JPH05302179A - 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の酸性置換めっき液 - Google Patents

亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の酸性置換めっき液

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JPH05302179A
JPH05302179A JP4131992A JP13199292A JPH05302179A JP H05302179 A JPH05302179 A JP H05302179A JP 4131992 A JP4131992 A JP 4131992A JP 13199292 A JP13199292 A JP 13199292A JP H05302179 A JPH05302179 A JP H05302179A
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/78Pretreatment of the material to be coated

Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の表面に接触さ
せて重金属被覆を形成させる酸性置換めっき液を提供す
る。 【構成】 ニッケル、鉄、コバルトの重金属イオンのう
ちの1種または2種以上を金属換算で0.1〜40g/
l、りん酸イオンを1〜100g/l、硫酸イオンを1
〜250g/l、有機酸を1〜250g/lおよびテル
ル、アンチモン、錫、鉛の1種または2種以上の化合物
を金属換算で0.001〜20g/l含有し、PHを1
〜4.5に調整したことを特徴とする亜鉛または亜鉛系
めっき鋼板の酸性置換めっき液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛または亜鉛系めっ
き鋼板の表面に接触させることによって非常に優れた塗
膜密着性を有する塗装下地用の重金属被覆を形成させる
ことができ、かつ、初期性能を長期にわたり維持して連
続使用が可能な酸性置換めっき液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、亜鉛または亜鉛系めっき鋼板
に酸性水溶液、特にりん酸塩水溶液を使用して塗装下地
被膜を形成し、その上に塗布する塗料または他の乾燥性
被膜の密着性を向上させる方法は広く工業的に実施され
ている。このりん酸塩処理被覆が、適正な被膜量および
結晶サイズをもつように管理されていれば満足すべき塗
膜性能結果が得られる。しかし、これらの物理量を適正
範囲に管理をするためには、めっきの種類、鋼板のライ
ンスピードに応じて化成処理条件を変化させるだけでな
く、処理液中に発生するスラッジを頻繁に除去する必要
がある。
【0003】従来の溶融亜鉛めっき鋼板より亜鉛めっき
層中の鉛量を減らした低鉛溶融亜鉛めっき鋼板は、めっ
き層中の結晶粒界およびめっき層と合金層との界面にお
ける鉛の偏析が回避され腐食防止に効果的であることが
見出されたため、最近各種業界で幅広く採用されている
が、従来の溶融亜鉛めっき鋼板とは異なり折り曲げ加工
時にクラックが発生し難いので鋼板と塗膜の中間に位置
するりん酸塩被膜にせん断応力が集中することとなる。
このため、りん酸塩被膜の凝集破壊が起り、その結果、
塗膜剥離を起こしやすくなると言われている。
【0004】このようなことから、りん酸塩処理に代わ
って処理液組成の維持、管理が容易で、かつ多様なめっ
きの種類、ラインスピードの変化に追従でき、さらには
処理廃液の公害上の問題が少ない等の利点をもつ、6価
クロムと3価クロムを含む塗布型クロメート処理が塗装
下地処理として採用されつつある。しかし、そのクロメ
ート被膜の塗膜密着性はりん酸塩被膜処理に比べて劣
り、特に加工度の大きい折り曲げ圧着加工が施されると
塗膜に剥離が生じ易い欠点があった。
【0005】このような塗布型クロメート被膜の剥離を
生じ易いという欠点を改善して塗膜密着性を向上させる
ために、特公昭43−12974号公報、特公昭5
2−22618号公報、特公昭52−43171号公
報および特開昭61−69978号公報等に、亜鉛ま
たは亜鉛系めっき鋼板にクロメート処理を行う前に、予
め鋼板にNi,Co,Fe等による置換めっき処理を施
すことによって、塗膜密着性を改善する方法が開示され
ている。
【0006】これら従来例のうちの、の特公昭43−
12974号公報に開示された技術は、クロメート処理
に先立って、PH11以上のCo2+,Fe2+,Fe3+
Ni2+を含む塩基性水溶液で亜鉛系めっき鋼板を処理す
る方法であるが、処理時間の経過に伴い処理液中に亜鉛
イオンが増加しスラッジを多量に生成するため、これを
除去する必要が生じ、作業性の面で問題があった。
【0007】また、従来例の特公昭52−22618
号公報およびの特公昭52−43171号公報に開示
された技術は、クロメート処理に先立って、PH1.5
前後のNi2+,Co2+,Fe2+,Fe3+を含む酸性の溶
液で亜鉛めっき鋼板を処理する方法であるが、いずれも
無機酸として腐食性の塩酸を使用しているため、ゴムラ
イニング等で被覆処理されたステンレス鋼製容器や配管
を使用しないとそれらの方法の適用が困難であり、作業
環境を悪くするという問題があった。
【0008】さらに、前記従来例の特開昭61−69
978号公報に開示された技術は、クロメート処理に先
立ち低鉛溶融亜鉛めっき鋼板を予め、Fe,Co,Ni
を含む塩酸、硫酸、りん酸またはアルカリ水溶液のいず
れかで処理する方法であるが、このうち、塩酸、硫酸ま
たはアルカリ水溶液を用いる場合には、処理時間の経過
に伴う亜鉛イオンの増加とPHの増加によりこれらの金
属が析出し難くなる問題があった。一方、りん酸を用い
る場合には、後述のように、そのPH緩衝能によってP
Hの増加を防ぎ、Fe,Ni、Coの置換析出が円滑に
行なわれるものと思われるが、この点について従来例
の明細書中には何らの説明もない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例のクロメ
ート処理に先立って、亜鉛めっき鋼板の表面にNi,C
o,Fe等による置換めっき処理を施すと、塗膜密着性
不良の問題に有力な対策となりうる。そこで亜鉛または
亜鉛系めっき鋼板に対し、処理時間が経過して置換めっ
き液中に亜鉛イオンが増加してきても、スラッジが発生
することなくNi,Co,Fe等の重金属を効率良く析
出させ、かつ装置の腐食を殆ど生じない汎用性のある置
換めっき液が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
前記従来例の特公昭52−22618号公報および
の特公昭52−43171号公報に開示された酸性置換
めっき液のスラッジ発生がなく長期にわたりその初期性
能を維持する特性を利用することに着目した。さらに、
これらの酸性置換めっき液は上述のように腐食性の塩酸
を含むので、これを改善して容器或は配管に対する腐食
性を低減させる必要がある。そこで、鋭意研究の結果、
塩酸に替えてPHの緩衝機能をもつりん酸を使用して腐
食性を低減させるとともに、テルル,アンチモン,錫、
鉛の1種または2種以上を置換めっき液中に添加して、
初期の効果を有効に持続させることに成功したものであ
る。
【0011】すなわち、本発明はニッケル、鉄、コバル
トの重金属イオンのうちの1種または2種以上を金属換
算で0.1〜40g/l、りん酸イオンを1〜100g
/l、硫酸イオンを1〜250g/l、有機酸を1〜2
50g/lおよびテルル、アンチモン、錫、鉛の1種ま
たは2種以上の化合物を金属換算で0.001〜20g
/l含有し、PHが1〜4.5に調整された酸性置換め
っき液を提供するものである。
【0012】
【作用】上記従来例の特公昭52−22618号公報
およびの特公昭52−43171号公報に開示された
酸性置換めっき液は、PH調整を目的として塩酸、硫
酸、弗化水素酸、ケイ弗化水素酸等の無機酸あるいはク
エン酸、酢酸、蓚酸等の有機酸を含み、溶出してくる亜
鉛イオンは上記無機酸と塩を形成するかあるいは有機酸
が亜鉛イオンを錯化して溶存する。かかる酸性置換めっ
き液では亜鉛イオン濃度の増加によってPHが上昇しや
すく置換めっき反応が低下してくる。その結果、めっき
液を所望のPHに維持するため上記無機酸の添加量が多
くなり、例えばステンレス鋼製のめっき液タンクあるい
は配管等が腐食されやすくなる。そこで予め酸性置換め
っき液中に、上に例示した無機酸とは異なり、PH緩衝
能をもつりん酸を添加しておくと、亜鉛イオン濃度が増
加してもPH変動が緩和され、遊離の上記無機酸イオン
量を抑制できることを見い出した。これによって、従来
の酸性置換めっき液を前述のステンレス鋼容器或は配管
等に対する腐食性の殆どない酸性置換めっき液とするこ
とができたのである。
【0013】また、前記従来例に開示された酸性置換め
っき液には亜鉛イオン量が増加してきても置換めっき能
力が低下しないようにアンチモン、錫、鉛等の化合物を
含有させているが、本発明の酸性置換めっき液にはテル
ルの化合物を含有させても初期置換めっき反応を長期に
わたり維持し、めっき液の連続使用を可能ならしめるこ
とを見い出した。
【0014】本発明の酸性置換めっき液は以下の成分を
含有しなければならない。まず、ニッケル、鉄、コバル
トのうちの1種または2種以上の重金属イオンを含むこ
とが必要であるが、これらをめっき液中に供給するため
には、これらの硫酸塩、りん酸塩、炭酸塩、酸化物、水
酸化物あるいは有機酸塩などを用いることが望ましい。
硝酸塩は亜鉛溶解時にりん酸塩被膜を形成させるので好
ましくなく、また塩化物は長期に使用した場合、塩素イ
オンが蓄積しめっき装置の腐食を起こす危険性があるの
でこれも好ましくない。
【0015】めっき液に含有される重金属イオン量は金
属換算で0.1〜40g/lである。0.1g/l未満
では析出する金属量が不十分であり所望の効果が得られ
ない。一方、40g/lを超えると金属析出量は飽和し
液の持ち出しによる経済的損失をもたらす。
【0016】次にりん酸イオンであるが、これはオルト
りん酸を用いることが好ましい。めっき液中に含有され
るりん酸はりん酸イオンとして1〜100g/lであ
る。1g/l未満ではPHが急激に上昇し成分バランス
に影響をきたし、100g/lを超えるとPH緩衝能は
飽和し亜鉛のエッチング量だけが多くなり析出効率は変
わらず経済的でない。
【0017】硫酸イオンは硫酸から供給されるが、めっ
き液中に1〜250g/l含有しなければならない。1
g/l未満では溶解してくる亜鉛イオンを捕捉するのに
不十分であり、250g/lを超えるとその効果は飽和
し経済的でない。
【0018】また、有機酸としてはグリコール酸、乳
酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコ
ルビン酸からなる群より1種または2種以上を1〜25
0g/l含有しなければならない。有機酸量が1g/l
未満では溶解してくる亜鉛を捕捉するのに不十分である
ばかりでなくPH緩衝能も低下し、250g/lを超え
るとその効果は飽和し経済的損失をもたらすのみであ
る。
【0019】初期の置換めっき反応性を長期にわたり維
持させるために、テルル、アンチモン、錫、鉛の化合物
の1種または2種以上を処理液に添加するが、その含有
量は金属換算で0.001〜20g/lでなければなら
ない。これらをめっき液中に供給するには、硫酸第一
錫、酢酸第一錫、酒石酸アンチモニルカリウム、酒石酸
アンチモニルナトリウム、蓚酸アンチモンカリウム、亜
テルル酸カリウム、酢酸鉛、ケイ弗化鉛等の無機塩また
は有機塩の水溶性ないしは酸性液に可溶な化合物を使用
するのが好ましい。これらの化合物が処理液中に添加さ
れる量が金属換算で0.001g/l未満では効率良く
重金属を析出させることができず、一方20g/lを超
えると析出量が過剰となりその制御が困難となる。
【0020】このような成分組成をもつ酸性置換めっき
液のPHは1〜4.5の範囲であるが、PHを維持する
ためにさらに弗化水素酸、ケイ弗化水素酸をめっき液に
添加してもよい。PH範囲を1〜4.5に限定したのは
PH1未満では過剰の無機酸を含有していることを意味
し亜鉛エッチング量が多くなるばかりでなく装置腐食の
問題を引き起こす危険性があるので好ましくなく、一方
PH4.5を超えると亜鉛イオン量が増加してきた場合
に置換めっき反応性が低下するので好ましくないからで
ある。
【0021】酸性置換めっきを行なうには、亜鉛または
亜鉛系めっき鋼板表面を噴霧、浸漬、塗布等によって酸
性置換めっき液と接触させ、水洗後、乾燥すればよい。
めっき液の温度は室温〜80℃、処理時間は1分以内で
充分であり、析出する重金属量として1〜100mg/
2 の範囲であれば塗装下地処理としての性能を満足さ
せることができる。1mg/m2 未満では塗膜の密着性
向上に効果は認められず、100mg/m2 を超えると
塗膜密着性向上効果は飽和し経済的損失をもたらす。な
お、乾燥は水分が飛ぶ程度で充分であり、板温として5
0〜100℃の範囲が通常である。
【0022】本発明の置換めっき液は、純亜鉛、溶融亜
鉛めっき、アルミニウムを合金成分として含む溶融亜鉛
めっき、電気めっきした亜鉛または亜鉛系めっき鋼板の
表面に対して適用され、置換めっき処理された亜鉛また
は亜鉛系めっき鋼板は通常耐食性向上を目的として塗布
型クロメート処理、それに引続き塗装が行われる。この
ような工程で表面処理された亜鉛または亜鉛系めっき鋼
板表面にはち密なエッチング肌が付与されることによる
塗膜へのアンカー効果と、かつ析出した重金属と後処理
のクロメート被膜との間で何らかのインタラクション効
果(相互作用)が働きクロメート被膜が吸着固定化され
ることにより、亜鉛または亜鉛系めっき鋼板素地並びに
塗膜との密着性が向上するものと考えられる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳しく
説明する。なお、これらの実施例は本発明の説明のため
に記述するものであり、本発明を何ら限定するものでは
ない。
【0024】[実施例1〜3および比較例1〜4]下記
(1)の供試試験板に、表1に示される本発明の実施例
No.1〜3および比較例No.1〜3の各処理条件に
従って置換めっきを施した。次いで置換めっき処理後の
試験板および置換めっき処理が施されていない供試試験
板(比較例No.4)に下記(3)〜(6)の洗浄、乾
燥、クロメート処理、塗装の処理をこの順で施した。そ
してこれらの処理を施した供試試験板に対して、下記
(7)、(8)の塗装板の折り曲げ試験および塗装板の
耐食性試験を行った。表1には適用した置換めっき処理
条件、供試試験板を連続加工処理して亜鉛を溶解させた
処理液についての液中亜鉛イオン量とスラッジの発生の
有無、置換めっき処理による重金属の析出量、塗装板の
折り曲げ試験および塗装板の耐食性試験の結果を示し
た。
【0025】
【表1】
【0026】(1)供試試験板:溶融亜鉛めっき鋼板、
ミニマイズドスパングルの無塗油板 板厚0.35mm 、目付量90g/m2 (2)置換めっき処理:表1に示した。 (3)洗浄:水道水により10秒間スプレー洗浄した。
【0027】(4)乾燥:ドライヤーにより乾燥。 (5)クロメート処理:塗布型クロメート液(Cr6+
・4%,Cr3+・・2%,SiO2 ・・9%を含有する
水分散液)をロールコート法によりクロム付着量目標値
60mg/m2 で塗布した後、150℃の熱風乾燥炉で
最高到達板温60℃で乾燥した。
【0028】(6)塗装:裏面用アルキッド塗料をバー
コート法で乾燥塗膜厚6μmで塗装した後、300℃の
熱風乾燥炉で最高到達板温210℃で焼付乾燥した。 (7)塗装板の折り曲げ試験:JIS−G−3312の
着色亜鉛鉄板の試験法に準じて、各供試試験板に対し2
0℃における折り曲げ内側間隔板2枚の2T折り曲げ試
験を行い、テープ剥離後の剥離状態を下記判定基準で評
価した。 5:異常なし 4:亀裂のみ、および剥離面積5%未満 3:剥離面積5%〜25%未満 2:剥離面積25%〜50%未満 1:剥離面積50%以上
【0029】(8)塗装板の耐食性試験:各供試試験板
から70×150mmの試験板を切り出し,JIS−Z
−2371に規定された塩水噴霧試験を実施し500時
間後の塗装板表面に発生したブリスターをASTM(Am
erican Society for Testing Materials)規格に準じて
判定した。
【0030】[実施例4〜6および比較例5〜8]下記
(1)の供試試験板に、表2に示される本発明の実施例
No.4〜6および比較例No.5〜6の各処理条件に
従って置換めっき処理を施した。次いで置換めっき処理
後の試験板又は置換めっき処理が施されていない供試試
験板(比較例No.8)に下記(3)〜(6)の洗浄、
乾燥、クロメート処理、塗装をこの順で施した。また比
較例No.7としてりん酸亜鉛処理後塗装を行い、各供
試試験板に対して下記からなる塗装板の折り曲げ試験お
よび塗装板のエッジクリープ試験を行った。表2には適
用した置換めっき処理条件、供試試験板を連続加工処理
して亜鉛を溶解させた処理液についての液中亜鉛イオン
量とスラッジの発生の有無、置換めっき処理による重金
属の析出量、塗装板の折り曲げ試験および塗装板のエッ
ジクリープ試験の結果を示した。
【0031】
【表2】
【0032】(1)供試試験板:極低鉛溶融亜鉛めっき
鋼板(めっき浴中のPb量0.003%)、無塗油板、
板厚0.4mm 、目付量125g/m2 (2)置換めっき処理:表2に示した。 (3)洗浄:水道水により10秒間スプレー洗浄した。
【0033】(4)乾燥:ドライヤーにより乾燥。 (5)クロメート処理:塗布型クロメート液(Cr6+
・3%,Cr3+・・2%,SiO2 ・・7%,樹脂・・
0.5%を含有する水分散液)をロールコート法により
クロム付着量目標値70mg/m2 で塗布した後、15
0℃の熱風乾燥炉で最高到達板温60℃で乾燥した。 (6)塗装:エポキシ系プライマーをバーコート法で乾
燥塗膜厚5μmで塗装した後、300℃の熱風乾燥炉で
最高到達板温195℃で焼付乾燥し、次いでポリエステ
ル系トップコートを乾燥塗膜厚12μmで塗装した後、
300℃の熱風乾燥炉で最高到達板温220℃で焼付乾
燥した。
【0034】(7)塗装板の折り曲げ試験:JIS−G
−3312の着色亜鉛鉄板の試験法に準じて、各供試試
験板に対し20℃における折り曲げ内側間隔板1枚の1
T折り曲げ試験を行い、テープ剥離後の剥離状態を下記
判定基準で評価した。 5:異常なし 4:亀裂のみ、および剥離面積5%未満 3:剥離面積5%〜25%未満 2:剥離面積25%〜50%未満 1:剥離面積50%以上
【0035】(8)塗装板のエッジクリープ試験:各供
試試験板から70×150mmの試験板を両端面にバリ
が出るように切り出し、JIS−Z−2371に規定さ
れた塩水噴霧試験を実施し1000時間後の端面からの
最大クリープ幅(mm)を両サイド測定しこれらの平均
値で記載した。
【0036】[実施例7〜9および比較例9〜11]下
記(1)の供試試験板に、表3に示される本発明の実施
例No.7〜9と比較例No.9〜10の各処理条件に
従って置換めっき処理を施した。次いで置換めっき処理
後の試験板又は置換めっき処理が施されていない供試試
験板(比較例No.11)に下記(2)〜(9)の脱
脂、洗浄、乾燥、クロメート処理、塗装の工程をこの順
で施した。そしてこれらの処理を施した供試試験板に対
して下記(10)、(11)の塗装板の密着性試験およ
び塗装板の耐食性試験を行った。そして表3には適用し
た置換めっき処理条件、供試試験板を連続加工処理して
亜鉛を溶解させた処理液についての液中亜鉛イオン量と
スラッジの発生の有無、置換めっき処理による重金属の
析出量、塗装板の密着性試験および塗装板の耐食性試験
の結果を示した。
【0037】
【表3】
【0038】(1)供試試験板:電気亜鉛めっき鋼板、
塗油板、板厚0.8mm、目付量20g/m2 (2)脱脂:日本パーカライジング社製アルカリ脱脂剤
CL−N364S,2%水溶液で温度60℃、スプレー
30秒行った。 (3)洗浄:水道水による10秒間のスプレー洗浄をし
た。
【0039】(4)ロール絞り: (5)置換めっき処理:表3に示した。 (6)洗浄:水道水により10秒間スプレー洗浄した。 (7)乾燥:ドライヤーにより乾燥。
【0040】(8)クロメート処理:塗布型クロメート
液(Cr6+・・・2%,Cr3+・・・1%を含有する水
溶液)をロールコート法によりクロム付着量目標値50
mg/m2 で塗布した後、250℃の熱風乾燥炉で最高
到達板温150℃で乾燥した。 (9)塗装:焼付型メラミンアルキッド塗料をバーコー
ト法で乾燥塗膜厚25μmで塗装した後、板温140℃
で20分焼付乾燥した。
【0041】(10)塗装板の密着性試験: ゴバン目試験 各供試試験板に対し1mm平方のマス目を素地金属まで
達するようにカッターで切込み、テープ剥離後の塗膜の
剥離程度を観察した。 エリクセン試験 各供試試験板に対しエリクセン押出機により6mm押出
し、テープ剥離後の塗膜の剥離程度を観察した。 上記項目の塗装板の密着性は塗膜の剥離程度によって次
の4段階に分けて評価した。 ◎:塗膜剥離0% ○:塗膜剥離10%未満 △:塗膜剥離10%〜30%未満 ×:塗膜剥離30%以上
【0042】(11)塗装板の耐食性:各供試試験板か
ら70〜150mmの試験板を切り出し塗膜に素地金属
まで達するキズをカッターで入れ、塩水噴霧試験を20
0時間行った後、テープ剥離を行いキズからの最大片側
剥離幅(mm)を測定した。
【0043】表1から明らかなように、置換めっき液中
にりん酸イオンを含有しない比較例No.1は溶出亜鉛
イオンの増加に従いPHが上昇するため、重金属の析出
量が少なくなり塗装板の折り曲げ密着性が低下した。ま
た、比較例No.2〜3は溶出亜鉛イオン量の増加によ
ってスラッジが発生した。さらに置換めっき処理されて
いない比較例No.4は塗装板の密着性が劣るのに対
し、本発明の実施例No.1〜3は溶出亜鉛イオン量が
増加してもスラッジが発生せず、かつ長期にわたってそ
の初期性能を維持できた。
【0044】表2から明らかなように、極低鉛溶融亜鉛
めっき鋼板に対してはりん酸亜鉛被膜が形成される比較
例No.5,7は塗装板の折り曲げ密着性が劣った。ま
た硫酸が添加されてなく、かつテルル、アンチモン、
錫、鉛等の化合物が含まれていない比較例No.6は溶
出亜鉛イオン量の増加に従い重金属の置換析出性が低下
しスラッジが発生した。さらに置換めっき処理されてい
ない比較例No.8は塗装板の折り曲げ密着性およびエ
ッジクリープ性が劣るのに対し、本発明の実施例No.
4〜6は亜鉛イオンが溶解してきてもりん酸塩被膜が形
成されずその初期性能を長期にわたって維持できた。
【0045】表3から明らかなように、有機酸の添加さ
れていない比較例No.9は溶出亜鉛イオン量の増加に
従いPHが上昇するため重金属の析出量が少なくなると
共にスラッジが発生した。また、テルル、アンチモン、
錫、鉛等の化合物が添加されていない比較例No.10
は僅かな亜鉛イオン量のときでも重金属の析出量が低下
し塗装板の密着性が低下した。さらに、置換めっき処理
されていない比較例No.11は塗装板の密着性および
耐食性が劣るのに対し、本発明の実施例No.7〜9は
長期にわたってその初期性能を維持した。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る亜鉛
または亜鉛系めっき鋼板の酸性置換めっき液は、塗装下
地処理として適用したとき優れた塗装板の密着性および
耐食性が得られると共に、置換めっき液の初期性能を長
期にわたり維持し連続使用可能とすることができ、さら
に装置の腐食がほとんどなく、その工業的価値は大きい
ものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル、鉄、コバルトの重金属イオン
    のうちの1種または2種以上を金属換算で0.1〜40
    g/l、りん酸イオンを1〜100g/l、硫酸イオン
    を1〜250g/l、有機酸を1〜250g/lおよび
    テルル、アンチモン、錫、鉛の1種または2種以上の化
    合物を金属換算で0.001〜20g/l含有し、PH
    を1〜4.5に調整したことを特徴とする亜鉛または亜
    鉛系めっき鋼板の酸性置換めっき液。
  2. 【請求項2】 有機酸がグリコール酸、乳酸、リンゴ
    酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸か
    らなる群より選ばれる特許請求の範囲第1項記載の亜鉛
    または亜鉛系めっき鋼板の酸性置換めっき液。
  3. 【請求項3】 さらに弗化水素酸、ケイ弗化水素酸を含
    む特許請求の範囲第1項記載の亜鉛または亜鉛系めっき
    鋼板の酸性置換めっき液。
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