JP2001117257A - 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられる現像剤 - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられる現像剤

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JP2001117257A JP30106599A JP30106599A JP2001117257A JP 2001117257 A JP2001117257 A JP 2001117257A JP 30106599 A JP30106599 A JP 30106599A JP 30106599 A JP30106599 A JP 30106599A JP 2001117257 A JP2001117257 A JP 2001117257A
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Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
Hiroyuki Yamada
裕之 山田
Akizo Shirase
明三 白勢
Masanori Kouno
誠式 河野
Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、表面の膜厚減耗が無い感光体を使
用した画像形成方法で画像ボケ、筋状、斑点状画像欠陥
を発生することなく、環境変動による画像変動の無い、
長期にわたって安定した画像を形成することのできる画
像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられる現
像剤を提供することにある。 【解決手段】 電子写真感光体上の潜像を現像剤により
現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感
光体上に残留するトナーをクリーニングする画像形成方
法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に電荷
輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真
感光体であり、且つ該現像剤に用いられるトナーが少な
くとも重合性単量体と着色剤とからなる重合性組成物を
水系媒体中において懸濁重合させて得られたトナーであ
ることを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法、画
像形成装置、及び該装置に用いられる現像剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成技術の発達は著しく、その中で最も多く用
いられているのは、電子写真方式に代表される静電画像
形成方法に属するものである。
【0003】その理由は、電子写真方式等の静電画像形
成方法は、高画質画像を高速で得られること、モノクロ
だけでなくカラー画像形成も可能なこと、長期間の使用
にも耐える耐久性、安定性を有していることにあると考
えられる。
【0004】この電子写真方式では、いわゆる感光体表
面を全面帯電した後に、形成するべき画像に対応した露
光を与え、静電潜像を形成させる。その静電潜像をトナ
ーで可視化することで画像を形成する方式である。
【0005】近年、電子写真感光体は有機光導電性物質
を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機
感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した
材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択でき
ること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して
有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多
数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生
がある事である。
【0006】このような感光体は、一般にアルミニウム
またはアルミニウム合金からなる導電性支持体上に、有
機系電荷発生物質を蒸着したり、有機系電荷発生物質と
結着剤としての有機高分子樹脂とを溶剤に混合した塗布
液を塗布したりして電荷発生層を形成し、その上に、有
機系電荷輸送物質と結着剤としての有機高分子樹脂とを
溶剤に混合した塗布液を塗布して電荷輸送層を形成する
方法で製作される。
【0007】一般に、カールソン法の電子写真装置にお
いては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって画
像様に電荷を消去して静電潜像を形成し、その静電潜像
をトナーによって現像、可視化し、次いでそのトナーを
紙等に転写、定着させる。
【0008】しかしながら、感光体上のトナーは全てが
転写されることはなく、一部のトナーは感光体に残留
し、この状態で繰り返し画像形成した場合、残留トナー
の影響で潜像形成が乱されるため汚れのない高画質な複
写を得ることができない。このため、残留トナーの除去
が必要となる。クリーニング手段にはファーブラシ、磁
気ブラシまたはブレード等が代表的であるが、性能、構
成等の点からブレードが主に用いられている。このとき
のブレード部材としては、板状のゴム弾性体が一般的で
ある。
【0009】このように、電子写真感光体の表面は、帯
電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器等によ
り、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それ
らに対する耐久性が要求され、特に摺擦による感光体表
面の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝
撃等による膜剥がれ等に対する機械的耐久性が要求され
る。なかでも衝撃による傷や膜剥がれに対する耐久性に
ついては、より高くすることが求められている。
【0010】上記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々の事が検討されてきた。
【0011】機械的耐久性に関しては、有機感光体の表
面にBPZポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)
として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィ
ルミング特性が改善される事が報告されている。又、特
開平6−118681号公報では感光体の表面保護層と
して、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用
いることが報告されている。
【0012】しかし、BPZポリカーボネートバインダ
ーを用いた感光体では、なお耐摩耗特性が不足してお
り、十分な耐久性を有していない。一方、コロイダルシ
リカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層では耐摩耗特性
は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十
分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、やはりこ
れも耐久性が不十分である。
【0013】この様な欠点を改善する方法として、特開
平9−124943号公報や、特開平9−190004
号公報では有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を、硬化性
有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を、表面層と
して有する感光体を提案している。しかし、この技術で
は表面層が硬化されているために、感光体表面が研磨さ
れることが無い。その結果、高温高湿環境で吸着された
水分を除去することができず、画像ボケを発生したり、
紙粉やトナーのフィルミングが生じやすく、筋状、或い
は斑点状の画像欠陥を発生しやすい問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
従来技術の問題点を解決するためになされた。
【0015】本発明の目的は、感光体の減耗が無い感光
体を使用した画像形成方法で画像ボケや筋状、或いは斑
点状の画像欠陥を発生することなく、環境変動による画
像変動の無い、長期にわたって安定した画像を形成する
ことのできる画像形成方法を提案することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の構成
により達成される。
【0017】1.電子写真感光体上の潜像を現像剤によ
り現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該
感光体上に残留するトナーをクリーニングする画像形成
方法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に電
荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有
するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写
真感光体であり、且つ該現像剤に用いられるトナーが少
なくとも重合性単量体と着色剤とからなる重合性組成物
を水系媒体中において懸濁重合させて得られたトナーで
あることを特徴とする画像形成方法。
【0018】2.前記電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が電荷輸
送性能を有する化合物基を部分構造として有するシロキ
サン系樹脂であることを特徴とする前記1記載の画像形
成方法。
【0019】3.前記電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基
或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基
を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られること
を特徴とする前記1又は2記載の画像形成方法。
【0020】4.電子写真感光体上の潜像を現像剤によ
り現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段
を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導
電性支持体上に電荷輸送性能を有する構造単位を有し、
且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂
層を有する電子写真感光体であり、且つ該現像剤に用い
られるトナーが少なくとも重合性単量体と着色剤とから
なる重合性組成物を水系媒体中において懸濁重合させて
得られたトナーであることを特徴とする画像形成装置。
【0021】5.導電性支持体上に電荷輸送性能を有す
る構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体上の潜像
を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材
に転写後、該感光体上に残留するトナーをクリーニング
する画像形成装置に用いられる現像剤が少なくとも重合
性単量体と着色剤とからなる重合性組成物を水系媒体中
において懸濁重合させて得られたトナーを含有すること
を特徴とする現像剤。
【0022】6.電子写真感光体上の潜像を現像剤によ
り現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該
感光体上に残留するトナーをクリーニングする画像形成
方法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に電
荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有
するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写
真感光体であり、且つ該現像剤に用いられるトナーが少
なくとも樹脂粒子を水系媒体中において融着させて得ら
れたトナーであることを特徴とする画像形成方法。
【0023】7.前記電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が電荷輸
送性能を有する化合物基を部分構造として有するシロキ
サン系樹脂であることを特徴とする前記6記載の画像形
成方法。
【0024】8.前記電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基
或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基
を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られること
を特徴とする前記6又は7記載の画像形成方法。
【0025】9.電子写真感光体上の潜像を現像剤によ
り現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段
を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導
電性支持体上に電荷輸送性能を有する構造単位を有し、
且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂
層を有する電子写真感光体であり、且つ該現像剤に用い
られるトナーが少なくとも樹脂粒子を水系媒体中におい
て融着させて得られたトナーであることを特徴とする画
像形成装置。
【0026】10.導電性支持体上に電荷輸送性能を有
する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン
系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体上の潜
像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録
材に転写後、該感光体上に残留するトナーをクリーニン
グする画像形成装置に用いられる現像剤が少なくとも樹
脂粒子を水系媒体中において融着させて得られたトナー
を含有することを特徴とする現像剤。
【0027】以下に本発明について詳細に説明する。
【0028】本発明者らは鋭意検討した結果、感光体に
対する付着性を考慮し、減耗の少ない感光体を使用した
場合の問題点を解析し、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0029】本発明では、減耗の少ない感光体を使用し
た場合に発生する高温高湿環境下での画像ボケや筋状、
或いは斑点状の画像欠陥に対する解決手段をトナー側の
要因としてとらえ、解決することができたものである。
【0030】本発明者らはトナーに吸着する水分が感光
体に対する水分の供給源になっていることに着目し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0031】従来のいわゆる樹脂と着色剤などを溶融混
練し、粉砕して調整する粉砕トナーでは、粉砕により形
成される破断面の微細な凹凸に水分が吸着しやすく、そ
の結果、吸着した水分が感光体表面に移行することで画
像ボケが発生する。
【0032】しかし、いわゆる懸濁重合法で調整された
トナーはその形状が比較的球形化されやすいため、表面
積が小さく、結果として水分の吸着サイト自体が少なく
なっており、吸着水分量を低減することが可能である。
また、懸濁重合法の分散安定剤として除去可能な、無機
系の分散安定剤を使用することにより、分散安定剤の表
面残留量を極少量にすることができるため、より表面に
対する水分の吸着を抑制することができる。
【0033】さらに、樹脂粒子を融着させて形成された
トナーでは、その表面に粉砕により形成されるような活
性点が無く平滑面で構成されるために、表面に水分など
の吸着サイトが存在しないため、吸着水分を抑制するこ
とができる。
【0034】その結果、耐摩耗性の高い感光体を使用し
た場合でも画像ボケの発生を抑制することができ、長期
に渡って安定した画像を形成することができるものであ
る。
【0035】次に本発明に用いられる素材、要件、装置
等につきさらに説明する。
【0036】《材料》 〔単量体〕重合性単量体としては、ラジカル重合性単量
体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用す
ることができる。また、以下の酸性基を有するラジカル
重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単
量体を少なくとも1種類含有してもよい。
【0037】(1)ラジカル重合性単量体 ラジカル重合性単量体成分としては、特に限定されるも
のではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いるこ
とができる。また、要求される特性を満たすように、1
種または2種以上のものを組み合わせて用いることがで
きる。
【0038】具体的には、芳香族系ビニル単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単
量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量
体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単
量体等を用いることができる。
【0039】芳香族系ビニル単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単
量体およびその誘導体が挙げられる。
【0040】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアク
リル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチル等が挙げられる。
【0041】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げ
られる。
【0042】ビニルエーテル系単量体としては、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられ
る。
【0043】モノオレフィン系単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0044】ジオレフィン系単量体としては、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0045】ハロゲン化オレフィン系単量体としては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられ
る。
【0046】(2)架橋剤 架橋剤としては、トナーの特性を改良するためにラジカ
ル重合性架橋剤を添加しても良い。ラジカル重合性架橋
剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、
ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の
不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0047】(3)酸性基を有するラジカル重合性単量
体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体 酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を
有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボ
キシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、第1級
アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニ
ウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0048】酸性基を有するラジカル重合性単量体とし
ては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケ
イ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モ
ノオクチルエステル等が挙げられる。
【0049】スルホン酸基含有単量体としては、スチレ
ンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコ
ハク酸オクチル等が挙げられる。
【0050】これらは、ナトリウムやカリウム等のアル
カリ金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属
塩の構造であってもよい。
【0051】塩基性基を有するラジカル重合性単量体と
しては、アミン系の化合物があげられ、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級
アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル
トリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、
ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブ
チルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミ
ド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルN−メ
チルピリジニウムクロリド、ビニルN-エチルピリジニ
ウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムク
ロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド
等を挙げることができる。
【0052】本発明に用いられるラジカル重合性単量体
としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または
塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の
0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル
重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性
単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用するこ
とが好ましい。
【0053】〔連鎖移動剤〕分子量を調整することを目
的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いること
が可能である。
【0054】連鎖移動剤としては、特に限定されるもの
ではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカ
プタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプ
タン、およびスチレンダイマー等が使用される。
【0055】〔重合開始剤〕本発明に用いられるラジカ
ル重合開始剤は懸濁重合法の場合には油溶性が好まし
い。
【0056】油溶性重合開始剤は具体的には過酸化ベン
ゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキサイ
ド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジクミルペルオ
キサイド、クメンヒドロペルオキサイド、アセチルペル
オキサイド、プロピオニルペルオキサイド等の過酸化
物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2,4−バレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビス−2−メチルバレロニトリル、2,2′−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス系重
合開始剤などをあげることができる。
【0057】重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生
成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、重合
開始剤の半減期が2時間から10時間程度になる温度範
囲とすることが好ましい。温度範囲としては、重合開始
剤により異なるが、例えば50℃から90℃の範囲が好
ましく使用される。
【0058】重合開始剤の添加量は必要とされる最終的
なトナーとなる樹脂の分子量により決定されるが、一般
的にはラジカル重合性単量体に対して0.1〜10質量
%、好ましくは0.2〜5質量%である。
【0059】また、分散安定剤としては最終的に濾過、
洗浄段階で容易に除去できるものが好ましく、特に無機
系の難水溶性分散安定剤が好ましく使用される。具体的
には、炭酸カルシウム、燐酸三カルシウム、酸化アルミ
ニウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、水酸
化鉄などをあげることができ、特に好ましい分散安定剤
は燐酸三カルシウムである。なお、この難水溶性無機分
散安定剤に加えて分散助剤に少量の界面活性剤を使用し
てもよい。この場合、ノニオン系、アニオン系、カチオ
ン系、両性系のいずれも使用することができるが、より
好ましくはアニオン系界面活性剤である。
【0060】分散安定剤は水系媒体中に分散して使用さ
れ、その場合、分散される油相成分に対して1〜10質
量%程度使用することが好ましい。この範囲よりも少な
い場合には分散安定性が低下し、粒子の凝集が発生す
る。また、この範囲よりも多い場合には、分散が促進さ
れるために、小粒径成分が過多に発生してしまう。
【0061】さらに、界面活性剤は無機分散安定剤に対
して0.05〜1質量%程度添加することが好ましい。
この範囲よりも少ない場合には分散安定性向上の効果を
発揮することができない。一方、この範囲を越えて使用
する場合にはラジカル重合性単量体の乳化が発生し、い
わゆるラテックス粒子が系内に発生し、粒子径分布が広
がる問題があるとともに、界面活性剤の除去がしにくく
なり、水分の吸着を引き起こす問題がある。
【0062】また、いわゆる乳化重合法で樹脂粒子を調
製した後に、その樹脂粒子を塩析、融着させて形成する
製造方法の場合に使用される重合開始剤としては水溶性
であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物
(4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、
パーオキシド化合物等が挙げられる。
【0063】更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に
応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事
が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合
活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短
縮が期待できる。
【0064】重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生
成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例え
ば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開
始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコル
ビン酸等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ
以上の温度で重合する事も可能である。
【0065】〔着色剤〕着色剤としては無機顔料、有機
顔料を挙げることができる。
【0066】無機顔料としては、従来公知のものを用い
ることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0067】黒色の顔料としては、例えば、ファーネス
ブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラッ
ク、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いら
れる。
【0068】これらの無機顔料は所望に応じて単独また
は複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加
量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは
3〜15質量%が選択される。
【0069】磁性トナーとして使用する際には、前述の
マグネタイトを添加することができる。この場合には所
定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜6
0質量%添加することが好ましい。
【0070】有機顔料としても従来公知のものを用いる
ことができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0071】マゼンタまたはレッド用の顔料としては、
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッ
ド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメン
トレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピ
グメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメン
トレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメ
ントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、
C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント
レッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.
I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッ
ド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げら
れる。
【0072】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0073】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0074】これらの有機顔料は所望に応じて単独また
は複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加
量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは
3〜15質量%が選択される。
【0075】着色剤は表面改質して使用することもでき
る。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用す
ることができ、具体的にはシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好
ましく用いることができる。
【0076】本発明で得られたトナーには、流動性の改
良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添
剤を添加して使用することができる。これら外添剤とし
ては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、
有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0077】無機微粒子としては、従来公知のものを使
用することができる。具体的には、シリカ、チタン、ア
ルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら
無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的に
は、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の
市販品R−805、R−976、R−974、R−97
2、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−
2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−
720、TS−530、TS−610、H−5、MS−
5等が挙げられる。
【0078】チタン微粒子としては、例えば、日本アエ
ロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社
製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−5
00BS、MT−600、MT−600SS、JA−
1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−
500、TAF−130、TAF−510、TAF−5
10T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、
IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0079】アルミナ微粒子としては、例えば、日本ア
エロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産
業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0080】また、有機微粒子としては数平均一次粒子
径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用
することができる。このものとしては、スチレンやメチ
ルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体
を使用することができる。
【0081】滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、ア
ルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オ
レイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の
塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウ
ム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシ
ノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の
金属塩が挙げられる。
【0082】これら外添剤の添加量は、トナーに対して
0.1〜5質量%程度が好ましい。
【0083】《懸濁重合トナーの製造工程》本発明の重
合トナーの製造工程は、ラジカル重合性単量体中に重合
開始剤と顔料や離型剤などのトナーを構成するに必要な
成分を分散含有させる工程、顔料等を分散した前記分散
液を水中に分散しトナー程度の所望の粒径を有する液滴
に分散する工程、重合工程、分散安定剤を除去し洗浄、
濾過する工程、乾燥工程からなる。
【0084】顔料等を分散する際に使用される分散機は
特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的
ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイ
ザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマン
ミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙
げられる。なお、重合開始剤を添加する必要があるた
め、分散時の熱の影響を受けないように、冷却して分散
することが好ましい。
【0085】また、水系媒体中に上記分散液を分散する
際には形成される液滴が所望のトナー粒径になるように
調整する必要がある。この場合に使用される分散装置と
しては、TKホモミキサー、TKホモジェッター、回転
二重円筒、超音波分散機などをあげることができる。分
散を行う際に、顕微鏡などで分散液滴の粒径を観察し、
所定になった時点で分散を停止する方法で所望の分散径
を有する液滴を形成することができる。
【0086】ここで、本発明のトナーの粒径は、体積平
均粒径で3〜9μmが好ましい。これらのトナーの体積
平均粒径は、コールターカウンターTA−II、コールタ
ーマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製
レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定すること
ができる。コールターカウンターTA−II及びコールタ
ーマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのア
パーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒
径分布を用いて測定されたものを示す。
【0087】重合工程では重合開始剤の分解温度以上で
重合する。一般的には50〜90℃程度で重合させるこ
とが好ましい。
【0088】重合終了後、冷却し、分散安定剤を除去す
るために、酸を加えることが好ましい。酸としては、塩
酸、硫酸等を使用することができる。その後、濾過し、
水洗、乾燥することでトナーを得ることができる。
【0089】《塩析、融着型トナーの製造工程》本発明
の塩析、融着型トナーの製造工程は、乳化重合を行い樹
脂粒子あるいは着色剤を含有する樹脂粒子を調製する重
合工程、前記樹脂粒子分散液を用いて水系媒体中で樹脂
粒子と着色剤粒子あるいは着色剤を含有する樹脂粒子を
融着させる工程、得られた粒子を水系媒体中より漬過し
界面活性剤などを除去する洗浄工程、得られた粒子を乾
燥させる工程、さらに乾燥させて得られた粒子に外添剤
などを添加する外添剤添加工程などから構成される。こ
こで樹脂粒子としては着色された粒子であってもよい。
また、非着色粒子を樹脂粒子として使用することもでき
る、この場合には、樹脂粒子の分散液に着色剤粒子分散
液などを添加した後に水系媒体中で融着させることでさ
らに着色させることができる。
【0090】特に、融着の方法としては、重合工程によ
って生成された樹脂粒子を用いて塩析し、融着する方法
が好ましい。また、非着色の樹脂粒子を使用した場合に
は、樹脂粒子と着色剤粒子を水系媒体中で塩析し、融着
させることができる。
【0091】また、着色剤や離型剤に限らず、トナーの
構成要素である荷電制御剤等も本工程で粒子として添加
することができる。
【0092】なお、ここで水系媒体とは主成分として水
からなるもので、水の合有量が50質量%以上であるも
のを示す。水以外のものとしては、水に溶解する有機溶
媒を挙げることができ、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフランなどをあげることが
できる。樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなア
ルコール系有機溶媒が特に好ましい。
【0093】磁性体分散時の分散機は特に限定されない
が、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、
マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散
機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモン
ドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
【0094】ここで使用される界面活性剤は、前述の界
面活性剤を使用することができる。
【0095】塩析/融着を行う工程は、樹脂粒子及び磁
性粒子とが存在している水中にアルカリ金属塩やアルカ
リ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝
集剤として添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上
に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う
工程である。この工程では、水に無限溶解する有機溶媒
を添加し、樹脂粒子のガラス転移温度を実質的に下げる
ことで融着を効果的に行う手法を使用してもよい。
【0096】ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及び
アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類
金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げ
られる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素
塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0097】本発明の融着を塩析/融着で行う場合、塩
析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くする
ことが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析
した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、
粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面
性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添
加する温度としては少なくとも樹脂粒子のガラス転移温
度以下であることが必要である。この理由としては、塩
析剤を添加する温度が樹脂粒子のガラス転移温度以上で
あると樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するもの
の、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発
生したりする問題がある。この添加温度の範囲としては
樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には
5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
【0098】また、本発明では、塩析剤を樹脂粒子のガ
ラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに
昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱する方法
を使用することが好ましい。この昇温までの時間として
は1時間未満が好ましい。さらに、昇温を速やかに行う
必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上
が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に
温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御が
やりにくいという問題があり、5℃/分以下が好まし
い。
【0099】ここで、本発明の融着されて得られたトナ
ーの粒径は、体積平均粒径で3〜9μmが好ましい。こ
れらのトナーの体積平均粒径は、コールターカウンター
TA−II、コールターマルチサイザー、SLAD110
0(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等を
用いて測定することができる。コールターカウンターT
A−II及びコールターマルチサイザーではアパーチャー
径100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μm
の範囲における粒径分布を用いて測定されたものを示
す。
【0100】また、融着によって得られたトナーの形状
は、下記式で示される形状係数が1.3〜2.2の範囲
内にあり、且つ形状係数が1.5〜2.0の範囲にある
トナー粒子が80個数%以上であることが好ましい。
【0101】 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積 この形状係数は、走査型電子顕微鏡により500倍にト
ナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基
づいて「SCANNING IMAGE ANALYS
ER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行
う。この際、500個のトナー粒子を使用して本発明の
形状係数を上記算出式にて測定するものである。
【0102】形状係数の算術平均値が1.3未満の場合
は、形状が球形化してくるため、いわゆる感光体に対す
る付着性が高くなり、クリーニング不良を発生しやすく
なる。さらに、球形であることからトナーの現像領域へ
の搬送が不安定になり、画像ムラを発生する問題が起こ
りやすい。
【0103】一方、形状係数が2.1を越える場合に
は、不定形化が高くなり、機械的なストレスを受けた場
合にトナーの破砕が発生し、微粉の発生が起こりやすく
なり、本発明の磁性一成分現像では現像剤担持体や現像
剤層規制部材に対する汚染を引き起こしやすくなり、ト
ナーの帯電性の低下によるカブリなどの画像欠陥が起こ
りやすくなる。
【0104】さらに形状係数が1.5〜2.0の範囲に
あるトナー粒子が80個数%以上とすることで、形状の
分布を均一にすることができるため、より球形化された
トナーやより不定形化されたトナーの存在量を少なくす
ることができることから、前述の問題点を長期に亘って
抑制することができる。
【0105】〔トナー化工程〕トナー化工程は上記で得
られたトナー粒子をそのまま使用してもよいが、例えば
流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目
的として、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添
加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミ
キサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公
知の混合装置を使用することができる。
【0106】なお、トナー中には離型剤や荷電制御剤な
どの構成成分を使用したものでもよい。離型剤としては
低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カル
ナワワックス、アミドワックス、天然ワックスなどを使
用することができる。
【0107】荷電制御剤も同様に種々の公知のものを使
用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、
ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化
アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯
体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げら
れる。
【0108】これら離型剤や荷電制御剤の粒子は、分散
した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度と
することが好ましい。
【0109】《現像剤》本発明に用いられるトナーは、
一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは
二成分現像剤である。
【0110】一成分現像剤として用いる場合は、通常は
トナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有さ
せ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法として
は、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが
普通である。
【0111】又、キャリアと混合して二成分現像剤とし
て用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒
子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、そ
れらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従
来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ま
しい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15
〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが
よい。
【0112】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的
には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。
【0113】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被
覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散さ
せたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティ
ング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例え
ば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/ア
クリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或い
はフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂
分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限
定されず公知のものを使用することができ、例えば、ス
チレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹
脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0114】次に、本発明で用いられる感光体について
説明する。
【0115】本発明において、シロキサン系樹脂は公知
の方法により、水酸基或いは加水分解性基を有する有機
ケイ素化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合
物は下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0116】
【化1】
【0117】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Z1〜Z4は水酸基又は
加水分解性基を表す。) 上記一般式中のZ1〜Z4が加水分解性基の場合は、加水
分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチル
ケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プ
ロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエ
トキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に
炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリ
ル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシ
ドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピ
ル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリ
ロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3ージヒドロ
キシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プ
ロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の
含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−ク
ロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノ
ナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の
含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等
を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機
基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0118】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂の
原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般に
はケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1の
とき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。
nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやす
く、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが
可能である。従って、これらをコントロールすることに
より得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御
することが出来る。
【0119】又、前記ポリシロキサン硬化性樹脂の原料
としては前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性
条件下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化し
た加水分解縮合物を用いることもできる。
【0120】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網
目構造を形成させ、その結果生成したポリシロキサン樹
脂を意味する。
【0121】又、前記シロキサン系樹脂は該樹脂中に水
酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含
ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂
としてもよい。
【0122】また本発明中の電荷輸送能の定義として
は、通常のTime−Of−Flight法の電荷輸送
能を検知できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検
出電流が得られるものとして表現することがきる。
【0123】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と
は電荷輸送能を有する部分構造を含むシロキサン系樹脂
である。即ち、電子或いは正孔のドリフト移動特性を有
する化学構造(=電荷輸送性能を有する化合物基)をシ
ロキサン系樹脂中に化学構造として組み込ませた樹脂で
ある。具体的には本発明の電荷輸送性能を有する構造単
位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂とは
一般的に電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電
荷輸送性化合物又はCTMとも云う)をシロキサン系樹
脂中に化学構造として有している。
【0124】以下にシロキサン系樹脂中に有機珪素化合
物との反応により部分構造としての電荷輸送性能を有す
る化合物基を形成することのできる電荷輸送性化合物に
ついて説明する。
【0125】例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オ
キサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジ
ン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、
スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチア
ゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラ
ン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0126】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0127】本発明において、好ましい電荷輸送性能を
有する化合物基は、前記の如き通常用いられる電荷輸送
性化合物を含み、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原
子又は珪素原子を介して或いは該電荷輸送性化合物を部
分構造として有する化合物の炭素原子又は珪素原子を介
して下記式中Yの連結原子又は連結基を介してシロキサ
ン系樹脂中に有される。
【0128】
【化2】
【0129】(式中、Xは電荷輸送性能を有する化合物
基であって、該化合物基を構成する炭素原子又は珪素原
子を介して式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原
子(SiとC)を除いた2価以上の原子又は基であ
る。) 但し、Yが3価以上の原子の時は上式中のSiとC以外
のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれ
かの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と
連結した構造(基)を有する。
【0130】又、前記一般式の中で、Y原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましい。
【0131】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価
の有機基である。)電荷輸送付与基Xは上式中では1価
の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応さ
せる電荷輸送性化合物(以後反応性電荷輸送性化合物と
も云う)が2つ以上の反応性官能基を有している場合は
硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合し
てもよく、単にペンダント基として接合していてもよ
い。
【0132】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送性化合物中に導入された水酸基、メルカプト
基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機
珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹
脂中に電荷輸送化合物を部分構造として取り込む連結基
である。
【0133】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0134】前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよ
い。
【0135】X−(R7−OH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する化合物基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0136】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能を有する化合物基=Xとして有し、前記X
を構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたア
ルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物
が好ましく用いられる。
【0137】1.トリアリールアミン系化合物
【0138】
【化3】
【0139】2.ヒドラジン系化合物
【0140】
【化4】
【0141】3.スチルベン系化合物
【0142】
【化5】
【0143】4.ベンジジン系化合物
【0144】
【化6】
【0145】5.ブタジエン系化合物
【0146】
【化7】
【0147】6.その他の化合物
【0148】
【化8】
【0149】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。
【0150】例示化合物T−1の合成
【0151】
【化9】
【0152】ステップA 温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっく
り冷却した。
【0153】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。
【0154】ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであっ
た。
【0155】例示化合物S−1の合成
【0156】
【化10】
【0157】ステップA 温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、C
uを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化
合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して
20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化
合物(3)7gを得た。
【0158】ステップB 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気に
し、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化
ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、D
MF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温し
て16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却
した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが
7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後
に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0159】ステップC アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100ml
コルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投
入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)
2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間
攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出
し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、
濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44g
を得た。
【0160】ステップD 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、ア
ルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサ
ン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温し
た。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml
溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌し
た。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド
8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。
その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル2
00mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。
洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムに
て乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを
得た。
【0161】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。
【0162】メルカプト基を有する電荷輸送性化合物と
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカ
プト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬
化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成するこ
とが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙
げることができるが、下記構造に限定されるものではな
く、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している
化合物であればよい。
【0163】X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する化合物基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0164】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0165】
【化11】
【0166】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。
【0167】アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通
常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であれば
よい。
【0168】X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する化合物基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0169】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0170】
【化12】
【0171】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0172】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。
【0173】ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合
物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化
合物は化合物中の珪素原子を介してシロキサン系樹脂中
に部分構造として含有される。
【0174】 X−(−Y−Si(R113-a(R12an (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基で
あり、R11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル
基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基
を示し、Yは置換若しくは無置換のアルキレン基、アリ
ーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を
示す。) その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものが
ある。
【0175】
【化13】
【0176】前記硬化性シロキサン樹脂の形成原料:前
記一般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)とい
う)組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)
成分1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モ
ルを用いることが好ましい。
【0177】またコロイダルシリカ(E)を添加する場
合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総質量
100部に対し(E)を1〜30質量部を用いることが
好ましい。
【0178】また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシ
リカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電
荷輸送性化合物(F)を加える場合は、前記(A)+
(B)+(C)+(D)成分の総質量100部に対し
(F)を1〜500質量部を用いることが好ましい。前
記(A)+(B)成分が少ない場合はシロキサン系樹脂
層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+
(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分
だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリ
カ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向が
みられる。一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン
系樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上
昇を生じ、(F)成分が多い場合はシロキサン系樹脂層
の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0179】本発明のシロキサン系樹脂は予め構造単位
にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリ
マーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ
3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分解反応と
その後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノ
マー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成
する事もできる。
【0180】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有
する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成する
ことができる。
【0181】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0182】また本発明中の樹脂層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0183】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基
がアルコキシに変成されていても良い。)又、ヒンダー
ドアミンは、例えば下記構造式で示される有機基を有す
る化合物類が挙げられる。
【0184】
【化14】
【0185】(式中のR13は水素原子又は1価の有機
基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素
原子、水酸基又は1価の有機基を示す。)ヒンダードフ
ェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特
開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物
が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0186】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0187】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダートフェノール
系、「サノールLS2626」、「サノールLS76
5」、「サノールLS2626」、「サノールLS77
0」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、
「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マー
クLA67」、「マークLA62」、「マークLA6
8」、「マークLA63」以上ヒンダートアミン系、
「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」以
上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPE
P−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP
−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」
以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が
好ましい。
【0188】酸化防止剤の添加量としては樹脂層組成物
の総質量100部に対し、0.1〜10質量部を用いる
ことが好ましい。
【0189】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の樹脂
層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発
生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層
が複数の層から構成されていてもよい。
【0190】本発明における感光層に含有される電荷発
生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワ
リリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピ
リリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。
【0191】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0192】単層構成の感光層及び積層構成の場合の電
荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有され
るバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール
等が挙げられる。
【0193】本発明において電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:10〜1
0:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下
が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0194】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は質量比で10:1〜1:10が
好ましい。
【0195】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数
設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設
けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0196】本発明のシロキサン系樹脂層は、表面層が
電荷輸送層の場合は前記電荷輸送層を兼ねても良いが、
好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層
型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別
層の表面層として設けるのがよい。この場合、前記感光
層と本発明の樹脂層の間に接着層を設けても良い。
【0197】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0198】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0199】本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、
メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限
定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いら
れる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0200】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又
は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)
塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記
スプレー塗布については例えば特開平3−90250号
及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、
前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−1
89061号公報に詳細に記載されている。
【0201】本発明の感光体は前記樹脂層が塗布形成さ
れた後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度
で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残
存塗布溶媒を少なくすると共に、樹脂層を十分に硬化さ
せることができる。
【0202】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ま
しい。
【0203】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0204】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバ
インダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成する
ことができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好まし
く、特には10〜30μmが好ましい。
【0205】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0206】次に、本発明に用いられるクリーニング機
構について説明する。
【0207】図1に本発明に用いられるクリーニング機
構の1例についての断面図を示した。
【0208】本発明において前記クリーニングブレード
の感光体への当接荷重P、当接角θの好ましい値として
は、P=5〜40g/cm、θ=5〜35°である。
【0209】又、前記クリーニングブレード自由長Lは
図1に示すように支持部材3の端部から変形前のブレー
ドの先端点の長さを表す。該自由長の好ましい値として
はL=3〜15mm、である。前記クリーニングブレー
ドの厚さは0.5〜10mmが好ましい。
【0210】当接荷重Pはクリーニングブレード2を感
光体ドラム1に当接させたときの圧接力P′の法線方向
ベクトル値である。
【0211】又当接角θは感光体の当接点Aにおける接
線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)との
なす角を表す。
【0212】前記ブレードクリーニング方式に用いられ
る弾性体ゴムブレードの材質としてはウレタンゴム、シ
リコーンゴム、フッソゴム、クロロピレンゴム、ブタジ
エンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴ
ムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点で特に好
ましい。例えば、特開昭59−30574号に記載のポ
リカプロラクトンエステルとポリイソシアネートとを反
応硬化せしめて得られるウレタンゴム等が好ましい。
【0213】弾性体ゴムブレードの物性のうち硬度と反
発弾性を同時にコントロールすることにより有効にブレ
ードの反転を抑制できる。25±5℃におけるブレード
のJISA硬度が65よりも小さくなるとブレードの反
転が起こり易くなり、80より大きくなるとクリーニン
グ性能が低下する。また、反発弾性が75%を超えると
ブレードの反転がおこり易くなり、20%以下だとクリ
ーニング性能が低下する(JISA硬度及び反発弾性と
もJISK6301の加硫ゴム物理試験方法に基づき測
定する)。
【0214】図2は本発明の電子写真感光体を有する画
像形成装置の1例を示す断面図である。
【0215】図2において10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0216】感光体への一様帯電ののち像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0217】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアを有する現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14が
設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵
し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によっ
て行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとして
そのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0218】カラー画像形成においては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0219】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0220】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域
へと給紙される。
【0221】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0222】次いで記録紙(普通紙、OHP紙等で記録
材とも云う)Pは転写ローラとほぼ同時に圧接状態とさ
れた分離ブラシ(分離器)19によって除電がなされ、
感光体ドラム10の周面により分離して定着装置20に
搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、
加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラ21を介
して装置外部に排出される。なお前記の転写ローラ18
及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感光体ドラム1
0の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備え
る。
【0223】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0224】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0225】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0226】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0227】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0228】尚、記録材は代表的には普通紙であるが、
現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定され
ず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0229】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0230】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的に述べる
が、本発明はこの態様に限定されるものではない。な
お、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0231】(トナーの作製) トナー1の作製 スチレン=165g、n−ブチルアクリレート=35
g、カーボンブラック=20g、メタクリル酸=8g、
低分子量ポリプロピレン=20gを30℃に加温しなが
らサンドグラインダーにて分散させた。ついで、重合開
始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリ
ル)=2.5gを加えて溶解させ、重合性単量体組成物
を調製した。ついで、イオン交換水710gに0.1M
燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサ
ーにて12000rpmで撹拌しながら1.0M塩化カ
ルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散
させた懸濁液を調製した。この懸濁液に上記重合性単量
体組成物を添加し、TKホモミキサーにて10000r
pmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を水系媒体
中に分散させ、平均粒径が約8μmの液滴に分散させ
た。その後、75℃にて10時間反応させた。冷却した
後、塩酸を加え燐酸三カルシウムを溶解除去し、ついで
濾過、洗浄、乾燥を行って体積平均粒径が7.9μmの
球形粒子を得た。これを「粒子1」とする。
【0232】上記懸濁重合で得られた「粒子1」に疎水
性シリカ(一次数平均粒子径=12nm)を1質量%添
加して「トナー1」を得た。
【0233】トナー2の作製 n−ドデシル硫酸ナトリウムを0.90kgと純水1
0.0Lを入れ撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リー
ガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.
20kgを徐々に加え、添加後1時間よく撹拌する。つ
いで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、
20時間連続分散した。
【0234】分散後、大塚電子社製・電気泳動光散乱光
度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定
した結果、重量平均径は122nmであった。また、静
置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度
は16.6質量%であった。この分散液を「着色剤分散
液1」とする。
【0235】ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.055kgを入れ、イオン交換水4.0Lを加え、
室温下撹拌溶解する。これを、アニオン界面活性剤溶液
Aとする。
【0236】ポリオキシエチレンフェニルエーテル0.
014kgを入れ、イオン交換水4.0Lを加え、室温
下撹拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Aと
する。
【0237】過硫酸カリウム223.8gを入れ、イオ
ン交換水12.0Lを加え、室温下撹拌溶解する。これ
を、開始剤溶液Aとする。
【0238】温度計、冷却管、窒素導入装置を付けた反
応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000の
ポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=12
0nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgとアニ
オン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液A及び
イオン交換水44.0lを加え撹拌する。
【0239】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、開始剤溶液Aを添加する。その後、液温度を7
5℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとア
クリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.0
4kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを均一に
溶解させた溶液を投入する。
【0240】さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、
6時間加熱撹拌を行った。
【0241】液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止す
る。ポールフィルターで濾過し、これをラテックスA1
とした。
【0242】なお、ラテックスA1中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0243】過硫酸カリウム200.7gを入れ、イオ
ン交換水12.0lを加え、室温下撹拌溶解する。これ
を、開始剤溶液Bとする。
【0244】温度計、冷却管、窒素導入装置をつけた反
応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000の
ポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=12
0nm/固形分濃度29.9%)3.41kgとアニオ
ン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液Aとを入
れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0l
を投入する。
【0245】加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、開始剤溶液Bを添加する。この時、スチレン1
1.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.
02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
【0246】その後、液温度を72℃±2℃に制御し
て、6時間加熱撹拌を行った。さらに、液温度を80℃
±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。
【0247】液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止す
る。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックス
B1とした。
【0248】なお、ラテックスB1中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0249】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gとイオン交換水20.0Lからなる水溶液を、塩化ナ
トリウム溶液Aとする。
【0250】温度計、冷却管、窒素導入装置をつけた反
応釜に、上記で作製したラテックスA1=20.0kg
とラテックスB1=5.2kgと着色剤分散液1=0.
4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌する。
ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソ
プロパノール6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液A
をこの順に添加する。その後、10分間放置した後に、
昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温する。液
温度85℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着
させる。その後、40℃以下に冷却し撹拌を停止する。
目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液と
する。
【0251】ついで、ヌッチェを用いて、会合液より
ウェットケーキ状の着色粒子を濾取した。その後、イオ
ン交換水により洗浄した。
【0252】上記で洗浄を完了したウエットケーキ状の
着色粒子を、ヌッチェより取り出し、送風乾燥機を使用
し、40℃にて棚乾燥を100時間行った。
【0253】乾燥を完了したブロック状の着色粒子を、
ヘンシェル粉砕器で解砕した。
【0254】以上のようにして得られた着色粒子を「着
色粒子2」とする。なお、「着色粒子2」の構成成分で
ある樹脂粒子の分子量は重量平均分子量=5.5万、軟
化点=125℃、ガラス転移温度=57℃、体積平均粒
径=6.53μmであり、形状係数は1.92で形状係
数が1.5〜2.0の範囲のものは97個数%であっ
た。
【0255】上記「着色粒子2」に疎水性シリカ(一次
数平均粒子径=12nm)を1質量%添加して「トナー
2」を得た。
【0256】トナー3の作製 スチレンアクリル樹脂=100部、カーボンブラック1
0部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=300
0)=4部とを溶融、混練、粉砕して体積平均粒径が
6.9μmの着色粒子を得た。この粒子を「着色粒子
3」とする。
【0257】上記混練、粉砕により得られた「着色粒子
3」に疎水性シリカ(一次数平均粒子径=12nm)を
1質量%添加して「トナー3」を得た。
【0258】(現像剤の作製)下記トナーとキャリアよ
りなる現像剤を調製した。
【0259】また、前記これら「トナー1」、「トナー
2」、「トナー3」のそれぞれとスチレンアクリル樹脂
を被覆した体積平均粒径が45μmのフェライトキャリ
アを混合してトナー濃度が6%の現像剤を調製し印字評
価に使用した。この現像剤をトナーに対応して「現像剤
1」「現像剤2」「現像剤3」とする。
【0260】(感光体の作製) 感光体1の作製 導電性支持体として表面粗さRz(十点平均粗さ)=
1.5μm、直径80mm、高さ355mmのアルミニ
ウム支持体を用いた。
【0261】 〈中間層〉 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤 17g 2−プロパノール 150ml を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布
液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、
120℃1時間乾燥して膜厚1.0μmの中間層を形成
した。
【0262】 〈電荷発生層〉 チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液 :信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。
【0263】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート (ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0264】 〈樹脂層〉 トリメトキシメチルシラン 180g 1−ブタノール 280ml 1%酢酸水溶液 106ml を混合して60℃で2時間攪拌した後、さらに370m
lの1−ブタノールを加えて48時間攪拌を続けた。
【0265】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)67.5g、酸化防止剤(サ
ノールLS2626:三共社製)1.7g、ジブチル錫
アセテート4.5gを加えて混合し、この溶液を乾燥膜
厚1μmの樹脂層として塗布して、120℃、1時間の
加熱硬化を行い感光体1を作製した。
【0266】感光体2の作製 次に感光体1において樹脂層のジヒドロキシトリフェニ
ルアミン(例示化合物T−1)の代わりに4−[2−
(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミン
(例示化合物Si−1)に代えたほかは感光体1と同様
にして感光体2を作製した。
【0267】感光体3の作製 次に感光体1において樹脂層のジヒドロキシトリフェニ
ルアミン(例示化合物T−1)を除いたほかは感光体1
と同様にして感光体3を作製した。
【0268】評価 画像評価器 上記のようにして作製された感光体及びトナーを用いて
表1に示したように組み合わせ、デジタル複写機「Ko
nica7050」に組み込み評価を行った。デジタル
複写機「Konica7050」は半導体レーザー露
光、反転現像プロセスを使用し、図2に示したように帯
電、露光、現像、転写、クリーニング、消去露光の各工
程を感光体周辺に有している。クリーニング条件として
は、下記のブレードクリーニングを使用した。即ち、ゴ
ム硬度JISA70°、反発弾性25、厚さ2mm、自
由長9mmのポリウレタン製弾性ゴムブレードを当接角
20°で感光体の回転に対してカウンター方向に、重り
荷重方式で押圧力20g/cmで当接した。
【0269】尚、現像条件は下記の通りとした。
【0270】DCバイアス ;−500V Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm 現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式 現像剤層厚 ;700μm 現像スリーブ径;40mm
【0271】
【表1】
【0272】評価方法 評価は、画素率が7%の文字画像(A4)を使用し、1
枚間欠モードにて5万枚の印字を35℃/80%RHの
高温高湿条件で実施し、1万枚毎に12時間放置を行
い、評価とした。
【0273】画質評価として、1万枚終了時点と12時
間放置後でハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を印
字し、最大画像濃度、カブリ、画像流れの有無を評価し
た。また、クリーニング性評価として、スジや白又は黒
点(直径0.3mmφ以上のもの)等の画像欠陥の有無
及び感光体表面の付着物の有無を評価した。
【0274】画像濃度はベタ黒画像を5箇所、マクベス
社製RD−918を使用し絶対反射濃度で測定し、その
平均値とした。また、カブリ濃度はベタ白画像をマクベ
ス社製反射濃度計RD−918を使用し、紙の反射濃度
を「0」とし、10箇所測定した最大濃度を相対反射濃
度で示した。
【0275】評価結果を表2に示す。
【0276】
【表2】
【0277】表2より、本発明の要件を満たした現像剤
は5万枚の実写テストにおいて、高温高湿条件下で複写
テストにおいても、濃度やカブリ等の画質は良好であ
り、且つ画像ボケ、筋や斑点状のクリーニング不良に伴
う画像欠陥が著しく改良され、明らかに優れた画像が得
られている。
【0278】
【発明の効果】本発明は減耗の少ない有機電子写真感光
体に特定の重合トナーを組み合わせた構成をとること
で、高温高湿環境下においても画像ボケ、筋状或いは斑
点状の画像欠陥の発生が防止され、高耐久、高画質の複
写画像が得られる画像形成方法、画像形成装置及び該装
置に用いられる現像剤を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるクリーニング機構の1例に
ついての断面図。
【図2】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置
の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 クリーニングブレード 3 支持部材 4 押圧バネ 5 支点 θ 当接角 L 自由長 P 当接荷重 10 感光体ドラム(又は感光体) 11 発光ダイオード等を用いた露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 誠式 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 伊丹 明彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AB03 AB06 CA03 CA04 CA15 CB18 2H068 AA03 BB32 BB44 BB57 EA04 FA01 FA03 FC08 FC15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上の潜像を現像剤により
    現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感
    光体上に残留するトナーをクリーニングする画像形成方
    法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に電荷
    輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
    るシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真
    感光体であり、且つ該現像剤に用いられるトナーが少な
    くとも重合性単量体と着色剤とからなる重合性組成物を
    水系媒体中において懸濁重合させて得られたトナーであ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が電荷輸送
    性能を有する化合物基を部分構造として有するシロキサ
    ン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の画像形
    成方法。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基或
    いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を
    有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られることを
    特徴とする請求項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体上の潜像を現像剤により
    現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感
    光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段を
    有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電
    性支持体上に電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且
    つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層
    を有する電子写真感光体であり、且つ該現像剤に用いら
    れるトナーが少なくとも重合性単量体と着色剤とからな
    る重合性組成物を水系媒体中において懸濁重合させて得
    られたトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に電荷輸送性能を有する
    構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
    脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体上の潜像を
    現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に
    転写後、該感光体上に残留するトナーをクリーニングす
    る画像形成装置に用いられる現像剤が少なくとも重合性
    単量体と着色剤とからなる重合性組成物を水系媒体中に
    おいて懸濁重合させて得られたトナーを含有することを
    特徴とする現像剤。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体上の潜像を現像剤により
    現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感
    光体上に残留するトナーをクリーニングする画像形成方
    法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に電荷
    輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
    るシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真
    感光体であり、且つ該現像剤に用いられるトナーが少な
    くとも樹脂粒子を水系媒体中において融着させて得られ
    たトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が電荷輸送
    性能を有する化合物基を部分構造として有するシロキサ
    ン系樹脂であることを特徴とする請求項6記載の画像形
    成方法。
  8. 【請求項8】 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基或
    いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を
    有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られることを
    特徴とする請求項6又は7記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体上の潜像を現像剤により
    現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感
    光体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段を
    有する画像形成装置において、該電子写真感光体が導電
    性支持体上に電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且
    つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層
    を有する電子写真感光体であり、且つ該現像剤に用いら
    れるトナーが少なくとも樹脂粒子を水系媒体中において
    融着させて得られたトナーであることを特徴とする画像
    形成装置。
  10. 【請求項10】 導電性支持体上に電荷輸送性能を有す
    る構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系
    樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体上の潜像
    を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材
    に転写後、該感光体上に残留するトナーをクリーニング
    する画像形成装置に用いられる現像剤が少なくとも樹脂
    粒子を水系媒体中において融着させて得られたトナーを
    含有することを特徴とする現像剤。
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