JP2001290305A - 静電荷像の現像方法と画像形成方法 - Google Patents

静電荷像の現像方法と画像形成方法

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JP2001290305A
JP2001290305A JP2000102113A JP2000102113A JP2001290305A JP 2001290305 A JP2001290305 A JP 2001290305A JP 2000102113 A JP2000102113 A JP 2000102113A JP 2000102113 A JP2000102113 A JP 2000102113A JP 2001290305 A JP2001290305 A JP 2001290305A
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toner
particles
developing
toner particles
image forming
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Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
Akizo Shirase
明三 白勢
Masanori Kouno
誠式 河野
Hiroyuki Yamada
裕之 山田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像性および細線再現性に優れ、高画質な画
像を長期にわたって安定的に形成することができる静電
荷像の現像方法及び画像形成方法を提供する。 【解決手段】 基体に少なくとも導電性物質を含有する
樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤担
持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、静電荷
像を現像する方法において、該磁性トナーが形状係数の
変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個
数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなること
を特徴とする静電荷像の現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる静電荷像の現像方法と画像形成方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式等の静電荷像を現像して画
像を形成する方式において、一成分磁性現像法は、その
装置が簡便で比較的良好な画質の画像を形成することが
できるので広範囲に使用されている。
【0003】この現像方法では、トナーに対する摩擦帯
電付与は現像スリーブとの摩擦によるものが支配的であ
り、さらにはトナー相互の摩擦によっても帯電される。
【0004】この摩擦帯電を行うためにはトナー自体の
帯電能が重要な要素となる。摩擦帯電性を高めるために
磁性トナーに荷電制御剤を添加する方法や外添剤を使用
する方法などが開発されている。しかし、近年の高画質
化に対応した小粒径の磁性トナーでは、その摩擦帯電性
の向上がより重要になっており、単なる荷電制御剤の添
加や外添剤の添加で改善できる範囲のものではなくなっ
ている。
【0005】又、小粒径化された磁性トナーでは現像ス
リーブ表面でのトナーの入れ替え性が低下するため、繰
り返し現像器表面に残留するトナーが増加し、現像性の
異なるトナーがスリーブ表面に存在するために発生する
現像ムラ、いわゆる現像時の現像ゴーストが出やすく、
トナーの搬送性や入れ替え性の改善が重要な課題になっ
ている。
【0006】又、別の観点からの問題として、従来より
一成分磁性トナーを利用する画像形成方法においては、
初期画像の高画質化の要請、並びに繰り返し使用に伴う
画質低下及び画像不良発生の防止といった課題がある。
例えば、階調性の低下、細線再現性の低下、画像濃度変
化、濃度ムラ、カブリ等の問題があり、これら問題の大
きな要因としてもトナー帯電量の制御の難しさや不安定
性がある。
【0007】このトナー帯電性能は摩擦帯電を利用して
いるため、その制御、安定化はきわめて難しい。すでに
前記したが、これらの問題に対しては、一成分磁性トナ
ーにおけるバインダ樹脂、荷電制御剤、外添剤、その他
添加剤等につき数多くの提案がなされ、列挙にいとまが
ない。
【0008】しかしながら、静電荷像現像用トナーを用
いる画像形成の各工程における性能および信頼性の向上
にともない、磁性トナー現像のさらなる高画質化および
高耐久性が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、現像
性および細線再現性に優れ、高画質な画像を長期にわた
って安定的に形成することができる静電荷像の現像方法
及び画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、前記請
求項1〜42の何れかの静電荷像の現像方法又は画像形
成方法を採ることにより達成される。
【0011】以下、本発明について詳細に説明するが、
本発明の説明において、磁性トナーを本発明のトナー或
いは単にトナーということがある。
【0012】一成分磁性現像において、導電性物質を添
加した現像スリーブを使用することは知られており、使
用当初には現像ゴーストを防止することができる。しか
し、長期に亘る使用においては、トナーにより現像スリ
ーブが汚染され、その結果、繰り返しスリーブ上で攪拌
され、結果として帯電性の劣化したトナーがスリーブ上
に蓄積されやすくなっている。この蓄積したトナーに
は、相互摩擦等の帯電による逆極性トナーの多くも残留
しており、カブリ等の問題も引き起しやすい。
【0013】その原因について、本発明者等は鋭意検討
した結果、トナーの形状及び粒径分布に大きく依存する
ことを見出し、本発明を完成することができたものであ
る。
【0014】本発明では、トナーを特定の形状及び粒径
分布とすることで、その劣化を抑制し、結果として長期
に亘る帯電性の維持を図ることができ、安定した画像を
形成することができる。
【0015】又、最近非導電性スリーブも開発されてい
るが、これはスリーブ表面に樹脂を被覆したものが殆ど
で、樹脂成分が多く存在する表面において、樹脂とトナ
ーとの摩擦帯電で帯電がなされる。しかし、樹脂との摩
擦では、帯電の立ち上がりが遅くなる問題があり、帯電
の十分でないトナーが発生しやすく、これによりカブリ
やトナー飛散の問題が引き起こされる。
【0016】その問題を解消するためにも、トナーの形
状や粒径を一定範囲にしたもの、表面性や形状が均一化
されたトナーを用いると、帯電性の立ち上がりを維持す
ることができ、画像カブリ等の問題を抑制することがで
きることがわかった。
【0017】又、本発明者等は、現像スリーブ、帯電付
与部材を汚染しやすいトナー粒子について検討を行った
結果、長期に亘り画像形成を繰り返した場合には、形状
が不揃いなトナー粒子、および角部分を有するトナー粒
子は、これら汚染を起こしやすいことがわかった。
【0018】この理由については明確ではないが、トナ
ー粒子の形状が不揃いである場合には、現像装置内部で
の攪拌等による機械的ストレスを受けやすく、過大なス
トレスが加わる部分が発生することによってトナー組成
物が現像スリーブなどの摩擦帯電付与部材表面に付着
し、トナーの帯電性を変化させると推定される。
【0019】又、このようなストレスの加わり方の違い
は、トナー粒子の粒径によっても異なり、粒子径の小さ
いものの方がその質量に比し付着力が高いために、スト
レスを受けた場合に汚染を起こしやすい結果となった。
トナー粒子径が大きいものでは、このような汚染は発生
しにくくなるが、その範囲まで粒子を大きくしてしまう
と解像度等の画質が低下する問題が発生する。
【0020】さらに、このような汚染発生に関しては、
初期のトナーの帯電量分布も重要である。帯電量分布が
広い場合には、画像形成においていわゆる選択現像が発
生し、現像されにくいトナー粒子が現像装置内部に蓄積
して現像性が低下する問題や、蓄積したトナーが長期間
にわたってストレスを受けることにより、汚染を発生さ
せたり、その表面性が変化して帯電性が変化し、弱帯電
性あるいは逆極性のトナーとなって画質が低下する問題
が発生する。
【0021】このトナーの帯電量分布について検討した
結果、トナーの帯電量分布をきわめてシャープなものと
するためには、トナー粒子の粒径のバラツキを小さく制
御すると共に、形状のバラツキも小さく制御する必要が
あることが判明した。トナーの帯電量分布をきわめてシ
ャープにすることで、トナー帯電量を低く設定した場合
にも、長期にわたって安定した帯電性を得ることが可能
となる。
【0022】以上の観点より検討を加えた結果、形状係
数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布におけ
る個数変動係数が27%以下であるトナー粒子から構成
されるトナーを使用することで、現像性、細線再現性に
優れ、高画質な画像を長期にわたって形成することがで
きることを見出し、請求項1〜8に記載の第1の本発明
の完成に至ったものである。
【0023】又、本発明者等は、個々のトナー粒子の微
小な形状に着目して検討を行った結果、現像装置内部に
おいて、トナー粒子の角部分の形状が変化して丸くな
り、その部分が汚染を発生させていることが判明した。
この理由については明確ではないが、角部分にはストレ
スが加わりやすく、この部分の摩耗、破断によってトナ
ー組成物が被汚染物質に移行して付着し、トナーの帯電
性を変化させると推定した。
【0024】さらに摩擦帯電によってトナー粒子に電荷
を付与する場合には、特に角部分では電荷が集中しやす
くなり、トナー粒子の帯電が不均一になりやすいと推定
される。
【0025】すなわち、角がないトナー粒子の割合を5
0個数%以上とし、個数粒度分布における個数変動係数
を27%以下に制御されたトナー粒子から構成されるト
ナーを使用することによっても、現像性、細線再現性に
優れ、高画質な画像を長期にわたって形成することがで
きることを見出し、請求項9〜14に記載の第2の本発
明の完成に至ったものである。
【0026】さらに、トナーを特定の形状としてその形
状を揃えた場合にも、トナー組成物による汚染が減少
し、帯電量分布がシャープとなることが判明した。
【0027】すなわち、形状係数が1.2〜1.6の範
囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であり、形
状係数の変動係数が16%以下であるトナーを使用する
ことでも、現像性、細線再現性に優れ、高画質な画像を
長期にわたって形成することができることを見出し、請
求項15〜20に記載の第3の本発明の完成に至ったも
のである。
【0028】又、感光体と現像剤を非接触状態で対向さ
せてトナーを飛翔させて顕像化する現像工程を含む画像
形成方法があるが、非接触であるために、接触現像より
も現像効率が低くなりやすく、繰り返しの画像形成にお
いて帯電性による選択現像が発生しやすい。この結果、
現像トナー量の変動が起こり画質の劣化が大きくなる。
【0029】本発明のトナーは前述した様に、帯電量分
布がシャープであり、長期にわたって安定した帯電性を
保持させることが可能なものであるため、上記の画像形
成方法において現像性、細線再現性に優れ、高画質な画
像を長期にわたって形成することができる特に大きな効
果が発揮されることを見出し、請求項21〜29、請求
項30〜36及び請求項37〜42に記載の第4、5及
び6の本発明の完成に至ったものである。
【0030】本発明のトナーの「形状係数」は、下記式
により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合い
を示す。
【0031】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0032】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係
数を上記算出式にて測定したものである。
【0033】この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子の割合を65個数%以上とすることが好ま
しく、より好ましくは、70個数%以上である。さらに
好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子の割合を65個数%以上とすることであ
り、より好ましくは70個数%以上である。
【0034】この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子の割合が65個数%以上であることによ
り、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材の汚
染が減少し、トナーの帯電性が安定する。
【0035】この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子の割合を65個数%以上とすることが必要
であり、好ましくは、70個数%以上である。
【0036】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴
霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による
機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを
溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等によ
り、形状係数を1.0〜1.6または1.2〜1.6に
したトナー粒子を調製し、これを通常のトナー中へ本発
明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。
また、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形
状を制御し、形状係数を1.0〜1.6または1.2〜
1.6に調整したトナー粒子を同様に通常のトナーへ添
加して調整する方法がある。
【0037】上記方法の中では重合法トナーが製造方法
として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均
一性に優れる点等で好ましい。
【0038】次に、本発明のトナーの「形状係数の変動
係数」は下記式から算出される。 変動係数(%)=(S1/K)×100 式中、S1は100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
【0039】この形状係数の変動係数は16%以下であ
り、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数
が16%以下であることにより、転写されたトナー層
(粉体層)の空隙が減少して定着性が向上し、オフセッ
トが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープと
なり、画質が向上する。
【0040】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する
ために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒
子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御さ
せる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色
粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時
期を決めてもよい。
【0041】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0042】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0043】本発明のトナーの個数粒度分布および個数
変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコー
ルターマルチサイザー(コールター社製)で測定される
ものである。本発明においてはコールターマルチサイザ
ーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科
機製)、パーソナルコンピュータを接続して使用した。
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパー
チャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上
のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒
径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナ
ー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径と
は、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0044】トナーの「個数粒度分布における個数変動
係数」は下記式から算出される。 個数変動係数(%)=(S2/Dn)×100 式中、S2は個数粒度分布における標準偏差を示し、D
nは個数平均粒径(μm)を示す。
【0045】本発明のトナーの個数変動係数は27%以
下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数
が27%以下であることにより、帯電量分布がシャープ
となり、転写効率が高くなって画質が向上する。
【0046】本発明のトナーにおける個数変動係数を制
御する方法は特に限定されるものではない。例えば、ト
ナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個
数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効
果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分
離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いによ
り生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調
製する方法がある。
【0047】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0048】本発明のトナー粒子中、角がないトナー粒
子の割合は50個数%以上であることが必要とされ、こ
の割合が70個数%以上であることが好ましい。
【0049】本発明のトナーを構成するトナー粒子中、
角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であること
が好ましく、更に好ましくは70個数%以上とされる。
【0050】角がないトナー粒子の割合が50個数%以
上であることにより、摩耗、破断しやすいトナー粒子お
よび電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少する
こととなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も
安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0051】ここに、「角がないトナー粒子」とは、電
荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しや
すいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、
具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子とい
う。
【0052】すなわち、図11(a)に示すように、ト
ナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)
の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接
しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの
外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒
子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ
出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。
また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平
面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平
行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図11
(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の
投影像を示している。
【0053】角がないトナー粒子の割合の測定は次のよ
うにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー
粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,0
00倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記
の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒
子について行った。
【0054】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0055】又、樹脂粒子を会合あるいは融着させるこ
とで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階で
は融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でな
いが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪
拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角が
ないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物
性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラ
ス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、
表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0056】本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で
3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によ
りトナー粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナ
ーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加
量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によっ
て制御することができる。
【0057】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフ
セットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少な
くなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画
質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0058】本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒
径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にと
り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数
基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級
に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻
階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対
度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーで
あることが好ましい。
【0059】相対度数(m1)と相対度数(m2)との
和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の
粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成
工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制す
ることができる。
【0060】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0061】測定条件 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0062】本発明に係わる上記式により求められた値
について、従来知られているトナーの数値を説明する。
これらの数値は製造方法等、種種の要件により異なる値
となることはいうまでもない。
【0063】粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜
1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であ
る。このものの形状係数の変動係数は20%程度であ
る。また、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒径を小さ
くするために、トナー粒子に角部分が多くなり、角がな
いトナー粒子の割合は30個数%以下である。従って、
形状を揃えて、角部分がなく、丸みのあるトナーを得よ
うとする場合には、形状係数を制御する方法として前記
した様に熱等により球形化する処理が必要となる。ま
た、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分
級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数
変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作
を繰り返す必要がある。
【0064】懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層
流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子
が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記
載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6である
トナー粒子の割合が20個数%程度となり、また形状係
数の変動係数も18%程度となり、更に角がないトナー
粒子の割合も85個数%程度となる。また、個数粒度分
布における個数変動係数を制御する方法として前記した
様に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪
断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小
さくするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られ
るトナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度
と大きいものであり、個数変動係数を小さくするために
は分級操作が必要である。
【0065】樹脂粒子を会合あるいは融着させることで
形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−
186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数
が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%
程度であり、また形状係数の変動係数は18%程度であ
り、更に角がないトナー粒子の割合も44個数%程度で
ある。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数変動係数
は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分
級操作が必要である。
【0066】
【発明の実施の形態】トナーの製造方法 本発明のトナーは、少なくとも重合性単量体を水系媒体
中で重合せしめて得られるトナーであることが好まし
く、また、樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られる
トナーであることが好ましい。以下、本発明のトナーを
製造する方法について詳細に説明する。
【0067】尚、本発明における磁性トナーは、製造さ
れたトナー粒子(着色粒子ということもある)に、後述
する如く、外添剤としてシリカ微粉末等を添加しただけ
で現像剤として用いられる。しかし、それ以外の添加剤
を加えても無論よい。
【0068】本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な
添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体
を乳化重合して微粒の重合体粒子(樹脂粒子)を調製
し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して当該樹脂
粒子を会合する方法で製造することができる。ここで
「会合」とは、前記樹脂粒子が複数個融着することをい
い、当該樹脂粒子と他の粒子(例えば磁性体粒子)とが
融着する場合も含むものとする。
【0069】本発明のトナーを製造する方法の一例を示
せば、重合性単量体中に磁性粉(磁性体とも言う)や、
必要に応じて着色剤、離型剤、荷電制御剤、さらに重合
開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サ
ンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重
合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。
この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量
体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーや
ホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大き
さの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌
翼である反応装置(攪拌装置)へ移し、加熱することで
重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去
し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナ
ーを調製する。
【0070】なお、本発明でいうところの「水系媒体」
とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを
示す。
【0071】又、本発明のトナーを製造する方法として
樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製す
る方法も挙げることができる。この方法としては、特に
限定されるものではないが、例えば、特開平5−265
252号公報や同6−329947号公報、同9−15
904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわ
ち、樹脂粒子と磁性体などの構成材料の分散粒子、ある
いは樹脂および磁性体等より構成される微粒子を複数以
上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用い
て分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析
させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点
温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に
粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量
に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら
粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状
態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明の
トナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝
集剤と同時に水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよ
い。
【0072】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0073】又、樹脂を構成する重合性単量体としてイ
オン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが
さらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン
酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有す
るもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエ
ステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3
−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリ
レート等が挙げられる。
【0074】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0075】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0076】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性ラ
ジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢
酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素
等を挙げることができる。
【0077】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0078】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0079】前記樹脂粒子を水系媒体中で会合させる際
に使用される凝集剤としては特に限定されるものではな
いが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。
具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリ
ウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属とし
て例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の
金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミ
ニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩と
しては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウ
ム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシ
ウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは
組み合わせて使用してもよい。
【0080】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)日本高分子学会編」等に記述さ
れており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。
また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の
塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電
位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度と
して求めることもできる。
【0081】本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度
以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2
倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加すること
がよい。
【0082】凝集剤と共に使用される「水に対して無限
溶解する溶媒」としては、形成される樹脂を溶解させな
いものが選択される。具体的には、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノー
ル、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアル
コール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン
等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0083】この水に対して無限溶解する溶媒の添加量
は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜1
00体積%が好ましい。
【0084】なお、粒子形状を均一化させるためには、
着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量
%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが
好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するも
のが好ましい。この理由としては、極性基が存在してい
る重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果
を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいか
らであると考えられる。
【0085】本発明のトナーは少なくとも樹脂と磁性粉
(磁性体)を含有するものであるが、必要に応じて定着
性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することも
できる。さらに、上記樹脂と磁性体を主成分とするトナ
ー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される
外添剤を添加したものであってもよい。
【0086】この磁性粉は数平均一次粒子径が0.1〜
2μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好
ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分10
0質量部に対し20〜200質量部、好ましくは樹脂成
分100質量部に対し40〜150質量部が良い。な
お、この数平均一次粒子径とは、走査型電子顕微鏡で5
000倍に拡大した写真を使用し、500個の粒子を測
定し、算出したものである。なお、粒子の粒径は水平方
向の最大長軸径を使用した。
【0087】又、磁性粉として珪素元素の含有量を特定
化することで、表面が過度に酸化されることが無く、帯
電性を安定に維持することができる。特に、高湿環境で
の帯電性の変化に対して有効である。
【0088】磁性トナーに用いる磁性粉中の珪素元素の
含有率が鉄元素を基準にして、0.1〜4.0質量%
(さらに好ましくは0.4〜2.0質量%)であること
が特徴の1つである。珪素元素の含有率が0.1質量%
より少ない場合には、磁性トナーへの改善効果(特に磁
性トナーの流動性の改善)が弱く、珪素元素の含有率が
4.0質量%より多い場合には、ケイ酸成分が磁性酸化
鉄表面に必要以上に残留したり、磁気特性に悪影響を与
える可能性がある。
【0089】本発明において、磁性粉の珪素元素の含有
率(鉄元素を基準とする)は、次のような方法によって
求めることができる。例えば、5リットルのビーカーに
約3リットルの脱イオン水を入れ45〜50℃になるよ
うにウォーターバスで加温する。約400mlの脱イオ
ン水でスラリーとした磁性酸化鉄約25gを約300m
lの脱イオン水で水洗いしながら、該脱イオン水ととも
に5リットルビーカー中に加える。
【0090】次いで、温度を約50℃、攪拌スピードを
約200rpmに保ちながら、特級塩酸または塩酸とフ
ッ化水素酸との混酸を加え、溶解を開始する。このと
き、塩酸水溶液は約3規定となっている。溶解開始か
ら、すべて溶解して透明になるまでの間に数回約20m
lサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターで
ろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(I
CP)によって、鉄元素及び珪素元素の定量を行う。
【0091】又、長軸と短軸の比をある範囲以上とする
ことで、球形化された磁性粉を使用し、表面へのムダな
吸着成分を除去することができ、帯電性を安定に維持す
ることができる。この場合、いわゆる導電性成分の吸着
を抑制することができ、特に高湿環境での電荷のリーク
を抑制することができ、濃度低下などの問題を発生しな
い。
【0092】磁性粉の形状を6〜20面体構造とするこ
とで、磁性粉が含有されたトナーの耐破砕性を向上する
ことができ、長期に亘って安定した画像を形成すること
ができる。特に、会合型トナーとした場合、トナー内部
での凝集力を向上することができるために、長期に亘る
使用での微粉の発生が無く、現像スリーブなどへの付着
が引き起こされることなく、長期に亘る帯電性の安定化
を計ることができる。
【0093】本発明においてFeO含有量が20質量%
未満の磁性粉をトナーに用いると、低温低湿環境下では
トナー帯電量を適度にコントロールしにくくなり、トナ
ー帯電量の過度の上昇による画像濃度低下やバックグラ
ウンドの汚れに充分対処しきれるものではなく、又、黒
色トナーとして鮮明な色味を得る為の色調制御等も難し
くなる。
【0094】一方、FeO含有量が30質量%を上まわ
る磁性酸化鉄をトナーに用いると、特に高湿環境下では
トナーの帯電量が低下し、画像濃度低下が発生する。
【0095】本発明に用いる磁性酸化鉄は、硫酸鉄(F
eSO4)を苛性ソーダ(NaOH)で中和しFe(O
H)2を得、アルカリによる調整によりpH12〜13
にした後、蒸気と空気により酸化しマグネタイトのスラ
リーを得る。次の乾燥工程を温風乾燥器を用い乾燥温
度、乾燥時間をコントロールすることにより磁性酸化鉄
中のFeOをコントロールすることができる。乾燥終了
後解砕しマグネタイト粉体を得る。
【0096】ここで磁性酸化鉄中のFeOの測定は下記
の手順による。磁性酸化鉄1,000gを500mlの
ビーカーに入れ脱イオン水50mlを加え、更に特級硫
酸20mlを添加し、磁性酸化鉄を完全に溶解させる。
【0097】次に脱イオン水100ml加え、更にMn
SO4、H2SO4及びH3PO4(モル比0.3:2.
0:2.0)から成るMnSO4混液10mlを加えて
合計180mlとした後、10mlを採取し、0.02
モル/LのKMnO4溶液にて滴定する。
【0098】なお、磁性粉の特性として、79.6kA
/mにおける飽和磁化は7.0×10-5〜9.0×10
-5Wb・m/kgであることが好ましい。
【0099】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0100】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0101】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0102】本発明のトナーでは、外添剤として無機微
粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用すること
でより効果を発揮することができる。この理由として
は、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができ
るため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0103】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さ
らに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤等によって疎水化処理されていること
が好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定される
ものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして
40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリ
ティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するもの
である。この方法は、内容量200mlのビーカー中に
入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.
2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せ
きされているビュレットから、ゆっくり攪拌した状態で
無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この
無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量
をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算
出される。
【0104】疎水化度=(a/(a+50))×100 この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.
0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。ま
た、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用して
もよい。
【0105】いわゆる重合性単量体中に磁性体などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
ほぼ球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器
中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けるこ
とによりほぼ球形の粒子が得られる。この方法により、
トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御できるもので
ある。
【0106】反応装置 図1は、一般的に使用されている攪拌翼の構成が一段の
反応装置(攪拌装置)を示す構成斜視図であり、2は攪
拌槽、3は回転軸、4は攪拌翼、9は乱流形成部材であ
る。
【0107】懸濁重合法においては、特定の攪拌翼を使
用することで、乱流を形成することができ、形状を容易
に制御することができる。この理由としては明確ではな
いが、図1に示されるような攪拌翼4の構成が一段の場
合には、攪拌槽2内に形成される媒体の流れが攪拌槽2
の下部より上部への壁面を伝って動く流れのみになる。
そのため、従来では一般的に攪拌槽2の壁面などの乱流
形成部材9を配置することで乱流を形成し、攪拌の効率
を増加することがなされている。しかし、この様な装置
構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流
の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結
果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状を
制御することができない。
【0108】懸濁重合法において好ましく使用すること
のできる攪拌翼を備えた反応装置について図面を用いて
説明する。
【0109】図2および図3は、それぞれ反応装置の一
例を示す斜視図および断面図である。図2および図3に
示す反応装置において、熱交換用のジャケット1を外周
部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2内の中心部に回転軸
3を垂設し、該回転軸3に攪拌槽2の底面に近接させて
配設された下段の攪拌翼40と、より上段に配設された
攪拌翼50とが設けられている。上段の攪拌翼50は、
下段に位置する攪拌翼40に対して回転方向に先行した
交差角αをもって配設されている。本発明のトナーを製
造する場合において、交差角αは90度(°)未満であ
ることが好ましい。この交差角αの下限は特に限定され
るものでは無いが、5度程度以上であることが好まし
く、更に、好ましくは10度以上である。なお、三段構
成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接している攪
拌翼間で交差角が90度未満であることが好ましい。
【0110】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50によりまず媒体が攪拌され、下側
への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌
翼40により、上段の攪拌翼50で形成された流れがさ
らに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50自体でも
下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速さ
れて進行するものと推定される。この結果、乱流として
形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるた
めに、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推
定される。
【0111】なお、図2および図3中、矢印は回転方向
を示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9
は攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0112】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図10に記載する。図10(a)に示す攪拌
翼5aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5
bは中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に
示す攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)がある
もの、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0113】図4〜図8は、それぞれ、好ましく使用す
ることのできる攪拌翼を備えた反応装置の具体例を示す
斜視図であり、図4〜図8において、1は熱交換用のジ
ャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、7は上部材料投入
口、8は下部材料投入口、9は乱流形成部材である。
【0114】図4に示す反応装置において、攪拌翼41
には折り曲げ部411が形成され、攪拌翼51にはフィ
ン(突起)511が形成されている。
【0115】なお、攪拌翼に折り曲げ部が形成されてい
る場合において、折り曲げ角度は5〜45度であること
が好ましい。
【0116】図5に示す反応装置を構成する攪拌翼42
には、スリット421が形成されていると共に、折り曲
げ部422およびフィン423が形成されている。
【0117】なお、当該反応装置を構成する攪拌翼52
は、図2に示す反応装置を構成する攪拌翼50と同様の
形状を有している。
【0118】図6に示す反応装置を構成する攪拌翼43
には、折り曲げ部431およびフィン432が形成され
ている。
【0119】なお、当該反応装置を構成する攪拌翼53
は、図2に示す反応装置を構成する攪拌翼50と同様の
形状を有している。
【0120】図7に示す反応装置を構成する攪拌翼44
には、折り曲げ部441およびフィン442が形成され
ている。
【0121】また、当該反応装置を構成する攪拌翼54
には、中孔部541が中央に形成されている。
【0122】図8に示す反応装置には、攪拌翼45(下
段)と、攪拌翼55(中段)と、攪拌翼65とによる三
段構成の攪拌翼が設けられてなる。
【0123】これら折り曲げ部や上部あるいは下部への
突起(フィン)を有する構成を持つ攪拌翼は、乱流を効
果的に発生させるものである。
【0124】尚、上記の構成を有する上段と下段の攪拌
翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくとも
攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この理
由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の流
れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考えら
れる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに対
して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅で
ある。
【0125】さらに、攪拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95
%である。
【0126】又、懸濁重合法において層流を形成させる
場合に使用される反応装置の一例を図9に示す。この反
応装置には、乱流形成部材(邪魔板等の障害物)は設け
られていない点に特徴を有する。
【0127】図9に示した反応装置を構成する攪拌翼4
6および攪拌翼56は、それぞれ、図2に示す反応装置
を構成する攪拌翼40および攪拌翼50と同様の形状お
よび交差角αを有している。また、図9において、1は
熱交換用のジャケット、2は攪拌槽、3は回転軸、7は
上部材料投入口、8は下部材料投入口である。
【0128】尚、層流を形成させる場合に使用される反
応装置としては、図9に示されるものに限定されるもの
ではない。
【0129】又、かかる反応装置を構成する攪拌翼の形
状については、乱流を形成させないものであれば特に限
定されないが、方形板状のもの等、連続した面により形
成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0130】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0131】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0132】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌翼および攪拌槽と
しては、前述の懸濁重合法において層流を形成させる場
合と同様のものが使用でき、例えば図9に示すものが使
用できる。攪拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板
等の障害物を設けないことが特徴である。攪拌翼の構成
については、前述の懸濁重合法に使用される攪拌翼と同
様に、上段の攪拌翼が、下段の攪拌翼に対して回転方向
に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成と
することが好ましい。
【0133】この攪拌翼の形状についても、前述の懸濁
重合法において層流を形成させる場合と同様のものが使
用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定され
ないが、図10(a)に示した方形板状のもの等、連続
した面により形成されるものが好ましく、曲面を有して
いてもよい。
【0134】現像方法 本発明のトナーが使用できる現像方法としては特に限定
されないが、本発明のトナーは帯電量分布がシャープで
あるため、非接触現像方式に適用されると更に効果が発
揮される。すなわち、非接触現像方式では現像電界の変
化が大きいことから、微少な帯電の変化が大きく現像自
体に作用する。しかし、本発明のトナーは帯電量分布が
シャープであることから、帯電の変化が少なく、安定し
た帯電量を確保することができるため、非接触現像方式
において安定した画像を長期にわたって形成することが
できる。
【0135】現像スリーブの構成 本発明に使用される現像剤担持体は、円筒状のアルミニ
ウムの如き基体と、該基体を被覆する被覆層とを有す
る。該被覆層は現像剤担持体表面に導電性物質と結着樹
脂とを少なくとも含有している。更に現像剤担持体表面
に粗さを付与するための粒子を含有しても良い。大きさ
は個数平均粒径で0.05〜100μm、好ましくは
0.5〜50μm、特には1.0〜20μmが良い。現
像剤担持体表面に粗さを付与するための粒子の具体例と
しては、例えばPMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾ
グアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナ
イロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子や、あるいはシリ
カ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、炭酸カルシウム、マグネタイト、フェライト、硝
子、の如き無機化合物粒子等が挙げられる。
【0136】本発明の現像剤担持体表面に粗さを付与す
るための粒子は、前述したサイズの球状もしくは球状に
近い形状の粒子が特に好ましく使用される。またトナー
担持体表面に粗さを付与するための粒子として、無機粒
子と有機物粒子を混合して用いることも可能である。前
記有機系の粒子においては架橋型樹脂粒子が適当であり
好ましい。本発明に用いられる被覆層の中の現像剤担持
体表面に粗さを付与するための粒子の添加量としては、
結着樹脂100質量部に対し2〜120質量部の範囲で
特に好ましい結果を与える。2質量部未満では球状粒子
の添加効果が小さく、120質量部を超えるとトナーの
帯電性が低くなり過ぎてしまう場合がある。
【0137】本発明に用いられる被覆層中の導電性物質
としては、ファーネスブラック、ランプブラック、サー
マルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラッ
ク等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化スズ、酸化
亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン
及び酸化インジウム等の金属酸化物等;アルミニウム、
銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維、
炭素繊維等の無機系充填剤が挙げられる。本発明では、
特にグラファイト、カーボンブラック又はグラファイト
とカーボンブラックの混合物が好ましく用いられる。本
発明に用いられるグラファイトとしては、天然物、人造
合成物のいずれも使用可能である。好ましいグラファイ
トの粒径に関しては、グラファイトの形状が鱗片状であ
ること、またトナー担持体製造時における分散工程時に
形状が変化すること等により一義的に規定することは困
難であるが、長軸方向(ヘキ壊面方向)の幅として10
0μm以下であることが好ましい。測定方法としては、
試料を直接顕微鏡で観察し測定する。本発明に用いられ
る被覆層中の導電性物質の添加量としては、結着樹脂1
00質量部に対して10〜120質量部の範囲で特に好
ましい結果を与える。120質量部を超える場合は被膜
強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認められ、10
質量部未満では被覆層表面にトナーの汚染が発生しやす
くなる場合がある。
【0138】また本発明の現像剤担持体の被覆層に用い
られる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能
である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフ
ェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹
脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素
樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは
光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリ
コーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或
いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエ
ステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。本
発明の現像剤担持体の導電性被覆層表面の粗度は中心線
平均粗さ(以下Ra)として0.2〜4.5μmであ
り、好ましくは0.4〜3.5μmである。表面粗度が
0.2μm未満ではトナーの搬送性が低下し、十分な画
像濃度が得られなくなる場合があり、4.5μmを超え
るとトナーの搬送量が多くなり過ぎてトナーの帯電性が
不充分となる。導電被覆層の膜厚は通常20μm以下に
することが均一な膜厚を得るために好ましいが、特にこ
の膜厚に限定されるものではない。
【0139】ここに、本発明の画像形成方法は、本発明
のトナーを使用して行われる非接触現像方式による現像
工程、転写する工程、定着する工程を含む点に特徴を有
するものである。
【0140】非接触現像方式とは、現像剤担持体(現像
剤搬送部材)上に形成された現像剤層と感光体とが接触
しないものであり、この現像方式を構成するために現像
剤層は薄層で形成されることが好ましい。この方法は現
像剤担持体表面の現像領域で20〜500μmの現像剤
層を形成させ、感光体と現像剤担持体との間隙が該現像
剤層よりも大きい間隙を有するものである。この薄層形
成は磁気の力を使用する磁性ブレードや現像剤担持体表
面に現像剤層規制棒を押圧する方式等で形成される。さ
らに、ウレタンブレードや燐青銅板等を現像剤担持体表
面に接触させ現像剤層を規制する方法もある。押圧規制
部材の押圧力としては10〜150N/mmが好適であ
る。押圧力が小さい場合には規制力が不足するために搬
送が不安定になりやすく、一方、押圧力が大きい場合に
は現像剤に対するストレスが大きくなるため、現像剤の
耐久性が低下しやすい。好ましい範囲は30〜100N
/mmである。現像剤担持体と感光体表面の間隙は現像
剤層よりも大きいことが必要である。さらに、現像に際
して現像バイアスを付加する場合、直流成分のみ付与す
る方式でも良いし、交流バイアスを印加する方式のいず
れでも良い。
【0141】本発明においては、この現像剤担持体(現
像剤搬送部材)と静電潜像保持体(感光体)との間には
交番電界を印加することが好ましい。この交番電界を印
加することによってトナーを有効に飛翔させることがで
きる。この交番電界の条件は、交流周波数fが200〜
8000Hzであり、交流電圧Vp−pが500〜30
00Vであることが好ましい。この交番電界を使用する
場合にはトナーとして均一な帯電性を有していることが
必要である。すなわち、トナー間で帯電性に分布を有し
ている場合には交番電界による弱帯電性トナーなどの引
き戻し効果が相殺され、結果として画質を向上する効果
が低下する。
【0142】本発明に於いて使用される現像剤担持体と
しては、担持体内部に磁石を内蔵したものが多く用いら
れ、その現像剤担持体表面(スリーブ)が回転すること
によって現像剤を現像領域に搬送するものである。スリ
ーブを構成するものとしてはアルミニウムや表面を酸化
処理したアルミニウムあるいはステンレス製のものが用
いられる。
【0143】現像剤担持体の大きさとしては直径が10
〜40mmのものが好適である。直径が小さい場合には
現像剤の混合が不足し、トナーに対して充分な帯電付与
を行うに充分な混合を確保することが困難となり、直径
が大きい場合には現像剤に対する遠心力が大きくなり、
トナーの飛散の問題を発生しやすい。
【0144】以下、非接触現像方式の一例を図12を用
いて説明する。図12は、本発明の画像形成方法に好適
に使用できる非接触現像方式の現像部の概略図であり、
73は感光体、74は現像剤担持体、75はスリーブ、
76は磁石、77は本発明のトナーを含有する現像剤、
78は現像剤層規制部材、79は現像領域、80は現像
剤層、81は交番電界を形成するための電源である。
【0145】本発明のトナーを含有する現像剤77はそ
の内部に磁石76を有する現像剤担持体74の磁気力に
より担持され、スリーブ75の移動により現像領域79
に搬送される。この搬送に際して、現像剤層80は現像
剤層規制部材78により、現像領域79に於いて、感光
体73と接触することがないようにその厚さが規制され
る。
【0146】現像領域79の最小間隙(Dsd)はその
領域に搬送される現像剤層80の厚さ(概ね50〜30
0μmの層で搬送されることが好ましい)より大きく、
例えば100〜1000μm(好ましくは100〜50
0μm)である。
【0147】電源81は交番電界を形成するための電源
であり、周波数200〜8000Hz、電圧500〜3
000Vp−pの交流が好ましい。電源81には必要に
応じて直流を交流に直列に加えた構成であってもよい。
その場合、直流電圧としては300〜800Vが好まし
い。
【0148】また、接触方式の現像において本発明のト
ナーを使用する場合には、本発明のトナーを有する現像
剤の層厚は現像領域に於いて0.1〜8mm、特に、
0.4〜5mmであることが好ましい。また、感光体と
現像剤担持体との間隙は、0.15〜7mm、特に、
0.2〜4mmであることが好ましい。
【0149】本発明の画像形成方法においては、現像工
程後、転写材(画像支持体ともいわれ、通常は普通紙の
ため転写紙ともいわれる)に転写する工程を経て、定着
工程にて定着される。
【0150】本発明に使用される好適な定着方法として
は、いわゆる接触加熱方式をあげることができる。特
に、接触加熱方式として、熱圧定着方式、さらには熱ロ
ール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回
動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式をあげ
ることができる。
【0151】熱ロール定着方式では、多くの場合表面に
テトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等
を被覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリン
ダー内部に熱源を有する上ローラーとシリコーンゴム等
で形成された下ローラーとから形成されている。熱源と
しては、線状のヒーターを有し、上ローラーの表面温度
を120〜200℃程度に加熱するものが代表例であ
る。定着部に於いては上ローラーと下ローラー間に圧力
を加え、下ローラーを変形させ、いわゆるニップを形成
する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.
5〜7mmである。定着線速は40mm/sec〜60
0mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を
均一にトナーに付与することができなくなり、定着のム
ラを発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶
融が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生
する。
【0152】定着クリーニングの機構を付与して使用し
てもよい。この方式としてはシリコーンオイルを定着の
上ローラーあるいはフィルムに供給する方式やシリコー
ンオイルを含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等でク
リーニングする方法が使用できる。
【0153】次に、本発明で用いられる固定配置された
加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する方式
について説明する。
【0154】この定着方式は、固定配置された加熱体
と、該加熱体に対向圧接し、且つフィルムを介して転写
材を加熱体に密着させる加圧部材とにより圧接加熱定着
する方式である。
【0155】この圧接加熱定着器は、加熱体が従来の加
熱ローラーに比べて熱容量が小さく、転写材の通過方向
と直角方向にライン状の加熱部を有するものであり、通
常加熱部の最高温度は100〜300℃である。
【0156】なお、圧接加熱定着とは、通常よく用いら
れるごとく加熱部材と加圧部材の間を、未定着トナーを
した転写材を通す方式等、加熱源に未定着トナー像を押
し当てて定着する方法である。こうすることにより加熱
が迅速に行われるため、定着の高速化が可能となるが、
温度制御が難しく、加熱源表面部分等の未定着トナーを
直接圧接される部分に、トナーが付着残留したいわゆる
トナーオフセットが起こりやすく、また転写材が定着器
に巻き付きを起こす等の故障も起こしやすいという問題
点もある。
【0157】この定着方式では、装置に固定支持された
低熱容量のライン状加熱体は、厚さにして0.2〜5.
0mm、さらに好ましくは0.5〜3.5mmで幅10
〜15mm、長手長240〜400mmのアルミナ基板
に抵抗材料を1.0〜2.5mmに塗布したもので両端
より通電される。
【0158】通電はDC100Vの周期15〜25ms
ecのパルス波形で、温度センサーにより制御された温
度・エネルギー放出量に応じたパルス幅に変化させてあ
たえる。低熱容量ライン状加熱体において、温度センサ
ーで検出された温度T1の場合、抵抗材料に対向するフ
ィルムの表面温度T2はT1よりも低い温度となる。こ
こでT1は120〜220℃が好ましく、T2の温度は
T1の温度と比較して0.5〜10℃低いことが好まし
い。また、フィルムがトナー表面より剥離する部分にお
けるフィルム材表面温度T3はT2とほぼ同等である。
フィルムは、この様にエネルギー制御・温度制御された
加熱体に当接して図13(a)の中央矢印方向に移動す
る。これら定着用フィルムとして用いられるものは、厚
みが10〜35μmの耐熱フィルム、例えばポリエステ
ル、ポリパーフルオロアルコキシビニルエーテル、ポリ
イミド、ポリエーテルイミドに、多くの場合はテフロン
(登録商標)等のフッ素樹脂に導電材を添加し離型剤層
を、5〜15μm被覆させたエンドレスフィルムであ
る。
【0159】フィルムの駆動には、駆動ローラーと従動
ローラーにより駆動力とテンションをかけられて矢印方
向へシワ・ヨレがなく搬送される。定着器としての線速
は40〜600mm/secが好ましい。
【0160】加圧ローラーはシリコーンゴム等の離型性
の高いゴム弾性層を有し、フィルム材を介して加熱体に
圧着され、圧接回転する。
【0161】また、上記にはエンドレスフィルムを用い
た例を説明したが、図13(b)の様にフィルムシート
の送り出し軸と巻き取り軸を使用し、有端のフィルム材
を使用してもよい。さらには内部に駆動ローラー等を有
しない単なる円筒状のものでもよい。
【0162】上記定着器にはクリーニング機構を付与し
て使用してもよい。クリーニング方式としては、各種シ
リコーンオイルを定着用フィルムに供給する方式や各種
シリコーンオイルを含浸させたパッド、ローラー、ウェ
ッブ等でクリーニングする方式が用いられる。
【0163】なお、シリコーンオイルとしては、ポリジ
メチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポ
リジフェニルシロキサン等を使用することが出来る。さ
らに、フッ素を含有するシロキサンも好適に使用するこ
とが出来る。
【0164】次に図13にこの定着器の構成断面図の例
を示す。図13(a)において、84は装置に固定支持
された低熱容量ライン状加熱体であって、一例として高
さが1.0mm、幅が10mm、長手長が240mmの
アルミナ基板85に抵抗材料86を幅1.0mmに塗工
したものであり、長手方向両端部より通電される。
【0165】通電は例えばDC100Vで通常は周期2
0msecのパルス状波形でなされ、検温素子87から
の信号によりコントロールされ所定温度に保たれる。こ
のためエネルギー放出量に応じてパルス幅を変化させる
が、その範囲は例えば0.5〜5msecである。
【0166】このように制御された加熱体84に移動す
るフィルム88を介して未定着トナー像93を担持した
転写材94を当接させてトナーを熱定着する。
【0167】ここで用いられるフィルム88は、駆動ロ
ーラー89と従動ローラー90によりテンションをかけ
られた状態でシワの発生なく移動する。95はシリコー
ンゴム等で形成されたゴム弾性層を有する加圧ローラー
であり、総圧0.4〜2.0Nでフィルムを介して加熱
体を加圧している。転写材94上の未定着トナー像93
は、入口ガイド96により定着部に導かれ、上述した加
熱により定着像を得る。
【0168】以上はエンドレスベルトで説明したが、図
13(b)のごとく、フィルムシート繰り出し軸91お
よび巻き取り軸92を使用し、定着用のフィルムは有端
のものでもよい。
【0169】
【実施例】次に、実施例により本発明の構成と効果を具
体的に説明する。
【0170】(トナー製造例1:乳化重合会合法の例)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.
0リットルを入れ攪拌溶解した。この溶液に、磁性粉
(79.6kA/mにおける飽和磁化8.3×10-5
b・m/kg、珪素元素含有率1.7質量%、平均粒径
0.22μm、FeO含有量26.1%、長軸と短軸の
比=0.82、8面体構造)12.0kgを徐々に加
え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー(媒
体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このも
のを「着色剤分散液1」とする。
【0171】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgとイオン交換水4.0リットルとか
らなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0172】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0リ
ットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」
とする。
【0173】過硫酸カリウム238gをイオン交換水1
2.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とす
る。
【0174】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた容積100リットルのGL(グラスライニング)反
応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000の
ポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=12
0nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「ア
ニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤
溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオ
ン交換水44.0リットルを加えた。
【0175】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.70kgとメタ
クリル酸1.14kgとt−ドデシルメルカプタン55
0gとからなる溶液を滴下しながら投入した。滴下終了
後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を
行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停
止し、ポールフィルターで濾過してラテックスを得た。
これを「ラテックス−A」とする。
【0176】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は58℃、軟化点は119℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.35万、質量平均粒径は11
5nmであった。
【0177】ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.055kgをイオン交換純水4.0リットルに溶解
した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。
【0178】また、ノニルフェノールポリエチレンオキ
サイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水
4.0リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤
溶液E」とする。
【0179】過硫酸カリウム(関東化学社製)200g
をイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開
始剤溶液F」とする。
【0180】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100リットルのGL反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全
量とを入れ、攪拌を開始した。
【0181】次いで、イオン交換水44.0リットルを
投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になったとこ
ろで、「開始剤溶液F」を添加した。ついで、スチレン
11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメ
タクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.0gとをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下
終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱
攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とする。
【0182】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は59℃、軟化点は133℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、質量平均粒径は11
0nmであった。
【0183】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0リットルに溶解した溶液を
「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0184】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00リットルに溶解した溶液を「ノニ
オン界面活性剤溶液H」とする。
【0185】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100リット
ルのSUS反応釜(図9に示した構成の反応装置,交差
角αは25°)に、上記で作製したラテックス−A=2
0.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散
液1=6.1kgとイオン交換水20.0kgとを入れ
攪拌した。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶
液G、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。
その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度
85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3
時間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させ
た。次に純水2.1リットルを添加して粒径成長を停止
させた。
【0186】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5リットルの反応容器(図9
に示した構成の反応装置,交差角αは20°)に、上記
で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度8
5℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制
御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止した。
次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分
級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を
会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、
イオン交換水により洗浄した。この非球形状粒子をフラ
ッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて
乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で
乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリ
カ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合し
て乳化重合会合法による磁性トナーを得た。
【0187】前記塩析/融着段階および形状制御工程の
モニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を
制御することにより、形状および形状係数の変動係数を
制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の
変動係数を任意に調整して、特定の形状特性および粒度
分布特性を有するトナー粒子からなる磁性トナー1〜5
を得た。また、磁性粉を表1に示す様に変更した。
【0188】(トナー製造例6:懸濁重合法の例)スチ
レン=165g、n−ブチルアクリレート=35g、磁
性粉(79.6kA/mにおける飽和磁化8.3×10
-5Wb・m/kg、珪素元素含有率0.7質量%、平均
粒径0.20μm、FeO含有量25.1%、長軸と短
軸の比=0.91、球状構造)=130g、ジ−t−ブ
チルサリチル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリ
ル酸共重合体=8g、パラフィンワックス(mp=70
℃)=20gを60℃に加温し、サンドグラインダーに
て攪拌し、磁性粉を分散した。これに重合開始剤として
2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)=10
gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。
ついで、イオン交換水710gに0.1モル/L燐酸ナ
トリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて
13000rpmで攪拌しながら1.0モル/L塩化カ
ルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散
させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量
体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000r
pmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒し
た。その後、図2に示したような構成の反応装置(交差
角αは45°)を使用し、75〜95℃にて5〜15時
間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去
し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中に
て分級を行い、ついで濾過、洗浄、乾燥させた。得られ
た着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部を
ヘンシェルミキサーにて外添混合して懸濁重合法による
トナーを得た。
【0189】前記重合時にモニタリングを行い、液温
度、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に
調整して、特定の形状特性および粒度分布特性を有する
トナー粒子からなる磁性トナー6〜8を得た。
【0190】(トナー製造例9:懸濁重合法の例)トナ
ー製造例6において、図9に示したような構成の反応装
置(交差角αは15°)を使用したこと、および遠心分
離機を用いた液中での分級を行わなかった他は同様にし
て、特定の形状特性および粒度分布特性を有するトナー
粒子からなる磁性トナー9を得た。
【0191】(トナー製造例10:粉砕法の例)スチレ
ン−nブチルアクリレート共重合体樹脂100kgと磁
性粉(79.6kA/mにおける飽和磁化8.3×10
-5Wb・m/kg、珪素元素含有率1.6質量%、平均
粒径0.19μm、FeO含有量27.1%、長軸と短
軸の比=0.85、8面体構造)=60kgとポリプロ
ピレン4質量部とからなるトナー原材料をヘンシェルミ
キサーにより予備混合し、二軸押出機にて溶融混練し、
ハンマーミルにて粗粉砕し、ジェット式粉砕機にて粉砕
し、得られた粉体をスプレードライヤーの熱気流中に分
散して(200〜300℃に0.05秒間)形状を調整
した粒子を得た。この粒子を風力分級機にて目的の粒径
分布となるまで繰り返し分級した。得られた着色粒子の
100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミ
キサーにて外添混合して粉砕法によるトナーを得た。
【0192】この様にして、形状および形状係数の変動
係数を制御し、さらに粒径および粒度分布の変動係数を
調整した、特定の形状特性および粒度分布特性を有する
トナー粒子からなる磁性トナー10〜11を得た。
【0193】
【表1】
【0194】*珪素含有量 :質量% *平均粒径 :数平均一次粒子径(μm) *FeO含有量:質量% *飽和磁化 :79.6kA/mにおける飽和磁化
(Wb・m/kg)
【0195】
【表2】
【0196】評価は、HP社製レーザープリンター「L
J4000」を改造して使用した。条件を下記に示す。
感光体としては積層型有機感光体を使用した。
【0197】・感光体表面電位=−750V ・DCバイアス =−610V ・ACバイアス =Vp−p:2700V ・交番電界周波数=5000Hz ・Dsd =270μm ・磁性H−Cut方式の薄層形成方式 ・磁性トナー厚 =100μm ・現像スリーブ =下記の構成とした 現像スリーブ調製例 20mm径のアルミニウム製円筒状基体に、下記樹脂被
覆層を設けた。
【0198】 レゾール型フェノール樹脂50%メタノール溶液 200質量部 個数平均径9μmのグラファイト 50質量部 導電性カーボンブラック 5質量部 イソプロピルアルコール 130質量部 をサンドミルにて2時間分散し被覆層液を得た。
【0199】この液を用いてスプレー塗布にて基体上に
被覆層を形成し、150℃にて30分間加熱乾燥した。
【0200】なお、上記フェノール樹脂の濃度及びグラ
ファイトの大きさ及び添加量を調製し、下記表3に示す
表面粗さを有する現像スリーブを調製した。
【0201】
【表3】
【0202】*スリーブ6:導電性被覆をしないアルミ
ニウム製円筒基体をスリーブとして使用 定着器としては圧接方式の加熱定着器を採用した。構成
は下記のとおりである。
【0203】テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体で表面を被覆した直径3
0mmのヒーターを中央部に内蔵した円柱状の鉄からな
る上ローラーを有し、表面が同様にテトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルエーテル共重合体で被覆し
たシリコーンゴムで構成された直径30mmの下ローラ
ーを有している。線圧は8.0N/cmに設定され、ニ
ップの幅は4.3mmとした。この定着器を使用して、
印字の線速を250mm/secに設定した。定着の温
度は上ローラの表面温度で制御し、185℃の設定温度
とした。なお、定着装置のクリーニング機構としてポリ
ジフェニルシリコーン(20℃の粘度が100Pa・s
のもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用し
た。
【0204】上記条件にて、環境を低温低湿環境(10
℃/10%RH)にて20000枚にわたる画像形成を
行い、1枚目に形成された画像と、20000枚目に形
成された画像とについて、各種の評価を行った。特に低
温低湿環境での評価は現像ゴースト現象に対して厳しい
評価であるためである。
【0205】〔評価方法〕 (1)最大画像濃度 ベタ黒画像の画像濃度を測定した。マクベス反射濃度計
「RD−918」を用いて絶対反射濃度を測定した。
【0206】(2)ベタ黒画像濃度ムラ ベタ黒画像の最大反射濃度と最小反射濃度をマクベス反
射濃度計「RD−918」を用いて絶対反射濃度で測定
し、その差を求めた。差が少ないほど、ベタ黒画像の安
定性に優れているといえる。
【0207】なお、ベタ黒画像を印字する前に、10m
m幅の縦の黒筋スジ画像を印字した後に出力した。この
結果、ベタ黒画像の濃度の差が大きいものほど、いわゆ
る現像ゴースト現象が発生しているものといえる。
【0208】(3)カブリ濃度 印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計
「RD−918」を用いて20ヶ所の絶対画像濃度を測
定して平均し、白紙濃度とする。次に評価形成画像の白
地部分について、同様に20ヶ所の絶対画像濃度を測定
して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカ
ブリ濃度として評価した。
【0209】カブリ濃度が0.010以下であれば、カ
ブリは実用的に問題ないといえる。
【0210】
【表4】
【0211】以上の様に、本発明の構成を用いれば繰り
返しの画像形成によっても画質の変化が小さく、現像性
および細線再現性に優れ、高画質な画像を長期にわたっ
て安定的に形成することができる。
【0212】
【発明の効果】本発明により、現像性および細線再現性
に優れ、高画質な画像を長期にわたって安定的に形成す
ることができる静電荷像の現像方法及び画像形成方法を
提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】攪拌翼の構成が一段の反応装置を示す構成斜視
図。
【図2】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の一例を示す斜視図。
【図3】図2に示した反応装置の断面図。
【図4】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図。
【図5】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図。
【図6】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図。
【図7】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図。
【図8】好ましく使用することのできる攪拌翼を備えた
反応装置の具体例を示す斜視図。
【図9】層流を形成させる場合に使用される反応装置の
一例を示す斜視図。
【図10】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図。
【図11】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示
す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角の
あるトナー粒子の投影像を示す説明図。
【図12】非接触現像方式による現像装置の一例を示す
説明図。
【図13】定着器の構成の一例を示す説明構成図。
【符号の説明】
1 熱交換用ジャケット 2 攪拌槽 3 回転軸 4 攪拌翼 40 下段に位置する攪拌翼 41 下段に位置する攪拌翼 411 折り曲げ部 42 下段に位置する攪拌翼 421 スリット 422 折り曲げ部 423 フィン 43 下段に位置する攪拌翼 431 折り曲げ部 432 フィン 44 下段に位置する攪拌翼 441 折り曲げ部 442 フィン 45 下段に位置する攪拌翼 46 下段に位置する攪拌翼 50 上段に位置する攪拌翼 51 上段に位置する攪拌翼 511 フィン 52 上段に位置する攪拌翼 53 上段に位置する攪拌翼 54 上段に位置する攪拌翼 541 中孔部 55 中段に位置する攪拌翼 56 上段に位置する攪拌翼 65 上段に位置する攪拌翼 5a,5b,5c,5d 攪拌翼 6b,6c,6d 中孔部 7 上部材料投入口 8 下部材料投入口 9 乱流形成部材 α 交差角 73 感光体 74 現像剤担持体 75 スリーブ 76 磁石 77 二成分現像剤 78 現像剤層規制部材 79 現像領域 80 現像剤層 81 電源 84 加熱体 85 アルミナ基板 86 抵抗材料 87 検温素子 88 フィルム 89 駆動ローラー 90 従動ローラー 91 繰り出し軸 92 巻き取り軸 93 未定着トナー像 94 転写材 95 加圧ローラー Dsd 最小間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 裕之 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA15 AB06 DA10 EA05 EA10 FA06 2H077 AD06 EA13 EA16 FA13 FA25 GA03

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に少なくとも導電性物質を含有する
    樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤担
    持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、静電荷
    像を現像する方法において、該磁性トナーが形状係数の
    変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個
    数変動係数が27%以下であるトナー粒子からなること
    を特徴とする静電荷像の現像方法。
  2. 【請求項2】 形状係数が1.0〜1.6の範囲にある
    トナー粒子の割合が65個数%以上であることを特徴と
    する請求項1記載の静電荷像の現像方法。
  3. 【請求項3】 形状係数が1.2〜1.6の範囲にある
    トナー粒子の割合が65個数%以上であることを特徴と
    する請求項1記載の静電荷像の現像方法。
  4. 【請求項4】 角がないトナー粒子の割合が50個数%
    以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項
    記載の静電荷像の現像方法。
  5. 【請求項5】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μm
    であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載
    の静電荷像の現像方法。
  6. 【請求項6】 トナー粒子の粒径をD(μm)とすると
    き、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23
    間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒ
    ストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の
    相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階
    級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜
    5の何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中で
    重合せしめて得られることを特徴とする請求項1〜6の
    何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも樹脂粒子と磁性粉とを水系媒
    体中で会合させて得られることを特徴とする請求項1〜
    7の何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  9. 【請求項9】 基体に少なくとも導電性物質を含有する
    樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤担
    持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、静電荷
    像を現像する方法において、該磁性トナーが角がないト
    ナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布
    における個数変動係数が27%以下であるトナー粒子か
    らなることを特徴とする静電荷像の現像方法。
  10. 【請求項10】 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上であることを特徴
    とする請求項9記載の静電荷像の現像方法。
  11. 【請求項11】 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上であることを特徴
    とする請求項9記載の静電荷像の現像方法。
  12. 【請求項12】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mであることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項
    記載の静電荷像の現像方法。
  13. 【請求項13】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い
    階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項9〜
    12の何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られることを特徴とする請求項9〜1
    3の何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  15. 【請求項15】 基体に少なくとも導電性物質を含有す
    る樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤
    担持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、静電
    荷像を現像する方法において、該磁性トナーが形状係数
    が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65
    個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下で
    あるトナー粒子からなることを特徴とする静電荷像の現
    像方法。
  16. 【請求項16】 角がないトナー粒子の割合が50個数
    %以上であることを特徴とする請求項15記載の静電荷
    像の現像方法。
  17. 【請求項17】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mであることを特徴とする請求項15又は16記載の静
    電荷像の現像方法。
  18. 【請求項18】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い
    階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項15
    〜17の何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  19. 【請求項19】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られることを特徴とする請求項15〜
    18の何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  20. 【請求項20】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会
    合させて得られることを特徴とする請求項15〜19の
    何れか1項記載の静電荷像の現像方法。
  21. 【請求項21】 基体に少なくとも導電性物質を含有す
    る樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤
    担持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、感光
    体上に形成された静電荷像と非接触状態で対向させて、
    少なくとも樹脂と磁性粉とを含有する磁性トナーを飛翔
    させて顕像化する現像工程、転写工程、定着工程を含む
    画像形成方法において、該磁性トナーは、形状係数の変
    動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数
    変動係数が27%以下である磁性トナー粒子からなるこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  22. 【請求項22】 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上である磁性トナー
    を飛翔させて顕像化することを特徴とする請求項21記
    載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上である磁性トナー
    を飛翔させて顕像化することを特徴とする請求項21記
    載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 角がないトナー粒子の割合が50個数
    %以上である磁性トナーを飛翔させて顕像化することを
    特徴とする請求項21〜23の何れか1項記載の画像形
    成方法。
  25. 【請求項25】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mである磁性トナーを飛翔させて顕像化することを特徴
    とする請求項21〜24の何れか1項記載の画像形成方
    法。
  26. 【請求項26】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い
    階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上である磁性トナーを飛翔させて顕像
    化することを特徴とする請求項21〜25の何れか1項
    記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られるトナーを飛翔させて顕像化する
    ことを特徴とする請求項21〜26の何れか1項記載の
    画像形成方法。
  28. 【請求項28】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会
    合させて得られるトナーを飛翔させて顕像化することを
    特徴とする請求項21〜27の何れか1項記載の画像形
    成方法。
  29. 【請求項29】少なくとも磁性粉の長軸と短軸の比が
    0.8以上であることを特徴とする請求項21〜28の
    いずれか1項記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 基体に少なくとも導電性物質を含有す
    る樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤
    担持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、感光
    体上に形成された静電荷像と非接触状態で対向させて、
    少なくとも樹脂と磁性粉とを含有する磁性トナーを飛翔
    させて顕像化する現像工程、転写工程、定着工程を含む
    画像形成方法において、該磁性トナーは、角がないトナ
    ー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布に
    おける個数変動係数が27%以下である磁性トナー粒子
    からなることを特徴とする画像形成方法。
  31. 【請求項31】 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上である磁性トナー
    を飛翔させて顕像化することを特徴とする請求項30記
    載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上である磁性トナー
    を飛翔させて顕像化することを特徴とする請求項30記
    載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mである磁性トナーを飛翔させて顕像化することを特徴
    とする請求項30〜32の何れか1項記載の画像形成方
    法。
  34. 【請求項34】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い
    階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上である磁性トナーを飛翔させて顕像
    化することを特徴とする請求項30〜33の何れか1項
    記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られる磁性トナーを飛翔させて顕像化
    することを特徴とする請求項30〜34の何れか1項記
    載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会
    合させて得られる磁性トナーを飛翔させて顕像化するこ
    とを特徴とする請求項30〜35の何れか1項記載の画
    像形成方法。
  37. 【請求項37】 基体に少なくとも導電性物質を含有す
    る樹脂を被覆層として有する現像スリーブをもつ現像剤
    担持体に、磁性トナーからなる現像剤層を形成し、感光
    体上に形成された静電荷像と非接触状態で対向させて、
    少なくとも樹脂と磁性粉とを含有する磁性トナーを飛翔
    させて顕像化する現像工程、転写工程、定着工程を含む
    画像形成方法において、該磁性トナーは、形状係数が
    1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個
    数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であ
    るトナー粒子からなることを特徴とする画像形成方法。
  38. 【請求項38】 角がないトナー粒子の割合が50個数
    %以上である磁性トナーを飛翔させて顕像化することを
    特徴とする請求項37記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mである磁性トナーを飛翔させて顕像化することを特徴
    とする請求項37又は38記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子
    の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い
    階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上である磁性トナーを飛翔させて顕像
    化することを特徴とする請求項37〜39の何れか1項
    記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られる磁性トナーを飛翔させて顕像化
    することを特徴とする請求項37〜40の何れか1項記
    載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会
    合させて得られる磁性トナーを飛翔させて顕像化するこ
    とを特徴とする請求項37〜41の何れか1項記載の画
    像形成方法。
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