JP2002311785A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002311785A
JP2002311785A JP2001121226A JP2001121226A JP2002311785A JP 2002311785 A JP2002311785 A JP 2002311785A JP 2001121226 A JP2001121226 A JP 2001121226A JP 2001121226 A JP2001121226 A JP 2001121226A JP 2002311785 A JP2002311785 A JP 2002311785A
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particles
image forming
image
resin
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English (en)
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Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
Takeshi Omura
大村  健
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は有機感光体を用いた場合でも、長期
に亘って良好なクリーニング性能を保持し、画像不良が
なく、良好な電子写真画像を形成できる画像形成方法、
画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 クリーニングブレードは有機感光体に当
接する面と反対側の面で金属薄板部材と接しており、ク
リーニングブレードの自由長aと金属薄板部材の自由長
bは式1の関係を満たし、且つ該現像剤に用いられるト
ナーが着色粒子に樹脂粒子の表面に無機微粒子を固着し
た微粒子を添加してなるトナーであることを特徴とする
画像形成方法。 式1 0.1<b/a≦0.9

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機やプリンター等に用いられる画像形成方法、画像形
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の画像形成装置に用
いられる像担持体としては有機光導電性物質を含有する
有機感光体(以下単に感光体とも云う)が最も広く用い
られている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露
光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のな
い材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他
の感光体に対して有利な点である。
【0003】しかしながら、有機感光体を使用する画像
形成方法においては、当該有機感光体に纏わる種々の問
題があった。
【0004】例えば、大量の像形成を繰り返すうち
に、クリーニング不良が顕在化し、紙粉やトナー等の有
機感光体上への沈着により、フィルミング(紙粉やトナ
ーによる膜形成)が発生し、更に、転写性能を低下さ
せ、画像ムラ等を発生せしめる。
【0005】また、クリーニング装置としてクリーニ
ングブレードを用いると、有機感光体とクリーニングブ
レードの接触摩擦がしばしば不安定になり、ブレードめ
くれやブレード鳴き等のブレード劣化が発生しやすい。
【0006】一方、電子写真方式の画像形成方法は近年
のデジタル技術の進展により、デジタル方式の画像形成
が主流と成ってきている。デジタル方式の画像形成方法
は400dpi(1インチ=2.54cm当たりのドッ
ト数)等の1画素の小さなドット画像を顕像化すること
を基本としており、これらの小さなドット画像を忠実に
再現する高画質技術が要求されている。
【0007】このような高画質化技術の1つがトナーの
製造技術に関する技術である。即ち、トナー粒子の粒度
分布、及び形状の均一化を達成する手段として、重合ト
ナーを用いた電子写真用現像剤、或いは画像形成方法が
提案されている。該重合トナーは原料モノマーを水系で
均一に分散した後に重合させトナーを製造することか
ら、トナーの粒度分布、及び形状が均一なトナーが得ら
れ、これらのトナーを用いた現像を用いると原画像を忠
実に再現しやすい。
【0008】しかし、前記重合トナーを有機感光体を用
いた画像形成装置に採用するとき新たな技術課題が発生
している。即ち、該重合トナーは前記のように、トナー
形状がモノマーの重合過程等で形成されるため、ほぼ球
形の形状で作製される。既によく知られているように球
形形状の残留トナーはクリーニング不良、それに続くフ
ィルミングを発生しやすく、このことが原因となって、
転写性能を低下させ、画像ムラ等を発生せしめる。
【0009】前記した有機感光体のフィルミングを防止
する為に、トナーに疎水性シリカ等の流動化剤を添加す
ることが知られている。しかし、これらの流動化剤は一
次粒径が小さいためトナー表面に埋没しやすく、効果が
長続きしない。
【0010】一方、フィルミングを防止するために、研
磨硬化の大きい大粒径の外添剤を添加すると、クリーニ
ングブレードとの摩擦等で、有機感光体の表面摩耗が大
きくなり、擦り傷もつきやすく、感光体の耐久性が小さ
くなるという問題があった。そこで、これらの問題を解
決し、有機感光体の表面摩耗が小さく、擦り傷等のつき
にくい、安定したクリーニング方式と外添剤の使用方法
についての技術開発が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題を解決し、有機感光体を用いた場合でも、長期に亘っ
て良好なクリーニング性能を保持し、画像不良がなく、
良好な電子写真画像を形成できる画像形成方法、画像形
成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記問題
を解決するために検討を重ねた結果、樹脂粒子の表面に
無機微粒子を固着した微粒子の外添剤を用いたトナーと
外添剤の研磨性を効果的にコントロールするクリーニン
グ方法を用いることにより、有機感光体表面をほとんど
傷つけることなく前記フィルミングを効果的に除去でき
ることを見出した。
【0013】即ち、本発明の目的は下記の構成のいずれ
かをとることにより達成される。 1.有機感光体上に形成された静電潜像を、トナーを含
有する現像剤により現像し、該現像により顕像化された
トナー像を有機感光体から転写材に転写した後、有機感
光体上に残留したトナーを除去するクリーニングブレー
ドを有する画像形成方法において、該クリーニングブレ
ードは有機感光体に当接する面と反対側の面で金属薄板
部材と接しており、クリーニングブレードの自由長aと
金属薄板部材の自由長bは式1の関係を満たし、且つ該
現像剤に用いられるトナーが着色粒子に樹脂粒子の表面
に無機微粒子を固着した微粒子を添加してなるトナーで
あることを特徴とする画像形成方法。
【0014】式1 0.1<b/a≦0.9 2.有機感光体上に形成された静電潜像を、トナーを含
有する現像剤により現像し、該現像により顕像化された
トナー像を有機感光体から転写材に転写した後、有機感
光体上に残留したトナーを除去するクリーニングブレー
ドを有する画像形成方法において、該クリーニングブレ
ードは有機感光体に当接する面と反対側の面で金属薄板
部材と接しており、クリーニングブレードの厚さt1
金属薄板部材の厚さt2は式2の関係を満たし、且つ該
現像剤に用いられるトナーが着色粒子に樹脂粒子の表面
に無機微粒子を固着した微粒子を添加してなるトナーで
あることを特徴とする画像形成方法。
【0015】式2 1/200≦t2/t1≦1 3.前記樹脂粒子の表面に無機微粒子を固着した微粒子
の数平均粒径が100nm〜2000nmであることを
特徴とする前記1又は2に記載の画像形成方法。
【0016】4.前記微粒子の添加量がトナー中に0.
1〜3.0質量%であることを特徴とする前記1〜3の
いずれか1項に記載の画像形成方法。
【0017】5.前記トナーが更に数平均一次粒子径が
5〜49nmの流動化剤をトナー中に0.1〜3.0質
量%添加してなることを特徴とする前記1〜4のいずれ
か1項に記載の画像形成方法。
【0018】6.前記1〜5のいずれか1項に記載の画
像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0019】本発明を更に詳しく説明する。図1は本発
明の画像形成装置の全体の構成を示す概要構成図であ
る。
【0020】図1に示す画像形成装置は、デジタル方式
による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処
理部B(図示省略)、画像形成部C、転写紙搬送手段と
しての転写紙搬送部Dから構成されている。
【0021】画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送
する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台1
11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ112によっ
て1枚宛分離搬送され読み取り位置113aにて画像の
読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原
稿搬送ローラ112によって原稿排紙皿114上に排出
される。
【0022】一方、プラテンガラス113上に置かれた
場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及
び第1ミラーから成る第1ミラーユニット115の速度
vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー
及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット116の同
方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
【0023】読み取られた画像は、投影レンズ117を
通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結
像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光
学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのち
A/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フ
ィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦
メモリに記憶される。
【0024】画像形成部Cでは、画像形成ユニットとし
て、像担持体であるドラム状の感光体(以下、感光体ド
ラムとも云う)121と、その外周に、帯電手段である
帯電器122、現像手段である現像装置123、転写手
段である転写器124、分離手段である分離器125、
クリーニング装置126及びPCL(プレチャージラン
プ)127が各々動作順に配置されている。感光体12
1は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したも
ので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用さ
れ、図示の時計方向に駆動回転される。
【0025】回転する感光体121へは帯電器122に
よる一様帯電がなされた後、露光光学系130により画
像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づい
た像露光が行われる。書き込み手段である露光光学系1
30は図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、
回転するポリゴンミラー131、fθレンズ(符号な
し)、シリンドリカルレンズ(符号なし)を経て反射ミ
ラー132により光路が曲げられ主走査がなされるもの
で、感光体121に対してAoの位置において像露光が
行われ、感光体121の回転(副走査)によって潜像が
形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露
光を行い潜像を形成する。
【0026】感光体121上の潜像は現像装置123に
よって反転現像が行われ、感光体121の表面に可視像
のトナー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形
成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納され
た転写紙収納手段としての給紙ユニット141(A)、
141(B)、141(C)が設けられ、また側方には
手差し給紙を行う手差し給紙ユニット142が設けられ
ていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内
ローラ143によって搬送路140に沿って給紙され、
給紙される転写紙の傾きと偏りの修正を行うレジストロ
ーラ対144によって転写紙Pは一時停止を行ったのち
再給紙が行われ、搬送路140、転写前ローラ143a
及び転写進入ガイド板146に案内され、感光体121
上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写器124に
よって転写紙Pに転写され、次いで分離器125によっ
て除電されて転写紙Pは感光体121面より分離し、搬
送装置145により定着器150に搬送される。
【0027】定着器150は定着ローラ151と加圧ロ
ーラ152とを有しており、転写紙Pを定着ローラ15
1と加圧ローラ152との間を通過させることにより、
加熱、加圧によってトナーを熔着させる。トナー画像の
定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ164上に排出され
る。
【0028】図2は本発明のクリーニングブレードを用
いたクリーニング装置の構成図である。
【0029】該クリーニング装置はクリーニングブレー
ド126Aと金属薄板部材126Bが支持部材(一般に
金属板で構成されている)191に取り付けられてい
る。該クリーニングブレードの材質としてはゴム弾性体
が用いられ、その材料としてはウレタンゴム、シリコン
ゴム、フッソゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム
等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムは他の
ゴムに比して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。
例えば、特開昭59−30574号に記載のポリカプロ
ラクトンエステルとポリイソシアネートとを反応硬化せ
しめて得られるウレタンゴム等が好ましい。
【0030】又、本発明において金属薄板部材とは厚さ
が0.01〜2mm、特に好ましくは0.02〜0.5
mmの金属板であり、クリーニングブレードと張り合わ
せ可能な形状を有する部材を意味する。金属薄板の材料
としては柔軟性のある金属薄板であれば、どのような金
属材料でも用いることができるが、好ましくはSUS3
00系、SUS400系のステンレス板、アルミニウム
板、リン青銅板等が用いられる。
【0031】本発明において、この金属薄板部材126
Bとクリーニングブレード126Aを支持部材191に
固定させるとき、金属薄板部材をクリーニングブレード
が感光体に当接面と反対側の面で密着させるように配置
して支持部材に取り付け保持させる。このとき、クリー
ニングブレードと金属薄板部材の接触している部位はブ
レードで発生する振動を確実に金属薄板部材へ伝播、吸
収させることのできる機構を有している。このような保
持方法を採ることにより、クリーニングブレードの振動
を効果的に金属薄板部材に吸収させることができ、ブレ
ードの振動を安定化させることができる。
【0032】感光体表面へのクリーニングブレードの適
正圧接条件は、諸特性の微妙なバランスにより決められ
ており、かなり狭いものである。クリーニングブレード
の厚み等の特性によっても変わり、設定には精度を要す
る。しかし、クリーニングブレードは作製時にどうして
もその厚みに多少のバラツキができるため、適正な条件
で常に設定されるとはいえず、例え当初は適正に設定さ
れても、適正領域が狭いため使用の過程で適正領域から
はずれてしまうこともある。特に高分子量のバインダー
樹脂を用いた有機感光層と組み合わせた場合、適正領域
からはずれると、ブレードめくれやトナーすり抜けの原
因となる。
【0033】従って、クリーニングブレードの特性のバ
ラツキ等をキャンセルするためにも本発明は有効な手段
であり、クリーニングブレードの厚みのバラツキが例え
あっても、金属薄板部材によりブレードの振動を効果的
に吸収することにより、感光体面へのクリーニングブレ
ードの設定条件を適正領域の中に安定に維持することが
できる。
【0034】本発明において、感光体表面に圧接するク
リーニングブレードの先端部は、感光体の回転方向と反
対方向(カウンター方向)に向けて負荷をかけた状態で
圧接することが好ましい。図2に示すようにクリーニン
グブレードの先端部は感光体と圧接するときに、圧接面
を形成することが好ましい。
【0035】本発明のクリーニングブレードと金属薄板
部材との位置関係は図2のように双方の先端間に段差を
設けた構成になっている。更に、金属薄板部材の自由長
はクリーニングブレードの自由長より短い。このような
構成にすることにより、クリーニングブレードの先端部
での変形(感光体に圧接する事による変形)を阻害する
ことなく、しかもクリーニングブレードの振動を金属薄
板部材により吸収し、クリーニングブレードの振動を安
定させることができる。
【0036】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードと金属薄板部材の自由長の比は図2に示すよう
にクリーニングブレードの自由長をa、金属薄板部材の
自由長をbとすると、式1を満足するように設計されて
いる。自由長とはクリーニングブレード及び金属薄板部
材、各々の支持部材に保持されていない部分の長さのこ
とで、図2に示すように支持部材191の端部Bから変
形前のクリーニングブレード、金属薄板部材各々の先端
点までの長さを示すものである。
【0037】式1 0.1<b/a≦0.9 b/aを上記範囲に、即ちb/aが0.1を超え、0.
9以下となるように設計することにより、クリーニング
ブレードの先端部での変形(感光体に圧接する事による
変形)を阻害することなく、しかもクリーニングブレー
ドの振動を金属薄板部材により吸収し、ブレードめくれ
やトナーすり抜けが発生しない安定したクリーニング性
を実現できることを見いだした。更に、本発明では0.
3〜0.7の範囲がより好ましい。一方、b/aが0.
1以下ではトナーすり抜けが発生しやすくなり、b/a
が0.9より大きいとブレードめくれが発生しやすい。
【0038】本発明のクリーニング装置はクリーニング
ブレードと金属薄板部材の厚さの比は図2に示されるよ
うにクリーニングブレードの厚さをt1、金属薄板部材
の厚さをt2とすると、式2を満足するように設計され
ている。
【0039】式2 1/200≦t2/t1≦1 t2/t1を上記範囲に、即ちt2/t1の値が1/200
〜1になるように設計することにより、クリーニングブ
レードは支持部材に安定して保持され、しかもクリーニ
ングブレードの振動を金属薄板部材により吸収し、ブレ
ードめくれやトナーすり抜けが発生しない安定したクリ
ーニング性を実現できることを見いだした。更に、t2
/t1の値は1/100〜1/4の範囲が好ましい。一
方、t2/t1が1/200未満ではトナーすり抜けが発
生しやすくなり、t2/t1が1より大きいとブレードめ
くれが発生しやすい。
【0040】本発明において前記クリーニングブレード
の感光体への当接荷重P、当接角θの好ましい値として
は、P=5〜40N/m、θ=5〜35°である。
【0041】当接荷重Pはブレード126Aを感光体ド
ラム121に当接させたときの圧接力P′の法線方向ベ
クトル値である。
【0042】又当接角θは感光体の当接点Aにおける接
線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)との
なす角を表す。172は支持部材を固定するための固定
ねじ、193は荷重バネを示す。
【0043】又、前記クリーニングブレードの自由長a
は図2に示すように支持部材191の端部Bの位置から
変形前のブレードの先端点の長さを表す。該自由長の好
ましい値としてはa=6〜15mm、である。前記クリ
ーニングブレードの厚さは0.5〜10mmが好まし
い。ここで、本発明のクリーニングブレード及び金属薄
板部材の厚さとは図2に示すように支持部材191の接
着面に対して垂直な方向を示す。
【0044】本発明に用いられるクリーニングブレード
はゴム弾性体が好ましく、クリーニングブレードと金属
薄板部材の物性を同時にコントロールすることにより、
本発明のクリーニング条件をより良く調整でき、トナー
のクリーニング性をより有効に制御できる。
【0045】又、クリーニングブレードの他の物性とし
ては、硬度は25±5℃におけるJISA硬度が55〜
90の範囲が好ましい。55よりも小さくなるとクリー
ニング性能が低下しやすく、90より大きくなるとブレ
ードの反転が起こり易い。また、クリーニングブレード
の反発弾性は25〜80の範囲が好ましい。反発弾性が
80を超えるとブレードの反転がおこり易くなり、25
未満だとクリーニング性能が低下する。ヤング率は、2
94〜588N/cm2の範囲のものが好ましい。
【0046】又、クリーニングブレードは、必要に応
じ、感光体と接触するクリーニングブレードのエッジ部
にフッ素系潤滑剤をスプレー塗布するか、もしくは、そ
の上にさらに、幅方向全域にわたった先端部に、フッ素
系ポリマーおよびフッ素系樹脂粉体をフッ素系溶剤に分
散させた分散体を塗布することが好ましい。
【0047】次に、本発明の有機感光体について記載す
る。本発明において、有機電子写真感光体(有機感光
体)とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生
機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化
合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公
知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成さ
れた感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体
で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含
有する。
【0048】以下に本発明に用いられる有機感光体の構
成について記載する。導電性支持体本発明の感光体に用
いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどち
らを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに構成
するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
【0049】本発明の円筒状導電性支持体とは回転する
ことによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒
状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ
0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好まし
い。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像
形成が困難になる。
【0050】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0051】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0052】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0053】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0054】又本発明に最も好ましく用いられる中間層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中
間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0055】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0056】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0057】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0058】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0059】電荷輸送層 電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分
散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質
としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても
良い。
【0060】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0061】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0062】電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂と
しては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並
びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を
含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−
N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げら
れる。
【0063】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネ
ート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にする
ことにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0064】本発明の中間層、感光層等の層形成に用い
られる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イ
ソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明
はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が
好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは
2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0065】次に本発明の有機電子写真感光体を製造す
るための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗
布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、
感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させな
いため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布
又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表
例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお
本発明の保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用い
るのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については
例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載さ
れている。
【0066】本発明では、有機感光体を使用した場合に
発生する高温高湿環境下での画像ボケや筋状、或いは斑
点状の画像欠陥は前記金属薄板部材を貼り合わせたクリ
ーニングブレードを用いると共にトナー中に樹脂粒子の
表面に無機微粒子を固着した微粒子の外添剤を添加し、
クリーニング時に該外添剤をクリーニング部材(クリー
ニングブレード等)の表面に担持させることが有効であ
ることを見出した。即ち、トナーに樹脂粒子の表面に無
機微粒子を固着した微粒子(以下複合粒子とも云う)を
外添することにより、感光体表面の吸着成分を効果的に
除去でき、画像流れや筋状、或いは斑点状の画像欠陥の
発生問題を解決する事ができることを見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
【0067】以下、本発明に用いられるトナーについて
記載する。本発明のトナーは着色粒子に少なくとも樹脂
粒子の表面に無機微粒子を固着した微粒子(複合粒子)
を添加してなるトナーである複合粒子の表面は無機微粒
子が固着しているために、その効果により高い帯電付与
能を有している。また、表面の無機微粒子により、感光
体の研磨力もあり、クリーニング性が高い。さらに、核
体として樹脂粒子を使用していることから、柔軟な構造
を有しており、クリーニング時等の感光体やトナーに対
するストレスを緩和することができ、又、トナーの流動
化剤等の埋没を抑制することができるため、長期に亘っ
て安定した画像を形成することができる。
【0068】複合粒子の樹脂粒子としては、スチレン樹
脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂
粒子、ウレタン樹脂粒子等をあげることができる。
【0069】樹脂粒子としては特にその組成が限定され
るものでは無い。一般的にはビニル系の有機微粒子が好
ましい。この理由としては乳化重合法や懸濁重合法等の
製造方法によって容易に製造することが可能であるから
である。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、
p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−
フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン等の様なスチレ
ンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソプロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の
メタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビ
ニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキ
シルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等の
N−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン
等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、
N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、
N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリ
ルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体が
ある。これらビニル系単量体も単独あるいは組み合わせ
て使用することができる。
【0070】樹脂粒子の製造方法としては乳化重合法や
懸濁重合法によって作製することができる。乳化重合法
は、界面活性剤を含有する水中に上記単量体を添加し乳
化させた後に重合する方法であり、界面活性剤としては
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリビニル
アルコール、エチレンオキサイド付加物、高級アルコー
ル硫酸ナトリウム等の界面活性剤として使用されている
物ならば全て使用することができ、特に限定されない。
さらに、反応性乳化剤の使用や、親水性単量体、例えば
酢酸ビニルやアクリル酸メチル等の過硫酸塩系開始剤に
よる重合や、水溶性単量体を共重合する方法や、水溶性
樹脂やオリゴマーを使用する方法や、分解型乳化剤を使
用する方法や、架橋型乳化剤を使用する方法等のいわゆ
る無乳化重合法も好適である。反応性乳化剤としてはア
クリル酸アミドのスルフォン酸塩やマレイン酸誘導体の
塩類等があげられる。無乳化重合法は残存乳化剤の影響
が無く、有機微粒子を単体で使用する場合には好適であ
る。
【0071】樹脂粒子を合成するために必要な重合開始
剤には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロ
ニトリル等のアゾ系の重合開始剤があげられる。これら
の添加量は単量体に対して0.1〜2質量%が好まし
い。この量よりも過小であると重合反応が不足し、単量
体自体の残留の問題を発生する。さらに、過多であると
重合開始剤の分解物が残留し帯電性に影響を与え、さら
に重合反応が早すぎるために分子量が小さくなる問題を
生じる。さらに、乳化重合法等では重合開始剤として過
硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム等を使用することが
できる。
【0072】複合粒子の作製は、上記樹脂粒子に対して
無機微粒子を添加混合する。ついで、オーダードミクス
チャーを形成し静電的に樹脂粒子表面に無機微粒子を付
着させた後に、機械的エネルギーを付与して樹脂粒子の
表面に無機微粒子を固着する。ここで、固着とは特開平
4−291352号公報に記載されている固着率で25
%以上の状態を示す。
【0073】すなわち、固着率とは無機微粒子の固着の
状態を規定したもので、核となる樹脂粒子に対する無機
微粒子の埋め込み状態を規定したものである。この固着
率は具体的には下記式により算出されるものである。
【0074】樹脂粒子の比表面積をSa、無機微粒子の
比表面積をSb、樹脂粒子の表面に無機微粒子を固着し
た後の複合粒子の比表面積をSh、無機微粒子の樹脂粒
子に対する添加率をxとすると、
【0075】
【数1】
【0076】と示される。この固着率は25%以上10
0%未満が好ましい。特に、40〜80%が好ましい。
固着率が25%未満であると樹脂粒子に対する無機微粒
子の固着程度が低くなり、表面に存在する無機微粒子の
遊離が発生する。このため、長期に亘って使用を繰り返
すと無機微粒子の遊離により感光体に対する傷の問題を
発生する。固着率の調整は固着を行う製造装置に於いて
その条件を種々に制御することで行うことができる。
【0077】なお、オーダードミクスチャーを形成する
場合、本発明では樹脂粒子の表面を構成する樹脂のガラ
ス転移温度Tg以下の雰囲気温度で作製するとよい。す
なわち、Tg以上の温度でオーダードミクスチャーを形
成した場合は、樹脂粒子の合一が発生するためである。
【0078】複合粒子を構成する無機微粒子と核となる
樹脂粒子との比率はそれぞれの粒径に依存し、核となる
樹脂粒子を均一に覆うだけ無機微粒子を添加すればよ
い。一般には、樹脂粒子に対して無機微粒子が5〜30
質量%が好ましい。
【0079】なお、オーダードミクスチャーを形成する
場合には核となる樹脂粒子表面に均一に静電気的に無機
微粒子を付着することのできる装置であれば全て使用す
ることができる。例えば、ヘンシェルミキサー、OMダ
イザー、タービュラーミキサー、レーディゲミキサー、
V型混合器等をあげることができる。
【0080】表面に静電気的に付着した無機微粒子を固
着させるための機械的エネルギー付与装置としては、衝
撃式粉砕機を改造した「ハイブリダイザー」(奈良機械
製作所製)、「自由ミル」(奈良機械製作所製)、「オ
ングミル」(ホソカワミクロン社製)、「クリプトロ
ン」(川崎重工社製)等を使用することができる。本装
置を用いて樹脂粒子表面に無機微粒子を固着する場合に
は単なる機械的エネルギーを付与するのみならず、外部
より加温あるいは冷却することも可能である。すわなわ
ち、高速度で回転する装置内で機械的衝撃力を付与する
と、その衝突のエネルギーによって発熱がおこり内部の
温度は上昇する。樹脂粒子のTgよりも高い温度に装置
内部がなった場合には、樹脂粒子の内部に対する融着を
発生し、凝集粒子を発生する問題がある。このためには
冷却を行い制御することが必要となる。一方で内部の温
度がTgよりも30℃以上低い場合には固着するための
エネルギーが過多に必要となり、衝突エネルギーが大き
くなり、樹脂粒子の粉砕等の問題を発生する。この問題
を解消するためには温度をTg程度にまで上昇する必要
があり、この場合には外部から加温することが必要とな
る。
【0081】外部から温度を制御する方法としては加温
された媒体を外部に設置したジャケットに循環し、制御
する方法が好ましい。内部の温度は樹脂粒子と無機微粒
子を固着するための部位に設置された温度計により測定
された循環空気の温度により測定される。なお、循環す
るための媒体としては水あるいはオイルがある。
【0082】複合粒子の帯電量は、絶対値で1〜40μ
C/gが好ましい。この帯電量の制御は表面に固着する
無機微粒子の帯電性を制御すること及び核となる樹脂粒
子の帯電性を制御することよって行うことができる。
【0083】尚、複合粒子の数平均粒径は100〜20
00nmの範囲が好ましく、更に200〜1200nm
の範囲が最も好ましく用いられる。100nm未満だと
クリーニングブレードのトナーや感光体に対する緩衝効
果が小さくフィルミング等の発生防止効果が小さい。
又、2000nmより大きいと複合粒子がトナーから遊
離してしまう問題があり、飛散した粒子により帯電極の
汚染や転写極の汚染が引き起こされ、白スジ等の画像欠
陥を引き起こす原因となる。又複合粒子の添加量はトナ
ー中に0.1〜5.0質量%が好ましい(ここで、トナ
ーの総質量は複合粒子や後記する微粒子を含めた総質量
を指す)。特に好ましくは0.2〜3.0質量%であ
り、最も好ましくは0.4〜1.5質量%である。
【0084】以下に複合粒子の作製例を示す。数平均一
次粒子径が0.3μmのスチレン/アクリル樹脂粒子
(メチルメタクリレート:スチレンが9:1)を使用
し、無機微粒子としてオクチルトリメトキシシランにて
疎水化処理を行った酸化チタン1(数平均一次粒子径=
15nm)を使用した。樹脂粒子100質量部に対して
無機微粒子17質量部を添加し、OMダイザー(奈良機
械製作所製)へ投入し、無機微粒子と樹脂粒子が混合さ
れている装置の外部より媒体として30℃の循環水を流
しながら500rpmにて3分混合した。混合時に於け
る品温は30℃であった。得られたオーダードミクスチ
ャーは走査型電子顕微鏡によって観察すると樹脂粒子表
面に無機微粒子は均一に静電気的に付着していることが
分かった。
【0085】次いでこのオーダードミクスチャーをハイ
ブリダイザー(奈良機械製作所製)へ投入し、無機微粒
子と樹脂粒子に繰り返し機械的衝撃力が付与される装置
の外部より媒体として45℃の循環水で加温しながら周
速100m/secの条件で3分処理し本発明の複合粒
子を得た。なお、内部の温度(品温)は56℃であっ
た。さらに、機械内部の付着の状態を観察したが、特に
付着が無く良好であった。また、樹脂粒子の合一物も存
在していないことが走査型電子顕微鏡観察によって確認
された。
【0086】又、上記複合粒子と共に、5〜49nmの
微粒子の流動化剤を併用することが好ましい。このよう
な流動化剤として好ましく用いられるものはシリカ、ア
ルミナ、チタニア、ジルコニア等である。
【0087】上記流動化剤の添加量はトナー中に0.1
〜3.0質量%、好ましくは0.3〜2.5質量%であ
る。この範囲を越えて添加すると、微粒子自体が遊離し
てしまう問題があり、飛散した粒子により帯電極の汚染
や転写極の汚染が引き起こされ、白スジ等の画像欠陥を
引き起こす原因となる。さらには微粒子が遊離した状態
でトナー中に存在しているために、感光体に対して傷を
誘発する原因となり、感光体に傷をつけ、いわゆる黒ポ
チや白ポチを誘発する。また、過小の場合には、トナー
の流動性が不十分となり、良好な画像を形成しにくい。
【0088】上記粒径は、数平均一次粒子径であり、透
過型電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、10
0個の粒子を観察し、画像解析によって測定されたもの
を示す。
【0089】又、上記複合粒子の無機微粒子や流動化剤
は疎水化処理が行われたものが好ましい。疎水化処理を
行う場合には、各種チタンカップリング剤、シランカッ
プリング剤等のいわゆるカップリング剤やシリコーンオ
イル等によって疎水化処理することが好ましく、さら
に、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎
水化処理することも好ましく使用される。
【0090】上記微粒子外添剤の他に本発明のトナーに
は滑剤を添加することもできる。例えばステアリン酸の
亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等
の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシ
ウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、
カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の
塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級
脂肪酸の金属塩が挙げられる。これら滑剤の添加量は、
トナーに対して0.1〜5質量%程度が好ましい。 〔トナー化工程〕外添剤の添加方法としては、タービュ
ラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサ
ー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用する
ことができる。
【0091】トナーは、着色剤、離型剤以外にトナー用
材料として種々の機能を付与することのできる材料を加
えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。こ
れらの成分は外添剤を添加する前のトナー(着色粒子と
も云う)の段階で着色粒子の製造段階で添加することが
出来る。該着色粒子は従来の粉砕法により作製しても良
く、重合法により作製してもよい。
【0092】粉砕法で着色粒子を作製する場合は離型剤
や荷電制御剤は樹脂と顔料の混練段階で添加できる。一
方、重合法で作製する場合は樹脂重合の段階で添加する
方法、樹脂粒子作製後の樹脂粒子凝集段階で顔料等と同
時に添加する方法等が挙げられる。
【0093】尚、重合法での離型剤としては、種々の公
知のもので、且つ水中に分散することができるものを使
用することが好ましい。具体的には、ポリプロピレン、
ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、これらの変
性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワ
ックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなど
をあげることができる。これらは離型剤粒子として加え
られ、樹脂や着色剤と共に塩析/融着させることが好ま
しいことはすでに述べた。
【0094】又重合法での荷電制御剤も同様に種々の公
知のもので、且つ水中に分散することができるものを使
用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、
ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化
アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯
体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げら
れる。
【0095】これら離型剤や荷電制御剤の粒子は、分散
した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度と
することが好ましい。
【0096】以下、本発明で好ましく用いられる重合法
によるトナー(着色粒子)について記載する本発明に適
用されるトナーとしては、個々のトナー粒子の粒度分
布、及び形状が比較的均一な重合トナーが好ましい。こ
こで、重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成
とトナー形状が、バインダー樹脂の原料モノマーの重合
及びその後の化学的処理により形成されて得られるトナ
ーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の
重合反応と必要により該重合反応後に行われる粒子同志
の融着工程を経て得られるトナーを意味する。
【0097】本発明に用いられる重合トナーとしては特
定の形状を有するトナーが好ましい。以下、本発明に好
ましく用いることのできる重合トナーについて記載す
る。
【0098】本発明に適用される好ましい重合トナーと
しては、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が1
6%以下であるトナーを使用することである。このよう
な特性の重合トナーを使用すると、クリーニングブレー
ドの振動を安定させることができ、優れたクリーニング
性能を発揮することを見出した。
【0099】又、クリーニングブレードの振動の安定性
は、トナー粒子の粒径によっても異なり、粒子径の小さ
いものの方が像担持体への付着力が高いために、振動が
過大となりやすく、且つトナーがクリーニングブレード
をすり抜ける確率が高い。しかしながら、トナー粒子径
が大きいものでは、このようなすり抜けは減少するが、
解像度等の画質が低下する問題が発生する。
【0100】以上の観点より検討を加えた結果、トナー
の形状係数の変動係数が16%以下であり、且つトナー
の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であ
るトナーを使用することにより、クリーニング性、細線
再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成する
ことができることを見出した。
【0101】また、角がないトナー粒子を50個数%以
上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以
下に制御したものを使用することにより、クリーニング
性、細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって
形成することができる。
【0102】トナーの形状係数は、下記式により示され
るものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0103】形状係数=((最大径/2)2×π)/投
影面積 ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を
2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大
となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒
子の平面上への投影像の面積をいう。
【0104】この形状係数は、走査型電子顕微鏡により
2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、つい
でこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE
ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真
画像の解析を行うことにより測定した。この際、100
個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出
式にて測定したものである。
【0105】重合トナーとしては、この形状係数が1.
2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上が
好ましく、より好ましくは、70個数%以上である。
【0106】この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像
剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度
に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よ
りトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト
等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破
砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナー
の帯電性が安定する。
【0107】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧
する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力に
よる機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、ある
いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与す
る方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナ
ーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内に
なるように添加して調整する方法がある。また、いわゆ
る重合法トナーを調整する段階で全体の形状を制御し、
形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調
整したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調整する
方法がある。
【0108】重合トナーの形状係数の変動係数は下記式
から算出される。 変動係数=〔S/K〕×100(%) 〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏
差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕 この形状係数の変動係数は16%以下が好ましく、更に
好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が1
6%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙
が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくく
なる。また、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上
する。
【0109】このトナーの形状係数および形状係数の変
動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する
ために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制
御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子
(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程
終了時期を決めてもよい。
【0110】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。すなわち、形状などの測定
をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体
中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナ
ーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しな
がら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反
応を停止する。
【0111】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することができ
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適で
ある。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時
モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形
状などになった時点で反応を停止するものである。
【0112】トナーの個数粒度分布および個数変動係数
はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマ
ルチサイザー(コールター社製)で測定されるものであ
る。本発明においてはコールターマルチサイザーを用
い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機
製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。
前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパー
チャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上
のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒
径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナ
ー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径と
は、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものであ
る。
【0113】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式から算出される。 個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%) 〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、D
nは個数平均粒径(μm)を示す。〕 トナーの個数変動係数は27%以下でありが好ましく、
更に好ましくは25%以下である。個数変動係数が27
%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が
減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくな
る。また、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高
くなって画質が向上する。
【0114】個数変動係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分
級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さく
するためには液中での分級が効果的である。この液中で
分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制
御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応
じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0115】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場
合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、
これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとな
る。このために分級操作が必須となる。
【0116】角がないトナー粒子とは、電荷の集中する
ような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突
部を実質的に有しないトナー粒子を言い、すなわち、図
3(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとする
ときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周
囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合
に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない
場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ
出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇
所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」
とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行
線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子
の幅をいう。なお、図3(b)および(c)は、それぞ
れ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0117】角がないトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無
を測定する。この測定を100個のトナー粒子について
行った。
【0118】角がないトナー粒子の割合は50個数%以
上が好ましく、更に好ましくは70個数%以上である。
角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であること
により、現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な
粒子の発生などがおこりにくくなり、いわゆる現像剤搬
送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存在を防止
することができるとともに、現像剤搬送部材に対する汚
染を抑制することができ、帯電量もシャープにすること
ができる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および
電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少すること
となり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定
し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0119】角がないトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。例えば、形状係数を制御する方法とし
て前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方
法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機
械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって得ることができる。
【0120】また、樹脂粒子を会合あるいは融着させる
ことで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階
では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑で
ないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および
攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角
がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の
物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガ
ラス転移点温度以上で、より高回転数とすることによ
り、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成でき
る。
【0121】本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で
3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によ
りトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有
機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体
の組成によって制御することができる。
【0122】個数平均粒径が3〜8μmであることによ
り、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性
の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なく
することができ、現像性を長期に渡って安定化すること
ができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーン
の画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0123】本発明に好ましく用いられる重合トナーと
しては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自
然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で
複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグ
ラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度
数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含
まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が7
0%以上であるトナーであることが好ましい。
【0124】相対度数(m1)と相対度数(m2)との和
(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒
度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工
程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制する
ことができる。
【0125】本発明において、前記の個数基準の粒度分
布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々の
トナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜
0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:
0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜
1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:
1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜
2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基
準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグ
ラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザ
ーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユ
ニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュー
タにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成された
ものである。
【0126】〔測定条件〕 (1)アパーチャー:100μm (2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−1
1(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕
50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加え
て攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。こ
の系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより
調製する。
【0127】形状係数を制御する方法の中では重合法ト
ナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比
較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0128】重合トナーは、懸濁重合法や、必要な添加
剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒
の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を
添加して会合する方法で製造することができる。会合の
際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液
と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型
剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重
合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子
および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0129】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種
構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料
が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を
含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーな
どを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散さ
せる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置
へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終
了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥
することでトナーを調製する。
【0130】また、本発明のトナーを製造する方法とし
て樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製
する方法も挙げることができる。この方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、特開平5−26
5252号公報や特開平6−329947号公報、特開
平9−15904号公報に示す方法を挙げることができ
る。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散
粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒
子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳
化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤
を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガ
ラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成し
つつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところ
で水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪
拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒
子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによ
り、トナーを形成することができる。なお、ここにおい
て凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加
えてもよい。
【0131】なお、本発明でいうところの水系媒体と
は、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示
す。
【0132】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレ
ン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。こ
れらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用す
ることができる。
【0133】また、樹脂を構成する重合性単量体として
イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いること
がさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォ
ン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有
するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレ
イン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキル
エステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハ
ク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフ
ォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、
3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタク
リレート等が挙げられる。
【0134】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0135】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペ
ルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペ
ルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミ
ルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−
(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンな
どの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高
分子開始剤などを挙げることができる。
【0136】また、乳化重合法を用いる場合には水溶性
ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、ア
ゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げ
ることができる。
【0137】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができ
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することができる。
【0138】本発明において優れた樹脂としては、ガラ
ス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が8
0〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱
量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フ
ローテスターで測定することができる。さらに、これら
樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
により測定される分子量が数平均分子量(Mn)で10
00〜100000、重量平均分子量(Mw)で200
0〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量
分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8
〜70のものが好ましい。
【0139】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0140】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化す
るものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学1
7、601(1960)高分子学会編」等に記述されて
おり、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。ま
た、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩
を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位
を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度とし
て求めることもできる。
【0141】凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であ
ればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、
さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0142】無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対し
て無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明におい
ては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノー
ル、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げ
ることができる。特に、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールが好ましい。
【0143】この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤
を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%
が好ましい。
【0144】なお、形状を均一化させるためには、着色
粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以
上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ま
しいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが
好ましい。この理由としては、極性基が存在している重
合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発
揮するために、形状の均一化が特にはかられやすいもの
と考えられる。
【0145】本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0146】トナーに使用する着色剤としてはカーボン
ブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用すること
ができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラッ
ク、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマ
ルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体と
しては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これら
の金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁
性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事
により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミ
ニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれ
る種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
【0147】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事
ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、
同48:1、同53:1、同57:1、同122、同1
39、同144、同149、同166、同177、同1
78、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同
43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同9
3、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン
7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用
いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数
平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜
200nm程度が好ましい。
【0148】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0149】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0150】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することができるものを使用することが
できる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸ま
たは高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4
級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸
金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0151】なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の
粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜50
0nm程度とすることが好ましい。
【0152】いわゆる重合性単量体中に着色剤などのト
ナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中
に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法
トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れ
を制御することによりトナー粒子の形状を制御すること
ができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有
するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中
での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で
水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化するこ
とで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を
行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となっ
た粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい
球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中で
の媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることに
より球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形
状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。以
下、本発明に好ましく用いられる重合トナーの反応装置
について記載する。
【0153】まず、重合トナーの製造に好ましく用いら
れる反応装置について説明する。図4および図5は、そ
れぞれ、重合トナー反応装置の一例を示す斜視図および
断面図である。図4および図5に示す反応装置におい
て、熱交換用のジャケット1を外周部に装着した縦型円
筒状の攪拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設し、該回転
軸3に攪拌槽2の底面に近接させて配設された下段の攪
拌翼40と、より上段に配設された攪拌翼50とが設け
られている。上段の攪拌翼50は、下段に位置する攪拌
翼40に対して回転方向に先行した交差角αをもって配
設されている。本発明のトナーを製造する場合におい
て、交差角αは90度(°)未満であることが好まし
い。この交差角αの下限は特に限定されるものでは無い
が、5°程度以上であることが好ましく、更に、好まし
くは10°以上である。なお、三段構成の攪拌翼を設け
る場合には、それぞれ隣接している攪拌翼間で交差角α
が90度未満であることが好ましい。
【0154】このような構成とすることで、上段に配設
されている攪拌翼50によりまず媒体が攪拌され、下側
への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌
翼40により、上段の攪拌翼50で形成された流れがさ
らに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50自体でも
下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速さ
れて進行するものと推定される。この結果、乱流として
形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるた
めに、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推
定される。
【0155】なお、図4および図5中、矢印は回転方向
を示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9
は攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0156】ここにおいて攪拌翼の形状については、特
に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠き
のあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるス
リットがあるものなどを使用することができる。これら
の具体例を図6に記載する。図6(a)に示す攪拌翼5
aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5bは
中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す
攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるも
の、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d
(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌
翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中
孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるも
のであっても、同一のものであってもよい。
【0157】なお、上記の構成を有する上段と下段の攪
拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくと
も攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この
理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の
流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考え
られる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに
対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅
である。
【0158】さらに、攪拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95
%である。
【0159】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるい
は融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器
内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さら
には融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転
数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布およ
び形状を任意に変化させることができる。
【0160】すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着さ
せる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、
内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および
攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温
度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係
数および均一な形状分布を有するトナーを形成すること
ができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させ
ると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるい
は凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加
速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一であ
る結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると
推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、
攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形
状を任意に制御できる。
【0161】樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法
トナーを製造する際に使用される攪拌槽としては、前述
の懸濁重合法と同様のものが使用できる。この場合、攪
拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を
設けないことが必要である。
【0162】この攪拌翼の形状についても、層流を形成
させ、乱流を形成させないものであれば特に限定されな
いが、図6(a)に示した方形板状のもの等、連続した
面により形成されるものが好ましく、曲面を有していて
もよい。 《現像剤》本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤
でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは二成分現像剤
である。
【0163】一成分現像剤として用いる場合は、非磁性
一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法も
あるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁
性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その
含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に
含有させるのが普通である。
【0164】又、キャリアと混合して二成分現像剤とし
て用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒
子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、そ
れらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従
来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ま
しい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15
〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが
よい。
【0165】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的
には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。
【0166】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被
覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散さ
せたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティ
ング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例え
ば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/ア
クリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或い
はフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂
分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限
定されず公知のものを使用することができ、例えば、ス
チレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹
脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0167】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0168】実施例に用いる感光体として以下の感光体
を作製した。 感光体1の作製 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503:信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記塗布液を用いてφ100mmの円筒形の導電性支持
体上に、乾燥膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0169】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の 最大ピーク角度が2θで27.3) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0170】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質〔N−(4−メチルフェニル)−N−{4− (β−フェニルスチリル)フェニル}−p−トルイジン〕 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤(サノールLS2626:三共社製) 6g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成し感光体1を作製し
た。
【0171】感光体2の作製 感光体1の電荷輸送層のポリカーボネートを粘度平均分
子量80,000のポリカーボネートに代えた以外は感
光体1と同様にして感光体2を作製した。
【0172】以下に本発明に用いるトナーを作製した。 着色粒子1、2の作製(乳化重合法の例) n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.
0lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330
R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを
徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグライン
ダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散し
た。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイ
オン交換水4.0lからなる溶液を「アニオン界面活性
剤溶液A」とする。
【0173】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0l
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0l
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0174】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100lのGL(グラスライニング)反応釜に、W
AXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピ
レンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固
形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面
活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全
量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水4
4.0lを加える。
【0175】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン54
8gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を
80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。つい
で、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポール
フィルターで濾過し、これを「ラテックス−A」とす
る。
【0176】なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0177】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.055kgをイオン交換純水4.0lに溶解し
た溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加
物0.014kgをイオン交換水4.0lに溶解した溶
液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0178】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とする。
【0179】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100lのGL反応釜に、WAXエ
マルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエ
マルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃
度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶
液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入
れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0l
を投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレ
ン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgと
メタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン
9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴
下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加
熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げ
て、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に
冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、こ
の濾液を「ラテックス−B」とした。
【0180】なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガ
ラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0181】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0lに溶解した溶液を「塩化ナ
トリウム溶液G」とする。
【0182】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とする。
【0183】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径および形状のモニタリング装置を付けた100lのS
US反応釜に、上記で作製したラテックス−A=2
0.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分
散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入
れ攪拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム
溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00k
g、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。そ
の後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度8
5℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時
間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。
次に純水2.1lを添加して粒径成長を停止する。
【0184】温度センサー、冷却管、粒径および形状の
モニタリング装置を付けた5lの反応容器に、上記で作
製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃
±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御し
た。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に
遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を
行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合
液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、
イオン交換水により洗浄した。
【0185】この非球形状粒子をフラッシュジェットド
ライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで
流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。前記
塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにお
いて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を調整し
て、表1に示す着色粒子1、及び2を得た。
【0186】着色粒子3の作製(懸濁重合法の例) スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35
g、カーボンブラック=10g、ジ−t−ブチルサリチ
ル酸金属化合物=2g、スチレン−メタクリル酸共重合
体=8g、パラフィンワックス(mp=70℃)=20
gを60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業
社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した、
これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−
バレロニトリル)=10gを加えて溶解させ、重合性単
量体組成物を調製した。ついで、イオン交換水710g
に0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TK
ホモミキサーにて13000rpmで攪拌しながら1.
0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシ
ウムを分散させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記
重合性単量体組成物を添加し、TKホモミキサーにて1
0000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物
を造粒した。その後、攪拌翼の構成が図4に示したよう
な構成の反応装置(交差角αは45°)を使用し、75
〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸
三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、
遠心沈降法により液中にて分級を行い、ついで濾過、洗
浄、乾燥させた。
【0187】前記重合時にモニタリングを行い、液温
度、攪拌回転数、および加熱時間を制御することによ
り、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液
中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を調整し
て、下記表1に示す着色粒子3を得た。
【0188】
【表1】
【0189】以上の着色粒子1〜3と下記表3、表4に
示す流動化剤及び複合粒子を表2のように添加し、ヘン
シェルミキサーにて30m/secの回転条件で混合し
てトナー1〜9を作製した。
【0190】
【表2】
【0191】
【表3】
【0192】*酸化チタン1:オクチルトリメトキシシ
ラン処理酸化チタン(数平均一次粒子径=15nm) *酸化チタン2:ステアリン酸亜鉛処理酸化チタン(数
平均一次粒子径=20nm) *酸化チタン3:ステアリン酸亜鉛処理酸化チタン(数
平均一次粒子径=40nm)
【0193】
【表4】
【0194】現像剤の作製 前記「トナー1」〜「トナー9」のそれぞれとシリコー
ン樹脂を被覆した体積平均粒径が60μmのフェライト
キャリアを混合してトナー濃度が6%の現像剤を作製し
印字評価に使用した。この現像剤をトナーに対応して
「現像剤1」〜「現像剤9」とする。
【0195】クリーニングブレードと金属薄板部材の組
み合わせの作製 クリーニング装置に用いるクリーニングブレードと金属
薄板部材の組み合わせを表5のように14種類作製し
た。クリーニングブレードと金属薄板部材は両面テープ
で接着した。
【0196】
【表5】
【0197】表中SUS:ステンレス薄板 アルミ:アルミ薄板を示す。
【0198】クリーニング条件 自由長9mmのクリーニングブレードを感光体に回転方
向に対してカウンター方向に線圧20(N/m)となる
ように重り荷重方式で当接した。
【0199】評価 評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica7
075(コロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転
写、爪分離、クリーニングブレード、クリーニング補助
ブラシローラー採用プロセスを有する)を用い、該複写
機に表6に記載した感光体、現像剤、及びクリーニング
装置の組み合わせを搭載して評価した。クリーニング性
及び画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写
真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあ
るオリジナル画像をA4中性紙にコピーした。環境条件
は最も厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、80%
RH)にて連続10万枚コピー行い、文字画像、ハーフ
トーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を用いて評価した。評
価項目及び評価基準を下記に示す。
【0200】
【表6】
【0201】評価基準 画像ボケ(文字画像の解像度の低下により評価した) ○:10万枚コピー終了まで画像ボケ発生なし △:10万枚コピー終了までに軽微な画像ボケが発生
(文字の解読は可能) ×:10万枚コピー終了までに顕著な画像ボケが発生
(文字の解読が不可能) クリーニング性(3万、5万及び10万枚コピー終了後
にA3紙に連続10枚コピーを行い、ベタ白部でのクリ
ーニング不良の発生の有無で判定) ○:10万枚までトナーすり抜け等によるフィルミング
発生なし △:5万枚までトナーすり抜け等によるフィルミング発
生なし ×:3万枚未満でトナーすり抜け等によるフィルミング
発生 ブレードめくれ ○:10万枚コピー中ブレードめくれ発生なし ×:10万枚コピー中ブレードめくれ発生 総合画質(初期と10万枚コピー後に評価した。) ○:初期及び10万枚コピー後共に文字画像は鮮明に、
ハーフトーン画像はなめらかに再現されて良好 △:初期は良好だが10万枚コピー後の文字画像、又は
ハーフトーン画像に画像ボケやざらつきが若干見られ
る。
【0202】×:10万枚コピー後の文字画像、又はハ
ーフトーン画像に画像ボケやざらつきが顕著。
【0203】クリーニングブレードの振動の大きさ 振動の大きさ測定方法 クリーニングブレードが接合された支持部材に小野測器
社製加速度検出器NP−3210のセンサーを取り付
け、感光体が一定回転になったときの振動を前記センサ
ーにより10秒間読取り、該センサーからの出力データ
ーを「ONO SOKKI CF6400 4チャンネ
ルインテリジェントFFアナライザ」で演算処理して前
記振動の振幅の平均値を得、これを前記ブレードの振動
の大きさ(μm)で表した。
【0204】感光体膜厚減耗量 感光体膜厚減耗量は実写評価開始時と10万枚コピー終
了時に測定した感光体の平均膜厚の差分を求め、膜厚減
耗量とした。
【0205】膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
った。
【0206】その他評価条件 尚、上記デジタル複写機Konica7075を用いた
その他の評価条件は下記の条件に設定した。
【0207】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0208】現像条件 DCバイアス;−550V 転写条件 転写極;コロナ帯電方式 評価結果を表7に示した。
【0209】
【表7】
【0210】表7から明らかなように本発明の要件を満
足した組み合わせNo.1〜8、10〜14、及び17
〜19は、画像ボケの発生もなく、クリーニング性も良
好であり、膜厚減耗量も少ない。一方、本発明外のトナ
ーを用いた組み合わせNo.9は画像ボケが著しく発生
しており、又、本発明外のクリーニングブレードと金属
薄板部材の組み合わせNo.15、21及び22はクリ
ーニングブレードの振動が効果的に吸収されず、クリー
ニング性が低下したり、画像ボケが発生しており、組み
合わせNo.16及び20ではクリーニングブレードの
振動が過大になり、ブレードめくれが発生している。
【0211】
【発明の効果】前記実施例からも明らかなように、金属
薄板部材を有するクリーニングブレードと現像剤を組み
合わせた本発明を実施することにより、有機感光体上の
残留トナーをブレードめくれや、トナーすり抜けの発生
もなく、効果的に除去することができ、総合画質が良好
な画像形成方法、画像形成装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の全体の構成を示す概要
構成図である。
【図2】本発明のクリーニングブレードを用いたクリー
ニング装置の構成図である。
【図3】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す
説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあ
るトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図4】重合トナー反応装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図5】重合トナー反応装置の一例を示す断面図であ
る。
【図6】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【符号の説明】
121 感光体 122 帯電器 123 現像装置 124 転写器 125 分離器 126 クリーニング装置 126A クリーニングブレード 126B 金属薄板部材 127 PCL(プレチャージランプ) 130 露光光学系 191 支持部材 a クリーニングブレードの自由長 b 金属薄板部材の自由長 t1 クリーニングブレードの厚さ t2 金属薄板部材の厚さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機感光体上に形成された静電潜像を、
    トナーを含有する現像剤により現像し、該現像により顕
    像化されたトナー像を有機感光体から転写材に転写した
    後、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニ
    ングブレードを有する画像形成方法において、該クリー
    ニングブレードは有機感光体に当接する面と反対側の面
    で金属薄板部材と接しており、クリーニングブレードの
    自由長aと金属薄板部材の自由長bは式1の関係を満た
    し、且つ該現像剤に用いられるトナーが着色粒子に樹脂
    粒子の表面に無機微粒子を固着した微粒子を添加してな
    るトナーであることを特徴とする画像形成方法。 式1 0.1<b/a≦0.9
  2. 【請求項2】 有機感光体上に形成された静電潜像を、
    トナーを含有する現像剤により現像し、該現像により顕
    像化されたトナー像を有機感光体から転写材に転写した
    後、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニ
    ングブレードを有する画像形成方法において、該クリー
    ニングブレードは有機感光体に当接する面と反対側の面
    で金属薄板部材と接しており、クリーニングブレードの
    厚さt 1と金属薄板部材の厚さt2は式2の関係を満た
    し、且つ該現像剤に用いられるトナーが着色粒子に樹脂
    粒子の表面に無機微粒子を固着した微粒子を添加してな
    るトナーであることを特徴とする画像形成方法。 式2 1/200≦t2/t1≦1
  3. 【請求項3】 前記樹脂粒子の表面に無機微粒子を固着
    した微粒子の数平均粒径が100nm〜2000nmで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記微粒子の添加量がトナー中に0.1
    〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記トナーが更に数平均一次粒子径が5
    〜49nmの流動化剤をトナー中に0.1〜3.0質量
    %添加してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の画
    像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
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