JP2007111988A - 耐汚染性と加工性に優れた塗装板及びその製造方法 - Google Patents

耐汚染性と加工性に優れた塗装板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐汚染性と加工性が向上した塗装板とその製造方法を提供すること。
【解決手段】基板上に、ケイ素、チタン、ジルコニウム及びホウ素から選ばれる1種以上の半金属元素もしくは金属のアルコキシド及び/又はそのような半金属元素もしくは金属のアルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(I)を主体とする表層被膜と、(I)のアルコキシド及び/又はその部分縮合物と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)を主体とする下層被膜とを有する塗装板で両層の境界部が混層状態であることを必須とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐汚染性に優れた被膜を表層に有する塗装板とその製造方法に関する。本塗装板は、アルコキシドを主体とする表層被膜とその下層のバインダー樹脂が混層状態を形成して優れた耐汚染性と加工性を示す。汚れとしては、雨垂れによる汚染やその他屋外に放置することによるカーボン汚れの付着など、及び屋内での食品等による汚染が考えられ、本発明はそのような汚染に効果がある。
本発明において耐汚染性に優れるとは、耐雨垂れ汚染(空気中の粉塵、カーボン等の付着)、耐食品汚染(カレー、からし、ジュース、タバコ(やに)等の付着)、耐熱油汚染(てんぷら油、食品油等の付着)、などに対して汚染され難いことを意味する。
ここでの「塗装板」は、基板の少なくとも片面に塗膜を形成した板材料として定義され、基板としては、金属、紙、木材、合板等のほか、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)を始めとする樹脂等の材料の板を使用することができる。
特許文献1には、オルガノシラン(式R1 nSi(OR24-nで表される)及びその部分加水分解縮合物の一方又は両方と、特定のシリル基を有するウレタン樹脂との加水分解縮合反応物を基にした水性塗料組成物を塗布することにより、基材密着性、耐熱水性、耐アルカリ性、耐候性、耐汚染性等に優れた塗膜を形成することが開示されている。従来の塗料組成物の多くは有機溶剤系塗料であり環境上問題であったが、特許文献1の塗料は水性有機無機複合樹脂塗料である。
特許文献2には、雨筋よごれの発生を防止するために水中でのオクタン接触角が102度以上である塗膜が記載されている。この塗膜は、(A)1〜3官能加水分解性シラン化合物の加水分解物、ケイ酸アルカリ塩又はコロイダルシリカであるケイ素化合物、(B)合成樹脂造膜成分、を含む表面処理剤の塗布により形成される。特許文献2の処理剤は、雨水による斑点汚れが発生し易い疎水性合成樹脂塗膜の表面に適用するのに好適である。
特許文献3には、耐候性、耐水性、耐化学性、耐汚染性、耐傷付性に優れた塗膜を形成する上塗り塗料組成物が開示されている。この塗料組成物は、水酸基と反応できる官能基を有する硬化剤成分、環式化合物と水酸基の反応により得られ、末端に水酸基を有する樹脂成分、及びケイ素原子に直結した加水分解性アルコキシ基又はアリールオキシ基を有する化合物を含有する。
特許文献4には、水の動的後退張力(Tr)が47dyn/cm以上である耐雨垂れ汚染性を有する外板塗膜が開示されている。この文献記載の塗膜は、アルコキシリル基を有する有機ポリマー及び有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物のうちの少なくとも1つと、フィルム形成性樹脂とを含む。
特許文献5には、水の動的後退張力(Tr)が55dyn/cm以上である耐雨垂れ汚染性を有する外板塗膜が記載されている。この塗膜は、シラノール基とメトキシシリル基のモル比を規定したテトラメトキシシランの部分加水分解縮合物、フィルム形成性樹脂、及び粒径10〜100nmのオルガノシリカゾルを含む。
特許文献6には、アルコキシシランの加水分解物とポリエステル樹脂とを含む液状配合物を金属表面に塗布し、乾燥することにより、耐候性、耐酸性、耐汚染性、耐擦傷性に優れた金属表面を得るコーティング方法が記載されている。
特許文献1〜6に記載されている塗料はいずれも、耐汚染性の改善を狙ったもので、塗膜表面にある親水性のシラノール(SiOH)基の作用を利用して、表面に付着した汚染物質を雨水で洗い流すものである。特許文献1〜6における塗料は、いずれも造膜用樹脂(ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等)を含有している。
オルガノシラン等の有機金属系塗料を用いずに、食品等による汚染に対処する鋼板用塗料としては、例えば、特許文献7にポリエステル樹脂をイソシアネート系架橋剤で架橋させる塗料が記載され、特許文献8には、平均官能基数2.1〜2.6、数平均分子量8000〜22000、ガラス転移温度0〜30℃のポリエステル樹脂、メチル化メチロールメラミン樹脂、ブチル化メチロールメラミン樹脂、酸触媒、及びアミン化合物を必須成分とする塗装金属板用塗料組成物が記載されている。
特開2003−147266号公報 特開平7−109435号公報 特開2002−146295号公報 特開平10−130581号公報 特開平11−124518号公報 特開平7−68217号公報 特開昭63−301217号公報 特開平8−100150号公報
従来の耐汚染性塗料は、特許文献1〜6に記載されたように、有機シリケート化合物などの金属元素アルコキシド(ケイ素は一般に半金属に分類される元素であるが、ここでの説明においては、厳密を期して特に断らず単に「金属」という場合、それはケイ素を包含するものとする)を、造膜用バインダー(ポリエステル樹脂など)と混合して基板上に成膜するのが一般的である。
このような造膜用バインダーを用いた耐汚染性塗料の問題点を以下に記す。
従来技術の耐汚染性塗料では、親水性を発現する有機金属化合物の加水分解物(シラノール等)が造膜用樹脂バインダー中に混合・埋没されてしまうために、良好な耐汚染性が得られない。
アルコキシシリル基を硬化反応基とする無機系バインダーを用いて、SiOR基の加水分解・縮合反応によりSi−O−Si又はSi−O−C結合を生成させることによって硬化塗膜を形成する場合には、加水分解を受けて親水性のSiOH基を形成するSiOR基を塗膜中に残存させることが重要である。しかし、従来の塗料では、得られる塗膜の硬度を高めるために熱硬化を進めると、SiOR基が硬化反応で消費されるため、塗膜表面に充分な量のSiOR基が残留せず、加水分解反応によって得られる親水性のSiOH基の量が不充分となり、結果的に塗膜の親水性が保たれず、良好な耐汚染性を実現することができなかった。
他方、塗膜表面の親水性を保つために、あえてSiOR基を塗膜中に残留させると、所望の塗膜硬度が得られないばかりか、塗膜内部でSiOR基の加水分解・縮合反応が経時的に起こり、その結果、塗膜クラックなどの欠陥が発生していた。
また金属アルコキシド(有機シリケート)化合物をバインダー樹脂へ固定し、加水分解を促進させる目的で、各種触媒を樹脂中に添加する事が行われているが、このような触媒を含む塗料は空気中で吸湿して硬化が始まるので、貯蔵安定性が極めて悪く、塗装作業性が悪化するという問題がある。
オルガノシラン等の有機金属系塗料を用いずに、使用する有機樹脂の改良、架橋剤配合の工夫により食品汚染に対処する特許文献7、8に記載された塗料も、益々厳しくなる需要家の要求を満たすには性能が十分ではない。
また高価なフッ素系樹脂の使用も考えられるが、経済的に不利であるとともに、フッ素系樹脂は親油性を示すため、油汚れに対して弱いという問題がある。
本発明は、上述の従来技術の諸問題を解決して、耐汚染性と加工性が向上した塗装板とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)基板上に、ケイ素、チタン、ジルコニウム及びホウ素から選ばれる1種以上の半金属元素もしくは金属のアルコキシド及び/又は当該アルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(I)を主体とする表層被膜と、前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)を主体とする下層被膜とを有し、両層が混層していることを特徴とする耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
(2)混層により下層被膜が表層被膜と置換されて被膜表面に露出した部分の面積を除く表層の露出率が70〜100%であることを特徴とする、上記(1)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
(3)前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂及びウレタン樹脂から選ばれる1種以上であることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
(4)前記バインダー樹脂(II)の前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基がメチロール基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びアルコキシル基から選ばれる1種以上であることを特徴とする、上記(3)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
(5)混層した表層と下層の合計被膜厚みが0.6〜35μmであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
(6)ケイ素、チタン、ジルコニウム及びホウ素から選ばれる1種以上の半金属元素もしくは金属のアルコキシド及び/又は当該アルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(I)を主体とする表層被膜用の塗料と、前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)を主体とする下層被膜用の塗料を、基板上に塗布し、2つの塗料を同時に乾燥焼付けすることを特徴とする、上記(1)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
(7)表層塗料の粘度が下層塗料の粘度と同じかそれより大きく、および/または表層塗料の表面張力と下層塗料の表面張力の差が5×10-3N/m以下であることを特徴とする、上記(6)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
(8)表層被膜用の塗料と下層被膜用の塗料を複層カーテン法により基板に同時に塗布することを特徴とする、上記(6)または(7)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
(9)表層被膜用の塗料と下層被膜用の塗料を、スライドコーターを使用する複層カーテン法により基板に同時に塗布することを特徴とする、上記(8)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
(10)表層被膜の半金属元素もしくは金属のアルコキシド成分と触媒成分をスライドカーテンコーター上で混合させることを特徴とする、上記(9)に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
本発明の塗装板においては、ケイ素、ホウ素等の半金属元素もしくはチタン、ジルコニウム等の金属のアルコキシド及び/又はそのような半金属元素もしくは金属のアルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(A)を主体とし、バインダー樹脂を含まないか、含むにしてもその量が少ない表層被膜が優れた耐汚染性を発現し、それに加えて、半金族又は金属アルコキシドの部分重縮合物自体の耐候性が良好なため、耐候性が向上するという付随効果も得られる。また、バインダー樹脂を主体とする下層被膜が表層被膜の密着性を確保する機能を果たす。更に本発明の塗装板では、表層のアルコキシドと下層のバインダー樹脂が混層状態にあることから、表層と下層被膜の間の密着性がさらに向上し、優れた加工性を発揮する。そして、これらの相乗効果として、本発明の塗装板は優れた耐汚染性を長期にわたり持続することができる。
本発明の塗装板製造方法では、表層被膜用塗料と下層被膜用塗料の機能を分離し、双方をウェット状態で基板上に塗布して、同時に乾燥焼付けするようにしていることから、表層被膜と下層被膜のそれぞれの機能を損なうことなしに混層状態を形成しているため、長期にわたり優れた耐汚染性を発揮する塗装板を得ることができる。特に、スライドコーターを使用するような多層同時被覆を利用することができ、それにより2つの被膜用塗料を塗布の直前まで別々に保管できるため、塗料の保管が容易となり、塗布作業の効率が向上する。従来の耐汚染性塗装板を得るための塗装作業においては、有機シリケート等の金属アルコキシドと加水分解促進触媒(酢酸や塩酸等の酸や、アミン類、アルカリ金属の水酸化物等の塩基等)とバインダー樹脂を事前に1液に配合していたため、塗料の安定性が悪く、また経時劣化を起した塗料は廃棄されていた。
本発明の塗装板は、基板上に、表層被膜と下層被膜の混層構造の塗膜を有し、表層被膜は、ケイ素、ホウ素等の半金属元素もしくはチタン、ジルコニウム等の金属のアルコキシド及び/又はそのような半金属元素もしくは金属のアルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(A)を主体とし、下層被膜はアルコキシド及び/又はその部分重縮合物(A)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(B)を主体とする。
本発明における混層構造とは、表層と下層の境界が平坦ではなく入り乱れた状態を言い、境界が平坦である複層構造に対峙する概念である。
また本発明の混層構造には、層厚が薄い層が部分的に分離し、層厚の厚い層に島状に分散した状態をも包含することにした。混層構造の詳細は後述する。
<基板>
本発明に用いられる基板は特に限定されず、金属板、紙、木材、合板等のほか、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂板等を使用することができる。
金属板としては、例えば鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、チタン板、銅板等が挙げられる。このうち鋼板の例として、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、クロムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、錫めっき鋼板等が挙げられる。
金属板には、必要に応じて前処理を施すことができる。前処理としては、水洗、湯洗、酸洗、アルカリ脱脂、研削、研磨、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、複合酸化皮膜処理その他のノンクロメート型の処理等がある。これらを単独又は組み合わせて塗装前処理を行うことができる。塗装前処理の条件は適宜選択すればよい。
<表層被膜>
本発明の塗装板における表層被膜は、半金属元素又は金属のアルコキシドとそのような半金属元素又は金属のアルコキシドの加水分解により得られる部分重縮合物の一方あるいは両方を主体とする塗料から形成される。すなわち、この塗料は、半金属元素又は金属のアルコキシド及びその部分重縮合物の一方あるいは両方を必須成分とし、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
半金属元素又は金属のアルコキシドは、一般式M(OR)nで表され、この式のMはケイ素、ホウ素等の半金属又はチタン、ジルコニウム等の金属を表し、Rは一般的にはアルキル基を表す。好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等である。nは金属元素や半金属元素の価数によって変化し、特に限定されるものではないが、2〜5程度のものが多い。また、OR基の一部が、フェニル基などの他の基や、Fなどの元素で置き換えられた化合物も使用、併用することができる。
金属のアルコキシドとしては、有機チタネート、有機ジルコネートが好適であり、半金属元素のアルコキシドとしては有機シリケート、有機ボレートが好適であるが、どちらもこれらに限定されない。代表的な半金属元素のアルコキシドの例としては、シリコンテトラメトキシド、シリコンテトラエトキシド、シリコンテトラ−n−プロキシド、シリコンテトラ−sec−ブトキシド、ホウ素トリメトキシド、ホウ素トリエトキシド、ホウ素トリ−n−プロポキシド、ホウ素トリ−iso−ブトキシド、等を挙げることができる。代表的な金属アルコキシドの例は、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−iso−プロポキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウム−n−ブトキシド、等である。
単独のアルコキシド又はその部分重縮合物を使用してもよく、アルコキシド又はその部分重縮合物を混合して使用してもよい。
上記以外の半金属元素又は金属のアルコキシドの使用も可能であり、例えば有機ボレートなどは上述のアルコキシドの架橋剤として使用することができる。また耐熱性を向上するためにフェニルトリエトキシシランなどアルコキシ基の一部をフェニル基に置換したようなものを加えることもできる。また、フルオロトリエトキシシランなど、アルコキシ基の一部を他の元素に置き換えたものも使用できる。
特に、有機ジルコネートは耐アルカリ性に優れるため、アルカリ性の汚染物に対して有効に作用する。有機ジルコネートは、耐汚染性を発現する塗料において今までほとんど利用されていない。その理由は、バインダー塗料中に配合した場合、塗膜表面に浮かないため、充分な親水性を発揮できなかったためと思われる。本発明では、バインダー樹脂を含む下層被膜の上に、バインダー樹脂を含まず、含むとしても従来よりもバインダー樹脂含有量の少ない、有機ジルコネート又はその部分重縮合物を有する表層塗膜が位置するため、従来のこの問題は解決する。また本発明では前記表層と下層は境界面が入り乱れた混層状態を示し、平坦な複層状態と比較するとその境界面が広くなっているため、両層の密着性が非常に強化されている。
本発明で使用する表層被膜用の塗料は、次の機構により表層被膜を形成する。
成膜の基本的な反応は、M(OR)n+n/2H2O→MOn/2+nROHで表される。
水の存在下でアルコキシドが加水分解されてM−OHが生成し、これが重合することでMOn/2が形成されて、これが連続した皮膜を形成する。実際には、反応の条件によって複雑な挙動を示す。下層にM−OHと反応する官能基が含まれる場合には、この成膜の過程でこのM−OHとその官能基との反応が起こり、下層と表層とがより強固に密着し、耐久性が向上する。
表層被膜用の塗料には、製膜性の向上や、塗布作業性(例えばカーテン塗布時の塗装カーテンの安定性)を向上させる目的で、固形分として少量のバインダー成分(A1)を添加してもよい。バインダーとして使用するのに好適な材料の例を挙げると、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、等である。
表層被膜用塗料には、加水分解促進触媒(A2)として、各種アミン、アルカリ金属水酸化物等の塩基性物質を添加してもよい。加水分解促進触媒の添加量は、その触媒の種類、アルコキシド成分の含有量によって適宜選択すればよいが、一般的には塗料の固形分に対して0.05〜5質量%の範囲内が好適である。0.05質量%未満では触媒作用の発現に不足し、5質量%を超えると加水分解反応が急速となったり、皮膜としての性能、特に耐汚染性が低下することがあるので好ましくない。
表層被膜用塗料には、更に、アルコキシシリル基の加水分解縮合反応を促進する触媒(A3)を配合してもよい。この触媒(A3)としては特に限定されず、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート等を挙げることができる。触媒(A3)の添加量は、得られる塗料組成物中、0.1〜10質量%が好ましい。0.1質量%未満であると、触媒の添加の効果を得ることができず、10質量%を超えると、加水分解縮合反応が早く起こりすぎて好ましくない。より好ましくは、1〜5質量%である。
表層被膜用塗料には、有機溶剤(A4)を添加していてもよい。有機溶剤(A4)としては、貯蔵中のSiOR基の分解に配慮し、アルコール系有機溶剤あるいはグリコール誘導体などを使用するのが好ましい。2種以上の溶剤の混合物の使用も可能である。アルコール系有機溶剤として、例えば、ブタノール、オクタノール、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。グリコール誘導体としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
<下層被膜>
本発明の塗装板における下層被膜は、表層被膜の塗料の必須成分(I)の半金属元素又は金属のアルコキシド、その部分重縮合物、又はその両方と反応することができる官能基を持つバインダー樹脂(II)を主体とする塗料から形成される。すなわち、この下層被膜用塗料は、そのような官能基を持つバインダー樹脂を必須成分とし、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
バインダー樹脂としては、ポリエステル、アクリル、フッ素、ウレタン樹脂等が好適である。2種以上のバインダー樹脂の混合物を使用することもできる。このバインダー樹脂は、(I)のアルコキシド、その部分重縮合物、又はその両方と反応することができる官能基として、メチロール基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシル基から選ばれる1種又は2種以上を含有する。
下層被膜用の塗料には、必要に応じて、微粒子状の充填剤、顔料、その他の添加剤を添加してもよく、有機溶剤を添加してもよい。
微粒子状の充填剤としては、例えば、SiO2、TiO2、Al23、Cr23、ZrO2、Al23・SiO2、3Al23・2SiO2、ケイ酸ジルコニア等の微粒子を使用することができる。顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、各種焼成顔料、シアニンブルー、シアニングレー等の着色顔料や、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム等の体質顔料を使用することができる。このほかに、例えば、アルミニウム粉等の金属粉、シリカ、アルミナ等の艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、たれ防止剤、表面調整剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、ワックス等の、通常の塗料において用いられる添加剤を使用することができる。同様に、有機溶剤も、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトンなどの、通常の塗料において用いられる一般的な溶剤を使用することができる。
<被膜の構成>
これまでの説明から明らかなように、本発明の塗装板においては、表層に半金属元素又は金属のアルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物を主体とし、SiOR基、TiOR基、ZrOR基などの親水性基を含有する塗料から形成した被膜を設ける。この表層被膜へのバインダー樹脂の配合は最小限に留め、半金属元素又は金属のアルコキシドの種類や、製品の要求性能レベルに応じて、バインダー樹脂の配合がない場合もあり得る。このため表層被膜の半金属元素又は金属のアルコキシドの反応生成物が高濃度になるので、混層により表層皮膜が部分的に島状に分散されても所望の耐汚染性を維持できる。
表層被膜の下層には、表層被膜の塗料の半金属元素又は金属のアルコキシドあるいはその部分重縮合物と反応する官能基を含むバインダー樹脂を主体とした塗料から形成した被膜を設ける。下層被膜用塗料のバインダー樹脂の反応性官能基は、表層被膜用塗料の半金属元素又は金属のアルコキシドあるいはその部分重縮合物と反応して、表層被膜との強固な結合を維持する。この反応は、表層及び下層用塗料を同時に加熱乾燥することにより促進されて、更に強固な結合を形成する。従って、表層被膜用の塗料と下層被膜用の塗料は同時に加熱乾燥させるのが有利である。特に本発明では表層被膜と下層被膜の境界領域の境界面が入り乱れた混層状態を示すことを特徴とし、これによっていっそう強固な結合が達成される。
半金属元素又は金属のアルコキシドあるいはその部分重縮合物を主体とした塗料から形成される表層の硬化被膜は、薄膜であっても優れた親水性を示し、上述の通り塗膜表面への表層の露出面積率を70%まで低下させても所望の耐汚染性を維持できる。表層被膜の構成成分との反応性を備えた塗料から形成される下層被膜は、表層被膜との密着性に優れるため、表層の支持層としての役割を果たす。
混層した表層と下層の合計被膜(乾燥)厚みは0.6〜35μmが最適である。0.6μmよりも薄い場合には耐汚染性が充分確保できず、35μmよりも厚い場合には経済性に劣り、加工性も低下する場合がある。
塗膜表面へ表層被膜を70%以上の面積で露出させるためには、混層の程度にもよるが、表層の平均膜厚を少なくとも0.1μm程度確保する必要がある。
<膜厚の測定方法>
平均膜厚の測定には、公知の方法のいずれを用いてもよいが、簡便には、蛍光X線を用いて、膜厚を測定したいサンプルに含まれる半金属元素又は金属元素の強度を測定し、あらかじめ作成した検量線から、平均の膜厚を求めることができる。検量線は、あらかじめ重量法で測定した膜厚から求めることができる。蛍光X線法を用いずに、はじめから重量法で測定することも可能である。
下層被膜の厚みは、加工性、耐食性、着色性などの性能から適宜決めればよいが、一般的に好適な膜厚は0.5〜30μmである。0.5μmよりも薄いと耐食性に劣り、30μmよりも厚いと経済性に劣るとともに、加工性が低下する場合がある。
本発明の塗装板においては、バインダー樹脂を含まないか含んだとしてもその含有量が少ない表層被膜が耐汚染性の機能を果たし、バインダー樹脂を主体とする下層被膜が表層被膜の密着性を確保する機能を果たす。これらに加えて、表層被膜には意匠性(被膜の着色による)、耐候性、加工成形性などの機能を付与し、下層被膜にも、意匠性(着色等による)、加工成形性、耐候性、耐食性などの機能を付与することが可能であり、これらの機能の付加により更に高機能の塗装板を得ることができる。また本発明の被膜は層間の境界部が混層状態であるため、混層の程度に応じて独特の意匠性を有している。特に表層被膜の塗膜表面への露出率が100%未満の場合には顕著である。
<混層構造の定義>
本発明における混層構造とは、表層と下層の境界面が平坦ではなく波状の凹凸を有する事を第一の条件とする。凹凸の程度は膜厚にもよるが、その断面を400倍のSEM(走査型電子顕微鏡)像で観察した場合に凹凸が認識され、更にその境界面の高低差(A)が表層と下層との合計平均膜厚(B)の1/4以上である場合を混層構造と定義する。一方で,上記の判断基準を適用した場合、表層の平均膜厚に対して下層の平均膜厚が厚いケースでは、現実的には発明者等が意図している混層状態であるにもかかわらず混層状態でないと判断される可能性がある。すなわち,表層の平均膜厚(C)が表層と下層の合計平均膜厚(B)の1/4以下であるときには、上記の基準は適用せず、凹凸の高低差(A)が表層の平均膜厚(C)以上であれば混層構造にあると定義する。
表層と下層の境界面が上記の如く顕著な凹凸を示していれば、境界面が連続性を維持していても本発明では混層であると定義する。勿論前記境界面の一部に不連続な部分が形成され部分的に表層若しくは下層の何れかの樹脂のみで塗膜が形成された個所が存在する場合(第二の条件)においても凹凸が顕著であれば混層構造であると定義する。
第一の条件と第二の条件はどちらか一方若しくは両方が満たされた(境界面が連続である部分と非連続である部分が混在する状態)場合に、その塗膜は混層構造を示していると見なす。
<混層構造の判定方法>
図1〜5を参照する。これらの図において、1は下層、2は表層、(A)は表層の厚みが最も厚い位置と最も薄い位置(図5の如く境界が連続でない場合は不連続線、すなわち、下層の最上の線上とする)間の距離、(B)は表層と下層の合計平均膜厚、(C)は表層の平均膜厚である。
1)製品の任意の部分で塗膜の断面試料を10個採取する。
2)各断面試料を400倍のSEM(走査型電子顕微鏡)像で観察して、長さ500μmの測定用サンプルを3箇所、任意に選択する。
3)測定用サンプル毎に表層と下層の境界面を観察し、表層の厚みが最も厚い位置と最も薄い位置間の距離(A)を測定する。境界面が連続でない場合は、境界面を基準として表層が最も入り込んでいる位置まで距離(A)を測定する。
4)距離(A)が表層と下層の合計平均膜厚(B)に対して以下の関係を満たす場合に、混層構造にあると判定する。
C>1/4Bの場合: A/B≧1/4
C≦1/4Bの場合: A≧C
5)各測定用サンプル(3箇所)に混層構造にあるかどうかを判断し、更に他の断面試料(10試料)についても同様の検査を行う。
6)3箇所×10試料=30サンプルを検査して、混層構造に在ると判断されたサンプル数が20を超えた場合に、その製品は混層構造を有すると判断する。
混層構造を形成させるには表層に用いる塗料を高粘度とし、下層に用いる塗料を低粘度とするか、または表層塗料の表面張力を下層塗料のそれより大きくし,あるいは下層塗料の表面張力が大きい場合であってもその差を小さくするなどの方法を採用できる。
<塗装方法>
上述の通り、表層被膜用及び下層被膜用の塗料は同時に加熱乾燥させることによって、その境界部に混層状態を形成する。そのためには複数の被膜用塗料の塗膜をともにウェット状態で形成する必要がある。このようなともにウェット状態の複数の塗膜を形成できる限り、どのような塗布方法を用いてもよいが、例えば、スライドコーター、スロットダイ、押し出しダイ等を用いる複層カーテンによる塗布が好適である。このほかに、ウエットオンウェットで塗布する方法を利用することもできる。表層被覆用の塗料あるいは下層被覆用の塗料はそれぞれ1種類である必要はない。たとえば、下層被覆用塗料の皮膜の上に最表層被覆用塗料との密着性を向上するために、もう一種の表層被覆用塗料によって皮膜を形成してもよい。
カーテン塗布の場合、半金属元素又は金属アルコキシドあるいはその部分重縮合物を主体とする表層被膜用塗料の薄膜を単層カーテンで塗布することは、安定した薄膜が形成できないため困難である。ところが、バインダー樹脂を主とする下層被膜用塗料の薄膜と同時に複層カーテンで塗布すると、表層被膜用塗料の膜が薄くなっても安定して塗布できるというメリットがある。
多層同時塗布法を利用する場合には、ウエット状態の層の境界部分で層混合させる方法を採用する。
本発明は、上下層が混層していることを特徴としているが、混層の実現は、表層に用いる塗料を高粘度とし、下層に用いる塗料を低粘度とするか、または表層塗料の表面張力を下層塗料のそれより大きくするか,あるいは下層塗料の表面張力が大きい場合であってもその差を小さくすることで可能である.特に好適な方法として,表層の塗料の粘度を下層の塗料の粘度と同じかそれより高くし、好ましくはその差を50mPa・s以上とし、および/または上下層の表面張力(界面張力)の差を5×10−3N/m以下、より好ましくは3×10−3N/m以下にすることで実現できる。表層の塗料の粘度が下層の塗料の粘度より小さいと、上下層間で所望の混層が起こり難くなる。上下層の表面張力(界面張力)の差が1.0×10−2N/mより大きいときも、上下層間で所望の混層が起こり難くなる。また混層またはその程度は、コーティングの方法と条件および下記に示す加熱乾燥条件によっても変化することがある。
<加熱乾燥>
表層被膜用の塗膜層と下層被膜用の塗膜層を同時に加熱乾燥する方法は、特に限定されず、例えば熱風、誘導加熱などを利用することができ、複数の方法を併用してもよい。放射線硬化型の塗膜層の場合、放射線照射を併用することも可能である。生産性の観点から、強制加熱乾燥による焼付けほど好ましくはないが、塗膜層を自然乾燥させてもよい。
加熱による場合、基板温度を40〜250℃まで上げるのが一般的である。バインダー樹脂成分として耐熱性のものを使用した場合には、更に高い温度に加熱してもよい。とは言え、半金属元素又は金属アルコキシド成分がセラミック化すると加水分解されにくくなるので、加熱温度は350℃以下であることが好ましい。
<追加被膜>
必要に応じて、別の塗料を金属板上に塗布し、硬化乾燥させることにより追加被膜を、例えば耐食性向上のための下塗り層、密着性向上のための下地処理層として、形成した後に、本発明の下層被膜と表層被膜を形成してもよい。追加被膜用の塗料としては、種類は特に限定されないが、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系等を挙げることができる。選択した塗料をロールコーター、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、静電塗装機、ハケ、ブレードコーター、ダイコーター等で必要な膜厚になるように塗装し、次いで常温放置であるいは熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉、遠赤外線炉又はエネルギー線硬化炉等で硬化乾燥することによって追加被膜層が得られる。
追加被膜層には、必要に応じて公知の顔料や添加剤を加えることができる。膜厚は任意であるが、塗装金属板においては1〜30μm程度、特に3〜12μmの乾燥膜厚が一般的である。乾燥条件は塗料の種類と得たい性能に応じて適宜選択すればよいが、熱風炉や誘導加熱炉、近赤外線炉等で最高到達板温150〜240℃、到達時間10〜200秒程度の条件が一般的である。追加塗膜層はなくてもよいし、1層であっても、多層であっても差し支えない。
次に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
亜鉛付着量60g/m2(片面当たり)の溶融亜鉛めっき鋼板にE300N(日本パーカライジング社製)を使って標準条件でノンクロメート下地処理を施し、その上にプライマーPDN1(日本ペイント社製ポリエステル樹脂系プライマー塗料)を乾燥膜厚5μmとなるように塗装し、標準条件で焼き付けて、基板を作製した。
この基板上に、スライドコーターを用いて、下記の下層被膜用塗料A−1〜A−3を表1に示した乾燥膜厚となるように、そして表層皮膜用塗料として下記の塗料B−1〜B−4を同じく表1に示した乾燥膜厚となるように塗布した。塗布後、最高到達板温が240℃となる条件で熱風乾燥炉を使用して焼き付けた。
・塗料A−1: FLC7000(日本ペイント社製ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂系塗料、架橋剤としてメチロール基含有メラミン樹脂を含む。ベージュ色)を溶剤で希釈し,表面調整剤及びレオロジー付与剤を添加したもの(表面張力25〜30×10-3 N/m,粘度50〜100mPa・s)
・塗料A−2: FLC1520(日本ペイント社製ブロック化イソシアネート基含有ポリエステル樹脂系塗料)を溶剤で希釈し,表面調整剤及びレオロジー付与剤を添加したもの(表面張力25〜30×10-3 N/m,粘度50〜100mPa・s)
・塗料A−3: WS4000(三井武田ケミカル社製シラノール基含有ウレタン樹脂)にコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスN)を固形分質量比で100/20添加した塗料)に表面調整剤を添加したもの(表面張力50〜60×10-3 N/m,粘度15〜20mPa・s)
・塗料B−1: テトラエトキシシラン/ジメチルメトキシシラン/テトラメトキシジルコニウム=50/40/10(モル比)の重縮合物(アルコール溶媒;重量平均分子量4000)(表面張力25〜30×10-3 N/m,粘度150〜200mPa・s)
・塗料B−2: テトラエトキシシラン/エチルトリエトキシシラン=30/70(モル比)の重縮合物(水−アルコール混合溶媒;重量平均分子量5000)(表面張力50〜55×10-3 N/m,粘度50〜100mPa・s)
・塗料B−3: テトラエトキシシラン/ジメチルメトキシシラン=80/20(モル比)の重縮合物(アルコール溶媒;重量平均分子量4500)(表面張力25〜30×10-3 N/m,粘度100〜150mPa・s)
・塗料B−4: テトラメトキシシランの重縮合物(アルコール溶媒;重量平均分子量3000)(表面張力25〜30×10-3 N/m,粘度100〜150mPa・s)
比較例として、上記の基板上に、次の塗料C−1、C−2を単独で乾燥膜厚18μmとなるように,またD−1〜D−3及びE−1〜E−3を表1に示した組み合わせでそれぞれ塗布して塗装被膜を形成した。
・塗料C−1: 100質量部のFLC7000にテトラメトキシシランの重縮合物(重量平均分子量2200)を10質量部添加
・塗料C−2: FLC7000をそのまま使用
・塗料D−1: FLC7000(日本ペイント社製ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂系塗料、架橋剤としてメチロール基含有メラミン樹脂を含む。ベージュ色)(表面張力30〜35×10-3 N/m,粘度350〜500mPa・s)
・塗料D−2: FLC1520(日本ペイント社製ブロック化イソシアネート基含有ポリエステル樹脂系塗料)(表面張力30〜35×10-3 N/m,粘度350〜500mPa・s)
・塗料D−3: WS4000(三井武田ケミカル社製シラノール基含有ウレタン樹脂)にコロイダルシリカ(日産化学社製スノーテックスN)を固形分質量比で100/20添加した塗料)(表面張力60〜80×10-3 N/m,粘度15〜20mPa・s)
・塗料E−1: テトラエトキシシラン/ジメチルメトキシシラン/テトラメトキシジルコニウム=50/40/10(モル比)の重縮合物(重量平均分子量1500)(表面張力20〜25×10-3 N/m,粘度20〜100mPa・s)
・塗料E−2: テトラエトキシシラン/ジメチルメトキシシラン=80/20(モル比)の重縮合物(重量平均分子量2000)(表面張力20〜25×10-3 N/m,粘度20〜100mPa・s)
・塗料E−3: テトラメトキシシランの重縮合物(重量平均分子量2200)(表面張力20〜25×10-3 N/m,粘度20〜100mPa・s)
<混層の確認>
先に図1〜5を参照して説明した方法で混層の有無を確認した。
<表層露出面積率>
表層露出面積率は塗膜外面に露出している表層の割合を示す。混層が進むと下層のバインダー樹脂が塗膜外面に浮上して表層樹脂が均一に分布しない状態が発生する。
本発明では表層に高濃度の金属アルコキシド(有機シリケート)化合物を含有しているため表層の露出面積率を70%まで低下させても充分な耐汚染性を示す。
露出面積率は以下に示す方法によって測定可能である。
<露出面積率の測定方法>
図6を参照する。図6において、1は下層、2は表層、Xnは表層が露出している部分の長さ、Yはサンプル長(500μm)である。
1)製品の任意の部分で塗膜の断面試料を10個採取する。
2)各断面試料を400倍のSEM(走査型電子顕微鏡)像で観察して、長さ500μm(図6のYに相当)の測定用サンプルを3箇所、任意に選択する。
3)測定用サンプル毎に表層と下層の境界面を観察し、表層が露出している部分の長さ(図6のXi)を測定する。
4)サンプル長(Y)に対する表層の露出部分の長さ(Xi)の合計を比較し、下記式により露出面積率を算出する。
Figure 2007111988
5)各測定用サンプル(3箇所)の露出面積率を平均して平均露出面積率を算出する。更に他の断面試料(10試料)についても同様の検査を行う。
6)10試料の平均露出面積率を更に平均して、最終の露出面積率とする。
また,表層皮膜にジルコニウムを含んでいる場合,EPMAを使用してより簡便に露出面積率を算出することができる。すなわち,
1)製品の任意の部分で試料を10個採取する。
2)EPMA(電子線分析装置)が付属したSEM(走査型電子顕微鏡)を使用して,上記の試料を400倍の像で観察して、500μm×500μmの測定用サンプルを3箇所、任意に選択する。
3)測定用サンプル毎に,上記領域内においてジルコニウムのEPMAスペクトルが検出される領域の面積(Z)を測定する。
4)下記の式により,露出面積率を測定する。
露出面積率=Z/(500μm)2×100
この測定にあたっては,例えばCMAのようなコンピュータによる画像処理装置が付属している装置を使用することで,より簡便に測定することができる。
<耐雨垂れ汚染性>
耐雨垂れ汚染性を次のように調べた。製造したプレコート鋼板を幅110mm長さ245mmに切断し、長さ方向が垂直になるように配置して長さ方向の上から100mmのところで評価面が上になるように折り曲げ(曲げRは10mm)、長さ方向の下部が垂直となるように屋外暴露用の架台に設置した。そのまま6ヶ月間暴露試験を行い、垂直面の雨だれのつき方を目視観察し、次の基準により評価した。
◎: 雨だれの筋なし
○: 雨だれの筋わずか
△: 雨だれの筋が明確に認識できる
×: 雨だれの筋が20mはなれた場所からも認識できる
<耐からし汚染性>
耐からし汚染性の評価は次のように行った。製造したプレコート鋼板を50mm角に切断し、評価面の約30mmΦの面積にエスビー食品社の和風ねりからしを塗りつけ、20℃で24時間放置した。放置後、水洗いし、からし塗りつけ部分の色を測定して、試験前との色差(△E)を求め、下記の基準で評価した。
◎: △E≦1.0
○: 1.0<△E≦2.0
△: 2.0<△E≦3.0
×: △E>3.0
<耐マジックインキ(登録商標)汚染性>
耐マジックインキ(登録商標)汚染性の評価は次のように行った。製造したプレコート鋼板を50mm角に切断し、評価面に赤色のマジックインキ(登録商標)で3本の線を描き、20℃の雰囲気中に24時間放置後、線をエタノールで拭き取った。インキの色残りを目視で判定し、下記の基準で評価した。
◎: 跡残りなし
○: わずかに色残り
△: 色残りあり
×: ほとんど消えない
<加工性>
加工性の評価を次のように行った。製造したプレコート鋼板を、評価面が表側になるように折り曲げ加工し、曲げ加工部の塗膜の亀裂の発生状況を10倍のルーペで観察した。
折り曲げの際に、同じ鋼板をT枚間に挟んで折り曲げ、亀裂の入らない最小の板枚数Tを求めた。例えば、板の厚さをTとして、0Tは板を挟まずに折り曲げても塗膜に亀裂が入らないことを意味し、2Tは板を2枚挟んで折り曲げても塗膜に亀裂が入らないが、板を1枚挟んで曲げると塗膜に亀裂が入ることを表す。
<塗膜硬度>
塗膜硬度は鉛筆硬度で評価した。
JIS G 3312の方法で、塗膜に傷がつかない鉛筆硬度を求めた。
<耐汚染寿命>
耐汚染寿命の測定方法は次のように行った。
耐雨だれ汚染性,耐からし汚染性,耐マジックインキ(登録商標)汚染性のそれぞれについて、1年経過後に再度同じ試験を行い、それらの結果に基づいて判定する。すなわち、耐雨だれ汚染性についてはそのまま屋外暴露試験を継続し、1年6月経過後に全く同じ評価を行う。耐からし汚染性,耐マジック汚染性については、室内で1年間保管した試験材に対して同じ試験を行い、同じ基準で評価を行う。これらの試験結果を、以前の試験結果と比較して以下の基準で判定し、耐汚染寿命とした。
◎: すべての試験で同等以上の評価
○: ひとつの試験で1段階のみ評価が低下した
△: ふたつの試験で1段階のみ評価が低下した
×: すべての試験で評価が低下した,あるいは特定の試験で2段階以上評価が低下した
評価結果を表1〜2に示す。
実施例1〜3は,架橋剤としてメチロール基含有メラミン樹脂を含むヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂系塗料(A−1)を下層とし,本発明のテトラエトキシシラン/ジメチルメトキシシラン/テトラメトキシジルコニウムのモル比50/40/10の重縮合物(B−1)を表層として,表層露出面積率を変えて塗布した。塗膜には顕著な混層が発生し,結果として良好な加工性を示した。また,耐汚染性,耐汚染寿命とも良好な結果であったが,表層露出面積率の低下に伴って耐汚染性,耐汚染寿命とも低下する傾向が認められた。
実施例4,5は,表層樹脂の種類をテトラエトキシシラン/ジメチルメトキシシランのモル比80/20の重縮合物(B−3)及びテトラメトキシシランの重縮合物(B−4)に変えた例であるが,いずれも顕著な混層が発生し,優れた加工性を示した。また,表層露出面積率を95%と高く設定したため,耐汚染性,鉛筆硬度とも良好な結果であった。また,耐汚染寿命も極めて良好な結果であった。
実施例6,7は,下層樹脂の種類を,ブロック化イソシアネート基含有ポリエステル樹脂系塗料とコロイダルシリカを配合したシラノール基含有ウレタン樹脂系塗料に変えた例であるが,いずれの塗膜にも混層が認められた。また,耐汚染性,耐汚染寿命とも極めて良好な結果であった。
実施例9〜13は,表層及び下層の膜厚を変化させてその影響を調べたものであるが,膜厚を変化させ,表層露出率を変えた場合にも混層の発生が認められた。一方で,表層の膜厚が薄くなり,表層露出面積率が低下すると耐汚染性が低下する傾向が認められた。耐汚染寿命は,表層の膜厚が厚い場合と比較してわずかに低下する傾向が認められた。
比較例1は、上記の基板上に、バインダー樹脂(ヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂)にテトラメトキシシランの重縮合物を混合させたものを塗布したものであり,耐汚染性は本発明の実施例の多くの例と比較して良くないものの,用途によっては使用できる範囲内である。一方で,本比較例は加工性が良くない結果となっており,同等の加工性を有する実施例7と比較すると耐汚染性が劣っている。また,同等の耐汚染性を示した実施例11,実施例14と比較した場合には加工性が劣る結果となっており,総合的には実施例と比較して良好な結果であるとは言いがたい。
比較例2は,比較例1のバインダー樹脂として用いた架橋剤としてメチロール基含有メラミン樹脂を含むヒドロキシル基含有ポリエステル樹脂系塗料を塗布したものであるが,試験を行ったすべての汚染物質に対して耐汚染性を示さなかった。
また,比較例3〜9は実施例と同じ成分の塗料であって,表面張力及び粘度を変えた塗料を使用した場合の例である。比較例で使用した塗料は,実施例で使用した塗料と比較して表面張力が大きく,高粘度の塗料である。すなわち,実施例で使用した塗料と比較して,極めて混層が発生しにくい塗料性状である。表1に示したとおり,比較例3〜9では混層は生じていない。混層が発生していない比較例では,耐汚染性,耐汚染寿命,鉛筆硬度は実施例と同様に良好であるものの,混層が発生している実施例と比較して加工性がやや劣る(実施例の加工性は0Tないし1T、比較例のそれは1Tないし2T)という結果であった。
以上述べた通り,実施例に記載した方法によって混層状態を得ることができ,その効果として加工性が向上することが明らかとなった。混層状態を実現する方法は特に限定されるものではないが,表層皮膜,下層皮膜を形成する塗料の表面張力,粘度を適当な範囲とすることで容易に達成することができる。
Figure 2007111988
Figure 2007111988
本発明の塗装板は、プレコートメタル(PCM)として各種用途に適応可能である。例えば、建築用材として、屋根、外壁、内装材、各種エクステリア、トンネル内装材、ガードレールなどに適用可能であり、各種機械部品の外装材、各種容器(缶、箱)、各種家電製品(冷蔵庫、洗濯機、空調設備)、調理器具、輸送機器(自動車、オートバイ)等に適用できる。
また、本発明の塗装板は、プレコートメタルに限らず、各種の汚れに対する耐汚染性が求められる紙、木材、合板、樹脂等の材料の基板に塗装を施した塗装板への応用も可能である。
境界面が連続である混層の定義を説明する図である。 境界面が連続である混層の定義を説明する図である。 境界面が連続である混層の定義を説明する図である。 境界面が不連続である混層の定義を説明する図である。 境界面が不連続である混層の定義を説明する図である。 表層露出面積率の測定方法を説明する図である。
符号の説明
1 下層
2 表層

Claims (10)

  1. 基板上に、ケイ素、チタン、ジルコニウム及びホウ素から選ばれる1種以上の半金属元素もしくは金属のアルコキシド及び/又は当該アルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(I)を主体とする表層被膜と、前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)を主体とする下層被膜とを有し、両層が混層していることを特徴とする耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
  2. 混層により下層被膜が表層被膜と置換されて塗膜表面に露出した部分の面積を除く表層の露出率が70〜100%であることを特徴とする、請求項1に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
  3. 前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂及びウレタン樹脂から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
  4. 前記バインダー樹脂(II)の前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基がメチロール基、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びアルコキシル基から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項3に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
  5. 混層した表層と下層の合計被膜厚みが0.6〜35μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板。
  6. ケイ素、チタン、ジルコニウム及びホウ素から選ばれる1種以上の半金属元素もしくは金属のアルコキシド及び/又は当該アルコキシドが加水分解して生じる部分重縮合物(I)を主体とする表層被膜用の塗料と、前記アルコキシド及び/又はその部分縮合物(I)と反応する官能基を持つバインダー樹脂(II)を主体とする下層被膜用の塗料を、基板上に塗布し、2つの塗料を同時に乾燥焼付けすることを特徴とする、請求項1に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
  7. 表層塗料の粘度が下層塗料の粘度と同じかそれより大きく、および/または表層塗料の表面張力と下層塗料の表面張力の差が5×10-3N/m以下であることを特徴とする、請求項6に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
  8. 表層被膜用の塗料と下層被膜用の塗料を複層カーテン法により基板に同時に塗布することを特徴とする、請求項6または7に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
  9. 表層被膜用の塗料と下層被膜用の塗料を、スライドコーターを使用する複層カーテン法により基板に同時に塗布することを特徴とする、請求項8に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
  10. 表層被膜の半金属元素もしくは金属のアルコキシド成分と触媒成分をスライドカーテンコーター上で混合させることを特徴とする、請求項9に記載の耐汚染性と加工性に優れた塗装板の製造方法。
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