JP2014098110A - ローラー及び/又は金型の最表面用組成物 - Google Patents

ローラー及び/又は金型の最表面用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2014098110A
JP2014098110A JP2012251461A JP2012251461A JP2014098110A JP 2014098110 A JP2014098110 A JP 2014098110A JP 2012251461 A JP2012251461 A JP 2012251461A JP 2012251461 A JP2012251461 A JP 2012251461A JP 2014098110 A JP2014098110 A JP 2014098110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silane
roller
propoxy
mold
outermost surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012251461A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
Riichiro Iida
理一郎 飯田
Kazunori Goto
和紀 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Chemicals Co Ltd filed Critical Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority to JP2012251461A priority Critical patent/JP2014098110A/ja
Publication of JP2014098110A publication Critical patent/JP2014098110A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】安価で、且つ、十分な耐摩耗性と非粘着性を有するローラー及び/又は金型の最表面用組成物を提供する。また、当該最表面用組成物を用いたローラー及び/又は金型最表面用部材、並びにローラー及び/又は金型を提供する。
【解決手段】特定の構造を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含む、ローラー及び/又は金型の最表面用組成物。当該有機−無機ハイブリッド物質は、アルキルトリアルコキシシランを出発原料として得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ローラー及び/又は金型の最表面用組成物に関する。また、本発明は、当該最表面用組成物を用いたローラー及び/又は金型最表面用部材、並びにローラー及び/又は金型にも関する。
近年、粘着テープ、衛材(紙おむつ、生理用品等)、ゴムタイヤ等を製造する際に、コスト削減や品質の向上が求められている。これらの工程で使用する、ローラーや金型等は、粘着テープではアクリル系接着剤、衛材では不織布と高分子吸収体を接着するホットメルト接着剤を使用しており、ゴムタイヤでは架硫前の生ゴムに対する非粘着性を付与するために、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂を用いたシリコーン樹脂コーティングが行われている。
しかしながら、シリコーン樹脂自体が柔らかく、耐摩耗性が不十分である。耐摩耗性が不十分であれば、製造装置を停止して、ローラーや金型等のコーティングをやり直して交換する頻度が多くなり、コスト面での負荷が大きくなる。そのため、シリコーン樹脂コーティングの非粘着性を低下させないとともに、耐摩耗性の向上が望まれている。
シリコーン樹脂コーティングの耐摩耗性を向上させた発明例としては、特許文献1等が知られている。
特許2515190号
特許文献1のコーティング構造体では、導電性の基材の表面に多数の凹部及び高さが略同一となるように処理された多数の凸部の頂部が露出するように凹凸状部の凹部にコーティング層が固着されたことを特徴としている。
しかしながら、相手材(紙、フィルム、不織布、フィルム、シート等)との接触が激しく、使用頻度も高い、より高いレベルの耐摩耗性が要求されるローラーや金型に使用するには、まだまだ耐摩耗性が不十分である。
これらの理由から、本発明は、安価で、且つ、十分な耐摩耗性と非粘着性を有するローラー及び/又は金型の最表面用組成物を提供することを目的とする。また、当該最表面用組成物を用いたローラー及び/又は金型最表面用部材、並びにローラー及び/又は金型を提供することも目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、アルキルトリアルコキシシランを出発原料としたシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含むゾルゲルコーティングを、ローラー及び/または金型に施工することにより、非粘着性や摺動性を損ねることなく、安価に耐摩耗性を飛躍的に向上できることを見出した。このようなアルキルトリアルコキシシランを出発原料としたシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質は、一般式(1):
Figure 2014098110
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
で示される構造を有するものである。
本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
Figure 2014098110
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
で示される構造を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含む、ローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項2.一般式(2):
Figure 2014098110
[式中、R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
で示されるアルキルトリアルコキシシランを出発原料として得られるシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含む、ローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項3.前記有機−無機ハイブリッド物質は、前記アルキルトリアルコキシシランを出発原料として、酸を併用した加水分解により得られる、項2に記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項4.前記アルキルトリアルコキシシランが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチルトリ(i−プロポキシ)シラン、メチルトリ(n−ブトキシ)シラン、メチル(n−ペントキシ)シラン、メチル(n−ヘキトキシ)シラン、メチルトリ(フェノキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ(n−プロポキシ)シラン、エチルトリ(i−プロポキシ)シラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、エチルトリ(n−ペントキシ)シラン、エチル(n−ヘキトキシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル(n−プロポキシ)シラン、シクロペンチル(i−プロポキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリ(シクロペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ヘキトキシル)シラン、シクロヘキシルトリ(シクロヘキトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリ(n−ブトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、フェニルトリ(フェノキシ)シランよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項2又は3に記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項5.さらに無機粒子を含む、項1〜4のいずれかに記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項6.前記無機粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化鉄及びマイカよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項5に記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項7.前記ローラーが、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、しわ取りローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材に模様を付すためのローラー、製紙ローラー又は印刷ローラーであり、前記金型が、衛材製造用金型、ゴムタイヤ製造用金型、自動車の部品製造用金型、ウレタン成型金型、ホットメルト接着剤を固体状に成型する金型、又は固体状ホットメルト接着剤を押し出す金型である、項1〜6のいずれかに記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
項8.項1〜7に記載の最表面用組成物を用いたゾルゲルコーティング皮膜。
項9.厚みが5μm以上である、項8に記載のゾルゲルコーティング皮膜。
項10.項8又は9に記載のゾルゲルコーティング皮膜からなる、ローラーの最表面用部材。
項11.項10に記載のローラー及び/又は金型の最表面用部材を最表面に備える、ローラー及び/又は金型。
項12.基材上に、溶射層及び前記ローラーの最表面用部材を順に備える、項11に記載のローラー及び/又は金型。
本発明によれば、安価で、且つ、十分な耐摩耗性と非粘着性及び摺動性を有するローラー及び/又は金型の最表面用組成物を提供することができる。また、当該最表面用組成物を用いたローラー及び/又は金型最表面用部材、並びにローラー及び/又は金型を提供することもできる。また、本発明のローラー及び/又は金型の最表面用組成物を使用すれば、ローラー及び/又は金型の最表面のゾルゲルコーティングが有する非粘着性を損ねることなく、長期間に渡って使用することが可能となり、紙、不織布、フィルム、シート等製品の品質向上や製品の歩留まりを向上させることができる。
1.ローラー及び/又は金型の最表面用組成物
本発明のローラー及び/又は金型の最表面用組成物は、シロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含む。
ゾルゲルシリカコーティングを構成する有機−無機ハイブリッド物質の出発原料は三官能基性のアルキルトリアルコキシシランが好ましい。三官能基性のアルキルトリアルコキシシランを使用することにより、シリカマトリックスの架橋密度が小さくなり、成膜性に優れたコーティング皮膜が得られる。
このような三官能基性のアルキルトリアルコキシシランとしては、一般式(2):
Figure 2014098110
[式中、R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
で示される化合物が挙げられる。
一般式(2)において、R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。なお、Rとしては長いほうが疎水性に優れる傾向にあるが、炭素数が1、2、3、4、5、6のいずれも使用可能である。また、R〜Rとしては長いと加水分解速度が遅くなることから、炭素数1〜4、特に1〜2のアルキル基が好ましい。
このような三官能基性のアルキルトリアルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチルトリ(i−プロポキシ)シラン、メチルトリ(n−ブトキシ)シラン、メチル(n−ペントキシ)シラン、メチル(n−ヘキトキシ)シラン、メチルトリ(フェノキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ(n−プロポキシ)シラン、エチルトリ(i−プロポキシ)シラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、エチルトリ(n−ペントキシ)シラン、エチル(n−ヘキトキシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル(n−プロポキシ)シラン、シクロペンチル(i−プロポキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリ(シクロペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ヘキトキシル)シラン、シクロヘキシルトリ(シクロヘキトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリ(n−ブトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、フェニルトリ(フェノキシ)シラン等が挙げられる。これらのアルキルトリアルコキシシランは、原料として1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等の1種以上を出発原料とすると、ゾルゲルコーティング皮膜が柔軟で非粘着性をより向上させることができるため、特に好ましい。なお、出発物質として三官能基性のアルキルトリアルコキシシランではなく、四官能基性のテトラアルコキシシランを使用すると、シリカ皮膜が得られるが、硬くてもろい皮膜になるため、1μm以上の厚膜にした場合にクラック等が発生する。また、有機成分がないため、非粘着性が不十分である。
このような三官能基性のアルキルトリアルコキシシランを出発物質とするシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質は、一般式(1):
Figure 2014098110
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
で示される構造を有する。つまり、本発明で使用する有機−無機ハイブリッド物質は、シリコーン樹脂とは異なるものである。
このような有機−無機ハイブリッド物質は、上記の三官能基性のアルキルトリアルコキシシランを出発物質とし、酸を併用して加水分解させることが好ましい。酸を併用して加水分解させることにより、加水分解速度をより適度に調整できるため、得られるゾルゲルコーティング皮膜の硬さをより適度に調整し、より柔軟性のある皮膜とすることができる。
このような酸としては、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の1種以上が好適に使用されるが、これらに限定されない。
なお、加水分解は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カルシウム、グアニジン等の塩基を併用して行ってもよいが、塩基は加水分解速度がより速く、酸を使用することで得られるゾルゲルコーティング皮膜がより柔軟になることから、酸を併用することが好ましい。
また、加水分解を行う際の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導体;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;1−メチル−2−ピロリドン;N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物中には、有機−無機ハイブリッド物質だけでなく、無機粒子を含有していてもよい。無機粒子の平均一次粒子径は、1〜50nmが好ましく、5〜30nmがより好ましい。この範囲とすることで、無機粒子同士の凝集をより抑制し、有機−無機ハイブリッド物質との均一な混合(分散)をより可能とするとともに、ゾルゲルコーティング皮膜表面をより平滑にし、無機粒子がより脱落しにくくすることができる。
なお、無機粒子の平均一次粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM、TEM等)観察、X線回折等により測定することができる。
無機粒子としては、特に制限されるわけではないが、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒素化ケイ素、酸化鉄、マイカ等が挙げられる。無機粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、上記ゾルゲルコーティング成分及び無機粒子以外にも、炭素粒子(カーボンブラック、グラファイト等)、顔料、流動助剤、帯電助剤、脱ガス剤、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤等の1種以上を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませてもよい。
本発明の組成物の形態は特に制限されない。
例えば、溶媒に分散された無機粒子を含むA剤と、出発原料であるアルキルトリアルコキシシラン、溶媒及び酸を含むB剤を混合して、液体組成物として液体塗料としてもよい。この場合、A剤と混合する前のB剤のみの時点で、アルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基は水酸基に置換されていると考えられるが、A剤と混合することにより、重合反応が開始されて、Si−O−Siネットワークが形成される。なお、A剤とB剤との混合比は、A剤中の無機粒子の含有量が、B剤中のアルキルトリアルコキシシラン100重量部に対して50〜400重量部、好ましくは100〜300重量部となるように調製することが好ましい。また、ローラー又は金型にコーティングする際には、エアースプレーを用いて塗装を行うことが好ましい。
この際無機粒子を分散させるために使用できる溶媒(例えばA剤に使用する溶媒)としては、特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導体;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;1−メチル−2−ピロリドン;N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。これらの溶媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜100℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、アルキルトリアルコキシシランを脱水重合させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は80〜250℃程度が好ましく、100〜230℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。これにより、本発明のゾルゲルコーティング皮膜が得られる。
本発明の組成物は、ローラー及び/又は金型の最表面用に使用されるものであるが、使用できるローラー及び金型は特に制限されない。ローラーとしては、例えば、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材(外壁材)に模様を付すためのローラー、製紙ローラー又は印刷ローラー等のいずれにも適用可能である。金型としては、例えば、衛材製造用金型、ゴムタイヤ製造用金型、自動車の部品製造用金型、各種ウレタン金型、ホットメルト接着剤を固体状に成型する金型、固体状ホットメルト接着剤を押し出す金型等のいずれにも適用可能である。
2.ローラー及び/又は金型の最表面用部材
本発明のローラー及び/又は金型の最表面用部材は、上記説明した本発明の組成物を用いたゾルゲルコーティング皮膜からなる。より具体的には、本発明の組成物が、液体塗料である場合にはエアースプレーを用いて塗装されたコーティング膜が好ましい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜100℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、アルキルトリアルコキシシランを脱水重合させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は80〜250℃程度が好ましく、100〜230℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。
このゾルゲルコーティング皮膜の厚みは、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。ゾルゲルコーティング皮膜の厚みを5μm以上とすることで、より耐久性を向上させることができる。また、コーティング膜の厚みの上限値は特に制限はないが、通常50μm程度である。
3.ローラー及び/又は金型
本発明のローラー及び/又は金型は、上記説明した本発明のローラー及び/又は金型の最表面用部材を備える。このローラー及び/又は金型は、具体的には、基材上に、溶射層及び本発明のローラー及び/又は金型の最表面用部材を順に備えることが好ましい。
基材の材質としては、特に制限されない。例えば、一般鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属類;プラスチック等の樹脂類;炭素材、セラミックス等の非金属類;繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の複合材料、いずれもが使用できる。
基材の形状は、特に制限されないが、ローラーにおいては円筒型が好ましいが、円筒型でなくてもよい。
基材と本発明のローラー及び/又は金型の最表面用部材との密着性を高めるため、基材の表面は凹凸状態にしておく(表面を粗す)ことが好ましい。基材の表面を凹凸状態にする手法としては、酸またはアルカリ水溶液中でのエッチング処理、粗面形成剤の塗布、金属又はセラミック溶射、ショットブラスト等があるが、この中でも金属、セラミックス、サーメット溶射が均一に表面を凹凸状態にすると同時にゾルゲルコーティング層を強固に保持できるため、好ましい。
本発明のローラー及び/又は金型においては、基材とゾルゲルコーティング層の密着性を高めるために、基材と本発明のローラー及び/又は金型の最表面用部材との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層としては、市販のシリコーン樹脂コーティング用の製品を用いた層が使用できる。プライマー層の主成分としては、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
プライマー層の厚みは、凹凸状態にした基材の表面を均一にコーティングして、最表面のゾルゲルコーティング層との密着性を高める点から、5〜25μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
この後、本発明の組成物を用いて、最表面を形成する。本発明の組成物が、液体塗料である場合にはエアースプレーを用いて塗装することが好ましい。この際、上述のように、最表面層の厚みが5μm以上となるように調整することが好ましい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜100℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、アルキルトリアルコキシシランを脱水縮合させてより均一なゾルゲルコーティング膜とすることができる。焼成温度は80〜250℃程度が好ましく、100〜230℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例の評価は以下のようにして行った。
[粘着テープ荷重測定試験]
コーティング加工した平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)に粘着テープ(幅50mm×長さ150mm)の幅50mm×長さ50mm部分を貼り付けて、デジタルフォースゲージ(日本電産シンポ(株)製FGP−0.5)にて上(垂直)方向に引き上げ、平板テストピースから粘着テープが剥離する際の荷重を測定した。
[粘着テープによる摩耗試験]
コーティング加工した円筒型ローラー(直径100mm、面長さ150mm、材質SS40)を装置に固定し、日東電工(株)製のアクリルフォーム強粘着テープH8000を巻きつけた円筒型ローラー(直径50mm、面長さ150mm、材質SS40)を40Nの力で押し付けて、600rpmで回転させ、コーティング加工した円筒型ローラーの外周面に強粘着テープの一部が付着するまでの時間(分)を測定した。
[発泡ウレタン樹脂による成型試験]
コーティング加工した容器(深さ100mm、縦100mm、横100mm、材質SUS304)に2,4−トリレンジイソシアネート15gとポリオキシプロピレントリオール(分子量:約3,000)30gを加えて、120℃で60分間加熱した。25℃で1時間冷却後、固体状となった発泡ウレタン樹脂成型物を容器から取り出し、容器の内面に発泡ウレタン樹脂の一部が付着するまでの回数を測定した。
実施例1
3リットルのポリプロピレン容器に水300g、シリカ粉末(日本アエロジル(株)製、平均一次粒子径16nm)100g、マイカ250g、エタノール200g、非イオン系界面活性剤(トリトンX100)40g、カーボンブラック10gを加えた。300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、A剤1000gを調製した。
次に3リットルのポリプロピレン容器にメチルトリメトキシシラン910g、エタノール50g、水30g、酢酸10gを加えた。300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、B剤1000gを調製した。
1Lのポリプロピレン容器にA剤400gとB剤100gを加えて、25℃の環境下、容器ごと100rpmにて12時間ローリング撹拌を実施し、ゾルゲルコーティング液体塗料を作製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面、円筒型ローラー(直径100mm、面長さ150mm、材質SS40)の外周面、容器(深さ100mm、縦100mm、横100mm、材質SUS304)の内面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記のゾルゲルコーティング液体塗料を使用して、エアースプレーにてゾルゲルコーティング層の塗装を行った。塗装後に100℃で20分間の乾燥を行った。その後、さらに200℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、5gであった。また、円筒型ローラーを用いて粘着テープによる摩耗試験を行ったところ、粘着テープの一部が付着した時間は600分であった。さらに発泡ウレタン樹脂による成型試験を100回行ったが、発泡ウレタン樹脂成型物は簡単に容器から離型し、容器内面に発泡ウレタン樹脂の付着は発生しなかった。
実施例2
3リットルのポリプロピレン容器に水300g、シリカ粉末(日本アエロジル(株)製、平均一次粒子径16nm)100g、マイカ250g、エタノール200g、非イオン系界面活性剤(トリトンX100)40g、カーボンブラック10gを加えた。300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、A剤1000gを調製した。
次に3リットルのポリプロピレン容器にエチルトリメトキシシラン910g、エタノール50g、水30g、酢酸10gを加えた。300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、B剤1000gを調製した。
1Lのポリプロピレン容器にA剤400gとB剤100gを加えて、25℃の環境下、容器ごと100rpmにて12時間ローリング撹拌を実施し、ゾルゲルコーティング液体塗料を作製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面、円筒型ローラー(直径100mm、面長さ150mm、材質SS40)の外周面、容器(深さ100mm、縦100mm、横100mm、材質SUS304)の内面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記のゾルゲルコーティング液体塗料を使用して、エアースプレーにてゾルゲルコーティング層の塗装を行った。塗装後に100℃で20分間の乾燥を行った。その後、さらに200℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、5gであった。また、円筒型ローラーを用いて粘着テープによる摩耗試験を行ったところ、粘着テープの一部が付着した時間は600分であった。さらに発泡ウレタン樹脂による成型試験を100回行ったが、ウレタン樹脂成型物は簡単に容器から離型し、容器内面に発泡ウレタン樹脂の付着は発生しなかった。
実施例3
3リットルのポリプロピレン容器に水300g、シリカ粉末(日本アエロジル(株)製、平均一次粒子径16nm)100g、マイカ250g、エタノール200g、非イオン系界面活性剤(トリトンX100)40g、カーボンブラック10gを加えた。300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、A剤1000gを調製した。
次に3リットルのポリプロピレン容器にn−プロピルトリメトキシシラン910g、エタノール50g、水30g、酢酸10gを加えた。300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、B剤1000gを調製した。
1Lのポリプロピレン容器にA剤400gとB剤100gを加えて、25℃の環境下、容器ごと100rpmにて12時間ローリング撹拌を実施し、ゾルゲルコーティング液体塗料を作製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面、円筒型ローラー(直径100mm、面長さ150mm、材質SS40)の外周面、容器(深さ100mm、縦100mm、横100mm、材質SUS304)の内面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記のゾルゲルコーティング液体塗料を使用して、エアースプレーにてゾルゲルコーティング層の塗装を行った。塗装後に100℃で20分間の乾燥を行った。その後、さらに200℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、5gであった。また、円筒型ローラーを用いて粘着テープによる摩耗試験を行ったところ、粘着テープの一部が付着した時間は600分であった。さらに発泡ウレタン樹脂による成型試験を100回行ったが、発泡ウレタン樹脂成型物は簡単に容器から離型し、容器内面に発泡ウレタン樹脂の付着は発生しなかった。
比較例1
1リットルのポリプロピレン容器にトルエン300g、液状のポリジメチルシロキサン(Alfa Aesar社製、トリメチルシロキシ末端処理、分子量139,000)100gを加えた。
この1リットルのポリプロピレン容器を300rpmプロペラ撹拌(2時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(15分)して、シリコーン樹脂塗料を調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面、円筒型ローラー(直径100mm、面長さ150mm、材質SS40)の外周面、容器(深さ100mm、縦100mm、横100mm、材質SUS304)の内面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材にNi−Mo―Al溶射材料(Plaxair社製)を用いてフレーム溶射を行い膜厚100μmのNi−Mo−Al溶射層を作製した。
この溶射層の上に、上記のシリコーン樹脂塗料を使用して、エアースプレーにてシリコーン樹脂層の塗装を行った。塗装後に100℃で20分間の乾燥を行った。さらにその後、200℃で20分間の焼成を行った。溶射層とシリコーン樹脂層の合計膜厚を測定したところ、120μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、0gであった。また、円筒型ローラーを用いて粘着テープ摩耗試験を行ったところ、粘着テープの一部が付着した時間は210分であった。さらに発泡ウレタン樹脂による成型試験を行ったが、1回で発泡ウレタン成型物は容器内面に固着した。
比較例1の結果より、粘着テープ荷重試験における非粘着性は優れているものの、粘着テープ摩耗試験による耐摩耗性と発泡ウレタン成型試験による非粘着性および耐摩耗性は、実施例1〜3よりも劣る結果となった。
比較例2
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面、円筒型ローラー(直径100mm、面長さ150mm、材質SS40)の外周面、容器(深さ100mm、縦100mm、横100mm、材質SUS304)の内面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
デュポン(株)製の粉体塗装用プライマー(420−713)を使用して、エアースプレーにてプライマー層の塗装を行った。塗装後に150℃で15分間の乾燥を行った。膜厚を測定したところ、20μmであった。
このプライマー層の上に、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のPFAパウダー(MP−10)を使用して、静電塗装ガンにてトップコート層の塗装を行った。塗装後に380℃で20分間の焼成を行った。プライマーとトップコート層の合計膜厚を測定したところ、80μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、280gであった。また、円筒型ローラーを用いて粘着テープ摩耗試験を行ったところ、粘着テープの一部が付着した時間は30分であった。さらに発泡ウレタン樹脂による成型試験を10回行ったところ、発泡ウレタン成型物は容器内面に固着した。
比較例2の結果より、粘着テープ荷重試験における非粘着性、粘着テープ摩耗試験による耐摩耗性、発泡ウレタン成型試験による非粘着性および耐摩耗性は、全て実施例1〜3よりも劣る結果となった。
項10.項8又は9に記載のゾルゲルコーティング皮膜からなる、ローラー及び/又は金型の最表面用部材。
項12.基材上に、溶射層及び前記ローラー及び/又は金型の最表面用部材を順に備える、項11に記載のローラー及び/又は金型。

Claims (12)

  1. 一般式(1):
    Figure 2014098110
    [式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
    で示される構造を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含む、ローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  2. 一般式(2):
    Figure 2014098110
    [式中、R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基である。]
    で示されるアルキルトリアルコキシシランを出発原料として得られるシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含む、ローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  3. 前記有機−無機ハイブリッド物質は、前記アルキルトリアルコキシシランを出発原料として、酸を併用した加水分解により得られる、請求項2に記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  4. 前記アルキルトリアルコキシシランが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチルトリ(i−プロポキシ)シラン、メチルトリ(n−ブトキシ)シラン、メチル(n−ペントキシ)シラン、メチル(n−ヘキトキシ)シラン、メチルトリ(フェノキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ(n−プロポキシ)シラン、エチルトリ(i−プロポキシ)シラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、エチルトリ(n−ペントキシ)シラン、エチル(n−ヘキトキシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル(n−プロポキシ)シラン、シクロペンチル(i−プロポキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリ(シクロペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ヘキトキシル)シラン、シクロヘキシルトリ(シクロヘキトキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリ(n−ブトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、フェニルトリ(フェノキシ)シランよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2又は3に記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  5. さらに無機粒子を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  6. 前記無機粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化鉄及びマイカよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  7. 前記ローラーが、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、しわ取りローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材に模様を付すためのローラー、製紙ローラー又は印刷ローラーであり、前記金型が、衛材製造用金型、ゴムタイヤ製造用金型、自動車の部品製造用金型、ウレタン成型金型、ホットメルト接着剤を固体状に成型する金型、又は固体状ホットメルト接着剤を押し出す金型である、請求項1〜6のいずれかに記載のローラー及び/又は金型の最表面用組成物。
  8. 請求項1〜7に記載の最表面用組成物を用いたゾルゲルコーティング皮膜。
  9. 厚みが5μm以上である、請求項8に記載のゾルゲルコーティング皮膜。
  10. 請求項8又は9に記載のゾルゲルコーティング皮膜からなる、ローラーの最表面用部材。
  11. 請求項10に記載のローラー及び/又は金型の最表面用部材を最表面に備える、ローラー及び/又は金型。
  12. 基材上に、溶射層及び前記ローラーの最表面用部材を順に備える、請求項11に記載のローラー及び/又は金型。
JP2012251461A 2012-11-15 2012-11-15 ローラー及び/又は金型の最表面用組成物 Pending JP2014098110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012251461A JP2014098110A (ja) 2012-11-15 2012-11-15 ローラー及び/又は金型の最表面用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012251461A JP2014098110A (ja) 2012-11-15 2012-11-15 ローラー及び/又は金型の最表面用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014098110A true JP2014098110A (ja) 2014-05-29

Family

ID=50940380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012251461A Pending JP2014098110A (ja) 2012-11-15 2012-11-15 ローラー及び/又は金型の最表面用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014098110A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016033190A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 大阪ガスケミカル株式会社 塗料組成物
WO2017091004A1 (ko) * 2015-11-24 2017-06-01 조병우 이형성을 향상시키기 위한 타이어 금형의 표면처리 방법

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS512735A (ja) * 1974-06-29 1976-01-10 Dainippon Ink & Chemicals Chakushokuhimakukeiseiseijushisoseibutsu
JPH0568935A (ja) * 1991-09-17 1993-03-23 Tokyo Silicone Kk コーテイング構造体及びその製造方法
JPH0977509A (ja) * 1995-09-12 1997-03-25 Yamamura Glass Co Ltd ゾル−ゲル法による独立ゲル膜の形成方法
JP2001142243A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Konica Corp 電子写真感光体の製造方法、該製造方法を用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001154390A (ja) * 1999-11-24 2001-06-08 Konica Corp 画像形成方法及び画像形成装置とそれに用いる現像剤
JP2002069376A (ja) * 2000-08-30 2002-03-08 Toto Ltd 自己浄化性塗料組成物、自己浄化性部材および自己浄化性塗料組成物の塗布方法
JP2003026959A (ja) * 2001-07-23 2003-01-29 Aisin Chem Co Ltd 無機塗料
JP2007276291A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Maxell Hi Tec Ltd 射出成型用金型部材
JP2011098571A (ja) * 2011-01-28 2011-05-19 Toyo Advanced Technologies Co Ltd 金型及びその製造法
JP2012507597A (ja) * 2008-10-31 2012-03-29 ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド 水性ゾル−ゲル法を用いた透明な無機−有機ハイブリッド材料

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS512735A (ja) * 1974-06-29 1976-01-10 Dainippon Ink & Chemicals Chakushokuhimakukeiseiseijushisoseibutsu
JPH0568935A (ja) * 1991-09-17 1993-03-23 Tokyo Silicone Kk コーテイング構造体及びその製造方法
JPH0977509A (ja) * 1995-09-12 1997-03-25 Yamamura Glass Co Ltd ゾル−ゲル法による独立ゲル膜の形成方法
JP2001142243A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Konica Corp 電子写真感光体の製造方法、該製造方法を用いた電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001154390A (ja) * 1999-11-24 2001-06-08 Konica Corp 画像形成方法及び画像形成装置とそれに用いる現像剤
JP2002069376A (ja) * 2000-08-30 2002-03-08 Toto Ltd 自己浄化性塗料組成物、自己浄化性部材および自己浄化性塗料組成物の塗布方法
JP2003026959A (ja) * 2001-07-23 2003-01-29 Aisin Chem Co Ltd 無機塗料
JP2007276291A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Maxell Hi Tec Ltd 射出成型用金型部材
JP2012507597A (ja) * 2008-10-31 2012-03-29 ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド 水性ゾル−ゲル法を用いた透明な無機−有機ハイブリッド材料
JP2011098571A (ja) * 2011-01-28 2011-05-19 Toyo Advanced Technologies Co Ltd 金型及びその製造法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016033190A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 大阪ガスケミカル株式会社 塗料組成物
WO2017091004A1 (ko) * 2015-11-24 2017-06-01 조병우 이형성을 향상시키기 위한 타이어 금형의 표면처리 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060142471A1 (en) Heat resistant thermally conductive material
KR101772479B1 (ko) 이형필름
JP5206312B2 (ja) 水系塗料
JP7082890B2 (ja) セラミックグリーンシート製造工程用剥離フィルム
US20210355324A1 (en) Silicone emulsion composition
JP2003192896A (ja) プラスチックフィルム基材に密着良好なシリコーンエマルジョン組成物及び剥離フィルム
WO1998051490A1 (fr) Film de decollement
JP6284399B2 (ja) 塗料組成物
JP4600351B2 (ja) 撥水・撥油性樹脂組成物及び塗装品
JP2014098110A (ja) ローラー及び/又は金型の最表面用組成物
JP6657953B2 (ja) 積層フィルム、およびその製造方法
US20170173828A1 (en) Mold for molding expanded resin and process for producing same
JP2004082370A (ja) 離形フィルム
JP6075134B2 (ja) 離型フィルム
JP2015229757A (ja) 塗料組成物
JP2003192987A (ja) 無溶剤型ポリシロキサン系塗剤及び離型フィルム
JP2009108124A (ja) 水系塗料
JP3467994B2 (ja) シリコーン転写フィルム、及びその転写構成体
KR100502862B1 (ko) 실리콘 수성 에멀전 이형액 및 이를 이용한 이형필름
JP2016033190A (ja) 塗料組成物
JPH0691783A (ja) プライマー組成物および熱定着用シリコーンゴムローラ
JP2019018153A (ja) コーティング材の製造方法
JP2020002287A (ja) 剥離性コーティング組成物
JP2014040850A (ja) ローラー及び/又は金型の最表面用組成物
JP3743488B2 (ja) 剥離紙及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170518

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170530

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20170616