JP7192609B2 - 塗装金属板 - Google Patents

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本発明は、塗装金属板に関する。
塗装金属板は、一般に、耐久性、耐候性および意匠性に優れ、例えば外装建材に好適に用いられている。外装建材用の塗装金属板の中でも、長期耐久性を要求される塗装金属板には、フッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板が好適である。
フッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板には、ステンレス鋼板表面に、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂との混合樹脂からなる透明塗膜を有し、当該透明塗膜が特定の結晶化度および硬度を有するフッ素樹脂系塗装ステンレス鋼板が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、フッ素樹脂、アクリル樹脂、無機焼成顔料、および有機顔料を含有するフッ素系着色層を鋼板の表面に有し、かつ特定のガラス転移温度のポリエステルによる塗膜を鋼板の裏面に有するフッ素樹脂系塗装鋼板が知られている(例えば、特許文献2参照)。
フッ素樹脂は、結晶化が経時的に進行することが知られている。すなわち、フッ素樹脂は、ガラス転移温度(たとえばポリフッ化ビニリデンであれば-40℃程度)以上の温度域では分子が比較的運動しやすいという性質と、結晶性を有するという性質と、を有する。そのため、フッ素樹脂は、上記のガラス転移温度以上の温度域において、不規則な分子配列構造(非晶質構造)から規則的な分子配列構造(結晶構造)に変化しやすい。
また、フッ素樹脂は、結晶化すると、分子鎖同士の結合力が強固となるという性質も有する。そのため、フッ素樹脂系の塗膜は、フッ素樹脂の結晶化が経時的に進行することにより、経時的に延性が低下することがある。
そのため、フッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板は、フッ素樹脂系塗膜の延性が高い製造直後は成形加工時の塗膜の破断(塗膜割れ)が生じにくいが、製造後、長期間保管されてフッ素樹脂塗膜の延性が低下した後で成形加工されると、塗膜が破断してしまうことがある。
フッ素樹脂塗膜の加工性改善方法として、製造直後の結晶化を抑制し、塗膜の経時的な加工性低下を防止する方法が提示されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。また、フッ素樹脂塗膜の経時的な加工性低下を防止する方法として、フッ素樹脂に(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合する方法も提示されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2001-009367号公報 特開2008-087242号公報 特開昭61-114846号公報 特開平6-262139号公報 特開平8-131945号公報 特開平9-87575号公報
近年、マグネシウムを添加した高耐食亜鉛めっき鋼板が、塗装用原板として使用されはじめている。そのような高耐食亜鉛めっき鋼板にフッ素樹脂塗膜を形成する場合、当該亜鉛めっき鋼板が有するマグネシウムを添加した亜鉛めっき層は、一般に硬質であるため、成形加工時のめっき層の割れ幅が大きくなりやすい。そして、成形加工時のめっき層の割れ幅が大きくなると、成形加工時のフッ素樹脂塗膜の割れも大きくなる傾向にある。そのため、特に長期保管後であってもフッ素樹脂塗膜の割れをより生じにくくして、加工性をより高めることが望まれている。
また、フッ素樹脂塗膜の割れは、フッ素樹脂塗膜が顔料粒子を含むときに特に生じやすい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フッ素樹脂と、顔料粒子とを含む樹脂層を有する塗装金属板であって、長期保管後でも高い加工性を有する塗装金属板を提供することを目的とする。
本発明は、以下の塗装金属板に関する。
本発明の塗装金属板は、金属板と、その上に配置された樹脂層とを有する塗装金属板であって、前記樹脂層は、基材樹脂と、顔料粒子とを含み、前記基材樹脂は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位とを含む含フッ素共重合体と、アクリル樹脂とを含み、かつ前記含フッ素共重合体の含有量は、前記基材樹脂に対して50質量%以上である。
本発明によれば、顔料粒子を有する樹脂層を有する塗装金属板であって、長期保管後でも高い加工性を有する塗装金属板を提供することができる。
前述の通り、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、フッ化ビニリデン(VDF)の単独重合体)などのフッ素樹脂は、経時的に結晶化しやすいため、塗膜降伏点は高くなりやすく、塗膜伸びは低くなりやすい。これに、アクリル樹脂を添加しても、フッ素樹脂単体と同様に経時的な結晶化を十分には抑制できないため、塗膜降伏点は高くなりやすく、塗膜伸びは低くなりやすかった。なお、塗膜降伏点が高いほど、通常、(硬いため)塗膜伸びが低い傾向がある。
このように、経時的に結晶化した塗膜は、塗膜降伏点は高く、塗膜伸びは低い。そのため、顔料粒子を含まない塗膜では、塗装金属板の成形加工時の変形による塗膜の割れを生じないが;塗膜が顔料粒子を含む場合は、塗装金属板の成形加工時の変形により、樹脂と顔料粒子との界面に空隙を生じやすく、それが起点となって割れを生じやすい。つまり、長期間保管後の塗膜の割れを抑制するためには、長期保管中の経時的な結晶化を少なくすること;それにより、塗膜降伏点の増大や塗膜伸びの低下を少なくすることが望まれる。
これに対して、本発明者らは、フッ化ビニリデン(VDF)の単独重合体に代えて、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(以下、「含フッ素共重合体」という)を含み、かつアクリル樹脂を含む塗膜は、経時的な結晶化が顕著に少ないこと;それにより、長期保管中の塗膜降伏点の増大や塗膜伸びの低下を少なくしうることを見出した。それにより、顔料粒子を含む塗膜であっても、塗装金属板を成形加工する際の割れを生じにくいことを見出した。
上記含フッ素共重合体とアクリル樹脂とを含む樹脂層の経時的な結晶化が顕著に少なくできる理由は、明らかではないが、以下のように考えられる。当該含フッ素共重合体は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が立体障害となるため、フッ化ビニリデン(VDF)の単独重合体よりもそれ自体の結晶性が低いことに加えて、溶剤との親和性が高いため、より低温で溶融しやすい。その結果、塗装金属板製造時の、当該含フッ素共重合体を含む樹脂組成物を高温短時間で固化させる際に、当該含フッ素共重合体とアクリル樹脂とが相溶する時間が十分に確保できる。また、固化後は、HFPが立体障害となるため、当該含フッ素共重合体とアクリル樹脂が容易には相分離しにくく、結晶化を抑制することができる。これらにより、樹脂層の経時的な結晶化を顕著に少なくできると考えられる。
このように、当該含フッ素共重合体は、高いガラス転移温度を有するアクリル樹脂と良好に相溶しうるため、良好な加工性と耐候性とを両立することができる。また、当該含フッ素共重合体は、比較的低いガラス転移温度を有するアクリル樹脂とも良好に相溶しうるため、より高度な加工性を得ることもできる。このように、当該含フッ素共重合体は、種々のアクリル樹脂と良好に相溶しうるため、求められる特性に応じた塗装金属板を得ることができる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.塗装金属板
本発明の塗装金属板は、金属板と、その上に配置された樹脂層とを有する。
1-1.金属板
金属板は、公知の金属板から選ぶことができる。金属板の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn-Al合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板および銅板が含まれる。
金属板は、耐食性および軽量化の観点から、めっき鋼板またはステンレス鋼板であることが好ましく、さらに対費用効果の観点から、めっき鋼板であることが好ましい。また、金属板は、耐食性をより高める観点などから、溶融55%Al-Zn合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板であることが好ましい。これらのうち、亜鉛系めっき鋼板が好ましく、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板などのマグネシウムを含む亜鉛系めっき鋼板がより好ましい。
金属板の厚みは、塗装金属板の用途に応じて適宜設定されうる。例えば、塗装金属板の用途が外装建材である場合は、金属板の厚みは、例えば0.2~3.0mmであることが好ましく、加工性をより高める観点から、0.25~2.0mmであることが好ましい。
1-2.樹脂層
樹脂層は、金属板の表面に接して、または他の層を介して配置されている。
樹脂層は、基材樹脂と、顔料粒子とを含む。樹脂層は、塗装金属板の耐候性をより高める観点から、塗装金属板の最表面を構成する層であることが好ましい。
(基材樹脂)
基材樹脂は、含フッ素共重合体と、アクリル樹脂とを含む。
〔含フッ素共重合体〕
含フッ素共重合体は、樹脂層を構成する基材樹脂の主成分であり、その含有量は、基材樹脂に対して50質量%以上であることが好ましい。
含フッ素共重合体は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位と、ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位とを含む共重合体である。このような含フッ素共重合体は、経時的な結晶化を少なくしつつ、樹脂層に、耐久性、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性、耐食性および耐汚染性などを付与しうる。
含フッ素共重合体における、ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の含有量は、特に制限されないが、耐候性を損なうことなく、経時的な結晶化を少なくする観点では、フッ化ビニリデンに由来する構造単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の合計に対して1~15質量%であることが好ましい。ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の含有量が1質量%以上であると、経時的な結晶化を少なくしやすく、15質量%以下であると、耐候性が損なわれにくい。フッ化ビニリデンに由来する構造単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の合計量は、含フッ素共重合体を構成する全構造単位に対して100質量%であることが好ましい。
含フッ素共重合体中のヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位やフッ化ビニリデンに由来する構造単位の含有量は、19F-NMR法によって測定することができる。
なお、含フッ素共重合体は、主鎖に結合する、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルに由来するグラフト鎖を有しないことが好ましい。塗装金属板を、例えば外装建材などに用いた場合に、紫外線により含フッ素共重合体のグラフト鎖が解離しやすいためである。
含フッ素共重合体は、必要に応じて上記以外の他のフッ素含有モノマーに由来する構造単位をさらに含んでもよい。他のフッ素含有モノマーの例には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニルが含まれる。
含フッ素共重合体の重量平均分子量(Mw)は、100000~700000であることが好ましく、200000~600000であることがより好ましい。例えば、樹脂層の耐候性を高めやすくする観点では、含フッ素共重合体の重量平均分子量(Mw)は高くすることが好ましい。含フッ素共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定することができる。
含フッ素共重合体の含有量は、特に制限されないが、含フッ素共重合体とアクリル樹脂の合計に対して60~95質量%であることが好ましい。含フッ素共重合体の含有量が60質量%以上であると、耐候性や耐食性および耐汚染性などの含フッ素共重合体の特性を十分に発揮しうる。含フッ素共重合体の含有量が95質量%以下であると、アクリル樹脂により含フッ素共重合体の結晶化を十分に抑制しうるだけでなく、金属板との密着性も損なわれにくく、塗装金属板の加工性が損なわれにくい。上記観点から、含フッ素共重合体の含有量は、含フッ素共重合体とアクリル樹脂の合計に対して70~90質量%であることがより好ましい。
なお、含フッ素共重合体とアクリル樹脂の合計量は、基材樹脂に対して60質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。また、基材樹脂の含有量は、樹脂層に対して50質量%以上であることが好ましい。
〔アクリル樹脂〕
アクリル樹脂は、含フッ素共重合体の結晶化を抑制する観点、顔料粒子の分散性を高める観点、および、基材樹脂の密着性を高める観点などから、樹脂層に含有される。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を含む重合体であることが好ましく、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を含む単独重合体、またはメタクリル酸メチルに由来する構造単位と(メタクリル酸メチルと共重合可能な)他の共重合モノマーに由来する構造単位とを含む共重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを意味する。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他の共重合モノマーの例には、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレンなどのビニル類が含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗装金属板の耐候性を損なわれにくくする観点では、アクリル樹脂のガラス転移温度は高いことが好ましい。そのような観点では、アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を主成分とする重合体であることが好ましい。当該重合体における、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、当該重合体を構成する全構造単位に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
一方、塗装金属板の加工性を高めやすくする観点では、アクリル樹脂のガラス転移温度は低いことが好ましい。そのような観点では、アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、アクリル酸エチルに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸と炭素数1~6のアルコールとのエステル化合物(ただし、メタクリル酸メチルを除く)に由来する構造単位とを含む共重合体であることが好ましい。メタクリル酸メチルに由来する構造単位は、上記共重合体に適度な硬度を付与し、アクリル酸エチルに由来する構造単位やエステル化物に由来する構造単位は、上記共重合体に適度な柔軟性を付与しうる。また、上記共重合体は、アクリル酸エチルに由来する構造単位やエステル化物に由来する構造単位は、含フッ素共重合体との相溶性を高める一方で、エステル化合物が含フッ素共重合体との相溶性を適度に低下させることにより、アクリル樹脂と含フッ素共重合体との相溶性を適度に調整することができる。
当該共重合体において、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、10~50質量%であり、アクリル酸エチルに由来する構造の含有量は、40~80質量%であり、上記エステル化合物に由来する構造単位の含有量は、10~50質量%であることが好ましい。さらには、上記共重合体は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、10~30質量%であり、アクリル酸エチルに由来する構造単位の含有量は60~80質量%であり、上記エステル化合物に由来する構造単位の含有量は、10~30質量%であることが好ましい。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず、例えば0~110℃でありうる。樹脂層の耐候性を高めやすくする観点では、アクリル樹脂のTgは高いことが好ましく、例えば50~110℃であることが好ましく、70~110℃であることがより好ましい。一方、含フッ素共重合体の経時的な結晶化を抑制して樹脂層の割れを抑制しやすくし、塗装金属板の加工性を高めやすくする観点では、アクリル樹脂のTgは低いほうが好ましく、例えば40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましい。アクリル樹脂のTgは、示差熱分析(DTA)によって測定することができる。
アクリル樹脂のTgは、アクリル樹脂のモノマー組成によって調整することができる。アクリル樹脂のTgを高くするためには、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量を多くすることが好ましく、アクリル酸エチルに由来する構造単位の含有量は少なくすることが好ましい。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、50000~200000であることが好ましく、70000~150000であることがより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量は、前述と同様の方法で測定することができる。
アクリル樹脂の含有量は、含フッ素共重合体とアクリル樹脂の合計に対して5~40質量%であることが好ましい。アクリル樹脂の含有量が5質量%以上であると、含フッ素共重合体の結晶化を十分に抑制しうるだけでなく、金属板との密着性も高めやすいため、塗装金属板の加工性を十分に高めうる。アクリル樹脂の含有量が40質量%以下であると、耐候性や耐食性および耐汚染性などの含フッ素共重合体の特性が損なわれにくい。上記観点から、アクリル樹脂の含有量は、含フッ素共重合体とアクリル樹脂の合計に対して10~30質量%であることがより好ましい。
(顔料粒子)
顔料粒子は、基材樹脂中に分散されている。
顔料粒子は、着色顔料粒子でもよいし、光沢調整剤粒子でもよいし、体質顔料粒子でもよい。顔料粒子は、一種類で用いられてもよいし、二種類以上で用いられてもよい。
着色顔料粒子は、塗料用の着色顔料として一般に入手できる有機系着色顔料および無機系着色顔料の粒子のいずれであってもよい。着色顔料粒子は、非透明であり、樹脂層に色調を付与して着色塗膜としうる。
無機系着色顔料の例には、酸化チタン、酸化クロム、カーボンブラック、鉄黒、酸化鉄イエロー、チタンイエロー、ベンガラ、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、コバルトグリーン、およびモリブデン赤が含まれる。
有機系着色顔料の例には、キナクリドンレッド、リソールレッドB、ブリリアントスカーレットG、ピグメントスカーレット3B、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、レーキレッドD、パーマネントレッド4R、ボルドー10B、ファストイエローG、ファストイエロー10G、パラレッド、ウォッチングレッド、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、ボンマルーンL、ボンマルーンM、ブリリアントファストスカーレット、バーミリオンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー、およびアニリンブラックが含まれる。
着色顔料粒子は、金属成分を含む複合酸化物焼成顔料の粒子であってもよい。焼成顔料の例には、CoAl、CoCrAl、CoCrZnMgAl、CoNiZnTi、CoCrZnTi、NiSbTi、CrSbTi、FeCrZnNi、MnSbTi、FeCr、FeCrNi、FeNi、FeCrNiMn、FeZn、CoCr、MnCo、およびSnZnTiが含まれる。
また、着色顔料粒子は、メタリック顔料の粒子であってもよい。上記メタリック顔料粒子の例には、Alフレーク、樹脂被覆Alフレーク、金属酸化物被覆Alフレーク、Niフレーク、Cuフレーク、およびステンレス鋼フレークが含まれる。
また、着色顔料粒子は、パール顔料の粒子であってもよい。パール顔料粒子の例には、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、および酸化チタン-酸化鉄被覆雲母が含まれる。
着色顔料粒子の個数平均粒径は、特に制限されないが、通常、3μm以下であり、0.01~1.5μmであることが好ましい。着色顔料粒子の粒径がより小さいと、樹脂層における着色顔料粒子の含有量をより多くすることができる。このような観点からは、着色顔料粒子の個数平均粒径は、2.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。
着色顔料粒子の含有量は、着色顔料粒子の粒径によって異なるが、着色顔料粒子を樹脂層中に配合することによる着色性などの観点から、例えば樹脂層に対して10~40質量%であることが好ましい。
光沢調整剤粒子は、樹脂層に所望の光沢を付与する目的、または、樹脂層の上面に凹凸を形成する目的で添加されうる。光沢調整剤粒子の材料の例には、シリカおよび炭酸カルシウムなどを含む無機材料、ならびに、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾクアナミン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、およびフッ素樹脂などの樹脂材料が含まれる。
光沢調整剤粒子の個数平均粒径は、3μm以下であることが好ましい。市販の光沢調整剤粒子の平均粒径は、通常、3μm超であるので、市販の光沢調整剤粒子を用いる場合には、分級によって粒径3μm以下の粒子を分取して用いることが好ましい。
光沢調整剤粒子の含有量は、光沢調整剤粒子の粒径によって異なるが、光沢調整剤粒子を樹脂層中に配合することによる所期の意匠性の発現の観点から、例えば樹脂層に対して0~10質量%であることが好ましい。
体質顔料粒子は、樹脂層の硬度の調整や塗料のコストダウン(カサ増し効果)などの観点から、樹脂層に含有される顔料であり、一般に、樹脂層の色調には影響しない。体質顔料粒子は、通常、含フッ素共重合体に比べて安価であることから、樹脂層は体質顔料粒子を含有することが好ましい。また、体質顔料粒子は、その可視光の透過率が高いことが好ましい。体質顔料粒子の例には、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカおよび炭酸カルシウムの粒子が含まれる。
体質顔料粒子の個数平均粒径は、例えば0.01~1μmであることが好ましい。
体質顔料粒子の含有量は、樹脂層に対して0~10質量%であることが好ましい。
顔料粒子の含有量(合計含有量)は、樹脂層に対して10~50質量%であることが好ましい。顔料粒子の含有量が上記範囲内であっても、含フッ素共重合体とアクリル樹脂とを含むことで、顔料粒子の周囲を起点とする樹脂層の割れを抑制することができ、塗装金属板の加工性を高めることができる。
(物性)
樹脂層の厚みは、塗装金属板の用途に応じて適宜設定され、例えば5~50μmであることが好ましい。樹脂層の厚みが50μm以下であると、樹脂層を作製する際の塗料の塗布量を多くする必要がなくなり、塗料の膜を加熱し、固化させる際に、ワキ(泡状のフクレや穴)などの塗装欠陥を発生しにくくすることができる。樹脂層の厚みは、10~35μmであることがより好ましい。
樹脂層の厚みは、樹脂層の複数個所(例えば、任意に選ばれる10箇所)における底面から表面までの距離の平均値で表すことができる。
なお、樹脂層の厚みは、顔料粒子の含有量、色調および紫外線遮蔽度、ならびに塗装金属板の成形加工時における加工度などを考慮して、適宜決めることができる。
例えば、樹脂層中の顔料粒子の含有量が多い場合、着色顔料である顔料粒子の色調明度(JISに定めるL値)が低い場合、および、顔料粒子の紫外線遮蔽度が高い場合などは、顔料粒子による樹脂層の発色性(その下地の色に対する色隠蔽性)およびその下地への紫外線遮蔽率が高くなる。そのため、これらの場合は、樹脂層の厚みは、より小さくすることができる。また、加工度が低い場合など、樹脂層に求められる延性が低くなるため、樹脂層の厚みを小さくすることができる。
一方で、樹脂層とその下地との長期密着性を維持する(界面破断を長期間抑制する)観点では、樹脂層の紫外線透過率を低くすることが好ましく、そのためには樹脂層の厚みを大きくすることが好ましい。
このように、樹脂層の厚みの下限値は、一概には言えないが、例えば、加工度が4T曲げ加工度相当であって、着色顔料である顔料粒子(例えば酸化チタン粒子)のL値が80超であれば、樹脂層の厚みは、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましい。また、上記加工度で、かつ着色顔料である顔料粒子(例えば鉄-クロム系焼成顔料粒子)のL値が70以下であれば、樹脂層の厚みは、15μm以上であることが好ましく、18μm以上であることがより好ましい。
なお、他の層を配置する場合には、樹脂層の厚みは、他の層の存在を考慮して決めることができる。例えば、塗装金属板が下塗り層と樹脂層とを有する場合は、樹脂層の厚みは、意匠性、耐食性および経時加工性を高める観点から、例えば10~35μmとしうる。
(ミクロ構造)
樹脂層は、含フッ素共重合体を主成分とする海相(連続相)と、アクリル樹脂を主成分とする島相(分散相)とを有する海島構造を有しうる。本発明では、含フッ素共重合体とアクリル樹脂とが良好に相溶するため、島相(分散相)が微分散している。それにより、含フッ素共重合体を主成分とする海相(連続相)の経時的な結晶化を高度に抑制することができると考えられる。
1-3.その他の層
塗装金属板は、必要に応じて上記樹脂層以外の他の層をさらに有していてもよい。当該他の層の例には、化成処理層、下塗り層、および中塗り層が含まれる。例えば、塗装金属板は、金属板と、化成処理層と、下塗り層と、上記樹脂層とをこの順に有することが好ましく;金属板と、化成処理層と、下塗り層と、中塗り層と、上記樹脂層とをこの順に有することがより好ましい。つまり、樹脂層は、上塗り層として機能することが好ましい。
1-3-1.化成処理層
化成処理層は、塗装金属板の密着性や耐食性を向上させる目的で、金属板上に直接、すなわち金属板と樹脂層との間に配置されうる。化成処理層は、金属板の表面に接して形成された層であり、塗装前処理によって金属板の表面に付着した組成物で構成される。化成処理層の例には、非クロメート系皮膜、およびクロメート系皮膜が含まれる。これらは、いずれも防錆処理による皮膜である。
非クロメート系皮膜は、耐食性を高める観点および塗装金属板の製造および使用における環境への負荷を軽減する観点から好ましく、クロメート系皮膜は、耐食性を高める観点から好ましい。
非クロメート系皮膜の例には、Ti-Mo複合皮膜、フルオロアシッド系皮膜、リン酸塩皮膜、樹脂系皮膜、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜、シリカ系皮膜、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜、ジルコニウム系皮膜、ならびに、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜などが含まれる。
非クロメート系皮膜の付着量は、その種類に応じて適宜に決めることができる。例えば、Ti-Mo複合皮膜の付着量は、全TiおよびMo換算で10~500mg/mであることが好ましく、フルオロアシッド系皮膜の付着量は、フッ素換算または総金属元素換算で3~100mg/mであることが好ましく、リン酸塩皮膜の付着量は、リン元素換算で0.1~5g/mであることが好ましく、樹脂系皮膜の付着量は、樹脂換算で1~500mg/mであることが好ましく、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~50mg/mであることが好ましく、シリカ系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~200mg/mであることが好ましく、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~200mg/mであることが好ましく、ジルコニウム系皮膜の付着量は、Zr換算で0.1~100mg/mであることが好ましく、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Zr換算で0.1~100mg/mであることが好ましい。
クロメート系皮膜の例には、塗布型クロメート処理皮膜、およびリン酸-クロム酸系処理クロメート防錆処理皮膜が含まれる。これらのクロメート系皮膜の付着量は、いずれも、クロム元素換算で20~80mg/mであることが好ましい。
1-3-2.下塗り層
下塗り層は、塗装金属板における上記樹脂層の密着性や耐食性を高める観点から、金属板と樹脂層との間に配置されうる。下塗り層は、金属板の表面あるいは化成処理層の表面に形成される。
下塗り層は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成されうる。熱可塑性樹脂の例には、ポリエステル樹脂、変性シリコン樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂および塩化ビニル樹脂などが含まれる。
また、下塗り層は、硬化性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されてもよい。
硬化性樹脂の例には、エポキシ樹脂、硬化性ポリエステル樹脂(例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂)、硬化性アクリル樹脂(例えば水酸基含有アクリル樹脂)、フェノール樹脂が含まれる。エポキシ樹脂は、アミノ基などを有する変性エポキシ樹脂であってもよい。
硬化剤の例には、硬化剤は、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択されうる。例えば、エポキシ樹脂を硬化させるための硬化剤の例には、アミン化合物、酸無水物およびイミダゾール化合物が含まれる。また、水酸基含有アクリル樹脂などの、水酸基を有する硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤の例には、メラミン化合物およびイソシアネート化合物が含まれる。
下塗り層を構成する樹脂組成物は、防錆顔料粒子、着色顔料粒子、メタリック顔料粒子、パール顔料粒子、体質顔料粒子、および光沢調整剤粒子などの添加剤をさらに含有していてもよい。防錆顔料粒子の例には、変性シリカ、バナジン酸塩、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、およびポリリン酸アルミニウムなどを含む非クロム系の防錆顔料の粒子、ならびに、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウムなどを含むクロム系防錆顔料の粒子などが含まれる。
着色顔料粒子の例には、酸化チタン、酸化クロム、カーボンブラック、鉄黒、酸化鉄イエロー、チタンイエロー、ベンガラ、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、コバルトグリーン、モリブデン赤、キナクリドンレッド、リソールレッドB、ブリリアントスカーレットG、ピグメントスカーレット3B、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、レーキレッドD、パーマネントレッド4R、ボルドー10B、ファストイエローG、ファストイエロー10G、パラレッド、ウォッチングレッド、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、ボンマルーンL、ボンマルーンM、ブリリアントファストスカーレット、バーミリオンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー、アニリンブラック、CoAl、CoCrAl、CoCrZnMgAl、CoNiZnTi、CoCrZnTi、NiSbTi、CrSbTi、FeCrZnNi、MnSbTi、FeCr、FeCrNi、FeNi、FeCrNiMn、FeZn、CoCr、MnCo、およびSnZnTiなどの粒子が含まれる。
メタリック顔料粒子の例には、Alフレーク、樹脂被覆Alフレーク、金属酸化物被覆Alフレーク、Niフレーク、Cuフレーク、およびステンレス鋼フレークなどが含まれる。パール顔料粒子の例には、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、および酸化チタン-酸化鉄被覆雲母などが含まれる。体質顔料粒子の例には、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカおよび炭酸カルシウムなどの粒子が含まれる。光沢調整剤粒子の例には、シリカおよび炭酸カルシウムなどの無機材料、ならびに、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾクアナミン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、およびフッ素樹脂などの樹脂材料などが含まれる。
これらの添加剤の含有量は、特に制限されない。例えば樹脂層にパール顔料を含有させ、樹脂層と金属板の間に、明度の低い下塗り層を設けることで、パール顔料独特の色調および光輝感を付与することができる。また、下塗り層中に粒径数十μm程度の大粒径顔料粒子を添加することで、下塗り層と樹脂層との界面に凹凸を形成させて、樹脂層の密着性をさらに高めることができ、また、塗装金属板表面における凹凸の形成により、低光沢性をさらに高めることができる。また、下塗り層における体質顔料粒子の含有量は、0~30質量%であることが好ましい。また、下塗り層における防錆顔料粒子の含有量は、10~40質量%であることが好ましい。
下塗り層の厚みは、特に制限されないが、例えば1~10μmであることが好ましく、3~7μmであることがより好ましい。
1-3-3.中塗り層
中塗り層は、塗装金属板における層間の密着性や耐食性を高める観点から、下塗り層と樹脂層との間に配置されうる。
中塗り層も、下塗り層と同様に、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物で構成されてもよいし、硬化性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されてもよい。また、中塗り層も、下塗り層と同様に、添加剤をさらに含有していてもよい。当該添加剤は、例えば、樹脂層で説明したものと同じものを使用できる。
中塗り層の厚みは、特に制限されないが、例えば3~20μmであることが好ましく、5~15μmであることがより好ましい。
2.塗装金属板の製造方法
塗装金属板は、公知の塗膜の作製方法で製造することができる。例えば、塗装金属板は、1)金属板上に、樹脂層用塗料(樹脂塗料)の塗膜を形成する工程と、2)当該樹脂塗料の塗膜を固化させる(焼き付ける)工程と、3)固化させた(焼き付けた)塗膜を急冷して結晶化させる工程と、を経て製造することができる。
1)の工程について
樹脂塗料は、上記各成分を、溶剤に分散または溶解させたものでありうる。溶剤の例には、トルエン、キシレンなどの炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、セロソルブなどのエーテル、および、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトンが含まれる。
樹脂塗料は、必要に応じて他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分の例には、硬化剤、硬化触媒および親水化剤が含まれる。
硬化剤は、基材樹脂が、水酸基やカルボキシル基、グリシジル基、活性ハロゲン原子、イソシアネート基などの架橋性基を有する場合に、樹脂塗料中に添加され、当該塗料の焼き付け時に、基材樹脂を架橋させる。
硬化剤は、基材樹脂の種類や焼付け条件などに応じて、既知の架橋剤や硬化剤などから適宜に選択することができる。例えば、基材樹脂が水酸基などを有する場合、硬化剤としては、例えばメラミン化合物やイソシアネート化合物を用いることができる。メラミン化合物の例には、イミノ基型、メチロールイミノ基型、メチロール基型または完全アルキル基型のメラミン化合物が含まれる。イソシアネート化合物は、芳香族、脂肪族、脂環族のいずれでもよく、例としては、m-キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのブロック化合物が含まれる。
硬化触媒は、塗膜の硬化または基材樹脂の架橋を促進させる成分であり、このような触媒作用を有する公知の成分から適宜に選ぶことができる。
親水化剤は、樹脂層の添加剤として好適であり、樹脂層の雨筋汚れを防止する観点から、樹脂塗料に含有されうる。親水化剤の例には、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物が含まれる。
塗料の塗布は、ロールコート、カーテンフローコート、スプレーコート、浸漬コートなどの公知の方法によって行うことができる。
2)の工程(焼き付け工程)について
得られた樹脂塗料の塗膜を固化させる(焼き付ける)。
具体的には、樹脂塗料中から溶剤を揮発させるとともに、焼き付けして、樹脂塗料の塗膜を固化させる。樹脂塗料が硬化剤を含む場合は、樹脂塗料中から溶剤を揮発させるとともに、焼き付けして塗膜を硬化させる。
樹脂塗料の塗膜の固化は、加熱による焼き付けによって行うことができる。例えば、樹脂塗料が塗布された金属板は、その到達温度が200~260℃となるように加熱される。
3)の工程(結晶化工程)について
固化させた(焼き付けした)塗膜を急冷して結晶化させて、樹脂層を得る。
すなわち、加熱により固化した塗膜を、含フッ素共重合体の溶融温度以上の温度(200℃)から含フッ素共重合体の分子運動が低下して結晶が成長しにくくなる温度(70℃)まで、130℃/秒以上の冷却速度で冷却する(結晶化工程)。なお、粗大な結晶が生じることによる加工性の低下を抑制する観点からは、冷却速度はより速いことが好ましく、250℃/秒以上であることが好ましい。
塗膜の冷却は、空冷、水冷、放冷、冷却部材へ接触およびこれらの組み合わせなどの公知の方法によって行うことができる。
結晶化工程は、塗膜の固化の直後に行ってもよいし、溶融温度よりも低い温度で固化した塗膜を溶融温度以上の温度まで加熱した後に行ってもよい。
他の工程について
塗装金属板の製造方法は、必要に応じて上記以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。当該他の工程の例には、化成処理皮膜を形成する化成処理工程、下塗り層を形成する工程、および中塗り層を形成する工程の一以上が含まれる。
化成処理工程は、化成処理皮膜を形成するための水性の化成処理液を、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法などの公知の方法で金属板の表面に塗布し、塗布後に上記金属板を水洗せずに乾燥させることによって行うことができる。当該金属板の乾燥温度および乾燥時間は、生産性の観点から、例えば、金属板の到達温度で60~150℃、2~10秒間であることが好ましい。
下塗り層を形成する工程は、下塗り層用の塗料(下塗り塗料)の塗布およびそれによる膜の硬化によって行うことができる。当該下塗り塗料は、必要に応じて、溶剤および添加剤を含んでいてもよい。下塗り塗料は、上述した材料を均一に混合、分散させることによって調製される。当該塗料の塗膜は、例えば、金属板の到達温度で180~260℃の温度で金属板を加熱することにより金属板に焼き付けられ、作製される。
中塗り層を形成する工程も、前述と同様に、中塗り層用の塗料(中塗り塗料)の塗布およびそれによる塗膜の固化によって行うことができる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.塗装原板の作製
(金属板の準備)
板厚0.4mm、両面めっき付着量180g/mの溶融Zn-6%Al-3Mg合金めっき鋼板をアルカリ脱脂した。
(化成処理層の形成)
次いで、アルカリ脱脂しためっき鋼板の表面に、下記組成の非クロメート防錆処理液を塗布し、塗布後のめっき鋼板を水洗することなく100℃で乾燥させた。それにより、Ti換算で10mg/mの付着量の非クロメート防錆処理(化成処理層の形成)を行った。
ヘキサフルオロチタン酸 55g/L
ヘキサフルオロジルコニウム酸 10g/L
アミノメチル置換ポリビニルフェノール 72g/L
水 残り
(下塗り層の形成)
次いで、めっき鋼板の上記の非クロメート防錆処理後の表面に、下記組成を有するエポキシ樹脂系下塗り塗料を塗布した後、めっき鋼板の到達温度が200℃となるように加熱し、乾燥膜厚が5μmの下塗り塗膜を有する、クロメートフリーのめっき鋼板を得た。これを塗装原板とした。なお、クリアー塗料は、日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「NSC680」(アミン変性エポキシ樹脂と、イソシアネート系硬化剤とを含む塗料)である。
リン酸塩混合物 23質量%(対固形分)
硫酸バリウム 15質量%(対固形分)
シリカ 1質量%(対固形分)
クリアー塗料 残り
2.フッ素樹脂塗料の調製
2-1.材料の準備
(フッ素樹脂)
フッ素樹脂1:ポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製「Kynar500」)
フッ素樹脂2:フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(VDF/HFP=94/6質量比)(アルケマ社製「Kynar Flex LBG」、重量平均分子量450000)
フッ素樹脂3:フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体(VDF/HFP=85/15質量比)(アルケマ社製「Kynar Flex 2751」、重量平均分子量400000)
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂として、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、およびアクリル酸エチル(EA)を異なる配合比で含む重合物を常法で合成し、アクリル樹脂1~5とした。
Figure 0007192609000001
アクリル樹脂1~5の重量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(Tg)は、それぞれ以下の方法で測定した。
〔重量平均分子量〕
アクリル樹脂の重量平均分子量は、JIS K 0124-2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した。
〔ガラス転移温度〕
アクリル樹脂のガラス転移温度を、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121-2012に準拠して測定した。
(顔料粒子)
顔料粒子:酸化チタン(テイカ株式会社製「JR-805」、平均粒径:0.29μm)
2-2.フッ素樹脂塗料の調製
(フッ素樹脂塗料1~16の調製)
フッ素樹脂とアクリル樹脂とを表2に示す質量比で配合し、さらに、塗料溶剤成分(イソホロン)および固形分の全質量に対して30質量%となる量の上記顔料粒子を配合して混合した。その後、得られた混合物を500メッシュのフィルターでろ過して凝集粒子を当該混合物から除去して、フッ素樹脂塗料1~16を調製した。
得られたフッ素樹脂塗料1~16の樹脂組成を、表2に示す。
Figure 0007192609000002
3.塗装金属板の作製および評価
(塗装金属板1~16の作製)
上記作製した塗装原板の下塗り層上に、表3に示されるフッ素樹脂塗料を塗布した後、めっき鋼板の到達温度が250℃となるように加熱した。次いで、これを20℃の水中に浸漬して水冷した後、水中から取り出してガーゼで水分をふき取り、23℃の室内で乾燥させた。このとき、200℃~70℃の冷却速度は、250℃/秒であった。このようにして、塗装原板の下塗り層上に、厚み20μmのフッ素樹脂塗料の塗膜(樹脂層)を有する塗装金属板1~16を作製した。
(評価)
得られた塗装金属板1~16の塗膜降伏点、塗膜伸びおよび加工性を、以下の方法で評価した。
(塗膜降伏点、塗膜伸び)
(1)初期(塗装直後)
得られた塗装金属板から樹脂層を剥離した後、幅5mm、長さ40mmの大きさにカットして、サンプルとした。このサンプルについて、標線間距離25mmとして、ISO 527:JIS K 7161に準拠して引張試験を行い、塗膜降伏点(N/mm)と塗膜伸び(%)を測定した。引張速度は10mm/分とした。測定温度は23℃であった。
(2)保管後
得られた塗装金属板を60℃の環境下に7日間静置した後、前述と同様にして、塗膜降伏点と塗膜伸びを測定した。
(加工性)
(1)初期(塗装直後)
得られた塗装金属板を製造後2時間以内に、塗膜を外側にして試験板と同一厚さの板をはさみ、23℃で180°に折り曲げた。このとき、塗膜にクラックが生じない最少の板はさみ枚数Tを記録した。はさみ枚数Tが小さいほど、加工性は良好であることを意味する。
(2)保管後
得られた塗装金属板を60℃の環境下に7日間静置した後、前述と同様にして、180°曲げ試験を行い、塗膜にクラックが生じない最少の板はさみ枚数Tを記録した。
また、一部の塗装金属板については、さらに耐候性を以下の方法で評価した。
(耐候性)
得られた塗装金属板を所定の大きさにカットし、試験片とした。この試験片について、JIS B 7753に準じてサンシャインウェザーメーター試験を4000時間実施した。試験終了後、得られた試験片の60度鏡面光沢度を測定し、初期光沢度に対する光沢保持率を求めた。光沢保持率が高いほど、耐候性が高いことを意味する。
塗装金属板1~16の評価結果を、表3に示す。なお、表中の「-」は、未測定であることを示す。
Figure 0007192609000003
表3に示されるように、(アクリル樹脂の種類が同じ場合、)フッ素樹脂として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体を用いた塗装金属板5~15(実施例)は、フッ素樹脂としてポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデン単独重合体)を用いた塗装金属板1~4(比較例)よりも塗装直後(初期)および60℃7日保管後の塗膜の伸びがいずれも高く、加工性も高いことがわかる。また、塗装金属板5~8(実施例)の塗装金属板は、良好な耐候性を維持していることもわかる(塗装金属板1~4と5~8との対比)。
特に、アクリル樹脂として、メタクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸エチル(EA)の共重合体またはメタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸エチル(EA)およびメタクリル酸エチル(EMA)の共重合体を用いることで、塗膜伸び率がより高く、加工性がより高まることがわかる(塗装金属板5~8の対比、塗装金属板10~13の対比)。
また、フッ素樹脂として、ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の含有量を多くすることで、塗膜伸び率がより高く、加工性がより高まることがわかる(塗装金属板5と10の対比、6と11の対比、7と12の対比および8と13の対比)。
また、ガラス転移温度が50℃以上のアクリル樹脂を用いることで、耐候性をさらに高めることができることがわかる(塗装金属板5および15と6~8との対比)。さらに、ガラス転移温度が50℃以上のアクリル樹脂の含有比率を高めることで、耐候性をさらに高めることができることがわかる(塗装金属板5と9との対比)。
本発明の塗装金属板は、フッ素樹脂系の塗膜であっても保管後にも高い加工性を呈する。よって、フッ素樹脂系の塗装金属板のさらなる普及が、特に外装建材の材料としてのさらなる普及が期待される。

Claims (7)

  1. 金属板と、その上に配置された樹脂層とを有する塗装金属板であって、
    前記樹脂層は、基材樹脂と、顔料粒子とを含み、
    前記基材樹脂は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位とを含む含フッ素共重合体と、アクリル樹脂とを含み、かつ
    前記樹脂層において、前記含フッ素共重合体の含有量は、前記基材樹脂に対して50質量%以上であり、
    前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以下である、
    塗装金属板。
  2. 前記アクリル樹脂の含有量は、前記含フッ素共重合体と前記アクリル樹脂の合計に対して5~40質量%である、
    請求項1に記載の塗装金属板。
  3. 前記フッ化ビニリデンに由来する構造単位と前記ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の合計に対する、前記ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の含有量は1~15質量%である、
    請求項1または2に記載の塗装金属板。
  4. 前記アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、アクリル酸エチルに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸と炭素数1~6のアルコールとのエステル化合物に由来する構造単位とを含む共重合体である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の塗装金属板。
  5. 前記アクリル樹脂の重量平均分子量は、50000~200000である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板。
  6. 前記顔料粒子の含有量は、前記樹脂層に対して10~50質量%である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板。
  7. 前記金属板と、化成処理層と、下塗り層と、前記樹脂層とがこの順に積層されている、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板。
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