JP4889838B2 - 塗料組成物及びそれを用いた塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フルオロカーボン樹脂を塗膜形成成分の少なくとも一部として含み、耐久性及び耐汚染性に優れた塗料組成物に関するものであり、特に上塗り塗料用の塗料組成物として適した塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築用、土木用、自動車用などの用途において耐久性及び耐汚染性に優れた塗料として、超疎水性を有するフルオロカーボン樹脂系塗料が知られている。このようなフルオロカーボン樹脂系塗料は、タフネスな仕上げを与え、また変化する天候条件で小割れや白亜化しない仕上げを与え、優れた耐久性を与える塗料として従来より用いられてきている。建築用パネル等においても、このようなフルオロカーボン樹脂が推奨されており、従来より使用されてきている。また、耐汚染性についても、このような超疎水性のフルオロカーボン樹脂系塗料は、その表面に水が付着しにくいため、汚れが付着しにくいと考えられていた。
【0003】
しかしながら、このような超疎水性フルオロカーボン樹脂系塗料で形成した塗膜を実際に屋外に暴露すると、大気中の汚れが付着し易く、また雨筋汚れが付着堆積し易いという問題があった。
【0004】
このような問題を解消することができる耐汚染性塗膜の形成方法として、国際公開WO94/06870号公報では、メチルシリケートやエチルシリケートなどのオルガノシリケートを上塗り塗料中に配合し、この上塗り塗料を塗布した後、塗膜表面を酸処理することにより水に対する接触角を70度以下にする塗膜形成方法が提案されている。この方法によれば、塗膜表面を親水性にすることによって耐汚染性を向上させている。
【0005】
また、国際公開WO96/26254号公報においては、フルオロアルキル基を有するオルガノシリケート化合物を配合した上塗り塗料組成物が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温焼き付け型のフルオロカーボン樹脂系塗料に、これらのオルガノシリケートを用いると、塗膜の親水性は得られるものの、高温で焼き付けた際に、塗膜にクラック等を生じ、塗膜外観が著しく低下するという問題があった。
【0007】
また、フルオロアルキル基を有するオルガノシリケートは、このような塗膜にクラック等を生じるという問題を有すると共に、一般に高価であるため経済的でないという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、耐久性及び耐汚染性に優れた塗膜を形成することができ、かつ高温での焼き付けにおいても塗膜にクラック等を生じない、フルオロカーボン樹脂を塗膜形成成分として含有する塗料組成物及びそれを用いた塗装方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗料組成物は、ポリフッ化ビニルまたはポリフッ化ビニリデンであるフルオロカーボン樹脂を含む有機塗膜形成成分と、下記の一般式(1)で表されるシリケート化合物とを含有することを特徴とする塗料組成物である。
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、nは1〜50の整数であり、Rのうち少なくとも1つは、アラルキル基であり、残りのRは炭素数1〜6の低級アルキル基である。)
【0012】
本発明において用いるシリケート化合物として、最も入手、または製造し易い一般的なものは、上記一般式(1)の中のアラルキル基が、ベンジル基のものであり、特にベンジル基のものが一般的である。また同様に、上記一般式(1)中の低級アルキル基が、メチル基またはエチル基のものが最も入手または製造し易く一般的である。特に、低級アルキル基がエチル基であるものが取り扱い易い。従って、本発明において用いる最も一般的なシリケート化合物としては、上記一般式(1)中のアラルキル基がベンジル基であり、低級アルキル基がエチル基であるシリケート化合物が挙げられる。
【0013】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
シリケート化合物
本発明において用いるシリケート化合物は、メチルシリケートまたはエチルシリケートに、相当するアルコール、すなわちアラルキルアルコール化合物を反応させるアルコール交換反応により製造することができる。
【0014】
上記一般式(1)中の残りのRがメチル基である場合、上記アルコール交換反応の反応基質として、以下に示す構造式を有するメチルシリケート及び/またはその縮合物を用いることができる。
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、nは1〜50の整数である。)
また、上記一般式(1)中の残りのRがエチル基である場合には、以下に示す構造式で表されるエチルシリケート及び/またはその縮合物を反応基質として用いることができる。
【0017】
【化4】
【0018】
(式中、nは1〜50の整数である。)
これらのメチルシリケート類及びエチルシリケート類は、例えば、商品名「MS−51」、「MS−56」(三菱化学社製)、商品名「エチルシリケート40」、「エチルシリケート48」、「エチルシリケート28」(コルコート社製)などの市販品として入手することができる。
【0019】
上記アルコール交換反応により、上記シリケート化合物を製造するのに用いるアルコール化合物としては、置換されていてもよいアラルキルアルコール化合物を用いることができる。このようなアルコール化合物としては、例えば、ベンジルアルコール、2−,3−,または4−クロロベンジルアルコール、2−,3−,または4−ブロモベンジルアルコール、2−,3−,または4−ヨードベンジルアルコール、ジクロロベンジルアルコールなどのハロゲン化ベンジルアルコール、2−,3−,または4−メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、3,4,5−トリメチルベンジルアルコール、4−エチルベンジルアルコール、4−イソプロピルベンジルアルコール、4−ブチルベンジルアルコール、4−tert−ブチルベンジルアルコールなどのアルキル置換ベンジルアルコール、ジメトキシベンジルアルコール、2−,3−,または4−エトキシベンジルアルコール、4−ブトキシベンジルアルコール、2−,3−,または4−メトキシベンジルアルコールなどのアルコキシ置換ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ベンゾイン、フェニルプロパノールなどのベンジルアルコール類、フェネチルアルコール類が挙げられる。
【0020】
上記アルコール交換反応の際には触媒を用いてもよい。アルコール交換触媒としては、必要に応じて酸または塩基を用いることができる。酸としては、塩酸、硫酸、燐酸、スルホン酸などのブレンステッド酸や有機スズ化合物などのルイス酸が挙げられる。また、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7などの3級アミンなどを使用することができる。
【0021】
上記アルコール交換反応の際の溶媒は、特に使用しなくてもよいが、例えば、反応試剤であるアルコール化合物をエチルシリケート等に対し過剰に用いることにより溶媒としてもよい。また、代表的な溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、THF及びジオキサン等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル及び酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチルカーボメート、アセトニトリル等が挙げられる。溶媒の種類及び使用量は特に限定されるものではないが、反応基質であるエチルシリケート等と反応試剤であるアルコール化合物の合計重量に対して10倍以下であることが好ましい。
【0022】
上記アルコール交換反応におけるエチルシリケート等とアルコール化合物の割合は、アルコール化合物がエチルシリケート等に対し少なくと1モル以上で、置換に必要な量及びそれ以上の量を使用すればよい。反応は、置換によって生成するメタノールやエタノールをアゼオトロピックに留去して行ってもよい。
【0023】
反応温度は特に限定されるものではないが、一般に0℃〜200℃である。反応時間も特に限定されるものではないが、24時間以内であることが好ましい。圧力は、一般に常圧であるが、必要に応じて、生成するアルコールを留去するため減圧下に行ってもよい。
【0024】
反応率は、生成したメタノールやエタノールの量の測定、NMRスペクトルまたはGC(ガスクロ)分析により行うことができる。以上のようにして得られる生成物は、一般に無色〜薄黄色の油状物質である。
【0025】
本発明において用いるシリケート化合物は、上述のようにメチルシリケート類及びエチルシリケート類に、相当するアルコール化合物を反応させアルコール交換反応により製造することができるが、本発明において用いるシリケート化合物は、このような製造方法に限定されるものではなく、その他の製造方法により得られるものであってもよい。
【0026】
有機塗膜形成成分
本発明の塗料組成物に含有される有機塗膜形成成分には、フルオロカーボン樹脂が含まれる。フルオロカーボン樹脂としては、ポリフッ化ビニル、及びポリフッ化ビニリデンが挙げられる。具体的には、例えば、特公昭59−43226号公報、及び米国特許第2419010号、第2510783号、第2435537号、第2935818号、第2468054号、第2970988号等に記載されているフルオロカーボン樹脂を用いることができる。本発明において、最も好ましいフルオロカーボン樹脂は、ポリフッ化ビニリデンである。ポリフッ化ビニリデンの市販品としては、商品名「カイナー500」(アトケム社製)、商品名「ハイラー5000」(アウジモント社製)などが挙げられる。
【0027】
有機塗膜形成成分に含まれるフルオロカーボン樹脂として、ポリフッ化ビニリデン樹脂を用いる場合には、アクリル樹脂を組み合わせて用いることが好ましい。このようなアクリル樹脂としては、熱可塑性アクリル樹脂または熱硬化性アクリル樹脂を用いることができる。特に好ましくは、熱可塑性アクリル樹脂が用いられる。
【0028】
熱可塑性アクリル樹脂としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、スチレンなどのビニル芳香族モノマー、アクリル酸またはメタクリル酸のアミド化合物及びその誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、一般的に用いられる不飽和モノマーの共重合体を用いることができる。一般的に、エステルのアルコール部分が大きい程、生成樹脂は柔らかく、たわみ性を有するようになる。また、一般的にメタクリルエステルは、相当するアクリルエステルよりも硬い塗膜を形成する。
【0029】
本発明において用いるアクリル樹脂の分子量は、1,000〜150,000程度が好ましく、さらに好ましくは5,000〜100,000である。アクリル樹脂の分子量が低すぎると、焼き付けにより塗膜を形成するというアクリル樹脂添加の効果が不十分となり、分子量が高すぎると塗膜の耐候性の低下や、粘度増加などにより塗装作業性が低下し、さらには塗膜の光沢不良などの問題を引き起こすおそれがある。
【0030】
有機塗膜形成成分として、ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂を併用する場合のこれらの配合割合は、樹脂固形分基準で、ポリフッ化ビニリデン約45〜約85重量%に対し、アクリル樹脂約55〜約15重量%の割合が好ましい。さらに好ましくは、樹脂固形分基準で約65〜約75重量%のフルオロカーボン樹脂に対し、約35〜約25重量%のアクリル樹脂の配合割合である。
【0031】
シリケート化合物の配合割合
本発明の塗料組成物において、上記シリケート化合物の配合割合は、塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対し、0.1〜40重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜30重量部である。シリケート化合物の配合割合が少なすぎると、塗膜の耐汚染性が不十分となり、逆にシリケート化合物の配合割合が多くなりすぎると、塗膜の光沢の低下、塗膜のベタつき、耐アルカリ性の低下などの問題を発生するおそれがある。
【0032】
本発明においてシリケート化合物は、一般に塗布する前に塗料に添加し混合するが、塗料を製造する段階で、予め塗料中に添加しておいてもよい。予め塗料中に添加しておく場合には、加水分解や縮合反応が進行しないように、水が混入しない条件で保管しておくことが好ましい。
【0033】
アルコール化合物の併用
本発明の塗料組成物においては、アルコール交換反応によってシリケート化合物を製造する際に用いるアルコールを溶剤として添加してもよい。このようなアルコールは、一般式R1 OH(式中、R1 は一般式(1)中のアラルキル基を示す。)で表される。一般式(1)中のアラルキル基がベンジル基である場合には、ベンジルアルコールが添加される。このようなアルコールの添加量は、シリケート化合物100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましい。このようなアルコールを添加することにより、塗料組成物中でのシリケート化合物を安定化させることができ、さらには焼き付け工程における塗膜異常を防止することができる。
【0034】
顔料及び溶剤
本発明における塗料組成物には、塗料に用いられる一般的な有機顔料及び無機顔料を添加することができる。
また、本発明の塗料組成物には、有機塗膜形成成分としてフルオロカーボン樹脂を含む塗料系において用いられる一般的な溶剤を用いることができる。
【0035】
その他の添加剤
本発明の塗料組成物においては、塗膜の親水化機能を促進させるため、カルボン酸アミン塩や有機金属化合物等を添加してもよい。具体的には、2−エチルヘキサン酸/ジメチルドデシルアミン(=40/60)塩、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウムなどが挙げられる。
【0036】
本発明の塗装方法は、上記本発明の塗料組成物を塗布した後、所定の温度で焼き付けることを特徴とする塗装方法である。焼き付け温度は、塗料組成物中の有機塗膜形成成分の種類や量並びに塗膜を被覆する基体の材質等により異なり、有機塗膜形成成分が、ポリフッ化ビニル、またはポリフッ化ビニリデンを含む場合、一般的に焼き付け温度は210℃以上であり、好ましくは230〜260℃の範囲内である。本発明の塗装方法では、上記本発明の塗料組成物をスプレー塗装などの通常の塗装方法を用いて塗装する。塗装膜厚は、特に制限されるものではないが、一般的には約5〜約200μm程度の膜厚で塗布される。
【0037】
本発明の基体は、上記本発明の塗料組成物または上記本発明の塗装方法を用いて塗装したことを特徴とする基体である。本発明における基体は、特に限定されるものではないが、本発明の塗料組成物がフルオロカーボン樹脂を有機塗膜形成成分として含む塗料であり、耐久性及び耐汚染性に優れた塗膜を形成することができるので、このような耐久性及び耐汚染性が要求される基体に適用することができる。このような基体として、アルミサッシ、カーテンウォール、ビル建材等に用いられる外装板及び内装板などが挙げられる。また基体の材質としては、アルミニウム板、ステンレス板、亜鉛銅板などの金属板を挙げることができる。
【0038】
本発明の塗料組成物は、上塗り塗料として適したものである。従って、基体の上にプライマー等を塗装した後、本発明の塗料組成物を塗装してもよい。
本発明の塗料組成物は、上記一般式(1)で示されるシリケート化合物を含有している。本発明によれば、このようなシリケート化合物を含有することにより、塗膜表面を親水化することができ、かつ高温焼き付けの際にクラック等を生じることなく塗膜を形成することができる。本発明に従い、このようなシリケート化合物を用いることにより、クラック等を生じさせずに塗膜を形成できる理由についてその詳細は明らかではないが、従来用いられているメチルシリケート、エチルシリケート、またはフッ素化シリケート等に比べ、本発明において用いるシリケート化合物の縮合反応が、塗膜形成の際に進行しにくいためと思われる。本発明によれば、このように塗膜形成の際の縮合反応が適度に抑制されるため、塗膜の収縮等が起こりにくく、クラック等の塗膜異常を生じることなく塗膜を形成することができるものと思われる。
【0039】
【発明の実施の形態】
〔シリケート化合物の合成〕
一般式(1)で表されるシリケート化合物として、以下のシリケート化合物A〜Gを合成した。
【0040】
シリケート化合物A
エチルシリケート(商品名「エチルシリケート40」、コルコート社製、平均分子量745、1分子当たりのエトキシ基の数:平均12個)781g(1.05モル)に、ベンジルアルコール114g(1.05モル)、及びトリエチルアミン10.0gを加え、90℃で1時間、120℃で2時間、140℃で1時間、180℃で2時間反応させた。シリケート化合物Aの収量は752.7gであった。NMRスペクトルからベンジルアルコールの交換は、エチルシリケートの1分子当たり1.34個であり、置換率は11.2%であった。生成物の粘度は、7.7cpsであった。
【0041】
シリケート化合物B〜G
以下、上記のシリケート化合物Aと同様にして、エチルシリケートに対する1分子当たりの交換数の異なるベンジル置換エチルシリケートを合成した。得られたシリケート化合物を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例1〜4及び比較例1〜3
有機塗膜形成成分として、ポリフッ化ビニリデン樹脂(商品名「カイナー500」、アトケム社製)とアクリル樹脂(商品名「パラロイドB−44」、ロームアンドハース社製)を、重量比で7/3の割合で配合した樹脂固形分35重量%溶剤65重量%の塗料を調製し、この塗料に上記のシリケート化合物Cを表2に示す割合となるように添加して、実施例1〜4の塗料組成物を調製した。なお、実施例4においては、触媒として、2−エチルヘキサン酸/ジメチルドデシルアミン塩(=40重量部/60重量部)を表2に示す割合で添加した。
【0044】
また、比較として、表2に示す比較例1〜3の塗料組成物を調製した。比較例1ではエチルシリケート(商品名「エチルシリケート40」)を用い、比較例2では、ブチルセロソルブ変性シリケートを用い、比較例3ではフッ化シリケート(商品名「ゼッフルGH−100」、ダイキン工業社製)を用いた。
【0045】
【表2】
【0046】
以上のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の塗料組成物を用いて、塗膜評価用のテストピースを作製した。テストピースの作製は、クロメート処理を施したアルミ板A1100(0.8mm×100mm×300mm)に、フッ素系プライマー(商品名「デュフロンK500プライマー」、日本ぺイント社製)を膜厚5〜10μmとなるように塗装し10分間放置した後、上塗りメタリック塗料(フッ素系上塗り塗料(PVdF)、商品名「デュフロンK500」、日本ぺイント社製)を乾燥膜厚が30〜35μmとなるように塗装し、240℃で20分間焼き付けた後、上記実施例1〜4及び比較例1〜3のクリヤ塗料組成物をそれぞれ乾燥膜厚が10〜15μmとなるように塗装し、表3に示す焼き付け条件で焼き付けた。
【0047】
得られた塗膜について、塗膜のクラックの有無及び耐汚染性を評価した。塗膜のクラックの有無は、肉眼で評価し、クラックの発生が認められないものを○印とし、クラックの発生が認められたものを×印として評価した。
【0048】
また、耐汚染性については、日本ペイント株式会社の寝屋川事業所内で、2か月間曝露した後、そのままの状態でΔL値の変化を測定し、ΔL値が5以内のものを○印として評価し、ΔL値が5を超えるものを×印として評価した。
評価結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
表3に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜4のクリヤ塗料組成物を用いてものは、焼き付け時においてクラックを発生することがなく、また耐汚染性においても優れていることがわかる。
【0051】
また、シリケート化合物A、B及びD〜Gについても、上記のシリケート化合物Cと同様にして、表2に示す割合となるように上記塗料に添加し、クリヤ塗料組成物を調製して、得られた塗膜について塗膜のクラックの有無及び耐汚染性を評価したところ、シリケート化合物Cと同様の結果が得られた。
【0052】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物を用いることにより、高温での焼き付けにおいても塗膜にクラック等を生じることなく、耐久性及び耐汚染性に優れた塗膜を形成することができる。従って、建築用パネル等の塗料として用い、優れた耐久性及び耐汚染性を発揮することができる。
Claims (8)
- 前記一般式(1)中のアラルキル基がベンジル基である請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記一般式(1)中の低級アルキル基がメチル基またはエチル基である請求項1または2に記載の塗料組成物。
- 前記一般式(1)中のアラルキル基がベンジル基であり、低級アルキル基がエチル基である請求項1に記載の塗料組成物。
- R1 OH(式中、R1 は一般式(1)中のアラルキル基を示す。)で表されるアルコールを、前記シリケート化合物100重量部に対して、10〜200重量部の割合で添加したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 前記有機塗膜形成成分が、210℃以上の温度で焼き付けて塗膜化させる有機塗膜形成成分である請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗布した後、210℃以上の温度で焼き付けることを特徴とする塗装方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物または請求項7に記載の塗装方法を用いて塗装したことを特徴とする基体。
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