JP3807185B2 - 画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機やプリンター等の分野で用いられる電子写真技術を用いた画像形成方法、及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真画像形成方法では、一般にカールソン法を用いることが多い。一般にカールソン法の電子写真画像形成方法においては、感光体は一様に帯電された後、露光によって画像様に電荷が消去され、静電潜像が形成される。次に紙等に転写された後、感光体はその上に残留するトナーをクリーニングブレード等により除去され、必要により残留電荷の消去露光を受けた後、次の画像形成に移るといったプロセスを取る。
【0003】
このように、電子写真感光体とクリーニングブレードは常に当接し、その表面は互いに機械的な外力が加わり合うため、感光体、クリーニングブレードは共に耐久性が要求されてきた。特に感光体については、摺擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝撃による傷や膜剥がれに対する耐久性については無機感光体並の強度が強く求められている。また、感光体に常に当接しているクリーニングブレードについても、トナーのすり抜けや感光体表面へのトナー融着(トナーフィルミング)を生じさせない、長期に亘るトナークリーニング性の保持が求められてきた。
【0004】
前記のような要求される様々な特性を満たすため、これまで種々の検討がなされて来た。
【0005】
例えば、感光体の機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にビスフェノールZ型ポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善されることが報告されている。また、クリーニングブレードについても、クリーニングブレードの材質にポリウレタンを用い、その硬度や反発弾性率等を適正化することによって耐久性の向上が試みられてきた。
【0006】
しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネートバインダーを用いた感光体では、なお耐摩耗特性が不足しており、十分な耐久性を有していない。又、ポリウレタン等のクリーニングブレードとの組合せでは、長期の繰り返し使用により、クリーニングブレードのエッジが、感光体やトナーとの摩擦で摩滅し、トナーがクリーニングブレードをすり抜けるクリーニング不良が生じる。このクリーニング不良は特に高温高湿環境下において発生しやすい傾向にあり、このクリーニングブレードの摩滅がブレード寿命を決定してきた。
【0007】
また、トナーのリサイクルを行う画像形成方法では、トナー表面の外添剤が埋没若しくは脱離してしまうため、トナーの転写効率が低下する。その結果、白抜けなどの画像不良、ひいては、感光体へのトナーフィルミングが発生してしまう欠点があった。このため、高耐久な感光体はもちろんのこと、長期に亘ってクリーニング不良がなく、クリーニングブレードの耐久も長くすることのできる電子写真画像形成方法が求められてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記問題を解決し、トナーリサイクルを行う画像形成方法においても画像不良を発生させない画像形成方法、及び画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の目的は以下のような構成により達成される。
【0010】
1.少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する工程、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程、該クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が前記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である電子写真感光体であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成方法。
【0011】
2.前記電子写真感光体が円筒状導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0012】
3.前記電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層が表面層であることを特徴とする前記2に記載の画像形成方法。
【0013】
4.前記電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基、或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、前記一般式(1)で示される化合物とを反応させて得られるシロキサン系樹脂であることを特徴とする前記2又は3に記載の画像形成方法。
【0014】
5.前記一般式(1)中のZが酸素原子であることを特徴とする前記4に記載の画像形成方法。
【0015】
6.前記樹脂層に酸化防止剤が含有されていることを特徴とする前記2〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0016】
7.前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤であることを特徴とする前記6記載の画像形成方法。
【0017】
8.前記樹脂層に有機乃至無機粒子が含有されていることを特徴とする前記2〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0018】
9.前記樹脂層にコロイダルシリカが含有されていることを特徴とする前記2〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0019】
10.前記トナーが体積平均粒径4〜9μm、且つ3.0μm以下のトナー粒子が30個数%以下であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0020】
11.前記トナーの粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、該最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との相対度数和(M)が70%以上であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0022】
.少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する手段、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする手段、該クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が前記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である電子写真感光体であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成装置。
【0023】
.少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する工程、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程、該クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成方法。
【0024】
.少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する手段、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする手段、該クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成装置。
【0025】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においてトナーの濁度は以下のように定義され、測定することが出来る。
【0026】
濁度;HAZE値=拡散成分/全透過成分と定義される。
トナーの濁度測定方法;トナー5.0gを界面活性剤(洗浄力ファミリー;花王(株)製)1mlの入った水溶液50mlに分散させ、遠心分離器(2000rpm:10分間)を用いて分離する。トナー成分は沈殿するため、遊離成分である上澄み液を採取する。これを日本電色(株)製COH−300Aを用いて、入射光に対する全透過成分の内の拡散成分の割合を算出しHAZE値をトナーの濁度とする。
【0027】
トナーの濁度が50より大きい場合は微粒子の遊離成分が多いために、遊離した微粒子が現像器内、或いはリサイクルパイプ中で再凝集し、転写時に核となり、転写抜けを生じる。また、遊離した成分が感光体表面に多く付着するためフィルミングが発生しやすくなり、クリーニング不良を引き起こす。
【0028】
トナーの濁度が0.1より小さい場合には微粒子の付着状態が強固なために、トナーの流動性が悪くなり、クリーニング時のトナーの転がり性が劣化し、クリーニング性の低下を招く。又、リサイクルパイプ中のトナーの転がり性も良好でなく、トナーの破砕、凝集等が発生し、スジ故障、黒ポチ故障等の原因となる。本願発明に係わるトナーの濁度は1〜30の範囲である。
【0029】
トナーの濁度を前記定義と測定方法に従って0.1〜50の範囲に制御する方法としてはトナーの表面に付着する外添剤粒子の種類の選択と該外添剤粒子(以下単に外添剤とも云う)のトナー表面への固着度合いを制御する事が重要である。
【0030】
本発明に好ましく用いられる外添剤の数平均粒子径は、0.05〜0.5μmである。
【0031】
外添剤の粒径が0.05μmより小さい場合は、トナー感光体間の物理的付着力が軽減されない為に転写性が落ち、結果的に画像濃度の低下を招く。
【0032】
粒径が0.5μmより大きい場合は、一旦付着した外添剤が現像器内の撹拌等のストレスにより容易に離脱し遊離するため、遊離量が現像器内で蓄積されるため、現像器内で再凝集し、転写時に核となり、転写抜けを生じる。また、遊離した成分が感光体表面に多く付着するため、感光体表面へのフィルミングが発生しやすくなる。
【0033】
外添剤のトナーへの添加量は、着色粒子(外添剤添加前のトナー)の0.05〜5.0質量部(以後、特に断らない限り「部」とは、「質量部」を示す)が好ましく、特には1.0〜4.0部が好ましい。
【0034】
0.05部より少ないと物理的付着力の低減効果が得られないために転写性の低下を招きやすい。5.0部より多いとトナー表面に過剰の外添剤が存在するために、現像器内の撹拌等のストレスにより容易に離脱し遊離傾向がある。そのため、遊離したものが現像器内で蓄積され、現像器内で再凝集し核となり、これが現像されたトナー像に混入すると転写時に転写抜けを生じやすい。また、遊離した成分が感光体表面に多く付着するため、感光体表面へのトナーフィルミングが発生しやすくなる。
【0035】
外添剤の着色粒子への付着状態を制御する方法としては限定されず、一般的に用いられている微粒子の外添装置、トナー表面に固定又は固着する装置のすべてを用いることが出来る。
【0036】
固定化の具体的な装置としてはヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、TURBO SPHEREミキサー等を使用することができる。中でもヘンシェルミキサーは、外添剤の混合処理と固定処理を同一の装置で行えること、また撹拌混合の容易性や外部からの加熱の容易性などの観点で好適に使用することができる。
【0037】
上記固定処理時の混合方法としては、撹拌羽根の先端の周速が5〜50m/sで処理されることが望ましい。好ましくは10〜40m/sで処理されることが望ましい。また、予備混合を行い樹脂粒子表面に外添剤を均一に付着させることが好ましく、温度の制御方法としては、外部より温水等を用いて必要な温度に調整することが好ましい。
【0038】
温度の測定方法は、トナーが撹拌混合されている状態でトナーが流動している部位の温度を測定するものである。また、固定処理後に冷水を流通させ、冷却、解砕工程を行うことが好ましい。
【0039】
外添剤の着色粒子表面への固定化の度合いを制御する方法としては、Tg−20≦(撹拌混合温度)≦Tg+20の温度条件で着色粒子と外添剤を撹拌混合し、機械的衝撃力を付与しながら、任意の時間の調整によって、着色粒子表面に外添剤粒子を均一に付着させることができる。
【0040】
ここで言うTgとはトナー又は該トナーを構成する結着樹脂のガラス転移温度を指す。ガラス転移温度は、DSC7示差走査カロリーメーター(パーキンエルマー社製)を用いて測定した。測定方法は、10℃/minで0℃から200℃へ昇温し、ついで、10℃/minで200℃から0℃へ冷却して前履歴を消した後、10℃/minで0℃から200℃へ昇温し、セカンドヒートの吸熱ピーク温度を求め、Tgとした。吸熱ピークが複数有る場合は、主吸熱ピークの温度をTgとした。
【0041】
トナー又は該トナーを構成する結着樹脂のTgとしては40〜70℃が好ましく使用される。40℃より小さいとトナーの保存性が悪く、凝集してしまう。70℃より大きいと定着性、生産性の観点から好ましくない。
【0042】
流動性付与の観点から、外添剤の付着制御後に更に外添剤を外添してもよいが、前記トナーとしての濁度が本発明の範囲内に入ることが必要である。
【0043】
前記外添剤の数平均粒子径の測定方法については、透過型電子顕微鏡観察によって観察し、画像解析によって測定されたものを用いて表示した。
【0044】
前記外添剤の組成としては特に限定されず、任意の外添剤を用いることが出来る。
【0045】
例えば、無機の外添剤としては各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。
【0046】
更に、上記無機外添剤に疎水化処理をおこなったものでもよい。疎水化処理を行う場合には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤等のいわゆるカップリング剤によって疎水化処理することが好ましく、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理したものも好ましく使用される。
【0047】
また、樹脂外添剤を用いる場合も、特にその組成が限定されるものでは無い。一般的にはビニル系の有機外添剤粒子やメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン等の外添剤粒子が好ましい。この理由としては乳化重合法や懸濁重合法等の製造方法によって容易に製造することが可能であるからである。
【0048】
〈トナー粒子の粒径〉
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0049】
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、感光体に付着してフィイルミングを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0050】
本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0051】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0052】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0053】
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0054】
本発明に用いられるトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜8μmが好ましい。トナーの体積平均粒径および粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製:レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を測定し求めたものである。
【0055】
更に、前記トナーはトナーの体積平均粒径3.0μm未満の粒子が30個数%以下であることが好ましい。このトナーを製造する方法としては特に限定されるものでは無い。粉砕分級法でも粉砕時に過粉砕を抑制しつつ粉砕を行うことでもよい。さらに、繰り返し分級する方法を採用してもよい。さらにいわゆる重合法トナーの製造方法は懸濁重合法や融着法によるトナーの製造方法も好ましい。
【0056】
尚、重合法では必要に応じて、樹脂粒子の分散液中での遠心分離などによる微粒子除去等によても達成できる。
【0057】
いずれにしろ、粉砕法トナーであれ重合法トナーであれ上記本発明の要件を満たすものであれば、本発明の目的を達成できる。
【0058】
《本発明に使用されるトナーの構成、及び製造方法》
本発明に使用されるトナーの製造方法は、最も一般的に用いられている粉砕法、即ちバインダー樹脂と着色剤、その他必要により添加される種種の添加剤を混練粉砕後分級して作製しても良いし、離型剤、着色剤を含有した樹脂粒子を媒体中で合成作製して製造してもよい。
【0059】
水系媒体中で融着させる方法として、例えば特開昭63−186253号公報、同63−282749号公報、特開平7−146583号公報等に記載されている方法や、樹脂粒子を塩析/融着させて形成する方法等をあげることができる。
【0060】
ここで用いられる樹脂粒子は重量平均粒径50〜2000nmが好ましく、これらの樹脂粒子は乳化重合、懸濁重合、シード重合等のいずれの造粒重合法によっても良いが、好ましく用いられるのは乳化重合法である。
【0061】
以下、樹脂の製造に用いられる単量体は、いずれの製造方法においても、従来公知の重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0062】
バインダー樹脂としては特に限定されるものではなく、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等、一般的に知られているバインダー樹脂を使用することができる。
【0063】
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂を構成する樹脂としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル誘導体等が具体的に樹脂を構成する単量体として挙げられ、これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0064】
その他のビニル系重合体の具体的例示化合物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0065】
さらに、スチレン−アクリル系樹脂(ビニル系樹脂)で含カルボン酸重合体を得るための単量体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、ケイ皮酸無水物、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル等が挙げられる。
【0066】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングルコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等の架橋剤を添加してもよい。
【0067】
また、ポリエステル樹脂としては、2価以上のカルボン酸と2価以上のアルコール成分を縮合重合させて得られる樹脂である。2価のカルボン酸の例としてはマレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等が挙げられ、これらの酸無水物も使用することができる。
【0068】
また、ポリエステル樹脂を構成する2価のアルコール成分の例としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のエーテル化ビスフェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等をあげることができる。
【0069】
また、ポリエステル樹脂として架橋構造を有するものとしては、下記3価のカルボン酸、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等があげられ、これらの酸無水物、あるいは多価アルコール成分、具体的にはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を添加することで架橋ポリエステル樹脂とすることもできる。
【0070】
着色剤としては無機顔料、有機顔料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0071】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0072】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0073】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0074】
有機顔料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0075】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0076】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0077】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0078】
これらの有機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0079】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0080】
本発明で得られたトナーには、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては前記に記したように、特に限定されるものでは無く、種々の無機粒子、有機粒子及び滑剤を使用することができる。
【0081】
又、前記外添剤粒子とは別に、滑剤を外添剤としてトナーに添加してもよい。滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0082】
これら滑剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%程度が好ましい。
トナー化工程は上記で得られたトナー粒子を、例えば流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的として、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0083】
トナーは、バインダー樹脂、着色剤以外にトナー用添加剤として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には離型剤、荷電制御剤等が挙げられる。
【0084】
尚、離型剤としては、種々の公知のもので、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどをあげることができる。これらは離型剤粒子として加えられ、樹脂や着色剤と共に塩析/融着させることが好ましいことはすでに述べた。
【0085】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0086】
《現像剤》
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、好ましくは二成分現像剤としてである。
【0087】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
【0088】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
【0089】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0090】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0091】
次に、本発明に用いられる感光体について詳細に説明する。
本発明のトナーリサイクル方式を用いた画像形成装置においては、感光体の表面層に下記に記したような摩耗に対する抵抗力が大きい樹脂層を用いることにより、感光体の表面劣化を小さくし、本発明の画像形成装置の画質劣化を小さくすることができる。即ち、本発明の電子写真感光体はこの1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5であることを特徴とする。
【0092】
膜厚減耗量ΔHd(常温常湿環境下(20℃、50%RH))
本発明において、電子写真感光体の1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μm)の測定は前記摩耗試験を行い得られた値である。
【0093】
本発明の前記1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)は0≦ΔHd<1×10-5であり、好ましくは0≦ΔHd<5×10-6、更に好ましくは0≦ΔHd<3×10-6である。
【0094】
図1は前記摩耗試験におけるクリーニングブレードの感光体への当接条件の説明図である。
【0095】
図1において、電子写真感光体は81、当接角はθで表される。又、前記クリーニングブレード82の自由長Lは図1に示すように支持部材83の端部Bから変形前のブレードの先端点の長さを表す。
【0096】
84は支持部材83を固定するための固定ねじである。hはブレードの厚さを示す。
【0097】
又当接角θは感光体の当接点Aにおける接線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)とのなす角を表す。
【0098】
又、食い込み量aは図1に示すように感光体外周S0の半径r0と変形前のブレード(図面では点線で示した)の位置A′を一点とする感光体の中心軸Cを中心とした円S1の半径r1との差である。
【0099】
前記クリーニングブレードに用いられる弾性体ゴムブレードの物性値;硬度と反発弾性はJISA硬度及び反発弾性として、JISK6301の加硫ゴム物理試験方法に基づいて測定される。
【0100】
又、トナーの付着量とは現像器よりバイアス現像により感光体表面に現像された1cm2あたりのトナー質量(mg)であり、本発明における摩耗試験ではクリーニングブレードにより除去される単位面積あたりのトナー量に相当する。
【0101】
トナーの付着量は感光体表面に現像され付着したトナーを粘着テープ上に転写し、トナー転写前後の該粘着テープの質量差を求め、1cm2あたりに換算することによって求められる。
【0102】
《本発明における膜厚減耗量測定の具体例》
本発明における膜厚減耗量測定の具体例を次に示す。コニカ社製デジタル複写機Konica7040を改造して現像部、クリーニング部のみを有する摩耗試験機を作製した。クリーニング部に硬度70°、反発弾性35%、厚さ2(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウンター方向に当接角10°、食い込み量1.5(mm)の条件で当接した。次に60mmφの円筒状電子写真感光体を線速210(mm/sec)で回転させながら現像部のバイアス電位とアースに接続された感光体との電位差を利用して電子写真感光体上に0.1〜0.2(mg/cm2)のトナー付着量で現像を行う。トナー及び現像剤は下記の評価用現像剤を用いた。上記条件にて常温常湿環境下(20℃、50%RH)該電子写真感光体を1,000,000回転を行い、現像−クリーニングの工程を繰り返し行った際の感光体の膜厚変動量(初期膜厚との差)を測定し、その値を感光体の回転数で除した値を1回転あたりの膜厚減耗量とした。
【0103】
評価用現像剤の作製
スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート=75:20:5の質量比からなるスチレンアクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、分級して体積平均粒径が8.5μmの着色粒子を得た。
【0104】
得られた着色粒子100部に対して外添剤として平均粒径12nmの疎水性シリカ粒子、0.4部、平均粒径30nmのチタニア粒子0.6部を混合し、ヘンシェルミキサーで常温下、撹拌羽根の周速40(m/sec)で10分間混合し、負帯電性トナーを得た。該トナーのカサ密度は0.41g/cm3であった。
【0105】
上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合して、トナー濃度が5%の現像剤を調製した。
【0106】
カサ(見掛け)密度測定:パウダーテスター(細川ミクロン製)を用い、見掛け密度を測定する。
【0107】
測定としては、振動台に60メッシュフルイをセットし、その真下にあらかじめ質量を測定した見掛け密度測定用カップ(内容量100ml)を置く。次にレオスタット目盛を2.0に合わせ振動を開始する。この振動している60メッシュフルイ上部から静かに測定試料を、前記測定用カップに入るように流出させる。
【0108】
カップに山盛り試料が充填されたら、振動を停止し、山盛のカップ上面をブレードによりすり切り、天秤により正確に秤量する。
【0109】
測定用カップは100mlの内容量となっているため見掛け密度(g/cm3)=試料の質量÷100より求めることができる。
【0110】
試料は20℃、50%RHの環境下で約12時間放置したものを用い、測定環境は20℃、50%RHである。
【0111】
*膜厚測定法
感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。
【0112】
以下に本発明に用いられる感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
【0113】
本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0114】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。又、アルマイト或いは封孔処理したアルマイト基体を使用しても良い。
【0115】
本発明において、導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有するとは樹脂が層形成に主要な機能を有している層が2つ以上導電性支持体上にあることを意味し、該樹脂層としては下引層、感光層、表面層、更には電荷発生層、電荷輸送層等の層の内2つ以上の層が樹脂層として有ればよい。
【0116】
以下、本発明の電子写真感光体の好ましい層構成について記載する。
下引層
本発明の感光体に用いられる下引層(UCL)は導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に設けられるが、該下引層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた下引層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0117】
又本発明に最も好ましく用いられる下引層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた下引層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた下引層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0118】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記下引層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では下引き層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL層)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0119】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0120】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0121】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0122】
電荷輸送層
電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0123】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0124】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0125】
電荷輸送層(CTL層)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0126】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0127】
表面層(電荷輸送性能を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層)
本発明の高硬度で且つ残留電位上昇が小さい電子写真感光体としては電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を表面層とした感光体が好ましい。このシロキサン系樹脂層は代表的には下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を原料とした塗布組成物を塗布乾燥することにより形成される。これらの原料は親水性溶媒中では加水分解とその後に生じる縮合反応により、溶媒中で有機ケイ素化合物の縮合物(オリゴマー)を形成する。これら塗布組成物を塗布、乾燥することにより、3次元網目構造を形成したシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を形成することができる。
【0128】
一般式(2)
(R)n−Si−(X)4-n
式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0129】
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。特には炭素数6以下のアルコキシ基が好ましい。
【0130】
又一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。但し、使用される一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも一種がnが0又は1の有機ケイ素化合物を使用することが好ましい。
【0131】
又一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0132】
前記樹脂層は上記有機ケイ素化合物又はその加水分解縮合物を含有する組成物にコロイダルシリカを含有させて形成されることが好ましい。コロイダルシリカとは分散媒中にコロイド状に分散した二酸化ケイ素粒子であるが、コロイダルシリカの添加は塗布液組成物調製のどの段階で加えても良い。コロイダルシリカは水性またはアルコール性のゾルの形で添加しても良いし、気相でつくられたエアロゾルを本発明の塗布液に直接分散しても良い。
【0133】
このほかチタニヤ、アルミナなどの金属酸化物をゾルまたは粒子分散の形で添加しても良い。
【0134】
コロイダルシリカや4官能(n=0)或いは3官能(n=1)の前記有機ケイ素化合物は架橋構造を生じること等により、本発明の樹脂層膜に弾性と剛性を与える。2官能有機ケイ素化合物(n=2)の比率が多くなるとゴム弾性が増すとともに疎水性があがり、1官能有機ケイ素化合物(n=3)は高分子にはならないが未反応残存SiOH基と反応して疎水性を上げる働きがある。
【0135】
本発明の高硬度で且つ高弾性が求められる表面層としては前記有機ケイ素化合物の4官能(n=0)或いは3官能(n=1)の少なくともいずれか一種を原料として用い、弾性と剛性を備えたシロキサン系樹脂層を形成することが好ましい。
【0136】
前記樹脂層は更に、下記一般式(1)で示された化合物が前記有機ケイ素化合物又は該縮合物等との縮合反応により、電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含む樹脂層に改質する事により、該樹脂層の残留電位上昇を小さく抑えることができる。
【0137】
一般式(1)
B−(R1−ZH)m
式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価又は多価の基を表し、R1は単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、mは1〜4の整数を表す。
【0138】
又、前記一般式(1)で示された化合物はコロイダルシリカの表面の水酸基との縮合反応により、前記シロキサン系樹脂層に取り込まれても良い。
【0139】
本発明にはコロイダルシリカ以外の他の金属水酸化物(例えばアルミ、チタン、ジルコニウムの各アルコキシドの加水分解物)を加えて複合化したシロキサン系セラミック樹脂層としても良い。
【0140】
一般式(1)のBは電荷輸送性化合物構造を含む1価以上の基である。ここでBが電荷輸送性化合物構造を含むとは、一般式(1)中の(R1−ZH)基を除いた化合物構造が電荷輸送性能を有しているか、又は前記一般式(1)中の(R1−ZH)基を水素原子で置換したBHの化合物が電荷輸送性能を有する事を意味する。
【0141】
尚、前記の電荷輸送性化合物とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す化合物であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として定義できる。
【0142】
前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物との総量(H)と前記一般式(1)の化合物(I)の組成物中の組成比としては、質量比で100:3〜50:100であることが好ましく、より好ましくは100:10〜50:100の間である。
【0143】
また本発明においては、コロイダルシリカ又は他の金属酸化物を添加しても良いが、コロイダルシリカ又は他の金属酸化物(J)を添加する場合は前記総量(H)+化合物(I)成分の総質量100部に対し(J)を1〜30質量部を用いることが好ましい。
【0144】
前記総量(H)成分が前記の範囲内で使用されると、本発明の感光体表面層の硬度が高く且つ弾力性がある。(J)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も前記総量(H)成分と同様の傾向がみられる。一方、前記化合物(I)成分が前記の範囲内で使用されると感度や残留電位特性等の電子写真特性が良好であり、前記感光体表面層の硬度が高い。
【0145】
前記のシロキサン系樹脂層を形成するには縮合反応を促進するために縮合触媒を用いることが好ましい。ここで用いられる縮合触媒とは縮合反応に接触的に作用する触媒、及び縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをするものの少なくともいずれか一方の作用をもつものであれば良い。
【0146】
具体的な縮合触媒としては酸、金属酸化物、金属塩、アルキルアミノシラン化合物など従来シリコンハードコート材料に用いられてきた公知の触媒を用いることができる。例えば、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)等が挙げられる。
【0147】
一般式(1)において、Bで示される電荷輸送性化合物構造を有する基としては、正孔輸送型と電子輸送型がある。正孔輸送型はオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、トリアリールアミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン等の構造単位を含む基及びこれらの誘導体から派生する基が挙げられる。一方、電子輸送型としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトタシアノエチレン、テトタシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4、4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、パーフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸等の化学構造単位を含む基及びこれらの誘導体から派生する基が挙げられるが、これらの構造に限定されるものではない。
【0148】
以下に一般式(1)で表される代表的な化合物例をあげる。
一般式(1)においてZが酸素原子の化合物例を下記に挙げる。
【0149】
【化1】
Figure 0003807185
【0150】
【化2】
Figure 0003807185
【0151】
【化3】
Figure 0003807185
【0152】
【化4】
Figure 0003807185
【0153】
【化5】
Figure 0003807185
【0154】
次に、一般式(1)において、ZがNH基である化合物例を下記に挙げる。
【0155】
【化6】
Figure 0003807185
【0156】
次に、一般式(1)において、Zがメルカプト基(SH)である化合物例を下記に挙げる。
【0157】
【化7】
Figure 0003807185
【0158】
下記一般式(1)で示された化合物の内最も好ましい化合物はZが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物である。Zが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物は該化合物が前記有機ケイ素化合物と反応し、その結果シロキサン系樹脂の網目構造中に入り込むことにより高硬度で且つ残留電位上昇が小さい樹脂層を形成することができる。
【0159】
上記では本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。例えば、電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を電荷輸送層に適用すれば上記した感光体層構成の表面層を除くことも可能である。又、電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を単層構造の感光層に適用すれば円筒状導電性支持体上には下引層と単層構造の感光層の2つの樹脂層から本発明の電子写真感光体を形成する事もできる。
【0160】
又、本発明の電子写真感光体の表面層は水に対する接触角が90°以上であることが好ましい。水に対する接触角が90°以上にすることにより紙粉やトナー微粉のフィルミングをより少なくすることができる。
【0161】
前記電荷輸送性能を有するシロキサン系樹脂層の水に対する接触角を90°以上にする方法としてはシロキサン樹脂層の疎水性を高めることが有効である。このための方法としてはシロキサン樹脂にF原子含有基を導入する方法、ジメチルシロキサン骨格を導入する方法、芳香族基を導入する方法或いは撥水性を有するPTFE等の樹脂粒子や有機ポリマーを添加する方法等が挙げられる。
【0162】
次に本発明の樹脂層に前記コロイダルシリカと併用したり、或いはコドイダルシリカの代わりに用いる事ができる有機粒子及び無機粒子としては、以下のものを挙げることができる。
【0163】
〈有機粒子〉
上記有機粒子としては、例えばシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ステアリン酸金属塩、ポリメチルメタクリレート又はメラミン等を挙げることができ、体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。又、本発明の樹脂層に含有する有機粒子の量は、該樹脂層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光層に十分な耐刷性や潤滑性を付与することができず、画像形成の際クリーニング不良となり易く、下層との接着性を改善しない。100質量%を越えると感光体の光感度が低下し、カブリを生じ易くなる。
【0164】
〈無機粒子〉
上記無機粒子としては金属酸化物として、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化インジウム、酸化ベリリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等を挙げることができ、窒化物として、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素を挙げることができ、又炭化物としては、例えば炭化ケイ素、炭化ホウ素等を挙げることができる。又上記無機粒子は、好ましくはチタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸等の疎水化処理剤により疎水化処理を行ってもよい。
【0165】
上記上記無機粒子の粒径は体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。又、感光体表面層に含有する上記無機粒子の量は、該表面層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光体表面層に十分な耐刷性や機械的強度或いは下層との接着性を付与することができず、画像形成の際感光体表面層が摩耗、損傷し易く、100質量%を越えると感光体表面層の表面粗さが大きくなり、クリーニング部材を損傷してクリーニング不良を引き起こす。
【0166】
なお、上記有機粒子、及び無機粒子の体積平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所(株)社製)により測定される。
【0167】
また前記シロキサン系樹脂の表面層には酸化防止剤を添加することにより、残留電位上昇や画像ボケを効果的に防止することができる。
【0168】
ここで、酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0169】
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)
・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
【0170】
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
【0171】
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だと高温高湿時のカブリや画像ボケに効果がなく、20質量%より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する。
【0172】
又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対して0.01〜20質量%が好ましい。
【0173】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い)。
【0174】
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
【0175】
【化8】
Figure 0003807185
【0176】
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0177】
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0178】
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0179】
有機リン化合物としては、例えば、一般式RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0180】
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0181】
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
【0182】
【化9】
Figure 0003807185
【0183】
【化10】
Figure 0003807185
【0184】
【化11】
Figure 0003807185
【0185】
【化12】
Figure 0003807185
【0186】
【化13】
Figure 0003807185
【0187】
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。
【0188】
本発明のシロキサン系樹脂を含有した層を形成するには、通常溶剤にシロキサン系樹脂組成物を溶解して塗布により形成する。溶剤としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が使用される。
【0189】
本発明のシロキサン系樹脂層は加熱乾燥する事が好ましい。この加熱のよりシロキサン系樹脂層の架橋・硬化反応が促進される。該架橋硬化条件としては使用する溶剤種、触媒有無によって異なるが、およそ60〜160℃の範囲で10分〜5時間の加熱が好ましく、より好ましくは90〜120℃の範囲で30分〜2時間の加熱が好ましい。
【0190】
電荷発生物質、電荷輸送物質の分散、溶解の使用される溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0191】
前記表面層を有する電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、塗布液をディップ塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等を用いることができる。特に感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又均一塗布加工を達成するためにスプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッパーがその代表例である)を用いるのが好ましい。尚前記スプレー塗布については特開平3−90250号、同3−269238号にその記載があり、前記円形量規制型塗布については特開昭58−189061号に詳細が記載されている。
【0192】
《ブレードにてクリーニングする工程》
感光体に圧接配置されたブレード状のクリーニング部材を備えた装置を用いて、転写されず感光体上に残留したトナーをクリーニングする。クリーニング部材の感光体に対する圧接力は、クリーニング性を向上させる観点から5〜50g/cmが好ましい。なおクリーニング工程の前段階においては、クリーニングを容易にするために感光体表面を除電する除電工程を付加する事が好ましい。この除電工程は、例えば交流コロナ放電を生じさせる除電器により行われる。
【0193】
本発明に用いられるクリーニングブレードはシリコーンゴム、ウレタンゴム等が用いられるが、ウレタンゴムで作られたものが最も好ましい。その中でも反発弾性が20〜80(20℃、50±5%RHの条件下)のポリウレタンゴムが好ましい。反発弾性が20未満だとクリーニング性が十分でなく、80%を越えるとブレードメクレが発生しやすい(ウレタンゴム物性値はJIS−K6301に準じる)。
【0194】
図2は本発明の画像形成装置の1例としての電子写真画像形成装置の断面図である。
【0195】
図2において50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0196】
感光体への一様帯電ののち像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー542により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0197】
その静電潜像は次いで現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は層形成手段によって現像スリーブ541上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。
【0198】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0199】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写ローラー(転写器)58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
【0200】
次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写ローラー58及び分離ブラシ59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0201】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0202】
尚、70は感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0203】
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0204】
プロセスカートリッジには、一般には以下に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがある。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
【0205】
トナーリサイクルを行うための方式としては特に限定されるものでは無いが、例えば、クリーニング部で回収されたトナーを搬送コンベアあるいは搬送スクリューによって補給用トナーホッパー、現像器あるいは補給用トナーと中間室によって混合して現像器へ供給する方法等をあげることができる。好ましくは現像器へ直接戻す方式あるいは中間室にて補給用トナーとリサイクルトナーを混合して供給する方式をあげることができる。
【0206】
次に図3において、トナーのリサイクル部材斜視構成図の一例を挙げる。この方式は現像器へリサイクルトナーを直接戻す方式である。
【0207】
クリーニングブレード4で回収された未転写トナーはトナークリーニング器3内の搬送スクリュウによってトナーリサイクルパイプ5に集められ、更にこのリサイクルパイプの受け口6から現像器2に戻され、再び現像剤として使用される。
【0208】
図3は又、本発明の画像形成装置に着脱自在のプロセスカートリッジの斜視図でもある。この図3では斜視構造を判りやすくするため感光体ユニットと現像剤ユニットを分離した図面になっているが、これを全部一体化したユニットとして着脱自在に画像形成装置に搭載できる。この場合、感光体ドラム1、現像器2、クリーニング器3及びリサイクル部材(トナーリサイクルパイプ5)が一体となりプロセスカートリッジを構成している。
【0209】
又、上記画像形成装置は、感光体ドラムと、帯電器、現像器、クリーニング器あるいはリサイクル部材等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッジを搭載する形態にすることもできる。
【0210】
次に、転写紙は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0211】
像露光は、電子写真画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
【0212】
尚、ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光器53は受信データをプリントするための露光を行うことになる。
【0213】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0214】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0215】
下記のごとくして感光体を作製した(各実施例の感光体は膜厚減耗試験用感光体、画像評価用感光体を作製した)。
【0216】
感光体1の作製
下記中間層塗布液を調製し、洗浄済み60mmφの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0217】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0218】
Figure 0003807185
下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0219】
Figure 0003807185
下記塗布液を混合し、溶解して表面層塗布組成物を調製した。
【0220】
〈表面層(OCL)塗布液〉
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から生成したポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4A(和光純薬)を添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6質量部、ヒンダードアミン(例示化合物2−1)0.3質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の加熱硬化を行い、感光体1を作製した。
【0221】
感光体2の作製
感光体1の作製において、下記中間層に変えた以外は同様にして感光体2を作製した。
【0222】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ジルコニウムキレート化合物ZC−540(松本製薬(株)) 200g
シランカップリング剤KBM−903(信越化学(株)) 100g
メタノール 700ml
エタノール 300ml
上記材料を浸漬塗布し、150℃・30分間乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0223】
感光体3の作製
引き抜き加工より得られた60mmφの円筒状アルミニウム基体上に、下記分散物を作製、塗布し、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。
【0224】
〈導電層(PCL)塗布液〉
フェノール樹脂 160g
導電性酸化チタン 200g
メチルセロソルブ 100ml
下記中間層塗布液を調製した。この塗布液を前記導電層上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの中間層を形成した。
【0225】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0226】
Figure 0003807185
下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0227】
Figure 0003807185
〈表面層(OCL)塗布液〉
上記CTL上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から生成したポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。
【0228】
これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6質量部、ヒンダードフェノール(例示化合物1−3)0.3質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の加熱硬化を行い、感光体3を作製した。
【0229】
感光体4の作製
感光体1の作製において、CTLまで塗布した感光体上に、メチルシロキサン単位80モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%から生成した1質量%のシラノール基を含有のメチルポリシロキサン樹脂10質量部とトルエン10質量部の混合溶液に、モレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。この組成物100質量部にトルエン200質量部と4−〔N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)アミノ〕−〔2−(トリエトキシシリル)エチル〕ベンゼン40質量部とヒンダードアミン(例示化合物2−10)0.3質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、140℃・4時間の加熱硬化を行い、感光体4を作製した。
【0230】
感光体5の作製
感光体1の作製において、アルミニウム基体を封孔処理したアルマイトに代え、OCL中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)を、ヒドラゾン型の例示化合物B−14に代えた以外は全く同様にして感光体5を作製した。
【0231】
感光体6の作製
感光体1の作製において、表面層にコロイダルシリカを5質量部加えた以外は全く同じにして感光体6を作製した。
【0232】
感光体7の作製
感光体1の作製において、電荷発生層までは同様に塗布した。
【0233】
〈電荷輸送層CTL〉
電荷輸送物質(例示化合物B−1) 200g
メチルトリメトキシシラン 300g
ヒンダードフェノール化合物(例示化合物1−7) 1g
コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g
1−ブタノール 50g
1%酢酸 50g
アルミニウムテトラアセチルアセテート 2g
フッ素樹脂粒子(平均粒径1μm) 10g
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃・2時間の加熱硬化を行い乾燥膜厚12μmの電荷輸送層を形成し、感光体7を作製した。
【0234】
感光体8の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層までは同様に形成した。更にこの上に下記塗布液を混合し、溶解して表面層塗布組成物を調製した。
【0235】
Figure 0003807185
を混合し、溶解して乾燥膜厚2μmの表面層として塗布し、110℃・1時間の加熱硬化を行い、感光体8を作製した。
【0236】
感光体9の作製
感光体8の作製において、表面層中のメチルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシラン(6/4質量比)に代え、シリコーンオイルKF−54をX−22−160AS(末端が水酸基のシリコーンオイル:信越化学(株))に代えた以外は全く同様にして感光体9を作製した。
【0237】
感光体10の作製
感光体1の作製において、CTL上に市販のプライマーPC−7J(信越化学社製)をトルエンで2倍に希釈し、塗布後100℃・30分間乾燥させ、乾燥膜厚0.3μmの接着層を形成した。
【0238】
更にこの上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から生成したポリシロキサン樹脂(1質量%のシラノール基を含む)10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。
【0239】
これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の乾燥を行い感光体10を作製した。
【0240】
感光体11の作製
感光体1の作製において、OCLからジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6質量部を除いた以外は同様にして感光体11を作製した。
【0241】
感光体12の作製
感光体1の作製において、OCLを除いた以外は全く同じにして感光体12を作製した。
【0242】
前記感光体1〜12について膜厚減耗試験を各感光体で1,000,000回転行い、その結果から1回転当たりの膜厚減耗量を求めた。結果を表1に示す。
【0243】
【表1】
Figure 0003807185
【0244】
次に、下記のごとくして本発明の画像評価用トナーを作製した。
*トナー1の作製
スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート=75:20:5の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風力分級機により分級して体積平均粒径が4.2μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%、及び0.05μmの酸化チタン0.6質量%添加し、ヘンシェルミキサーの周速を40m/s、52℃で10分間混合しトナーを得た。これを「トナー1」とする。
【0245】
*トナー2の作製
スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート:アクリル酸=75:18:5:2の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し微粉砕を行い、風力分級機により分級して体積平均粒径が6.2μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%、及び0.2μmのメラミンホルムアルデヒド樹脂粒子0.8質量%を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を40m/s、46℃で10分間混合しトナーを得た。これを「トナー2」とする。
【0246】
*トナー3の作製
スチレン:ブチルアクリレート:メタクリル酸=70:20:10の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風力分級機により分級して体積平均粒径が5.0μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=13nm)を1.0質量%、及び0.5μmの酸化チタン0.6質量%を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を30m/s、35℃で10分間混合し、トナーを得た。これを「トナー3」とする。
【0247】
*トナー4の作製
n−ドデシル硫酸ナトリウム=0.90kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製:カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、ついで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。分散後、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で122nmであった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.6質量%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0248】
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換水4.0Lに混合し、室温下攪拌溶解する。これを、アニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0249】
ノニルフェニルアルキルエーテル0.014kgをイオン交換水4.0Lに混合し、室温下攪拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0250】
過硫酸カリウム=223.8gをイオン交換水12.0Lに混合し、室温下攪拌溶解する。これを、開始剤溶液Aと呼ぶ。
【0251】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100Lの反応釜に、数平均分子量(Mn)が3500のポリプロピレンエマルジョン3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液Aとを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを加える。
【0252】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、開始剤溶液Aを全量添加する。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを投入する。
【0253】
さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、これをラテックスA1とした。
【0254】
なお、ラテックスA1中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
【0255】
過硫酸カリウム=200.7gをイオン交換水12.0Lに混合し、室温下攪拌溶解する。これを、開始剤溶液Bとする。
【0256】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100Lの反応釜に、ノニオン界面活性剤溶液Aを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを投入する。
【0257】
加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、開始剤溶液Bを添加する。この時、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
【0258】
その後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。
【0259】
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックスB1とした。
【0260】
なお、ラテックスB1中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0261】
塩析剤としての塩化ナトリウム=5.36kgとイオン交換水20.0Lを入れ、撹拌溶解する。これを、塩化ナトリウム溶液Aとする。
【0262】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのSUS反応釜(撹拌翼はアンカー翼)に、上記で作製したラテックスA1=20.0kgとラテックスB1=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌する。ついで、35℃に加温し、塩化ナトリウム溶液Aを添加する。その後、5分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで5分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。液温度85℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、30℃以下に冷却し撹拌を停止する。目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液▲1▼とする。ついで、遠心分離機を使用し、会合液▲1▼よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0263】
上記で洗浄を完了したウェットケーキ状の着色粒子を、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。この着色粒子の体積平均粒径は4.3μmであった。さらに、この着色粒子に疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒子径=12nm)を1.0質量%、及び0.1μmのスチレン−メチルメタアクリレート粒子1.0質量%を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を20m/s、30℃で10分間混合し「トナー4」を得た。
【0264】
*トナー5の作製
トナー4の融着条件を変更して粒径を変化させた着色粒子を調製し、この着色粒子に疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒径=12nm)を1.0質量%、及び1.6μmの酸化チタン1.6質量%を添加し、ヘンシェルミキサーの周速を5m/s、24℃で10分間混合し「トナー5」を得た。
【0265】
上記各トナーの特性を評価し、その測定結果を表2に示す。
【0266】
【表2】
Figure 0003807185
【0267】
トナーの体積平均粒径の測定方法:コールターマルチサイザーにより測定。
トナー粒子の個数分布相対度数の和の測定方法:コールターマルチサイザーにより測定された各トナーの粒径データをI/Oユニットを介してコンピューターに転送し、該コンピューターにおいて相対度数m1とm2の和Mを求めた。
【0268】
現像剤の作製
上記の各トナー、即ちトナー1〜トナー5に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径が45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤をそれぞれ調製し、評価に供した。これらの現像剤5種ををトナーに対応してそれぞれ現像剤1〜現像剤5とする。
【0269】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0270】
《評価》
表3に示すトナー(現像剤)、感光体の組み合わせについて、コニカ社製デジタル複写機konica7050(レーザー露光・反転現像・爪分離・クリーニングブレードのクリーニングプロセス、トナーリサイクルプロセスを有する)を改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−750Vに設定し、常温常湿環境(20℃、60%RH)下で、初期、A4紙30万枚の複写画像評価を行った。結果を表3に示す。
【0271】
(1)画像評価
複写画像評価は、黒化率7%の文字画像で行い、スタート時、及び5000枚毎に30万枚の複写終了時までに計61回ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を評価した。画像濃度、カブリの測定は、30万終了時のベタ白画像、べた黒画像を濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、画像濃度については絶対濃度で、カブリについては紙をゼロとした相対濃度で測定した。画像ボケは有無を目視で評価した。
【0272】
a.画像濃度
◎・・・1.4以上/良好
○・・・1.0以上〜1.4未満/実用上問題ないレベル
×・・・1.0未満/実用上問題あり
b.カブリ
◎・・・0.001未満/良好
○・・・0.001以上〜0.003未満/実用上問題がないレベル
×・・・0.003以上/実用上問題あり
c.画像ボケ(文字部の画像で画像ボケを評価)
◎・・・30万枚中10枚以下の発生/良好
○・・・30万枚中11枚〜20枚の発生/実用上問題がないレベル
×・・・30万枚中21枚以上の発生/実用上問題あり
d.細線再現性
2ドットラインの画像信号に対応するライン画像のライン幅を印字評価システム「RT2000」(ヤーマン(株)製)によって測定した。
【0273】
◎・・・1枚目の形成画像のライン幅(L1)および30万終了時の形成画像のライン幅(L30万)の何れもが200μm以下であり、且つライン幅の変化(L1−L30万)が10μm以下/良好
×・・・上記以外の場合/実用上問題あり
e.画像欠陥評価
黒ポチの評価は、画像解析装置「オムニコン3000形」(島津製作所社製)を用いて黒ポチの大きさと個数を測定し、0.1mm以上の黒ポチがA4紙中に何個あるかで判定した。その他フィルミングや転写ヌケに起因するスジ状画像欠陥(黒スジ、白スジ)等の大きなものは目視判定した。黒ポチ及びスジ状画像欠陥の判定基準は、下記に示す通りである。
【0274】
黒ポチ、及びスジ状画像欠陥(ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像で評価)
◎・・1個以下/A4紙1枚、スジ状欠陥なし/良好
○・・2〜3個/A4紙1枚、スジ状欠陥なし/実用上問題がないレベル
×・・4個以上/A4紙1枚、又はスジ状画像欠陥1つ以上/実用上問題あり
【0275】
【表3】
Figure 0003807185
【0276】
〈評価結果〉
本発明の実施例1〜10では30万枚の複写評価において、カブリも発生せず、且つ黒ベタ部の濃度は反射濃度で1.4以上の濃度が得られ、しかもトナーフィルミング、転写抜け等に起因する画像ボケ、スジ状画像欠陥、黒ポチ等がない高画質な画像が得られた。更に感光体表面のキズが殆ど見られず、ハーフトーン画像上にもスリ傷による画像欠陥は見られなかった。また本実施例の画像評価ではクリーニングブレードも比較の画像評価に比べ約2〜3倍の耐久性が得られた。比較例2及び3の感光体は表1からも判るように本発明の感光体に比し表面膜強度が弱く、画像ボケ、画像欠陥等の発生もあり、得られた画質は本発明の実施例に比し良好でない。
【0277】
【発明の効果】
以上の実施例より、トナーのリサイクル工程を有する画像形成方法又は画像形成装置に本発明の感光体と現像剤を組み合わせることにより、多数枚の画像形成を行っても黒ポチやスジ故障の画像欠陥のない良好な画像が得られ、且つクリーニングブレードの耐久性も長寿命化できることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩耗試験におけるクリーニングブレードの感光体への当接条件の説明図。
【図2】本発明の画像形成装置の1例としての電子写真画像形成装置の断面図。
【図3】トナーのリサイクル部材斜視構成図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 現像器
3 クリーニング器
4 クリーニングブレード
5 トナーリサイクルパイプ
6 リサイクルパイプの受け口
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
57 給紙ローラー
58 転写ローラー(転写器)
59 分離ブラシ(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ
81 電子写真感光体
82 クリーニングブレード
83 支持部材
84 固定ネジ

Claims (14)

  1. 少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する工程、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程、該クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が下記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である電子写真感光体であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成方法。
    ・摩耗試験
    常温常湿環境下(20℃、50%RH)駆動部に接続した電子写真感光体に硬度70±1°、反発弾性35±1%、厚さ2±0.1(mm)、自由長9±0.1mmのクリーニングブレードをカウンター方向に当接角10±0.5°、食い込み量1.5±0.2(mm)の条件で当接し、電子写真感光体を1回転0.1〜10秒の回転で駆動部により回転させながら電子写真感光体上に0.15±0.05(mg/cm2)の付着量で現像されたカサ密度が0.41±0.1g/cm3、且つ個数平均粒径10〜40(nm)の粉体が外添剤としてトナーに対して1±0.1質量(%)で混合された体積平均粒径8.5±0.2μmのトナーをクリーニングする。上記条件にて該電子写真感光体が100,000回以上の回転を行った際の電子写真感光体の膜厚変動量を測定し、その値を電子写真感光体の回転数で除した値を1回転あたりの膜厚減耗量とする。
  2. 前記電子写真感光体が円筒状導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層が表面層であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基、或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させて得られるシロキサン系樹脂であることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成方法。
    一般式(1)
    B−(R1−ZH)m
    式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価又は多価の基を表し、R1は単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、mは1〜4の整数を表す。
  5. 前記一般式(1)中のZが酸素原子であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記樹脂層に酸化防止剤が含有されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項6記載の画像形成方法。
  8. 前記樹脂層に有機乃至無機粒子が含有されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 前記樹脂層にコロイダルシリカが含有されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 前記トナーが体積平均粒径4〜9μm、且つ3.0μm以下のトナー粒子が30個数%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記トナーの粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、該最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との相対度数和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する手段、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする手段、該クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が下記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10 -5 である電子写真感光体であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成装置。
    ・摩耗試験
    常温常湿環境下(20℃、50%RH)駆動部に接続した電子写真感光体に硬度70±1°、反発弾性35±1%、厚さ2±0.1(mm)、自由長9±0.1mmのクリーニングブレードをカウンター方向に当接角10±0.5°、食い込み量1.5±0.2(mm)の条件で当接し、電子写真感光体を1回転0.1〜10秒の回転で駆動部により回転させながら電子写真感光体上に0.15±0.05(mg/cm 2 )の付着量で現像されたカサ密度が0.41±0.1g/cm 3 、且つ個数平均粒径10〜40(nm)の粉体が外添剤としてトナーに対して1±0.1質量(%)で混合された体積平均粒径8.5±0.2μmのトナーをクリーニングする。上記条件にて該電子写真感光体が100,000回以上の回転を行った際の電子写真感光体の膜厚変動量を測定し、その値を電子写真感光体の回転数で除した値を1回転あたりの膜厚減耗量とする。
  13. 少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する工程、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする工程、該クリーニング工程で回収されたトナーを現像工程の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成方法。
  14. 少なくとも電子写真感光体上の静電荷像をトナーを含有する現像剤で現像する手段、及び該電子写真感光体上のトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする手段、該クリーニング手段で回収されたトナーを現像手段の現像剤に戻して再利用するトナーのリサイクル手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層であり、且つ該トナーの濁度が1〜30であることを特徴とする画像形成装置。
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