JP2000017227A - コーティング組成物 - Google Patents

コーティング組成物

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JP2000017227A JP10189231A JP18923198A JP2000017227A JP 2000017227 A JP2000017227 A JP 2000017227A JP 10189231 A JP10189231 A JP 10189231A JP 18923198 A JP18923198 A JP 18923198A JP 2000017227 A JP2000017227 A JP 2000017227A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化剤を添加したのちの保存安定性に優れ、ス
プレーコート工程でシリカ微粒子の凝集が起こりにく
く、耐候性、耐水性、耐薬品性、密着性に優れ、硬度の
高い塗膜を形成し得るコーティング組成物を提供する。 【解決手段】(A)表面疎水化シリカがアルコール分散
媒中に分散し、かつ固形分中のシリカの含有量が80重
量%以上であるアルコール分散液、(B)オルガノアル
コキシシランと水の反応により得られる構造単位 R1 n
SiOx/2(OH)y(OR2)z(ただし、式中、R1は炭素
数1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基であ
り、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n≦
1.7であり、2<x<3であり、y>0、z>0、か
つ y+z=4−n−x である。)を有するシリコーン
オリゴマーを含有する溶液及び(C)硬化剤を含有する
ことを特徴とするコーティング組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング組成
物に関する。さらに詳しくは、本発明は、ゾル−ゲル法
を用いて製造することができ、スプレーコート法により
金属、木材、紙、布帛、ガラス、セラミック、コンクリ
ート、合成樹脂などの表面に塗布して、常温〜200℃
程度の低温で硬化させ、優れた物性を有する塗膜を与え
ることができるコーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐候性、耐水性、耐薬品性、
密着性に優れ、低コストで硬度の高い塗膜を形成し得る
コーティング剤が求められ、多くの提案がなされてい
る。無機系コーティング剤としては、主として酸化物ゾ
ルと、加水分解、縮重合によりオルガノポリシロキサン
となるオルガノシランの複合化が検討されてきた。例え
ば、特開昭57−165429号公報には、短時間で硬
化し、プラスチック基体に対する表面耐傷性及び耐かき
傷性の被膜を与える方法として、シラノールの部分縮合
物の脂肪族アルコール−水の溶液にコロイドシリカを分
散させた分散液、緩衝化潜在性シラノール縮合触媒及び
β−ヒドロキシケトン化合物を含有する水性組成物を塗
布する方法が提案されている。特開昭62−32157
号公報には、金属、セメント、ガラスなどの表面に、耐
熱性に優れた塗膜を形成するコーティング組成物とし
て、オルガノアルコキシシラン、アルコール又はグリコ
ール、コロイド状アルミナ、酸及び非水溶性の充填剤を
混合してなるコーティング組成物が提案されている。こ
れらのコーティング組成物には、親水性溶媒であるアル
コール類が多量に添加されるとともに、ゾルの分散媒と
して多量の水が含まれているために、固形分濃度が低
く、さらに、加水分解と縮重合速度が速すぎて保存安定
性が悪いという問題がある。また、特開昭63−117
074号公報には、金属、セラミックス、ガラスなどの
表面に硬度が高く、物性の良好な塗膜を形成する保存安
定性の優れたコーティング組成物として、オルガノアル
コキシシランの縮合物、コロイド状シリカ、水及び親水
性有機溶媒を含有するコーティング組成物が提案されて
いる。このコーティング組成物は、スプレーコート工程
で親水性溶媒が揮発する際の温度低下により結露が生じ
やすく、その結果シリカ微粒子が凝集して均一な塗膜が
得られがたいという問題がある。さらに、特開平4−1
75388号公報には、金属、コンクリート、プラスチ
ック基材などの表面にコートして、低温で硬化が可能で
あり、硬度が高く、耐熱性、耐候性に優れた被膜を形成
し得るコーティング組成物として、オルガノシランのシ
リカ分散オリゴマー溶液、分子中にシラノール基を有す
るポリオルガノシロキサン及び触媒を必須成分とするコ
ーティング組成物が提案されている。このコーティング
組成物は、硬化触媒を添加したのちのポットライフが短
いなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬化剤を添
加したのちの保存安定性に優れ、スプレーコート工程で
シリカ微粒子の凝集が起こりにくく、耐候性、耐水性、
耐薬品性、密着性に優れ、硬度の高い塗膜を形成し得る
コーティング組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、表面が炭化水素
基により疎水化されたシリカ微粒子のアルコール分散
液、オルガノアルコキシシランと水の反応により得られ
たシリコーンオリゴマーを含有する溶液及び硬化剤を含
有するコーティング組成物が、硬化剤添加後のポットラ
イフが長く、スプレーコート工程でシリカ微粒子の凝集
が起こりにくく、優れた物性を有する塗膜が得られるこ
とを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(1)(A)成分とし
て、表面疎水化シリカがアルコール分散媒中に分散し、
かつ固形分中のシリカの含有量が80重量%以上である
アルコール分散液、(B)成分として、オルガノアルコ
キシシランと水の反応により得られる構造単位 R1 n
iOx/2(OH)y(OR2)z(ただし、式中、R1は炭素数
1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基であり、
2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n≦1.7
であり、2<x<3であり、y>0、z>0、かつ y
+z=4−n−x である。)を有するシリコーンオリ
ゴマーを含有する溶液及び(C)成分として、硬化剤を
含有することを特徴とするコーティング組成物、(2)
(A)成分と(B)成分の割合が、(A)成分の含有量が固形
分換算で10〜70重量%、(B)成分の含有量が固形分
換算で90〜30重量%であり、(C)成分の含有量が
(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重量部に対し
て1〜40重量部である第(1)項記載のコーティング組
成物、(3)表面疎水化シリカが、シリカ微粒子と、構
造 R3 mSiX4-m(ただし、式中、R3は炭素数1〜3
のアルキル基、フェニル基又はビニル基であり、mは
1、2又は3であり、XはCl、OCH3又はOC25
である。)を有するオルガノアルコキシシラン又はオル
ガノハロシランの反応により得られるものである第(1)
項記載のコーティング組成物、(4)(B)成分のシリコ
ーンオリゴマーが、金属キレート化合物を触媒として製
造されたものである第(1)項記載のコーティング組成
物、(5)金属キレート化合物の配位子が、β−ジケト
ン類又は大環状ポリエーテルである第(4)項記載のコー
ティング組成物、(6)(C)成分が、構造 M(Che)
(OR4)p(ただし、式中、Mは3価以上の金属であり、
Cheはキレート剤であり、R4は炭素数1〜4のアル
キル基であり、pは2以上である。)を有する化合物又
はこれを基本単位とする多核錯体を配合したものである
第(1)項記載のコーティング組成物、(7)キレート剤
が、β−ジケトン類である第(6)項記載のコーティング
組成物、及び、(8)(C)成分が、カルボン酸、カルボ
ニル基を有するアルコール又はエーテル基を有するアル
コールであって、沸点が200℃以下の化合物を含有す
る第(1)項記載のコーティング組成物、を提供するもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のコーティング組成物は、
(A)成分として、表面疎水化シリカがアルコール分散
媒中に分散し、かつ固形分中のシリカの含有量が80重
量%以上であるアルコール分散液、(B)成分として、
オルガノアルコキシシランと水の反応により得られる構
造単位 R1 nSiOx/2(OH)y(OR2)z を有するシリコ
ーンオリゴマーを含有する溶液及び(C)成分として、
硬化剤を含有する。ただし、上記の構造式中、R1は炭
素数1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基であ
り、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n≦
1.7であり、2<x<3であり、y>0、z>0、か
つ y+z=4−n−x である。本発明において、表面
疎水化シリカとは、シリカ微粒子の表面が鎖状、環状又
は芳香族炭化水素基で覆われ、水との親和力が減少した
シリカである。本発明組成物において、(A)成分として
用いる表面疎水化シリカのアルコール分散液の製造方法
に特に制限はなく、例えば、アルコール分散媒中にシリ
カ微粒子を分散したアルコールゾルにオルガノアルコキ
シシラン又はオルガノハロシランを添加し、シリカ微粒
子の表面の吸着水と反応させることにより、シリカ微粒
子の表面を炭化水素基で覆って疎水化することができ、
あるいは、シリカ微粒子とオルガノアルコキシシラン又
はオルガノハロシランを反応させることによりシリカ微
粒子の表面を炭化水素基で覆って疎水化したのち、得ら
れた表面疎水化シリカをアルコール分散媒中に分散する
こともできる。シリカ微粒子は、粒径が0.5μm以下
であることが好ましい。分散媒として用いるアルコール
に特に制限はないが、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノールなどの低沸点のアルコー
ルはコーティング時に揮発しやすいので、好適に使用す
ることができる。
【0006】シリカ微粒子に代えて、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニアなどの酸化物微粒子を用い、同様にオル
ガノアルコキシシラン又はオルガノハロシランとの反応
により表面疎水化された微粒子がアルコール分散媒中に
分散したアルコール分散液も(A)成分として用いること
ができる。酸化物微粒子としては、塗膜の透明性を考慮
すると、低屈折率のオルガノポリシロキサンに最も近い
屈折率を有するシリカ微粒子が優れている。シリカ微粒
子を分散したアルコールゾルとしては、市販のアルコー
ルゾルや、粒径0.5μm以下のシリカ微粒子をアルコ
ール分散媒中に分散させた分散液を用いることができ
る。シリカ微粒子を分散させたアルコールゾルを用いる
と、オルガノアルコキシシラン又はオルガノハロシラン
と表面の吸着水との反応により、シリカ微粒子の表面が
炭化水素基により疎水化される。使用するオルガノアル
コキシシラン又はオルガノハロシランは、構造 R3 m
iX4-m を有する化合物であることが好ましい。ただ
し、式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル
基又はビニル基であり、mは1、2又は3であり、Xは
Cl、OCH3又はOC25である。このようなオルガ
ノシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン
(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTE
S)、エチルトリメトキシシラン(ETMS)、フェニ
ルトリエトキシシラン(PhTES)、ビニルトリエト
キシシラン(VTES)、n−プロピルトリメトキシシ
ラン(n−PrTMS)、イソプロピルトリメトキシシ
ラン(iso−PrTMS)などのトリアルコキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン(DMDE)、ジフェニ
ルジメトキシシラン(DPhDM)、メチルエチルジメ
トキシシラン(MEDM)などのジアルコキシシラン、
トリメチルメトキシシラン(TMMS)などのモノアル
コキシシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリ
クロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルク
ロロシランなどのオルガノクロロシランなどを挙げるこ
とができる。これらのオルガノシランは、1種を単独で
用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて
用いることもできる。
【0007】シリカ微粒子をアルコール分散媒中に分散
したアルコールゾルにオルガノアルコキシシラン又はオ
ルガノハロシランを添加するとき、その添加量は、シリ
カ微粒子表面の吸着水とアルコール分散媒中に微量に含
まれる水分の合計量に対して、等モル以上とすることが
好ましい。反応に際しては、分散媒中への水の混入を極
力避けることが好ましい。分散媒中に過剰の水が存在す
ると、オルガノアルコキシシラン又はオルガノハロシラ
ンの加水分解、縮重合反応が促進され、シリカ微粒子表
面の疎水化効果が低下する。本発明組成物において、
(A)成分に含まれる固形分中のシリカの含有量は80重
量%以上であり、より好ましくは85重量%以上であ
る。ここに、固形分中のシリカとは、オルガノアルコキ
シシラン又はオルガノハロシランを添加する前のアルコ
ールゾルに含まれていたシリカであり、オルガノアルコ
キシシラン又はオルガノハロシランに由来する炭化水素
基と結合したケイ素は、固形分中のシリカには含めな
い。固形分中のシリカの含有量が80重量%未満である
と、シリカ微粒子表面の疎水化層の割合が高くなり、結
果的に塗膜に多くの未反応のアルコキシル基又は塩素が
残り、塗膜の品質に悪影響を与えるおそれがある。本発
明のコーティング組成物においては、シリカ微粒子の表
面を疎水性とするために、シリカ微粒子を均一にオルガ
ノポリシロキサンからなる塗膜に取り込むことが可能と
なり、機械的強度が大きく、化学的耐久性に優れた硬度
の高い塗膜を得ることができる。
【0008】本発明組成物に用いる(B)成分は、オルガ
ノアルコキシシランと水の反応により得られる構造単位
1 nSiOx/2(OH)y(OR2)z を有するシリコーンオ
リゴマーを含有する溶液である。ただし、式中、R1
炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基又はビニル基で
あり、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、1≦n
≦1.7、より好ましくは1≦n≦1.3であり、2<x
<3であり、y>0、z>0、かつ y+z=4−n−
x である。nが1未満であると、塗膜の乾燥段階で応
力が緩和しがたく、塗膜にクラックが入るおそれがあ
る。nが1.7を超えると、三次元網目構造を形成しが
たくなり、塗膜の機械的性質が低下するおそれがある。
また、xが2以下であると、線状ポリマーが形成されが
たく、揮発成分が多くなるおそれがある。xが3以上で
あると、塗膜の乾燥段階で応力が緩和しがたく、膜にク
ラックが入るおそれがある。OH基は、硬化剤の作用に
よって架橋する架橋点となるために、存在することが必
須である。また、アルコキシル基は、硬化剤添加前の溶
液の保存安定性を保つために、存在することが必須であ
る。(B)成分の製造に用いるオルガノアルコキシシラン
に特に制限はなく、例えば、メチルトリメトキシシラン
(MTMS)、メチルトリエトキシシラン(MTE
S)、エチルトリメトキシシラン(ETMS)、フェニ
ルトリエトキシシラン(PhTES)、ビニルトリエト
キシシラン(VTES)、n−プロピルトリメトキシシ
ラン(n−PrTMS)、イソプロピルトリメトキシシ
ラン(iso−PrTMS)などのトリアルコキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン(DMDE)、ジフェニ
ルジメトキシシラン(DPhDM)などのジアルコキシ
シランなどを挙げることができる。
【0009】本発明組成物に用いる(B)成分の製造にお
いては、オルガノアルコキシシランと水を、H2O/S
iのモル比が1.4〜4.0となるように、より好ましく
は1.4〜2.5となるように混合して、加水分解、縮重
合を行うことが好ましい。H2O/Siのモル比が1.4
未満であると、未反応のアルコキシル基が多く残り、オ
リゴマーの高分子化率が低くなり、塗膜の機械的性質に
悪影響を及ぼすおそれがある。H2O/Siのモル比が
4.0を超えると、親水性成分が増えすぎて、成膜時に
均一な塗膜を形成することが困難となるおそれがある。
2O/Siのモル比を1.4〜4.0とすることによ
り、アルコキシル基の一部が残存して、(B)成分である
シリコーンオリゴマーを含有する溶液の安定性を向上さ
せる効果をもたらす。本発明組成物において、(B)成分
であるシリコーンオリゴマーを含有する溶液の溶媒は、
ほとんどがオルガノアルコキシシランの加水分解により
生成したアルコールである。他の溶媒を添加することな
く、加水分解により生成したアルコールを溶媒として利
用することにより、安定でかつ固形分濃度の高いシリコ
ーンオリゴマー溶液を調製することが可能となる。本発
明組成物において、シリコーンオリゴマーの分子量に特
に制限はなく、オルガノアルコキシシランの加水分解に
より生成したシリコーンオリゴマーが、同時に生成した
アルコールに溶解して均一な溶液を形成する限り、分子
量の大きいシリコーンオリゴマーも使用することができ
る。
【0010】本発明組成物においては、(B)成分の製造
に際して、加水分解の触媒として、通常ゾル−ゲル反応
に用いられる酸触媒を使用せず、金属キレート化合物触
媒を使用することが好ましい。酸触媒を使用すると、ゲ
ル化を生じやすくなるおそれがある。加水分解の触媒で
ある金属キレート化合物は、アルコキシドの加水分解に
触媒効果を果たすだけでなく、原料に多量のメチルトリ
アルコキシシランを用いる場合には、結晶の析出をも抑
制する。また、金属キレート化合物を触媒として使用す
ることにより、得られたシリコーンオリゴマー溶液はゲ
ル化時間が長く、長期保存安定性に優れる。使用する金
属キレート化合物に特に制限はないが、β−ジケトン類
又は大環状ポリエーテルを配位子とする金属キレート化
合物を好適に使用することができる。また、金属イオン
の種類に特に制限はないが、配位子との錯体生成定数の
大きい金属を好適に使用することができる。このような
金属キレート化合物としては、例えば、トリス(アセチ
ルアセトナト)アルミニウム(III)、トリス(エチルア
セトアセタト)アルミニウム(III)、トリス(ジエチル
マロナト)アルミニウム(III)、ビス(アセチルアセト
ナト)銅(II)、テトラキス(アセチルアセトナト)ジル
コニウム(IV)、トリス(アセチルアセトナト)クロム
(III)、トリス(アセチルアセトナト)コバルト(II
I)、酸化チタン(II)アセチルアセトネート[(CH3
COCHCOCH3)2TiO]などのβ−ジケトン類金
属キレート、希土類金属のβ−ジケトン類金属キレー
ト、18−クラウン−6−カリウムキレート化合物塩、
12−クラウン−4−リチウムキレート化合物塩、15
−クラウン−5−ナトリウムキレート化合物塩などの大
環状ポリエーテル化合物金属キレートなどを挙げること
ができる。金属キレート化合物触媒の添加量に特に制限
はなく、触媒効果に応じて、オルガノアルコキシシラン
に対して0.001〜5モル%、より好ましくは0.01
〜1モル%の範囲で添加することが好ましい。金属キレ
ート化合物の添加量がオルガノアルコキシシランに対し
て0.001モル%未満であると、加水分解の触媒効果
が十分に発現しないおそれがある。金属キレート化合物
の添加量がオルガノアルコキシシランに対して5モル%
を超えると、金属キレート化合物が析出し、塗膜の性質
に悪影響を及ぼすおそれがある。金属キレート化合物
は、加水分解触媒としての作用の他に、縮重合反応を制
御し、反応初期に線状ポリマーを生成させる作用も有
し、塗膜形成に有利にはたらく。
【0011】本発明組成物において、(C)成分として用
いる硬化剤は、構造 M(Che)(OR4)p を有する化合
物又はこれを基本単位とする多核錯体を配合したもので
あることが好ましい。ただし、式中、Mは3価以上の金
属であり、Cheはキレート剤であり、R4は炭素数1
〜4のアルキル基であり、pは2以上である。本発明組
成物において、(C)成分である硬化剤は、コーティング
組成物の塗工の前に(A)成分と(B)成分の混合液に添加
されるものであり、塗膜形成過程において架橋を促進す
る効果を有する。Mで表される3価以上の金属イオンと
しては、例えば、Al3+、Ti4+、Zr4+などを挙げる
ことができる。反応性の官能基OR4としては、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキ
シ基を挙げることができる。pを2以上、すなわち反応
性の官能基OR4の数を2以上とすることにより、硬化
剤が脱水作用によって架橋を促す効果を示すほかに、自
身が架橋剤となる効果が発現する。Cheで表されるキ
レート剤に特に制限はないが、β−ジケトン類を好適に
用いることができる。β−ジケトン類としては、例え
ば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸ジ
エチルなどを挙げることができる。
【0012】本発明組成物において、(C)成分である硬
化剤は、カルボン酸、カルボニル基を有するアルコール
又はエーテル基を有するアルコールであって、沸点20
0℃以下、好ましくは170℃以下の化合物を含有する
ことが好ましい。このような化合物としては、例えば、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、
イソ吉草酸、アクリル酸、イソクロトン酸、メタクリル
酸などのカルボン酸、ジアセトンアルコールなどのβ−
ヒドロキシケトン化合物、エチレングリコールモノアセ
テートなどのカルボニル基を有するアルコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、2−(メトキシメトキシ)エタノー
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルなどのエーテル基を有する
アルコールなどを挙げることができる。これらの化合物
は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以
上を組み合わせて用いることもできる。硬化剤にカルボ
ン酸、カルボニル基を有するアルコール又はエーテル基
を有するアルコールを含有せしめることにより、これら
の化合物が安定剤として作用し、(A)成分、(B)成分及
び(C)成分を含有するコーティング組成物のポットライ
フが長くなり、取り扱いが容易になる。これらの化合物
は、硬化剤成分であるM(Che)(OR4)p のOR4と配
位子交換し、部分キレート金属錯体を生成して硬化剤の
安定性を向上させ、その結果コーティング組成物の安定
性を向上させる。しかし、コーティング組成物の塗工後
は、配位子交換した化合物が遊離するために、塗工後の
硬化促進効果を低下させることはない。これによって、
均一で機械的性質に優れた塗膜を得ることができる。こ
れらの化合物の添加量は、金属M1モルに対して、0.
5モル以上であることが好ましい。塗膜の硬化条件とし
ては、常温〜200℃までの条件を適用することが好ま
しい。
【0013】本発明のコーティング組成物は、(A)成分
と(B)成分の割合が、(A)成分の含有量が固形分換算で
10〜70重量%、(B)成分の割合が固形分換算で90
〜30重量%であることが好ましい。(A)成分と(B)成
分の割合において、(A)成分の含有量が固形分換算で1
0重量%未満であり、(B)成分の割合が固形分換算で9
0重量%を超えると、塗膜の硬度や機械的強度が低下す
るおそれがある。(A)成分の含有量が固形分換算で70
重量%を超え、(B)成分の含有量が固形分換算で30重
量%未満であると、シリカ微粒子のバインダーとなるオ
ルガノポリシロキサンが少なすぎるために塗膜が脆くな
るおそれがある。(A)成分と(B)成分の割合は、(A)成
分の含有量が固形分換算で15〜60重量%であり、
(B)成分の含有量が固形分換算で85〜40重量%であ
ることがより好ましい。本発明組成物は、(C)成分の含
有量が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重量部
に対して1〜40重量部であることが好ましい。(C)成
分の含有量が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100
重量部に対して1重量部未満であると、コーティング後
の硬化が不十分となるおそれがある。(C)成分の含有量
が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重量部に対
して40重量部を超えると、(A)成分と(B)成分と(C)
成分を混合したコーティング組成物のポットライフが短
くなり、作業上不都合が生じるおそれがある。(C)成分
の含有量は、(A)成分と(B)成分の固形分の合計100
重量部に対して2〜25重量部であることがより好まし
い。本発明のコーティング組成物の塗工方法に特に制限
はなく、被塗物の形状や塗工の目的などに応じて、任意
の公知の塗工方法を選択することができる。例えば、ス
プレー法、浸漬法、フロー法、ロール法などを選択する
ことができる。塗膜の厚さは塗工の目的に応じて選択す
ることができるが、通常は1〜50μmとすることが好
ましい。本発明のコーティング組成物は、金属、ガラ
ス、セラミック、コンクリートなどの無機基材や、アク
リル樹脂、ABS樹脂、木材、紙などの有機基材に用い
て基材の表面を保護するとともに、その美観を高めるこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例において、コーテ
ィング組成物及び塗膜の評価は下記の方法により行っ
た。なお、塗膜の評価には、鉛筆引っかき値3H以上の
塗膜を用いた。 (1)鉛筆引っかき値 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
4.2にしたがって評価した。 (2)透水度 セメントボードに塗工した塗膜について、JIS K 5
400 8.16に準じて評価した。 (3)耐酸性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
22に準じ、50℃に保った5w/v%硫酸に15時間浸
漬して評価した。 (4)耐屈曲性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
1に準じ、直径6mmの心棒を用いて評価した。 (5)耐冷熱繰返し性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 9.
3に準じ、120℃×1時間、−10℃×1時間を1サ
イクルとし、4サイクルの試験を行った。 (6)耐水性 ガラス板に塗工した塗膜について、JIS K 5400
8.19に準じ、60℃に保った脱イオン水に7日間浸
漬して評価した。 (7)耐湿性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 9.
2.1に準じ、7日間の試験を行った。 (8)付着性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 8.
5.3にしたがって評価した。 (9)促進耐候性 鋼板に塗工した塗膜について、JIS K 5400 9.
8.1に準じ、500時間の試験を行った。 (10)保存安定性 (A)成分、(B)成分及び(C)成分を所定量混合したコー
ティング組成物300gを容量500mlのガラス容器に
入れ、密封して25℃の恒温室におき、コーティング組
成物が流動性を保持する日数により評価した。
【0015】製造例1(表面疎水化シリカのアルコール
分散液の製造) イソプロピルアルコール分散媒のシリカゾル[日産化学
工業(株)、IPA−ST、固形分30重量%]100重
量部に、メチルトリエトキシシラン[信越化学工業
(株)、LS−1890]10重量部を混合し、25℃で
1日間静置して、シリカ微粒子表面をメチル基で疎水化
した表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液
A−1を得た。この分散液の固形分中のシリカの含有量
は、89重量%である。 製造例2(表面疎水化シリカのアルコール分散液の製
造) イソプロピルアルコール分散媒のシリカゾル[日産化学
工業(株)、IPA−ST、固形分30重量%]100重
量部に、メチルトリエトキシシラン[信越化学工業
(株)、LS−1890]5重量部を混合し、25℃で1
日間静置して、シリカ微粒子表面をメチル基で疎水化し
た表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A
−2を得た。この分散液の固形分中のシリカの含有量
は、94重量%である。 製造例3(表面疎水化シリカのアルコール分散液の製
造) 平均粒径0.1μmのシリカ微粒子100重量部を、1
0重量%メチルトリクロロシラン[信越化学工業(株)、
LS−40]トルエン溶液100重量部に分散し、発生
した塩化水素ガスをアンモニア水で中和した。エバポレ
ーターでトルエンを留去し、乾燥して表面疎水化シリカ
微粒子102重量部を得た。さらに、この微粒子30重
量部を70重量部のイソプロピルアルコールに分散し、
メチル基で疎水化した表面疎水化シリカのイソプロピル
アルコール分散液A−3を得た。この分散液の固形分中
のシリカの含有量は、98重量%である。 製造例4(シリコーンオリゴマー溶液の製造) メチルトリエトキシシラン[信越化学工業(株)、LS−
1890]100重量部に、トリス(アセチルアセトナ
ト)アルミニウム(III)[(株)同仁化学研究所]0.02
重量部を溶解し、さらに蒸留水18重量部を添加して密
閉し、50℃で1日間反応させ、透明なシリコーンオリ
ゴマー溶液B−1を得た。このシリコーンオリゴマー溶
液の固形分は、32重量%である。 製造例5(シリコーンオリゴマー溶液の製造) メチルトリエトキシシラン[信越化学工業(株)、LS−
1890]100重量部とジメチルジエトキシシラン
[信越化学工業(株)、LS−1370]83重量部を混
合し、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム(III)
[(株)同仁化学研究所]0.04重量部を溶解し、さら
に蒸留水30重量部を添加して密閉し、50℃で1日間
反応させ、透明なシリコーンオリゴマー溶液B−2を得
た。このシリコーンオリゴマー溶液の固形分は、37重
量%である。 製造例6(硬化剤の製造) アルミニウムトリ−sec−ブトキシド[関東化学(株)]
100重量部に、アセチルアセトン40.5重量部、酢
酸50重量部及びエタノール200重量部を混合し、硬
化剤C−1を得た。 製造例7(硬化剤の製造) アルミニウムトリ−sec−ブトキシド[関東化学(株)]
100重量部に、アセチルアセトン40.5重量部及び
ジアセトンアルコール240重量部を混合し、硬化剤C
−2を得た。 製造例8(硬化剤の製造) チタンテトラ−n−ブトキシド[関東化学(株)]100
重量部に、アセチルアセトン29.4重量部、酢酸9重
量部及びエチレングリコールモノメチルエーテル170
重量部を混合し、硬化剤C−3を得た。
【0016】実施例1 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
1を20重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を8
0重量部、硬化剤C−1を4重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ8μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値はHであ
り、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛筆引
っかき値は5Hであった。透水度は、10ml/m2・day
以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、7日目までは
流動性に変化なく、8日目にゲル化して流動性が失われ
た。 実施例2 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
1を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を5
0重量部、硬化剤C−1を3重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ8μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は2Hで
あり、さらにこれを室温で1カ月硬化したのちの鉛筆引
っかき値は6Hであった。透水度は、10ml/m2・day
以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、10日目まで
は流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性が失
われた。
【0017】実施例3 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
1を20重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を8
0重量部、硬化剤C−2を4重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ5μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は、4H
であった。透水度は、10ml/m2・day以下であった。
耐酸性試験において、割れ、はがれ、穴、軟化、さびは
認められず、浸漬溶液の着色や濁りがなく、原状試験片
と比べて、つやの変化はなかった。耐屈曲性試験におい
て、割れ、はがれは認められなかった。耐冷熱繰返し性
試験において、割れ、はがれ、膨れ、白化は認められな
かった。耐水性試験において、しわ、膨れ、割れ、はが
れ、つやの変化、くもり、白化、変色は認められなかっ
た。耐湿性試験において、しわ、膨れ、割れ、さび、は
がれ、くもり、白化は認められなかった。付着性試験に
おいて、はがれは全くなかった。促進耐候性試験におい
て、変色、クラックの発生は認められなかった。保存安
定性試験において、5日目までは流動性に変化なく、6
日目にゲル化して流動性が失われた。 実施例4 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
2を20重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を8
0重量部、硬化剤C−2を4重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ6μm
の塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は、4H
であった。透水度は、10ml/m2・day以下であった。
耐酸性試験において、割れ、はがれ、穴、軟化、さびは
認められず、浸漬溶液の着色や濁りがなく、原状試験片
と比べて、つやの変化はなかった。耐屈曲性試験におい
て、割れ、はがれは認められなかった。耐冷熱繰返し性
試験において、割れ、はがれ、膨れ、白化は認められな
かった。耐水性試験において、しわ、膨れ、割れ、はが
れ、つやの変化、くもり、白化、変色は認められなかっ
た。耐湿性試験において、しわ、膨れ、割れ、さび、は
がれ、くもり、白化は認められなかった。付着性試験に
おいて、はがれは全くなかった。促進耐候性試験におい
て、変色、クラックの発生は認められなかった。保存安
定性試験において、5日目までは流動性に変化なく、6
日目にゲル化して流動性が失われた。
【0018】実施例5 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
1を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−2を5
0重量部、硬化剤C−2を5重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ20μ
mの塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が
得られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値はHで
あり、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛筆
引っかき値は3Hであった。透水度は、10ml/m2・da
y以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、10日目まで
は流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性が失
われた。 実施例6 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
2を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を5
0重量部、硬化剤C−3を5重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物を、スプレ
ー法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アル
ミニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード
(厚さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ15μ
mの塗膜を形成した。いずれも光沢がある透明な塗膜が
得られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は2H
であり、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛
筆引っかき値は7Hであった。透水度は、10ml/m2
day以下であった。耐酸性試験において、割れ、はが
れ、穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁
りがなく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかっ
た。耐屈曲性試験において、割れ、はがれは認められな
かった。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、
膨れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、
しわ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白
化、変色は認められなかった。耐湿性試験において、し
わ、膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認めら
れなかった。付着性試験において、はがれは全くなかっ
た。促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は
認められなかった。保存安定性試験において、10日目
までは流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性
が失われた。 実施例7 表面疎水化シリカのイソプロピルアルコール分散液A−
3を50重量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を5
0重量部、硬化剤C−3を5重量部混合して、コーティ
ング組成物を得た。このコーティング組成物をスプレー
法を用いて、鋼板(厚さ0.3mm及び0.8mm)、アルミ
ニウム板、ガラス板(厚さ2mm)、セメントボード(厚
さ8mm)、メタクリル樹脂板に塗工し、厚さ15μmの
塗膜を形成した。いずれも光沢がある半透明の塗膜が得
られた。室温で2日間静置後の鉛筆引っかき値は2Hで
あり、さらにこれを80℃で1時間加熱したのちの鉛筆
引っかき値は7Hであった。透水度は、10ml/m2・da
y以下であった。耐酸性試験において、割れ、はがれ、
穴、軟化、さびは認められず、浸漬溶液の着色や濁りが
なく、原状試験片と比べて、つやの変化はなかった。耐
屈曲性試験において、割れ、はがれは認められなかっ
た。耐冷熱繰返し性試験において、割れ、はがれ、膨
れ、白化は認められなかった。耐水性試験において、し
わ、膨れ、割れ、はがれ、つやの変化、くもり、白化、
変色は認められなかった。耐湿性試験において、しわ、
膨れ、割れ、さび、はがれ、くもり、白化は認められな
かった。付着性試験において、はがれは全くなかった。
促進耐候性試験において、変色、クラックの発生は認め
られなかった。保存安定性試験において、10日目まで
は流動性に変化なく、11日目にゲル化して流動性が失
われた。 比較例1 イソプロピルアルコール分散媒のシリカゾル[日産化学
工業(株)、IPA−ST、固形分30重量%]を40重
量部、シリコーンオリゴマー溶液B−1を60重量部、
硬化剤C−1を3重量部混合して、コーティング組成物
を得た。このコーティング組成物を、スプレー法を用い
て、鋼板(厚さ0.8mm)に塗工した。表面に多くの粒
子が観察され、均一な塗膜が得られなかったので、塗膜
の評価は行わなかった。実施例1〜7及び比較例1の結
果を、第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】第1表に見られるように、本発明のコーテ
ィング組成物は、硬化剤を配合したのちも5〜10日間
は流動性を保ち、コーティングに用いることができるの
で、取り扱いが容易であり、作業性が良好である。得ら
れる塗膜は、すべて光沢があり透明又は半透明なので、
鋼板、アルミニウム板、セメントボード、ガラス板、メ
タクリル樹脂板などに塗工して、美観を保つことができ
る。また、硬度が高く、透水度が小さく、耐酸性、耐屈
曲性、耐冷熱繰返し性、耐水性、耐湿性、付着性、耐候
性などの塗膜物性に優れているので、被塗物を長期にわ
たって保護することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物は、硬化剤
を添加したのちの保存安定性に優れ、スプレーコート工
程でシリカ微粒子の凝集が起こりにくく、金属、木材、
紙、布帛、ガラス、セラミック、コンクリート、合成樹
脂などの表面に塗工して、耐候性、耐水性、耐薬品性、
密着性に優れ、硬度の高い塗膜を形成することができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 河合 秀樹 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内 (72)発明者 岡田 正芳 兵庫県西宮市浜松原町2番21号 山村硝子 株式会社内 Fターム(参考) 4J038 AA001 AA002 FA241 FA242 GA02 GA03 GA15 HA216 HA446 JA19 JA26 JA34 JA37 JA58 JC30 JC31 KA03 KA06 KA15 LA02 NA03 NA04 NA11 NA12 NA23 NA26 PC01 PC02 PC04 PC06 PC08 PC10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分として、表面疎水化シリカがア
    ルコール分散媒中に分散し、かつ固形分中のシリカの含
    有量が80重量%以上であるアルコール分散液、(B)
    成分として、オルガノアルコキシシランと水の反応によ
    り得られる構造単位 R1 nSiOx/2(OH)y(OR2)
    z(ただし、式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基、フ
    ェニル基又はビニル基であり、R2は炭素数1〜3のア
    ルキル基であり、1≦n≦1.7であり、2<x<3で
    あり、y>0、z>0、かつ y+z=4−n−xであ
    る。)を有するシリコーンオリゴマーを含有する溶液及
    び(C)成分として、硬化剤を含有することを特徴とす
    るコーティング組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分と(B)成分の割合が、(A)成分の
    含有量が固形分換算で10〜70重量%、(B)成分の含
    有量が固形分換算で90〜30重量%であり、(C)成分
    の含有量が(A)成分と(B)成分の固形分の合計100重
    量部に対して1〜40重量部である請求項1記載のコー
    ティング組成物。
  3. 【請求項3】表面疎水化シリカが、シリカ微粒子と、構
    造 R3 mSiX4-m(ただし、式中、R3は炭素数1〜3
    のアルキル基、フェニル基又はビニル基であり、mは
    1、2又は3であり、XはCl、OCH3又はOC25
    である。)を有するオルガノアルコキシシラン又はオル
    ガノハロシランの反応により得られるものである請求項
    1記載のコーティング組成物。
  4. 【請求項4】(B)成分のシリコーンオリゴマーが、金属
    キレート化合物を触媒として製造されたものである請求
    項1記載のコーティング組成物。
  5. 【請求項5】金属キレート化合物の配位子が、β−ジケ
    トン類又は大環状ポリエーテルである請求項4記載のコ
    ーティング組成物。
  6. 【請求項6】(C)成分が、構造 M(Che)(OR4)
    p(ただし、式中、Mは3価以上の金属であり、Che
    はキレート剤であり、R4は炭素数1〜4のアルキル基
    であり、pは2以上である。)を有する化合物又はこれ
    を基本単位とする多核錯体を配合したものである請求項
    1記載のコーティング組成物。
  7. 【請求項7】キレート剤が、β−ジケトン類である請求
    項6記載のコーティング組成物。
  8. 【請求項8】(C)成分が、カルボン酸、カルボニル基を
    有するアルコール又はエーテル基を有するアルコールで
    あって、沸点が200℃以下の化合物を含有する請求項
    1記載のコーティング組成物。
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