JP2003048791A - セメント構造体 - Google Patents

セメント構造体

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JP2003048791A
JP2003048791A JP2001236837A JP2001236837A JP2003048791A JP 2003048791 A JP2003048791 A JP 2003048791A JP 2001236837 A JP2001236837 A JP 2001236837A JP 2001236837 A JP2001236837 A JP 2001236837A JP 2003048791 A JP2003048791 A JP 2003048791A
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cement structure
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JP2001236837A
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English (en)
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Satoshi Kumano
聡 熊野
Kazuhiro Kawabe
和広 川部
Hiroyuki Nishino
浩之 西野
Akio Konishi
明男 小西
Hajime Wakabayashi
肇 若林
Hiroyuki Sakakibara
弘幸 榊原
Mikio Wakasugi
三紀夫 若杉
Koji Kataoka
宏治 片岡
Takuo Nojiri
拓男 野尻
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CHUKEN CONSULTANT KK
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Chuken Consultant Co Ltd
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CHUKEN CONSULTANT KK
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Nihon Yamamura Glass Co Ltd
Chuken Consultant Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れが付着し難く、易洗浄性の良好なトップ
コート層を備え、しかも、長期間に亘ってトップコート
層のクラックや剥離が生じ難いセメント構造体を提供す
る。 【解決手段】 本発明は、オルガノポリシロキサンを主
成分とするトップコート層がプライマー層を介してセメ
ント系硬化体からなる基材に積層されてなるセメント構
造体であって、前記プライマー層は、プライマー組成物
を用いて形成さ、前記基材上で測定した前記トップコ
ート層が形成される表面の鉛筆引っかき値がB以上で且
つ層厚が10〜100μmとされてなることを特徴とす
るセメント構造体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、橋梁、高
架道路等の各種構造物等に使用されるセメント構造体に
関する。詳しくは、セメント、モルタル、コンクリート
等のセメント系硬化体からなる基材に、トップコート層
が積層されてなるセメント構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート、モルタル等のセメ
ント系硬化体を基材とするセメント構造体は、種々の環
境下に於いて、例えば、建築物、橋梁、高架道路等の各
種構造物として一般に使用されている。そして、斯かる
セメント構造体には、表面保護、意匠性の付与、耐久性
の向上、防水性の付与等の目的で、ウレタン系、アクリ
ル系、エポキシ系等の所謂有機系のトップコート層(表
面塗膜)が備えられているものも多い。しかしながら、
上記従来の有機系トップコート層を備えたセメント構造
体は、汚れがトップコート層表面に付着し易く、また一
旦汚れが付着すると落ち難いという問題点を有してい
る。この原因は明らかでないが、例えば、排気ガス環境
下においては、自動車の排気ガス及び該排気ガス中のカ
ーボン等によって非常に汚れが付着し易く、しかも一旦
汚れが付着すると、排気ガス中に含まれるガソリン、軽
油等の自動車燃料の不完全燃焼物が、表面に備えられた
有機系のトップコート層と非常に結合し易いため、付着
した汚れが除去し難くなることによるものと推測され
る。
【0003】原因は如何にせよ、従来のセメント構造体
は、上述の如きトップコート層を表面に備えることによ
り、表面に汚れが付着し易く、しかも、汚れを洗浄し難
いという問題、即ち、防汚性及び易洗浄性に乏しいとい
う問題を有しており、従って、従来、防汚性及び易洗浄
性に優れたトップコート層を備えるセメント構造体が要
望されている。この要望に対し、近年、有機−無機ハイ
ブリッドタイプのコーティング剤や無機系コーティング
剤を用いて汚れが付着し難い、あるいは付着しても除去
が容易なトップコート層を形成する試みがなされてい
る。しかしながら、斯かるトップコート層を備えたセメ
ント構造体は、長期に亘る屋外暴露等により経時的にト
ップコート層にクラックが入り易く、しかも、トップコ
ート層が剥離し易いという問題点を有している。
【0004】特に、寒暖差の大きな地域においては、膨
張、収縮による構造物自体の歪みによってトップコート
層のクラックや剥離が発生し易く、また、高架道路のよ
うに、車両の通行によって振動を頻繁に受ける場合にお
いても、振動による構造物自体の歪みによってトップコ
ート層のクラック剥離が発生し易いものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記従来の問題点に鑑み、汚れが付着し難く、易洗浄性の
良好なトップコート層を備え、しかも、長期間に亘って
トップコート層のクラックや剥離が生じ難いセメント構
造体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、オルガノポリシ
ロキサンを主成分とするトップコート層を、所定のプラ
イマー層を介してセメント系硬化体に積層することによ
り、所望のセメント構造体が得られることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)オルガノポリシロキサンを主成分
とするトップコート層がプライマー層を介してセメント
系硬化体からなる基材に積層されてなるセメント構造体
であって、前記プライマー層は、プライマー組成物を用
いて形成さ、前記基材上で測定した前記トップコート
層が形成される表面の鉛筆引っかき値がB以上で且つ層
厚が10〜100μmとされてなることを特徴とするセ
メント構造体、(2)前記プライマー組成物として、非
浸透型のプライマー組成物が用いられてなる(1)に記
載のセメント構造体、(3)前記プライマー層がエポキ
シ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂の内の少なくも1種
を主成分として含有してなる(1)又は(2)に記載の
セメント構造体、(4)前記プライマー組成物が顔料を
含有してなる(1)乃至(3)の何れかに記載のセメン
ト構造体、(5)前記トップコート層が、下記主剤(A)
及び下記硬化剤(B)を含有するコーティング剤から形
成されてなる(1)乃至(4)の何れかに記載のセメン
ト構造体、 主剤(A):平均構造単位R1 nSiOx/2(OH)y(O
2)z(ただし、式中、R 1は炭素数1〜3のアルキル
基、ビニル基又はフェニル基であり、全て同一でも異な
っていてもよく、R2は炭素数1〜3のアルキル基であ
り、全て同一でも異なっていてもよく、0.8≦n≦1.
7、1.7<x<3.2、y>0、z>0であり、かつy
+z=4−n−xである。)を有するシリコーンオリゴ
マーを含有する溶液 硬化剤(B):M1(Che)p(OR3)q(ただし、式中、M
1は3価以上の金属であり、Cheはキレート化剤であ
り、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、p≧1、
q≧2である。)又はその部分加水分解物、揮発性の酸
及びアミン系シランカップリング剤を配合してなる溶液 (6)前記主剤(A)における前記シリコーンオリゴマー
は、金属キレート化合物を触媒として、アルコキシシラ
ンを加水分解、縮重合することにより製造されてなる
(5)に記載のセメント構造体、(7)前記金属キレー
ト化合物の配位子が、β−ジケトン類及び大環状ポリエ
ーテルの内の少なくとも1種である(6)に記載のセメ
ント構造体、(8)前記主剤(A)における前記シリコー
ンオリゴマーは、平均構造単位R4 aSiOb/2(OH)
c(OR5)d(ただし、式中、R4は炭素数1〜3のアルキ
ル基、ビニル基又はフェニル基であり、全て同一でも異
なっていてもよく、R5は炭素数1〜3のアルキル基で
あり、全て同一でも異なっていてもよく、0≦a<3、
0<b<4、c>0、d≧0であり、かつc+d=4−
a−bである。)を有し、親水性有機溶媒に可溶なケイ
素化合物を含有する溶液を自己触媒としてアルコキシシ
ランに添加し、アルコキシシランを加水分解、縮重合さ
せることにより製造されてなる(5)乃至(7)の何れ
かに記載のセメント構造体、(9)前記硬化剤(B)に
おける前記M1が、Al3+、Ga3+、In3+、La3+
Fe3+、Y3+、Eu3+、Ti4+、Zr4+のいずれかであ
る(5)乃至(8)の何れかに記載のセメント構造体、
(10)前記硬化剤(B)における前記キレート化剤
が、β−ジケトン類である(5)乃至(9)の何れかに
記載のセメント構造体、(11)前記硬化剤(B)にお
ける前記酸が、揮発性無機酸及び沸点が200℃以下の
有機酸の内の少なくとも1種である(5)乃至(10)
の何れかに記載のセメント構造体、を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係るセメント構造体は、
オルガノポリシロキサンを主成分(例えば、樹脂成分中
50重量%以上)とするトップコート層が、プライマー
層を介してセメント系硬化体からなる基材に積層されて
なるセメント構造体であって、前記プライマー層は、プ
ライマー組成物を用いて形成され、前記基材上で測定し
た前記トップコート層が形成される表面の鉛筆引っかき
値がB以上で且つ層厚が10〜100μmとされてなる
ことを特徴とする。斯かる構成からなるセメント構造体
は、その作用は明確でないが、オルガノポリシロキサン
を主成分とするトップコート層によって、汚れが付着し
難く、易洗浄性も良好となる。しかも、基材とトップコ
ート層との間に上記所定のプライマー層が介在すること
から、基材の歪みが緩衝され且つ外側からの衝撃が吸収
されて、長期間に亘ってトップコート層のクラックや剥
離が抑制される。
【0008】本発明に係るセメント構造体は、高架道
路、高速道路、自動車専用道路等の自動車道路用として
より好適である。即ち、自動車道路は、一般に排ガス濃
度が非常に高い環境下にあるため、従来の如く有機系の
トップコート層を備えたものであれば、自動車道路用と
して使用されると、上述の如く、排ガス中に含まれるガ
ソリン、軽油等によって汚れが付着し易く、付着した汚
れは洗浄し難いものとなるが、本発明に係るセメント構
造体は、自動車道路用であっても十分な効果(防汚性、
易洗浄性)を発現する。斯かる効果を発現するメカニズ
ムは下記のように推測される。即ち、汚れの原因となる
ガソリン、軽油等の不完全燃焼物は、アルキル基、カル
ボニル基、カルボキシル基、水酸基等の官能基を有する
有機物やカーボン等から構成されているが、オルガノポ
リシロキサンを主成分とするトップコート層は、該官能
基と結合を形成し易い有機分が少ないため、汚れが付着
し難く、付着してもこれらの官能基との結合が形成され
難いために、易洗浄性に優れるものと考えられる。しか
も、自動車の通過による振動によって基材に歪みが発生
しても、上記プライマー層によって該歪みが緩衝され、
又、自動車の通過によって小石等が飛散し、構造体表面
に衝突しても、衝撃が緩和され、その結果、トップコー
ト層のクラックや剥離が抑制される。
【0009】自動車道路用として具体的には、高速道路
等における道路橋脚、料金所アイランド、分離帯、トン
ネル等の構造体として用いることができる。
【0010】本発明において、基材となるセメント系硬
化体としては、セメントを含有する硬化体であれば、特
に限定されず、ペースト、モルタル、コンクリートの硬
化体を挙げることができる。
【0011】これらの基材上には、プライマー組成物を
用いてプライマー層が施される。このプライマー層とし
ては、その上に長期間に亘ってクラック及び剥離を生じ
ないオルガノポリシロキサンを主成分とするトップコー
ト層を密着性良く形成するため、これらの基材上で測定
した、トップコート層が形成される表面(即ち、トップ
コート層と密着する面)の硬化後の鉛筆引っかき値(J
IS K 5400)がB以上であることが必須であ
る。硬化後の鉛筆引っかき値が2B以下であると、トッ
プコート層であるオルガノポリシロキサン塗膜にクラッ
クが入りやすくなり、又、剥離するおそれがある。硬化
後の鉛筆引っかき値はF以上であることが好ましく、H
以上であることがより好ましい。また、前記鉛筆引っか
き値は、3H以下であることが好ましい。3H以下であ
れば、より剥離の虞が低減される。尚、このプライマー
層は、単層体又は2層以上からなる積層体であってもよ
い。また、プライマー層の層厚は10〜100μmであ
ることが必須である。プライマー層の層厚が10μm未
満では、トップコート層がセメント系硬化体基材の膨張
・収縮等の影響を受けやすく、クラック、剥離を生じる
おそれがある。逆にプライマー層の層厚が100μmを
超えると、プライマー層の表面硬度が低下し、クラック
や剥離の発生するおそれがある。プライマー層は、通
常、プライマー組成物を基材上に塗工、硬化させて形成
されるが、この際、異なる種類のプライマー組成物を多
層重ねても良い。プライマー層を形成する際の塗工方法
に特に制限はなく、被塗物の形状、塗工の目的などに応
じて、任意の公知の塗工方法を選択することができる。
例えば、スプレー法、ロール法、刷毛塗り法などの各種
塗工方法を選択することができる。
【0012】前記プライマー組成物としては、非浸透型
のものが好ましく使用される。非浸透型のものであれ
ば、基材内にプライマー組成物が殆ど染み込まないた
め、所望層厚のプライマー層の形成が容易なものとな
る。ここで、非浸透型とは、セメント系硬化体基材に2
00g/m2 塗工したとき、10μm以上のプライマー
層が形成されるものをいう。
【0013】また、本発明に於いては、前記プライマー
組成物は顔料を含んでいてもよい。顔料を含むことによ
りプライマー層の硬度が高くなると共に、セメント系硬
化体への浸透が防止されたものとなる。さらに、種々の
着色顔料を含むことで意匠性を備えたものとなる。顔料
としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、チ
タンイエロー、コバルトブルー、カオリン、カーボンブ
ラック、コバルト・鉄・クロム系黒色複合酸化物などを挙
げることができる。非浸透型プライマー組成物中に顔料
を含有させる場合、顔料濃度は1〜30重量%であるこ
とが好ましい。1重量%未満では添加効果がなく、逆に
30重量%を超えるとゲル化し易くなる。顔料濃度は、
プライマー組成物の基材への浸透防止、安定性、プラー
マー層の意匠性等を考慮すると、2〜20重量%である
ことがより好ましい。
【0014】前記プライマー層としては、エポキシ系樹
脂、(メタ)アクリル系樹脂の内の少なくとも1種を主
成分(好ましくは50重量%以上)として含有するもの
が好ましく、特に、エポキシ系樹脂が好ましい。これら
の樹脂は、基材(セメント系硬化体)及びトップコート
層(オルガノポリシロキサン)の双方に良好な密着性を
呈すると共に、熱膨張係数がセメント系硬化体基材とオ
ルガノポリシロキサンを主成分とするトップコート層の
それの中間の値を取り、温度変化による基材の膨張、収
縮に対して緩衝作用を奏するため、トップコート層のク
ラックや剥離がより生じ難くなる。なお、ここで、(メ
タ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味す
る。また、エポキシ系樹脂とは、少なくともエポキシ基
を有する原料化合物から生成する樹脂を、アクリル系樹
脂とは、少なくともアクリル酸エステルを有する原料化
合物から生成する樹脂を、メタクリル系樹脂とは、少な
くともメタクリル酸エステルを有する原料化合物から生
成する樹脂を意味する。エポキシ系樹脂のプライマー層
を形成するプライマー組成物としては、上記の硬度(鉛
筆引っかき値)条件を満たすプライマー層が得られる限
り特に制限はないが、機械的強度等を考慮すると、該プ
ライマー組成物の原料化合物としてビスフェノール系
(例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、
ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型)の化合
物、特に、ビスフェノールA型を含有するものが好まし
い。またセメント系硬化体基材及びトップコート層との
密着性を考慮すると、ポリアミン系化合物、酸無水物等
の重付加型硬化剤を含有するものが好ましい。上記原料
化合物が該硬化剤と反応することにより、多数の水酸基
が存在し、基材及びトップコート層との密着性に優れた
エポキシ系樹脂を形成することができる。(メタ)アク
リル系樹脂のプライマー層を形成するプライマー組成物
としては、上記の硬度条件を満たすプライマー層が得ら
れる限り特に制限はない。
【0015】本発明に於いて、トップコート層はオルガ
ノポリシロキサンを主成分(例えば、樹脂成分中50重
量%以上)とするものであれば、特に限定されるもので
はないが、下記主剤(A)及び硬化剤(B)を含有する
コーティング剤から形成されてなるものが好ましい。
尚、下記平均構造単位とは、シリコーンオリゴマー中の
Si1原子についての平均した構造単位である。 主剤(A):平均構造単位R1 nSiOx/2(OH)y(O
2)z(ただし、式中、R 1は炭素数1〜3のアルキル
基、ビニル基又はフェニル基であり、全て同一でも異な
っていてもよく、R2は炭素数1〜3のアルキル基であ
り、全て同一でも異なっていてもよく、0.8≦n≦
1.7、より好ましくは1≦n≦1.3、1.7<x<
3.2、より好ましくは1.9<x<3、y>0、z>
0であり、かつy+z=4−n−xである。)を有する
シリコーンオリゴマーを含有する溶液 硬化剤(B):M1(Che)p(OR3)q(ただし、式中、M
1は3価以上の金属であり、Cheはキレート化剤であ
り、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、p≧1、
q≧2である。)又はその部分加水分解物、揮発性の酸
及びアミン系シランカップリング剤を配合してなる溶液 斯かるコーティング剤によるものは、トップコート層の
機械的強度に優れると共に、指触乾燥時間が比較的短
く、常温(通常5〜40℃)で硬化が可能であることか
ら、トップコート層の現場施行も可能なものとなる。ま
た、指触乾燥時間が短いため、施工現場において長期間
車両規制を行えない自動車道路に使用されるものとして
好適である。
【0016】前記主剤(A)として用いる平均構造単位R
1 nSiOx/2(OH)y(OR2)zを有するシリコーンオリゴ
マーを含有する溶液においては、nが0.8以上である
と、トップコート層の乾燥段階で応力が緩和し易く、ト
ップコート層形成時にクラックがより生じ難いものとな
る。nが1.7を超えると、三次元網目構造を形成し難
くなり、トップコート層の機械的性質が低いものとなる
おそれがある。xが1.7以下であると、線状ポリマー
が形成され難く、揮発成分が多くなるおそれがある。x
が3.2未満であると、トップコート層の乾燥段階で応
力が緩和し易く、同様に、トップコート層形成時にクラ
ックがより生じ難いものとなる。プライマー層上にトッ
プコート層を形成する際は、塗工前に常温硬化用の硬化
剤(硬化剤(B))を添加するのが好ましいが、シリコ
ーンオリゴマーのヒドロキシル基OHは、硬化剤(B)
の作用によって架橋する架橋点となるために、ヒドロキ
シル基が存在すること、すなわちy>0であることが好
ましい。また、アルコキシル基OR2は、硬化剤(B)
添加前の溶液の保存安定性を向上させるために、アルコ
キシル基が存在すること、すなわちz>0であることが
好ましい。
【0017】前記主剤(A)の製造に用いるアルコキシシ
ランに特に制限はなく、例えば、テトラメトキシシラン
(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)など
のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン
(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTE
S)、エチルトリメトキシシラン(ETMS)、フェニ
ルトリエトキシシラン(PhTES)、ビニルトリエト
キシシラン(VTES)、n−プロピルトリメトキシシ
ラン(n−PrTMS)、イソプロピルトリメトキシシ
ラン(iso−PrTMS)などのトリアルコキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン(DMDE)、ジフェニ
ルジメトキシシラン(DPhDM)、メチルエチルジメ
トキシシラン(MEDM)などのジアルコキシシラン、
トリメチルメトキシシラン(TMMS)などのモノアル
コキシシランなどを挙げることができる。前記主剤(A)
の製造においては、水とアルコキシシランをH2O/S
iが1.4〜4.0(モル比)となるように混合して、
加水分解、縮重合反応を行うことが好ましく、H2O/
Siが1.5〜2.8(モル比)となるように混合して
加水分解、縮重合反応を行うことがより好ましい。H2
O/Siが1.4(モル比)未満であると、シリコーン
オリゴマー溶液の製造において未反応のアルコキシル基
が多く残り、オリゴマーのネットワークの発達が不十分
となり得、トップコート層の機械的強度の比較的低いセ
メント構造体となるおそれがある。H2O/Siが4.
0(モル比)を超えると、シリコーンオリゴマー溶液の
貯蔵安定性が低下するおそれがある。また、スプレー等
の塗工時に結露しやすく、成膜時に均一なトップコート
層を形成することが困難となるおそれもある。H2O/
Siを1.4〜4.0(モル比)とすることにより、ア
ルコキシル基の一部が残存して、主剤(A)であるシリコ
ーンオリゴマーを含有する溶液の貯蔵安定性が向上す
る。
【0018】主剤(A)の製造に際して、加水分解の触媒
として、金属キレート化合物又は酸を用いることができ
る。金属キレート化合物は、アルコキシシランの加水分
解に触媒効果を果たすのみならず、原料に多量のメチル
トリアルコキシシランを用いる場合には、結晶の析出を
も抑制する。また、金属キレート化合物は、加水分解触
媒としての作用のほかに、シラノールの脱プロトン化を
促進し、縮重合反応をより線状に進行させる作用も有す
るので、得られるシリコーンオリゴマー溶液はゲル化時
間が長く、液の長期保存安定性に優れる。尚、酸触媒を
用いる場合には、金属キレート化合物を併用することが
好ましい。使用する金属キレート化合物に特に限定はな
いが、1,3−ジオキソプロピレン鎖を有するβ−ジケ
トン類又は大環状ポリエーテルを配位子とする金属キレ
ート化合物を好適に使用することができる。また、金属
イオンの種類に特に制限はないが、配位子との錯体生成
定数の大きい金属を好適に使用することができる。
【0019】このような金属キレート化合物としては、
例えば、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム(II
I)、トリス(エチルアセトアセタト)アルミニウム(II
I)、トリス(ジエチルマロナト)アルミニウム(III)、ビ
ス(アセチルアセトナト)銅(II)、テトラキス(アセチル
アセトナト)ジルコニウム(IV)、トリス(アセチルアセト
ナト)クロム(III)、トリス(アセチルアセトナト)コバル
ト(III)、酸化チタン(II)アセチルアセトネート[(CH
3COCHCOCH3)2TiO]などのβ−ジケトン類金
属キレート、希土類金属のβ−ジケトン類金属キレー
ト、18−クラウン−6−カリウムキレート化合物塩、
12−クラウン−4−リチウムキレート化合物塩、15
−クラウン−5−ナトリウムキレート化合物塩などの大
環状ポリエーテル化合物金属キレートなどを挙げること
ができる。
【0020】金属キレート化合物触媒の添加量に特に制
限はなく、触媒効果に応じて選定することができるが、
通常はアルコキシシランに対して0.001〜5モル%
であることが好ましく、0.005〜1モル%であるこ
とがより好ましい。金属キレート化合物触媒の添加量が
アルコキシシランに対して0.001モル%未満である
と、加水分解の触媒効果が十分に発現しないおそれがあ
る。金属キレート化合物触媒の添加量がアルコキシシラ
ンに対して5モル%を超えると、トップコート層形成時
に金属キレート化合物が析出し、トップコート層の性質
に悪影響を及ぼすおそれがある。なお、後述する自己触
媒を用いる場合には、金属キレート化合物の添加量に
は、自己触媒由来のものも含まれる。
【0021】主剤(A)のシリコーンオリゴマーは、平均
構造単位R4 aSiOb/2(OH)c(OR5)dを有し、親水性
有機溶媒に可溶なケイ素化合物を含有する溶液を自己触
媒とし、アルコキシシランを加水分解、縮重合反応させ
ることによって製造することもできる。ただし、式中、
4は炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニ
ル基であり、全て同一でも異なっていてもよく、R5
炭素数1〜3のアルキル基であり、全て同一でも異なっ
ていてもよく、0≦a<3、より好ましくは0.8≦a
≦2であり、0<b<4、より好ましくは1<b<3で
あり、c>0、d≧0であり、かつc+d=4−a−b
である。また、平均構造単位とは、ケイ素化合物中のS
i1原子について平均した構造単位である。aが3以上
であると、上記ケイ素化合物が揮発しやすくなるととも
に、縮合して失活するおそれがある。c>0であってヒ
ドロキシル基が存在することにより、アルコキシシラン
がシラノールのプロトンによりプロトン化され、水との
加水分解反応が進み、さらに縮重合反応が進む。得られ
たシリコーンオリゴマー溶液中のシリコーンオリゴマー
も、上記の平均構造単位R4 aSiOb/2(OH)c(OR5)d
を有するケイ素化合物となり得るので、このような溶液
としての触媒を自己触媒と定義する。自己触媒の添加量
は、アルコキシシラン100重量部に対し、0.1〜7
0重量部であることが好ましく、1〜55重量部である
ことがより好ましく、10〜50重量部であることがさ
らに好ましい。自己触媒の添加量がアルコキシシラン1
00重量部に対して0.1重量部未満であると、プロト
ンの授受が少なく、加水分解反応の効率が低下するおそ
れがある。自己触媒の添加量がアルコキシシラン100
重量部に対して70重量部を超えると、反応で得られる
シリコーンオリゴマー溶液には、自己触媒に由来するシ
リコーンオリゴマーの量が多くなるために、シリコーン
オリゴマーの生産効率が低下するおそれがある。また、
得られたシリコーンオリゴマー溶液の品質が不安定とな
るおそれがある。このような自己触媒によって製造され
たオルガノポリシロキサンをトップコート層とすること
により、耐クラック性により優れたトップコート層を有
するセメント構造体を得ることができる。
【0022】自己触媒溶液をアルコキシシランから調製
する場合には、酸及び金属キレート化合物の内の少なく
とも1種を触媒として添加することが好ましい。酸とし
ては、通常のゾル−ゲル反応で用いられる硝酸、塩酸な
どの無機酸や、酢酸などの有機酸などを用いることがで
きる。本発明のセメント構造体のトップコート層形成に
好ましく用いられるコーティング剤のシリコーンオリゴ
マー溶液を製造する際に、自己触媒の添加量が多い場合
には、ここで酸触媒を使用すると液の保存安定性が低下
するおそれがあるために、金属キレート化合物触媒を用
いることが好ましい。このようにして得られた自己触媒
溶液を触媒として、さらにアルコキシシランを加水分
解、縮重合反応させることにより、新たな自己触媒溶液
を調製することができる。この場合、金属キレート化合
物を触媒として併用することがより好ましい。
【0023】自己触媒溶液を調製する際に使用するアル
コキシシランに特に制限はなく、例えば、テトラメトキ
シシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEO
S)などのテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(M
TES)、エチルトリメトキシシラン(ETMS)、フ
ェニルトリエトキシシラン(PhTES)、ビニルトリ
エトキシシラン(VTES)、n−プロピルトリメトキ
シシラン(n−PrTMS)、イソプロピルトリメトキ
シシラン(iso−PrTMS)などのトリアルコキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン(DMDE)、ジフェ
ニルジメトキシシラン(DPhDM)、メチルエチルジ
メトキシシラン(MEDM)などのジアルコキシシラ
ン、トリメチルメトキシシラン(TMMS)などのモノ
アルコキシシランなどを挙げることができる。
【0024】自己触媒溶液を調製する際に使用する金属
キレート化合物触媒に特に制限はないが、β−ジケトン
類又は大環状ポリエーテルを配位子とする金属キレート
化合物を好適に使用することができる。また、金属イオ
ンの種類は特に制限はないが、配位子との錯体生成定数
の大きい金属を好適に使用することができる。このよう
な金属キレート化合物としては、例えば、トリス(アセ
チルアセトナト)アルミニウム(III)、トリス(エチルア
セトアセタト)アルミニウム(III)、トリス(ジエチルマ
ロナト)アルミニウム(III)、ビス(アセチルアセトナト)
銅(II)、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム
(IV)、トリス(アセチルアセトナト)クロム(III)、トリ
ス(アセチルアセトナト)コバルト(III)、酸化チタン(I
I)アセチルアセトネート[(CH3COCHCOCH3)2
TiO]などのβ−ジケトン類金属キレート、希土類金
属のβ−ジケトン類金属キレート、18−クラウン−6
−カリウムキレート化合物塩、12−クラウン−4−リ
チウムキレート化合物塩、15−クラウン−5−ナトリ
ウムキレート化合物塩などの大環状ポリエーテル化合物
金属キレートなどを挙げることができる。
【0025】自己触媒溶液を調製する際の金属キレート
化合物触媒の添加量に特に制限はなく、触媒効果に応じ
て選定することができるが、通常はアルコキシシランに
対して0.001モル%以上であることが好ましく、
0.005モル%以上であることがより好ましい。金属
キレート化合物触媒の添加量がアルコキシシランに対し
て0.001モル%未満であると、加水分解の触媒効果
が十分に発現しないおそれがある。金属キレート化合物
触媒の添加量のアルコキシシランに対する上限値は特に
なく、金属キレート化合物が均一に溶解する範囲内であ
ればよい。主剤(A)であるシリコーンオリゴマーを含
有する溶液の溶媒は、ほとんどがアルコキシシランの加
水分解により生成したアルコールである。他の溶媒を添
加することなく、加水分解により生成したアルコールを
溶媒として利用することにより、安定でかつ固形分濃度
の高いシリコーンオリゴマー溶液を調製することが可能
となる。主剤(A)中のシリコーンオリゴマーの分子量
に特に制限はなく、アルコキシシランの加水分解、縮重
合反応により生成したシリコーンオリゴマーが、同時に
生成したアルコールに溶解して均一な溶液を形成する限
り、分子量の大きいシリコーンオリゴマーも使用するこ
とができる。
【0026】前記硬化剤(B)として用いるM1(Ch
e)p(OR3)q(ただし、式中、M1は3価以上の金属で
あり、Cheはキレート化剤であり、R3は炭素数1〜
4のアルキル基であり、p≧1、q≧2である。)又は
その部分加水分解物、揮発性の酸及びアミン系シランカ
ップリング剤を配合してなる溶液は、常温硬化用の硬化
剤であり、主剤(A)であるシリコーンオリゴマーを含
有する溶液に添加、混合した後にシロキサンネットワー
クの形成を促進し、トップコート層成膜後触媒効果が徐
々に大きくなり、ポリシロキサン膜の硬化を促進する。
なお、硬化剤は、M1(Che)p(OR3)q(部分加水分解
物を含む)及び揮発性の酸とアミン系シランカップリン
グ剤からなる錯塩、又は、M1(Che)p(OR3
q(部分加水分解物を含む)、揮発性の酸とアミン系シ
ランカップリング剤からなる錯塩及び揮発性の酸若しく
はアミン系シランカップリング剤を配合することによっ
ても調製することができ、このように調製したものも前
記硬化剤(B)に含まれる。
【0027】硬化剤(B)が主剤(A)に添加、混合さ
れると、硬化剤(B)中のM1−OR3が主剤(A)中の
シリコーンオリゴマーのシラノール基と脱アルコール反
応を起こすとともに、シリコーンオリゴマー間の脱水反
応に対する触媒作用を及ぼし、シロキサンネットワーク
の生成を促進する。一方、硬化剤(B)中には、揮発性
の酸とアミン系シランカップリング剤が反応して生成し
た錯塩が含まれていると考えられる。硬化剤(B)が主
剤(A)に添加、混合されると、M1(Che)p(OR3)q
(部分加水分解物を含む)と同様に、アミン系シランカ
ップリング剤は脱アルコール反応により自らポリシロキ
サンネットワークに入るが、これらの作用により、トッ
プコート層形成時の指触乾燥が速くなる。錯塩の形にな
ったアミノ基及びイミノ基は殆どそのままの形で維持さ
れ、アミン系シランカップリング剤単独の場合と比べ
て、アミノ基又はイミノ基による触媒効果が抑制される
ためポットライフが長くなる。成膜後は、揮発性の酸が
徐々にトップコート層から脱離し、錯塩の形のアミノ基
及びイミノ基は遊離のアミノ基及びイミノ基に戻るの
で、トップコート層の塩基性が高くなり、シラノールの
縮重合が一層促進されてヒドロキシル基が減少する。ア
ミン系シランカップリング剤が自らポリシロキサンネッ
トワークに入るので、アミノ基又はイミノ基による触媒
効果が長時間にわたって機能し、その結果、ネットワー
クの発達したポリシロキサンを常温で得ることができ
る。従って、常温施工によって機械的強度に優れたトッ
プコート層を備え得るセメント構造体となる。
【0028】硬化剤(B)中のM1(Che)p(OR3)q
表される化合物又はその部分加水分解物において、M1
で表される3価以上の金属イオンに特に制限はないが、
主剤(A)に添加、混合した後のコーティング剤の急激
なゲル化を避けるために、安定な錯体を形成する金属イ
オンであることが好ましい。このような金属イオンとし
ては、例えば、Al3+、Ga3+、In3+、La3+、Fe
3+、Y3+、Eu3+、Ti4+、Zr4+などを挙げることが
できる。これらの金属イオンであれば、コーティング剤
の急激なゲル化が抑制され、施工性が良好でムラの少な
いトップコート層を備えたセメント構造体となり得る。
これらの金属イオンの中で、Al3+、Ti4+及びZr4+
がより好ましく、トップコート層の耐クラック性から、
Ti4+が最も好ましい。また、部分加水分解物として
は、単にOR3の一部がヒドロキシル基OHに変換され
た部分加水分解物のみならず、縮合して多核錯体となっ
た部分加水分解物も用いることができる。多核錯体中の
1は、全て同一でも異なっていてもよい。反応性の官
能基であるアルコキシル基OR3としては、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブ
トキシ基などを挙げることができる。M1(Che)
p(OR3qにおいて、q≧2、すなわち反応性の官能
基であるアルコキシル基OR3の数を2以上とすること
により、M1(Che)p(OR3qが脱水反応に対する
触媒作用によって架橋を促す効果を示すほかに、シリコ
ーンオリゴマー溶液中又は形成したトップコート層中
で、自身が架橋剤となる効果が発現する。また、M
1(Che)p(OR3qにおいて、p≧1、すなわちC
heで表されるキレート化剤が存在することにより、常
温硬化用の硬化剤の安定性が高められ、その取扱いが容
易になる。キレート化剤に特に制限はないが、β−ジケ
トン類を好適に用いることができる。β−ジケトン類と
しては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチ
ル、マロン酸ジエチルなどを挙げることができる。
【0029】硬化剤(B)中の揮発性の酸に特に制限は
なく、例えば、塩酸、硝酸などの揮発性無機酸、沸点が
200℃以下、好ましくは170℃以下の有機酸を挙げ
ることができる。このような有機酸としては、例えば、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
イソ吉草酸、アクリル酸、イソクロトン酸、メタクリル
酸などのカルボン酸を挙げることができる。これらの揮
発性の酸は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。 硬化剤(B)中のアミン系シランカップリング剤とし
ては、アミノ基又はイミノ基を有するシランカップリン
グ剤であれば特に制限はなく、例えば、N−β−アミノ
エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど
を挙げることができる。これらのアミン系シランカップ
リング剤は、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0030】本発明のセメント構造体のトップコート層
形成に好ましく用いられるコーティング剤において、硬
化剤(B)として配合されるM1(Che)p(OR3q
はその部分加水分解物とアミン系シランカップリング剤
の混合比は、1:9〜9:1(モル比)であることが好
ましく、3:7〜7:3(モル比)であることがより好
ましい。この混合比よりアミン系シランカップリング剤
が多いと、トップコート層中に残るアミン系シランカッ
プリング剤に由来する有機基が多くなり、トップコート
層の耐候性が低下するおそれがある。この混合比よりア
ミン系シランカップリング剤が少ないと、成膜後の硬化
速度が遅くなり、トップコート層の施工性が低下するお
それがある。 揮発性の酸とアミン系シランカップリング剤の混合比
は、1:4〜3:1(モル比)であることが好ましく、
1:3〜2:1(モル比)であることがより好ましい。
この混合比より酸が少ないと、コーティング溶液中に存
在する遊離アミノ基又は遊離イミノ基が多くなりすぎ
て、ポットライフが短くなるおそれがある。この混合比
より酸が多いと、M1(Che)p(OR3)q(部分加水分解
物を含む)と配位子交換し、硬化特性を低下させ、指触
乾燥時間が長くなるおそれがある。
【0031】本発明のセメント構造体のトップコート層
形成に好ましく用いられるコーティング剤は、主剤
(A)の固形分換算100重量部に対する硬化剤(B)
の固形分換算の添加量が0.1〜20重量部であること
が好ましく、さらに0.5〜10重量部であることがよ
り好ましい。主剤(A)の固形分換算100重量部に対
する硬化剤(B)の固形分換算の添加量が0.1重量部
以上であると、常温硬化用の硬化剤として、常温でより
十分に硬化するものとなり、指触乾燥時間もより短くな
るため、トップコート層の現場での施工性がより良好な
ものとなる。主剤(A)の固形分換算100重量部に対
する硬化剤(B)の固形分換算の添加量が20重量部以
下であると、M1(Che)p(OR3)q(部分加水分解物を
含む)とアミン系シランカップリング剤に由来するアル
コキシル基が多くなりすぎず、ポリシロキサンの架橋効
果が十分なものとなり、トップコート層の機械的強度等
の物性が低下するおそれもない。また、主剤(A)の固
形分換算量と硬化剤(B)の固形分換算量の合計は、コ
ーティング剤全体の5〜45重量%であることが好まし
く、10〜35重量%であることがより好ましい。
【0032】なお、本発明においては現場施行が可能な
常温硬化型コーティング剤を用いることが好ましいが、
これに限定されるものではなく、加熱硬化が可能な場合
にはそれに応じた硬化剤を用いることもできる。
【0033】本発明のセメント構造体のトップコート層
形成に好ましく用いられるコーティング剤においては、
得られるトップコート層の物性を向上させるために、主
剤(A)のシリコーンオリゴマーを含有する溶液に、有機
溶媒を分散媒とするシリカゾル、酸化アンチモンゾル、
アルミナゾルなどの酸化物ゾルを添加することができ
る。また、耐候性が高い無機顔料を、主剤(A)のシリ
コーンオリゴマーを含有する溶液に分散して使用するこ
ともできる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、
酸化鉄、酸化亜鉛、チタンイエロー、コバルトブルー、
カオリン、カーボンブラック、コバルト・鉄・クロム系黒
色複合酸化物などを挙げることができる。さらに、必要
に応じて、ガラス繊維、ウィスカーなどの針状物質を添
加することもできる。なお、分散性向上のために、上記
ゾルの微粒子や無機顔料は表面疎水化処理されたもので
あることが好ましい。主剤(A)のシリコーンオリゴマ
ーを含有する溶液に顔料を多く添加する場合には、生成
したアルコール及び酸化物ゾル中の分散媒以外に、原料
として用いたアルコキシシラン100重量部に対し、5
0重量部未満の親水性有機溶媒を添加することができ
る。アルコキシシラン100重量部に対する親水性有機
溶媒の添加量が50重量部以上であると、揮発成分が増
加して、経済性が損なわれるおそれがある。親水性有機
溶媒の添加量は、原料として用いたアルコキシシラン1
00重量部に対し20重量部以下であることがより好ま
しい。添加する親水性有機溶媒に特に制限はないが、メ
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、アセトンなどの揮発しやすい低沸
点の溶媒を好適に用いることができる。なお、主剤
(A)のシリコーンオリゴマーを含有する溶液の製造に
おいて、親水性有機溶媒とは、常温で水と任意の割合で
均一に混合する有機溶媒をいう。
【0034】本発明のセメント構造体のトップコート層
形成に好ましく用いられるコーティング剤から、オルガ
ノポリシロキサントップコート層を形成する際の塗工方
法に特に制限はなく、被塗物の形状、塗工の目的などに
応じて、任意の公知の塗工方法を選択することができ
る。例えば、スプレー法、ロール法、刷毛塗り法などの
各種塗工方法を選択することができる。トップコート層
の厚さは、塗工の目的に応じて適宜選択することができ
るが、通常は1〜60μmであることが好ましい。セメ
ント系硬化体基材にプライマー層を介しオルガノポリシ
ロキサントップコート層を形成し、基材の表面を保護す
るとともに、汚れ等が付着し難い、あるいは付着しても
容易に洗浄でき美観を高めることができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例(製造例、実験例)を挙げて
本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実
施例によりなんら限定されるものではない。なお、実験
例において、コーティング剤のポットライフは、コーテ
ィング剤をガラス容器に入れて密封し、20℃の恒温室
に保管し、6時間ごとに48時間までその状態を観察
し、ゲル化することなく流動性を保つ最長時間をポット
ライフとした。また、指触乾燥時間はJIS K 540
0 6.5に準じて測定し、鉛筆引っかき値はJIS K
5400 8.4.2に準じて(但し、基材はセメント系
硬化体)測定した。色差はJIS Z 8730に準じ、
ハンディカラーテスター(スガ試験機製HC−1)で測
定した。
【0036】製造例1(自己触媒の製造) 178重量部のメチルトリエトキシシラン[信越化学工
業(株)、KBE13]と45重量部のエタノールとの混
合液に、0.1重量部のトリス(アセチルアセトナト)ア
ルミニウム(III)[(株)同仁化学研究所]を添加し
た。この液を室温で30分間攪拌し、トリス(アセチル
アセトナト)アルミニウム(III)を溶解したのち、32
重量部の蒸留水を攪拌しながら1時間で添加した。1日
間室温で静置し、透明な自己触媒「A−1」を得た。こ
のシリコーンオリゴマー溶液の固形分は、約26重量%
である。
【0037】製造例2(シリコーンオリゴマー溶液の製
造) 178重量部のメチルトリエトキシシラン[信越化学工
業(株)、KBE13]に、50重量部の自己触媒A−1
を添加し、さらに0.1重量部のトリス(アセチルアセ
トナト)アルミニウム(III)[(株)同仁化学研究所]を添
加した。この液を室温で30分間攪拌し、トリス(アセ
チルアセトナト)アルミニウム(III)を溶解したのち、3
2重量部の蒸留水を攪拌しながら1時間で添加した。1
日間室温で静置し、透明なシリコーンオリゴマー溶液
「A−2」を得た。このシリコーンオリゴマー溶液の固
形分は、約31重量%である。
【0038】製造例3(常温硬化用硬化剤の製造) 500重量部のイソプロピルアルコールに100重量部
のチタニウムテトラ−n−ブトキシドを添加したのち、
45重量部のアセト酢酸エチルを反応させた。この溶液
に、32重量部のγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン[信越化学工業(株)、KBE903]を添加し、混合
したのち、9重量部の酢酸と反応させ、常温硬化用硬化
剤「B−1」を得た。
【0039】製造例4(常温硬化用硬化剤の製造) 500重量部のエチレングリコールモノメチルエーテル
に100重量部のチタニウムテトラ−n−ブトキシドを
添加したのち、29重量部のアセチルアセトンを反応さ
せた。この溶液に、51重量部のγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン[信越化学工業(株)、KBE903]
を添加し、混合したのち、9重量部の酢酸と反応させ、
常温硬化用硬化剤「B−2」を得た。
【0040】実験例1 製造例2で得られたシリコーンオリゴマー溶液「A−
2」100重量部に、製造例3で得られた常温硬化用硬
化剤「B−1」10重量部と酸化チタン白色顔料(石原
産業(株)製、タイペークR−820)20重量部とを
添加し、トップコート層形成用コーティング剤「UTC
−W」を得た。得られたコーティング剤のポットライフ
は48時間であった。次いで、プライマー組成物とし
て、アクリル樹脂エマルション系(関西ペイント(株)
製、商品名:EPシーラー)(サンプル1)、変性エポ
キシ樹脂溶剤型(エスケー化研(株)製、二液型 商品
名:SK#1000プライマー)(サンプル2)、エポ
キシ樹脂系溶剤型(ショーボンド化学(株)製、二液型
商品名:ネオプライマー)(サンプル3)、変性アク
リル樹脂トルエン系(住友大阪セメント(株)製、一液
型 商品名:リフレトリート)(サンプル4)、特殊エ
ポキシ樹脂溶剤型(エスケー化研(株)製、二液型 商
品名:ミラクシーラーEPO)(サンプル5)、珪酸ナ
トリウム系水溶液(アシュフォード製、一液型 商品
名:ダストプルーフ)(サンプル6)をそれぞれ別個の
モルタル板(サン技研製)基材に刷毛塗り法で塗工し
た。25℃で十分(推奨塗工間隔)硬化させてプライマ
ー層を形成し、該プライマー層の鉛筆引っかき値を測定
した。尚、測定結果を下記表1に示す。次いで、得られ
た各プライマー層上に「UTC−W」を1回当たり10
0g/m2の割合で刷毛塗り法で2回塗工しトップコート
層を形成し、それぞれサンプル1〜6のセメント構造体
を得た。尚、「UTC−W」の塗工間隔は1時間とし
た。この際、指触乾燥時間を測定したところ、それぞれ
15分以内であった。また、各サンプルにおける1か月
後のトップコート層の鉛筆引っかき値を測定したところ
サンプル6以外は3Hであった。サンプル6については
トップコート層がかなり剥離していたので、この時点で
実験を中止した。鉛筆引っかき値を測定後、各サンプル
を切断し断面を研磨して顕微鏡でプライマー層の層厚及
びトップコート層の層厚を測定した。トップコート層の
層厚は、各サンプル1〜5共約35μmであった。プラ
イマー層の層厚は下記表1に示す通りであった。次い
で、各サンプルを屋外で11か月間曝露した後、塗膜表
面のクラックの有無を目視で確認した。尚、各プライマ
ー組成物の固形分濃度を、70℃で2日間開放系で溶媒
を揮発させ、前後の重量差を測定することにより求め
た。それぞれ測定条件及び測定結果を下記表1にまとめ
て示す。尚、表及び以下において、サンプル1〜3を実
施例1〜3とし、サンプル4〜6を比較例1〜3とす
る。
【0041】
【表1】
【0042】第1表から明らかなように、プライマー層
の鉛筆引っかき値がB以上であるプライマー層を備えた
実施例1〜3のセメント構造体は、トップコート層のク
ラックや剥離のないものであった。一方、鉛筆引っかき
値の低い比較例1、2のセメント構造体は、トップコー
ト層に多数のクラックが発生した。浸透性が極めて高い
プライマー組成物を用いた比較例3においては、プライ
マー層を殆ど形成できず、トップコート層は1か月で剥
離した。
【0043】実験例2 実験例1で用いた基材に有機系塗料である水性アクリル
樹脂塗料(アトミクス(株)製 トップコート層:フロア
トップ#1400、プライマー層:ベストシーラーW、
層厚120μm(トップコート層100μm、プライマ
ー層20μm))を塗工し、比較例4のセメント構造体
を作製した。次いで、この比較例4のセメント構造体と
実験例1で得られた実施例1、3のセメント構造体を屋
外に5か月間曝露した後、曝露前との色差(ΔE* 1)を測
定した。さらに、測定した箇所を洗浄し、洗浄後と曝露
前の色差(ΔE* 2)を測定した。洗浄方法は、水を含ませ
た脱脂綿を用いて同程度の力で押圧しつつ5回擦るとい
う方法を用いた。各測定結果を下記表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】第2表から明らかなように、トップコート
層が有機系塗料であるサンプル(比較例4)は洗浄後も
汚れが残っているのに対して、トップコート層がオルガ
ノポリシロキサン塗膜である場合には、洗浄によって容
易に汚れが落ちることがわかる。
【0046】実験例3 製造例2で得られたシリコーンオリゴマー溶液「A−
2」100重量部に、製造例4で得られた常温硬化用硬
化剤「B−2」10重量部と淡灰色に調整した顔料混合
物(大日精化工業(株)製 白色顔料:タイピュアR9
60、黒色顔料:ダイピロキサイドブラック9510、
黄色顔料:ダイピロキサイドイエロー9121、褐色顔
料:ダイピロキサイドブラウン9220を重量比で10
0:1.5:0.5:0.5で混合)20重量部とを添
加混合し、トップコート層形成用コーティング剤「UT
C−G」を得た。得られたコーティング剤のポットライ
フは36時間であった。高速道路の料金所アイランドを
基材とし、プライマー組成物としてエポキシ樹脂系溶剤
型シーラー(ショーボンド化学(株)製、二液型 商品
名:ネオプライマー)を100g/m2の割合でローラー
法で塗工し層厚10μmのプライマー層を形成した。常
温で24時間乾燥後、トップコート層の層厚が35μm
程度となるよう、「UTC−G」を1回当たり100g
/m2の割合でプライマー層上にローラー法で2回塗工
してトップコート層を形成し、実施例4のセメント構造
体とした。「UTC−G」の塗工間隔は1時間とした。
隣接するアイランド(基材)に、まずプライマー組成物
(関西ペイント(株)製、商品名:マルチタイルコンクリ
ートプライマーEPO、主剤:硬化剤=4:1)を14
0g/m2の割合でローラー法で塗工し層厚20μmのプ
ライマー層を形成した。常温で24時間乾燥後、トップ
コート層の層厚が50μm程度となるよう、セラミック
変性ポリウレタン塗料(関西ペイント(株)製、商品名:
アレスセラレタン、主剤:硬化剤=12.8:3.2)
を1回当たり130g/m2の割合でプライマー層上にロ
ーラー法で2回塗工してトップコート層を形成し比較例
5のセメント構造体とした。尚、塗工間隔は16時間と
した。6か月間排気ガス環境下に放置した後、下記の易
洗浄性試験を行った。なお、6か月後も実施例4及び比
較例5のセメント構造体(アイランド)のトップコート
層にクラック等の発生はほとんど認められなかった。
【0047】<易洗浄性試験>実施例4及び比較例5に
おいて、同程度に汚れている部分をそれぞれ選定した
(図1の写真1(イ)、(ロ)参照)。乾式洗浄 次いで、選定した各汚れ部分を乾燥脱脂綿を用いて同程
度の力で押圧しつつ5回擦るという作業を行い、作業後
の状態を写真に撮影した(図1の写真2(イ)、(ロ)
参照)。湿式洗浄 次いで、乾式洗浄した箇所の上から水を含ませた脱脂綿
を用いて同程度の力で押圧しつつ5回擦るという作業を
行い、作業後の状態を写真に撮影した(図1の写真3
(イ)、(ロ)参照)。各撮影結果を図1に示す。な
お、図1において、各写真1〜3の(イ)は比較例5の
もの、(ロ)は実施例4のものを示し、1は洗浄部分、
2は非洗浄部分を示している。図1から明らかなよう
に、実施例4のセメント構造体は、乾式洗浄、湿式洗浄
のいずれにおいても、比較例5のセメント構造体よりも
洗浄性に優れる、即ち易洗浄性であることがわかった。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るセメント構
造体は、排気ガス等の汚れが付着し難く、易洗浄性の良
好なトップコート層を備え、しかも、長期間に亘ってト
ップコート層のクラックや剥離が生じ難いという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4及び比較例5の洗浄前後のセメント構
造体の表面状態を撮影した写真であり、写真1におい
て、(イ)は、洗浄前の比較例5のセメント構造体の表
面状態、(ロ)は、洗浄前の実施例4のセメント構造体
の表面状態を示す。写真2において、(イ)は、乾式洗
浄後の比較例5のセメント構造体の表面状態、(ロ)
は、乾式洗浄後の実施例4のセメント構造体の表面状態
を示す。写真3において、(イ)は、湿式洗浄後の比較
例5のセメント構造体の表面状態、(ロ)は、湿式洗浄
後の実施例4のセメント構造体の表面状態を示す。
【符号の説明】
1・・・洗浄部分、2・・・非洗浄部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/38 B32B 27/38 C08G 77/18 C08G 77/18 C09D 5/00 C09D 5/00 D 133/00 133/00 163/00 163/00 183/00 183/00 (71)出願人 594018267 株式会社中研コンサルタント 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番55 号 (74)上記2名の代理人 100074332 弁理士 藤本 昇 (72)発明者 熊野 聡 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村 硝子株式会社内 (72)発明者 川部 和広 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村 硝子株式会社内 (72)発明者 西野 浩之 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村 硝子株式会社内 (72)発明者 小西 明男 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村 硝子株式会社内 (72)発明者 若林 肇 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 日本山村 硝子株式会社内 (72)発明者 榊原 弘幸 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 若杉 三紀夫 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 片岡 宏治 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 株 式会社中研コンサルタント内 (72)発明者 野尻 拓男 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 株 式会社中研コンサルタント内 Fターム(参考) 4F100 AA21 AA21H AE01 AE01C AH08A AH08H AK25B AK52A AK53B AR00B AT00C BA03 BA07 BA10A BA10C CA02A CA13 CC00A CC00B EH46 EJ65B GB07 GB90 JA20B JK06 JK12B JK14 JL06 YY00A YY00B 4G028 FA01 4J035 BA16 CA051 CA06N CA061 CA142 EA01 EB03 LA03 LB01 4J038 CG001 DB001 DL021 DL022 DL031 DL032 DL082 HA156 HA236 JA19 JA33 JA37 JC38 KA03 KA04 KA06 MA09 NA01 NA03 NA04 NA05 PA12 PA20 PB05 PB06 PC04 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノポリシロキサンを主成分とする
    トップコート層がプライマー層を介してセメント系硬化
    体からなる基材に積層されてなるセメント構造体であっ
    て、 前記プライマー層は、プライマー組成物を用いて形成さ
    れ、前記基材上で測定した前記トップコート層が形成さ
    れる表面の鉛筆引っかき値がB以上で且つ層厚が10〜
    100μmとされてなることを特徴とするセメント構造
    体。
  2. 【請求項2】 前記プライマー組成物として、非浸透型
    のプライマー組成物が用いられてなる請求項1記載のセ
    メント構造体。
  3. 【請求項3】 前記プライマー層がエポキシ系樹脂、
    (メタ)アクリル系樹脂の内の少なくも1種を主成分と
    して含有してなる請求項1又は2記載のセメント構造
    体。
  4. 【請求項4】 前記プライマー組成物が、顔料を含有し
    てなる請求項1乃至3の何れかに記載のセメント構造
    体。
  5. 【請求項5】 前記トップコート層は、下記主剤(A)及
    び下記硬化剤(B)を含有するコーティング剤から形成
    されてなる請求項1乃至4の何れかに記載のセメント構
    造体。 主剤(A):平均構造単位R1 nSiOx/2(OH)y(O
    2)z(ただし、式中、R 1は炭素数1〜3のアルキル
    基、ビニル基又はフェニル基であり、全て同一でも異な
    っていてもよく、R2は炭素数1〜3のアルキル基であ
    り、全て同一でも異なっていてもよく、0.8≦n≦1.
    7、1.7<x<3.2、y>0、z>0であり、かつy
    +z=4−n−xである。)を有するシリコーンオリゴ
    マーを含有する溶液 硬化剤(B):M1(Che)p(OR3)q(ただし、式中、M
    1は3価以上の金属であり、Cheはキレート化剤であ
    り、R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、p≧1、
    q≧2である。)又はその部分加水分解物、揮発性の酸
    及びアミン系シランカップリング剤を配合してなる溶液
  6. 【請求項6】 前記主剤(A)における前記シリコーンオ
    リゴマーは、金属キレート化合物を触媒として、アルコ
    キシシランを加水分解、縮重合することにより製造され
    てなる請求項5記載のセメント構造体。
  7. 【請求項7】 前記金属キレート化合物の配位子が、β
    −ジケトン類及び大環状ポリエーテルの内の少なくとも
    1種である請求項6記載のセメント構造体。
  8. 【請求項8】 前記主剤(A)における前記シリコーンオ
    リゴマーは、平均構造単位R4 aSiOb/2(OH)c(O
    5)d(ただし、式中、R4は炭素数1〜3のアルキル
    基、ビニル基又はフェニル基であり、全て同一でも異な
    っていてもよく、R 5は炭素数1〜3のアルキル基であ
    り、全て同一でも異なっていてもよく、0≦a<3、0
    <b<4、c>0、d≧0であり、かつc+d=4−a
    −bである。)を有し、親水性有機溶媒に可溶なケイ素
    化合物を含有する溶液を自己触媒としてアルコキシシラ
    ンに添加し、アルコキシシランを加水分解、縮重合させ
    ることにより製造されてなる請求項5乃至7の何れかに
    記載のセメント構造体。
  9. 【請求項9】 前記硬化剤(B)における前記M1が、
    Al3+、Ga3+、In3 +、La3+、Fe3+、Y3+、Eu
    3+、Ti4+、Zr4+のいずれかである請求項5乃至8の
    何れかに記載のセメント構造体。
  10. 【請求項10】 前記硬化剤(B)における前記キレー
    ト化剤が、β−ジケトン類である請求項5乃至9の何れ
    かに記載のセメント構造体。
  11. 【請求項11】 前記硬化剤(B)における前記酸が、
    揮発性無機酸及び沸点が200℃以下の有機酸の内の少
    なくとも1種である請求項5乃至10の何れかに記載の
    セメント構造体。
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