JPH10309522A - 耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法 - Google Patents

耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法

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JPH10309522A
JPH10309522A JP12045597A JP12045597A JPH10309522A JP H10309522 A JPH10309522 A JP H10309522A JP 12045597 A JP12045597 A JP 12045597A JP 12045597 A JP12045597 A JP 12045597A JP H10309522 A JPH10309522 A JP H10309522A
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Hiromitsu Fukumoto
博光 福本
Hiroshi Tsuburaya
浩 圓谷
Kazuyoshi Sugawara
和良 菅原
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないシラン化合物の消費量で塗膜表面に親
水性を付与し、耐汚れ付着性に優れた塗装金属板を得
る。 【解決手段】 金属板の表面に上塗り塗料を塗布した
後、上塗り塗料を焼き付ける前に、式R1 mSi (OR2)
n [ただし、R1 :アルキル基又はアルコキシ基,R
2 :アルキル基,m:0又は1,n:3又は4,m+
n:4]で示されるシラン化合物又はその部分加水分解
縮合物、或いは溶媒に分散又は溶解した前記シラン化合
物又はその部分加水分解縮合物を塗布し焼き付け、シラ
ン化合物の縮合物層を上塗り塗膜の塗膜表層近傍に選択
的に配向させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の屋根,壁や屋
外構造物の外壁等の外装建材として使用される耐汚れ付
着性に優れた塗装金属板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】外装建材として使用される金属板では、
耐食性,耐候性,意匠性等を改善するために塗装を施す
ことが一般的になっており、耐久性に優れた種々の塗料
が開発され、広く使用されるようになってきている。し
かし、自動車の排気ガス,工場からの煤煙等に起因する
大気汚染がひどくなるに従って、汚染空気に含まれてい
るカーボン系汚染物質等による汚れが顕在化してきた。
すなわち、従来の塗装金属板では汚れ付着防止が十分で
なく、比較的短期間のうちに汚れが目立つことが避けら
れない。そのため、この種の汚れに対する付着防止機能
が塗装金属板に要求されるようになった。
【0003】屋外での汚れ付着を低減する方法として
は、アクリル系樹脂にシリコン化合物を配合した塗料用
樹脂組成物(特開平7−331136号公報),官能基
を含む溶剤可溶型フッ素樹脂にシラン化合物を配合した
塗料用樹脂組成物(特開平8−12921号公報)等が
提案されている。これらの樹脂組成物は、何れも配合さ
れているシリコン化合物によって塗膜表面に親水性が付
与されている。親水性の表面には大気汚染の主な原因物
質である油性のカーボン系汚染物質が定着し難いため、
汚れ付着に対する抵抗が高い塗膜表面となる。また、親
水性の塗膜表面では汚染物質を雨水によって洗い流す作
用が促進されるため、これによっても塗膜表面が清浄に
維持されるものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら提案されている塗料用樹脂組成物は、配合されたシリ
コン化合物を塗膜表面に有効に配向させるための塗料配
合の設定、たとえば塗料用樹脂の分子構造,溶剤の種
類,シリコン化合物の分子構造等の設定が複雑であり、
再現性良く塗膜表面を親水性にすることが困難であっ
た。塗膜表面を確実に親水性にするためにはシリコン化
合物を極めて過剰に添加する必要があるが、シリコン化
合物の過剰添加によって塗膜の加工性が大幅に低下す
る。その結果、加工性が要求されるプレコート金属板に
は全く使用することができない。塗料に配合されたシリ
コン化合物が塗料組成物と反応し易く、塗料の貯蔵安定
性が劣ることも欠点であり、塗装工程で残った塗料を次
回の塗装工程で使用することができず、全体的なコスト
アップが避けられない現状である。本発明は、このよう
な問題を解消すべく案出されたものであり、上塗り塗料
を塗布した後、上塗り塗料を焼き付ける前にシラン化合
物又は溶媒に分散又は溶解したシラン化合物を塗装し焼
き付けることにより、塗膜表層付近にシラン化合物を選
択的に分布させ、比較的少量のシラン化合物で塗膜表面
に親水性を付与し、耐汚れ付着性及び加工性に優れた塗
装金属板を製造することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、そ
の目的を達成するため、金属板の表面に上塗り塗料を塗
布した後、上塗り塗料を焼き付ける前に、式R1 mSi
(OR2)n [ただし、R 1 :アルキル基又はアルコキシ
基,R2 :アルキル基,m:0又は1,n:3又は4,
m+n:4]で示されるシラン化合物又はその部分加水
分解縮合物、或いは溶媒に分散又は溶解した前記シラン
化合物又はその部分加水分解縮合物を塗布し焼き付け、
シラン化合物の縮合物層を上塗り塗膜の塗膜表層近傍に
選択的に配向させることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明者等は、耐汚れ付着性に優れた塗装金属
板について種々調査検討した。塗膜表面を親水性にする
ためには塗膜表面近傍にシラン化合物を有効に配向させ
ることが必要であるが、塗料にシラン化合物を配合して
塗装する従来法では、塗膜全体にシラン化合物が分布し
ている。塗料用樹脂とシラン化合物との相溶性や表面張
力の調整,溶剤の種類の選定等によって、塗膜表面への
シラン化合物の配向性をある程度高めることができる
が、この方法では限界がある。また、シラン化合物は、
水酸基,アミノ基,カルボキシル基等の官能基をもつ塗
料樹脂,硬化剤,顔料,水分等と反応し易く、塗料の貯
蔵安定性を劣化させる。
【0007】そこで、本発明においては、上塗り塗料を
塗布した後、上塗り塗料を焼き付ける前にシラン化合物
又はシラン化合物を溶媒に分散又は溶解したものを塗装
し焼き付ける方法を採用した。上塗り塗料を塗布した後
で溶剤を揮発させる工程を挿入してもよい。この方法に
よるとき、上塗り塗料にシラン化合物を配合する場合に
比較して少量のシラン化合物で、上塗り塗膜表層にシラ
ン化合物の縮合物層を形成することができる。形成され
た上塗り塗膜には少量のシラン化合物が主として塗膜表
層付近に分布しているので、塗膜の加工性を低下させる
ことがない。また、上塗り塗料にシラン化合物を配合す
る必要がないため、塗料の貯蔵安定性が低下することも
ない。上塗り塗料を焼き付けた後、シラン化合物を塗布
する方法も考えられる。しかし、この方法では、上塗り
塗膜とシラン化合物の縮合物層との間に十分な密着性が
得られず、クラックが入ったり剥離等があるため実用性
に欠ける。
【0008】
【実施の形態】本発明に従った塗装金属板の塗膜構成
は、特に制約を受けるものではないが、金属板の防食性
及び上塗り塗膜の密着性を確保するため、金属板上にプ
ライマー層を設けることが好ましい。また、プライマー
層と上塗り塗膜との間に中塗り塗膜を形成することもで
きる。金属板としては、冷延鋼板,亜鉛めっき鋼板,亜
鉛−アルミ合金めっき鋼板,アルミめっき鋼板,ステン
レス鋼板,アルミ板,銅板等が使用される。プライマー
層は、塗装金属板に一般的に使用されているエポキシ塗
料,エポキシウレタン塗料,ウレタン塗料,ポリエステ
ル塗料,アクリル塗料等の塗料を塗布し焼き付けること
によって形成される。プライマー層は、3μm以上の膜
厚をもつことが好ましい。膜厚が3μmに満たないプラ
イマー層では、密着性や耐食性が十分でない。しかし、
厚すぎる膜厚ではコストが高くなることは勿論、加工性
も低下するので、通常5μm前後の膜厚でプライマー層
を形成することが好ましい。
【0009】プライマー層の上に中塗り塗膜が必要に応
じて設けられる。中塗り塗膜は、塗装金属板に一般的に
使用されているPVdF系フッ素塗料,溶剤可溶型フッ
素樹脂塗料,ポリエステル塗料,シリコンポリエステル
塗料,アクリル塗料,ウレタン塗料,塩化ビニル塗料等
の塗料で形成される。プライマー層及び中塗り塗膜が必
要に応じて形成された金属板に上塗り塗料が塗布され
る。上塗り塗料としては、塗装金属板に一般的に使用さ
れているPVdF系フッ素塗料,溶剤可溶型フッ素樹脂
塗料,ポリエステル塗料,シリコンポリエステル塗料,
アクリル塗料,ウレタン塗料,塩化ビニル塗料等が使用
される。上塗り塗料は通常塗膜厚みが5〜50μmとな
るように塗布されるが、塩化ビニル塗料を使用する場合
には通常塗膜厚みが50〜500μmになるように塗布
される。塗布方法としては、ロールコート,カーテンコ
ート,スプレーコート,ダイコート等がある。
【0010】上塗り塗料には、シラン化合物の加水分解
・縮合触媒を添加してもよい。触媒を添加することによ
り、シラン化合物の加水分解及び縮合反応が促進され、
塗膜表面がより親水性になると共に、塗膜表面が緻密化
される。その結果、汚染物質が付着し難く、汚れが一旦
付着しても塗膜内部に浸透し難くなる。触媒としては、
たとえばジブチルスズジラウレート,ジブチルスズジマ
レエート等の有機スズ化合物、パラトルエンスルホン
酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸、ジ−2−
エチルヘキシルアミン,テトラメチルブタンジアミン等
のアミン類が挙げられる。触媒は、塗料100重量部に
対して0.01〜5重量部の割合で配合することが好ま
しい。上塗り塗料を焼き付ける前に、シラン化合物、或
いは溶剤に分散又は溶解したシラン化合物を塗布し、焼
き付ける。上塗り塗料を塗布した後で溶剤を揮発させる
工程を挿入してもよい。具体的には、上塗り塗料を塗布
した後、ウエット・オン・ウエット方式でシラン化合物
又はシラン化合物を溶媒に分散又は溶解したものを塗布
し、或いは上塗り塗料の溶剤を乾燥させた後でシラン化
合物又はシラン化合物を溶媒に分散又は溶解したものを
塗布する。塗布方法には、ウエット・オン・ウエット方
式では非接触のカーテンコート,スプレーコート等があ
る。事前に乾燥工程が入る場合には、非接触方式の塗布
方法に替えて接触式のロールコート,ダイコート等が採
用される。焼付けには使用する上塗り塗料の標準的条件
が採用され、通常150〜300℃で20秒〜40分間
加熱することにより焼き付けられる。
【0011】本発明で使用されるシラン化合物は、式R
1 mSi (OR2)n [ただし、R1 :アルキル基又はアル
コキシ基,R2 :アルキル基,m:0又は1,n:3又
は4,m+n:4]で示されるシラン化合物又はその部
分加水分解縮合物である。具体的には、テトラアルコキ
シシランとしては、テトラメトキシシラン,テトラエト
キシシラン,テトラプロポキシシラン,テトライソプロ
ポキシシラン,テトラブトキシシラン等やこれらの部分
加水分解縮合物等がある。また、トリアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン,メチルトリエト
キシシラン,メチルトリプロポキシシラン,メチルトリ
ブトキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,フェニ
ルトリエトキシシラン等やこれらの部分加水分解縮合物
等がある。なかでも、耐汚れ付着性の観点からテトラメ
トキシシラン及びテトラエトキシシランの部分加水分解
縮合物が好ましい。
【0012】シラン化合物の部分加水分解縮合物は、常
法によって製造できるが、市販品(たとえばコルコート
社製のメチルシリケート51:MSI51,エチルシリ
ケート48:ESI48等)を使用することも可能であ
る。シラン化合物は、適当な溶媒に分散又は溶解して使
用することもできる。具体的な溶媒としては、メタノー
ル,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノー
ル,1−ブタノール,2−メトキシエタノール,2−エ
トキシエタノール,2−ブトキシエタノール等のアルコ
ール類、トルエン,キシレン等の芳香族系溶剤、メチル
エチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エ
チル,酢酸ブチル等のエステル類、石油系溶剤等の1種
又は2種以上が使用される。溶媒による希釈率は特に限
定されるものではないが、均一に塗布されるように通常
100倍以下の範囲で希釈することが好ましい。
【0013】シラン化合物又はその部分加水分解縮合物
は、上塗り塗料を塗布した後、上塗り塗膜を焼き付ける
前に、0.01〜10g/m2 (好ましくは0.1〜5
g/m2 )の塗布量で塗布され、乾燥・焼き付けされ
る。塗布量が0.01g/m2未満では、塗膜表面が十
分な親水性にならず、良好な耐汚れ付着性が付与されな
い。逆に10g/m2 を超える塗布量では、塗膜の加工
性が低下し、塗膜にクラックが入ったり、塗膜剥離を生
じる場合もある。シラン化合物又はその部分加水分解縮
合物を溶剤に分散又は溶解して使用する場合には、シラ
ン化合物又はその部分加水分解縮合物の塗布量が0.0
1〜10g/m2 の範囲となるように調整する。このよ
うにして上塗り塗膜上にシラン化合物又はその部分加水
分解縮合物を塗布すると、塗膜形成時及び塗膜形成後に
シラン化合物又はその部分加水分解縮合物のアルコキシ
基が加水分解し、シラノール基が生成する。このシラノ
ール基の生成により、塗膜表面に親水性が付与されるも
のと推察される。塗膜表面が親水性になることにより、
疎水性のカーボン汚れ等が付着し難くなり、また一旦付
着しても雨水等によって容易に洗い流される。したがっ
て、塗膜表面は、汚れの残留がなく、長期間にわたって
清浄状態に維持される。
【0014】
【実施例】各種塗装試験板の作製 実施例1:板厚0.5mm,亜鉛付着量が両面で250
g/m2 の溶融亜鉛めっき鋼板を常法に従って表面調整
及びクロメート処理した後、エポキシプライマー塗料
(大日本インキ化学工業株式会社製 800Pプライマ
ー)を乾燥膜厚が5μmとなるように塗布し、最高到達
板温200℃で40秒間焼き付けた。次いで、上塗り塗
料としてPVdF系フッ素塗料(大日本インキ化学工業
株式会社製 ディックフローC)の白エナメルを乾燥膜
厚が20μmとなるように塗布し、更に上塗り塗料が乾
燥する前にシラン化合物としてテトラメトキシシランの
部分加水分解縮合物(コルコート社製 MSI51)を
スプレーにより1g/m2 塗布し、最高到達板温250
℃で60秒間焼き付け、水冷した。
【0015】実施例2:実施例1と同様にプライマー層
を形成した後、PVdF系フッ素塗料(大日本インキ化
学工業株式会社製 ディックフローC)の白エナメルに
加水分解・縮合触媒としてジブチルスズジラウレートを
0.5重量部添加した上塗り塗料を乾燥膜厚が20μm
となるように塗布した。次いで、上塗り塗料が乾燥する
前に、実施例1で使用したMSI51の30重量%2−
プロパノール溶液をスプレーによりMSI51付着量が
0.2g/m2 となるように塗布し、最高到達板温25
0℃で60秒間焼き付け、水冷した。 実施例3:MSI51付着量が0.5g/m2 となるよ
うに塗布する以外は、実施例2と同じ条件下で試験板を
作製した。
【0016】実施例4:実施例1と同様にプライマー層
を形成した後、PVdF系フッ素塗料(大日本インキ化
学工業株式会社製 ディックフローC)の白エナメルに
加水分解・縮合触媒としてジブチルスズジラウレートを
0.5重量部添加した上塗り塗料を乾燥膜厚が20μm
となるように塗布した。次いで、上塗り塗料が乾燥する
前に、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(コ
ルコート社製 ESI48)の30重量%2−プロパノ
ール溶液をスプレーによりESI48の付着量が0.5
g/m2 となるように塗布し、最高到達板温250℃で
60秒間焼き付け、水冷した。
【0017】実施例5:板厚0.5mm,亜鉛付着量が
両面で250g/m2 の溶融亜鉛めっき鋼板を常法に従
って表面調整及びクロメート処理した後、エポキシプラ
イマー塗料(日本ペイント工業株式会社製 P140プ
ライマー)を乾燥膜厚が5μmとなるように塗布し、最
高到達板温200℃で40秒間焼き付けた。次いで、ポ
リエステル塗料(日本ペイント株式会社製 NSC25
0HQ)の白エナメルに加水分解・縮合触媒としてジブ
チルスズラウレートを0.5重量部添加した上塗り塗料
を乾燥膜厚が15μmとなるように塗布し、更に上塗り
塗料が乾燥する前に実施例1と同じMSI51の30重
量%2−プロパノール溶液をMSI51の付着量が0.
5g/m2 となるようにスプレー塗布し、最高到達板温
215℃で40秒間焼き付け、水冷した。
【0018】実施例6:板厚0.5mm,亜鉛付着量が
両面で250g/m2 の溶融亜鉛めっき鋼板を常法に従
って表面調整及びクロメート処理した後、アクリル変性
エポキシプライマー塗料(関西ペイント株式会社製 K
P8335プライマー)を乾燥膜厚が5μmとなるよう
に塗布し、最高到達板温200℃で40秒間焼き付け
た。次いで、塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑
剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)
を40重量部,希釈剤としてイソブチルテキサノール
(TXIB)を40重量部配合した塩化ビニル樹脂塗料
(プラスチゾル)の白エナメルに加水分解・縮合触媒と
してジブチルスズジラウレートを0.5重量部添加した
上塗り塗料を乾燥膜厚が200μmとなるように塗布
し、更に上塗り塗料が乾燥する前に実施例1と同じMS
I51の30重量%2−プロパノール溶液をMSI51
の付着量が0.5g/m2 となるようにスプレー塗布
し、最高到達板温215℃で60秒間焼き付け、水冷し
た。
【0019】比較例1:実施例1の上塗り塗料を塗布し
た後、シラン化合物を塗布することなく乾燥し焼き付け
た。 比較例2:MSI51の0.3重量%2−プロパノール
溶液をMSI51の付着量が0.005g/m2 となる
ようにスプレー塗布する以外は、実施例2と同様な条件
下で塗装試験板を製造した。 比較例3:MSI51の付着量が15g/m2 となるよ
うにスプレー塗布する以外は、実施例2と同様な条件下
で塗装試験板を製造した。 比較例4:実施例5の上塗り塗料を塗布した後、シラン
化合物を塗布することなく乾燥し焼き付けた。 比較例5:実施例6の上塗り塗料を塗布した後、シラン
化合物を塗布することなく乾燥し焼き付けた。
【0020】塗装試験板の評価方法 得られた各塗装試験板について、次のようにして親水
性,耐汚れ付着性及び加工性を調査した。 塗膜表面の親水性評価:接触角測定装置を用い、水との
静的接触角を測定した。接触角が小さいほど、塗膜表面
の親水性が高いことを意味する。 耐汚れ付着性の評価: (1)千葉県市川市で、南向き角度35度の屋外暴露試
験を6か月間実施し、汚れ付着の程度を分光光度計によ
る明度指数L値の変化を測定し、暴露試験後のL値から
暴露試験前のL値を引いた明度指数差ΔLを求めた。明
度指数差ΔLの絶対値が小さいほど、汚れの付着が少な
いことを示す。 (2)南向き90度(垂直)に取り付けた塗装試験片上
に雨水が流れ落ちるように、長さ20cmの塩化ビニル
製波板を角度10度で塗装試験片に取り付け、千葉県市
川市で屋外暴露試験を6か月間実施した。6か月経過
後、塗装試験片から2m離れた位置で目視判定によって
雨筋状汚れの程度を判定した。 加工性の評価:JIS G3312に準拠した180度
曲げ試験により塗膜にクラックが発生しなくなる限界内
側間隔を求め、限界内側間隔を加工性の尺度とした。な
お、内側間隔は、表示厚みの板の枚数(T)で表した。
【0021】各塗装試験片の評価結果 各塗装試験片の評価結果を表1に示す。本発明に従った
試験片では、表1にみられるように、水との接触角が小
さく親水性が良好であった。また、暴露試験前の明度指
数Lに比較して暴露試験後の明度指数Lの変化が小さ
く、雨筋状汚れもなく、耐汚れ付着性に優れていること
が判る。しかも、上塗り塗料の加工性を低下させること
なく、良好な加工性を呈する塗装金属板であった。これ
に対し、シラン化合物を塗布しない比較例1,4,5で
は、塗膜表面の明度指数Lが暴露試験前後で大きく変化
しており、雨筋状汚れも検出された。明度指数Lの変化
及び雨筋状汚れはシラン化合物の塗布によって抑制され
るが、シラン化合物の塗布量が不足すると、比較例2に
みられるように十分に明度指数Lの変化及び雨筋状汚れ
を抑制することができなかった。しかし、シラン化合物
を過剰に塗布した比較例3では、明度指数Lの変化及び
雨筋状汚れが抑制されるものの、加工性が著しく低下し
ていた。
【0022】
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、上塗り塗料を焼き付ける前にシラン化合物又はその
部分加水分解縮合物を塗布し焼き付けることにより、塗
膜表面近傍にシラン化合物の縮合物層が選択的に配向し
た塗膜を形成している。このようにして形成された塗膜
は、良好な耐候性,耐食性等の特性を保持しながら、優
れた耐汚れ付着性を発現する。そのため、過酷な大気汚
染環境においても、長期間にわたって清浄な表面を維持
する塗装金属板として使用される。しかも、シラン化合
物又はその部分加水分解縮合物は、上塗り塗料に配合す
ることなく上塗り塗膜表面に塗布されるため、少ない消
費量で優れた親水性を塗膜表面に付与でき、塗膜の加工
性を確保すると共に、上塗り塗料の貯蔵安定性にも悪影
響を及ぼすことがない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面に上塗り塗料を塗布した
    後、上塗り塗料を焼き付ける前に、式R1 mSi (OR2)
    n [ただし、R1 :アルキル基又はアルコキシ基,R
    2 :アルキル基,m:0又は1,n:3又は4,m+
    n:4]で示されるシラン化合物又はその部分加水分解
    縮合物、或いは溶媒に分散又は溶解した前記シラン化合
    物又はその部分加水分解縮合物を塗布し焼き付け、シラ
    ン化合物の縮合物層を上塗り塗膜の塗膜表層近傍に選択
    的に配向させることを特徴とする耐汚れ付着性に優れた
    塗装金属板の製造方法。
  2. 【請求項2】 テトラメトキシシラン,テトラエトキシ
    シラン又はそれらの部分加水分解縮合物を使用する請求
    項1記載の耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 シラン化合物を加水分解・縮合させる触
    媒を配合した上塗り塗料を使用する請求項1記載の耐汚
    れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法。
JP12045597A 1997-05-12 1997-05-12 耐汚れ付着性に優れた塗装金属板の製造方法 Withdrawn JPH10309522A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007111988A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Nippon Steel Corp 耐汚染性と加工性に優れた塗装板及びその製造方法

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JP2007111988A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Nippon Steel Corp 耐汚染性と加工性に優れた塗装板及びその製造方法

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