JP2002139898A - 画像形成方法、画像形成装置およびトナー - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置およびトナー

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JP2002139898A
JP2002139898A JP2000332530A JP2000332530A JP2002139898A JP 2002139898 A JP2002139898 A JP 2002139898A JP 2000332530 A JP2000332530 A JP 2000332530A JP 2000332530 A JP2000332530 A JP 2000332530A JP 2002139898 A JP2002139898 A JP 2002139898A
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particles
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JP2000332530A
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English (en)
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Takeshi Omura
大村  健
Tatsuya Nagase
達也 長瀬
Kazuhisa Horiuchi
一寿 堀内
Kaori Soeda
香織 添田
Yoshiyasu Matsumoto
好康 松本
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 細線、微小ドット再現性が良く、画像斑がな
い、磁気ブラシの堅さ過ぎ等による画像端欠けもない画
像形成方法、又、トナーの破砕強度が高く、キャリアへ
のトナースペント、現像ローラーへの融着が無いトナー
を提供する。 【解決手段】 現像領域に搬送される現像剤の搬送量を
0.3〜10.0mg/cm2に調整し、現像剤搬送部
材13と像担持体12との間隔をDs(mm)、印加す
る交流電圧のピークトゥピーク値をVp−p(V)で表
したとき、下記式(1)に示される範囲の振動電界(V
p−p/Ds)を作用させて現像し、トナーは、トナー
粒子形状係数の変動係数が16%以下で、個数粒度分布
における個数変動係数が27%以下である画像形成方
法。 式(1) 5(kV/mm)≧Vp−p/Ds≧3.5
(kV/mm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる画像形成方法、画像形成装置およびトナ
ーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現像領域に現像剤の層を形成させ、交流
電界によりトナーを飛翔させ現像する技術は公知である
(特開平5−181366号公報)。しかしながら、性能
面では微少なドットや細線が太るという問題があった。
また現像剤が現像装置内で撹拌中に、または搬送部材と
搬送量規制部材の間を通って薄層を形成し搬送される過
程でストレスを受け、トナーが破砕し、キャリアにトナ
ーが融着するスペント現象を起こす。あるいは現像剤搬
送部材、すなわち現像スリーブ(現像ローラー面)に融
着し、長期使用下でのカブリ、画像斑が出るという問題
があった。
【0003】一方、微少なドットや細線の再現性に優
れ、解像度の高い画像が得られるトナー粒子を得るため
の方法として、例えば乳化重合法により得られる樹脂粒
子と着色剤粒子とを会合(凝集および融着)させる方法
が知られている(例えば特開平5−265252号公報
参照)。
【0004】ところで、トナーの耐破砕性およびキャリ
ア、現像スリーブへの融着性のないトナーを得るために
は、トナー粒子を構成する樹脂として分子量の大きい樹
脂を使用する必要がある。他方、画像支持体(転写紙、
転写材)に対する良好な接着性すなわち定着性を確保す
るためには、当該トナー粒子を構成する樹脂として分子
量の低い樹脂を使用する必要がある。
【0005】このため、画像支持体に対する良好な接着
性を確保しながら、トナーの耐破砕性およびキャリア、
現像スリーブへの融着性のないトナーを得るためには、
トナー粒子中に、低分子量領域に極大値を有する低分子
量樹脂と、高分子量領域に極大値を有する高分子量樹脂
とが含有されていること(分子量がいわゆる二山分布で
あること)が好ましく、この点に対応する技術開発も行
われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
状況と下記背景の基でなされた。
【0007】(1)低分子量樹脂および高分子量樹脂を
含有するトナー粒子を、樹脂粒子と着色剤粒子とを会合
させることによって形成する場合には、低分子量樹脂か
らなる樹脂粒子と、高分子量樹脂からなる樹脂粒子と、
着色剤粒子とを水系媒体中で会合(凝集および融着)さ
せる必要がある。
【0008】しかしながら、このような方法により得ら
れるトナー粒子は、粒子間において、樹脂成分の分子量
や組成(例えば、低分子量樹脂と高分子量樹脂との組成
比)にバラツキを生じやすい。この結果、高分子量樹脂
の導入によるトナーの耐破砕性およびキャリア、現像ス
リーブへの耐融着性の向上を十分に図ることができな
い。
【0009】(2)特開平9−265210号公報に
は、着色剤の存在下に、エチレン性不飽和単量体の乳化
重合を2回繰り返して行うことにより、分子量分布に2
つの極大値を有する樹脂成分と着色剤とを含有してなる
複合樹脂粒子(着色剤含有複合樹脂粒子)を調製し、こ
の着色剤含有複合樹脂粒子を会合(凝集および融着)さ
せる工程を含むトナーの製造方法が開示されている。
【0010】このような方法によれば、複合樹脂粒子
(分子量分布に2つの極大値がある樹脂粒子)を会合さ
せるので、得られるトナー粒子間における樹脂成分の分
子量や組成のバラツキをある程度小さくすることができ
る。
【0011】しかしながら、上記公報に記載の方法によ
れば、単量体の重合が着色剤の存在下に行われるため
に、得られるトナーに下記のような問題が生じる。
【0012】(a)重合系に存在する着色剤により単量
体の重合反応が阻害される結果、所期の分子量を有する
複合樹脂粒子(着色剤含有複合樹脂粒子)を得ることが
できず、このような複合樹脂粒子を会合して得られるト
ナーによれば、所期の分子量に達していない樹脂成分
(溶融粘度の低い樹脂成分)に起因して、現像スリーブ
への耐融着性を十分に発揮することができず、現像装置
の汚染や画像ムラを発生させることがある。
【0013】(b)着色剤により単量体の重合反応が阻
害される結果、当該単量体やオリゴマーがトナー中に残
留し、これにより、当該トナーを用いて行われる画像形
成方法の熱定着工程において異臭が発生することがあ
る。
【0014】(c)着色剤により単量体の重合反応が阻
害されて均一な重合が行われないことにより、トナー粒
子の表面特性にバラツキを生じる。この結果、帯電量分
布が広くなり、当該トナーを用いて形成される画像の鮮
鋭性が損なわれることがある。
【0015】上記のような事情に基づいて、本発明者等
は、多段重合法により得られる複合樹脂粒子と、着色剤
粒子とを塩析/融着して得られるトナーおよびその製造
方法等について提案している(特願平11−95889
号明細書参照)。
【0016】この明細書に記載のトナーは、トナー粒子
間における組成・分子量・表面特性の均質性に優れてお
り、当該トナーによれば、画像支持体に対する良好な接
着性(定着性)を確保しながら、トナーの耐破砕性およ
びキャリア、現像スリーブへの耐融着性の向上を図るこ
とができるとともに、鮮鋭性の良好な可視画像を長期に
わたり形成することができる。
【0017】しかしながら、このようなトナーについ
て、耐オフセット性のさらなる向上を図るために、トナ
ー粒子内に離型剤を導入することが考えられる。
【0018】又、このようなトナーについて、定着性の
さらなる向上を図るために、定着性改良剤である結晶性
ポリエステルをトナー粒子内に導入することが考えられ
る。
【0019】ここに、離型剤及び/又は結晶性ポリエス
テルをトナー粒子内に導入する方法として、複合樹脂粒
子と着色剤粒子との塩析/融着工程において、離型剤粒
子及び/又は結晶性ポリエステル粒子を水中に分散させ
てなる分散液(エマルジョン)を添加し、複合樹脂粒子
と、着色剤粒子と、離型剤粒子及び/又は結晶性ポリエ
ステル粒子とを塩析/融着(会合)させる方法が考えら
れる。
【0020】しかしながら、本発明者等の実験によれ
ば、樹脂粒子と、着色剤粒子と、離型剤粒子及び/又は
結晶性ポリエステル粒子とを塩析/融着させて得られた
トナー粒子は、十分な破砕強度を有するものでないこと
が確認された。
【0021】この理由としては、得られるトナー粒子に
おいて、離型剤及び/又は結晶性ポリエステルの連続相
(破砕の起点となる比較的大きなドメイン)が樹脂粒子
の界面に介在するためであると考えられる。
【0022】このため、離型剤粒子及び/又は結晶性ポ
リエステル粒子を会合して得られたトナーを、長期にわ
たる画像形成に供すると、破砕によって生じた微粉によ
り、フィルミング、カブリ、キャリアスペントなどが発
生するおそれがある。
【0023】本発明は以上のような問題を解決するため
になされたものである。本発明の目的は、現像領域への
トナーの搬送量を安定化し、細線、微小ドット再現性が
良く、画像斑がない、また、磁気ブラシの堅さ過ぎ等に
よる画像端欠けもない画像形成方法を提供する。又、ト
ナーの破砕強度が高く、破砕した微粉がキャリアへのト
ナースペント、現像ローラーへの融着の発生が無いトナ
ーを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
請求項1〜請求項32記載の画像形成方法、請求項33
〜請求項35記載の画像形成装置、および請求項36〜
請求項38記載のトナーによって達成することができ
る。
【0025】一般に振動電界を作用させる2成分現像方
法では、トナーを飛翔させるため小径で低磁化のキャリ
アを使用し、感光体に接触しないくらいの搬送量を確保
し、且つ磁気ブラシの均一性が要求される。
【0026】発明者等は、特定の形状分布、粒度分布の
トナーを使用することで、薄層を形成する過程で搬送量
が安定し、結果として細線、微少ドットの再現性が向上
することを見いだした。
【0027】また、トナーを多段重合で製造し、且つ離
型剤の存在状態を制御することで、現像機内での破砕を
防止し、トナーがキャリアや現像ローラーへ融着するこ
とを防止できることを見いだした。
【0028】本発明のトナーの形状分布、粒度分布の範
囲外では、搬送量のムラが生じ、また、シャープな帯電
量分布が得られず画質の先鋭性に劣る。
【0029】本発明のトナーの好ましい製造法(多段重
合、離型剤導入法)によれば、十分な定着性と、適度な
光沢が得られ、画像の質感が大幅に向上する。
【0030】本発明者等は、鋭意検討した結果、形状係
数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布におけ
る個数変動係数が27%以下であるトナーを使用するこ
とで、現像剤搬送量が安定し、トナー飛散がなく、感光
体へのフィルミングと傷の発生を抑制でき、細線再現性
に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成することが
できることを見出し、本発明の完成に至ったものであ
る。
【0031】又、本発明者等は鋭意検討した結果、角が
ないトナー粒子では、形状のバラツキが多少大きくて
も、同様の効果を発揮することを見出した。すなわち、
角がないトナー粒子が50個数%以上であり、個数粒度
分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを
使用することで、現像剤搬送量が安定し、トナー飛散が
なく、感光体へのフィルミングと傷の発生を抑制でき、
細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成
することができることを見出し、本発明の完成に至った
ものである。
【0032】さらに、本発明者等は鋭意検討した結果、
特定の形状についてその形状を揃えた場合にも、上記の
効果を発揮することを見出した。すなわち、形状係数が
1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナ
ーを使用すると、現像剤搬送量が安定し、トナー飛散が
なく、感光体へのフィルミング/傷の発生を抑制でき、
細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成
することができることを見出し、本発明の完成に至った
ものである。
【0033】本発明者等は、トナー粒子について種々検
討を行った結果、画像形成工程を繰り返した場合には、
形が不揃いなトナー粒子、および角となる部分を有する
トナー粒子が諸問題を起こす傾向が強いことがわかっ
た。
【0034】本発明のトナーの形状係数は、下記式によ
り示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示
す。
【0035】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0036】本発明では、この形状係数は、走査型電子
顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を
撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING
IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を
使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。こ
の際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係
数を上記算出式にて測定したものである。
【0037】前記請求項1および請求項10において
は、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ま
しくは、70個数%以上である。さらに好ましくは、こ
の形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が
65個数%以上とすることであり、より好ましくは70
個数%以上である。
【0038】この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像
剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度
に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よ
りトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト
等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破
砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナー
の帯電性が安定する。
【0039】又、前記請求項18においては、この形状
係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個
数%以上、その変動係数が16%以下とすることが必要
であり、好ましくは、70個数%以上である。
【0040】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.0〜1.6、または
1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のト
ナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する
方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段
階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、
または1.2〜1.6に調製したトナーを同様に通常の
トナーへ添加して調整する方法がある。
【0041】上記方法の中では重合法トナーが製造方法
として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均
一性に優れる点等で好ましい。
【0042】本発明のトナーの形状係数の変動係数は下
記式から算出される。 変動係数=(S/K)×100(%) (式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。) この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましく
は14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下
であることにより、帯電量分布がシャープとなり、画質
が向上する。
【0043】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、ロットのバラツキなく均一に制御するため
に、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制御さ
せる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色
粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時
期を決めてもよい。
【0044】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0045】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0046】本発明のトナーの個数粒度分布および個数
変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコー
ルターマルチサイザー(コールター社製)で測定される
ものである。本発明においてはコールターマルチサイザ
ーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科
機社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用し
た。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するア
パーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm
以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平
均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対する
トナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径
とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0047】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式から算出される。 個数変動係数=(S/Dn)×100(%) (式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、D
nは個数平均粒径(μm)を示す。) 本発明のトナーの個数変動係数は27%以下であり、好
ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下
であることにより、帯電量分布がシャープとなり画質が
向上する。
【0048】本発明の個数変動係数を制御する方法は特
に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力
により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をよ
り小さくするためには液中での分級が効果的である。こ
の液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回
転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速
度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法があ
る。
【0049】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0050】本発明の角がないトナー粒子とは、電荷の
集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすい
ような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体
的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。
すなわち、図10に示すように、トナー粒子の長径を
L、L/10を半径Rとする円で、トナー粒子周囲線に
対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、全
く円がトナーの外側に実質的にはみださない場合を角が
ないトナー粒子という。実質的にはみ出さない場合と
は、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下をいう。ま
た、トナー粒子の長径とは、トナー粒子の平面上への投
影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔
が最大となる粒子の幅をいう。
【0051】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0052】本発明のトナーにおいて、角がないトナー
粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個
数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数
%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのスト
レスにより微細な粒子の発生などがなくなり、いわゆる
現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存
在を防止することができるとともに、現像剤搬送部材に
対する汚染を抑制することができ、帯電量もシャープに
することができる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒
子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少
することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電
性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0053】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0054】又、樹脂粒子を会合あるいは融着させるこ
とで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階で
は融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でな
いが、形状制御工程での温度、撹拌翼の回転数および撹
拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角が
ないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物
性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラ
ス転移点温度以上で、高回転数とすることにより、表面
は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0055】本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で
3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によ
りトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有
機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体
の組成によって制御することができる。
【0056】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、現像剤搬送部材に対する付着性の過度なトナーや付
着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、現
像性を長期に渡って安定化することができるとともに、
転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細
線やドット等の画質が向上する。
【0057】本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒
径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にと
り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数
基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級
に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻
階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対
度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーで
あることが好ましい。
【0058】相対度数(m1)と相対度数(m2)との
和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の
粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成
工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制す
ることができる。
【0059】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、コンピュータに
おいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたもの
である。
【0060】(測定条件) (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0061】上記、発明に用いられている字句につい
て、下記に説明する。 (1)本発明に用いるトナーを構成する「複合樹脂粒
子」とは、樹脂からなる核粒子の表面を覆うように、当
該核粒子を形成する樹脂とは分子量及び/又は組成の異
なる樹脂からなる1または2以上の被覆層が形成されて
いる多層構造の樹脂粒子をいうものとする。
【0062】また、複合樹脂粒子の「中心部(核)」と
は、複合樹脂粒子を構成する「核粒子」をいう。
【0063】また、複合樹脂粒子の「外層(殻)」と
は、複合樹脂粒子を構成する「1または2以上の被覆
層」のうち最外層をいう。
【0064】また、複合樹脂粒子の「中間層」とは、中
心部(核)と外層(殻)の間に形成される被覆層をいう
ものとする。
【0065】複合樹脂粒子の分子量分布は単分散ではな
く、また、複合樹脂粒子は、通常、その中心部(核)か
ら外層(殻)にかけて分子量勾配を有している。
【0066】(2)本発明において、複合樹脂粒子を得
るための好ましい態様である「多段重合法」とは、単量
体(n)を重合処理(第n段)して得られた樹脂粒子
(n)の存在下に、単量体(n+1)を重合処理(第n
+1段)して、当該樹脂粒子(n)の表面に、単量体
(n+1)の重合体(樹脂粒子(n)の構成樹脂とは分
散及び/又は組成の異なる樹脂)からなる被覆層(n+
1)を形成する方法をいうものとする。
【0067】ここに、樹脂粒子(n)が核粒子である場
合(n=1)には、「二段重合法」となり、樹脂粒子
(n)が複合樹脂粒子である場合(n≧2)には、三段
以上の多段重合法となる。
【0068】(3)本発明において、「塩析/融着」と
は、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)と
が同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起
こさせる行為をいう。
【0069】塩析と融着とを同時に行わせるためには、
複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)
以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤
粒子)を凝集させる必要がある。
【0070】(4)本発明において、「破砕強度指数」
とは、トナー粒子の破砕されやすさを示す指標であっ
て、具体的には、下記の測定方法により求められる指数
をいう。本発明においては0.1〜0.8であることが
好ましい。
【0071】測定方法 トナー(試料)30gと、ガラスビーズ「GB503
M」(東芝バロティーニ社製,粒子径:2mm)100
gとを2リットルのポリエチレンポットに入れ、タービ
ュラーミキサーにより60秒間混合撹拌した後、330
メッシュの試験篩でガラスビーズを分離除去する。
【0072】そして、混合撹拌前後において、全トナー
粒子中における2〜4μmの小粒子の個数割合(%)を
測定し、下記の式により算出する。
【0073】破砕強度指数=(N−N0)/60 (式中、Nは、混合撹拌後における2〜4μmの小粒子
の個数%であり、N0は、混合撹拌前における2〜4μ
mの小粒子の個数%である。) 尚、「小粒子の個数%」は、コールターマルチサイザー
を用いて測定された値である。具体的には、コールター
マルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフ
ェース(日科機社製)、パーソナルコンピューターを接
続して使用する。前記コールターマルチサイザーにおけ
るアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2
μm以上(例えば2〜40μm)のトナーの体積分布を
測定して算出した。
【0074】(5)多段重合法によれば、樹脂成分の分
子量分布の制御に自由度があり、分子量分布を容易に制
御することができる。
【0075】(6)離型剤及び/又は結晶性ポリエステ
ルを含有する複合樹脂粒子を塩析/融着して得られるト
ナー粒子には、複合樹脂粒子の大きさに相当するサブミ
クロン領域に、離型剤及び/又は結晶性ポリエステルの
ドメインが1つ以上存在する。従って、本発明に用いる
トナーを構成するトナー粒子には、十分な量の離型剤及
び/又は結晶性ポリエステルが含有されるとともに、当
該トナー粒子間において、離型剤及び/又は結晶性ポリ
エステルの存在量にバラツキがない。
【0076】(7)塩析/融着に供される複合樹脂粒子
の最外層には、粒子間接着力を低下させる離型剤及び結
晶性ポリエステルが含有されていない方が好ましい。ま
た、当該最外層は、接着性の良好な低分子量樹脂から形
成されているのが好ましい。
【0077】
【発明の実施の形態】本発明に用いるトナー本発明に係
わるトナーは、多段重合法により得られる複合樹脂粒子
と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られるトナーが好
ましい。さらに前記複合樹脂粒子の最外層以外の領域
(中心部または中間層)に離型剤が含有されているのが
好ましい。
【0078】本発明に係わるトナーは、多段重合法によ
り得られる複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着
して得られるトナーであるのが好ましい。前記複合樹脂
粒子の最外層以外の領域(中心部または中間層)に結晶
性ポリエステルが含有されているものが更に好ましい。
【0079】複合樹脂粒子 本発明に用いる好ましいトナーを得るための複合樹脂粒
子としては、(1)高分子量樹脂から形成される中心部
(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とを
有し、前記中心部(核)に離型剤が含有されている複合
樹脂粒子、(2)高分子量樹脂から形成される中心部
(核)と、中間分子量樹脂から形成される1または2以
上の中間層と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)
とを有し、前記中間層の少なくとも1の層に離型剤が含
有されている複合樹脂粒子、(3)高分子量樹脂から形
成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される
外層(殻)とを有し、前記中心部(核)に結晶性ポリエ
ステルが含有されている複合樹脂粒子、(4)高分子量
樹脂から形成される中心部(核)と、中間分子量樹脂か
ら形成される1または2以上の中間層と、低分子量樹脂
から形成される外層(殻)とを有し、前記中間層の少な
くとも1の層に結晶性ポリエステルが含有されている複
合樹脂粒子を挙げることができる。
【0080】上記のような複合樹脂粒子を塩析/融着す
ることにより、本発明に用いるトナー中に、高分子量樹
脂および低分子量樹脂を導入することができる。
【0081】ここに、複合樹脂粒子の中心部(核)を構
成する「高分子量樹脂」は、GPCにより測定される分
子量分布において、100,000〜1,000,00
0の範囲にピークまたはショルダーを有する樹脂であ
り、120,000〜500,000の範囲にピークま
たはショルダーを有するものであることが好ましい。
【0082】かかる高分子量樹脂を導入することによ
り、得られるトナーに十分な内部凝集力(高温時の耐オ
フセット性)を付与することができる。
【0083】又、複合樹脂粒子の外層(殻)を構成する
「低分子量樹脂」は、GPCにより測定される分子量分
布において、1,000〜50,000の範囲にピーク
またはショルダーを有する樹脂であり、3,000〜2
0,000の範囲にピークまたはショルダーを有するも
のであることが好ましい。
【0084】かかる低分子量樹脂を導入することによ
り、得られるトナーに優れた定着性(画像支持体に対す
る接着力)を付与することができる。
【0085】複合樹脂粒子の中間層を構成する「中間分
子量樹脂」は、GPCにより測定される分子量分布にお
いて、25,000〜150,000の範囲にピークま
たはショルダーを有する樹脂であり、1の複合樹脂粒子
の中間層を構成する中間分子量樹脂のピーク分子量は、
当該複合樹脂粒子の中心部(核)を構成する高分子量樹
脂のピーク分子量と、当該複合樹脂粒子の外層(殻)を
構成する低分子量樹脂のピーク分子量との間に存在する
のが好ましい。
【0086】これにより、当該複合樹脂粒子の中心部
(核)と、外層(殻)との間に分子量勾配が形成され
る。
【0087】本発明に用いるトナーを構成する樹脂の分
子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)を使用して測定されたスチレン換算の分子量
である。
【0088】GPCによる樹脂の分子量の測定方法とし
ては、測定試料0.5〜5.0mg(具体的には1m
g)に対してテトラヒドロフラン(THF)を1ml加
え、室温にてマグネチックスターラなどを用いて撹拌を
行って十分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45
〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に
GPCへ注入する。
【0089】GPCの測定条件としては、40℃にてカ
ラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、
1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定
する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組
み合わせて使用することが好ましい。
【0090】例えば、昭和電工社製のShodex G
PC KF−801、802、803、804、80
5、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKg
elG1000H、G2000H、G3000H、G4
000H、G5000H、G6000H、G7000
H、TSKguardcolumnの組合せなどを挙げ
ることができる。また、検出器としては、屈折率検出器
(IR検出器)またはUV検出器を用いることが好まし
い。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を
単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線
を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとして
は10点程度用いるとよい。
【0091】本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な
添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、
微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤
等を添加して会合する方法で製造することができる。会
合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分
散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に
離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳
化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂
粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0092】尚、本発明における水系媒体とは、少なく
とも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0093】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種
構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料
が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を
含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーな
どを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散さ
せる。その後、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置
へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終
了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥
することで本発明のトナーを調製する。
【0094】又、本発明のトナーを製造する方法として
樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製す
る方法も挙げることができる。この方法としては、特に
限定されるものではないが、例えば、特開平5−265
252号公報や特開平6−329947号公報、特開平
9−15904号公報に示す方法を挙げることができ
る。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散
粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒
子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳
化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤
を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガ
ラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成し
つつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところ
で水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹
拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒
子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによ
り、本発明のトナーを形成することができる。なお、こ
こにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機
溶媒を加えてもよい。
【0095】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0096】又、樹脂を構成する重合性単量体としてイ
オン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが
さらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン
酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有す
るもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエ
ステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3
−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリ
レート等が挙げられる。
【0097】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0098】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0099】又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラ
ジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合
開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾ
ビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げる
ことができる。
【0100】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0101】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100,000、重量平均分子量(Mw)で20
00〜1,000,000のものが好ましい。さらに、
分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に
1.8〜70のものが好ましい。
【0102】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0103】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)日本高分子学会編」等に記述さ
れており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。
また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の
塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電
位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度と
して求めることもできる。
【0104】本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度
以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2
倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加すること
がよい。
【0105】無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対し
て無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明におい
ては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノー
ル、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げ
ることができる。特に、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールが好ましい。
【0106】この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤
を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%
が好ましい。
【0107】尚、形状を均一化させるためには、着色粒
子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上
の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好まし
いが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好
ましい。この理由としては、極性基が存在している重合
体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮
するために、形状の均一化が特に図られやすいものと考
えられる。
【0108】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0109】本発明のトナーに使用する着色剤としては
カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用
することができ、カーボンブラックとしてはチャンネル
ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁
性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、
これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等
の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理
する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−
アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と
呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができ
る。
【0110】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いることができ、またこれらの混合物も用いる
ことができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド
5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、
同139、同144、同149、同166、同177、
同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ3
1、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同1
7、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグ
リーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60
等を用いることができ、これらの混合物も用いることが
できる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、
概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0111】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0112】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0113】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0114】尚、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒
子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500
nm程度とすることが好ましい。
【0115】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0116】懸濁重合法においては、特定の撹拌翼を使
用することで、乱流を形成することができ、形状を容易
に制御することができる。この理由として、明確では無
いが一般的に使用されている図1に示される様な撹拌翼
の構成が一段の場合には、撹拌槽内に形成される媒体の
流れが撹拌槽の下部より上部への壁面を伝って動く流れ
のみになる。そのため、従来では一般的に撹拌槽の壁面
などの邪魔板を配置することで乱流を形成し、撹拌の効
率を増加することがなされている。しかし、この様な装
置構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱
流の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、
結果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状
を制御することができない。
【0117】好ましく使用することのできる撹拌翼を備
えた撹拌槽について図を用いて説明する。図1は従来よ
く用いられた撹拌翼を備えた撹拌槽の一例である。さら
に好ましい態様としては、図2の如き2段の撹拌翼を持
つものがある(但し、詳しくは後述するが、撹拌翼の形
状はやや変えた方がよいし、邪魔板もあった方がよ
い)。撹拌槽の外周部に熱交換用のジャケット1を装着
した縦型円筒状の撹拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設
し、該回転軸3に撹拌槽2の底面に近接させて配設され
た下段の撹拌翼4と、より上段に配設された撹拌翼5が
ある。上段の撹拌翼5は、下段に位置する撹拌翼4に対
して回転方向に先行した交差角αをもって配設されてい
る。本発明においては交差角αは90度(°)未満がよ
い。この交差角の下限は特に限定されるものでは無い
が、5°程度以上、好ましくは10°以上あればよい。
これを上面断面図で示したのが図3である。もし3段以
上の場合は、それぞれ隣接している撹拌翼間で交差角α
が90度未満であればよい。
【0118】この構成とすることで、上段に配設されて
いる撹拌翼によりまず媒体が撹拌され、下側への流れが
形成される。ついで、下段に配設された撹拌翼により、
上段の撹拌翼で形成された流れがさらに下方へ加速され
るとともにこの撹拌翼自体でも下方への流れが別途形成
され、全体として流れが加速されて進行するものと推定
される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応
力を有する流域が形成されるために、トナーの形状を制
御できるものと推定される。
【0119】尚、図2中、矢印は回転方向を、7は上部
材料投入口を8は下部材料投入口を表す。又、図1に示
す9は撹拌を有効にするための乱流形成部材たる邪魔板
である。
【0120】ここにおいて撹拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の例を図4に記載する。図4中(a)は撹拌翼に中孔部
のないもの、(b)は中央に大きな中孔部6があるも
の、(c)は横長の中孔部6があるもの、(d)は縦長
の中孔部6があるものである。又、これらは上段と下段
で中孔部6が異なるものを用いても、同一のものを用い
ても良い。
【0121】又、この撹拌翼の構成として使用すること
ができる好ましい構成の例を図5〜9に示す。図5は撹
拌翼の端部に突起及び又は端部に折り曲げ部を有する構
成、図6は下段の撹拌翼にスリットを有すると共に端部
に折り曲げと突起を有する構成、図7は下段の撹拌翼の
端部に突起と折り曲げを有する構成、図8は上段の撹拌
翼に空隙があり下段の撹拌翼の端部に折り曲げと突起を
有する構成、図9は撹拌翼の構成が3段である構成をそ
れぞれ示したものである。なお、撹拌翼の端部における
折り曲げ部の角度は5〜45°程度が好ましい。
【0122】これら上部あるいは下部への突起(4′ま
たは5′)や、折り曲げ部(4″)を有する構成を持つ
撹拌翼は、乱流を効果的に発生するものである。
【0123】なお、上記の構成を有する上段と下段の撹
拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくと
も撹拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この
理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の
流れが形成されるため、撹拌効率が向上するものと考え
られる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに
対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅
である。
【0124】さらに、撹拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全撹拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50〜100%、好ましくは60〜95%が
よい。
【0125】又、懸濁重合法において層流を形成させる
場合に使用される撹拌翼および撹拌槽の一例は前記の図
2に示されるものである。撹拌槽内には乱流を形成させ
るような邪魔板等の障害物を設けないことが特徴であ
る。撹拌翼の構成については、前述の乱流を形成させる
場合に使用される撹拌翼と同様に、上段の撹拌翼が、下
段の撹拌翼に対して回転方向に先行した交差角αを持っ
て配設された、多段の構成とすることが好ましい。
【0126】この撹拌翼の形状については、乱流を形成
させないものであれば特に限定されないが、図2の方形
板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ま
しく、曲面を有していてもよい。
【0127】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、撹拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0128】即ち、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部
の温度分布を均一化することができる撹拌翼および撹拌
槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、
回転数、時間を制御することにより、本発明の形状係数
および均一な形状分布を有するトナーを形成することが
できる。この理由は、層流を形成させた場で融着させる
と、凝集および融着が進行している粒子(会合あるいは
凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速
された層流においては撹拌槽内の温度分布が均一である
結果、融着粒子の形状分布が均一になると推定される。
さらに、その後の形状制御工程での加熱、撹拌により融
着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制
御できる。
【0129】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーに使用される撹拌翼および撹拌槽としては、前述
の懸濁重合法において層流を形成させる場合と同様のも
のが使用でき、例えば図2に示すものが使用できる。撹
拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を
設けないことが特徴である。撹拌翼の構成については、
前述の懸濁重合法に使用される撹拌翼と同様に、上段の
撹拌翼が、下段の撹拌翼に対して回転方向に先行した交
差角αを持って配設された、多段の構成とすることが好
ましい。
【0130】この撹拌翼の形状についても、前述の懸濁
重合法において層流を形成させる場合と同様のものが使
用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定され
ないが、図2の方形板状のもの等、連続した面により形
成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0131】次に、本発明に係わる数値について、従来
知られているトナーの数値を説明する。この数値は製造
方法により異なるものである。
【0132】粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜
1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であ
る。このものの形状係数の変動係数は20%程度であ
る。また、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒径を小さ
くするために、トナー粒子に角部分が多くなり、角がな
いトナー粒子の割合は30個数%以下である。従って、
形状を揃えて、角部分がなく、丸みのあるトナーを得よ
うとする場合には、形状係数を制御する方法として前記
した様に熱等により球形化する処理が必要となる。ま
た、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分
級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数
変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作
を繰り返す必要がある。
【0133】懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層
流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子
が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記
載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6である
トナー粒子の割合が20個数%程度となり、また形状係
数の変動係数も18%程度となり、更に角がないトナー
粒子の割合も85個数%程度となる。また、個数粒度分
布における個数変動係数を制御する方法に前記した様
に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪断
を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さ
くするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られる
トナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と
大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには
分級操作が必要である。
【0134】樹脂粒子を会合あるいは融着させることで
形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−
186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数
が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%
程度であり、また形状係数の変動係数は18%程度であ
り、更に角がないトナー粒子の割合も44個数%程度で
ある。また、角がないトナー粒子の割合は55個数%程
度である。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数変動
係数は30%であり、個数変動係数を小さくするために
は分級操作が必要である。
【0135】本発明に係わるトナーは、すでに述べた如
く、最外層以外の領域(中心部または中間層)に離型剤
及び/又は結晶性ポリエステルを含有する複合樹脂粒子
と、着色剤粒子とを塩析/融着させて得られる会合型の
トナー粒子からなるものが好ましい。
【0136】本発明に好ましく用いるトナーを構成する
離型剤としては、種々の公知のもので、かつ水中に分散
することができるものを例示することができる。具体的
には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系
ワックス、これらオレフィン系ワックスの変性物、カル
ナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂
肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどを挙げるこ
とができる。
【0137】又は、本発明に用いるトナーを構成する好
適な離型剤として、下記一般式(1)で示される結晶性
のエステル化合物(以下、「特定のエステル化合物」と
いう)からなるものを挙げることができる。
【0138】一般式(1) R1−(OCO−R2n (式中、R1およびR2は、それぞれ置換基を有していて
もよい炭素数が1〜50の炭化水素基を示し、nは1〜
4の整数である。) 特定のエステル化合物を示す一般式(1)において、R
1およびR2は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭
化水素基を示す。
【0139】炭化水素基R1の炭素数は1〜40とさ
れ、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5とされ
る。
【0140】炭化水素基R2の炭素数は1〜40とさ
れ、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26
とされる。
【0141】また、一般式(1)において、nは1〜4
の整数とされ、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3
〜4、特に好ましくは4とされる。
【0142】上記の特定のエステル化合物は、アルコー
ルとカルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成する
ことができる。
【0143】特定のエステル化合物の具体例としては、
下記式1)〜22)に示す化合物を例示することができ
る。
【0144】
【化1】
【0145】
【化2】
【0146】離型剤及び/又は結晶性ポリエステルを含
有する樹脂粒子または被覆層を形成するために好適な重
合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤
を溶解してなる水系媒体中に、離型剤及び/又は結晶性
ポリエステルを単量体に溶解してなる単量体溶液を、機
械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製
し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油
滴内でラジカル重合させる方法(以下、この明細書にお
いて「ミニエマルジョン法」という。)を挙げることが
できる。なお、水溶性重合開始剤を添加することに代え
て、または、当該水溶性重合開始剤を添加するととも
に、油溶性の重合開始剤を前記単量体溶液中に添加して
もよい。
【0147】機械的に油滴を形成するミニエマルジョン
法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解
させた離型剤及び/又は結晶性ポリエステルが脱離する
ことがなく、形成される樹脂粒子または被覆層内に十分
な量の離型剤及び/又は結晶性ポリエステルを導入する
ことができる。
【0148】ここに、機械的エネルギーによる油滴分散
を行うための分散機としては、特に限定されるものでは
なく、高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレア
ミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック社
製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントン
ゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げること
ができる。また、分散粒子径としては、10〜1000
nmとされ、好ましくは50〜1000nm、更に好ま
しくは30〜300nmとされる。
【0149】本発明に好ましく用いるトナーを構成する
離型剤の含有割合としては、通常1〜30質量%とさ
れ、好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜1
5質量%とされる。
【0150】本発明に用いるトナーにおいて、これを構
成する複合樹脂粒子における離型剤及び/又は結晶性ポ
リエステルは、当該複合樹脂粒子の最外層以外の領域
(中心部または中間層)に含有されるものが好ましい。
【0151】このように、複合樹脂粒子の最外層には、
粒子間接着力を低下させる離型剤が含有されていないの
で、当該複合樹脂粒子同士は、塩析/融着工程において
強固に接着し、破砕強度の高い融着粒子が形成される。
【0152】ここに、樹脂粒子中に含有される結晶性ポ
リエステルは、当該樹脂粒子を融着させて得られるトナ
ーに良好な定着性(画像支持体に対する接着性)を付与
する化合物である。
【0153】このトナー粒子には、複合樹脂粒子の大き
さに相当するサブミクロン領域に、離型剤のドメインが
1つ以上存在することになり、当該トナー粒子は、離型
剤が微細に分散されたものとなる。
【0154】従って、本発明に用いるトナーには、十分
な量の離型剤が導入されるとともに、これを構成するト
ナー粒子間において、離型剤の存在量にバラツキがな
い。
【0155】しかも、塩析/融着に供される複合樹脂粒
子において、粒子間の接着力を低下させる傾向のある離
型剤は、最外層以外の領域(中心部または中間層)に含
有され、しかも、当該最外層は、接着性の良好な低分子
量樹脂から形成されているので、複合樹脂粒子同士が強
固に接着し、破砕強度の高い融着粒子(トナー粒子)が
形成される。
【0156】さらに、本発明に用いるトナーは、その製
造時から表面に凹凸がある形状を有しており、複合樹脂
粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で融着して得られる会
合型のトナーであるために、トナー粒子間における形状
および表面性の差がきわめて小さく、結果として表面性
が均一となりやすい。このためにトナー粒子間での定着
性に差異を生じにくく、定着性も良好に保つことができ
るものである。
【0157】本発明に用いるトナーは、樹脂と離型剤と
着色剤を含有するトナーであって、前記定義による破砕
強度指数が0.1〜0.8であることが好ましい。
【0158】破砕強度指数が0.8を超えるトナーは、
十分な耐破砕性を有することができず、そのようなトナ
ーを長期にわたる画像形成に供すると、破砕によって生
じた微粉により、現像ローラーの融着、カブリ、キャリ
アスペントなどが発生することがある。
【0159】一方、破砕強度指数が0.1未満であるト
ナーは、最低定着温度が高くなる傾向があり、複写機の
小型化および低消費電力化などの要請に十分に応えるこ
とができないことがある。
【0160】本発明に用いるトナーを構成するために、
流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するため、
当該トナー粒子に、いわゆる外添剤を添加して本発明に
用いるトナーを構成するのが好ましい。かかる外添剤と
しては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒
子、有機微粒子および滑剤を挙げることができる。
【0161】外添剤として使用できる無機微粒子として
は、従来公知のものを挙げることができる。具体的に
は、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を
好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水
性であることが好ましい。
【0162】シリカ微粒子の具体例としては、日本アエ
ロジル社製の市販品R−805、R−976、R−97
4、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社
製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の
市販品TS−720、TS−530、TS−610、H
−5、MS−5等が挙げられる。
【0163】チタン微粒子の具体例としては、例えば、
日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、
テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、
MT−500BS、MT−600、MT−600SS、
JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、
TA−500、TAF−130、TAF−510、TA
F−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−
OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0164】アルミナ微粒子の具体例としては、例え
ば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−60
4、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられ
る。
【0165】外添剤として使用できる有機微粒子として
は、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形
の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構
成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレ
ート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などを
挙げることができる。
【0166】特に本発明において、平均粒径が0.1〜
5.0μmの有機微粒子の表面に、一次平均粒径が5〜
100nmの無機微粒子が固着された無機/有機複合微
粒子とを混合して得られるトナーが好ましい。前記無機
微粒子の表面は、下記一般式で表される化合物による疎
水化処理が施されていることが好ましい。 一般式:R−Si(OCH33 (式中、Rは、炭素数が4〜18のアルキル基または炭
素数が4〜18の置換されたもしくは未置換のフェニル
基を示す。) 無機/有機複合微粒子を構成する無機微粒子の一次平均
粒径は、クリーニング性、研磨性、耐フィルミング性を
向上させる観点から、5〜100nmが好ましい。な
お、無機微粒子の一次平均粒径は、走査型電子顕微鏡に
より観察して、画像解析により測定される個数基準の平
均粒径をいう。
【0167】本発明の無機/有機複合微粒子の抵抗は、
107〜1013Ω・cmが好ましく、部材への付着力が
適度であることから108〜1011Ω・cmが特に好ま
しい。抵抗測定の方法は、一定の圧力を加えた条件で粉
体の状態で測定された値を示す。この測定では、常温常
湿環境で測定された体積固有抵抗を示す。本発明で測定
される無機/有機複合微粒子およびキャリアの抵抗の測
定方法は、温度20〜25℃、湿度50±5%の条件下
で測定される。
【0168】外添剤として使用できる滑剤としては、高
級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂
肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン
酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリ
ン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オ
レイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等
のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸
銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウ
ム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール
酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜
鉛、リシノール酸カルシウムなどのリシノール酸金属塩
等が挙げられる。
【0169】外添剤の添加量としては、トナーに対して
0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
【0170】本発明で使用できるキャリアとしては特に
制限はなく、樹脂と磁性粉とを混合したバインダキャリ
アや磁性粉の周りに樹脂を被覆したコートキャリア等は
使用できるが、現像ローラ上のT/C(トナー濃度)の
許容幅が広く、トナースペントに対する耐久性などの面
を考慮するとバインダキャリアが好ましい。バインダキ
ャリアの粒径は、好ましくは体積平均粒径20〜70μ
mであり、磁気力は900〜3000ガウス(1000
Oeの磁場中)、好ましくは1800〜2800ガウ
スである。
【0171】バインダ樹脂としては、公知の合成樹脂及
び天然樹脂ならば如何なるものでも用いることができ
る。具体的には、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オ
レフィン系樹脂、ジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹
脂、フェノール系樹脂、石油樹脂、ウレタン系樹脂等の
合成樹脂及び天然樹脂が挙げられる。この中でも、磁性
粒子の分散性に優れ、磁性粒子の充填量を増加させても
電気抵抗低下に影響の小さいポリエステル系樹脂が好ま
しい。
【0172】また、搬送量を安定させるために、樹脂分
散がキャリアもまた、形状が揃っていることが好まし
く、 形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分
布における個数変動係数が27%以下である樹脂分散型
キャリア粒子 角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、
個数粒度分布における個数変動係数が27%以下である
樹脂分散型キャリア粒子 形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分
布における個数変動係数が27%以下である樹脂分散型
キャリア粒子 において、搬送量がさらに安定し、画像後端欠けの発生
がなく、好ましい。
【0173】本発明における現像方法において、現像剤
搬送部材によって現像領域に搬送される現像剤の搬送量
を0.3〜10.0mg/cm2に調製したのは、現像
剤の搬送量が0.3mg/cm2より少ないと、像担持
体に供給されるトナーが不足し、画像濃度が1.3以上
になった充分な画像濃度を有する画像が得られなくな
る。一方、現像剤の搬送量が10.0mg/cm2より
多くなると、現像剤搬送部材によって搬送される現像剤
の層厚が厚くなり、現像領域に上記のように振動電界を
作用させて現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像
を行った際に、トナーが供給された後のキャリアにおけ
る電荷の移動が悪くなり、キャリアにカウンターチャー
ジが残り、キャリアが像担持体に付着しやすくなると共
に、像担持体に供給されずに飛散するトナーの量が多く
なるためである。より好ましい搬送量の範囲は0.3〜
10.0mg/cm2である。
【0174】また、現像剤搬送部材から現像剤中のトナ
ーを像担持体に供給して現像を行うにあたり、現像領域
に前記の式(1)に示される範囲の振動電界(Vp−p
/Ds)を作用させるようにしたのは、この振動電界が
3.5kV/mmより小さいと、トナーが放出された後
のキャリアにおける電荷の移動が悪く、キャリアにカウ
ンターチャージが残り、キャリアが像担持体に付着しや
すくなる一方、この振動電界が5kV/mmより大きく
なると、現像剤搬送部材と像担持体との間でリークしや
すくなるためである。
【0175】なお、図11に示す本発明の現像方法にお
いては、前記のような要件を満たしておればよく、現像
剤搬送部材(現像スリーブ)13によって搬送された現
像剤11が現像領域において像担持体(通常は感光体)
12と非接触の状態であっても、接触している状態であ
ってもよい。
【0176】尚、図11中、14は現像磁石、15は現
像剤規制板、16は振動電界電源、27はトナー補給ロ
ーラー、28は現像器である。
【0177】また、この発明の現像方法において、画像
濃度が1.3以上になった充分な画像濃度の画像が得ら
れるようにすると共に、現像時におけるトナー飛散を抑
制するためには、上記の現像剤中におけるトナー濃度
(Tc)を6〜25質量%の範囲に設定することが好ま
しい。
【0178】また、現像剤搬送部材13と像担持体12
とを現像領域において同方向に移動させながら、現像剤
搬送部材から現像剤中のトナーを像担持体に供給して現
像を行う場合において、現像剤搬送部材の移動速度v1
が像担持体の移動速度v2よりも速くなり過ぎると、像
担持体に形成されたトナー像の移動方向後端部におい
て、トナーが現像剤搬送部材における現像剤の磁気ブラ
シにより掻き取られてからすれるという、いわゆる後端
かすれの現象が生じる一方、現像剤搬送部材の移動速度
v1が遅すぎると、現像剤搬送部材によって像担持体に
導かれる現像剤の量が低下して、現像剤搬送部材から像
担持体に供給するトナーが不足し、充分な画像濃度を有
する画像が得られなくなるため、現像剤搬送部材と像担
持体との移動速度の比θ(=v1/v2)が1〜3の範
囲になるようにすることが好ましい。
【0179】また、上記の現像剤搬送部材による現像剤
の搬送量(Tv)の条件や、現像剤中におけるトナー濃
度(Tc%)の条件や、現像剤搬送部材と像担持体との
移動速度の比θの条件を総合的に判断すると、充分な画
像濃度を有する画像が得らるようにするためには、下記
の式(2)に示される条件を満たすことが好ましい。
【0180】 式(2) Tv×θ×(Tc/100)≧0.5mg/cm2 また、この発明の現像方法を実施する場合、現像剤に使
用するキャリアの磁気力が強すぎると、キャリアCが部
分的に凝集して、現像剤搬送部材13上における現像剤
11の量にむらが生じてしまい、形成される画像に濃度
むらが発生したりして、均一できめの細かい現像が行え
なくなる。このため、上記のキャリアとしては、一般
に、キャリア一個あたりの平均磁気力が9.0×10-6
G・cm3以下のものを用いるようにすることが好まし
い。なお、このように磁気力が9.0×10-6G・cm
3以下になったキャリアを用いると、上記のようにキャ
リアCが凝集するということがなく、現像剤搬送部材1
3上に現像剤11が均一に分散されるようになり、濃度
むら等のない均一できめの細かい現像が行えるようにな
る。
【0181】本発明における現像方法においては、トナ
ーとキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材によって像
担持体と対向する現像領域に搬送し、この現像領域に振
動電界を作用させて、上記の現像剤中におけるトナーを
像担持体に供給して現像を行うにあたり、現像剤搬送部
材によって現像領域に搬送させる現像剤の搬送量を0.
3〜10.0mg/cm2に調整するようにしたため、
像担持体にトナーを供給して現像を行う際に、トナーが
不足するということがなく、像担持体に充分なトナーが
供給されて充分な画像濃度を有する画像が得られるよう
になると共に、トナーが供給された後にキャリアに残る
電荷が速やかに現像剤搬送部材側に移動されて、キャリ
アにおけるカウンターチャージが少なくなり、像担持体
へのキャリアの付着が抑制されるようになり、また像担
持体に供給されずに飛散するトナーの量も少なくなる。
【0182】また、この発明における現像方法において
は、現像領域に振動電界を作用させて現像剤搬送部材か
ら現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行うに
あたり、前記の式(1)に示される範囲の振動電界を作
用させるようにしたため、現像剤搬送部材における現像
剤層がほぼ完全に電離して、トナーが放出された後のキ
ャリアにおける電荷の移動がより速やかに行われるよう
になり、キャリアにカウンターチャージが残ってキャリ
アが像担持体に付着するということがより一層抑制され
ると共に、現像剤搬送部材と像担持体との間でリークが
発生するということもない。
【0183】図12は、カラー電子写真画像形成装置の
一例を示す概略構成図である。カラー電子写真画像形成
装置の本体内には第1、第2、第3及び第4画像形成部
Pa、Pb、Pc及びPdが並列設置される。各画像形
成部は同様の構成とされ、各々異なった色の可視像(ト
ナー像)を形成する。
【0184】画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdは、
それぞれ専用の静電潜像担持体(電子写真感光体ドラ
ム)1a、1b、1c及び1dを具備する。各画像形成
部Pa、Pb、Pc及びPdにて形成された電子写真感
光体ドラム(感光体ドラムと略すことがある)1a、1
b、1c及び1d上の画像は、各画像形成部に隣接して
移動する記録材担持体18上に担持し搬送される記録材
上に転写される。更に、記録材上の画像は、定着部(定
着器)10にて加熱及び加圧して定着され、記録材はト
レイ61へと排出される。
【0185】次に、各画像形成部における潜像形成部に
ついて説明する。感光体ドラム1a、1b、1c、1d
の外周には、各々除電露光ランプ21a、21b、21
c、21d、ドラム帯電器2a、2b、2c、2d、像
露光手段としてのレーザビーム露光装置17、電位セン
サー22a、22b、22c、22dが設けられてい
る。除電露光ランプ21a、21b、21c、21dに
より除電された感光体ドラム1a、1b、1c、1d
は、ドラム帯電器2a、2b、2c、2dにより一様に
帯電され、次いで、レーザビーム露光装置17により露
光されることにより、感光体ドラム1a、1b、1c、
1dの上には、画像信号に応じた色分解された静電潜像
が形成される。本発明の画像形成装置は、像露光手段と
しては、上述のレーザビーム露光装置17の他に、LE
Dアレー露光装置などのように、基本画像単位(画素)
においてオフ以外の光量レベルが複数の光を照射可能
な、周知の多値露光手段を好適に採用し得る。
【0186】前記感光体ドラム上の静電潜像は、現像手
段にて現像され可視像とされる。つまり、現像手段は、
それぞれシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック
色の現像剤、例えばトナーとキャリアを有した二成分現
像剤が所定量充填された現像器3a、3b、3c、3d
を備えており、上記感光体ドラム1a、1b、1c、1
dに形成された静電潜像を現像し、可視画像(トナー
像)とする。
【0187】次に、転写部について説明する。記録材カ
セット60中に保持された記録材(画像支持体)は、レ
ジストローラーを経て記録材担持体18へと送給され
る。
【0188】この記録材担持体18が回転し始めると、
記録材がレジストローラーから記録材担持体18上へと
搬送される。このとき画像書き出し信号がONとなり、
適正なタイミングにより第1の電子写真感光体ドラム1
a上に画像形成を行う。
【0189】第1の電子写真感光体ドラム1aの下方に
は、転写帯電器4a及び転写押圧部材41aが設けてい
て、転写押圧部材41aにて感光体ドラムの方へと均一
な押力を付与し、且つ、転写帯電器4aが電界を付与す
ることにより感光体ドラム1a上のトナー像を記録材上
へと転写させる。このとき、記録材は、記録材担持体1
8上に静電吸着力で保持され、第2の画像形成部Pbへ
と記録材は搬送され、次の転写が行なわれる。以下、上
記と同様な方法により第3、第4の画像形成部Pc、P
dによって形成されたトナー像が転写された記録材は、
分離帯電器(分離極)9によって除電され、静電吸着力
の減衰によって記録材担持体18から離脱し、定着部
(定着器)10へと搬送される。
【0190】図13においては、定着部10は、加熱ロ
ーラー71、加圧ローラー72、ローラー71、72を
それぞれクリーニングする耐熱性クリーニング部材7
3、74、各ローラー71、72を加熱するヒータ7
5、76、ジメチルシリコーンなどの離型剤オイルを定
着ローラー71に塗布するオイル塗布ローラー77、そ
のオイルを供給するためのオイル溜め78、定着温度制
御用のサーミスタ79から構成されている。
【0191】なお、無端状ベルトにはシリコーンオイル
塗布機構を設置してあり、シリコンーオイルの塗布量
は、0.8μg/cm2とした。
【0192】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0193】〈無機/有機複合微粒子作製例1〉平均粒
子径1.0μmのスチレン/アクリル有機微粒子(電気
抵抗6.6×1013Ω・cm)100gに対して一次粒
子径が15nmの表面をテトラオクチルチタネートで処
理した疎水性酸化チタンを40g添加しタービュラミキ
サにて混合した。ついで、粉砕機を改造したハイブリダ
イザ(奈良機械製作所社製)にて周速100m/sec
の条件で3分間処理して有機微粒子表面に酸化チタンが
固着された無機/有機複合微粒子を作製した。これを
「無機/有機複合微粒子1」とする。
【0194】無機/有機複合微粒子1の電気抵抗は8.
8×1012Ω・cmであった。 〈無機/有機複合微粒子作製例2〉無機/有機複合微粒
子作製例1において、平均粒子径が1.0μmの有機微
粒子の代りに平均粒子径が2.0μmの有機微粒子を使
用し、表面をシリコーンオイルで処理したシリカを使用
した他は同様にして無機/有機複合微粒子を得た。これ
を「無機/有機複合微粒子2」とする。
【0195】無機/有機複合微粒子2の電気抵抗は7.
2×1013Ω・cmであった。 〈無機/有機複合微粒子作製例3〉無機/有機複合微粒
子作製例1において、疎水性酸化チタンの代りに一次粒
子径が30nmの表面を酸化スズ処理した酸化チタン粒
子(商品名ET−300W:石原産業社製)を使用した
他は同様にして無機/有機複合微粒子を得た。これを
「無機/有機複合微粒子3」とする。
【0196】無機/有機複合微粒子3の電気抵抗は5.
6×109Ω・cmであった。 〈無機/有機複合微粒子作製例4〉無機/有機複合微粒
子作製例1に於いて、疎水性酸化チタンの代りに一次粒
子径が50nmの表面を酸化スズ処理したシリカ粒子
(商品名ES−650W:チタン工業社製)を使用した
他は同様にして無機/有機複合微粒子を得た。これを
「無機/有機複合微粒子4」とする。
【0197】無機/有機複合微粒子4の電気抵抗は4.
8×108Ω・cmであった。 〈複合樹脂粒子の調製例1〉 (1)核粒子の調製(第1段重合)攪拌装置、温度セン
サー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000ml
のセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデ
シルスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイ
オン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水
系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度
で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
【0198】この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫
酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200g
に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした
後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート1
9.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合
液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間に
わたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を
行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分
散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とす
る。
【0199】(2)中間層の形成(第2段重合) 攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン1
05.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタ
クリル酸6.4g、n−オクチル−3−メルカプトプロ
ピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に、前
記式19)で表される化合物(以下、「例示化合物(1
9)」という。)72.0gを添加し、80℃に加温し
溶解させて単量体溶液を調製した。
【0200】一方、アニオン系界面活性剤(SDS)
1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面
活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、
核粒子の分散液である前記ラテックス(1H)を固形分
換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散
機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テ
クニック社製)により、前記例示化合物(19)の単量
体溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径(284n
m)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)
を調製した。
【0201】次いで、この分散液(乳化液)に、重合開
始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶
解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添
加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱攪拌する
ことにより重合(第2段重合)を行い、ラテックス(高
分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂に
より被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。
これを「ラテックス(1HM)」とする。
【0202】(3)外層の形成(第3段重合) 上記のようにして得られたラテックス(1HM)に、重
合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200ml
に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下
に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95
g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メル
カプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体
混合液を1時間かけて滴下した。
【0203】滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌する
ことにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで
冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中
間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる
外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有
されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテッ
クスを「ラテックス(1HML)」とする。
【0204】このラテックス(1HML)を構成する複
合樹脂粒子は、138,000、80,000および1
3,000にピーク分子量を有するものであり、また、
この複合樹脂粒子の重量平均粒径は122nmであっ
た。
【0205】〈複合樹脂粒子の調製例2〉 (1)核粒子の調製(第1段重合) 攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン1
05.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタ
クリル酸6.4gからなる単量体混合液に、前記式1
6)で表される化合物(以下、「例示化合物(16)」
という。)72.0gを添加し、80℃に加温し溶解さ
せて単量体溶液を調製した。
【0206】一方、アニオン系界面活性剤(SDS)
1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面
活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、
循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CL
EARMIX)」(エム・テクニック社製)により、前
記例示化合物(16)の単量体溶液を混合分散させ、均
一な分散粒子径(268nm)を有する乳化粒子(油
滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
【0207】次いで、この分散液(乳化液)に、重合開
始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶
解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添
加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱攪拌する
ことにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(高
分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。こ
れを「ラテックス(2H)」とする。
【0208】(2)外層の形成(第2段重合) 上記のようにして得られたラテックス(2H)に、重合
開始剤(KPS)14.8gをイオン交換水400ml
に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下
に、スチレン600g、n−ブチルアクリレート190
g、メタクリル酸30.0g、n−オクチル−3−メル
カプトプロピオン酸エステル20.8gからなる単量体
混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間に
わたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行
った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂か
らなる中心部と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、
前記中心部に例示化合物(16)が含有されている複合
樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテッ
クス(2HL)」とする。
【0209】このラテックス(2HL)を構成する複合
樹脂粒子は、168,000および11,000にピー
ク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子
の重量平均粒径は126nmであった。
【0210】〈複合樹脂粒子の調製例3〉複合樹脂粒子
の調製例1(1)と同様の操作を行い、高分子量樹脂か
らなる樹脂粒子の分散液であるラテックス(1H)を調
製した。
【0211】このラテックス(1H)を構成する樹脂粒
子は168,000にピーク分子量を有するものであ
り、また、この樹脂粒子の重量平均粒径は90nmであ
った。
【0212】〈複合樹脂粒子の調製例4〉攪拌装置を取
り付けたフラスコ内に、重合開始剤(KPS)14.8
gをイオン交換水400mlに溶解させた開始剤溶液を
仕込み、80℃の温度条件下に、スチレン600g、n
−ブチルアクリレート190g、メタクリル酸30.0
g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステ
ル20.8gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下
した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することに
より重合を行った後、27℃まで冷却しラテックス(低
分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を得た。このラ
テックスを「ラテックス(2L)」とする。
【0213】このラテックス(2L)を構成する樹脂粒
子は11,000にピーク分子量を有するものであり、
また、この樹脂粒子の重量平均粒径は128nmであっ
た。
【0214】〈着色粒子1Bk〜4Bkおよび比較用着
色粒子1Bk〉n−ドデシル硫酸ナトリウム59.0g
をイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液
を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330」
(キャボット社製)420.0gを徐々に添加し、次い
で、攪拌機(クレアミックス:エム・テクニック社製)
を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液
(以下、「着色剤分散液(Bk)」という。)を調製し
た。この着色剤分散液(Bk)における着色剤粒子の粒
子径を、電気泳動光散乱光度計(ELS−800:大塚
電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で
98nmであった。
【0215】複合樹脂粒子の調製例1で得られたラテッ
クス(1HML)420.7g(固形分換算)と、イオ
ン交換水900gと、着色剤分散液(Bk)166gと
を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置、
粒径および形状のモニタリング装置を取り付けた反応容
器(図9に示した構成の反応装置、交差角αは25°)
に入れ攪拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液
に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えて
pHを11.0に調整した。
【0216】次いで、塩化マグネシウム6水和物12.
1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、
攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放
置した後に昇温を開始し、この系を6〜10分間かけて
90±3℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。そ
の状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合
粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmになっ
た時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1
000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止
させ、さらに、熟成処理として液温度85±2℃にて
0.5〜15時間にわたり加熱攪拌することにより融着
を継続させた。その後、8℃/分の条件で30℃まで冷
却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停
止した。生成した会合粒子をヌッチェを用いて濾過し、
イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、フラッシュジ
ェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥さ
せ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥さ
せ、離型剤(例示化合物(19))を含有する着色粒子
を得た。
【0217】前記塩析/融着段階および形状制御工程の
モニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を
制御することにより、形状および形状係数の変動係数を
制御し、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整し
て、表1に示す形状特性および粒度分布特性からなる着
色粒子1Bk〜4Bk、および比較用着色粒子1Bkを
得た。
【0218】〈着色粒子5Bk〜7Bk〉ラテックス
(1HML)に代えて、複合樹脂粒子の調製例2で得ら
れたラテックス(2HL)420.7g(固形分換算)
を使用し、熟成処理時間を変更したこと以外は着色粒子
1Bk〜4Bkと同様にして、表1に示す形状特性およ
び粒度分布特性からなる着色粒子5Bk〜7Bkを得
た。
【0219】〈着色粒子1Y〜4Yおよび比較用着色粒
子1Y〉n−ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交
換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しな
がら、染料(C.I.ソルベントイエロー93)42.
0gを徐々に添加し、次いで、攪拌機「クレアミック
ス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理するこ
とにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液
(Y)」という。)を調製した。この着色剤分散液
(Y)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱
光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測
定したところ、重量平均粒子径で250nmであった。
【0220】着色剤分散液(Bk)に代えて着色剤分散
液(Y)166gを使用したこと以外はトナー製造例1
Bk〜4Bkと同様にして、表1に示す形状特性および
粒度分布特性からなる着色粒子1Y〜4Yおよび比較用
着色粒子1Yを得た。
【0221】〈着色粒子5Y〜7Y〉ラテックス(1H
ML)に代えて、複合樹脂粒子の調製例2で得られたラ
テックス(2HL)420.7g(固形分換算)を使用
したこと以外は着色粒子1Y〜4Yと同様にして、表1
に示す形状特性および粒度分布特性からなる着色粒子5
Y〜7Yを得た。
【0222】〈着色粒子1M〜4Mおよび比較用着色粒
子1M〉n−ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交
換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しな
がら、顔料(C.I.ピグメントレッド122)26.
3gを徐々に添加し、次いで、攪拌機「クレアミック
ス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理するこ
とにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液
(M)」という。)を調製した。この着色剤分散液
(M)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱
光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測
定したところ、重量平均粒子径で221nmであった。
【0223】着色剤分散液(Bk)に代えて着色剤分散
液(M)166gを使用したこと以外はトナー製造例1
Bk〜4Bkと同様にして、表1に示す形状特性および
粒度分布特性からなる着色粒子1M〜4Mおよび比較用
着色粒子1Mを得た。
【0224】〈着色粒子5M〜7M〉ラテックス(1H
ML)に代えて、複合樹脂粒子の調製例2で得られたラ
テックス(2HL)420.7g(固形分換算)を使用
し、熟成処理時間を変更したこと以外は着色粒子1M〜
4Mと同様にして、表1に示す形状特性および粒度分布
特性からなる着色粒子5M〜7Mを得た。
【0225】〈着色粒子1C〜4Cおよび着色粒子1
C〉n−ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水
1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しなが
ら、顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)26.
3gを徐々に添加し、次いで、攪拌機「クレアミック
ス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理するこ
とにより、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液
(C)」という。)を調製した。この着色剤分散液
(C)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱
光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測
定したところ、重量平均粒子径で217nmであった。
【0226】着色剤分散液(Bk)に代えて着色剤分散
液(C)166gを使用したこと以外は着色粒子1Bk
〜4Bkと同様にして、表1に示す形状特性および粒度
分布特性からなる着色粒子1C〜4Cおよび比較用着色
粒子1Cを得た。
【0227】〈着色粒子5C〜7C〉ラテックス(1H
ML)に代えて、複合樹脂粒子の調製例2で得られたラ
テックス(2HL)420.7g(固形分換算)を使用
したこと以外はトナー製造例1C〜4Cと同様にして、
表1に示す形状特性および粒度分布特性からなる着色粒
子5C〜7Cを得た。
【0228】
【表1】
【0229】トナーの作製 上記のようにして得られた着色粒子1Bk〜7Bk、比
較用着色粒子1Bk、着色粒子1Y〜7Y、比較用着色
粒子1Y、着色粒子1M〜7M、比較用着色粒子1M、
着色粒子1C〜7C、比較用着色粒子1Cの各々に、疎
水性シリカ(数平均一次粒子径=10nm、疎水化度=
63)を1.0質量%となる割合で添加するとともに、
疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=25nm、疎水
化度=60)を0.8質量%となる割合でそれぞれ添加
し、ヘンシェルミキサーにより混合した。
【0230】これらを各々トナー1Bk〜7Bk、比較
用トナー1Bk、トナー1Y〜7Y、比較用トナー1
Y、トナー1M〜7M、比較用トナー1M、トナー1C
〜7C、比較用トナー1Cとした。
【0231】これらの中トナー1Bk〜4Bk、比較用
トナー1Bk、トナー1Y〜4Y、比較用トナー1Y、
トナー1M〜4M、比較用トナー1M、トナー1C〜4
C、比較用トナー1Cの各々には、無機/有機複合微粒
子1〜4をそれぞれ1.0質量%添加し、ヘンシェルミ
キサーにより混合した。
【0232】なお、これらの着色粒子について、疎水性
シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その
形状および粒径は変化しない。
【0233】このように疎水性シリカおよび疎水性酸化
チタンが添加された着色粒子(即ちトナー)の各々につ
いて、破砕強度指数を測定した。結果を下記表2に示
す。
【0234】
【表2】
【0235】キャリア1および2の作製 重量平均分子量Mwが200000、数平均分子量Mn
が8000、ガラス転移点Tgが59℃、酸価が11の
スチレン−アクリル系樹脂と、粒径が0.4μm、飽和
磁気力が60emu/g、保持力が10Oeのマグネタ
イトとをそれぞれ所定の割合でヘンシェルミキサーで混
合し、この混合物を2軸の押出し機で溶融混練し、この
混練物を冷却させた後、それぞれこの混練物を粗粉砕
し、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機により所望の
粒度分布になるまで繰り返し分級して、下記の表3に示
すようになったバインダー型のキャリアを作製した。
【0236】
【表3】
【0237】現像剤の作製 上記トナーの各々と、キャリアとを混合し、トナー濃度
が9質量%の現像剤を調製した。これらの現像剤を、着
色粒子1Bk〜7Bk、比較用着色粒子1Bk、着色粒
子1Y〜7Y、比較用着色粒子1Y、着色粒子1M〜7
M、比較用着色粒子1M、着色粒子1C〜7C、比較用
着色粒子1Cに対応して、現像剤1Bk〜7Bk、比較
用現像剤1Bk、現像剤1Y〜7Y、比較用現像剤1
Y、現像剤1M〜7M、比較用現像剤1M、現像剤1C
〜7C、比較用現像剤1Cとする。
【0238】これらを表4に示す。
【0239】
【表4】
【0240】実施例1〜7および比較例1 現像剤の組み合わせを下記表5に示す。
【0241】
【表5】
【0242】図11の現像器を備えた図12に示す画像
形成装置により、高温高湿環境下(温度33℃、相対湿
度80%)において、フルカラー画像(Y/M/C/B
kそれぞれの画素率が15%)を連続して20万枚形成
する実写テストを行うことにより、網点画像濃度、ライ
ン幅を測定し、画像斑、画像後端欠けの発生状況、現像
ローラー融着、スペントの発生状況について評価した。
【0243】ここに、感光体のクリーニングはブレード
方式を採用した。また、定着器としては、図13に示し
たような圧接方式の加熱定着装置を用いた。定着器の具
体的構成は、下記のとおりである。
【0244】中央部にヒーターを内蔵するアルミニウム
合金からなる円筒状(内径=30mm、肉厚=1.0m
m、全幅=310mm)の芯金表面を、シリコーンゴム
(アスカーC硬度30°、厚み2mm)で被覆すること
により加熱ローラー(上ローラー)を構成し、鉄からな
る円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金
表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度3
0°、厚み8mm)で被覆することにより加圧ローラー
(下ローラー)を構成し、当該加熱ローラーと当該加圧
ローラーとを150Nの総荷重により当接させて5.8
mm幅のニップを形成させた。この定着器を使用して、
印字の線速を180mm/secに設定した。なお、加
熱ローラーの表面をPFAのチューブ(50μm)で被
覆した。
【0245】なお、定着器のクリーニング機構として、
ジメチルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのも
の)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。定
着温度は加熱ローラーの表面温度で制御した(設定温度
175℃)。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.1
mg/A4とした。
【0246】現像剤の搬送量を表6に示す。搬送量は、
実写テストを10000枚おきに20回測定し、その最
大値、最小値、(最大値−最小値)の差分を示した。
【0247】
【表6】
【0248】Vp−pは、1.4kVに調整した。又、
Ds(mm)の測定値およびVp−p/Ds(kV/m
m)の値を表7に示す。
【0249】
【表7】
【0250】特性評価 測定方法および評価方法 (1)10%網点の濃度 20mm×20mmの10%網点画像部について、マク
ベス反射濃度計「RD−918」を用いて白地部に対す
る相対画像濃度を測定した。10%網点濃度の評価は、
ドットの再現性およびハーフトーンの再現性を評価する
ために行ったもので、濃度変化が0.10以内であれば
画質変化は少なく問題ないといえる。
【0251】(2)ライン幅 2ドットラインの画像信号に対応するライン画像のライ
ン幅を印字評価システム「RT2000」(ヤーマン社
製)によって測定した。1枚目の形成画像のライン幅お
よび20000枚目の形成画像のライン幅の何れもが2
00μm以下であり、かつ、ライン幅の変化が10μm
未満であれば、細線再現性は問題ないといえる。
【0252】(3)画像斑 画像全面に10%網点画像を形成し、目視にて全く画像
斑が検知できないモノを「◎」、微かに画像斑がある
が、注視しなければ気づかない程度を「○」、画像斑が
容易に検知できるものを「×」とした。
【0253】(4)パッチ画像の後端欠け 20mm×20mmのソリッド画像のパッチを70mm
間隔で均等に配置し、背景を10%網点画像である画像
を形成し、各パッチ画像の後端に白く画像が抜けた部分
が検知されたモノを「×」、検知できないものを「○」
とした。
【0254】(5)トナースペント 上記の実写テスト終了後にキャリアへのトナー粒子の融
着を走査型電子顕微鏡にて観察した。
【0255】(6)現像ローラー融着の発生状況 上記の実写テストにおいて、休止時に現像ローラーを観
察して、融着物が認められた時点の枚数を測定した。
【0256】特性評価の結果を表8に示す。
【0257】
【表8】
【0258】本発明内の実施例1〜7は何れも良い特性
を示すことがわかる。一方、本発明外の比較例1は、特
性上問題があることがわかる。
【0259】
【発明の効果】本発明により、現像領域へのトナーの搬
送量を安定化し、細線、微小ドット再現性が良く、画像
斑がない、また、磁気ブラシの堅さ過ぎ等による画像端
欠けもない画像形成方法を提供することが出来る。又、
トナーの破砕強度が高く、破砕した微粉がキャリアへの
トナースペント、現像ローラーへの融着の発生が無いト
ナーを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図2】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図3】図2の上面断面図。
【図4】撹拌翼の形状の概要図。
【図5】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図6】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図7】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図8】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図9】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図。
【図10】角のないトナー粒子を説明する概略図。
【図11】本発明の現像方法を説明する現像器の概略断
面図。
【図12】カラー電子写真画像形成装置の一例を示す概
略断面図。
【図13】本発明において使用される定着器の一例の概
略断面図。
【符号の説明】
1 熱交換用のジャケット 2 撹拌槽 3 回転軸 4 下段の撹拌翼 5 上段の撹拌翼 6 中孔部 11 現像剤 12 像担持体(感光体) 13 現像剤搬送部材(現像スリーブ) 14 現像磁石 15 現像剤規制板 16 振動電界電源 27 トナー補給ローラー 28 現像器 Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 372 G03G 15/01 J 374 113A 9/107 15/08 501Z 15/01 503A 113 15/09 Z 15/08 501 9/08 321 503 361 507 381 15/09 384 9/10 331 15/08 507E 507L (72)発明者 添田 香織 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 松本 好康 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA08 AA12 AA13 AA15 AA21 AB03 AB06 BA03 CA13 CA14 EA05 EA06 EA10 FA02 2H030 AB02 AD01 AD16 BB23 BB34 BB38 BB63 2H031 AC08 AC14 AC15 AC30 AD01 AD03 AD05 AD15 BA08 BA09 BB01 CA09 DA01 DA05 FA01 2H073 AA01 AA03 BA03 BA13 BA43 CA03 CA14 CA22 2H077 AD02 AD06 AD13 AD36 AE06 BA07 DB08 DB14 EA03 GA03 GA13

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤
    搬送部材によって像担持体と対向する現像領域に搬送
    し、現像領域にて振動電界を作用させて現像剤搬送部材
    から現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行う
    画像形成方法において、上記の現像剤搬送部材によって
    現像領域に搬送される現像剤の搬送量を0.3〜10.
    0mg/cm2に調整し、現像領域における現像剤搬送
    部材と像担持体との間隔をDs(mm)、印加する交流
    電圧のピークトゥピーク値をVp−p(V)で表したと
    き、下記式(1)に示される範囲の振動電界(Vp−p
    /Ds)を作用させて現像し、用いるトナーは、トナー
    粒子形状係数の変動係数が16%以下で、個数粒度分布
    における個数変動係数が27%以下であることを特徴と
    する画像形成方法。 式(1) 5(kV/mm)≧Vp−p/Ds≧3.5(kV/mm)
  2. 【請求項2】 形状係数が1.0〜1.6の範囲にある
    トナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを飛翔
    させて顕像化することを特徴とする請求項1に記載の画
    像形成方法。
  3. 【請求項3】 形状係数が1.2〜1.6の範囲にある
    トナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを飛翔
    させて顕像化することを特徴とする請求項1に記載の画
    像形成方法。
  4. 【請求項4】 角がないトナー粒子の割合が50個数%
    以上であるトナーを飛翔させて顕像化することを特徴と
    する請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μm
    であるトナーを飛翔させて顕像化することを特徴とする
    請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 トナー粒子の粒径をD(μm)とすると
    き、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23
    間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒ
    ストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相
    対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級
    に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)
    が70%以上であるトナーを飛翔させて顕像化すること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形
    成方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中で
    重合せしめて得られるトナーを飛翔させて顕像化するこ
    とを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合
    させて得られるトナーを飛翔させて顕像化することを特
    徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  9. 【請求項9】 前記トナーが多段重合法により得られる
    複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られ
    るトナーを用いる画像形成方法において、該複合樹脂粒
    子の最外層以外の領域に離型剤が含有されているトナー
    を用いることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に
    記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 トナーとキャリアを含む現像剤を現像
    剤搬送部材によって像担持体と対向する現像領域に搬送
    し、現像領域にて振動電界を作用させて現像剤搬送部材
    から現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行う
    画像形成方法において、上記の現像剤搬送部材によって
    現像領域に搬送される現像剤の搬送量を0.3〜10.
    0mg/cm2に調整し、現像領域における現像剤搬送
    部材と像担持体との間隔をDs(mm)、印加する交流
    電圧のピークトゥピーク値をVp−p(V)で表したと
    き、下記式(1)に示される範囲の振動電界(Vp−p
    /Ds)を作用させて現像し、用いるトナーは、角がな
    いトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度
    分布における個数変動係数が27%以下であることを特
    徴とする画像形成方法。 式(1) 5(kV/mm)≧Vp−p/Ds≧3.5(kV/mm)
  11. 【請求項11】 形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを飛
    翔させて顕像化することを特徴とする請求項10に記載
    の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
    るトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを飛
    翔させて顕像化することを特徴とする請求項10に記載
    の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mであるトナーを飛翔させて顕像化することを特徴とす
    る請求項10〜12の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  14. 【請求項14】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の
    相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階
    級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であるトナーを飛翔させて顕像化す
    ることを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記
    載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られるトナーを飛翔させて顕像化する
    ことを特徴とする請求項10〜14の何れか1項に記載
    の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会
    合させて得られるトナーを飛翔させて顕像化することを
    特徴とする請求項10〜15の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  17. 【請求項17】 トナーが多段重合法により得られる複
    合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られる
    トナーであって、前記複合樹脂粒子の最外層以外の領域
    に離型剤が含有されているトナーを用いることを特徴と
    する請求項10〜16の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  18. 【請求項18】 トナーとキャリアを含む現像剤を現像
    剤搬送部材によって像担持体と対向する現像領域に搬送
    し、現像領域にて振動電界を作用させて現像剤搬送部材
    から現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行う
    画像形成方法において、上記の現像剤搬送部材によって
    現像領域に搬送される現像剤の搬送量を0.3〜10.
    0mg/cm2に調整し、現像領域における現像剤搬送
    部材と像担持体との間隔をDs(mm)、印加する交流
    電圧のピークトゥピーク値をVp−p(V)で表したと
    き、下記式(1)に示される範囲の振動電界(Vp−p
    /Ds)を作用させて現像し、用いるトナーは、形状係
    数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が6
    5個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下
    であるトナー粒子よりなることを特徴とする画像形成方
    法。 式(1) 5(kV/mm)≧Vp−p/Ds≧3.5(kV/mm)
  19. 【請求項19】 角がないトナー粒子の割合が50個数
    %以上であるトナーを飛翔させて顕像化することを特徴
    とする請求項18に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 トナー粒子の個数平均粒径が3〜8μ
    mであるトナーを飛翔させて顕像化することを特徴とす
    る請求項18又は19に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 トナー粒子の粒径をD(μm)とする
    とき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.2
    3間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示す
    ヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の
    相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階
    級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であるトナーを飛翔させて顕像化す
    ることを特徴とする請求項18〜20の何れか1項に記
    載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも重合性単量体を水系媒体中
    で重合せしめて得られるトナーを飛翔させて顕像化する
    ことを特徴とする請求項18〜21の何れか1項に記載
    の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会
    合させて得られる磁性トナーを飛翔させて顕像化するこ
    とを特徴とする請求項18〜22の何れか1項に記載の
    画像形成方法。
  24. 【請求項24】 トナーが多段重合法により得られる複
    合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られる
    トナーであって、前記複合樹脂粒子の最外層以外の領域
    に離型剤が含有されているトナーを用いることを特徴と
    する請求項18〜23の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  25. 【請求項25】 現像剤搬送部材と磁性ブレードによっ
    て現像領域に搬送される現像剤の搬送量を0.3〜1
    0.0mg/cm2に調整することを特徴とする請求項
    1〜24の何れか1項に記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 トナーが、二段重合法により得られる
    複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られ
    るトナーであって、前記複合樹脂粒子は、ピークまたは
    ショルダー分子量が100,000〜1,000,00
    0の高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、ピー
    クまたはショルダー分子量が1,000〜50,000
    の低分子量樹脂から形成される外層(殻)とを有し、前
    記中心部(核)に離型剤が含有されているトナーを用い
    ることを特徴とする請求項1〜25の何れか1項に記載
    の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 トナーが、三段重合法により得られる
    複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着して得られ
    るトナーであって、前記複合樹脂粒子は、ピークまたは
    ショルダー分子量が100,000〜1,000,00
    0の高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、ピー
    クまたはショルダー分子量が25,000〜150,0
    00の樹脂から形成される中間層と、ピークまたはショ
    ルダー分子量が1,000〜50,000の低分子量樹
    脂から形成される外層(殻)とを有し、前記中間層に離
    型剤が含有されているトナーを用いることを特徴とする
    請求項1〜25の何れか1項に記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 トナーが少なくとも樹脂と着色剤と離
    型剤を含むものであって、平均粒径が0.1〜5.0μ
    mの有機微粒子の表面に、一次平均粒径が5〜100n
    mの無機微粒子が固着された無機/有機複合微粒子を外
    部添加剤として含有するトナーを用いることを特徴とす
    る請求項1〜25の何れか1項に記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 少なくとも樹脂と離型剤と着色剤を含
    有するトナーであって、破砕強度指数が0.1〜0.8
    であるトナーを用いることを特徴とする請求項1〜25
    の何れか1項に記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 キャリアは、形状係数の変動係数が1
    6%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が
    27%以下である樹脂分散型キャリア粒子からなること
    を特徴とする請求項1〜29の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  31. 【請求項31】 キャリアは、角がないトナー粒子の割
    合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数
    変動係数が27%以下である樹脂分散型キャリア粒子か
    らなることを特徴とする請求項1〜30の何れか1項に
    記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 キャリアは、形状係数の変動係数が1
    6%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が
    27%以下である樹脂分散型キャリア粒子からなること
    を特徴とする請求項1〜30の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  33. 【請求項33】 転写材の搬送体に沿って、互いに異な
    った色のトナー画像が周面に形成される複数個の静電荷
    像担持体が配置され、それぞれの静電荷像担持体に対向
    して設けられ、静電力によって転写材にトナー画像を転
    写する静電転写電界付与体を備えた画像形成装置におい
    て、トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材に
    よって像担持体と対向する現像領域に搬送し、この現像
    領域において振動電界を作用させて現像剤搬送部材から
    現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行い、上
    記の現像剤搬送部材によって現像領域に搬送される現像
    剤の搬送量を0.3〜10.0mg/cm2に調整する
    と共に、現像領域に振動電界を作用させ、現像領域にお
    ける現像剤搬送部材と像担持体との間隔をDs(m
    m)、印加する交流電圧のピークトゥピーク値をVp−
    p(V)とした場合に、前記の式(1)に示される範囲
    の振動電界(Vp−p/Ds)を作用させる現像方法を
    用い、トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下
    で、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下で
    あるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  34. 【請求項34】 転写材の搬送体に沿って、互いに異な
    った色のトナー画像が周面に形成される複数個の静電荷
    像担持体が配置され、それぞれの静電荷像担持体に対向
    して設けられ、静電力によって転写材にトナー画像を転
    写する静電転写電界付与体を備えた画像形成装置におい
    て、トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材に
    よって像担持体と対向する現像領域に搬送し、この現像
    領域において振動電界を作用させて現像剤搬送部材から
    現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行い、上
    記の現像剤搬送部材によって現像領域に搬送される現像
    剤の搬送量を0.3〜10.0mg/cm2に調整する
    と共に、現像領域に振動電界を作用させ、現像領域にお
    ける現像剤搬送部材と像担持体との間隔をDs(m
    m)、印加する交流電圧のピークトゥピーク値をVp−
    p(V)とした場合に、前記の式(1)に示される範囲
    の振動電界(Vp−p/Ds)を作用させる現像方法を
    用い、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であ
    り、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下で
    あるトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  35. 【請求項35】 転写材の搬送体に沿って、互いに異な
    った色のトナー画像が周面に形成される複数個の静電荷
    像担持体が配置され、それぞれの静電荷像担持体に対向
    して設けられ、静電力によって転写材にトナー画像を転
    写する静電転写電界付与体を備えた画像形成装置におい
    て、トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材に
    よって像担持体と対向する現像領域に搬送し、この現像
    領域において振動電界を作用させて現像剤搬送部材から
    現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行い、上
    記の現像剤搬送部材によって現像領域に搬送される現像
    剤の搬送量を0.3〜10.0mg/cm2に調整する
    と共に、現像領域に振動電界を作用させ、現像領域にお
    ける現像剤搬送部材と像担持体との間隔をDs(m
    m)、印加する交流電圧のピークトゥピーク値をVp−
    p(V)とした場合に、前記の式(1)に示される範囲
    の振動電界(Vp−p/Ds)を作用させる現像方法を
    用い、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒
    子の割合が65個数%以上であり、形状係数の変動係数
    が16%以下であるトナーを用いることを特徴とする画
    像形成装置。
  36. 【請求項36】 請求項1記載の画像形成方法に用いる
    トナーにおいて、該トナーが平均粒径0.1〜5.0μ
    mの有機微粒子の表面に、一次平均粒径が5〜100n
    mの無機微粒子を固着された無機/有機複合微粒子を外
    部添加剤として含有することを特徴とするトナー。
  37. 【請求項37】 請求項10記載の画像形成方法に用い
    るトナーにおいて、該トナーが平均粒径0.1〜5.0
    μmの有機微粒子の表面に、一次平均粒径が5〜100
    nmの無機微粒子を固着された無機/有機複合微粒子を
    外部添加剤として含有することを特徴とするトナー。
  38. 【請求項38】 請求項18記載の画像形成方法に用い
    るトナーにおいて、該トナーが平均粒径0.1〜5.0
    μmの有機微粒子の表面に、一次平均粒径が5〜100
    nmの無機微粒子を固着された無機/有機複合微粒子を
    外部添加剤として含有することを特徴とするトナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008096977A (ja) * 2006-09-14 2008-04-24 Konica Minolta Business Technologies Inc キャリア及び当該キャリアを含有してなる二成分系現像剤
JP2009103782A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電潜像現像用キャリア、その製造方法、2成分現像剤及び画像形成方法

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