JP2574061B2 - 有機溶液型コーティング用組成物、塗装された無機質硬化体およびその製造方法 - Google Patents

有機溶液型コーティング用組成物、塗装された無機質硬化体およびその製造方法

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JP2574061B2 JP2263509A JP26350990A JP2574061B2 JP 2574061 B2 JP2574061 B2 JP 2574061B2 JP 2263509 A JP2263509 A JP 2263509A JP 26350990 A JP26350990 A JP 26350990A JP 2574061 B2 JP2574061 B2 JP 2574061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、有機溶液型コーティング用組成物に関
し、さらには詳しくは、ステンレスなどの鋼板;アルミ
ニウムなどの非鉄金属;コンクリート、スレートなどの
無機建材;またはプラスチック基材などの表面にコート
し、常温放置もしくは低温加熱処理することにより硬化
可能で、硬度が高く、耐熱性、耐候性に優れた被膜を形
成しうる有機溶液型コーティング用組成物に関する。さ
らに、この発明は、高硬度かつ耐候性に優れた、コーテ
ィング用組成物の硬化層を有する、塗装された無機質硬
化体およびその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、ステンレスなどの鋼板;アルミニウムなどの非
鉄金属;コンクリート、スレートなどの無機建材;また
はプラスチック基材等の表面保護を目的とした耐久性被
膜を形成しうるコーティング剤として、加水分解性オル
ガノシランを加水分解もしくは部分加水分解して得られ
るコーティング剤、あるいは該コーティング用組成物に
コロイダルシリカを混合したコーティング剤が知られて
いる。
たとえば、特開昭51−2736号公報、特開昭51−2737号
公報、特開昭53−130732号公報,特開昭63−168470号公
報には、オルガノアルコキシシラン、該オルガノアルコ
キシシランの加水分解物および/またはその部分縮合物
およびコロイダルシリカとからなり、過剰の水でアルコ
キシ基をシラノールに変換してなるコーティング剤が提
案されている。しかしながら、これらのコーティング剤
により得られる被膜は硬度が高く、耐候性も良く基材保
護用として優れているものの、所要の被膜特性を得るた
めには約100℃以上の高温もしくは長時間の加熱処理に
よる焼付けが必要であり、基材の成型方法や寸法、耐熱
性または屋外などの場所によっては適用できない場合が
あるなどの不都合があった。また、これらのコーティン
グ用組成物はアルコキシシランの加水分解により得られ
るシラノールの活性が高く、常温でも徐々にそれらの縮
合反応が起こり、ゲル化し易いために安定性が悪いとい
う問題があった。特に、これらのコーティング用組成物
をビヒクルとして顔料を加えて塗料化しようとするとさ
らに安定性が悪くなり、塗料化できないなどの欠点があ
った。
また、特開昭64−168号公報のように塗装直前に、ア
ルコキシシランの部分加水分解、部分縮合物に硬化剤と
称して水と触媒とを加え、アルコキシ基をシラノールに
変換するコーティング剤が提案されている。しかしなが
ら、この様にして得られるコーティング剤は貯蔵安定性
が良く、顔料を加えて塗料化しても比較的安定である
が、所要の被膜特性を得るためには約100℃以上の高温
もしくは長時間の加熱処理による焼付けが必要であり、
基材の成型方法や寸法、耐熱性または屋外などの場所に
よっては適用できない。
このような欠点を解消する目的で、特開昭63−268772
号公報にはケイ素アルコキシドを主体としたプレポリマ
ーと硬化触媒および水からなり常温近傍で硬化するコー
ティング剤が提案されているが塗装性が悪く、コーティ
ング剤の硬化性が悪く、コーティング剤の硬化性が湿度
に影響されやすいなどの欠点があった。
一方、耐熱塗料あるいは耐候性塗料用のビヒクルとし
てシリコーンレンジが知られている。これらの多くはシ
ラノール基含有ポリシロキサンからなっており、一般に
このようなシラノール基含有オルガノポリシロキサンは
オルガノクロロシラン類を加水分解してトルエンあるい
はキシレン溶液にしている場合が多く、またオルガノア
ルコキシシランを用いてもその加水分解物がトルエンあ
るいはキシレンに溶解するまで、シラノール基を縮合反
応させている。このようにして得られたシリコーンレジ
ン溶液は顔料を練り込んで塗料にしても、その顔料の安
定性はよいものの、加熱硬化被膜を形成するのに高温で
長時間処理しなければならないという欠点があり、さら
には長時間加熱処理してもその被膜硬度を高めるには限
界があり、耐久性被膜としては不十分な特性であった。
ところで、上述したコンクリートやセメント基剤等の
無機質硬化体は耐熱性および耐久性に優れた素材である
が、その表面を塗装しないでおくと、水分が侵入してし
まい、また一方で、耐汚染性や耐酸性に劣るという欠点
を有している。更に未塗装の外観は多くの場合、美観を
伴うものではない。
これらの問題点を解決するため、その表面に有機系の
塗料をコートすることが行なわれてきた。しかし、有機
系の塗料は耐候性に劣り、また、被覆硬度が低いために
傷付きやすいという不都合がある。
そこで有機系塗料に代わって水ガラス系などの無機コ
ーティング剤の適用が試みられたが、エフロレッセンス
の発生や多孔性といった点で満足のいく結果が得られな
かった。
上記欠点のない無機コーティング剤としてケイ素アル
コキシド系コーティング剤が検討されている。しかし、
ケイ素アルコキシド系コーティング剤を用いると、基材
であるセメント系素材からのアルカリ発生の問題や、基
材の寸法変化が比較的大きいことに加えて、コーティン
グ剤の基材に対する密着性が不十分であるため、雨水や
温度変化などの影響を受けて亀裂や剥離が生じやすいと
いう問題がある。そこで、プライマーを介してケイ素ア
ルコキシド系コーティング剤を塗装する例が、特開昭63
−262203号公報、特開平1−83580号公報等で示されて
いるが、プライマー層の上に塗装されるケイ素アルコキ
シド系コーティング剤は100℃以上の加熱処理が必要で
その時間もかなり長いのが実情である。よって、建設現
場での塗装や耐熱性の低い基材への塗装、また、セメン
ト系基材でも、さね加工や凹凸等の模様を有している基
材については、板厚のうすい所を有するものは、処理時
にクラック等が発生しやすかった。
[発明が解決しようとする課題] この発明は、 常温で硬化乾燥すると同時に比較的低温における加
熱促進による硬化も可能で、しかも得られた被膜が硬度
が高く、耐候性に優れ、平滑性の良い有機溶液型コーテ
ィング用組成物、 顔料を加えて塗料化する場合に安定なビヒクルとし
て使用でき、このため、任意に着色できる、耐候性、平
滑性、光沢性に優れた有機溶液型コーティング用組成
物、 貯蔵安定性が良く、長期的に安定しての性能を得
ることができる有機溶液型コーティング用組成物、 をそれぞれ提供する事を課題とする。
さらに、この発明は、コンクリート、セメント等の無
機質硬化体の表面に、高硬度かつ耐候性に優れたケイ素
アルコキシド系無機コーティング剤の硬化層を長期にわ
たってクラックや剥離を生じさせることなく、建設現場
で塗布した、あるいは、耐熱性の低い基材、あるいは、
さね加工や凹凸の模様を有する基材の中で板厚の薄い所
があるような基材でもクラックの発生の心配のない処理
で行った無機系コーティング層を有する、塗装された無
機質硬化体、および、その製造方法を提供することを課
題とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記従来のコーティング剤の問題点の
解決法を鋭意検討した結果、有機溶媒あるいは水に分散
されたコロイダルシリカ中でアルコキシシランを部分加
水分解したシリカ分散オリゴマーとシラノール基含有オ
ルガノポリシロキサン及び触媒からなるコーティング用
組成物が、上記従来のコーティング剤の問題点を全て解
決することを見いだし本発明を完成するにいたった。す
なわち、本発明のコーティング用組成物は、上記の性
能を得るために、 (A)一般式 R1 nSiX4-n ……(I) (式中、R1は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
数、Xは加水分解性基を示す。) で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶媒また
は水に分散されたコロイダルシリカ中でX1モルに対し水
0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分解してな
る、加水分解性基が残存しているオルガノシランのシリ
カ分散オリゴマー有機溶剤溶液と、 (B)平均組成式 R2 aSi(OH)bO(4−a−b)/2 ……(II) (式中、R2は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれ
ぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b≦3,a+b<4の関係を満た
す数である。) で表わされる、分子中にシラノール基を含有するポリオ
ルガノシロキサンの有機溶剤溶液と、 (C)触媒 を必須成分とし、実質的に水を含まない、有機溶液型の
ものである。
この発明のコーティング用組成物は、上記の性能を
得るために、(B)成分のポリスチレン換算重量平均分
子量が700以上、かつ、20000以下であるものとされるこ
とができる。
この発明のコーティング用組成物は、上記の性能を
得るために、(A)成分のpHが2.0〜7.0であるものとさ
れることができる。
また、本発明者らは、上記従来の塗装された無機質硬
化体の問題点の解決法を鋭意検討した結果、溶媒分散性
コロイダルシリカ中でアルコキシシランを部分加水分解
したシリカ分散オリゴマーとシラノール基含有オルガノ
ポリシロキサンおよび触媒からなるコーティング用組成
物を、プライマー層を介してセメント系等の基材に塗布
し硬化被膜を形成させることで、上記問題を全く解決す
ることを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、この発明の塗装された無機質硬化体は、無
機質硬化体の表面にプライマー層を有するとともに、そ
のプライマー層の上に上記この発明のコーティング用組
成物の硬化体からなる被膜を有する。
さらに、この発明の塗装された無機質硬化体の製造方
法は、無機質硬化体の表面にプライマー層を形成する第
1の工程と、同プライマー層の上に上記この発明のコー
ティング用組成物を塗布し、常温ないし低温加熱により
乾燥させて硬化した無機コーティング層を形成する第2
の工程を有する。
この発明で用いられる(A)成分のシリカ分散オリゴ
マーは被膜形成に際して、硬化反応に預かる官能性基と
しての加水分解性基(X)を有するベースポリマーの主
成分である。これは有機溶媒または水(有機溶媒と水と
の混合溶媒も含む)に分散されたコロイダルシリカに、
一般式(I)で表される加水分解性オルガノシランの1
種または2種以上を加え、コロイダルシリカ中の水ある
いは別途添加された水で、該加水分解性オルガノシラン
を部分加水分解することで得られる。
一般式(I)で表される加水分解性オルガノシラン中
の基R1は炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化
水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フェニルエチ
ル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル
基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基のような
アリール基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル
基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−
トリフルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素
基およびγ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシド
キシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基な
どを例示することができる。これらの中でも合成の容易
さ、あるいは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル
基およびフェニル基が好ましい。
加水分解性基のXとしてはアルコキシ基、アセトキシ
基、 オキシル基 エノキシ基 アミノ基、アミノキシ基 アミド基 〔ここで、R,R′およびR″は、たとえば、それぞれ、
独立に水素または1価の炭化水素基などである〕 などが挙げられる。入手の容易さおよびシリカ分散オリ
ゴマー溶液を調製しやすいことからアルコキシ基が好ま
しい。
このような加水分解性オルガノシランとしては、一般
式(I)中のnが0〜3の整数であるモノ−、ジ−、ト
リ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラン類、アセ
トキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン
類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラ
ン類などが挙げられる。入手の容易さおよびシリカ分散
オルガノシランオリゴマー溶液を調製しやすいことから
アルコキシシラン類が好ましい。
特に、n=0のテトラアルコキシシランとしてはテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示で
き、n=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−
トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが例示で
きる。また、n=2のジオルガノジアルコキシシランと
しては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジ
エトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなど
が例示でき、n=3のトリオルガノアルコキシシランと
してはトリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシ
シラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイ
ソブチルメトキシシランなどが例示できる。さらに一般
にシランカップリング剤とよばれるオルガノシラン化合
物もアルコキシシラン類に含まれる。
これらの一般式(I)で表される加水分解性オルガノ
シランのうち50モル%以上がn=1で表される三官能性
の物であることが好ましく、より好ましくは60モル%以
上であり、最も好ましくは70モル%以上である。これが
50モル%未満では十分な塗膜硬度が得られないと共に、
乾燥硬化性が劣り易いことがある。
(A)成分中のコロイダルシリカは本願発明のコーテ
ィング用組成物の硬化被膜の硬度を高くするために必須
のものである。このようなコロイダルシリカとしては水
分散性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散
性コロイダルシリカが使用できる。一般にこの様なコロ
イダルシリカは固形分としてのシリカを20〜50重量%含
有しており、この値からシリカ配合量を決定できる。ま
た、水分散性コロイダルシリカを使用する場合、固形分
以外の成分として存在する水は(A)成分の有機ケイ素
化合物の加水分解に用いることができる。これらは通常
水ガラスから作られるが、このようなコロイダルシリカ
は市販品を容易に入手することができる。また有機溶媒
分散コロイダルシリカは前記水分散性コロイダルシリカ
の水を有機溶媒と置換することで容易に調製することが
できる。このような有機溶剤分散コロイダルシリカも水
分散コロイダルシリカ同様に市販品として容易に入手す
る事ができる。コロイダルシリカが分散している有機溶
媒の種類は、例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール(IPAとも言う)、n−ブタノール、イソブ
タノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリ
コール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールの
誘導体及びジアセトンアルコール等を挙げることがで
き、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以
上のものを使用することができる。これらの親水性有機
溶剤と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトオキシムなども用いることができ
る。
(A)成分中においてコロイダルシリカはシリカ分と
して好ましくは5〜95重量%の範囲で含有される。より
好ましくは10〜90重量%、最も好ましくは20〜85重量%
の範囲である。含有量が5重量%未満であると所望の被
膜硬度が得られず、また95重量%を超えるとシリカの均
一分散が困難となり、(A)成分がゲル化などの不都合
を招来することがある。
(A)成分のシリカ分散オリゴマーは、通常、加水分
解性オルガノシランを水分散コロイダルシリカまたは有
機溶媒分散コロイダルシリカ中で部分加水分解して得る
事ができる。加水分解性オルガノシランに対する水の使
用量は、加水分解性基(X)1モルに対して水0.001〜
0.5モルである。その割合が0.001モル未満だと十分な部
分加水分解物が得られず、0.5モルを越えると部分加水
分解物の安定性が悪くなることがある。部分加水分解す
る方法は特に限定されず、加水分解性オルガノシランと
コロイダルシリカとを混合して、必要量の水を添加配合
すればよく、このとき部分加水分解反応は常温で進行す
る。部分加水分解反応を促進させるため60〜100℃に加
温してもよい。さらに部分加水分解反応を促進させる目
的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、ク
エン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオ
ン酸、グルタン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン
酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸および
無機酸を触媒に用いてもよい。
(A)成分は長期的に安定して性能を得るためには、
液のpHを2.0〜7.0、より好ましくはpH2.5〜6.5、さらに
より好ましくはpH3.0〜6.0にするとよい。pHがこの範囲
外であると、特に水の使用量がX1モルに対し0.3モル以
上で(A)成分の長期的な性能低下が著しくなることが
ある。(A)成分のpHがこの範囲外にあるときは、この
範囲より酸性側であれば、アンモニア、エチレンジアミ
ン等の塩基性試薬を添加して調整すれば良く、塩基性側
のときも塩酸、硝酸、酢酸等の酸性試薬を用いて調整す
れば良い、しかし、その調整方法は特に限定されるもの
ではない。
(B)成分のシラノール基含有ポリオルガノシロキサ
ンの有機溶剤溶液は本発明の特徴をなす重要な成分であ
る。このような(B)成分のポリオルガノシロキサンは
平均組成式 R2 aSi(OH)bO(4−a−b)/2 ……(II) (式中、R2は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれ
ぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b≦3,a+b<4の関係を満た
す数である。) で表すことが出来る。式中R2としては上記(I)中のR1
と同じものが例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4
のアルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキ
シプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−ア
ミノプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基など
の置換炭化水素基、より好ましくはメチル基およびフェ
ニル基である。また、式中aおよびbはそれぞれ上記の
関係を満たす数であり、aが0.2未満またはbが3を超
えると硬化被膜にクラックを生じるなどの不都合があ
り、また、aが2を超え4以下の場合またはbが0.0001
未満では硬化がうまく進行しない。
このようなシラノール基含有ポリオルガノシロキサン
は、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジ
クロロシラン、もしくはこれらに対応するアルコキシシ
ランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の方法によ
り大量の水で加水分解することで得ることができる。シ
ラノール基含有ポリオルガノシロキサンを得るのに、ア
ルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解した場
合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る場合が
ある。つまりシラノール基と極微量のアルコキシ基が共
存するようなポリオルガノシロキサンが得られる事もあ
るが、この発明では、この様なポリオルガノシロキサン
を用いても差支えない。
この本発明の(C)成分である硬化触媒は、上記
(A)成分と(B)成分との縮合反応を促進し、被膜を
硬化させるものである。このような触媒としては、アル
キルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウ
レート、ジオクチル錫ジマレエート等のカルボン酸の金
属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルア
ミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミ
ン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第
4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミンのような
アミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカ
ップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸
等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキ
レート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムなどの
アルカリ触媒;テトライソプロピルチタネート、テトラ
ブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネ
ート等のチタニウム化合物、メチルトリクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン
等のハロゲン化シラン等があるが、前記触媒の他に
(A)成分および(B)成分との縮合反応に有効なもの
であればとくに制限はない。
(A)成分および(B)成分の配合割合は、(A)成
分1〜99重量部に対して(B)成分99〜1重量部が好ま
しく、より好ましくは(A)成分5〜95重量部に対して
(B)成分95〜5重量部、最も好ましくは(A)成分10
〜90重量部に対して(B)成分90〜10重量部である(た
だし、(A)成分と(B)成分の合計は100重量部であ
る)。(A)成分が1重量部未満であると常温硬化性に
劣り、また十分な被膜硬度が得られないし、一方、99重
量部を超えると硬化性が不安定でかつ良好な塗膜が得ら
れないことがある。
また、(C)成分の添加量は(A)成分と(B)成分
との合計100重量部に対して0.0001〜10重量部であるこ
とが好ましい。より好ましくは0.0005〜8重量部であ
り、最も好ましくは0.0007〜5重量部である。0.0001重
量部未満だと常温で硬化しないことがあり、また、10重
量部を越えると耐熱性、耐候性が悪くなることがある。
(A)成分のシリカ分散オリゴマーに含有される加水
分解性基と(B)成分のシラノール基とは、(C)成分
の硬化触媒存在下で、常温もしくは低温(たとえば、温
度100℃以下)加熱することにより縮合反応して硬化被
膜を形成する。従って、湿気硬化タイプのコーティング
用組成物のように、この発明のコーティング用組成物は
常温で硬化するときにも湿度の影響をほとんど受けな
い。また加熱処理により縮合反応を促進して硬化被膜を
形成することができる。
本発明のコーティング用組成物に顔料を加えて塗料化
する場合は(B)成分の該ポリオルガノシロキサンの分
子量は700〜20,000がよい。なお、ここでいう分子量
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
測定による標準ポリスチレン換算による重量平均分子量
である。分子量700未満の場合、できあがった塗膜の硬
化性が遅くまたクラックが発生しやすい。また、20,000
を超えると顔料を添加された塗料からできた塗膜に光沢
がなくまた平滑性もよくない。ただし、重量平均分子量
が10000よりも大きく、20000以下の場合に塗膜に光沢を
持たせたり、平滑性をより良くしたりするためには、顔
料の分散条件および/または添加剤などを工夫する必要
がある。たとえば、顔料の分散条件は、分散時の回転数
を上げたり、分散のための処理時間を長くしたりするの
である。また、添加剤としては、たとえば、カップリン
グ剤、分散助剤などを、その種類にもよるが、顔料に対
して0.3%以上の重量比で使用するのである。
添加する顔料種は、カーボンブラック、キナクリド
ン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリ
ーン、ハンザエロー等の有機顔料、酸化チタン、硫酸バ
リウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、こ
れらの群から選ばれる1種もしくは2種以上を組み合わ
せて使用しても差し支えない。顔料の添加量は、顔料の
種類により隠ぺい性が異なるので特に限定はないが
(A)成分と(B)成分の混合物の固形分100重量部に
対して、好ましくは5〜80重量部がよい。5重量部未満
の場合、隠ぺい性がでず、80重量部を超えると塗膜の平
滑性が悪くなることがある。
顔料の分散は、通常の方法で行えばよい。また、その
際、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等の使
用が可能である。さらには、レベリング剤、染料、金属
粉、ガラス粉、抗酸化剤、紫外線吸収剤等を添加するこ
とができる。
本発明のコーティング組成物は、取扱いの容易さから
各種有機溶媒で希釈されて使用できる。有機溶媒の種類
は、(A)成分あるいは(B)成分の一価炭化水素基の
種類もしくは分子量の大きさによって選定することがで
きる。このような有機溶媒としてはコロイダルシリカの
分散溶媒として示したもの等を挙げることができ、これ
らからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のもの
を使用することができる。これらの親水性有機溶剤と併
用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル
エチルケトオキシムなども例示することができる。
本発明のコーティング用組成物の保存方法としては、
(A)、(B)および(C)成分をそれぞれ保存する3
包装形をとるのが一般的であるが、(A)成分と(C)
成分の混合成分と(B)成分とを分けて2包装形として
おき、使用時に両者を混合するか、すべての成分を混合
して一容器内に保存する1包装形とすることも可能であ
る。但し、(A)成分と(C)成分を混合して保存する
場合は、(A)成分のpHを2〜7に調製した後(C)成
分を加える方が好ましく、さらには(A)成分のオルガ
ノシランの加水分解性基X1モルに対する水の使用量は0.
3モル以下の方が好ましい。
この発明のコーティング用組成物は、ポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂などのプラスチック、
アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、ジュラルミンなど
の金属あるいは紙、木材、ガラス,セメント・石膏など
で作られた壁材など、さらにはアクリル系、アルキッド
系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系塗料等の
表面保護用にも適用できる。
また、被膜の厚みは特に制限は無く、0.1〜100μmで
あれば良いが、塗膜が長期的に安定に密着、保持され、
クラックやハガレが発生しないためには、1〜80μmが
より好ましく、さらに好ましくは1〜50μmである。
本発明のコーティング用組成物は通常の塗布方法でコ
ーティングすることができ、例えば刷毛塗り、スプレ
ー、浸漬、フロー、ロール、カーテン、ナイフコート等
の各種塗布方法を選択することができる。また有機溶媒
での希釈割合は特に制限はなく必要に応じて希釈割合を
決定すれば良い。
またこの発明のコーティング用組成物には、必要に応
じてレベリング剤、増粘剤、顔料、染料、アルミペース
ト、ガラスフリット、金属粉、坑酸化剤、紫外線吸収剤
等を本願発明に影響を与えない範囲内で添加することが
できる。
この発明に用いる無機質硬化体の一例としては、下記
のようなものである 無機質硬化体の原料となる水硬性を有する無機質膠着
材としては、特に限定はされず、例えば、ポルトランド
セメント、高炉セメント、高炉スラグ、ケイ酸カルシウ
ム、石膏等から選ばれた一種あるいは複数種を使用でき
る。
上記膠着材には、通常、無機充填材、繊維質材料等が
配合される。それらは、特に限定されないが、無機充填
材としては、フライアッシュ、ミクロシリカ、珪砂等
が、繊維質材料としては、パルプ、合成繊維、アスベス
ト等の無機繊維、スチールファイバー等の金属繊維等が
選ばれ、単独で、あるいは、複数種を併せて用いられ
る。
このようにして構成される無機質硬化体原料は、押出
成形、注形成形、抄造成形、プレス成形等の方法により
形成された後、特に限定はされないが、オートクレーブ
養生、蒸気養生、常温養生等が適している。
得られる無機質硬化体は、嵩密度が0.5g/cm3以上で、
その飽和吸水時から絶乾までの寸法変化が0.5%以下の
ものである事が好ましく、さらに好ましくは、嵩密度0.
7g/cm3以上、同上寸法変化0.4%以下が選ばれる。嵩密
度0.5g/cm3未満であると、プライマーおよびこの発明の
コーティング用組成物(ケイ素アルコキシド系コーティ
ング剤)の吸い込みが激しいために、密着性能が発揮さ
れにくいことに加え、塗膜外観も悪くなる恐れがある。
また、同上寸法変化が0.5%を越えると、プライマー層
は基材の動きに追随できてもケイ素アルコキシド系コー
ティング層は充分に追随できず、クラックや剥離発生の
原因となる傾向が見られる。
また、プライマー組成物の基材への塗装に先立ち、基
材の種類に応じて溶剤系、水溶性あるいはエマルジョン
系のシーラーにより目止めを行い、基材の表面の吸い込
みのバラツキを調整してもよい。使用されるシーラーと
しては、特に限定はされず、アクリル系、ラテックス系
等が使用できる。
コーティング層の構成としては、プライマー組成物に
顔料等の着色成分を添加しておいて形成したプライマー
層の上にクリヤーの無機コーティング層を設けてもよい
し、顔料等の着色成分を含まないプライマー層の上に顔
料等の着色成分を添加した無機コーティング層を設けて
もよい。また、更にその上に、クリヤーの無機コーティ
ング層を設けることも可能である。どの方法を採るかに
ついては、使用する目的に応じて選択される。また、上
述において、顔料等の着色成分を添加した無機コーティ
ング層をトップコートする場合において、光沢性のある
塗膜を望む場合には、上述したように、上記(B)成分
のポリスチレン換算の重量平均分子量が700以上、20000
以下がよい。
次に、プライマー層について説明する。プライマー層
は、たとえば、 (a)分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する
が、ウレタン結合は含有しないイソシアネートプレポリ
マー100重量部 (b)分子中に1個以上のメルカプト基および2個以上
のアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物1〜100重
量部 (c)エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂100重量部以下
(固形分として) (d)有機錫化合物および/または錫の有機酸塩0.01〜
30重量部 の各成分が配合されてなるプライマー組成物から形成さ
れる。好ましくは、(a)成分が、分子中に2個以上の
イソシアネート基を含有するが、ウレタン結合は含有し
ないイソシアネートプレポリマーのイソシアネート基
が、ベンゼン環に直結していない方がよい。また、前記
プライマー組成物は、上述した顔料を含んでいてもよ
い。
一般にイソシアネート基は、水酸基、水等と反応して
ウレタン型、尿素型等の化学結合を生成する反応性基で
あるため、そのようなイソシアネート基を有する(a)
のイソシアネートプレポリマーは、基材表面の水酸基等
と反応し、化学的な結合により強固な被膜を形成するこ
とができる。このようなイソシアネートプレポリマーと
しては、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシア
ネート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネー
ト等のイソシアネートの部分加水分解生成物や三量化
物、さらにこれらのイソシアネート混合物の反応生成物
等が挙げられる。
上述したようなイソシアネートプレポリマーのなかで
も、この発明において使用されるプライマー組成物を構
成するイソシアネートプレポリマーは、耐候性といった
観点から、分子中に2個以上のイソシアネート基を含有
するが、ウレタン結合は含有しないものであることが必
要である。そのようなイソシアネートプレポリマーとし
ては、具体的には、下記(1)あるいは(2)のような
ビュレット結合を有するもの、下記(3)〜(6)のよ
うなイソシアヌレート環を有するもの等が挙げられる。
(ただし、Q=−(CH26NCO) (ただし、Qは(1)式と同じ基) これらは単独で、あるいは、複数種を併せて使用され
る。また、特に光により変色しないことが要求される場
合には、プレポリマー中のイソシアネート基がベンゼン
環に直結していないことが好ましい。
分子中に1個以上のメルカプト基および2個以上のア
ルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物(b)は、有機
材料と結合する有機官能性基としてのメルカプト基と、
無機材料と反応する加水分解性基としてのアルコキシ基
とを同一分子内に持つシランカップリング剤であり、接
着性向上剤として作用する。さらに、プライマー組成物
中の上記(a)イソシアネートプレポリマーや以下に述
べる(c)のエポキシ樹脂変性シリコーン樹脂との反応
により、強靭かつ耐候性に優れた被膜を形成させる成分
である。このような有機ケイ素化合物としては、たとえ
ば、 HS(CH23Si(OCH3、 HS(CH23Si(OC2H5、 HS(CH22Si(OCH3、 HS(CH22Si(OC2H5、 HS(CH23Si(CH3)(OCH3 等のシランおよびそれらの加水分解縮合物が挙げられ
る。これらは、単独で用いても、あるいは、複数種を併
用してもよい。
上記(b)有機ケイ素化合物の配合量は、(a)プレ
ポリマーの粘度等にもよるが、プレポリマー100重量部
に対し1〜100重量部、好ましくは、3〜50重量部であ
る。上記割合が1重量部未満であると、その接着性が充
分に発揮されず、被膜の強度も劣る恐れがあり、100重
量部を越えると、却って接着機能が低下する傾向にあ
る。
(c)のエポキシ樹脂変性シリコーン樹脂は、添加さ
れなくても、この発明における目的は充分に達成されう
るが、プライマーの接着性および耐紫外線性の向上に貢
献する成分である。
上記(c)の変性樹脂の、シリコーン樹脂成分とエポ
キシ樹脂成分の割合は任意であって、特に限定はされな
いが、接着性、耐水性、耐候性のバランスを鑑みて、シ
リコーン樹脂15〜70重量%、エポキシ樹脂30〜85重量%
であることが好ましい。シリコーン樹脂成分は、通常、
平均式; 〔R3 hSi(OR4iOj ……(III) (式中、R3は1価の炭化水素基、R4は水素原子または1
価の炭化水素基、hは1.0〜1.7の数字、iは0.05〜0.2
の数字、jは(4−h−i)/2で表される数字、kは2
以上の数字) で示される多官能性シロキサン単位からなるポリオルガ
ノシロキサンであることが好ましい。
上記(III)式におけるR3の炭化水素基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等
のアルケニル基;フェニル基等のアリール基などが例示
されるが、耐水性や耐候性に優れ、エポキシ樹脂との相
溶性が良いこと、合成が容易であること等の観点から、
メチル基とフェニル基の混成であること、すなわち、ポ
リメチルフェニルシロキサンであることが好ましい。R4
としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等が挙げられる。
上記(III)式における数値hは1.0〜1.7、iは0.05
〜0.2であることが好ましい。hが1.0未満であると、適
度の重合度をもつポリオルガノシロキサンのエポキシ樹
脂との相溶性が劣る傾向にあり、1.7を越えると、樹脂
被膜の強靭性が低下する恐れがある。iが0.05未満であ
っても、樹脂被膜の強靭性が低下し、0.2を越えると、
保存中に粘度増加やゲル化が生じやすい傾向がみられ
る。また、被膜形成性や貯蔵中の安定性から、数値kは
2以上であることが好ましい。
エポキシ樹脂成分は、グリシジル基、3,4−オキシシ
クロヘキシル基のようなオキシラン酸素をもつ化合物を
含む低量体ないし重合体であり、硬化剤として、各種酸
無水物、アミン類等を使用してもよい。それらの硬化剤
成分は、特に限定はされず、一般的なエポキシ樹脂用硬
化剤を適用できるが、溶液中で他成分と安定に共存し、
かつ、常温付近で硬化を起こして被膜を形成させるため
には、酸無水物系硬化剤を使用することが推奨される。
そのような酸無水物としては、フタル酸無水物、マレイ
ン酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメリッ
ト酸無水物、トリメリット酸無水物、ドデシルコハク酸
無水物等が例示でき、これらは単独で、あるいは、複数
種を併せて使用される。
上述のシリコーン樹脂成分とエポキシ樹脂成分とは、
互いに相溶性を有する範囲内で単に混合して使用しても
よいし、あるいは、加熱により化学的に結合させて用い
てもよい。そして、通常は、トルエン、キシレン等の有
機溶剤の溶液として用いられる。
以上のようにして得られる(c)エポキシ樹脂変性シ
リコーン樹脂の使用量は、(a)イソシアネートプレポ
リマー100重量部に対し、固形成分として100重量部以下
であり、3〜50重量部であることが好ましい。上記割合
が100重量部を越えると、耐候性や接着性を損なう恐れ
があるばかりでなく、系の安定性の点からも好ましくな
い。
(d)の有機スズ化合物および/またはスズの有機酸
塩は、他のプライマー成分に含まれるイソシアネート基
やアルコキシシリル基、シラノール基等の反応に対して
触媒効果を有するものであり、形成されるプライマー硬
化被膜の基材に対する接着性、および、プライマー硬化
被膜に対する、この発明のコーティング用組成物の接着
性を強固なものにして、耐候性や耐水性等を付与する重
要な成分である。そのようなスズ化合物としては、特に
限定はされず、オクチル酸スズ等のカルボン酸スズ、ジ
ブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズジマレート、ジブチルスズジフタレート等
の有機スズカルボン酸塩およびこれらの化合物とテトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシ
シランとの脱エステル化反応生成物、ジブチルスズオキ
サイド等の有機スズ酸化物およびそのエステルとの反応
物などが例示できる。
上記(d)スズ化合物の配合量は、(a)のプレポリ
マー100重量部に対して0.01〜30重量部であり、好まし
くは0.05〜10重量部である。その配合量が0.01重量部未
満であると、接着性、特に接着の耐水性が低下する恐れ
があり、30重量部を越えると、プライマー組成物の硬化
速度が大きくなりすぎて、その塗布作業性に問題を生じ
る傾向がある。
以上のような各成分により構成されるプライマー組成
物は、その塗布作業を容易にし、また、保存安定性を与
える目的で、有機溶剤で適宜希釈されていてもよい。そ
のような溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカ
ルボン酸エステル系;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン系;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族
化合物系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテルあるいは酸素を含む複素環式化合
物系等の化合物が使用できる。これらの溶剤は、単独で
用いても、複数種を併用してもよい。
さらにこの発明におけるプライマー組成物は、酸化チ
タン、カーボンブラック、酸化鉄等の着色顔料などのそ
の他の添加剤を含んでいてもよい。それらの添加剤は、
この発明における効果を阻害しない量の範囲内で使用さ
れる。
プライマー組成物の保存方法としては、(a)のイソ
シアネートプレポリマー、(b)の有機ケイ素化合物お
よび必要に応じて添加される(c)のエポキシ樹脂変性
シリコーン樹脂からなる混合成分と、(d)のスズ化合
物とを分けて、2包装形としておき、使用前に両者を混
合するのが一般的であるが、すべての成分を混合して一
容器内に保存する1包装形とすることも可能である。
次に無機質硬化体に第一工程として、プライマーを塗
装、硬化させる工程について説明する。
使用する無機質硬化体の表面には、ゴミや油分がない
事が原則である。また、基材の水分は、各基材の飽和含
水率の80%未満、好ましくは70%未満である事が望まし
い。ゴミや油分がついていたり基材の含水率が高いと密
着性が低下する。
プライマーの塗装方法は、特に限定せず、用途、目的
にあわせてスプレー、ロール、フローコーター等が採用
される。また、塗布膜厚は0.5μm以上50μm未満が好
ましい。0.5μm未満では、均一な塗膜が得にくく50μ
m以上では、発泡の恐れがある。どうしても、50μm以
上の塗膜厚を得たい場合には、一度乾燥工程をとり、重
ね塗りをするのがよい。
また、プライマーの乾燥条件は、5℃以上150℃以下
が好ましく、より好ましくは10℃以上100℃以下であ
る。5℃未満では、硬化が遅く、150℃を超えると発泡
の恐れがある。温度、塗布量によっても処理時間は異な
るが、概ね3分から24時間の範囲で処理される。工場な
どの工程で行う場合には、生産性を加味すると3分から
60分がよい。例えば、熱風乾燥機を利用した場合、設定
温度80℃風速が垂直流で4m/秒の場合、10から20分で処
理できる。
また、プライマーに顔料を添加する事も可能であるが
ビヒクル固形成分100重量部に対して顔料の添加量を60
重量部未満にする事が望ましい。60重量部を超えると密
着力が低下したり、ケイ素アルコキシド系塗膜の耐クラ
ック性が低下したりすることがある。
次にプライマー層の上に第二工程として、この発明の
コーティング用組成物を塗装するが、直接クリヤーを塗
装してもよいし、顔料入り着色塗料を塗装してもよい
し、複数回着色層を塗装し、更にその上にクリヤーを塗
装しても、しなくてもよく、目的に応じて選ばれる。た
とえば、レンガ模様やタイル態様の基材を使用する場
合、凹部と凸部を異なる色で塗装し、その上にクリヤー
を塗装してもよい。凹部と凸部を塗り分ける一例として
は、まずスプレーで全体を塗装し凸部をロールで塗装し
て塗りわける事ができる。また、全体に斑点状の模様を
付けるには、スプレーで行ってもブラシ状ロールを使用
しても斑点状の模様付けができる。
この発明のコーティング用組成物を塗装するに際して
は、特に塗装方法は限定されるものではなく、上述の塗
装方法などから目的にあわせて行えばよい。塗装膜厚と
しては、0.1から100μm、好ましくは1から80μm、よ
り好しくは1から50μm、更に望むらくは3から25μm
の範囲がよい。所定膜厚未満であれば連続した塗膜にな
らないことがあり、所定膜厚を超えるとクラック、発泡
の恐れがある。また、乾燥条件は、5℃以上200℃以下
好ましくは、10℃以上150℃以下が好ましい。5℃未満
では、硬化が遅く、200℃を超えるとクラック、発泡の
恐れがある。温度、塗布量によっても処理時間は異なる
が、概ね3分から24時間の範囲で処理される。工場など
の工程で行う場合には、生産性を加味すると3分から60
分がよい。例えば、熱風乾燥機を利用した場合、設定温
度80℃風速が垂直流で4m/秒の場合、10から20分で処理
できる。
また、従来からある焼き付け硬化型(脱水縮合反応タ
イプ)のケイ素アルコキシド系コーティング剤の場合、
凹凸やさね加工のある基材に対しては処理中に場合によ
っては基材にクラックがはいる為、基材の模様、さね形
状に制限があった。また、耐熱性のないプラスチックな
どの場合、処理によって変形したりした。そのような問
題は、本発明のコーティング用組成物を使用する事で解
決する。
[実施例] 以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示
すが、この発明は下記実施に限定されない。なお、以下
では、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて
「重量%」を表す。
まず(A)成分の調製方法の例を説明する。
(調製例A−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にIPA−ST(イソプロパノール分
散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20μm、固形分30
%、H2O0.5%、日産化学工業社製)100部、メチルトリ
メトキシシラン68部、水10.8部を投入して撹拌しながら
65℃の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷
却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放
置したときの固形分が36%であった。ここで得た(A)
成分をA−1と称する。
A−1の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …47.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モ
ル% (調製例A−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にXBA−ST(キシレン・ブタノー
ル分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ,固形
分30%,H2O0.2%、日産化学工業社製)100部、メチルト
リメトキシシラン68部、フェニルトリメトキシシラン4
9.5部,水14.4部、無水酢酸0.1部を投入して撹拌しなが
ら80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い
冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間
放置したときの固形分が41%であった。ここで得た
(A)成分をA−2と称する。
A−2の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …31.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モ
ル% (調製例A−3) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にNBA−ST(n−ブタノールコロ
イダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ,固形分20%,H2O
0.5%、日産化学工業社製)150部メチルトリエトキシシ
ラン178部、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシ
シラン21.4部、ジメチルジメトキシシラン12部、水26
部、無水酢酸0.2部を投入して撹拌しながら80℃の温度
で約8時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して
(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置した
ときの固形分が31%であった。ここで得た(A)成分を
A−3と称する。
A−3の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …4×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …25.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…92モル
% (調製例A−4) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にメチルトリス(メチルエチルケ
トオキシム)シラン100部、つぎにNBA−ST(n−ブタノ
ールシリカゾル:粒子径10〜20mμ,固形分20%,H2O0.5
%、日産化学工業社製)100部と水9部の混合物を撹拌
しながら加え室温で約8時間かけて部分加水分解反応を
行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室温で48
時間放置したときの固形分が31%であった。ここで得た
(A)成分をA−4と称する。
A−4の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …5×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …47.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モ
ル% (調製例A−5) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を
取り付けたフラスコ中に、XBA−ST(キシレン・nブタ
ノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、
固形分30%、H2O0.2%日産化学工業社製)100部、メチ
ルトリメトキシシラン68部を投入して攪拌しながら65℃
の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷却し
て(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置し
たときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分
をA−5と称する。
A−5の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …7×10-3 ・(A)成分のシリカ分含有量 …47.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モ
ル% (調製例A−6) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を
取り付けたフラスコ中に、IPA−ST(イソプロピルアル
コール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、
固形分30%、H2O0.5%日産化学工業社製)100部、メチ
ルトリメトキシシラン68部、ジメチルジメトキシシラン
18部、水2.7部、無水酢酸0.1部を投入して攪拌しながら
80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷
却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放
置したときの固形分が36%であった。ここで得た(A)
成分をA−6と称する。
A−6の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …40.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…77モル
% (調製例A−7) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を
取り付けたフラスコ中に、IPA−ST(イソプロパノール
分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、固形分3
0%、H2O0.5%日産化学工業社製)100部、メチルトリメ
トキシシラン68部、フェニルトリメトキシシラン49.5
部、水7.7部を投入して攪拌しながら65℃の温度で約5
時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分
を得た。このものは、室温で48時間放置したときの固形
分が36%であった。ここで得た(A)成分をA−7と称
する。
A−7の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …2×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …31.3% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モ
ル% (調製例A−8) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を
取り付けたフラスコ中に、IPA−ST(イソプロピルアル
コール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、
固形分30%、H2O0.5%日産化学工業社製)100部、メチ
ルトリメトキシシラン68部、トリメチルメトキシシラン
5部、水2.3部、無水酢酸0.1部を投入して攪拌しながら
80℃の温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷
却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放
置したときの固形分が36%であった。ここで得た(A)
成分をA−8と称する。
A−8の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …44.5% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…91.2モ
ル% なお、室温とは、25±2℃、60±5%RHである。
次に(B)成分の調製方法の例を説明する。
(調製例B−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシシラン220部(1モル)とトルエン150部との混
合液を計り取り、1%塩酸水溶液108部を上記混合液に2
0分で滴下してメチルトリプロポキシシランを加水分解
した。滴下40部後に撹拌を止め、二層に分離した少量の
塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混合
液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を水
洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し後、イソプロ
ピルアルコールで希釈し平均分子量約2000のシラノール
基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコー
ル40%溶液を得た。これをB−1と称する。なお、分子
量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
により、測定機種名HLC−802UR(東ソー株式会社製)を
用いて、標準ポリスチレンで検量線を作成し、測定した
ものである。以後の分子量も同様の方法で測定した。
(調製例B−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコに水1000部、アセトン
50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリクロロ
シラン44.8部(0.3モル),ジメチルジクロロシラン38.
7部(0.3モル)、フェニルトリクロロシラン84.6部(0.
4モル)をトルエン200部に溶解したものを撹拌下に滴下
しながら加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、反応
液を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離し
た下層の塩酸水を分液除去し、次に上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水、および
塩酸を減圧ストリッピングにより過剰のトルエンと共に
留去して除去し、平均分子量約3000のシラノール基含有
オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を得た。こ
れをB−2と称する。
(調製例B−2) ジメチルジクロロシラン19.4部(0.15モル)をジフェ
ニルジクロロシランに変え、トルエンをキシレンに変え
たほかはB−2と同様な方法で得たシラノール基含有オ
ルガノポリシロキサンのキシレン溶液を得た。さらに前
記シラノール基含有オルガノシロキサンの脱水縮合反応
を温度150℃で16時間反応させ行い、平均分子量約30万
のキシレン50%のB−3を得た。
(調製例B−4) 上層のオルガノポリシロキサンのトルエン溶液に残存
している水、および塩酸を過剰のトルエンと共に減圧除
去し樹脂濃度80%にして、さらにイソプロピルアルコー
ルで60%の樹脂濃度にしたほかはB−1と同様にして平
均分子量約3000のシラノール基含有オルガノポリシロキ
サンのトルエン・イソプロピルアルコール60%溶液のB
−4を得た。
まず、この発明のコーティング用組成物がクリヤータ
イプの塗料である場合の実施例および比較例を示す。
−実施例1〜9および比較例1,2− 第1表に示す成分を同表に示す割合で混合してコーテ
ィング用組成物を得た。なお、比較例1、2では、スプ
レー塗装しやすいように希釈溶剤にIPAを用いた。
実施例および比較例で得られたコーティング用組成物
をアルミニウム熔射したテストピース(アルスター:商
品名 日本テストパネル製)にスプレー塗装で硬化被膜
厚で約10μmになるように塗布して、硬化温度140℃で3
0分間硬化させて被膜(塗膜)を形成し、被膜特性を試
験した。
なお、被膜特性の試験は以下の評価方法に拠った。
・密着性:基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハ
ンテープ使用)剥離試験 ・被膜硬度:鉛筆硬度試験法(JIS K5400に準ずる。) ・耐溶剤性:トルエンを含ませたガーゼで塗膜を軽く押
さえて往復で100回擦り、そのときの塗膜の状態を観察
して変化のないものを硬化性良好とした。
・耐沸騰水性:水道水煮沸、16時間試験後、試験片を1
時間放置して塗膜の状態を観察して変化のないものを良
好とした。
・耐候性:サンシャインウエザオメーター(JIS K5400
に準ずる。)で2500時間照射後塗膜状態を観察して変化
のないものを良好とした。
上記実施例1〜9および比較例1,2のコーティング用
組成物の配合条件と被膜硬度の評価結果をまとめて第1
表に示す。
−比較例3− A−6の100部とN−β−アミノエチル−γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン0.5部とを混合し、こ
れに塗装直前に水3部を加え比較例3のコーティング用
組成物を得た。これをスプレー塗装しやすいように希釈
溶剤にIPAを用いた以外は実施例1と同様にして試験片
を作成し被膜特性を試験した。結果を第1表に示した。
第1表に見るように、本発明のコーティング用組成物
は、比較例のものに比べて密着性、被膜硬度、耐溶剤性
(硬化性)、耐沸騰水性および耐候性いずれも良好であ
った。
次に、この発明のコーティング用組成物が、顔料、そ
の他の任意成分を含有している場合の実施例および比較
例を示す。
−実施例10〜14− 第2表に示されている成分(B)と白色顔料の酸化チ
タン(石原産業製「R−820」)との混合物をサンドグ
ラインダーにより酸化チタンを分散させて白色塗料を調
製して、さらに、第2表に示されている成分(A)およ
び成分(C)(触媒)を加えてコーティング用組成物を
得た。
−実施例15,16− 第2表に示す量のA−3に白色顔料の酸化チタン(石
原産業製「R−820」)との混合物をサンドグラインダ
ーで酸化チタンを分散させて白色塗料を調製して、さら
に、第2表に示されている成分(C)を加えて同表に示
されている成分(B)と組み合わせてコーティング用組
成物を得た。
−比較例4− 硬化触媒を用いなかったこと以外は実施例10と同様の
方法でコーティング用組成物を調製した。
実施例10〜16および比較例4のコーティング用組成物
をスレート板にスプレー塗装で硬化被膜(塗膜)厚みで
約20μmになるように塗布して、室温で1週間放置し、
室温乾燥の硬化被膜を形成し、試験片とした。これらの
塗膜特性を第2表に示した。
被膜の常温での硬化乾燥性をJIS−K−5400に準じる
方法で指触乾燥と、硬化乾燥時間を測定した。さらにそ
れぞれの試験片を60℃の温水に200時間連続で浸漬させ
た後の塗膜の状態を観察した。他は実施例1と同様に塗
膜特性を試験した。結果を第2表に示した。
第2表にみるように、実施例のコーティング用組成物
で形成した塗膜は、比較例のものと比べると、常温での
硬化乾燥性が良く、塗膜硬度、硬化性、耐候性のいずれ
もが優れていた。
−実施例17〜20− 第3表に示した配合組成で実施例17〜20のコーティン
グ用組成物を得て、第3表に示す基体にスプレー塗装を
膜厚10μmとなるように実施し、第3表に示す硬化条件
で約10μm厚の硬化被膜を形成して試験片とした。上に
述べたのと同様にして塗膜特性の評価結果を第3表に示
した。なお、第3表において、チヌビンPは、チバガイ
ギー社のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の商品名で
ある。
第3表にみるように、密着性、塗膜硬度、硬化性、耐
候性が良好であった。
次に、この発明のコーティング用組成物が顔料をも含
有している場合であって、光沢の良い被膜を形成する場
合の、実施例、参考実施例および比較例を示す。
−実施例21〜28および参考実施例1〜4− まず、(A)成分の調製方法の例を説明する。
(調製剤GA−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にIPA−ST(イソプロパノール分
散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、固形分30
%、H2O0.5%、日産化学工業社製)100部、メチルトリ
メトキシシラン68部、水5.4部を投入して撹拌しながら6
5℃の温度で約5時間かけて部分加水分解反応を行い冷
却して(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放
置したときの固形分が36%であった。ここで得た(A)
成分をGA−1と称する。
GA−1の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …2×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …47.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル% …100モ
ル% (調製例GA−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にME−ST(メタノール分散コロイ
ダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、固形分30%、H2O0.
5%、日産化学工業社製)150部、メチルトリメトキシシ
ラン136部、ジメチルジメトキシシラン36部、IPA75部、
水19.4部を投入して撹拌しながら60℃の温度で約6時間
かけて部分加水分解反応を行い冷却して(A)成分を得
た。このものは、室温で48時間放置したときの固形分が
32%であった。ここで得た(A)成分をGA−2と称す
る。
GA−2の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …3×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …33.5% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…76.9モ
ル% (調製例GA−3) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサーおよび温度計
を取付けたフラスコ中にIPA−ST(イソプロパノール分
散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、固形分30
%、H2O0.5%、日産化学工業社製)100部、メチルトリ
メトキシシラン68部、ジメチルジメトキシシラン18部、
水2.7部、無水酢酸0.1部を投入して撹拌しながら80℃の
温度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して
(A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置した
ときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分を
GA−3と称する。
GA−3の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …1×10-1 ・(A)成分のシリカ分含有量 …40.2% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…77モル
% 次に(B)成分の調製方法の例を説明する。
(調製例GB−1) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部との混合
液を計り取り、1%塩酸水溶液108部を上記混合物に20
分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下30分後に撹拌を止め、二層に分離した少量
の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混
合液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を
水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し後、イソプ
ロピルアルコールで希釈し平均分子量約1000のシラノー
ル基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコ
ール40%溶液を得た。これをGB−1と称する。なお、分
子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)により、HLC802AおよびHLC8020(東ソー株式会社
製)を用いて、標準ポリスチレンで検量線を作成し、測
定したものである。以後の分子量も同様の方法で測定し
た。
(調製例GB−2) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部との混合
液を計り取り、1.5%塩酸水溶液108部を上記混合物に20
分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下60分後に撹拌を止め、二層に分離した少量
の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混
合液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を
水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し後、イソプ
ロピルアルコールで希釈し平均分子量約3000のシラノー
ル基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアルコ
ール40%溶液を得た。これをGB−2と称する。
(調製例GB−3) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部との混合
液を計り取り、2%塩酸水溶液108部を上記混合物に20
分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下120分後に撹拌を止め、二層に分離した少
量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの
混合液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸
を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し後、イソ
プロピルアルコールで希釈し平均分子量約7000のシラノ
ール基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアル
コール40%溶液を得た。これをGB−3と称する。
(調製例GB−4) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコに水1000部、アセトン
50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリクロロ
シラン44.9部(0.3モル)、ジメチルジクロロシラン38.
7部(0.3モル)、フェニルトリクロロシラン84.6部(0.
4モル)をトルエン200部に溶解したものを撹拌下に滴下
しながら加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、反応
液を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離し
た下層の塩酸水を分液除去し、次に上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水、および
塩酸を減圧ストリッピングにより過剰のトルエンと共に
留去して除去し、平均分子量約3000のシラノール基含有
オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を得た。こ
れをGB−4と称する。
(調製例GB−5) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部との混合
液を計り取り、0.2%塩酸水溶液108部を上記混合物に20
分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下30分後に撹拌を止め、二層に分離した少量
の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの混
合液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸を
水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去した後、イソ
プロピルアルコールで希釈し平均分子量約500のシラノ
ール基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルアル
コール40%溶液を得た。これをGB−5と称する。
(調製例GB−6) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコにメチルトリイソプロ
ポキシシラン220部(1モル)とトルエン150部との混合
液を計り取り、5%塩酸水溶液108部を上記混合物に20
分で滴下してメチルトリイソプロポキシシランを加水分
解した。滴下150分後に撹拌を止め、二層に分離した少
量の塩酸を含んだ下層の水・イソプロピルアルコールの
混合液を分液し、次に残ったトルエンの樹脂溶液の塩酸
を水洗で除去し、さらにトルエンを減圧除去し後、イソ
プロピルアルコールで希釈し平均分子量約13000のシラ
ノール基含有オルガノポリシロキサンのイソプロピルア
ルコール40%溶液を得た。これをGB−6と称する。
(調製例GB−7) 撹拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート
および温度計を取付けたフラスコに水1000部、アセトン
50部を計り取り、その混合溶液中に、メチルトリクロロ
シラン44.8部(0.3モル)、ジメチルジクロロシラン19.
4部(0.15モル)、ジフェニルジクロロシラン38.0部
(0.15モル)、フェニルトリクロロシラン84.6部(0.4
モル)をトルエン200部に溶解したものを撹拌下に滴下
しながら加水分解した。滴下40分後に撹拌を止め、反応
液を分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離し
た下層の塩酸水を分液除去し、次に上層のオルガノポリ
シロキサンのトルエン溶液中に残存している水、および
塩酸を減圧ストリッピングにより過剰のトルエンと共に
留去して除去し、シラノール基含有オルガノポリシロキ
サンのキシレン溶液を得た。これをさらに150℃、8時
間で脱水縮合反応させ平均分子量約10万のシラノール基
含有オルガノポリシロキサンの50%キシレン溶液を得
た。これををGB−7と称する。
(顔料の分散) 上記GA−1からGA−3の各溶液(A液)に、白色顔料
の酸化チタン(石原産業株式会社製「R−820」)99
部、弁柄(戸田工業(株)製)1部およびカーボンブラ
ック(HCC)0.1部からなる混合物(顔料)をグレンミル
で分散させた。さらに、顔料分散後、24時間室温放置し
た後、触媒としてA液100部に対してN−β−アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン5部、ジ
ブチル錫ジラウレート1部を加えて顔料分散させたA′
液を調製した。添加する顔料の量は第4,5表に示すよう
に変えた。
また、実施例28および参考実施例3,4では、GA−1液
に上述の顔料を分散させる時に、サンドミルで60分間処
理(実施例28および参考実施例4)および20分間処理
(参考実施例3)したこと以外は同じ条件で行った。
その後、A液とB液が50部:50部の割合になるよう
に、A′液とB液を組み合わせ、第4,5表に示す実施例2
1〜28および参考実施例1〜4のコーティング用組成物
を得た。使用時には、A′液とB液とを混合して用い
た。
得られたコーティング用組成物をアルミニウム熔射し
たテストピース(アルスター:商品名 日本テストパネ
ル社製)にスプレー塗装で硬化被膜厚で約10μmになる
ように塗布して、硬化温度100℃で20分間硬化させて被
膜特性を試験した。
基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハンテープ
使用)剥離試験、被膜の硬さを鉛筆硬度(JIS K5400に
準ずる)、光沢を光沢計(60度グロス)で、硬化性を耐
トルエン性(耐溶剤性)および耐沸騰水性(耐煮沸性。
水道水沸騰、1時間)で観察した。
また、耐候性は、デューサイクルテスト(500時間)
後の光沢保持率で判断した。
試験は、硬化処理後、常温で1週間放置後、行った。
なお、耐溶剤性はトルエンを含ませたガーゼで塗膜を
かるく押さえて往復で100回擦り、その時の塗膜の状態
を観察して変化のないものを良好とした。
耐沸騰水性は、沸騰した水道水に1時間浸漬させた
後、テストピース(試験片)を1時間放置して塗膜の状
態を観察して変化のないものを良好とした。
結果を第4,5表に示した。
−比較例5− テトラエトキシシラン10部、メチルトリメトキシシラ
ン100部、ジメチルジメトキシシラン35部、IPAシリカゾ
ル(触媒化成工業性、H2O0.5%、固形分30%)80部、イ
ソプロパノール50部、1N−塩酸0.4部、水6部を25℃雰
囲気下で500rpmで30分間撹拌した後、3日間常温で貯蔵
した。さらに、調製液の固形分に対して酸化チタン(石
原産業製)50部、アエロジル(日本アエロジル(株)製
二酸化ケイ素)1.0部を添加し、サンドミルを用いて100
0rpmで20分間処理した。得られた液をC−A液と称す
る。使用時、C−A液100部に水30部、IPA30部および1N
−塩酸0.2部を加えてコーティング液C−1を得た。
C−1液の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数…使用前 1
×10-1 …使用時 2×101 ・(A)成分中のコロイドシリカの固形分 …24.4% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…68.5モ
ル% この、C−1液については上記実施例21〜28と同様に
して試験を行い、結果を第6表に示した。
第4,5表にみられるように、実施例のコーティング用
組成物は、耐候性および密着性に優れ、硬度が高く、光
沢が良好である。また、耐溶剤性および耐沸騰水性もよ
い。これに対し、参考実施例1のコーティング用組成物
は、耐候性、密着性、硬度および耐沸騰水性の劣った被
膜を形成した。参考実施例2〜4のコーティング用組成
物は、光沢度の劣った塗膜を形成した(他の性能は実施
例21〜28と同様であった)。比較例5のコーティング用
組成物は、(B)成分を含んでおらず、その代わりに
水、塩酸などが加えられているため、焼き付けタイプの
コーティング材であり、耐候性、密着性および硬度の劣
った塗膜を形成した。
−実施例29− 上記GA−2の溶液700部にカラー用ブラック(HCC)1
7.2部を混合してグレンミルでカーボブラックを分散さ
せた黒色塗料を調製し、さらにN−β−アミノエチル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン6部、ジブチル
錫ジラウレート1.2部を加えてA′液を調製した。
次にこのA′液356.8部に対してGB−1液を150部混合
してコーティング用組成物を得た。
これをセグメント基材〔アスク社製、硬質スレート板
(嵩密度1.7g/cm3でその飽和吸収時から絶乾までの寸法
変化が0.1〜0.15%である)〕にスプレー塗装して硬化
被膜が約20μm厚になるようにして室温で1週間硬化さ
せた後、被膜特性を上記のようにして試験した。結果を
第7表に示した。
−比較例6− フラスコ中にスノーテックO(水分散シリカゾル、粒
子径10〜20mμ、固形分(SiO2)20%:日産化学工業
(株)製)150部、メチルトリメトキシシラン136部を混
合して65℃の温度をかけ、約5時間かけて加水分解させ
てメチルトリメトキシシランの部分縮合したシラノール
溶液を得た。このものをイソプロピルアルコールで固形
分20%になるように希釈した。さらに、この溶液500部
にカラー用ブラック(HCC)5部を混合してグレンミル
でカーボンブラックを分散させて黒色塗料を調製し、さ
らにN−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン3部、ジブチル錫ジラウレート0.6部を加
えて比較用のコーティング材を得た。
・加水分解性基1モルに対する水のモル数 …2.2 ・(A)成分中のコロイドシリカの固形分 …30.9% ・(I)式で表される加水分解性オルガノシラン中、n
=1のときの加水分解性オルガノシランのモル% …100
モル% この比較用のコーティング材について実施例29と同様
に被膜特性を試験し、結果を第7表に示した。
実施例29のコーティング材は、常温硬化により、耐候
性、密着性が優れ、硬度が高く、光沢度が良く、耐溶剤
性および耐沸騰水性の良い塗膜を形成した。これに対
し、比較例6のコーティング材は、(B)成分を含んで
いないため、焼き付けタイプのコーティング材であり、
耐候性、密着性および硬度の劣った塗膜を形成した。
実施例21〜29で得られた塗料(A′液)、比較例6で
得られた塗料を密閉した容器に取り、50℃での加熱促進
試験により安定性を評価した。その結果、比較例6の塗
料は1日でゲル化したのに対して実施例21〜29のものは
7日間たっても若干増粘しただけであった。
次に、この発明のコーティング用組成物が貯蔵安定性
の良好な場合の実施例および参考実施例を示す。
(調製例A−9) 第8表に示す(A)成分を密栓したポリエチレン容器
中で48時間保存し、それにエチレンジアミン(無水)を
IPAで10%に希釈したものを(A)成分のpHをモニター
しながら滴下して、種々のpHに調製した。以下、これら
をA−9と言う。
また、同様に調製されたものを3ヶ月間密栓したポリ
エチレン容器中に保存した。
−実施例30〜34および参考実施例5,6− 第8表に示す種々のpHで調製されたA−9を60部、B
−1を40部、及び硬化触媒としてN−β−アミノエチル
−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.5部と
の混合して本発明のコーティング用組成物を得た。以
下、この製造直後(初期)のコーティング用組成物を用
いて、実施例1と同様にして試験片を作成し被膜硬度試
験を行った。同様にして、3ヶ月保存したコーティング
用組成物についても試験片を作成し被膜硬度試験を行っ
た。それらの被膜硬度の評価結果を第8表に示す。
−実施例35− 調製例A−6で得られた(A)成分を密栓したポリエ
チレン容器中で48時間保存し、それにエチレンジアミン
(無水)をIPAで10%に希釈したものを(A)成分のpH
をモニターしながら滴下して、pH=5.2に調製した。以
下、この液をA−10と言う。このA−10の60部に(C)
成分としてN−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン0.5部とを混合してC−2と
し、C−2にB−1成分40部を混合したのち、直ちに、
実施例1と同様にして試験片を作成し被膜硬度試験を行
った。また、C−2を3ヶ月間保存し同様にして試験片
を作成し被膜硬度試験を行った。試験結果を第9表に示
す。
−参考実施例7− pHを1.6に調製したほかは実施例35と同様にして試験
片を作成し被膜硬度試験を行った。
試験結果を第9表に示す。
第8,9表にみるように、(A)成分のpHを2〜7に調
整することによって、良好な貯蔵安定性が得られた。
この発明のコーティング用組成物は、(A)成分のpH
を2〜7の範囲に調整することによって、貯蔵安定性が
よく、長期的に安定した性能を得ることができる。
以下は、この発明の塗装された無機質硬化体およびそ
の製造方法の実施例および比較例である。
−実施例36〜41および比較例7− プライマーの調製 エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂脂液の調製 (溶液S−1) ジメチルジクロロシラン7部、メチルトリクロロシラ
ン40部、ジフェニルジクロロシラン48部およびフェニル
トリクロロシラン78部をトルエン95部と混合し、これ
を、還流冷却器付の容器に入った水350部−メタノール5
0部混合液中に、温度を50℃以下に保ちながら撹拌しつ
つ滴下し、加水分解、縮合を行った。
生成したポリメチルフェニルシロキサンを水で洗浄
し、副生した塩化水素を除去した。これを、減圧下で加
熱し、溶剤の一部として残存する水を除去し、濃度50%
のシリコーン樹脂トルエン溶液を得た。
ついで、エポキシ当量250のビスフェノールAエピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂70部、フタル酸無水物5
部、アマニ油脂肪酸10部およびトルエン75部からなる溶
液を調製し、トルエンを除去しつつ撹拌下にて徐々に昇
温し、230℃に達した時点でその温度を保ちつつ、さら
に5時間加熱を続けた。ここに、先のシリコーン樹脂ト
ルエン溶液50部、および、全体を固形分50%にする量の
トルエンを加え、溶液が透明になるまで撹拌し、エポキ
シ樹脂変性シリコーン樹脂のトルエン溶液S−1を得
た。
(溶液S−2) ジメチルジクロロシラン51部、メチルトリクロロシラ
ン15部、ジフェニルジクロロシラン44部およびフェニル
トリクロロシラン52部をキシレン50部と混合し、温度を
40℃〜60℃に保ちながら水320部中に撹拌しつつ滴下
し、以下溶液S−1と同様にして、濃度60%のシリコー
ン溶液キシレン溶液を得た。
ついで、エポキシ当量500のビスフェノールAエピク
ロルヒドリン型エポキシ樹脂54部およびドデシルコハク
酸無水物25部をキシレン23部に溶解し、ここに、先のシ
リコーン樹脂キシレン溶液51部を加え、還流温度で3時
間の加熱撹拌を伴ってエポキシ樹脂とシリコーン樹脂と
を反応させた。さらに、所要量のキシレンを追加して、
エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂の50%キシレン溶液S
−2を得た。
(溶液S−3) ジメチルジクロロシラン49部、フェニルトリクロロシ
ラン84部およびジフェニルジクロロシラン103部を混合
し、ここに、温度を25℃以下に保ちながら、メタノール
40部−水15部混合液を2時間かけてゆっくり滴下した。
ついで、撹拌しつつ70℃〜75℃に昇温して1時間加熱還
流を行い、その後冷却してメタノール40部を加え、分液
した。
採取したポリオルガノシロキサン層に炭酸カルシウム
2部を加えて副生塩化水素を中和した後、減圧下で加熱
して、メタノールと低沸点化合物を除去し、液状のポリ
オルガノシロキサンを得た。
このポリオルガノシロキサン50部にキシレン100部、
エポキシ当量180のノボラック型エポキシ樹脂45部およ
びフタル酸無水物3.5部を加え、キシレン還流下で3時
間加熱した。冷却、ろ過後、エポキシ樹脂変性シリコー
ン樹脂の50%キシレン溶液S−3を得た。
プライマー組成物の調製 主成分が前記化学式(3)で表されるイソシアネート
プレポリマー混合物の75%酢酸ブチル溶液I−1、主成
分が前記化学式(1)で表されるイソシアネートプレポ
リマー混合物の75%酢酸ブチル溶液I−2、および、主
成分が前記化学式(5)で表されるイソシアネートプレ
ポリマー混合物の50%酢酸エチル溶液I−3に第10表に
示した割合で、エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂、メル
カプト基含有ケイ素化合物、有機スズ化合物および溶媒
を加え、プライマー組成物P−1〜P−5を調製した。
コーティング用組成物の調製 (A)成分として、上記A−5およびA−6を用い
た。
(B)成分として、上記B−1、B−2およびGB−1
を用いるとともに、下記B−6を用いた。
(調製例B−6) 1.5%塩酸水溶液を用いて、滴下後撹拌を止めるまで
の時間を40分にしたこと以外は、上記GB−1と同様にし
て平均分子量約3000のシラノール基含有オルガノポリシ
ロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。こ
れをB−6と称する。
(顔料の添加) 第11表に示されている(A)成分と白色顔料の酸化チ
タン(石原産業株式会社製「R−820」)との混合物
を、サンドグラインダーにかけて酸化チタンを分散さ
せ、白色塗料を調製した。これに、第11表に示されてい
る成分(C)を加えて、次に同表に示されている(B)
成分を配合し、コーティング用組成物を得た。
(調製例コーティング液C−3) メチルトリメトキシシラン100部、テトラエトキシシ
ラン20部、IPAシリカゾル(触媒化成工業(株)製OSCAL
1432、SiO2含量30%)105部、ジメチルジメトキシシラ
ン5部およびIPA100部を混合した。この混合溶液に、触
媒の1N−塩酸1部と水4.5部を加え、A液とした。な
お、配合は、25℃で、500rpmで30分間撹拌しながら行っ
た。
調製されたA液を、25℃で1週間以上密栓状態で保存
し、使用時には、A液100部に対して42部の水と42部のI
PAを加えて25℃下、500rpmで10分間撹拌し、コーティン
グ液C−3とした。
C−3の調製条件: ・加水分解性基1モルに対する水のモル数…使用前 0.
1 …使用時 3.3 ・(A)成分中のコロイドシリカの固形分 …35.1% ・n=1の加水分解性オルガノシランのモル%…84.2モ
ル% 無機質硬化体としては、松下電工(株)製「マルチサ
イディング」(嵩密度1.0g/cm3でその飽和吸水時から絶
乾までの寸法変化が0.3%である、アクリルエマルショ
ンシーラー塗装セメント系板)を使用した。このもの
は、第1〜3図に示すような形状のものであり、表面
に、長手方向(第1図のたて方向)の溝21と幅方向(第
1図のよこ方向)の溝22が形成されて凹凸模様を有して
いるとともに、幅方向の両端(第1,2図に示す板の右端
と左端)に、さね加工(相じゃくり加工)が施されてい
る。無機質硬化体の板1同士をこの相じゃくり加工の施
された部分で幅方向に継ぎ合わせるようになっている。
寸法は、a=465mm、b=15mm、c=5mm、d=7mm、e
=7mm、f=3mm、g=5mm、h=3mm、i=2mm、j=3mm
である。第2図において、無機質硬化体の板1の右端が
ひさし状に突き出た部分32には、溝22が形成されてい
て、厚みが一番薄くなっている(図中、厚みj)。
用いたプライマー、コーティング用組成物について
は、第10表、第11表に示した。また、処理条件として
は、プライマーは、エアスプレーで膜厚が10μmになる
ように「マルチサイディング」に塗装し、室温(25±2
℃、60±5%RH)で30分間放置してプライマー層を形成
した。
そのプライマー層の上に、コーティング用組成物をエ
アスプレーで中塗りの場合10μm厚、上塗りの場合8μ
m厚になるよう塗装し、室温(25±2℃、60±5%RH)
で1週間放置して硬化させた。その後、各試験を行っ
た。
なお、被膜特性の試験は以下の評価方法に拠った。
・密着性:基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハ
ンテープ使用)剥離試験 ・耐温水性:60℃の温水に8時間浸漬した後、室温(25
±2℃、60±5%RH)で16時間風乾するという操作を1
サイクルとして10サイクル行い、塗膜の状態をみた。
・耐候性:サンシャインウェザオメーター(JIS K5400
に準ずる)で2500時間照射後塗膜の状態を観察して変化
のないものを良好とした。
結果を第12表に示した。
−実施例42− 前記「マルチサイディング」に、プライマーP−1を
エアスプレーで膜厚が10μmになるように塗装し、60℃
×30分処理した。
その後、コーティング用組成物M−4をエアスプレー
で膜厚が10μmになるように塗装し、60℃×30分処理し
た。更に、その上にコーティング用組成物M−1をエア
スプレーで膜厚が8μmになるように塗布し、60℃×30
分処理した。
−比較例8− 前記「マルチサイディング」にプライマーP−1を塗
装した。条件は、エアスプレーで膜厚が10μmになるよ
うに塗装し、60℃で30分処理するというものであった。
その後、コーティング用組成物C−1をエアスプレー
で膜厚が10μmになるように塗装し、130℃×30分処理
した。更に、その上にコーティング用組成物C−3をエ
アスプレーで膜厚が8μmになるように塗装し、130℃
×30分処理した。
実施例42および比較例8の各塗装された無機質硬化体
について、第3図に一点鎖線の円で囲んだ部分を観察す
ると、比較例8では基材にクラックが発生していたが、
実施例42では異常がなかった。
以下の実施例は、重ね塗りにより、無機質硬化体に高
級な外観を付与する場合の例である。
−実施例43,44− 第11表に示される(A)成分(A−6)100部に次の
顔料No.1またはNo.2の60部を添加して色顔料入りのコー
ティング用組成物M−6およびM−7を調製した。分散
は、サンドミルで60分間処理して行った。
顔料No.1: 白色顔料(石原産業(株)製 酸化チタンCR13)……61
% 黄色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#91
51) ……22% 黒色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#95
12) ……17% 顔料No.2: 白色顔料(石原産業(株)製 酸化チタンCR13)……77
% 黄色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#91
51) ……13% 黒色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#95
12) …… 5% 茶色顔料(大日精化工業(株)製 ダイピロカラー#92
70) …… 5% また、第10表に示されるプライマーP−1に上記の顔
料No.1を添加して色顔料入りのプライマー組成物を調製
した。分散は、サンドミルで60分間処理して行った。顔
料No.1は、S−1に添加した。顔料添加量は、P−1の
ビヒクル固形分100部に対して25部になるようにした。
このプライマー組成物をP−Gとする。
−実施例45− 無機質硬化体としての、上述の「マルチサイディン
グ」を使用した。プライマーP−Gをエアスプレーで膜
厚が20μmになるように塗装し、50℃×30分処理した。
その後、コーティング用組成物M−7をロールコータ
で凸部に膜厚10μmになるように塗装し、50℃×30分処
理した。更に、その上にコーティング用組成物M−1を
エアスプレーで膜厚が10μmになるように塗装し、60℃
×30分処理した。
その結果、凸部と凹部の色が異なり、光沢のある外観
が得られた。また、基材にクラック等の発生は認められ
なかった。また、上記一連の性能評価に対しても良好な
結果であった。
−実施例46− 無機質硬化体として、上述の「マルチサイディング」
を使用した。プライマーP−1をロールコータで膜厚が
10μmになるように塗装し、50℃×30分処理した。
その後、コーティング用組成物M−6をエアスプレー
で膜厚10μmになるように塗装し、50℃×30分処理し
た。更に、その上にコーティング用組成物M−7をロー
ルコータで凸部に膜厚が10μmになるように塗装し、40
℃×15分処理した後、コーティング用組成物M−1をエ
アスプレーで膜厚が10μmになるように塗装し、60℃×
30分処理した。
その結果、凸部と凹部の色が異なり、光沢のある外観
が得られた。また、基材にクラック等の発生は認められ
なかった。また、上記一連の性能評価に対しても良好な
結果であった。
[発明の効果] この発明のコーティング用組成物は、少なくとも上記
特定の(A)、(B)および(C)成分からなり、実質
的に水を含まない有機溶液型であるので、乾燥が速く、
しかもその硬化被膜は硬度が高く、密着性、耐溶剤性
(硬化性)、耐沸騰水性および耐候性いずれもが優れた
ものである。さらに、この発明のコーティング用組成物
は常温硬化も可能であり、加熱硬化も可能であるため、
幅広い乾燥条件範囲(環境)また温度範囲で使用でき
る。したがって、耐熱性のない基体に対して塗装でき、
熱のかけられない作業現場で塗装できることから、その
工業的、産業的価値は極めて大きい。
この発明のコーティング用組成物は、顔料分散配合に
よって任意に着色でき、(B)成分の平均分子量を上記
のように制限することによって優れた平滑性、密着性、
耐溶剤性(硬化性)、耐沸騰水性および耐候性を得るこ
とができる。
上述のように、この発明の塗装された無機質硬化体
は、セメント等の無機質硬化体の表面に、この発明のコ
ーティング用組成物の硬化層を有している。この硬化層
は、高硬度かつ耐候性に優れており、長期に渡ってクラ
ックや剥離を生じる事がない。
この発明の塗装された無機質硬化体の製造方法によれ
ば、前記のような硬化層を建設現場などでも形成でき、
また、耐熱性の低い基材あるいはさね加工や凹凸の模様
を有する基材の中で板厚の薄い所があるような基材でも
クラックの発生がないように硬化層を形成できる。これ
らのことから、この発明の工業的価値は極めて大であ
る。
また、前記硬化層により、無機質硬化体に高級な外観
を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例36〜46および比較例7,8で用いた無機
質硬化体の一部分の平面図、第2図は、そのA−A断面
図、第3図は、そのB−B断面の一部を表す図である。 1……無機質硬化体の板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春名 基全 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 木村 博 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (72)発明者 長野 安利 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (72)発明者 櫛田 泰宏 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝 シリコーン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−101153(JP,A)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 R1 nSiX4-n ……(I) (式中、R1は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整
    数、Xは加水分解性基を示す。) で表わされる加水分解性オルガノシランを有機溶媒また
    は水に分散されたコロイダルシリカ中でX1モルに対し水
    0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分解してな
    る、加水分解性基が残存しているオルガノシランのシリ
    カ分散オリゴマー有機溶剤溶液と、 (B)平均組成式 R2 aSi(OH)bO(4−a−b)/2 ……(II) (式中、R2は同一または異種の置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、aおよびbはそ
    れぞれ0.2≦a≦2,0.0001≦b≦3,a+b<4の関係を満
    たす数である。) で表わされる、分子中にシラノール基を含有するポリオ
    ルガノシロキサンの有機溶剤溶液と、 (C)触媒 とを必須成分とし、実質的に水を含まない、有機溶液型
    コーティング用組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分がシリカを固形分として5〜95
    重量%含有している請求項1記載のコーティング用組成
    物。
  3. 【請求項3】(A)成分がシリカを固形分として20〜85
    重量%含有している請求項1記載のコーティング用組成
    物。
  4. 【請求項4】加水分解性オルガノシランの少なくとも50
    モル%がn=1のオルガノシランである請求項1記載の
    コーティング用組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分1〜99重量部に対して(B)成
    分99〜1重量部(ただし、(A)成分と(B)成分の合
    計100重量部)を配合する請求項1記載のコーティング
    用組成物。
  6. 【請求項6】(D)顔料をも必須成分とする請求項1記
    載のコーティング用組成物。
  7. 【請求項7】(B)成分のポリスチレン換算重量平均分
    子量が700〜20000である請求項6記載のコーティング用
    組成物。
  8. 【請求項8】(A)成分のpHが2.0〜7.0である請求項1
    記載のコーティング用組成物。
  9. 【請求項9】無機質硬化体の表面に第1層としてプライ
    マー層を有し、その上に第2層として、請求項1から8
    までのいずれかに記載のコーティング用組成物の硬化層
    を有する、塗装された無機質硬化体。
  10. 【請求項10】無機質硬化体が、嵩密度0.5g/cm3以上
    で、その飽和吸水時から絶乾までの寸法変化が0.5%以
    下のものである請求項9記載の塗装された無機質硬化
    体。
  11. 【請求項11】無機質硬化体が、さね加工および/また
    は凹凸模様を有するものである請求項9記載の塗装され
    た無機質硬化体。
  12. 【請求項12】第1層のプライマー層が、 (a)一分子中に2個以上のイソシアネート基を含有す
    るが、ウレタン結合は含有しないイソシアネートプレポ
    リマー 100重量部 (b)一分子中に1個以上のメルカプト基および2個以
    上のアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物 1〜100
    重量部 (c)エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂 100重量部以下
    (固形分として) (d)有機錫化合物および/または錫の有機酸塩0.01〜
    30重量部 の各成分が配合されてなるプライマー組成物の硬化体か
    らなる請求項9記載の塗装された無機質硬化体。
  13. 【請求項13】プライマー組成物が顔料を含有している
    請求項12記載の塗装された無機質硬化体。
  14. 【請求項14】(a)成分の含有するイソシアネート基
    が、ベンゼン環に直結していない請求項12または13記載
    の塗装された無機質硬化体。
  15. 【請求項15】第2層が少なくとも2種の、顔料を含有
    するコーティング用組成物の分割塗装および/または重
    ね塗りにより形成された柄模様を有する硬化層である請
    求項9記載の塗装された無機質硬化体。
  16. 【請求項16】第2層が少なくとも1種の、顔料を含有
    するコーティング用組成物の硬化層と、さらにその上に
    形成された顔料不含のコーティング用組成物の硬化層と
    からなるものである請求項9記載の塗装された無機質硬
    化体。
  17. 【請求項17】無機質硬化体表面にプライマー層を形成
    する第1の工程と、同プライマー層上に請求項1から8
    までのいずれかに記載のコーティング用組成物を塗布
    し、常温ないし低温加熱により乾燥させて硬化した無機
    コーティング層を形成する第2の工程とを備えた、塗装
    された無機質硬化体の製造方法。
  18. 【請求項18】プライマー層の形成が、 (a)一分子中に2個以上のイソシアネート基を含有す
    るが、ウレタン結合は含有しないイソシアネートプレポ
    リマー 100重量部 (b)一分子中に1個以上のメルカプト基および2個以
    上のアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物 1〜100
    重量部 (c)エポキシ樹脂変性シリコーン樹脂 100重量部以下
    (固形分として) (d)有機錫化合物および/または錫の有機酸塩0.01〜
    30重量部 の各成分が配合されてなるプライマー組成物を塗布し、
    常温ないし低温加熱により乾燥されることにより行われ
    る請求項17記載の塗装された無機質硬化体の製造方法。
  19. 【請求項19】プライマー層が顔料を含有している請求
    項17記載の塗装された無機質硬化体の製造方法。
  20. 【請求項20】第2工程において顔料不含のコーティン
    グ用組成物を最終上塗り塗布する請求項17記載の塗装さ
    れた無機質硬化体の製造方法。
  21. 【請求項21】プライマー層が顔料を含有しており、第
    2工程においてプライマー層とは異なる色の少なくとも
    1種の、顔料を含有するコーティング用組成物を上記プ
    ライマー層上に重ね塗りして柄模様を形成し、さらにそ
    の上に顔料不含のコーティング用組成物を上塗り塗装す
    る請求項17記載の塗装された無機質硬化体の製造方法。
  22. 【請求項22】第2工程において色違いの少なくとも2
    種の、顔料を含有するコーティング用組成物を分割塗装
    および/または重ね塗りして柄模様を形成する請求項17
    記載の塗装された無機質硬化体の製造方法。
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