JP2001154390A - 画像形成方法及び画像形成装置とそれに用いる現像剤 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置とそれに用いる現像剤

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JP2001154390A
JP2001154390A JP33273899A JP33273899A JP2001154390A JP 2001154390 A JP2001154390 A JP 2001154390A JP 33273899 A JP33273899 A JP 33273899A JP 33273899 A JP33273899 A JP 33273899A JP 2001154390 A JP2001154390 A JP 2001154390A
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toner
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Hajime Tadokoro
肇 田所
Kenji Yamane
健二 山根
Hiroyuki Kozuru
浩之 小鶴
Sayuri Kushi
さゆり 櫛
Hiroshi Yamazaki
弘 山崎
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画像濃度、低カブリで、且つ、耐久性の高
い減耗が発生しない電子写真感光体を使用し、低温定着
性の良いトナーを採用した場合でも長期に亘ってトナー
フィルミング等のない、画像形成方法及び画像形成装置
とそれに用いる現像剤を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体が導電性支持体上に電荷
輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真
感光体であり、且つトナーが少なくともGPCで測定さ
れる分子量分布で1000以上20,000未満の領域
と、20,000以上200,000未満の領域と、2
00,000以上1,000,000の領域にそれぞれ
ピークもしくはショルダーを有する樹脂と着色剤とから
なるトナーである画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の画
像形成方法及び画像形成装置とそれに用いる現像剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成技術の発達は著しく、その中で最も多く用
いられているのは、電子写真方式に代表される静電画像
形成方法に属するものである。
【0003】その理由は、電子写真方式等の静電画像形
成方法は、高画質画像を高速で得られること、モノクロ
だけでなくカラー画像形成も可能なこと、長期間の使用
にも耐える耐久性、安定性を有していることにあると考
えられる。
【0004】近年、電子写真感光体は有機光導電性物質
を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機
感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した
材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択でき
ること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して
有利な点であるが、唯一の欠点は強度が弱く、多数枚の
複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生がある
事である。
【0005】電子写真においては、感光体を一様に帯電
させた後、露光によって画像様に電荷を消去して静電潜
像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像して可
視化した後、次いでそのトナー像を紙等の画像支持体に
転写、定着させる。
【0006】しかしながら、感光体上のトナーは全てが
転写されることはなく、一部のトナーは感光体に残留
し、この状態で繰り返し画像形成した場合、残留トナー
の影響で潜像形成が乱されるため汚れのない高画質な画
像を得ることができない。このため、残留トナーの除去
が必要となる。クリーニング手段にはファーブラシ、磁
気ブラシまたはブレード等が代表的であるが、性能、構
成等の点からブレードが主に用いられている。このとき
のブレード部材としては、板状のゴム弾性体が一般的で
ある。
【0007】このように、電子写真感光体の表面は、帯
電器、現像器、転写器、及びクリーニング器等により、
電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに
対する耐久性が要求される。特に摺擦による感光体表面
の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝撃
等による膜剥がれに対する機械的耐久性が要求される。
【0008】上記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々の検討がなされてきた。
【0009】例えば、特開平9−124943号公報
や、特開平9−190004号公報では有機ケイ素変性
正孔輸送性化合物を、硬化性有機ケイ素系高分子中に結
合させた樹脂層を、表面層として有する感光体を提案し
ている。しかし、この技術では表面層は硬化されている
ために、感光体自体の減耗が殆ど無く耐磨耗性は向上す
るものの、硬度の高い感光体では表面層の摩耗がないた
めに、付着物を効果的に除去することができない。
【0010】一方、定着器としては、ローラーやベルト
を用いた加熱圧着定着方式が優れているが、省エネルギ
ーの観点より、加熱温度を出来るだけ下げられるように
トナーの低温定着性能向上が望まれている。この低温定
着性を改良するためにはトナー結着樹脂の溶融粘度を下
げることが必要である。しかし、樹脂の溶融粘度を下げ
たり分子量を下げることにより、溶融しやすい成分が増
大するため、感光体などに対して付着し、フィルミング
を発生する問題がある。この現象は従来の表面層が軟ら
かく減耗がある感光体では問題となりにくい。しかし、
減耗しにくい感光体では付着物を感光体の減耗に従って
除去することができず、問題となってきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するためになされた。
【0012】即ち、本発明の目的は、画像濃度が高く、
カブリを発生せず、且つ、耐久性の高い減耗が発生しな
い電子写真感光体を使用し、低温定着性の良いトナーを
採用した場合でも長期に亘ってトナーフィルミング等の
ない、従って画像欠陥を発生することの無い、画像形成
方法及び画像形成装置とそれに用いる現像剤を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0014】〔1〕 電子写真感光体上の潜像をトナー
を含む現像剤により現像し、画像を形成する画像形成方
法において、該電子写真感光体が導電性支持体上に電荷
輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真
感光体であり、且つ前記トナーが少なくともGPCで測
定される分子量分布で1000以上20,000未満の
領域と、20,000以上200,000未満の領域
と、200,000以上1,000,000の領域にそ
れぞれピークもしくはショルダーを有する樹脂と着色剤
とからなるトナーであることを特徴とする画像形成方
法。
【0015】〔2〕 前記シロキサン系樹脂が電荷輸送
性能を有する化合物基を部分構造として有することを特
徴とする〔1〕記載の画像形成方法。
【0016】〔3〕 前記シロキサン系樹脂が水酸基或
いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を
有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られることを
特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の画像形成方法。
【0017】〔4〕 電子写真感光体上の潜像をトナー
を含む現像剤により現像し、画像支持体に転写した後圧
接加熱定着して画像を形成する画像形成装置において、
該電子写真感光体が導電性支持体上に電荷輸送性能を有
する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン
系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体であ
り、且つ前記トナーが少なくともGPCで測定される分
子量分布で1000以上20,000未満の領域と、2
0,000以上200,000未満の領域と、200,
000以上1,000,000の領域にそれぞれピーク
もしくはショルダーを有する樹脂と着色剤とからなるト
ナーであることを特徴とする画像形成装置。
【0018】〔5〕 電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有す
る樹脂層を有する電子写真感光体上の潜像をトナーを含
む現像剤により現像し、画像支持体に転写した後圧接加
熱定着して画像を形成する画像形成方法に用いられる現
像剤において、前記トナーが少なくともGPCで測定さ
れる分子量分布で1000以上20,000未満の領域
と、20,000以上200,000未満の領域と、2
00,000以上1,000,000の領域にそれぞれ
ピークもしくはショルダーを有する樹脂と着色剤とから
なるトナーであることを特徴とする現像剤。
【0019】即ち、従来の圧接加熱定着用トナーでは、
結着樹脂の低分子量成分により低温定着性を向上させ、
オフセットを高分子量成分で維持している。この構成で
は樹脂として定着性を満足するものにはなるが、硬度の
高い感光体を使用した場合にはフィルミングを解消する
ことが困難である。しかし、中間領域の成分を含有させ
ることで、減耗しにくい感光体を使用した場合でのフィ
ルミングを解消することができる。
【0020】この理由は、高分子量成分と低分子量成分
のみでの構成では分子量分布が大きく異なるため、混練
条件によって均一な組成化を計ることが困難であり、低
分子量成分がトナー中にドメイン構造となって存在す
る。この様なトナーでは、その成分が現像領域でのスト
レスやクリーニングでのズリ応力で、感光体に対して融
着するものと推定される。
【0021】この現象を抑制するために、鋭意検討した
結果、中間領域の分子量の成分を存在させることで、高
分子量成分と低分子量成分の局在化を抑制させ、適度に
均一な樹脂組成化を計ることができることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0022】この機能を分離した樹脂とは、高温側のオ
フセットを改良するためにGPC(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー)で測定される分子量が200,
000以上、1,000,000未満の領域にピークも
しくはショルダーを有することと、画像形成支持体に対
する接着性を向上するためにGPCで測定される1,0
00以上20,000未満の領域にピークもしくはショ
ルダーを有すること、及び、この両者の相溶性を適正に
させる為に20,000以上200,000未満の領域
に、ピークもしくはショルダーを有する樹脂である。
【0023】尚、本発明においてピークとは、その値が
その前後の値より明らかに高く先端形状をしているもの
を指し、ショルダーとはそこまで明確な形状ではない
が、明らかに変曲点形状を有するものを指す。
【0024】これら樹脂の構成比としては、低分子量領
域の成分(成分A)と中間分子量領域(成分B)と高分
子量領域の成分(成分C)のGPC測定チャートの面積
比で低分子量成分:中間分子量成分:高分子量成分=4
0〜60:10〜30:50〜10であることが好まし
い。
【0025】各構成成分の組成に関しては特に限定され
るものでは無いが、それぞれが異なった組成であること
が好ましい。この理由としては、それぞれの構成成分が
お互いに完全相溶の状態ではなく、比較的小さなドメイ
ン構造化することができ、いわゆる相溶状態の構成とは
異なったものとなり、定着性をより向上することが出来
るためであると推測される。
【0026】尚、構成する樹脂の成分については、それ
ぞれのガラス転移温度が、 TgA>TgC≧TgB を満足することが好ましい。また、TgAに関しては特
に60℃を越えるものが好ましい。このガラス転移温度
は一般的に知られているDSC(示差熱量計)により測
定された値である。具体的には、DSC−7(パーキン
エルマー社製)を用い、0℃〜100℃まで10℃/m
inの条件で昇温し、冷却した後に再度10℃/min
の昇温速度で加熱した状態で測定された吸熱ピークのベ
ースラインと最大傾斜を延長した交点をガラス転移温度
とする、オンセット法で算出された値を示す。
【0027】
【発明の実施の形態】着色粒子(外添剤等を加えたもの
をトナーという)は結着樹脂と着色剤と必要に応じて使
用されるその他の添加剤とを含有してなり、その平均粒
径は体積平均粒径で通常1〜30μm、好ましくは5〜
12μmである。
【0028】着色粒子(トナー)を構成する結着樹脂と
しては特に限定されず、従来公知の種々の樹脂が用いら
れる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチ
レン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ
る。
【0029】更に具体的に述べれば結着樹脂としてはビ
ニル系樹脂が好ましい。その合成に用いられる単量体
は、スチレン−アクリル系樹脂用の化合物例としては、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロ
スチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルス
チレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレ
ン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレ
ン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレ
ンの如きスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導
体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、アク
リル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミ
ノエチル等のアクリル酸エステル誘導体等が挙げられ、
これらは単独あるいは組み合わせて使用することができ
る。
【0030】その他のビニル系重合体用単量体の化合物
例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の
オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
ル、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲン系ビニル
類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチル
ケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化
合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化
合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブ
チルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメ
タクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等の
アクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これら
ビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。
【0031】更にスチレン−アクリル系樹脂(ビニル系
樹脂)で含カルボン酸重合体を得るための単量体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル
酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マ
レイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチル
エステル、ケイ皮酸無水物、アルケニルコハク酸メチル
ハーフエステル等が挙げられる。
【0032】又、スチレン−アクリル系樹脂(ビニル系
樹脂)の架橋剤例としては、ジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコーリジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート等が挙げられる。
【0033】架橋剤の使用量は必要とする架橋度によっ
て適宜使用量を調整して使用される。一般的にはビニル
系単量体に対して0.1〜5質量%使用される。
【0034】分子量分布はGPCにて測定されたスチレ
ン換算分子量を示す。GPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー)による樹脂の分子量測定方法は、T
HFを溶媒としたGPCにより測定される。すなわち、
測定試料0.5〜5mg、より具体的には1mgに対し
てTHFを1ml加え、室温にてマグネチックスターラ
ーなどを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。つい
で、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフ
ィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの
測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを
毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を
約100μl注入して測定する。
【0035】カラムは、市販のポリスチレンゲルカラム
を組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和
電工社製のShodex GPC KF−801、80
2、803、804、805、806、807の組合せ
や、東ソー社製のTSKgelG1000H、G200
0H、G3000H、G4000H、G5000H、G
6000H、G7000H、TSK guard co
lumnの組合せなどを挙げることができる。また、検
出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいは
UV検出器を用いるとよい。試料の分子量測定では、試
料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子
を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成
用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
【0036】着色粒子(トナー)を構成する着色剤とし
ては特に限定されず、従来公知の種々の材料が使用され
る。例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリ
ンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルト
ラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエ
ロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブル
ー、マラカイトグリーンオクサレート、ローズベンガル
等が挙げられる。その他の添加剤としては例えばサリチ
ル酸誘導体、アゾ系金属錯体等の荷電制御剤、低分子量
ポリオレフィン、カルナウバワックス等の定着性改良剤
等が挙げられる。
【0037】又、磁性トナーを得る場合には着色粒子に
添加剤として磁性体粒子が含有される。磁性体粒子とし
ては平均一次粒子径が0.1〜2.0μmのフェライ
ト、マグネタイト等の粒子が用いられる。磁性体粒子の
添加量は着色粒子中の20〜70質量%である。
【0038】また、流動性付与の観点から、無機微粒子
を着色粒子に添加してもよい。無機微粒子としてはシリ
カ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子が好まし
く、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤
やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されてい
ることが好ましい。
【0039】また、本発明のトナーの粒径は、体積平均
粒径で3〜15μm、好ましくは4〜10μmである。
この体積平均粒径はコールターカウンターTA−IIある
いはコルターマルチサイザーを用いて測定することがで
きる。アパーチャー径=100μmのアパーチャーを用
いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いた
ものである。
【0040】次に、本発明で用いられる感光体について
説明する。本発明において、シロキサン系樹脂は公知の
方法により、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケ
イ素化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合物
は下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0041】
【化1】
【0042】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Z1〜Z4は水酸基又は
加水分解性基を表す。) 上記一般式中のZ1〜Z4が加水分解性基の場合は、加水
分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチル
ケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プ
ロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエ
トキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に
炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリ
ル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシ
ドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピ
ル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリ
ロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロ
キシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プ
ロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の
含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−ク
ロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノ
ナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の
含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等
を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機
基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0043】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂の
原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般に
はケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1の
とき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。
nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやす
く、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが
可能である。従って、これらをコントロールすることに
より得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御
することが出来る。
【0044】又、シロキサン系樹脂の原料としては前記
有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水
分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮
合物を用いることもできる。
【0045】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網
目構造を形成させ、その結果生成したポリシロキサン樹
脂を意味する。
【0046】又、前記シロキサン系樹脂は該樹脂中に水
酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含
ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂
としてもよい。
【0047】又、本発明中の電荷輸送能の定義として
は、通常のTime−Of−Flight法の電荷輸送
能を検知できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検
出電流が得られるものとして表現することがきる。
【0048】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と
は電荷輸送能を有する部分構造を含むシロキサン系樹脂
である。即ち、電子或いは正孔のドリフト移動特性を有
する化学構造(=電荷輸送性能を有する化合物基)をシ
ロキサン系樹脂中に化学構造として組み込ませた樹脂で
ある。即ち、多くの場合、本発明の電荷輸送性能を有す
る構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂とは一般的に電荷輸送物質として用いられる化合物
(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云う)をシロキ
サン系樹脂中に化学構造として有している。
【0049】以下にシロキサン系樹脂中に有機珪素化合
物との反応により部分構造としての電荷輸送性能を有す
る基を形成することのできる電荷輸送性化合物について
説明する。
【0050】例えば正孔輸送型CTMとしては、オキサ
ゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾー
ル、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビス
イミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、
ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロ
ン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリ
ン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノス
チルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−
ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等の化学
構造を有するものである。
【0051】一方、電子輸送型CTMとしては、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリ
ット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベン
ゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニ
トロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロ
ルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナ
フトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラ
キノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラ
キノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニト
ロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フル
オレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニ
トロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジ
ニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニト
ロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオ
ロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を有
するものである。
【0052】本発明において、電荷輸送性能を有する化
合物基とは、通常用いられる電荷輸送性化合物を含み、
該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又は珪素原子を
介して或いは該電荷輸送性化合物を部分構造として有す
る化合物の炭素原子又は珪素原子を介して、下記式中Y
の連結原子又は連結基を介してシロキサン系樹脂中に含
有された基である。
【0053】
【化2】
【0054】(式中、Xは電荷輸送性能を有する化合物
基であって、該基を構成する炭素原子又は珪素原子を介
して式中のYと結合する基であり、Yは隣接する結合原
子(SiとC)を除いた2価以上の原子又は基であ
る。) 電荷輸送性を有する化合物基Xは上式中では1価の基と
して示されているが、2つ以上の反応性官能基を有して
いる場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基と
して接合してもよく、単にペンダント基として接合して
いてもよい。
【0055】又、Yが3価以上の原子の時は上式中のS
iとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂
中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原
子、基と連結した構造を有する。
【0056】前記一般式の中で、Y原子として、特に酸
素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ま
しい。ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基
は−NR−で表される(Rは水素原子又は1価の有機基
である。)。
【0057】これらはそれぞれ電荷輸送性化合物中に導
入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基或い
は加水分解性基を有する有機珪素化合物との反応によっ
て形成され、シロキサン系樹脂中に電荷輸送性化合物を
部分構造として取り込む連結基である。
【0058】次に本発明に係わる電荷輸送性化合物につ
いて説明する。これらは通常、水酸基、メルカプト基、
アミン基、有機珪素含有基を有する前記水酸基を有する
電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物
質で、且つ水酸基を有している化合物である。即ち、代
表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を
形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性
化合物を挙げることができるが、下記構造に限定される
ものではなく、電荷輸送能を有し、且つ水酸基を有して
いる化合物であればよい。 X−(R7−OH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する化合物基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0059】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能を有する構造単位として有し、前記構造単
位を構成する炭素原子を介して、又は構造単位から延長
されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有す
る化合物である。 1.トリアリールアミン系化合物
【0060】
【化3】
【0061】2.ヒドラジン系化合物
【0062】
【化4】
【0063】3.スチルベン系化合物
【0064】
【化5】
【0065】4.ベンジジン系化合物
【0066】
【化6】
【0067】5.ブタジエン系化合物
【0068】
【化7】
【0069】6.その他の化合物
【0070】
【化8】
【0071】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。 例示化合物T−1の合成
【0072】
【化9】
【0073】ステップA 温度計、冷却管、撹拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間撹拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、撹拌しながらゆっく
り冷却した。
【0074】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。 ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間撹拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、撹拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであっ
た。 例示化合物S−1の合成
【0075】
【化10】
【0076】ステップA 温度計及び撹拌装置を付けた300mlコルベンに、C
uを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化
合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して
20時間撹拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化
合物(3)7gを得た。 ステップB 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び撹拌装
置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気に
し、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化
ホスホリル3gを投入した。室温下で撹拌しながら、D
MF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温し
て16時間撹拌した。約70℃の温水にあけてから冷却
した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが
7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後
に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。 ステップC アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100ml
コルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投
入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)
2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間
撹拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出
し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、
濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44g
を得た。 ステップD 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び撹拌装
置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、ア
ルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサ
ン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温し
た。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml
溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間撹拌し
た。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド
8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間撹拌した。
その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル2
00mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。
洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムに
て乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを
得た。
【0077】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。メルカプト基を有する
電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送
物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。
即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、
樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電
荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限
定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカ
プト基を有している化合物であればよい。 X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する化合物基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0078】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0079】
【化11】
【0080】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。アミノ基を有する電荷輸送性化合物
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ
基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性
有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが
出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げる
ことができるが、下記構造に限定されるものではなく、
電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物で
あればよい。 X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する化合物基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0081】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0082】
【化12】
【0083】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
側鎖として残存する基でも良く、架橋反応を起こす基で
も良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0084】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。ケイ素原子含有基を有する
電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質
である。この化合物は化合物中の珪素原子を介してシロ
キサン系樹脂中に部分構造として含有される。 X−(−Y−Si(R113-a(R12an (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合
物基であり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のア
ルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は
水酸基を示し、Yは置換若しくは未置換のアルキレン
基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、n
は整数を示す。) その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものが
ある。
【0085】
【化13】
【0086】前記硬化性シロキサン樹脂の形成原料:前
記一般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)とい
う)組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)
成分1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モ
ルを用いることが好ましい。
【0087】またコロイダルシリカ(以下(E)とす
る)を添加する場合は前記(A)+(B)+(C)+
(D)成分の総質量100部に対し(E)を1〜30質
量部を用いることが好ましい。
【0088】また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシ
リカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電
荷輸送性化合物(以下(F)とする)を加える場合は、
前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総質量10
0部に対し(F)を1〜500質量部を用いることが好
ましい。前記(A)+(B)成分が少ない場合はシロキ
サン系樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。
又、(A)+(B)成分が多すぎると架橋密度が大きす
ぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコ
ロイダルシリカ成分の過不足も、(A)+(B)成分と
同様の傾向がみられる。一方、(F)成分が少ない場合
はシロキサン系樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低
下、残電の上昇を生じ、(F)成分が多い場合はシロキ
サン系樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0089】本発明のシロキサン系樹脂は予め構造単位
にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリ
マーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ
3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分解反応と
その後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノ
マー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成
する事もできる。
【0090】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有
する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成する
ことができる。
【0091】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0092】また本発明中の樹脂層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0093】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基
がアルコキシに変成されていても良い。) 又、ヒンダードアミンは、例えば下記一般式〔a〕及び
〔b〕で示される有機基を有する化合物類が挙げられ
る。
【0094】
【化14】
【0095】(式中のR1又はR9は水素原子又は1価の
有機基、R2、R3、R4、R5はアルキル基、R6、R7
8は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。) ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤として
は、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)
記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定される
ものではない。
【0096】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0097】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダートフェノール系、
「サノールLS2626」、「サノールLS765」、
「サノールLS770」、「サノールLS744」、
「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マー
クLA57」、「マークLA67」、「マークLA6
2」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒ
ンダートアミン系、「スミライザ−TPS」、「スミラ
イザーTP−D」以上チオエーテル系、「マーク211
2」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24
G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、
「マークHP−10」以上ホスファイト系が挙げられ
る。これらの中で特にヒンダードフェノール、ヒンダー
ドアミン系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の添加量
としては樹脂層組成物の総質量100部に対し、0.1
〜10質量部を用いることが好ましい。
【0098】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の樹脂
層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発
生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層
が複数の層から構成されていてもよい。
【0099】本発明に於ける感光層に含有される電荷発
生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワ
リリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピ
リリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。
【0100】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0101】単層構成の感光層及び積層構成の場合の電
荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有され
るバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、
エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール
樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙
げられる。
【0102】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:10〜1
0:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下
が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0103】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は質量比で10:1〜1:10が
好ましい。
【0104】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数
設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設
けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0105】本発明のシロキサン系樹脂層は、表面層が
電荷輸送層の場合は前記電荷輸送層を兼ねても良いが、
好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層
型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別
層の表面層として設けるのがよい。この場合、前記感光
層と本発明の樹脂層の間に接着層を設けても良い。
【0106】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0107】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0108】本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、
メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限
定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いら
れる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0109】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又
は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)
塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記
スプレー塗布については例えば特開平3−90250号
及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、
前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−1
89061号公報に詳細に記載されている。
【0110】本発明の感光体は前記樹脂層が塗布形成さ
れた後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度
で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残
存塗布溶媒を少なくすると共に、樹脂層を十分に硬化さ
せることができる。
【0111】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ま
しい。
【0112】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタ
ン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを用いた中間層、或
いは特開平9−68870号公報の如く金属アルコキシ
ド、有機金属キレート、シランカップリング剤による硬
化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜
10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好まし
い。
【0113】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバ
インダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成する
ことができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好まし
く、特には10〜30μmが好ましい。
【0114】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0115】図1に本発明の一態様である画像形成装置
の断面図を示す。本発明において4は感光体ドラムであ
り、アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光層であ
る有機光導電体(OPC)層を形成してなるもので、矢
印方向に所定の速度で回転する。本実施態様例におい
て、感光体ドラム4は外径60mmである。
【0116】図1において、図示しない原稿読み取り装
置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1か
ら露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2によ
り、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補
正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静
電潜像を作る。感光体は、あらかじめ帯電器5により一
様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に
回転を開始している。
【0117】感光体面上の静電潜像は、現像器6により
現像され、形成されたトナー像はタイミングを合わせて
搬送されてきた画像支持体(記録材)8に転写器7の作
用により転写される。さらに感光体ドラム4と記録材8
は分離器(分離極)9により分離されるが、トナー像は
記録材8に転写担持されて、定着器10へと導かれ定着
される。
【0118】感光体面に残留した未転写のトナー等は、
クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清
掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除
き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電
される。
【0119】尚、記録材は代表的には普通紙であるが、
現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定され
ず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0120】又、クリーニングブレード13は、厚さ1
〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウ
レタンゴムが最もよく用いられる。
【0121】近年、感光体上に静電潜像を形成し、この
潜像を現像して可視画像を得る電子写真等の分野におい
て、画質の改善、変換、編集等が容易で高品質の画像形
成が可能なデジタル方式を採用した画像形成方法の研究
開発が盛んになされている。
【0122】この画像形成方法及び装置に採用されるコ
ンピュータまたは複写原稿からのデジタル画像信号によ
り光変調する走査光学系として、レーザ光学系に音響
光学変調器を介在させ、当該音響光学変調器により光変
調する装置、半導体レーザを用い、レーザ強度を直接
変調する装置がある。これらの走査光学系から一様に帯
電した感光体上にスポット露光してドット状の画像を形
成する。
【0123】前述の走査光学系から照射されるビーム
は、裾が左右に広がった正規分布状に近似した丸状や楕
円状の輝度分布となり、例えばレーザビームの場合、通
常、感光体上で主走査方向あるいは副走査方向の一方あ
るいは両者が20〜100μmという極めて小さい円状
あるいは楕円状である。
【0124】又、上記画像形成装置は、感光体ドラム4
と、帯電器5、現像器6、クリーニング器11あるいは
転写器7等の少なくとも一つを含むプロセスカートリッ
ジを搭載する形態にすることもできる。
【0125】本発明の画像形成装置に搭載するためのプ
ロセスカートリッジの例を、図2に断面図(a)、斜視
図(b)として示した。このプロセスカートリッジ15
は、画像形成装置の側面、即ち記録材の搬送される方向
と直角方向からガイドレール等により装置内に装填され
る。
【0126】上記電子写真画像形成装置はモノクロ画像
形成のための装置であるが、本発明はカラー画像形成装
置にも同様に適用できることはいうまでもない。
【0127】本発明におけるクリーニング機構の構成
は、その代表例断面図を示せば図3のごとくである。1
3はクリーニングブレードで詳しくいうとホルダー10
3にて保持された状態で感光体ドラム4に、ある程度の
当接圧をかけられた状態で接触している。図3では10
4が、その当接圧をかけるための部材である。
【0128】感光体ドラム4とは、電子写真方式では感
光体であり、最も多くの場合ドラム状支持体の上に形成
されているためそう呼ばれることが多い。図3では矢印
がその進行方向である。
【0129】又、106はクリーニングブレードにより
かき落とされた感光体ドラム4上のトナーを、廃トナー
搬送部105に導くためのガイド板である。なおこのガ
イド板106は薄く柔らかいので感光体ドラム4上に付
着したトナーは一旦はその下をすり抜け、クリーニング
ブレードでかき落とされる。又、107はクリーニング
機構の外壁である。
【0130】図4はクリーニングブレード13により、
感光体ドラム4上のトナーがかき落とされる状況を示し
ている。
【0131】図5はクリーニングブレード13のホルダ
ー103と感光体ドラム4のなす交差角φを説明する図
である。即ち、交差角φが90°未満であるとは、ホル
ダーのクリーニングブレードを支持している方向(Y−
Y)へ延長線を延ばし、感光体ドラム4面に到達した箇
所で感光体ドラム4面に接線(X−X)を引いた場合、
この接線と延長線のなす角度が90°未満であるという
意味である。
【0132】この角度が90°以上で十分なクリーニン
グ性を確保しようとすると、トナーが押しつぶされるよ
うに働く力により、長期使用の間には感光体ドラムにト
ナーが付着する問題がでるため耐久性が確保されないこ
とがある。又、下限の角度としては、特に明らかなもの
はないが、クリーニング力という意味では15°以上で
あるとクリーニングの力の方向が強くなり、クリーニン
グ力が安定する観点から好適である。また、角度の好ま
しい範囲としては、20〜90°、さらに好ましくは2
5〜80°である。
【0133】又、本発明に用いられるクリーニングブレ
ードの材質としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、
フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用
いることが出来る。
【0134】本発明においてクリーニングブレードは、
使用時の押圧力としては0.15〜0.25N/cmが
よく、物性的にはJIS K 6301によって測定さ
れた硬度60〜90°、引っ張り強さ25×106Pa
以上、反発弾性が2×106Pa以上のものがよい。好
ましくは、引っ張り強さでは25〜80×106Pa、
更に好ましくは30〜60×106Pa、反発弾性では
2〜10×106Pa、更に好ましくは30〜90×1
6Paである。
【0135】すなわち、押圧力がこの範囲にあること
で、ブレードの先端がつぶれたり浮き上がることがな
く、安定したクリーニング力を与えることができる。さ
らに、硬度が60〜90°とすることで、ブレードのエ
ッジのつぶれが起こりにくくなり、安定したクリーニン
グ性を確保することができる。また、引っ張り強さ及び
反発弾性に関してもこの範囲にすることで、安定したク
リーニング性を維持することができる。
【0136】本発明に使用される好適な定着方法として
は、熱ロール定着方式をあげることができる。
【0137】この定着方式では、多くの場合表面にテト
ラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等を被
覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダー
内部に熱源を有する上ローラーとシリコーンゴム等で形
成された下ローラーとから形成されている。熱源として
は、線状のヒーターを有し、上ローラーの表面温度を1
20〜200℃程度に加熱するものが代表例である。定
着部に於いては上ローラーと下ローラー間に圧力を加
え、下ローラーを変形させ、いわゆるニップを形成す
る。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5
〜7mmである。定着線速は40mm/sec〜400
mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均
一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラ
を発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融
が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生す
る。
【0138】定着クリーニングの機構を付与して使用し
てもよい。この方式としてはシリコーンオイルを定着の
上ローラーあるいはフィルムに供給する方式やシリコー
ンオイルを含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等でク
リーニングする方法が使用できる。
【0139】
【実施例】次に、本発明の実施態様を具体的に述べる
が、本発明はこの態様に限定されるものではない。な
お、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0140】(トナーの作製) 着色粒子製造例1 下記一覧表「表1、2、3」に示す組成を有する樹脂1
00部とカーボンブラック8部とを予備混合した後に、
溶融混練、粉砕、分級し、体積平均粒径が7.3μmの
着色粒子1〜7を得た。
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】
【表3】
【0144】・St:スチレン ・BA:n−ブチルアクリレート ・MMA:メチルメタクリレート ・BMA:n−ブチルメタクリレート ・MAA:メタクリル酸 ・AAc:アクリル酸 この着色粒子1〜7に疎水性シリカ(疎水化度=65、
数平均一次粒子径=12nm)を1.0質量%添加し、
トナーを得た。これらを「トナー1」〜「トナー7」と
する。
【0145】各々のトナーに対して、シリコーン樹脂を
被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを
混合してトナー濃度6%(質量)の現像剤を調製した。
これらをトナーに対応して、「現像剤1」〜「現像剤
7」とする。
【0146】(感光体の作製) 感光体1の作製 導電性支持体として表面粗さRz(十点平均粗さ)=
1.5μm、直径80mm、高さ355mmのアルミニ
ウム支持体を用いた。 〈中間層〉 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤 17g 2−プロパノール 150ml を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布
液を上記円筒状アルミニウム支持体上に浸漬塗布法で塗
布し、120℃1時間乾燥して膜厚1.5μmの中間層
を形成した。 〈電荷発生層〉 チタニルフタロシアニン 60g シリコン樹脂溶液 (KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液 :信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に
浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形
成した。 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300 :三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、2
5μmの膜厚の電荷輸送層を形成した。 〈樹脂層〉 トリメトキシメチルシラン 180g 1−ブタノール 280ml 1%酢酸水溶液 106ml を混合して60℃で2時間撹拌した後、さらに370m
lの1−ブタノールを加えて48時間撹拌を続けた。
【0147】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)67.5g、酸化防止剤(サ
ノールLS2626:三共社製)1.7g、ジブチル錫
アセテート4.5gを加えて混合し、この溶液を乾燥膜
厚1μmの樹脂層として塗布して、120℃、1時間の
加熱硬化を行い感光体1を作製した。 感光体2の作製 次に感光体1において樹脂層のジヒドロキシトリフェニ
ルアミン(T−1)の代わりに4−[2−(トリエトキ
シシリル)エチル]トリフェニルアミンに代えたほかは
感光体1と同様にして感光体2を作製した。 感光体3の作製 次に感光体1において樹脂層のジヒドロキシトリフェニ
ルアミン(T−1)を除いたほかは感光体1と同様にし
て感光体3を作製した。 感光体4の作製 感光体1の作製において、表面の樹脂層を構成しない他
は同様にして感光体を得た。これを感光体4とする。
【0148】評価 画像評価装置 上記のようにして作製された感光体及びトナーを用いて
表4に示したように組み合わせ、実施例1〜12及び比
較例1〜7を作製し、コニカ社製のデジタル複写機「K
onica7050」に組み込み評価を行った。
【0149】
【表4】
【0150】デジタル複写機「Konica7050」
はレーザー露光、反転現像プロセスでA4、コピー速度
50枚/分に設計されており、図2に示したように帯
電、露光、現像、転写、クリーニング、消去露光の各工
程を感光体周辺に有し、クリーニング工程には下記のブ
レードクリーニングが設置されている。即ち、クリーニ
ングのためにゴム硬度JISA70°、反発弾性25、
厚さ2mm、自由長9mmのポリウレタン製弾性ゴムブ
レードを当接角20°で感光体の回転に対してカウンタ
ー方向に、重り荷重方式で押圧力0.2N/cmで当接
した。
【0151】尚、上記画像評価装置の現像条件は下記の
条件に設定した。 DCバイアス ;−500V Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm 現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式 現像剤層厚 ;700μm 現像スリーブ径;40mm 上記画像評価装置を用い、33℃、85%RH(高温高
湿)の環境条件で画素率が5%の文字画像原稿をA4で
連続2万枚の印字を行い、ついで一晩休止した後、再度
同様の2万枚の印字を行うモードを10日間繰り返し、
総計20万枚の印字を行った。朝と一日の最後にハーフ
トーン、ベタ黒、ベタ白画像を印字し、画質評価を行っ
た。
【0152】尚、定着装置は下記構成とした。テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)で表面を被覆した直径30mmで全
幅が310mmの、ヒーターを中央部に内蔵した円柱状
の厚み2mmのアルミ合金を上ローラーとして有し、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルエーテル
共重合体(PFA)で表面を被覆したスポンジ状シリコ
ーンゴム(アスカーC硬度=48:厚み8mm)で構成
された直径40mmの下ローラーを有している。ニップ
圧は1.1×105Pa(総荷重=198N)でニップ
幅は6mmとした。
【0153】この定着装置を使用して、印字の線速を2
50mm/secに設定した。なお、定着装置のクリー
ニング機構としてポリジフェニルシリコーン(20℃の
粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の
供給方式を使用した。定着の温度は上ロールの表面温度
で制御し、175℃の設定温度とした。なお、シリコー
ンオイルの塗布量は、0.8μg/cm2とした。
【0154】初期と20万枚後の画像濃度、カブリ濃度
及びハーフトーンの定着性を比較し、ハーフトーンの画
像ボケの発生有無を比較した。なお、画像濃度はベタ黒
画像の濃度をマクベス社製RD−918を使用し絶対反
射濃度で測定し、カブリについてはベタ白画像を使用
し、マクベス社製RD−918を使用し、紙の画像濃度
を「0」とする相対反射濃度を測定し、最大濃度のもの
を記録した。
【0155】定着性を評価するためのコスリ試験は、定
着画像を「サラシ布」を巻いた1kgのおもりで擦り、
その前後の画像濃度変化を百分率で算出したものであ
る。
【0156】定着率(%)=(擦り後の画像濃度)/
(擦り前の画像濃度)×100
【0157】
【表5】
【0158】表5に記載された結果から明らかな如く、
本発明内のものは何れも実用範囲内にあるのに対し、本
発明外のものは実用上不十分な特性しか得られないこと
がわかる。
【0159】
【発明の効果】本発明により、高画像濃度、低カブリ
で、且つ、耐久性の高い減耗が発生しない電子写真感光
体を使用し、低温定着性の良いトナーを採用した場合で
も長期に亘ってトナーフィルミング等のない、従って画
像欠陥を発生することの無い、画像形成方法及び画像形
成装置とそれに用いる現像剤を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である画像形成装置の断面図。
【図2】この発明を適用するプロセスカートリッジの断
面図及び斜視図。
【図3】クリーニング機構の構成断面図。
【図4】クリーニングブレードにより感光体ドラム上の
トナーがかき落とされる状況を示す図。
【図5】クリーニングブレードのホルダーと感光体ドラ
ムのなす交差角φを説明する図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源 2 ポリゴンミラー 3 fθレンズ 4 感光体ドラム 5 帯電器 6 現像器 7 転写器 8 画像支持体(記録材) 9 分離極 10 定着器 11 クリーニング器 12 帯電前露光(PCL) 13 クリーニングブレード 15 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 G03G 9/087 G03G 9/08 321 (72)発明者 櫛 さゆり 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 山崎 弘 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 DA10 EA06 2H068 AA03 BB33 BB49 BB57 EA04 FC08 4J002 AA001 BC031 BC041 BC071 CP031 CP051 CP091 CP121 DA036 EU026 EU056 FD010 FD070 FD090 FD096 FD200 GP03 4J035 BA01 BA11 CA03M CA032 CA09M CA092 CA18M CA182 CA202 CA22M CA222 CA26M CA262 CA30M CA301 EA01 EB02 FB01 LA03 LB20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上の潜像をトナーを含む
    現像剤により現像し、画像を形成する画像形成方法にお
    いて、該電子写真感光体が導電性支持体上に電荷輸送性
    能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロ
    キサン系樹脂を含有する樹脂層を有する電子写真感光体
    であり、且つ前記トナーが少なくともGPCで測定され
    る分子量分布で1000以上20,000未満の領域
    と、20,000以上200,000未満の領域と、2
    00,000以上1,000,000の領域にそれぞれ
    ピークもしくはショルダーを有する樹脂と着色剤とから
    なるトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記シロキサン系樹脂が電荷輸送性能を
    有する化合物基を部分構造として有することを特徴とす
    る請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記シロキサン系樹脂が水酸基或いは加
    水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する
    電荷輸送性化合物とを反応させて得られることを特徴と
    する請求項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体上の潜像をトナーを含む
    現像剤により現像し、画像支持体に転写した後圧接加熱
    定着して画像を形成する画像形成装置において、該電子
    写真感光体が導電性支持体上に電荷輸送性能を有する構
    造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂
    を含有する樹脂層を有する電子写真感光体であり、且つ
    前記トナーが少なくともGPCで測定される分子量分布
    で1000以上20,000未満の領域と、20,00
    0以上200,000未満の領域と、200,000以
    上1,000,000の領域にそれぞれピークもしくは
    ショルダーを有する樹脂と着色剤とからなるトナーであ
    ることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 電荷輸送性能を有する構造単位を有し、
    且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂
    層を有する電子写真感光体上の潜像をトナーを含む現像
    剤により現像し、画像支持体に転写した後圧接加熱定着
    して画像を形成する画像形成方法に用いられる現像剤に
    おいて、前記トナーが少なくともGPCで測定される分
    子量分布で1000以上20,000未満の領域と、2
    0,000以上200,000未満の領域と、200,
    000以上1,000,000の領域にそれぞれピーク
    もしくはショルダーを有する樹脂と着色剤とからなるト
    ナーであることを特徴とする現像剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003015331A (ja) * 2001-06-27 2003-01-17 Canon Inc 電子写真装置およびプロセスカートリッジ
US7094514B2 (en) 2003-03-10 2006-08-22 Fuji Xerox Co., Ltd. Image forming method
JP2014098110A (ja) * 2012-11-15 2014-05-29 Osaka Gas Chem Kk ローラー及び/又は金型の最表面用組成物

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