JP2012121331A - 耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板およびクロムフリー溶剤系塗料 - Google Patents
耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板およびクロムフリー溶剤系塗料 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】Zn含有めっき層を有するめっき鋼板からなる塗装基材の両面にそれぞれ1層以上の塗膜が形成されたクロムフリー塗装鋼板において、この塗装鋼鈑を0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水(4μS/cm以下)200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が30μS/cm以上である。最外層の塗膜は、(A)イオン交換水(4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、および(B)200℃までに熱分解を生じない、という要件を満たす化合物(好ましくはアルカリ金属リン酸塩)を1〜30質量%の量で含有する。
【選択図】なし
Description
(3)亜鉛に対しては、クロメート皮膜と同様のCr6+の自己修復作用により、亜鉛の腐食の進行を抑制する。
第1の側面において、本発明に係る塗装鋼板は、この塗装鋼板を0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が30μS/cm以上であり、好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上であることを特徴とする。
(A)イオン交換水に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。
(1)少なくとも片面において、最外層の塗膜が、前記(A)および(B)を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を0.5〜30質量%の量で含有し、該最外層の塗膜の膜厚が0.5μm以上、50μm以下であるか、あるいは
(2)少なくとも片面において、塗膜が2層以上であり、その最内層以外の少なくとも1層の塗膜が、前記(A)および(B)を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を5〜30質量%の量で含有し、該最内層以外の少なくとも1層の塗膜の膜厚が5μm以上、50μm以下である、
ことを特徴とするクロムフリー塗装鋼板も提供する。
・前記片面は、好ましくは塗装鋼板としての裏面である;
・前記塗装基材と前記1層以上の塗膜との間にクロムを含有しない塗装下地処理皮膜を有する;
・前記塗装基材が少なくとも片面に2層以上の塗膜を有し、この2層以上の塗膜の最内層の塗膜が前記(A)および(B)の要件を満たす非クロム化合物を含有していない。
さらに、本発明によれば、亜鉛系めっき鋼板を基材とする塗装鋼板の鋼板表面に最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、
塗料を乾燥させて得た厚み10μmのフィルムを0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が50μS/cm以上であるか、および/または
塗料を乾燥させて得た厚み10μmのフィルムの表裏面をポリエステルフィルムで被覆してから0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が10μS/cm以上であり、
好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上であることを特徴とする、クロムフリー溶剤系塗料も提供される。
本発明の塗装鋼板では、端面からの赤錆発生に亜鉛の犠牲防食能を利用するので、基材鋼板は亜鉛を含有するめっき層を有する亜鉛系めっき鋼板、すなわち、亜鉛めっき鋼板または亜鉛合金めっき鋼板とする。
塗装鋼板の製造では、塗膜密着性と耐食性を確保するため、塗装前に基材鋼板を前処理(下地処理)するのが普通である。この前処理は、一般には化成処理により行われ、その前に、Ni等の鉄族金属イオンを含む酸性もしくはアルカリ性水溶液による表面調整処理を施すことが多い。また、それ以前に、基材鋼板を清浄化するため、アルカリ脱脂などが通常は行われる。
本実施形態では、おもて面と裏面がいずれも、下塗り塗膜(最内層塗膜)と上塗り塗膜(最外層塗膜)の2層を有する場合について説明する。しかし、一方または両方の面が1層のみの塗膜を有するか、あるいは3層以上の塗膜を有することも可能である。なお、塗膜上塗り塗膜はトップコート、下塗り塗膜はプライマーと呼ばれることがある。
本発明に係る塗装鋼板は、塗膜中に比較的水溶性が高い非クロム化合物を含有し、その雨水への溶出を利用して、基材の亜鉛系めっき鋼板が持つ犠牲防食能を十分に発揮させ、端面赤錆の発生を防止することに特徴がある。
(a)塗装鋼板を0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬する浸漬試験(以下、表面浸漬試験という)で得られた浸漬水の電気伝導度が30μS/cm以上であり、好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上である;
(b)塗装鋼鈑の表裏面をポリエステルフィルムで被覆してから0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬浸漬する浸漬試験(以下、端面浸漬試験という)で得られた浸漬水の電気伝導度が10μS/cm以上であり、好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上である。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、および
(B)200℃までに熱分解を生じない。
上記(A)および(B)の要件を満たす非クロム化合物の例は、アルカリ金属のリン酸塩もしくは塩化物またはアルカリ土類金属の次亜リン酸塩である。具体例としては、トリポリリン酸ナトリウム(三リン酸五ナトリウム)、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、次亜リン酸カルシウム等があげられる。
耐食性を改善するためにクロム酸ストロンチウムなどのクロム酸塩系の防錆顔料を使用した従来の塗装鋼板では、この防錆顔料は下塗り塗膜に含有させることが多かった。その一つの理由は、前述したように、上塗り塗膜には種々の性能が要求され、塗膜設計の自由度が制約されるのに対して、下塗り塗膜の方は制約が少ないためである。
上述した下塗り塗膜と上塗り塗膜は、いずれも必要成分を溶媒中に溶解または分散させた塗料(すなわち、下塗り塗料および上塗り塗料)の塗布および焼付け(加熱乾燥)により形成される。各塗料は溶媒が有機溶剤である溶剤系塗料と、溶媒が水または水と水混和性有機溶剤との混合溶媒である水系塗料のいずれでもよい。ただし、上塗り塗膜中に上記(A)および(B)を満たす非クロム化合物を含有させる場合、この非クロム化合物は水溶性が比較的高いことから、この上塗り塗膜を形成する塗料は溶剤系塗料とすることが好ましい。
下塗り塗料および上塗り塗料の塗布方法は特に限定されるものではなく、ロールコーター、カーテンフローコーター、スプレーガン、バーコーター等によって行えばよい。塗布後の焼付け(塗膜の乾燥)は、塗膜を構成する樹脂および架橋剤に応じて設定したPMT(鋼板最高到達温度)となるように行う。この温度は一般に100〜280℃の範囲内である。加熱方法は、熱風乾燥でも、炉内乾燥でもよい。
片面3層以上の塗膜を有する場合、いわゆる中塗り塗膜(上塗り(最外層)でも下塗り(最内層)でもない塗膜)中に、前述の(A)および(B)を満たす非クロム化合物(アルカリ金属リン酸塩等)を含有させてもよい。この場合、アルカリ金属リン酸塩等が中塗り塗膜中に含有される(A)および(B)の要件を満たす非クロム化合物は、主として端面からのみの溶出が期待される。
本発明の塗装鋼板から、例えば、打ち抜き、プレス成型といった慣用の方法により筐体を形成することができる。この筐体は耐端面赤錆性に優れているので、例えば、エアコン室外機や給湯器などの屋外で使用されることの多い機器のハウジングとして有用であり、雨水にさらされても、赤錆発生が抑制される。
本発明に関連し、塗装鋼板の端面の赤錆発生を模擬・評価するための試験方法について説明する。
本発明によれば、鋼板表面に最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、前述した表面浸漬試験と同様に、塗料を乾燥させて得たフィルムを0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を用いて、これらのサンプルを50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が50μS/cm以上であり、好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上であるクロムフリー溶剤系塗料も提供する。この鋼板は好ましくは亜鉛系めっき鋼板である。
塗膜フィルムのサンプルを用いた表面浸漬試験では、フィルムの両面が水と接触するので、塗装鋼板のサンプルを浸漬した場合より非クロム化合物の溶出量が多くなる。そのため、浸漬水の電気伝導度の下限を50μs/cmとする。この場合の浸漬水の電気伝導度は好ましくは80μs/cm以上、1000μs/cm以下である。
なお、塗膜を剥離せずに、塗装基体に付着したままで塗料の試験を行う場合には、前述した塗装鋼板の場合と同様に試験を行い、同じ基準を採用すればよい。
各実施例で使用した非クロム化合物(又はクロムフリー顔料)の種類を、その液伝導度[イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下、以下も同じ)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度]と共に表1にまとめて示す。また、従来のクロム系顔料の例としてのクロム酸ストロンチウムについてもあわせて表1に示す。
塗装基材の板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量:片面当たり45g/m2、寸法:300×250mm)に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコートEC2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は、付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
塗装鋼板の各サンプルについて、1cm×4cmの長方形サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をシャーリングにて10個ずつ切り出し(各サンプルにおける試験片の合計端面長さは1m)、10個の試験片を別々にビーカー内のイオン交換水20ml中に浸漬する。ビーカーを40℃の恒温槽に72時間放置した後、試験片を取り出し、各試験片の端面からの赤錆発生状況(端面から発生した赤錆により変色した溶液の色調を観察)を測定する。評価基準は次の通りであり、△以上を合格とする。
○:端面から若干の赤錆発生(溶液は透明、薄く赤色に着色)、
△:赤錆発生あり(溶液中に赤錆の固形分が少しあり、赤茶色に着色)、
×:大量の赤錆発生(溶液中に赤錆の固形分が多量にあり、濃い赤茶色に着色)。
図2に模式的に示す試験片を作製し、湿潤試験条件(温度:49℃、相対湿度95%以上)に96時間放置した後の、各試験片の端面からの赤錆発生状況(図2に記載の端面赤錆評価部位の赤錆発生状況)を目視にて測定する。評価基準は次の通りであり、○以上を合格とする。
○:端面から若干の赤錆発生(トータル長さ10mm未満の端面に赤錆発生あり)、
△:赤錆発生あり(長さ10mm以上、30mm未満の端面に赤錆発生あり)、1
×:大量の赤錆発生(端面のほぼ全長(30mm以上)に赤錆発生あり)。
(3−1)塗装鋼板の各サンプルについて、0.5cm×4.5cmの細片サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をシャーリングにて100個ずつ切り出す(各サンプルにおける試験片の合計端面長さは10m)。
(3−3)50℃の温度を保持したまま、ビーカーに40kHzの超音波振動を30分間付与する(使用装置:アズワン社製US CLEANER)。
塗装鋼板の各サンプルから70mm×150mmのサイズの試験片をシャーリングにより切り出し、この試験片を上記(2)に記載したのと同様の湿潤試験条件下に96時間放置した後、平面部における塗膜膨れ(ブリスター)の発生状況(膨れ幅)を測定する。評価基準は次の通りである(○が合格):
○:平面部からの塗膜膨れの発生がほとんど無い(最大膨れ幅が2mm未満)、
×:平面部から幅2mm以上の塗膜膨れが多数発生。
塗装基材の板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量:片面当たり45g/m2、寸法:300×250mm)に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコートEC2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は、付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
これらの塗料を用いて、最初におもて面の下塗り塗膜(PMT170℃)、2番目に裏面の下塗り塗膜(PMT220℃)、3番目におもて面の上塗り塗膜(PMT170℃)、最後に裏面の上塗り塗膜(PMT230℃)の順番および焼付け温度(PMT=最高到達板温)にて塗装を行い、表7に示す塗膜構成を有する塗装鋼板のサンプルを得た。塗装はバーコーターで行い、塗装厚みは、下塗り塗膜はおもて面側が10.5μm、裏面側が5μm、上塗り塗膜はおもて面側が14.5μm、裏面側が10μmに統一した。
(2)端面赤錆性試験2
端面赤錆性試験1および2はいずれも実施例1に記載したように実施および評価した。
本試験は端面のみからの溶出状況を調査するものである。
塗装鋼板の各サンプルの両面に予めポリエステル粘着テープ(日東電工社製)を貼付してシールした。その後、1cm×4cmの長方形サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をシャーリングにて10個ずつ切り出し(各サンプルにおける試験片の合計端面長さは1m)、10個の試験片を別々にビーカー内のイオン交換水20ml中に浸漬する。ビーカーを40℃の恒温槽に72時間放置した後、試験片を取り出し、各試験片の端面からの赤錆発生状況(端面から発生した赤錆により変色した溶液の色調を観察)を測定する。評価基準は次の通りであり、△以上を合格とする。
○:端面から若干の赤錆発生(溶液は透明、薄く赤色に着色)、
△:赤錆発生あり(溶液中に赤錆の固形分が少しあり、赤茶色に着色)、
×:大量の赤錆発生(溶液中に赤錆の固形分が多量にあり、濃い赤茶色に着色)。
(3−1)塗装鋼板の各サンプルについて、0.5cm×4.5cmの細片サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をシャーリングにて100個ずつ切り出す(各サンプルにおける合計端面長さは10m)。
(3−2)これら100個の試験片を、超音波振動装置に載置したビーカー内の50℃のイオン交換水200ml中に一緒に浸漬する。
(3−3)50℃の温度を保持したまま、ビーカーに40kHzの超音波振動を30分間付与する(使用装置:アズワン社製US CLEANER)。
(3−4−1) 超音波振動の付与が終了した後、試験片を直ちに取り除き、得られた水溶液(浸漬水)を用いて、電気伝導度計(堀場製作所社製D−54SE)にて電気伝導度を測定する。
(3−4−2) 超音波振動の付与が終了した後、試験片を直ちに取り除き、得られた水溶液(浸漬水)を用いて、ICP−AESにより溶液中のP濃度を測定する。
塗装鋼板の各サンプルから70mm×150mmのサイズの試験片をシャーリングにより切り出し、この試験片を上記(2)に記載したのと同様の湿潤試験条件下に96時間放置した後、平面部における塗膜膨れ(ブリスター)の発生状況(膨れ幅)を測定する。評価基準は次の通りである(○が合格):
○:平面部からの塗膜膨れの発生がほとんど無い(最大膨れ幅が2mm未満)、
×:平面部から幅2mm以上の塗膜膨れが多数発生。
塗装鋼板の各サンプルから70mm×150mmのサイズの試験片をシャーリングにより切り出した試験片をJIS K5600 7−1に準拠した塩水噴霧試験機に240時間入れた後、端面からの塗膜膨れ幅を測定して、耐食性を評価する。判定基準は、次の通りである(○が合格):
○:基準板と比較してほぼ同等の最大塗膜膨れ幅(+1.0mm未満)、
×:基準板と比較して最大塗膜膨れ幅の増大(1.0mm以上)、
[基準板は表6に記載のN5サンプル]。
これに対し、上塗り塗膜と下塗り塗膜がクロム化合物を含有せず、かつイオン交換水浸漬試験での浸漬水の電気伝導度が30μS/cmを下回った、本発明の範囲外の比較例であるJ5、K5、K6、L5、L7、M5、N5、N6、N7、N8、N9の各サンプルでは、赤錆の発生が起こり易く、耐端面赤錆性が不芳であった。さらに、下塗り塗膜が水溶性の比較的高い非クロム化合物を含有しているN2、N4サンプルでは、N1、N3サンプルと同様に、湿潤試験後の平面部からの塗膜膨れが不芳となった。
塗装基材の板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量:片面当たり45g/m2、寸法:300×250mm)に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコートEC2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は、付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
これらの塗料を用いて、最初に裏面の下塗り塗膜(PMT170℃)、2番目におもて面の下塗り塗膜(PMT220℃)、3番目に裏面の上塗り塗膜(PMT170℃)、最後に表8に記載の塗料を用いおもて面の上塗り塗膜(PMT230℃)の順番および焼付け温度にて塗装を行い、表9に示す塗膜構成を有する塗装鋼板のサンプルを得た。塗装はバーコーターで行い、塗装厚みは、下塗り塗膜はおもて面側が10.5μm、裏面側が5μm、上塗り塗膜はおもて面側が14.5μm、裏面側が10μmに統一した。
(2)端面赤錆性試験2
(3)イオン交換水浸漬試験(浸漬水の電気伝導度、溶液分析)
(4)湿潤試験後の塗膜膨れ
以上の各試験は、実施例1または実施例2に記載したのと同じ方法および評価基準で実施した。
実施例2に記載した通りに試験を実施し、評価した。ただし、基準板としては、表9に記載のTサンプルを使用した。
試験片に対して0T折り曲げ試験(23℃)を行い、180°密着曲げ塗膜についてクラック発生有無を10倍ルーペおよび目視にて調査した。評価基準は下記の通りで、◎印および○印の場合を良好とした:
◎:まったくクラックなし、
○:ごくわずかなクラックあり(ルーペでは確認できるが、目視では確認できないレベル)、
△:若干クラックあり(目視で5個以内)、
×:かなり多くのクラックあり(目視で5個より多い)。
JIS K5600−5−4(引っかき硬度(鉛筆法))の方法に従って測定した。評価基準は下記の通りで、○印の場合を良好とした:
○:F以上、
△:HB、
×:B以下。
各サンプルについて、沸騰水に2時間浸漬させ、取り出し後、碁盤目に2mm間隔でマス目をいれ(25マス)、その後エリクセン試験機で、碁盤目を入れた箇所を7mm張り出し、その部分にテープを貼り付け、塗膜残存率を測定した。評価基準は下記の通りで、○以上を合格とした:
◎:25/25、
○:23〜24/25、
△:15〜23/25、
×:15以下/25。
各サンプルを、常温環境下(23℃)で5%HCl水溶液(酸)または5%NaOH水溶液(塩基)に24時間浸漬させた際の塗膜表面の外観について評価を行った。判定基準は、下記の通りで、○以上を合格とした:
○:ブリスター発生なし、0.5mm未満のブリスター発生、
△:0.5mm以上3.0mm未満のブリスター発生、
×:3.0mm以上のブリスター発生。
塗装基材の表10に示す各種のZn系めっき鋼板に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコート欧州共同体2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
これらの塗料を用いて、最初におもて面の下塗り塗膜(PMT170℃)、2番目に裏面の下塗り塗膜(PMT220℃)、3番目におもて面の上塗り塗膜(PMT170℃)、最後に表12に記載の塗料を用い裏面の上塗り塗膜(PMT230℃)の順番および焼付け温度にて塗装を行い、表13に示す塗膜構成を有する塗装鋼板のサンプルを得た。塗装はバーコーターで行い、塗装厚みは、下塗り塗膜はおもて面側が10.5μm、裏面側が5μm、上塗り塗膜はおもて面側が14.5μm、裏面側が10μmに統一した。
(2)イオン交換水浸漬試験(浸漬水の電気伝導度、溶液分析)
(3)湿潤試験後の塗膜膨れ
以上の各試験は、実施例1または実施例2に記載したのと同じ方法および評価基準で実施した。
実施例2に記載した通りに試験を実施し、評価した。ただし、基準板として、表12のJサンプルを使用した。
塗装基材の板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量:片面当たり45g/m2、寸法:300×250mm)に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコートEC2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は、付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
(2)イオン交換水浸漬試験(浸漬水の電気伝導度、溶液分析)
(3)湿潤試験後の塗膜膨れ
以上の各試験は、実施例1または実施例2に記載したのと同じ方法および評価基準で実施した。
実施例2に記載した通りに試験を実施し、評価した。ただし、基準板として、表14のYYZサンプルを使用した。
板厚および片面当たりの亜鉛付着量(片側目付量)が表15に示すように異なる溶融亜鉛めっき鋼板を塗装基材とし、この塗装基材に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコートEC2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は、付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
これらの塗料を用いて、最初におもて面の下塗り塗膜(PMT170℃)、2番目に裏面の下塗り塗膜(PMT220℃)、3番目におもて面の上塗り塗膜(PMT170℃)、最後に表16に記載の塗料を用い裏面の上塗り塗膜(PMT230℃)の順番および焼付け温度にて塗装を行い、表17に示す塗膜構成を有する塗装鋼板のサンプルを得た。塗装はバーコーターで行い、塗装厚みは、下塗り塗膜はおもて面側が10.5μm、裏面側が5μm、上塗り塗膜はおもて面側が14.5μm、裏面側が10μmに統一した。
塗装鋼板の各サンプルについて、1cm×4cmの長方形サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をシャーリングにて10個ずつ切り出し(各サンプルにおける試験片の合計端面長さは1m)、10個の試験片を別々にビーカー内のイオン交換水20ml中または、イオン交換水に塩化ナトリウムを添加し、溶液の電気伝導度を100μS/cmに調整した溶液に浸漬する。ビーカーを40℃の恒温槽に120時間放置した後、試験片を取り出し、各試験片の端面からの赤錆および白錆発生状況を測定する。評価基準は次の通りであり、○以上を合格とする。
△:白錆のみ発生有り
×:赤錆発生あり(白錆発生)
塗装基材の板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(付着量:片面当たり45g/m2、寸法:300×250mm)に、アルカリ脱脂および水洗を行った後、日本ペイント社製のシリカ系クロムフリー化成処理液(サーフコートEC2330)を用いて、この製品の指示通りに化成処理を両面に施した。化成処理は付着量がSi付着量で4〜8mg/m2となるように行った。
実施例2に記載した端面赤錆性試験3と同様に試験および評価を行った。即ち、試験片は、塗装鋼板の各サンプルの両面に予めポリエステルテープを貼付した後、切断して作製した。
実施例1に記載した端面赤錆性試験1と同様に試験および評価を行った。
(3−1)塗装鋼板の各サンプルの両面に予めポリエステルテープ(日東電工社製)を貼付してシールした。その後、0.5cm×4.5cmの細片サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をシャーリングにて100個ずつ切り出す(各サンプルにおける合計端面長さは10m)。
(3−2)これら100個の試験片を、超音波振動装置に載置したビーカー内の50℃のイオン交換水(4μS/cm以下)200ml中に一緒に浸漬する。
(3−3)50℃の温度を保持したまま、ビーカーに40kHzの超音波振動を30分間付与する(使用装置:アズワン社製US CLEANER)。
(3−4) 超音波振動の付与が終了した後、試験片を直ちに取り除き、得られた水溶液(浸漬水)を用いて、電気伝導度計(堀場製作所社製D−54SE)にて電気伝導度を測定する。
実施例1に記載したのと同じ方法および評価基準で実施した。
表20に記載の各種撹拌条件で作製した塗料を、TP技研株式会社製のグラインドメーター(つぶゲージ)を用いて撹拌後の非クロム化合物の粒径を測定した。用いたグラインドメーターの溝の深さとしては、0〜100μm(最小目盛り10μm)のものを用い、塗料中の非クロム化合物の粒径を求めた。
実施例2に記載した通りに試験を実施して、耐食性を評価した。ただし、基準板としては表20の46の塗料を用いた膜厚10μmのサンプルを使用した。
耐食性については、粒度を細かくした場合に、若干ではあるが改善効果が確認された。同様に、従来のクロムフリー防錆顔料を添加した場合も耐食性が向上することが確認されている。水溶性が比較的高い非クロム化合物を使用しても、十分な耐食性が得られることが確認された。
テフロン(登録商標)の板(厚さ:2mm)に、表21に示すように非クロム化合物をベース塗料に含有させた塗料を10μmの膜厚になるようバーコーターで塗布し、PMT230℃で焼き付け、塗膜フィルムを作製した。
(1−1)塗膜フィルムの各サンプルについて、0.5cm×4.5cmの細片サイズ(端面長さの和は10cm)の試験片をカッターナイフにて100枚ずつ切り出す(各サンプルにおける試験片の合計端面長さは10m)。
(1−2)これら100枚の試験片を、超音波振動装置に載置したビーカー内の50℃のイオン交換水200ml中に一緒に浸漬する。
(1−3)50℃の温度を保持したまま、ビーカーに40kHzの超音波振動を30分間付与する(使用装置:アズワン社製US CLEANER)。
(1−4)超音波振動の付与が終了した後、試験片を直ちに取り除き、得られた水溶液(浸漬水)を用いて、電気伝導度計(堀場製作所社製D−54SE)にて電気伝導度を測定する。
第1の側面において、本発明に係る塗装鋼板は、前記塗装基材の少なくとも片面において、最外層の塗膜が下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有し、最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、この塗装鋼板を0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が30μS/cm以上であり、好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上であることを特徴とする。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。
(1)少なくとも片面において、最外層の塗膜が、前記(A)および(B)を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を0.5〜30質量%の量で含有し、最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、該最外層の塗膜の膜厚が0.5μm以上、50μm以下であるか、あるいは
(2)少なくとも片面において、塗膜が2層以上であり、その最内層以外の少なくとも2層の塗膜が、前記(A)および(B)を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を5〜30質量%の量で含有し、前記最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、前記最内層以外の少なくとも1層の塗膜の膜厚が5μm以上、50μm以下である、
ことを特徴とするクロムフリー塗装鋼板も提供する。
さらに、本発明によれば、亜鉛系めっき鋼板を基材とする塗装鋼板の鋼板表面に最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、
塗料を乾燥させて得るとともに下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有する厚み10μmのフィルムを0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が50μS/cm以上であるか、および/または
塗料を乾燥させて得るとともに下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有する厚み10μmのフィルムの表裏面をポリエステルフィルムで被覆してから0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が10μS/cm以上であり、
好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上であることを特徴とする、クロムフリー溶剤系塗料も提供される。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。
鋼板表面に最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、前述した表面浸漬試験と同様に、塗料を乾燥させて得たフィルムを0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を用いて、これらのサンプルを50℃のイオン交換水200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が50μS/cm以上であり、好ましくはこの浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上であるクロムフリー溶剤系塗料も提供する。この鋼板は好ましくは亜鉛系めっき鋼板である。
Claims (20)
- Zn含有めっき層を有するめっき鋼板からなる塗装基材の両面にそれぞれ2層以上の塗膜を有するクロムフリー塗装鋼板であって、前記塗装基材の少なくとも片面において、最外層の塗膜が下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有し、最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、この塗装鋼鈑を0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が30μS/cm以上であることを特徴とするクロムフリー塗装鋼板。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。 - Zn含有めっき層を有するめっき鋼板からなる塗装基材の両面にそれぞれ2層以上の塗膜を有するクロムフリー塗装鋼板であって、前記塗装基材の少なくとも片面において、最内層以外の少なくとも1層の塗膜が下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有し、前記最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、この塗装鋼鈑の表裏面をポリエステルフィルムで被覆してから0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100個を50℃のイオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が10μS/cm以上であることを特徴とするクロムフリー塗装鋼板。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。 - 前記浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上である、請求項1または2に記載のクロムフリー塗装鋼板。
- Zn含有めっき層を有するめっき鋼板からなる塗装基材の両面にそれぞれ2層以上の塗膜を有するクロムフリー塗装鋼板であって、少なくとも片面において、最外層の塗膜が、下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を0.5〜30質量%の量で含有し、最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、該最外層の塗膜の膜厚が0.5μm以上、50μm以下であることを特徴とするクロムフリー塗装鋼板。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。 - Zn含有めっき層を有するめっき鋼板からなる塗装基材の両面にそれぞれ2層以上の塗膜を有するクロムフリー塗装鋼板であって、少なくとも片面において、最内層以外の少なくとも1層の塗膜が、下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を5〜30質量%の量で含有し、前記最内層の塗膜の前記非クロム化合物の含有量が1質量%以下であり、前記最内層以外の少なくとも1層の塗膜の膜厚が5μm以上、50μm以下であることを特徴とするクロムフリー塗装鋼板。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。 - 前記非クロム化合物がアルカリ金属のリン酸塩および塩化物ならびにアルカリ土類金属の次亜リン酸塩よりなる群から選ばれた1種又は2種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のクロムフリー塗装鋼板。
- 前記アルカリ金属リン酸塩が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、リン酸二水素カリウム、から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属リン酸塩である、請求項6に記載のクロムフリー塗装鋼板。
- 前記片面が塗装鋼板としての裏面である、請求項1〜7のいずれかに記載のクロムフリー塗装鋼板。
- 前記塗装基材と前記2層以上の塗膜との間に、クロムを含有しない塗装下地処理皮膜を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の塗装鋼板。
- 前記塗装基材が少なくとも片面に2層以上の塗膜を有し、この2層以上の塗膜の最内層の塗膜が前記(A)および(B)の要件を満たす非クロム化合物を含有していない、請求項1〜9のいずれかに記載の塗装鋼板。
- 前記塗装基材の板厚が0.5mm以上、2.0mm以下である、請求項1〜10のいずれかに記載の塗装鋼板。
- 前記塗装基材の亜鉛系めっき付着量が、片側平均付着量で100g/m2以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の塗装鋼板。
- 前記最内層以外の少なくとも1層の塗膜が、前記非クロム化合物に加えて、着色顔料を20〜50質量%含有する、請求項4に記載の塗装鋼板。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のクロムフリー塗装鋼板の成型加工により得られた筐体。
- 亜鉛系めっき鋼板を基材とする塗装鋼板の最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、塗料を乾燥させて得るとともに下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有する厚み10μmのフィルムを0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100枚を50℃のイオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が50μS/cm以上であることを特徴とする、クロムフリー溶剤系塗料。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。 - 亜鉛系めっき鋼板を基材とする塗装鋼板の最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、塗料を乾燥させて得るとともに下記(A)および(B)の要件を満たす少なくとも1種の非クロム化合物を含有する厚み10μmのフィルムの表裏面をポリエステルフィルムで被覆してから0.5cm×4.5cmの長方形に切断したサンプル100枚を50℃のイオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)200mlに周波数40kHzの超音波振動付与下で30分浸漬した時の浸漬水の電気伝導度が10μS/cm以上であることを特徴とする、クロムフリー溶剤系塗料。
(A)イオン交換水(電気伝導度:4μS/cm以下)に0.1質量%濃度で溶解させた時の水の電気伝導度が500μS/cm以上、
(B)200℃までに熱分解を生じない。 - 前記浸漬水のP濃度が0.5μg/ml以上である、請求項15または16に記載のクロムフリー溶剤系塗料。
- 亜鉛系めっき鋼板を基材とする塗装鋼板の最外層塗膜を形成するためのクロムフリー溶剤系塗料であって、鋼板端面の赤錆防止効果を付与する非クロム化合物として、アルカリ金属のリン酸塩および塩化物ならびにアルカリ土類金属の次亜リン酸塩から選ばれた少なくとも1種の化合物を不揮発分の合計量に基づいて0.5〜30質量%の量で含有することを特徴とする、クロムフリー溶剤系塗料。
- 前記化合物が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、リン酸二水素カリウムから選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属リン酸塩である、請求項18に記載のクロムフリー溶剤系塗料。
- 更に、脱水剤を含有する、請求項15〜19のいずれかに記載のクロムフリー溶剤系塗料。
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