JP7207070B2 - 塗装金属板および塗装金属板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗装金属板および塗装金属板の製造方法に関する。
塗装金属板は、一般に、耐久性、耐候性および意匠性に優れ、例えば外装建材に好適に用いられている。外装建材用の塗装金属板の中でも、長期耐久性を要求される塗装金属板には、フッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板が好適である。
フッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板には、ステンレス鋼板表面に、ポリフッ化ビニリデンとアクリル樹脂との混合樹脂からなる透明塗膜を有し、当該透明塗膜が特定の結晶化度および硬度を有するフッ素樹脂系塗装ステンレス鋼板が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、フッ素樹脂、アクリル樹脂、無機焼成顔料、および有機顔料を含有するフッ素系着色層を鋼板の表面に有し、かつ特定のガラス転移温度のポリエステルによる塗膜を鋼板の裏面に有するフッ素樹脂系塗装鋼板が知られている(例えば、特許文献2参照)。
フッ素樹脂は、結晶化が経時的に進行することが知られている。すなわち、フッ素樹脂は、ガラス転移温度(たとえばポリフッ化ビニリデンであれば-40℃程度)以上の温度域では分子が比較的運動しやすいという性質と、結晶性を有するという性質と、を有する。そのため、フッ素樹脂は、上記のガラス転移温度以上の温度域において、不規則な分子配列構造(非晶質構造)から規則的な分子配列構造(結晶構造)に変化しやすい。
また、フッ素樹脂は、結晶化すると、分子鎖同士の結合力が強固となるという性質も有する。そのため、フッ素樹脂系の塗膜は、フッ素樹脂の結晶化が経時的に進行することにより、経時的に延性が低下することがある。
そのため、フッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板は、フッ素樹脂系塗膜の延性が高い製造直後は成形加工時の塗膜の破断(塗膜割れ)が生じにくいが、製造後、長期間保管されてフッ素樹脂塗膜の延性が低下した後で成形加工されると、塗膜が破断してしまうことがある。
フッ素樹脂塗膜の加工性改善方法として、製造直後の結晶化を抑制し、塗膜の経時的な加工性低下を防止する方法が提示されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。また、フッ素樹脂塗膜の経時的な加工性低下を防止する方法として、フッ素樹脂に(メタ)アクリル酸エステル化合物をグラフト重合する方法も提示されている(例えば、特許文献6参照)。また、フッ素樹脂を含む着色塗膜を有する塗装金属板、またはフッ素樹脂を含む着色塗膜と、フッ素樹脂を含む光沢調整塗膜とを有する塗装金属板において、徐冷してα結晶を形成したり、エンボスロールを押圧したり、光沢調整剤の含有量などを調整することで、着色塗膜の表面に凹凸を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献7および8)。なお、特許文献7や8に示されるような、フッ素樹脂を含む着色樹脂塗料は、均質な塗膜を形成する観点などから、通常、着色顔料と樹脂成分とを粉砕混合した後、フィルターなどでろ過して凝集物を除去して用いられる。
特開2001-009367号公報 特開2008-087242号公報 特開昭61-114846号公報 特開平6-262139号公報 特開平8-131945号公報 特開平9-87575号公報 特開2018-167470号公報 特開2018-167471号公報
近年、マグネシウムを添加した高耐食亜鉛めっき鋼板が、塗装用原板として使用されはじめている。当該高耐食亜鉛めっき鋼板が有する、マグネシウムを添加した亜鉛めっき層は、一般に硬質であるため、当該高耐食亜鉛めっき鋼板上にフッ素樹脂塗膜を形成した塗装金属板の成形加工時に、めっき層の割れ幅が大きくなりやすい。そして、成形加工時のめっき層の割れ幅が大きくなると、成形加工時のフッ素樹脂塗膜の割れも大きくなる傾向にある。そのため、特には長期保管後であってもフッ素樹脂塗膜の割れをより生じにくくして、加工性をより高めることが望まれている。
また、フッ素樹脂塗膜の割れは、フッ素樹脂塗膜が、シリカ粒子やガラスビーズなどの光沢調整剤粒子を含むときに特に生じやすい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フッ素樹脂を含む着色樹脂層を有する塗装金属板であって、光沢調整剤粒子を実質的に含まなくても、低い光沢度を有し、かつ長期保管後でも高い加工性を有する塗装金属板の製造方法および塗装金属板を提供することを目的とする。
本発明は、以下の塗装金属板および塗装金属板の製造方法に関する。
本発明の塗装金属板の製造方法は、金属板と、その上に配置された着色樹脂層とを有する塗装金属板の製造方法であって、アクリル樹脂と、着色顔料とを粉砕混合して、アクリル樹脂と、着色顔料粒子と、溶剤とを含む顔料分散液を得る工程と、第1フッ素樹脂粒子と、前記第1フッ素樹脂粒子よりも体積基準粒度分布における50%粒子径(d50)が大きい第2フッ素樹脂粒子とを、前記第1フッ素樹脂粒子:前記第2フッ素樹脂粒子=60:40~0:100(質量比)となるように混合して、フッ素樹脂粒子を得る工程と、前記顔料分散液と前記フッ素樹脂粒子とを撹拌混合して、前記フッ素樹脂粒子の凝集物と、前記アクリル樹脂と、前記着色顔料粒子と、前記溶剤とを含み、かつ光沢調整剤粒子の含有量が固形分に対して1質量%以下である着色樹脂塗料を得る工程と、前記着色樹脂塗料を金属板上に塗布した後、加熱して着色樹脂層を形成する工程とを含む。
本発明の塗装金属板は、金属板と、その上に配置された着色樹脂層とを有する塗装金属板であって、前記着色樹脂層は、フッ素樹脂粒子の凝集融着物と、アクリル樹脂と、着色顔料粒子とを含み、前記着色樹脂層における光沢調整剤粒子の含有量は、前記着色樹脂層に対して1質量%以下であり、かつ前記着色樹脂層の60°光沢度Gsは、20以下である。
本発明によれば、フッ素樹脂を含む着色樹脂層を有する塗装金属板であって、光沢調整剤粒子を実質的に含まなくても、低い光沢度を有し、かつ長期保管後でも高い加工性を有する塗装金属板の製造方法および塗装金属板を提供することができる。
前述の通り、シリカ粒子やガラスビーズなどの光沢調整剤粒子を含むフッ素樹脂塗膜を有する塗装金属板は、曲げ加工を行うと、光沢調整剤粒子を起点として塗膜割れを生じやすい。そのような塗膜割れが生じると、割れた部分から水分や、酸素、海塩粒子などが侵入しやすく、塗装原板(特に金属板)が腐食しやすい。そのため、光沢調整剤粒子を含まなくても、フッ素樹脂塗膜の表面に凹凸を付与することで光沢度を下げることが望まれている。フッ素樹脂塗膜が、フッ素樹脂などの基材樹脂に加えて、着色顔料粒子をさらに含む着色樹脂層である場合においても同様である。
これに対して、本発明者らは、基材樹脂であるフッ素樹脂粒子の凝集融着物(二次粒子の融着物)を適度に形成することで、着色樹脂層の表面に、当該凝集融着物に由来する凸凹を形成できることを見出した。そのようなフッ素樹脂粒子の凝集融着物は、同程度の大きさの1つの大粒径のフッ素樹脂粒子よりもアクリル樹脂との接触面積が大きいため、アクリル樹脂との相溶性も高く、それにより、塗装金属板の曲げ加工などを行っても、フッ素樹脂粒子の凝集融着物とアクリル樹脂との間の界面で割れが生じにくいことも見出した。
そのような着色樹脂層は、金属上に、フッ素樹脂粒子の凝集物と、アクリル樹脂と、着色顔料粒子と、溶剤とを含む着色樹脂塗料を塗布した後、加熱(焼き付け)することによって形成することができる。具体的には、フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂は、表面張力が相対的に低く、アクリル樹脂は、表面張力が相対的に高い。そのため、着色樹脂塗料の塗膜を加熱(焼き付け)する過程で、空気と接する表面のフッ素樹脂粒子の凝集物とアクリル樹脂とが相分離し(ハジキを生じ)、(フッ素樹脂粒子の凝集物以外の、溶剤に溶解している)フッ素樹脂とアクリル樹脂が相溶した海相(連続相)と、フッ素樹脂粒子の凝集融着物を主成分とする島相(分散相)とを有する海島構造が形成されるとともに、フッ素樹脂粒子の凝集融着物を主成分とする島相が凹、フッ素樹脂とアクリル樹脂が相溶した海相が凸となるような凸凹形状が形成されると考えられる。
従来、フッ素樹脂を含む着色樹脂塗料は、フッ素樹脂粒子と着色顔料とを溶剤の存在下で粉砕混合した後、ろ過したものが用いられている。これに対し、本発明では、着色顔料とは別に、フッ素樹脂粒子を(粉砕を伴わない)撹拌混合によって調製したものを用いる。それにより、着色樹脂塗料中に、フッ素樹脂粒子の凝集物を適度に残す(含有させる)ことができる。
さらに、フッ素樹脂粒子として、粒子径の異なる第1フッ素樹脂粒子と第2フッ素樹脂粒子とを所定の比率で混合したものを用いることで、得られるフッ素樹脂粒子の凝集物の大きさを適度な範囲に調整しやすい。また、得られるフッ素樹脂粒子の凝集物の充填密度も適度な範囲に調整しうるため、フッ素樹脂粒子の凝集物中に、アクリル樹脂を浸透させやすくすることができ、凝集物の割れや脱落なども抑制できる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.塗装金属板の製造方法
本発明の塗装金属板の製造方法は、1)アクリル樹脂と、着色顔料とを粉砕混合して、顔料分散液を得る工程と、2)第1フッ素樹脂粒子と第2フッ素樹脂粒子とを所定の比率で混合して、フッ素樹脂粒子を得る工程と、3)得られた顔料分散液とフッ素樹脂粒子とを撹拌混合して、着色樹脂塗料を得る工程と、4)得られた着色樹脂塗料を金属板上に塗布した後、加熱して、着色樹脂層を形成する工程とを含む。
1)の工程(顔料分散液の調製工程)について
アクリル樹脂と着色顔料とを粉砕混合して、顔料分散液を得る。粉砕混合を行うことにより、アクリル樹脂と着色顔料粒子とを混合させつつ、硬度が硬い着色顔料の粗粒子を微細化させることができる。
粉砕混合は、任意の方法で行うことができ、例えば(ビーズを用いた)ビーズミルによって行うことができる。ビーズミルとは、原料を粉砕しながら混合するミルであり、原料を入れた容器中にビーズ(メディア)を充填して回転させて、原料を摺りつぶして粉砕および分散を行う装置をいう。そのようなビーズミルには、アトライター、ボールミル、振動ミル、SCミルなどが含まれる。
ビーズミルは、液体中で原料を微細化する湿式ビーズミルであってもよいし、空気中または不活性ガス中で原料を微細化する乾式ビーズミルであってもよい。比較的小さい粒子径に粉砕しやすい観点では、湿式ビーズミルが好ましい。
すなわち、顔料分散液の調製は、例えばアクリル樹脂粒子と、着色顔料とを粉砕混合(乾式)した後、これらを溶剤に溶解させる方法で行ってもよいし;アクリル樹脂粒子と、着色顔料とを、溶剤の存在下で粉砕混合(湿式)する方法で行ってもよいし;(あらかじめ溶剤に溶解させた)アクリル樹脂と、着色顔料とを粉砕混合(湿式)する方法で行ってもよい。中でも、アクリル樹脂と着色顔料とを良好に混合させやすく、かつ比較的小さい粒子径に粉砕しやすい観点から、あらかじめ溶剤に溶解させたアクリル樹脂と、着色顔料とを粉砕混合して、顔料分散液を得ることが好ましい。それにより、アクリル樹脂と、着色顔料粒子と、溶剤とを含む顔料分散液を得ることができる。
以下、顔料分散液の調製に用いる各成分について説明する。
(アクリル樹脂)
顔料分散液の調製に用いられるアクリル樹脂は、フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂の結晶化を抑制する観点、着色顔料粒子の分散性を高める観点、および、基材樹脂の密着性を高める観点などから、着色樹脂層に含有される。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位を含む重合体であることが好ましく、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を含む単独重合体またはそれと他の共重合モノマーとの共重合体であることがより好ましい。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他の共重合モノマーの例には、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;スチレン、メチルスチレンなどのビニル類;アクリロニトリルが含まれる。また、耐候性の観点から、アクリル樹脂は、紫外線吸収基をさらに有することが好ましい。紫外線吸収基を有するアクリル樹脂は、例えば3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェネチルメタクリラートなどのような紫外線吸収基含有(メタ)アクリレートを共重合させる方法によって得ることもできる。これらは、1種類で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗装金属板の耐候性を損なわれにくくする観点では、アクリル樹脂のガラス転移温度は高いことが好ましい。そのような観点では、アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を主成分とする重合体であることが好ましい。当該重合体における、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、当該重合体を構成する全構造単位に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
一方、塗装金属板の加工性を高めやすくする観点では、アクリル樹脂のガラス転移温度は低いことが好ましい。そのような観点では、アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、アクリル酸エチルに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸と炭素数1~6のアルコールとのエステル化合物(ただし、メタクリル酸メチルを除く)に由来する構造単位とを含む共重合体であることが好ましい。メタクリル酸メチルに由来する構造単位は、上記共重合体に適度な硬度を付与し、アクリル酸エチルに由来する構造単位やエステル化物に由来する構造単位は、上記共重合体に適度な柔軟性を付与しうる。また、上記共重合体は、アクリル酸エチルに由来する構造単位やエステル化物に由来する構造単位は、フッ素樹脂との相溶性を高める一方で、エステル化合物がフッ素樹脂との相溶性を適度に低下させることにより、アクリル樹脂とフッ素樹脂との相溶性を適度に調整することができる。
当該共重合体において、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、10~50質量%であり、アクリル酸エチルに由来する構造の含有量は、40~80質量%であり、上記エステル化合物に由来する構造単位の含有量は、10~50質量%であることが好ましい。さらには、上記共重合体は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量は、10~30質量%であり、アクリル酸エチルに由来する構造単位の含有量は60~80質量%であり、上記エステル化合物に由来する構造単位の含有量は、10~30質量%であることが好ましい。
また、塗装金属板の加工性を高めやすくし、かつ耐候性も損なわれにくくする観点では、アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、アクリル酸エチルに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸と炭素数1~6のアルコールとのエステル化合物に由来する構造単位とに加えて、紫外線吸収基含有(メタ)アクリレートに由来する構造単位をさらに含む共重合体であってもよい。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず、例えば0~110℃でありうる。着色樹脂層の耐候性を高めやすくする観点では、アクリル樹脂のTgは高いことが好ましく、例えば50~110℃であることが好ましく、70~110℃であることがより好ましい。一方、フッ素樹脂の経時的な結晶化を抑制して、着色樹脂層の割れを抑制しやすくし、塗装金属板の加工性を高めやすくする観点では、低いほうが好ましく、例えば40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましい。アクリル樹脂のTgは、示差熱分析(DTA)によって測定することができる。
アクリル樹脂のTgは、アクリル樹脂のモノマー組成によって調整することができる。アクリル樹脂のTgを高くするためには、メタクリル酸メチルに由来する構造単位の含有量を多くすることが好ましく、アクリル酸エチルに由来する構造単位の含有量は少なくすることが好ましい。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20000~200000であることが好ましく、20000~150000であることがより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量は、前述と同様の方法で測定することができる。
アクリル樹脂の含有量は、後述するフッ素樹脂とアクリル樹脂の合計に対して5~40質量%であることが好ましい。アクリル樹脂の含有量が5質量%以上であると、フッ素樹脂の結晶化を十分に抑制しうるだけでなく、金属板との密着性も高めやすいため、塗装金属板の加工性を十分に高めうる。アクリル樹脂の含有量が40質量%以下であると、耐候性や耐食性および耐汚染性などのフッ素樹脂の特性が損なわれにくい。上記観点から、アクリル樹脂の含有量は、フッ素樹脂とアクリル樹脂の合計に対して10~30質量%であることがより好ましい。
(着色顔料)
着色顔料は、粉砕混合後に着色顔料粒子となる粗粒子である。着色顔料粒子は、樹脂層に色調を付与して着色塗膜としうる。着色顔料は、塗料用の着色顔料として一般に入手できる有機系着色顔料および無機系着色顔料のいずれであってもよい。
無機系着色顔料の例には、酸化チタン、酸化クロム、カーボンブラック、鉄黒、酸化鉄イエロー、チタンイエロー、ベンガラ、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、コバルトグリーン、およびモリブデン赤が含まれる。
有機系着色顔料の例には、キナクリドンレッド、リソールレッドB、ブリリアントスカーレットG、ピグメントスカーレット3B、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、レーキレッドD、パーマネントレッド4R、ボルドー10B、ファストイエローG、ファストイエロー10G、パラレッド、ウォッチングレッド、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、ボンマルーンL、ボンマルーンM、ブリリアントファストスカーレット、バーミリオンレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー、およびアニリンブラックが含まれる。
着色顔料は、金属成分を含む複合酸化物焼成顔料であってもよい。焼成顔料の例には、CoAl、CoCrAl、CoCrZnMgAl、CoNiZnTi、CoCrZnTi、NiSbTi、CrSbTi、FeCrZnNi、MnSbTi、FeCr、FeCrNi、FeNi、FeCrNiMn、FeZn、CoCr、MnCo、およびSnZnTiが含まれる。
また、着色顔料は、メタリック顔料であってもよい。メタリック顔料の例には、Alフレーク、樹脂被覆Alフレーク、金属酸化物被覆Alフレーク、Niフレーク、Cuフレーク、およびステンレス鋼フレークが含まれる。
また、着色顔料は、パール顔料であってもよい。パール顔料の例には、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、および酸化チタン-酸化鉄被覆雲母が含まれる。
着色顔料は、一種類で用いられてもよいし、二種類以上で用いられてもよい。
顔料分散液の調製に用いられる着色顔料(粗粒子)の平均粒子径は、特に制限されないが、例えば3μm超でありうる。すなわち、粉砕混合後に得られる着色顔料粒子の平均粒子径が3μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは0.01~1.5μm、さらに好ましくは0.01~0.5μmとなるような大きさであることが好ましい。得られる着色顔料粒子の平均粒子径が上記範囲内であると、着色樹脂層に、ムラなく十分な色調を付与しやすい。
顔料分散液の調製に用いられる着色顔料の平均粒子径は、任意の100個の着色顔料(粗粒子)の粒子径を、電子顕微鏡によりそれぞれ観察し、それらの平均値として求めることができる。
着色顔料の含有量は、着色顔料の粒径によって異なるが、着色樹脂層の発色性などの観点から、例えば着色樹脂塗料の固形分に対して10~40質量%であることが好ましい。
(溶剤)
溶剤は、少なくともアクリル樹脂を溶解させうるものであればよく、特に制限されない。そのような溶剤の例には、トルエン、キシレンなどの炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、セロソルブなどのエーテル、および、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトンが含まれる。中でも、アクリル樹脂を溶解させることができ、かつフッ素樹脂粒子との親和性も高い観点などから、イソホロンが好ましい。
なお、本実施の形態では、アクリル樹脂と、着色顔料とを粉砕混合して、アクリル樹脂と、着色顔料粒子と、溶剤とを含む顔料分散液を得る例を示したが、これに限定されず、アクリル樹脂と着色顔料粒子とが粉砕混合された市販の顔料分散液を入手してもよい。
2)の工程(フッ素樹脂粒子を得る工程)について
体積基準粒度分布の50%粒子径(d50)が相対的に小さい第1フッ素樹脂粒子と、d50が相対的に大きい第2フッ素樹脂粒子とを、所定の比率で混合して、フッ素樹脂粒子(混合物)を得る。それにより、得られるフッ素樹脂粒子の凝集物の充填密度や大きさを適切な範囲に調整することができる。
第1フッ素樹脂粒子のd50は、1~5μmであることが好ましい。第1フッ素樹脂粒子のd50が1μm以上であると、第1フッ素樹脂粒子同士が過度には凝集しにくいため、着色樹脂層の表面に適度な大きさの凸凹を形成しやすい。第1フッ素樹脂粒子のd50が5μm以下であると、第2フッ素樹脂粒子同士の間に入り込みやすく、充填密度の高い凝集物を形成しやすい。また、第1フッ素樹脂粒子の凝集物の内部までアクリル樹脂が浸入しやすいため、アクリル樹脂とフッ素樹脂粒子の凝集物との界面で割れが生じにくい。第1フッ素樹脂粒子のd50は、上記観点から、3~5μmであることがより好ましい。
また、第1フッ素樹脂粒子の10%粒子径(d10)は、0.2~4μmであることが好ましく、0.5~3μmであることがより好ましい。第1フッ素樹脂粒子の90%粒子径(d90)は、3~10μmであることが好ましく、4~8μmであることがより好ましい。
第2フッ素樹脂粒子のd50は、5.5~12μmであることが好ましい。第2フッ素樹脂粒子のd50が5.5μm以上であると、得られるフッ素樹脂粒子の凝集物(二次粒子)を適度に大きくしうるため、着色樹脂層の表面に適度な大きさの凸凹を形成しやすい。第2フッ素樹脂粒子のd50が12μm以下であると、フッ素樹脂粒子の凝集物の内部までアクリル樹脂が浸入しうるため、アクリル樹脂とフッ素樹脂粒子の凝集物との界面で割れが生じにくい。フッ素樹脂粒子の50%粒子径(d50)は、上記観点から、7~10μmであることがより好ましい。
また、第2フッ素樹脂粒子の10%粒子径(d10)は、2~10μmであることが好ましく、3~8μmであることがより好ましい。第2フッ素樹脂粒子の90%粒子径(d90)は、8~20μmであることが好ましく、10~15μmであることがより好ましい。
第1フッ素樹脂粒子および第2フッ素樹脂粒子のd10、d50、d90は、以下の手順で測定することができる。
1)分散媒としてのイオン交換水に、第1フッ素樹脂粒子(または第2フッ素樹脂粒子)を分散させて、粒子分散液を得る。この粒子分散液を、株式会社堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-950V2にセットし、前処理として超音波を60分間照射し、分散処理として超音波を2分間照射する。
2)次いで、この粒子分散液の体積基準粒度分布を測定し、累積頻度%径としてd10、d50、d90を求める。
第1フッ素樹脂粒子と第2フッ素樹脂粒子との混合比は、第1フッ素樹脂粒子:第2フッ素樹脂粒子=60:40~0:100(質量比)であることが好ましく、30:70~0:100(質量比)であることがより好ましい。このように、第2フッ素樹脂粒子の含有比率が高いと、第2フッ素樹脂粒子の凝集物(二次粒子)を適度に大きくしうるため、着色樹脂層の表面に適度な大きさの凸凹を形成しやすい。それにより、得られる着色樹脂層の光沢度を低くすることができる。
(第1フッ素樹脂粒子/第2フッ素樹脂粒子)
第1フッ素樹脂粒子および第2フッ素樹脂粒子は、着色樹脂層を構成する基材樹脂の主成分である。第1フッ素樹脂粒子および第2フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂は、少なくともフッ化ビニリデン(VDF)に由来する構造単位を含む重合体である。このようなフッ素樹脂は、経時的な結晶化を少なくしつつ、着色樹脂層に、耐久性、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性、耐食性および耐汚染性などを付与しうる。
フッ素樹脂は、フッ化ビニリデン(VDF)の単独重合体であってもよいし、フッ化ビニリデン(VDF)とそれと共重合可能な他のフッ化モノマーとの共重合体であってもよい。
他のフッ化モノマーの例には、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンなどが含まれる。このうち、結晶性の制御をより容易にする観点では、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が好ましい。
上記共重合体における、ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の含有量は、特に制限されないが、耐候性を損なうことなく、経時的な結晶化を少なくする観点では、フッ化ビニリデンに由来する構造単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の合計に対して1~15質量%であることが好ましい。ヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の含有量が1質量%以上であると、経時的な結晶化を少なくしやすく、15質量%以下であると、耐候性が損なわれにくい。フッ化ビニリデンに由来する構造単位とヘキサフルオロプロピレンに由来する構造単位の合計量は、フッ素樹脂を構成する全構造単位に対して100質量%であることが好ましい。
フッ素樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10万~70万であることが好ましく、20万~50万であることがより好ましい。フッ素樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定することができる。
フッ素樹脂粒子の含有量は、特に制限されないが、フッ素樹脂粒子とアクリル樹脂の合計に対して60~95質量%であることが好ましい。フッ素樹脂粒子の含有量が60質量%以上であると、耐候性や耐食性および耐汚染性などのフッ素樹脂粒子の特性を十分に発揮しうる。フッ素樹脂粒子の含有量が95質量%以下であると、アクリル樹脂によりフッ素樹脂の結晶化を十分に抑制しうるだけでなく、金属板との密着性も損なわれにくく、塗装金属板の加工性が損なわれにくい。上記観点から、フッ素樹脂粒子の含有量は、フッ素樹脂粒子とアクリル樹脂の合計に対して70~90質量%であることがより好ましい。
3)の工程(着色樹脂塗料を得る工程)について
上記1)で得られた顔料分散液と、上記2)で得られたフッ素樹脂粒子とを撹拌混合して、着色樹脂塗料を得る。
(他の成分)
顔料分散液とフッ素樹脂粒子以外にも、必要に応じて他の成分をさらに配合してもよい。他の成分の例には、溶剤、硬化剤、硬化触媒および親水化剤が含まれる。
溶剤は、1)の工程で用いられる溶剤と同様のものを用いることができる。中でも、フッ素樹脂粒子との親和性が高い観点などから、イソホロンが好ましい。
硬化剤は、基材樹脂が、水酸基やカルボキシル基、グリシジル基、活性ハロゲン原子、イソシアネート基などの架橋性基を有する場合に、着色樹脂塗料中に添加され、当該塗料の焼き付け時に、基材樹脂を架橋させる。硬化剤は、基材樹脂の種類や焼付け条件などに応じて、既知の架橋剤や硬化剤などから適宜に選択することができる。例えば、基材樹脂が水酸基などを有する場合、硬化剤としては、例えばメラミン化合物やイソシアネート化合物を用いることができる。
硬化触媒は、塗膜の硬化または基材樹脂の架橋を促進させる成分であり、このような触媒作用を有する公知の成分から適宜に選ぶことができる。
親水化剤は、着色樹脂層の添加剤として好適であり、着色樹脂層の雨筋汚れを防止する観点から、着色樹脂塗料に含有されうる。親水化剤の例には、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物が含まれる。
(撹拌混合)
そして、上記調製した顔料分散液とフッ素樹脂粒子とを、撹拌混合する。それにより、フッ素樹脂粒子の凝集物と、アクリル樹脂と、着色顔料粒子と、溶剤とを含む着色樹脂塗料を得る。なお、アクリル樹脂は、溶剤に溶解していてもよい。
撹拌混合とは、攪拌機(ミキサー)による混合であり、ビーズ(メディア)による粉砕を伴わない混合をいう。そのような撹拌混合では、フッ素樹脂粒子の凝集物(二次粒子)が過度には壊されにくい(または分解されにくい)ため、得られる着色樹脂塗料中のフッ素樹脂粒子の凝集物を適度に残すことができる。
撹拌混合条件(攪拌翼先端速度(周速)、撹拌時間)は、フッ素樹脂粒子の凝集物を適度に残せるような比較的緩やかな条件であることが好ましい。周速は、例えば8m/s以下であることが好ましく、1.5~6m/sであることがより好ましい。撹拌時間は、周速にもよるが、例えば30~180分間であることが好ましく、30~60分間であることがより好ましい。周速や撹拌時間が上限値以下であると、撹拌速度が大きすぎたり、撹拌時間が長すぎたりせず、凝集物が(一次粒子に)分解されすぎないため、フッ素樹脂粒子の凝集物を適度に残しやすくすることができる。
得られる着色樹脂塗料中のフッ素樹脂粒子の凝集物の含有比率は、例えば着色樹脂塗料の固形分に対して30体積%以上であることが好ましく、40~70体積%であることがより好ましい。撹拌混合したフッ素樹脂粒子の少なくとも一部は凝集物となり、残部は溶剤に溶解または分散しうる。
着色樹脂塗料中のフッ素樹脂粒子の凝集物の含有比率は、ガラス板上に着色樹脂塗料を塗布した後、乾燥させて得られる塗膜を、電子顕微鏡などで観察して求めることができる。具体的には、任意の3箇所を走査型電子顕微鏡組成像(1000倍)で撮影し、各10000μmの範囲を画像解析し、フッ素樹脂粒子の凝集物の平均面積率を求め、体積率に換算する。
フッ素樹脂粒子の凝集物は、フッ素樹脂粒子の平均粒子径(d50)にもよるが、通常、フッ素樹脂粒子(一次粒子)が500~300000個凝集した凝集物である。
フッ素樹脂粒子とアクリル樹脂の合計量は、着色樹脂塗料に含まれる基材樹脂成分に対して80質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
また、着色樹脂塗料は、光沢調整剤粒子を実質的に含有していない。具体的には、着色樹脂塗料における、光沢調整剤粒子の含有量は、固形分に対して1質量%以下、好ましくは0質量%である。
なお、光沢調整剤粒子は、シリカ粒子やガラスビーズなどの粒子であり、着色顔料粒子やフッ素樹脂粒子とは異なるものである。具体的には、光沢調整剤粒子は、通常、色調に影響を与えない透明~半透明の粒子であって、かつ塗膜の光沢を低下させる粒子である点で着色顔料粒子やフッ素樹脂粒子と異なる。例えば、着色顔料粒子としてのパール顔料粒子やメタリック顔料粒子は塗膜の光沢を高くする粒子であるのに対し、光沢調整剤粒子は塗膜の光沢を低くする粒子である点で区別されうる。
4)の工程(着色樹脂層の形成工程)について
得られた着色樹脂塗料を、金属板上に塗布する。
(金属板)
金属板は、公知の金属板から選ぶことができる。金属板の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn-Al合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板および銅板が含まれる。
金属板は、耐食性および軽量化の観点から、めっき鋼板またはステンレス鋼板であることが好ましく、さらに対費用効果の観点から、めっき鋼板であることが好ましい。また、金属板は、耐食性をより高める観点などから、溶融55%Al-Zn合金めっき鋼板、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板であることが好ましい。これらのうち、亜鉛系めっき鋼板が好ましく、Zn-Al-Mg合金めっき鋼板などのマグネシウムを含む亜鉛系めっき鋼板がより好ましい。
金属板の厚みは、塗装金属板の用途に応じて適宜設定されうる。例えば、塗装金属板の用途が外装建材である場合は、金属板の厚みは、例えば0.2~3.0mmであることが好ましく、加工性をより高める観点から、0.25~2.0mmであることが好ましい。
(塗布)
金属板上への塗料の塗布は、ロールコート、カーテンフローコート、スプレーコート、浸漬コートなどの公知の方法によって行うことができる。
(加熱(焼き付け))
次いで、金属板上に塗布した着色樹脂塗料の塗膜を、加熱(焼き付け)する。
塗膜の加熱(焼き付け)は、着色樹脂塗料中から溶剤を揮発させるとともに、焼き付けして、着色樹脂塗料の塗膜を固化させる。着色樹脂塗料が硬化剤を含む場合は、着色樹脂塗料中から溶剤を揮発させるとともに、焼き付けして塗膜(具体的には基材樹脂)を硬化させる。
塗膜の加熱(焼き付け)は、フッ素樹脂粒子が十分に溶融(または融着)する温度であればよい。具体的には、フッ素樹脂粒子の融点をTm(℃)としたとき、焼き付け温度は、(Tm+25)℃以上であることが好ましい。なお、フッ素樹脂粒子の分解を抑制する観点では、300℃以下であることが好ましい。なお、焼き付け温度は、着色樹脂塗料が塗布された金属板の到達温度とする。例えば、着色樹脂塗料が塗布された金属板の到達温度は、130~300℃、好ましくは180~280℃としうる。
そして、塗膜の加熱(焼き付け)を行う過程で、着色樹脂層の表面に凸凹が形成される。具体的には、フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂は、表面張力が相対的に低く、アクリル樹脂は、表面張力が相対的に高い。そのため、塗膜の加熱(焼き付け)を行う過程で、空気と接する表面のフッ素樹脂とアクリル樹脂とが相分離し(ハジキを生じ)、フッ素樹脂とアクリル樹脂が相溶した海相(連続相)と、フッ素樹脂粒子の凝集融着物を主成分とする島相(分散相)とを有する海島構造が形成されるとともに、フッ素樹脂粒子の凝集融着物を主成分とする島相が凹、フッ素樹脂とアクリル樹脂が相溶した海相が凸となるような凸凹形状が形成されると考えられる。そして、フッ素樹脂粒子の粒子径が大きいと、表面の凹凸も大きくなると考えられる。
(冷却)
そして、加熱(焼き付け)した塗膜を冷却して、フッ素樹脂粒子の凝集融着物と、アクリル樹脂と、着色顔料粒子とを含む着色樹脂層を形成する。
すなわち、加熱(焼き付け)した塗膜を、フッ素樹脂の溶融温度以上の温度(200℃)からフッ素樹脂の分子運動が低下して結晶が成長しにくくなる温度(70℃)まで、130℃/秒以上の冷却速度で冷却する(結晶化工程)。なお、粗大な結晶が生じることによる加工性の低下を抑制する観点からは、冷却速度はより速いことが好ましく、250℃/秒以上であることが好ましい。
塗膜の冷却は、空冷、水冷、放冷、冷却部材への接触およびこれらの組み合わせなどの公知の方法によって行うことができる。
塗膜の冷却は、塗膜の加熱(焼き付け)の直後に行ってもよいし、溶融温度よりも低い温度で加熱(焼き付け)した塗膜を溶融温度以上の温度まで加熱した後に行ってもよい。
5)他の工程について
塗装金属板の製造方法は、必要に応じて上記以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。当該他の工程の例には、化成処理皮膜を形成する化成処理工程、下塗り層を形成する工程、および中塗り層を形成する工程の一以上が含まれる。
(化成処理工程)
化成処理工程は、金属板上に化成処理層を形成する工程である。化成処理層は、塗装金属板の密着性や耐食性を向上させる目的で、金属板上に直接、すなわち金属板と着色樹脂層との間に配置されうる。化成処理層は、金属板の表面に接して形成された層であり、塗装前処理によって金属板の表面に付着した組成物で構成される。化成処理層の例には、非クロメート系皮膜、およびクロメート系皮膜が含まれる。これらは、いずれも防錆処理による皮膜である。
非クロメート系皮膜は、耐食性を高める観点および塗装金属板の製造および使用における環境への負荷を軽減する観点から好ましく、クロメート系皮膜は、耐食性を高める観点から好ましい。
非クロメート系皮膜の例には、Ti-Mo複合皮膜、フルオロアシッド系皮膜、リン酸塩皮膜、樹脂系皮膜、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜、シリカ系皮膜、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜、ジルコニウム系皮膜、ならびに、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜などが含まれる。
そのような化成処理層は、化成処理皮膜を形成するための水性の化成処理液を、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法などの公知の方法で金属板の表面に塗布し、塗布後に金属板を水洗せずに乾燥させることによって形成することができる。当該金属板の乾燥温度および乾燥時間は、生産性の観点から、例えば、金属板の到達温度で60~150℃、2~10秒間であることが好ましい。
(下塗り層形成工程)
下塗り層を形成する工程は、塗装金属板における着色樹脂層の密着性や耐食性を高める観点から、金属板と着色樹脂層との間に下塗り層を形成する工程である。下塗り層は、金属板の表面あるいは化成処理層の表面に形成される。
下塗り層を形成する工程は、下塗り層用の塗料(下塗り層用の樹脂組成物)の塗布およびそれによる膜の固化(または硬化)によって行うことができる。
下塗り層用の塗料は、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物でありうる。熱可塑性樹脂の例には、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、変性シリコン樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂および塩化ビニル樹脂などが含まれる。
また、下塗り層用の塗料は、硬化性樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物であってもよい。硬化性樹脂の例には、エポキシ樹脂、硬化性ポリエステル樹脂(例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂)、硬化性アクリル樹脂(例えば水酸基含有アクリル樹脂)、フェノール樹脂が含まれる。エポキシ樹脂は、アミノ基などを有する変性エポキシ樹脂であってもよい。
硬化剤の例には、硬化剤は、硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択されうる。例えば、水酸基を有する硬化性樹脂などの硬化剤の例には、メラミン化合物およびイソシアネート化合物が含まれる。エポキシ樹脂の硬化剤の例には、アミン化合物、イミダゾール化合物などが含まれる。
これらの樹脂組成物は、防錆顔料粒子、着色顔料粒子、メタリック顔料粒子、パール顔料粒子、体質顔料粒子、および光沢調整剤粒子などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
防錆顔料粒子の例には、変性シリカ、バナジン酸塩、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、およびポリリン酸アルミニウムなどを含む非クロム系の防錆顔料の粒子、ならびに、クロム酸ストロンチウム、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウムなどを含むクロム系防錆顔料の粒子などが含まれる。着色顔料粒子やメタリック顔料粒子は、前述と同様のものを用いることができる。体質顔料粒子の例には、硫酸バリウム、シリカおよび炭酸カルシウムの粒子が含まれる。光沢調整剤粒子の例には、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料の粒子、ならびに、アクリル樹脂などの樹脂材料の粒子が含まれる。
これらの添加剤の含有量は、特に制限されない。例えば体質顔料粒子の含有量は、樹脂組成物の固形分に対して0~30質量%であることが好ましい。また、防錆顔料の含有量は、樹脂組成物の固形分に対して10~40質量%であることが好ましい。
これらの樹脂組成物は、必要に応じて溶剤および添加剤をさらに含んでいてもよい。
これらの樹脂組成物は、上述した材料を均一に混合、分散させることによって調製される。当該塗料の塗膜は、例えば、金属板の到達温度で180~260℃の温度で金属板を加熱することにより金属板に焼き付けられ、作製される。
(中塗り層形成工程)
中塗り層を形成する工程は、塗装金属板における層間の密着性や耐食性を高める観点から、下塗り層と着色樹脂層との間に中塗り層を形成する工程である。
中塗り層を形成する工程も、前述と同様に、中塗り層用の塗料(中塗り塗料)の塗布およびそれによる塗膜の固化によって行うことができる。
ただし、本発明では、3)の工程と4)の工程との間に、着色樹脂塗料を粉砕混合する工程を有しないものとする。金属板に塗布される着色樹脂塗料中に、フッ素樹脂粒子の凝集物を適度に残すためである。また、1)の工程と2)の工程の前後も問わない。
2.塗装金属板
本発明の塗装金属板は、上記塗装金属板の製造方法によって得られる。すなわち、本発明の塗装金属板は、金属板と、その上に配置された着色樹脂層とを有する。
2-1.着色樹脂層
着色樹脂層は、金属板の表面に接して、または他の層を介して配置されている。着色樹脂層は、塗装金属板の耐候性をより高める観点から、塗装金属板の最表面を構成する層であることが好ましい。
着色樹脂層は、フッ素樹脂粒子の凝集融着物と、アクリル樹脂と、着色顔料粒子とを含み、上記凝集融着物以外のフッ素樹脂粒子に由来するフッ素樹脂をさらに含みうる。
フッ素樹脂粒子の凝集融着物は、着色樹脂塗料に残っているフッ素樹脂粒子の凝集物に由来しており、当該凝集物を構成するフッ素樹脂粒子(一次粒子)が、着色樹脂層を形成する際の加熱(焼き付け)によって融着したものである。そのようなフッ素樹脂粒子の凝集融着物では、各フッ素樹脂粒子の表面の少なくとも一部がアクリル樹脂で被覆されているか、または、凝集しているフッ素樹脂粒子同士の隙間にアクリル樹脂が浸入している。
フッ素樹脂粒子の凝集融着物であるかどうかは、例えば着色樹脂層の断面を透過型電子顕微鏡などで染色法により観察することにより確認することができる。例えば、凝集融着物の断面の一部に、アクリル樹脂に由来する成分を検出することで、例えばアクリル樹脂で被覆されたフッ素樹脂粒子の凝集物が融着したものであると判断することができる。
フッ素樹脂粒子の凝集融着物は、前述の通り、着色樹脂層の表面の凸凹を形成している。すなわち、着色樹脂層は、フッ素樹脂とアクリル樹脂が相溶した海相(連続相)と、フッ素樹脂粒子の凝集融着物を主成分とする島相(分散相)との海島構造を有するとともに、フッ素樹脂粒子の凝集融着物が凹、フッ素樹脂とアクリル樹脂の相溶した部分が凸となるような凸凹形状を有する。それにより、着色樹脂層は、光沢調整剤粒子を実質的に含有しなくても(例えば光沢調整剤粒子の含有量が、着色樹脂層に対して1質量%以下、好ましくは0質量%であっても)、基材樹脂だけで表面に凹凸形状を形成することができる。そのため、良好な艶消し効果を発現しつつ、塗装金属板の曲げ加工などを行っても、着色樹脂層の割れを抑制することができる。
また、フッ素樹脂粒子の凝集融着物は、その周りのアクリル樹脂などと強固に接着されているため、着色樹脂層の表面が擦れても脱落しにくく、それによる腐食なども生じにくい。さらに、光沢調整剤粒子を用いた場合、得られる着色樹脂層の表面には、光沢調整剤粒子に起因する凸が形成されやするため、着色樹脂層の表面の触感がザラザラしやすい。これに対し、本発明の塗装金属板の製造方法で得られる着色樹脂層の表面には、フッ素樹脂粒子の凝集融着物に起因する凹が形成されやすいため、着色樹脂層の表面がソフトな感触となる。
着色樹脂層の組成は、着色樹脂塗料の固形分の組成と同じである。なお、着色樹脂層における着色顔料粒子の平均粒子径は、上記塗装金属板の製造方法における、粉砕混合後の着色顔料の平均粒子径と同じである。すなわち、着色樹脂層における着色顔料粒子の平均粒子径は、3μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは0.01~1.5μm、さらに好ましくは0.01~0.5μmでありうる。着色樹脂層における着色顔料粒子の平均粒子径は、着色樹脂層の断面を電子顕微鏡により観察し、任意の100個の粒子径の平均値をとることで求めることができる。
(光沢度)
塗装金属板の着色樹脂層の表面の60度鏡面光沢度Gs(60°)は、特に制限されないが、艶消し効果により意匠性を高める観点では、20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。60度鏡面光沢度Gs(60°)は、JIS Z 8741:1997に準拠して測定することができる。
60度鏡面光沢度Gs(60°)は、着色樹脂層に含まれるフッ素樹脂粒子の凝集融着物の大きさや充填密度、および量;すなわち、塗装金属板の製造工程における(撹拌混合前の)第1フッ素樹脂粒子と第2フッ素樹脂粒子の混合比、第1フッ素樹脂粒子および第2フッ素樹脂粒子の50%粒子径(d50)、着色樹脂塗料調製時の混合時間や周速、アクリル樹脂の組成などによって調整することができる。60度鏡面光沢度Gs(60°)を低くするためには、着色樹脂層に含まれるフッ素樹脂粒子の凝集融着物の大きさを適度に大きくし、量を適度に多くすること;すなわち、第1フッ素樹脂粒子と第2フッ素樹脂粒子の混合比は適度に大きくすることが好ましく、着色樹脂塗料の調製時の混合時間や周速は、適度に低くすることが好ましい。
(厚み)
着色樹脂層の厚みは、塗装金属板の用途に応じて適宜設定され、例えば10~50μmであることが好ましい。着色樹脂層の厚みが50μm以下であると、着色樹脂層を作製する際の塗料の塗布量を多くする必要がなくなり、塗料の膜を加熱し、固化させる際に、ワキ(泡状のフクレや穴)などの塗装欠陥を発生しにくくすることができる。
着色樹脂層の厚みは、着色樹脂層の複数個所(例えば、任意に選ばれる10箇所)における底面から表面までの距離の平均値で表すことができる。
なお、着色樹脂層の厚みは、着色顔料粒子の含有量、色調および紫外線遮蔽度、ならびに塗装金属板の成形加工時における加工度などを考慮して、適宜決めることができる。
例えば、着色樹脂層中の着色顔料粒子の色調明度(JISに定めるL値)が低い場合、および、顔料粒子の紫外線遮蔽度が高い場合などは、着色顔料粒子による着色樹脂層の発色性(その下地の色に対する色隠蔽性)およびその下地への紫外線遮蔽率が高くなる。そのため、これらの場合は、着色樹脂層の厚みは、より小さくすることができる。また、加工度が低い場合など、着色樹脂層に求められる延性が低くなるため、着色樹脂層の厚みを小さくすることができる。
一方で、着色樹脂層とその下地との長期密着性を維持する(界面破断を長期間抑制する)観点では、着色樹脂層の紫外線透過率を低くすることが好ましく、そのためには、着色樹脂層の厚みを大きくすることが好ましい。
このように、着色樹脂層の厚みの下限値は、一概には言えないが、例えば、加工度が4T曲げ加工度相当であって、着色顔料粒子(例えば酸化チタン粒子)のL値が80超であれば、着色樹脂層の厚みは、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましい。また、上記加工度で、かつ着色顔料粒子(例えば鉄-クロム系焼成顔料粒子)のL値が70以下であれば、着色樹脂層の厚みは、15μm以上であることが好ましく、18μm以上であることがより好ましい。
なお、他の層を配置する場合には、着色樹脂層の厚みは、他の層の存在を考慮して決めることができる。例えば、塗装金属板が下塗り層と着色樹脂層とを有する場合は、着色樹脂層の厚みは、意匠性、耐食性および経時加工性を高める観点から、例えば10~35μmとしうる。
2-2.その他の層
塗装金属板は、前述の通り、着色樹脂層以外の他の層をさらに有していてもよい。他の層の例には、化成処理層、下塗り層、および中塗り層が含まれる。例えば、塗装金属板は、金属板と、化成処理層と、下塗り層と、着色樹脂層とをこの順に有することが好ましく;金属板と、化成処理層と、下塗り層と、中塗り層と、着色樹脂層とをこの順に有することがより好ましい。
2-2-1.化成処理層
化成処理層は、前述の通り、塗装金属板の密着性や耐食性を向上させる目的で、金属板上に直接、すなわち金属板と着色樹脂層との間に配置されうる。前述の通り、化成処理層の例には、非クロメート系皮膜、およびクロメート系皮膜が含まれる。
非クロメート系皮膜の付着量は、その種類に応じて適宜に決めることができる。例えば、Ti-Mo複合皮膜の付着量は、全TiおよびMo換算で10~500mg/mであることが好ましく、フルオロアシッド系皮膜の付着量は、フッ素換算または総金属元素換算で3~100mg/mであることが好ましく、リン酸塩皮膜の付着量は、リン元素換算で0.1~5g/mであることが好ましく、樹脂系皮膜の付着量は、樹脂換算で1~500mg/mであることが好ましく、樹脂およびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~50mg/mであることが好ましく、シリカ系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~200mg/mであることが好ましく、シリカおよびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Si換算で0.1~200mg/mであることが好ましく、ジルコニウム系皮膜の付着量は、Zr換算で0.1~100mg/mであることが好ましく、ジルコニウムおよびシランカップリング剤系皮膜の付着量は、Zr換算で0.1~100mg/mであることが好ましい。
クロメート系皮膜の例には、塗布型クロメート処理皮膜、およびリン酸-クロム酸系処理クロメート防錆処理皮膜が含まれる。これらのクロメート系皮膜の付着量は、いずれも、クロム元素換算で20~80mg/mであることが好ましい。
2-2-2.下塗り層
下塗り層は、前述の通り、塗装金属板における着色樹脂層の密着性や耐食性を高める観点から、金属板と着色樹脂層との間に配置されうる。下塗り層は、金属板の表面あるいは化成処理層の表面に形成される。
下塗り層は、前述の通り、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物、または硬化性樹脂と硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されうる。
下塗り層の厚みは、特に制限されないが、例えば1~10μmであることが好ましく、3~7μmであることがより好ましい。
2-2-3.中塗り層
中塗り層は、前述の通り、塗装金属板における層間の密着性や耐食性を高める観点から、下塗り層と着色樹脂層との間に配置されうる。
中塗り層も、下塗り層と同様に、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物、または硬化性樹脂と硬化剤とを含む樹脂組成物の硬化物で構成されうる。また、中塗り層も、下塗り層と同様に、添加剤をさらに含有していてもよい。当該添加剤は、例えば、着色樹脂層で説明したものと同じものを使用できる。
中塗り層の厚みは、特に制限されないが、例えば3~20μmであることが好ましく、5~15μmであることがより好ましい。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.塗装原板の作製
(金属板の準備)
板厚0.4mm、両面めっき付着量180g/mの溶融Zn-6%Al-3Mg合金めっき鋼板をアルカリ脱脂した。
(化成処理層の形成)
次いで、アルカリ脱脂しためっき鋼板の表面に、下記組成の非クロメート防錆処理液を塗布し、塗布後のめっき鋼板を水洗することなく100℃で乾燥させた。それにより、Ti換算で10mg/mの付着量の非クロメート防錆処理(化成処理層の形成)を行った。
ヘキサフルオロチタン酸 55g/L
ヘキサフルオロジルコニウム酸 10g/L
アミノメチル置換ポリビニルフェノール 72g/L
水 残り
(下塗り層の形成)
次いで、めっき鋼板の上記の非クロメート防錆処理後の表面に、下記組成を有するエポキシ樹脂系下塗り塗料を塗布した後、めっき鋼板の到達温度が200℃となるように加熱し、乾燥膜厚が5μmの下塗り塗膜を形成し、クロメートフリーのめっき鋼板を得た。これを塗装原板とした。なお、クリアー塗料は、日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「NSC680」(エポキシ樹脂と、イソシアネート系硬化剤とを含む塗料)である。
リン酸塩混合物 23質量%(対固形分)
硫酸バリウム 15質量%(対固形分)
シリカ 1質量%(対固形分)
クリアー塗料 残り
2.着色樹脂塗料の調製
2-1.材料の準備
(フッ素樹脂粒子)
表1に示されるフッ素樹脂粒子1(第1フッ素樹脂粒子)およびフッ素樹脂粒子2(第2フッ素樹脂粒子)を準備した。
Figure 0007207070000001
フッ素樹脂粒子1および2のd10、d50、d90は、以下の手順で測定した。
1)分散媒としてのイオン交換水にフッ素樹脂粒子を分散させて、粒子分散液を得た。この粒子分散液を、株式会社堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-950V2にセットし、前処理として超音波を60分間照射し、分散処理として超音波を2分間照射した。
2)得られた粒子分散液の体積基準粒子径分布を上記装置で測定して、累積頻度%径としてd10、d50、d90を求めた。
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂として、メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸エチル(EA)およびアクリロニトリル(AN)を異なる配合比で含む重合物を常法で合成し、アクリル樹脂1~4とした。なお、アクリル樹脂1および2の調製では、下記表2に示される量のベンゾトリアゾール系紫外線吸収基をアクリル樹脂中にさらに組み込んだものを使用した。
Figure 0007207070000002
アクリル樹脂1~4の重量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(Tg)は、それぞれ以下の方法で測定した。
〔重量平均分子量〕
アクリル樹脂の重量平均分子量は、JIS K 0124-2011に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した。
〔ガラス転移温度〕
アクリル樹脂のガラス転移温度を、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121-2012に準拠して測定した。
(着色顔料)
着色顔料:酸化チタン(テイカ株式会社製JR-805、平均粒子径0.29μm)
(光沢調整剤粒子)
光沢調整剤粒子1:シリカ粒子(富士シリシア化学社製サイリシア436)、平均粒子径4μm
光沢調整剤粒子2:ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製EMB20)、平均粒子径10μm
光沢調整剤粒子3:アクリル粒子(JXTGエネルギー社製ENEOSユニパウダーNMB-1020)、平均粒子径10μm
2-2.着色樹脂塗料の調製
(着色樹脂塗料1の調製)
(1)顔料分散液1の調製
固形分として、アクリル樹脂1と酸化チタン(着色顔料)とを、アクリル樹脂:酸化チタン=7:15(質量比)となるように配合した。この固形分と溶剤成分(イソホロン)とを、固形分:溶剤成分=1:1(質量比)となるようにさらに配合して、アイメックス株式会社製レディーミルRMB-04で、周速6m/sで30分間混合(粉砕混合)した。次いで、得られた混合物を、500メッシュのフィルターでろ過して凝集粒子を当該混合物から除去して、顔料分散液1を得た。ビーズ(メディア)としては、ジルコニア0.5mmφを用いた。
(2)着色樹脂塗料1の調製
得られた顔料分散液に、フッ素樹脂粒子2を、フッ素樹脂粒子:アクリル樹脂=4:1(質量比)となるように配合し、さらにフッ素樹脂粒子と同質量のイソホロンをさらに加えた。これを、攪拌機(東京理化器械社製NZ-1100)を用いて、攪拌翼先端速度(周速)1.5m/sで30分間撹拌混合して、着色樹脂塗料1を得た。
(着色樹脂塗料2~6の調製)
撹拌混合条件(周速、時間)を表3に示されるように変更した以外は着色樹脂塗料1と同様にして着色樹脂塗料2~6を得た。
(着色樹脂塗料7および8の調製)
アクリル樹脂の種類を表3に示されるように変更した以外は着色樹脂塗料1と同様にして着色樹脂塗料7および8を得た。
(着色樹脂塗料17および18の調製)
顔料分散液1と、表3に示されるフッ素樹脂粒子とを、フッ素樹脂粒子:アクリル樹脂=4:1(質量比)となるように配合し、さらにフッ素樹脂粒子と同質量のイソホロンをさらに加えた。これを、アイメックス社製レディーミルRMB-04(ジルコニアビーズ0.5mmφ使用)を用いて、表3に示される周速および時間、粉砕混合して、着色樹脂塗料17および18を得た。
(着色樹脂塗料9~16の調製)
第1フッ素樹脂粒子と第2フッ素樹脂粒子の混合比を表3に示されるように変更した以外は着色樹脂塗料1と同様にして着色樹脂塗料9~16を得た。
(着色樹脂塗料19~21の調製)
顔料分散液とフッ素樹脂粒子との混合時に表3に示される種類と量の光沢調整剤粒子をさらに配合した以外は着色樹脂塗料9と同様にして着色樹脂塗料19~21を得た。
(着色樹脂塗料22~24の調製)
顔料分散液とフッ素樹脂粒子とを混合する際に、表3に示される種類と量の光沢調整剤粒子をさらに配合した以外は着色樹脂塗料1と同様にして着色樹脂塗料22~24を得た。
(着色樹脂塗料25の調製)
着色樹脂塗料として、市販の日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製ディックフローC白色(フッ素樹脂:アクリル樹脂=70:30質量比)を用いた。
(評価)
得られた着色樹脂塗料1~25の一部について、フッ素樹脂粒子の凝集物の含有比率を以下の方法で測定した。
(凝集物の含有比率)
ガラス板上に着色樹脂塗料を塗布した後、乾燥させて塗膜を形成した。得られた塗膜の任意の3箇所を、走査型電子顕微鏡組成像(1000倍)で撮影し、各10000μmの範囲を画像解析した。そして、フッ素樹脂粒子の凝集物の平均面積率を求め、体積率に換算した。なお、フッ素樹脂粒子(一次粒子)が500~300000個凝集したものを「フッ素樹脂粒子の凝集物」とした。
得られた着色樹脂塗料1~25の組成と評価結果を、表3に示す。なお、凝集物の含有比率の欄の「-」は未測定であることを示す。
Figure 0007207070000003
3.塗装金属板の作製および評価
(塗装金属板1の作製)
上記作製した塗装原板の下塗り層上に、上記調製した着色樹脂塗料1を塗布した後、めっき鋼板の到達温度が140℃となるように加熱した。次いで、これを20℃の水中に浸漬して水冷した後、水中から取り出してガーゼで水分をふき取り、23℃の室内で乾燥させた。このとき、200℃~70℃の冷却速度は、250℃/秒であった。このようにして、塗装原板の下塗り層上に、厚み20μmの着色樹脂塗料の塗膜(着色樹脂層)を有する塗装金属板1を作製した。
(塗装金属板2~8の作製)
焼き付け温度を表4に示されるように変更した以外は塗装金属板1と同様にして塗装金属板を得た。
(塗装金属板9~32の作製)
着色樹脂塗料の種類を表4に示されるように変更した以外は塗装金属板1と同様にして塗装金属板を得た。
(評価)
得られた塗装金属板1~32の光沢度および加工性を、以下の方法で評価した。
(光沢度)
得られた塗装金属板の60度鏡面光沢度Gs(60°)を、JIS Z 8741:1997に準拠して測定した。
(加工性)
(1)初期(塗装直後)
得られた塗装金属板を製造後2時間以内に、塗膜を外側にして試験板と同一厚さの板をはさみ、23℃で180°に折り曲げた。このとき、塗膜にクラックが生じない最少の板はさみ枚数Tを記録した。はさみ枚数Tが小さいほど、加工性は良好であることを意味する。
(2)保管後
得られた塗装金属板を60℃の環境下に7日間静置した後、前述と同様にして、180°曲げ試験を行い、塗膜にクラックが生じない最少の板はさみ枚数Tを記録した。
塗装金属板1~32の評価結果を、表4に示す。
Figure 0007207070000004
表4に示されるように、フッ素樹脂粒子1と2の含有比を所定の範囲に調整してフッ素樹脂粒子とし、かつ顔料分散液と当該フッ素樹脂粒子とを攪拌機で撹拌混合した塗料を用いて得られた塗装金属板1~15および21~23は、いずれも60°光沢度Gs(60°)を適度に低く、かつ塗装直後(初期)および60℃7日保管後の加工性も高いことがわかる。
特に、焼き付け温度を高くすること(具体的には、融点+25℃以上とすること)で、保管後の加工性がより高くなることがわかる。これは、フッ素樹脂粒子が十分に溶融するためであると考えられる。
また、攪拌速度(周速)を低くすることで、光沢度をより低くしうることがわかる(塗装金属板1および11~13の対比)。これは、撹拌速度(周速)が高すぎると、撹拌混合中に徐々に凝集物(二次粒子)が一次粒子に分解されて、当該凝集物の割合が少なくなるためであると考えられる。
また、フッ素樹脂粒子中のフッ素樹脂粒子2(大粒径かつ共重合体)の比率を多くすることで、光沢度をより低くしうることがわかる(塗装金属板21~23)。
これに対して、顔料分散液とフッ素樹脂粒子とをビーズミルで粉砕混合した塗料を用いて得られた塗装金属板24~25は、いずれも60°光沢度Gs(60°)が高く、塗装金属板24は、60℃7日保管後の加工性も低いことがわかる。これは、光沢度Gs(60°)が高いのは、凝集物の含有量が少なく、それに対応して適度な大きさの凸を形成できなかったためと考えられる。塗装金属板24の保管後の加工性が低いのは、フッ素樹脂粒子1が結晶化し、硬くなりやすいためと考えられる。
特に、周速を高くすると、凝集物がさらに分解されて粒径がさらに小さくなるため、光沢度がさらに高くなることがわかる(塗装金属板16と24との対比)。
また、光沢調整剤粒子を含む塗料を用いた塗装金属板26~31は、光沢度は低くなるが、折り曲げ加工において、塗装直後、保管後ともに光沢調整剤粒子を起点とした塗膜割れが発生し、加工性が低下することがわかる。また、市販の塗料を用いた塗装金属板32は、光沢調整剤粒子を含有するため、折り曲げ加工において、塗装直後、保管後ともに光沢調整剤粒子を起点とした塗膜割れが発生し、加工性が低下することがわかる。
本発明の塗装金属板は、フッ素樹脂を含む着色樹脂層を有していても、保管後にも高い加工性を呈する。よって、フッ素樹脂を含む着色樹脂層を有する塗装金属板のさらなる普及が、特に外装建材の材料としてのさらなる普及が期待される。

Claims (9)

  1. 金属板と、その上に配置された着色樹脂層とを有する塗装金属板の製造方法であって、
    アクリル樹脂と、着色顔料とを粉砕混合して、アクリル樹脂と、着色顔料粒子と、溶剤とを含む顔料分散液を得る工程と、
    第1フッ素樹脂粒子と、前記第1フッ素樹脂粒子よりも体積基準粒度分布における50%粒子径(d50)が大きい第2フッ素樹脂粒子とを、前記第1フッ素樹脂粒子:前記第2フッ素樹脂粒子=60:40~0:100(質量比)となるように混合して、フッ素樹脂粒子を得る工程と、
    前記顔料分散液と前記フッ素樹脂粒子とを撹拌混合して、前記フッ素樹脂粒子の凝集物と、前記アクリル樹脂と、前記着色顔料粒子と、前記溶剤とを含み、かつ光沢調整剤粒子の含有量が固形分に対して1質量%以下である着色樹脂塗料を得る工程と、
    前記着色樹脂塗料を金属板上に塗布した後、加熱して着色樹脂層を形成する工程と
    を含み、
    前記第1フッ素樹脂粒子の前記50%粒子径(d50)は1~5μmであり、
    前記第2フッ素樹脂粒子の前記50%粒子径(d50)は5.5~12μmである
    塗装金属板の製造方法。
  2. 前記粉砕混合は、ビーズミルにより行う、
    請求項1に記載の塗装金属板の製造方法。
  3. 前記撹拌混合は、メディアによる粉砕を伴わない、
    請求項1または2に記載の塗装金属板の製造方法。
  4. 前記撹拌混合は、周速8m/s以下で30~180分間行う、
    請求項3に記載の塗装金属板の製造方法。
  5. 前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の塗装金属板の製造方法。
  6. 前記アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、アクリル酸エチルに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸と炭素数1~6のアルコールとのエステル化合物に由来する構造単位とを含む共重合体である、
    請求項に記載の塗装金属板の製造方法。
  7. 金属板と、その上に配置された着色樹脂層とを有する塗装金属板であって、
    前記着色樹脂層は、フッ素樹脂粒子の凝集融着物と、アクリル樹脂と、着色顔料粒子とを含み、
    前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以下であり、
    前記着色樹脂層における光沢調整剤粒子の含有量は、前記着色樹脂層に対して1質量%以下であり、かつ
    前記着色樹脂層の60°光沢度Gsは、20以下である、
    塗装金属板。
  8. 前記アクリル樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、アクリル酸エチルに由来する構造単位と、(メタ)アクリル酸と炭素数1~6のアルコールとのエステル化合物に由来する構造単位とを含む共重合体である、
    請求項に記載の塗装金属板。
  9. 前記金属板と、化成処理層と、下塗り層と、前記着色樹脂層とがこの順に積層されている、
    請求項7又は8に記載の塗装金属板。
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