JP2002294154A - 耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板用塗料組成物及びプレコート金属板 - Google Patents
耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板用塗料組成物及びプレコート金属板Info
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Abstract
応を抑え、耐汚れ付着性に優れた耐汚れ付着性を呈する
プレコート金属板を製造する。 【構成】 このプレコート金属板用塗料組成物は、シラ
ン化合物又はその縮合架橋物及び中性顔料が配合されて
いる。中性顔料には、JIS K5101の顔料試験法
で規定されるpH測定法の常温法で測定したpHが5.
5〜8.5の範囲にある顔料が使用される。シラン化合
物には、具体的には一般式R1 4-nSi(OR2)n[ただ
し、R1:アルキル基又はアルコキシル基,R2:アルキ
ル基,n:3又は4]で表されるシラン化合物が使用さ
れる。好ましくは塗料固形分100重量部に対して1〜
20質量部のシラン化合物又はその縮合架橋物と10〜
50質量部の中性顔料とを配合することにより調製され
る。
Description
建材として使用される耐汚れ付着性に優れたプレコート
金属板及び塗膜形成用の塗料組成物に関する。
性,耐久性,意匠性等を改善するため一般的に塗装が施
されており、耐久性に優れた種々の塗料が開発され汎用
されている。しかし、自動車の排ガス,工場からの排煙
等に起因した環境の悪化に伴って、汚染空気に含まれて
いるカーボン系汚染物質等による汚れが顕在化してき
た。
来の塗装金属板では汚れ付着防止が十分でなく、比較的
短期間のうちに汚れが目立つ。そのため、この種の汚れ
に対する付着防止機能が塗装金属板に要求されるように
なってきた。屋外での汚れ付着を低減する対策として
は、シラン化合物やその縮合架橋物を有機塗料組成物に
配合した塗料(WO94/06870,特開平7−33
1136号公報,特開平8−12921号公報)が知ら
れている。この塗料から作製された塗膜は、シラン化合
物やその縮合架橋物によって塗膜表面が親水性になるた
め、大気汚染の主たる原因物質である油性のカーボン系
汚染物質が定着しがたく、汚れ付着に対する抵抗が高い
塗膜表面となる。
されているシラン化合物やその縮合架橋物は、塗料中で
縮合架橋が進行する高分子化反応及び塗料組成物との反
応によって、親水性付与に有効なシラン化合物の縮合架
橋物が塗膜表面に分布しなくなることがある。塗膜表面
にシラン化合物の縮合架橋物がないと、目標とする親水
性が塗膜表面に付与されず、耐汚れ付着性が高位に安定
したプレコート金属板が得られない。
る水素イオン又は水酸化物イオンがシラン化合物の縮合
架橋物の生成に大きな影響を及ぼしているとの知見をベ
ースに完成されたものであり、塗料に配合される着色顔
料や体質顔料として中性の顔料を使用することにより、
シラン化合物やその縮合架橋物の官能基の加水分解,主
鎖の脱水縮合,シラン化合物やその縮合架橋物と塗料組
成物との反応を抑え、シラン化合物の縮合架橋物を塗膜
表面に分布させ、耐汚れ付着性及び品質安定性に優れた
プレコート金属板を提供することを目的とする。
は、その目的を達成するため、シラン化合物又はその縮
合架橋物及び中性顔料が配合されており、JIS K5
101の顔料試験法で規定されるpH測定法の常温法で
測定した中性顔料のpHが5.5〜8.5の範囲にある
ことを特徴とする。この塗料組成物は、好ましくは塗料
固形分100重量部に対して1〜20質量部のシラン化
合物又はその縮合架橋物と10〜50質量部の中性顔料
とを配合することにより調製される。シラン化合物に
は、具体的には一般式R1 4-nSi(OR2)n[ただし、R
1:アルキル基又はアルコキシル基,R2:アルキル基,
n:3又は4]で表されるシラン化合物が使用される。
水剤には、オルト蟻酸トリアルキル,オルト酢酸トリア
ルキル,オルト硼酸トリアルキル等があり、1種又は2
種以上の脱水剤が好ましくは1〜50質量部の割合で配
合される。塗料組成物を金属板に塗布して加熱乾燥する
とき、耐汚れ付着性に優れた塗膜が形成されたプレコー
ト金属板が製造される。塗装原板は、脱脂,酸洗,クロ
メート処理,リン酸塩処理,クロムフリー処理等、適宜
の塗装前処理が施される。
合物や縮合架橋物の挙動について種々調査検討した。シ
ラン化合物やその縮合架橋物は、塗膜表層に濃化するこ
とによって塗膜に親水性を付与するものであるが、塗料
組成物との間で生じる架橋反応によってシラン化合物の
縮合架橋物が塗膜面に分布しなくなることがある。シラ
ン化合物の縮合架橋反応の進行と塗料組成物との関係を
調査したところ、顔料の物性が大きな影響を及ぼしてい
ることを解明した。
中には、塗料原料に由来する水分や雰囲気から塗料組成
物に吸収された水分に接すると、水素イオンや水酸化物
イオンの発生源になるものが多い。発生した水酸化物イ
オンはアルコキシル基を水酸基に置換し、水素イオンは
水酸基の脱水縮合を促進させる。その結果、塗料組成物
に含まれている水分とシラン化合物やその縮合架橋物と
の反応が促進され、分子量が増大することによって塗膜
表層への濃化が妨げられ、更に反応が進行すると塗料が
ゲル化する。
K5101の顔料試験法で定められているpH測定法の
常温法によってpH測定できる。常温法は、顔料5gに
脱炭酸ガス水100cm3を加えて1分間振り混ぜた
後、5分間静置し、水のpHを測定する方法である。常
温法で測定したpHが5.5〜8.5の範囲にある中性
顔料は、水と接触する状況において水素イオンや水酸化
物イオンを発生させることが極めて少ない。
め、脱水剤を添加することが好ましい。脱水剤には、オ
ルト蟻酸トリアルキル,オルト酢酸トリアルキル,オル
ト硼酸トリアルキルが単独で又は複合で使用される。こ
れらの脱水剤は、塗料組成物中の水分と反応してアルコ
ール及びエステルに分解される。その結果、シラン化合
物やその縮合架橋物のアルコキシル基から水酸基,アル
コールへの加水分解が抑制され、水酸基の脱水縮合によ
りシラン化合物が重合度を増大させることがなく、親水
化に有効なアルコキシル基が確保されると共に、分子量
増加に伴う立体障害による影響を受けることなくシラン
化合物やその縮合架橋物が塗膜表面に濃化する。
合架橋物は、環境中の水分によってアルコキシル基が水
酸基に加水分解される。したがって、水酸基が表面に配
向した塗膜が形成され、親水性、ひいてはカーボン系汚
染物質の定着しがたい塗膜表面が得られる。
に制約を受けるものではなく、プレコート金属板用に使
用されているポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂
の混合樹脂,溶剤可溶型フッ素樹脂,ポリエステル樹
脂,シリコーンポリエステル樹脂,アクリル樹脂,ウレ
タン樹脂,塩化ビニリデン樹脂等が使用される。塗膜に
親水性を付与するため、シラン化合物及び/又はその縮
合架橋物がベース樹脂に添加される。シラン化合物やそ
の縮合架橋物は、R1 4-nSi(OR2)n[ただし、R1:
アルキル基又はアルコキシル基,R2:アルキル基,
n:3又は4]で表されるテトラメトキシシラン,テト
ラエトキシシラン,テトラプロポキシシラン等のモノマ
ーに水及び触媒を添加し、加水分解及び脱水縮合によっ
てオリゴマーにしたものが使用される。
脂100質量部に対して1質量部以上の割合で配合され
るとき、塗膜表面を親水化する作用が顕著になる。しか
し、20質量部を超える過剰量のシラン化合物やその縮
合架橋物が配合されると、塗膜の加工性が低下し、塗膜
にクラックが生じやすくなる。
ための着色顔料や体質顔料が添加されるが、これら顔料
として中性顔料を使用する。顔料のpHは、種類に応じ
て定まっているものではなく、多少の成分のバラツキや
表面処理の相違によって異なる値を示す。そこで、JI
S K5101の顔料試験方法で定められている常温法
で測定したpH値が5.5〜8.5の顔料を使用するこ
とが好ましい。具体的には、炭酸ガスを除去した水10
0cm3を顔料5gに加えて1分間攪拌した後、5分間
静置して水のpHを測定することにより求められる。
の発生源になり、シラン化合物やその縮合架橋物の主鎖
の脱水縮合を促進させて高分子化し、塗膜表面への濃化
を妨げる。逆にpHが8.5を超える顔料は、水酸化物
イオンの発生源になり、アルコキシル基を加水分解によ
って水酸基に置換する。そして、水酸基が脱水縮合し、
シラン化合物やその縮合架橋物を高分子化する。これに
対し、pHが5.5〜8.5の範囲にある中性顔料が配
合された塗料系では、水素イオンや水酸化物イオンの発
生が少なく、シラン化合物やその縮合架橋物が塗料中に
安定的に存在し得る。
ック,鉄黒,チタンイエロー,ベンガラ,紺青,コバル
トブルー,セルリアンブルー,群青,コバルトグリー
ン,モリブデン赤等の無機顔料や、リソールレッドB,
ブリリアントスカーレットG,ピグメントスカーレット
3B,ブリリアントカーミン6B,レーキレッドC,レ
ーキレッドD,パーマネントレッド4R,ボルドー10
B,ファストイエローG,ファストイエロー10G,パ
ラレッド,ウォッチングレッド,ベンジジンイエロー,
ベンジジンオレンジ,ボンマルーンL,ボンマルーン
M,ブリリアントファストスカーレット,バーミリオン
レッド,フタロシアニンブロー,フタロシアニングリー
ン,ファストスカイブルー,アニリンブラック等の有機
顔料がある。シリカ,クレー,タルク,硫酸バリウム等
の体質顔料を添加する場合も、pH5.5〜8.5の中
性顔料が好ましい。
ブルーやフタロシアニングリーンを使用するとき、α型
から着色力の弱いβ型への結晶転移を防止するために使
用されるハロゲンやカルボキシル基,スルホン酸基等の
置換基を導入した誘導体では酸性を呈するものがある。
他方、無機顔料には複雑組成の複合酸化物が多量に含ま
れているが、メーカや製造ロットの違いに起因する組成
の相違や顔料の表面処理の相違に応じてpH値が異なっ
てくる。顔料全体としてのpHが5.5〜8.5の範囲
に収まるように、pHが広範囲に及ぶ顔料の中から単数
又は複数の顔料を選択することにより、顔料が水素イオ
ン又は水酸化物イオンの発生源とならず、シラン化合物
やその縮合架橋物と水分との反応が抑制される。
を除去するため、オルト蟻酸トリアルキル,オルト酢酸
トリアルキル,オルト硼酸トリアルキルの1種又は2種
以上が添加される。オルト蟻酸トリアルキルには、オル
ト蟻酸トリメチル,オルト蟻酸トリエチル,オルト蟻酸
トリブチル等がある。オルト酢酸トリアルキルには、オ
ルト酢酸トリメチル,オルト酢酸トリエチル,オルト酢
酸トリブチル等がある。オルト硼酸トリアルキルには、
オルト硼酸トリメチル,オルト硼酸トリエチル,オルト
硼酸トリブチル等がある。
質量部以上の割合で配合することにより脱水効果が顕著
になり、シラン化合物やその縮合架橋物と水分との反応
が効果的に抑制される。しかし、50質量部を超える過
剰量の脱水剤を配合すると,塗料組成物の粘度が低下
し、塗装性に悪影響が現れる。更に、塗装性,塗膜硬
度,意匠性,耐食性等を改善するため、必要に応じてガ
ラスビーズ,ガラスフレーク,鱗片状酸化鉄粉等の骨
材、マイカ,鱗片状金属粉,金属被覆鱗片状粉末等の光
輝性粉末、PANビーズ,アクリルビーズ,ナイロンビ
ーズ,ポリテトラフルオロエチレン等の有機粒子、艶消
し剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種
添加剤を添加しても良い。これらの骨材粉末や添加剤と
しても、顔料と同様に水素イオンや水酸化物イオンの発
生源とならないように、中性添加剤が使用される。
コート,カーテンコート,スプレーコート,ダイコート
等で下地処理した塗装原板に塗布し、焼成することによ
って耐汚れ付着性に優れた塗膜が形成されたプレコート
金属板が製造される。塗布された塗料組成物は、使用す
る塗料の標準的条件、具体的には150〜300℃×2
0〜120秒の加熱で焼成される。塗装原板には、冷延
鋼板,亜鉛めっき鋼板,Zn−Al合金めっき鋼板,Z
n−Al−Mg合金めっき鋼板,アルミニウムめっき鋼
板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミニウム合
金板,銅板等が使用される。塗装原板は、必要に応じて
脱脂,酸洗,クロメート処理,クロムフリー処理,リン
酸塩処理等の塗装前処理が施される。
性のある塗膜が最表層にある限り、下塗り塗膜/上塗り
塗膜の2層構成,下塗り塗膜/中塗り塗膜/上塗り塗膜
の3層構成,或いは耐汚れ付着性のある塗膜の単層構成
の何れであっても良い。プレコート金属板の防食性及び
塗膜密着性を確保する上では、塗装原板にプライマ層を
設けた後で耐汚れ付着性のある塗膜を形成することが好
ましい。プライマ層は、エポキシ塗料,ウレタン塗料,
エポキシウレタン塗料,ポリエステル塗料,アクリル塗
料等の塗料を塗装原板に塗布し、焼成することによって
形成される。プライマ層の膜厚を3μm以上とすると、
防食性及び塗膜密着性に及ぼすプライマ層の効果が顕著
になる。しかし、厚すぎるプライマ層では塗装コストが
高くなることは勿論、加工性も低下するので、5μm前
後の膜厚でプライマ層を形成することが好ましい。中塗
り塗膜を設ける場合、ポリフッ化ビニリデン樹脂とアク
リル樹脂の混合樹脂塗料,溶剤可溶型フッ素樹脂塗料,
ポリエステル塗料,シリコンポリエステル樹脂塗料,ア
クリル樹脂塗料,ウレタン樹脂塗料,塩化ビニル樹脂塗
料等が使用される。
を混合した上塗り塗料(ディックフロー−C:大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)及び外装建材用ポリエステル
系上塗り塗料(CA型:大日本インキ化学工業株式会社
製)に複合酸化物系焼成顔料を配合し、上塗り塗料を調
製した。なお、使用した複合酸化物系焼成顔料は、JI
S K5101の顔料試験法で定められているpH測定
法の常温法で測定した。調製した上塗り塗料の組成を表
1に示す。
で塗装鋼板を作製した。両面当りZn付着量250g/
m2の溶融亜鉛めっき鋼板を塗装原板に使用し、常法に
従って塗装原板に表面調整及びクロメート処理を施し、
エポキシプライマ塗料(800Pプライマ:大日本インキ化
学工業株式会社製)を塗布し、最高到達板温200℃で
40秒間焼成することにより乾燥膜厚5μmの下塗り塗
膜を形成した。次いで、ポリフッ化ビニリデン樹脂・ア
クリル樹脂混合系の上塗り塗料を塗布し、最高到達板温
250℃で60秒間焼成した後、直ちに水冷することに
よって乾燥膜厚22μmの上塗り塗膜を形成した。
合、同様に塗装前処理した溶融亜鉛めっき鋼板にエポキ
シプライマ塗料(700Pプライマ:大日本インキ化学工業
株式会社製)を塗布し、最高到達板温200℃で20秒
間焼成することにより乾燥膜厚5μmの下塗り塗膜を形
成した。次いで、ポリエステル系上塗り塗料を塗布し、
最高到達板温215℃で30秒間焼成し、乾燥膜厚18
μmの上塗り塗膜を形成した。
し、塗膜表面の親水性及び耐汚れ付着性を調査した。親
水性は、接触角測定器を用いて塗膜表面と水との静的接
触角を測定し、接触角の大小によって評価した。耐汚れ
付着性に関しては、南に向けて垂直配置した試験片の上
に雨水が流れ落ちるように、長さ20cmの塩化ビニル
製波板を角度15度で試験片の上に取り付け、千葉県市
川市で屋外曝露試験し、3ヶ月経過後に試験片から2m
離れた位置で試験片表面を目視判定した。雨筋汚れのな
い試験片を○,若干の雨筋汚れが観察された試験片を
△,明確な雨筋汚れが観察された試験片を×として耐汚
れ付着性を評価した。
例の塗料組成物から形成された塗膜は、耐水接触角が小
さく親水性が良好で、雨筋状の汚れが検出されず、優れ
た耐汚れ付着性を呈することが判った。これに対し、比
較例1〜4の塗料組成物から形成された塗膜は、耐水接
触角が大きく親水性に欠け、屋外曝露試験後に明確な雨
筋汚れが観察された。このことは、酸性又はアルカリ性
顔料が水素イオン又は水酸化物イオンの発生源となり、
シラン化合物やその縮合架橋物の官能基の加水分解及び
主鎖の脱水縮合が進行し、親水性に有効な塗膜表面が形
成されなかったことを意味する。
とアクリル樹脂を混合した上塗り塗料(ディックフロー
−C:大日本インキ化学工業株式会社製)及び外装建材
用ポリエステル系上塗り塗料(CA型:大日本インキ化
学工業株式会社製)に複合酸化物系焼成顔料,オルト蟻
酸トリエチル(脱水剤),テトラメトキシシランのオリ
ゴマーを配合し、上塗り塗料を調製した。調製した上塗
り塗料の組成を表3に示す。
した後、塗料性状を観察した。調製後の塗料に比較して
変化がみられなかったものを○,ゲル化していないが増
粘しているものを△,ゲル化しているものを×として塗
料の貯蔵安定性を評価した。また、3ヶ月保管後の上塗
り塗料を用い、実施例1と同じ方法で塗装鋼板を作製し
た。得られた各塗装鋼板から試験片を切り出し、塗膜表
面の親水性及び耐汚れ付着性を調査した。
例の塗料組成物は、40℃に3ヶ月間保管した後でも、
塗料調製直後に比較して塗料性状に大きな変化がなかっ
た。また、この塗料組成物から形成された塗膜は、耐水
接触角が小さく親水性が良好で、雨筋状の汚れが検出さ
れず、優れた耐汚れ付着性を呈することが判った。これ
に対し、比較例2,4の塗料組成物は、40℃に3ヶ月
間保管した後でゲル化が進行しており、塗装に使用でき
なかった。比較例1,2の塗料組成物は、40℃に3ヶ
月間保管した後にゲル化していないものの、粘度がかな
り上昇していた。また、比較例1,2の塗料組成物から
形成された塗膜は、耐水接触角が大きく親水性に欠け、
屋外曝露試験後に明確な雨筋汚れが観察された。
物やその縮合架橋物を配合した塗料組成物に中性顔料及
び脱水剤を添加することによって、塗料組成物の貯蔵安
定性が向上し、長時間保管した後でも塗料性状に大きな
変化がなく、耐汚れ付着性に優れた塗膜が形成されるこ
とが確認された。
ート金属板用塗料組成物は、水素イオンや水酸化物イオ
ンの発生源とならない中性顔料を添加しているため、シ
ラン化合物,縮合架橋物の脱水縮合反応が進行せず、ト
リメトキシシランのオリゴマーが塗膜表面に濃化した塗
膜が形成される。その結果、塗膜表面に親水性が付与さ
れ、カーボン系汚染物質に対して優れた耐汚れ付着性を
呈する。併せて、オルト蟻酸トリアルキル、オルト酢酸
トリアルキル、オルト硼酸トリアルキル等の脱水剤を添
加するとき、シラン化合物,縮合架橋物の加水分解が抑
えられ、調製後に長期保管した後でも塗料性状に大きな
変化が生じることがないため、塗料の循環再使用を前提
とするプレコート金属板の製造にも利用される。
Claims (5)
- 【請求項1】 シラン化合物及び/又はその縮合架橋物
及び中性顔料が配合されており、中性顔料のpHがJI
S K5101の顔料試験法で規定されるpH測定法の
常温法で測定したpH値として5.5〜8.5の範囲に
あることを特徴とする耐汚れ付着性に優れたプレコート
金属板用塗料組成物。 - 【請求項2】 シラン化合物が一般式R1 4-nSi(O
R2)n[ただし、R1:アルキル基又はアルコキシル基,
R2:アルキル基,n:3又は4]で表されるシラン化
合物である請求項1記載のプレコート金属板用塗料組成
物。 - 【請求項3】 脱水剤を含む請求項1記載のプレコート
金属板用塗料組成物。 - 【請求項4】 請求項3記載の脱水剤がオルト蟻酸トリ
アルキル,オルト酢酸トリアルキル,オルト硼酸トリア
ルキルから選ばれた1種又は2種以上であるプレコート
金属板用塗料組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4何れかに記載の塗料組成物
から形成される塗膜が設けられている耐汚れ付着性に優
れたプレコート金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001092681A JP2002294154A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板用塗料組成物及びプレコート金属板 |
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Publication Number | Publication Date |
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