤の針入度が8度以下であることを特徴とする(31)〜(51)のいずれかのトナー。
【0095】
(53)フルカラー画像の形成に用いられ、少なくともイエロー系着色剤を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤を含有するシアントナーと、少なくとも黒色系着色剤を含有するブラックトナーとを含むことを特徴とする(31)〜(52)のいずれかのトナー。
【0096】
(54)(31)〜(53)のいずれかのトナーと、キャリアとからなる二成分現像剤。
【0097】
(55)前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60Am/kgであることを特徴とする(54)の二成分現像剤。
【0098】
(56)前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする(54)または(55)の二成分現像剤。
【0099】
(57)前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする(54)〜(56)のいずれかの二成分現像剤。
【0100】
(58)前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする(54)〜(57)のいずれかの二成分現像剤。
【0101】
(59)前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする(54)〜(58)のいずれかの二成分現像剤。
【0102】
(60)前記キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする(54)〜(59)のいずれかの二成分現像剤。
【0103】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成方法は、感光体表面を帯電させる帯電工程と;帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と;現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と;トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と;定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する画像形成方法である。上記本発明の画像形成方法は、定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知することを特徴とする。また、本発明の画像形成方法に用いられる本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が3.00×10〜8.00×10(dN/m)であり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が7.00×10〜3.00×10であり、離型剤がトナー中に2〜25質量部含有されることを特徴とする。
【0104】
本発明者は、鋭意検討の結果、以下のことを見出した。前述した排紙・積載不良の問題点に対し、トナーからの解決手段として、定着時に良好に離型剤をトナーと定着体の間に介在させ、離型性をアップさせた上で、トナー母体の弾性率を高める必要があることが明らかとなった。従来技術では、定着体との離型性を上げるには離型剤を大量にトナー中に含有することが試みられている。しかし、ただ単に離型剤の添加量を増やすだけでは、トナー表面に離型剤が多く存在してしまうため、帯電付与性能に障害をきたし、現像性の低下を招く。つまり、離型剤の種、量、トナー中の存在状態を制御し、現像時にはトナー表面の離型剤の量を極力抑制することで現像の弊害を招かないようにし、定着時にはトナー母体の弾性を維持しつつ、瞬時に離型剤がトナー表面に析出させることが必要となることがわかった。
【0105】
そこで、本発明者等は、トナーの110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)および160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)を上記範囲とすることにより、通常140〜200℃の設定定着温度の定着体を用いて定着を行う際に好適に離型剤をトナー表面に浸出させ、これにより転写材と定着体との離型性を良好なものとすることができるため、上述したような排紙・積載不良を防止できることを見出した。また、上記貯蔵弾性率を有するトナーは、さらに低温定着性、高温オフセット性、フルカラー時のOHP透明性を満足できることがわかった。また、上記温度におけるトナーの弾性率を上記範囲にコントロールすることで、定着時以外は、離型剤のトナー表面の存在量が少なくかつトナー母体の弾性率も良好に維持しえているため、長期耐久使用においても感光体や帯電付与部材への汚染を損なうことが無く、良好な画像を提供し得るものとなる。
【0106】
また、本発明者らは鋭意検討の結果、以下のことも見出した。特開2000−284633号公報に示すように、長期にわたり多数枚出力する際も安定した定着グロスを有する画像を提供すべく、非接触型の定着体温度検知手段を定着体の長手方向における長さをLとしたときの、定着体両端からL/6の部分以外の位置、すなわち画像通紙域に設け、さらにはそのシステムに好適に対応したトナー又は二成分現像剤を用いることで、画像通紙域の定着体の温度を精密に制御できるため、グロスの安定性を達成し得る。
【0107】
なお、本発明において、定着体の長手方向とは、定着体の回転方向に沿った長さ(すなわち、通紙方向に直交する方向に沿った長さ)を表す。すなわち、定着体両端からL/6の部分以外が本発明における画像通紙域である。
【0108】
また、長期耐久性に関しても、トナーの粘弾性及び離型剤の添加量、さらに好ましくは離型剤の溶融特性をコントロールすることで、定着時に発生する離型剤成分の温度検知手段への付着を良好に抑制しつつ、定着体温度の検知誤差を押さえ込むことに成功した。
【0109】
また、本発明は定着体に接触する部材を加圧体以外に有しないため、定着体の寿命が著しく延び、高速高耐久の画像形成装置に適合し得る画像形成方法である。また、トナー中に含有せしめる離型剤をコントロールすることにより、定着性と画質を両立させることができる。さらにこのことで、接触帯電系及びクリーナーレスシステムにおいても、適用し得る画像形成方法を達成した。
【0110】
以下に本発明の画像形成方法について述べる。
【0111】
定着体を傷つけずに定着体の温度を非接触で検知する温度検知手段であるセンサとしては、具体的には非接触型のサーミスタを用いることができる。このような非接触型の温度検知手段を、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えることにより、温度検知手段を定着体に接触させて用いた場合の、温度検知手段と定着体との接触部分にオフセットトナーが付着することにより生じる温度検出性能の低下、定着体表面に付着したオフセットトナーによって定着体が傷つけられること、およびオフセットトナーの脱落による転写材の汚れの発生を防止することができる。また、上記非接触型の温度検知手段を用いることにより、上記オフセットトナーによる問題を防止できると同時に、定着ニップ部である画像通紙域の表面温度を正確に制御することができるため、定着画像のグロスを安定して制御することができる。
【0112】
また、上記非接触型の温度検知手段として、定着体から放出される赤外線を検知する赤外放射温度センサのように非接触で定着体の表面温度を直接測定出来るものを用いることは、画像形成装置におけるプロセス速度の高速化や、いかなる環境でも安定した画像を得る上で好ましい。その理由は、温度検知手段は、定着体近傍の雰囲気温度を検知する必要性から温度変化の追従性が要求されるため非接触型のサーミスタでは十分な追従性能が得られない場合も生じるためである。
【0113】
一方、赤外放射温度センサはセンサ部の温度により得られる信号値に誤差が生じやすい。従って、これを補正するために赤外放射温度センサのセンサ部に接触型のサーミスタや熱電対を隣接させて該センサ部の温度やその近傍の雰囲気温度を検知し、そのサーミスタや熱電対により測定された検知温度を用いて赤外放射温度センサにより得られる信号値の補正を行うことでより正確な温度検知を行うことが好ましい。
【0114】
上記好ましい赤外放射温度センサは、特開平11−223555号公報等に記載の如き、フィルム等で赤外線を吸収しその温度を感熱素子で検知する方法が例として挙げられる。このような非接触型の温度検知手段を用いることは上記オフセットトナーによる種々の問題を解決することができ、好ましい方法であるが、それでも以下のような課題が残される。すなわち、上記赤外放射温度センサを用いて定着体の温度検知を行う方法では、フィルムが特に離型剤等の物質により汚染されると、定着体からの赤外線の輻射率と離型剤等の物質からの赤外線の輻射率の違いから、検知温度に誤差が生じる。そのため、定着画像のグロスが変動するという課題を残す。
【0115】
このような観点から、本発明者等は、長期にわたって耐久的に使用しても、低温定着性及び高温オフセット性及び現像特性を満足した上で、定着温度検知部材におこる離型剤等の付着を充分に抑制し得る下記構成のトナー及び二成分現像剤の改良を行い、本発明に至ったものである。
【0116】
以下に本発明について詳述する。
【0117】
〈本発明のトナー〉
まず、本発明の画像形成方法に用いられる本発明のトナーについて説明する。本発明のトナーは、110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が3.00×10〜8.00×10(dN/m)であり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が7.00×10〜3.00×10であることを特徴とする。G’(110℃)は5.00×10〜5.00×10(dN/m)であることが好ましく、7.00×10〜3.00×10(dN/m)であることがより好ましい。また、G’(160℃)は、1.00×10〜1.00×10(dN/m)であることが好ましく、3.00×10〜7.00×10(dN/m)であることがより好ましい。
【0118】
G’(110℃)が3.00×10dN/mより小さいと、定着時に離型剤がトナーから染み出して定着体表面に移行する以前に、トナー粒子自体が溶融しやすくなる。この結果、各トナー粒子の熱溶融によって、各トナー粒子中に存在する離型剤が粒子間を超えて再凝集しやすくなり、トナー粒子と定着体表面との間に介在しにくくなる。このため、定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。また、トナーのメカニカルな強度が劣り、長期耐久使用時における現像性の悪化や、感光体にトナーが融着する等の問題も生じる。
【0119】
逆にG’(110℃)が8.00×10dN/mより大きいと、トナー粒子自体の弾性が高すぎ、定着時に離型剤を良好に定着体表面に染み出させることができなくなり、低温時の転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。
【0120】
一方、高温時の弾性率G’(160℃)が7.00×10dN/mより小さいと、トナー粒子自体の弾性が低すぎ、高温オフセットを生じやすくなる。この現象は、トナーが熱を受け易いときに特に起こりやすく、水分量の少ない薄紙を用いた両面印刷時の、トナー同士のバインド力が小さい2面目のハーフトーン画像で起こり易い。
【0121】
逆にG’(160℃)が3.00×10dN/mより大きいと、定着後のグロスが低いものとなり、且つ高温時においても離型剤を良好に定着面に染み出させることができなくなり、離型性悪化によるオフセットを生じやすくなる。また、定着グロスも低下傾向にある。
【0122】
G’(110℃)およびG’(160℃)を上記範囲に調整する方法として、以下の方法が挙げられる。すなわち、本発明のトナーを粉砕法により作製する場合、結着樹脂の組成や、添加する離型剤の種類及び量を適宜選択することにより調整できる。また、上記トナーの組成と併せて、溶融混練条件あるいは混練時の架橋の度合い等を制御することによっても調整できる。本発明のトナーを重合法により製造する場合、結着樹脂を構成するモノマーの種類や量;重合反応の反応温度;重合開始剤、架橋剤、連鎖移動剤または離型剤の種および量を適宜選択することにより調整することができる。
【0123】
また、本発明のトナーは結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、離型剤がトナー100質量部中に2〜25質量部含有される。離型剤はトナー100質量部中に4〜20質量部含有されること好ましく、6〜18質量部含有されることがより好ましい。
【0124】
離型剤含有量が2質量部より小さいと、定着時の離型性効果が十分に発揮できず、定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。逆に25質量部より大きいと、離型剤による帯電付与部材や感光体への汚染が顕著となりカブリや融着といった弊害を生じる。また、定着工程において、非接触の温度検知手段が離型剤により汚染されることによって検出精度が低下し、定着画像のグロスの制御を安定して行うことが困難となることがある。
【0125】
上記本発明のトナーは、感光体表面を帯電する帯電工程と;帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と;現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と;トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と;定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に転写材を通過させて、トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し;定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体は、表面温度を検知する手段として非接触型の温度検知手段を該定着体の画像通紙域に有する画像形成方法に用いられる。
【0126】
上記貯蔵弾性率G’(110℃)およびG’(160℃)を有し、上記特定量のワックスを含有するトナーを、非接触型の温度検知手段により定着体の表面温度を検知する画像形成方法と共に用いることにより、従来の接触型の温度検知手段を用いた場合に生じる、オフセットトナーの影響による定着性の低下や転写材の汚れを発生させることなく定着体の表面温度を安定して正確に制御することが可能となるため、定着画像のグロスの制御を長期にわたって安定して行うことができる。また、本発明のトナーは、現像工程ではトナー粒子表面の離型剤量を抑制することにより現像特性の低下を防止すると共に、定着工程ではトナー粒子表面から離型剤が瞬時に浸出されるため良好な離型性を発揮することができる。このため、良好な現像特性を維持しつつ、定着画像が形成された転写材の排紙・積載不良を防止することができる。
【0127】
本発明のトナーは、数平均分子量(Mn)が5000〜5万であることが好ましく、1.5万〜2.5万であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)が0.5万より小さいと、トナー粒子自体の弾性が低すぎ、高温オフセットを生じやすくなる。逆に数平均分子量(Mn)が5万より大きいと、トナー粒子自体の弾性が高くなる傾向にあり、定着時に離型剤を良好に定着面に染み出させることができなくなり、低温時の転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。
【0128】
また、本発明のトナーは、重量平均分子量(Mw)が7万〜100万であることが好ましく、10万〜45万であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が7万より小さいと、トナー母体自体の弾性が低すぎ、高温オフセットを生じやすくなる。逆に重量平均分子量(Mw)が100万より大きいと、トナー母体自体の弾性が高くなる傾向にあり、定着時に離型剤を良好に定着面に染み出させることができなくなり、低温時の転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。また、極端に定着グロスが低いものとなる。
【0129】
本発明において、トナーのMnおよびMwを上記範囲に調整する方法として、以下の方法が挙げられる。すなわち、本発明のトナーを粉砕法により作製する場合、結着樹脂の組成や、添加する離型剤の種類及び量を適宜選択することにより調整できる。また、上記トナーの組成と併せて、溶融混練条件あるいは混練時の架橋の度合い等を制御することによっても調整できる。本発明のトナーを重合法により製造する場合、結着樹脂を構成するモノマーの種類や量;重合反応の反応温度;重合開始剤、架橋剤、連鎖移動剤または離型剤の種および量を適宜選択することにより調整することができる。なお、これらの方法によってトナーのMnまたはMwを調整する際には、トナーの貯蔵弾性率G’(110℃)およびG’(160℃)が上記範囲を満たす範囲でトナーの組成および製造条件を制御すればよい。
【0130】
また、本発明のトナーに適度な中グロスを達成させるためには、135℃におけるメルトインデックス(MI)値が1〜50であることが好ましく、3〜40であることがより好ましい。MI値が1より小さいとグロスが低すぎ、50より大きいとギラついた高グロスな画像となる。
【0131】
特に、フルカラー画像において、文字と写真画像が混在した場合、文字で一般に使用される黒が高グロスであると、非常に見づらい黒となる。逆に、写真画像で多く用いられる色トナー(イエロー、マゼンタ、シアン)においては、ある程度以上の彩度、明度を得るためには中〜高グロスが好ましい。このバランスをとるためには、イエロー、マゼンタ、シアントナーのグロスより、ブラックトナーのグロスは5以上低いこと(75°測定角度時)が望ましい。
【0132】
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃であることが好ましく、53〜63℃であることがより好ましい。Tgが50℃未満であると、トナーのブロッキング性が悪化する。逆に70℃より大きいと低温定着性能が悪化する。
【0133】
本発明のトナーの重量平均粒径は好ましくは5〜10μmであり、より好ましくは5.5〜9μmである。トナーの重量平均粒径が5μmより小さいと過剰帯電を引き起こし、カブリや画像濃度の低下といった弊害をもたらす。逆に、トナーの重量平均粒径が10μmより大きいと、ドラム上の微細な潜像を忠実に再現することが困難となり、現像画像の画質が劣ったものとなりやすい。
【0134】
本発明のトナーに含有される離型剤は、熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が100℃以上であることが好ましく、150℃以上がより好ましい。離型剤の重量減少開始温度を上記範囲とすることにより、定着工程においてトナーから離型剤が揮発しにくいため、本発明に用いる非接触型の温度検出手段に離型剤が付着することが防止される。このため、上記温度検出手段の検出精度が常に正確に保たれるため、定着画像のグロスを安定して制御することができる。
【0135】
離型剤の重量減少開始温度が100℃より小さいと、非接触型の温度検出手段センサを用いた場合でも、定着時に離型剤から揮発した低分子量成分が定着体の温度検知センサ部分上で冷却され固化する。それにより、定着体の温度検知を正確に行えず、耐久初期と耐久後半の画像グロスが異なり、安定した画像を提供することが困難となり易い。
【0136】
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスなどのポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物などの誘導体が挙げられ、必要に応じて蒸留などしても構わない。
【0137】
上記各ワックスの中でも、下記一般構造式で示すエステルワックスが特に好ましい。
【0138】
【化1】
Figure 2004126233
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、且つRとRとの炭素数差が3以上である基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0139】
【化2】
Figure 2004126233
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、Rは炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0140】
【化3】
Figure 2004126233
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、且つRとRとの炭素数差が3以上である基を示し、Rは炭素数が1以上の有機基を示し、kは1〜3の整数を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0141】
本発明のトナーに含有される離型剤のDSC(示差走査熱量測定)により得られる吸熱曲線の吸熱ピークの半値幅は、15℃以下であることが好ましく、7℃以下であることがより好ましい。離型剤の吸熱ピークの半値幅はASTM D3418−82に準拠して測定される。ここでいう吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインからピークの高さの2分の1の吸熱チャートの温度幅である。
【0142】
半値幅が15℃を超える場合は、離型剤の結晶性が高くないことから、離型剤の硬度も軟らかく、感光体や帯電ローラーへの汚染を促進させてしまうことがある。
【0143】
また、本発明のトナーに含有される離型剤は、DSC吸熱曲線における吸熱ピークが50〜150℃の値を示す化合物であることが好ましく、60〜120℃の値を示す化合物であることがより好ましい。本発明における離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値はASTM D3418−82に準拠して測定される。
【0144】
吸熱ピーク値が50℃未満であると、離型剤の自己凝集力が弱い為に、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面に離型剤が析出しやすく、感光体や帯電ローラー、帯電付与部材を汚染しやすく、かぶりや融着等の画像欠陥を生じ易い。一方、吸熱ピークが150℃を超えると、定着時に離型剤がトナー粒子表面に浸み出しにくく、低温時の定着性や、トナー現像量が多い2次色(レッド、グリーン、ブルー)の定着性が低下する。更に、重合方法により直接トナー粒子を生成する場合には、重合性単量体組成物中への離型剤の溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒子径サイズへの液滴の造粒中に離型剤が析出して造粒が困難となるため好ましくない。
【0145】
離型剤の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が300〜1,500であることが好ましく、400〜1250であることがより好ましい。重量平均分子量が300未満になると離型剤のトナー粒子表面への露出が生じ易く、感光体や帯電ローラー、帯電付与部材を汚染しやすく、かぶりや融着等の画像欠陥を生じ易い。逆に、重量平均分子量が1500を超えると、定着巻きつき性の悪化が生じたり、低温定着性が低下し、またOHT透明性も悪化することがある。
【0146】
また、離型剤の重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下であると、離型剤のDSC吸熱曲線の極大ピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す特に優れたトナー物性が得られるため好ましい。
【0147】
該離型剤の針入度は15度以下であることが好ましく、8度以下であることがより好ましい。針入度が15度を超える場合には、離型剤の吸熱ピークの半値幅が15℃を超える場合と同様に、感光体や帯電ローラー、帯電付与部材を汚染しやすく、かぶりや融着等の画像欠陥を生じ易い。
【0148】
本発明に用いられるトナー粒子は粉砕法または重合法により製造することができる。粉砕法によるトナー粒子の製造方法の概略は以下の通りである。まず、結着樹脂、着色剤、離型剤および必要に応じた他の添加物をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合する。その混合物をニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融、混練して樹脂類を互いに相溶させ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級してトナー粒子を得る。
【0149】
本発明におけるトナー粒子を粉砕方法で製造する際に用いられるトナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
【0150】
結着樹脂の主成分としてはスチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であるスチレン系共重合体が現像性、定着性の点で好ましい。
【0151】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0152】
上記スチレン系共重合体はジビニルベンゼン等の架橋剤で架橋されていることがトナーの定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
【0153】
次に懸濁重合を例示して、重合法によるトナー粒子の製造方法を説明する。重合性単量体、着色剤および離型剤、更に必要に応じた他の添加剤などをホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解または分散させた単量体系を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。又、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
【0154】
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトンが挙げられる。
【0155】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0156】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独で或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0157】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0158】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0159】
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0160】
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
【0161】
本発明のトナーに用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。このような黒色着色剤をトナーに含有させることにより、ブラックトナーを得ることができる。
【0162】
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3.7.10.12.13.14.15.17.23.24.60.62.74.75.83.93.94.95.99.100.101.104.108.109.110.111.117.123.128.129.138.139.147.148.150.155.166.168.169.177.179.180.181.183.185.191:1.191.192.193.199等が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.I.solvent Yellow33.56.79.82.93.112.162.163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211などが挙げられる。このようなイエロー着色剤をトナーに含有させることにより、イエロートナーを得ることができる。
【0163】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。このようなマゼンタ着色剤をトナーに含有させることにより、マゼンタトナーを得ることができる。
【0164】
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。このようなシアン着色剤をトナーに含有させることにより、シアントナーを得ることができる。
【0165】
上記ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーを組み合わせてフルカラー画像を形成するフルカラートナーを得ることができる。
【0166】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部を添加して用いられる。
【0167】
本発明のトナーには、荷電制御剤を併用しても構わない。トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0168】
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0169】
さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
【0170】
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0171】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0172】
荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0173】
本発明のトナーが重合方法により製造されたトナーである場合には、縮合系樹脂が添加されていても良い。
【0174】
本発明で用いられる縮合系樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0175】
また、トナーの結着樹脂として、上記したもの以外にも、トナーに一般的に用いられる樹脂は好適に用いることができる。特にカラートナーとして使用する際は、色の混色性、定着性等を考慮すると、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。ポリエステル以外の樹脂成分を主成分として、ポリエステル樹脂を副成分として用いる場合には、ポリエステル樹脂の酸価を5〜40mgKOH/gとすることが好ましく、トナーとしての酸価が5〜30mgKOH/gとなる様に調整することが好ましい。
【0176】
また重合法によるトナーの製造において、ポリエステル樹脂を添加する場合、酸価が30mgKOH/gを超えると、ポリエステル相互間の親和力が強くなるために重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになるため好ましくない。
【0177】
本発明のトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、部材付着抑制、耐久性向上のための無機微粒子を有する。本発明で用いられる無機微粒子のうち、滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。上記のうち、ポリフッ化ビニリデンが好ましく用いられる。
【0178】
上記無機微粒子のうちの荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
【0179】
研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。これらのうち、チタン酸ストロンチウムが好ましく用いられる。
【0180】
流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。特にシリカ、アルミナ、酸化チタンの微粒子がトナーへの流動性向上の観点から好ましく用いられ、2種以上を併用することも良好な形態である。
【0181】
本発明におけるトナーに添加される無機微粉体の総添加量は、トナー粒子100質量部に対し0.5〜4.5質量部が好ましく、0.8〜3.5質量部がより好ましい。無機微粉体の総添加量が0.5質量部未満であると,トナーの流動性が不十分となり、帯電性の低下、トナー飛散を招き本発明の効果を充分に発揮し得ない。逆に、総添加量が4.5質量部以上であると、過剰な流動性の高さから、特に高速マシンに適用する際に現像部からトナー飛散を生じ、画像欠陥となるばかりでなく定着温度検知誤差を生む。また、低温定着性に障害をきたす。
【0182】
上記無機微粒子はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(より好ましくは50〜400m/g)の範囲内のものが少量で充分な流動性を与える観点から好ましい。
【0183】
上記流動性付与剤としての無機微粒子は、疎水性、帯電性、さらには転写性を向上させる目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤を単独で或いは併せて用いることによって、処理されていることが好ましい。
【0184】
他の無機微粒子としては、ケーキング防止剤;酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤;現像性向上剤が挙げられる。これらの添加剤の添加量としては、トナー100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部である。
【0185】
本発明において、トナーの体積固有抵抗値は、好ましくは1010〜1016Ω・cm、より好ましくは1012〜1016Ω・cm、さらに好ましくは1013〜1016Ω・cmであることが長期にわたって、トナーの帯電を安定化させる点で好ましく用いられる形態である。
【0186】
トナーの体積固有抵抗値が1010Ω・cm未満の場合には、特に高湿下においてトナーの帯電が低下しやすく、1016Ω・cmを超える場合には、特に低湿下で画像面積比率が2%以下のオリジナル原稿を連続プリントした際、画像濃度が低下しやすくなるため好ましくない。
【0187】
また、トナー粒子の形状は球形に近いことが好ましく、具体的にはトナー粒子の形状係数は、SF−1が100〜150、より好ましくは100〜140、さらに好ましくは100〜130の範囲である。また、SF−2が100〜140、より好ましくは100〜130、さらに好ましくは100〜120の範囲内である。
【0188】
トナーの形状係数SF−1が150を超える場合またはSF−2が140を超える場合には、トナーの転写効率の低下、トナーの再転写の増大、潜像担持体表面の磨耗量の増大が生じ易くなり好ましくない。
【0189】
本発明のトナーを、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることも、本発明の好ましい形態の一つである。本発明に用いられるキャリアとしては、磁性材料、又は磁性材料と非磁性材料の混合物からなる芯材粒子を、樹脂及び/またはシラン化合物で被覆したキャリアであることが好ましい。ここで、芯材粒子に磁性体分散型樹脂キャリアを用いたキャリアが画像特性、長期耐久性の点で好ましい。特に、負帯電性のトナーと混合して用いられる場合には、アミノシラン化合物を含有する被覆層を芯材粒子に被覆させることが好ましい。なお、本発明の粒度分布をもつトナーは、キャリア粒子の表面を汚染し易い傾向にあるので、これを予防する為にも芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが好ましい。
【0190】
表面を樹脂で被覆したキャリアは、高速機に適用した際の耐久性に於いても利点があり、トナーの電荷を制御するという点でも優れたものである。
【0191】
キャリアの表面を被覆する被覆層を形成するための樹脂としては、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーン系化合物を好ましく用いることができる。
【0192】
キャリアの被覆層を形成するフッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロルエチレン等のハロフルオロポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオルプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体とのターポリマーの共重合体等のフルオロターポリマーが好ましく用いられる。
【0193】
上記フッ素系樹脂の重量平均分子量は、50,000〜400,000(より好ましくは100,000〜250,000)であることが好ましい。
【0194】
キャリアの被覆層を形成する樹脂としては、上記フッ素系樹脂をそれぞれ単独で用いてもよいし、これらをブレンドしたものを用いてもよい。更には、上記フッ素樹脂に非フッ素系の重合体をブレンドして用いてもよい。
【0195】
非フッ素系の重合体としては、以下に挙げる様なモノマーの単重合体或いは共重合体が用いられる。
【0196】
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メチキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシシエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸エチルモレホリン、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸エチルモルホリン及びビニルピリジン等の1分子中に1個のビニル基を有するビニル系モノマー;ジビニルベンゼン;グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、ビスフェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物等の1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル等のヒドロキシ基を有するビニル系モノマーを挙げることができる。
【0197】
これらのモノマーは、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等公知の方法で共重合される。これらの共重合体は、重量平均分子量が10,000〜70,000であるものが好ましい。またこの共重合体をメラミンアルデヒド架橋、或いはイソシアネート架橋させてもよい。
【0198】
フッ素系樹脂と他の重合体との質量基準のブレンド比は、20〜80:80〜20が好ましく、特には40〜60:60〜40が好ましい。
【0199】
キャリアの被覆層を形成するためのシリコーン系樹脂またはシリコーン系化合物としては、ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のポリシロキサンが用いられる。またアルキド変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等の変性シリコーン樹脂も使用可能である。変性の形態としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体、くし形グラフト共重合体が挙げられる。
【0200】
芯材粒子表面への被覆層の塗布に際しては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はシリコーン系化合物(固形メチルシリコーンワニス、固形フェニルシリコーンワニス、固形メチルフェニルシリコーンワニス、固形エチルシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス等、シリコーン樹脂)をワニス状にしておいて磁性粒子をその内へ分散させる方法、或いは、ワニスを磁性粒子に噴霧する方法がとられる。
【0201】
上記被覆層の樹脂の処理量は、被覆材の成膜性や耐久性の観点から、キャリア芯材に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20質量%)であることが好ましい。
【0202】
本発明に用いられるキャリアの体積平均粒径は25〜55μm(好ましくは30〜50μm)であることが小粒径トナーとのマッチングにおいて好ましい。キャリアの体積平均粒径が25μm未満では、現像工程において、キャリアがトナーと共に潜像保持体上に現像され易くなり、潜像保持体やクリーニングブレードを傷つけ易くなる。一方、キャリアの体積平均粒径が55μmより大きいと、キャリアのトナー保持能力が低下し、ベタ画像が不均一となり、トナー飛散、かぶり等も発生し易くなる。
【0203】
本発明においては、トナー濃度が3〜12質量%(より好ましくは5〜10質量%)となるように、キャリアとトナーとを混合することが画像濃度、画像特性を良好に満足させる上で好ましい。
【0204】
本発明において、キャリアの比抵抗は1×10〜1×1016Ω・cmであることが好ましく、1×10〜1×1015Ω・cmであることがより好ましい。キャリアの比抵抗が1×10Ω・cm未満であると、潜像担持体表面へのキャリア付着を起こし易く、潜像担持体に傷を生じさせたり、直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスがキャリアを介してリークし、潜像担持体上に描かれた静電潜像を乱してしまうことがある。
【0205】
また、キャリアの比抵抗が1×1016Ω・cmを超えると、エッジ強調のきつい画像が形成され易く、さらに、キャリア表面の電荷がリークしづらくなるため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるカブリ及び飛散などを起こしてしまうことがある。さらに、現像器の内壁等の物質と帯電してしまい、本来与えられるべきトナーの帯電量が不均一になってしまうこともある。その他、静電気的な外添剤付着など、画像欠陥を引き起こしやすい。
【0206】
キャリアの磁気特性は、1000/4π(kA/m)での磁化の強さが30〜60(Am/kg)、より好ましくは35〜55(Am/kg)の低磁気力であることが良い。
【0207】
キャリアの磁化の強さが60(Am/kg)を超えると、現像剤担持体上の規制ブレード部での剤圧縮が強まり、本発明のトナーを用いた場合においても、離型剤によるキャリアのスペントが生じる。このため、スリーブ上のキャリア搬送性悪化によるコート不良や、トナーへの帯電付与性能低下による耐久後半のかぶり、トナー飛散等を生じることがある。また、キャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすい。
【0208】
キャリアの磁化の強さが30(Am/kg)未満では、キャリア微粉を除去してもキャリアの磁気力が低下し、キャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下し易い。
【0209】
キャリアの見かけ密度は2.3g/cm以下であるいことが好ましく、2.1g/cm以下であることがより好ましい。見かけ密度が2.3g/cmより大きいと、現像器内での離型剤によるキャリアのスペントが生じ、現像スリーブ上のキャリア搬送性悪化によるコート不良や、トナーへの帯電付与性能低下による耐久後半のかぶり、トナー飛散等を生じる。
【0210】
キャリアの形状係数SF−1は100〜130であることが好ましく、100〜120であることがより好ましい。SF−1が130より大きいと、キャリアへのトナー粒子又は無機微粉体による汚染が顕著となり、長期にわたる耐久的な使用におけるトナーへの帯電付与性能が低下し、トナー飛散、かぶり等の弊害を生じる。
【0211】
キャリアは、種々の上記物性を全て満足させる点からして、磁性体分散型樹脂キャリアが好ましい。
【0212】
以下、本発明に係る各種測定方法について説明する。
【0213】
(1)トナーの粘弾性測定
粘弾性測定装置(レオメーター)RDA−II型(レオメトリック社製)を用いて、下記の条件で60〜210℃の温度範囲における貯蔵弾性率G’の測定を行う。
【0214】
測定治具は、直径25mmの円形パラレルプレートを使用する。アクチュエーター側には円形パラレルプレートに対応する、シャローカップを使用する。シャローカップの底面と円形プレートの間隙は約2mmである。測定試料は、トナーを直径約25mm、高さ約2mmの円盤状試料となるよう加圧成型した後、使用する。
【0215】
測定周波数は6.28rad/secとする。測定歪の設定は初期値を0.1%に設定した後、自動測定モードにて測定を行う。試料の伸張補正は自動測定モードにて調整する。測定温度は60〜210℃とし、毎分2℃の割合で昇温する。
【0216】
上記の方法により、60〜210℃の温度範囲において、貯蔵弾性率G’を測定した際の110℃及び160℃における貯蔵弾性率G’の値を、それぞれG’(110℃)、G’(160℃)とする。
【0217】
(2)トナーの樹脂成分の分子量分布測定
トナーの樹脂成分の具体的なGPCの測定方法は以下の通りである。予めトナーをソックスレー抽出器を用いてトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去させる。次に、必要により、トナーに含有されるワックスは溶解するが、樹脂成分は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルムを加え十分洗浄を行う。その後、この洗浄を行ったトナー成分をTHF(テトラヒドロフラン)に溶解し、得られた溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したものを測定サンプルとする。ウォーターズ社製150Cを用い、昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結したカラム構成で、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用いて、上記サンプルの分子量分布を測定する。得られた分子量分布から重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出する。
【0218】
(3)離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値及びその半値幅の測定
ASTM D3418−82に準拠して測定する。本発明においては、「DSC−7」(パーキンエルマー社製)を用いる。装置検出部の温度補正にはイリジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはイリジウムの融解熱を用いる。測定試料は、2〜10mgの範囲内で正確に秤量する。測定サンプルをアルミニウム製パンに入れたものと、対照用にアルミニウム製パンのみのもの(空パン)をセットし、20〜180℃の測定領域を昇温速度10℃/minで昇温した時に得られるDSC曲線から主体吸熱ピーク値を、本発明で用いる離型剤の吸熱ピーク値として求める。吸熱ピークの半値幅とは、前述したように吸熱ピークにおけるベースラインからピークの高さの2分の1の吸熱チャートの温度幅である。なお、ワックス成分のみを測定する場合には、測定時と同一条件で昇温−高温を行って前履歴を取り除いた後に測定を開始する。又、トナー中に含まれた状態のワックス成分を測定する場合には、前履歴を取り除く操作を行わず、そのままの状態で測定を行う。
【0219】
(4)離型剤の分子量測定
GPCにより次の条件で測定する。
【0220】
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定する。試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出する。
【0221】
(5)離型剤の加熱時の重量減少開始温度の測定方法
下記装置を用い、重量減少開始温度を測定チャートより読み取る。測定チャートの重量曲線の接線の傾きが負になる温度を重量開始温度として読みとる。
【0222】
装置  :TGA−7、PE7700(パーキンエルマー社製)
昇温速度:10℃/min
測定環境:N雰囲気下
【0223】
(6)トナーのTg測定
下記装置を用いトナーTgを測定する。
装置:DSC−7(パーキンエルマー社製)
試料:トナー5〜20mg(好ましくは10mg)をアルミニウム製サンプルパンに精秤して用いる。尚、対照サンプルとして空のアルミニウム製サンプルパンを用いる。
【0224】
Figure 2004126233
【0225】
(7)離型剤の針入度の測定
離型剤の針入度はJIS K2235に準拠し測定する。測定温度は25℃とする。
【0226】
(8)トナーのメルトインデックス(MI)の測定
JIS K7210記載の装置を用いて、手動切り取り法で測定を行う。測定条件は、測定温度:135℃、荷重:2.2kg、試料充填量:5〜10gとする。なお、測定値は10分値に換算する。
【0227】
(9)トナーの重量平均粒径(D4)及びトナーの粒度分布の測定
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンタTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して測定を行う。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粒径が2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出する。これらの値を用いて、重量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径(D4)、粒径が4.0μm以下のトナーの個数%及び粒径が12.7μm以上のトナーの体積%を求める。
【0228】
(10)トナー及び結着樹脂の酸価及び水酸基価の測定
〈酸価〉
(A)試薬
(a)溶剤は、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用い、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
【0229】
(b)フェノールフタレイン溶液:フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95 vol%)100mlに溶かす。
【0230】
(c)0.1mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液:水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
【0231】
(B)操作:試料(トナーまたは結着樹脂)1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlと、指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
【0232】
(C)計算式 次式によって酸価を算出する。
【0233】
【数1】
Figure 2004126233
【0234】
ここで、
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターS:試料(g)
【0235】
〈水酸基価〉
(A)試薬
(a)アセチル化試薬:無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
【0236】
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95vol%)100mlに溶かす。
【0237】
(c)N/2水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJIS K 8006によって行う。
【0238】
(B)操作:試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬としてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。
【0239】
(C)計算式 次式によって水酸基価を算出する。
【0240】
【数2】
Figure 2004126233
【0241】
ここで、
A:水酸基価
B:空試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
D:酸価
【0242】
(11)トナー及びキャリアの形状係数(SF−1、SF−2)の測定
日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、拡大倍率3000倍でトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い、下式より算出して得られた値と定義している。
【0243】
【数3】
SF−1 = {(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100
SF−2 = {(PERI)2/AREA}×(π/4)×100
(MXLNG:絶対最大長、AREA:トナー投影面積、PERI:周長)
形状係数SF−1は球形度合いを示し、100から大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2は凹凸度合いを示し、100から大きくなるにつれてトナーの表面の凹凸が顕著になる。
【0244】
(12)キャリアの粒径の測定
キャリア粒径測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(ヘロス<HELOS>)を用いて、フィードエア圧力3bar、吸引圧力0.1barの条件で測定する。尚、キャリアの平均粒径とはキャリア粒子の体積基準による50%粒径を示す。
【0245】
(13)キャリアの磁気特性の測定
キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−35を用いて行う。測定に際して、1000/4π(kA/m)の外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアを円筒状のプラスチック容器にキャリア粒子が動かないように十分密になるようにパッキングした状態に作製し、この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さ(Am/kg)を求める。
【0246】
現像剤からキャリア物性を測定する場合は、コンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて現像剤を洗浄してトナーとキャリアを分離した後、上記測定を行う。
【0247】
(14)キャリアの比抵抗測定方法
キャリアの比抵抗の測定は、真空理工(株)社製の粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定する。測定条件は、23℃、相対湿度60%の条件下に24時間以上放置したキャリアを直径20mm(0.283cm)の測定セル中にいれ、120g/cmの荷重電極で挟み、セルの厚みを2mmとし、印加電圧を500Vで測定する。
【0248】
(15)キャリアの見かけ密度測定方法
JIS−Z02504に従って行う。
【0249】
(16)トナーの円形度および円形度標準偏差の測定及びこれらの算出
フロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
【0250】
【数4】
Figure 2004126233
【0251】
【数5】
Figure 2004126233
【0252】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0253】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0254】
【数6】
Figure 2004126233
【0255】
【数7】
Figure 2004126233
【0256】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0257】
【数8】
Figure 2004126233
【0258】
【数9】
Figure 2004126233
【0259】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φmmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行って測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0260】
トナー粒子の形状測定には、フロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0261】
〈本発明の画像形成方法〉
以下、本発明の画像形成方法について詳述する。
【0262】
上述したように、本発明の画像形成方法は、上記本発明のトナーを用いて画像形成を行うものであり、感光体表面を帯電させる帯電工程と;帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と;現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と;トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と;定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する画像形成方法である。上記本発明の画像形成方法は、定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ前記定着体は、表面温度を検知する手段として非接触型の温度検知手段を定着体の長手方向長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に有することを特徴とする。
【0263】
本発明のトナーはキヤノン製の、IR6000、IR3000等の白黒複写機、LBP720、LBP950等のレーザービームプリンター、これらの二成分改造機、LBP2040、CLC500、CLC700、CLC1000、CP2150やCP660等のフルカラー機にこのましく用いることができ、さらには上記複写機及びプリンターの定着器構成を本発明の如き、加圧体以外の接触部材を持たない構成に変更した際においても、適用可能である。
【0264】
本発明のトナーを用いた本発明の画像形成方法の好適な一例を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す部分的模式図である。詳細は後述するが、この画像形成装置は、静電潜像を担持する感光体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段2と、帯電された感光ドラム1表面に静電潜像を形成する図示せぬ報書き込み手段と、感光ドラム1表面に形成された静電潜像をトナーにより可視化して、トナー像を形成する現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を転写材25に転写する転写手段としての転写ブレード27とを有している。
【0265】
本発明のトナーを使用する現像方法として、例えば図1に示すような二成分現像手段を用いて現像を行うことができる。本発明においては、現像工程は直流成分に交流成分を重畳させた電圧を現像剤担持体に印加することによって、現像剤担持体と感光体表面との間に振動電界を形成して現像を行う工程であることが好ましい。具体的には、図1に示すように、現像剤担持体に交番電圧を印加し、現像剤担持体上にキャリアによって形成された磁気ブラシが潜像担持体である感光体に接触した状態で現像を行うことが好ましい。
【0266】
現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光ドラム1の距離(S−D間距離)Bは100〜800μmであることが感光体へのキャリア付着防止及びドット再現性の向上の点から良好である。S−D間距離が100μmより狭いと感光体への現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、800μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0267】
交番電界のピーク間の電圧は300〜3000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等種々選択して用いることができる。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0268】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが350V以下、より好ましくは300V以下が良い。
【0269】
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように100〜500Vが好ましく用いられる。
【0270】
周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、感光体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0271】
本発明で用いられる現像方法において重要なことは、十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光ドラム1との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材としての規制ブレード15と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光ドラム1との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整することができる。
【0272】
本発明の画像形成方法は、特にハーフトーンを重視するような画像の出力において、本発明の現像剤および現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、トナーを介しての電荷注入の影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0273】
さらに初期の高画質化と併せて、上述の二成分系現像剤を用いることで現像装置内でのトナーの帯電量変化が小さく、多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0274】
好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることにより、より引き締まった画像を呈することができる。
【0275】
図面を参照しながら、さらに本発明の画像形成方法について説明する。
【0276】
図1において、マグネットローラ21の有する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光ドラム1の表面に接触させて感光ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示されないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されている。
【0277】
帯電された感光ドラム1に、図示されない潜像形成手段としての露光装置によりレーザー光24を照射することにより、デジタルな静電潜像を形成する。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、マグネットローラ12を内包し、図示されないバイアス印加装置によって現像バイアスが印加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19中のトナー19aによって現像される。
【0278】
現像装置4は、隔壁17により現像剤室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられている。
【0279】
現像剤搬送スクリュー13は回転することによって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー14に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1から受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13とは逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口を通って現像剤室R1に送り込む。
【0280】
感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネットローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ11の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持された現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブレード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが対向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像領域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置しており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付着しているトナーが、感光ドラム1上の静電荷像の領域に転移して付着し、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0281】
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回収される。
【0282】
上記の現像工程により現像装置4内の現像剤19のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3から補給用トナー18が現像で消費された量に見あった量で撹拌室R2に補給され、現像剤19のT/Cが所定量に保たれる。その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該トナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に有している。
【0283】
現像スリーブ11の下方に配置され、現像スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレード15は、アルミニウム又はSUS316のような非磁性材料で作製される非磁性ブレードである。その端部と現像スリーブ11面との距離は150〜1000μm、好ましくは250〜900μmである。この距離が150μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためにはこの距離は250μm以上が好ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ11上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリやすくなる。
【0284】
また、現像されたトナー画像は、搬送されてくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段26により転写バイアスが印加されている転写手段である転写ブレード27により転写され、転写材上に転写されたトナー画像は、図示されていない定着装置により転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写されずに感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程において、帯電状態が調整され、現像時に回収される。
【0285】
また、本発明の画像形成方法は、転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電工程をさらに有し、この帯電量制御工程を経た後に帯電工程が行われ、現像工程において転写残トナーが回収されるものであることも好ましい。図10はこのような帯電量制御工程を有する画像形成方法が好ましく用いられる画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。以下、図10を用いて帯電制御工程をさらに有する本発明の画像形成方法に関して説明する。
【0286】
この実施形態の画像形成装置は、感光体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラー2と、感光ドラム1に静電潜像を形成する情報書き込み手段としてのレーザー系3と、レーザー系3により感光ドラム1表面に形成された静電潜像をトナーにより可視化して、トナー像を形成する現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を転写材Pに転写する転写手段としての転写ローラ5と、転写材Pに転写されたトナー像を転写材上に定着させる定着手段6と、転写ローラ5によってトナー像の転写材Pへの転写が行われた後に感光ドラム1表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御部材7と、を有する。
【0287】
図10に示すように、帯電ローラー2には電源S1から所定の帯電バイアスが印加され、感光ドラムが帯電される。この時の帯電バイアスは直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧が良い。その後、レーザー系3により公知の方法で像露光が行われ、静電潜像が形成される。
【0288】
感光ドラム1上に形成された静電潜像は現像装置4によって現像され、トナー像となる。現像装置4において、現像スリーブ4bは、静電潜像が形成された感光ドラム1の表面に近接させて対向配設されている。この感光ドラム1と現像スリーブ4bとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動されることが好ましい。現像スリーブ4bはマグネットローラ4cを内包しており、このマグネットローラ4cの磁力により、現像スリーブ4bの外周面に、現像容器4a内に収容された二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持される。現像スリーブ4bに吸着保持された二成分現像剤4eは、該スリーブ4bの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
【0289】
現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施形態において、現像スリーブ4bに印加される現像バイアスは直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。これにより、感光ドラム1の潜像が現像剤4e中のトナーにより現像され、トナー像が形成される。形成されたトナー像は、転写ローラー5によって転写部dにて転写材P(あるいは中間転写体等)に転写される。感光ドラム1表面に残留したトナー(転写残トナー)は、以下の帯電量制御工程を経る。
【0290】
感光ドラム1に接触配置された帯電量制御部材7には、電源S4から所定の電圧が印加される。帯電量制御部材7と感光ドラム1との接触部であるブラシ接触部eに、感光ドラム1上の転写残トナーが接触することで正規極性に調整される。負帯電トナーの場合、負の電圧が感光ドラムに印加され、正帯電トナーの場合、正の電圧が感光ドラムに印加される。このような工程を経ることで、クリーナーレスシステムの場合、現像時に転写残トナーが良好に回収されるものとなる。また、図10には明示していないが、本発明において、転写工程と帯電量制御工程の間に、感光ドラムの残存電荷を除去し、ドラムゴーストを改善する目的で、帯電量制御工程で用いられる帯電量制御部材7と同様の部材を用い、帯電工程で印加される反対極性の電位差を感光ドラムに与える工程をさらに有することも有効な手段である。
【0291】
図3は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。
【0292】
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0293】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0294】
第1の画像形成ユニットPaは、静電潜像担持体である感光体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電潜像を形成するためのレーザー光であり、図示されていない露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段としての現像装置でありカラートナーを保持している。64aは感光体ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
【0295】
第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電した後、露光装置67aにより感光体に静電荷像を形成し、現像装置63aで静電潜像をカラートナーを用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光体ドラム61aと転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
【0296】
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給用トナー65aが補給される。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
【0297】
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、トナー各色毎に設けられた感光体上に画像を形成し、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトなどの搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0298】
定着器70は、一対の直径40mmの定着ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
【0299】
転写材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
【0300】
図3において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。79は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラであり、82はベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
【0301】
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ローラ等の転写材担持体の裏面側に当接して、転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
【0302】
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
【0303】
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
【0304】
次に、図4を参照しながら本発明の他の画像形成方法の一例を説明する。
【0305】
図4は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の例を示す概略構成図である。
【0306】
この画像形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フルカラー複写機は、図4に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリンタ部36を有する。
【0307】
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0308】
画像プリンタ部において、静電潜像担持体である感光体としての感光ドラム1は、例えば有機光導電体のような感光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の周りには、前露光ランプ11、一次帯電部材としてのコロナ帯電器2、潜像形成手段としてのレーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4Y、4C、4M、4K、ドラム上光量検知手段13、転写装置5Aおよびクリーニング器6が配置されている。
【0309】
レーザ露光光学系3において、リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0310】
プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に潜像を形成する。
【0311】
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体とした負帯電性トナーによる可視像、すなわちトナー像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Kは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
【0312】
転写装置5Aは、転写ドラム5、転写帯電器5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5は、回転駆動可能に軸支され、その周囲の開口域に記録材(転写材)を担持する記録材担持体である転写シート5fが、円筒状に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムなどが使用される。
【0313】
記録材は、記録材カセット7a、7bまたは7cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送され、その転写シート5f上に担持される。転写ドラム5上に担持された記録材は、転写ドラム5の回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、記録材上に感光ドラム1上のトナー像が転写される。
【0314】
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)について繰り返し、転写ドラム5上の記録材上に4色のトナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
【0315】
片面の画像形成の場合は、このようにして4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5から分離して加熱定着装置9に送られる。この加熱定着装置9は、内部に加熱手段を有する加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bによって構成されている。加熱部材としてのこの加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bの圧接部を記録材が通過することにより記録材上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着される。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像とされたのちトレイ10に排紙され、1枚のフルカラー複写が終了する。他方、感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング器6で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供せられる。
【0316】
本発明の画像形成方法においては、潜像担持体に形成された静電潜像を現像したトナー像を中間転写体を介して記録材に転写することも可能である。
【0317】
すなわち、この画像形成方法は、静電荷像担持体に形成された静電潜像を現像することによって形成したトナー像を中間転写体に転写する工程及び中間転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を有するものである。
【0318】
図5を参照しながら、中間転写体を用いた画像形成方法の一例を具体的に説明する。
【0319】
図5に示す装置システムにおいて、シアン現像器54−1、マゼンタ現像器54−2、イエロー現像器54−3、ブラック現像器54−4に、それぞれシアントナーを有するシアン現像剤、マゼンタトナーを有するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有するイエロー現像剤及びブラックトナーを有するブラック現像剤が導入されている。レーザー光等の潜像形成手段53によって潜像保持体としての感光体51上に静電潜像が形成される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式等の現像方式によって、感光体51に形成された静電潜像をこれらの現像剤によって現像し、各色トナー像が感光体51に形成される。感光体51は導電性基体51b及び導電性基体51b上に形成されたアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコン等の光導電絶縁物質層51aを持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体51は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転する。感光体51としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0320】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層とを成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0321】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0322】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体51とは非接触タイプの方式と、ローラ等の接触帯電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示すような接触方式のものが好ましく用いられる。
【0323】
一次帯電部材としての帯電ローラ52は、中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とするものである。帯電ローラ52は、感光体51面に押圧力をもって圧接され、感光体51の回転に伴い従動回転する。
【0324】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0325】
この他の接触帯電部材としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0326】
接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂が適用可能である。
【0327】
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に転写される。中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55aからなる。芯金55bは、プラスチックの表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも良い。
【0328】
中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴム、フッ素樹脂ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等の導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を10〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0329】
中間転写体55は、感光体51に対して並行に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設してあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0330】
感光体51の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体51と中間転写体55とが接する転写ニップ部を通過する過程で、中間転写体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0331】
中間転写体55に転写されなかった感光体51上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部材58によってクリーニングされ感光体用クリーニング容器59に回収される。
【0332】
転写手段57は中間転写体55に対して並行に軸受けされ、且つ中間転写体55の下面部に接触させて配設されている。この転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体55と転写手段57との間に接触するように配置されても良い。
【0333】
転写ローラの場合、中心の芯金57bとその外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とするものである。
【0334】
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0335】
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0336】
転写手段57は中間転写体55と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写される。
【0337】
転写材56に転写されなかった中間転写体上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材60によってクリーニングされ中間転写体用クリーニング容器62に回収される。転写材56に転写されたトナー像は、加熱定着装置61により転写材56に定着される。
【0338】
転写ローラーの材質しては、帯電ローラーと同様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条件としては、ローラーの当接圧が2.94〜490N/m(3〜500g/cm)、より好ましくは19.6〜294N/mであり、直流電圧=±0.2〜±10kVである。
【0339】
当接圧力としての線圧が2.94N/m未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0340】
例えば転写ローラー57の導電性弾性層57bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元重合体)の如き弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を10〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0341】
接触一成分現像方法としては、非磁性トナーを用いて、例えば図6に示すような現像装置90を用い現像することが可能である。
【0342】
現像装置90は、磁性又は非磁性のトナーを有する一成分現像剤98(以下、単に「現像剤」と表記することがある)を収容する現像容器91、現像容器91に収納されている一成分現像剤98を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体92、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ローラー95、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード96、現像容器91内の現像剤98を撹拌するための撹拌部材97を有している。
【0343】
現像剤担持体92としては、ローラー基体93上に、発泡シリコーンゴム等の弾性を有するゴム又は樹脂等の弾性部材によって形成された弾性層94を有する弾性ローラーを用いることが好ましい。
【0344】
この弾性ローラー(92)は、潜像保持体である感光体としての感光体ドラム99の表面に圧接して、弾性ローラー表面に塗布されている一成分系現像剤98により感光体に形成されている静電潜像を現像すると共に、転写後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤98を回収する。
【0345】
本発明において、現像剤担持体92は実質的に感光体ドラム99の表面と接触している。これは、現像剤担持体から一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得られると同時にクリーニングが行われる。現像剤担持体としての弾性ローラー表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ローラー表面との間で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
【0346】
この一成分系現像剤を担持する弾性ローラーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大きいことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比は100%以上が良い。
【0347】
現像剤層厚規制部材96は、現像剤担持体92の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いることも可能である。
【0348】
弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼等の金属弾性体が使用できる。さらに、それらの複合体であっても使用できる。
【0349】
弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわみ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧をもって当接させる。
【0350】
供給ローラー95はポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
【0351】
現像領域において、現像剤担持体上の一成分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際には、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又は交流の現像バイアスを印加して現像することが好ましい。
【0352】
次に非接触ジャンピング現像方式について説明する。
【0353】
非接触ジャンピング現像方式としては、非磁性トナーを有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方法が挙げられる。ここでは、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤を用いる現像方法を図7に示す概略構成図に基づいて説明する。
【0354】
現像装置170は、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤176(以下、単に「現像剤」と表記することがある)を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体172上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体172上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
【0355】
169は静電潜像保持体としての感光体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
【0356】
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良い。
【0357】
一成分系非磁性現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームのような発泡材より成っており、現像剤担持体172に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一成分系非磁性現像剤176は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
【0358】
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
【0359】
現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
【0360】
本発明において、現像剤層厚規制部材の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。導電性ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中・樹脂中に分散することも、現像剤層厚規制部材により適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
【0361】
この非磁性一成分現像方法において、弾性ブレード174により現像スリーブ172上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ172上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さくし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。即ち、図7に示すバイアス電源177により、現像スリーブ172と感光体169との間に交番電場又は交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ172上から感光体169への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0362】
次に定着工程を説明する。図8は本発明で好ましく用いられる定着装置の一例を示す模式的断面図であり、図9は図8の定着ローラーおよび加圧ローラーを示す斜視図である。
【0363】
定着装置は、定着体としての円筒状の定着ローラー95と、この定着ローラー95に押圧された加圧体としての加圧ローラー96と、定着ローラー95の表面温度を検知するための非接触型の温度検知手段としての非接触温度検知センサー91とを有する。定着ローラー95は、厚さ2mmの中空のアルミニウムの芯金と、この芯金上に設けられた中間層としてのシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の上に被覆された厚さ20μm程度のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂からなる表層を有している。また、定着ローラー95は、芯金内部に該定着ローラーを加熱するための発熱体としてのハロゲンヒーター97をさらに有している。一方、加圧ローラー96は、ステンレスの芯金と、この芯金上に設けられたシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の上に被覆された厚さ50μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)チューブとを有している。非接触温度検知センサー91は、定着ローラー95に対向して配置されており、定着ローラー95から発せされる赤外線量を検知する赤外線吸収フィルムを具備している。
【0364】
定着ローラー95に加圧ローラー96が押圧されることにより形成されるニップ部に、転写工程においてトナー像が転写された転写材92が搬送体98によって通過されることにより、トナー99が転写材92に定着される。このとき、定着ローラー95において、転写材の通過する画像通紙域93(図中定着ローラー95の濃色部分)の温度が非接触温度検知センサーによって検出され、検出された温度に対応する電気信号が制御装置100に入力される。この制御装置への入力信号に応じてハロゲンヒーター97への電流のON−OFFが制御され、定着ローラー95の温度が一定温度(本実施形態においては190℃)に制御される。
【0365】
また、本発明のプロセス条件としては、通常の転写紙(105g/m以下)を通紙する場合の定着速度が、白黒機の場合は100〜700mm/s、フルカラー機の場合は100〜400mm/sであることが好ましい。
【0366】
さらに、定着ニップの幅は3〜20mmであることが好ましく、5〜15mmであることがより好ましい。
【0367】
【実施例】
以下、トナーの具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明する。「部」は「質量部」を意味する。
【0368】
〈トナーの製造例1〉
スチレン単量体100部に対して、グラフトカーボンブラック[平均一次粒子径38nm]を20部、アゾ系鉄化合物を1.0部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物2.0部を用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
【0369】
一方、イオン交換水355部に、0.1M−NaPO水溶液225部を投入し、60℃に加温した後、クレアミキサー(エムテクニック社製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0MCaCl水溶液34部を徐々に添加し、リン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
【0370】
次に、
・マスターバッチ分散液1              53部
・スチレン単量体                  12部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体       35部
・エステルワックス                 17部
(総炭素数:32、半値幅:4℃、DSC吸熱ピーク:70℃、Mw:800、針入度:6度、熱天秤測定における重量減少開始温度:253℃)
・飽和ポリエステル樹脂                7部
(Mw:12000、Mw/Mn:2.0、Tg:70℃、酸価:11.0、水酸基価:23.0)
・ジビニルベンゼン              0.225部
を60℃に加温し、撹拌して均一に溶解、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0371】
そして、前記水系媒体中をpH6に維持し、上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下において、クレアミキサー(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応容器に移し、水系媒体中をpH6に維持し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃に昇温し、5時間反応させた。さらに、水溶性開始剤として過リン酸カリウム1部を添加して80℃に昇温し5時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム化合物を溶解させた後、ろ過、水洗、真空下で乾燥をし、多段分割式分級機にて分級して黒色トナー粒子を得た。
【0372】
得られた黒色トナー粒子100部に対して、BET法による比表面積が130m/gであるシリコーンオイル処理した疎水性シリカ1.2部をヘンシェルミキサーで外添した後、#400メッシュを具備したターボスクリーナーで粗粒を除去し、黒色非磁性のトナーNo.1を得た。このトナーの弾性率を測定したところ、G’(110℃)が2.00×10(dN/m)であり、G’(160℃)が6.00×10(dN/m)であった。その他の物性として、重量平均粒径が6.9μm、Mnが24000、Mwが312000であった。
【0373】
〈トナーの製造例2〉
トナーの製造例1において、エステルワックスの添加量を1部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色のトナーNo.2を得た。
【0374】
〈トナーの製造例3〉
トナーの製造例1において、エステルワックスの添加量を40部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色のトナーNo.3を得た。
【0375】
〈トナーの製造例4〉
トナーの製造例1において、水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び反応時間をそれぞれ65℃/2時間とし、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))の添加部数を9部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.03部とすること以外は同様にして黒色のトナーNo.4を得た。得られたトナーNo.4のG’(110℃)は2.0×10(dN/m)、G’(160℃)は6.3×10(dN/m)、Mnは4000、Mwは60000であった。
【0376】
〈トナーの製造例5〉
トナーの製造例1において、水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び反応時間をそれぞれ58℃/7時間とし、重合開始剤の添加部数を2部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.5部とした以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて黒色のトナーNo.5を得た。得られたトナーNo.5のG’(110℃)は3.2×10(dN/m)、G’(160℃)は4.3×10(dN/m)、Mnは80000、Mwは1150000であった。
【0377】
〈トナーの製造例6〉
トナーの製造例1において、エステルワックスの添加量を3部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色のトナーNo.6を得た。
【0378】
〈トナーの製造例7〉
トナーの製造例1において、エステルワックスの添加量を22部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色のトナーNo.7を得た。
【0379】
〈トナーの製造例8〉
トナーの製造例1において、水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び反応時間をそれぞれ63℃/4時間とし、重合開始剤の添加部数を7部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.10部とした以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色のトナーNo.8を得た。得られたトナーNo.8のG’(110℃)は3.5×10(dN/m)、G’(160℃)は8.00×10(dN/m)、Mnは13000、Mwは98000であった。
【0380】
〈トナーの製造例9〉
トナーの製造例1において、水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び反応時間をそれぞれ59℃/6時間とし、重合開始剤の添加部数を2.5部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.4部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色のトナーNo.9を得た。得られたトナーNo.9のG’(110℃)は6.2×10(dN/m)、G’(160℃)は2.3×10(dN/m)、Mnは39000、Mwは580000であった。
【0381】
〈トナーの製造例10〉
トナーの製造例1において、エステルワックスを重量減少開始温度が140℃、DSC吸熱ピーク温度が55℃、重量平均分子量が360、針入度が13度のものに変更した以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.10を得た。
【0382】
〈トナーの製造例11〉
トナーの製造例1において、エステルワックスを重量減少開始温度が90℃、DSC吸熱ピーク温度が48℃、重量平均分子量が270、針入度が16度のものに変更した以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.11を得た。
【0383】
〈トナーの製造例12〉
トナーの製造例1において、エステルワックスを重量減少開始温度が260℃、DSC吸熱ピーク温度が80℃、重量平均分子量が1300、針入度が4度のものに変更した以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.12を得た。
【0384】
〈トナーの製造例13〉
トナーの製造例1において、エステルワックスを重量減少開始温度が270℃、DSC吸熱ピーク温度が90℃、重量平均分子量が1600、針入度が3度のものに変更した以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.13を得た。
【0385】
〈トナーの製造例14〉
トナーの製造例1において、エステルワックスを半値幅が9℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.14を得た。
【0386】
〈トナーの製造例15〉
トナーの製造例1において、エステルワックスを半値幅が16℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.15を得た。
【0387】
〈トナーの製造例16〉
トナーの製造例1において、エステルワックスの代わりに半値幅が11℃、DSC吸熱ピーク温度が123℃のポリプロピレンワックスを用いた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.16を得た。
【0388】
〈トナーの製造例17〉
トナーの製造例1において、エステルワックスの代わりに半値幅が12℃、DSC吸熱ピーク温度が154℃のポリプロピレンワックスを用いた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性のトナーNo.17を得た。
【0389】
〈トナーの製造例18〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックの代わりにピグメントイエロー93を8部添加し、ジビニルベンゼンの量を0.13部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、イエローのトナーNo.18を得た。
【0390】
〈トナーの製造例19〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックの代わりにキナクリドンを8部添加し、ジビニルベンゼンの量を0.13部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、マゼンタのトナーNo.19を得た。
【0391】
〈トナーの製造例20〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックの代わりに銅フタロシアニンを6部添加し、ジビニルベンゼンの量を0.10部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、シアンのトナーNo.20を得た。
【0392】
Figure 2004126233
これらを4つ口フラスコに仕込み、還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、フラスコ内に窒素を導入しながら縮合重合して、酸価:10.5mgKOH/g、Tg:56℃、Mn:4000、Mw:10500のポリエステル樹脂(A)を得た。
【0393】
上記ポリエステル樹脂(A)100部にグラフトカーボンブラック[平均一次粒子径32nm]を6部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物を5部、エステルワックス(総炭素数:36)2部を、75Eヘンシェルミキサーにより1800RPMで8分間の予備混合を行い、二軸押出し混練機を120℃に設定し溶融混練を行った。冷却後ハンマーミルを用いて、約1〜2mm程度に粗粉際した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で40μm以下の粒径に微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を分級して黒色トナー粒子を得た。
【0394】
得られた黒色トナー粒子100部に対して、BET法による比表面積が130m/gである疎水性シリカ1.2部をヘンシェルミキサーにて外添した後、#400メッシュを具備したターボスクリーナーで粗粒を除去し、質量平均粒径6.9μmの黒色トナーNo.21を得た。
得られた各トナーNo.1〜No.21の処方および物性を表1に示す。
【0395】
【表1】
Figure 2004126233
【0396】
次に、用いたキャリアの製造例を示す。
【0397】
Figure 2004126233
上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら60分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応、硬化させた。その後30℃まで冷却し500質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれを減圧下(5mmHg)150〜180℃で24時間乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得た。磁性キャリアコア(A)には、30℃/相対湿度80%で24時間放置後0.4wt%の吸着水が存在していた。
【0398】
得られた磁性キャリアコア(A)の表面には下記式で表されるγ−アミノプロピルトリメトキシシランの5質量%トルエン溶液を塗布した。
【0399】
【化4】
Figure 2004126233
磁性キャリアコア(A)の表面は、0.3質量%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されていた。塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断応力を連続して印加しながら、塗布しつつトルエンを揮発させた。磁性キャリアコア(A)の表面に
【0400】
【化5】
Figure 2004126233
が存在しているのが確認された。
【0401】
上記処理機内のシランカップリング剤で処理された磁性キャリア(A)を70℃で撹拌しながら、シリコーン樹脂 KR−221(信越化学工業(株)製)に、シリコーン樹脂固型分に対して4%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、シリコーン樹脂固型分として25%になるようトルエンで希釈した後、減圧下で添加して、樹脂被覆を行った。以後、2時間撹拌した後、窒素ガスによる雰囲気下で140℃2時間熱処理を行い、凝集をほぐした後、200メッシュ以上の粗粒を除去し、磁性キャリア1を得た。
【0402】
得られた磁性キャリア1の平均粒子径は35μmであり、比抵抗は1×1013Ω・cm、1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は40Am/kg、みかけ密度は1.9g/cm、SF−1が110であった。
【0403】
〈磁性キャリアの製造例2〉
磁性キャリアの製造例1において、Mg−Mn−Sn−Fe組成の芯材を磁性キャリアコアとして使用した以外は上記製造例1と同様にしてシリコーン樹脂コートを行い、平均粒子径が44μmであり、比抵抗が1×1010Ω・cm、σ1000が58Am/kg、見かけ密度2.4g/cm、SF−1が147の磁性キャリア2を得た。
【0404】
〈磁性キャリアの製造例3〉
磁性キャリアの製造例1において、磁性キャリアコア製造時のマグネタイトとヘマタイトの比率を40/60に変更した以外上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア3を得た。このキャリアの1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)28Am/kgであった。
【0405】
〈磁性キャリアの製造例4〉
磁性キャリアの製造例1において、磁性キャリアコア製造時のマグネタイトとヘマタイトの比率を95/5に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア4を得た。このキャリアの1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)68Am/kgであった。
【0406】
〈磁性キャリアの製造例5〉
磁性キャリアの製造例1において、磁性キャリアコア製造時に使用したマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子2(個数平均粒径0.11μm、比抵抗3×10Ω・cm)とα−Fe微粒子2(個数平均粒径0.30μm、比抵抗6×10Ω・cm)に変更した以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて磁性キャリア5を得た。このキャリアの見かけ密度は2.7であった。
【0407】
〈磁性キャリアの製造例6〉
磁性キャリアの製造例1において、磁性キャリアコア粒子の造粒時の攪拌速度を5倍に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて磁性キャリア6を得た。このキャリアの平均粒径は23μmであった。
【0408】
〈磁性キャリアの製造例7〉
磁性キャリアの製造例1において、磁性キャリアコア粒子造粒時の攪拌速度を0.4倍に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて磁性キャリア7を得た。このキャリアの平均粒径は58μmであった。
【0409】
〈磁性キャリアの製造例8〉
磁性キャリアの製造例1において、磁性キャリアコア製造時に使用したヘマタイトをα−Fe微粒子3(個数平均粒径0.50μm、比抵抗6×10Ω・cm)に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて磁性キャリア8を得た。このキャリアのSF−1は137であった。
【0410】
〈磁性キャリアの製造例9〉
磁性キャリアの製造例2において、磁性キャリアコア製造時に使用したマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子3(個数平均粒径0.11μm、比抵抗2×10Ω・cm)とα−Fe微粒子4(個数平均粒径0.30μm、比抵抗5×10Ω・cm)に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて磁性キャリア9を得た。このキャリアの電気抵抗値は1×10Ω・cmであった。
【0411】
〈磁性キャリアの製造例10〉
磁性キャリアの製造例2において、磁性キャリアコア製造時に使用したマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子4(個数平均粒径0.13μm、比抵抗2×10Ω・cm)とα−Fe微粒子5(個数平均粒径0.30μm、比抵抗5×1010Ω・cm)に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて磁性キャリア10を得た。このキャリアの電気抵抗値は3×1016Ω・cmであった。
得られた各磁性キャリア1〜10の組成および物性を表2に示す。
【0412】
【表2】
Figure 2004126233
【0413】
〈実施例1〉
画像形成装置として、市販のCP660(キヤノン社製)の定着スピードを150mm/sとし、35枚/分を出力し得る複写装置に改造した。さらに帯電部材をコロナ帯電とし、定着分離爪、ウエッブを排除した。このときの、帯電部材に印加する帯電バイアスは−1100Vの直流電圧とした。また、定着ローラー温度検知センサーを非接触の感熱素子(サーミスタ)に変更し、この定着ローラー温度検知センサーーを、定着ローラーの長手方向における長さLの中心位置近傍に、雰囲気温度を定着ローラーの温度として検出しうる距離だけ離間させて配置した。現像装置は、全色非磁性1成分用現像器に変更した。
【0414】
トナーNo.1からなる現像剤1を用いて、X−Rite社製504型反射濃度計で測定される画像濃度が1.5である直径20mmの円を5箇所設けた印字率10%画像パターンを、23℃/相対湿度5%(N/L)、32.5℃/相対湿度90%(H/H)の各環境でそれぞれ10000枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて評価した。ここで、評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。表5から分かるように全ての評価項目において概ね良好な結果が得られた。
【0415】
(1)定着ローラー温度検知センサー汚れ
H/H環境で1万枚画だしした際の温度検知センサーを目視及びSEM(走査型電子顕微鏡、FE−SEM S800)で総合的に観察し以下の評価基準に従って8段階評価した。
【0416】
A:検知部汚染が目視及びSEM確認で全く認められない
B:検知部汚染がSEMで微量確認できるが、目視では確認できないレベル
C:検知部汚染がSEMで若干量確認できるが、目視では確認できないレベル
D:検知部汚染が目視でも微量確認できるレベル
E:検知部汚染が目視でも若干量確認できるレベル
F:検知部汚染が目視でも多量に確認できるレベル
G:検知部汚染が目視でも大量に確認できるレベルであり、実使用に耐えない
H:温度検知部分全面に汚染していることが目視確認でき、初期的にも実使用に耐え得ない
【0417】
(2)排紙積載性
HHにて、Xx64g紙を用い、先端2mmの部分から0.65mg/cmののり量のベタ画像を長手方向全域に印字した。これを500枚連続で排紙させた時の積載性を以下の評価基準に従って確認した。
【0418】
A:ほぼフラットに排紙され、全く問題ないレベル
B:排紙された転写紙の先端が若干巻きついた(カール)状態ではあるが、積載性はほぼ問題ないレベル
C:排紙された転写紙の先端が若干巻きついた(カール)状態であり、不均一な積載性であり、若干難を有するレベル
D:排紙された転写紙の先端の巻きつき(カール)状態がひどく、排紙トレイに転写紙が積載できないほどのものであり、実使用上問題となるレベル
E:排紙された転写紙ロール状態で排紙され実使用上耐えないレベル
【0419】
(3)高温オフセット性
NN(23.5℃、60%RH)環境下にてXx64g紙を用いて、評価を行った。ベタ白画像をA4縦置きで50枚通紙した後、A4横置きで先端から5cmの全域が画像濃度0.5のハーフトーン、それ以外がベタ白という画像を両面複写した。この際の白地部に現れるオフセットのレベルを目視確認した。
【0420】
A:オフセットが全く発生しない
B:A4縦置きで通紙した部分以外の端部に、うっすらとオフセットが発生したが、使用上問題となるレベルではない
C:A4縦置きで通紙した部分以外の端部に、若干オフセットが発生した、実使用上ぎりぎりのレベルであるが、通常の複写においては問題とならない
D:長手方向全域に、オフセットが発生し、実使用上問題となるレベル
E:長手方向全域に1面目からオフセットが発生し、実使用に耐えない
【0421】
(4)グロス測定
転写紙上に0.7mg/cmのべた画像を載せ定着させた後、GLOSS SENSER PG−3D(NIPPON DENSHOKU IND. CO., LTD)を用い、75°の角度で測定した。なおグロス値は、べた出力画像を縦・横で3分割ずつ(計9分割)し、そのブロックの中心を測定した平均値とした。また、面内グロス一様性は、その9点測定のMAX値とMIN値の差分とした。
【0422】
(5)定着ローラー巻きつき温度
HH環境下での耐久試験における初期に定着巻きつき確認を行った。EN100(64g紙)完全調湿紙に、転写紙先端から1mmの位置から、像のり量0.75mg/cmのべた画像を載せ、定着させた。この時、定着温度を5℃ずつ低下させて定着させたとき、転写紙が定着ローラーに巻きつく温度を定着ローラー巻きつき温度とした。
【0423】
(6)かぶり
NL及びHH環境下での1万枚耐久試験において、かぶりを測定した。方法としては、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を、測定色の補色のフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER ODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式
【0424】
【数10】
Fog(%) = Dr(%)−Ds(%)
から算出する。
【0425】
(7)ドラム融着
HH環境下での1万枚耐久試験において、ドラム上への融着物の発生の有無を下記評価基準に従って目視及びルーペで6段階評価した。
【0426】
○ :全く融着物が存在しない
○△:ドラム上に0.1mm径以下の融着物が数点存在するが、画像上全く問題ない
△ :ドラム上に0.1〜0.4mm径の融着物が数点存在し、画像上うっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない
△×:ドラム上に0.4mm径より大きい融着物が10点以上存在し、画像上にも発生し、問題となるレベル
× :ドラム上に0.4〜1mm径の融着物が10〜20点存在し、画像上にも発生し、問題となるレベル
××:ドラム上に1mm径より大きい融着物が全面に存在し、画像上も多数発生し、問題となるレベルであり実使用に耐えない。
【0427】
〈実施例2〉
実施例1において、定着ローラー温度検知センサーとして、赤外線吸収フィルムおよび実施例1で用いた感熱素子とを併用した以外は上記実施例1と同様に通紙試験を行い、評価を行った。評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。
【0428】
〈実施例3〉
実施例2において、図1に示す磁気ブラシを用いてフェライト粒子による注入帯電を行った以外は上記実施例2と同様に通紙試験を行い、評価を行った。このとき、帯電部材の搬送スリーブ22に印加される帯電バイアスを−1100Vの直流電圧とした。評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。
【0429】
〈実施例4〉
実施例3において、帯電部材の搬送スリーブ22に印加される帯電バイアスとして−1100Vの直流電圧に、ピーク間電圧Vppが1400Vの交流電圧を重畳し、振動電界を形成した以外は上記実施例3と同様に通紙試験を行い、評価を行った。評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。
【0430】
〈実施例5〉
実施例2において、図10に示す帯電ローラーを用いて帯電を行った以外は上記実施例1と同様に通紙試験を行い、評価を行った。このとき、帯電ローラー2に印加される帯電バイアスを−1100Vの直流電圧とした。評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。
【0431】
〈実施例6〉
実施例5において、帯電ローラー2に印加される帯電バイアスとして−1100Vの直流電圧に、ピーク間電圧Vppが1400Vの交流電圧を重畳し、振動電界を形成した以外は上記実施例5と同様に通紙試験を行い、評価を行った。評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。
【0432】
〈実施例7〉
実施例6において、クリーニング部材を除去し、現像すると同時に転写残トナーを現像部に回収する方式を用いた以外は上記実施例6と同様の方法を用いて通紙試験を行い、評価を行った。評価条件を表4に、評価結果を表5に示す。
【0433】
〈実施例8〜33〉
表3に示すようにトナーのみからなる、またはトナーとキャリアとを組み合わせて現像剤2〜30を作製した。現像剤を表4に示すように変更して、実施例6と同様の方法を用いて評価を行った。
【0434】
なお、二成分現像剤を使用する場合は、下記の様に調整した現像剤と改造装置を用いた。まず、磁性キャリア92質量部とトナー8質量部をV型混合機で混合し、二成分現像剤とした。各実施例で用いた現像剤の組成を表3に示す。
【0435】
【表3】
Figure 2004126233
【0436】
この二成分現像剤を用いて、画像形成装置として、市販のデジタル複写機CP2150(キヤノン社製)の定着スピードを150mm/sとし、35枚/分を出力し得る複写装置に改造した。また、図1に示す現像装置及び帯電装置が入れられるよう上記複写装置を改造し、図2の現像バイアスを使用したものを用い、定着装置を加熱ローラー、加圧ローラーともに表層をPFAで1.2μm被覆したローラーに変更し、オイル塗布機構等の加圧ローラー以外の全ての接触部材を除去し、定着ローラー温度検知センサーを非接触に変更した。
【0437】
評価に際し、4色の現像剤を用いてフルカラー画像を形成した場合は、定着ローラー温度検知センサー汚れおよびドラム融着の評価結果は全色の現像剤における総合評価によるものであり、それ以外は、ブラックトナーにおける評価値を記載した。また、表中に記載した、定着温調センサー位置が画像通紙域とは、定着ローラー温度検知センサーを定着ローラー長手方向長さLの中心位置近傍に非接触で設置したことを示し、非画像通紙域とは定着ローラーの非駆動部側端部から20mmの位置に設置したことを示す。
各実施例における評価条件を表4に、評価結果を表5に、それぞれ示す。
【0438】
〈比較例1〜7〉
表1の現像剤1及び比較現像剤1〜4を用い、表2の画像形成方法に従い、実施例1と同様の実験方法及び評価を行った。表4において、定着ローラー温度検知センサーの位置が「接触」とは、該センサを定着ローラーに接触させて設置したことを示す。評価条件を表3に、評価結果を表4に、それぞれ示す。
【0439】
【表4】
Figure 2004126233
【0440】
【表5】
Figure 2004126233
【0441】
【発明の効果】
本発明によれば、定着ローラーに傷を生じさせない非接触型の定着温度検知手段を用いて長期にわたって画像形成を行った場合でも、トナー飛散による定着温度検知誤差の発生を防止して、画像のグロスを一様に安定して得られる画像形成方法を提供することができる。また、非接触型の定着温度検知手段を用いた画像形成方法において、オイルレス定着を可能とし、感光体へのトナー融着を防止し、良好な転写性および現像安定性を増し、高耐久であり高画質の画像形成の維持を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の一例を表す部分的模式図
【図2】実施例1で用いた交番電界を示す図
【図3】本発明の画像形成方法が好適に用いられるフルカラー画像形成装置の例を示す概略図
【図4】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略説明図
【図5】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略説明図
【図6】本発明の画像形成方法を接触一成分現像方法に適用した画像形成装置の例を示す概略説明図
【図7】本発明の画像形成方法を非接触一成分現像方法に適用した画像形成装置の他の例を示す概略説明図
【図8】本発明の画像形成方法が好適に用いられる定着装置の例を示す概略説明図
【図9】本発明の画像形成方法が好適に用いられる定着装置の例を示す概略説明図
【図10】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略説明図
【符号の説明】
1、61a 感光体(感光ドラム)
2、62a 帯電手段
2a ステンレス製導電性支持体
2e 帯電ローラー圧接部材(バネ)
3 露光装置
4、63a 現像装置
4a 現像容器
4b、11 現像剤担持体(現像スリーブ)
4c、12 マグネットローラ
4f、13、14 現像剤搬送スクリュー
4d、15 規制ブレード
5 転写ローラー
6 定着装置
7 帯電量制御手段
8 非接触サーミスタ
17 隔壁
18、65a 補給用トナー
19 現像剤
19a トナー
19b キャリア
20 補給口
21 マグネットローラ
22 搬送スリーブ
23 磁性ブラシ
L、24、67a レーザー光
P、25 転写材(記録材)
26s バイアス印加手段
27、64a 転写ブレード
28 トナー濃度検知センサー
68 転写材担持体
69 分離帯電器
70 定着器
71、95 定着ローラ
72、96 加圧ローラ
73 ウェッブ
75、76 加熱手段
79 転写ベルトクリーニング装置
80 駆動ローラ
81 ベルト従動ローラ
82 ベルト除電器
83 レジストローラ
85 トナー濃度検知センサー
91 非接触温度検知センサー
92、S 転写材
93 画像通紙域
94 画像非通紙域
98 搬送体
97 ハロゲンヒーター
99 転写材上の未定着トナー
100 制御装置
a 帯電部
b 露光部
c 現像部
d 転写部
e 帯電量制御部
S1、S2、S3、S4 電圧印加装置

Claims (60)

  1. 感光体表面を帯電させる帯電工程と、
    前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、前記静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、
    定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、
    前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
    前記トナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が3.00×10〜8.00×10(dN/m)であり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が7.00×10〜3.00×10であり、
    前記離型剤がトナー100質量部中に2〜25質量部含有されることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有し、この帯電量制御工程を経た後に前記帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記転写工程において、接触帯電により感光体上のトナー像が前記転写材に転写されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーの110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が5.00×10〜5.00×10dN/mであり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が1.00×10〜1.00×10dN/mであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記離型剤がトナー中に4〜20質量部含有されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記トナーの数平均分子量が5000〜5万であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 前記トナーの数平均分子量が1.5万〜2.5万であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  11. 前記トナーの重量平均分子量が7万〜100万であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 前記トナーの重量平均分子量が10万〜45万であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が100℃以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. 前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が150℃以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  15. 前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  16. 前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  17. 前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  18. 前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  19. 前記離型剤の重量平均分子量が300〜1,500であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 前記離型剤の重量平均分子量が400〜1,250であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  21. 前記離型剤の針入度が15度以下であることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  22. 前記離型剤の針入度が8度以下であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  23. 前記現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  24. 前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60Am/kgであることを特徴とする請求項23記載の画像形成方法。
  25. 前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする請求項24または25記載の画像形成方法。
  26. 前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする請求項23〜25のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  27. 前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする請求項23〜26のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  28. 前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする請求項23〜27のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  29. 前記キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする請求項23〜28のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  30. 前記トナーは、少なくともイエロー系着色剤を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤を含有するシアントナーと、少なくとも黒色系着色剤を含有するブラックトナーとを含み、フルカラー画像を形成することを特徴とする請求項1〜29のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  31. 感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーであって、
    (I)感光体表面を帯電させる帯電工程と、(II)前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する静電形成工程と、(III)現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する担持体と、前記静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、(IV)前記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、(V)定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し、前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
    結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が3.00×10〜8.00×10dN/mであり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が7.00×10〜3.00×10dN/mであり、
    該離型剤がトナー100質量部中に2〜25質量部含有されることを特徴とするトナー。
  32. 前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする請求項31記載のトナー。
  33. 前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする請求項31または32記載のトナー。
  34. 前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする請求項31〜33のいずれか一項に記載のトナー。
  35. 前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有し、この帯電量制御工程を経た後に前記帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする請求項31〜34のいずれか一項に記載のトナー。
  36. 前記転写工程において、接触帯電により感光体上のトナー像が前記転写材に転写されることを特徴とする請求項31〜35のいずれか一項に記載のトナー。
  37. 110℃における貯蔵弾性率G’(110℃)が5.00×10〜5.00×10dN/mであり且つ160℃における貯蔵弾性率G’(160℃)が1.00×10〜1.00×10dN/mであることを特徴とする請求項31〜36のいずれか一項に記載のトナー。
  38. 前記離型剤がトナー中に4〜20質量部含有されることを特徴とする請求項31〜37のいずれか一項に記載のトナー。
  39. 数平均分子量が5000〜5万であることを特徴とする請求項31〜38のいずれか一項に記載のトナー。
  40. 数平均分子量が1.5万〜2.5万であることを特徴とする請求項31〜39のいずれか一項に記載のトナー。
  41. 重量平均分子量が7万〜100万であることを特徴とする請求項31〜40のいずれか一項に記載のトナー。
  42. 重量平均分子量が10万〜45万であることを特徴とする請求項31〜41のいずれか一項に記載のトナー。
  43. 前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が100℃以上であることを特徴とする請求項31〜42のいずれか一項に記載のトナー。
  44. 前記離型剤の熱天秤測定における加熱時の重量減少開始温度が150℃以上であることを特徴とする請求項31〜43のいずれか一項に記載のトナー。
  45. 前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする請求項31〜44のいずれか一項に記載のトナー。
  46. 前記離型剤の示差走査熱量測定における吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする請求項31〜45のいずれか一項に記載のトナー。
  47. 前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする請求項31〜46のいずれか一項に記載のトナー。
  48. 前記離型剤の示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線の吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする請求項31〜47のいずれか一項に記載のトナー。
  49. 前記離型剤の重量平均分子量が300〜1,500であることを特徴とする請求項31〜48のいずれか一項に記載のトナー。
  50. 前記離型剤の重量平均分子量が400〜1,250であることを特徴とする請求項31〜49のいずれか一項に記載のトナー。
  51. 前記離型剤の針入度が15度以下であることを特徴とする請求項31〜50のいずれか一項に記載のトナー。
  52. 前記離型剤の針入度が8度以下であることを特徴とする請求項31〜51のいずれか一項に記載のトナー。
  53. フルカラー画像の形成に用いられ、少なくともイエロー系着色剤を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤を含有するシアントナーと、少なくとも黒色系着色剤を含有するブラックトナーとを含むことを特徴とする請求項31〜52のいずれか一項に記載のトナー。
  54. 請求項31〜53のいずれか一項に記載のトナーと、キャリアとからなる二成分現像剤。
  55. 前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60Am/kgであることを特徴とする請求項54記載の二成分現像剤。
  56. 前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする請求項54または55記載の二成分現像剤。
  57. 前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする請求項54〜56のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  58. 前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする請求項54〜57のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  59. 前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする請求項54〜58のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  60. 前記キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする請求項54〜59のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
JP2002290317A 2002-10-02 2002-10-02 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤 Pending JP2004126233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002290317A JP2004126233A (ja) 2002-10-02 2002-10-02 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002290317A JP2004126233A (ja) 2002-10-02 2002-10-02 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004126233A true JP2004126233A (ja) 2004-04-22
JP2004126233A5 JP2004126233A5 (ja) 2005-11-10

Family

ID=32282236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002290317A Pending JP2004126233A (ja) 2002-10-02 2002-10-02 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004126233A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007183382A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Canon Inc トナー
JP2007193099A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ
US7292797B2 (en) 2004-03-02 2007-11-06 Seiko Epson Corporation Toner quantity measuring device, method of measuring toner quantity and image forming apparatus
JP2010078683A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー、二成分現像剤及び画像形成方法
JP2011059595A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016031460A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7292797B2 (en) 2004-03-02 2007-11-06 Seiko Epson Corporation Toner quantity measuring device, method of measuring toner quantity and image forming apparatus
JP2007183382A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Canon Inc トナー
JP2007193099A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ
JP2010078683A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー、二成分現像剤及び画像形成方法
JP2011059595A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016031460A (ja) * 2014-07-29 2016-03-07 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100672882B1 (ko) 토너
KR100564850B1 (ko) 토너
JP3291618B2 (ja) 画像形成用トナー、画像形成方法及び加熱定着方法
JP3893258B2 (ja) トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法
JPH08227171A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3907314B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP4290055B2 (ja) 非磁性トナー
JP4455457B2 (ja) トナー
JPH0943909A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2002091085A (ja) 画像形成方法
JP4603802B2 (ja) カラートナー
JPH11194530A (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4006136B2 (ja) 画像形成方法
JP3563920B2 (ja) 画像形成方法
JP2004126233A (ja) 画像形成方法、トナー及び二成分現像剤
JP3227397B2 (ja) 画像形成方法
JP2004126234A (ja) 画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤
JP4387901B2 (ja) トナーキット及び画像形成方法
JP4072385B2 (ja) 画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤
JP2008083565A (ja) 画像形成方法
JP2003337444A (ja) 負帯電性トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4227510B2 (ja) トナー
JP2005181435A (ja) トナー、画像形成方法、現像装置およびプロセスカートリッジ
JP2004226454A (ja) 画像形成方法
JP4013473B2 (ja) カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050922

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080401