JP2001042556A - 画像形成方法と画像形成装置及びそれに用いる現像剤 - Google Patents

画像形成方法と画像形成装置及びそれに用いる現像剤

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JP2001042556A
JP2001042556A JP11221267A JP22126799A JP2001042556A JP 2001042556 A JP2001042556 A JP 2001042556A JP 11221267 A JP11221267 A JP 11221267A JP 22126799 A JP22126799 A JP 22126799A JP 2001042556 A JP2001042556 A JP 2001042556A
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Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
Hajime Tadokoro
肇 田所
Kenji Yamane
健二 山根
Hiroyuki Kozuru
浩之 小鶴
Sayuri Kushi
さゆり 櫛
Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真に用いる感光体表面の劣化や膜剥が
れを防止し、耐久性の高い画像形成方法と画像形成装置
及びそれに用いる現像剤を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体上に形成された静電潜像
を、トナーを含む現像剤により現像して得たトナー像を
画像支持体に転写し、電子写真感光体上に残留したトナ
ーをクリーニングする画像形成方法において、該電子写
真感光体が導電性支持体上に感光層を有し、その表面層
は電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造
を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、前記ト
ナーは少なくともMw/Mnが1.1〜4.0の分子量
分布を有する低分子量ポリオレフィンを含有することを
特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
よる画像形成方法と画像形成装置及びそれに用いる現像
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成技術の発達は著しく、その中で最も多く用
いられているのは、電子写真方式に代表される静電画像
形成方法に属するものである。
【0003】その理由は、電子写真方式等の静電画像形
成方法は、高画質画像を高速で得られること、モノクロ
だけでなくカラー画像形成も可能なこと、長期間の使用
にも耐える耐久性、安定性を有していることにあると考
えられる。
【0004】この電子写真方式とは、いわゆる感光体表
面を全面帯電した後に、形成するべき画像に対応した露
光を与えて静電潜像を形成させる。その後静電潜像をト
ナーで可視化することで画像を形成する方式である。
【0005】近年、電子写真感光体は有機光導電性物質
を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機
感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した
材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択でき
ること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して
有利な点であるが、唯一の欠点は強度が弱く、多数枚の
複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生がある
事である。
【0006】このような感光体は、一般にアルミニウム
またはアルミニウム合金からなる導電性支持体上に、有
機系電荷発生物質を蒸着したり、有機系電荷発生物質と
結着剤としての有機高分子樹脂とを溶剤に混合した塗布
液を塗布したりして電荷発生層を形成し、その上に、有
機系電荷輸送物質と結着剤としての有機高分子樹脂とを
溶剤に混合した塗布液を塗布して電荷輸送層を形成する
方法で製作される。
【0007】電子写真においては、感光体を一様に帯電
させた後、露光によって画像様に電荷を消去して静電潜
像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像して可
視化した後、次いでそのトナー像を紙等の画像支持体に
転写、定着させる。
【0008】しかしながら、感光体上のトナーは全てが
転写されることはなく、一部のトナーは感光体に残留
し、この状態で繰り返し画像形成した場合、残留トナー
の影響で潜像形成が乱されるため汚れのない高画質な画
像を得ることができない。このため、残留トナーの除去
が必要となる。クリーニング手段にはファーブラシ、磁
気ブラシまたはブレード等が代表的であるが、性能、構
成等の点からブレードが主に用いられている。このとき
のブレード部材としては、板状のゴム弾性体が一般的で
ある。
【0009】このように、電子写真感光体の表面は、帯
電器、現像器、転写器、及びクリーニング器等により、
電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに
対する耐久性が要求される。特に摺擦による感光体表面
の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝撃
等による膜剥がれに対する機械的耐久性が要求される。
【0010】上記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々の検討がなされてきた。
【0011】機械的耐久性に関しては、有機感光体の表
面にBPZポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)
として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィ
ルミング特性が改善される事が報告されている。又、特
開平6−118681号公報では感光体の表面保護層と
して、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用
いることが報告されている。
【0012】しかし、BPZポリカーボネートバインダ
ーを用いた感光体では、なお耐摩耗特性が不足してお
り、十分な耐久性を有していない。一方、コロイダルシ
リカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層では耐摩耗特性
は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十
分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、結果的に
はやはり耐久性が不十分である。
【0013】この様な欠点を改善する方法として、特開
平9−124943号公報や、特開平9−190004
号公報では有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を、硬化性
有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を、表面層と
して有する感光体を提案している。この技術では表面層
の硬化が進んでいるために減耗が無い。この結果、微細
な付着物を効果的に除去することができず、いわゆる付
着物の存在による画像欠陥を引き起こしやすい問題があ
る。
【0014】一方熱ロール定着を使用した場合にはトナ
ー中に離型剤を添加することは良く知られている。この
離型剤はトナー表面に存在することでその効果が発揮さ
れるため、トナーをクリーニングする際に感光体に付着
しやすく、離型剤がフィルミングの問題を誘発する。特
にこの現象は感光体として減耗の少ない感光体を使用し
た際に顕著となり、いわゆる高耐久性の感光体と離型剤
を含有したトナーとの組み合わせで実用的なものは知ら
れていないのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するためになされた。
【0016】即ち、本発明の目的は、電子写真に用いる
感光体表面の劣化や膜剥がれを防止し、耐久性の高い画
像形成方法と画像形成装置及びそれに用いる現像剤を提
供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0018】〔1〕 電子写真感光体上に形成された静
電潜像を、トナーを含む現像剤により現像して得たトナ
ー像を画像支持体に転写し、電子写真感光体上に残留し
たトナーをクリーニングする画像形成方法において、該
電子写真感光体が導電性支持体上に感光層を有し、その
表面層は電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架
橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、
前記トナーは少なくともMw/Mnが1.1〜4.0の
分子量分布を有する低分子量ポリオレフィンを含有する
ことを特徴とする画像形成方法。
【0019】〔2〕 電子写真感光体が、シロキサン結
合を有し、且つ下記一般式(1)で示される構造を有す
る樹脂を含有する表面層を有することを特徴とする
〔1〕記載の画像形成方法。
【0020】
【化4】
【0021】X:電荷輸送性付与基 Z:結合基 〔3〕 電子写真感光体上に形成された静電潜像を、ト
ナーを含む現像剤により現像して得たトナー像を画像支
持体に転写し、電子写真感光体上に残留したトナーをク
リーニングする画像形成装置において、該電子写真感光
体が導電性支持体上に感光層を有し、その表面層は電荷
輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂を含有する層であり、前記トナーは
少なくともMw/Mnが1.1〜4.0の分子量分布を
有する低分子量ポリオレフィンを含有することを特徴と
する画像形成装置。
【0022】〔4〕 電子写真感光体がシロキサン結合
を有し、且つ下記一般式(1)で示される構造を有する
樹脂を含有する表面層を有する感光体であることを特徴
とする〔3〕記載の画像形成装置。
【0023】
【化5】
【0024】X:電荷輸送性付与基 Z:結合基 〔5〕 電子写真感光体上に形成された静電潜像を、ト
ナーを含む現像剤により現像して得たトナー像を画像支
持体に転写し、電子写真感光体上に残留したトナーをク
リーニングする画像形成方法に用いる現像剤において、
該電子写真感光体が導電性支持体上に感光層を有し、そ
の表面層は電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ
架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する層であ
り、前記トナーは少なくともMw/Mnが1.1〜4.
0の分子量分布を有する低分子量ポリオレフィンを含有
することを特徴とする現像剤。
【0025】〔6〕 電子写真感光体がシロキサン結合
を有し、且つ下記一般式(1)で示される構造を有する
樹脂を含有する表面層を有する感光体であることを特徴
とする請求項5記載の現像剤。
【0026】
【化6】
【0027】X:電荷輸送性付与基 Z:結合基 即ち、本発明者等は、感光体表面の強度を上げ、感光体
表面へのトナーや紙粉等の付着を極力抑制するために鋭
意検討した結果、特定のシロキサン系樹脂表面層を用い
ることにより感光体表面の強度を高くし、又、トナー中
の離型剤の低分子量成分が付着しやすいことを見いだ
し、これをある限度以下におさえる方策を講じることに
より、本発明を完成させるに至った。
【0028】本発明の効果は、上記特定の感光体とトナ
ーを用いる時にのみ発現されるものであり、この点につ
いては後に実施例においてより具体的に説明する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる感光体、現像
剤構成及び画像形成方法、画像形成装置等についてさら
に説明する。
【0030】本発明に用いられる離型剤については、低
分子量ポリオレフィンが用いられ、代表的にはポリプロ
ピレンやポリエチレン及びプロピレンとエチレンの共重
合体を使用することができる。この場合、特にポリプロ
ピレンが好ましい。
【0031】分子量の調整には、分子量分別、メタロセ
ン系触媒などの使用により行う。即ち、熱分解による分
子鎖切断を利用して低分子量ポリオレフィンを調製する
方法や、特開平6−41235号公報記載のごとくメタ
ロセンなどの触媒を用いてモノマーより直接合成する方
法がある。
【0032】熱ロール定着での離型剤の効果であるオフ
セット防止の機能としてはより低分子量成分を存在させ
ることが好ましいのは言うまでも無い。本発明者らは鋭
意検討した結果、分子量分布が広い場合にはトナー中に
存在する離型剤の中でも低分子量成分が多く表面に存在
しやすくなっており、その存在量を低下することが最も
効果的であると推察した。その結果、分子量分布を本発
明の範囲に調整することで本発明を完成することができ
ることを見だしたものである。
【0033】本発明の効果が得られる範囲は、Mw/M
=1.1〜4.0であるが、1.1未満とするのは現実
的には調整が極めて困難である。又、4.0を越えると
分子量分布が拡大するため、低分子量成分が必然的に増
加し、トナーのフィルミング現象を引き起こすことにな
る。このために、絶縁膜が感光体表面に形成され、黒ス
ジや白スジ等の画像欠陥を発生する問題や、フィルミン
グ部分に画像支持体に使用されるいわゆる填料や紙粉の
付着が起こり、これに起因する電位のリークから画像流
れ等の画質問題を発生する。
【0034】本発明に於ける分子量は、高温GPCを用
いてMw、Mn分子量を測定する。具体的には、溶媒と
して0.1%のアイオノールを添加したo−ジクロロベ
ゼンを使用し、135℃の温度条件で流出させ示差屈折
率検出器により検出し、分子量を普遍校正法によるポリ
プロピレン絶対分子量換算で求めた平均分子量である。
【0035】本発明においてポリプロピレンの分子量測
定方法は、GPC−150C(WATERS社製)を用
い、カラムとしてSHODEX HT−806を使用、
溶媒として0.1%のアイオノールを添加したo−ジク
ロロベンゼン、温度=135℃、流速=1ml/min
により測定した。
【0036】なお、分子量としては数平均分子量で15
00〜10000までを好適に使用することができる。
【0037】《本発明に使用されるトナー》本発明に使
用されるトナーの製造方法は、最も一般的に用いられて
いる粉砕法、即ちバインダー樹脂と着色剤及び離型剤と
して低分子量ポリオレフィン、その他必要により添加さ
れる種種の添加剤を混練粉砕後分級して作製されても良
いし、低分子量ポリオレフィン、着色剤を含有した樹脂
粒子を媒体中で合成作製して製造してもよい。
【0038】また、バインダー樹脂としては特に限定さ
れるものではなく、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン
−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等、一般的に知られて
いるバインダー樹脂を使用することができる。
【0039】スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレ
ン−アクリル樹脂を構成する樹脂としては、スチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、
3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p
−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n
−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n
−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なス
チレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等
のアクリル酸エステル誘導体等が具体的に樹脂を構成す
る単量体として挙げられ、これらは単独あるいは組み合
わせて使用することができる。
【0040】その他のビニル系重合体の具体的例示化合
物としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の
オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
ル、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン系ビニル
類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチル
ケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化
合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化
合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブ
チルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメ
タクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等の
アクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これら
ビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。
【0041】さらに、スチレン−アクリル系樹脂(ビニ
ル系樹脂)で含カルボン酸重合体を得るための単量体例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアク
リル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮
酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオ
クチルエステル、ケイ皮酸無水物、アルケニルコハク酸
メチルハーフエステル等が挙げられる。
【0042】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングル
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコーリジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート等の架橋剤を添加するしてもよい。
【0043】また、ポリエステル樹脂としては、2価以
上のカルボン酸と2価以上のアルコール成分を縮合重合
させて得られる樹脂である。2価のカルボン酸の例とし
てはマレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン
酸、グルタコ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、マロン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニル
コハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハ
ク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸
等が挙げられ、これらの酸無水物も使用することができ
る。
【0044】また、ポリエステル樹脂を構成する2価の
アルコール成分の例としては、ポリオキシプロピレン
(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
エチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−
ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン等のエーテル化ビスフェノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタング
リコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールZ、水素添加ビスフェノールA等をあげるこ
とができる。
【0045】また、ポリエステル樹脂として架橋構造を
有するものとしては、下記3価のカルボン酸、例えば
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナ
フタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,
2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキ
シル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ
(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール
三量体酸等があげられ、これらの酸無水物、あるいは多
価アルコール成分、具体的にはソルビトール、1,2,
3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペ
ンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、
1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メ
チルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブ
タントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼ
ン等を添加することで架橋ポリエステル樹脂とすること
もできる。
【0046】着色剤としては無機顔料、有機顔料を挙げ
ることができる。
【0047】無機顔料としては、従来公知のものを用い
ることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0048】黒色の顔料としては、例えば、ファーネス
ブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、
サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラッ
ク、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いら
れる。
【0049】これらの無機顔料は所望に応じて単独また
は複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加
量は重合体に対して2〜20重量%であり、好ましくは
3〜15重量%が選択される。
【0050】磁性トナーとして使用する際には、前述の
マグネタイトを添加することができる。この場合には所
定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜6
0重量%添加することが好ましい。
【0051】有機顔料としても従来公知のものを用いる
ことができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0052】マゼンタまたはレッド用の顔料としては、
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッ
ド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメン
トレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピ
グメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメン
トレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメ
ントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、
C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント
レッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.
I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッ
ド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げら
れる。
【0053】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0054】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0055】これらの有機顔料は所望に応じて単独また
は複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加
量は重合体に対して2〜20重量%であり、好ましくは
3〜15重量%が選択される。
【0056】着色剤は表面改質して使用することもでき
る。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用す
ることができ、具体的にはシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好
ましく用いることができる。
【0057】本発明で得られたトナーには、流動性の改
良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添
剤を添加して使用することができる。これら外添剤とし
ては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、
有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0058】無機微粒子としては、従来公知のものを使
用することができる。具体的には、シリカ、チタン、ア
ルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら
無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的に
は、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の
市販品R−805、R−976、R−974、R−97
2、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−
2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−
720、TS−530、TS−610、H−5、MS−
5等が挙げられる。
【0059】チタン微粒子としては、例えば、日本アエ
ロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社
製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−5
00BS、MT−600、MT−600SS、JA−
1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−
500、TAF−130、TAF−510、TAF−5
10T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、
IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0060】アルミナ微粒子としては、例えば、日本ア
エロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産
業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0061】また、有機微粒子としては数平均一次粒子
径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用
することができる。このものとしては、スチレンやメチ
ルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体
を使用することができる。
【0062】滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、ア
ルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オ
レイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の
塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウ
ム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシ
ノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の
金属塩が挙げられる。
【0063】これら外添剤の添加量は、トナーに対して
0.1〜5重量%程度が好ましい。
【0064】ここで、本発明のトナーの粒径は、体積平
均粒径で3〜9μmが好ましい。これらのトナーの体積
平均粒径は、コールターカウンターTA−II、コールタ
ーマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製
レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定すること
ができる。コールターカウンターTA−II及びコールタ
ーマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのア
パーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒
径分布を用いて測定されたものを示す。
【0065】トナー化工程は上記で得られたトナー粒子
を、例えば流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行
うことを目的として、前述の外添剤を添加してもよい。
外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘ
ンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機など
の種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0066】トナーは、バインダー樹脂、着色剤、低分
子量ポリオレフィン以外にトナー用添加剤として種々の
機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体
的には荷電制御剤等が挙げられる。
【0067】《現像剤》本発明に用いられるトナーは、
一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、
好ましくは二成分現像剤としてである。
【0068】一成分現像剤として用いる場合は、非磁性
一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法も
あるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁
性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その
含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に
含有させるのが普通である。
【0069】又、キャリアと混合して二成分現像剤とし
て用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒
子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、そ
れらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従
来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ま
しい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15
〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが
よい。
【0070】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的
には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。
【0071】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被
覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散さ
せたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティ
ング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例え
ば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/ア
クリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或い
はフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂
分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限
定されず公知のものを使用することができ、例えば、ス
チレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹
脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0072】《電子写真感光体》本発明に使用される電
子写真感光体の表面層は、電荷輸送性能を有する構造単
位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含
有する層である。感光体の感光層側の表面に位置する層
であれば特に限定されず、電荷発生層でも電荷輸送層で
もよいが、表面保護層であることが望ましい。
【0073】架橋構造を有するシロキサン系樹脂として
は、予め構造単位内にシロキサン結合を有するモノマ
ー、オリゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新た
な化学結合を形成させ三次元網目構造を形成した、或い
はシロキサン結合でモノマー、オリゴマー、ポリマーか
ら三次元網目構造を形成したものである。ここで用いら
れる構造単位は、例えば一般的にはアルコキシシランの
縮合反応やシラノールの縮合反応により三次元網目構造
を形成することができるものであり、又、三次元網目構
造にはコロイダルシリカのような粒子を含ませても良
い。
【0074】本発明に用いる電子写真感光体において、
水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物に
おける加水分解性基とは、メトキシ基、エトキシ基、メ
チルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセト
キシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
メトキシエトキシ基等が挙げられる。中でも好ましくは
−ORで表される加水分解性基が良く、Rがアルコキシ
基を形成する原子団であり、炭素数が1〜6であること
が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、メトキシエチ
ル基等が挙げられる。
【0075】本発明に用いる電子写真感光体におけるシ
ロキサン結合を有する硬化性樹脂の原料として用いられ
る有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合して
いる加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素化合物
の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4のとき
は高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4では高
度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これ
らをコントロールすることにより得られる塗布層液の保
存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0076】一方、水酸基又は加水分解性基を有する電
荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物
質に水酸基又は加水分解性基をも有している化合物であ
る。
【0077】即ち電荷輸送性能を有する構造単位を持
ち、単独で電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性
質を示すものであり、又、本発明の電荷輸送性化合物の
別の定義としては通常のTime−Of−Flight
法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電
荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として表現
することもできる。
【0078】例えば正孔輸送型としてはオキサゾール、
オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダ
ゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリ
ジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリ
ン、スチルベン、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾ
ール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラ
ン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセンなどの構造単位を有する
化合物及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0079】又、電子輸送型としては無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキ
ノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリ
ニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾ
ニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、
クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノ
ン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、
1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、
4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾ
フェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−
シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロ
ロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、
2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジ
シアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フル
オロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピク
リン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、
3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、
5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、
フタル酸、メリット酸などの構造単位を有する化合物及
びこれらの誘導体が挙げられるが、これらの構造に限定
されるものではない。
【0080】即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物
と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式
で示される電荷輸送性化合物である。
【0081】X−(R−OH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位、 R:単結合子、各々置換又は非置換のアルキレン、アリ
ーレン基、 m:好ましくは1〜5である。
【0082】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
とは、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造
を含み、該基を構成する炭素原子を介して炭素原子と結
合する水酸基を有する化合物である。
【0083】1.トリアリールアミン系化合物
【0084】
【化7】
【0085】2.ヒドラジン系化合物
【0086】
【化8】
【0087】3.スチルベン系化合物
【0088】
【化9】
【0089】4.ベンジジン系化合物
【0090】
【化10】
【0091】5.ブタジエン系化合物
【0092】
【化11】
【0093】6.その他の化合物
【0094】
【化12】
【0095】本発明の表面保護層には、酸化防止剤、特
にヒンダードフェノール化合物又はフィンダードアミン
化合物を含有させることが望ましい。これらの化合物を
含有させることにより、本発明の効果がより顕著になる
からである。
【0096】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層等の感光層とその上に本発明の樹脂層を
塗設した構成をとるのが好ましい。
【0097】本発明の感光層に含有される電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。電荷発生物質の代表的なものの例とし
ては、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フタ
ロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズ
ピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、アゾ系顔
料、トリスアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、インジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料等がある。
【0098】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0099】単層構成の感光層、及び積層構成の場合の
電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有さ
れるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等
が挙げられる。
【0100】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1
が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ま
しく、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0101】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は重量比で3:1〜1:3が好ま
しい。
【0102】電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には
10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設
けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μ
m以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設け
られた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0103】本発明に用いられる溶媒又は分散媒として
は、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジア
ミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミ
ン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロ
ピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2
−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒド
ロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソ
ルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるもの
ではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。ま
た、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒とし
て用いることもできる。
【0104】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0105】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記ス
プレー塗布については例えば特開平3−90250号及
び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前
記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−18
9061号公報に詳細に記載されている。
【0106】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもでき
る。
【0107】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0108】又、支持体の形状はドラム状でもシート状
でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最適し
た形状であればよい。
【0109】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0110】《本発明に使用される画像形成装置》図1
に本発明の一態様である画像形成装置の断面図を示す。
【0111】本発明において4は感光体ドラムであり、
アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光層である有
機光導電体(OPC)層を形成してなるもので、矢印方
向に所定の速度で回転する。本実施態様例において、感
光体ドラム4は外径60mmである。
【0112】図1において、図示しない原稿読み取り装
置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1か
ら露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2によ
り、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補
正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静
電潜像を作る。感光体は、あらかじめ帯電器5により一
様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に
回転を開始している。
【0113】感光体面上の静電潜像は、現像器6により
現像され、形成されたトナー像はタイミングを合わせて
搬送されてきた画像支持体(記録材)8に転写器7の作
用により転写される。さらに感光体ドラム4と記録材8
は分離器(分離極)9により分離されるが、トナー像は
記録材8に転写担持されて、定着器10へと導かれ定着
される。
【0114】感光体面に残留した未転写のトナー等は、
クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清
掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除
き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電
される。
【0115】尚、記録材は代表的には普通紙であるが、
現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定され
ず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0116】又、クリーニングブレード13は、厚さ1
〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウ
レタンゴムが最もよく用いられる。これは感光体に圧接
して用いられるため熱を伝え易く、画像形成動作を行っ
ていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
【0117】近年、感光体上に静電潜像を形成し、この
潜像を現像して可視画像を得る電子写真等の分野におい
て、画質の改善、変換、編集等が容易で高品質の画像形
成が可能なデジタル方式を採用した画像形成方法の研究
開発が盛んになされている。
【0118】この画像形成方法及び装置に採用されるコ
ンピュータまたは複写原稿からのディジタル画像信号に
より光変調する走査光学系として、レーザ光学系に音
響光学変調器を介在させ、当該音響光学変調器により光
変調する装置、半導体レーザを用い、レーザ強度を直
接変調する装置がある。これらの走査光学系から一様に
帯電した感光体上にスポット露光してドット状の画像を
形成する。
【0119】前述の走査光学系から照射されるビーム
は、裾が左右に広がった正規分布状に近似した丸状や楕
円状の輝度分布となり、例えばレーザビームの場合、通
常、感光体上で主走査方向あるいは副走査方向の一方あ
るいは両者が20〜100μmという極めて小さい円状
あるいは楕円状である。
【0120】又、上記画像形成装置は、感光体ドラム4
と、帯電器5、現像器6、クリーニング器11あるいは
転写器7等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッ
ジを搭載する形態にすることもできる。
【0121】本発明の画像形成装置に搭載するためのプ
ロセスカートリッジの例を、図2に断面図(a)、斜視
図(b)として示した。このプロセスカートリッジ15
は、画像形成装置の側面、即ち記録材の搬送される方向
と直角方向からガイドレール等により装置内に装填され
る。
【0122】上記電子写真画像形成装置はモノクロ画像
形成のための装置であるが、本発明はカラー画像形成装
置にも同様に適用できることはいうまでもない。
【0123】本発明におけるクリーニング機構の構成
は、その代表例断面図を示せば図3のごとくである。1
3はクリーニングブレードで詳しくいうとホルダー10
3にて保持された状態で感光体ドラム4に、ある程度の
当接圧をかけられた状態で接触している。図3では10
4が、その当接圧をかけるための部材である。
【0124】感光体ドラム4とは、電子写真方式では感
光体であり、最も多くの場合ドラム状支持体の上に形成
されているためそう呼ばれることが多い。図3では矢印
がその進行方向である。
【0125】又、106はクリーニングブレードにより
かき落とされた感光体ドラム4上のトナーを、廃トナー
搬送部105に導くためのガイド板である。なおこのガ
イド板106は薄く柔らかいので感光体ドラム4上に付
着したトナーは一旦はその下をすり抜け、クリーニング
ブレードでかき落とされる。又、107はクリーニング
機構の外壁である。
【0126】図4はクリーニングブレード13により、
感光体ドラム4上のトナーがかき落とされる状況を示し
ている。クリーニングブレード13の先端部にトナーが
溜まり、押しつぶされる傾向があることはすでに述べ
た。
【0127】図5はクリーニングブレード13のホルダ
ー103と感光体ドラム4のなす交差角φを説明する図
である。即ち、交差角φが90°未満であるとは、ホル
ダーのクリーニングブレードを支持している方向(Y−
Y)へ延長線を延ばし、感光体ドラム4面に到達した箇
所で感光体ドラム4面に接線(X−X)を引いた場合、
この接線と延長線のなす角度が90°未満であるという
意味である。
【0128】この角度が90°以上で十分なクリーニン
グ性を確保しようとすると、トナーが押しつぶされるよ
うに働く力により、長期使用の間には感光体ドラムにト
ナーが付着する問題がでるため耐久性が確保されないこ
とがある。又、下限の角度としては、特に明らかなもの
はないが、クリーニング力という意味では15°以上で
あることが好ましい。また、角度の好ましい範囲として
は、20〜90°、さらに好ましくは25〜80°であ
る。
【0129】又、本発明に用いられるクリーニングブレ
ードの材質としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、
フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用
いることが出来る。
【0130】本発明においてクリーニングブレードは、
使用時の押圧力としては15〜25g/cmがよく、物
性的にはJIS K 6301によって測定された硬度
60〜90°、引っ張り強さ250kg/cm2以上、
反発弾性が20kg/cm2以上のものがよい。好まし
くは、引っ張り強さでは250〜800kg/cm2
更に好ましくは300〜600kg/cm2、反発弾性
では20〜100kg/cm2、更に好ましくは30〜
90kg/cm2である。
【0131】本発明に使用される好適な定着方法は、熱
ロール定着方式があげられる。
【0132】この定着方式では、多くの場合表面にテト
ラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等を被
覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダー
内部に熱源を有する上ローラーとシリコーンゴム等で形
成された下ローラーとから形成されている。熱源として
は、線状のヒーターを有し、上ローラーの表面温度を1
20〜200℃程度に加熱するものが代表例である。定
着部に於いては上ローラーと下ローラー間に圧力を加
え、下ローラーを変形させ、いわゆるニップを形成す
る。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5
〜7mmである。定着線速は40mm/sec〜400
mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均
一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラ
を発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融
が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生す
る。
【0133】定着クリーニングの機構を付与して使用し
てもよい。この方式としてはシリコーンオイルを定着の
上ローラーあるいはフィルムに供給する方式やシリコー
ンオイルを含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等でク
リーニングする方法が使用できる。
【0134】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「重量部」を表す。
【0135】トナー製造例1 n−ドデシル硫酸ナトリウム=0.90kgと純水1
0.0Lを入れ攪拌溶解する。この液に、攪拌下、リー
ガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.
20kgを徐々に加え、ついで、サンドグラインダー
(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。分
散後、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−8
00を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量
平均径で122nmであった。また、静置乾燥による重
量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.6重量
%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0136】ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.055kgをイオン交換水4.0Lに室温下攪拌溶
解する。これを、アニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0137】ノニルフェノールアルキルエーテル0.0
14kgをイオン交換水4.0Lに室温下攪拌溶解す
る。これを、ノニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0138】過硫酸カリウム=223.8gをイオン交
換水12.0Lに室温下攪拌溶解する。これを、開始剤
溶液Aと呼ぶ。
【0139】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100Lの反応釜に、ポリプロピレンエマルジョン
3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Aとノニオン界
面活性剤溶液Aとを入れ、攪拌を開始する。次いで、イ
オン交換水44.0Lを加える。
【0140】加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、開始剤溶液Aを全量添加する。その後、液温度
を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kg
とアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸
1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを
投入する。
【0141】さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、
6時間加熱攪拌を行った。
【0142】液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止す
る。ポールフィルターで濾過し、これをラテックスA1
とした。
【0143】なお、ラテックスA1中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布
は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は12
0nmであった。
【0144】過硫酸カリウム=200.7gをイオン交
換水12.0Lに室温下攪拌溶解する。これを、開始剤
溶液Bとする。
【0145】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100Lの反応釜に、ノニオン界面
活性剤溶液Aを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン
交換水44.0Lを投入する。
【0146】加熱を開始し、液温度が70℃になったと
ころで、開始剤溶液Bを添加する。この時、スチレン1
1.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタ
クリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.
02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
【0147】その後、液温度を72℃±2℃に制御し
て、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃
±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。
【0148】液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止す
る。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックス
B1とした。
【0149】なお、ラテックスB1中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布
は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は11
0nmであった。
【0150】塩析剤としての塩化ナトリウム=5.36
kgとイオン交換水20.0Lを入れ、攪拌溶解する。
これを、塩化ナトリウム溶液Aとする。
【0151】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのSUS反応釜(攪拌翼は
アンカー翼)に、上記で作製したラテックスA1=2
0.0kgとラテックスB1=5.2kgと着色剤分散
液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ
攪拌する。ついで、35℃に加温し、塩化ナトリウム溶
液Aを添加する。その後、5分間放置した後に、昇温を
開始し、液温度85℃まで5分で昇温する(昇温速度=
10℃/分)。液温度85℃±2℃にて、6時間加熱攪
拌し、塩析/融着させる。その後、30℃以下に冷却し
攪拌を停止する。目開き45μmの篩いで濾過し、この
濾液を会合液とする。ついで、遠心分離機を使用し、
会合液よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取し
た。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0152】上記で洗浄を完了したウェットケーキ状の
着色粒子を、40℃の温風で乾燥し、非球形状粒子を得
た。以上の着色粒子製造方法に於いて下記一覧表に示す
ポリプロピレンを使用して着色粒子を得た。この着色粒
子に疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒子径
=12nm)を1.0重量%添加し、トナーを得た。
【0153】トナー製造例2 スチレンアクリル樹脂100部に対してカーボンブラッ
ク10部及び離型剤として下記一覧表に示す低分子量ポ
リプロピレンを添加し、予備混合した後に混練、粉砕、
分級し、着色粒子を得た。ついで、この着色粒子に疎水
性シリカを1重量%添加し、トナーを得た。なお、下記
一覧表に示した低分子量ポリプロピレンは分子量分別あ
るいは熱分解法等で調整したものである。
【0154】
【表1】
【0155】電子写真感光体の作製 下記のごとくして感光体を作製した。
【0156】 感光体1 〈中間層〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布
液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、
膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0157】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液 (KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。
【0158】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(D1) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート (ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜
厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0159】〈表面保護層〉電荷輸送層の上にメチルシ
ロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン
単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10重量部
にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱
水処理した。この樹脂をトルエン10重量部に溶解し、
これにメチルトリメトキシシラン5重量部、ジブチル錫
アセテート0.2重量部を加え均一な溶液にした。
【0160】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)6重量部とヒンダードアミン
3重量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの
表面保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬
化を行い、感光体1を作製した。
【0161】
【化13】
【0162】感光体2 感光体1において表面保護層中のジヒドロキシメチルト
リフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)
エチル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く同様に
して感光体を作製した。
【0163】感光体3 感光体1において表面保護層を形成せず、電荷発生層の
上に膜厚20μmの電荷輸送層を形成した後、120
℃、1時間の乾燥を行った以外は実施例1と同様にして
感光体3を作製した。
【0164】特性評価 トナー1〜18に対してシリコーン樹脂を被覆した体積
平均粒径60μmのフェライトキャリアと混合してトナ
ー濃度が6%の現像剤を調製した。
【0165】上記で調製した現像剤を使用し、コニカ社
製デジタル複写機Konica7060を用い実写評価
を実施した。条件は下記に示す条件である。感光体とし
ては積層型有機感光体を使用した。
【0166】現像条件 DCバイアス ;−500V Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm 現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式 現像剤層厚 ;700μm 現像スリーブ径;40mm 又、感光体に残留する未転写トナーは、厚さ3.0mm
のウレタンゴム製ブレードにてクリーニングする方法を
採用した。ブレードと感光体との間に形成された角度は
45°とした。
【0167】JIS K6301で測定される硬度は7
0°、引っ張り強さは393kg/cm2、反発弾性は
52kg/cm2である。さらに、押圧力は18g/c
mとした。
【0168】使用する画像支持体としては連量が55k
gの普通紙を使用し、横方向に画像を形成した。また、
画像形成条件としては高温高湿環境(33℃、85%R
H)の環境条件にて上記現像剤を用いて印字評価を実施
した。印字は1ドットの画像を2ドット間隔で形成した
ハーフトーン画像を使用し、A4で連続印字を行い、5
0000枚/日の印字を10日間行った後に、翌日朝一
番に形成させた画像に関して画像欠陥の有無を目視にて
判定した。判定基準は下記である。
【0169】 ランクA:画像欠陥無し ランクB:画像流れが軽微に発生 ランクC:画像流れがハーフトーン画像に明確に存在 ランクD:画像流れがハーフトーン画像以外に文字画像
でも発生。
【0170】さらに、画質評価は、画像の濃度、カブリ
濃度を比較した。画像濃度はマクベス社製RD−918
を使用し、絶対反射濃度で比較した。カブリは紙の濃度
を「0」とした相対反射濃度で比較した。
【0171】なお、感光体との組み合わせ例を表2に、
結果を表3に示す。
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】表2,3から明らかなごとく、本発明内の
組み合わせがいずれの特性も優れている。しかし、本発
明外の組み合わせにおいては、少なくとも何れかの特性
において実用上問題があることがわかる。
【0175】
【発明の効果】本発明により、電子写真に用いる感光体
表面の劣化や膜剥がれを防止し、耐久性の高い画像形成
方法と画像形成装置及びそれに用いる現像剤を提供する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である画像形成装置の断面図。
【図2】この発明を適用するプロセスカートリッジの断
面図及び斜視図。
【図3】クリーニング機構の構成断面図。
【図4】クリーニングブレードにより感光体ドラム上の
トナーがかき落とされる状況を示す図。
【図5】クリーニングブレードのホルダーと感光体ドラ
ムのなす交差角φを説明する図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源 2 ポリゴンミラー 3 fθレンズ 4 感光体ドラム 5 帯電器 6 現像器 7 転写器 8 画像支持体(記録材) 9 分離極 10 定着器 11 クリーニング器 12 帯電前露光(PCL) 13 クリーニングブレード 15 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小鶴 浩之 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 櫛 さゆり 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 伊丹 明彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA04 CA13 CA14 EA06 2H068 AA03 AA05 AA20 BB33 BB49 BB57 FC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上に形成された静電潜像
    を、トナーを含む現像剤により現像して得たトナー像を
    画像支持体に転写し、電子写真感光体上に残留したトナ
    ーをクリーニングする画像形成方法において、該電子写
    真感光体が導電性支持体上に感光層を有し、その表面層
    は電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造
    を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、前記ト
    ナーは少なくともMw/Mnが1.1〜4.0の分子量
    分布を有する低分子量ポリオレフィンを含有することを
    特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体が、シロキサン結合を有
    し、且つ下記一般式(1)で示される構造を有する樹脂
    を含有する表面層を有することを特徴とする請求項1記
    載の画像形成方法。 【化1】 X:電荷輸送性付与基 Z:結合基
  3. 【請求項3】 電子写真感光体上に形成された静電潜像
    を、トナーを含む現像剤により現像して得たトナー像を
    画像支持体に転写し、電子写真感光体上に残留したトナ
    ーをクリーニングする画像形成装置において、該電子写
    真感光体が導電性支持体上に感光層を有し、その表面層
    は電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造
    を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、前記ト
    ナーは少なくともMw/Mnが1.1〜4.0の分子量
    分布を有する低分子量ポリオレフィンを含有することを
    特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体がシロキサン結合を有
    し、且つ下記一般式(1)で示される構造を有する樹脂
    を含有する表面層を有する感光体であることを特徴とす
    る請求項3記載の画像形成装置。 【化2】 X:電荷輸送性付与基 Z:結合基
  5. 【請求項5】 電子写真感光体上に形成された静電潜像
    を、トナーを含む現像剤により現像して得たトナー像を
    画像支持体に転写し、電子写真感光体上に残留したトナ
    ーをクリーニングする画像形成方法に用いる現像剤にお
    いて、該電子写真感光体が導電性支持体上に感光層を有
    し、その表面層は電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する
    層であり、前記トナーは少なくともMw/Mnが1.1
    〜4.0の分子量分布を有する低分子量ポリオレフィン
    を含有することを特徴とする現像剤。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体がシロキサン結合を有
    し、且つ下記一般式(1)で示される構造を有する樹脂
    を含有する表面層を有する感光体であることを特徴とす
    る請求項5記載の現像剤。 【化3】 X:電荷輸送性付与基 Z:結合基
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001100439A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Konica Corp 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2003015356A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
US7095974B2 (en) * 2003-05-19 2006-08-22 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming method using recycled toner
TWI490181B (zh) * 2012-06-22 2015-07-01 Hoya Corp Glass, optical glass, glass material for compression molding and optical components

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