JP2004067716A - 塗装用樹脂組成物及びこれを用いた樹脂塗装金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属板との密着性に優れた塗装用樹脂組成物を提供する。耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れた樹脂塗装金属板を提供する。
【解決手段】金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良であり、その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。
【選択図】 図1
【解決手段】金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良であり、その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板との密着性に優れた塗装用樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れた樹脂塗装金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼板は、美麗な外観を活用し、外装材、内装材、厨房機器等として広範な分野で使用されている。しかし、外観を生かした使用形態では、成型時に生じるかじり、傷や取扱い時、使用中等に付着する指紋や汚れが非常に目立ち易い。このような指紋、汚れ付着等による外観の劣化は、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用い、ステンレス鋼板にクリア塗装することにより抑制できる。中でも、フッ素樹脂系塗料で塗装したステンレス鋼板は、加工性、耐食性、耐候性に優れていることから、過酷な条件下の使用雰囲気に曝される用途にも広く使用されている。従来のフッ素樹脂塗装においては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)樹脂が汎用されている。しかし、結晶性高分子であるPVdF樹脂を使用すると、結晶生成如何によって塗膜の加工性等に悪影響が表れると考えられている。PVdF樹脂は、結晶性の高分子であり、加工性に乏しいことから、成型加工によってプレコート金属板を製造する際に、PVdF系塗料からなる塗膜は、素材の伸び及び割れを克服しきれず、クラックやはがれ等の塗膜欠陥が生じ易いという問題があった。そのため、PVdF樹脂は、プレコート金属板用塗料成分中の樹脂成分として単独では用いられることは殆どなく、種々の改良が提案されている。
【0003】
その改善方法として、PVdFとアクリル系樹脂を主成分とする熱可塑性塗料組成物に更にアクリルグラフトフッ素樹脂、ポリ四フッ化エチレン粉体及びブロック化ポリイソシアネート化合物を含有させたクリアー塗料組成物が開示されている(特開2000−136342)。このクリアー塗料組成物は、アクリルグラフトフッ素樹脂とブロック化ポリイソシアネート化合物との硬化反応により、塗膜の優れた加工性を損なうことなく、塗膜に適度の硬さを与え、傷付きや摩耗を防止する。
また、ステンレス鋼板にPVdF樹脂及びアクリル樹脂の混合塗料を塗布し、焼付け後に直ちに冷却して塗膜を形成した後、140℃以下の温度で再加熱することを特徴とする高硬度透明フッ素樹脂塗装ステンレス鋼板の製造方法が開示されている(特開2000−70844)。140℃以下の温度で再加熱することにより、β型結晶化度を増大させることにより、塗膜の強度を改善する。
また、ポリエステル化合物と、PVdF樹脂と、アクリル樹脂と、共分散混合物ワックスとを含有したプレコート金属板用塗料組成物が開示されている(特開2000−204337)。この塗料組成物により優れた加工性と優れた耐傷付き性が得られる。
【0004】
また、PVdF樹脂とアクリル樹脂からなる樹脂成分と溶剤からなる樹脂分散液をPVdF樹脂の融点以上の温度で加熱することを特徴とするフッ素樹脂塗装金属板用樹脂組成物の製造方法及びフッ素樹脂塗装金属板が開示されている(特開平8−131945)。
更に、PVdF樹脂と熱可塑性成分及び熱硬化成分からなるアクリル樹脂との混合物からなる樹脂組成物を主成分として含有するプレコート金属板用塗料及びプレコート金属板が開示されている(特開平6−184491)。このような配合としたプレコート金属板は製造後における経時変化において製造直後の優れた加工性を損なうことがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−136342号公報に示された熱可塑性塗料組成物は、PVdFとアクリル系樹脂を主成分としている。また、特開2000−70844号公報に示された製造方法では、混合塗料にPVdF樹脂及びアクリル樹脂が用いられている。また、特開2000−204337号公報に示された塗料組成物には、PVdF樹脂、アクリル樹脂、共分散混合物ワックスが含有している。特開平8−131945号公報に示された樹脂組成物中の樹脂成分には、PVdF樹脂とアクリル樹脂が使用されている。更に、特開平6−184491号公報に示されたプレコート金属板用塗料に含有する樹脂組成物は、PVdF樹脂とアクリル樹脂から構成されている。
上記公報にそれぞれ示される塗料組成物に使用されているアクリル系樹脂はその化学的安定性が弱いため、アクリル樹脂の含有量が高いと樹脂塗膜層の耐候性、耐腐食性が大幅に劣化する問題があった。
【0006】
本発明の目的は、金属板との密着性に優れた塗装用樹脂組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れた樹脂塗装金属板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良であり、その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。
請求項1に係る発明では、組成物中に変性フッ素樹脂を更に含ませることにより、金属板と樹脂塗膜層との接着性が向上する。また、この変性フッ素樹脂は化学安定性がアクリル樹脂等よりも優れるため、樹脂塗装金属板の耐候性、耐腐食性等を向上できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、変性フッ素樹脂が幹重合体に変性物質がグラフト化されてなる樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、幹重合体を構成する基本単位としてビニリデンフルオライド又はビニルフルオライドの少なくとも1種を含む樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、変性物質がアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルの少なくとも1種を含む樹脂組成物である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る発明であって、変性フッ素樹脂が95〜60重量%の幹重合体に対して5〜40重量%の変性物質をグラフト重合させた樹脂組成物である。
【0009】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る発明であって、変性フッ素樹脂の重量平均分子量が50000〜700000である樹脂組成物である。
請求項7に係る発明は、請求項1に係る発明であって、フッ素樹脂と変性フッ素樹脂との重量比(フッ素樹脂/変性フッ素樹脂)が90/10〜10/90である樹脂組成物である。
請求項8に係る発明は、請求項1又は7に係る発明であって、フッ素樹脂がPVdF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(以下、VdF−HFPという。)共重合体、PVF又はそのコポリマーを含む樹脂組成物である。
請求項9に係る発明は、図1に示すように、金属板12表面に請求項1ないし8いずれか記載の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層11を形成したことを特徴とする樹脂塗装金属板である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、金属板12が鋼板、めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板又は銅板である樹脂塗装金属板である。
請求項11に係る発明は、請求項9又は10に係る発明であって、金属板12の表面にクロム酸系又はリン酸系の化成処理層が形成された樹脂塗装金属板である。
【0010】
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明であって、化成処理層の上に樹脂成分を主成分とする下塗り層が設けられた樹脂塗装金属板である。
請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明であって、樹脂成分がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂のいずれか一方又はその双方を含む樹脂塗装金属板である。
請求項14に係る発明は、請求項12に係る発明であって、下塗り層の厚さが3〜10μmである樹脂塗装金属板である。
請求項15に係る発明は、請求項12又は14に係る発明であって、下塗り層に防錆塗料を更に含む樹脂塗装金属板である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
本発明の塗装用樹脂組成物は、金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良である。その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。
【0012】
この変性フッ素樹脂は、フッ素樹脂に含まれる繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とするため、フッ素樹脂との密着性が高い。また接着性能を有する変性物質を枝重合体として配列させたため、従来用いられてきたアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の使用量を低減できるとともに、金属板との密着性も向上する。このため、金属板と接着層、接着層とフッ素樹脂フィルムの接着性がそれぞれ向上する。また、変性フッ素樹脂は化学的安定性がアクリル樹脂等に比べて優れるため、この変性フッ素樹脂を用いることにより、フッ素樹脂フィルムラミネート金属板の耐候性、耐腐食性等も向上する。
【0013】
本発明の変性フッ素樹脂は幹重合体に変性物質がグラフト化されて構成される。
グラフト重合させる方法としては触媒法、連鎖移動法、放射線法、光重合法及び機械的切断法等がある。例えば放射線法では、フッ素樹脂に含まれる繰返し単位を基本単位として構成された樹脂である幹重合体と枝重合体となる変性物質とを一緒にして、放射線を連続的又は間欠的に放射することにより重合でき、幹重合体と変性物質とを接触させる前に幹重合体を予備放射することが好ましい。具体的には、幹重合体に放射線を照射した後で、前記被照射物にグラフト化材料となる変性物質を混合することにより、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を得ることができる。グラフト重合に用いる放射線は、電子ビーム、X線又はγ線が挙げられる。幹重合体への吸収線量が1〜120kGyになるようにγ線を照射する。幹重合体に放射線を照射することにより片末端にラジカルが形成され、変性物質がグラフト重合し易くなる。下記化学式(1)及び化学式(2)にPVdFとアクリル酸の放射線法によるグラフト重合で得られるアクリル酸グラフトPVdF(以下、AA−g−PVdFという。)の反応を示す。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
化学式(1)に示すように、PVdFに放射線としてγ線を照射することによりPVdFの片末端にラジカルを形成する。化学式(2)に示すように、この片末端にラジカルを有するPVdFにアクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにアクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。
また別の例として化学式(3)及び化学式(4)にPVdFとメタクリル酸のグラフト重合を示す。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
化学式(3)に示すように、PVdFが放射線としてγ線を照射することによりPVdFの片末端にラジカルを形成し、化学式(4)で片末端にラジカルを有するPVdFにメタクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにメタクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。グラフト重合は活性化した幹重合体が変性物質と接触している時間の長さ、放射線による幹重合体の予備活性の程度、変性物質が幹重合体を透過できるまでの程度、幹重合体及び変性物質が接触しているときの温度等によりそれぞれ重合生成が異なる。変性物質が酸である場合、変性物質を含有する溶液をサンプリングして、アルカリにより滴定し、残留する酸化合物濃度を測定することにより、グラフト化の程度を観測することができる。得られた組成物中のグラフト化の割合は、最終重量の10〜30%が望ましい。
【0020】
幹重合体には、PVdFホモポリマー、フッ化ビニリデンが少なくとも75重量%以上含むコポリマー又はターポリマー、PVFホモポリマー及びフッ化ビニルが少なくとも75重量%以上含むコポリマー又はターポリマーの少なくとも1種が含まれる。変性物質には、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルの少なくとも1種が含まれる。変性フッ素樹脂は、95〜60重量%の幹重合体に対して5〜40重量%の変性物質がグラフトされる。このようにして構成された変性フッ素樹脂の重量平均分子量は、50000〜700000である。好ましい重量平均分子量は100000〜600000である。樹脂組成物中のフッ素樹脂と変性フッ素樹脂との重量比(フッ素樹脂/変性フッ素樹脂)は90/10〜10/90である。好ましい重量比は、50/50〜70/30である。フッ素樹脂としては、PVdF、VdF−HFP共重合体、PVF等が挙げられる。
【0021】
本発明の樹脂組成物には、従来より接着剤に用いられているエポキシ樹脂、アクリル樹脂を添加してもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類とエピハロヒドリン又はβ−メチルエポハロヒドリンとの反応で得られるエポキシ化合物、及びこれらの共重合体が挙げられる。更に、これらのエポキシ化合物のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸変性物、モノ、ジ、もしくはポリアルコール変性物、モノもしくはジアミン変性物、モノ、ジもしくはポリフェノール変性物もエポキシ樹脂として使用できる。
アクリル樹脂としては、使用するフッ素樹脂との相溶性の高いものがよく、これも熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。熱可塑性アクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体が挙げられる。この場合、エステル物のエステル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、ラウリル、ステアリル等のアルキル基でよい。共重合体の場合、エステル基は1種でも2種以上でもよい。熱硬化性アクリル樹脂としては、分子中に橋架け構造を作るような官能基(カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロール基、エポキシ基等)を持ったモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アリルグリシジルエーテル、グルシジルメタクリレートなどの群と、このような官能基を持たない、例えばスチレン並びに上記のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの群という2つの群から選ばれた2種以上のモノマーを共重合して得られるポリマーが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0022】
また、本発明の樹脂組成物には、顔料や防錆塗料、架橋剤等を含有させてもよい。
顔料としては、TiO2、Sb2O3・BaO・NiO・Cr2O3を主成分とするイエロー系、ZnO・Fe2O3・CrO3を主成分とするブラウン系、CoO・Al2O3・Cr2O3を主成分とするブルー系、TiO2・CoO・NiO・ZnOを主成分とするグリーン系、CuO・Cr2O3及びCuO・Fe2O3・Mn2O3を主成分とするブラック系の無機系顔料が挙げられる。その添加量は調色により適宜調製される。
防錆塗料としては、ストロンチウムクロメート、バリウムクロメート、カルシウムクロメート、ジンククロメートやシリカ、ジルコニア等の金属酸化物粒子が挙げられる。
【0023】
架橋剤としては、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等の脂環族、これらのジイソシアネート類の多量体や多価アルコールとの付加物等のポリイソシアネート化合物、並びにこれらのポリイソシアネート化合物をブロック剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプタン系、イミン系、アミン系、イミダゾル系、オキシム系、亜硫酸系ブロック剤等)と反応させてイソシアネート基をブロックしたブロック化ポリイソシアネート樹脂、炭素数1〜4のアルコールによりアルキルエーテル化したホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒド等と尿素、N,N’−エチレン尿素、ジシアンジアミド、アミノトリアジン等との縮合物、具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロール−N,N’−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等が挙げられる。
【0024】
図1に示すように、本発明の樹脂塗装金属板10は、金属板12表面に前述した本発明の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層11を形成してなることを特徴とする。
本発明の樹脂塗装金属板10の母材である金属板12の種類は特に限定されないが、製造される樹脂塗装金属板は、耐候性に優れていることから屋外で使用されることが多く、母材にも耐食性に優れたものが適用されることが多い。金属板としては、鋼板、端面耐食性に優れている亜鉛系等のメッキ鋼板、アルミニウム系等のメッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板、銅板等も使用可能である。金属板には下地処理として、クロム酸系又はリン酸塩系の化成処理を施して化成処理層を形成し、樹脂塗膜層と金属板との密着性を確保する。この化成処理層は、従来より用いられている方法を用いることができる。化成処理層の付着量は特に限定されないが、リン酸亜鉛処理で、0.1〜2.0g/m2、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理ではクロム金属としてそれぞれ5〜70mg/m2、20〜150mg/m2である。下地処理の付着量が過少では均一性に劣り、過大の場合には加工部の密着性が低下する。化成処理を施した金属板表面には、樹脂成分を主成分とする下塗り層が設けられる。下塗り層を設けることにより樹脂塗膜層と金属板の接着を更に向上する効果が得られる。主成分の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。下塗り層の厚さは3〜10μmである。好ましくは5〜8μmである。この下塗り層に防錆塗料を更に含ませてもよい。
【0025】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、フッ素樹脂として重量平均分子量450000のPVdFを、変性フッ素樹脂として85重量%のPVdFに対して15重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量400000のAA−g−PVdFをそれぞれ用意した。次いで、70重量部のフッ素樹脂及び30重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、100℃に加熱攪拌して溶解し、塗膜層スラリーを調製した。次に、SUS480のステンレス鋼板の表面にグロメート処理を施し、鋼板表面にクロム量40mg/m2の化成皮膜を形成した。グロメート処理皮膜を形成した鋼板表面に、乾燥後の塗膜層の厚さが20μmになるようにバーコーターを用いて塗膜層スラリーを塗工し、220℃で60秒間焼付けて、樹脂塗装金属板を得た。
【0026】
<実施例2>
フッ素樹脂として重量平均分子量560000のPVdFを、変性フッ素樹脂として80重量%のPVdFに対して20重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量200000のAA−g−PVdFを用い、60重量部のフッ素樹脂及び40重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<実施例3>
フッ素樹脂として重量平均分子量240000のPVdFを、変性フッ素樹脂として80重量%のPVdFに対して20重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量700000のAA−g−PVdFを用い、50重量部のフッ素樹脂及び50重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<実施例4>
フッ素樹脂として重量平均分子量450000のPVdFと、90重量%のVdFと10重量%のHFPからなるVdF−HFP共重合体を、変性フッ素樹脂として85重量%のPVdFに対して15重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量600000のAA−g−PVdFを用い、50重量部のPVdF、20重量部のVdF−HFP共重合体及び30重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれNMPに分散させ、塗膜層スラリーを調製し、焼付温度を180℃とした以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
【0027】
<比較例1>
塗膜層スラリーに変性フッ素樹脂を用いず、PVdFホモポリマーのみを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<比較例2>
PVdFコポリマーとして重量平均分子量400000の90重量%のVdFと10重量%のHFPからなるVdF−HFP共重合体を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<比較例3>
変性物質の代わりにアクリル樹脂を用い、70重量部のPVdF及び30重量部のアクリル樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<比較例4>
変性物質の代わりにアクリル樹脂を用い、50重量部のPVdF、30重量部のVdF−HFP共重合体及び20重量部のアクリル樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調整した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
【0028】
<比較試験及び評価>
実施例1〜4及び比較例1〜4でそれぞれ得られた樹脂塗装金属板を用いて以下に示す評価試験を行った。
▲1▼ 初期加工性能評価試験
製造後2時間以内に試験片を同じ厚さの被塗板を挟み、塗面を外側にして180度折曲げ、折曲げ部先端に剥離、クラックが発生しない加工度を挟んだ被塗板の枚数(T)で評価した。
▲2▼ 経時加工性能評価試験
製造後、50℃恒温槽で50日間放置した後、初期加工性能の評価方法と同じく、試験編を同じ厚さの被塗板を挟み、塗面を外側にして180度折り曲げ、折曲げ部先端に剥離、クラックが発生しない加工度を、挟んだ被塗板の枚数(T)で評価した。
▲3▼ 耐候性評価試験
JISB7753に準じてサンシャインウェザーメーター試験を5000時間実施し、下記の標準で耐食性を評価した。
▲4▼ 耐食性評価試験
JISZ2371に準じてCASS試験を72時間実施し、下記の標準で耐食性を評価した。
【0029】
実施例1〜4及び比較例1〜4の樹脂塗装金属板における各種評価試験の結果を表1に示す。なお、表1中の耐候性試験欄の記号◎は塗膜の剥離がないことを表し、記号×は塗膜の剥離が認められることを表す。また耐食性試験欄の記号◎は錆の発生がないことを表し、記号×は錆の発生が認められることを表す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1より明らかなように、変性フッ素樹脂を含まない比較例1〜4は評価試験▲1▼〜▲4▼のそれぞれにおいて劣った結果となった。これに対して実施例1〜4はそれぞれ評価試験▲1▼〜▲4▼において優れた結果となっていることが判る。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の塗装用樹脂組成物は、金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良であり、その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。このような変性フッ素樹脂を更に含んだ樹脂組成物を用いることにより、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂塗膜層への使用量を低減でき、かつ金属板との密着性に優れる。
【0033】
更に、本発明の樹脂塗装金属板は、金属板表面に本発明の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層を形成したことを特徴とし、そのような樹脂塗装金属板は、耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂塗装金属板の説明図。
【符号の説明】
10 樹脂塗装金属板
11 樹脂塗膜層
12 金属板
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板との密着性に優れた塗装用樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れた樹脂塗装金属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼板は、美麗な外観を活用し、外装材、内装材、厨房機器等として広範な分野で使用されている。しかし、外観を生かした使用形態では、成型時に生じるかじり、傷や取扱い時、使用中等に付着する指紋や汚れが非常に目立ち易い。このような指紋、汚れ付着等による外観の劣化は、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用い、ステンレス鋼板にクリア塗装することにより抑制できる。中でも、フッ素樹脂系塗料で塗装したステンレス鋼板は、加工性、耐食性、耐候性に優れていることから、過酷な条件下の使用雰囲気に曝される用途にも広く使用されている。従来のフッ素樹脂塗装においては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)樹脂が汎用されている。しかし、結晶性高分子であるPVdF樹脂を使用すると、結晶生成如何によって塗膜の加工性等に悪影響が表れると考えられている。PVdF樹脂は、結晶性の高分子であり、加工性に乏しいことから、成型加工によってプレコート金属板を製造する際に、PVdF系塗料からなる塗膜は、素材の伸び及び割れを克服しきれず、クラックやはがれ等の塗膜欠陥が生じ易いという問題があった。そのため、PVdF樹脂は、プレコート金属板用塗料成分中の樹脂成分として単独では用いられることは殆どなく、種々の改良が提案されている。
【0003】
その改善方法として、PVdFとアクリル系樹脂を主成分とする熱可塑性塗料組成物に更にアクリルグラフトフッ素樹脂、ポリ四フッ化エチレン粉体及びブロック化ポリイソシアネート化合物を含有させたクリアー塗料組成物が開示されている(特開2000−136342)。このクリアー塗料組成物は、アクリルグラフトフッ素樹脂とブロック化ポリイソシアネート化合物との硬化反応により、塗膜の優れた加工性を損なうことなく、塗膜に適度の硬さを与え、傷付きや摩耗を防止する。
また、ステンレス鋼板にPVdF樹脂及びアクリル樹脂の混合塗料を塗布し、焼付け後に直ちに冷却して塗膜を形成した後、140℃以下の温度で再加熱することを特徴とする高硬度透明フッ素樹脂塗装ステンレス鋼板の製造方法が開示されている(特開2000−70844)。140℃以下の温度で再加熱することにより、β型結晶化度を増大させることにより、塗膜の強度を改善する。
また、ポリエステル化合物と、PVdF樹脂と、アクリル樹脂と、共分散混合物ワックスとを含有したプレコート金属板用塗料組成物が開示されている(特開2000−204337)。この塗料組成物により優れた加工性と優れた耐傷付き性が得られる。
【0004】
また、PVdF樹脂とアクリル樹脂からなる樹脂成分と溶剤からなる樹脂分散液をPVdF樹脂の融点以上の温度で加熱することを特徴とするフッ素樹脂塗装金属板用樹脂組成物の製造方法及びフッ素樹脂塗装金属板が開示されている(特開平8−131945)。
更に、PVdF樹脂と熱可塑性成分及び熱硬化成分からなるアクリル樹脂との混合物からなる樹脂組成物を主成分として含有するプレコート金属板用塗料及びプレコート金属板が開示されている(特開平6−184491)。このような配合としたプレコート金属板は製造後における経時変化において製造直後の優れた加工性を損なうことがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−136342号公報に示された熱可塑性塗料組成物は、PVdFとアクリル系樹脂を主成分としている。また、特開2000−70844号公報に示された製造方法では、混合塗料にPVdF樹脂及びアクリル樹脂が用いられている。また、特開2000−204337号公報に示された塗料組成物には、PVdF樹脂、アクリル樹脂、共分散混合物ワックスが含有している。特開平8−131945号公報に示された樹脂組成物中の樹脂成分には、PVdF樹脂とアクリル樹脂が使用されている。更に、特開平6−184491号公報に示されたプレコート金属板用塗料に含有する樹脂組成物は、PVdF樹脂とアクリル樹脂から構成されている。
上記公報にそれぞれ示される塗料組成物に使用されているアクリル系樹脂はその化学的安定性が弱いため、アクリル樹脂の含有量が高いと樹脂塗膜層の耐候性、耐腐食性が大幅に劣化する問題があった。
【0006】
本発明の目的は、金属板との密着性に優れた塗装用樹脂組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れた樹脂塗装金属板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良であり、その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。
請求項1に係る発明では、組成物中に変性フッ素樹脂を更に含ませることにより、金属板と樹脂塗膜層との接着性が向上する。また、この変性フッ素樹脂は化学安定性がアクリル樹脂等よりも優れるため、樹脂塗装金属板の耐候性、耐腐食性等を向上できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、変性フッ素樹脂が幹重合体に変性物質がグラフト化されてなる樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、幹重合体を構成する基本単位としてビニリデンフルオライド又はビニルフルオライドの少なくとも1種を含む樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、変性物質がアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルの少なくとも1種を含む樹脂組成物である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る発明であって、変性フッ素樹脂が95〜60重量%の幹重合体に対して5〜40重量%の変性物質をグラフト重合させた樹脂組成物である。
【0009】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る発明であって、変性フッ素樹脂の重量平均分子量が50000〜700000である樹脂組成物である。
請求項7に係る発明は、請求項1に係る発明であって、フッ素樹脂と変性フッ素樹脂との重量比(フッ素樹脂/変性フッ素樹脂)が90/10〜10/90である樹脂組成物である。
請求項8に係る発明は、請求項1又は7に係る発明であって、フッ素樹脂がPVdF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(以下、VdF−HFPという。)共重合体、PVF又はそのコポリマーを含む樹脂組成物である。
請求項9に係る発明は、図1に示すように、金属板12表面に請求項1ないし8いずれか記載の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層11を形成したことを特徴とする樹脂塗装金属板である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明であって、金属板12が鋼板、めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板又は銅板である樹脂塗装金属板である。
請求項11に係る発明は、請求項9又は10に係る発明であって、金属板12の表面にクロム酸系又はリン酸系の化成処理層が形成された樹脂塗装金属板である。
【0010】
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明であって、化成処理層の上に樹脂成分を主成分とする下塗り層が設けられた樹脂塗装金属板である。
請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明であって、樹脂成分がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂のいずれか一方又はその双方を含む樹脂塗装金属板である。
請求項14に係る発明は、請求項12に係る発明であって、下塗り層の厚さが3〜10μmである樹脂塗装金属板である。
請求項15に係る発明は、請求項12又は14に係る発明であって、下塗り層に防錆塗料を更に含む樹脂塗装金属板である。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。
本発明の塗装用樹脂組成物は、金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良である。その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。
【0012】
この変性フッ素樹脂は、フッ素樹脂に含まれる繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とするため、フッ素樹脂との密着性が高い。また接着性能を有する変性物質を枝重合体として配列させたため、従来用いられてきたアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の使用量を低減できるとともに、金属板との密着性も向上する。このため、金属板と接着層、接着層とフッ素樹脂フィルムの接着性がそれぞれ向上する。また、変性フッ素樹脂は化学的安定性がアクリル樹脂等に比べて優れるため、この変性フッ素樹脂を用いることにより、フッ素樹脂フィルムラミネート金属板の耐候性、耐腐食性等も向上する。
【0013】
本発明の変性フッ素樹脂は幹重合体に変性物質がグラフト化されて構成される。
グラフト重合させる方法としては触媒法、連鎖移動法、放射線法、光重合法及び機械的切断法等がある。例えば放射線法では、フッ素樹脂に含まれる繰返し単位を基本単位として構成された樹脂である幹重合体と枝重合体となる変性物質とを一緒にして、放射線を連続的又は間欠的に放射することにより重合でき、幹重合体と変性物質とを接触させる前に幹重合体を予備放射することが好ましい。具体的には、幹重合体に放射線を照射した後で、前記被照射物にグラフト化材料となる変性物質を混合することにより、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を得ることができる。グラフト重合に用いる放射線は、電子ビーム、X線又はγ線が挙げられる。幹重合体への吸収線量が1〜120kGyになるようにγ線を照射する。幹重合体に放射線を照射することにより片末端にラジカルが形成され、変性物質がグラフト重合し易くなる。下記化学式(1)及び化学式(2)にPVdFとアクリル酸の放射線法によるグラフト重合で得られるアクリル酸グラフトPVdF(以下、AA−g−PVdFという。)の反応を示す。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
化学式(1)に示すように、PVdFに放射線としてγ線を照射することによりPVdFの片末端にラジカルを形成する。化学式(2)に示すように、この片末端にラジカルを有するPVdFにアクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにアクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。
また別の例として化学式(3)及び化学式(4)にPVdFとメタクリル酸のグラフト重合を示す。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
化学式(3)に示すように、PVdFが放射線としてγ線を照射することによりPVdFの片末端にラジカルを形成し、化学式(4)で片末端にラジカルを有するPVdFにメタクリル酸を接触させて、PVdFのラジカルにメタクリル酸の二重結合部分がグラフト重合される。グラフト重合は活性化した幹重合体が変性物質と接触している時間の長さ、放射線による幹重合体の予備活性の程度、変性物質が幹重合体を透過できるまでの程度、幹重合体及び変性物質が接触しているときの温度等によりそれぞれ重合生成が異なる。変性物質が酸である場合、変性物質を含有する溶液をサンプリングして、アルカリにより滴定し、残留する酸化合物濃度を測定することにより、グラフト化の程度を観測することができる。得られた組成物中のグラフト化の割合は、最終重量の10〜30%が望ましい。
【0020】
幹重合体には、PVdFホモポリマー、フッ化ビニリデンが少なくとも75重量%以上含むコポリマー又はターポリマー、PVFホモポリマー及びフッ化ビニルが少なくとも75重量%以上含むコポリマー又はターポリマーの少なくとも1種が含まれる。変性物質には、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルの少なくとも1種が含まれる。変性フッ素樹脂は、95〜60重量%の幹重合体に対して5〜40重量%の変性物質がグラフトされる。このようにして構成された変性フッ素樹脂の重量平均分子量は、50000〜700000である。好ましい重量平均分子量は100000〜600000である。樹脂組成物中のフッ素樹脂と変性フッ素樹脂との重量比(フッ素樹脂/変性フッ素樹脂)は90/10〜10/90である。好ましい重量比は、50/50〜70/30である。フッ素樹脂としては、PVdF、VdF−HFP共重合体、PVF等が挙げられる。
【0021】
本発明の樹脂組成物には、従来より接着剤に用いられているエポキシ樹脂、アクリル樹脂を添加してもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等のビスフェノール類とエピハロヒドリン又はβ−メチルエポハロヒドリンとの反応で得られるエポキシ化合物、及びこれらの共重合体が挙げられる。更に、これらのエポキシ化合物のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸変性物、モノ、ジ、もしくはポリアルコール変性物、モノもしくはジアミン変性物、モノ、ジもしくはポリフェノール変性物もエポキシ樹脂として使用できる。
アクリル樹脂としては、使用するフッ素樹脂との相溶性の高いものがよく、これも熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよい。熱可塑性アクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体及び共重合体が挙げられる。この場合、エステル物のエステル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、ラウリル、ステアリル等のアルキル基でよい。共重合体の場合、エステル基は1種でも2種以上でもよい。熱硬化性アクリル樹脂としては、分子中に橋架け構造を作るような官能基(カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メチロール基、エポキシ基等)を持ったモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アリルグリシジルエーテル、グルシジルメタクリレートなどの群と、このような官能基を持たない、例えばスチレン並びに上記のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの群という2つの群から選ばれた2種以上のモノマーを共重合して得られるポリマーが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0022】
また、本発明の樹脂組成物には、顔料や防錆塗料、架橋剤等を含有させてもよい。
顔料としては、TiO2、Sb2O3・BaO・NiO・Cr2O3を主成分とするイエロー系、ZnO・Fe2O3・CrO3を主成分とするブラウン系、CoO・Al2O3・Cr2O3を主成分とするブルー系、TiO2・CoO・NiO・ZnOを主成分とするグリーン系、CuO・Cr2O3及びCuO・Fe2O3・Mn2O3を主成分とするブラック系の無機系顔料が挙げられる。その添加量は調色により適宜調製される。
防錆塗料としては、ストロンチウムクロメート、バリウムクロメート、カルシウムクロメート、ジンククロメートやシリカ、ジルコニア等の金属酸化物粒子が挙げられる。
【0023】
架橋剤としては、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等の脂環族、これらのジイソシアネート類の多量体や多価アルコールとの付加物等のポリイソシアネート化合物、並びにこれらのポリイソシアネート化合物をブロック剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、アルコール系、活性メチレン系、メルカプタン系、イミン系、アミン系、イミダゾル系、オキシム系、亜硫酸系ブロック剤等)と反応させてイソシアネート基をブロックしたブロック化ポリイソシアネート樹脂、炭素数1〜4のアルコールによりアルキルエーテル化したホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒド等と尿素、N,N’−エチレン尿素、ジシアンジアミド、アミノトリアジン等との縮合物、具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロール−N,N’−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等が挙げられる。
【0024】
図1に示すように、本発明の樹脂塗装金属板10は、金属板12表面に前述した本発明の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層11を形成してなることを特徴とする。
本発明の樹脂塗装金属板10の母材である金属板12の種類は特に限定されないが、製造される樹脂塗装金属板は、耐候性に優れていることから屋外で使用されることが多く、母材にも耐食性に優れたものが適用されることが多い。金属板としては、鋼板、端面耐食性に優れている亜鉛系等のメッキ鋼板、アルミニウム系等のメッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板、銅板等も使用可能である。金属板には下地処理として、クロム酸系又はリン酸塩系の化成処理を施して化成処理層を形成し、樹脂塗膜層と金属板との密着性を確保する。この化成処理層は、従来より用いられている方法を用いることができる。化成処理層の付着量は特に限定されないが、リン酸亜鉛処理で、0.1〜2.0g/m2、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理ではクロム金属としてそれぞれ5〜70mg/m2、20〜150mg/m2である。下地処理の付着量が過少では均一性に劣り、過大の場合には加工部の密着性が低下する。化成処理を施した金属板表面には、樹脂成分を主成分とする下塗り層が設けられる。下塗り層を設けることにより樹脂塗膜層と金属板の接着を更に向上する効果が得られる。主成分の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。下塗り層の厚さは3〜10μmである。好ましくは5〜8μmである。この下塗り層に防錆塗料を更に含ませてもよい。
【0025】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、フッ素樹脂として重量平均分子量450000のPVdFを、変性フッ素樹脂として85重量%のPVdFに対して15重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量400000のAA−g−PVdFをそれぞれ用意した。次いで、70重量部のフッ素樹脂及び30重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、100℃に加熱攪拌して溶解し、塗膜層スラリーを調製した。次に、SUS480のステンレス鋼板の表面にグロメート処理を施し、鋼板表面にクロム量40mg/m2の化成皮膜を形成した。グロメート処理皮膜を形成した鋼板表面に、乾燥後の塗膜層の厚さが20μmになるようにバーコーターを用いて塗膜層スラリーを塗工し、220℃で60秒間焼付けて、樹脂塗装金属板を得た。
【0026】
<実施例2>
フッ素樹脂として重量平均分子量560000のPVdFを、変性フッ素樹脂として80重量%のPVdFに対して20重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量200000のAA−g−PVdFを用い、60重量部のフッ素樹脂及び40重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<実施例3>
フッ素樹脂として重量平均分子量240000のPVdFを、変性フッ素樹脂として80重量%のPVdFに対して20重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量700000のAA−g−PVdFを用い、50重量部のフッ素樹脂及び50重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<実施例4>
フッ素樹脂として重量平均分子量450000のPVdFと、90重量%のVdFと10重量%のHFPからなるVdF−HFP共重合体を、変性フッ素樹脂として85重量%のPVdFに対して15重量%のアクリル酸をグラフトさせた重量平均分子量600000のAA−g−PVdFを用い、50重量部のPVdF、20重量部のVdF−HFP共重合体及び30重量部の変性フッ素樹脂をそれぞれNMPに分散させ、塗膜層スラリーを調製し、焼付温度を180℃とした以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
【0027】
<比較例1>
塗膜層スラリーに変性フッ素樹脂を用いず、PVdFホモポリマーのみを用いた以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<比較例2>
PVdFコポリマーとして重量平均分子量400000の90重量%のVdFと10重量%のHFPからなるVdF−HFP共重合体を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<比較例3>
変性物質の代わりにアクリル樹脂を用い、70重量部のPVdF及び30重量部のアクリル樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調製した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
<比較例4>
変性物質の代わりにアクリル樹脂を用い、50重量部のPVdF、30重量部のVdF−HFP共重合体及び20重量部のアクリル樹脂をそれぞれイソホロンに分散させ、塗膜層スラリーを調整した以外は実施例1と同様にして樹脂塗装金属板を得た。
【0028】
<比較試験及び評価>
実施例1〜4及び比較例1〜4でそれぞれ得られた樹脂塗装金属板を用いて以下に示す評価試験を行った。
▲1▼ 初期加工性能評価試験
製造後2時間以内に試験片を同じ厚さの被塗板を挟み、塗面を外側にして180度折曲げ、折曲げ部先端に剥離、クラックが発生しない加工度を挟んだ被塗板の枚数(T)で評価した。
▲2▼ 経時加工性能評価試験
製造後、50℃恒温槽で50日間放置した後、初期加工性能の評価方法と同じく、試験編を同じ厚さの被塗板を挟み、塗面を外側にして180度折り曲げ、折曲げ部先端に剥離、クラックが発生しない加工度を、挟んだ被塗板の枚数(T)で評価した。
▲3▼ 耐候性評価試験
JISB7753に準じてサンシャインウェザーメーター試験を5000時間実施し、下記の標準で耐食性を評価した。
▲4▼ 耐食性評価試験
JISZ2371に準じてCASS試験を72時間実施し、下記の標準で耐食性を評価した。
【0029】
実施例1〜4及び比較例1〜4の樹脂塗装金属板における各種評価試験の結果を表1に示す。なお、表1中の耐候性試験欄の記号◎は塗膜の剥離がないことを表し、記号×は塗膜の剥離が認められることを表す。また耐食性試験欄の記号◎は錆の発生がないことを表し、記号×は錆の発生が認められることを表す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1より明らかなように、変性フッ素樹脂を含まない比較例1〜4は評価試験▲1▼〜▲4▼のそれぞれにおいて劣った結果となった。これに対して実施例1〜4はそれぞれ評価試験▲1▼〜▲4▼において優れた結果となっていることが判る。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の塗装用樹脂組成物は、金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物の改良であり、その特徴ある構成は、組成物がフッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むところにある。このような変性フッ素樹脂を更に含んだ樹脂組成物を用いることにより、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂塗膜層への使用量を低減でき、かつ金属板との密着性に優れる。
【0033】
更に、本発明の樹脂塗装金属板は、金属板表面に本発明の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層を形成したことを特徴とし、そのような樹脂塗装金属板は、耐候性、耐腐食性、耐摩耗性、耐疵付き性及び加工性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂塗装金属板の説明図。
【符号の説明】
10 樹脂塗装金属板
11 樹脂塗膜層
12 金属板
Claims (15)
- 金属板表面に塗装して樹脂塗膜層を形成するフッ素樹脂を含む樹脂組成物において、
前記組成物が前記フッ素樹脂中に含まれる1種又は2種以上の繰返し単位を基本単位として構成された樹脂を幹重合体とし、前記幹重合体の基本単位のところどころに変性物質が枝重合体として配列した変性フッ素樹脂を更に含むことを特徴とする塗装用樹脂組成物。 - 変性フッ素樹脂が幹重合体に変性物質がグラフト化されてなる請求項1記載の樹脂組成物。
- 幹重合体を構成する基本単位としてビニリデンフルオライド又はビニルフルオライドの少なくとも1種を含む請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 変性物質がアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルの少なくとも1種を含む請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 変性フッ素樹脂が95〜60重量%の幹重合体に対して5〜40重量%の変性物質をグラフト重合させた請求項1ないし4いずれか記載の樹脂組成物。
- 変性フッ素樹脂の重量平均分子量が50000〜700000である請求項1ないし5いずれか記載の樹脂組成物。
- フッ素樹脂と変性フッ素樹脂との重量比(フッ素樹脂/変性フッ素樹脂)が90/10〜10/90である請求項1記載の樹脂組成物。
- フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル又はそのコポリマーを含む請求項1又は7記載の樹脂組成物。
- 金属板(12)表面に請求項1ないし8いずれか記載の樹脂組成物を塗装して樹脂塗膜層(11)を形成したことを特徴とする樹脂塗装金属板。
- 金属板(12)が鋼板、めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板又は銅板である請求項9記載の樹脂塗装金属板。
- 金属板(12)の表面にクロム酸系又はリン酸系の化成処理層が形成された請求項9又は10記載の樹脂塗装金属板。
- 化成処理層の上に樹脂成分を主成分とする下塗り層が設けられた請求項11記載の樹脂塗装金属板。
- 樹脂成分がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂のいずれか一方又はその双方を含む請求項12記載の樹脂塗装金属板。
- 下塗り層の厚さが3〜10μmである請求項12記載の樹脂塗装金属板。
- 下塗り層に防錆塗料を更に含む請求項12又は14記載の樹脂塗装金属板。
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2002
- 2002-08-01 JP JP2002224543A patent/JP2004067716A/ja active Pending
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