JP3731398B2 - 画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンター等に関連した電子写真分野の画像形成方法、画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年地球環境問題の高まりから、電子写真プロセスを用いた画像形成プロセスにおいても、省資源、省エネルギーを目的としたいくつかの技術開発がなされている。具体的には特開昭63−313182号、特開平2−157882号のようなサーフ定着と呼ばれる定着フィルムを介した通電発熱体による定着方式や特開平2−33175号、電子写真学会誌31(2)1992P.54〜61の様にトナー定着プロセスの熱容量を小さくして使用電力量を削減する事による省エネルギーや、トナーのリサイクル化による廃トナー削減、感光体の高寿命化による省資源が検討されている。これらの技術は個々独立した機能で設計され最終的に組み合わされていくが、実際に画像形成方法又は装置として動作させる場合には相互の影響で予期せぬ不都合が発生し問題となる。
【0003】
一般的に電子写真プロセスにおいては加熱溶融の定着プロセスが必須であり、熱が加わらない圧力定着も開発されているものの、その定着性、トナーの安定性の問題から未だ定着の主流となっていない。現状はできるだけ発熱量を押さえた定着装置の使用が主流となっている。
【0004】
しかしながら定着方法が熱ローラ定着を用いて省エネルギーを図った場合には、低温低湿下で加熱むらが発生しやすく、定着不良が発生し問題となった。
【0005】
又、省資源の観点からは感光体の高寿命化が要望されており、そのためには感光層の減耗量の抑制、耐傷性向上、電位安定性の向上、表面異物付着性の低減(クリーニング性の向上)が大きな課題である。そこで、特開昭61−51155号に記された如く、物理的強度向上の観点から表面層の減耗量が小さくなるようにシロキサン樹脂層の保護層を設置した感光体が提案されている。
【0006】
これらの感光体は、通常の電子写真プロセスを有する画像形成装置でその耐久性を評価されてはいるが、実際各種プロセスと組合わせた場合にはいくつかの課題が発生し問題となった。その中で特に上述の省エネルギープロセスと保護層を設置した感光体を組み合わせた場合に、高温高湿下で画像ボケが発生し、問題となった。
【0007】
この原因としては、これまで認識されていなかったことではあるが、従来の加熱定着器を装備している画像形成装置は、加熱定着器による機内温度上昇が装置内の湿度を外気に比べ相対的に低下させる効果があり、従来の高エネルギー加熱定着器では高湿度環境での画像ボケに効果があったことが本発明の検討中に明らかとなった。
【0008】
特に上記シロキサン樹脂の保護層を設けた感光体を省エネルギープロセスと組み合わせた場合には、上記保護層が親水性の強いシロキシ結合を数多く含むことから、高湿度環境下で画像ボケの発生やトナーフィルミングの問題が発生し、省エネルギープロセスを設計するに際し大きな問題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の様な問題点を解決し、物理的強度が高い表面層を有する感光体を省エネルギーの定着方法と組み合わせた場合に、高湿条件下においても画像ボケが発生することなく、高画質で安定した電子写真画像が得られる画像形成方法、画像形成装置を提供することであり、又、改良されたシロキサン樹脂層を有する電子写真感光体を用いることにより、省エネルギー定着器を用いた場合に発生する高温高湿、低温低湿環境下での種々の電子写真画像形成に関する問題点を解決した画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題解決のため鋭意努力した結果、本発明の目的は下記の構成のいずれかをとることにより達成されることを見出した。
【0011】
1.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該トナー像を発熱体を用いて加熱溶融定着を行う画像形成方法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される有機ケイ素化合物の少なくとも1種以上と下記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物とを反応させて得られる電荷輸送性能を有する部分構造の構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有し、該トナー像が加熱溶融性樹脂を有するトナー像であり、該トナー像を定着フィルムを介してパルス状に通電する通電発熱体により加熱溶融定着することを特徴とする画像形成方法。
【化C】
Figure 0003731398
(式中、R 1 〜R 6 は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Z 1 〜Z 4 は水酸基又は加水分解性基を表す。)
一般式(1)
X−(R 7 −OH) m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する基、
7 :単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0012】
2.前記樹脂層がヒンダードフェノール系化合物或いはヒンダードアミン系化合物を含有することを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0013】
3.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該トナー像を発熱体を用いて加熱溶融定着を行う画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される有機ケイ素化合物少なくとも1種と下記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物とを反応させて得られる電荷輸送性能を有する部分構造の構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有し、該トナー像が加熱溶融性樹脂を有するトナー像であり、該トナー像を定着フィルムを介してパルス状に通電する通電発熱体により加熱溶融定着することを特徴とする画像形成装置。
【化D】
Figure 0003731398
(式中、R 1 〜R 6 は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Z 1 〜Z 4 は水酸基又は加水分解性基を表す。)
一般式(1)
X−(R 7 −OH) m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する基、
7 :単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0014】
4.前記樹脂層がヒンダードフェノール系化合物或いはヒンダードアミン系化合物を含有することを特徴とする前記3に記載の画像形成装置。
【0015】
5.前記通電発熱体のピーク温度が所定温度になるようにパルス幅制御を行うことを特徴とする前記3又は4の画像形成装置。
【0016】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明に用いられる通電発熱体を用いた加熱定着の画像形成方法及び装置について説明する。
【0018】
図1は本発明の画像形成装置の1例を示す断面図である。
【0019】
図1に於いて10は像担持体である電子写真感光体ドラムであり、導電性支持体を通して接地され、時計方向に回転駆動される。12はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0020】
感光体への一様帯電の後像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0021】
その静電潜像は次いで現像器14で現像される。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段によって現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。
【0022】
カラー画像形成に於いては、1色目の顕像化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0023】
一方モノクロの電子写真装置では現像器14は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成することができる。
【0024】
記録体Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へと給紙される。
【0025】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された記録体Pを挟着して多色像が一括して転写される。
【0026】
次いで記録体(記録紙とも云う)Pは転写ローラとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定着器20に搬送される。定着器20は通電加熱体200、定着フィルム204、圧着ローラ202から構成され、記録体Pは定着フィルム(耐熱性シート)204と圧着ローラ202の間を通過し、加熱によってトナー(T)を溶着したのち排紙ローラ21を介して装置外部に排出される。尚、206は定着フィルム送り出し軸、205は定着フィルム巻き取り軸、207は定着フィルム残量検知アーム、208は記録体Pの検知レバー、209は記録体検知センサー、203は分離ローラである。
【0027】
次に、前記の転写ローラ18及び分離ブラシ19は記録体Pの通過後感光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0028】
一方記録体Pを分離した後の感光体ドラム10は、クリーニング器22のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わせて形成する場合には、前記のブレード221は感光体面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の周面より退避する。
【0029】
尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0030】
図1の通電加熱体200を用いた加熱溶融定着について図2を用いて詳しく説明する。
【0031】
図2に通電加熱体を用いた加熱溶融定着器の概念図を示す。
【0032】
記録体P上に転写されたトナー(T)は定着フィルム204と圧着ローラ202で形成されたニップ部を通過して定着される。そして、このニップ部は定着フィルムを介して通電加熱体200上にセラミックヒーターから構成されている発熱体201により加熱され、このニップ部の加熱によりトナーは溶融定着される。上記定着器は発熱体への通電をパルス状にすることにより、加熱領域を上記ニップ部周辺のみに限定することができ、定着器の加熱に要する消費電力を大幅に小さく設計できるが、このことは又、複写機等の機内温度が一定温度に上昇せず電子写真感光体等の画像形成に関連する他のプロセス械器はそれらが置かれた周辺環境の温湿度に影響され易くなる。
【0033】
上記図2に於いて、発熱体はアルミナ等の耐熱性、電器絶縁性基材(図2の200)の上に(図2では下側の201)Ta2N等のセラッミク成分を蒸着等で形成し、更にその上に保護層としてTa25等の成分が形成されている。発熱体の大きさは幅が50μm〜500μmで、長さは記録紙等の幅サイズによるが、一般的には150mm〜400mmが用いられる。
【0034】
上記図2に於いて、定着フィルムとしては熱処理を施したポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等が好ましく用いられ、シートの厚さは3〜100μmが好ましい。
【0035】
上記発熱体201は熱容量が小さくパルス状の通電により瞬時に定着温度(200℃以上)迄昇温する事ができるため、記録紙の通過に合わせて必要な時間のみ加熱することができる。通電加熱体200には温度検知素子を設けており、加熱体の温度や記録体Pの通過タイミングを検知して発熱体201に加えるパルス状通電のパルス幅を変えることもできる。例えばパルス状通電の時間は5ms毎に0.5〜4msの割合で変えることができる。
【0036】
次に図2に於いて、圧着ローラは金属等より成る芯材上にシリコーンゴム等より成る弾性層を有するものであり、駆動部により駆動されて、搬送されてきた未定着トナー画像を有する記録紙を、記録紙と同一の速度で移動する定着フィルムを介して加熱体に密着させる。
【0037】
図2に於いて定着フィルムはエンドレスとして図示しているが、一般的には図1のように未定着側から定着後の方向に定着フィルムを一方向移動させる構成がもちいられる。又、必要によりニップ部を通過した記録紙を定着フィルムから分離する分離手段を設けても良い。
【0038】
次に本発明の電子写真感光体について説明する。
【0039】
一般にポリシロキサン樹脂は公知の方法により、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0040】
【化1】
Figure 0003731398
【0041】
(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Z1〜Z4は水酸基又は加水分解性基を表す。)
上記一般式中のZ1〜Z4が加水分解性基の場合は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0042】
シロキサン樹脂の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0043】
又、前記シロキサン樹脂の原料としては前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮合物を用いることもできる。
【0044】
尚、架橋構造を有するシロキサン樹脂とは前記の如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキサン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を形成させ、その結果生成したポリシロキサン樹脂を意味する。
【0045】
又、前記シロキサン樹脂は該樹脂中に水酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよい。
【0046】
上記の如くして形成されるシロキサン樹脂をそのまま感光体の表面層、それに準じる樹脂層として用いると、前記したように親水性の強いシロキサン結合を多量に含むことから、高温高湿下或いは低温低湿下に於いて電子写真特性が劣化し、画像ボケやカブリの発生を引き起こす。
【0047】
本発明はこのような課題を解決するため、前記シロキサン樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分構造として組み込み、親水性の強いシロキサン樹脂の疎水化度を高めると同時に、該シロキサン樹脂の電子写真特性を改善し、高温高湿条件下でも、低温低湿条件下でも良好な電子写真画像が得られ、環境依存性が大きい定着装置との組み合わせに於いても、良好で安定な電子写真画像が得られる。
【0048】
前記シロキサン樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分構造として組み込んだ樹脂、即ち電荷輸送性能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は前記有機ケイ素化合物と以下に記す反応性電荷輸送性化合物との反応により得られる。
【0049】
尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現することもできる。
【0050】
次に反応性基として水酸基、メルカプト基、アミン基、有機珪素含有基を有する前記反応性電荷輸送性化合物について説明する。
【0051】
本発明に係わる反応性電荷輸送性化合物は、硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物を挙げることができる
【0052】
一般式(1)
X−(R7−OH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する基、
7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0053】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送性能を有する基=Xとして有し、前記Xを構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0054】
1.トリアリールアミン系化合物
【0055】
【化2】
Figure 0003731398
【0056】
2.ヒドラジン系化合物
【0057】
【化3】
Figure 0003731398
【0058】
3.スチルベン系化合物
【0059】
【化4】
Figure 0003731398
【0060】
4.ベンジジン系化合物
【0061】
【化5】
Figure 0003731398
【0062】
5.ブタジエン系化合物
【0063】
【化6】
Figure 0003731398
【0064】
6.その他の化合物
【0065】
【化7】
Figure 0003731398
【0066】
次に、水酸基を有する反応性電荷輸送性化合物の合成例について述べる。
【0067】
例示化合物T−1の合成
【0068】
【化8】
Figure 0003731398
【0069】
ステップA
温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくり冷却した。
【0070】
析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。
【0071】
ステップB
化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベンに投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
【0072】
例示化合物S−1の合成
【0073】
【化9】
Figure 0003731398
【0074】
ステップA
温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、Cuを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化合物(3)7gを得た。
【0075】
ステップB
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気にし、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、DMF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温して16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0076】
ステップC
アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44gを得た。
【0077】
ステップD
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温した。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌した。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル200mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを得た。
【0078】
次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。
【0079】
メルカプト基を有する電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよい。
【0080】
X−(R8−SH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する基、
8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0081】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0082】
【化10】
Figure 0003731398
【0083】
更に、アミノ基を有する反応性電荷輸送性化合物について説明する。
【0084】
アミノ基を有する反応性電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であればよい。
【0085】
X−(R9−NR10H)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する基、
9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置換のアリーレン基、
10:水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のアリール基、
m:1〜5の整数である。
【0086】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0087】
【化11】
Figure 0003731398
【0088】
アミノ基を有する反応性電荷輸送性化合物の中で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10はブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0089】
更に、ケイ素原子含有基を有する反応性電荷輸送性化合物について説明する。
【0090】
ケイ素原子含有基を有する反応性電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化合物は化合物中の珪素原子を介してシロキサン系樹脂中に部分構造として含有される。
【0091】
X−(−Y−Si(R113-a(R12an
(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Yは置換若しくは無置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。)
前記電荷輸送性能を有する構造単位を含む基:Xは一般に電荷輸送性物質或いは電荷輸送性化合物(以下CTMとも云う)として知られる化合物基であり、例えば以下に示すような化合物基が挙げられる。
【0092】
正孔輸送型CTMとしては:オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化合物基が挙げられる。
【0093】
一方、電子輸送型CTMとしては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化合物基が挙げられる。
【0094】
前記シロキサン系樹脂の原料、即ち前記一般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)の有機珪素化合物組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用いることが好ましい。
【0095】
またコロイダルシリカ(E)を添加する場合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(E)を1〜30重量部を用いることが好ましい。
【0096】
また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物(F)を加える場合は、前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(F)を1〜500重量部を用いることが好ましい。前記(A)+(B)成分が少ない場合はシロキサン系樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向がみられる。一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン系樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、(F)成分が多い場合はシロキサン系樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。又、前記したように反応性電荷輸送性化合物はコロイダルシリカ表面の水酸基とも反応性を有し、コロイダルシリカ表面の水酸基との反応により架橋構造を有するシロキサン系樹脂中に電荷輸送性を有する構造単位を含有させることも可能である。
【0097】
本発明の架橋構造を有するシロキサン系樹脂は予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成する事もできる。
【0098】
シロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに加えてコロイダルシリカを樹脂形成に用いるとコロイダルシリカ表面の多数の水酸基がシロキサン樹脂の架橋点となり、強硬度の架橋構造を有するシロキサン樹脂層が形成される。又、コロイダルシリカ表面の水酸基は反応性電荷輸送性化合物とも反応性を有し、該化合物とコロイダルシリカ表面の水酸基との反応により電荷輸送性を有する構造単位は架橋構造を有するシロキサン系樹脂中に含有させても良い。
【0099】
また前記の3次元網目構造を形成させる触媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0100】
本発明において、電荷輸送性能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂中の電荷輸送性能を有する構造単位は前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカ表面の水酸基と反応性電荷輸送性化合物との反応により下記のような化学結合を通して前記シロキサン系樹脂中に組み込まれると考えられる。即ち、反応性電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又は珪素原子を介して下記式中Yの連結原子又は連結基を介してシロキサン系樹脂中に含有されていると推定される。
【0101】
【化12】
Figure 0003731398
【0102】
(式中、Xは電荷輸送性能を有する基であって、該付与基を構成する炭素原子又は珪素原子を介して式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の原子又は基である。)
但し、Yが3価以上の原子の時は上式中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0103】
又、前記一般式の中で、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0104】
ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価の有機基である。)
電荷輸送付与基Xは上式中では1価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化合物(以後反応性電荷輸送性化合物とも云う)が2つ以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0105】
前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞれ電荷輸送性化合物中に導入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹脂中に電荷輸送化合物を部分構造として取り込む連結基である。
【0106】
また本発明中の表面層にはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0107】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)
又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0108】
【化13】
Figure 0003731398
【0109】
(式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。)
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0110】
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0111】
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
【0112】
【化14】
Figure 0003731398
【0113】
【化15】
Figure 0003731398
【0114】
【化16】
Figure 0003731398
【0115】
【化17】
Figure 0003731398
【0116】
【化18】
Figure 0003731398
【0117】
【化19】
Figure 0003731398
【0118】
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダートフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダートアミン系、「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」以上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0119】
酸化防止剤の添加量としては表面層組成物の総重量100部に対し、0.1〜10重量部を用いることが好ましい。
【0120】
本発明の電子写真感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の表面層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層が複数の層から構成されていてもよい。
【0121】
本発明に於ける感光層に含有される電荷発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。
【0122】
前記感光層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0123】
単層構成の感光層及び積層構成の場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0124】
本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:10〜10:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0125】
又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は重量比で10:1〜1:10が好ましい。
【0126】
電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0127】
本発明のシロキサン系樹脂層は、表面層が電荷輸送層の場合は前記電荷輸送層を兼ねても良いが、好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別層の表面層として設けるのがよい。この場合、前記感光層と本発明の表面層の間に接着層を設けても良い。
【0128】
次に本発明の電子写真感光体の導電性支持体としては、
1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、
2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの、
3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
【0129】
本発明で用いられる導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0130】
本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0131】
次に本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0132】
本発明の感光体は前記表面層が塗布形成された後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残存塗布溶媒を少なくすると共に、表面層を十分に硬化させることができる。
【0133】
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
【0134】
中間層用の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップリング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0135】
本発明においては、更に、支持体と中間層との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すことや、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設けることができる。この導電層は、カーボンブラック、金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバインダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。
【0136】
本発明で用いられる加熱溶融性樹脂を有するトナーとは熱溶融性或いは熱軟化性樹脂をトナーの結着樹脂として用いたトナーを云う。該結着樹脂としては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0137】
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0138】
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわない。
【0139】
該結着樹脂の合成方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法及び乳化重合法のいずれでも良い。
【0140】
本発明のトナーに用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0141】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノール誘導体等。
【0142】
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0143】
また、架橋成分としても働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
【0144】
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0145】
また、本発明における3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0146】
本発明に用いられるアルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%であることが好ましい。
【0147】
また3価以上の多価の成分は、全成分中の1〜60mol%であることも好ましい。
【0148】
現像性、定着性、耐久性、クリーニング性の点からスチレン−不飽和カルボン酸誘導体共重合体、ポリエステル樹脂、及びこれらのブロック共重合体、グラフト化物、更にはスチレン系共重合体とポリエステル樹脂の混合物が好ましい。本発明のトナーに使用される結着樹脂のTg(ガラス転移点)は、好ましくは50〜70℃である。
【0149】
また、本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、GPCにより測定される分子量分布で10以上の領域にピークを有することが好ましく、更に3×103〜5×104の領域にもピークを有することが定着性、耐久性の点で好ましい。
【0150】
また、熱ロール定着時の離型性をよくする目的で低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等の、ワックス状物質を結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部程度添加することも本発明の好ましい形態の一つであるが、この場合は、結着樹脂としてスチレン系共重合体を使用する時には、ワックスの効果を十分に発揮させるとともに可塑効果による弊害である耐ブロッキング性、現像性の悪化を防ぐために、以下のようなトナーが好ましい。
【0151】
本発明に使用されるトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加することが好ましい。
【0152】
本発明に用いられるシリカ微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(特に30〜400m2/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するのが良い。
【0153】
また、該シリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、あるいは種々の処理剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0154】
また、現像性、耐久性を向上させるために次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイトなどリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトなどの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが好ましい。
【0155】
更に次のような滑剤粉末を添加することもできる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびアミノ酸誘導体が挙げられる。
【0156】
本発明のトナーは、キャリアと併用して二成分現像剤として用いることができ、二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものがすべて使用可能であるが、具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物などの平均粒径20〜300μmの粒子が使用される。
【0157】
またそれらキャリア粒子の表面に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂等の物質を付着または被覆させたもの等が好ましく使用される。
【0158】
本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が挙げられる。
【0159】
これらの強磁性体は平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0160】
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料があげられる。トナーの着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。
【0161】
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製するには、上記荷電制御剤、結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、又は染料、磁性体、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るトナーを得ることが出来る。
【0162】
さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0163】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0164】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0165】
(1)感光体の作製
「感光体作製例1」(本発明内)
下記のごとくして感光体を作製した。
【0166】
〈中間層〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ(株)製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0167】
〈電荷発生層〉
Figure 0003731398
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0168】
〈電荷輸送層〉
Figure 0003731398
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0169】
〈保護層〉
この上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなる組成物10重量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理しシロキサン樹脂を作製した。この樹脂をトルエン10重量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5重量部、ジブチル錫アセテート0.2重量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6重量部、ヒンダードアミン(例示化合物2−1)0.3重量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、本発明内の感光体1を作製した。
【0170】
「感光体作製例2」(参考例)
感光体作製例1において保護層中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く同様にして参考例の感光体2を作製した。
【0171】
「感光体作製例3」(本発明内)
感光体作製例1において保護層中のヒンダードアミンをヒンダードフェノール(1−32)に代えた以外は全く同様にして本発明内の感光体3を作製した。
【0172】
「感光体作製例4」(本発明内)
感光体作製例1において保護層中のヒンダードアミンを用いない以外は全く同様にして本発明内の感光体4を作製した。
【0173】
「感光体作製例5」(本発明外)
感光体作製例1において保護層中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミンを用いない以外は全く同様にして本発明外の感光体5を作製した。
【0174】
(2)現像剤の作製
下記トナーとキャリアよりなる現像剤を作製した。
【0175】
〈トナー〉
スチレン−アクリル共重合樹脂 100g
カーボンブラック 10g
ワックス 4g
シリカ微粉体 1g
脂肪酸金属塩 0.5g
上記スチレン−アクリル共重合樹脂、カーボンブラック、ワックスとを溶融、混練、粉砕して体積平均粒径8.5μmの着色粒子を得た。この着色粒子にシリカ微粉体、脂肪酸金属塩を添加して混合しトナー粒子を得た。
【0176】
〈キャリア〉
粒子径70μmのスチレンアクリレート樹脂被覆フェライトキャリアを用いた。
【0177】
〈現像剤〉
上記トナーとキャリアをトナー濃度が5重量%となるように混合した。
【0178】
画像評価
評価条件
上記感光体を図1で示したパルス状通電発熱体を有する定着及び記録体搬送機構に改造したコニカLP−3015改造機にて画像出しテストを行い評価した。コニカLP−3015改造機デジタルプリンターはレーザー露光、反転モノクロ現像プロセスでA4、5枚/分に設計されており、図1に示したように帯電、露光、現像、転写、クリーニング、消去露光の各工程を感光体周辺に有し、現像、クリーニング工程は下記の条件に設置した。
【0179】
現像条件
DCバイアス ;−500V
Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像剤層厚 ;700μm
現像スリーブ径;40mm
クリーニング条件
クリーニングのためにゴム硬度JISA70°、反発弾性25、厚さ2mm、自由長9mmのポリウレタン製弾性ゴムブレードを当接角20°で感光体の回転に対してカウンター方向に、重り荷重方式で押圧力20g/cmで当接した。
【0180】
又、定着器の定着条件は次のように設定した。
【0181】
定着器1(本発明中のパルス定着の条件)(本発明内)
発熱体材質:発熱層がTa2N、保護層がTa25
発熱体大きさ:幅220μm、長さ(紙面直角方向に)220mm
圧着ローラ圧力(線加重):18N/cm
通電条件:5ms毎に0.5〜3msにパルス通電、位相制御有り
定着部消費電力:450W
定着フィルム:厚さ30μmのポリエステルフィルム
定着器2(本発明中のパルス定着の条件)(本発明内)
発熱体材質:定着器1に同じ
発熱体大きさ:定着器1に同じ
圧着ローラ圧力(線加重):定着器1に同じ
通電条件:パルス通電条件は定着器1に同じ、但し位相制御無し
定着部消費電力:定着器1に同じ
定着フィルム:定着器1に同じ
定着器3(熱ローラ定着器の条件:LP−3015改造前の定着器)(本発明外)
加熱ローラ材質:STKMステンレス芯金をHTVシリコーンゴム層とポリフッ化アクリレート層で表面コート
加熱ローラ大きさ:φ250mm
圧着ローラ圧力(線加重):18N/cm
通電条件:ランプ温度通電制御
ランプの定格電力:650W
上記画像評価器を用い、30℃、80%RH(高温高湿)の条件で3万コピーの連続プリントを行い、標準画像出し後、1晩放置した後再度画像出しを行い、ついで10℃、20%RH(低温低湿)の条件で3万コピーの連続プリントを行い、計6万プリントを行い画像の品質(濃度、カブリの評価)、画像ボケ、画像流れ、トナーフィルミングの有無を評価した。
【0182】
評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分ある400dpi画像信号をレーザー露光で像露光し、A4で毎分5枚のプリント速度で画像出しを行った。画像濃度はベタ黒画像の濃度をマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。さらに、カブリについてはベタ白画像を使用し、初期と5万枚後カブリを目視で確認した。トナーフィルミングは複写画像の筋、斑点状(直径0.3mmφ以上の斑点)の画像欠陥を評価した。筋は一カ所以上、斑点は5個以上発生した枚数で評価した。また画像ボケは下記の基準で発生枚数により評価した。
【0183】
画像濃度
カブリ ○:カブリ発生無し
×:時々カブリ発生有り
××:連続したカブリ発生有り
画像ボケの発生
◎:6万枚中発生なし
○:6万枚中5枚以下の発生
×:6万枚中6枚以上の発生
トナーフィルミングの発生(表1にはフィルミングと記す)
◎:筋、又は斑点の発生が6万枚中5枚以下
○:筋、又は斑点の発生が6万枚中6枚〜20枚
×:筋、又は斑点の発生が6万枚中21枚以上
定着性評価方法
・テープ剥離法
1)□1/4inchのベタ黒の絶対反射濃度D0を測定する
2)メンディングテープ(住友3M:No.810−3−12相当)を軽く張り付ける
3)40gf/cm2の圧力でテープを3.5往復擦り付ける
4)180°の角度、200gの力でテープを剥がす
5)剥離後の絶対反射濃度D1を測定する
6)定着強度=100×D1/D0(%)
◎:95%以上
○:90%以上
×:90%未満
【0184】
【表1】
Figure 0003731398
【0185】
以上の様に本発明の画像形成方法を用いれば、即ち、本発明内の感光体と定着器の組み合わせ(実施例1、3、4、6、10)の画像形成方法を用いれば、高温高湿から低温低湿にかけて良好な画像を維持できるのに対し、本発明外の感光体或いは定着器が用いられた画像形成方法では、実施例5(本発明外の感光体5を用いた)の画像形成方法では、画像ボケ及びトナーフィルミングが発生しており、実施例7(本発明外の定着器3を用いた)の画像形成方法では、トナーフィルミングが発生し、定着性も劣化している。
【0186】
【発明の効果】
改良されたシロキサン系樹脂層を有する電子写真感光体とパルス状に通電する通電発熱体を用いた省エネルギー加熱溶融定着器を組み合わせた本発明の構成をとることで、高温高湿や低温低湿の厳しい環境下に於いても、画像ボケやトナーフィルミングが発生せず、且つ良好な画像が得られる画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の1例を示す断面図。
【図2】通電加熱体を用いた加熱溶融定着器の概念図。
【符号の説明】
10 電子写真感光体ドラム
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20 定着器
200 通電加熱体
201 発熱体
202 圧着ローラ
204 定着フィルム
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 プロセスカートリッジ

Claims (5)

  1. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該トナー像を発熱体を用いて加熱溶融定着を行う画像形成方法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される有機ケイ素化合物の少なくとも1種以上と下記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物とを反応させて得られる電荷輸送性能を有する部分構造の構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有し、該トナー像が加熱溶融性樹脂を有するトナー像であり、該トナー像を定着フィルムを介してパルス状に通電する通電発熱体により加熱溶融定着することを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0003731398
    (式中、R 1 〜R 6 は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Z 1 〜Z 4 は水酸基又は加水分解性基を表す。)
    一般式(1)
    X−(R 7 −OH) m
    ここにおいて、
    X:電荷輸送性能を有する基、
    7 :単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
    m:1〜5の整数である。
  2. 前記樹脂層がヒンダードフェノール系化合物或いはヒンダードアミン系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該トナー像を発熱体を用いて加熱溶融定着を行う画像形成装置において、該電子写真感光体が導電性支持体上に下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される有機ケイ素化合物少なくとも1種と下記一般式(1)で示される電荷輸送性化合物とを反応させて得られる電荷輸送性能を有する部分構造の構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有し、該トナー像が加熱溶融性樹脂を有するトナー像であり、該トナー像を定着フィルムを介してパルス状に通電する通電発熱体により加熱溶融定着することを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0003731398
    (式中、R 1 〜R 6 は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Z 1 〜Z 4 は水酸基又は加水分解性基を表す。)
    一般式(1)
    X−(R 7 −OH) m
    ここにおいて、
    X:電荷輸送性能を有する基、
    7 :単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
    m:1〜5の整数である。
  4. 前記樹脂層がヒンダードフェノール系化合物或いはヒンダードアミン系化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記通電発熱体のピーク温度が所定温度になるようにパルス幅制御を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
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