JP3467994B2 - シリコーン転写フィルム、及びその転写構成体 - Google Patents

シリコーン転写フィルム、及びその転写構成体

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JP3467994B2 JP31535996A JP31535996A JP3467994B2 JP 3467994 B2 JP3467994 B2 JP 3467994B2 JP 31535996 A JP31535996 A JP 31535996A JP 31535996 A JP31535996 A JP 31535996A JP 3467994 B2 JP3467994 B2 JP 3467994B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目的とする物品の
表面に転写法によりシリコーン保護コートを施すのに用
いられるシリコーン転写フィルム、及びその転写構成体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、目的とする物品の表面にシリコー
ンの保護コートを施す場合、溶剤系のシリコーンコーテ
ィング材を塗装するのが主流であるが、多くの場合シリ
コーン塗膜が直接密着するのは困難であり、物品とシリ
コーン塗膜の間に密着性を維持させるためのプライマー
塗膜が必要である。プライマーは物品の素材によって異
なるため、その素材種類に対応したプライマーの選定作
業が必要である。また、現状のシリコーンコーティング
材は溶剤系であるため、溶剤に侵される素材からなる物
品への塗装は困難であった。
【0003】これに対し本発明者らは、特願平8−10
1050号において、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)に代表される透明プラスチックフィルムをベース
フィルムとして、その表面にシリコーンコーティング材
を塗装するとともに、裏面に粘着剤を施した構成とする
ことにより、シリコーンの保護コートを施したい物品の
表面に貼着できるようにしたシリコーン処理粘着フィル
ムを提案している。このものは、上記の塗装の問題点を
考慮したものであって、物品の表面に貼着することでそ
れ自体がシリコーン保護コート層となるものであるが、
しかしながら、最終的にベースフィルムが物品表面に残
留するため、貼付後の全体としての耐久性はベースフィ
ルムの耐久性に因るところが大きく、そのため屋外で使
用する場合などにはシリコーンコーティング材に紫外線
吸収剤を導入し、紫外線によるベースフィルムの劣化を
防ぐ必要があった。また、凹凸を有するなど比較的複雑
な表面形状の物品に対してのシリコーン処理粘着フィル
ムの追随性は、ベースフィルムの伸びおよび膜厚に因る
ところが大きく、一般に貼着が困難なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
たようにシリコーン処理粘着フィルムの欠点であるベー
スフィルムが目的とする物品の表面に残留する点を鑑み
て、これを改善するべく研究開発を鋭意重ねた結果、ベ
ースフィルムからシリコーン塗膜のみを目的とする物品
に転写することで、最終的にベースフィルムは物品表面
に残留しない方法を見出し、本発明をするに至った。す
なわち、本発明は、耐久性に優れるシリコーン保護コー
トを目的とする物品の表面に転写法で施すことができる
シリコーン転写フィルム及びその転写構成体を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項に係る
シリコーン転写フィルムは、フィルム基材表面にシリコ
ーンに対して剥離性を示す第1コート層と、シリコーン
第2コート層(但し、浄化、抗菌あるいは消臭機能を有
する材料からなる層が底部に固定化されたシリコーンコ
ート層は除く)と、シリコーンに対して粘着性を示す粘
着剤からなる第3コート層とを順次積層してなるシリコ
ーン転写フィルムであって、上記第2コート層が、下記
シリコーンコーティング材をコートして形成されるもの
であることを特徴とするシリコーン転写フィルム。 (A)一般式:Si(OR14で表されるケイ素化合
物、 (B)一般式:R2Si(OR13で表されるケイ素化
合物、(C)一般式:R 2 2 Si(OR 1 2 で表されるケイ素化
合物 (ここでR1、R2は1価の炭化水素基を示す。)を必須
成分として、(A)を20〜200重量部、(B)を1
00重量部、(C)を60重量部以下の比率で含有し、
且つその重量平均分子量がポリスチレン換算で800以
上となるように調製されたシリコーンコーティング材。
【0006】更に、請求項に係るシリコーン転写フィ
ルムは上記シリコーンコーティング材において、
(A)成分に示すケイ素化合物の一部又は全部がコロイ
ド状シリカであることを特徴とするものである。
【0007】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、フィルム基材表面にシリコーンに対して剥離性を示
す第1コート層と、シリコーン第2コート層(但し、浄
化、抗菌あるいは消臭機能を有する材料からなる層が底
部に固定化されたシリコーンコート層は除く)と、シリ
コーンに対して粘着性を示す粘着剤からなる第3コート
層とを順次積層してなるシリコーン転写フィルムであっ
て、上記第2コート層が、下記シリコーンコーティング
材をコートして形成されるものであることを特徴とす
る。 (D)一般式:R3 kSiX4-k(式中、R3は同一または
異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水
素基を示し、kは0〜3の整数、Xは加水分解性基を示
す。)で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶
媒または水に分散されたコロイド状シリカ中で、X1モ
ル当量に対し水0.001〜0.5モルを使用する条件
下で部分加水分解したオルガノシランのシリカ分散オリ
ゴマ−溶液、 (E)平均組成式:R4 aSi(OH)b(4-a-b)/2(式
中、R4は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素
数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれぞ
れ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4
の関係を満たす数である。)で表わされ、その分子中に
少なくともシラノ−ル基を有するポリオルガノシロキサ
ン、 (F)硬化触媒、を必須成分として含有したシリコーン
コーティング材。
【0008】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、フィルム基材表面にシリコーンに対して剥離性を示
す第1コート層と、シリコーン第2コート層但し、浄
化、抗菌あるいは消臭機能を有する材料からなる層が底
部に固定化されたシリコーンコート層は除く)と、シリ
コーンに対して粘着性を示す粘着剤からなる第3コート
層とを順次積層してなるシリコーン転写フィルムであっ
て、上記第2コート層が、エマルジョン状の下記シリコ
ーンコーティング材をコートして形成されたものである
ことを特徴とする。 (G)一般式 R6 cSiOd(OR5e(OH)f(式
中、R5、R6は1価の炭化水素基を表し、c,d,e,
fはそれぞれ、c+2d+e+f=4、0≦c<3、0
<d<2、0<e<4、0<f<4を満たす数であ
る。)で表される平均分子量600〜5000のオルガ
ノシロキサン部分加水分解物、 (H)乳化剤、及び水を混合してなるエマルジョン状の
シリコーンコーティング材。
【0009】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項1乃至請求項いずれかに係るシリコーン転
写フィルムにおいて、上記シリコーンコーティング材
が、次に示す平均組成式 H(R 7 2 SiO) m OH (式中、R 7 は1価の炭化水素基を表し、mは3≦m≦
100を満たす数である。)で表される直鎖状ポリシロ
キサンジオールを含有してい ることを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項に係るシリコーン転写フィルムにおいて、
上記シリコーンコーティング材における上記直鎖状ポリ
シロキサンジオールの含有量が、上記シリコーンコーテ
ィング材中のシリコーンを縮合ケイ素化合物として換算
した重量及びシリカ重量の和に対して、0.1〜100
重量%であることを特徴とするものである。
【0011】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項1乃至請求項いずれかに係るシリコーン転
写フィルムにおいて、上記シリコーンコーティング材
が、次に示す一般式 CH2=CR8(COOR9) (式中、R8は水素原子またはメチル基を表す。)で表
され、且つ、R9が置換もしくは非置換の炭素数1〜9
の1価炭化水素基である少なくとも1種の第1のアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、R9がエ
ポキシ基、グリシジル基またはそれらを含む炭化水素基
である少なくとも1種の第2のアクリル酸エステルまた
はメタクリル酸エステルと、R9がアルコキシシリル基
もしくはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基である少
なくとも1種の第3のアクリル酸エステルまたはメタア
クリル酸エステルと、を共重させてなるアクリル樹脂共
重合体を含有していることを特徴とするものである。
【0012】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項に係るシリコーン転写フィルムにおいて、
上記シリコーンコーティング材における上記アクリル樹
脂共重合体の含有量が、上記シリコーンコーティング材
中のシリコーンを縮合ケイ素化合物として換算した重量
及びシリカ重量の和に対して、0.1〜100重量%で
あることを特徴とするものである。
【0013】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項1乃至請求項いずれか記載のシリコーン転
写フィルムにおいて、上記シリコーンコーティング材が
顔料を含有していることを特徴とするものである。
【0014】請求項に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項1乃至請求項いずれかに係るシリコーン転
写フィルムにおいて、上記第3コート層が、シリコーン
粘着剤をコートして形成されるものであることを特徴と
するものである。
【0015】請求項10に係るシリコーン転写フィルム
は、請求項1乃至請求項いずれかに係るシリコーン転
写フィルムにおいて、上記第1コート層が、付加縮合型
シリコーン剥離剤をコートして形成されるものであるこ
とを特徴とするものである。
【0016】請求項11に係る転写構成体は、請求項1
乃至請求項10いずれか記載のシリコーン転写フィルム
の転写層を、被転写体表面に転写してなることを特徴と
するものである。
【0017】請求項12に係る転写構成体は、請求項
に係る転写構成体において、上記被転写体が、プラス
チック成形体、ガラス成形体、無機質成形体、金属成形
体、あるいはこれらの複合成形体のいずれかであること
を特徴とするものである。
【0018】請求項13に係る転写構成体は、請求項
に係る転写構成体において、上記被転写体がプラスチ
ック成形体であって、該プラスチック成形体の成形時に
その表面に上記シリコーン転写フィルムが一体成形さ
れ、その転写層が転写されたものであることを特徴とす
るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のシリコーン転写フ
ィルムについてさらに詳細に説明する。
【0020】本発明に係るシリコーン転写フィルムは、
支持体であるフィルム基材の表面上にシリコーンに対し
て剥離性を示す第1コート層、シリコーン第2コート層
(但し、浄化、抗菌あるいは消臭機能を有する材料から
なる層が底部に固定化されたシリコーンコート層は除
く)、シリコーンに対して粘着性を示す粘着剤の第3コ
ート層、が順次積層形成されたものである。
【0021】まず上記フィルム基材について説明する。
上記フィルム基材は、その表面に順次積層される第1〜
3コート層の支持体であり、これら3つのコート層から
なる積層体を維持する強度を有していれば、その透明
性、着色性に特に制限はなく、第1〜3コートを形成す
る際に用いられる希釈溶剤や乾燥条件等に対して耐久性
に優れた材質を選定すれば良い。例えばフィルム基材の
材質として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリ
プロピレン(PP)、アクリル(PMMA)、ポリ塩化
ビニール(PVC)、ナイロン、ポリアクリロニトリル
系、ポリカーボネイト(PC)、ポリイミド等を挙げる
ことができる。これらの中でも、汎用性、ハンドリング
性、入手の容易さから、フィルム厚5〜50μmのPE
Tフィルムが望ましい。
【0022】次に、上記第1コート層について説明す
る。本発明のシリコーン転写フィルムにおいて、上記第
1コート層は、上記第2コート層のシリコーンに対して
剥離性を示すコート層である。本発明のシリコーン転写
フィルムは、第1コート層と第2コート層の間で剥離し
て、保護コート層を付与すべき被転写体の表面に第2及
び第3コート層からなる転写層が転写され、転写層がフ
ィルム基材と分離されるものである。それゆえ、この第
1コート層は、フィルム基材に対する密着力が、上記第
2コート層に対する密着力より大きい必要がある。
【0023】この第1コート層に用いられる材料として
は、例えば、シリコーン剥離剤、アクリル樹脂やエポキ
シ樹脂などの有機樹脂との共重合体である有機変性シリ
コーン剥離剤、ポリオレフィン剥離剤、アルキド樹脂剥
離剤、フッ素樹脂剥離剤等を挙げることができる。これ
ら剥離剤は市販品を容易に入手することができる。上記
剥離剤の中でも、その剥離性能の選択範囲の広さからシ
リコーン系剥離剤を用いることが望ましい。
【0024】上記第1コート層としてシリコーン系剥離
剤を用いる場合について説明すると、このシリコーン系
剥離剤には、シラノール基含有ポリシロキサンをベース
ポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェン
シロキサンを配合し、有機スズアシレート触媒存在下で
脱水素縮合を起こし、シロキサン結合を形成し硬化する
縮合型と、ビニル基を含有するポリシロキサンをベース
ポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェン
シロキサンを配合し、白金触媒下で付加反応を起こし、
メチレン結合を形成し硬化する付加縮合型がある。この
うち、本発明においては、後者の付加縮合型シリコーン
剥離剤を用いて第1コート層を形成することが望ましい
ものである。すなわち、上記第1コート層は第2コート
層を剥離させる性能を第2コート層形成後に維持する必
要があるため、例えば第2コート層を形成する材料とし
て有機溶剤系シリコーンコーティング材を用いる場合な
どに、その有機溶剤に侵されにくい性質が第1コート層
に要求されるものであって、このことに対して付加縮合
型シリコーン剥離剤は縮合型と比較して塗膜硬化性に優
れていて、有機溶剤に侵されにくいからである。
【0025】次に第2コート層について説明する。この
第2コート層は、本発明のシリコーン転写フィルムを被
転写体の表面に転写させたときに、上記第1コート層と
剥離して被転写体の表面に保護コート層として転写され
る転写層の最表層を構成するシリコーン層である。この
第2コート層は、シリコーンコーティング材を上記第1
コート層上にコートすることにより形成することができ
る。このシリコーンコーティング材の例としては、例え
ば以下(1)〜(3)に示すものが例示される。
【0026】(1)シリコーンコーティング材 このシリコーンコーティング材は、請求項に示すよ
うに、 (A)一般式:Si(OR14で表されるケイ素化合
物、 (B)一般式:R2Si(OR13で表されるケイ素化
合物(式中、R1、R2は1価の炭化水素基を示す)を必
須成分として、(A)を20〜200重量部、(B)を
100重量部の比率で含有し、且つその重量平均分子量
が、ポリスチレン換算で800以上となるように調製さ
れたものである。さらにこのシリコーンコーティング材
は、上記(A)(B)の他に、 (C)一般式:R2 2Si(OR12で表されるケイ素化
合物(式中、R1、R2は1価の炭化水素基を示す)を上
記(A)(B)に対して60重量部以下の比率で含有し
ていてもよく、この場合、形成される第2コート層は
(C)を含有させないものよりも比較的柔軟性のあるシ
リコーン層となる。
【0027】このシリコーンコーティング材にて用い
られる上記成分(A)(B)(C)に示すケイ素化合物
は、いずれも下記一般式 R2nSi(OR1)4-n (ここで、n=0〜2) ・・・・・・(I) で表される。式(I)中、R1,R2はいずれも1価の炭
化水素基であれば特に限定されるものではないが、R2
としては炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化
水素基であるのが実用的であって、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基な
どのアラルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリ
−ル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;ク
ロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフル
オロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素基および
γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロ
ピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ
−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基を例示す
ることができる。特にこれらの中でも合成の容易さ、あ
るいは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基およ
びフェニル基が好ましい。またR1としては、炭素数1
〜4のアルキル基であるのが実用的であって、例えば、
(A)成分であるn=0のテトラアルコキシシランとし
ては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランな
どが例示でき、(B)成分であるn=1のオルガノトリ
アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメ
トキシランなどが例示でき、(C)成分であるn=2の
ジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシランなどが例示できる。これ
ら、R1,R2は各成分(A)(B)(C)で同一のもの
であっても良いし、異なるものであっても良い。
【0028】このシリコーンコ−ティング材は、例え
ば、各原料けい素化合物成分を適当な溶剤で希釈し、そ
こに硬化剤としての水及び触媒を必要量添加して、加水
分解及び重縮合反応を行なわせることにより調製される
が、そのプレポリマ−の分子量が、Mw(分子量重量平
均)がポリスチレン換算で800以上になるように調製
される。プレポリマーの分子量分布が、この値より小さ
いときは、縮重合の際の硬化収縮が大きくなる傾向にあ
り、焼付け後に塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向
になる。
【0029】さらに、(A)成分については、その一部
または全部がコロイド状シリカとして用いられるもので
あっても構わない。この場合、コロイド状シリカとして
は、水分散性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶
媒分散性コロイド状シリカが使用できる。一般にこの様
なコロイド状シリカは固形分としてのシリカを20〜5
0重量%含有している。また、水分散性コロイド状シリ
カを使用する場合、固形分以外の成分として存在する水
は後に示すように、硬化剤として用いることができる。
これらは通常水ガラスから作られるが、このようなコロ
イド状シリカは市販品を容易に入手することができる。
また有機溶媒分散コロイド状シリカは前記水分散性コロ
イド状シリカの水を有機溶媒と置換することで容易に調
製することができる。このような有機溶剤分散コロイド
状シリカも水分散コロイド状シリカ同様に市販品として
容易に入手する事ができる。コロイド状シリカが分散し
ている有機溶媒の種類は、例えば、メタノ−ル、エタノ
−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ
−ル等の低級脂肪族アルコ−ル類;エチレングリコ−
ル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、酢酸エチ
レングリコ−ルモノエチルエ−テル等のエチレングリコ
−ル誘導体;ジエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ
−ルモノブチルエ−テル等のジエチレングリコ−ルの誘
導体及びジアセトンアルコ−ル等を挙げることができ、
これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上の
ものを使用することができる。これらの親水性有機溶剤
と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトオキシムなども用いることができる。
【0030】またシリコーンコーティング材では、硬
化剤として水が用いられるが、この量としてはシリコー
ンコ−ティング材中の重量%で、好ましくは45%以
下、より好ましくは25%以下とするのが良い。
【0031】またシリコーンコーティング材では、希
釈溶剤を用いてその濃度を適宜調整することもできる。
この希釈溶剤としては、上記コロイド状シリカの分散溶
媒として示した、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパ
ノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル等の低級脂肪
族アルコ−ル類;エチレングリコ−ル、エチレングリコ
−ルモノブチルエ−テル、酢酸エチレングリコ−ルモノ
エチルエ−テル等のエチレングリコ−ル誘導体;ジエチ
レングリコ−ル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−
テル等のジエチレングリコ−ルの誘導体及びジアセトン
アルコ−ル等を挙げることができ、これらからなる群よ
り選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用すること
ができる。これらの親水性有機溶剤と併用してトルエ
ン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオ
キシムなども例示することができる。
【0032】さらに、このシリコーンコ−ティング材
では、そのpH値を3.8〜6の範囲に調整すると好ま
しい。この範囲のpH値とすることによって、上記の分
子量の範囲内で、安定してシリコーンコ−ティング材
を使用することができる。これに対し、pH値が上記範
囲外であると、シリコーンコ−ティング材の安定性が
低下し、そのため塗料調製時からの使用できる期間が限
られてしまう。ここで、pH調整方法は特に限定される
ものではないが、たとえばシリコーンコ−ティング材
の原料混合時にpHが3.8以下となった場合は、例え
ばアンモニア等の塩基性試薬をもちいて範囲内のpHに
調整すればよく、pHが6以上になった場合も、例えば
塩酸等の酸性試薬を用いて調整すればよい。また、pH
によっては、分子量が小さいまま逆に反応が進まず、上
記分子量範囲に到達させるのに時間がかかる場合は、シ
リコーンコ−ティング材の原料混合物を加熱して反応
を促進してもよいし、酸性試薬でpHを下げて反応を進
めた後、塩基性試薬で所定のpHに戻しても良い。
【0033】(2)シリコーンコーティング材このシ
リコーンコーティング材は、請求項に示すように、 (D)一般式:R3 kSiX4-k ……………(II) (式中、R3は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、kは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。)で表わされる加水分解
性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロ
イド状シリカ中で、X1モル当量に対し水0.001〜
0.5モルを使用する条件下で部分加水分解したオルガ
ノシランのシリカ分散オリゴマ−溶液、 (E)平均組成式:R4 aSi(OH)b(4-a-b)/2 ……………(III ) (式中、R4は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそ
れぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b
<4の関係を満たす数である。)で表わされ、その分子
中に少なくともシラノ−ル基を有するポリオルガノシロ
キサン、 (F)硬化触媒、とからなるものである。
【0034】まず(D)成分について説明する。このシ
リコーンコーティング材において、(D)成分である
シリカ分散オリゴマーは被覆形態に際して、硬化反応に
預かる官能性基としての加水分解性基を有するベースポ
リマーの主成分である。これは有機溶媒あるいは水に分
散されたコロイド状シリカに、一般式(II)で表される
加水分解性基含有オルガノシランの1種または2種以上
を加え、コロイド状シリカ中の水あるいは別途添加され
た水で、該加水分解性オルガノシランを部分加水分解す
ることで得られる。
【0035】上記加水分解性オルガノシランについて説
明すると、一般式(II)中のR3は炭素数1〜8の置換
または非置換の1価の炭化水素基を示し、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、へプチル基、オクチル基などの鎖状アルキ
ル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプ
ロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基の
ようなアリール基;ビニル基、アリル基のようなアルケ
ニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化
水素基;およびγ−メタクリロキシプロピル基、γ−メ
ルカプトプロピル基などの置換炭化水素、を例示するこ
とができる。これらの中でも合成の容易さ、あるいは入
手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基およびフェニ
ル基が好ましい。加水分解性基のXとしては、例えばア
ルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、
アミノ基、アミノキシ基、アミド基などが挙げられる。
入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液を調製し
やすいことからアルコキシ基が好ましい。
【0036】このような加水分解性基含有オルガノシラ
ンとしては、一般式(II)中のkが0〜3の整数である
モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキ
シシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、
エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン
類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中でも
入手の容易さ、およびシリカ分散オルガノシランオリゴ
マ−溶液の調製がしやすいことからアルコキシシラン類
が好ましい。アルコキシシラン類として、特に、k=0
のテトラアルコキシシランとしてはテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシランなどが例示でき、k=1のオ
ルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイ
ソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピ
ルトリメトキシランなどが例示できる。また、k=2の
ジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチ
ルフェニルジメトキシシランなどが例示でき、k=3ト
リオルガノアルコキシシランとしてはトリメチルメトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソ
プロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシラな
どが例示できる。さらに一般にシランカップリング剤と
呼ばれるオルガノシラン化合物もアルコキシシラン類に
含まれる。
【0037】(D)成分においては、一般式(II)で表
される加水分解性基含有オルガノシランのうち50モル
%以上がk=1で表される三官能性のものであることが
必要であって、より好ましくは60モル%以上であり、
最も好ましくは70モル%以上である。例えば、これが
50モル%未満では十分な塗膜硬度が得られないと共
に、乾燥硬化性が劣り易いものとなるからである。
【0038】シリコーンコーティング材において、
(D)成分中のコロイド状シリカは該シリコーンコーテ
ィング材の硬化被膜の硬度を高くし、平滑性、耐クラ
ック性を改善する効果がある。このコロイド状シリカと
しては、前述したシリコーンコーティング材の説明に
て示したものと同様のものを用いることができる。ここ
でコロイド状シリカとして水分散酸性コロイド状シリカ
を使用する場合、固形分以外の成分として存在する水は
後に示すように、硬化剤として用いることができる。
(D)成分中においてコロイド状シリカはシリカ固形分
として5〜95重量%の範囲で含有されるのが好まし
く、より好ましくは10〜90重量%であり、最も好ま
しくは20〜85重量%の範囲である。例えば、その含
有量が5重量%未満であると所望の被膜硬度が得られ
ず、また95重量%を超えるとシリカの均一分散が困難
となり(D)成分がゲル化などの不都合を招来すること
がある。
【0039】(D)成分におけるシリカ分散オリゴマー
は、通常加水分解性基含有オルガノシランを水分散コロ
イド状シリカまたは有機溶媒分散コロイド状シリカ中で
部分加水分解して得ることができる。この加水分解性オ
ルガノシランを部分加水分解させるに当たっての水の使
用量は、加水分解性基(X)1モル当量に対して水0.
001〜0.5モルとするがよい。例えば、水の使用量
が0.001モル未満だと十分な部分加水分解物が得ら
れず、0.5モルを越えると部分加水分解物の安定性が
悪くなるからである。この部分加水分解する方法は特に
限定されず、加水分解性オルガノアルコキシシランとコ
ロイド状シリカとを混合して、必要量の水を添加配合す
ればよく、このとき部分加水分解反応は常温で進行す
る。なお、部分加水分解反応を促進させるため60〜1
00℃に加温してもよく、さらに部分加水分解反応を促
進させる目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロ
ロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻
酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコ−ル酸、マレイ
ン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの
有機酸および無機酸を触媒に用いてもよい。
【0040】(D)成分は長期的に安定して性能を得る
ためには、液のpHを2.0〜7.0、好ましくは2.
5〜6.5、より好ましくは3.0〜6.0にするとよ
い。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量が(I
I)式中の置換基X1モル当量に対し0.3モル以上で
(D)成分の長期的な性能低下が著しい。(D)成分の
pHがこの範囲外にあるときは、この範囲より酸性側で
あれば、アンモニア、エチレンジアミン等の塩基性試薬
を添加して調整すれば良く、塩基性側のときも塩酸、硝
酸、酢酸等の酸性試薬を用いて調整すれば良い。なお、
その調整方法は特に限定されるものではない。
【0041】次に(E)成分について説明する。上述し
たように、この(E)成分はで示す平均組成式:R4 a
i(OH)b(4-a-b)/2(式中、R4は同一または異種
の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基
を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0
001≦b≦3、a+b<4の関係を満たす数であ
る。)で表すことができる分子中にシラノール基を含有
するポリオルガノシロキサンである。
【0042】式中R4としては上記(II)式中のR3と同
じものが例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のア
ルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキシプ
ロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノ
プロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基など
の置換炭化水素基、より好ましくはメチル基およびフェ
ニル基である。また式(III)中のaおよびbはそれぞ
れ上記の関係を満たす数であり、aが0.2未満または
bが3を超えると硬化被膜にクラックを生じるなどの不
都合があり、また、aが2を超え4以下の場合またはb
が0.0001未満では硬化がうまく進行しない。この
ようなシラノ−ル基含有ポリオルガノシロキサンはメチ
ルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニ
ルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、もし
くはこれらに対応するアルコキシシランの1種もしくは
2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で加水分
解することで得ることができる。シラノ−ル基含有ポリ
オルガノシロキサンを得るのに、アルコキシシランを用
いて公知の方法で加水分解した場合、加水分解されない
アルコキシ基が微量に残る場合がある。つまりシラノ−
ル基と極微量のアルコキシ基が共存するようなポリオル
ガノシロキサンが得られる事もあるが、この様なポリオ
ルガノシロキサンを用いても差支えない。
【0043】(F)成分である硬化触媒は、上記のよう
に(D)成分と(E)成分との縮合反応を促進し、被膜
を硬化させるものである。このような触媒としては、ア
ルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラ
ウレ−ト、ジオクチル錫ジマレ−ト等のカルボン酸の金
属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエ−ト、ジメチルア
ミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミ
ン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第
4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミンのような
アミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シラン
カップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、
塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウ
ムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムな
どのアルカリ触媒;テトライソプロピルチタネート、テ
トラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセ
トネート等のチタニウム化合物、メチルトリクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシ
ラン等のハロゲン化シラン等が例示されるが、この他に
(D)成分と(E)成分の縮合反応に有効なものであれ
ばとくに制限はない。
【0044】(D)成分および(E)成分の配合割合
は、(D)成分1〜99重量部に対して(E)成分99
〜1重量部であり、より好ましくは(D)成分5〜95
重量部に対して(E)成分95〜5重量部、最も好まし
くは(D)成分10〜90重量部に対して(E)成分9
0〜10重量部である。(D)成分が1重量部未満であ
ると常温硬化性に劣り、また十分な被膜硬度が得られな
い。一方、99重量部を超えると硬化性が不安定でかつ
良好な塗膜が得られないことがある。
【0045】また、(F)成分である硬化触媒の添加量
は(D)成分および(E)成分の合計量を100として
それに対して0.0001〜10重量%であることが好
ましく、より好ましくは0.0005〜8重量%であ
り、最も好ましくは0.0007〜5重量%である。
0.0001重量%未満だと常温で硬化しない。また、
10重量%を越えると耐熱性、耐候性が悪くなる。
【0046】(D)成分のシリカ分散オリゴマーに含有
される加水分解性基と(E)成分のシラノ−ル基とは、
(F)成分の硬化触媒存在下で、常温もしくは低温加熱
することにより縮合反応して硬化被膜を形成する。従っ
て、このシリコーンコーティング材は常温で硬化する
ときにも湿度の影響をほとんど受けない。また加熱処理
により縮合反応を促進して硬化被膜を形成することがで
きる。
【0047】このシリコーンコ−ティング材は、取扱
いの容易さから各種有機溶媒で希釈して使用できる。こ
のとき使用する有機溶媒の種類は、(D)成分あるいは
(E)成分の一価炭化水素基の種類もしくは分子量の大
きさによって選定することができるものであって、その
有機溶媒としては、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロ
パノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル等の低級脂
肪族アルコ−ル類;エチレングリコ−ル、エチレングリ
コ−ルモノブチルエ−テル、酢酸エチレングリコ−ルモ
ノエチルエ−テル等のエチレングリコ−ル誘導体;ジエ
チレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ
−テル等のジエチレングリコ−ルの誘導体及びトルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトオキシム、ジアセトンアルコ−ル
等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた
1種もしくは2種以上のものを使用することができる。
【0048】(3)シリコーンコーティング材 このシリコーンコーティング材は、請求項に示すよ
うに、 (G)一般式 R6 cSiOd(OR5e(OH)f ……………(IV) (式中、R5、R6は1価の炭化水素基を表し、c,d,
e,fはそれぞれ、c+2d+e+f=4、0≦c<
3、0<d<2、0<e<4、0<f<4を満たす数で
ある。)で表される平均分子量600〜5000のオル
ガノシロキサン部分加水分解物、(H)乳化剤、及び水
を混合してなるエマルジョン状のものである。
【0049】まず(G)成分について説明する。この
(G)成分は、例えば、この部分加水分解物は一般式:
6nSi(OR5)4-n(n=0〜3) ・・・・
・・(V) で表される加水分解性オルガノアルコキシシラン1種以
上に水及び触媒、必要であれば適当な有機溶剤を添加
し、該加水分解性オルガノアルコキシシランを部分加水
分解することで得られる。ここで、R5及びR6は1価の
炭化水素基を表し、同一であっても良いし、異なるもの
であっても良い。このR5はシリコーンコーティング材
にて示したR1と、R6はシリコーンコーティング材
にて示したR2と同様のものとすることができる。
【0050】(G)成分に必要な水の量は、(V)式で
表される加水分解性オルガノアルコキシシランのOR5
基1モル当量あたり、0.3〜2.0モルの範囲である
必要があり、より好ましくは0.4〜1.0モルであ
る。水の量が0.3モル未満では、有機溶剤を脱溶する
際に(G)成分の分子量分布における低分子量シリコー
ン化合物が有機溶剤とともに系外に除かれる不都合を生
じる。また、水の量が2.0を越えると(G)成分の貯
蔵安定性が低下し、ゲル化する恐れがある。また、この
(G)成分を調製する際には、必要に応じてpH調節を
行っても良い。この加水分解性オルガノアルコシランを
部分加水分解するのに用いられる触媒としては、特に限
定するものではなく、例えば酸性触媒としては塩酸、硝
酸等の水溶性の酸や後述する酸性コロイド状シリカ等が
例示でき、塩基性触媒としてはアンモニア水溶液や塩基
性コロイド状シリカを例示できる。なお、この部分加水
分解において発生する低級脂肪族アルコールは両親媒性
の溶剤であり、エマルジョンの安定性を低下させるの
で、予め脱溶して除くことが望ましい。
【0051】また、上記式(IV)中のc、d、e及びf
は、上述したように、それぞれc+2d+e+f=4、
0≦c<3、0<d<2、0<e<4、0<f<4を満
たす数である。cが3以上の場合はコーティング被膜の
硬化がうまく進行しないという不都合がある。e及びf
はともに0を越えた数であることが必要である。f=0
の場合は分子末端はR6基とOR5基の疎水基のみになる
ために、エマルジョンの長期安定性には有利であるが、
OR5基はコーティング被膜硬化時の架橋反応性に欠け
るため、十分な硬化被膜を得ることができない。また、
e=0の場合は分子末端はR6基と親水基であるOH基
になるため、分子全体での親水性が増加してエマルジョ
ンの長期安定性が得らる。また、(G)成分の平均分子
量は600〜5000の範囲にある必要がある。平均分
子量が600未満の場合はコーティング硬化塗膜にクラ
ックを生じるなどの不都合があり、5000を越えると
硬化がうまく進行しないという不都合を生じる。
【0052】(H)成分は、(G)成分を水中にエマル
ジョンとして分散させる乳化剤である。本発明で用いら
れる乳化剤としては、一般的な保護コロイド及び/また
は界面活性剤が用いられる。保護コロイドとしては、例
えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
セルロース等の水溶性セルロース誘導体、でんぷん、寒
天、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸、スチレン無
水マレイン酸共重合体塩、マレイン化ポリブタジエン誘
導体、ナフタレンスルホン酸縮合物、ポリアクリル酸
塩、アクリル酸アミド、アクリル酸エステル等が挙げら
れる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロ
ジン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ヒドロキシア
ルカンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩または、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーチル硫酸エステル
塩、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラア
ルキルアンモニム塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、オキシエ
チレン−オキシプロピレン共重合体、多価アルコール脂
肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン化多価アルコー
ル脂肪族エステル等が挙げられる。これらの物質を単独
または併用してもよい。
【0053】乳化剤量は(G)成分に対して、1〜30
重量%が望ましく、より好ましくは、2〜15重量%で
ある。例えば、乳化剤量が1重量%未満では乳化でき
ず、一方、30重量%を超えると被覆の硬化性及び耐候
性が損なわれる。
【0054】このシリコーンコーティング材は、上記
(G)成分のオルガノシロキサン部分加水分解物、
(H)成分の乳化剤及び水を混合攪拌してエマルジョン
化させることにより調製されるものである。このとき用
いられる水の量は、シリコーンコーティング材全量に
対して、50〜90重量%であることが望ましい。水の
量がこの範囲外になるとエマルジョンの安定性が低下
し、沈殿物を発生するなどの不都合を生じる。またこの
ときの攪拌方法、いわゆる乳化方法は特に限定されるも
のではなく、従来周知の乳化方法により乳化できる。例
えば、(G)成分、(H)成分、及び水を均一に混合
後、ホモジナイザー、ホモミキサー等の乳化機を用いて
乳化する方法が挙げられる。
【0055】さらにこのシリコーンコーティング材
は、コロイド状シリカを含有させることができる。この
コロイド状シリカは優れた造膜性をコーティング被膜に
付与し、コーティング被膜の塗膜硬度を高める効果があ
る。この場合、コロイド状シリカの含有量は、(G)成
分をR6cSiO(4-c)/2として換算した重量に対して、
該コロイド状シリカのシリカ分としての重量が5〜10
0重量%の範囲とするのが望ましい。すなわち、コロイ
ド状シリカの含有量がシリカ分として5重量%未満であ
ると所望の塗膜強度が得られず、100重量%を越える
とコロイド状シリカの均一分散が困難となり(G)がゲ
ル化などの不都合を招来することがあるためである。
【0056】この場合、用いることができるコロイド状
シリカとしては、水に分散したものあるいはアルコール
などの非水系の有機溶媒に分散したものが使用できる。
水に分散したコロイド状シリカを用いる場合には水系な
のでそのままエマルジョンに導入できる利点がある。一
方、非水系の有機溶媒に分散したコロイド状シリカを用
いる場合には、エマルジョンの安定性を低下させるの
で、直接エマルジョンに導入することはできないが、
(V)式で表される加水分解性オルガノアルコキシシラ
ンの反応触媒として使用すれば、非水系の有機溶媒中に
分散した(G)成分とコロイド状シリカの混合組成物と
して得ることができるので、この有機溶媒を脱溶すれ
ば、(G)成分とコロイド状シリカの混合組成物として
のエマルジョン化が可能になる。また、水に分散したコ
ロイド状シリカは固形分以外の成分として存在する水
は、(V)式で表される加水分解性オルガノアルコキシ
シランの硬化剤として用いることができる。
【0057】このエマルジョン状のシリコーンコーティ
ング材には、その塗布膜の硬化促進するために必要に
応じて硬化触媒を添加してもよい。これには例えばアル
キルチタン酸塩、オクチル酸錫、ラウリン酸錫、オクチ
ル酸鉄、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジオ
クチル錫ジマレ−ト等のカルボン酸の金属塩;テトライ
ソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタ
ニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合
物;n−ヘキシルアミン、グアニジン、ジブチルアミン
−2−ヘキソエ−ト、ジメチルアミンアセテート、エタ
ノールアミンアセテート等のアミン化合物またはこれら
の塩酸塩等を挙げることができる。これらの硬化用触媒
はその使用に際して予め常法により乳化剤と水を使用し
てエマルジョンにしておくことが望ましい。希釈する場
合は水が望ましいが、必要に応じては塗布面のレベリン
グ性あるいは乾燥性を調節するためにブチルカルビトー
ル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等の比較的高
沸点の有機溶剤を少量添加してもよい。
【0058】以上、上記(1)〜(3)にてそれぞれシ
リコーンコーティング材〜について説明したが、こ
れらには、さらに次に示す平均組成式 H(R7 2SiO)mOH ・・・・・・(VI) で表される直鎖状ポリシロキサンジオールを含有させる
こともできる。
【0059】この式(VI)中のmは、m≧3であり、好
ましくは10〜100である。また、式中のR7はシリ
コーンコーティング材で示したR3と同様のものを示
すものである。この直鎖状ポリシロキサンジオールは末
端OH基以外の反応基を有していないため、反応性に比
較的乏しい分子である。そのため、各シリコーンコーテ
ィング材〜に配合された直鎖状ポリシロキサンジオ
ールは、コーティング材中での完全な相溶性に欠け、超
微粒子として分散しているので、容易に塗膜表面に配
位、単分子層を形成するが、最終的には末端OH基がバ
ルク樹脂と縮合反応し、塗膜表面に固定化される。その
結果、R7基表面に極在化し、第1コート層との剥離性
を向上させる効果を奏する。式中のmが比較的小さいも
のは相溶性に優れるため、塗膜表面で層を形成するだけ
ではなく、バルクに取り込まれ事で塗膜に柔軟性を与
え、クラック防止効果にもつながる。上記直鎖状ポリシ
ロキサンジオールの含有量は、シリコーンコーティング
材〜それぞれにおいてシリコーンを縮合ケイ素化合
物として換算した重量及びシリカ重量の和に対して、
0.1〜100重量%であることが好ましい。上記直鎖
状ポリシロキサンジオールの含有量が0.1重量%未満
であると、剥離性の発現が弱く、100重量%を越える
と塗膜の硬化阻害を起こす要因となるためである。
【0060】さらに、シリコーンコーティング材〜
には、下記一般式 CH2=CR8(COOR9) ・・・・・・・(VII) (式中、R8は水素原子またはメチル基を表す。)で表
され、且つ、R9が置換もしくは非置換の炭素数1〜9
の1価炭化水素基である少なくとも1種の第1のアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、R9がエ
ポキシ基、グリシジル基またはそれらを含む炭化水素基
である少なくとも1種の第2のアクリル酸エステルまた
はメタクリル酸エステルと、R9がアルコキシシリル基
もしくはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基である少
なくとも1種の第3のアクリル酸エステルまたはメタア
クリル酸エステルと、を共重合させてなるアクリル樹脂
共重合体を含有させることもできる。
【0061】このアクリル樹脂共重合体は、シリコーン
コーティング材〜の塗膜の靱性を改善する効果を持
ち、ベースフィルムの曲げ、たわみ等の変形に対して第
2コート層のクラックを防止し、第2コート層の厚膜化
を可能する特性を有している。
【0062】このアクリル樹脂共重合体は、上述したよ
うに、上記第1、第2及び第3のアクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステルの共重合体である。第1のア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは、(VI
I)式中のR9が炭素数1〜9の置換または非置換の1価
の炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基などのアルキ
ル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシク
ロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプ
ロピル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキル
基;フェニル基、トリルのようなアリール基;クロロメ
チル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基などのハロゲン化炭化水素基;2−ヒド
ロキシエチル基などのヒドロキシ炭化水素基;などであ
るものの内の少なくとも1種以上である。また、第2の
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは、
(VII)式中のR9がエポキシ基、グリシジル基またはそ
れらを含む炭化水素基、例えば、γ−グリシドキシプロ
ピル基であるものの内の少なくとも1種である。第3の
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは(VI
I)式中のR9がアルコキシシリル基もしくはハロゲン化
シリル基を含む炭化水素基、例えば、トリメトキシシリ
ルプロピル基、ジメトキシメチルシリルプロピル基、モ
ノメトキシジメチルシリルプロピル基、エトキシジメチ
ルシリルプロピル基、トリクロロシリルプロピル基、ジ
クロロメチルシリルプロピル基、クロロジメチルシリル
プロピルであるものの内の少なくとも1種である。この
アクリル共重合体は、上記第1、第2及び第3のアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステル中、それぞれ
少なくとも1種、合計少なくとも3種以上を含むアクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの共重合体で
あり、上記第1、第2及び第3のアクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステル中からさらに1種あるいは2
種以上、あるいは上記以外のアクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステルの中から選ばれたさらに1種ある
いは2種以上を含む共重合体であっても構わない。
【0063】上記第1のアクリル酸エステルまたはメタ
クリル酸エステルは、シリコーンコーティング材〜
の塗膜の靱性を改善するために必要な成分である。この
ためには、R9の置換あるいは非置換炭化水素基がある
程度以上の体積を持つことが望ましく、炭素数が2以上
であることが好ましい。また、第2のアクリル酸エステ
ルまたはメタクリル酸エステルは、シリコーンコーティ
ング材〜をコートして形成された第2コート層と粘
着剤からなる第3コート層との密着性を改善するために
必要な成分である。第3のアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルは、シリコーンコーティング材に
含有させる場合には塗膜硬化時にアクリル樹脂共重合体
と(A)(B)(C)各成分との間に、シリコーンコー
ティング材に含有させる場合には塗膜硬化時にアクリ
ル樹脂共重合体と(D)成分及び(E)成分との間に化
学結合させるものであって、これによりアクリル樹脂共
重合体が塗膜中に固定化される。この第3のアクリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステルには、シリコーン
コーティング材〜のそれぞれにおける各成分の相溶
性を改善する効果もある。
【0064】このアクリル樹脂共重合体の分子量は、シ
リコーンコーティング材に含有させた場合、(D)成
分及び(E)成分との相溶性に大きく関わる。このアク
リル樹脂共重合体のポリスチレン換算平均分子量が5万
を越えると、相分離し、塗膜が白化することがある。従
って、このアクリル樹脂共重合体のポリスチレン換算平
均分子量は5万以下であることが望ましい。また、アク
リル樹脂共重合体のポリスチレン換算平均分子量の下限
は1000であることが望ましい。分子量が1000未
満だと、塗膜の靱性が下がり、クラックが生じやすくな
る傾向があり、好ましくない。アルコキシシリル基また
はハロゲン化シリル基を持つ第3のアクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステルは、共重合体中の単量体モ
ル比率で2〜50wt%の範囲であることが望ましい。
2%未満では、このアクリル樹脂共重合体と(D)成分
及び(E)成分との相溶性が悪く、塗膜が白化すること
がある。また、50w%を越えると、アクリル樹脂共重
合体と(D)成分及び(E)成分との結合密度が高くな
りすぎ、アクリル樹脂共重合体を添加する本来の目的で
ある靱性の改善が見られない。このアクリル樹脂共重合
体の合成方法は、公知の有機溶媒中での溶液重合、乳化
重合、懸濁重合によるラジカル重合法、あるいはアニオ
ン重合法、カチオン重合法を用いることができる。
【0065】このアクリル重合共重合体の含有量は、シ
リコーンコーティング材〜においてシリコーンを縮
合ケイ素化合物として換算した重量及びシリカ重量の和
に対して、0.1〜100重量%であることが好まし
い。0.1重量%未満であると、靱性の発現が弱く、1
00重量%を越えると塗膜の硬化阻害を引き起こしてし
まうからである。
【0066】さらにシリコーンコーティング材〜に
は、顔料を含有させることができる。このとき添加する
顔料の種類としては、例えばカーボンブラック、キナク
リドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニン
グリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、
硫酸バリウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよ
く、これらの群から選ばれる1種もしくは2種以上を組
み合わせて使用しても差し支えない。シリコーンコーテ
ィング材への顔料分散は通常のダイノーミール、ペ
イントシェーカー等による顔料粉を直接分散する方法で
良いが、エマルジョン状のシリコーンコーティング材
には、ダイノーミール、ペイントシェーカー等による顔
料粉を直接分散する方法ではエマルジョンが破壊され、
相分離、ゲル化、沈殿等の不都合を生じる恐れがあるた
め、分散剤を介して顔料を水に高濃度で分散させた顔料
ベースをエマルジョンに添加し、適度に攪拌する方法が
望ましい。この顔料ベースの市販は容易に入手できる。
さらにシリコーンコーティング材〜には、顔料以外
にも染料、金属粉、ガラス粉、紫外線吸収剤、帯電防止
剤等を添加することができる。
【0067】次に、第3コート層について説明する。こ
の第3コート層は、第2コート層を第1コート層から剥
離させて被転写体表面に転写及び密着させるために必須
のコート層である。第3コート層に使用する粘着剤は、
シリコーン第2コート層に密着すれば、その種類に制限
はなく、例えば、ポリイソプレン系粘着剤、スチレン−
ブタジエンランダム共重合体系粘着剤、スチレン−イソ
プレンブロック共重合体系粘着剤、ブチルゴム粘着剤、
ポリイソブチレン粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコー
ン系粘着剤等の各種粘着剤を使用できる。これらの粘着
剤は市販として容易に入手できる。粘着強度は転写被基
材の材質によって選択すれば良い。
【0068】特に上記に列挙した粘着剤のうちでも、シ
リコーン粘着剤を用いると上記シリコーンコーティング
材〜を用いて形成された第2コート層に対して、他
の粘着剤種よりも最も強い密着性を示す効果があること
から好ましい。また、本発明の目的である耐久性に優れ
るシリコーン保護被膜を被転写体表面に施すためには、
第3コートにも耐候性が要求されるものであって、この
点においてもシリコーン粘着剤は他の粘着剤種よりも耐
候性に優れる効果があり有効である。このシリコーン粘
着剤は、例えばベースポリマーとして高重合度のジメチ
ルあるいはジフェニルのシリコーンゴムと軟質剤として
の低重合度のビストリメトキシシロキシシロキサンなど
のシリコーンレジンを結合させ、ベンゾイルパーオキサ
イドなどの過酸化物で架橋させることによって形成され
る。このシリコーン粘着剤は市販品として容易に入手で
きる。
【0069】本発明のシリコーン転写フィルムは、支持
ベースとなるフィルム基材上に液コーティング−乾燥を
順次繰り返すことにより第1〜3コート層を順次積層形
成することによって得られる。これら第1〜3コート層
を形成するに当たってそのコーティング材料の塗装方法
としては特に限定されるものではなく、例えばグラビア
ロールコーター、グラビアオフセットロールコーター、
マイクログラビアロールコーター、絞りロールコータ
ー、エアーナイフコーター、リバースロールコーター、
バーコーター、ダイコーター、ファウンテンコーター、
コンマーター、スプレー、ディッピング、フロー等の各
種塗装方法を選択することができる。この際、必要に応
じてレベリング剤を添加してもよい。乾燥条件はフィル
ム基材の耐熱温度のよって適宜決定すれば良く、例えば
室温乾燥でも良い。また塗膜の厚みには特に制限はない
が、第1コート層についてはその剥離性を示せば薄いほ
うが好ましいものであって、例えば0.01〜10μm
の範囲にあることが望ましく、第2コート層について
は、例えばシリコーンコーティング材〜を用いる場
合には0.1〜20μmの範囲であり、転写時の変形に
対してクラックを生じることなく追随するためには0.
1〜15μmが望ましい。なお、第2コート層として、
その剥離性やクラック防止性、柔軟性を改善するために
上記直鎖状ポリシロキサンジオールやアクリル樹脂共重
合体を含有させたシリコーンコーティング材〜を用
いる場合には、塗膜の厚みは比較的厚くすることがで
き、例えば0.1〜50μmの範囲であれば良く、転写
時の変形に対してクラックを生じることなく追随するた
めには0.1〜30μmがより望ましい。また第3コー
ト層については、その粘着力が被転写基材に対して長期
的に保持されるためには0.1〜50μmが望ましい。
【0070】次に、本発明に係る転写構成体について説
明する。本発明に係る転写構成体は、上述したシリコー
ン転写フィルムの転写層、すなわち第2及び第3コート
層を被転写体の表面に転写することにより得られるもの
である。このシリコーン転写フィルムの転写層を被転写
体の表面に転写するに当たっては、まずシリコーン転写
フィルムの第3コート層を密着面として被転写体表面に
沿うようにして押しつける。すると、第3コート層を構
成する粘着剤の粘着力により該シリコーン転写フィルム
は被転写体表面に被着され、その後、フィルム基材を引
き剥がすと、第1コート層と第2コート層の層間で剥離
して分離し、第2コート層を最表層とする転写層が被転
写体表面に転写される。このように、該転写構成体にお
いては、支持ベースであるフィルム基材が残留すること
なく転写層のみが保護被膜として表面に形成されたもの
となるものであって、このとき、最表層に第2コート層
がシリコーン保護コート層として形成されることから、
優れた耐久性が付与される。
【0071】上記被転写体としては、その素材は特に限
定されず、各種素材からなる物品に転写することが可能
であって、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、繊維
強化プラスチックなどの各種プラスチック成形体;ナト
リウムソーダガラス、パイレックスガラス、石英ガラス
などの各種ガラス成形体;繊維強化セメント板、窯業系
サイディングボード、木毛セメント板、パルプセメント
板、スレート・木毛セメント積層板、石膏ボード、粘土
瓦、厚形スレート、陶磁器質タイル、水ガラス化粧板な
どの無機質成形体;圧延鋼板、アルミニウムおよびアル
ミニウム合金板、溶融亜鉛メッキ鋼板、圧延ステンレス
鋼板、ブリキ板などの金属成形体;及びそれらの複合成
形体などを挙げることができる。
【0072】また、被転写体の形状は、転写の行いやす
さを考慮するとプレート状やシート状のように平滑な被
転写面を有する形状が好ましいが、特に限定されるもの
ではなく、例えば、被転写面に凹凸を有する形状のもの
であってもシリコーン転写フィルムを沿わせてその転写
層を転写できるものであれば問題はない。特に、被転写
体がプラスチック成形体である場合には、原料樹脂を所
定の形状に金型成形する際に、予めシリコーン転写フィ
ルムを金型内にセットして同時一体成形することによ
り、比較的複雑な面にも転写することが可能である。具
体的に例示すると、シリコーン転写フィルムのフィルム
基材側を真空成形や射出成形用の雌型のキャビティ面に
望ませ、次いで加熱よって軟化したフィルムを減圧によ
り雌型の成形面に付着せしめた後、雄型をあわせて溶融
樹脂を射出し、所定形状に賦形される樹脂成形体と転写
フィルムを一体化させればよい。
【0073】本発明のシリコーン転写フィルムによる
と、転写法により被転写体表面にシリコーン保護コート
層を付与することができるので、従来行われてきた塗装
法に比べて作業に手間がかからず、また溶剤等に被転写
体が侵される心配もないものである。
【0074】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。
【0075】なお、ここに示す実施例及び比較例にて記
述する「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて
「重量%」を表すものとする。また、分子量はGPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、
測定機種として東ソー(株)のHLC8020を用い
て、標準ポリスチレンで検量線を作成し、その換算値と
して測定したものである。
【0076】(1)シリコーンコーティング材の調製
例 (調製例1−1) (A)成分として酸性コロイド状シリカであるIPAオ
ルガノシリカゾル(触媒化成工業(株)製、商品名:O
SCAL1432、固形分30%)を60部と、(B)
成分としてメチルトリメトキシシランを100部と、
(C)成分としてジメチルジメトキシシランを30部
と、を混合し、次いでイソプロピルアルコール(以下I
PAと略す)100部で希釈し、さらに水39部を添加
し攪拌した。得られた混合液を60℃恒温槽中で加熱す
ることにより分子量Mw=1200に調製してシリコー
ンコーティング材を得た。ここで得たシリコーンコー
ティング材を(1−1)と称する。
【0077】(調製例1−2) (A)成分として酸性コロイド状シリカであるIPAオ
ルガノシリカゾル(触媒化成工業(株)製、商品名:O
SCAL1432、固形分30%)を90部と、 (B)成分としてメチルトリメトキシシランを100部
と、を混合し、次いでIPAの100部で希釈し、さら
に水37.7部を添加し攪拌した。得られた混合液を6
0℃恒温槽中で加熱することにより分子量Mw=150
0に調製してシリコーンコーティング材を得た。ここ
で得たシリコーンコーティング材を(1−2)と称す
る。
【0078】(2)シリコーンコーティング材の調製
例 まず、(D)成分の調製例を説明する。
【0079】(調製例D−1) 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取
りつけたフラスコ中に、IPA分散コロイド状シリカゾ
ル(日産化学工業(株)製、商品名:IPA−ST、粒
子径10〜20nm、固形分30%、水分0.5%、)
を100部と、メチルトリメトキシシランを68部と、
水10.8部とを投入して攪拌しながら65℃の温度で
約5時間かけて部分加水分解反応を行い、冷却して
(D)成分を得た。このものは、室温で48時間放置し
たときの固形分が36%であった。ここで得た(D)成
分を(D−1)と称する。なお(D−1)の調製条件は
以下の通りである。 ・加水分解性基1当量のメチルトリメトキシシランに対する水のモル数 −−−−0.4モル ・(D)成分の固形分中のシリカ分含水率 −−−−47.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% −−−−100% (調製例D−2)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー及び温度計を取りつけたフラスコ中にキシレン・n−
ブタノール分散コロイド状シリカゾル(日産化学工業
(株)製、商品名:XBA−ST、粒子径10〜20n
m、固形分30%、水分0.2%)100部と、メチル
トリメトキシシラン68部とを投入して攪拌しながら6
5℃の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い、
冷却して(D)成分を得た。このものは、室温で48時
間放置したときの固形分が36%であった。ここで得た
(D)成分を(D−2)と称する。なお(D−2)の調
製条件は以下の通りである。 ・加水分解性基1当量のメチルトリメトキシシランに対する水のモル数 −−−−7×10-3モル ・(D)成分の固形分中のシリカ分含水率 −−−−47.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% −−−−100% 次に(E)成分の調製例を説明する。
【0080】(調製例E−1) 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート及
び温度計を取り付けたフラスコ中にメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部を
秤取り、その混合溶液中に攪拌しながら、1%塩酸水溶
液108部を20分で滴下してメチルトリイソプロポキ
シシランを加水分解した。滴下終了から40分後に攪拌
を止め、反応液を分液ロートに移し静置して2層分離さ
せた。塩酸を含んだ下層の水/イソプロピルアルコール
の混合液を分液除去し、次いで残ったトルエンの樹脂溶
液中の塩酸を水洗除去し、さらにトルエン減圧除去した
後、得られた反応物をイソプロピルアルコールで希釈し
て、平均分子量(Mw)約2000のシラノール基含有
ポリオルガノシロキサンのイソプロピルアルコール40
%溶液を得た。ここで得た(E)成分を(E−1)と称
する。
【0081】(調製例E−2) 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート及
び温度計を取り付けたフラスコ中に水1000部、アセ
トン50部を秤取り、その混合溶液中にメチルトリクロ
ロシラン44.8部(0.3モル)、ジメチルジクロロ
シラン38.7(0.3モル)及びフェニルトリクロロ
シラン84.6部(0.4モル)をトルエン200部に
溶解したものを攪拌攪拌しながら加水分解した。滴下終
了から40分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移
し静置して2層分離させた。塩酸を含んだ下層の液を分
液除去し、次いで残ったポリオルガノシロキサンのトル
エン溶液を減圧ストッピングにかけ、この溶液中に残存
している水及び塩酸を過剰のトルエンと共に留去して、
平均分子量(Mw)約3000のシラノール基含有ポリ
オルガノシロキサンのトルエン60%溶液を得た。ここ
で得た(E)成分を(E−2)と称する。
【0082】次に(D)(E)(F)成分を混合したシ
リコーンコーティング材の調製例を示す。
【0083】(調製例2−1) (D)成分である(D−1)を70部、(E)成分であ
る(E−1)を30部、(F)成分としてN−β−アミ
ノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
を1部混合してシリコーンコーティング材を得た。こ
こで得たシリコーンコーティング材を(2−1)と称
する。
【0084】(調製例2−2) (D)成分である(D−2)を60部、(E)成分であ
る(E−2)を40部、(F)成分としてN−β−アミ
ノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
を2部混合してシリコーンコーティング材を得た。こ
こで得たコーティング材を(2−2)と称する。
【0085】(3)シリコーンコーティング材の調製
例 (調製例3−1) メチルトリメトキシシラン70部とジメチルジメトキシ
シラン30部混合し、次いでIPA75部で希釈し、さ
らに0.01規定塩酸25部を添加、攪拌する。得られ
た液を60℃恒温槽中で加熱することにより分子量Mw
=1000に調製した(G)成分を得た。得られた液の
メタノール及びIPAをロータリエバポレータを用いて
留去した。得られた残留物25部に(H)成分である乳
化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(HLB 13.7)を3部添加し、よく攪拌し均一に
した。水72部を攪拌しながら加えた後、ホモジナイザ
ー(300kg/cm2)処理を行い、エマルジョン状
のシリコーンコーティング材を得た。ここで得たシリ
コーンコーティング材を(3−1)と称する。
【0086】(調製例3−2) メチルトリメトキシシラン100部をメタノール70部
で希釈し、水分散酸性コロイド状シリカ[商品名「スノ
ーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20
%]30部混合し攪拌する。得られた液を60℃恒温槽
中で加熱することにより分子量Mw=1200に調製し
た(G)成分を得た。得られた液のメタノールをロータ
リエバポレータを用いて留去した。得られた残留物25
部に(H)成分である乳化剤としてポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル(HLB 12.6)を5部添
加し、よく攪拌し均一にした。水70部を攪拌しながら
加えた後、ホモジナイザー(300kg/cm2)処理
を行い、シリコーンコーティング材を得た。ここで得
たシリコーンコーティング材を(3−2)と称する。
【0087】(4)ポリシロキサンジオールの調製例 一般式(IV)で表わされる直鎖状ポリシロキサンジオ
ール(式中R7はメチル基)であって、平均分子量(M
w)の異なる2種類を準備した。このうち、Mwが約8
00のものを(4−1)と称し、Mwが約3000のも
のを(4−2)と称する。
【0088】(5)アクリル樹脂共重合体の調製例 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート、
窒素ガス導入・排出孔および温度計を取り付けたフラス
コにn−ブチルメタクリレート(BMA)5.69部、
トリメトキシシリルプロピルメタクリレート(SMA)
1.24部、グリシジルメタクリレート(GMA)0.
71部、さらに連鎖移動剤としてγ−メルカプトプロピ
ルメトキシシラン0.784部をトルエン8.49部に
溶解した反応液に窒素気流下、アゾビスイソブチロニト
リル0.025部をトルエン3部に溶解したものを滴下
し、70℃で2時間反応させ、分子量Mw=1000の
アクリル樹脂共重合体を得た。これを(5−1)と称す
る。
【0089】(実施例1〜実施例14) フィルム基材としてポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(ダイヤホイルヘキスト社製、品番T10
0、厚み50μm)を用意した。このPETフィルムの
片側面に、第1コート層の剥離剤コートとして付加縮合
型シリコーン剥離剤(東芝シリコーン社製、品番TPR
6702、有効成分30%、トルエン溶媒)をバーコー
タ塗装機でフィルム表面に硬化塗膜厚が0.5μmにな
るように塗布し、次いで120℃で20秒硬化させて、
第1コート層を形成した。
【0090】第2コート層のシリコーンコートとして、
実施例1〜実施例14のそれぞれについて、(表1)に
示す配合量(部)で成分配合し攪拌混合等して調製した
各シリコーンコーティング材を用いて、この該シリコー
ンコーティング材をバーコータ塗装機で第1コート層表
面に、硬化塗膜厚が(表1)に示す所定膜厚になるよう
に塗布し、次いで120℃で10分間硬化させて第2コ
ート層を形成した。
【0091】さらに、第3コート層の粘着剤コートとし
て、実施例1〜実施例12については過酸化物硬化型シ
リコーン粘着剤(東芝シリコーン社製、品番YR334
0、有効成分40%、トルエン/キシレン溶媒)100
部に対して過酸化ベンゾイル0.8部を添加したもの
を、バーコータ塗装機で第2コート層表面に硬化塗布厚
が50μmになるように塗布し、次いで90℃で2分間
予備乾燥後、165℃で2分間硬化させて第3コート層
を形成した。また、実施例13及び14については、第
3コート層の粘着剤コートとして、市販アクリル粘着剤
をバーコータ塗装機で第2コート層表面に硬化塗布厚が
50μmになるように塗布し、次いで90℃で2分間予
備乾燥後、165℃で2分間硬化させて第3コート層を
得た。このようにして作製した各シリコーン転写フィル
ムのサンプルについて、下記試験による性能評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0092】(塗膜の転写剥離性試験方法) 作製した各サンプルの第3コート層塗膜上に、幅10m
mのセロハン粘着テープ(日東電工社製)を接着し、こ
のセロハン粘着テープを剥離し、第1コート層と第2コ
ート層間の剥離性を測定した。
【0093】(ピール剥離強度測定法) 作製したシリコーン転写フィルムの各サンプルを幅50
mmにカットし、第3コート層の粘着剤面をアルミ板に
圧着(圧力100g/cm2)し、PETフィルムの一
端をアルミ板に対して、180゜の方向に引っ張り、剥
離強度を測定した。なお、引っ張り強度試験機は島津製
作所製のAGS−50Aを使用した。
【0094】(塗膜の耐候性試験) 作製したシリコーン転写フィルムの各サンプルをパイレ
ックスガラスに圧着し、フィルム基材を剥がして転写層
を転写し、スガ試験機社製のサンシャインスーパーロン
グライフウェザーメーター、型番:WEL−SUN−H
C型を用いて、1200時間の促進耐候性試験を行い、
促進耐候性試験前後の黄変度(YI値)を色差計(日本
電色工業社製、品番Σ80で測定し、delta YI
を算出した(JIS K7103)。
【0095】(比較例1〜3) PETフィルムの片側面上に、第1コート層である剥離
剤コートを省いて、直接、実施例での第2コート層に相
当するシリコーンコートを行った。すなわち、表1に示
す配合量(部)で成分配合し攪拌混合して調製した各シ
リコーンコーティング材をPETフィルムの片側面上に
バーコータ塗装機で、硬化塗膜厚が10μmになるよう
に塗布し、次いで120℃で10分間硬化させてシリコ
ーンコート層を得た。
【0096】実施例での第3コート層に相当する粘着剤
コートとして、過酸化物硬化型シリコーン粘着剤(東芝
シリコーン社製、品番YR3340、有効成分40%、
トルエン/キシレン溶媒)100部に対して、過酸化ベ
ンゾイル0.8部をバーコータ塗装機で上記シリコーン
コート層表面に硬化塗布厚が50μmになるように塗布
し、次いで90℃で2分間予備乾燥後、165℃で2分
間硬化させて粘着剤層を形成し、シリコーン転写フィル
ムのサンプルを作製した。得られたサンプルについて、
実施例のときと同様に、塗膜の転写剥離性試験、ピール
剥離強度測定法を行い、その結果を表1に示した。な
お、塗膜の耐候性試験については、転写層の良好な転写
が行えず、試験するに値する塗膜形成ができなかったた
め、実施しなかった。
【0097】(比較例4) PETフィルムの一片側面上に市販アクリルシリコーン
コーティング材をバーコータ塗装機で硬化塗膜厚が1.
0μmになるように塗布し、次いで120℃で10分間
硬化させた。アクリルシリコーン塗膜上に実施例5にて
用いたものと同じシリコーンコーティング材をバーコー
タ塗装機で硬化塗膜厚が10μmになるように塗布し、
次いで120℃で10分間硬化させた。次にPETフィ
ルムの他の片側面上に粘着剤コートとして、過酸化物硬
化型シリコーン粘着剤(東芝シリコーン社製、品番YR
3340、有効成分40%、トルエン/キシレン溶媒)
100部に対して過酸化ベンゾイル0.8部を添加した
ものを、バーコータ塗装機で硬化塗布厚が50μmにな
るように塗布し、次いで90℃で2分間予備乾燥後、1
65℃で2分間硬化させて、シリコーンコーティング表
面処理した粘着PETフィルムを得た。この場合、塗膜
の耐候性試験のみを、実施例での試験法に準じて次のよ
うにして行った。すなわち、上記シリコーンコーティン
グ表面処理した粘着PETフィルムをパイレックスガラ
スに圧着し、スガ試験機社製のサンシャインスーパーロ
ングライフウェザーメーター、型番:WEL−SUN−
HC型を用いて、1200時間の促進耐候性試験を行
い、促進耐候性試験前後の黄変度(YI値)を色差計
(日本電色工業社製、品番Σ80で測定し、delta
YIを算出した(JIS K7103)。
【0098】
【表1】
【0099】表1に示すように、実施例1〜14におい
ては、シリコーンに剥離性を示す第1コート層を設けて
いるので、転写層の剥離強度が比較的小さく、そのため
剥離性が良好であって、良好な転写が行えるものといえ
る。これに対し、シリコーンに剥離性を示す第1コート
層を省いた構成の比較例1〜3では、転写層の剥離強度
が大きいため剥離性が悪く、良好な転写が行えないもの
であった。ここで、第3コート層に用いる粘着剤として
シリコーン粘着剤を用いた実施例1〜12では転写され
た塗膜は優れた耐候性を有しているが、アクリル粘着剤
を用いた実施例13,14ではやや耐候性に劣るものと
なっている。因みに、比較例4ではPETフィルムが塗
膜中に残留するため、耐候性に劣るものであった。
【0100】
【発明の効果】本発明のシリコーン転写フィルムによる
と、転写法により各種被転写体表面に耐久性に優れるシ
リコーン保護コートを容易に施すことができる。従っ
て、従来行われてきた塗装法に比べて作業に手間がかか
らず、また溶剤等に被転写体が侵される心配もないもの
である。また、転写法によりシリコーン保護コートを施
すことができることから、凹凸面を有する被転写体にも
比較的容易にシリコーン保護コートを施すことが可能で
ある。
【0101】このシリコーン転写フィルムでは第1コ
ート層を形成するのに付加縮合型シリコーン剥離剤を用
いると、この付加縮合型シリコーン剥離剤は硬化性に優
れ良好な耐溶剤性を有していることから、第2コート層
を形成しやすいものとなる。
【0102】また、このシリコーン転写フィルムでは、
第2コート層を形成するのに、請求項に示す各シ
リコーンコーティング材を用いることにより、第2コー
ト層が耐久性に優れたシリコーン層となるものである。
これらシリコーンコーティング材は、請求項及び
示す直鎖状ポリシロキサンジオールを含有させることに
より第2コート層の第1コート層に対する剥離性を向上
させることができるものであり、また、請求項及び
に示すアクリル樹脂共重合体を含有させることにより、
第2コート層の靱性を向上させることができるものであ
る。さらに、上記シリコーンコーティング材には、顔料
を添加することにより所望の色に着色することも可能で
ある。
【0103】また、このシリコーン転写フィルムでは、
第3コート層を形成するのにシリコーン粘着剤を用いる
と、第3コート層の耐久性が向上して、転写層全体とし
て耐久性が向上したものとなる。
【0104】本発明の転写構成体は、上記シリコーン転
写フィルムを用いて被転写体表面にシリコーン保護コー
トを施したものであるため、表面耐久性に優れ、また、
保護コートを形成するハンドリングが良いことから生産
性に優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 183/04 C09D 183/04 (56)参考文献 特開 平9−227169(JP,A) 特開 平9−1995(JP,A) 特開 平10−157021(JP,A) 特開 平7−32794(JP,A) 特開 平8−276700(JP,A) 特開 平6−346025(JP,A) 特開 平6−240207(JP,A) 特開 昭53−130732(JP,A) 特開 平4−77565(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/00 - 7/04 B32B 27/00 - 27/42 B44C 1/165 C08L 23/00 - 101/16 C09D 183/00- 201/10

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材表面にシリコーンに対して
    剥離性を示す第1コート層と、シリコーン第2コート層
    (但し、浄化、抗菌あるいは消臭機能を有する材料から
    なる層が底部に固定化されたシリコーンコート層は除
    く)と、シリコーンに対して粘着性を示す粘着剤からな
    る第3コート層とを順次積層してなるシリコーン転写フ
    ィルムであって、 上記第2コート層が、下記シリコーンコーティング材を
    コートして形成されるものであることを特徴とするシリ
    コーン転写フィルム。 (A)一般式:Si(OR14で表されるケイ素化合物
    (その一部又は全部がコロイド状シリカである)、 (B)一般式:R2Si(OR13で表されるケイ素化
    合物、 (C)一般式:R2 2Si(OR12で表されるケイ素化
    合物(ここでR1、R2は1価の炭化水素基を示す。)を
    必須成分として、(A)を20〜200重量部、(B)
    を100重量部、(C)を60重量部以下の比率で含有
    し、且つその重量平均分子量がポリスチレン換算で80
    0以上となるように調製されたシリコーンコーティング
    材。
  2. 【請求項2】 フィルム基材表面にシリコーンに対して
    剥離性を示す第1コート層と、シリコーン第2コート層
    (但し、浄化、抗菌あるいは消臭機能を有する材料から
    なる層が底部に固定化されたシリコーンコート層は除
    く)と、シリコーンに対して粘着性を示す粘着剤からな
    る第3コート層とを順次積層してなるシリコーン転写フ
    ィルムであって、 上記第2コート層が、下記シリコーンコーティング材を
    コートして形成されるものであることを特徴とするシリ
    コーン転写フィルム。 (D)一般式:R3 kSiX4-k(式中、R3は同一または
    異種の置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水
    素基を示し、kは0〜3の整数、Xは加水分解性基を示
    す。)で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶
    媒または水に分散されたコロイド状シリカ中で、X1モ
    ル当量に対し水0.001〜0.5モルを使用する条件
    下で部分加水分解したオルガノシランのシリカ分散オリ
    ゴマ−溶液、 (E)平均組成式:R4 aSi(OH)b(4-a-b)/2(式
    中、R4は同一または異種の置換もしくは非置換の炭素
    数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれぞ
    れ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4
    の関係を満たす数である。)で表わされ、その分子中に
    少なくともシラノ−ル基を有するポリオルガノシロキサ
    ン、 (F)硬化触媒、を必須成分として含有したシリコーン
    コーティング材。
  3. 【請求項3】 フィルム基材表面にシリコーンに対して
    剥離性を示す第1コート層と、シリコーン第2コート層
    (但し、浄化、抗菌あるいは消臭機能を有する材料から
    なる層が底部に固定化されたシリコーンコート層は除
    く)と、シリコーンに対して粘着性を示す粘着剤からな
    る第3コート層とを順次積層してなるシリコーン転写フ
    ィルムであって、 上記第2コート層が、エマルジョン状の下記シリコーン
    コーティング材をコートして形成されたものであること
    を特徴とするシリコーン転写フィルム。 (G)一般式 R6 cSiOd(OR5e(OH)f(式
    中、R5、R6は1価の炭化水素基を表し、c,d,e,
    fはそれぞれ、c+2d+e+f=4、0≦c<3、0
    <d<2、0<e<4、0<f<4を満たす数であ
    る。)で表される平均分子量600〜5000のオルガ
    ノシロキサン部分加水分解物、 (H)乳化剤、及び水を混合してなるエマルジョン状の
    シリコーンコーティング材。
  4. 【請求項4】 上記シリコーンコーティング材が、次に
    示す平均組成式H(R7 2SiO)mOH (式中、R7は1価の炭化水素基を表し、mは3≦m≦
    100を満たす数である。)で表される直鎖状ポリシロ
    キサンジオールを含有していることを特徴とする請求項
    1乃至請求項いずれか記載のシリコーン転写フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 上記シリコーンコーティング材における
    上記直鎖状ポリシロキサンジオールの含有量が、上記シ
    リコーンコーティング材中のシリコーンを縮合ケイ素化
    合物として換算した重量及びシリカ重量の和に対して、
    0.1〜100重量%であることを特徴とする請求項
    記載のシリコーン転写フィルム。
  6. 【請求項6】 上記シリコーンコーティング材が、次に
    示す一般式 CH2=CR8(COOR9) (式中、R8は水素原子またはメチル基を表す。)で表
    され、且つ、R9が置換もしくは非置換の炭素数1〜9
    の1価炭化水素基である少なくとも1種の第1のアクリ
    ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、R9がエ
    ポキシ基、グリシジル基またはそれらを含む炭化水素基
    である少なくとも1種の第2のアクリル酸エステルまた
    はメタクリル酸エステルと、R9がアルコキシシリル基
    もしくはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基である少
    なくとも1種の第3のアクリル酸エステルまたはメタア
    クリル酸エステルと、を共重させてなるアクリル樹脂共
    重合体を含有していることを特徴とする請求項1乃至請
    求項いずれか記載のシリコーン転写フィルム。
  7. 【請求項7】 上記シリコーンコーティング材における
    上記アクリル樹脂共重合体の含有量が、上記シリコーン
    コーティング材中のシリコーンを縮合ケイ素化合物とし
    て換算した重量及びシリカ重量の和に対して、0.1〜
    100重量%であることを特徴とする請求項記載のシ
    リコーン転写フィルム。
  8. 【請求項8】 上記シリコーンコーティング材が顔料を
    含有していることを特徴とする請求項1乃至請求項
    ずれか記載のシリコーン転写フィルム。
  9. 【請求項9】 上記第3コート層が、シリコーン粘着剤
    をコートして形成されるものであることを特徴とする請
    求項1乃至請求項いずれか記載のシリコーン転写フィ
    ルム。
  10. 【請求項10】 上記第1コート層が、付加縮合型シリ
    コーン剥離剤をコートして形成されるものであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項いずれか記載のシリコ
    ーン転写フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10いずれか記載
    のシリコーン転写フィルムの転写層を、被転写体表面に
    転写してなることを特徴とする転写構成体。
  12. 【請求項12】 上記被転写体が、プラスチック成形
    体、ガラス成形体、無機質成形体、金属成形体、あるい
    はこれらの複合成形体のいずれかであることを特徴とす
    る請求項11記載の転写構成体。
  13. 【請求項13】 上記被転写体がプラスチック成形体で
    あって、該プラスチック成形体の成形時にその表面に上
    記シリコーン転写フィルムが一体成形され、その転写層
    が転写されたものであることを特徴とする請求項11
    載の転写構成体。
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