JP4291022B2 - 金属材料用表面処理剤及び表面処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装密着性、端面耐食性に優れる表面処理剤及び処理方法に関するものであり、特に有毒とされているクロムを含まない表面処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家電用、建材用、自動車用などの部品に、加工後塗装されていた従来のポスト塗装製品の前処理にはりん酸塩などが多く使用されているが、近年特に家電用に関しては、このような前処理に代わって、着色した有機皮膜を被覆したプレコート金属板が使用されるようになってきている。この金属板は、下地処理を施した金属板及びめっき金属板に有機皮膜を被覆したもので、美観を有しながら、加工性を有し、耐食性が良好であるという特性を有している。
【0003】
例えば、特許文献1にはポリエステル系樹脂皮膜の構造を規定することによって加工性と耐汚染性、硬度に優れたプレコート鋼板を得る技術が開示されている。一方、特許文献2には、特定のクロメート処理液を塗布し、水洗することなく乾燥することで端面耐食性を改善したプレコート鋼板が開示されている。
これらのプレコート鋼板は、クロメート処理、有機皮膜の複合効果によって耐食性と共に、加工性、塗料密着性を有し、加工後塗装を省略して、生産性や品質改良を目的としており、現在では汎用的に使用されている。
【0004】
しかしながら、クロメート処理及びクロム系防錆顔料を含む有機皮膜から溶出する可能性のある6価のクロムの毒性問題から、最近ではノンクロム防錆処理、ノンクロム有機皮膜に対する要望が高まっている。特許文献3には、クロメート処理に代わる非クロム系防錆処理方法として、チオ尿素とタンニンまたはタンニン酸を含有する水溶液による処理技術が開示されているが、本防錆処理方法を用いてプレコート金属板を作製した場合、加工形状の厳しい家電用途、自動車用途などに適用すると、加工部での塗膜密着性が大きく劣る問題点がある。
【0005】
特許文献4には、タンニン酸とシランカップリング剤を含有する水溶液で表面処理することで、耐白錆性及び塗料密着性を向上させる技術が開示されているが、この方法でもプレコート金属板に要求される加工密着性を確保することはできない。また、自動車用については、現在も加工後塗装する場合りん酸塩処理を前処理として行っている。しかし、このりん酸塩処理は、処理前に表面調整を必要としたり、処理後水洗、乾燥など工程が複雑であったりするため、工程の短縮、コストの低減などが求められている。
【0006】
特許文献5には、亜鉛系めっき鋼板の表面にシリカ微粒子とポリ(メタ)アクリル酸などの結合剤を含む化成皮膜を形成することが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−168723号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平3−300180号公報
【0009】
【特許文献3】
特開昭53−9238号公報
【0010】
【特許文献4】
特開昭59−116381号公報
【0011】
【特許文献5】
特開2002−80979
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明においては、非クロム系でありかつ塗装下地に使用した場合、端面耐食性に優れる表面処理金属板用処理剤を提供することを目的とする。
【0013】
本発明者はこれらの従来技術の抱える前記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、金属用表面処理剤として、次の水系組成物を使用することにより、金属材料の耐食性や塗装樹脂と金属板との密着性を飛躍的に向上させ、上述の課題を解決することができることを見出した。すなわち、本発明は、(1) 水と、Co、Zr、 Ni、Zn及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属の炭酸塩(A)と、水分散性シリカ(B)と、1分子中にカルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を含み、1分子中の炭素数が3〜10の有機酸(C)とからなることを特徴とする金属材料用表面処理剤、(2)水と、Co、Zr、Ni、Zn及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属の炭酸塩(A)と水分散性シリカ(B)と、1分子中にカルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を含み、1分子中の炭素数が3〜10の有機酸(C)と、Ti、V、Mo、W及びCeから選ばれる1種の金属化合物(D)とからなることを特徴とする金属材料用表面処理剤が提供される。
本発明の金属材料表面処理剤は、塗装下地処理剤であることが好ましい。特定の金属の炭酸塩(A)と水分散性シリカ(B)との配合比(A)/(B)が、重量比で1/9〜9/1の範囲であることがさらに好ましい。さらに本発明は、このような金属材料用表面処理剤を金属材料表面に塗布後乾燥し、乾燥皮膜量として0.01〜1g/m2被覆することを特徴とする金属材料の表面処理方法に関するものである。
【0014】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の金属材料用表面処理剤に使用される、特定の金属の炭酸塩(A)は、正塩と塩基性塩に分けられる。正塩の例として、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸銅、炭酸ニッケルなどが挙げられ、塩基性塩としては、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸コバルト、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸ニッケル、塩基性炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。本発明で用いる金属の炭酸塩(A)はこれらに限定されるものではなく、Co,Zr,Ni,Zn,Cuから選ばれる金属の炭酸塩であれば正塩、塩基性塩いずれも使用できる。
【0015】
次に本発明の金属材料表面処理剤で使用される水分散性シリカ(B)としては、コロイダルシリカ、気相シリカがある。コロイダルシリカとしては、特に限定するものではないが、スノーテックスC、スノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックスS、スノーテックスUP、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−L、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40(何れも日産化学工業製)、などが挙げられる。気相シリカとしては、特に限定するものではないが、アエロジル50、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルMOX80、アエロジルMOX170(何れも日本アエロジル製)、などが挙げられる。
【0016】
本発明の金属材料用表面処理剤中の特定の金属の炭酸塩(A)と水分散性シリカ(B)との配合比(A)/(B)は、重量比で1/9〜9/1であることが好ましい。(A)/(B)が1/9を越えて水分散性シリカ(B)が存在すると、密着性、耐食性に寄与する金属の炭酸塩の含有量が少ないため、耐食性が劣化したり、皮膜が割れやすくなるため加工後密着性が低下する。(A)/(B)が9/1を越えて金属の炭酸塩(A)が存在すると、主に上塗り塗膜との密着性に寄与する水分散性シリカの含有量が少ないため、塗装密着性が低下する。更に好ましい配合比(A)/(B)は3/7〜7/3である。
【0017】
本発明の金属材料表面処理剤に用いられる特定の有機酸(C)は、1分子中にカルボキシル基及び水酸基の少なくとも1種を含み、1分子中の炭素数が3〜10であれば特に限定されない。このような有機酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、タンニン酸、アジピン酸、グルタミン酸、プロピオン酸、フィチン酸、安息香酸などが挙げられる。1分子中の炭素数は、3乃至10であることが好ましい。炭素数が11以上になると、形成される液状組成物の亜鉛含有めっき表面への吸着性が低下するため、塗装密着性、耐食性、加工性などが不十分になる。また炭素数が3未満の場合、酸性が強くなり、素材を腐食させることにより逆に耐食性、上塗り塗膜密着性が低下するので好ましくない。さらに好ましい範囲は3〜8である。
【0018】
また有機酸(C)の含有量は、特定の金属の炭酸塩(A)に対して重量比で1乃至50%の範囲であることが好ましい。1%未満ではその添加効果が発現せず、50%を越えて含有させると、塗装密着性が低下するので好ましくない。より好ましい範囲として10乃至30%である。
【0019】
本発明の金属表面処理剤に副成分として含有されることがあるTi、V、Mo、W及びCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物(D)は、前記金属の酸化物、水酸化物、錯化合物、無機酸、或いは有機酸の塩などであり、前記金属材料用表面処理剤と相溶性の良いものであれば適用できる。ここで、相溶性とは炭酸塩に対しては副成分を含有させることにより炭酸イオンを炭酸ガスに変えて表面処理剤中で無機塩を析出させたり、炭酸イオンと副成分の対イオンとの置換反応により不溶性塩を生成したりせずに表面処理剤中で安定に溶解できる性質をいい、水分散性シリカに対しては、シリカ表面の電荷を中和し凝集沈殿することなく表面処理剤中で安定に分散できる性質である。例えば、硫酸チタニル、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン、乳酸とチタニウムアルコキシドとの反応物、チタンラウレート、五酸化バナジウム、メタバナジン酸、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、オキシ三塩化バナジウム等、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、三塩化バナジウム、リンバナドモリブデン酸、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブドリン酸化合物、メタタングステン酸、メタタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸ナトリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、塩化セリウム等が挙げられる。モリブデン(VI)化合物、バナジウム(V)化合物、タングステン(VI)化合物については、アルコール類、有機酸類等の還元剤を用いて還元したものも使用可能である。
【0020】
本発明の金属材料用表面処理剤は、金属材料表面に塗布後乾燥し、乾燥皮膜重量として0.01〜1g/mの範囲で被覆することが好ましい。0.01g/m以下では皮膜量が少ないため耐食性が不十分となる。また1g/mをこえて被覆した場合は、加工後密着性が不十分であったり、コスト面で不利になる。さらに好ましい範囲として0.05〜0.3g/mの範囲である。
【0021】
本発明の表面処理は、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融合金化亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミ−亜鉛合金化めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板、チタン板、マグネシウム板など一般に公知の金属材料及びめっき板を適用できる。これらの金属板は、処理前に湯洗、アルカリ脱脂、表面調整などの通常の処理を行っても構わない。本発明の表面処理は、特定の金属の炭酸塩(A)と、水分散性シリカ(B)と、有機酸(C)、及びまたは金属化合物(D)を含有する薬液を塗布し、乾燥することを特徴としている。
【0022】
本発明の表面処理剤は従来の塗布方法、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸漬、バーコート、刷毛塗りなどで行うことができる。また、塗布後の乾燥温度、乾燥時間は特に制限されるものでは無く、被塗物に塗布後、水分が乾燥する温度、時間であれば構わない。なお、本発明の表面処理剤中には、被塗面に均一な皮膜を得るためには濡性向上剤と呼ばれる界面活性剤や増粘剤、溶接性の向上のための導電性物質、意匠性向上のための着色顔料等を添加することもできる。
【0023】
【作用】
本発明の特定の金属の炭酸塩(A)が必須成分として用いられる理由は、ナトリウム、カリウムなどの金属塩では、塗布乾燥した後にナトリウムやカリウムなどが夾雑物として素材と上塗り塗膜との間に残存し、これらが可溶性であるためにさまざまな環境下で長期間放置すると溶解により塗装密着性が劣化するためである。また、特定の金属を炭酸塩として用いることにより素材表面上に塗布乾燥した後、炭酸が昇華し残存した金属が活性化されるため、上塗り塗膜との密着、水分散性シリカ(B)との密着、素材との密着が発現し、塗装鋼板としての耐食性が発現すると推定される。
また、有機酸(C)は、表面処理剤中の金属化合物(A),(D)をキレートする作用を有しており、水系組成物中で金属化合物を安定化させる働きや、素材表面を僅かにエッチングする作用により塗装密着性を向上させる効果、また亜鉛含有めっきの場合、亜鉛の酸化、腐食を抑制する効果がある。
さらに追加成分として特定の金属化合物(D)は、何れも遷移金属化合物で空軌道を有しており1種のカチオノイドと考えられ、同様に金属表面に固着する性質も持っている。これにより素材金属の外殻軌道と重なる程度に十分近い距離であるため、φ軌道を利用して腐食によって生ずる電子を非局在化する作用を持ち、このことによって、表面電位が均一に保たれ、優れた耐食性(平面部のみならず、切断端面、キズ部)を付与すると考えられる。これらの作用によりこれまで使用してきたクロメート処理と同等以上の塗膜密着性、耐食性、加工性が得られるのである。
【0024】
【実施例】
以下に本発明の実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
1.試験板の作製
1.1 供試材
・電気めっき鋼板(以下記号:EG)
板厚0.6mm、めっき付着量片面当たり20g/m2(両面めっき)
・溶融亜鉛めっき鋼板(以下記号:GI)
板厚0.6mm、亜鉛付着量片面当たり50g/m2(両面めっき)
・アルミ−亜鉛合金化めっき鋼板(以下記号:GL)
板厚0.6mm、めっき付着量片面当たり50g/m2(両面めっき)
1.2 前処理
供試材をアルカリ脱脂剤のCL−N364S(日本パ−カライジング製)を用いて、濃度20g/L、温度60℃の水溶液中に10秒間浸漬し、純水で水洗した後乾燥した。
1.3 表面処理
・実施例1〜11、比較例1〜4
表1に示す組成の表面処理剤を用いて、ロールコーターにて所定の膜厚となるように塗布し、熱風乾燥炉で到達板温度が80℃となるように乾燥した。
・塗布型クロメート処理(比較例5)
GI材を使用し塗布クロメート薬剤としてZM−1300AN(日本パ−カライジング製)を用いて、ロールコーターにてCr付着量がそれぞれ40mg/m2となるように塗布し、熱風乾燥炉で到達板温度が80℃となるように乾燥した。
1.4 試験板作製方法
実施例及び比較例で作製した各処理板に市販の下塗り塗料(大日本塗料(株)製、Vニット#200)を塗布(膜厚5.5μm)200℃焼き付けし、更に上塗り塗料(大日本塗料(株)製、Vニット#500)を塗布(膜厚17μm)220℃焼き付けを行い試験板とした。
【0025】
2.評価試験
2.1 耐食性
試験塗膜に金属素地に達する傷をカッターで入れ、JIS−Z2371に規定された塩水噴霧試験を480時間実施した。判定基準はカット部からの塗膜膨れ幅( −片側最大値)を測定した。また、端面耐食性は、端面からの塗膜膨れ幅−最大値 を測定した。
<評価基準−カット部>
◎:2mm未満
○:2mm以上5mm未満
△:5mm以上10mm未満
×:10mm以上
<評価基準−端面>
◎:4mm未満
○:4mm以上8mm未満
△:8mm以上12mm未満
×:12mm以上
2.2 折り曲げ密着性試験
2.2.1 一次折り曲げ密着性試験
JIS−G3312の試験法に準じて各試験板に対し20℃における折り曲げ内側間隔板2枚の2T折り曲げ試験を行い、テープ剥離後の剥離状態で下記の判定基準に準じて評価を行った。
<評価基準>
5点:剥離なし
4点:剥離面積10%未満
3点:剥離面積10%以上50%未満
2点:剥離面積50%以上80%未満
1点:剥離面積80%以上
2.2.2 二次折り曲げ密着性
試験試験板を沸水中に2時間浸漬した後、一日放置し一次折り曲げ密着性試験と同様に試験を行った。判定基準は以下の通りである。
<評価基準>
5点:剥離なし
4点:剥離面積10%未満
3点:剥離面積10%以上50%未満
2点:剥離面積50%以上80%未満
1点:剥離面積80%以上
2.3 コインスクラッチ性
10円硬貨を各試験板に対して45°の角度に設置し、塗膜を3Kgの荷重、一定速度でこすり、塗膜の傷つき性を判定した。尚、塗膜の傷つき性は下記判定基準で評価した。
<評価基準>
5点:素地の露出が0%(プライマーのみ露出)
4点:素地の露出が10%未満
3点:素地の露出が10%以上50%未満
2点:素地の露出が50%以上80%未満
1点:素地の露出が80%以上
【0026】
3.評価結果
表2に水系塗装下地用処理剤の塗装板性能試験結果を示した。表2中の実施例1〜10は、本発明の水系塗装下地用処理剤(表1のNo.1、3〜10)を塗布乾燥して皮膜を形成させた金属材料の塗装性能である。これら実施例は、耐食性、一次折り曲げ密着性、二次折り曲げ密着性、コインスクラッチ性の各性能が何れも良好であり、比較例4のクロメート処理と同等以上の表2を示した。一方、本発明の範囲外である表1のNo.12 〜24の処理薬剤を用いた性能2の比較例1〜3は、耐食性、一次折り曲げ密着性、二次折り曲げ密着性、コインスクラッチ性全ての性能が満足している水準が満足している水準は無く、性能のバランスがとれなかった。参考例1は表1のNo.2の処理薬剤を用いた参考例である。
【0027】
【表1】
Figure 0004291022
【0028】
【表2】
Figure 0004291022
【0029】
【発明の効果】
本発明により、環境上有毒であるクロムを使用せずに、塗膜の加工密着性、耐食性に優れた表面処理鋼板を提供することが可能となった。従って、本発明は工業的価値の極めて高い発明であるといえる。

Claims (6)

  1. 水と、Co、Zr、Ni、Zn及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属の炭酸塩(A)と、水分散性シリカ(B)と、1分子中にカルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を含み、1分子中の炭素数が3〜10の有機酸(C)とからなることを特徴とする金属材料用表面処理剤。
  2. 水と、Co、Zr、Ni、Zn及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属の炭酸塩(A)と、水分散性シリカ(B)と、1分子中にカルボキシル基、水酸基の少なくとも1種を含み、1分子中の炭素数が3〜10の有機酸(C)と、Ti、V、Mo、W及びCeから選ばれる1種の金属化合物(D)とからなることを特徴とする金属材料用表面処理剤。
  3. 塗装下地処理剤である請求項1又は2記載の金属材料用表面処理剤。
  4. 前記金属の炭酸塩(A)と前記水分散性シリカ(B)との配合比(A)/(B)が、重量比で1/9〜9/1の範囲であることを特徴とする請求項1からまでの何れか1項記載の金属材料用表面処理剤。
  5. 前記有機酸(C)の含有量が、前記金属の炭酸塩(A)に対し重量比で1%乃至50%の範囲であることを特徴とする請求項1からまでの何れか1項記載の金属材料用表面処理剤。
  6. 請求項1から記載の金属材料用表面処理剤を金属材料表面に塗布後乾燥し、乾燥皮膜量として0.01〜1g/m2被覆することを特徴とする金属材料の表面処理方法。
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