JP4013473B2 - カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー複写機やカラープリンタとして用いられるカラー画像形成方法およびカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年カラー複写機やカラープリンタにおいても、カラー画像を求める傾向が強い。実用的に価値の高いカラー画像形成方法を通常よく用いられる呼称で大別すると、転写ドラム方式、中間転写方式、KNC方式(感光体上に多色重ね合わせ画像を作り一括転写する方式)、タンデム方式の4種類がある。
【0003】
無論これらは異なる観点から付けられた呼称であるから、例えば中間転写方式であり且つタンデム方式といったものが当然存在する。しかし、その中で中間転写方式のカラー画像形成装置は、高画質のフルカラー画像が得られることで知られている。この方式ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して1つの感光体で対応するか、あるいは各色に対応したそれぞれの感光体で対応し、中間転写体上にカラー重ね合わせ像を造り、転写材に一括転写するものである。
【0004】
上記のカラー複写機やカラープリンタの画像形成において、複数の感光体にそれぞれ単色画像を形成し、それを転写体に転写してカラー画像を形成するカラー画像形成方法は、高速性の観点から注目されている。
【0005】
しかしながら、各々の感光体に対する画像形成工程、とりわけ現像特性を安定に維持することは難しく、特に多数枚にわたる画像形成においては、十分な画質の安定性が得られていないのが現状である。特に、印刷画像が主にモノクロ画像から形成されている場合には、各感光体が並列して配置されているカラー画像形成法においては、画像の形成に関わらない感光体に対しても、主に画像を形成する黒感光体と同じだけ転写体が接触することになり、その結果として、画像形成に関与しない有彩色画像を形成する感光体に紙粉等が付着、堆積し、長期間にわたり連続的に使用した際に、画像乱れ等の問題を誘発する要因となる。
【0006】
また、近年、従来の感光体に比べ、耐摩耗性の高い感光体が、廃棄物削減、低コスト化の観点で、盛んに開発されているが、この耐久性の高い感光体を使用することにより、紙粉が著しく付着することが判明した。更には、粒径が比較的揃った角の少ない重合トナー等の形状が丸いトナーを用いることが、高画質の観点で注目されているが、これらの丸いトナーは、擦過力が従来の粉砕系トナーに比較して低下するため、上記の紙粉等の付着が顕著に発生することが判明した。
【0007】
上記課題に対し、各感光体において、画質を一定に維持するためのさまざまな提案がなされているが、いずれの方法も満足のいく効果が得られておらず、早急な改良が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期間の使用にわたり画像安定性に優れたカラー画像形成方法およびカラー画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0010】
1.複数の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、露光、現像及び転写・分離の各工程を経てカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
該現像工程で用いられる黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで一次平均粒径が異なる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体の表面層が、架橋性のシロキサン樹脂を用いて形成されるものである
ことを特徴とするカラー画像形成方法。
【0011】
2.前記黒現像剤と有彩色現像剤とに含まれる各々の研磨微粒子の一次平均粒径が、前記式1で表される関係であることを特徴とする前記1項記載のカラー画像形成方法。
【0012】
3.前記有彩色現像剤が複数種あり、少なくとも2種類の有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径が互いに異なることを特徴とする前記1又は2項記載のカラー画像形成方法。
【0013】
4.複数の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、露光、現像及び転写・分離の各工程を経てカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
該現像工程で用いられる黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる化合物からなる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体の表面層が、架橋性のシロキサン樹脂を用いて形成されるものである
ことを特徴とするカラー画像形成方法。
【0016】
5.前記研磨微粒子が、無機微粒子、有機微粒子及び有機微粒子に無機微粒子を固着した複合微粒子から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
【0017】
6.1種類の現像剤中に複数の研磨微粒子を有し、かつ研磨微粒子の混合比が黒現像剤と有彩色現像剤とで異なることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
【0019】
7.前記現像剤の少なくとも1つに含まれるトナーの形状係数が、1.3〜1.8であることを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
【0020】
8.前記現像剤の少なくとも1つに含まれるトナーが、角がないトナー粒子を50個数%以上含有していることを特徴とする前記1〜7項のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
【0021】
9.電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電極、現像器及び転写・分離極を具備した画像形成装置を複数有するカラー画像形成装置において、
該現像器で使用される黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで一次平均粒径が異なる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体は、その表面層に架橋性のシロキサン樹脂を含有するものである
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【0022】
10.前記黒現像剤と有彩色現像剤とに含まれる各々の研磨微粒子の一次平均粒径が、下記式1で表される関係を有することを特徴とする前記9項に記載のカラー画像形成装置。
式1
Dbr<Dco
〔式中、Dbrは黒現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径を、Dcoは有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径を表す。〕
【0023】
11.前記有彩色現像剤が複数種あり、少なくとも2種類の有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径が互いに異なることを特徴とする前記9又は10項に記載のカラー画像形成装置。
【0024】
12.電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電極、現像器及び転写・分離極を具備した画像形成装置を複数有するカラー画像形成装置において、
該現像器で使用される黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる化合物からなる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体は、その表面層に架橋性のシロキサン樹脂を含有するものである
ことを特徴とするカラー画像形成装置。
【0027】
13.前記研磨微粒子が、無機微粒子、有機微粒子及び有機微粒子に無機微粒子を固着した複合微粒子から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記9〜12項のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0028】
14.1種類の現像剤中に複数の研磨微粒子を有し、かつ研磨微粒子の混合比が黒現像剤と有彩色現像剤とで異なることを特徴とする前記9〜13項のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0029】
15.前記現像剤の少なくとも1つに含まれるトナーの形状係数が、1.3〜1.8であることを特徴とする前記9〜14項のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0030】
16.前記電子写真感光体の表面が、純水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする前記9〜15項のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0031】
17.前記電子写真感光体の表面層が、架橋構造を有していることを特徴とする前記9〜16項のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0033】
本発明者は、上記課題について市場におけるクレーム等を鋭意解析した結果、カラープリンタやカラー複写機等のカラー画像形成を主とするマシンにおいても、実質的には黒画像が形成画像の過半数を占め、また各々の感光体に供給される現像剤量が異なっていることが判明した。そのため、紙粉等の堆積は、黒画像形成用の感光体に比べ、有彩色画像の形成に用いる感光体上で顕著となり、その結果、さまざまな問題を誘発することが、画像形成プロセスの寿命前に画質低下を生じる要因であることを突き止めた。
【0034】
本発明者は、上記課題を鑑み鋭意検討を進めた結果、紙粉等を感光体表面から取り除くためには、現像剤中に含まれる感光体表面の擦過剤となる微粒子の使用条件を最適に制御することにより、長期間にわたり安定したカラー画像を形成できることを見出し本発明に至った次第である。
【0035】
特に、角なし比率が90%以上のトナーを使用する場合、表面にシロキサン樹脂の保護層を設置した感光体においては、研磨微粒子のクリーニング性の観点から、感光体表面の含有原子と異なる原子を含有する微粒子(例えば、チタン酸ストロンチウム等)がクリーニング効果が大きいことを見出した。
【0036】
すなわち、複数の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、露光、現像及び転写・分離工程を経てカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、現像工程で用いる現像剤が研磨微粒子を含み、その研磨微粒子が、黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる一次平均粒径を有する研磨微粒子であること、黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる化合物からなる研磨微粒子であること、または黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる形状係数を有する研磨微粒子であることにより達成することができた。
【0037】
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明においては、複数の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、露光、現像及び転写・分離工程を経てカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、現像工程で用いる現像剤が、外添剤として研磨微粒子を含んでいることが一つの特徴である。
【0038】
また、請求項1に係る発明では、現像剤である黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる一次平均粒径を有する研磨微粒子を含有することを特徴としている。
【0039】
本発明において、研磨微粒子の一次平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって研磨微粒子を100,000倍に拡大し、100個の研磨微粒子を観察し、画像解析によってその粒径を測定し、定方向径(Green径)を平均した値で示し、一次平均粒径としては、10〜1500nmが好ましく、更に好ましくは10〜1000nmである。10nm未満であると研磨性が低下し本発明の効果を発揮し得ないことがある。また、1500nmを越えると感光体に傷を発生させることがあり、好ましくない。後述する複合微粒子の一次平均粒径も単体微粒子と同様に、投影時の定方向径をもって表す。
【0040】
請求項2に係る発明では、黒現像剤に含まれる研磨微粒子の一次平均粒径が、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の一次平均粒径より小さいことが特徴であり、この条件とすることにより、本発明の効果をより発揮することができる。なお、本発明でいう有彩色現像剤とは、黒以外の着色現像剤を指し、白トナーも含む。
【0041】
また、請求項5に係る発明では、黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる形状係数を有する研磨微粒子を含有することが特徴であり、更に請求項6に係る発明では、黒現像剤に含有される研磨微粒子の形状係数(Sbr)と有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の形状係数(Sco)の関係が、Sbr<Scoであることが特徴である。
【0042】
研磨微粒子の形状係数(SF)は球形度合いを表す係数であり、本発明においては、SFが1.00〜2.00であるものが好適に用いられ、さらに好ましくは、SFが1.30〜1.80である。本発明で用いられる形状係数を示すSFは、例えば、透過型電子顕微鏡観察により研磨微粒子を100,000倍に拡大し、研磨微粒子像を100個無作為にサンプリングして、その画像情報をインターフェースを介して、ニコレ社製の画像解析装置(Luzex3)に導入、解析を行い、下式より算出し得られた値を、本発明においては形状係数(SF)と定義した。
【0043】
【数1】
【0044】
式中、M×LNGは研磨微粒子の最大径を表し、AREAは研磨微粒子の投影面積を表す。なお、対象粒子が複合微粒子である場合にも、複合微粒子を1個の粒子と見なして、算出する。
【0045】
上記の各特性及び構成を有する研磨微粒子を用いることで、研磨微粒子がクリーニングブレードに蓄積し、感光体を摺擦研磨し、その結果、感光体上に残留した未転写トナーをクリーニングする際、転写紙が含有するタルク等の填剤、あるいはセルロース、でんぷん等の紙粉の感光体への付着をもクリーニングして、紙粉等の感光体への付着による画像乱れを解消し得るものである。
【0046】
請求項7に係る発明では、研磨微粒子として、無機微粒子、有機微粒子及び複合微粒子から選ばれる少なくとも1種を用いることが特徴であり、以下に各研磨微粒子について説明する。
【0047】
〔無機微粒子〕
研磨微粒子として用いられる無機微粒子を構成する材料としては、各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等があげられる。
【0048】
さらに、上記無機微粒子に疎水化処理をおこなったものでもよい。疎水化処理を行う場合には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤等のいわゆるカップリング剤やシリコーンオイル等によって疎水化処理することが好ましく、さらに、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理することも好ましく使用される。
【0049】
上記チタンカップリング剤としては、例えばテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどがある。さらに、シランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0050】
上記脂肪酸及びその金属塩としては、例えばウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩が挙げられる。
【0051】
上記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルなどを挙げることができる。
【0052】
これら化合物は、無機微粒子に対して質量で1〜10%添加し被覆することが好ましく、より好ましくは質量で3〜7%である。また、これらの材料を組み合わせて使用することもできる。
【0053】
〔有機微粒子〕
研磨微粒子として用いられる有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等をあげることができる。
【0054】
有機微粒子としては特にその組成が限定されるものでは無い。一般的にはビニル系の有機微粒子が好ましい。この理由としては乳化重合法や懸濁重合法等の製造方法によって容易に製造することが可能であるからである。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等の様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体も単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0055】
有機微粒子の製造方法としては乳化重合法や懸濁重合法によって作製することができる。乳化重合法は、界面活性剤を含有する水中に上記単量体を添加し乳化させた後に重合する方法であり、界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として使用されている物ならば全て使用することができ、特に限定されない。さらに、反応性乳化剤の使用や、親水性単量体、例えば酢酸ビニルやアクリル酸メチル等の過硫酸塩系開始剤による重合や、水溶性単量体を共重合する方法や、水溶性樹脂やオリゴマーを使用する方法や、分解型乳化剤を使用する方法や、架橋型乳化剤を使用する方法等のいわゆる無乳化重合法も好適である。反応性乳化剤としてはアクリル酸アミドのスルフォン酸塩やマレイン酸誘導体の塩類等があげられる。無乳化重合法は残存乳化剤の影響が無く、有機微粒子を単体で使用する場合には好適である。
【0056】
有機微粒子を合成するために必要な重合開始剤には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系の重合開始剤があげられる。これらの添加量は単量体に対して0.1〜2質量%が好ましい。この量よりも過小であると重合反応が不足し、単量体自体の残留の問題を発生する。さらに、過多であると重合開始剤の分解物が残留し帯電性に影響を与え、さらに重合反応が早すぎるために分子量が小さくなる問題を生じる。さらに、乳化重合法等では重合開始剤として過硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム等を使用することができる。
【0057】
〔複合微粒子〕
研磨微粒子として用いられる複合微粒子は有機微粒子表面に無機微粒子を固着したものである。
【0058】
複合微粒子の作製は、上記有機微粒子に対して無機微粒子を添加混合する。ついで、無機微粒子が完全に有機微粒子に付着していて遊離した過剰の粒子が存在しない混合状態、いわゆるオーダードミクスチャーの状態を形成し静電的に有機微粒子表面に無機微粒子を付着させた後に、機械的エネルギーを付与して有機微粒子の表面に無機微粒子を固着する。ここで、固着とは特開平4−291352号公報に記載されている固着率で25%以上の状態を示す。
【0059】
すなわち、固着率とは無機微粒子の固着の状態を規定したもので、核となる有機粒子に対する無機微粒子の埋め込み状態を規定したものである。この固着率は具体的には下記式により算出されるものである。
【0060】
有機微粒子の比表面積をSa、無機微粒子の比表面積をSb、有機微粒子の表面に無機微粒子を固着した後の複合微粒子の比表面積をSh、無機微粒子の有機微粒子に対する添加率をxとすると、
固着率={1−[Sh/〔(1−x)×Sa+x×Sb〕]}×100
と示される。この固着率は25%以上100%未満が好ましい。特に、40〜80%が好ましい。固着率が25%未満であると有機微粒子に対する無機微粒子の固着程度が低くなり、表面に存在する無機微粒子の遊離が発生する。このため、長期に渡って使用を繰り返すと無機微粒子の遊離により感光体に対する傷の問題を発生する。固着率の調整は固着を行う製造装置に於いてその条件を種々に制御することで行うことができる。
【0061】
なお、オーダードミクスチャーを形成する場合、本発明では有機微粒子の表面を構成する樹脂のTg以下の雰囲気温度で作製するとよい。すなわち、Tg以上の温度でオーダードミクスチャーを形成した場合は、有機微粒子の合一が発生するためである。
【0062】
複合微粒子を構成する無機微粒子と核となる有機微粒子との比率はそれぞれの粒径に依存し、核となる有機微粒子を均一に覆うだけ無機微粒子を添加すればよい。一般には、有機微粒子に対して無機微粒子が5〜30質量%が好ましい。
【0063】
なお、オーダードミクスチャーを形成する場合には核となる有機微粒子表面に均一に静電気的に無機微粒子を付着することのできる装置であれば全て使用することができる。例えば、ヘンシェルミキサー、OMダイザー、タービュラーミキサー、レーディゲミキサー、V型混合器等を挙げることができる。
【0064】
表面に静電気的に付着した無機微粒子を固着させるための機械的エネルギー付与装置としては、衝撃式粉砕機を改造した「ハイブリダイザー」(奈良機械製作所製)、「自由ミル」(奈良機械製作所製)、「オングミル」(ホソカワミクロン社製)、「クリプトロン」(川崎重工社製)等を使用することができる。上記装置を用いて有機微粒子表面に無機微粒子を固着する場合には単なる機械的エネルギーを付与するのみならず、外部より加温あるいは冷却することも可能である。すわなわち、高速度で回転する装置内で機械的衝撃力を付与すると、その衝突のエネルギーによって発熱がおこり内部の温度は上昇する。有機微粒子のTgよりも高い温度に装置内部がなった場合には、有機微粒子同士の融着を発生し、凝集粒子を発生する問題がある。このためには冷却を行い制御することが必要となる。一方で内部の温度がTgよりも30℃以上低い場合には固着するためのエネルギーが過多に必要となり、衝突エネルギーが大きくなり、有機微粒子の粉砕等の問題を発生する。この問題を解消するためには温度をTg程度にまで上昇する必要があり、この場合には外部から加温することが必要となる。
【0065】
外部から温度を制御する方法としては加温された媒体を外部に設置したジャケットに循環し、制御する方法が好ましい。内部の温度は有機微粒子と無機微粒子を固着するための部位に設置された温度計により測定された循環空気の温度により測定される。なお、循環するための媒体としては水あるいはオイルがある。
【0066】
複合微粒子の帯電量は、絶対値で1〜40μC/gが好ましい。この帯電量の制御は表面に固着する無機微粒子の帯電性を制御すること及び核となる有機微粒子の帯電性を制御することよって行うことができる。
【0067】
尚、複合微粒子の添加量は0.1〜5.0質量%が好ましい。特に好ましくは0.5〜3.0質量%である。
【0068】
なお、核となる有機微粒子としては特に限定されるものではないが、ビニル系の重合体で構成されるものが好ましい。
【0069】
具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0070】
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0071】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0072】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0073】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0074】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0075】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0076】
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
【0077】
なお、本発明の研磨微粒子以外に小粒径の外添剤を併用してもよい。具体的にはシリカ、チタニア、ジルコニア等の数平均一次粒子径が5〜20nmのものが好ましく使用でき、前述のごとく疎水化処理されていることが好ましい。このものの添加量は特に限定されるものでは無いが、着色粒子に対して0.1〜2.0質量%、好ましくは0.3〜1.5質量%である。
【0078】
次いで、本発明で用いられるトナー及び現像剤について説明する。
本発明で用いることのできるトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で製造することができる。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個融着することをいう。
【0079】
請求項9に係る発明では、現像剤が、重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有することが特徴である。
【0080】
本発明でいう水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0081】
本発明に係るトナーを製造する方法の一例として、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。
【0082】
樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0083】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0084】
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0085】
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0086】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
【0087】
乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0088】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
【0089】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することができる。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、質量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0090】
使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0091】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0092】
凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0093】
無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対して無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明においては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0094】
また、請求項11に係る発明では、現像剤中のトナーが、角がないトナー粒子を50個数%以上含有していることを特徴とする。
【0095】
本発明でいう角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、トナー粒子の長径をL、L/10を半径Rとする円で、トナー粒子周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、全く円がトナーの外側に実質的にはみださない場合を角がないトナー粒子という。実質的にはみ出さない場合とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下をいう。また、トナー粒子の長径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
【0096】
角がないトナーの測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0097】
本発明のトナーにおいて、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な粒子の発生などがなくなり、いわゆる現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存在を防止することができるとともに、現像剤搬送部材に対する汚染を抑制することができ、帯電量もシャープにすることができる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0098】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0099】
又、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、撹拌翼の回転数および撹拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0100】
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0101】
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、現像性を長期に渡って安定化することができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0102】
本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0103】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0104】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0105】
(測定条件)
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0106】
〔着色剤〕
着色剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。
【0107】
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0108】
黒現像剤に用いることのできる黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。これらの無機顔料は、所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また、顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には、所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0109】
有彩色現像剤に用いることのできる有機顔料及び染料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
【0110】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0111】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
【0112】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0113】
また、染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
【0114】
これらの有機顔料及び染料は、所望に応じて単独または複数を選択併用することが可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0115】
着色剤は、表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0116】
〔現像剤〕
本発明で用いることのできるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤があげられる。又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
【0117】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0118】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0119】
請求項10に係る発明では、現像剤中のトナーの形状係数が、1.3〜1.8であることが1つの特徴である。本発明でいう現像剤の形状係数は、前述の研磨微粒子における形状係数(SF)と同義であり、同一の方法により求めることができる。
【0120】
〔電子写真感光体〕
次に、本発明で用いられる感光体について詳細に説明する。
【0121】
本発明において、感光体の基体として用いられる導電性支持体は、シート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。導電性の材料としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、またはアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、または導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては、常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。又、アルマイト基体や封孔処理したアルマイトを用いても良い。
【0122】
本発明において、導電性支持体上に複数の樹脂層を有し、該樹脂層としては下引層、感光層、表面層、更には電荷発生層、電荷輸送層等の層を有している。
【0123】
本発明の感光体に用いられる下引層(UCL)は、導電性支持体と感光層との接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に設けられるが、該下引層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた下引層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0124】
又、本発明に最も好ましく用いられる下引層は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた下引層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた下引層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0125】
本発明で用いられる感光体の感光層構成は、下引層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では下引き層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL層)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0126】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0127】
電荷発生物質(CGM)としては、公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。
【0128】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
【0129】
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0130】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0131】
電荷輸送層(CTL層)に用いられる樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0132】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものは、ポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0133】
また、バインダーは高分子量のものが耐傷性の点で好ましく、粘度平均分子量で3万以上、好ましくは4万以上であり、更に塗布性の観点からは12万以下が好ましい。ただし、CTLの上層に保護層を有している場合には、2万以上であることが好ましい。
【0134】
請求項23に係る発明では、表面層として、電荷輸送性を有する構造単位を含む架橋性のシロキサン樹脂層である感光体が特徴である。このシロキサン樹脂を含有する樹脂層は、代表的には下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を原料とした塗布組成物を塗布、硬化することにより形成される。これらの原料は親水性溶媒中では加水分解とその後に生じる縮合反応により、溶媒中で有機ケイ素化合物の縮合物(オリゴマー)を形成する。これら塗布組成物を塗布、硬化することにより、3次元網目構造を形成したシロキサン樹脂を含有する樹脂層を形成することができる。
【0135】
一般式(1)
(R)n−Si−(X)4-n
式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基または加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0136】
又一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。但し、使用される一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも一種がnが0または1の有機ケイ素化合物を使用することが好ましい。
【0137】
前記表面層は、上記有機ケイ素化合物またはその加水分解縮合物を含有する組成物にコロイダル金属酸化物を含有させて形成されることが好ましい。ここでいう金属酸化物とは、シリカ、アルミナ、酸化チタンであり、好ましくはシリカである。コロイダルシリカとは、分散媒中にコロイド状に分散した二酸化ケイ素粒子であるが、コロイダルシリカの添加は塗布液組成物調整のどの段階で加えても良い。コロイダルシリカは水性またはアルコール性のゾルの形で添加しても良いし、気相でつくられたエアロゾルを本発明の塗布液に直接分散しても良い。
【0138】
前記表面層は更に、下記一般式(2)で示される化合物が前記有機ケイ素化合物または該縮合物等との縮合反応により、電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン樹脂を含む樹脂層に改質してもよい。
【0139】
一般式(2)
B−(R1−ZH)m
式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価または多価の基を表し、R1は単結合または2価のアルキレン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子またはNHを表し、mは1〜4の整数を表す。
【0140】
又、前記一般式(2)で示された化合物は、コロイダルシリカの表面の水酸基との縮合反応により、前記シロキサン樹脂層に取り込まれても良い。
【0141】
本発明には、コロイダルシリカ以外の他の金属水酸化物(例えばアルミ、チタン、ジルコニウムの各アルコキシドの加水分解物)を加えて複合化したシロキサン系セラミック樹脂層としても良い。
【0142】
前記のシロキサン樹脂層を形成するには、縮合反応を促進するために縮合触媒を用いることが好ましい。ここで用いられる縮合触媒とは縮合反応に接触的に作用する触媒、及び縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをするものの少なくとも何れか一方の作用をもつものであれば良い。
【0143】
具体的な縮合触媒としては酸、金属酸化物、金属塩、アルキルアミノシラン化合物など従来シリコーンハードコート材料に用いられてきた公知の触媒を用いることができる。例えば、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)等が挙げられる。
【0144】
上記では、本発明の好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
【0145】
請求項21に係る発明では、感光体の表面が純水に対する接触角が90°以上であることが特徴であり、水に対する接触角が90°以上にすることにより紙粉やトナー微粉のフィルミングをより少なくすることができる。
【0146】
本発明に係る接触角の測定方法としては、液滴法により測定することができ、具体的には、協和界面科学社製の接触角計であるCA−DT−A型を用いて測定することにより求めることができる。
【0147】
前記電荷輸送性能を有するシロキサン樹脂層の水に対する接触角を90°以上にする方法としては、シロキサン樹脂層を表面に設置することが有効である。さらに疎水性を高めるためには、シロキサン樹脂にF原子含有基を導入する方法、ジメチルシロキサン骨格を導入する方法、芳香族基を導入する方法或いは撥水性を有するPTFE等の樹脂粒子や有機ポリマーを添加する方法等が挙げられる。
【0148】
次に本発明の樹脂層に、前記コロイダルシリカと併用したり、或いはコロイダルシリカの代わりに用いることができる有機粒子及び無機粒子としては、以下のものを挙げることができる。
【0149】
上記有機粒子としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ステアリン酸金属塩、ポリメチルメタクリレートまたはメラミン等を挙げることができる。
【0150】
上記無機粒子としては金属酸化物として、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化インジウム、酸化ベリリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等を挙げることができ、窒化物として、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素を挙げることができ、又炭化物としては、例えば炭化ケイ素、炭化ホウ素等を挙げることができる。又上記無機粒子は、好ましくはチタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸等の疎水化処理剤により疎水化処理を行ってもよい。
【0151】
又、前記シロキサン樹脂の表面層には酸化防止剤を添加することにより、残留電位上昇や画像ボケを効果的に防止することができる。
【0152】
本発明のシロキサン樹脂層は加熱、硬化することが好ましい。この加熱によりシロキサン樹脂層の架橋・硬化反応が促進される。該架橋硬化条件としては使用する溶剤種、触媒有無によって異なるが、およそ60〜160℃の範囲で10分〜5時間の加熱が好ましく、より好ましくは90〜120℃の範囲で30分〜2時間の加熱が好ましい。
【0153】
電荷発生物質、電荷輸送物質の分散、溶解の使用される溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
【0154】
前記表面層を有する電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、塗布液をディップ塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等を用いることができる。特に感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又均一塗布加工を達成するためにスプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッパーがその代表例である)を用いるのが好ましい。尚前記スプレー塗布については特開平3−90250号、同3−269238号にその記載があり、前記円形量規制型塗布については特開昭58−189061号に記載されている。
【0155】
【発明の実施の形態】
〔カラー画像形成装置〕
以下に、本発明で好ましく用いることのできるタンデム方式のカラー画像形成装置について説明する。
【0156】
図1は、本発明のカラー電子写真形成装置の一例を示す概略構成図である。
カラー電子写真画像形成装置の本体内には第1、第2、第3及び第4画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが並列設置される。各画像形成部は同様の構成とされ、各々異なった色の可視像(トナー像)を形成する。
【0157】
画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdは、それぞれ専用の静電潜像担持体(電子写真感光ドラム)la、lb、lc及びldを具備する。各画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdにて形成された電子写真感光体ドラム(感光体ドラムと略すことがある)la、lb、lc及びld上の画像は、各画像形成部に隣接して移動する画像支持体担持体8上に担持し搬送される画像支持体6上に転写される。更に、画像支持体6上の画像は、定着部7にて加熱及び加圧して定着され、画像支持体はトレイ61へと排出される。
【0158】
次に、各画像形成部における潜像形成部について説明する。感光体ドラムla、lb、lc、ldの外周には、各々除電露光ランプ2la、2lb、2lc、2ld、ドラム帯電器2a、2b、2c、2d、像露光手段としてのレーザビーム露光装置17、電位センサー22a、22b、22c、22dが設けられている。除電露光ランプ2la、2lb、2lc、2ldにより除電された感光体ドラムla、lb、lc、ldは、ドラム帯電器2a、2b、2c、2dにより一様に帯電され、次いで、レーザビーム露光装置17により露光されることにより、感光体ドラムla、lb、lc、ldの上には、画像信号に応じた色分解された静電潜像が形成される。本発明の画像形成装置は、像露光手段としては、上述のレーザビーム露光装置17の他に、LEDアレー露光装置などのように、基本画像単位(画素)においてオフ以外の光量レベルが複数の光を照射可能な、周知の多値露光手段を好適に採用し得る。
【0159】
前記感光体ドラム上の静電潜像は、現像手段にて現像され可視像とされる。つまり、現像手段は、それぞれシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色の現像剤、例えばトナーとキャリアを有した二成分現像剤が所定量充填された現像器3a、3b、3c、3dを備えており、上記感光体ドラムla、lb、lc、ldに形成された静電潜像を現像し、可視画像(トナー像)とする。
【0160】
次に、転写部について説明する。画像支持体カセット60中に保持された画像支持体6は、レジストローラ13を経て画像支持体担持体8へと送給される。
【0161】
ここで、画像支持体担持体8は、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムシート(PETシート)、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムシート、又は、ポリウレタン樹脂フィルムシートなどの誘電体樹脂製のフィルムであり、その両端部を互いに重ね合わせて接合し、エンドレス形状にしたものか、又は、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。継ぎ目を有するベルトの場合には、継ぎ目位置を検知する手段(図示せず)を設け、継ぎ目上で転写が行なわれないように構成するのが好ましい。
【0162】
この画像支持体担持体8が回転し始めると、画像支持体6がレジストローラ13から画像支持体担持体8上へと搬送される。このとき画像書き出し信号がONとなり、適正なタイミングにより第1の電子写真感光体ドラムla上に画像形成を行う。
【0163】
第1の電子写真感光体ドラムlaの下方には、転写帯電器4a及び転写押圧部材41aが設けられていて、転写押圧部材4laにて感光体ドラムの方へと均一な押力を付与し、且つ、転写帯電器4aが電界を付与することにより感光体ドラムla上のトナー像を画像支持体6上へと転写させる。このとき、画像支持体6は、画像支持体担持体8上に静電吸着力で保持され、第2の画像形成部Pbへと画像支持体6は搬送され、次の転写が行なわれる。以下、上記と同様な方法により第3、第4の画像形成部Pc、Pdによって形成されたトナー像が転写された画像支持体6は、分離帯電器14によって除電され、静電吸着力の減衰によって画像支持体担持体8から離脱し、定着部7へと搬送される。
【0164】
定着部7は、定着ローラ71、加圧ローラ72、ローラ71、72をそれぞれクリーニングする耐熱性クリーニング部材73、74、各ローラ71、72を加熱するヒータ75、76、ジメチルシリコーンなどの離型剤オイルを定着ローラ71に塗布するオイル塗布ローラ77、そのオイルを供給するためのオイル溜め78、定着温度制御用のサーミスタ79から構成されている。
【0165】
転写後、感光体ドラムla、lb、lc、ld上に残留したトナー等は、感光体クリーニング部5a、5b、5c、5dにより除去され、引き続き行われる次の潜像形成に備えられる。又、画像支持体8上に残留したトナー等は、ベルト除電器12によって除電され静電吸着力を取り除かれた後、本例では不織布を備えたクリーニング装置62にて除去される。クリーニング装置62としては回転するファーブラシとか、ブレードとか、これらを併用した装置等も用いられる。
【0166】
次に、本発明の画像形成装置に採用し得る現像手段について、図2を参照して更に詳しく説明する。画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdにおける現像手段は同様の構成とされるので、画像形成部Paにおける現像手段についてのみ説明する。
【0167】
図2は、画像形成部Paにおける現像手段(現像器又は現像装置)の略断面図である。感光体ドラム1aに対向して配置された現像器3aは、2成分現像剤を収容した現像容器130、現像剤担持体としての現像スリーブ131、該現像スリーブ131によって現像剤の供給位置から穂切り位置まで搬送される現像剤を規制する現像剤返し部材(現像スリーブ131上の現像剤溜り量規制部材)132、現像剤の穂立ち高さ(層厚)規制部材としてのブレード133を具備し、更に、2成分現像剤のトナー濃度を検知する現像剤濃度検知手段としての光学式のトナー濃度センサー(図示せず)を有している。
【0168】
上記現像剤容器130の内部は、ほぼ垂直方向に延在する隔壁137によって現像室130Aと攪拌室130Bとに区画されている。現像室130A及び攪拌室130Bには非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が収容されている。隔壁137の上方部は解放されており、現像室130Aで余分となった二成分現像剤が攪拌室130B側に回収される。上記現像室130A及び攪拌室130Bにはそれぞれスクリュータイプの第1及び第2の現像剤攪拌・搬送手段134、135が配置されている。第1の攪拌・搬送手段134は、現像室130A内の現像剤を攪拌搬送し、また、第2の攪拌・搬送手段135は、現像剤濃度制御装置の制御のもとでトナー補給槽(図示せず)からこの攪拌・搬送手段135の上流側に供給されるトナーと既に攪拌室130B内にある現像剤とを攪拌搬送し、トナー濃度を均一化する。隔壁137には手前側と奥側の端部において現像室130Aと撹拌室130Bとを相互に連通させる現像剤通路(図示せず)が形成されており、上記攪拌・搬送手段の搬送力により、現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した現像室130A内の現像剤が一方の通路から撹拌室130B内へ移動するように構成されている。
【0169】
上記現像器の現像室130Aは、感光体ドラム1aに対面した現像領域に相当する位置が開口しており、この開口部に一部露出するようにして前記現像スリーブ131が回転可能に配置されている。現像スリーブ131は非磁性材料で構成され、現像動作時には図時矢印方向に回転し、その内部には、磁界発生手段であるマグネット136が固定されている。
【0170】
上記攪拌・搬送手段によって現像スリーブ131の表面に供給された二成分現像剤は、マグネット136の磁力によって現像スリーブ131の表面に磁気ブラシの状態で保持され、現像スリーブ131の回転に伴って感光体ドラム1aと対向する現像領域に搬送されるが、搬送途上で現像剤返し部材132及びブレード133によって現像剤スリーブ131上の磁気ブラシは穂切りされ、現像領域に搬送される現像剤は適正な量に維持される。
【0171】
このようにして現像スリーブ131にて現像領域に搬送された現像剤は、感光体ドラム1aに供給されてその上に形成された静電潜像を現像する。現像効率、即ち、潜像へのトナー付与率を向上させるために、現像スリーブ131には電源から直流電圧と交番電圧を重畳した現像バイアス、或はいずれか一方の現像バイアス電圧が印加され、これによって、二成分現像剤のトナーが感光体ドラム1a上の静電潜像側に移行して該静電潜像がトナー像として顕像化される。
【0172】
尚、上記においてトナー画像の転写については、画像支持体担持体上にのって搬送される画像支持体(通常は、普通紙等、紙であるため転写紙ともいわれる)に各色トナー像を転写していく方式で説明した。
【0173】
また、他の形態として、画像支持体担持体ではなくその代わりに中間転写体を用い、トナー像を一旦中間転写体に転写した後画像支持体へと再転写してもよい。なお、画像支持体担持体や中間転写体は、ベルト状あるいはドラム状のものが通常用いられる。
【0174】
図3に、本発明の実施の形態を示すカラー電子写真画像形成装置の他の一例を示す。
【0175】
本例は、ドラム型の中間転写体を有する装置であり、中間転写体10上に現像剤であるカラートナーを重ね合わせてカラー画像を形成したのち、転写材(転写紙P)に転写を行う形態である。
【0176】
中間転写体10は、その周囲に配置されている4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kにより形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を順次重ね合わせて担持する。前記中間転写体10は、ドラム状の中間転写体10であって、円筒状の金属基体であるアルミニウム基体(図示せず)上に、弾性層として導電性ゴム層(図示せず 厚さ500〜5000μm、電気抵抗108〜1014Ω・cmのウレタンゴム層)と、更に、その上に離形性フィルム(図示せず 分離用として、厚さ20〜200μm、電気抵抗1010〜1016Ω・cmのテフロン層)が設けられている。中間転写体10の周囲には、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kと、転写紙転写手段30、クリーニング手段16が各々配設されている。又、中間転写体10は、軸101によってカラー画像形成装置100に回転自在に軸支されている。
【0177】
又、前記4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、各々枠体26Y、26M、26C、26K内に設けられ、該枠体26Y、26M、26C、26Kがカラー画像形成装置100内で移動可能に設けられ、各画像形成ユニットを、ドラム状の中間転写体10に対して使用色に応じて画像転写位置か、又は非画像転写位置に移動させるための移動用部材27Y、27M、27C、27Kが各々枠体26Y、26M、26C、26Kと接触して設けられている。
【0178】
前記4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kを中心に、回転する帯電手段22Y、22M、22C、22Kと、露光手段23Y、23M、23C、23Kと、回転する現像手段24Y、24M、24C、24K、及び、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kをクリーニングするクリーニング手段25Y、25M、25C、25Kより構成されている。
【0179】
前記画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、中間転写体10にそれぞれ形成するトナー像の色が異なるだけで、同じ構成であり、図4により画像形成ユニット20Yを例にして、詳細に説明する。
【0180】
枠体26Y内に設けた画像形成ユニット20Yは、像形成体である感光体ドラム21Yの周囲に、像形成体帯電手段22Y(以下、単に帯電手段22Y、あるいは、帯電器22Yという)、露光手段23Y、現像手段24Y、像形成体クリーニング手段25Y(以下、単にクリーニング手段25Y、あるいは、クリーニングブレード25Yという)を配置し、感光体ドラム21Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット20Yのうち、少なくとも感光体ドラム21Y、帯電手段22Y、現像手段24Y、クリーニング手段25Yを一体化するように設けている。
【0181】
帯電手段22Yは、感光体ドラム21Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム21Yと接触しながら従動回転をするローラ状の帯電器22Yが用いられている。
【0182】
露光手段23Yは、ローラ状の帯電手段22Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム21Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段23Yとしては、感光体ドラム21Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
【0183】
現像手段24Yは、現像剤であるイエロートナーを収容し、感光体ドラム21Y上に形成された静電潜像を反転現像して、イエロートナー像を形成する手段である。本実施の形態の現像手段24Yにおいては、現像手段24Y内に収容されているイエロートナーを、撹拌部材241Yにより撹拌した後、矢示の方向に回転する表面が弾性(スポンジ)のトナー供給ローラ242Yにより、現像スリーブ243Yへ供給する。このとき、薄層形成部材244Yにより現像スリーブ243Y上のイエロートナーを均一の薄層とする。現像手段24Yの現像作用に際しては、矢示の方向に回転する現像スリーブ243Yに対し、直流あるいはさらに交流を加えた現像バイアスが印加され、現像手段24Yの収容する一成分によるジャンピング現像が行われて、接地されている感光体ドラム21Yに対して、トナーと同極性の直流成分と交流成分とを重畳したバイアスを印加して、非接触の反転現像が行われる。なお、現像スリーブ243Yの画像領域外の両端部に設けられた突当コロが、感光体ドラム21Yに当接することにより、現像スリーブ243Yと感光体ドラム21Yとを非接触に保っている。なお、非接触現像ではなく、接触現像を用いることもできる。
【0184】
感光体ドラム21Y上に形成されたイエローのトナー像は、突当コロが、中間転写体10の位置決め部に接触しながら回転し、トナーと逆極性のバイアス電圧の印加される中間転写体10により、順次、中間転写体10上に転写される。
【0185】
クリーニング手段25Yは、イエロートナー像が中間転写体10に転写された後に、感光体ドラム21Y上に残留したイエロートナーを、感光体ドラム21Y上から除去するための手段であって、本実施の形態においては、クリーニング手段25Yが感光体ドラム21Yに摺接することにより、残留トナーの除去を行っている。
【0186】
このようにして、画像形成ユニット20Yにより、帯電、露光、現像の工程により形成された画像信号(イエロー)に対応したイエロートナー像は、中間転写体10上に転写される。
【0187】
そして、図3に示すように、その他の画像形成ユニット20M、20C、20Kも同様に、それぞれ感光体ドラム21M、21C、21K上に、画像信号(マゼンタ)に対応したマゼンタトナー像、画像信号(シアン)に対応したシアントナー像、画像信号(K)に対応した黒トナー像が並列処理的に、同期をとりながら形成される。このような操作により、各画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kの各感光体ドラム21Y、21M、21C、21K上に形成されたトナー像は、順次、1〜2kVの転写バイアスを印加した中間転写体10上に転写され、トナー像が重ね合わされる。全てのトナー像が重ね合わされると、中間転写体10上に、カラートナー像が形成される。
【0188】
一方、中間転写体10の下部には、転写材収納手段である給紙カセットCAが設けられ、給紙カセットCA内に収容された転写材である転写紙Pは、給紙ローラr1の作動により、給紙カセットCA内から搬出され、タイミングローラ対r2へと送られる。タイミングローラ対r2は、中間転写体10上に形成されたカラートナー像と同期するように、転写紙Pを送り出す。
【0189】
送り出された転写紙Pは、転写位置で転写紙転写手段30により、中間転写体10上に形成されたカラートナー像を転写される。この転写紙転写手段30は、アースされたローラ31、転写ベルト32、紙帯電器33、転写電極34、紙分離AC除電器35から構成されている。
【0190】
送り出された転写紙Pは、ローラ31に張設され、中間転写体10の周速度に同期して矢示の方向に回転する転写ベルト32により、転写位置へと搬送される。転写ベルト32は、106〜1010Ω・cmの高抵抗のベルト状のものである。この際、転写紙Pは、転写材帯電手段としての紙帯電器33によりトナーと同極性に紙帯電され、転写ベルト32に吸着されて転写位置へと給送される。トナーと同極性に紙帯電を行うことにより、中間転写体10上のカラートナー像と引き合うことを防止して、カラートナー像の乱れを防止している。また、転写材帯電手段としては、転写ベルト32に接離可能な通電ローラやブラシ帯電器など用いることができる。
【0191】
転写位置では、転写電極34により、中間転写体10上のカラートナー像が、転写紙P上へと転写される。この転写電極34により、転写紙Pの裏面には、中間転写体10のバイアスより高いトナーと反対極性の電圧である1.5〜3kVの電位となるように、コロナ放電がなされる。
【0192】
カラートナー像の転写を受けた転写紙Pは、転写ベルト32によりさらに搬送され、転写材分離用としての紙分離AC除電器35により除電され、転写ベルト32より分離され、定着手段40へと搬送される。定着手段40において、加熱ローラ41と加圧ローラ42とにより加熱・圧着されカラートナー像が転写紙P上に定着された後、転写紙Pは排紙ローラ対r3によりカラー画像形成装置の上部に設けられたトレイ上に排出される。
【0193】
一方、カラートナー像が転写紙Pへ転写された中間転写体10は、転写体クリーニング手段16であるクリーニングブレード161によって摺擦され、中間転写体10上に残留した残留トナーを除去・清掃される。また、転写ベルト32上には、転写ベルトクリーニング手段36としてブレードが摺接しており、紙分離後の転写ベルト32上をクリーニングする。
【0194】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0195】
実施例1
《現像剤の作製》
以下に記載の方法に従って、現像剤を作製した。
【0196】
(着色樹脂粒子の作製)
〔着色樹脂粒子1の作製〕
〈着色剤分散液の作製〉
内容積20Lの樹脂容器に、アデカホープLS−90(旭電化社製 n−ドデシル硫酸ナトリウム)を0.90kgと純水10.0Lを入れ、攪拌溶解した。この液に、攪拌下、リーガル330R(キャボット社製 カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、添加後1時間かけて良く攪拌した。ついで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。分散後、大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、質量平均径で122nmであった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度は、16.6質量%であった。以上のようにして得られた分散液を、着色剤分散液1とした。
【0197】
〈会合体粒子の重合工程〉
10Lのステンレスポットに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製)0.55kgを入れ、イオン交換水4.0Lを加え、室温下で攪拌溶解した。これを、アニオン界面活性剤溶液Aとした。
【0198】
10Lのステンレスポットに、ニューコール565C(日本乳化剤社製)0.14kgを入れ、イオン交換水4.0Lを加え、室温下で攪拌溶解した。これを、ノニオン界面活性剤溶液Bとした。
【0199】
20Lのホーローポットに、過硫酸カリウム(関東化学社製)223.8gを入れ、イオン交換水12.0Lを加え、室温下で攪拌溶解した。これを、開始剤溶液Cとした。
【0200】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン 数平均一次粒子径:120nm 固形分濃度:29.9%)3.41kgと上記アニオン界面活性剤溶液Aと上記ノニオン界面活性剤溶液Bとを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0Lを加えた。
【0201】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、上記開始剤溶液Cを添加した。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを投入した。さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、これをラテックス1−Aとした。
【0202】
なお、ラテックス1−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量で1.27万、質量平均粒径で120nmであった。
【0203】
ついで、新たに10Lのステンレスポットを準備し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学社製)0.55kgを入れ、イオン交換純水4.0Lを加え、室温下で攪拌溶解した。これを、アニオン界面活性剤溶液Dとした。
【0204】
10Lのステンレスポットに、ニューコール565C(日本乳化剤社製)0.14kgを入れ、イオン交換純水4.0Lを加え、室温下で攪拌溶解した。これを、ノニオン界面活性剤溶液Eとした。
【0205】
20Lのホーローポットに、過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gを入れ、イオン交換水12.0Lを加え、室温下で攪拌溶解した。これを、開始剤溶液Fとした。
【0206】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのGL反応釜(攪拌翼はファウドラー翼)に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン 数平均一次粒子径:120nm 固形分濃度:29.9%)3.41kgと上記アニオン界面活性剤溶液Dと上記ノニオン界面活性剤溶液Eとを入れ、攪拌を行った。次いで、イオン交換水44.0Lを投入した後、加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、上記開始剤溶液Fを添加した。この時、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を投入した。その後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱攪拌を行った後、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却して攪拌を停止し、ポール社製フィルターで濾過し、この濾液をラテックス1−Bとした。
【0207】
なお、ラテックス1−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量で24.5万、質量平均粒径で110nmであった。
【0208】
〈会合体粒子の会合〉
35Lのステンレスポットに、塩析剤としての塩化ナトリウム(和光純薬社製)5.36kgとイオン交換水20.0Lを入れ、攪拌溶解した。これを、塩化ナトリウム溶液Gとした。
【0209】
2Lのガラスビーカーに、FC−170C(住友スリーエム社製 ノニオン界面活性剤)1.00gを入れ、イオン交換水1.00Lを加えて、攪拌溶解した。これを、ノニオン界面活性剤溶液Hとした。
【0210】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのSUS反応釜(攪拌翼はアンカー翼)に、上記作製したラテックス1−Aを20.0kg、ラテックス1−Bを5.2kg、着色剤分散液1を0.4kg及びイオン交換水20.0Lとを入れ、攪拌した。ついで、40℃に加温し、上記塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、上記ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。10分間放置した後、昇温を開始し、液温度を85℃まで60分かけて昇温した。液温度が85℃±2℃にて、6時間加熱攪拌し、塩析/融着させた。その後、40℃以下に冷却し、攪拌を停止した。目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液1とした。
【0211】
ついで、ヌッチェを用いて、会合液1よりウェットケーキ状の樹脂粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0212】
上記で洗浄を完了したウエットケーキ状の着色樹脂粒子を、ヌッチェより取り出し、全紙バット5枚に、細かく砕きながら広げた。クラフト紙で覆いをかけた後、40℃の送風乾燥機で100時間乾燥した。乾燥を完了したブロック状の樹脂粒子を、ヘンシェル粉砕器で解砕した。
【0213】
以上のようにして得られた着色樹脂粒子を着色樹脂粒子1とした。
〔着色樹脂粒子2の作製〕
上記作製した着色樹脂粒子1において、カーボンブラック(リーガル330R)に代えて、C.I.ピグメントイエロー185を用いた以外は同様にして、着色樹脂粒子2を作製した。
【0214】
〔着色樹脂粒子3の作製〕
上記作製した着色樹脂粒子1において、カーボンブラック(リーガル330R)に代えて、C.I.ピグメントレッド122を用いた以外は同様にして、着色樹脂粒子3を作製した。
【0215】
〔着色樹脂粒子4の作製〕
上記作製した着色樹脂粒子1において、カーボンブラック(リーガル330R)に代えて、C.I.ピグメントブルー15:3を用いた以外は同様にして、着色樹脂粒子4を作製した。
【0216】
〔着色樹脂粒子5の作製〕
スチレンを165g、n−ブチルアクリレートを35g、カーボンブラック(330R)を20g、スチレン−メタクリル酸共重合体を8g及びパラフィンワックス(mp=70℃)20gとを混合し、60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)10gを加えて溶解し、重合性単量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710mlに0.1モル/Lの燐酸ナトリウム水溶液450mlを加え、TKホモミキサーにて12000rpmで攪拌しながら1.0モル/Lの塩化カルシウム68mlを徐々に加え、燐酸三カルシウムとして分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に、上記重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて12000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、80℃にて10時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、ついで濾過、洗浄、乾燥を行って体積平均粒径が7.01μmの着色樹脂粒子5を作製した。
【0217】
〔着色樹脂粒子6の作製〕
上記作製した着色樹脂粒子5において、カーボンブラック(リーガル330R)に代えて、C.I.ピグメントイエロー185を用いた以外は同様にして、着色樹脂粒子6を作製した。
【0218】
〔着色樹脂粒子7の作製〕
上記作製した着色樹脂粒子5において、カーボンブラック(リーガル330R)に代えて、C.I.ピグメントレッド122を用いた以外は同様にして、着色樹脂粒子7を作製した。
【0219】
〔着色樹脂粒子8の作製〕
上記作製した着色樹脂粒子5において、カーボンブラック(リーガル330R)に代えて、C.I.ピグメントブルー15:3を用いた以外は同様にして、着色樹脂粒子8を作製した。
【0220】
(トナーの作製)
上記作製した着色樹脂子1〜8に、研磨微粒子として各々平均一次粒径の異なる疎水性シリカ又は複合微粒子を表1に記載の組み合わせで、各々1質量%添加して、トナー1〜12及びトナー101〜103を作製した。
【0221】
なお、表1における複合微粒子は、以下の方法により作製した。
一次平均粒子径1.0μmのスチレン−アクリル有機微粒子(電気抵抗6.6×1013Ω・cm)100gに対して、表面をテトラオクチルチタネートで処理した一次平均粒子径が15nmの疎水性酸化チタンを40g添加して、タービュラミキサにて混合した。ついで、粉砕機を改造したハイブリダイザ(奈良機械製作所製)にて、周速100m/secの条件で3分間処理して、有機微粒子表面に酸化チタンが固着された複合微粒子を作製した。得られた複合微粒子の電気抵抗は、8.8×1012Ω・cmであった。同様にしてスチレン−アクリル有機微粒子及び疎水性酸化チタンの一次平均粒子径を変更して、表1に記載の複合微粒子を作製した。
【0222】
表1に、各トナーの構成を示す。
【0223】
【表1】
【0224】
(現像剤の作製)
上記作製したトナー1〜12及びトナー101〜103に、それぞれフェライトキャリアを混合して、トナー濃度として6%の各現像剤を作製し、以降の印字評価に用いた。なお、これらの現像剤の名称は、それぞれ使用したトナー番号に対応して、現像剤1〜12及び現像剤101〜103とした。
【0225】
《感光体の作製》
以下に示す方法に従って、感光体1、2を作製した。
【0226】
(感光体1の作製)
φ30mm、長さが260mmの円筒状アルミニウム基体に、以下の構成からなる感光層を形成した。
【0227】
〈中間層1〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000 東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
を混合、溶解して中間層塗布液1を調製した。この塗布液を、円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層1を形成した。
【0228】
を混合し、サンドミルを用いて10時間かけて分散し、電荷発生層塗布液1を調製した。この塗布液を、上記中間層1の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層1を形成した。
【0229】
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を、上記電荷発生層1の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層1を形成し、感光体1を作製した。感光体1の純水に対する接触角は85°であった。
【0230】
(感光体2の作製)
φ30mm、長さが260mmの円筒状アルミニウム基体に、以下の構成からなる感光体2を作製した。
【0231】
〈中間層2〉
ポリアミド(X−1874M ダイセルヒュルス社製) 20g
メタノール 800ml
ブタノール 200ml
を混合、溶解して中間層塗布液2を調製した。この塗布液を、円筒状アルミニウム基体上に円筒状スライドホッパーで塗布し、膜厚0.3μmの中間層2を形成した。
【0232】
〈電荷発生層2〉
ペリレン系顔料G(ベンズイミダゾールペリレン染料) 60g
ブチラール樹脂(エスレックBHS 積水化学社製) 30g
メチルエチルケトン 1600ml
シクロヘキサノン 400ml
をサンドグラインダーで分散して、分散液を調製し、この塗布液を、上記中間層2の上に円筒状スライドホッパーで塗布し、膜厚0.3μmの電荷発生層2を形成した。
【0233】
を混合して塗布液を調製し、これを上記電荷発生層2の上に円筒状スライドホッパーで塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層2を形成した。
【0234】
〈表面保護層〉
上記電荷輸送層2の上に、メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部に、モレキュラーシーブ4A(和光純薬社製)を添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え、均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(化合物H)6質量部、ヒンダードアミン(化合物I)0.3質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、感光体2を作製した。感光体2の純水に対する接触角は、92°であった。
【0235】
【化1】
【0236】
《特性評価》
上記作製した各現像剤及び各感光体を表2に記載の組み合わせで、図1に記載のカラー電子写真画像形成装置(評価機−1)に搭載し、10℃、20%RHの環境下で、黒テストチャートのみを連続で1万枚プリントする実写ランニングテストを行った。評価は、プリント開始時のプリント画質及び1万プリント後のプリント画質を目視観察した。
【0237】
さらに、1万プリント後に、10cm×10cmのパッチ画像を有するテストチャートを連続5プリント出力し、強制クリーニング性の評価を、目視観察にて下記に基準に則り評価を行った。
【0238】
◎:5枚とも良好
○:5枚中1枚に、濃度0.05以下のパッチ画像跡が認められる
△:5枚中2枚に、濃度0.05以下のパッチ画像跡が認められる
×:3枚以上の試料に、濃度0.05以下のパッチ画像跡が認められる
以上により得られた評価結果を、表2に示す。
【0239】
【表2】
【0240】
表2より明らかなように、本発明に係る構成からなる条件で連続プリントを行うことにより、長期間の使用にわたりカラーバランスの崩れのない優れた画像安定性を有するカラー画像が得られることが判る。
【0241】
実施例2
(トナーの作製)
実施例1で作製したトナー1〜12において、研磨微粒子を表3に記載の特性を有する研磨微粒子である無機微粒子又は複合微粒子を用いて、表4に記載の組み合わせに変更し、各々1質量%添加した以外は同様にして、トナー13〜28を作製した。
【0242】
【表3】
【0243】
【表4】
【0244】
(現像剤の作製)
上記作製したトナー13〜28に、それぞれフェライトキャリアを混合して、トナー濃度として6%の各現像剤を作製し、以降の印字評価に用いた。なお、これらの現像剤の名称は、それぞれ使用したトナー番号に対応して、現像剤13〜28とした。なお、トナー13は実施例1で作製したトナー1と、またトナー17は実施例1で作製したトナー5と同一組成物である。
【0245】
(特性評価)
上記作製した各現像剤13〜28と実施例1で作製した現像剤101〜103及び各感光体を表5に記載の組み合わせで、図3に記載のカラー電子写真画像形成装置(評価機−2)に搭載し、10℃、20%RHの環境下で、黒テストチャートのみを連続で1万枚プリントする実写ランニングテストを行った。プリント開始時のプリント画質及び1万プリント後のプリント画質を目視観察し、また、実施例1の方法でクリーニング性を評価した。更に、下記記載の方法により細線再現性の評価を行った。
【0246】
細線再現性は、等間隔の横線を8.9、8.0、7.0、6.3、5.6、4.0及び3.0本/mm設けた画像を使用し、一万プリント後、細線テスト画像が出力されたプリントにおいて、識別可能な細線の1mm当たりの本数により評価した。
【0247】
以上により得られた結果を、表5に示す。
【0248】
【表5】
【0249】
表5より明らかなように、本発明に係る構成からなる条件で連続プリントを行うことにより、長期間の使用にわたりカラーバランスの崩れのない優れた画像安定性及び細線再現性を有するカラー画像が得られることが判る。ただし、表2に記載の結果に比較すると、研磨微粒子の種類が異なるものは、クリーニング性がやや劣ることが判明した。
【0250】
【発明の効果】
本発明により、長期間の使用にわたり画像安定性に優れたカラー画像形成方法およびカラー画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー電子写真画像形成装置の一例を示す概略構成図。
【図2】画像形成部における現像手段(現像器又は現像装置)の断面図。
【図3】カラー電子写真画像形成装置の他の一例を示す概略構成図。
【図4】カラー電子写真画像形成ユニットの断面構成図。
【符号の説明】
la、lb、lc、ld 静電潜像担持体(電子写真感光体ドラム又は感光体ドラム)
2a、2b、2c、2d 帯電器
6 画像支持体
7 定着部
17 レーザビーム露光装置
10 中間転写体
2la、2lb、2lc、2ld 除電露光ランプ
22a、22b、22c、22d 電位センサー
Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成部
20Y、20M、20C、20K 画像形成ユニット
21Y、21M、21C、21K 感光体ドラム(像形成体)
22Y、22M、22C、22K 帯電手段
23Y、23M、23C、23K 露光手段
24Y、24M、24C、24K 現像手段
25Y、25M、25C、25K クリーニング手段
26Y、26M、26C、26K 枠体
27Y、27M、27C、27K 移動用部材
Claims (17)
- 複数の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、露光、現像及び転写・分離の各工程を経てカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
該現像工程で用いられる黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで一次平均粒径が異なる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体の表面層が、架橋性のシロキサン樹脂を用いて形成されるものである
ことを特徴とするカラー画像形成方法。 - 前記黒現像剤と有彩色現像剤とに含まれる各々の研磨微粒子の一次平均粒径が、下記式1で表される関係であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成方法。
式1
Dbr<Dco
〔式中、Dbrは黒現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径を、Dcoは有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径を表す。〕 - 前記有彩色現像剤が複数種あり、少なくとも2種類の有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径が互いに異なることを特徴とする請求項1又は2記載のカラー画像形成方法。
- 複数の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、露光、現像及び転写・分離の各工程を経てカラー画像を形成するカラー画像形成方法において、
該現像工程で用いられる黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる化合物からなる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体の表面層が、架橋性のシロキサン樹脂を用いて形成されるものである
ことを特徴とするカラー画像形成方法。 - 前記研磨微粒子が、無機微粒子、有機微粒子及び有機微粒子に無機微粒子を固着した複合微粒子から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
- 1種類の現像剤中に複数の研磨微粒子を有し、かつ研磨微粒子の混合比が黒現像剤と有彩色現像剤とで異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
- 前記現像剤の少なくとも1つに含まれるトナーの形状係数が、1.3〜1.8であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
- 前記現像剤の少なくとも1つに含まれるトナーが、角がないトナー粒子を50個数%以上含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のカラー画像形成方法。
- 電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電極、現像器及び転写・分離極を具備した画像形成装置を複数有するカラー画像形成装置において、
該現像器で使用される黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで一次平均粒径が異なる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体は、その表面層に架橋性のシロキサン樹脂を含有するものである
ことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 前記黒現像剤と有彩色現像剤とに含まれる各々の研磨微粒子の一次平均粒径が、下記式1で表される関係を有することを特徴とする請求項9に記載のカラー画像形成装置。
式1
Dbr<Dco
〔式中、Dbrは黒現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径を、Dcoは有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径を表す。〕 - 前記有彩色現像剤が複数種あり、少なくとも2種類の有彩色現像剤に含有される研磨微粒子の一次平均粒径が互いに異なることを特徴とする請求項9又は10に記載のカラー画像形成装置。
- 電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電極、現像器及び転写・分離極を具備した画像形成装置を複数有するカラー画像形成装置において、
該現像器で使用される黒現像剤と有彩色現像剤は、
重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られるトナーを含有するとともに、
黒現像剤と有彩色現像剤とで異なる化合物からなる研磨微粒子を含有し、
黒現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をSbr、有彩色現像剤に含まれる研磨微粒子の形状係数をScoとしたときに、
Sbr<Sco
で表される関係を有するものであり、
該電子写真感光体は、その表面層に架橋性のシロキサン樹脂を含有するものである
ことを特徴とするカラー画像形成装置。 - 前記研磨微粒子が、無機微粒子、有機微粒子及び有機微粒子に無機微粒子を固着した複合微粒子から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 1種類の現像剤中に複数の研磨微粒子を有し、かつ研磨微粒子の混合比が黒現像剤と有彩色現像剤とで異なることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記現像剤の少なくとも1つに含まれるトナーの形状係数が、1.3〜1.8であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面が、純水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記電子写真感光体の表面層が、架橋構造を有していることを特徴とする請求項9〜16のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
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