JPH0649412A - コーティング組成物 - Google Patents

コーティング組成物

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JPH0649412A
JPH0649412A JP4201586A JP20158692A JPH0649412A JP H0649412 A JPH0649412 A JP H0649412A JP 4201586 A JP4201586 A JP 4201586A JP 20158692 A JP20158692 A JP 20158692A JP H0649412 A JPH0649412 A JP H0649412A
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JP4201586A
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Inventor
Minoru Inoue
井上  稔
Kazuo Seto
和夫 瀬戸
Motomasa Haruna
基全 春名
Hiroshi Kimura
博 木村
Yasutoshi Nagano
安利 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温で硬化乾燥することができるとともに比
較的低温における加熱促進による硬化も可能であり、平
滑性に優れた被膜を形成することができ、しかも、顔料
を加えて塗料化する場合に、安定なビヒクルとして使用
することができ、顔料の沈降を防止することのできるコ
ーティング組成物を提供する。 【構成】 加水分解性オルガノシランを有機溶媒もしく
は水に分散されたコロイダルシリカ中で部分加水分解し
てなるシリカ分散オリゴマー溶液または有機溶媒もしく
は水に分散されたコロイダルシリカ単独と、OR基(R
は置換もしくは非置換の1価炭化水素基)含有ポリオル
ガノシロキサンと、シラノール基含有ポリオルガノシロ
キサンと、触媒とを必須とするようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コーティング組成物
に関し、さらに詳しくは、鋼板あるいはアルミニウム、
ステンレスなどの非鉄金属、コンクリート、スレートな
どの無機建材、または、プラスチック基材等の表面にコ
ートし、常温放置もしくは低温加熱処理することにより
硬化可能で、レベリング性に優れた被膜を形成しうるコ
ーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼板あるいはアルミニウム、ステ
ンレスなどの非鉄金属、コンクリート、スレートなどの
無機建材、または、プラスチック基材等の表面保護を目
的とした耐久性被膜を形成しうるコーティング剤とし
て、加水分解性オルガノシランを加水分解もしくは部分
加水分解して得られるコーティング剤、あるいは、該コ
ーティング組成物にコロイダルシリカを混合したコーテ
ィング剤が知られている。
【0003】たとえば、特開昭51−2736号公報、
特開昭51−2737号公報、特開昭53−13073
2号公報、特開昭63−168470号公報には、オル
ガノアルコキシシラン、該オルガノアルコキシシランの
加水分解および/またはその部分縮合物およびコロイダ
ルシリカとからなり、過剰の水でアルコキシ基をシラノ
ールに変換してなるコーティング剤が提案されている。
これらのコーティング剤により得られる被膜は硬度が高
く、耐候性も良く、基材保護用として優れている。
【0004】しかしながら、上記公報で提案されている
コーティング剤は、所要の被膜特性を得るためには約1
00℃以上の高温もしくは長時間の加熱処理による焼付
けが必要であり、基材の成形方法や寸法、耐熱性または
屋外などの場所によっては適用できない場合があるなど
の不都合があった。また、これらのコーティング組成物
は、アルコキシシランの加水分解により得られるシラノ
ールの活性が高く、常温でも徐々にそれらの縮合反応が
起こりゲル化し易いために安定性が悪いという問題があ
った。特に、これらのコーティング組成物をビヒクルと
して顔料を加えて塗料化しようとすると、さらに安定性
が悪くなり、塗料化できないなどの欠点があった。
【0005】特開昭64−168号公報では、塗装直前
に、アルコキシシランの部分加水分解、部分縮合物に硬
化剤と称して水と触媒とを加え、アルコキシ基をシラノ
ールに変換するコーティング剤が提案されている。この
様にして得られるコーティング剤は、貯蔵安定性が良
く、顔料を加えて塗料化しても比較的安定であるが、所
要の被膜特性を得るためには約100℃以上の高温もし
くは長時間の加熱処理による焼付けが必要であり、基材
の成形方法や寸法、耐熱性または屋外などの場所によっ
ては適用できない。
【0006】このような欠点を解消する目的で、特開昭
63−268772号公報には、ケイ素アルコキシドを
主体としたプレポリマーと硬化触媒および水からなり、
常温近傍で硬化するコーティング剤が提案されている。
一方、耐熱性塗料用あるいは耐候性塗料用のビヒクルと
してシリコーンレジンが知られている。これらの多くは
シラノール基含有ポリシロキサンからなっており、この
ようなシラノール基含有オルガノポリシロキサンは、一
般に、オルガノクロロシラン類を加水分解してトルエン
あるいはキシレンの溶液にしている場合が多く、また、
オルガノアルコキシシランを用いても、その加水分解物
がトルエンあるいはキシレンに溶解するまで、シラノー
ル基を縮合反応させている。このようにして得られたシ
リコーンレジン溶液は、顔料を練り込んで塗料にして
も、その塗料の安定性が良い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の常温
近傍で硬化するコーティング剤は、塗装性が悪く、コー
ティング剤の硬化性が悪く、コーティング剤の硬化性が
湿度に影響されやすいなどの欠点がある。また、前述の
シリコーンレジン溶液を用いた塗料は、加熱硬化被膜を
形成するのに高温で長時間処理しなければならないとい
う欠点があり、さらには、長時間加熱処理しても、その
被膜硬度を高めるには限界があり、耐久性被膜としては
不十分な特性である。
【0008】そこで、この発明は、常温で硬化乾燥する
ことができるとともに比較的低温における加熱促進によ
る硬化も可能であり、特に平滑性に優れた被膜を形成す
ることができ、しかも、顔料を加えて塗料化する場合
に、安定なビヒクルとして使用することができ、特に顔
料の沈降を防止することのできるコーティング組成物を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかるコーティング組成物は、第1に、 (A)一般式(I): R1 nSiX4-n …(I) (式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。)で表わされる加水分解
性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロ
イダルシリカ中で、X1モルに対し水0.001〜0.
5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、オル
ガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液と、 (B)平均組成式(II): R2 aSi(OR3)b(4-a-b)/2 …(II) (式中、R2 およびR3 は同一または異種の置換もしく
は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aお
よびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
3、a+b<4の関係を満たす数である。)で表わさ
れ、分子中にOR3 基を含有するポリオルガノシロキサ
ンと、 (C)平均組成式(III): R4 cSi(OH)d(4-c-d)/2 …(III) (式中、R4 は同一または異種の置換もしくは非置換の
炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、cおよびdはそ
れぞれ0.2≦c≦2、0.0001≦d≦3、c+d
<4の関係を満たす数である。)で表わされ、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサンと、 (D)触媒とを必須成分とし、(A)成分においてシリ
カを固形分として5〜95重量%含有し、加水分解性オ
ルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオルガ
ノシランであり、(A)成分の配合割合が(A)成分と
(B)成分の合計100重量部当たり10〜99重量部
であり、(C)成分の配合割合が(A)成分と(B)成
分と(C)成分の合計100重量部当たり1〜99重量
部であるものである(以下、これを「第1のコーティン
グ組成物」と称する)。
【0010】この発明にかかるコーティング組成物は、
第2に、有機溶媒または水に分散されたコロイダルシリ
カ単独からなる(A′)成分と、前記(B)成分と、前
記(C)成分と、前記(D)成分とを必須成分とし、
(A′)成分の配合割合が(A′)成分と(B)成分の
合計100重量部当たり5〜99重量部であり、(C)
成分の配合割合が(A′)成分と(B)成分と(C)成
分の合計100重量部当たり1〜99重量部であるもの
である(以下、これを「第2のコーティング組成物」と
称する)。
【0011】以下では、まず、第1のコーティング組成
物について説明する。(A)成分のシリカ分散オリゴマ
ーは、被膜形成に際して、硬化反応に預かる官能性基と
しての加水分解性基を有するベースポリマーの主成分で
ある。これは、有機溶媒または水に分散されたコロイダ
ルシリカに、一般式(I)で表される加水分解性基含有
オルガノシランの1種または2種以上を加え、コロイダ
ルシリカ中の水あるいは別途添加された水で、該加水分
解性オルガノシランを部分加水分解することで得られ
る。
【0012】一般式(I)で表される加水分解性オルガ
ノシラン中の基R1 は、炭素数1〜8の置換または非置
換の1価の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基な
どのアラルキル基;フェニル基、トリル基などのアリー
ル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロ
メチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロ
プロピル基などのハロゲン置換炭化水素基およびγ−メ
タクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル
基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メ
ルカプトプロピル基などの置換炭化水素基などを例示す
ることができる。これらの中でも、合成の容易さあるい
は入手の容易さから、炭素数1〜4のアルキル基および
フェニル基が好ましい。
【0013】加水分解性基Xとしてはアルコキシ基、ア
セトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミ
ノキシ基、アミド基などが挙げられる。これらの中で
も、入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液を調
製しやすいことから、アルコキシ基が好ましい。このよ
うな加水分解性オルガノシランとしては、一般式(I)
中のnが0〜3の整数であるモノ−、ジ−、トリ−、テ
トラ−の各官能性の、アルコキシシラン類、アセトキシ
シラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミ
ノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類など
が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さおよびシ
リカ分散オルガノシランオリゴマー溶液を調製しやすい
ことから、アルコキシシラン類が好ましい。
【0014】特に、n=0のテトラアルコキシシランと
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
などが例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシラ
ンとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシランな
どが例示できる。また、n=2のジオルガノジアルコキ
シシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシ
シランなどが例示でき、n=3のトリオルガノアルコキ
シシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラ
ン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示でき
る。さらに、一般にシランカップリング剤とよばれるオ
ルガノシラン化合物もアルコキシシラン類に含まれる。
【0015】これらの一般式(I)で表される加水分解
性オルガノシランのうちの50モル%以上がn=1で表
される三官能性のものであることが必要である。それら
は、好ましくは60モル%以上であり、最も好ましくは
70モル%以上である。これが50モル%未満では、十
分な塗膜硬度が得られないと共に、乾燥硬化性が劣り易
いからである。
【0016】(A)成分中のコロイダルシリカは、コー
ティング組成物の硬化被膜の硬度を高くし、平滑性およ
び耐クラック性を向上させるために必須のものである。
このようなコロイダルシリカとしては、水分散性あるい
はアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性のコロイダ
ルシリカが使用できる。この様なコロイダルシリカは、
一般に、固形分としてのシリカを20〜50重量%含有
しており、この値からシリカ配合量を決定できる。水分
散性コロイダルシリカを使用する場合、固形分以外の成
分として存在する水は、(A)成分の有機ケイ素化合物
の加水分解に用いることができる他、硬化剤としても用
いることができる。水分散性コロイダルシリカは、通
常、水ガラスから作られるが、このようなコロイダルシ
リカは、市販品を容易に入手することができる。有機溶
媒分散コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダルシ
リカの水を有機溶媒と置換することで容易に調製するこ
とができる他、水分散コロイダルシリカと同様に市販品
としても容易に入手する事ができる。コロイダルシリカ
が分散している有機溶媒の種類は、例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレン
グリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、
酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレ
ングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコ
ール誘導体及びジアセトンアルコール等を挙げることが
でき、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種
以上のものを使用することができる。これらの親水性有
機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、メチルエチルケトオキシムなども用いることがで
きる。
【0017】なお、第1のコーティング組成物における
(A)成分および後述の第2のコーティング組成物にお
ける(A′)成分の配合割合は、それらの成分における
分散媒である水および有機溶媒の量も含めて算出され
る。(A)成分中においてコロイダルシリカは、シリカ
固形分として5〜95重量%の範囲で含有される。好ま
しくは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85重
量%の範囲である。その含有量が5重量%未満である
と、所望の被膜硬度が得られず、また、95重量%を超
えると、シリカの均一分散が困難となり、(A)成分が
ゲル化などの不都合を招来することがあるからである。
【0018】(A)成分のシリカ分散オリゴマーは、通
常、加水分解性基含有オルガノシランを水分散コロイダ
ルシリカまたは有機溶媒分散コロイダルシリカ中で部分
加水分解して得ることができる。加水分解性オルガノシ
ランに対する水の使用量は、加水分解性基(X)1モル
に対して水0.001〜0.5モルである。その割合
が、0.001モル未満だと十分な部分加水分解物が得
られず、0.5モルを超えると部分加水分解物の安定性
が悪くなるからである。部分加水分解する方法は、特に
限定されず、たとえば、加水分解性オルガノアルコキシ
シランとコロイダルシリカとを混合して、必要量の水を
添加配合すればよく、このとき、部分加水分解反応は常
温で進行する。部分加水分解反応を促進させるために6
0〜100℃に加温してもよい。さらに、部分加水分解
反応を促進させる目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラ
ン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン
酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール酸、
マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸
などの有機酸および無機酸を触媒に用いてもよい。
【0019】(A)成分は、長期的に安定して性能を得
るためには、液のpHを2.0〜7.0、好ましくは
2.5〜6.5、より好ましくは3.0〜6.0にする
とよい。pHがこの範囲外であると、特に水の使用量が
基(X)1モルに対し0.3モル以上で(A)成分の長
期的な性能低下が著しい。(A)成分のpHがこの範囲
外にあるときは、この範囲より酸性側であれば、アンモ
ニア、エチレンジアミン等の塩基性試薬を添加して調整
すれば良く、塩基性側のときは、塩酸、硝酸、酢酸等の
酸性試薬を用いて調整すれば良い。しかし、その調整方
法は特に限定されるものではない。
【0020】(B)成分として用いられる、前記(II)
式で表されるOR3 基含有ポリオルガノシロキサンは、
この発明の特徴をなす重要な成分であり、塗料化すると
きのビヒクルの一部になり、被膜形成に関与する。ま
た、固形分が100%から数%まで任意に調整でき、製
造条件によって平均分子量を約500から数十万まで自
由に調整できるため、コーティング組成物の固形分の増
量、粘度調整、塗装時のレベリング調整、硬度の向上等
に重要な役割を果たし、塗料の安定化、特に顔料の沈降
防止に有効である。このポリオルガノシロキサンは、た
とえば、対応するアルコキシシランを酸触媒またはアル
カリ触媒の存在下で部分加水分解縮合することにより得
ることができる。このポリオルガノシロキサン中のR2
およびR3は、炭素数1〜8の置換または非置換の1価
の炭化水素基を示し、前記(I)式中のR1 と同じもの
が例示される。
【0021】(B)成分のOR3 基含有ポリオルガノシ
ロキサンが顔料の沈降防止により効果的に働くために
は、このポリオルガノシロキサンの粘度が高いことが好
ましい。そのため、(B)成分中のOR3 基と後述の
(C)成分中のシラノール基とを脱アルコール縮合反応
させることにより高粘度の(B)成分を調製してもよ
い。ただし、この場合、(C)成分中のシラノール基量
に対して(B)成分中のOR 3 基量が2倍モル以上にな
るようにして脱アルコール縮合反応を進めてやる必要が
ある。もしも、この割合が2倍モル未満だと、ゲル化す
る恐れがあるからである。前記脱アルコール縮合反応を
進めるには、触媒として酸またはアルカリなどを使用す
ることもできるし、チタンもしくはアルミニウムのアル
コキシド化合物およびキレート化合物を使用することも
できる。
【0022】(C)成分としては、前記(III)式で表さ
れるシラノール基含有ポリオルガノシロキサンが用いら
れる。前記(III)式中のR4 としては、前記(I)中の
1と同じものが例示されるが、好ましくは、炭素数1
〜4のアルキル基;フェニル基;ビニル基;γ−グリシ
ドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水
素基、より好ましくはメチル基およびフェニル基であ
る。また、前記(III)式中、cおよびdはそれぞれ前記
の関係を満たす数である。もしも、cが0.2未満また
はdが3を超えると、硬化被膜にクラックを生じるなど
の不都合があり、また、cが2を超え4以下の場合また
はdが0.0001未満では硬化がうまく進行しないか
らである。
【0023】(C)成分のシラノール基含有ポリオルガ
ノシロキサンは、たとえば、メチルトリクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、
ジフェニルジクロロシラン、もしくは、これらに対応す
るアルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を
公知の方法により大量の水で加水分解することにより得
ることができる。なお、シラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンを得るのに、アルコキシシランを用いて公知
の方法で加水分解した場合、加水分解されないアルコキ
シ基が微量に残る場合がある。つまり、シラノール基と
極微量のアルコキシ基が共存するようなポリオルガノシ
ロキサンが得られる事がある。しかし、この発明では、
この様なポリオルガノシロキサンを用いても差支えな
い。
【0024】(D)成分として用いられる触媒は、前述
した(A)、(B)、(C)成分の縮合反応を促進し、
被膜を硬化させるものである。このような触媒として
は、たとえば、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およ
びジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート等
のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエ
ート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンア
セテート等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム
等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペ
ンタミン等のアミン類;N−β−アミノエチル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチ
ル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のア
ミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン
酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシ
ド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物;水
酸化カリウムなどのアルカリ触媒;テトライソプロピル
チタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテト
ラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;メチル
トリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチ
ルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン等があるが、
これらの触媒の他にも、(A)、(B)、(C)成分の
縮合反応に有効なものであれば、特に制限なく用いるこ
とができる。
【0025】(A)、(B)、(C)成分の配合割合に
ついては、(A)成分の配合割合が(A)成分と(B)
成分の合計100重量部当たり10〜99重量部であ
り、(C)成分の配合割合が(A)成分と(B)成分と
(C)成分の合計100重量部当たり1〜99重量部で
ある。もしも、(A)成分の配合割合が(A)成分と
(B)成分の合計100重量部当たり10重量部未満で
あると、常温硬化性に劣り、しかも十分な被膜硬度が得
られないし、一方、この配合割合が99重量部を超える
と、顔料を加えて塗料にした場合に、(B)成分の量が
少なすぎるために、顔料沈降の防止効果が得られなくな
るからである。また、(C)成分の配合割合が(A)成
分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部当たり
1重量部未満であると、硬化性が不安定であり、しかも
良好な被膜が得られないことがあり、一方、この配合割
合が99重量部を超えると、常温硬化性に劣り、しかも
十分な被膜硬度が得られないからである。
【0026】(D)成分の配合割合は、(A)成分と
(B)成分と(C)成分の合計100重量部に当たり、
0.0001〜10重量部であることが好ましい。より
好ましくは0.0005〜8重量部であり、最も好まし
くは0.0007〜5重量部である。0.0001重量
部未満だと、常温で硬化しにくくなり、また、10重量
部を超えると、耐熱性、耐候性が悪くなるからである。
【0027】次に、第2のコーティング組成物について
説明する。このコーティング組成物の必須成分である
(A′)成分は、前述したように、有機溶媒または水に
分散されたコロイダルシリカ単独からなる。このコロイ
ダルシリカとしては、前述の第1のコーティング組成物
の(A)成分中に含まれるコロイダルシリカと同じもの
を用いることができる。コロイダルシリカの分散媒とし
て用いられる有機溶媒についても同様である。第2のコ
ーティング組成物のその他の必須成分である(B)、
(C)、(D)成分は、それぞれ、第1のコーティング
組成物に用いられる(B)、(C)、(D)成分と同じ
ものである。
【0028】第2のコーティング組成物における
(A′)、(B)、(C)成分の配合割合については、
(A′)成分の配合割合が(A′)成分と(B)成分の
合計100重量部当たり5〜99重量部であり、(C)
成分の配合割合が(A′)成分と(B)成分と(C)成
分の合計100重量部当たり1〜99重量部である。も
しも、(A′)成分の配合割合が(A′)成分と(B)
成分の合計100重量部当たり5重量部未満であると、
常温硬化性に劣り、しかも十分な被膜硬度が得られない
し、一方、この配合割合が99重量部を超えると、顔料
を加えて塗料にした場合に、(B)成分の量が少なすぎ
るために、顔料沈降の防止効果が得られなくなるからで
ある。また、(C)成分の配合割合が(A′)成分と
(B)成分と(C)成分の合計100重量部当たり1重
量部未満であると、硬化性が不安定であり、しかも良好
な被膜が得られないことがあり、一方、この配合割合が
99重量部を超えると、常温硬化性に劣り、しかも十分
な被膜硬度が得られないからである。
【0029】(D)成分の配合割合は、(A′)成分と
(B)成分と(C)成分の合計100重量部に当たり、
0.0001〜10重量部であることが好ましい。より
好ましくは0.0005〜8重量部であり、最も好まし
くは0.0007〜5重量部である。0.0001重量
部未満だと、常温で硬化しにくくなり、また、10重量
部を超えると、耐熱性、耐候性が悪くなるからである。
【0030】この発明のコーティング組成物(以下、特
に断らない限り、「この発明のコーティング組成物」
は、第1のコーティング組成物および第2のコーティン
グ組成物の両方を指す)は、取り扱いを容易にするため
に、各種有機溶媒で希釈して使用することもできる。希
釈に使用できる有機溶媒の種類は、それぞれの成分の一
価炭化水素基の種類もしくは分子量の大きさによって選
定することができる。このような有機溶媒としては、コ
ロイダルシリカの分散溶媒として示した、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ
ブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリ
コール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸
エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレング
リコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール
の誘導体及びジアセトンアルコール等を挙げることがで
き、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上のものを使用することができる。これらの親水性有機
溶剤と併用できる溶剤として、トルエン、キシレン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなども例示
することができる。
【0031】この発明のコーティング組成物の保存方法
としては、(A)(もしくは(A′))、(B)、
(C)および(D)成分をそれぞれ保存する4包装形を
とるのが一般的であるが、(A)成分(もしくは
(A′)成分)と(D)成分との混合成分と、(B)成
分と、(C)成分とを分けて3包装形としておき、使用
時に3者を混合するか、あるいは、すべての成分を混合
して一容器内に保存する1包装形とすることも可能であ
る。但し、(A)成分と(D)成分を混合して保存する
場合は、(A)成分のpHを2〜7に調整した後、
(D)成分を加えることが好ましく、さらには、(A)
成分のオルガノシランの加水分解性基(X)1モルに対
する水の使用量を0.3モル以下とすることが好まし
い。
【0032】この発明のコーティング組成物には、必要
に応じて、顔料を添加してもよい。添加する顔料として
は、たとえば、カーボンブラック、キナクリドン、ナフ
トールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハ
ンザエロー等の有機顔料、酸化チタン、硫酸バリウム、
ベンガラ、複合金属酸化物等の無機顔料がよい。これら
は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0033】顔料の分散は、通常の方法でよい。また、
その際、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等
の使用が可能である。さらには、レベリング剤、染料、
金属粉、ガラス粉、抗酸化剤、紫外線吸収剤、アルミペ
ースト等を添加することもできる。この発明のコーティ
ング組成物は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、
ABS樹脂などのプラスチック、アルミニウム、ステン
レス、銅、鉄、ジュラルミンなどの金属、あるいは、
紙、木材、ガラス、セメント・石膏などで作られた壁材
など、さらにはアクリル系、アルキッド系、ポリエステ
ル系、エポキシ系、ウレタン系塗料等の表面保護用にも
適用できる。
【0034】また、被膜の厚みは特に制限は無く、たと
えば、0.1〜100μmであれば良いが、塗膜が長期
的に安定に密着、保持され、クラックやハガレが発生し
ないためには、好ましくは1〜80μmである。この発
明のコーティング組成物は、通常の塗布方法でコーティ
ングすることができる。例えば、刷毛塗り、スプレー、
浸漬、フロー、ロール、カーテン、ナイフコート等の各
種塗布方法を選択することができる。また、有機溶媒で
の希釈割合は、特に制限はなく、適宜決定すれば良い。
【0035】この発明のコーティング組成物は、常温
(室温)で硬化させることもできるが、塗装物の生産工
程等の関係から、必要に応じて、加熱硬化させてもよ
い。その際の焼付温度は、特に限定はされないが、40
〜200℃が好ましい。
【0036】
【作用】(A)、(B)、(C)、(D)成分を必須と
して第1のコーティング組成物を構成するようにする
と、常温もしくは低温加熱することにより、(A)成分
のシリカ分散オリゴマーに含有される加水分解性基と
(B)成分のOR3 基と(C)成分のシラノール基とが
(D)成分の硬化触媒存在下で縮合反応して硬化被膜を
形成する。
【0037】また、(A′)、(B)、(C)、(D)
成分を必須として第2のコーティング組成物を構成する
ようにすると、常温もしくは低温加熱することにより、
(B)成分のOR3 基と(C)成分のシラノール基とが
(D)成分の硬化触媒存在下で縮合反応して硬化被膜を
形成する。第1のコーティング組成物の(A)成分中に
含まれるコロイダルシリカ、および、第2のコーティン
グ組成物の(A′)成分であるコロイダルシリカは、硬
化被膜の硬度を高くし、硬化被膜の平滑性および耐クラ
ック性等を改善する。
【0038】第1および第2のコーティング組成物の
(B)成分は、塗料化するときのビヒクルの一部になる
とともに、被膜形成に関与する。また、その固形分を1
00%から数%まで任意に調整でき、製造条件によって
その平均分子量を約500から数十万まで自由に調整で
きるため、コーティング組成物の固形分の増量、粘度調
整、塗装時のレベリング調整、硬度の向上等に重要な役
割を果たす。さらに、(B)成分は、塗料を安定化さ
せ、特に顔料の沈降を防止する。
【0039】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を挙げてさらに詳述するが、この発明は下記実施例
に限定されない。以下、特に断らない限り、「部」はす
べて「重量部」を、「%」はすべて「重量%」を表す。
まず(A)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例A−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ーおよび温度計を取付けたフラスコ中に、メタノール分
散コロイダルシリカゾルMT−ST(粒子径10〜20
μm、固形分30%、水分0.5%、日産化学工業社
製)100部、メチルトリメトキシシラン68部、水1
0.8部を投入し、攪拌しながら65℃の温度で約5時
間かけて部分加水分解反応を行い、冷却して、(A)成
分を得た。このものは、室温で48時間放置したときの
固形分が36%であった。ここで得た(A)成分をA−
1と称する。A−1の調製条件は次のとおりであった。 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数:4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量:47.3% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル%:
100モル% (調製例A−2)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ーおよび温度計を取付けたフラスコ中に、イソプロピル
アルコール分散コロイダルシリカゾルIPA−ST(粒
子径10〜20μm、固形分30%、水分0.5%、日
産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシラン
68部、ジメチルジメトキシシラン18部、水2.7部
および無水酢酸0.1部を投入し、攪拌しながら80℃
の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い、冷却
して、(A)成分を得た。このものは、室温で48時間
放置したときの固形分が36%であった。ここで得た
(A)成分をA−2と称する。A−2の調製条件は次の
とおりであった。 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数:1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量:40.2% ・n=1の加水分解性基含有オルガノシランのモル%:
77モル% 次に、(B)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例B−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ーおよび温度計を取付けたフラスコ中に、メチルトリメ
トキシシラン136部(1モル)、水15.3部(0.
85モル)および酢酸0.1部を投入し、攪拌しながら
部分加水分解反応を行った。その後、反応副生成物のメ
タノールを減圧留去することにより、メトキシ基含有量
40%、粘度10センチポイズの(B)成分を得た。こ
こで得た(B)成分をB−1と称する。 (調製例B−2)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ーおよび温度計を取付けたフラスコ中に、上記調製例B
−1で得られた(B−1)成分50部と、平均化学組成
式HO{(CH3)2 SiO}20Hで表されるジオルガノ
ポリシロキサン50部と、アルミニウムトリアセチルア
セトネート0.02部とを投入し、攪拌しながら加温し
た。約85℃で反応副生成物のメタノールが生成した。
このメタノールを反応系外に留去しながら加温を継続
し、温度130℃になった時点で加温を止めた。その
後、残留メタノールを減圧留去することにより、メトキ
シ基含有量10%、粘度200センチポイズの(B)成
分を得た。ここで得た(B)成分をB−2と称する。 (調製例B−3)調製例B−2において、(B−1)成
分の使用量を60部とするとともに、平均化学組成式H
O{(CH3)2 SiO}20Hで表されるジオルガノポリ
シロキサン50部の代わりに後述の調製例C−2で得ら
れた(C−2)成分65部を用いたこと以外は調製例B
−2と同様にして、メトキシ基含有量15%、粘度50
0センチポイズの(B)成分を得た。ここで得た(B)
成分をB−3と称する。
【0040】次に、(C)成分の調製方法の例を説明す
る。 (調製例C−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取付けたフラスコ中にメ
チルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とト
ルエン150部との混合液を計り取り、この混合液に1
%塩酸水溶液108部を20分かけて滴下して、メチル
トリイソプロポキシシランを加水分解した。滴下40分
後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し入れて静置
した後、二層に分離した下層の、少量の塩酸を含む水と
イソプロピルアルコールとの混合液を分液して除去し、
後に残った上層のトルエンの樹脂溶液中の塩酸を水洗で
除去した。さらに、トルエンを減圧留去した後、残留物
をイソプロピルアルコールで希釈することにより、平均
分子量約2000のシラノール基含有オルガノポリシロ
キサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。こ
れをC−1と称する。 (調製例C−2)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取付けたフラスコ中に水
1000部とアセトン50部を計り取って混合溶液と
し、この混合溶液中に、メチルトリクロロシラン44.
8部(0.3モル)、ジメチルジクロロシラン38.7
部(0.3モル)およびフェニルトリクロロシラン8
4.6部(0.4モル)をトルエン200部に溶解した
溶液を攪拌下に滴下しながら加水分解反応を行った。滴
下40分後に攪拌を止め、反応液を分液ロートに移し入
れて静置した後、二層に分離した下層の塩酸水を分液し
て除去した。後に残った上層のオルガノポリシロキサン
のトルエン溶液中に残存している水および塩酸を過剰の
トルエンとともに減圧ストリッピングにより留去して除
去することにより、平均分子量約10000のシラノー
ル基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液
を得た。これをC−2と称する。
【0041】−実施例1〜6および比較例1〜2− 表1〜2に示す成分を同表に示す割合で混合して、コー
ティング組成物を得た。ただし、実施例6において
(A′)成分として用いたコロイダルシリカは、メタノ
ール分散コロイダルシリカゾルMT−ST(粒子径10
〜20μm、固形分30%、水分0.5%、日産化学工
業社製)である。また、(D−1)成分はN−β−アミ
ノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
であり、(D−2)成分はN−β−アミノエチル−γ−
アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0042】上記実施例1〜6および比較例1〜2で得
られたコーティング組成物について、下記〜の評価
試験を行った。 粘度測定:レオメータ(HAAKE製、CV20
ローターZA30)を用い、せん断速度100(1/
s)のときの粘度を測定した。
【0043】 耐沸騰水性試験:コーティング組成物
を、アルミニウム熔射したテストピース(商品名アルス
ター、日本テストパネル社製)にスプレー塗装で硬化被
膜厚で約10μmになるように塗布し、硬化温度140
℃で30分間硬化させて、被膜(塗膜)を形成させた。
このようにして得られた被膜を有するテストピースを水
道水で2時間煮沸した後、1時間放置して、被膜の状態
を観察し、変化のないものを良好(○)とした。
【0044】 顔料沈降防止性試験:(A)成分と
(B)成分の混合物(比較例1では(A)成分単独)
に、白色顔料の酸化チタン60部をペイントシェーカー
により分散させ、さらに、(C)成分と(D)成分(比
較例2では(D)成分のみ)を添加し、混合することに
より、白色塗料を調製した。この白色塗料を試験管(内
径13mm、長さ150mm)に100mmの高さまで入れ、
6時間静置した後、顔料沈降が上から10mm以内の場合
ば合格(○)、10mmを超える場合は不合格(×)とし
た。
【0045】それらの結果を表1〜2に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1〜2にみるように、実施例1〜6のコ
ーティング組成物は、比較例1のコーティング組成物に
比べて、耐沸騰水性は同等であるが、粘度が高く、顔料
沈降防止性に優れていること、また、比較例2のコーテ
ィング組成物に比べて、粘度が高く、耐沸騰水性および
顔料沈降防止性のいずれも優れていることが確認され
た。
【0049】
【発明の効果】この発明のコーティング組成物は、常温
で硬化乾燥することができるとともに比較的低温におけ
る加熱促進による硬化も可能であり、そのため、幅広い
乾燥条件範囲(環境)または温度範囲で使用できるの
で、耐熱性のない基体に対しても塗装でき、熱のかけら
れない作業現場でも塗装できる。また、このコーティン
グ組成物は、固形分濃度、粘度等を任意に調整すること
ができ、特に平滑性に優れた被膜を形成することができ
る。しかも、顔料を分散させて塗料化する場合は、安定
なビヒクルとして使用することができ、特に顔料の沈降
を防止することができる。さらに、このコーティング組
成物は、湿気硬化タイプのコーティング組成物とは異な
り、常温で硬化するときにも湿度の影響をほとんど受け
ない。従って、その工業的、産業的価値は極めて大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春名 基全 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 木村 博 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 長野 安利 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): R1 nSiX4-n …(I) (式中、R1 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
    数、Xは加水分解性基を示す。)で表わされる加水分解
    性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロ
    イダルシリカ中で、X1モルに対し水0.001〜0.
    5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、オル
    ガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液と、 (B)平均組成式(II): R2 aSi(OR3)b(4-a-b)/2 …(II) (式中、R2 およびR3 は同一または異種の置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aお
    よびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
    3、a+b<4の関係を満たす数である。)で表わさ
    れ、分子中にOR3 基を含有するポリオルガノシロキサ
    ンと、 (C)平均組成式(III): R4 cSi(OH)d(4-c-d)/2 …(III) (式中、R4 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、cおよびdはそ
    れぞれ0.2≦c≦2、0.0001≦d≦3、c+d
    <4の関係を満たす数である。)で表わされ、分子中に
    シラノール基を含有するポリオルガノシロキサンと、 (D)触媒とを必須成分とし、(A)成分においてシリ
    カを固形分として5〜95重量%含有し、加水分解性オ
    ルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオルガ
    ノシランであり、(A)成分の配合割合が(A)成分と
    (B)成分の合計100重量部当たり10〜99重量部
    であり、(C)成分の配合割合が(A)成分と(B)成
    分と(C)成分の合計100重量部当たり1〜99重量
    部であるコーティング組成物。
  2. 【請求項2】 (A′)有機溶媒または水に分散された
    コロイダルシリカと、 (B)平均組成式(II): R2 aSi(OR3)b(4-a-b)/2 …(II) (式中、R2 およびR3 は同一または異種の置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aお
    よびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
    3、a+b<4の関係を満たす数である。)で表わさ
    れ、分子中にOR3 基を含有するポリオルガノシロキサ
    ンと、 (C)平均組成式(III): R4 cSi(OH)d(4-c-d)/2 …(III) (式中、R4 は同一または異種の置換もしくは非置換の
    炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、cおよびdはそ
    れぞれ0.2≦c≦2、0.0001≦d≦3、c+d
    <4の関係を満たす数である。)で表わされ、分子中に
    シラノール基を含有するポリオルガノシロキサンと、 (D)触媒とを必須成分とし、(A′)成分の配合割合
    が(A′)成分と(B)成分の合計100重量部当たり
    5〜99重量部であり、(C)成分の配合割合が
    (A′)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重
    量部当たり1〜99重量部であるコーティング組成物。
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