JP2001348673A - 耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材およびその製造方法 - Google Patents
耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性に優れるノンクロム有機被覆表面処理
金属材およびその製造方法の提供。 【解決手段】 1層もしくは2層以上の有機被覆層を有
し、金属材と有機被膜層の界面、有機被膜層同士のいず
れか1以上の界面、およびいずれか1以上の有機被膜層
中のうち少なくとも1箇所に、有機化合物からなる防錆
剤を含有する有機被覆表面処理金属材であって、前記有
機化合物からなる防錆剤の融点Mpが、該防錆剤を含む
処理液もしくは有機被覆層を乾燥・焼き付けする際の金
属材の最高到達温度Tmに対して、Mp≧Tm−30℃
を満たすことを特徴とする耐食性に優れる有機被覆表面
処理金属材およびその製造方法。
金属材およびその製造方法の提供。 【解決手段】 1層もしくは2層以上の有機被覆層を有
し、金属材と有機被膜層の界面、有機被膜層同士のいず
れか1以上の界面、およびいずれか1以上の有機被膜層
中のうち少なくとも1箇所に、有機化合物からなる防錆
剤を含有する有機被覆表面処理金属材であって、前記有
機化合物からなる防錆剤の融点Mpが、該防錆剤を含む
処理液もしくは有機被覆層を乾燥・焼き付けする際の金
属材の最高到達温度Tmに対して、Mp≧Tm−30℃
を満たすことを特徴とする耐食性に優れる有機被覆表面
処理金属材およびその製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機被覆金属材に関
するものであり、家電用、建材用、土木用、機械用、自
動車用、家具用、容器用などにおいて、特に有毒とされ
ている6価クロムを用いずに金属の防錆効果を発揮する
有機被覆金属材およびその製造方法に関するものであ
る。
するものであり、家電用、建材用、土木用、機械用、自
動車用、家具用、容器用などにおいて、特に有毒とされ
ている6価クロムを用いずに金属の防錆効果を発揮する
有機被覆金属材およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属に被覆される有機被膜には、金属の
腐食を防止するすることを目的とした防錆剤を添加する
のが一般的である。防錆剤には多くの種類のものがある
が、代表的なものとして、クロム系防錆顔料が広く知ら
れている。クロム系防錆剤に含まれる6価のクロムは水
溶性であり、これが溶出することによって、被膜に発生
した塗膜の傷を補修する性質がある。従って、耐食性付
与として今日まで使用されてきている。
腐食を防止するすることを目的とした防錆剤を添加する
のが一般的である。防錆剤には多くの種類のものがある
が、代表的なものとして、クロム系防錆顔料が広く知ら
れている。クロム系防錆剤に含まれる6価のクロムは水
溶性であり、これが溶出することによって、被膜に発生
した塗膜の傷を補修する性質がある。従って、耐食性付
与として今日まで使用されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロム
系防剤を含む有機皮膜から溶出する可能性のある6価の
クロムの毒性問題から、最近ではノンクロム有機被覆表
面処理金属材に対する要望が高まっている。そこで、本
発明においては、このような要望に答え、耐食性に優れ
るノンクロム有機被覆表面処理金属材およびその製造方
法を提供することをその課題とする。
系防剤を含む有機皮膜から溶出する可能性のある6価の
クロムの毒性問題から、最近ではノンクロム有機被覆表
面処理金属材に対する要望が高まっている。そこで、本
発明においては、このような要望に答え、耐食性に優れ
るノンクロム有機被覆表面処理金属材およびその製造方
法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機化合物か
らなる防錆剤の融点と乾燥・焼き付けにおける最高温度
との関係を規定することにより、防錆剤添加による塗膜
焼き付け時の密着性の低下を抑制して、ノンクロム有機
系防錆剤の特性を十分に生かし、耐食性に優れた有機被
覆表面処理金属材およびその製造方法を提供するもので
あって、その要旨とするところは以下の通りである。
らなる防錆剤の融点と乾燥・焼き付けにおける最高温度
との関係を規定することにより、防錆剤添加による塗膜
焼き付け時の密着性の低下を抑制して、ノンクロム有機
系防錆剤の特性を十分に生かし、耐食性に優れた有機被
覆表面処理金属材およびその製造方法を提供するもので
あって、その要旨とするところは以下の通りである。
【0005】(1)金属材表面に1層もしくは2層以上
の有機被膜層を被覆して成り、金属材と有機被膜層の界
面、有機被膜層同士のいずれか1以上の界面、およびい
ずれか1以上の有機被膜層中のうち、少なくとも1箇所
に、有機化合物からなる防錆剤を含有する有機被覆表面
処理金属材であって、前記有機化合物からなる防錆剤の
融点Mpが、該防錆剤を含む処理液もしくは有機被覆層
を乾燥・焼き付けする際の金属材の最高到達温度Tmに
対して、Mp≧Tm−30℃を満たすことを特徴とする
耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材。
の有機被膜層を被覆して成り、金属材と有機被膜層の界
面、有機被膜層同士のいずれか1以上の界面、およびい
ずれか1以上の有機被膜層中のうち、少なくとも1箇所
に、有機化合物からなる防錆剤を含有する有機被覆表面
処理金属材であって、前記有機化合物からなる防錆剤の
融点Mpが、該防錆剤を含む処理液もしくは有機被覆層
を乾燥・焼き付けする際の金属材の最高到達温度Tmに
対して、Mp≧Tm−30℃を満たすことを特徴とする
耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材。
【0006】(2)前記有機化合物からなる防錆剤の水
に対する溶解性が10-3M以下であることを特徴とする
前記(1)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理金
属材。 (3)前記有機化合物からなる防錆剤が、シリカを主成
分とする防錆剤を含有することを特徴とする前記(1)
または(2)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理
金属材。
に対する溶解性が10-3M以下であることを特徴とする
前記(1)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理金
属材。 (3)前記有機化合物からなる防錆剤が、シリカを主成
分とする防錆剤を含有することを特徴とする前記(1)
または(2)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理
金属材。
【0007】(4)金属材表面に1層もしくは2層以上
の有機被膜層を被覆して成り、金属材と有機被膜層の界
面、有機被膜層同士のいずれか1以上の界面、およびい
ずれか1以上の有機被膜層中のうち、少なくとも1箇所
に、有機化合物からなる防錆剤を含有する有機被覆表面
処理金属材の製造において、該防錆剤を含む処理液もし
くは有機被覆層を乾燥・焼き付けする際の金属材の最高
到達温度Tmを、前記有機化合物からなる防錆剤の融点
Mpに対して、Mp≧Tm−30℃とすることを特徴と
する耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材の製造方
法。
の有機被膜層を被覆して成り、金属材と有機被膜層の界
面、有機被膜層同士のいずれか1以上の界面、およびい
ずれか1以上の有機被膜層中のうち、少なくとも1箇所
に、有機化合物からなる防錆剤を含有する有機被覆表面
処理金属材の製造において、該防錆剤を含む処理液もし
くは有機被覆層を乾燥・焼き付けする際の金属材の最高
到達温度Tmを、前記有機化合物からなる防錆剤の融点
Mpに対して、Mp≧Tm−30℃とすることを特徴と
する耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材の製造方
法。
【0008】(5)前記有機化合物からなる防錆剤の水
に対する溶解性が10-3M以下であることを特徴とする
前記(4)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理金
属材の製造方法。 (6)前記有機化合物からなる防錆剤が、シリカを主成
分とする防錆剤を含有することを特徴とする前記(4)
または(5)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理
金属材の製造方法。
に対する溶解性が10-3M以下であることを特徴とする
前記(4)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理金
属材の製造方法。 (6)前記有機化合物からなる防錆剤が、シリカを主成
分とする防錆剤を含有することを特徴とする前記(4)
または(5)に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理
金属材の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の有機被覆表面処理金属材
は、金属と有機被膜の界面もしくは有機被膜層中に、有
機被膜を処理する際の温度に対して特定の融点を有する
有機化合物を含み、さらには、これら有機化合物の水に
対する溶解性を規定していることを特徴とする。
は、金属と有機被膜の界面もしくは有機被膜層中に、有
機被膜を処理する際の温度に対して特定の融点を有する
有機化合物を含み、さらには、これら有機化合物の水に
対する溶解性を規定していることを特徴とする。
【0010】有機化合物からなる防錆剤の中でも、融点
が防錆剤を含む処理層もしくはそれを施した後に更に施
す表面処理層の乾燥・焼き付け温度に対して低いものは
有機被膜の密着性が劣り、耐食性にも効果が少ないこと
を知見した。この理由について詳細は不明であるが、防
錆剤である有機化合物の融点がこれらの処理液や有機被
膜層を乾燥・焼き付けする温度より遙かに低い場合、防
錆剤である有機化合物が乾燥・焼き付け工程において溶
融し、さらには、有機被膜層と何らかの反応を起こして
有機被膜が劣化してしまうため、有機被膜の密着性が低
下し、更には耐食性の低下するものと考えられる。
が防錆剤を含む処理層もしくはそれを施した後に更に施
す表面処理層の乾燥・焼き付け温度に対して低いものは
有機被膜の密着性が劣り、耐食性にも効果が少ないこと
を知見した。この理由について詳細は不明であるが、防
錆剤である有機化合物の融点がこれらの処理液や有機被
膜層を乾燥・焼き付けする温度より遙かに低い場合、防
錆剤である有機化合物が乾燥・焼き付け工程において溶
融し、さらには、有機被膜層と何らかの反応を起こして
有機被膜が劣化してしまうため、有機被膜の密着性が低
下し、更には耐食性の低下するものと考えられる。
【0011】そして、有機化合物からなる防錆剤の満た
すべき具体的限定として、本発明においては、有機化合
物からなる防錆剤の融点Mpと、該防錆剤を含む処理液
もしくは有機被覆層を乾燥・焼き付けする際の金属材の
最高到達温度Tmとが、Mp≧Tm−30℃なる関係を
満たせば有機被膜の密着性及び耐食性に優れることを知
見した。
すべき具体的限定として、本発明においては、有機化合
物からなる防錆剤の融点Mpと、該防錆剤を含む処理液
もしくは有機被覆層を乾燥・焼き付けする際の金属材の
最高到達温度Tmとが、Mp≧Tm−30℃なる関係を
満たせば有機被膜の密着性及び耐食性に優れることを知
見した。
【0012】Tm−30℃という値は実験により得た値
であるが、おそらく、有機化合物からなる防錆剤の融点
Mpが金属材の最高到達温度Tmより30℃低い温度で
あれば、有機化合物からなる防錆剤の溶融量が少なく、
有機被膜へ与える劣化要因も小さいため、密着性及び耐
食性の低下につながらないものと推定される。また、こ
れら防錆剤である有機化合物の水に対する溶解性が10
-3M(mol/l)以下であると好適である。水に対す
る溶解性が10-3Mを超えるとウェット環境において防
錆剤が過溶出し、有機被膜の平面部からブリスターが発
生しやすくなり、不適である。
であるが、おそらく、有機化合物からなる防錆剤の融点
Mpが金属材の最高到達温度Tmより30℃低い温度で
あれば、有機化合物からなる防錆剤の溶融量が少なく、
有機被膜へ与える劣化要因も小さいため、密着性及び耐
食性の低下につながらないものと推定される。また、こ
れら防錆剤である有機化合物の水に対する溶解性が10
-3M(mol/l)以下であると好適である。水に対す
る溶解性が10-3Mを超えるとウェット環境において防
錆剤が過溶出し、有機被膜の平面部からブリスターが発
生しやすくなり、不適である。
【0013】本発明にて使用する有機化合物からなる防
錆剤は上記条件を満たせば何でも構わないが、実際の使
用に際して好ましい化合物の例について以下に説明す
る。発明者らは、機構は明確ではないが、官能基など金
属元素に対して吸着能を有する部位を3カ所以上有する
構造の有機化合物であって、かつ、金属元素に対する基
本的吸着能が高くなければならないために吸着部位は酸
素、窒素、硫黄を含む構造、即ち、酸素、窒素、硫黄の
うち少なくとも1種類の元素を3個以上含む有機化合物
が優れた防錆能を有することをすでに知見している。
錆剤は上記条件を満たせば何でも構わないが、実際の使
用に際して好ましい化合物の例について以下に説明す
る。発明者らは、機構は明確ではないが、官能基など金
属元素に対して吸着能を有する部位を3カ所以上有する
構造の有機化合物であって、かつ、金属元素に対する基
本的吸着能が高くなければならないために吸着部位は酸
素、窒素、硫黄を含む構造、即ち、酸素、窒素、硫黄の
うち少なくとも1種類の元素を3個以上含む有機化合物
が優れた防錆能を有することをすでに知見している。
【0014】有機化合物の防錆の機構は、金属表面へ吸
着した有機化合物が形成するバリア性被覆層による耐食
性である。従ってバリア性を発揮するかどうかが防錆の
要であり、バリア性を発揮するために有機化合物に求め
られる条件は、(i)金属表面に対する吸着能が高いこ
と、(ii)吸着した有機化合物は他の腐食因子となる化
合物(塩素イオンなど)の浸入を防ぐに足る充分緻密な
構造体を金属表面に形成する能力を持つ、の二つに分類
することができる。
着した有機化合物が形成するバリア性被覆層による耐食
性である。従ってバリア性を発揮するかどうかが防錆の
要であり、バリア性を発揮するために有機化合物に求め
られる条件は、(i)金属表面に対する吸着能が高いこ
と、(ii)吸着した有機化合物は他の腐食因子となる化
合物(塩素イオンなど)の浸入を防ぐに足る充分緻密な
構造体を金属表面に形成する能力を持つ、の二つに分類
することができる。
【0015】ここで注意すべきは、金属原子、或いは金
属イオンに対してキレート構造を作る化合物が必ずしも
インヒビター機能を有しないことである。キレートを作
る能力が高すぎると、腐食環境において環境中に溶出し
た金属イオンをキレート化して溶出を助け腐食反応を促
進する可能性があるからである。上述の説明から明らか
なように、本発明において特定するところの防錆能を有
する有機化合物は、種々の溶液環境中において、その溶
液に接触した金属表面の腐食反応を抑制する用途に用い
ることが可能である。吸着部位が3個以上必要なのは、
単なるキレート能ではなく、金属表面への吸着能と吸着
した化合物による緻密なバリア層形成によるものと考え
られる。
属イオンに対してキレート構造を作る化合物が必ずしも
インヒビター機能を有しないことである。キレートを作
る能力が高すぎると、腐食環境において環境中に溶出し
た金属イオンをキレート化して溶出を助け腐食反応を促
進する可能性があるからである。上述の説明から明らか
なように、本発明において特定するところの防錆能を有
する有機化合物は、種々の溶液環境中において、その溶
液に接触した金属表面の腐食反応を抑制する用途に用い
ることが可能である。吸着部位が3個以上必要なのは、
単なるキレート能ではなく、金属表面への吸着能と吸着
した化合物による緻密なバリア層形成によるものと考え
られる。
【0016】吸着能を高め、同時に緻密なバリア層を形
成する前記有機化合物からなる防錆剤の具体例として
は、 2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、2
−メルカプトピリミジン、メソ−2,3−ジメルカプト
コハク酸、2−チオウラシル、2−アミノチアゾール、
2−アミノチアゾリン、2−メルカプトチアゾリン、3
−メルカプト−1,2−プロパンジオール、メルカプト
コハク酸、2,3−ピリジンチオール、ピロガロール、
2,3−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンカルボ
ン酸、2,5−ピリジンカルボン酸、乳酸、ピロメット
酸、トリメシン酸、トリメリト酸、2−メルカプトニコ
チン酸、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジ
ン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、
2,4,6−トリアミノピリミジン、N−ヒドロキシコ
ハク酸イミドなどが挙げられる。このような有機化合物
もしくはそれらの混合物の中から本発明の条件を満たす
ものを選択的に用いるのが好ましい実施形態であるとい
える。
成する前記有機化合物からなる防錆剤の具体例として
は、 2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、2
−メルカプトピリミジン、メソ−2,3−ジメルカプト
コハク酸、2−チオウラシル、2−アミノチアゾール、
2−アミノチアゾリン、2−メルカプトチアゾリン、3
−メルカプト−1,2−プロパンジオール、メルカプト
コハク酸、2,3−ピリジンチオール、ピロガロール、
2,3−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンカルボ
ン酸、2,5−ピリジンカルボン酸、乳酸、ピロメット
酸、トリメシン酸、トリメリト酸、2−メルカプトニコ
チン酸、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジ
ン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、
2,4,6−トリアミノピリミジン、N−ヒドロキシコ
ハク酸イミドなどが挙げられる。このような有機化合物
もしくはそれらの混合物の中から本発明の条件を満たす
ものを選択的に用いるのが好ましい実施形態であるとい
える。
【0017】また、これら有機化合物からなる防錆剤
が、シリカ主成分とする防錆剤を添加成分として含有す
ると耐食性が更に向上し、好適である。シリカの腐食抑
制効果については一般に良く知られており、これを添加
成分として加え、防錆剤である有機化合物と併用するこ
とで相乗効果で耐食性が更に向上するものと考える。本
発明に用いるシリカは特に規定するものではないが、微
細な粒径を持ち、水中に分散させた場合に安定に水分散
状態を維持でき半永久的に沈降が認められないような特
性を有すものが好適である。例えば、「スノーテックス
N」(日産化学工業製)、「アデライトAT−20N」
(旭電化工業社製)など市販のシリカゲル、または市販
のアエロジル粉末シリカなどを用いることができる。ま
た、本発明に用いるシリカは、シリカ表面に防錆機能を
有する金属イオンを吸着したようなタイプのものである
と耐食性が更に向上し、好適である。これらの例として
は、シリカ担体にカルシウムイオンを吸着させたタイプ
である「シールデックス」(グレース社製)が良く知ら
れている。
が、シリカ主成分とする防錆剤を添加成分として含有す
ると耐食性が更に向上し、好適である。シリカの腐食抑
制効果については一般に良く知られており、これを添加
成分として加え、防錆剤である有機化合物と併用するこ
とで相乗効果で耐食性が更に向上するものと考える。本
発明に用いるシリカは特に規定するものではないが、微
細な粒径を持ち、水中に分散させた場合に安定に水分散
状態を維持でき半永久的に沈降が認められないような特
性を有すものが好適である。例えば、「スノーテックス
N」(日産化学工業製)、「アデライトAT−20N」
(旭電化工業社製)など市販のシリカゲル、または市販
のアエロジル粉末シリカなどを用いることができる。ま
た、本発明に用いるシリカは、シリカ表面に防錆機能を
有する金属イオンを吸着したようなタイプのものである
と耐食性が更に向上し、好適である。これらの例として
は、シリカ担体にカルシウムイオンを吸着させたタイプ
である「シールデックス」(グレース社製)が良く知ら
れている。
【0018】本発明で規定する防錆剤(有機化合物のみ
の場合、有機化合物とシリカを主成分とする防錆剤とを
併用する場合のいずれの場合も含む)の添加量は特に規
定するものではないが、金属と有機被膜の界面もしくは
有機被膜間の界面に存在する場合は、0.01mg/m
2 〜10g/m2 が好適である。0.01mg/m2未
満では防錆剤の効果を発揮せず耐食性に劣り、10g/
m2 を超えると有機被膜の密着性が低下し、不適であ
る。防錆剤を有機被膜中に分散する場合は、有機被膜を
形成する樹脂固形分100に対して質量比で0.01〜
100が好適である。0.01未満では防錆剤の効果を
発揮せず耐食性に劣り、100を超えると有機被膜が脆
くなり、不適である。なお、有機化合物とシリカを主成
分とする防錆剤を添加する場合もこの範囲内で適宜決め
ることができる。
の場合、有機化合物とシリカを主成分とする防錆剤とを
併用する場合のいずれの場合も含む)の添加量は特に規
定するものではないが、金属と有機被膜の界面もしくは
有機被膜間の界面に存在する場合は、0.01mg/m
2 〜10g/m2 が好適である。0.01mg/m2未
満では防錆剤の効果を発揮せず耐食性に劣り、10g/
m2 を超えると有機被膜の密着性が低下し、不適であ
る。防錆剤を有機被膜中に分散する場合は、有機被膜を
形成する樹脂固形分100に対して質量比で0.01〜
100が好適である。0.01未満では防錆剤の効果を
発揮せず耐食性に劣り、100を超えると有機被膜が脆
くなり、不適である。なお、有機化合物とシリカを主成
分とする防錆剤を添加する場合もこの範囲内で適宜決め
ることができる。
【0019】本発明の有機被覆表面処理金属材の有機被
膜層が2層以上から構成されている場合、有機化合物も
しくはそれにシリカを添加した防錆剤は、有機被膜層の
少なくとも1層以上に分散して存在していても効果を発
揮するし、各有機被膜層間のいずれかの界面の内、少な
くとも1界面以上に存在していても効果を発揮する。有
機被膜中に防錆剤を分散して存在させる方法は、特に限
定するものではないが、有機被膜を形成させるための塗
液などにあらかじめ分散させた後に、これらを塗布、乾
燥・焼き付けさせる方法が挙げられる。有機被膜の塗布
方法も一般に公知の方法、例えば、ロールコート、ロー
ラーカーテンコート、カーテンフローコート、エアース
プレー、エアーレススプレー、刷毛塗りなどが採用でき
る。一方、有機被膜の界面に防錆剤を存在させる方法も
特に限定するものではないが、あらかじめ金属材表面に
形成させた有機被膜上に、水などに分散させた防錆剤を
塗布、乾燥させ、その上にさらに別の有機被膜を形成さ
せる方法が挙げられる。水などに分散させた防錆剤を塗
布する方法も一般に公知の方法、例えば、ロールコー
ト、エアースプレー、エアーレススプレー、刷毛塗り、
浸漬などが採用できる。水などに分散せずに防錆剤の粉
を直接吹き付けても良い。
膜層が2層以上から構成されている場合、有機化合物も
しくはそれにシリカを添加した防錆剤は、有機被膜層の
少なくとも1層以上に分散して存在していても効果を発
揮するし、各有機被膜層間のいずれかの界面の内、少な
くとも1界面以上に存在していても効果を発揮する。有
機被膜中に防錆剤を分散して存在させる方法は、特に限
定するものではないが、有機被膜を形成させるための塗
液などにあらかじめ分散させた後に、これらを塗布、乾
燥・焼き付けさせる方法が挙げられる。有機被膜の塗布
方法も一般に公知の方法、例えば、ロールコート、ロー
ラーカーテンコート、カーテンフローコート、エアース
プレー、エアーレススプレー、刷毛塗りなどが採用でき
る。一方、有機被膜の界面に防錆剤を存在させる方法も
特に限定するものではないが、あらかじめ金属材表面に
形成させた有機被膜上に、水などに分散させた防錆剤を
塗布、乾燥させ、その上にさらに別の有機被膜を形成さ
せる方法が挙げられる。水などに分散させた防錆剤を塗
布する方法も一般に公知の方法、例えば、ロールコー
ト、エアースプレー、エアーレススプレー、刷毛塗り、
浸漬などが採用できる。水などに分散せずに防錆剤の粉
を直接吹き付けても良い。
【0020】本発明の有機被覆表面処理金属材に用いる
有機被膜は、防錆剤を含む層、含まない層いずれも、一
般に一次防錆被膜、塗装前処理被膜、塗料などとして用
いているものを適用することができる。特に塗料におい
ては一般に公知の塗料、例えば溶剤系塗料、水性塗料、
粉体塗料、電着塗料、防錆塗料、などを用いることがで
る。これら有機被膜に用いる樹脂は特に規定することな
く、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂など、一般に公知のものを
適用できる。
有機被膜は、防錆剤を含む層、含まない層いずれも、一
般に一次防錆被膜、塗装前処理被膜、塗料などとして用
いているものを適用することができる。特に塗料におい
ては一般に公知の塗料、例えば溶剤系塗料、水性塗料、
粉体塗料、電着塗料、防錆塗料、などを用いることがで
る。これら有機被膜に用いる樹脂は特に規定することな
く、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、メラミン樹脂など、一般に公知のものを
適用できる。
【0021】本発明の有機被覆表面処理金属材に用いる
有機被膜中には、防錆剤を含む層、含まない層いずれに
も、染料や着色顔料、他の防錆剤や防錆顔料を添加して
も良い。添加する染料及び着色顔料は一般に公知のも
の、例えば、アゾ染料、酸化チタン、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、カオリンクレー、カーボンブラック、酸
化鉄等のなどを用いることができる。防錆剤及び防錆顔
料は一般に公知のも、例えば、(i)リン酸亜鉛,リン
酸鉄、リン酸アルミニウムなどのリン酸系防錆剤、(i
i)モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミニ
ウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブデン酸系防錆
剤、(iii) 酸化バナジウムなどのバナジウム系防錆顔
料、(iv)ストロンチウムクロメート、ジンクロメー
ト、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリ
ウムクロメートなどのクロメート系防錆剤などを用いる
ことができる。しかし、(iv)クロメート系防錆剤につ
いては環境上有毒であるため、(iv)クロメート系防錆
顔料以外の防錆顔料を用いることが望ましい。
有機被膜中には、防錆剤を含む層、含まない層いずれに
も、染料や着色顔料、他の防錆剤や防錆顔料を添加して
も良い。添加する染料及び着色顔料は一般に公知のも
の、例えば、アゾ染料、酸化チタン、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、カオリンクレー、カーボンブラック、酸
化鉄等のなどを用いることができる。防錆剤及び防錆顔
料は一般に公知のも、例えば、(i)リン酸亜鉛,リン
酸鉄、リン酸アルミニウムなどのリン酸系防錆剤、(i
i)モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミニ
ウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブデン酸系防錆
剤、(iii) 酸化バナジウムなどのバナジウム系防錆顔
料、(iv)ストロンチウムクロメート、ジンクロメー
ト、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリ
ウムクロメートなどのクロメート系防錆剤などを用いる
ことができる。しかし、(iv)クロメート系防錆剤につ
いては環境上有毒であるため、(iv)クロメート系防錆
顔料以外の防錆顔料を用いることが望ましい。
【0022】本発明の有機被覆表面処理金属材に用いる
金属材の種類は、特に規定するものではなく、一般に公
知の金属材料を適用することができる。本発明において
規定する防錆剤は、何れも金属種に関わらず防錆能力を
発揮し得るものであり、したがって、母材となる金属種
を限定するものではない。例えば、鉄、鋼、銅、アルミ
ニウム、亜鉛など一般に公知の金属に対して適用するこ
とができる。また、これら金属の合金もしくはこれらの
金属表面を他の金属でメッキしたものであっても適用す
ることができる。
金属材の種類は、特に規定するものではなく、一般に公
知の金属材料を適用することができる。本発明において
規定する防錆剤は、何れも金属種に関わらず防錆能力を
発揮し得るものであり、したがって、母材となる金属種
を限定するものではない。例えば、鉄、鋼、銅、アルミ
ニウム、亜鉛など一般に公知の金属に対して適用するこ
とができる。また、これら金属の合金もしくはこれらの
金属表面を他の金属でメッキしたものであっても適用す
ることができる。
【0023】本発明において規定する有機化合物からな
る防錆剤は、これら公知の金属の内、特に鋼系の金属も
しくは鋼にメッキを施した金属において効果を発揮す
る。鋼成分の限定は特に行わず,どのような鋼種に対し
ても耐食性向上効果を有する。例えば、Ti,Nb,B
等を添加したIF鋼、Al−k鋼、Cr含有鋼、ステン
レス鋼、ハイテン等などが挙げられる。鋼にめっきを施
したものとしては、例えば溶融亜鉛メッキ鋼材、溶融亜
鉛−鉄合金メッキ鋼材、溶融亜鉛−アルミニウム−マグ
ネシウム合金メッキ鋼材、溶融アルミニウム−シリコン
合金メッキ鋼材、溶融鉛−スズ合金メッキ鋼材などの溶
融メッキ鋼板や、電気亜鉛メッキ鋼材、電気亜鉛−ニッ
ケル合金メッキ鋼材、電気亜鉛−鉄合金メッキ鋼材、電
気亜鉛−クロム合金メッキなどの電気メッキ鋼材などが
挙げられる。金属材の形態は、薄板材、厚板材、パイ
プ、線材、棒材な一般に公知の形態のものが挙げられ、
こららを更に加工したものであっても良い。
る防錆剤は、これら公知の金属の内、特に鋼系の金属も
しくは鋼にメッキを施した金属において効果を発揮す
る。鋼成分の限定は特に行わず,どのような鋼種に対し
ても耐食性向上効果を有する。例えば、Ti,Nb,B
等を添加したIF鋼、Al−k鋼、Cr含有鋼、ステン
レス鋼、ハイテン等などが挙げられる。鋼にめっきを施
したものとしては、例えば溶融亜鉛メッキ鋼材、溶融亜
鉛−鉄合金メッキ鋼材、溶融亜鉛−アルミニウム−マグ
ネシウム合金メッキ鋼材、溶融アルミニウム−シリコン
合金メッキ鋼材、溶融鉛−スズ合金メッキ鋼材などの溶
融メッキ鋼板や、電気亜鉛メッキ鋼材、電気亜鉛−ニッ
ケル合金メッキ鋼材、電気亜鉛−鉄合金メッキ鋼材、電
気亜鉛−クロム合金メッキなどの電気メッキ鋼材などが
挙げられる。金属材の形態は、薄板材、厚板材、パイ
プ、線材、棒材な一般に公知の形態のものが挙げられ、
こららを更に加工したものであっても良い。
【0024】また、本発明の有機被覆表面処理鋼材は、
特に、薄板鋼材分野の有機被覆表面処理鋼板や潤滑鋼
板、プレコート鋼板などに適用すると効果的である。
特に、薄板鋼材分野の有機被覆表面処理鋼板や潤滑鋼
板、プレコート鋼板などに適用すると効果的である。
【0025】
【実施例】本実験に用いた防錆剤としての有機化合物を
表1に示す。なお、これらの防錆剤は試薬として市販に
売られているものを使用した。また、表1中に各有機化
合物の融点及び水に対する溶解性を記述する。なお、表
1中の水溶性は有機化合物の水に対する溶解性が10-3
M越であるものを○、10-3M以下であるものを×と評
価している。
表1に示す。なお、これらの防錆剤は試薬として市販に
売られているものを使用した。また、表1中に各有機化
合物の融点及び水に対する溶解性を記述する。なお、表
1中の水溶性は有機化合物の水に対する溶解性が10-3
M越であるものを○、10-3M以下であるものを×と評
価している。
【0026】
【表1】
【0027】以下、実施例1〜10について詳細を説明
する。厚み0.6mmの冷延鋼板と、亜鉛めっき付着量
が片面当たり20g/m2 で両面がめっきされた厚み
0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板と、亜鉛めっき付着量
が片面当たり60g/m2 で両面がめっきされた厚み
0.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板とをFC−364S
(日本パーカライジング製)の2重量%濃度、60℃温
度の水溶液中に10秒間浸漬することで脱脂を行い、水
洗後、乾燥した。次いで、表2に示す防錆剤塗布ならび
に有機被膜を塗布した。なお、表中の防錆剤は表1に記
述したものを使用している。
する。厚み0.6mmの冷延鋼板と、亜鉛めっき付着量
が片面当たり20g/m2 で両面がめっきされた厚み
0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板と、亜鉛めっき付着量
が片面当たり60g/m2 で両面がめっきされた厚み
0.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板とをFC−364S
(日本パーカライジング製)の2重量%濃度、60℃温
度の水溶液中に10秒間浸漬することで脱脂を行い、水
洗後、乾燥した。次いで、表2に示す防錆剤塗布ならび
に有機被膜を塗布した。なお、表中の防錆剤は表1に記
述したものを使用している。
【0028】防錆剤のみを塗布する場合は、防錆剤を純
水に添加し30分攪拌した後、不溶解成分を取り除くこ
とで、飽和溶液を作成し、これをロールコーターにて鋼
板及びめっき鋼板上に50mg/m2 となるように塗布
し、熱風乾燥炉にて乾燥した。乾燥時の最高到達温度は
150℃とした。なお、最高到達温度は、金属材表面に
熱電対を取り付けて測定した。
水に添加し30分攪拌した後、不溶解成分を取り除くこ
とで、飽和溶液を作成し、これをロールコーターにて鋼
板及びめっき鋼板上に50mg/m2 となるように塗布
し、熱風乾燥炉にて乾燥した。乾燥時の最高到達温度は
150℃とした。なお、最高到達温度は、金属材表面に
熱電対を取り付けて測定した。
【0029】有機被膜を塗装する場合は、水溶性のアク
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂に表
2に示す防錆剤を樹脂固形分100に対して20添加し
たものをロールコーターにて乾燥膜厚が1μmとなるよ
うに塗布し、熱風乾燥炉にて最高到達温度が150℃と
なるように乾燥させた。また、本実験で用いた鋼板及び
めっき鋼板上にクロメート処理をCr付着量で50mg
/m2 施したものを比較とした。
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂に表
2に示す防錆剤を樹脂固形分100に対して20添加し
たものをロールコーターにて乾燥膜厚が1μmとなるよ
うに塗布し、熱風乾燥炉にて最高到達温度が150℃と
なるように乾燥させた。また、本実験で用いた鋼板及び
めっき鋼板上にクロメート処理をCr付着量で50mg
/m2 施したものを比較とした。
【0030】このようにして作製した有機被覆金属材に
ついてJIS−K5400.9.1記載の方法で塩水噴
霧試験を実施した。試験時間は冷延鋼板の場合72h、
電気亜鉛めっき鋼板と溶融亜鉛めっき鋼板の場合には1
44hとした。試験後、有機被覆を施した表面から発生
する赤錆もしくは白錆を評価し、赤錆もしくは白錆が全
く発生していないものを○、部分的に微少の赤錆もしく
は白錆が発生している場合を△、赤錆もしくは白錆が全
面に発生しているものを×と評価した。
ついてJIS−K5400.9.1記載の方法で塩水噴
霧試験を実施した。試験時間は冷延鋼板の場合72h、
電気亜鉛めっき鋼板と溶融亜鉛めっき鋼板の場合には1
44hとした。試験後、有機被覆を施した表面から発生
する赤錆もしくは白錆を評価し、赤錆もしくは白錆が全
く発生していないものを○、部分的に微少の赤錆もしく
は白錆が発生している場合を△、赤錆もしくは白錆が全
面に発生しているものを×と評価した。
【0031】評価の結果、本発明の有機被覆表面処理金
属材(実施例−1〜10)は耐食性に優れ、従来のクロ
メート処理を施したもの(比較例−6〜7)と比べて同
等の性能を有し、好適である。また、本発明で規定する
防錆剤である有機化合物の水に対する溶解度が10-3M
以下であるものを含む有機被覆金属材(実施例−1,
3)は耐食性が更に良く、好適である。本発明で規定す
る防錆剤である有機化合物は実施例−7,8の様に金属
材と有機被膜層の界面に存在していても耐食性に効果が
ある。
属材(実施例−1〜10)は耐食性に優れ、従来のクロ
メート処理を施したもの(比較例−6〜7)と比べて同
等の性能を有し、好適である。また、本発明で規定する
防錆剤である有機化合物の水に対する溶解度が10-3M
以下であるものを含む有機被覆金属材(実施例−1,
3)は耐食性が更に良く、好適である。本発明で規定す
る防錆剤である有機化合物は実施例−7,8の様に金属
材と有機被膜層の界面に存在していても耐食性に効果が
ある。
【0032】本発明で定義した防錆剤である有機化合物
がMp≧Tm−30℃(Mp:有機化合物からなる防錆
剤の融点、Tm:防錆剤を含む処理液もしくは有機被膜
層を乾燥・焼き付けする際の金属材の最高到達温度であ
り本実験では150℃)を満たさないもの(比較例−
1,2)は耐食性が悪く、好適である。また、本発明で
規定する防錆剤を含まないものも耐食性が悪く、不適で
ある。従来のクロム系の防錆剤を用いたもの比較例−6
〜8)は人体に対する毒性が高いため、不適である。
がMp≧Tm−30℃(Mp:有機化合物からなる防錆
剤の融点、Tm:防錆剤を含む処理液もしくは有機被膜
層を乾燥・焼き付けする際の金属材の最高到達温度であ
り本実験では150℃)を満たさないもの(比較例−
1,2)は耐食性が悪く、好適である。また、本発明で
規定する防錆剤を含まないものも耐食性が悪く、不適で
ある。従来のクロム系の防錆剤を用いたもの比較例−6
〜8)は人体に対する毒性が高いため、不適である。
【0033】
【表2】
【0034】次に、実施例−11〜33について詳細を
説明する。市販の有機溶剤系のクリヤー塗料に、防錆剤
とチタン白(TiO2 )を添加し、分散機にて防錆剤及
びチタン白を塗料中に分散させることで、塗料を作製し
た。なお、クリヤー塗料はエポキシ系塗料、ポリエステ
ル系塗料、ウレタン系塗料の3種を用いた。防錆剤とチ
タン白の添加量は両者を合わせて、樹脂固形分100に
対して100となるように添加した。なお、本塗料には
必要に応じてシリカを主成分とする防錆剤も添加した。
説明する。市販の有機溶剤系のクリヤー塗料に、防錆剤
とチタン白(TiO2 )を添加し、分散機にて防錆剤及
びチタン白を塗料中に分散させることで、塗料を作製し
た。なお、クリヤー塗料はエポキシ系塗料、ポリエステ
ル系塗料、ウレタン系塗料の3種を用いた。防錆剤とチ
タン白の添加量は両者を合わせて、樹脂固形分100に
対して100となるように添加した。なお、本塗料には
必要に応じてシリカを主成分とする防錆剤も添加した。
【0035】本実験ではシリカを主成分とする防錆剤と
して、シリカとシリカ表面にCaイオンを吸着させタイ
プのもの2種を用いた。前者は日産化学工業製「スノー
テックスN」(表中には「シリカ」と記載)、後者はグ
レース製「シールデックスC303」(表中には「Ca
シリケート」と記載)を用いた。以下質量基準で、防錆
剤とチタン白の比率は、シリカを主成分とする防錆剤を
添加していない場合は、有機化合物の防錆剤2に対して
チタン白を98とした。また、シリカを主成分とする防
錆剤を添加したときは、有機化合物の防錆剤2に対して
シリカを主成分とする防錆剤を20、チタン白を78と
した。また、クロム系の防錆剤として従来のストロンチ
ウムクロメートをチタン白80に対して10添加したも
のを比較とした。
して、シリカとシリカ表面にCaイオンを吸着させタイ
プのもの2種を用いた。前者は日産化学工業製「スノー
テックスN」(表中には「シリカ」と記載)、後者はグ
レース製「シールデックスC303」(表中には「Ca
シリケート」と記載)を用いた。以下質量基準で、防錆
剤とチタン白の比率は、シリカを主成分とする防錆剤を
添加していない場合は、有機化合物の防錆剤2に対して
チタン白を98とした。また、シリカを主成分とする防
錆剤を添加したときは、有機化合物の防錆剤2に対して
シリカを主成分とする防錆剤を20、チタン白を78と
した。また、クロム系の防錆剤として従来のストロンチ
ウムクロメートをチタン白80に対して10添加したも
のを比較とした。
【0036】なお、本実験では、これらの塗料を1層も
しくは2層塗布している。1層のみ塗布する場合には、
樹脂に市販のワンコート用のエポキシ系塗料、ポリエス
テル系塗料、ウレタン系塗料を用い、2層塗装する場合
には、下層には下塗り用の、上塗りには上塗り用のエポ
キシ系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料をそ
れぞれ用いた。以降、1層のみ塗布した塗料をワンコー
ト塗料そしてこれを硬化乾燥させた塗膜をワンコート塗
膜と称し、2層の場合の下塗り塗料をプライマー塗料、
これを硬化乾燥した塗膜をプライマー塗膜、上塗り塗料
をトップ塗料そしてこれを硬化乾燥した塗膜をトップ塗
膜と称する。なお、これらの塗料については、本発明の
有機被覆金属材をプレコート金属材として使用すること
を考慮して、いずれの塗料もプレコート金属材用の高加
工タイプのものを用いた。
しくは2層塗布している。1層のみ塗布する場合には、
樹脂に市販のワンコート用のエポキシ系塗料、ポリエス
テル系塗料、ウレタン系塗料を用い、2層塗装する場合
には、下層には下塗り用の、上塗りには上塗り用のエポ
キシ系塗料、ポリエステル系塗料、ウレタン系塗料をそ
れぞれ用いた。以降、1層のみ塗布した塗料をワンコー
ト塗料そしてこれを硬化乾燥させた塗膜をワンコート塗
膜と称し、2層の場合の下塗り塗料をプライマー塗料、
これを硬化乾燥した塗膜をプライマー塗膜、上塗り塗料
をトップ塗料そしてこれを硬化乾燥した塗膜をトップ塗
膜と称する。なお、これらの塗料については、本発明の
有機被覆金属材をプレコート金属材として使用すること
を考慮して、いずれの塗料もプレコート金属材用の高加
工タイプのものを用いた。
【0037】次に、表2に示す先に作成した有機被覆金
属材(表中の「ベース」の欄に使用した有機被覆金属材
の詳細を示す)の上にロールコーターにて表3に示すプ
ライマー塗料もしくはワンコート塗料を乾燥膜厚5μm
となるように塗装し、熱風炉にて焼き付けることで硬化
乾燥した。焼き付け時の最高到達温度は210℃とし
た。また、焼き付け乾燥後には塗装金属板を水冷した。
更に、プライマー塗膜を被覆したものの上に、ロールコ
ーターにて表3に示すトップ塗料を乾燥膜厚で15μm
となるように塗装し、熱風炉にて焼き付けることで硬化
乾燥した。焼き付け時の最高到達温度は225℃とし
た。また、焼き付け乾燥後には塗装金属板を水冷した。
属材(表中の「ベース」の欄に使用した有機被覆金属材
の詳細を示す)の上にロールコーターにて表3に示すプ
ライマー塗料もしくはワンコート塗料を乾燥膜厚5μm
となるように塗装し、熱風炉にて焼き付けることで硬化
乾燥した。焼き付け時の最高到達温度は210℃とし
た。また、焼き付け乾燥後には塗装金属板を水冷した。
更に、プライマー塗膜を被覆したものの上に、ロールコ
ーターにて表3に示すトップ塗料を乾燥膜厚で15μm
となるように塗装し、熱風炉にて焼き付けることで硬化
乾燥した。焼き付け時の最高到達温度は225℃とし
た。また、焼き付け乾燥後には塗装金属板を水冷した。
【0038】このようにして作製した有機被覆金属材に
ついてJIS−K5400.9.1記載の方法で塩水噴
霧試験を実施した。試験時間は冷延鋼板の場合72h、
電気亜鉛めっき鋼板の場合には120h、溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合には240hとした。塩水噴霧試験を行う
際、評価する塗装金属板の塗膜には、カッターナイフに
て塗膜を貫通して素地である金属に達するクロス状の切
傷(以降クロスカットと称する)を設けてクロスカット
からの塗膜の膨れ幅を観察し評価した。クロスカット部
の評価方法は、クロスカット片側の最大膨れ幅が1mm
未満の場合に○、1mm以上3mm未満の場合に△、3
mm以上の場合に×と評価した。
ついてJIS−K5400.9.1記載の方法で塩水噴
霧試験を実施した。試験時間は冷延鋼板の場合72h、
電気亜鉛めっき鋼板の場合には120h、溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合には240hとした。塩水噴霧試験を行う
際、評価する塗装金属板の塗膜には、カッターナイフに
て塗膜を貫通して素地である金属に達するクロス状の切
傷(以降クロスカットと称する)を設けてクロスカット
からの塗膜の膨れ幅を観察し評価した。クロスカット部
の評価方法は、クロスカット片側の最大膨れ幅が1mm
未満の場合に○、1mm以上3mm未満の場合に△、3
mm以上の場合に×と評価した。
【0039】また、本発明の塗装金属板を端面部で金属
部が露出するプレコート鋼板に適用した時を考慮し、切
断機にて塗装金属板を切断し、金属が露出した切断端面
部を設け、切断端面部からの塗膜の膨れ幅を観察し評価
した。端面部の評価方法は端面からの膨れ幅が3mm以
内の場合には○、3mm以上5mm未満の場合には△、
5mm以上の場合には×と評価した。
部が露出するプレコート鋼板に適用した時を考慮し、切
断機にて塗装金属板を切断し、金属が露出した切断端面
部を設け、切断端面部からの塗膜の膨れ幅を観察し評価
した。端面部の評価方法は端面からの膨れ幅が3mm以
内の場合には○、3mm以上5mm未満の場合には△、
5mm以上の場合には×と評価した。
【0040】次に、本有機被覆金属材についてはプレコ
ート金属材として使用することも考慮し、曲げ加工試験
も実施した。180°折り曲げ加工を実施し、加工部の
塗膜を10倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調べ
た。また、加工部の塗膜密着性についても、加工部に粘
着テープを貼り付け、これを勢い良く剥離したときの塗
膜の剥離状態を目視にて観察することで評価した。折り
曲げ加工は20℃雰囲気中で、0.6mmのスペーサー
を間に1枚挟んで実施した。塗膜割れの評価は、10倍
ルーペにて塗膜に全く割れのないものを○、僅かでも割
れのあるものを×として評価した。剥離後の塗膜残存状
態の評価方法は、10倍ルーペにて観察しても塗膜剥離
が全く無い状態のものを○、僅かでも剥離が認められる
ものを×と評価した。本試験はプレコート鋼板の裏と表
の両面について評価を行った。
ート金属材として使用することも考慮し、曲げ加工試験
も実施した。180°折り曲げ加工を実施し、加工部の
塗膜を10倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調べ
た。また、加工部の塗膜密着性についても、加工部に粘
着テープを貼り付け、これを勢い良く剥離したときの塗
膜の剥離状態を目視にて観察することで評価した。折り
曲げ加工は20℃雰囲気中で、0.6mmのスペーサー
を間に1枚挟んで実施した。塗膜割れの評価は、10倍
ルーペにて塗膜に全く割れのないものを○、僅かでも割
れのあるものを×として評価した。剥離後の塗膜残存状
態の評価方法は、10倍ルーペにて観察しても塗膜剥離
が全く無い状態のものを○、僅かでも剥離が認められる
ものを×と評価した。本試験はプレコート鋼板の裏と表
の両面について評価を行った。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】評価の結果、本発明の有機被覆表面処理金
属材(実施例−11〜33)は耐食性に優れ、従来のク
ロメート処理を施したもの(比較例−6〜7)と比べて
同等の性能を有し、好適である。また、本発明で規定す
る防錆剤である有機化合物の水に対する溶解度が10-3
M以下であるものを含む有機被覆金属材(実施例−1,
20)は耐食性が更に良く、好適である。また、シリカ
を主成分とする防錆剤を併用して添加したもの(実施例
−4,5,23,24)は更に耐食性が向上し、好適で
ある。本発明で規定する防錆剤を有機被膜各層の界面に
存在させたもの(実施例−31〜33)でも十分効果を
発揮する。
属材(実施例−11〜33)は耐食性に優れ、従来のク
ロメート処理を施したもの(比較例−6〜7)と比べて
同等の性能を有し、好適である。また、本発明で規定す
る防錆剤である有機化合物の水に対する溶解度が10-3
M以下であるものを含む有機被覆金属材(実施例−1,
20)は耐食性が更に良く、好適である。また、シリカ
を主成分とする防錆剤を併用して添加したもの(実施例
−4,5,23,24)は更に耐食性が向上し、好適で
ある。本発明で規定する防錆剤を有機被膜各層の界面に
存在させたもの(実施例−31〜33)でも十分効果を
発揮する。
【0044】本発明に属す防錆剤である有機化合物がM
p≧Tm−30℃(Mp:有機化合物からなる防錆剤の
融点、Tm:防錆剤を含む処理液もしくは有機被膜層を
乾燥・焼き付けする際の金属材の最高到達温度であり本
実験ではトップの225℃)を満たさないもの(比較例
−9〜12)は耐食性が悪く、不適である。また、本発
明で規定する防錆剤を含まないもの(比較例−13)も
耐食性が悪く、不適である。従来のクロム系の防錆剤を
用いたもの比較例−14〜16)は人体に対する毒性が
高いため、不適である。
p≧Tm−30℃(Mp:有機化合物からなる防錆剤の
融点、Tm:防錆剤を含む処理液もしくは有機被膜層を
乾燥・焼き付けする際の金属材の最高到達温度であり本
実験ではトップの225℃)を満たさないもの(比較例
−9〜12)は耐食性が悪く、不適である。また、本発
明で規定する防錆剤を含まないもの(比較例−13)も
耐食性が悪く、不適である。従来のクロム系の防錆剤を
用いたもの比較例−14〜16)は人体に対する毒性が
高いため、不適である。
【0045】
【発明の効果】本発明により、環境上有毒である6価ク
ロムを使用せずに、耐食性に優れた防錆塗料及び塗装金
属板を提供することが可能となった。従って、本発明は
工業的価値の極めて高い発明であるといえる。
ロムを使用せずに、耐食性に優れた防錆塗料及び塗装金
属板を提供することが可能となった。従って、本発明は
工業的価値の極めて高い発明であるといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/08 C09D 5/08 201/00 201/00 C23C 22/00 C23C 22/00 Z 26/00 26/00 A (72)発明者 古川 博康 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA33 DA06 DB02 DC02 DC05 DC12 DC18 DC38 DC41 EB53 EB60 EC03 EC07 EC15 4F100 AA20A AA20B AA20C AA20H AB01A AB03 AB18 AH02A AH02B AH02C AH02H AH03A AH03B AH03C AH03H AH04A AH04B AH04C AH04H AK01B AK01C AK25 AK41 AK51 AK53 BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 CA14 CA14A CA14B CA14C EH46 EH462 EH71 EJ64 EJ64A EJ64B EJ64C EJ642 EJ862 GB07 GB32 GB48 GB81 GB90 JA04A JA04B JA04C JA04H JB02 JB08A JB08B JB08C YY00A YY00B YY00C YY00H 4J038 CG001 DA161 DB001 DD001 DG001 HA446 JA37 JA41 JA64 JB29 JC02 KA05 NA03 PA19 PC02 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 AA22 BA01 BB06 BB08 BB10 CA16 CA37 CA38 CA39 CA41 DA02 DA11 EB11 4K044 AA02 AB02 BA10 BA14 BA21 BB03 BC02 BC04 BC05 CA16 CA53 CA62
Claims (6)
- 【請求項1】 金属材表面に1層もしくは2層以上の有
機被膜層を被覆して成り、金属材と有機被膜層の界面、
有機被膜層同士のいずれか1以上の界面、およびいずれ
か1以上の有機被膜層中のうち、少なくとも1箇所に、
有機化合物からなる防錆剤を含有する有機被覆表面処理
金属材であって、 前記有機化合物からなる防錆剤の融点Mpが、該防錆剤
を含む処理液もしくは有機被覆層を乾燥・焼き付けする
際の金属材の最高到達温度Tmに対して、Mp≧Tm−
30℃を満たすことを特徴とする耐食性に優れる有機被
覆表面処理金属材。 - 【請求項2】 前記有機化合物からなる防錆剤の水に対
する溶解性が10-3M以下であることを特徴とする請求
項1に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材。 - 【請求項3】 前記有機化合物からなる防錆剤が、シリ
カを主成分とする防錆剤を含有することを特徴とする請
求項1または2に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処
理金属材。 - 【請求項4】 金属材表面に1層もしくは2層以上の有
機被膜層を被覆して成り、金属材と有機被膜層の界面、
有機被膜層同士のいずれか1以上の界面、およびいずれ
か1以上の有機被膜層中のうち、少なくとも1箇所に、
有機化合物からなる防錆剤を含有する有機被覆表面処理
金属材の製造において、 該防錆剤を含む処理液もしくは有機被覆層を乾燥・焼き
付けする際の金属材の最高到達温度Tmを、前記有機化
合物からなる防錆剤の融点Mpに対して、Mp≧Tm−
30℃とすることを特徴とする耐食性に優れる有機被覆
表面処理金属材の製造方法。 - 【請求項5】 前記有機化合物からなる防錆剤の水に対
する溶解性が10-3M以下であることを特徴とする請求
項4に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材の
製造方法。 - 【請求項6】 前記有機化合物からなる防錆剤が、シリ
カを主成分とする防錆剤を含有することを特徴とする請
求項4または5に記載の耐食性に優れる有機被覆表面処
理金属材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000171075A JP2001348673A (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=18673678
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JP2000171075A Withdrawn JP2001348673A (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001348673A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011071171A1 (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | 新日本製鐵株式会社 | 端面赤錆耐食性に優れたクロメートフリー型プレコート鋼板 |
WO2014175420A1 (ja) * | 2013-04-26 | 2014-10-30 | 新日鐵住金株式会社 | プレコート鋼板およびその製造方法 |
CN109957093A (zh) * | 2019-03-26 | 2019-07-02 | 武汉迪赛环保新材料股份有限公司 | 一种超高交联度水性聚氨酯、一种镀锌板表面处理液及其制备方法 |
-
2000
- 2000-06-07 JP JP2000171075A patent/JP2001348673A/ja not_active Withdrawn
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CN109957093B (zh) * | 2019-03-26 | 2021-12-14 | 武汉迪赛环保新材料股份有限公司 | 一种超高交联度水性聚氨酯、一种镀锌板表面处理液及其制备方法 |
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