JP3295354B2 - 耐汚れ付着用塗料組成物及び耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板 - Google Patents

耐汚れ付着用塗料組成物及び耐汚れ付着性に優れたプレコート金属板

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JP3295354B2 JP27143897A JP27143897A JP3295354B2 JP 3295354 B2 JP3295354 B2 JP 3295354B2 JP 27143897 A JP27143897 A JP 27143897A JP 27143897 A JP27143897 A JP 27143897A JP 3295354 B2 JP3295354 B2 JP 3295354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚れが付着し難い塗膜
面を形成する塗料組成物及び該塗料組成物を用いたプレ
コート金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】外装建材用の金属板は、耐食性,耐候
性,意匠性等を改善するため、一般に塗装を施して使用
されている。塗料としては、耐久性に優れた種々の塗料
が開発され、広く使用されるようになってきている。し
かし、自動車の排ガス,工場からの煤煙等に起因する大
気汚染がひどくなるに従って、従来の塗装金属板では汚
れ付着防止が十分でなく、汚染空気に含まれているカー
ボン系汚染物質等によって比較的短期間のうちに汚れが
目立つようになっている。そこで、カーボン系汚染物質
等の汚れに対する付着防止機能を備えた塗装金属板が要
求されている。屋外での汚れ付着を低減する塗料として
は、有機塗料組成物にオルガノシリケートの縮合物を配
合した塗料がWO94/6870,特開平7−3311
36号公報,特開平8−12921号公報等で提案され
ている。この種の塗料では、配合したオルガノシリケー
トの縮合物によって塗膜面に親水性が付与される。塗膜
面が親水性になると、大気汚染の主な原因物質である油
性のカーボン系汚染物質が雨水等で洗い流され、汚染物
質が定着しにくい表面となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から提案されてい
る塗料組成物では、塗料に配合されているオルガノシリ
ケートの縮合物が塗料組成物と反応し、塗料が短時間で
ゲル化し易くなる。その結果、塗料の貯蔵安定性が劣
る。また、塗料組成物とオルガノシリケートが反応する
ため、オルガノシリケートの縮合物が塗膜面に分布しな
くなり、必要とする親水性を塗膜面に付与できない。使
用直前に必要量を調合して使用される2液型塗料は、オ
ルガノシリケートの縮合物と塗料組成物との反応に起因
する問題を無視でき、現場塗装や成形品塗装等のポスト
コートに使用されている。しかし、プレコート鋼板の製
造ラインでは、塗装工程で残った塗料を次回の塗装工程
で使用することが通常であり、低い貯蔵安定性は全体的
な生産コストを上昇させる原因となる。すなわち、貯蔵
安定性が劣る従来の塗料を使用する場合、前回の塗装工
程で残った塗料は、次回の塗装工程で使用されることな
く廃棄される。本発明は、このような問題を解消すべく
案出されたものであり、テトラアルコキシシランの部分
加水分解縮合物のキレート誘導体を配合することによ
り、塗料組成物の貯蔵安定性を改善し、耐汚れ付着性に
優れた塗膜を形成することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のプレコート用塗
料組成物は、その目的を達成するため、塗料樹脂100
重量部に対してテトラアルコキシシランの部分加水分解
縮合物が0.5〜50重量部となるように、テトラアル
コキシシランの部分加水分解縮合物のキレート誘導体を
塗料樹脂に配合していることを特徴とする。キレート誘
導体は、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物
に含まれるSi原子に対して0.1〜2当量のキレート
化剤を添加してテトラアルコキシシランの部分加水分解
縮合物をキレート化することにより調製される。キレー
ト化剤としては、βジケトン,βケト酸エステル,2価
アルコール,エタノールアミンから選ばれた1種又は2
種以上が使用される。更にオルト蟻酸トリアルキル,オ
ルト酢酸トリアルキル,オルト硼酸トリアルキル,加水
分解性シラン化合物等の脱水剤を添加すると、塗料組成
物の貯蔵安定性が向上する。この塗料組成物を上塗り塗
料として用い、連続塗装ラインでプレコート金属板を製
造するとき、親水性が良好で雨筋汚れ等の汚れ付着に抵
抗力のある塗膜が最表面に形成される。
【0005】
【作用】本発明者等は、耐汚れ付着性に優れた特性を呈
するプレコート金属板用塗料組成物の貯蔵安定性につい
て種々調査・研究した。その結果、オルガノシリケート
を配合した塗料組成物では、塗料中に混入している水
分,水酸基,アミノ基,カルボキシル基,エポキシ基等
の官能基をもつ塗料樹脂,硬化剤,顔料等とオルガノシ
リケートの縮合物が反応し易いことを解明した。そし
て、塗料組成物にオルガノシリケートの縮合物と共にキ
レート化剤を添加することにより、塗料組成物の貯蔵安
定性が著しく向上することを見い出した。キレート化剤
の添加による貯蔵安定性の向上は、オルガノシリケート
の縮合物がキレート誘導体になり、加水分解安定性が改
善されることに由来するものと推察される。
【0006】
【実施の形態】本発明で使用される塗料樹脂は、樹脂種
に制約を受けるものではなく、プレコート金属板用に使
用されているポリフッ化ビニリデン系フッ素樹脂,溶剤
可溶型フッ素樹脂,ポリエステル樹脂,シリコンポリエ
ステル樹脂,アクリル樹脂,ウレタン樹脂,塩化ビニル
樹脂等が挙げられる。テトラアルコキシシランの部分加
水分解縮合物は、テトラメトキシシラン,テトラエトキ
シシラン,テトラプロポキシシラン等のモノマーに水及
び触媒を加えて加水分解縮合させることにより得られ
る。或いは、メチルシリケート51,エチルシリケート
40,エチルシリケート48(以上、コルコート社製)
や、MKCシリケートMS51,MS56(以上、三菱
化学株式会社製)等の市販品も使用可能である。
【0007】テトラアルコキシシランの部分加水分解縮
合物は、塗料樹脂100重量部に対して0.5〜50重
量部の割合で配合される。配合量が0.5重量%に満た
ないと、十分な親水性を塗膜面に与えることができな
い。逆に、50重量部を超える配合量では、塗膜の加工
性が低下し、或いは塗膜にクラックが発生することがあ
る。キレート化剤としては、アセチルアセトン等のβジ
ケトン,アセト酢酸エチル等のβケト酸エステル,2,
3−ブタンジオール,1,3−プロパンジオール,エチ
レングリコール,2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル,ピナコール等の2価アルコール類,モノ−エタノー
ルアミン,ジ−エタノールアミン,トリ−エタノールア
ミン,モノ−イソプロパノールアミン,ジ−イソプロパ
ノールアミン,トリ−イソプロパノールアミン,N−メ
チルジエタノールアミン,N−エチルジエタノールアミ
ン等のエタノールアミン類を単独で又は複数同時に使用
できる。キレート化剤の添加量は、特に制約されるもの
ではないが、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮
合物に含まれるSi原子のモル数に対して0.1〜2当
量の範囲に収まるように添加量を調整することが好まし
い。
【0008】塗料組成物の貯蔵安定性は、脱水剤の添加
によって更に高めることができる。脱水剤としては、オ
ルト蟻酸トリメチル,オルト蟻酸トリエチル,オルト蟻
酸トリブチル等のオルト蟻酸トリアルキル類,オルト酢
酸トリメチル,オルト酢酸トリエチル,オルト酢酸トリ
ブチル等のオルト酢酸トリアルキル類,オルト硼酸トリ
メチル,オルト硼酸トリエチル,オルト硼酸トリブチル
等のオルト硼酸トリアルキル類,メチルトリメトキシシ
ラン,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン,ビニルトリメトキシシラン,テトラメトキシシラ
ン,テトラエトキシシラン等の加水分解性シラン化合物
等が使用される。塗料組成物は、クリアー又は顔料を添
加したエナメルの何れの形態でも使用可能である。ま
た、必要に応じて塗膜硬度を向上させて疵つき防止等の
種々の特性を付与するため、骨材,艶消し剤,レベリン
グ剤,紫外線吸収剤,光安定剤等の各種助剤を添加して
も良い。
【0009】本発明に従った塗料組成物は、塗料樹脂,
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物及び該部
分加水分解縮合物に対するキレート化剤を含む。この塗
料組成物を金属板に塗装・焼付けし、上塗り塗膜を形成
することによりプレコート金属板が製造される。塗装方
法には、プレコート金属板の製造で一般的に採用されて
いる方法、たとえばロールコート,カーテンコート,ス
プレーコート,ダイコート等がある。焼付けには使用す
る上塗り塗料の標準的条件が採用され、通常、150〜
300℃に20〜120秒間加熱することにより塗料が
金属板に焼き付けられる。本発明に従った塗料組成物が
塗布される金属板としては、冷延鋼板,亜鉛めっき鋼
板,Zn−Alめっき鋼板,アルミめっき鋼板,ステン
レス鋼板,アルミ板,銅板等が使用される。この金属板
に、防食性及び上塗り塗膜の密着性を確保するため、予
めプライマー層を設けても良い。更に、プライマー層と
上塗り塗膜との間に、中塗り塗膜を形成することもでき
る。
【0010】プライマー層は、プレコート金属板で一般
に使用されているエポキシ塗料,エポキシウレタン塗
料,ウレタン塗料,ポリエステル塗料,アクリル塗料等
の塗料を塗布し焼き付けることにより形成される。プラ
イマー層の膜厚は、防食性及び上塗り塗膜の密着性の面
から3μm以上にすることが好ましい。膜厚が3μmに
満たないプライマー層では、耐食性や密着性が十分でな
い。しかし、厚すぎるプライマー層を設けることはコス
ト上昇は勿論、加工性を低下させる原因となるので、通
常は5μm前後の膜厚でプライマー層を形成することが
好ましい。プライマー層の上には、必要に応じて中塗り
塗膜が設けられる。中塗り塗料には、プレコート金属板
で通常使用されているポリフッ化ビニリデン系フッ素塗
料,溶剤可溶型フッ素樹脂塗料,ポリエステル塗料,シ
リコンポリエステル塗料,アクリル塗料,ウレタン塗
料,塩化ビニル塗料等が使用される。
【0011】
【実施例】テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合
物のキレート誘導体として、次の3種を調製した。 キレート誘導体1:メチルシリケート51(コルコート
社製)100重量部にキレート化剤としてアセチルアセ
トン50重量部を撹拌しながら添加し、常温で2時間撹
拌した後、24時間静置することによりキレート誘導体
1を調製した。 キレート誘導体2:メチルシリケート51(コルコート
社製)に替えてMKCシリケートMS56(三菱化学株
式会社製)を使用することを除き、同様な方法でキレー
ト誘導体2を調製した。 キレート誘導体3:アセチルアセトンに替えてジ−エタ
ノールアミンを使用することを除き、キレート誘導体2
と同じ方法でキレート誘導体3を調製した。
【0012】以上のキレート誘導体1〜3を配合した各
種塗料組成物を40℃の恒温槽に保管し、1カ月後及び
3カ月後の塗料性状を観察し、貯蔵安定性を調査した。
また、各塗料組成物を上塗り塗料として用いて次のよう
に塗装鋼板を製造し、形成された塗膜表面の親水性及び
耐汚れ付着性を調査した。 塗装鋼板1:ポリフッ化ビニリデン系フッ素塗料(大日
本インキ化学工業株式会社製 ディックフローC)の白
エナメルに、塗料樹脂100重量部に対してメチルシリ
ケート51が10重量部となるようにキレート誘導体1
を配合し、上塗り塗料を調製した。この上塗り塗料を4
0℃の恒温槽で保管し、1カ月後及び3カ月後経過した
時点で次のように塗装鋼板の製造に使用した。塗装原板
として両面亜鉛付着量250g/m2 の溶融亜鉛めっき
鋼板を用い、常法に従って表面調製及びクロメート処理
を施し、エポキシプライマー塗料(大日本インキ化学工
業株式会社製 800Pプライマー)を乾燥膜厚が5μ
mになるように塗布し、最高到達板温200℃で40秒
間焼き付けることによりプライマー層を設けた。このプ
ライマー層の上に上塗り塗料を乾燥膜厚が22μmとな
るように塗布した後、最高到達板温250℃で60秒間
焼き付け、水冷した。
【0013】塗装鋼板2:メチルシリケート51を20
重量部の割合で配合した上塗り塗料を用い、塗装鋼板1
と同様な方法で製造した。 塗装鋼板3:ポリフッ化ビニリデン系フッ素塗料100
重量部に対し脱水剤としてオルト蟻酸トリメチルを5重
量部配合した上塗り塗料を用い、塗装鋼板2と同じ方法
で製造した。 塗装鋼板4:同じポリフッ化ビニリデン系フッ素塗料の
白エナメルに、塗料100重量部に対して脱水剤として
オルト蟻酸トリメチルを5重量部配合し、塗料樹脂10
0重量部に対してMS56が10重量部となるようにキ
レート誘導体2を配合し、上塗り塗料を調製した。40
℃の恒温槽で1カ月後及び3カ月後保管した後の上塗り
塗料を用い、塗装鋼板1と同じ方法で塗装・焼付けし
た。 塗装鋼板5:塗料樹脂100重量部に対してエチルシリ
ケート48が10重量部となるようにキレート誘導体3
を配合する以外は、塗装鋼板4と同じ方法で製造した。
【0014】塗装鋼板6:ポリエステル系塗料(日本ペ
イント株式会社製 NSC250HQ)の白エナメル
に、塗料100重量部に対して脱水剤としてオルト蟻酸
トリメチルを5重量部配合し、塗料樹脂100重量部に
対してメチルシリケート51が10重量部となるように
キレート誘導体1を配合し、上塗り塗料を調製した。こ
の上塗り塗料を40℃の恒温槽で保管し、1カ月後及び
3カ月後経過した時点で次のように塗装鋼板の製造に使
用した。表面調製及びクロメート処理を施した実施例1
と同じ溶融亜鉛めっき鋼板にエポキシプライマー塗料
(日本ペイント株式会社製 P140プライマー)を乾
燥膜厚が5μmになるように塗布し、最高到達板温20
0℃で30秒間焼き付けることによりプライマー層を設
けた。このプライマー層の上に上塗り塗料を乾燥膜厚が
18μmとなるように塗布した後、最高到達板温215
℃で40秒間焼き付け、水冷した。 塗装鋼板7:塗料樹脂100重量部に対しMS56が1
0重量部となるようにキレート誘導体2を配合した上塗
り塗料を用い、塗装鋼板6と同じ方法で製造した。 塗装鋼板8:塗料樹脂100重量部に対しエチルシリケ
ートが10重量部となるようにキレート誘導体3を配合
した上塗り塗料を用い、塗装鋼板6と同じ方法で製造し
た。
【0015】また、比較のため次の塗装鋼板を製造し
た。 塗装鋼板9:ポリフッ化ビニリデン系フッ素塗料(大日
本インキ化学工業株式会社製 ディックフローC)の白
エナメルに、塗料樹脂100重量部に対してメチルシリ
ケート51を10重量部配合し、上塗り塗料を調製し
た。40℃の恒温槽で1カ月後及び3カ月保管した上塗
り塗料を用い、塗装鋼板1と同じ方法で製造した。 塗装鋼板10:塗料樹脂100重量部に対しメチルシリ
ケート51を20重量部配合した上塗り塗料を用い、塗
装鋼板9と同様に製造した。 塗装鋼板11:塗料樹脂100重量部に対しメチルシリ
ケート51を20重量部,脱水剤としてオルト蟻酸トリ
メチルを塗料100重量部に対して5重量部配合した上
塗り塗料を用い、塗装鋼板9と同様に製造した。 塗装鋼板12:塗料樹脂100重量部に対しMS56を
10重量部配合した上塗り塗料を用い、塗装鋼板9と同
様に製造した。 塗装鋼板13:塗料樹脂100重量部に対しMS56を
10重量部,脱水剤としてオルト蟻酸トリメチルを塗料
100重量部に対して5重量部配合した上塗り塗料を用
い、塗装鋼板9と同様に製造した。
【0016】塗装鋼板14:ポリエステル系塗料(日本
ペイント株式会社製 NSC250HQ)の白エナメル
に、塗料樹脂100重量部に対してメチルシリケート5
1を10重量部を配合し、上塗り塗料を調製した。表面
調製及びクロメート処理を施した実施例1と同じ溶融亜
鉛めっき鋼板にエポキシプライマー塗料(日本ペイント
株式会社製 P140プライマー)を乾燥膜厚が5μm
になるように塗布し、最高到達板温200℃で30秒間
焼き付けることによりプライマー層を設けた。40℃の
恒温槽で1カ月後及び3カ月保管した上塗り塗料をプラ
イマー層の上に乾燥膜厚が18μmとなるように塗布し
た後、最高到達板温215℃で40秒間焼き付け、水冷
した。 塗装鋼板15:MS56を10重量部配合した上塗り塗
料を用い、塗装鋼板14と同様に製造した。
【0017】[塗料の貯蔵安定性の調査方法]40℃の
恒温槽に1カ月及び3カ月保管した塗料の性状を観察す
ると共に、鋼板表面に形成された塗膜面の親水性及び耐
汚れ付着性により貯蔵安定性を評価した。塗料性状で
は、保管期間が経過した後で調製直後の塗料と何ら変化
がみられなかったものを○,ゲル化してはいないが粘度
が増加しているものを△,ゲル化しているものを×と判
定した。親水性試験では、塗膜面に対する水の静的接触
角を測定した。接触角が小さいほど、親水性に優れてい
ることを示す。耐汚れ付着性試験では、南に向けて塗装
試験片を垂直に立て、塗装試験片上に雨水が垂れ落ちる
ように傾斜角度10度で長さ20cmの塩化ビニル製波
板を塗装試験片に取り付け、千葉県市川市で屋外暴露試
験を6カ月実施した。6カ月経過後に塗装試験片から2
m離れた位置で塗装試験片の表面を目視観察し、雨筋状
汚れがないものをA,雨筋状汚れが少し観察されたもの
をB,はっきりとした雨筋状汚れが観察されたものをC
と判定した。
【0018】[調査結果]表1の調査結果にみられるよ
うに、本発明に従ってキレート誘導体を配合した塗料組
成物では、1カ月の保管後においても塗料性状に変化が
みられなかった。また、キレート誘導体及び脱水剤を配
合した塗料組成物では、3カ月の保管後においても塗料
性状に変化がみられなかった。これら塗料組成物を上塗
り塗料として用いた塗装鋼板は、良好な親水性を示し、
屋外暴露試験では雨筋状汚れがなく、良好な耐汚れ付着
性を示していた。これに対し、キレート剤を配合しない
比較例では、1カ月未満で塗料が粘度増加又はゲル化
し、塗料性状が劣化した。また、比較例の塗料組成物を
上塗り塗料に用いた塗装鋼板では、親水性を示さず、雨
筋状汚れが観察され、耐汚れ付着性も不十分であった。
【0019】
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物のキ
レート誘導体を塗料樹脂に配合することにより、貯蔵安
定性が大幅に改善された塗料組成物が得られる。この塗
料組成物を上塗り塗料としてプレコート金属板を製造す
ると、親水性が良好で、雨筋汚れ等の汚れ付着に抵抗力
のある塗膜面が形成される。また、親水性が良好な塗膜
面であるため、付着した汚れが雨水等によって洗い流さ
れ、長期間にわたって美麗な表面が維持される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−12921(JP,A) 特開 平7−305045(JP,A) 特開 平9−104840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10 B05D 7/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料樹脂100重量部に対してテトラア
    ルコキシシランの部分加水分解縮合物が0.5〜50重
    量部となるように、テトラアルコキシシランの部分加水
    分解縮合物のキレート誘導体を塗料樹脂に配合してなる
    耐汚れ付着性に優れたプレコート用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 キレート誘導体がテトラアルコキシシラ
    ンの部分加水分解縮合物に含まれるSi原子に対して
    0.1〜2当量のキレート化剤を添加してテトラアルコ
    キシシランの部分加水分解縮合物をキレート化したもの
    である請求項1記載の耐汚れ付着性に優れたプレコート
    塗料組成物。
  3. 【請求項3】 βジケトン,βケト酸エステル,2価ア
    ルコール,エタノールアミンから選ばれた1種又は2種
    以上をキレート化剤として使用する請求項2記載の耐汚
    れ付着性に優れたプレコート用塗料組成物。
  4. 【請求項4】 オルト蟻酸トリアルキル,オルト酢酸ト
    リアルキル,オルト硼酸トリアルキル,加水分解性シラ
    ン化合物の1種又は2種以上を脱水剤として更に添加し
    た請求項1〜3の何れかに記載の耐汚れ付着性に優れた
    プレコート用塗料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の塗料組成
    物を上塗り塗料とする塗膜が最表面に形成されている耐
    汚れ付着性に優れたプレコート金属板。
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JPWO2005123838A1 (ja) * 2004-06-16 2008-04-10 日本ペイント株式会社 組成物及びその製造方法
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