JP2002187234A - 耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板 - Google Patents

耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板

Info

Publication number
JP2002187234A
JP2002187234A JP2000388674A JP2000388674A JP2002187234A JP 2002187234 A JP2002187234 A JP 2002187234A JP 2000388674 A JP2000388674 A JP 2000388674A JP 2000388674 A JP2000388674 A JP 2000388674A JP 2002187234 A JP2002187234 A JP 2002187234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
hot
organic
film
dip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000388674A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumishiro Kumon
史城 公文
Kazuyoshi Sugawara
和良 菅原
Hiroshi Tsuburaya
浩 圓谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2000388674A priority Critical patent/JP2002187234A/ja
Publication of JP2002187234A publication Critical patent/JP2002187234A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜密着性は勿論、平坦部耐食性や塗膜疵付
き部,切断端面部等においても優れた耐食性を呈す非ク
ロム系塗装鋼板を提供する。 【構成】 この非クロム系塗装鋼板は、Al:4〜22%,M
g:1〜4%,Ti:0〜0.1%,B:0〜0.045%,Si:0〜0.5
%を含む溶融亜鉛めっき層、チタン化合物,フッ化物及
び有機樹脂を含む有機−無機複合皮膜、クロムを含まな
い塗膜が下地鋼の表面に順次積層されている。有機−無
機複合皮膜に含まれるチタン化合物がチタン換算付着量
で1〜100mg/m2,フッ化物がフッ素換算付着量で1〜200
mg/m2である。有機−無機複合皮膜は、更にジルコニウ
ム換算付着量で0.1〜30mg/m2のジルコニウム化合物を
含むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性に優れたZn−
Al−Mg合金めっき鋼板を塗装原板とし、耐食性に優
れ且つ環境に優しい化成処理皮膜を介して塗膜が形成さ
れた非クロム系塗装鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】内装建材,外装建材等では、耐食性の良
好な溶融亜鉛めっき鋼板等が塗装原板として従来から使
用されている。しかし、大気汚染の進行に伴ってイオウ
酸化物,窒素酸化物等による大気や雨水の酸性化が著し
い昨今では、塗装鋼板の平坦部,切断端面,塗膜疵付き
部等の塗膜下で溶融亜鉛めっき層の腐食が促進されるこ
とから内装建材,外装建材等としての耐久性が懸念され
る状況になってきている。たとえば、平坦部の耐食性
は、Clイオン等の腐食性イオンが塗膜を透過して溶融
亜鉛めっき層の腐食を促進させ、体積膨張した亜鉛系腐
食生成物によって塗膜が押し上げられ、塗膜フクレとし
て観察される。
【0003】そこで、溶融亜鉛めっき鋼板よりも優れた
耐食性を呈する材料として、溶融Zn−Al系めっき鋼
板を塗装原板に使用する比率が増加している。溶融Zn
−Al系めっき鋼板では、溶融めっき層のAl含有量を
増加させると、平坦部や塗膜疵付き部の耐食性が向上す
る。しかし、Al含有量の増加によっても、切断端面の
耐食性は必ずしも満足されない。たとえば、塗装溶融Z
n−55%Alめっき鋼板の切断端面では、溶融めっき
層のZnリッチ相が選択的に腐食される。腐食生成物に
よって塗膜が持ち上げられると、エッジクリープと称さ
れる塗膜膨れや塗膜剥離が生じ、耐食性が低下する。下
塗り塗料の不揮発分に対し30〜70質量%の割合でク
ロム酸ストロンチウム又はクロム酸カルシウムを配合し
た下塗り塗料の使用により、塗装溶融Zn−55%Al
めっき鋼板の切断端面の耐食性が向上することが知られ
ている(特開平2−36384号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】クロム酸ストロンチウ
ム又はクロム酸カルシウムを配合した下塗り塗膜を形成
することにより、従来の下塗り塗料を用いた塗装鋼板に
比較して塩水噴霧試験で良好な端面耐食性を示す。しか
し、端面耐食性の改善度合いは、実使用環境の大気雰囲
気下では顕著なものではない。しかも、この方法で処理
された塗装溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板は、高
温多湿環境下で十分な耐食性を示さず、平坦部でも塗膜
フクレを生じることがある。内装用建材,外装用建材と
しての用途以外でも、冷蔵庫,洗濯機,電子レンジ等の
家電製品,自動販売機,事務機器,自動車,エアコン室
外機等に使用されている金属板についても高い耐食性が
望まれている。この要求に応えるため、耐食性及び密着
性に優れたクロム系の塗装前処理を施し、クロム系皮膜
の表面に形成される下塗り塗膜に優れた防錆能を発現す
るクロム酸ストロンチウム等のクロム系防錆顔料を配合
した下塗り塗料が汎用されている。
【0005】他方、環境負荷の軽減が重視される最近の
傾向に応じ、クロム系化合物を用いない塗装前処理剤や
クロムフリー下塗り塗料を用いた塗装原板が望まれるよ
うになってきた。クロム化合物を含まない塗装前処理と
しては、リン酸塩処理,タンニン酸処理等の化成処理
や、更に有機樹脂中にシランカップリング剤,タンニン
酸,燐酸化合物,微粒シリカ等を含む下地処理等のクロ
メート以外の塗装前処理がある。クロムフリー下塗り塗
料については、クロム系防錆顔料に代えてリン酸系,バ
ナジン酸系等の防錆顔料やカルシウムイオン交換された
非晶質粒子を腐食抑制剤として添加する方法がある。し
かし、これまで提案されている非クロム系の化成処理
(下地処理)や非クロム系防錆顔料を配合した下塗り塗
料では、クロム系化合物を含む塗装鋼板に匹敵する優れ
た塗膜密着性や耐食性が得られなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、特定組成のZn
−Al−Mg系溶融めっき層が形成された溶融めっき鋼
板を塗装原板とし、チタン化合物,フッ素化合物及び有
機樹脂を含む化成処理皮膜を介してクロムフリー塗膜を
形成することにより、塗膜密着性は勿論、平坦部耐食性
や塗膜疵付き部,切断端面部等においても優れた耐食性
を呈す非クロム系塗装鋼板を提供することを目的とす
る。
【0007】本発明の非クロム系塗装鋼板は、その目的
を達成するため、Al:4〜22質量%,Mg:1〜4
質量%,Ti:0〜0.1質量%,B:0〜0.045
質量%,Si:0〜0.5質量%,残部が実質的にZn
の組成をもつ溶融めっき層、チタン化合物,フッ化物及
び有機樹脂を含む有機−無機複合皮膜、クロムを含まな
い塗膜が下地鋼の表面に順次積層されており、有機−無
機複合皮膜に含まれるチタン化合物がチタン換算付着量
で1〜100mg/m2,フッ化物がフッ素換算付着量
で1〜200mg/m2であることを特徴とする。
【0008】有機−無機複合皮膜は、更にジルコニウム
換算付着量で0.1〜30mg/m 2のジルコニウム化
合物を含むことができる。有機−無機複合皮膜は、所定
組成に調製された化成処理液を塗装原板に直接塗布し、
或いは化成処理液に塗装原板を浸漬することによって形
成される。有機−無機複合皮膜の形成に先立って、付着
量0.1〜50mg/m2の割合でニッケル又はコバル
トを塗装原板表面に付着させてもよい。有機−無機複合
皮膜上に単層又は複層の塗膜が形成されるが、有機−無
機複合皮膜に接する塗膜には、多孔質シリカ粒子にカル
シウムをイオン交換で結合させた変性シリカ,トリポリ
リン酸二水素アルミニウム,リン酸亜鉛,リン酸カルシ
ウム,炭酸カルシウム,シリカ−カルシウム系から選ば
れた1種又は2種以上の防錆顔料を塗料不揮発分に対し
て2〜50質量%の割合で配合したものが好ましい。
【0009】
【作用】Zn−Al−Mg系めっき鋼板自体は、本出願
人が開発しためっき鋼板(特開平10−226865号
公報,特開平10−306357号公報)であり、[A
l/Zn/Zn2Mg]の三元共晶組織のマトリックスに
初晶Al相又は初晶Al相とZn単相が混在した組織を
もつ溶融めっき層が形成されている。Zn−Al−Mg
系溶融めっき層のAl及びMgが緻密で難溶性の腐食生
成物になり、外部から進入してくる腐食性イオンに対す
るバリアとして働く。そのため、平坦部の耐食性はもと
より、塗膜疵付き部や切断端面近傍の塗膜下でも優れた
耐食性を呈する。また、Zn−Al−Mg系溶融めっき
層にTi及びBを含ませると、Zn 11Mg2中間層の生
成・成長が抑制され、耐食性及び塗装後の外観が向上す
る。
【0010】エッチング性のあるフッ化物含有化成処理
液にZn−Al−Mg系溶融めっき層を接触させると、
溶融めっき層表層に濃化しているMg,Alが化成処理
液に含まれている酸成分によってイオン化して溶出する
と共に、溶融めっき層表面のpHが上昇する。その結
果,溶出してきたMg,Alイオン,化成処理液中のチ
タン化合物,フッ化物及び有機樹脂が複合され、難溶性
の有機−無機複合皮膜が溶融めっき層表面に形成され
る。
【0011】溶融めっき層表層に濃化しているMg,A
lが有機−無機複合皮膜に取り込まれるため、有機−無
機複合皮膜は、優れた付着性で溶融めっき層に付着す
る。しかも、化成処理液のエッチング作用によって溶融
めっき層の表面に微細な凹凸が生じ、付着性向上に有効
なアンカー効果が発現する。更に、有機−無機複合皮膜
に含まれる有機樹脂として水酸基を多く含む系を使用す
ると、溶融めっき層から溶出してくる金属イオンや化成
処理液中のチタン化合物,フッ素化合物との結合が強固
になる。また、溶融めっき層から有機−無機複合皮膜に
取り込まれたMgは耐食性の向上にも寄与する。
【0012】有機−無機複合皮膜に含まれている有機樹
脂やチタン化合物,フッ素化合物等の金属成分は、塗膜
樹脂の水酸基と反応し、塗膜密着性の改善に寄与するも
のと推察される。したがって、非クロム系化成処理皮膜
の上に非クロム系塗膜を形成しても十分な塗膜密着性及
び耐食性が確保されるため、クロムを全く含まない塗装
鋼板が得られ、環境への悪影響を軽減した塗装ラインも
構築される。また、非クロム系防錆顔料を添加した塗膜
や防錆顔料無添加の塗膜を形成した場合でも、従来のク
ロム系化成処理皮膜及びクロム酸系防錆顔料を含む塗膜
を形成した塗装鋼板に匹敵する塗膜密着性及び耐食性が
得られる。
【0013】
【実施の形態】鋼板表面に形成される溶融めっき層をA
l:4〜22質量%,Mg:1〜4質量%,Ti:0〜
0.1質量%,B:0〜0.045質量%,Si:0〜
0.5質量%,残部が実質的にZnの組成にすることに
より、[Al/Zn/Zn2Mg]の三元共晶組織のマト
リックスに初晶Al相又は初晶Al相とZn単相が混在
した組織となる。溶融めっき層中のAlは、めっき鋼板
製造時においてめっき浴表面にトップドロスが発生する
ことを抑制すると共に、溶融めっき層の耐食性を向上さ
せ且つ溶融めっき層表面を平滑化する作用を呈する。こ
のような作用は、4質量%以上のAl含有量で顕著にな
る。しかし、10質量%を超える過剰量のAlが含まれ
ると、溶融めっき層と下地鋼板との界面にFe−Al系
合金層が成長しやすく、溶融めっき層の加工性や密着性
が低下する。そこで、Al含有量が10〜22質量%の
範囲にある場合、0.005質量%以上のSiを添加す
ることによりFe−Al系合金層の成長を抑制する。S
i無添加の場合には、5.0〜7.0質量%の範囲にA
l含有量を設定することが好ましい。
【0014】溶融めっき層中のMgは、均一且つ緻密で
安定な腐食生成物を溶融めっき層表面に形成させ、溶融
めっき層の耐食性を著しく向上させる作用を呈する。こ
のような作用は、1質量%以上のMg含有量で顕著にな
る。しかし、4質量%を超える過剰量のMgが含まれる
と、Mgの増量による耐食性向上効果が飽和するばかり
でなく、酸化マグネシウム系のトップドロスがめっき浴
表面に発生しやすくなり、溶融めっき層表面の平滑性が
悪く塗装外観を損ねる原因となる。また、4質量%を超
える過剰量のMg含有は、溶融めっき層の加工性を低下
させ、塗装鋼板を加工した場合に大きな塗膜割れを発生
させる原因ともなる。好ましくは、2.5〜3.5質量
%の範囲にMg含有量を設定する。
【0015】所定割合でAl及びMgを含むZn−Al
−Mgの三元組成において、溶融Zn−Al−Mg系溶
融めっき層にZn11Mg2系の相が晶出すると、高光沢
のZn11Mg2相が溶融めっき層に分散するため目立っ
た模様となり、溶融めっき層表面の外観が損なわれ、耐
食性も低下する。Zn11Mg2相は、塗装後においても
目立った模様となり、表面外観及び耐食性を低下させる
原因となる。この点、溶融めっき温度及び溶融めっき層
の冷却速度にZn11Mg2相の大きさが依存しているこ
と(特開平10−226865号公報)を利用し、溶融
めっき浴を浴温450℃以下に保持し、且つ溶融めっき
後の冷却速度を10℃/秒以上に制御することにより、
Zn11Mg2相が現れず表面欠陥のない溶融めっき層が
得られる。
【0016】必要に応じて溶融めっき層に添加されるT
i,Bは、溶融めっき時にZn11Mg2相の生成・成長
を抑制する作用を呈する。Zn11Mg2相の生成・成長
は、0.002質量%以上のTi及び0.001質量%
以上のB添加で顕著に抑制され、溶融めっき層表面の凹
凸が塗装鋼板の外観に悪影響を及ぼさない程度に抑えら
れる。しかし、Ti含有量が0.1質量%を超えると溶
融めっき層中にTi−Al系の析出物が成長し、塗装後
の外観を損ねる原因となる凹凸が溶融めっき層表面に生
じやすくなる。B含有量が0.045質量%を超える場
合でも、溶融めっき層中にTi−B系又はAl−B系の
析出物が成長し、塗装後の外観を損ねる原因となる凹凸
が溶融めっき層表面に生じやすくなる。
【0017】Zn−4〜22質量%Al系に1質量%以
上のMgを添加しためっき浴を使用すると、溶融めっき
後にリン酸二水素アンモニウム等を添加した冷却水を噴
霧する方法等に依らなくても、N2等の不活性ガス吹付
け,空冷等で溶融めっき後の冷却速度を10℃/秒以上
に制御することにより、Mgの作用を活用して溶融めっ
き層を結晶粒径1mm以下に微細化できる。形成された
溶融めっき層を観察すると、結晶粒界部に溶融めっき層
の表層(凸部)から0.5〜5μm程度の深さで多数の
凹部が生じた均一緻密な結晶構造になっている。更に、
Zn11Mg2相の生成・成長を抑制するTi及びBを添
加したZn−Al−Mg系めっき浴を使用すると、Ti
−Al系,Ti−B系,Al−B系等の析出物が溶融め
っき層に析出する。これによっても、溶融めっき層表面
に微細な凹凸が形成される。
【0018】溶融めっき層の表面を酸性の表面調整処理
液等でエッチングすると、酸に溶解しやすいZn2Mg
相が優先的にエッチングされ、溶融めっき層の表面に微
細な凹凸が更に形成される。他方、Ti−Al系,Ti
−B系,Al−B系の析出物は、酸に溶解することなく
エッチングされた溶融めっき層の表層に残留する。残留
析出物周辺のZn2Mg相やZn相が優先的にエッチン
グされるため、溶融めっき層の表面に更に微細な凹凸が
形成される。多数の均一緻密な結晶粒界部に微細な凹部
があり、表層に突出したTi−Al系,Ti−B系,A
l−B系析出物で溶融めっき層表面に微細な凹凸が付け
られているため、溶融めっき層を化成処理液で処理する
とき接触面積が大きくなり、有機−無機複合皮膜の生成
・成長が促進される。しかも、微細な凹凸に起因したア
ンカー効果が発現され、優れた付着強度の有機−無機複
合皮膜が溶融めっき層表面に形成される。
【0019】Zn−Al−Mg系めっき鋼板は、従来の
塗装鋼板と同様に連続塗装ラインで塗装されるが、塗装
に先立って非クロム系化成処理剤を用いた化成処理が溶
融めっき層表面に施される。非クロム系化成処理剤とし
てはエッチング性のあるチタン化合物,フッ化物及び有
機樹脂を含む水溶性の処理液が使用され、塗装原板の表
面に塗布され、或いは処理液中に塗装原板が浸漬され
る。たとえば、ヘキサフルオロチタン酸,ヘキサフルオ
ロジルコニウム酸等の金属酸塩及びH2TiF6,H2
rF6等のフッ化物を有機樹脂としてのプロポキシプロ
パノールに溶解したアミノメチル置換ポリビニルフェノ
ールの水溶液が利用できる。
【0020】溶融めっき層に非クロム系化成処理剤を接
触させると、処理液中の酸成分によって溶融めっき層の
表面からAl,Mg,Zn等の金属イオンが溶出すると
共に、溶融めっき層表面のpHが上昇し、溶出してきた
Al,Mg,Zn等の金属イオン,処理液中のチタン化
合物,フッ化物及び有機樹脂が複合され難溶性の有機−
無機複合皮膜が溶融めっき層の表面に形成される。水酸
基を多く含む有機樹脂を使用すると、溶出してきた金属
イオン,処理液中のチタン化合物,フッ化物との結合が
強固な有機−無機複合皮膜が形成される。有機−無機複
合皮膜中の有機樹脂,チタン化合物,フッ素化合物の金
属成分は、塗膜樹脂の水酸基と反応し、塗膜の密着性を
向上させる。
【0021】非クロム系化成処理剤を塗布する場合、乾
燥皮膜量2〜500mg/m2の有機−無機複合皮膜が
形成されるように塗布量が調整される。浸漬による場
合、化成処理液への塗装原板の浸漬時間によって皮膜量
が調整される。乾燥皮膜量が2mg/m2に達しないと
有機−無機複合皮膜の密着性や耐食性が十分発現され
ず、逆に500mg/m2を超える乾燥皮膜量では加工
性や塗膜密着性が低下する。有機−無機複合皮膜は、チ
タン換算付着量で1〜100mg/m2のチタン化合物
及びフッ素換算付着量で1〜200mg/m2のフッ化
物を含むことが必要である。
【0022】チタン化合物は、溶融めっき層表面から溶
出したAl,Mg等の金属イオンと共に有機樹脂と反応
し、難溶性の有機−無機複合皮膜を形成する。少な過ぎ
るチタン化合物では有機−無機複合皮膜の効果が不足
し、優れた塗膜密着性や耐食性が得られない。逆に多過
ぎるチタン化合物では、皮膜の効果が飽和するばかり
か、逆に塗装後の加工性や塗膜密着性が低下することに
もなる。多過ぎるチタン化合物は、化成処理をコスト高
にすることからも不利である。フッ化物は、化成処理液
中でフッ素イオンに解離し、塗装原板の表面に接触した
状態では化成処理液中の酸成分と共に溶融めっき層表面
をエッチングする効果を奏する。フッ素イオンが少ない
と、溶融めっき層表面のエッチングが不足し、めっき層
表面に対する有機−無機複合皮膜の密着性が低下する。
逆に多過ぎるフッ素イオンでは、過剰量の溶出金属が有
機−無機複合皮膜に取り込まれ、有機−無機複合皮膜が
脆くなると共に、溶融めっき層に対する有機−無機複合
皮膜に密着性が低下する。
【0023】また、非クロム系化成処理剤にチタン化合
物及びフッ化物が共存しているので、チタンのフッ化物
錯体が生成し、フッ素イオンの解離が抑制される。その
ため、非クロム系化成処理剤と溶融めっき層との過剰反
応や処理液の急激な劣化が軽減され、安定条件下で有機
−無機複合皮膜が形成される。有機−無機複合皮膜は、
更にジルコニウム換算付着量で0.1〜30mg/m 2
のジルコニウム化合物を含むことができる。ジルコニウ
ム化合物は、チタン化合物と同様な作用を呈し、溶融め
っき層から溶出したAl,Mg等の金属イオンと共に有
機樹脂と反応し、難溶性の有機−無機複合皮膜を形成す
る。溶融めっき層から溶出してきた金属イオンとしてA
lやMgが多い場合、ジルコニウム化合物によって更に
安定な有機−無機複合皮膜が形成される。ジルコニウム
化合物の付着量が少ないと密着性や耐食性に及ぼす効果
が十分でないが、過剰量のジルコニウム化合物では塗装
後の加工性や塗膜密着性が低下し、化成処理もコスト高
になる。有機−無機複合皮膜の形成に先立って、必要に
応じニッケル又はコバルト析出型の酸性表面調整処理を
施すこともできる。酸性表面調整処理は、めっき層表面
にある不活性な皮膜をエッチング除去することによりめ
っき層表面の濡れ性を高めると共に、金属Niや金属C
oを置換析出させることによってめっき層表面と有機−
無機複合皮膜との密着性を高める。
【0024】めっき層の上に有機−無機複合皮膜が形成
された塗装原板に単層又は複層の塗膜が形成される。複
層構造の塗膜を形成する場合、従来の溶融Znめっき鋼
板や溶融Zn−Al系めっき鋼板用下塗り塗料樹脂を用
いて同様の塗膜厚で形成できる。具体的には、従来の溶
融亜鉛めっき鋼板や溶融Zn−Al系めっき鋼板と同様
に3〜10μmの範囲に塗膜厚が調整される。下塗り塗
膜樹脂には、エポキシ系,エポキシ・ウレタン系,アク
リル系,ポリエステル系,エポキシ変性ポリエステル
系,フェノキシ系等の樹脂が使用できる。Zn−Al−
Mg系めっき層自体が十分な耐食性をもち、その上に耐
食性に優れた有機−無機複合皮膜が形成されているた
め、防錆顔料無添加の下塗り樹脂塗料を用いて塗膜を形
成することもできる。しかし、防錆顔料を添加した塗料
樹脂を使用すると、より一層確実に優れた耐食性が得ら
れる。
【0025】防錆顔料を添加した下塗り塗料を使用する
場合、変性シリカ系防錆顔料,トリポリリン酸二水素ア
ルミニウム,リン酸亜鉛,リン酸カルシウム,炭酸カル
シウム,シリカ−カルシウム系等の1種又は2種以上の
非クロム系防錆顔料が配合される。変性シリカ系防錆顔
料は、たとえばイオン交換で多孔質シリカ粒子にカルシ
ウムイオンを結合させることによって得られる。また、
変性シリカ及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを下
塗り塗料に複合添加すると、カルシウムイオンの溶出が
抑制される。カルシウムイオンの溶出抑制は、キレート
結合のようなイオン結合によってシリカ粒子の表面にト
リポリリン酸二水素アルミニウムが結合することに起因
するものと考えられ、結果としてカルシウムイオン溶出
の持続性が向上する。
【0026】非クロム系防錆顔料は、塗料不揮発分に対
して2〜50質量%(好適には、5〜30質量%)の割
合で添加することが好ましい。非クロム系防錆顔料添加
による防錆効果は2質量%以上で顕著になるが、50質
量%を超える添加量では塗装後の加工性や塗膜密着性が
低下することがある。下塗り塗料には、防錆顔料の他に
酸化チタン,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,シリカ等
の顔料や各種の有機樹脂ビーズ,有機樹脂粉末,無機骨
材等の添加剤を含ませてもよい。下塗り塗料樹脂の分子
量,ガラス転移温度,顔料,骨材等は、塗装鋼板の用途
に応じて適宜調整される。
【0027】塗膜は単層又は複層の何れでもよいが、下
塗り塗膜の上に中塗り塗膜や上塗り塗膜を設ける複層構
成の塗膜では、従来の溶融亜鉛めっき鋼板や溶融Zn−
Al系めっき鋼板と同様の中塗り塗料,上塗り塗料をロ
ールコータ等で塗布することにより、同様な膜厚の中塗
り塗膜,上塗り塗膜を形成する。上塗り塗料,中塗り塗
料も、本発明を拘束するものではないが塗料樹脂の分子
量,ガラス転移温度,顔料,各種の有機樹脂ビーズ,有
機樹脂粉末,無機骨材等が塗装鋼板の用途に応じて適宜
選定される。或いは、樹脂フィルムを積層することによ
っても、上層樹脂膜を形成できる。
【0028】上塗り塗膜,中塗り塗膜用の塗料樹脂とし
ては、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系,シリ
コーン変性ポリエステル系,シリコーンアクリル系,ポ
リエーテルサルフォン系樹脂にポリテトラフルオロエチ
レンを添加した樹脂系,ポリ塩化ビニル系,フッ化ビニ
リデン系等、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が使用され
る。上塗り塗膜は、着色顔料を添加したカラー塗膜,透
明なクリア塗膜,メタリック顔料を添加したメタリック
塗膜の何れでもよい。
【0029】このように、特定組成のZn−Al−Mg
系めっき層が形成されためっき鋼板を塗装原板に使用
し、その上に有機−無機複合皮膜を介して塗膜を形成す
ると、Zn−Al−Mg系めっき層及び有機−無機複合
皮膜の耐食性が活用され、溶融めっき層に対する有機−
無機複合皮膜の付着性も良好であるため、従来の塗装溶
融Zn−Al系めっき鋼板で生じていた下塗り塗膜とめ
っき層との界面近傍が選択的に腐食される界面腐食が防
止される。その結果、平坦部はもとより、切断端面及び
塗膜疵付き部も優れた耐食性を呈する非クロム系塗装鋼
板が得られる。しかも、有機−無機複合皮膜を介して塗
膜が形成されるため塗膜密着性,加工性も優れている。
【0030】
【実施例】ゼンジミア方式の連続溶融めっきラインに板
厚0.4mmの普通鋼板を通板し、表1の組成をもつ溶
融めっき層を片面当りめっき付着量120g/m2で形
成した。各溶融めっき鋼板を表面調整処理した後、湯
洗,水洗によって洗浄し乾燥した。
【0031】
【0032】次いで、本発明例では、ヘキサフロオロチ
タン酸−ヘキサフロオロジルコニウム酸系の非クロム系
化成処理剤をロールコータで溶融めっき鋼板に塗布し、
水洗することなく100℃で乾燥した。溶融めっき層表
面に形成された有機−無機複合皮膜(塗装前処理No.
1)は、チタン換算付着量10mg/m2のチタン化合
物,フッ素換算付着量20mg/m2のフッ化物,ジル
コニウム換算付着量2.5mg/m2のジルコニウム化
合物,アミノメチル置換ポリビニルフェノール換算付着
量40mg/m2の有機成分を含んでいた。比較例で
は、チタン化合物及びフッ化物が少ない有機−無機複合
皮膜(塗装前処理No.2)の他に、塗布型クロメート
処理液(サーフコートNRC300NS 日本ペイント株式会社
製)をロールコータで塗布し、水洗することなく100
℃で乾燥することにより、クロム換算付着量40mg/
2のクロメート皮膜(塗装前処理No.3)を形成し
た。(表2)
【0033】
【0034】有機−無機複合皮膜又はクロメート皮膜が
設けられた各塗装原板に、乾燥膜厚が5μmとなる塗布
量で下塗り塗料を塗布し、215℃で乾燥することによ
り下塗り塗膜を形成した。下塗り塗料としては、変性シ
リカ防錆顔料,トリポリリン酸二水素アルミニウム,ク
ロム酸ストロンチウムを配合し、更に酸化チタン(着色
顔料),硫酸バリウム(体質顔料),シリカ粉末を添加
したエポキシ樹脂系塗料を使用した。下塗り塗料に含ま
れる防錆顔料の種類及び配合量を表3に示す。
【0035】
【0036】次いで、ポリエステル系樹脂系上塗り塗料
を下塗り塗膜に塗布し、同様に215℃で乾燥すること
により乾燥膜厚13μmの上塗り塗膜を形成した。作製
された各塗装鋼板から試験片を切り出し、塗膜密着性試
験,促進腐食試験、屋外曝露腐食試験に供した。塗膜密
着性試験では、20℃に調整された室内で評価する塗膜
面が外側になるように0〜4tの180度折曲げ加工を
順次施し、その都度折曲げ部に粘着テープを貼り付け引
き剥がし、塗膜の剥離状況を観察した。観察結果から、
0〜1tの折曲げ加工でも塗膜剥離が発生しなかったも
のを◎,2tで塗膜剥離が発生したものを○,3tで塗
膜剥離が発生したものを△,4tで塗膜剥離が発生した
ものを×として塗膜密着性を評価した。
【0037】促進腐食試験では、塗装鋼板の上下切断端
面及び裏面を塗料で補修し、平坦部の塗膜にカッターナ
イフで疵を付けた試験片を用意した。600サイクルの
酸性雨複合腐食試験[1サイクル:0.1%NaCl腐
食液噴霧(35℃×1時間,硫酸でpH4に調整)→乾
燥(50℃×4時間)→湿潤(50℃×3時間,相対湿
度98%)]後に、補修していない切断端面から発生し
た塗膜フクレ(エッジクリープ)及び切断端面の切り口
における赤錆発生率を測定した。併せて,塗膜疵付き部
からの錆発生率も測定した。
【0038】補修していない切断端面からの塗膜フクレ
幅が0.5mm以下を◎,0.6〜1.0mmを○,
1.1〜2.0mmを△,2.0mm以上を×として耐
塗膜フクレ性を評価した。赤錆発生率は、酸性雨複合腐
食試験で切断端面の切り口に発生した赤錆を観察し、試
験対象部の面積100に対する赤錆の発生率(%)を求
めた。切断端面の切り口に赤錆が検出されなかったもの
を◎,5%以下を○,5〜20%を△,20%以上を×
として耐赤錆性を評価した。更に、塗膜疵付き部から幅
を持った錆が検出されなかったものを◎,25%以下を
○,25〜50%を△,50%以上を×として塗膜疵付
き部の耐食性を評価した。
【0039】屋外曝露腐食試験では、塗装鋼板の上下切
断端面及び裏面を塗料で補修した試験片を用意した。千
葉県市川市の東京湾岸から5m内陸部の曝露試験場で1
年間屋外曝露試験した後、補修していない切断端面から
発生した塗膜フクレの幅及び切断端面切り口の赤錆発生
率を測定した。補修していない切断端面からの塗膜フク
レ幅が0.2mm以下を◎,0.3〜0.5mmを○,
0.6〜1.0mmを△,1.0mm以上を×として耐
塗膜フクレ性を評価した。また、切断端面の切り口に赤
錆が検出されなかったものを◎,5%以下を○,5〜2
0%を△,20%以上を×として耐赤錆性を評価した。
【0040】溶融Zn−Al系めっき鋼板を塗装原板と
する試験番号1〜16(本発明例)では、表4の調査結
果にみられるように、非クロメート系の化成処理及び非
クロム系防錆顔料を配合した下塗り塗膜を形成している
にも拘わらず、促進腐食試験及び曝露腐食試験の何れに
おいても切断端面及び塗膜疵付き部共に優れた耐食性を
示した。赤錆の発生率も低く、塗膜フクレもほとんど観
察されなかった。しかも、下塗り塗料に非クロム系化成
処理剤を配合しても、或いは防錆顔料の添加を省略して
も、従来の塗装鋼板を凌駕する優れた耐食性が発現し、
クロム系化合物を含まないために環境に悪影響を与えな
い塗装鋼板となることが確認された。
【0041】
【0042】これに対し、同じZn−Al−Mg系めっ
き鋼板を塗装原板とした場合であっても、チタン化合物
及びフッ化物が不足する有機−無機複合皮膜を介して塗
膜を形成した試験番号1〜4(比較例)では、表5にみ
られるように、有機−無機複合皮膜の耐食性が不足し、
切断端面に塗膜フクレが発生する場合があり、塗膜疵付
き部の耐食性も十分でなかった。更には、塗膜密着性も
劣っていた。
【0043】また、溶融亜鉛(0.2%Al)めっき鋼
板,溶融Zn−5%Alめっき鋼板,溶融Zn−55%
Alめっき鋼板を塗装原板とする試験番号5〜15(比
較例)では、赤錆発生率が高く、切断端面部や塗膜疵付
き部に塗膜フクレが発生していた。低い耐食性は、溶融
めっき層自体及び下塗り塗膜に添加した非クロム系防錆
顔料の防錆能不足に原因がある。また、クロム酸ストロ
ンチウムを防錆顔料として添加した下塗り塗料を用いた
試験番号16〜18(比較例)でも、切断端面に塗膜フ
クレが発生しており耐赤錆性にも劣っていた。非クロム
系防錆顔料を50質量%と増量した試験番号19(比較
例)では、耐食性の改善はみられるが、依然として切断
端面に塗膜フクレが発生していた。
【0044】本発明で規定した組成を満足するZn−A
l−Mg系めっき層が形成された溶融めっき鋼板をクロ
メート処理し、クロム酸ストロンチウムを防錆顔料とし
て下塗り塗膜に配合した参考例では、塗膜密着試験,促
進腐食試験,屋外曝露腐食試験の何れにおいても良好な
結果を示した。しかし、化成処理皮膜及び塗膜にクロム
が含まれていることから、環境への負荷が大きくなるこ
とが懸念される。
【0045】
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の非クロ
ム系塗装鋼板は、Zn−Al−Mg系めっき層及び有機
−無機複合皮膜の優れた耐食性を活用し、しかも溶融め
っき層に対する有機−無機複合皮膜の密着性も良好であ
るため、非クロム系化成処理剤を添加した或いは防錆顔
料無添加の塗膜を設けても、クロメート皮膜−クロム酸
ストロンチウム配合塗膜が形成された従来の塗装鋼板を
凌駕する優れた耐食性を呈し、切断端面,塗膜疵付き部
双方で高バランスで耐食性が改善された塗装鋼板が得ら
れる。しかも、非クロム系塗装前処理と非クロム系化成
処理剤配合又は防錆顔料無添加の塗膜を組み合わせるこ
とができるため、環境に悪影響を与えない連続塗装ライ
ンも構築可能になる。このようにして得られた塗装鋼板
は、外装建材,内装建材,家電製品,自動販売機,事務
機器,自動車用鋼板,エアコン室外機等、広範な分野で
使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/14 B05D 7/14 J 7/24 302 7/24 302A 302L C23C 2/06 C23C 2/06 2/40 2/40 22/50 22/50 (72)発明者 圓谷 浩 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 AB01 AB60 AC23 AC99 AE03 AE16 BB24Y BB24Z BB99Z CA13 CA33 CB13 CB14 DB02 DC02 DC10 EA07 EA15 EA43 EB16 EB22 EB35 EB38 EB60 EC08 EC10 EC11 EC13 EC15 EC24 4F100 AA02C AA04D AA05C AA08D AA36B AB03A AB09B AB09D AB10B AB11B AB11D AB12B AB18B AK01C BA04 BA07 BA10A BA10D CC00D EH46 EH71 EH71B EJ68 GB07 GB08 JB01 YY00C 4K026 AA02 AA07 AA13 AA22 BA01 BB06 BB08 CA39 EB08 4K027 AA02 AA05 AA22 AB02 AB05 AB09 AB28 AB32 AB41 AB44 AC72

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al:4〜22質量%,Mg:1〜4質
    量%,Ti:0〜0.1質量%,B:0〜0.045質
    量%,Si:0〜0.5質量%,残部が実質的にZnの
    組成をもつ溶融めっき層、チタン化合物,フッ化物及び
    有機樹脂を含む有機−無機複合皮膜、クロムを含まない
    塗膜が下地鋼の表面に順次積層されており、有機−無機
    複合皮膜に含まれるチタン化合物がチタン換算付着量で
    1〜100mg/m2,フッ化物がフッ素換算付着量で
    1〜200mg/m2であることを特徴とする耐食性に
    優れた非クロム系塗装鋼板。
  2. 【請求項2】 有機−無機複合皮膜が更にジルコニウム
    換算付着量で0.1〜30mg/m2のジルコニウム化
    合物を含む請求項1記載の非クロム系塗装鋼板。
  3. 【請求項3】 変性シリカ,トリポリリン酸二水素アル
    ミニウム,リン酸亜鉛,リン酸カルシウム,炭酸カルシ
    ウム,シリカ−カルシウム系から選ばれた1種又は2種
    以上の防錆顔料が塗料不揮発分に対して2〜50質量%
    の割合で塗膜に添加されている請求項1記載の非クロム
    系塗装鋼板。
JP2000388674A 2000-12-21 2000-12-21 耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板 Pending JP2002187234A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000388674A JP2002187234A (ja) 2000-12-21 2000-12-21 耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000388674A JP2002187234A (ja) 2000-12-21 2000-12-21 耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002187234A true JP2002187234A (ja) 2002-07-02

Family

ID=18855372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000388674A Pending JP2002187234A (ja) 2000-12-21 2000-12-21 耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002187234A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004009863A1 (ja) * 2002-07-24 2004-01-29 Nisshin Steel Co., Ltd. 光沢保持性の良好な溶融Zn基めっき鋼板およびその製造法
WO2004038060A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Nippon Steel Corporation 表面平滑性と成形性に優れる高耐食性溶融めっき鋼材と溶融めっき鋼材の製造方法
JP2004169145A (ja) * 2002-11-21 2004-06-17 Nisshin Steel Co Ltd ワイパー用プレコート鋼板及びワイパー
JP2005186287A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱非粘着塗装鋼板
JP2005290552A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 Nisshin Steel Co Ltd 耐食性,塗膜密着性,接着性に優れた化成処理鋼板
JP2005290551A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 Nisshin Steel Co Ltd 成形加工後の皮膜密着性に優れた化成処理鋼板
JP2006241495A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Nisshin Steel Co Ltd リン酸塩処理鋼板
JP2007260541A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Nippon Steel Corp プレコート金属板及びその製造方法
KR100817735B1 (ko) * 2003-09-16 2008-03-31 닛신 세이코 가부시키가이샤 광택 유지성이 양호한 용융 Zn 기본 도금 강판의 제조방법
JP2011000745A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Nisshin Steel Co Ltd 塗装鋼板およびそれを用いた外装部材
KR20160006225A (ko) 2013-09-11 2016-01-18 닛폰 스틸 앤드 스미킨 스테인레스 스틸 코포레이션 클리어 도장 스테인리스 강판
WO2017115846A1 (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 新日鐵住金株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02152578A (ja) * 1988-12-02 1990-06-12 Yodogawa Steel Works Ltd プレコート鋼板の製造方法
JPH0671807A (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 Kawasaki Steel Corp 耐食性に優れたプレコート鋼板
JPH07145486A (ja) * 1993-07-30 1995-06-06 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属表面処理用組成物および処理方法
JP2000064061A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Nippon Steel Corp 耐食性の優れた塗装鋼板
WO2000032351A2 (en) * 1998-12-01 2000-06-08 Ppg Industries Ohio, Inc. Weldable, coated metal substrates and methods for preparing and inhibiting corrosion of the same
JP2002531619A (ja) * 1998-12-02 2002-09-24 アルベマール・コーポレーシヨン 低粉じんで均衡の取れた硬度の抗酸化剤凝集物およびそれの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02152578A (ja) * 1988-12-02 1990-06-12 Yodogawa Steel Works Ltd プレコート鋼板の製造方法
JPH0671807A (ja) * 1992-08-26 1994-03-15 Kawasaki Steel Corp 耐食性に優れたプレコート鋼板
JPH07145486A (ja) * 1993-07-30 1995-06-06 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属表面処理用組成物および処理方法
JP2000064061A (ja) * 1998-08-18 2000-02-29 Nippon Steel Corp 耐食性の優れた塗装鋼板
WO2000032351A2 (en) * 1998-12-01 2000-06-08 Ppg Industries Ohio, Inc. Weldable, coated metal substrates and methods for preparing and inhibiting corrosion of the same
JP2002531619A (ja) * 1998-12-02 2002-09-24 アルベマール・コーポレーシヨン 低粉じんで均衡の取れた硬度の抗酸化剤凝集物およびそれの製造方法

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1524326A1 (en) * 2002-07-24 2005-04-20 Nisshin Steel Co., Ltd. Zinc-base hot dip galvanized steel sheet excellent in retention of gloss
AU2002323927B2 (en) * 2002-07-24 2005-08-25 Nisshin Steel Co., Ltd. Zinc-base hot dip galvanized steel sheet excellent in retention of gloss
EP1524326A4 (en) * 2002-07-24 2006-09-13 Nisshin Steel Co Ltd FIRE-GALVANIZED GALVANIZED ZINC BASE STEEL PLATE WITH EXCELLENT CONSERVATION OF THE GLOSS
WO2004009863A1 (ja) * 2002-07-24 2004-01-29 Nisshin Steel Co., Ltd. 光沢保持性の良好な溶融Zn基めっき鋼板およびその製造法
KR100808655B1 (ko) * 2002-10-28 2008-03-03 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 표면 평활성과 성형성이 우수한 고내식성 용융 도금 강재와용융 도금 강재의 제조 방법
WO2004038060A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Nippon Steel Corporation 表面平滑性と成形性に優れる高耐食性溶融めっき鋼材と溶融めっき鋼材の製造方法
US8029915B2 (en) 2002-10-28 2011-10-04 Nippon Steel Corporation Highly corrosion-resistant hot-dip galvanized steel product excellent in surface smoothness and formability and process for producing same
US7998533B2 (en) 2002-10-28 2011-08-16 Nippon Steel Corporation Highly corrosion-resistant hot-dip galvanized steel product excellent in surface smoothness and formability and process for producing same
JPWO2004038060A1 (ja) * 2002-10-28 2006-02-23 新日本製鐵株式会社 表面平滑性と成形性に優れる高耐食性溶融めっき鋼材と溶融めっき鋼材の製造方法
JP2004169145A (ja) * 2002-11-21 2004-06-17 Nisshin Steel Co Ltd ワイパー用プレコート鋼板及びワイパー
KR100817735B1 (ko) * 2003-09-16 2008-03-31 닛신 세이코 가부시키가이샤 광택 유지성이 양호한 용융 Zn 기본 도금 강판의 제조방법
JP2005186287A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱非粘着塗装鋼板
JP4579714B2 (ja) * 2004-03-08 2010-11-10 日新製鋼株式会社 成形加工後の皮膜密着性に優れた化成処理鋼板
JP4579715B2 (ja) * 2004-03-08 2010-11-10 日新製鋼株式会社 耐食性,塗膜密着性,接着性に優れた化成処理鋼板
JP2005290551A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 Nisshin Steel Co Ltd 成形加工後の皮膜密着性に優れた化成処理鋼板
JP2005290552A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 Nisshin Steel Co Ltd 耐食性,塗膜密着性,接着性に優れた化成処理鋼板
JP2006241495A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Nisshin Steel Co Ltd リン酸塩処理鋼板
JP2007260541A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Nippon Steel Corp プレコート金属板及びその製造方法
JP2011000745A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Nisshin Steel Co Ltd 塗装鋼板およびそれを用いた外装部材
KR20160006225A (ko) 2013-09-11 2016-01-18 닛폰 스틸 앤드 스미킨 스테인레스 스틸 코포레이션 클리어 도장 스테인리스 강판
WO2017115846A1 (ja) * 2015-12-28 2017-07-06 新日鐵住金株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JPWO2017115846A1 (ja) * 2015-12-28 2017-12-28 新日鐵住金株式会社 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3548979B2 (ja) 塗膜に非クロム化合物防錆顔料を使用した塗装金属板
JP4312583B2 (ja) 耐食性に優れた塗装Zn−Al系合金めっき鋼板
JP2001089868A (ja) プレコート金属板用下地処理剤、それを塗布した塗装下地処理金属板、及びそれを使用した塗膜の加工密着性に優れるプレコート金属板
JP2002187234A (ja) 耐食性に優れた非クロム系塗装鋼板
WO2001026895A1 (fr) Feuille d'acier recouverte d'un metal a base de zinc et traitee en surface
JP3567430B2 (ja) 耐食性に優れた塗装金属板
JP5380033B2 (ja) 耐食性と塗料密着性に優れた塗装金属材
JP4312635B2 (ja) 耐食性に優れた塗装アルミニウムめっき鋼板
JP2001214283A (ja) 表面処理亜鉛系めっき鋼板
JP2002363764A (ja) 塗装下地処理剤、表面処理方法、金属材、加工方法、及び金属製品
JP2000129460A (ja) 有機被覆亜鉛系メッキ鋼板
JP3810677B2 (ja) 塗装原板および塗装原板の表面調整方法ならびに加工部耐食性に優れた塗装鋼板の製造方法
JP2011168855A (ja) 端面耐食性に優れた塩ビ塗装鋼板
JP5398310B2 (ja) 塗装鋼板および外装部材
JP2008163364A (ja) 加工後の塗膜密着性およびフィルム接着性に優れた化成処理鋼板
JP2006116736A (ja) 耐食性に優れた塗装ステンレス鋼板
JP2968147B2 (ja) 亜鉛含有金属めっき鋼板用酸性置換めっき液組成物
JPH11140665A (ja) 端面耐食性に優れた塗装鋼板およびその製造方法
JP2005126812A (ja) 耐食性,塗装性,接着性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JP2003293156A (ja) 耐食性、塗料密着性及び塗装後耐食性に優れたリン酸塩処理鋼板及びその製造方法
JP3900070B2 (ja) 亜鉛系めっき鋼板のノンクロム処理
JP3156586B2 (ja) 耐白錆性と耐傷付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法
JP2004238699A (ja) 表面調整方法,非クロム系塗装原板及び非クロム系塗装鋼板の製造方法
JPH05302179A (ja) 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の酸性置換めっき液
JP4354851B2 (ja) 鋼板用防錆処理液及び防錆処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070313

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100427