JP2003330229A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

Info

Publication number
JP2003330229A
JP2003330229A JP2002360632A JP2002360632A JP2003330229A JP 2003330229 A JP2003330229 A JP 2003330229A JP 2002360632 A JP2002360632 A JP 2002360632A JP 2002360632 A JP2002360632 A JP 2002360632A JP 2003330229 A JP2003330229 A JP 2003330229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
image forming
forming method
intermediate transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002360632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4492030B2 (ja
Inventor
Masanari Asano
真生 浅野
Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Satoru Uchino
哲 内野
Shigeki Takeuchi
茂樹 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002360632A priority Critical patent/JP4492030B2/ja
Publication of JP2003330229A publication Critical patent/JP2003330229A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4492030B2 publication Critical patent/JP4492030B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、中間転写体を用いた画像形成方式
のトナーの転写性を改善し、中抜けや文字チリ等の画像
欠陥を発生させない画像形成装置、画像形成方法を提供
することを課題目的にする。 【解決手段】 電子写真感光体上の潜像を現像手段でト
ナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写
する転写工程を有する画像形成方法において、該電子写
真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネ
ルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナー
粒子の形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを
用いてトナー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写
することを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等に用いられる画像形成方法、画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体(以下、単に感光
体とも云う)上のトナー像を最終画像の記録材に転写す
る方式としては、電子写真感光体上に形成されたトナー
像を記録材に直接転写する方式が知られている。一方、
中間転写体を用いた画像形成方式が知られており、この
方式は電子写真感光体から記録材にトナー像を転写する
工程内に、もう一つの転写工程を入れ、電子写真感光体
から中間転写体に一次転写した後、中間転写体の一次転
写像を記録材に二次転写することで最終画像を得る。こ
のうち、上記中間転写方式は、色分解された原稿画像を
ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー等のトナーによ
る減色混合を用いて再現する、いわゆるフルカラー画像
形成装置における各色トナー像の重ね転写方式として採
用されることが多い。
【0003】しかし、上記いずれの方式においても、多
数枚のコピーやプリントを行うと電子写真感光体上や中
間転写体上にトナーフィルミングが発生したり、電子写
真感光体や中間転写体の表面エネルギーが大きくなり、
トナーとの付着力が増大し、電子写真感光体から記録材
或いは中間転写体から記録材へのトナーの転写性が低下
し、最終画像に画像欠陥を発生しやすい。特に中間転写
体を用いる画像形成方式では電子写真感光体から中間転
写体へのトナー像の一次転写を行う一次転写手段の転写
工程と中間転写体から記録材へのトナー像を転写する二
次転写手段の転写工程の2回の転写工程を有することか
ら、転写性の低下は最終画像の品質を著しく低下させ
る。
【0004】即ち、中間転写体を用いる画像形成方式で
トナーの転写性が低下すると、トナー像の一部が転写さ
れない、いわゆる「中抜け」や「文字チリ」を発生しや
すい。特に、感光体上に形成された400dpi(dp
iとは2.54cm当たりのドット数)以上のトナー像
は、「中抜け」や「文字チリ」を発生しやすい。
【0005】この「中抜け」や「文字チリ」の原因とな
る転写性の改善やトナーフィルミングの防止、或いはク
リーニング不良を改善するために、電子写真感光体の表
面層に微粒子を含有させて、表面に凹凸をつけ、感光体
表面のトナーの付着力を低減し、転写性を改良したり、
ブレードとの摩擦力を低減させるなどの技術が検討され
てきた。例えば、感光層にアルキルシルセスキオキサン
樹脂微粒子を含有させることが報告されている(特許文
献1)。しかし、アルキルシルセスキオキサン樹脂微粒
子は吸湿性があり、高湿環境下では感光体の表面の濡れ
性、即ち表面エネルギーが大きくなり、転写性が低下し
やすいといった問題が発生する。一方、感光体表面を低
表面エネルギー化するために、フッ素樹脂粉体を含有さ
せた電子写真感光体が報告されている(特許文献2)。
しかしながらフッ素樹脂粉体では十分な表面強度が得ら
れず、感光体表面の傷に起因したスジ故障は発生し易い
という問題があった。又、微小な凹凸を有する感光体表
面に脂肪酸金属塩を供給して、感光体表面の摩擦トルク
を低減し、クリーニング性を改良する技術が公開されて
いる(特許文献3)。しかしながら、ここに開示された
技術では、感光体表面の接触角のバラツキを少なくし、
上記「中抜け」や「文字チリ」を防止する技術に関して
は何も記載されていない。
【0006】一方、中間転写体の転写性を改善する為に
は、中間転写体に固形の潤滑剤を供給し、中間転写体の
表面エネルギーを低下させる技術が公開されている(特
許文献4、5、6)。しかしながら、このような中間転
写体の表面を制御するだけでは、2回の転写工程を有す
る中間転写体を用いた画像形成方式のトータルの転写性
の改良には、尚不十分であり、特に高温高湿や長期のコ
ピー画像の形成等に対しては尚一層の改善が必要である
ことが見出された。
【0007】一方、電子写真プロセスに目を向けると潜
像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナロ
グ画像形成とLEDやレーザを光源とするデジタル方式
の画像形成に大別される。最近はパソコンのプリンター
として、また通常の複写機においても画像処理の容易さ
や複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像
形成方式が急激に主流となりつつある。
【0008】デジタル方式の画像形成では、コピーのみ
ならず、オリジナル画像を作成する使用法が多くなり、
デジタル方式の電子写真画像形成はより高画質が要求さ
れる傾向にある。
【0009】前記高画質化の要求に対して、形状因子や
粒度分布を制御した小粒径化したトナーを用いて、電子
写真感光体上の潜像を忠実に顕像化する研究が報告され
ている(特許文献7)が、前記中間転写体を用いた画像
形成方式にこのようなトナーを適用しても、トナーの転
写性の向上、クリーニング性の改良効果が当初予想した
程には上がらず、尚中抜けや文字チリが発生しやすい。
【0010】即ち、中間転写体を用いた画像形成方式で
は電子写真感光体及び中間転写体の両方の表面エネルギ
ーをバランス調整し、且つトナーの特性を中間転写方式
に改良することにより、一次転写と二次転写の両方トー
タルのトナーの転写性を改善する事が必要であることが
見出された。
【0011】
【特許文献1】特開平5−181291号公報
【0012】
【特許文献2】特開昭63−56658号公報
【0013】
【特許文献3】特開2001−265040号公報
【0014】
【特許文献4】特開平6−337598号公報
【0015】
【特許文献5】特開平6−332324号公報
【0016】
【特許文献6】特開平7−271142号公報
【0017】
【特許文献7】特開2000−214629号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
従来技術の問題点を解決して、中間転写体を用いた画像
形成方式のトナーの転写性を改善し、中抜けや文字チリ
等の画像欠陥を発生させない画像形成装置、画像形成方
法を提供することを課題目的にする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
について検討を重ねた結果、中間転写体を用いた画像形
成方式のトナーの転写性を改善し、中抜けや文字チリ等
の画像欠陥を防止する為には、電子写真感光体の表面を
均一な低表面エネルギー状態にし、且つトナー像を形成
するトナーの表面形状や粒度分布が均一なトナー粒子を
用いることにより、電子写真感光体から中間転写体への
トナー像の場所による転写のバラツキを小さくできるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0020】本発明の目的は、以下の構成を持つことに
より達成される。 1.電子写真感光体上の潜像を現像手段でトナー像と
し、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写する転写
工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体
の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネルギー低
下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナー粒子の形
状係数の変動係数が16%以下であるトナーを用いてト
ナー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写すること
を特徴とする画像形成方法。
【0021】2.電子写真感光体上の潜像を現像手段で
トナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転
写する転写工程を有する画像形成方法において、該電子
写真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エ
ネルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、形状
係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数
%以上含有するトナーを用いてトナー像を形成し、記録
材又は中間転写体に転写することを特徴とする画像形成
方法。
【0022】3.電子写真感光体上の潜像を現像手段で
トナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転
写する転写工程を有する画像形成方法において、該電子
写真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エ
ネルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、角が
ないトナー粒子を50個数%以上含有するトナーを用い
てトナー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写する
ことを特徴とする画像形成方法。
【0023】4.電子写真感光体上の潜像を現像手段で
トナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転
写する転写工程を有する画像形成方法において、該電子
写真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エ
ネルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナ
ー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnD
を横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に
分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける
最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m 1)と、
前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒
子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上である
トナーを用いてトナー像を形成し、記録材又は中間転写
体に転写することを特徴とする画像形成方法。
【0024】5.電子写真感光体上の潜像を現像手段で
トナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転
写する転写工程を有する画像形成方法において、該電子
写真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エ
ネルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナ
ー粒子の個数変動係数が27%以下のトナーを用いてト
ナー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写すること
を特徴とする画像形成方法。
【0025】6.前記表面エネルギー低下剤の付与によ
り、電子写真感光体表面の接触角のバラツキが±0.5
°であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に
記載の画像形成方法。
【0026】7.前記接触角が90〜120°であるこ
とを特徴とする前記6に記載の画像形成方法。
【0027】8.前記表面エネルギー低下剤が脂肪酸金
属塩であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項
に記載の画像形成方法。
【0028】9.前記脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛
であることを特徴とする前記8に記載の画像形成方法。
【0029】10.前記電子写真感光体の表面を原子間
力顕微鏡を用いて測定した5μm四方の平均面粗さ(R
a)が1.5nm以上100nm以下であることを特徴
とする前記1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方
法。
【0030】11.前記電子写真感光体の十点平均粗さ
(Rz)が0.2〜2.0μmであることを特徴とする
前記1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0031】12.前記トナーが重合トナーであること
を特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の画像
形成方法。
【0032】13.前記トナーの個数平均粒径が3.0
〜8.5μmであることを特徴とする前記1〜12のい
ずれか1項に記載の画像形成方法。
【0033】14.前記表面エネルギー低下剤が剤付与
手段により電子写真感光体の表面に供給されることを特
徴とする前記1〜13のいずれか1項に記載の画像形成
方法。
【0034】15.前記転写工程がトナー像を中間転写
体に転写する一次転写手段と、該中間転写体に転写され
たトナー像を記録材に転写する二次転写手段とを有する
ことを特徴とする前記1〜14のいずれか1項に記載の
画像形成方法。
【0035】16.前記1〜15のいずれか1項に記載
の画像形成方法を用い、電子写真画像を形成することを
特徴とする画像形成装置。
【0036】即ち、本発明の上記構造をとることによ
り、中抜けや文字チリの発生を防止し、鮮鋭性の良好な
電子写真画像を形成することができる。
【0037】以下、本発明について、詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装
置の断面構成図である。
【0038】このカラー画像形成装置は、タンデム型カ
ラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形
成部10Y,10M,10C,10Kと、無端ベルト状
中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手
段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、
原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
【0039】イエロー色の画像を形成する画像形成部1
0Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y
の周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像
手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、
クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形
成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのド
ラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現
像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5
M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を
形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としての
ドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、
現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5
C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成す
る画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム
状の感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手
段4K、一次転写手段としての一次転写ローラ5K、ク
リーニング手段6Kを有する。
【0040】無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複
数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導
電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端
ベルト状中間転写体70を有する。
【0041】画像形成部10Y,10M,10C,10
Kより形成された各色の画像は、一次転写手段としての
一次転写ローラ5Y,5M,5C,5Kにより、回動す
る無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合
成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内
に収容された記録材(定着された最終画像を担持する支
持体:例えば普通紙、透明シート等)としての用紙P
は、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ2
2A,22B,22C,22D、レジストローラ23を
経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aに搬送
され、用紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写さ
れる。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段24
により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外
の排紙トレイ26上に載置される。
【0042】一方、二次転写手段としての二次転写ロー
ラ5Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙P
を曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリー
ニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
【0043】画像形成処理中、一次転写ローラ5Kは常
時、感光体1Kに圧接している。他の一次転写ローラ5
Y,5M,5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対
応する感光体1Y,1M,1Cに圧接する。
【0044】二次転写ローラ5Aは、ここを用紙Pが通
過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間
転写体70に圧接する。
【0045】また、装置本体Aから筐体8を支持レール
82L,82Rを介して引き出し可能にしてある。
【0046】筐体8は、画像形成部10Y,10M,1
0C,10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と
から成る。
【0047】画像形成部10Y,10M,10C,10
Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y,1
M,1C,1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写
体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写
体ユニット7は、ローラ71,72,73,74を巻回
して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写
ローラ5Y,5M,5C,5K、及びクリーニング手段
6Aとから成る。
【0048】図2は中間転写体のクリーニング手段の一
例である。中間転写体のクリーニング手段6Aは図2で
示されるように支軸63の周りに回転可能に制御される
ブラケット62に取り付けられたブレード61で構成さ
れ、バネ荷重或いは重り荷重を変えることにより、ロー
ラ71へのブレード押圧力を調整することが出来るよう
にしてある。
【0049】筐体8の引き出し操作により、画像形成部
10Y,10M,10C,10Kと、無端ベルト状中間
転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き
出される。
【0050】筐体8の図示左側の支持レール82Lは、
無端ベルト状中間転写体70の左方で、定着手段24の
上方空間部に配置されている。筐体8の図示右側の支持
レール82Rは、最下部の現像手段4Kの下方付近に配
置されている。支持レール82Rは、現像手段4Y,4
M,4C,4Kを筐体8に着脱する動作に支障を来さな
い位置に配置されている。
【0051】筐体8の感光体1Y,1M,1C,1Kの
図示右方は、現像手段4Y,4M,4C,4Kにより囲
まれ、図示下方は、帯電手段2Y,2M,2C,2K、
及びクリーニング手段6Y,6M,6C,6K等により
囲まれ、図示左方は、無端ベルト状中間転写体70によ
り囲まれている。
【0052】その中で感光体、クリーニング手段及び帯
電手段等は一つの感光体ユニットを形成し、現像手段及
びトナー補給装置等は一つの現像ユニットを形成してい
る。
【0053】図3は感光体と無端ベルト状中間転写体と
一次転写ローラとの位置関係を示す配置図である。一次
転写ローラ5Y,5M,5C,5Kを中間転写体として
の無端ベルト状中間転写体70の背面から各感光体1
Y,1M,1C,1Kへ押圧するが、図3の配置図にも
示すように、押圧しない時の中間転写体としての無端ベ
ルト状中間転写体70と各感光体1Y,1M,1C,1
Kとの接触点よりも感光体回転方向下流側に一次転写ロ
ーラ5Y,5M,5C,5Kを配置し各感光体1Y,1
M,1C,1Kへ押圧する。このとき中間転写体として
の無端ベルト状中間転写体70は各感光体1Y,1M,
1C,1Kの外周に沿うように曲げられ、感光体と無端
ベルト状中間転写体70の接触領域の最も下流側に一次
転写ローラ5Y,5M,5C,5Kが配置される構成と
なる。
【0054】図4はバックアップローラと無端ベルト状
中間転写体と二次転写ローラとの位置関係を示す配置図
である。二次転写ローラ5Aは図4の配置図にも示すよ
うに、該二次転写ローラ5Aで押圧しない時の中間転写
体としての無端ベルト状中間転写体70とバックアップ
ローラ74との接触中央部よりもバックアップローラ7
4の回転方向上流側に配置されていることが望ましい。
【0055】中間転写体は、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、PVdF等の高分子フィルムや、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導
電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられ、
ドラム状、ベルト状どちらでもよいが、装置設計の自由
度の観点からベルト状が好ましい。
【0056】又、中間転写体の表面は、適当に粗面化さ
れていることが好ましい。中間転写体の十点平均粗さ
(Rz)を0.5〜2.5μmにすることにより、感光
体に供給された表面エネルギー低下剤を中間転写体表面
に取り込み、中間転写体上のトナー付着力を低下させ、
中間転写体から記録材へのトナーの二次転写の転写率を
向上させることが容易になる。この場合、中間転写体の
十点平均粗さ(Rz)が感光体の十点平均粗さ(Rz)
より、大きい方が効果が大きい傾向にある。
【0057】以上、図1〜図4では、中間転写体を用い
た画像形成装置で説明したが、本発明では、中間転写体
を用いないで、感光体上のトナー像を直接記録材に転写
する画像形成装置に適用してもよい。
【0058】又、本発明で、電子写真感光体の表面に表
面エネルギー低下剤を付与しながらとは、電子写真の画
像形成中に表面エネルギー低下剤を継続して、動作中の
感光体表面に供給することであり、継続して供給するこ
とにより、表面接触角及びそのバラツキを、小さくした
ままの状態に保持することができる。又、継続して供給
するとは、画像形成の開始から終了まで常に供給しても
よいが、開始時、終了時に供給が一時的に中止されても
よく、又、何らかの理由で表面エネルギー低下剤が過剰
に供給された場合は、画像形成中でも、一時的に供給が
中断されてもよい。
【0059】本発明は電子写真感光体の表面に含水率が
5質量%以下の表面エネルギー低下剤を付与しながら、
電子写真感光体上の潜像を現像し、トナー像として顕像
化することを特徴とするが、表面エネルギー低下剤を感
光体に付与する方法は、現像剤に表面エネルギー低下剤
を混合して、現像剤から感光体に付与する方法もある
が、本発明ではこのような方法とは異なる方法を用いる
ことが好ましい。即ち、表面エネルギー低下剤を現像剤
に混合する場合は、該混合により、トナーの帯電特性、
流動性等の現像特性に影響を与え、十分な混合量を達成
することが困難であり、又、本発明のトナーとの関係で
いえば、現像剤に表面エネルギー低下剤を混合すること
により、中抜けや、文字チリの発生防止効果が著しく低
下しやすく、以下に記すような現像剤混合とは異なる手
段、方法を用いることが好ましい。
【0060】即ち、本発明は電子写真感光体の表面に表
面エネルギー低下剤を供給する剤付与手段を有すること
が好ましい。剤付与手段は電子写真感光体周辺の適当な
位置に設置することができるが、設置空間を有効利用す
るには、図1記載の帯電手段、現像手段、クリーニング
手段の一部を利用して、設置しても良い。以下、クリー
ニング手段に剤付与手段を併用した例を挙げる。
【0061】図5は本発明の感光体に設置されるクリー
ニング手段の構成図である。該クリーニング手段は図1
の6Y,6M,6C,6K等のクリーニング手段として
用いられる。図5のクリーニングブレード66Aが支持
部材66Bに取り付けられている。該クリーニングブレ
ードの材質としてはゴム弾性体が用いられ、その材料と
してはウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロ
ロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、こ
れらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が
優れている点で特に好ましい。
【0062】一方、支持部材66Bは板状の金属部材や
プラスチック部材で構成される。金属部材としてはステ
ンレス鋼板、アルミ板、或いは制震鋼板等が好ましい。
【0063】本発明において、感光体表面に圧接するク
リーニングブレードの先端部は、感光体の回転方向と反
対方向(カウンター方向)に向けて負荷をかけた状態で
圧接することが好ましい。図5に示すようにクリーニン
グブレードの先端部は感光体と圧接するときに、圧接面
を形成することが好ましい。
【0064】クリーニングブレードの感光体への当接荷
重P、当接角θの好ましい値としては、P=5〜40N
/m、θ=5〜35°である。
【0065】当接荷重Pはクリーニングブレード66A
を感光体ドラム1に当接させたときの圧接力P′の法線
方向ベクトル値である。
【0066】又当接角θは感光体の当接点Aにおける接
線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)との
なす角を表す。66Eは支持部材を回転可能にする回転
軸であり、66Gは荷重バネを示す。
【0067】又、前記クリーニングブレードの自由長L
は図5に示すように支持部材66Bの端部Bの位置から
変形前のブレードの先端点の長さを表す。該自由長の好
ましい値としてはL=6〜15mm、である。クリーニ
ングブレードの厚さtは0.5〜10mmが好ましい。
ここで、本発明のクリーニングブレードの厚さとは図5
に示すように支持部材66Bの接着面に対して垂直な方
向を示す。
【0068】図5のクリーニング手段には剤付与手段を
兼ねたブラシロール66Cが用いられている。該ブラシ
ロールは感光体1に付着したトナーの除去、クリーニン
グブレード66Aで除去されたトナーの回収機能と共
に、表面エネルギー低下剤を感光体に供給する剤付与手
段としての機能を有する。即ち該ブラシロールは感光体
1と接触し、その接触部においては感光体と進行方向が
同方向に回転し、感光体上のトナーや紙粉を除去すると
共に、クリーニングブレード66Aで除去されたトナー
を搬送し、搬送スクリュー66Jに回収する。この間の
経路はブラシロール66Cに除去手段としてのフリッカ
66Iを当接させることにより、感光体1からブラシロ
ール66Cに転移したトナー等の除去物を除去すること
が好ましい。更にこのフリッカに付着したトナーをスク
レーパ66Dで除去し、トナーを搬送スクリュー66J
に回収する。回収されたトナーは廃棄物として外部に取
り出されるか、或いはトナーリサイクル用のリサイクル
パイプ(図示せず)を経由して現像器に搬送され再利用
される。フリッカ66Iの材料としてはステンレス、ア
ルミニウム等の金属管が好ましく用いられる。一方、ス
クレーパ66Dとしては、リン青銅板、ポリエチレンテ
レフタレート板、ポリカーボネート板等の弾性板が用い
られ、先端がフリッカの回転方向に対し鋭角を形成する
カウンター方式で当接させるのが好ましい。
【0069】又、表面エネルギー低下剤(ステアリン酸
亜鉛等の固形素材)66Kはブラシロールにバネ荷重6
6Sで押圧されて取り付けられており、ブラシは回転し
ながら、該表面エネルギー低下剤を擦過して、感光体の
表面に表面エネルギー低下剤を供給する。
【0070】ブラシロール66Cとしては導電性又は半
導電性体のブラシロールが用いられる。
【0071】本発明で用いられるブラシロールのブラシ
構成素材は、任意のものを用いることができるが、疎水
性で、かつ誘電率が高い繊維形成性高分子重合体を用い
るのが好ましい。このような高分子重合体としては、例
えばレーヨン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエス
テル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重
合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコ
ーン−アルキッド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹
脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリビニルアセタール
(例えばポリビニルブチラール)等が挙げられる。これ
らのバインダ樹脂は単独であるいは2種以上の混合物と
して用いることができる。特に、好ましくはレーヨン、
ナイロン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリプロピレ
ンである。
【0072】また、前記ブラシは、導電性又は反導電性
のものが用いられ、構成素材にカーボン等の低抵抗物質
を含有させ、任意の比抵抗に調整したものが使用でき
る。
【0073】ブラシロールのブラシ毛の比抵抗は、常温
常湿(温度26℃、相対湿度50%)で、長さ10cm
の1本のブラシ毛の両端に500Vの電圧を印加した状
態で測定して、101Ωcm〜106Ωcmの範囲内のも
のが好ましい。
【0074】即ち、ブラシロールはステンレス等の芯材
に101Ωcm〜106Ωcmの比抵抗を持つ導電性又は
半導電性のブラシ毛を用いることが好ましい。101Ω
cmよりも比抵抗が低いと、放電によるバンディング等
が発生しやすくなる。また、106Ωcmよりも高い
と、感光体との電位差が低くなって、クリーニング不良
が発生しやすくなる。
【0075】ブラシロールに用いるブラシ毛1本の太さ
は、5〜20デニールが好ましい。5デニールに満たな
いと、十分な擦過力が無いため表面付着物を除去できな
い。また、20デニールより大きいと、ブラシが剛直に
なるため感光体の表面を傷つける上に摩耗を進行させ、
感光体の寿命を低下させる。
【0076】ここでいう「デニール」とは、前記ブラシ
を構成するブラシ毛(繊維)の長さ9000mの質量を
g(グラム)単位で測定した数値である。
【0077】前記ブラシのブラシ毛密度は、4.5×1
2/cm2〜2.0×104/cm2(1平方センチあた
りのブラシ毛数)である。4.5×102/cm2に満た
ないと、剛直度が低く擦過力が弱い上に、擦過にムラが
でき、付着物を均一に除去することができない。2.0
×104/cm2より大きいと、剛直になって擦過力が強
くなるために感光体を摩耗させ、感度低下によるカブリ
や傷による黒スジ等の不良画像が発生する。
【0078】本発明で用いられるブラシロールの感光体
に対する食い込み量は0.4〜1.5mmに設定される
のが好まく、0.5〜1.2mmがより好ましい。この
食い込み量は、感光体ドラムとブラシロールの相対運動
によって発生するブラシにかかる負荷を意味する。この
負荷は、感光体ドラムから見れば、ブラシから受ける擦
過力に相当し、その範囲を規定することは、感光体が適
度な力で擦過されることが必要であることを意味する。
【0079】この食い込み量とはブラシを感光体に当接
したとき、ブラシ毛が感光体表面で曲がらずに、直線的
に内部に進入したと仮定した時の内部への食い込み長さ
を云う。
【0080】表面エネルギー低下剤が供給された感光体
ではブラシによる感光体表面の擦過力が小さいため、食
い込み量が、0.4mmより小さいと、トナーや紙粉な
どの感光体表面へのフィルミングを抑制することができ
ず、画像上でムラなどの不良が発生する。一方、1.5
mmより大きいと、ブラシによる感光体表面の擦過力が
大きすぎるために、感光体の摩耗量が大きくなり、感度
低下によるカブリが発生したり、感光体表面に傷が発生
し、画像上にスジ故障が発生したりして問題である。
【0081】本発明のブラシロールに用いられるロール
部の芯材としては、主としてステンレス、アルミニウム
等の金属、紙、プラスチック等が用いられるが、これら
により限定されるものではない。
【0082】本発明で用いられるブラシロールは円柱状
の芯材の表面に接着層を介してブラシを設置した構成で
あることが好ましい。
【0083】ブラシロールは、その当接部分が感光体の
表面と同方向に移動するように回転するのが好ましい。
該当接部分が逆方向に移動すると、感光体の表面に過剰
なトナーが存在した場合に、ブラシロールにより除去さ
れたトナーがこぼれて記録材や装置を汚す場合がある。
【0084】感光体とブラシロールとが前記のように、
同方向に移動する場合に、両者の表面速度比は1対1.
1〜1対2の範囲内の値であることが好ましい。ブラシ
ロールの回転速度が感光体よりも遅いとブラシロールの
トナー除去能力が低下するためにクリーニング不良が発
生しやすく、感光体よりも速いとトナー除去能力が過剰
となってブレードバウンディングやめくれが発生しやす
くなる。
【0085】本発明は上記のような中間転写体を有する
画像形成装置において、含水率が5.0質量%以下の表
面エネルギー低下剤を電子写真感光体表面に付与するた
め、剤付与手段を電子写真感光体の表面に当接させたこ
とを特徴とする。
【0086】ここで表面エネルギー低下剤とは電子写真
感光体の表面に付着し、電子写真感光体の表面エネルギ
ーを低下させる物質を云い、具体的には表面に付着する
ことにより、電子写真感光体の表面の接触角(純水に対
する接触角)を1°以上増加させる材料を云う。
【0087】接触角及び接触角のバラツキ測定 本発明の接触角とは感光体表面への純水に対する接触角
を云う。感光体の接触角は純水に対する接触角を接触角
計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて3
0℃80%RHの環境下で測定する。
【0088】接触角のバラツキの測定は30℃80%R
Hの環境下で測定する。測定は感光体が画像形成になじ
み、感光体表面に表面エネルギー低下剤が十分に付与さ
れた時点(少なくとも1000枚以上の繰り返し画像形
成後)に行う。測定個所は円筒状感光体の中央部、左右
端部から5cmの位置の3カ所について、それぞれ円周
方向90°づつの4カ所、計12カ所を測定し、この平
均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく
正又は負にずれた値をバラツキの値とした。
【0089】又、本発明では上記感光体の接触角のバラ
ツキが±5°であることが好ましく、より好ましくは±
4°、最も好ましくは±3°である。接触角のバラツキ
が±5°の範囲を超えると、ハーフトーンむらが発生し
やすく、中抜けや文字チリ等も発生しやすい。
【0090】ところで、表面エネルギー低下剤としては
脂肪酸金属塩或いはフッ素系樹脂が挙げられるが、これ
らの素材は、該素材中の親水性基や不純物成分の為、高
温高湿条件で、含水量が多くなりやすい。この含水量が
多くなると、これら表面エネルギー低下剤が均一に感光
体の表面に延展されず、前記した本発明の効果を十分に
発揮させ得ない。本発明に用いられる表面エネルギー低
下剤はこの高温高湿条件の30℃80%RHの環境下
で、含水量が5.0質量%以下であることにより、感光
体表面に表面エネルギー低下剤が均一に延展され、本発
明の効果を十分に発揮することができる。
【0091】又、表面エネルギー低下剤としては、電子
写真感光体の表面の接触角(純水に対する接触角)を1
°以上増加させる材料であれば、脂肪酸金属塩或いはフ
ッ素系樹脂等の材料に限定されない。
【0092】本発明に用いられる表面エネルギー低下剤
としては、感光体表面への延展性及び均一な膜形成性能
を有する材料として脂肪酸金属塩が最も好ましい。該脂
肪酸金属塩は、炭素数10以上の飽和又は不飽和脂肪酸
の金属塩が好ましい。たとえばステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸インジウム、ステアリン酸ガリウム、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、パルチミン
酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム等が挙げら
れ、より好ましくはステアリン酸金属塩である。
【0093】上記脂肪酸金属塩の中でも特にフローテス
ターの流出速度が高い脂肪酸金属塩は劈開性が高く、本
発明の前記感光体表面でより効果的に脂肪酸金属塩の層
を形成することができる。流出速度の範囲としては1×
10-7以上1×10-1以下が好ましく、5×10-4以上
1×10-2以下であると最も好ましい。フローテスター
の流出速度の測定は島津フローテスター「CFT−50
0」(島津製作所(株)製)を用いて測定した。
【0094】又、上記固形材料の他の例としてはポリフ
ッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ
素樹脂粉末が好ましい。これらの固形材料は必要に応じ
て圧力をかけ、板状或いは棒状ににして用いることが好
ましい。
【0095】一方、含水率の測定は、表面エネルギー低
下剤の場合はこの素材をシャーレに入れ、30℃、80
%RHに24時間放置後、カールフィッシャー水分率計
(京都電子工業(株)製;MKA−3p)を用いて測定
する。
【0096】本発明の表面エネルギー低下剤は含水率を
5.0質量%以下にする方法としては、材料中の親水成
分や不純物の制御、例えば精製や疎水化処理により、高
温高湿(30℃80%RH)下の水分量の低減の他に、
水分調整剤の混入、高温乾燥処理等により達成できる。
上記水分量の含水率は好ましくは0.01〜5.0質量
%、更には0.05〜3.0質量%が良い。0.01質
量%より小さいと却って複写中の温度上昇等による環境
変動、特に像担持体の場所による湿度に左右され易かっ
たり、また材料の選択や疎水性処理が難しい。含水量が
5.0質量%より大きいと感光体表面に表面エネルギー
剤が均一に延展しにくく、感光体表面の接触角がバラル
キやすく、中抜けや文字チリが発生しやすい。
【0097】本発明は電子写真感光体の表面に感光層の
膜厚やトナーの大きさに比し非常に小さい凹凸を設ける
ことが好ましい。即ち、本発明は原子間力顕微鏡を用い
て測定した5μm四方の平均面粗さ(Ra)が1.5n
m以上100nm以下となるような表面層を有する電子
写真感光体に含水量が小さい表面エネルギー低下剤を供
給し、感光体表面に均一に表面エネルギー低下剤の薄膜
を効果的に形成し、接触角の位置によるバラツキを小さ
くして、文字チリや中抜けを防止し、鮮鋭性の良好な電
子写真画像を得ることができる。
【0098】以下、原子間力顕微鏡を用いて測定した5
μm四方の平均面粗さ(Ra)が1.5nm以上100
nm以下となるような表面層を有する電子写真感光体の
具体的な実現手段について以下に記述する。
【0099】本発明の感光体表面粗さは原子間力顕微鏡
を用いて測定される。この測定方法を以下に説明する。
【0100】原子間力顕微鏡(AFM):走査型プロー
ブ顕微鏡SPI3800N、多機能型ユニットSPA4
00(セイコーインスツルメンツ(株)製) 測定モード:ダイナミックフォースモード(DFMモー
ド) カンチレバー:SI−DF20(シリコン製バネ定数2
0N/m、固有周波数135KHz) 測定エリア:5×5μm 前記DFMモードとはある周波数(カンチレバーに固有
の周波数)でカンチレバーを振動させ、近づいてくる試
料に対し、間欠的に接触し振動振幅の減少によって表面
の形状を表示するモード。このDFMモードは感光体表
面に非接触で測定するため感光体表面を傷つけることな
く、元の形状を保ったまま測定できる。
【0101】平均面粗さ(Ra):JISB601で定
義されている中心線粗さRaを測定面に対し適用できる
よう三次元に拡張したもので「基準面から指定面までの
偏差の絶対値を平均した値」であり下式により表され
る。
【0102】
【数1】
【0103】指定面とは全測定面であり、本発明では5
μm四方の測定面(XY平面)を表す。
【0104】全測定面Zは次式で求められる。 Z=F(X,Y) S0は次式で求められる。
【0105】S0=X×Y 基準面:Zデータの平均値をZ0とするとZ=Z0で表さ
れる面(XY平面と平行)Z0は次式で求められる。
【0106】
【数2】
【0107】次に、このような表面形状を有する感光体
の構成について記載する。本発明の感光体の表面層に
は、個数平均粒径5〜500nmの微粒子を添加するの
が好ましい。上記のような微粒子を添加することによ
り、原子間力顕微鏡を用いて測定した5μm四方の平均
面粗さ(Ra)が1.5nm以上100nm以下の表面
層を作製できる。このような微粒子は前記したポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の表面エ
ネルギー低下剤としての機能を有する微粒子でもよい
が、個数平均粒径5〜500nmの疎水化処理を行った
無機微粒子(例えば特開平8−248663号記載の)
を感光体の表面層に分散、含有させて表面粗さを調整す
ることが好ましい。又、無機微粒子を疎水化する方法と
しては、チタンカップリング剤・シランカップリング剤
・高分子脂肪酸またはその金属塩等の疎水化処理剤によ
り処理する方法を利用することができる。
【0108】無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸
化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸カル
シウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化
クロム、ベンガラ等の微粒子が挙げられる。
【0109】前記したように、無機微粒子は疎水化処理
が成されている方が好ましい。該疎水化処理は無機微粒
子と疎水化処理剤とを高温度下で反応させて行うことが
できる。前記疎水化処理剤としては、特に制限はなく、
例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシ
ラン、デシルシラン、ジアルキルジハロゲン化シラン、
トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン
化シラン等のシランカップリング剤やジメチルシリコン
オイルなどが挙げられる。前記疎水化処理剤の量として
は、前記微粒子等の種類等により異なり、一概に規定す
ることはできないが、一般的にはその量が増せば疎水化
度は高くなる。又、例えば再沈や加熱処理等により、吸
湿性物質を除去するのも有効である。
【0110】上記微粒子としては、ポリメタクリレー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロ
エチレン等の有機微粒子でもよい。
【0111】尚、上記個数平均粒径は透過型電子顕微鏡
観察によって2000倍に拡大し、ランダムに100個
の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェ
レ方向平均径としての測定値である。
【0112】又、本発明の電子写真感光体は、前記5μ
m四方の平均面粗さ(Ra)に加えて、十点平均粗さ
(Rz)が0.2〜2.0μmであることが好ましく、
0.2〜1.8μmがより好ましい。RaとRzの両方
の条件を、上記の範囲内にすることにより、感光体と中
間転写体の接触面での押圧力を緩和でき、感光体から中
間転写体へのトナー像の転写性が向上し、中抜けの発生
や文字チリの発生、鮮鋭性の劣化を防止することができ
る。
【0113】電子写真感光体の十点平均粗さ(Rz)
(十点平均粗さ(Rz)の定義と測定法) 本発明のRzはJISB0601−1982に記載の基
準長0.25mmの値を意味する。即ち、基準長0.2
5mmの距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下
位から5つの谷底の平均低さとの差である。
【0114】後述の実施例では、十点平均粗さ(Rz)
を表面粗さ計(小坂研究所社製 Surfcorder
SE−30H)で測定した。但し、誤差範囲内で同一
の結果を生じる測定器であれば、他の測定器を用いても
良い。
【0115】前記電子写真感光体の十点平均粗さ(R
z)を0.2〜2.0μmに調整する方法としては、電
子写真感光体を構成する支持体表面粗さや電子写真感光
体の表面層の粗さを調整することで可能となる。特に、
電子写真感光体の表面層を構成する層に種々の微粒子を
含有させて、表面粗さを調整する方法が有効である。
【0116】前記感光体の十点平均粗さ(Rz)を0.
2〜2.0μmの範囲内に制御する方法としては該感光
体を構成する導電性支持体の表面粗さを適当に荒らすこ
とが効果的である。
【0117】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0118】本発明に用いられる導電性支持体の粗面化
状態は、十点平均表面粗さRzで、0.5μmより大き
く、5.0μmを超えないものが好ましい。更に好まし
くは0.5μm以上4.0μm以下である。このような
表面粗さを有する支持体の上に後記する中間層や感光層
を塗布する事により、表面の粗さを調整することができ
る。
【0119】導電性支持体の粗面化状態は、十点平均表
面粗さRzで、0.5μmより大きく、5.0μmを超
えないものに調整する方法としては、切削工具などで支
持体表面を削り粗面化する方法や、微細な粒子を支持体
表面に衝突させることによるサンドブラスト加工の方
法、特開平4−204538号に記載の氷粒子洗浄装置
による加工の方法、特開平9−236937号に記載の
ホーニング加工の方法がある。また、陽極酸化法やアル
マイト処理法、バフ加工法、あるいは、特開平4−23
3546号に記載のレーザ溶発法による方法、特開平8
−1502号に記載の研磨テープによる方法や、特開平
8−1510号に記載のローラバニシング加工の方法等
が挙げられる。しかし、支持体の表面を荒らす方法とし
てはこれらに限定されるものではない。
【0120】又、感光体の表面を荒らす他の方法として
は感光体の表面層に個数平均粒径0.5〜5μmの微粒
子を添加する方法が考えられる。例えば、前記した特開
平8−248663号記載の様に疎水化処理を行った無
機微粒子を感光体の表面層に分散して含有させることに
より感光体の十点平均粗さを前記範囲に調整することが
可能である。
【0121】次に、本発明の感光体について記載する。
本発明において、感光体とは電子写真画像形成に用いら
れる電子写真感光体であり、中でも有機電子写真感光体
(有機感光体)を用いた場合に本発明の効果が顕著に表
れる。有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可
欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の
機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体
を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物
質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能
を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感
光体を全て含有する。
【0122】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。 導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0123】本発明の円筒状導電性支持体とは回転する
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0124】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0125】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0126】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0127】又本発明に好ましく用いられる中間層はシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金
属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層
が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚
は、0.1〜5μmが好ましい。
【0128】又、本発明に好ましく用いられる中間層と
しては疎水化表面処理を行った酸化チタン微粒子(平均
粒径が0.01〜1μm)をポリアミド樹脂等のバイン
ダーに分散させた中間層が挙げられる。該中間層の膜厚
は、1〜15μmが好ましい。
【0129】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0130】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0131】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0132】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0133】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0134】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0135】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0136】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。これらCTLのバインダーとして最も好ましいも
のはポリカーボネート樹脂である。又、電荷輸送層の膜
厚は10〜40μmが好ましい。
【0137】保護層 感光体の保護層として、各種樹脂層を設けることができ
る。特に架橋系の樹脂層を設けることにより、本発明の
機械的強度の強い有機感光体を得ることができる。
【0138】次に、本発明のトナーについて説明する。
本発明のトナーは、 トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、 トナー粒子の形状係数が1.2〜1.6の範囲にある
トナー粒子の割合が65個数%以上、 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上、 トナー粒子の個数粒度分布における個数変動係数が2
7%以下、 トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数
lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の
階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに
おける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数
(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含ま
れるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70
%以上である。
【0139】即ち、本発明では、感光体の表面に表面エ
ネルギー低下剤を供給しながら、上記〜の少なくと
も1つ以上の条件を満たしたトナーを含有する現像剤
で、感光体に形成された潜像を現像し、顕像化したトナ
ー像を中間転写体に転写し、更に中間転写体から記録材
に転写し、その後のトナー像の定着により得られた画像
には、中抜けや、文字チリ等の画像欠陥が改善され、更
に感光体や中間転写体のクリーニング性を向上させるこ
とができる。そして、特に上記〜の全ての条件を満
たしたトナーを用いることが最も好ましい。
【0140】以下、上記〜のトナーについて説明す
る。 トナーの形状係数(=トナー粒子の形状係数) トナー粒子の形状係数は、下記式により示されるもので
あり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0141】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0142】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係
数を上記算出式にて測定したものである。
【0143】本発明のトナーは、この形状係数が1.2
〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以
上であり、好ましくは、70個数%以上である。
【0144】即ち、本発明では、感光体の表面に表面エ
ネルギー低下剤を供給しながら、形状係数が1.2〜
1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上
含有する現像剤で、感光体に形成された潜像を現像し、
顕像化したトナー像を中間転写体に転写し、更に中間転
写体から記録材に転写し、その後のトナー像の定着によ
り得られた画像には、中抜けや、文字チリ等の画像欠陥
が改善され、更に感光体や中間転写体のクリーニング性
を向上させることができる。
【0145】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴
霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による
機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを
溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等によ
り、形状係数を1.2〜1.6にしたトナー粒子を調製
し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるよう
に添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法
トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数
を1.2〜1.6に調整したトナー粒子を同様に通常の
トナーへ添加して調整する方法がある。
【0146】上記方法の中では重合法トナー(重合トナ
ーとも云う)が製造方法として簡便である点と、粉砕ト
ナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0147】重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂
の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの
重合、及びその後の化学的処理により形成されるて得ら
れるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化
重合等の重合反応と必要により、その後に行われる粒子
同士の融着工程を経て得られるトナーを意味する。重合
トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後に重合
させトナーを製造することから、トナーの粒度分布、及
び形状が均一なトナーが得られる。
【0148】トナーの形状係数の変動係数(=トナー粒
子の形状係数の変動係数) 本発明のトナー粒子の「形状係数の変動係数」は下記式
から算出される。
【0149】変動係数=〔S/K〕×100(%) 〔式中、S1は100個のトナー粒子の形状係数の標準
偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕 本発明のトナーは、この形状係数の変動係数が16%以
下であり、好ましくは14%以下である。
【0150】即ち、本発明では、感光体の表面に表面エ
ネルギー低下剤を供給しながら、形状係数の変動係数が
16%以下であるトナーを用いた現像剤で、感光体に形
成された潜像を現像し、顕像化したトナー像を中間転写
体に転写し、更に中間転写体から記録材に転写し、その
後のトナー像の定着により得られた画像には、中抜け
や、文字チリ等の画像欠陥が改善され、更に感光体や中
間転写体のクリーニング性を向上させることができる。
【0151】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する
ために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒
子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御さ
せる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色
粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時
期を決めてもよい。
【0152】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0153】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0154】 トナーの個数変動係数(=トナー粒子の個数変動係数) 本発明のトナー粒子の個数粒度分布および個数変動係数
はコールターカウンターTA−あるいはコールターマル
チサイザー(コールター社製)で測定されるものであ
る。本発明においてはコールターマルチサイザーを用
い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機
製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパー
チャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上
のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒
径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナ
ー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径と
は、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。トナー粒子の「個数粒度分布における個数変動係
数」は下記式から算出される。
【0155】 個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%) 〔式中、S2は個数粒度分布における標準偏差を示し、
nは個数平均粒径(μm)を示す。〕 本発明のトナー粒子の個数変動係数は27%以下であ
り、好ましくは25%以下である。
【0156】即ち、本発明では、感光体の表面に表面エ
ネルギー低下剤を供給しながら、トナー粒子の個数変動
係数は27%以下であるトナーを用いた現像剤で、感光
体に形成された潜像を現像し、顕像化したトナー像を中
間転写体に転写し、更に中間転写体から記録材に転写
し、その後のトナー像の定着により得られた画像には、
中抜けや、文字チリ等の画像欠陥が改善され、更に感光
体や中間転写体のクリーニング性を向上させることがで
きる。
【0157】本発明のトナーにおける個数変動係数を制
御する方法は特に限定されるものではない。例えば、ト
ナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個
数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効
果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分
離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いによ
り生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調
製する方法がある。
【0158】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0159】角がないトナー粒子の割合 本発明のトナーを構成するトナー粒子中、角がないトナ
ー粒子の割合は50個数%以上であることが必要とさ
れ、この割合が70個数%以上であることが好ましい。
【0160】本発明のトナーを構成するトナー粒子中、
角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であり、好
ましくは70個数%以上とされる。
【0161】即ち、本発明では、感光体の表面に表面エ
ネルギー低下剤を供給しながら、角がないトナー粒子の
割合が50個数%以上であるトナーを用いた現像剤で、
感光体に形成された潜像を現像し、顕像化したトナー像
を中間転写体に転写し、更に中間転写体から記録材に転
写し、その後のトナー像の定着により得られた画像に
は、中抜けや、文字チリ等の画像欠陥が改善され、更に
感光体や中間転写体のクリーニング性を向上させること
ができる。
【0162】ここに、「角がないトナー粒子」とは、電
荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しや
すいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、
具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子とい
う。すなわち、図6(a)に示すように、トナー粒子T
の長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、
トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側
をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質
的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」とい
う。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が
存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、
「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上へ
の投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の
間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図6(b)お
よび(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を
示している。
【0163】角がないトナー粒子の割合の測定は次のよ
うにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー
粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,0
00倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記
の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒
子について行った。
【0164】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0165】また、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
ことで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階
では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑で
ないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および
攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角
がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の
物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガ
ラス転移点温度以上で、より高回転数とすることによ
り、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成でき
る。
【0166】トナー粒子の粒径 本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8.5μ
mのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー
粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナーの製造
方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、また
は融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御す
ることができる。
【0167】個数平均粒径が3.0〜8.5μmである
ことにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質
が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0168】本発明のトナーは、トナー粒子の粒径をD
(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、こ
の横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の
粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含ま
れるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の
次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数
(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであ
る。
【0169】即ち、本発明では、感光体の表面に表面エ
ネルギー低下剤を供給しながら、相対度数(m1)と相
対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナー
を用いた現像剤で、感光体に形成された潜像を現像し、
顕像化したトナー像を中間転写体に転写し、更に中間転
写体から記録材に転写し、その後のトナー像の定着によ
り得られた画像には、中抜けや、文字チリ等の画像欠陥
が改善され、更に感光体や中間転写体のクリーニング性
を向上させることができる。
【0170】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。 〔測定条件〕 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0171】トナーの製造方法 本発明のトナーは、少なくとも重合性単量体を水系媒体
中で重合せしめて得られるトナーであることが好まし
く、また、少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させ
て得られるトナーであることが好ましい。以下、本発明
のトナーを製造する方法について詳細に説明する。
【0172】本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な
添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体
を乳化重合して微粒の重合体粒子(樹脂粒子)を調製
し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して当該樹脂
粒子を会合する方法で製造することができる。ここで
「会合」とは、前記樹脂粒子が複数個融着することをい
い、当該樹脂粒子と他の粒子(例えば着色剤粒子)とが
融着する場合も含むものとする。
【0173】本発明のトナーを製造する方法の一例を示
せば、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、
荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加
し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダ
ー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を
溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解ある
いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水
系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用し
トナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その
後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置(攪拌装
置)へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反
応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに
乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0174】なお、本発明でいうところの「水系媒体」
とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを
示す。
【0175】また、本発明のトナーを製造する方法とし
て樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製
する方法も挙げることができる。この方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、特開平5−26
5252号公報や特開平6−329947号公報、特開
平9−15904号公報に示す方法を挙げることができ
る。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散
粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒
子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳
化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤
を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガ
ラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成し
つつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところ
で水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪
拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒
子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによ
り、本発明のトナーを形成することができる。なお、こ
こにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する溶媒
を加えてもよい。
【0176】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0177】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いること
がさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォ
ン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有
するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキル
エステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハ
ク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタク
リレート等が挙げられる。
【0178】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0179】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0180】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0181】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0182】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0183】前記樹脂粒子を水系媒体中で会合させる際
に使用される凝集剤としては特に限定されるものではな
いが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。
具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属とし
て例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の
金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミ
ニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩と
しては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウ
ム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシ
ウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは
組み合わせて使用してもよい。
【0184】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)日本高分子学会編」等に記述さ
れており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。
また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の
塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電
位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度と
して求めることもできる。
【0185】本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度
以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2
倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加すること
がよい。
【0186】凝集剤と共に使用される「水に対して無限
溶解する溶媒」としては、形成される樹脂を溶解させな
いものが選択される。具体的には、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノー
ル、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアル
コール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン
等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0187】この水に対して無限溶解する溶媒の添加量
は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜1
00体積%が好ましい。
【0188】なお、粒子形状を均一化させるためには、
着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量
%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが
好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するも
のが好ましい。この理由としては、極性基が存在してい
る重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果
を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいか
らであると考えられる。
【0189】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0190】本発明のトナーに使用する着色剤としては
カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用
することができ、カーボンブラックとしてはチャンネル
ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁
性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、
これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等
の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理
する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と
呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができ
る。
【0191】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数
平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜
200nm程度が好ましい。
【0192】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0193】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0194】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0195】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0196】本発明のトナーでは、外添剤として無機微
粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用すること
でより効果を発揮することができる。この理由として
は、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができ
るため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0197】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200mlのビーカー中に
入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.
2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せ
きされているビュレットから、ゆっくり攪拌した状態で
無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この
無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量
をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算
出される。
【0198】疎水化度=(a/(a+50))×100 この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。ま
た、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0199】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
ほぼ球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器
中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けるこ
とによりほぼ球形の粒子が得られる。この方法により、
トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御できるもので
ある。
【0200】次に、重合トナーの製造に好ましく用いら
れる反応装置について説明する。図7および図8は、そ
れぞれ、重合トナー反応装置の一例を示す斜視図および
断面図である。図7および図8に示す反応装置におい
て、熱交換用のジャケット1jを外周部に装着した縦型
円筒状の攪拌槽2j内の中心部に回転軸3jを垂設し、
該回転軸3jに攪拌槽2jの底面に近接させて配設され
た下段の攪拌翼40jと、より上段に配設された攪拌翼
50jとが設けられている。上段の攪拌翼50jは、下
段に位置する攪拌翼40jに対して回転方向に先行した
交差角αをもって配設されている。本発明のトナーを製
造する場合において、交差角αは90度(°)未満であ
ることが好ましい。この交差角αの下限は特に限定され
るものでは無いが、5°程度以上であることが好まし
く、更に、好ましくは10°以上である。なお、三段構
成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接している攪
拌翼間で交差角αが90度未満であることが好ましい。
【0201】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50jによりまず媒体が攪拌され、下
側への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪
拌翼40jにより、上段の攪拌翼50jで形成された流
れがさらに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50j
自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れ
が加速されて進行するものと推定される。この結果、乱
流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成
されるために、得られるトナー粒子の形状を制御できる
ものと推定される。
【0202】なお、図7および図8中、矢印は回転方向
を示し、7jは上部材料投入口、8jは下部材料投入
口、9jは攪拌を有効にするための乱流形成部材であ
る。
【0203】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図9に記載する。図9(a)に示す攪拌翼5
aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5bは
中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す
攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるも
の、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0204】なお、上記の構成を有する上段と下段の攪
拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくと
も攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この
理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の
流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考え
られる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに
対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅
である。
【0205】さらに、攪拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95
%である。
【0206】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0207】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0208】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌槽としては、前述
の懸濁重合法と同様のものが使用できる。この場合、攪
拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を
設けないことが必要である。
【0209】この攪拌翼の形状についても、層流を形成
させ、乱流を形成させないものであれば特に限定されな
いが、図9(c)に示した方形板状のもの等、連続した
面により形成されるものが好ましく、曲面を有していて
もよい。
【0210】本発明のトナーは、例えば磁性体を含有さ
せて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキ
ャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非
磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、いずれ
も好適に使用することができるが、本発明ではキャリア
と混合して使用する二成分現像剤として使用することが
好ましい。
【0211】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文
章中の「部」は質量部を表す。
【0212】実施例1 感光体の作製 感光体1の作製 切削加工で、十点平均粗さ(Rz)を1.8μmに加工
した円筒状アルミニウム基体(直径:60mmφ、長さ
362mm)上に、下記分散物を作製、塗布し、乾燥膜
厚15μmの導電層を形成した。 〈導電層(PCL)組成液〉 フェノール樹脂 160部 導電性酸化チタン顔料 200部 メチルセロソルブ 100部 下記中間層組成液を調製した。この塗布液を上記導電層
上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚1.0μmの中間層を形
成した。 〈中間層(UCL)組成液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60部 メタノール 1600部 1−ブタノール 400部 下記塗布組成液を混合し、サンドミルを用いて10時間
分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前
記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μ
mの電荷発生層を形成した。 〈電荷発生層(CGL)組成液〉 オキシチタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最 大ピーク角度が2θで27.3) 60部 シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越 化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 下記塗布組成液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を
調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布
法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、
感光体1を作製した。該感光体1の平均面粗さ(Ra)
は2.05nm、十点平均粗さ(Rz)は0.21μm
であった。 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 200部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製のメタノール1回精製品) 300部 疎水性シリカ(数平均粒径:7nm) 35部 1,2−ジクロロエタン 2000部 感光体2の作製 感光体1の作製において、電荷輸送層(CTL)組成液
を下記の組成液に代えた以外は同様にして感光体2を作
製した。該感光体2のRaは34.6nm、Rzは1.
9μmであった。
【0213】 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 200部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社 製) 300部 1,2−ジクロロエタン 2000部 疎水性シリカ(数平均粒径:45nm) 35部 テフロン(R)微粒子(平均粒径3.5μmの加熱処理品) 100部 感光体3の作製下記組成液を混合し、溶解して保護層組
成物を調製し、感光体2のCTL上に塗布した。
【0214】〈保護層(OCL)組成液〉メチルシロキ
サン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位
20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモ
レキュラーシーブ4Aを添加し、24時間静置し脱水処
理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これ
にメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセ
テート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジ
ヒドロキシメチルトリフェニルアミン(下記化合物)6
質量部、疎水性シリカ(数平均粒径35nm)を7質量
部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1.5μmの保
護層として塗布して、130℃、1時間の加熱硬化を行
い、感光体3を作製した。該感光体3のRaは23.5
nm、Rzは1.3μmであった。
【0215】
【化1】
【0216】感光体4の作製 感光体1の作製において、電荷輸送層(CTL)組成液
を下記組成液に代えた以外は同様にして、感光体4を作
製した。該感光体4のRaは94.5nm、Rzは0.
5μmであった。
【0217】 〈電荷輸送層(CTL)組成液〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 75部 ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300、三菱ガス化学社製)100部 塩化メチレン 750部 疎水性チタン(数平均粒径:130nm) 10部 焼結シリカ(平均粒径1.0μm) 10部 表面エネルギー低下剤A〜Fの作製 ステアリン酸ナトリウムを水に溶解し、15質量%液を
作製した。又、硫酸亜鉛を水に溶解し、25質量%液を
作製した。直径6cmのタービン羽根を有する撹拌装置
付きの2リットルの受け容器を用意し、タービン羽根を
350rpmで回転させた。この受け容器にステアリン
酸ナトリウム液を投入し、液温80℃に調整した。次
に、この受け容器に80℃にした硫酸亜鉛液を30分か
けて滴下した。ステアリン酸ナトリウムと硫酸亜鉛の当
量比は0.98とし、金属石鹸スラリー量が500gと
なるように混合した。全量仕込み終了後、反応時の温度
状態で、10分間熟成し、反応を終結させた。次にこの
ようにして得られた金属石鹸スラリーを2回水洗し、続
いて水を用いて洗浄した。得られた金属石鹸ケーキを1
10℃の乾燥温度で乾燥し、150kg/cm2の圧力
で固形化した。その後30℃80%RHの環境条件下に
24時間放置し、表1に示す含水率を変化させたステア
リン酸亜鉛の固形材料(表面エネルギー低下剤A〜F)
を得た。これらA〜Fの含水率は110℃の乾燥時間を
変化させて調製した。
【0218】
【表1】
【0219】トナー及び現像剤の作製 (トナー製造例1:乳化重合会合法の例)n−ドデシル
硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0リットルを
入れ攪拌溶解した。この溶液に、リーガル330R(キ
ャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に
加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー
(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。こ
のものを「着色剤分散液1」とする。
【0220】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgとイオン交換水4.0リットルとか
らなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0221】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0リ
ットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」
とする。
【0222】過硫酸カリウム223.8gをイオン交換
水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液C」
とする。
【0223】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた容積100リットルのGL(グラスライニング)反
応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000の
ポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=12
0nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「ア
ニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤
溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオ
ン交換水44.0リットルを加えた。
【0224】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入した。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過してラテックスを得た。これを「ラテ
ックス−A」とする。
【0225】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0226】ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.055kgをイオン交換純水4.0リットルに溶解
した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。
【0227】また、ノニルフェノールポリエチレンオキ
サイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水
4.0リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤
溶液E」とする。
【0228】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を
「開始剤溶液F」とする。
【0229】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100リットルのGL反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度 29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全
量とを入れ、攪拌を開始した。
【0230】次いで、イオン交換水44.0リットルを
投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になったとこ
ろで、「開始剤溶液F」を添加した。ついで、スチレン
11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメ
タクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴
下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加
熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とする。
【0231】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0232】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0リットルに溶解した溶液を
「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0233】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00リットルに溶解した溶液を「ノニ
オン界面活性剤溶液H」とする。
【0234】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100リット
ルのSUS反応釜(図7に示した構成の反応装置、交差
角αは25°)に、上記で作製したラテックス−A=2
0.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散
液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ
攪拌した。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶
液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00k
g、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。そ
の後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度8
5℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時
間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させた。
次に純水2.1リットルを添加して粒径成長を停止さ
せ、融着粒子分散液を作製した。
【0235】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5リットルの反応容器(図7
に示した構成の反応装置、交差角αは20°)に、上記
で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度8
5℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制
御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止した。
次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分
級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を
会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、
イオン交換水により洗浄した。この非球形状粒子をフラ
ッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて
乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で
乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリ
カ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合し
て乳化重合会合法によるトナーを得た。
【0236】前記塩析/融着段階および形状制御工程の
モニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を
制御することにより、形状および形状係数の変動係数を
制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の
変動係数を任意に調整して、表2に示す形状特性および
粒度分布特性を有するトナー粒子からなるトナー1Bk
〜17Bkを得た。
【0237】
【表2】
【0238】〔現像剤の製造〕トナー1Bk〜17Bk
の各々10質量部と、スチレン−メタクリレート共重合
体で被覆した45μmフェライトキャリア100質量部
とを混合することにより、評価用の現像剤1Bk〜17
Bkを製造した。
【0239】〈評価〉図5に示したクリーニング手段を
図1の中間転写体を有するデジタルカラープリンターの
感光体のクリーニング手段として搭載し、該デジタルカ
ラープリンターに前記感光体、表面エネルギー低下剤、
トナーの組み合わせ、更に中間転写体のRz、クリーニ
ングブラシの食い込み量を表3のように組み合わせ、高
温高湿(30℃80%RH)下で、画素率8%のモノク
ロ画像を連続してA4紙10万枚プリントを行い評価し
た。評価項目は中抜け、文字チリの評価、クリーニング
性評価、画像評価等である。評価項目、評価基準を下記
に示す。
【0240】
【表3】
【0241】上表のRzは十点平均粗さ、Raは5μm
四方の平均面粗さを示す。 評価項目と評価基準 感光体の接触角及び接触角のバラツキの測定 上記A4紙2000枚のプリント評価後に、本文中の方
法により、純水に対する感光体表面の接触角を接触角計
(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて30
℃80%RHの環境下で測定した。
【0242】「中抜けの発生」文字を拡大観察し、中抜
けの発生の有無を目視にて観察した。
【0243】評価基準は ◎:10万枚のプリント終了まで、顕著な中抜けの発生
なし ○:5万枚のプリント終了まで、顕著な中抜けの発生な
し ×:5万枚未満のプリントで、顕著な中抜け発生あり 「文字チリの評価」文字を構成するドット画像に代わ
り、画像全面に10%網点画像を形成し、ルーペにてド
ット周辺のトナー散りを観察した。
【0244】ランク◎:10万枚のプリント終了まで、
トナー散りが少ない。 ランク○:5万枚のプリント終了まで、トナー散りが少
ない。
【0245】ランク×:5万枚未満のプリントでトナー
散りが増加している。(実用上問題のレベル) クリーニング性の評価 感光体とクリーニングブレードの摩耗によるトナーのす
り抜けの発生の有無、やブレード捲れ(ブレードが反転
する現象)の発生の有無を評価した。
【0246】◎:10万枚のプリント終了までトナーの
すり抜け、ブレード捲れの発生なし ○:5万枚のプリント終了までトナーのすり抜け、ブレ
ード捲れの発生なし ×:5万枚未満のプリントでトナーのすり抜け又はブレ
ード捲れ発生あり 画質評価 各色濃度が十分に出ているか、画像の鮮鋭性(画像がス
ッキリしているか荒れているか)を中心に評価した。
【0247】画像濃度(マクベス社製RD−918を使
用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度
で測定した。) ◎:最大濃度が1.2以上 ○:最大濃度が0.8以上、1.2未満 ×:最大濃度が0.8未満 画像の鮮鋭性 細線の再現性、画像の鮮鋭性を高温常湿環境下(温度3
3℃、相対湿度50%)において画像を出し、文字潰れ
で評価した。3ポイント、5ポイントの文字画像を形成
し、下記の判断基準で評価した。
【0248】◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であ
り、容易に判読可能 ○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であ
り、容易に判読可能 ×:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部ある
いは全部が判読不能 その他の評価条件 画像形成のライン速度L/S:180mm/s 感光体(60mmφ)の帯電条件:非画像部の電位は、
電位センサで検知し、フィードバック制御できるように
し、その制御可能範囲は−500V〜−900Vであ
り、全露光した場合の感光体の表面電位は−50〜0V
の範囲にした。
【0249】露光条件:像露光は半導体レーザ(波長:
780nm)を用い、800dpiのデジタル潜像を形
成した。
【0250】中間転写体:シームレスの無端ベルト状中
間転写体70を用い、半導電樹脂製のベルトで体積抵抗
率が1×108Ω・cmのものを用いた。Rzが0.9
μmと1.5μm、2.2μmの3種類を用いた。
【0251】一次転写条件 一次転写ローラ(図1の5Y、5M、5C、5K(各
6.05mmφ)):芯金に弾性ゴムを付した構成:表
面比抵抗1×106Ω、転写電圧印加 二次転写条件 中間転写体としての無端ベルト状中間転写体70とそれ
を挟み込むようにバックアップローラ74と二次転写ロ
ーラ5Aが配置され、バックアップローラ74の抵抗値
が1×106Ωであり、二次転写手段としての二次転写
ローラの抵抗値が1×106Ωであり定電流制御(約8
0μA)をするようにしてある。
【0252】定着はローラ内部にヒータを配置した定着
ローラによる熱定着方式である。中間転写体と感光体と
の最初の接触点から次色感光体との最初の接触点までの
中間転写体上での距離Yは95mmにした。
【0253】駆動ローラ71、ガイドローラ72,73
及び二次転写のためのバックアップローラ74の外周長
さ(円周長さ)を31.67mm(=95mm/3)に
し、テンションローラ76の外周長さを23.75mm
(=95mm/4)にした。
【0254】そして、一次転写ローラの外周長さを19
mm(=95mm/5)にした。 感光体のクリーニング条件 クリーニングブレード:ウレタンゴムブレードを感光体
回転方向にカウンター方式で当接した。
【0255】クリーニングブラシ:導電性アクリル樹
脂、ブラシ毛密度(3×103/cm2)、食い込み量
0.6、1.0、1.3mmの3種類を用いた。
【0256】二次転写ローラ(図1の5A):芯金に弾
性ゴムを付した構成:転写電圧印加 中間転写体のクリーニング条件 クリーニングブレード:ウレタンゴムブレードを中間転
写体進行方向にカウンター方式で当接した。
【0257】評価結果を表4に示す。
【0258】
【表4】
【0259】表4より、明らかなように、電子写真感光
体の表面に付与する表面エネルギー低下剤の含水率が
4.5質量%以下で、且つ本発明のトナーとの組み合わ
せ1〜16及び18〜21は、本発明外の5.5質量%
含水率の表面エネルギー低下剤を供給した組み合わせ2
2、トナーが本発明外の組み合わせ17、及び両方とも
本発明外の組み合わせ23に比し、中抜けや文字チリを
含めた評価項目全体が改善されている。特に2.5質量
%以下の含水率を有する表面エネルギー低下剤と形状特
性、粒度分布特性の全ての項目を満足しているトナー1
Bk、2Bk、3Bkを組み合わせた組み合わせ1〜3
及び18〜20は特に優れた評価結果を示している。
【0260】実施例2 実施例1で用いたトナーの作製において、着色分散液中
のリーガル330R(キャボット社製カーボンブラッ
ク)の代わりにC.I.ピグメントイエロー185(Y
トナー)、C.I.ピグメントレッド122(Mトナ
ー)、C.I.ピグメントブルー15:3(Cトナー)
を用いた他は同様にして、トナー1Bk、トナー17B
kと同じような形状係数等を有する表5のトナー1Y、
1M、1C、17Y、17M、17C6種を作製した。
【0261】
【表5】
【0262】〔現像剤の製造〕上記トナー1Y、1M、
1C、17Y、17M、17Cの各々10質量部と、ス
チレン−メタクリレート共重合体で被覆した45μmフ
ェライトキャリア100質量部とを混合することによ
り、評価用の現像剤1Y、1M、1C、17Y、17
M、17Cを製造した。
【0263】現像剤1Bk、1Y、1M、1Cの現像剤
1群、及び現像剤17Bk、17Y、17M、17Cの
現像剤17群を用い、実施例1と同様の画像評価を行っ
た。但し表面エネルギー低下剤はC、感光体は3、中間
転写体のRzは1.5、クリーニングの食い込み量は
1.0mmに統一し、その他の条件は実施例1と同じに
して、中間転写方式のカラー画像を1万枚プリントし
た。その結果現像剤1群を用いたカラー画像は中抜けや
文字チリの画像欠陥の発生もなく、鮮鋭性が良好な画像
が得られたが、現像剤17群を用いたカラー画像は、1
千枚を過ぎた頃から中抜けが目立ち始め、3千枚を過ぎ
た頃から文字チリの発生が増加し、鮮鋭性の劣化が進行
した。
【0264】
【発明の効果】本発明を用いることにより、中間転写体
を用いた電子写真方式のトナー転写特性の改善を達成で
き、トナー転写の低下から発生する中抜けや文字チリ等
の画像欠陥を防止でき、且つクリーニング性の良好な電
子写真方式の画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装
置の断面構成図である。
【図2】中間転写体のクリーニング手段の一例である。
【図3】感光体と無端ベルト状中間転写体と一次転写ロ
ーラとの位置関係を示す配置図である。
【図4】バックアップローラと無端ベルト状中間転写体
と二次転写ローラとの位置関係を示す配置図である。
【図5】本発明の感光体に設置されるクリーニング手段
の構成図である。
【図6】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す
説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあ
るトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図7】重合トナー反応装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図8】重合トナー反応装置の一例を示す断面図であ
る。
【図9】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【符号の説明】
1Y,1M,1C,1K 感光体 2Y,2M,2C,2K 帯電手段 3Y,3M,3C,3K 露光手段 4Y,4M,4C,4K 現像手段 5A 二次転写ローラ(二次転写手段) 5Y,5M,5C,5K 一次転写ローラ(一次転写手
段) 6A,6Y,6M,6C,6K クリーニング手段 7 無端ベルト状中間転写体ユニット 10Y,10M,10C,10K 画像形成部 61 ブレード 62 ブラケット 63 支軸 70 無端ベルト状中間転写体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 G03G 9/08 384 (72)発明者 内野 哲 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 竹内 茂樹 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 AB06 EA05 EA10 2H068 AA08 AA09 AA28 AA29 2H134 GA01 GB02 HB03 HB08 HB12 HB19 HD01 HD06 HD11 JA02 KD04 KD12 KG04 KG07 KG08 KH01 KH15 KJ02 LA01 2H171 FA09 FA10 FA14 FA15 FA17 FA24 FA26 GA01 JA10 KA10 KA25 QA04 QA15 QA24 QB15 QB32 QB52 QB54 QB58 QC03 QC22 SA11 SA12 SA19 SA21 SA28 TA02 TA15 UA15 2H200 FA02 FA08 FA16 GA12 GA16 GA23 GA34 GA44 GA47 GB12 GB13 HA02 HB12 HB22 JA02 JB10 JC03 JC12 JC15 JC16 JC17 LA01 LA17 LA23 LA38 LB02 LB09 LB13 MA02 MA14 MA20 MB01 MC06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上の潜像を現像手段でト
    ナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写
    する転写工程を有する画像形成方法において、該電子写
    真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネ
    ルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナー
    粒子の形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを
    用いてトナー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写
    することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体上の潜像を現像手段でト
    ナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写
    する転写工程を有する画像形成方法において、該電子写
    真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネ
    ルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、形状係
    数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%
    以上含有するトナーを用いてトナー像を形成し、記録材
    又は中間転写体に転写することを特徴とする画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 電子写真感光体上の潜像を現像手段でト
    ナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写
    する転写工程を有する画像形成方法において、該電子写
    真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネ
    ルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、角がな
    いトナー粒子を50個数%以上含有するトナーを用いて
    トナー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体上の潜像を現像手段でト
    ナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写
    する転写工程を有する画像形成方法において、該電子写
    真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネ
    ルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナー
    粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを
    横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分
    けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最
    頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前
    記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるト
    ナーを用いてトナー像を形成し、記録材又は中間転写体
    に転写することを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 電子写真感光体上の潜像を現像手段でト
    ナー像とし、該トナー像を記録材又は中間転写体に転写
    する転写工程を有する画像形成方法において、該電子写
    真感光体の表面に含水率が5.0質量%以下の表面エネ
    ルギー低下剤を付与しながら、前記現像手段で、トナー
    粒子の個数変動係数が27%以下のトナーを用いてトナ
    ー像を形成し、記録材又は中間転写体に転写することを
    特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記表面エネルギー低下剤の付与によ
    り、電子写真感光体表面の接触角のバラツキが±0.5
    °であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記接触角が90〜120°であること
    を特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記表面エネルギー低下剤が脂肪酸金属
    塩であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛で
    あることを特徴とする請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記電子写真感光体の表面を原子間力
    顕微鏡を用いて測定した5μm四方の平均面粗さ(R
    a)が1.5nm以上100nm以下であることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方
    法。
  11. 【請求項11】 前記電子写真感光体の十点平均粗さ
    (Rz)が0.2〜2.0μmであることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記トナーが重合トナーであることを
    特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像
    形成方法。
  13. 【請求項13】 前記トナーの個数平均粒径が3.0〜
    8.5μmであることを特徴とする請求項1〜12のい
    ずれか1項に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記表面エネルギー低下剤が剤付与手
    段により電子写真感光体の表面に供給されることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成
    方法。
  15. 【請求項15】 前記転写工程がトナー像を中間転写体
    に転写する一次転写手段と、該中間転写体に転写された
    トナー像を記録材に転写する二次転写手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の
    画像形成方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の画像形成方法を用い、電子写真画像を形成することを
    特徴とする画像形成装置。
JP2002360632A 2002-03-05 2002-12-12 画像形成方法及び画像形成装置 Expired - Lifetime JP4492030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002360632A JP4492030B2 (ja) 2002-03-05 2002-12-12 画像形成方法及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002-58673 2002-03-05
JP2002058673 2002-03-05
JP2002360632A JP4492030B2 (ja) 2002-03-05 2002-12-12 画像形成方法及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003330229A true JP2003330229A (ja) 2003-11-19
JP4492030B2 JP4492030B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=29713742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002360632A Expired - Lifetime JP4492030B2 (ja) 2002-03-05 2002-12-12 画像形成方法及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4492030B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006178410A (ja) * 2004-11-26 2006-07-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法及び画像形成装置
JP2007086734A (ja) * 2005-08-23 2007-04-05 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真画像形成装置、電子写真感光体、画像形成ユニット
JP2008040368A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ
US7378212B2 (en) 2005-07-01 2008-05-27 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming method, photoreceptor
US7625683B2 (en) 2005-07-01 2009-12-01 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming method, a processing cartridge and an image forming method using the same
JP2013142705A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びに画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
US9195176B2 (en) 2013-12-25 2015-11-24 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
JP2019159097A (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 コニカミノルタ株式会社 像担持体および画像形成装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07160165A (ja) * 1993-11-30 1995-06-23 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JPH07319274A (ja) * 1994-05-27 1995-12-08 Konica Corp 反転画像形成方法及び現像剤
JPH0876639A (ja) * 1994-06-24 1996-03-22 Kyocera Corp 画像形成装置ならびに感光体再生方法
JPH08152811A (ja) * 1994-11-28 1996-06-11 Canon Inc 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真装置
JPH08202226A (ja) * 1995-01-31 1996-08-09 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JPH1161171A (ja) * 1997-08-20 1999-03-05 Ricoh Co Ltd 滑剤塗布部材
JP2000075745A (ja) * 1998-08-26 2000-03-14 Canon Inc クリーニング装置又はプロセスカートリッジ又は画像形成装置
JP2000214629A (ja) * 1998-11-16 2000-08-04 Konica Corp 静電荷像現像用トナ―および画像形成方法
JP2000305301A (ja) * 1999-04-23 2000-11-02 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2001265040A (ja) * 2000-03-15 2001-09-28 Konica Corp 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP2001290305A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Konica Corp 静電荷像の現像方法と画像形成方法
JP2001312118A (ja) * 2000-05-01 2001-11-09 Minolta Co Ltd 画像形成装置

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07160165A (ja) * 1993-11-30 1995-06-23 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JPH07319274A (ja) * 1994-05-27 1995-12-08 Konica Corp 反転画像形成方法及び現像剤
JPH0876639A (ja) * 1994-06-24 1996-03-22 Kyocera Corp 画像形成装置ならびに感光体再生方法
JPH08152811A (ja) * 1994-11-28 1996-06-11 Canon Inc 電子写真感光体、電子写真画像形成方法及び電子写真装置
JPH08202226A (ja) * 1995-01-31 1996-08-09 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JPH1161171A (ja) * 1997-08-20 1999-03-05 Ricoh Co Ltd 滑剤塗布部材
JP2000075745A (ja) * 1998-08-26 2000-03-14 Canon Inc クリーニング装置又はプロセスカートリッジ又は画像形成装置
JP2000214629A (ja) * 1998-11-16 2000-08-04 Konica Corp 静電荷像現像用トナ―および画像形成方法
JP2000305301A (ja) * 1999-04-23 2000-11-02 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2001265040A (ja) * 2000-03-15 2001-09-28 Konica Corp 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP2001290305A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Konica Corp 静電荷像の現像方法と画像形成方法
JP2001312118A (ja) * 2000-05-01 2001-11-09 Minolta Co Ltd 画像形成装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006178410A (ja) * 2004-11-26 2006-07-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法及び画像形成装置
US7378212B2 (en) 2005-07-01 2008-05-27 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming method, photoreceptor
US7625683B2 (en) 2005-07-01 2009-12-01 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Image forming method, a processing cartridge and an image forming method using the same
JP2007086734A (ja) * 2005-08-23 2007-04-05 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真画像形成装置、電子写真感光体、画像形成ユニット
JP2008040368A (ja) * 2006-08-10 2008-02-21 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、その製造方法、それを用いた画像形成方法、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP4668148B2 (ja) * 2006-08-10 2011-04-13 株式会社リコー 電子写真感光体の製造方法
JP2013142705A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びに画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
US9195176B2 (en) 2013-12-25 2015-11-24 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
JP2019159097A (ja) * 2018-03-13 2019-09-19 コニカミノルタ株式会社 像担持体および画像形成装置
CN110275410A (zh) * 2018-03-13 2019-09-24 柯尼卡美能达株式会社 像载体及图像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4492030B2 (ja) 2010-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7022450B2 (en) Image forming method and image forming apparatus
JP4032168B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
US20010004426A1 (en) Cleaning unit, and image forming method and image forming apparatus using said cleaning unit
JP4492030B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP4069776B2 (ja) 画像形成方法
JP4650021B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2002318517A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP4172162B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP4178922B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP4075291B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2002311784A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2005181568A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4172161B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP4254324B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP4172163B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2003005604A (ja) クリーニング装置、及び該クリーニング装置を用いた画像形成方法、画像形成装置
JP4239389B2 (ja) クリーニング装置を用いた画像形成方法、画像形成装置
JP2001242682A (ja) 画像形成装置、及び画像形成方法
JP3948213B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2002107997A (ja) カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置
JP2004029125A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2002311785A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2003195551A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2004287167A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2004226800A (ja) 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100329

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350