JP3755367B2 - カラー画像形成装置、及び画像形成ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー複写機やカラープリンタとして用いられるカラー画像形成装置、及び該カラー画像形成装置に用いられる画像形成ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は画像形成装置においてもカラー化が進んできているが、実用性の高いカラー画像形成方法を大別すると、よく使われる呼称として転写ドラム方式、中間転写方式、KNC方式(多重現像一括転写)、タンデム方式の4種類がある。
【0003】
無論上記のものは、ある観点からの呼称であるから、例えばタンデム方式で且つ中間転写方式のものもあれば直接記録材に転写するものもある。これらの中でタンデム方式即ち各色画像を各別の画像形成ユニットで形成し逐次転写していくカラー画像形成装置は、使用可能な記録材の種類が豊富であり、フルカラーの品質も高く、高速度でフルカラー画像が得られる。特に高速度でフルカラー画像を得ることが出来る特質は他には見られない利点である。
【0004】
これらのカラー画像形成装置に用いられる電子写真感光体(本発明では単に感光体とも云う)は有機光導電性物質を含有する有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生があることが挙げられる。このような有機感光体は長期使用すると画質が劣化する等、未だ性能的な問題をかかえている。特に、このタンデム方式ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対する4つの画像形成ユニットが一般に必要であるが、この画像形成ユニットに用いられる電子写真感光体は接触するか、ほぼ接触する部材、例えばクリーニングブレード、転写ベルト、現像剤、分離等により擦過摩耗され、しかも4つの感光体が均等に摩耗されないのが普通である。一つには同様に各画像形成ユニットに用いられる各着色トナーの感光体に及ぼす物性が同一ではないことによる。特に繰り返し回数が大きくなるに従い、各感光体の摩耗による電位性能差が大きく変化してしまう。このことは出来上がりカラー画像の色バランスに悪影響を及ぼす。また別の要因として、水分含有量の大きなトナーを用いると、表面が摩耗された感光体表面にトナーが残留しやすく、一部クリーニングされることなく繰り返しクリーニング部を通過することにより、クリーニングブレード等の押圧力の影響を受けて、各感光体にトナーフィルミングが発生し、いわゆる画像ボケ、画像流れの現象が発生する。そしてこの画像ボケが各ドラム毎に異なってくることにより、カラー画像の色バランスが崩れる他、画像解像度も劣化し、製品として成り立たなくなる。このトナーフィルミングに関しては感光体に表面層が減耗しやすい感光体を用い、クリーニングブレード等で感光体表面を有る程度削ることにより、防ぐこともできるが、このことは前記したように各画像形成ユニットに用いられる各感光体間の摩耗レベルの不均一性を増大し、かえって、カラー画像の色バランスを劣化させることとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決することの出来るいわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置を提供することであり、繰り返し使用しても得られるカラー画像が均一で、色バランスを劣化させない、且つ、解像力が高くて画像ボケのないカラー画像形成装置、及び該画像形装置に用いられる画像形成ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成の何れかを採ることにより達成される。
【0010】
1.導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段を有し、該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設した画像形成ユニットを複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各トナー像を順次記録材に転写して画像形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該感光体の樹脂層が下記一般式(1)で表される構造を有する架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0011】
【化2】
【0012】
式中、Xは炭素原子CによりYと連結した電荷輸送性能を有する構造単位、YはO、S又はNR(RはH又は一価の有機基)であり、Siはシリコン原子を表す。
【0013】
2.導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写手段、及び該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成ユニットを中間転写体の周囲に複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各感光体上のトナー像を順次中間転写体に転写した後、中間転写体上に形成されたカラー画像を記録材に転写してカラー画像を形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該感光体の樹脂層が前記一般式(1)で表される構造を有する架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0017】
3.導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段を有し、該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設した画像形成ユニットを複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各トナー像を順次記録材に転写して画像形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該樹脂層が水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、水酸基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0018】
4.導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写手段、及び該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成ユニットを中間転写体の周囲に複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各感光体上のトナー像を順次中間転写体に転写した後、中間転写体上に形成されたカラー画像を記録材に転写してカラー画像を形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該樹脂層が水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、水酸基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0019】
5.前記樹脂層に酸化防止剤が含有されていることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0020】
6.前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤であることを特徴とする前記5記載のカラー画像形成装置。
【0021】
7.前記樹脂層に有機乃至無機粒子が含有されていることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0022】
8.前記樹脂層にコロイダルシリカが含有されていることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0023】
9.前記樹脂層が表面層であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0024】
10.前記トナーが体積平均粒径4〜9μm、且つ3.0μm以下のトナー粒子が30個数%以下であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0025】
11.前記トナーの粒径をD(μm)とするとき、自然対数InDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、該最頻階級の次の頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との相対度数和(M)が70%以上であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
【0026】
12.前記1〜11のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置に用いられる画像形成ユニットにおいて、該画像形成ユニットがシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する感光体と、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写、及びクリーニング手段のいずれか1つとを組み合わせて作られたことを特徴とする画像形成ユニット。
【0027】
本発明者等は、鋭意検討した結果、下記の事実が判明した。
前述したようにタンデム方式では一般にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対する4つの画像形成ユニットを用いる。本発明の目的はこの複数の画像形成ユニットに用いられる各感光体に摩耗しにくい樹脂層を有する感光体を用い、且つ同様に画像形成ユニットに用いられるトナーに高湿条件下においても、水分含有量の少ないトナーを用いることにより各画像形成ユニット間の特性バラツキを最小限にすることにより達成される。
【0028】
尚、本発明における効果は、画像形成ユニット間のバラツキを極めて少なくすることにより、得られるものであるから中間転写方式のタンデム型においても、直接記録材に転写する方式のタンデム型においても発揮されることはいうまでもない。
【0029】
本発明について更に詳細に説明する。
次に本発明に用いるトナー及び現像剤について説明する。
【0030】
《本発明に使用されるトナー》
本発明に用いられるトナーは30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下である。本発明に用いられる電子写真感光体の表面層はシロキサン系樹脂を含有しており、摩耗しにくい特徴を有する反面、表面が比較的親水性になるため、トナーが吸湿性の特性を有していると感光体表面にフィルミングの発生の原因となり、画像ボケや画像欠陥の原因となる。即ち、本発明に用いられるトナーは30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下の範囲を外れると、特に2.0質量%を越えると該フィルミングの発生が多くなり、カラー画像形成装置としての品質を保てなくなる。一方飽和水分量が0.1未満にするためにはトナーに用いるすべての素材に吸湿性を抑止する材料を必要とし、トナー自体のコストが高くなり過ぎ製品価格を実現しえなくなる。
【0031】
又、本発明に用いられるトナーはその粒径をD(μm)とするとき、自然対数InDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次の頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との相対度数和(M)が70%以上であることをが好ましい。このような粒度分布のシャープなトナーを用いることにより、本発明に用いられる摩耗量の小さい感光体に対して、トナーフィルミングの発生を抑制することができる。
【0032】
本発明において、トナーの30℃/80%RH環境における飽和水分量が0.1〜2.0質量%に押さえる必要があるが、具体的な水分量調整方法としては、例えば次のようなものがある。
【0033】
第一にはトナー特にそのバインダー樹脂の疎水成分を増量する。バインダー樹脂の構成成分中、疎水性の強いスチレン成分を全モノマー中50質量%以上占めるようにする。特に好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上がよい。
【0034】
或いはトナーの外添剤の含水率を下げる。それには後記するように外添剤の疎水化度を高くするのが効果的である。外添剤の疎水化度が60以上のものを使用するのが望ましい。
【0035】
又、表面に存在する非極性の離型剤量を多くするのも有効な方法である。それには特にポリオレフィン系ワックスを使用すると好適であり、表面に存在するポリオレフィンの量を増加させるためには、機械式粉砕機を使用し、破砕時に摩擦熱を付与しトナー表面にブリードアウトさせる方法がある。
【0036】
本発明に使用されるトナーの製造方法は、最も一般的に用いられている粉砕法、即ちバインダー樹脂と着色剤、その他必要により添加される種種の添加剤を混練粉砕後分級して作製しても良いし、離型剤、着色剤を含有したトナー樹脂粒子を媒体中で合成作製して製造してもよい。
【0037】
前記トナー樹脂粒子を媒体中で合成作製に関しては水系媒体中で融着させる方法として、例えば特開昭63−186253号公報、同63−282749号公報、特開平7−146583号公報等に記載されている方法や、樹脂粒子を塩析/融着させて形成する方法等をあげることができる。ここで用いられる樹脂粒子は重量平均粒径50〜2000nmが好ましく、これらの樹脂粒子は乳化重合、懸濁重合、シード重合等のいずれの造粒重合法によっても良いが、好ましく用いられるのは乳化重合法である。
【0038】
以下、樹脂の製造に用いられる単量体について記述する。前記混練粉砕後分級によるトナーの製造方法においても、トナー樹脂粒子を媒体中で合成作製する方法においても、いずれの場合も従来公知の重合性単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。バインダー樹脂としては特に限定されるものではなく、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等、一般的に知られているバインダー樹脂を使用することができる。
【0039】
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂を構成する単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル誘導体等が挙げられ、これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0040】
その他のビニル系重合体に用いられる単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0041】
さらに、スチレン−アクリル系樹脂(ビニル系樹脂)で含カルボン酸重合体を得るための単量体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、ケイ皮酸無水物、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル等が挙げられる。
【0042】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングルコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等の架橋剤を添加してもよい。
【0043】
また、ポリエステル樹脂としては、2価以上のカルボン酸と2価以上のアルコール成分を縮合重合させて得られる樹脂である。2価のカルボン酸の例としてはマレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等が挙げられ、これらの酸無水物も使用することができる。
【0044】
また、ポリエステル樹脂を構成する2価のアルコール成分の例としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のエーテル化ビスフェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4,ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等をあげることができる。
【0045】
また、ポリエステル樹脂として架橋構造を有するものとしては、下記3価のカルボン酸、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等があげられ、これらの酸無水物、あるいは多価アルコール成分、具体的にはソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等を添加することで架橋ポリエステル樹脂とすることもできる。
【0046】
着色剤としては無機顔料、有機顔料を挙げることができる。
無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0047】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0048】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0049】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0050】
有機顔料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0051】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0052】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0053】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0054】
これらの有機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0055】
着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0056】
本発明で得られたトナーには、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0057】
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0058】
チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0059】
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0060】
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0061】
滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0062】
これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%程度が好ましい。トナー化工程は上記で得られたトナー粒子を、例えば流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的として、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0063】
トナーは、バインダー樹脂、着色剤以外にトナー用添加剤として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には離型剤、荷電制御剤等が挙げられる。
【0064】
尚、離型剤としては、種々の公知のもので、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどをあげることができる。これらは離型剤粒子として加えられ、樹脂や着色剤と共に塩析/融着させることが好ましいことはすでに述べた。
【0065】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0066】
《現像剤》
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、好ましくは二成分現像剤としてである。
【0067】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁気粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
【0068】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁気粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁気粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
【0069】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0070】
キャリアは、磁気粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁気粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0071】
本発明においては一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれを用いても像担持体上の静電潜像を現像することができる。
【0072】
一成分現像剤は、少なくとも磁性粉末及びバインダー樹脂よりなる磁性トナーからなり、これらには着色剤を含むこともできる。
【0073】
二成分現像剤はトナー粒子(トナー)とキャリア粒子(キャリア)とで構成される。現像は現像剤搬送体としての現像スリーブと感光体ドラムとの間にトナーと同極性、或いは逆極性の直流電圧と該直流電圧に交流電圧とが重畳された現像バイアスが印加され、接触或いは非接触のにて行われる。
【0074】
現像剤に用いられるトナー粒子(トナー)について説明する。
トナーの平均粒径が大きくなると、画像の荒れが目立つようになる。通常、10本/mm程度のピッチで並んだ細線の解像力がある現像には、平均粒径20μm程度のトナーでも問題ないが、しかし、体積平均粒径4〜9μmの微粒子化したトナーを用いると、解像力は格段に向上して、濃淡差も忠実に再現した鮮明な高画質画像を与えるようになる。
【0075】
上記の如きトナーは、従来の球形や不定形の非磁性又は磁性のトナーを用いることができる。トナーには、必要に応じて粒子の流動滑りを良くするための流動化剤や像担持体面の清浄化に役立つクリーニング助剤等が混合される。流動化剤としては、コロイダルシリカ、シリコーンワニス、金属石鹸あるいは非イオン表面活性剤等を用いることができ、クリーニング助剤としては、脂肪酸金属塩、有機基置換シリコーンあるいはフッ素等表面活性剤等を用いることができる。
【0076】
次に、本発明に用いられる電子写真感光体について詳細に説明する。
本発明において、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂に於けるシロキサン系樹脂は公知の方法により、即ち水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0077】
【化3】
【0078】
式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。
【0079】
上記一般式中のXが加水分解性基の場合は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0080】
又2種以上の有機ケイ素化合物が併用される場合は、それぞれの加水分解性基Xは同一でも、異なっていてもよい。
【0081】
前記シロキサン系樹脂の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している水酸基又は加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0082】
又、前記シロキサン系樹脂の原料としては前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮合物を用いることもできる。
【0083】
尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有するシロキサン系樹脂を意味する。
【0084】
又、前記シロキサン系樹脂は水酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよい。
【0085】
本発明における電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂とは電子或いは正孔のドリフト移動度を示す特性を有する化学構造(=電荷輸送性能を有する構造単位)をシロキサン系樹脂中に部分構造として組み込んだものである。具体的には本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は一般的に電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云う)を該シロキサン系樹脂中に部分構造として有している。
【0086】
尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現することもできる。
【0087】
以下にシロキサン系樹脂中に有機ケイ素化合物との反応により電荷輸送性能を有する構造単位を形成することのできる電荷輸送性化合物について説明する。
【0088】
例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0089】
一方、電子輸送型CTMとしては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0090】
本発明において、好ましい電荷輸送性能を有する構造単位は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物の残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又はケイ素原子を介して下記式中のYで示される連結原子又は連結基に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含有される。
【0091】
【化4】
【0092】
式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位、Yは2価以上の任意の連結基を表す。
【0093】
好ましくは前記一般式(1)のYが、隣接する結合原子(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有する構造単位の一部を構成する炭素原子C)を除いた2価以上の原子又は基である。
【0094】
但し、Yが3価以上の原子の時は式中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0095】
又、前記一般式の中で、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0096】
ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される(Rは水素原子又は一価の有機基である)。
【0097】
電荷輸送性能を有する構造単位Xは式中では一価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0098】
前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞれ電荷輸送能を有する化合物中に導入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分構造として取り込む連結基である。
【0099】
次に本発明中の水酸基、メルカプト基、アミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0100】
前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよい。
【0101】
X−(R7−OH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位
R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基
m:1〜5の整数である
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0102】
【化5】
【0103】
【化6】
【0104】
【化7】
【0105】
【化8】
【0106】
【化9】
【0107】
【化10】
【0108】
次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の合成例について述べる。
例示化合物T−1の合成
【0109】
【化11】
【0110】
ステップA
温度計、冷却管、撹拌装置、滴下ロートの付いた四頭コルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間撹拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、撹拌しながらゆっくり冷却した。
【0111】
析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。
【0112】
ステップB
化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベンに投入し撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間撹拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々にあけ、撹拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
【0113】
例示化合物S−1の合成
【0114】
【化12】
【0115】
ステップA
温度計及び撹拌装置を付けた300mlコルベンに、Cuを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して20時間撹拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化合物(3)7gを得た。
【0116】
ステップB
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気にし、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化ホスホリル3gを投入した。室温下で撹拌しながら、DMF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温して16時間撹拌した。約70℃の温水にあけてから冷却した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0117】
ステップC
アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100mlコルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間撹拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44gを得た。
【0118】
ステップD
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温した。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間撹拌した。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間撹拌した。その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル200mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを得た。
【0119】
次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。
メルカプト基を有する電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよい。
【0120】
X−(R8−SH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位
R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレン基
m:1〜5の整数である
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0121】
【化13】
【0122】
更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であればよい。
【0123】
X−(R9−NR10H)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位
R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置換のアリーレン基
R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非置換のアリール基
m:1〜5の整数である
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0124】
【化14】
【0125】
アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10はブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0126】
更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化合物も硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る。
【0127】
X−(−Z−Si(R11)3-a(R12)a)n
式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Zは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。
【0128】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0129】
【化15】
【0130】
【化16】
【0131】
【化17】
【0132】
前記シロキサン系樹脂の形成原料:前記一般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用いることが好ましい。
【0133】
またコロイダルシリカ(E)を添加する場合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総質量100部に対し(E)を1〜30質量部を用いることが好ましい。
【0134】
また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物(F)の添加量は、前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総質量100部に対し(F)を1〜500質量部を用いることが好ましい。前記(A)+(B)成分が前記の範囲を超えて使用されると、(A)+(B)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向がみられる。一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、(F)成分が多い場合はシロキサン樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0135】
本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成する事もできる。
【0136】
一般的には、アルコキシシランを有する組成物又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成することができる。
【0137】
また前記の3次元網目構造を形成させる触媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0138】
本発明の樹脂層に前記コロイダルシリカと併用したり、或いはコロイダルシリカの代わりに用いる事ができる有機微粒子及び無機微粒子としては、以下のものを挙げることができる。
【0139】
〈有機微粒子〉
上記有機微粒子としては、例えばシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ステアリン酸金属塩、ポリメチルメタクリレート又はメラミン等を挙げることができ、体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。又、本発明の樹脂層に含有する有機微粒子の量は、該樹脂層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光層に十分な耐刷性や潤滑性を付与することができず、画像形成の際クリーニング不良となり易く、下層との接着性を改善しない。100質量%を越えると感光体の光感度が低下し、カブリを生じ易くなる。
【0140】
〈無機微粒子〉
上記無機微粒子としては金属酸化物として、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化インジウム、酸化ベリリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等を挙げることができ、窒化物として、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素を挙げることができ、又炭化物としては、例えば炭化ケイ素、炭化ホウ素等を挙げることができる。又上記無機微粒子は、好ましくはチタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸等の疎水化処理剤により疎水化処理を行ってもよい。
【0141】
上記上記無機微粒子の粒径は体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。又、感光体表面層に含有する上記無機微粒子の量は、該表面層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光体表面層に十分な耐刷性や機械的強度或いは下層との接着性を付与することができず、画像形成の際感光体表面層が摩耗、損傷し易く、100質量%を越えると感光体表面層の表面粗さが大きくなり、クリーニング部材を損傷してクリーニング不良を引き起こす。
【0142】
なお、上記有機微粒子、及び無機微粒子の体積平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所(株)社製)により測定される。
【0143】
次に、本発明の酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0144】
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤
ヒンダードフェノール系
・アミン系酸化防止剤
ヒンダードアミン系
ジアリルジアミン系
ジアリルアミン系
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
【0145】
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
【0146】
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だと高温高湿時のカブリや画像ボケに効果がなく、20質量%より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する。
【0147】
又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対して0.01〜20質量%が好ましい。
【0148】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い)。
【0149】
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
【0150】
【化18】
【0151】
式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0152】
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0153】
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0154】
有機リン化合物としては、例えば、一般式RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0155】
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0156】
以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
【0157】
【化19】
【0158】
【化20】
【0159】
【化21】
【0160】
【化22】
【0161】
【化23】
【0162】
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系が挙げられる。
【0163】
本発明の感光層に含有される電荷発生物質(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。電荷発生物質の代表的なものの例としては、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、アゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料等がある。
【0164】
前記感光層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0165】
単層構成の感光層、及び積層構成の場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0166】
さらに本発明の感光体の層構成につき説明する。
本発明の電子写真感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層等の感光層とその上に本発明の樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましいことはすでに述べた。
【0167】
本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:5〜5:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0168】
又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は質量比で3:1〜1:3が好ましい。
【0169】
電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0170】
本発明に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0171】
次に本発明の電子写真感光体の導電性支持体としては、
1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板
2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの
3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
【0172】
本発明で用いられる導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0173】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0174】
次に本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0175】
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0176】
中間層用の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップリング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0177】
又、支持体の形状はドラム状でもシート状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に適した形状であればよい。
【0178】
先ず、画像形成プロセスおよび各機構について図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示すカラー画像形成装置100の断面構成図である。
【0179】
本例は、ドラム型の中間転写体を有する装置であり、中間転写体10上に現像剤であるカラートナーを重ね合わせてカラー画像を形成したのち、記録材(転写紙P)に転写を行う形態である。
【0180】
中間転写体10は、その周囲に配置されている4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kにより形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を順次重ね合わせて担持する。前記中間転写体10は、ドラム状の中間転写体10であって、円筒状の金属基体であるアルミニウム基体11上に、弾性層として導電性ゴム層12(厚さ500〜5000μm、電気抵抗108〜1014Ω・cmのウレタンゴム層)と、更に、その上に離形性フィルム13(分離用として、厚さ20〜200μm、電気抵抗1010〜1016Ω・cmのテフロン層)が設けられている。中間転写体10の周囲には、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kと、転写紙転写手段30、クリーニング手段16が各々配設されている。又、中間転写体10は、軸101によってカラー画像形成装置100に回転自在に軸支されている。
【0181】
又、前記4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、各々枠体26Y、26M、26C、26K内に設けられ、該枠体26Y、26M、26C、26Kがカラー画像形成装置100内で移動可能に設けられ、各画像形成ユニットを、ドラム状の中間転写体10に対して使用色に応じて画像転写位置か、又は非画像転写位置に移動させるための移動用部材27Y、27M、27C、27Kが各々枠体26Y、26M、26C、26Kと接触して設けられている。
【0182】
前記4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kを中心に、回転する帯電手段22Y、22M、22C、22Kと、露光手段23Y、23M、23C、23Kと、回転する現像手段24Y、24M、24C、24K、及び、感光体ドラム21Y、21M、21C、21Kをクリーニングするクリーニング手段25Y、25M、25C、25Kより構成されている。
【0183】
前記画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、中間転写体10にそれぞれ形成するトナー像の色が異なるだけで、同じ構成であり、図2により画像形成ユニット20Yを例にして詳細に説明する。
【0184】
枠体26Y内に設けた画像形成ユニット20Yは、像形成体である感光体ドラム21Yの周囲に、像形成体帯電手段22Y(以下、単に帯電手段22Y、あるいは、帯電器22Yという)、露光手段23Y、現像手段24Y、像形成体クリーニング手段25Y(以下、単にクリーニング手段25Y、あるいは、クリーニングブレード25Yという)を配置し、感光体ドラム21Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット20Yのうち、少なくとも感光体ドラム21Y、帯電手段22Y、現像手段24Y、クリーニング手段25Yを一体化するように設けている。
【0185】
帯電手段22Yは、感光体ドラム21Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム21Yと接触しながら従動回転をするローラ状の帯電器22Yが用いられている。
【0186】
露光手段23Yは、ローラ状の帯電器22Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム21Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段23Yとしては、感光体ドラム21Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
【0187】
現像手段24Yは、現像剤であるイエロートナーを収容し、感光体ドラム21Y上に形成された静電潜像を反転現像して、イエロートナー像を形成する手段である。本実施の形態の現像手段24Yにおいては、現像手段24Y内に収容されているイエロートナーを、撹拌部材241Yにより撹拌した後、矢示の方向に回転する表面が弾性(スポンジ)のトナー供給ローラ242Yにより、現像スリーブ243Yへ供給する。このとき、薄層形成部材244Yにより現像スリーブ243Y上のイエロートナーを均一の薄層とする。現像手段24Yの現像作用に際しては、矢示の方向に回転する現像スリーブ243Yに対し、直流あるいはさらに交流を加えた現像バイアスが印加され、現像手段24Yの収容する一成分によるジャンピング現像が行われて、接地されている感光体ドラム21Yに対して、トナーと同極性の直流成分と交流成分とを重畳したバイアスを印加して、非接触の反転現像が行われる。なお、現像スリーブ243Yの画像領域外の両端部に設けられた突当コロが、感光体ドラム21Yに当接することにより、現像スリーブ243Yと感光体ドラム21Yとを非接触に保っている。なお、非接触現像ではなく、接触現像を用いることもできる。
【0188】
感光体ドラム21Y上に形成されたイエローのトナー像は、突当コロが、中間転写体10の位置決め部に接触しながら回転し、トナーと逆極性のバイアス電圧の印加される中間転写体10により、順次、中間転写体10上に転写される。
【0189】
クリーニング手段25Yは、イエロートナー像が中間転写体10に転写された後に、感光体ドラム21Y上に残留したイエロートナーを、感光体ドラム10上から除去するための手段であって、本実施の形態においては、クリーニング手段25Yが感光体ドラム21Yに摺接することにより、残留トナーの除去を行っている。
【0190】
このようにして、画像形成ユニット20Yにより、帯電、露光、現像の行程により形成された画像信号(イエロー)に対応したイエロートナー像は、中間転写体10上に転写される。
【0191】
そして、図1に示すように、その他の画像形成ユニット20M、20C、20Kも同様に、それぞれ感光体ドラム21M、21C、21K上に、画像信号(マゼンタ)に対応したマゼンタトナー像、画像信号(シアン)に対応したシアントナー像、画像信号(K)に対応した黒トナー像が並列処理的に、同期をとりながら形成される。このような操作により、各画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kの各感光体ドラム21Y、21M、21C、21K上に形成されたトナー像は、順次、1〜2kVの転写バイアスを印加した中間転写体10上に転写され、トナー像が重ね合わされる。全てのトナー像が重ね合わさると、中間転写体10上に、カラートナー像が形成される。
【0192】
一方、中間転写体10の下部には、記録材収納手段である給紙カセットCAが設けられ、給紙カセットCA内に収容された記録材である転写紙Pは、給紙ローラr1の作動により、給紙カセットCA内から搬出され、タイミングローラ対r2へと送られる。タイミングローラ対r2は、中間転写体10上に形成されたカラートナー像と同期するように、転写紙Pを送り出す。
【0193】
送り出された転写紙Pは、転写位置で転写紙転写手段30により、中間転写体10上に形成されたカラートナー像を転写される。この転写紙転写手段30は、アースされたローラ31、転写ベルト32、紙帯電器33、転写電極34、紙分離AC除電器35から構成されている。
【0194】
送り出された転写紙Pは、ローラ31に張設され、中間転写体10の周速度に同期して矢示の方向に回転する転写ベルト32により、転写位置へと搬送される。転写ベルト32は、106〜1010Ω・cmの高抵抗のベルト状のものである。この際、転写紙Pは、記録材帯電手段としての紙帯電器33によりトナーと同極性に紙帯電され、転写ベルト32に吸着されて転写位置へと給送される。トナーと同極性に紙帯電を行うことにより、中間転写体10上のカラートナー像と引き合うことを防止して、カラートナー像の乱れを防止している。また、記録材帯電手段としては、転写ベルト32に接離可能な通電ローラやブラシ帯電器など用いることができる。
【0195】
転写位置では、転写電極34により、中間転写体10上のカラートナー像が、転写紙P上へと転写される。この転写電極34により、転写紙Pの裏面には、中間転写体10のバイアスより高いトナーと反対極性の電圧である1.5〜3kVの電位となるように、コロナ放電がなされる。
【0196】
カラートナー像の転写を受けた転写紙Pは、転写ベルト32によりさらに搬送され、記録材分離用としての紙分離AC除電器35により除電され、転写ベルト32より分離され、定着手段40へと搬送される。定着手段40において、加熱ローラ41と加圧ローラ42とにより加熱・圧着されカラートナー像が転写紙P上に容着・定着された後、転写紙Pは排紙ローラ対r3によりカラー画像形成装置の上部に設けられたトレイ上に排出される。
【0197】
一方、カラートナー像が転写紙Pへ転写された中間転写体10は、転写体クリーニング手段16であるクリーニングブレード161によって、中間転写体10上を摺擦され、中間転写体10上に残留した残留トナーを除去・清掃される。また、転写ベルト32上には、転写ベルトクリーニング手段36としてブレードが摺接しており、紙分離後の転写ベルト32上をクリーニングする。
【0198】
図3は、現像手段と、感光体ドラムを画像形成ユニットより着脱可能とし、交換できる図2とは少々構成が異なる画像形成ユニットの断面図である。
【0199】
本実施例を前記画像形成ユニット20Cの構成を例にして説明する。
画像形成ユニット20Cを構成した枠体26Cはカラー画像形成装置に設けた案内部材111に設けられており、該枠体26Cの一部に接触するようにカム構造の移動用部材27Cが設けられ、スプリングSCに抗して枠体26Cと共に画像形成ユニット20Cを所定の画像形成位置で停止している。枠体26C内には像形成体である感光体ドラム21Cの周囲に、帯電手段22C、露光手段23Cが設けられ、枠体26Cと着脱自在に設けられ交換可能となした第2枠体261C内には、現像手段24Cと、現像剤供給手段241C、及び、現像剤撹拌手段242Cが各々設けられ、現像手段24Cが感光体ドラム21Cの周囲に対峙するように配置されている。
【0200】
更に、第2枠体261C内には、一成分現像剤Tよりなるシアン(C)のトナーが内蔵されており、該一成分現像剤Tの残量を検知する現像剤残量検知手段Aが現像手段24C内に設けられている。
【0201】
前記感光体ドラム21C上には、前記画像形成プロセスによりシアン(C)のトナー像を形成し、前記同様中間転写体10にシアン(C)のトナー像を感光体ドラム21C上より転写した後、感光体ドラム21Cの周囲をクリーニング手段25Cでクリーニングするように配置されている。
【0202】
図4は、中間転写体を用いずドラム上の記録材(転写紙P)に直接転写するカラー画像形成装置であり、図5は転写ベルト上の記録材に直接転写するカラー画像形成装置である。図4及び5の画像形成手順は、図1〜3にてのものとほぼ同一であり、中間転写体の代わりに直接記録材に転写している点が異なるのみである。
【0203】
図5の転写ベルト上の記録材に直接転写するカラー画像形成装置の説明を行う。感光体を4組並列に配置して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のトナー画像を順次転写してゆくタンデムカラー画像形成装置によるカラー画像形成例である。
【0204】
図5によれば、感光体ドラム21Y(21M、21C、21K)、スコロトロン帯電器(帯電手段)24Y(24M、24C、24K)、露光光学系(露光手段)、現像器(現像手段)22Y(22M、22C、22K)及びクリーニング装置(クリーニング手段)25Y(25M、25C、25K)よりなるY、M、C及びKの画像形成ユニット20Y(20M、20C、20K)を設け、Y、M、C及びKのトナー画像形成ユニットにより形成した各トナー像を、タイミングを合わせて記録材(記録紙P)を供給し、転写手段としての転写器34Y(34M、34C、34K)により順次転写して、重ね合わせカラートナー像を形成する。
【0205】
記録材は、搬送ベルト115に乗って搬送され、記録材分離手段としての紙分離AC除電器161による除電作用と、所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離部材である分離爪210とにより、搬送ベルトから分離される。
【0206】
さらに搬送部160を通った後、加熱ローラ41と、加圧ローラ42とにより構成される定着装置(定着手段)40へと搬送され、加定着ローラ41と加圧ローラ42により形成されるニップ部Tで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とが加えられることにより記録紙P上の重ね合わせトナー像が定着された後、機外へ排出される。
【0207】
【実施例】
次に、本発明の態様を具体的に説明するが、本発明の構成はこれに限られるものではない。
【0208】
下記のごとくして感光体を作製した。
感光体1の作製
下記中間層塗布液を調製し、洗浄済み円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0209】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0210】
下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0211】
下記塗布液を混合し、溶解して保護層塗布組成物を調製した。
【0212】
〈表面層(OCL)塗布液〉
メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、感光体1を作製した。
【0213】
感光体2の作製
感光体1の作製において、表面層中にヒンダードアミン(例示化合物2−1)0.3質量部を加えた以外は全く同様にして感光体2を作製した。
【0214】
感光体3の作製
感光体1の作製において、表面層中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く同様にして感光体3を作製した。
【0215】
感光体4の作製
感光体2の作製において、表面層中のヒンダードアミンをヒンダードフェノール(例示化合物1−3)に代えた以外は全く同様にして感光体4を作製した。
【0216】
感光体5の作製
感光体1の作製において、下記中間層に変えた以外は同様にして感光体5を作製した。
【0217】
上記塗布液を浸漬塗布し、150℃で30分間乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0218】
感光体6の作製
引き抜き加工より得られた円筒状アルミニウム基体上に、下記分散物を作製、塗布し、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。
【0219】
〈導電層(PCL)塗布液〉
フェノール樹脂 160g
導電性酸化チタン 200g
メチルセロソルブ 100ml
下記中間層塗布液を調製した。この塗布液を上記導電層上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0220】
〈中間層(UCL)塗布液〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0221】
下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0222】
〈表面層(OCL)塗布液〉
上記CTL上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、感光体6を作製した。
【0223】
感光体7の作製
感光体6の作製において、表面層中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミンに代え更に、ヒンダードアミン(例示化合物2−1)0.3質量部を加えた以外は全く同様にして感光体7を作製した。
【0224】
感光体8の作製
感光体7の作製において、表面層中のヒンダードアミンをヒンダードフェノール(例示化合物1−3)に代えた以外は全く同様にして感光体8を作製した。
【0225】
感光体9の作製
感光体1の作製において、CTLまで塗布した感光体上に、メチルシロキサン単位80モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%から生成した1質量%のシラノール基を含有するポリメチルシロキサン樹脂10質量部をトルエン10質量部に溶解し、モレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。この組成物100質量部にトルエン200質量部と4−〔N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)アミノ〕−〔2−(トリエトキシシリル)エチル〕ベンゼン40質量部とヒンダードアミン(例示化合物2−7)0.3質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、140℃、4時間の加熱硬化を行い、感光体9を作製した。
【0226】
感光体10の作製
感光体6の作製において、CTLまで塗布した感光体上に、メチルシロキサン単位80モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%から生成した1質量%のシラノール基を含有するポリメチルシロキサン樹脂10質量部をトルエン10質量部に溶解し、モレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。この組成物100質量部にトルエン200質量部と4−〔N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)アミノ〕−〔2−(トリエトキシシリル)エチル〕ベンゼン40質量部とヒンダードアミン(例示化合物2−7)0.3質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、140℃、4時間の加熱硬化を行い、感光体10を作製した。
【0227】
感光体11の作製
感光体6の作製において、導電層を下記組成物に代えた以外は全く同様にして感光体11を作製した。
【0228】
〈導電層(PCL)組成物〉
フェノール樹脂 160g
導電性硫酸バリウム 200g
メチルセロソルブ 100ml
シリコーン樹脂粒子(平均粒径2μm) 3g
感光体12の作製
感光体1の作製において、円筒状アルミニウム基体を封孔処理したアルマイト円筒状アルミニウム基体に代えた以外は全く同様にして感光体12を作製した。
【0229】
感光体13の作製
感光体1の作製において、円筒状アルミニウム基体を封孔処理したアルマイト円筒状アルミニウム基体に代え、表面層塗布液のポリシロキサン樹脂を、メチルシロキサン単位30モル%、エチルシロキサン単位40モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%、ジエチルシロキサン単位10モル%から成るポリシロキサン樹脂(2質量%のシラノール基を含む)に代えた以外は全く同様にして感光体13を作製した。
【0230】
感光体14の作製
感光体1の作製において、ポリシロキサン樹脂を、メチルシロキサン単位30モル%、フェニルシロキサン単位30モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%、ジエチルシロキサン単位20モル%から成るポリシロキサン樹脂(2質量%のシラノール基を含む)に代えた以外は全く同様にして感光体14を作製した。
【0231】
感光体15の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、ヒドラゾン型の例示化合物H−1に代えた以外は全く同じにして感光体15を作製した。
【0232】
感光体16の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、スチルベン型の例示化合物S−1に代えた以外は全く同じにして感光体16を作製した。
【0233】
感光体17の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、ベンジジン型の例示化合物Be−1に代えた以外は全く同じにして感光体17を作製した。
【0234】
感光体18の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、ブタジエン型の例示化合物Bu−1に代えた以外は全く同じにして感光体18を作製した。
【0235】
感光体19の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物So−1に代えた以外は全く同じにして感光体19を作製した。
【0236】
感光体20の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物V−1に代えた以外は全く同じにして感光体20を作製した。
【0237】
感光体21の作製
感光体1の作製において、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物W−1に代えた以外は全く同じにして感光体21を作製した。
【0238】
感光体22の作製
感光体1の作製において、中間層塗布液を感光体5の中間層塗布液に代え、更に表面層塗布液中にコロイダルシリカを5質量部加えた以外は全く同じにして感光体22を作製した。
【0239】
感光体23の作製
感光体1の作製において、表面層にコロイダルシリカを12質量部加えた以外は全く同じにして感光体23を作製した。
【0240】
感光体24の作製
感光体1の作製において、CTLまで作製した。その上に、市販の硬化性シロキサン樹脂KP−854(信越化学工業社製)60質量部、イソプロパノール60質量部を加えて、均一に溶解し、これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの表面層となるように塗布し、120℃・1時間の乾燥を行い感光体24を作製した。
【0241】
感光体25の作製
感光体24の作製において、シロキサン樹脂KP−854の代わりにX−40−2239(信越化学工業社製)を用いた以外は全く同様にして感光体25を作製した。
【0242】
感光体26の作製
感光体24の作製において、シロキサン樹脂KP−854の代わりにX−40−2269(信越化学工業社製)を用いた以外は全く同様にして感光体26を作製した。
【0243】
感光体27の作製
感光体2の作製において、表面層中のヒンダードアミンを、酸化防止剤(例示化合物1−1)及び酸化防止剤(例示化合物4−1)混合物(混合比1/1)に代えた以外は全く同様にして感光体27を作製した。
【0244】
感光体28の作製
感光体1の作製において、表面層中に0.25質量部の平均粒径1μmのシリコーン樹脂粒子を加えた以外は全く同様にして感光体28を作製した。
【0245】
感光体29の作製
感光体28の作製において、表面層中のシリコーン樹脂粒子を平均粒径0.5μmのシリカ粒子、3質量部に代えた以外は全く同様にして感光体29を作製した。
【0246】
感光体30の作製
感光体1の作製において、電荷発生層までは同様に塗布した。
【0247】
〈電荷輸送層CTL〉
電荷輸送物質(例示化合物T−1) 200g
メチルトリメトキシシラン 300g
ヒンダードフェノール化合物(例示化合物1−4) 1g
コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g
1−ブタノール 50g
1%酢酸 50g
アルミニウムテトラアセチルアセテート 2g
フッ素樹脂粒子(平均粒径1μm) 10g
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃、2時間の加熱硬化を行い乾燥膜厚12μmの電荷輸送層を形成し、感光体30を作製した。
【0248】
感光体31の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層までは同様に形成した。更にこの上に下記化合物を混合し、溶解して表面層塗布液を調製した。
【0249】
〈表面層(OCL)塗布液〉
電荷輸送物質(例示化合物T−1) 200g
メチルトリメトキシシラン 300g
ヒンダードフェノール化合物(例示化合物1−3) 1g
コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g
エタノール/t−ブタノール(1/1質量比) 50g
1%酢酸 50g
アルミニウムテトラアセチルアセテート 2g
シリコーンオイル(KF−54)(信越化学(株)) 1g
を混合し、溶解して乾燥膜厚2μmの表面層として塗布し、110℃、1時間の加熱硬化を行い、感光体31を作製した。
【0250】
感光体32の作製
感光体31の作製において、表面層中のメチルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシラン(6/4質量比)に代え、シリコーンオイルKF−54をX−22−160ASに代えた以外は全く同様にして感光体32を作製した。
【0251】
感光体33の作製
感光体30の作製において、電荷輸送層中のヒンダードフェノール化合物を酸化防止剤(例示化合物2−3)に代え、フッ素樹脂粒子をシリカ粒子(平均粒径2μm)に代えた以外は全く同様にして感光体33を作製した。
【0252】
感光体34の作製
感光体1の作製において、CTL上に市販のプライマーPC−7J(信越化学社製)をトルエンで2倍に希釈し、塗布後100℃・30分間乾燥させ、乾燥膜厚0.3μmの接着層を形成した。更にこの上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から成るポリシロキサン樹脂(1質量%のシラノール基を含む)10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の乾燥を行い感光体34を作製した。
【0253】
感光体35の作製
感光体1の作製において、OCLからジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を除いた以外は同様にして感光体35を作製した。
【0254】
感光体36の作製
感光体1の作製において、OCLを除いた以外は全く同じにして感光体36を作製した。
【0255】
次に、下記のごとくしてトナーを作製した。
*トナー1−K、トナー1−Y、トナー1−M、トナー1−Cの作製
スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート=75:20:5の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風力分級機により分級して体積平均粒径が4.2μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%添加しトナーを得た。これを「トナー1−K」とする。
【0256】
トナー1−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナー1−Y」を得た。
【0257】
トナー1−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナー1−M」を得た。
【0258】
トナー1−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナー1−C」を得た。
【0259】
*トナー2−K、トナー2−Y、トナー2−M、トナー2−Cの作製
スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート:アクリル酸=75:18:5:2の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、風力分級機により微粉砕を行い、分級して体積平均粒径が6.3μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%添加しトナーを得た。これを「トナー2−K」とする。
【0260】
トナー2−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナー2−Y」を得た。
【0261】
トナー2−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナー2−M」を得た。
【0262】
トナー2−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナー2−C」を得た。
【0263】
*トナー3−K、トナー3−Y、トナー3−M、トナー3−Cの作製
スチレン:ブチルアクリレート:メタクリル酸=70:20:10の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風力分級機により分級して体積平均粒径が5.0μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%添加しトナーを得た。これを「トナー3−K」とする。
【0264】
トナー3−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナー3−Y」を得た。
【0265】
トナー3−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナー3−M」を得た。
【0266】
トナー3−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナー3−C」を得た。
【0267】
*トナー4−K、トナー4−Y、トナー4−M、トナー4−Cの作製
n−ドデシル硫酸ナトリウム=0.90kgと純水10.0Lを混合し撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、ついで、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。分散後、大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で122nmであった。また、静置乾燥による質量法で測定した上記分散液の固形分濃度は16.6質量%であった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0268】
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換水4.0Lに混合し室温下撹拌溶解する。これを、アニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0269】
ノニルフェニルアルキルエーテル0.014kgをイオン交換水4.0Lに室温下撹拌溶解する。これを、ノニオン界面活性剤溶液Aとする。
【0270】
過硫酸カリウム=223.8gをイオン交換水12.0Lに混合し室温下撹拌溶解する。これを、開始剤溶液Aと呼ぶ。
【0271】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100Lの反応釜に、数平均分子量(Mn)が3500のポリプロピレンエマルジョン3.41kgとアニオン界面活性剤溶液Aとノニオン界面活性剤溶液Aとを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを加える。
【0272】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、開始剤溶液Aを全量添加する。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを投入する。
【0273】
さらに、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、これをラテックスA1とした。
【0274】
なお、ラテックスA1中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
【0275】
過硫酸カリウム=200.7gをイオン交換水12.0Lに混合し室温下撹拌溶解する。これを、開始剤溶液Bとする。
【0276】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100Lの反応釜に、ノニオン界面活性剤溶液Aを入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを投入する。
【0277】
加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、開始剤溶液Bを添加する。この時、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を投入する。
【0278】
その後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。
【0279】
液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液をラテックスB1とした。
【0280】
なお、ラテックスB1中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0281】
塩析剤としての塩化ナトリウム=5.36kgとイオン交換水20.0Lを入れ、撹拌溶解する。これを、塩化ナトリウム溶液Aとする。
【0282】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのSUS反応釜(撹拌翼はアンカー翼)に、上記で作製したラテックスA1=20.0kgとラテックスB1=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ撹拌する。ついで、35℃に加温し、塩化ナトリウム溶液Aを添加する。その後、5分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで5分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。液温度85℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、30℃以下に冷却し撹拌を停止する。目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液▲1▼とする。ついで、遠心分離機を使用し、会合液▲1▼よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0283】
上記で洗浄を完了したウェットケーキ状の着色粒子を、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。この着色粒子の体積平均粒径は4.3μmであった。さらに、この着色粒子に疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒子径=12nm)を1.0質量%添加し、「トナー4−K」を得た。
【0284】
トナー4−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナー4−Y」を得た。
【0285】
トナー4−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナー4−M」を得た。
【0286】
トナー4−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナー4−C」を得た。
【0287】
*トナー5−K、トナー5−Y、トナー5−M、トナー5−Cの作製
トナー4の融着条件を変更して粒径を変化させた着色粒子を調整し、この着色粒子に疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒径=12nm)を1.0質量%添加し、「トナー5−K」を得た。
【0288】
トナー5−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナー5−Y」を得た。
【0289】
トナー5−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナー5−M」を得た。
【0290】
トナー5−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナー5−C」を得た。
【0291】
*トナー6−K、トナー6−Y、トナー6−M、トナー6−Cの作製
酸価=45のポリエステル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風力分級機により分級して体積平均粒径が10.4μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%添加しトナーを得た。これを「トナー6−K」とする。
【0292】
トナー6−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントイエロー185を8部使用した以外同様にして「トナー6−Y」を得た。
【0293】
トナー6−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントレッド122を10部使用した以外同様にして「トナー6−M」を得た。
【0294】
トナー6−Kの製造において、カーボンブラック10部の代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を5部使用した以外同様にして「トナー6−C」を得た。
【0295】
上記トナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量(質量%)の測定結果を表1に示す。
【0296】
【表1】
【0297】
トナーの体積平均粒径の測定方法:コールターマルチサイザーにより測定。
トナー粒子の個数分布相対度数の和の測定方法:コールターマルチサイザーにより測定された各トナーの粒径データをI/Oユニットを介してコンピューターに転送し、該コンピューターにおいて相対度数m1とm2の和Mを求めた。
【0298】
トナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量の測定方法:トナーを30℃、80RH%環境下に3日間放置し、カールフィッシャー法により測定する。例えば平沼式自動微量水分測定器AQS−724を使用して測定することができる。本発明における測定条件は、気化温度を110℃、気化時間を25秒とした。
【0299】
現像剤の作製
上記の各トナー、即ちトナー1−K〜トナー6−C(全部で24のトナー)に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径が45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤をそれぞれ調整し、評価に供した。これらの現像剤24種ををトナーに対応してそれぞれ現像剤−K〜現像剤ー6−Cとする。
【0300】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0301】
〈評価〉
各実施例、比較例において表2〜表5に示すトナー(現像剤)及び感光体の組み合わせで、Y、M、C、Kの画像形成ユニットを形成し、これらの画像形成ユニットを図5記載のタンデム型デジタル複写機に搭載し、オリジナル画像に白地部、べた黒部、及びレッド、グリーン、ブルーのソリッド画像部、文字画像部、を有するA4画像を常温常湿(20℃60%RH)下(表2、表3)および低温低湿(10℃、20RH%)下(表4、表5)で、それぞれ5万枚を中性紙に画像出しを行った。初期、2000枚及び5万枚の時点で画像評価を行った。結果を表2〜表5に示す。
【0302】
画像形成ユニットのプロセス条件
帯電手段:スコロトロン帯電器
像露光手段:半導体レーザー
現像手段:感光体と現像剤が接触する2成分反転接触現像
クリーニング条件:感光体に対して硬度70°、反発弾性34%、厚さ2(mm)、自由長7mmのクリーニングブレードをカウンター方向に線圧20(g/cm)となるように重り荷重方式で当接した。
【0303】
(1)画像評価
画像濃度、カブリの測定は、5万枚目について濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、画像濃度については絶対濃度で、カブリについては紙をゼロとした相対濃度で測定した。画像ボケは有無を目視で評価した。
【0304】
a.画像濃度
◎・・・1.4以上/良好
○・・・1.0以上〜1.4未満/実用上問題ないレベル
×・・・1.0未満/実用上問題あり
b.カブリ
◎・・・0.001未満/良好
○・・・0.001以上〜0.005未満/実用上問題がないレベル
×・・・0.005以上/実用上問題あり
c.画像ボケ(文字部の画像で画像ボケを評価)
◎・・・5万枚中5枚以下の発生/良好
○・・・5万枚中6枚〜20枚の発生/実用上問題がないレベル
×・・・5万枚中21枚以上の発生/実用上問題あり
d.細線再現性
2ドットラインの画像信号に対応するライン画像のライン幅を印字評価システム「RT2000」(ヤーマン(株)製)によって測定した。
【0305】
◎・・・1枚目の形成画像のライン幅(L1)および2000枚目の形成画像のライン幅(L2000)の何れもが200μm以下であり、かつ、ライン幅の変化(L1−L2000)が10μm以下/良好
×・・・上記以外の場合/実用上問題あり
e.色差
1枚目の形成画像および5万枚目の形成画像のY、M、C各トナーにおける二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「MacbethColor−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて色差を算出した。
【0306】
◎・・・色差が5以下/良好
×・・・色差が5より大の場合/実用上問題あり
f.黒ポチ評価
黒ポチの評価は、画像解析装置「オムニコン3000型」(島津製作所社製)を用いて黒ポチの粒径と個数を測定し、黒ポチの粒径と個数を測定し、0.1mm以上の黒ポチが100cm2当たり何個あるかで判定した。その他切り傷等の大きなものは目視判定した。黒ポチ評価の判定基準は、下記に示す通りである。
【0307】
黒ポチ(5万枚の画像出しを通して)
◎・・・1個以上/A4紙1枚/良好
○・・・2〜3個/A4紙1枚/実用上問題がないレベル
×・・・4個以上/A4紙1枚/実用上問題あり
g.各感光体の膜厚減耗量差
5万枚の画像出し終了後各感光体の膜厚摩耗を測定した。
【0308】
(Δd1、Δd2、Δd3、Δd4)
5万枚目の感光体膜厚−1枚目の感光体膜厚=摩耗量Δd(μm)
4本の感光体の減耗量の差ΔdM=Δdmax−Δdmin
Δdmax、Δdminは前記Δd1〜Δd4の中で最大、及び最小の摩耗量Δdを表す。
【0309】
感光体膜厚測定法
感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。
【0310】
【表2】
【0311】
【表3】
【0312】
【表4】
【0313】
【表5】
【0314】
表2〜表5から明らかなように、本発明内の実施例1〜34では、どちらの環境条件でも初期及び5万枚ともカブリも発生せず、且つ黒ベタ部の濃度は反射濃度で1.2以上の濃度が得られ、しかも色バランスの優れた画像が得られた。又、5万枚終了時点の各感光体の摩耗量の差も0.1μm以下と非常に少なかった。更に黒ポチや画像ボケ等の画像欠陥も発生せず、解像力も良好であった。
【0315】
一方、感光体の表面層が本発明のシロキサン系樹脂を含有していない比較例5及び6やトナーの含水量が本発明の範囲を超えた比較例1〜4は良好な画像が得られていない。
【0316】
【発明の効果】
本発明の表面層がシロキサン系樹脂を含有している感光体と、含水量が小さいトナーの組み合わせをタンデム方式のカラー画像形成装置に用いることにより、繰り返し使用時に対しても色バランスの崩れない、且つトナーフィルミングの発生に伴う黒ポチや画像ボケも見られず、良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】本発明の画像形成ユニットの断面構成図である。
【図3】本発明の画像形成ユニットの他の例を示す断面構成図である。
【図4】本発明の他のカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図5】本発明の他のカラー画像形成装置の断面構成図である。
【符号の説明】
10 中間転写体
20Y、20M、20C、20K 画像形成ユニット
21Y、21M、21C、21K 感光体ドラム(像形成体)
22Y、22M、22C、22K 帯電手段
23Y、23M、23C、23K 露光手段
24Y、24M、24C、24K 現像手段
25Y、25M、25C、25K クリーニング手段
26Y、26M、26C、26K 枠体
27Y、27M、27C、27K 移動用部材
Claims (12)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段を有し、該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設した画像形成ユニットを複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各トナー像を順次記録材に転写して画像形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該感光体の樹脂層が下記一般式(1)で表される構造を有する架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写手段、及び該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成ユニットを中間転写体の周囲に複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各感光体上のトナー像を順次中間転写体に転写した後、中間転写体上に形成されたカラー画像を記録材に転写してカラー画像を形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該感光体の樹脂層が下記一般式(1)で表される構造を有する架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段を有し、該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設した画像形成ユニットを複数配列し、各画像形 成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各トナー像を順次記録材に転写して画像形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該樹脂層が水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、水酸基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する感光体と、該感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、該感光体の帯電領域に対して光照射する像露光手段と、これら帯電手段と像露光手段とにより該感光体の表面に静電潜像を形成するとともに、該静電潜像に対応した着色トナー像を該感光体の表面に形成する現像手段と、該感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写手段、及び該感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成ユニットを中間転写体の周囲に複数配列し、各画像形成ユニットごとに着色を変えたトナーを用いて形成した各感光体上のトナー像を順次中間転写体に転写した後、中間転写体上に形成されたカラー画像を記録材に転写してカラー画像を形成するタンデム型のカラー画像形成装置において、各画像形成ユニットの現像手段に用いられるトナーの30℃、80RH%環境における飽和水分量が0.1以上2.0質量%以下であり、且つ該樹脂層が水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、水酸基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物とを反応させて得られる、架橋構造を有するシロキサン系樹脂(但し、無機ガラス質ネットワークによる架橋を除く)を含有することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 前記樹脂層に酸化防止剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項5記載のカラー画像形成装置。
- 前記樹脂層に有機乃至無機粒子が含有されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記樹脂層にコロイダルシリカが含有されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記樹脂層が表面層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記トナーが体積平均粒径4〜9μm、且つ3.0μm以下のトナー粒子が30個数%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 前記トナーの粒径をD(μm)とするとき、自然対数InDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m 1 )と、該最頻階級の次の頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m 2 )との相対度数和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のカラー画像形成装置に用いられる画像形成ユニットにおいて、該画像形成ユニットがシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する感光体と、帯電手段、像露光手段、現像手段、転写、及びクリーニング手段のいずれか1つとを組み合わせて作られたことを特徴とする画像形成ユニット。
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