JP3245520B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

Info

Publication number
JP3245520B2
JP3245520B2 JP21305395A JP21305395A JP3245520B2 JP 3245520 B2 JP3245520 B2 JP 3245520B2 JP 21305395 A JP21305395 A JP 21305395A JP 21305395 A JP21305395 A JP 21305395A JP 3245520 B2 JP3245520 B2 JP 3245520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
resin
group
coating
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21305395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0940909A (ja
Inventor
享平 柳
晴雄 古瀬
和彦 大西
正明 山谷
正博 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd, Kansai Paint Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP21305395A priority Critical patent/JP3245520B2/ja
Priority to US08/689,146 priority patent/US5902847A/en
Publication of JPH0940909A publication Critical patent/JPH0940909A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3245520B2 publication Critical patent/JP3245520B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外の建造物或い
は構造物に装飾または保護を目的に適用される耐クラッ
ク性、可撓性、耐汚れ性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸
性等に優れた塗膜を形成する塗料組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、屋外の構造物等に塗装される塗料として、耐候性に
優れた屋外用塗料が開発されている。特にアクリルシリ
コーン樹脂塗料、及びフッ素樹脂塗料等は太陽光線及び
雨等による塗膜劣化が少ないため、屋外用塗料として適
していると考えられてきた。しかしながら、これ等の塗
料は暴露中に大気中の埃、砂塵、鉄粉及び近年問題にな
ってきている酸性雨等の影響で塗膜表面に汚染物質が付
着し、塗膜外観が悪くなるという欠点があった。
【0003】また大気中の埃の付着を防止する技術とし
て、塗膜の表面固有抵抗値を下げ、埃等の静電気的付着
を防止する各種の帯電防止剤、例えば、エレクトロスト
リッパーTS−2B(花王株式会社製、商品名、界面活
性剤系)、コルコートR(コルコート株式会社製、商品
名、アルキルシリケート系)を塗料に添加、またはこの
ものを塗膜面に塗布して処理する方法が知られている。
しかしながら、これらの方法では、本質的に添加する物
質の耐水性が劣るため、その効果を持続させることが難
かしく、屋外用途に適していなかった。
【0004】また、耐酸性雨に優れた有機塗料組成物と
して塗料に、アルキルシリケートオリゴマーとシランカ
ップリング剤(エポキシ官能性シランの加水分解物)と
の縮合反応物を添加したものが提案されている(特開平
6−306328)。この方法で調製した縮合反応物
は、アルキルシリケートオリゴマー、シランカップリン
グ剤オリゴマー、及び両者のブロック縮合物との混合物
になり、縮合反応物中にエポキシ基が均一に導入されな
いため、存在するアルキルシリケートオリゴマーが水に
より溶出し、その結果として塗膜の耐水性、特に耐アル
カリ性が低下してしまうという欠点がある。また、該塗
膜は、塗膜形成時にクラックが生じ易く、更に可撓性も
十分ではないといった欠点もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、塗膜表
面の水接触角と屋外暴露における汚染物質の塗膜表面へ
の付着とは水接触角が小さい程汚染物質の付着が少ない
といった密接な関係があり、その水接触角を小さくする
物質として(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ハロア
ルキル基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種の
有機官能基を含有するアルコキシシランとテトラアルコ
キシシランとの混合物を部分共加水分解縮合することに
より得られる、一分子中に上記各種有機官能基とアルコ
キシ基とを均一に含有する特定のシリコーン化合物を配
合させてなる塗料組成物が、耐汚れ性、耐水性、耐アル
カリ性、耐酸性等に優れた塗膜を提供出来ることを見い
出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】本発明は、有機溶剤系塗料組成物に、
(1)(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ハロアルキ
ル基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種の有機官能
基を含有するアルコキシシラン化合物100重量部と、
(2)テトラアルコキシシラン化合物20〜2000重
量部とのシラン混合物を部分共加水分解縮合させること
により得られるシリコーン化合物を配合してなり、該シ
リコーン化合物が塗料組成物の樹脂固形分100重量部
に対して0.1〜50重量部であることを特徴とする
料組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者等は、水接触角の小さい
塗膜は屋外暴露において、水接触角の大きい塗膜と比較
して、大気中の埃等の汚染物質が付着し難く、耐汚れ性
が優れることが分かった。親水性を有する塗膜は、同時
に塗膜の表面固有抵抗値が低下し、埃等の汚染物質の静
電気的付着が防止でき、そして、一旦、付着した汚染物
質は付着力が弱まっているため雨等の作用により容易に
洗い流される。
【0008】親水性を有する塗膜表面を形成する方法
は、例えば、塗料組成物に、親水性物質(帯電防止剤、
アルキルシリケートオリゴマーとシランカップリング剤
の事前加水分解化合物との縮合反応物)を添加すること
により可能となるが、塗膜の耐水性、及び耐アルカリ性
等の性能も同時に低下するため屋外用途には適していな
い。
【0009】本発明によれば、有機官能基を含有するア
ルコキシシラン化合物とテトラアルコキシシラン化合物
を部分共加水分解縮合させることからこれらの成分が均
一にシリコーン化合物中に導入されるので耐水性、耐ア
ルカリ性等の性能が低下しない塗膜が形成できる。
【0010】本発明で使用する有機溶剤系塗料組成物
は、従来から屋外用として使用されている公知の未架橋
型及び架橋型の塗料組成物が使用出来る。未架橋型及び
架橋型塗料組成物は、有機溶剤中に未架橋型または架橋
型の有機樹脂を溶解もしくは分散させてなる樹脂溶液で
構成されるものであり、常温または加熱により未架橋ま
たは架橋塗膜が形成されるものである。
【0011】未架橋型塗料組成物としては、例えば、硝
化綿ラッカー、アクリルラッカー塗料、ビニル樹脂塗
料、フッ素樹脂塗料等が挙げられる。
【0012】架橋型塗料組成物としては、常温または加
熱によって架橋出来るものが好適に使用出来る。具体的
には、例えば、不飽和脂肪酸変性アルキッド樹脂塗料等
の酸化架橋型塗料、ポリエステルメラミン樹脂塗料、ア
クリルメラミン樹脂塗料、フッ素メラミン樹脂塗料等の
メラミン架橋型塗料;(ブロック)ポリイソシアネート
アクリル樹脂塗料、(ブロック)ポリイソシアネートポ
リエステル樹脂塗料、(ブロック)ポリイソシアネート
フッ素樹脂塗料等のイソシアネート架橋型樹脂塗料;ア
ルコキシシラン基含有アクリル樹脂塗料等の湿気架橋型
樹脂塗料;エポキシ基含有アクリル樹脂塗料等のエポキ
シ架橋型樹脂塗料等が挙げられる。
【0013】有機溶剤としては、樹脂を溶解または分散
し、シリコーン化合物の官能基、加水分解性基と実質的
に反応しないものであれば特に制限無しに使用すること
が出来る。具体的には、例えば、酢酸エステル類(酢酸
エチル、酢酸プロピル等)、ケトン類(メチルイソブチ
ルケトン等)、芳香族炭化水素類(キシレン、トルエン
等)、脂肪族炭化水素類(ヘプタン等)、アルコール類
(プロピルアルコール等)、エーテル類(エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ等)等が挙げられる。これらの
有機溶剤は1種もしくは2種以上組み合わせて使用する
ことが出来る。
【0014】本発明で使用する有機溶剤系塗料組成物に
は、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、硬化触
媒、垂れ止め剤、ハジキ防止剤、紫外線吸収剤、紫外線
安定剤等を使用することが出来る。
【0015】本発明で使用するシリコーン化合物は、
(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ハロアルキル基、
及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種の有機官能基
を含有するアルコキシシラン化合物(以下、このものを
「有機官能基含有アルコキシシラン化合物」と略す。)
及びテトラアルコキシシラン化合物の混合物を、部分共
加水分解縮合させることにより得られる。
【0016】出発原料となる有機官能基含有アルコキシ
シラン化合物としては、有機官能基が、直接ケイ素原子
に結合していても、また、炭素数1〜10の2価の炭化
水素基を介してケイ素原子に結合していてもかまわな
い。該化合物としては、従来から公知のものを使用する
ことができ、具体的には以下のものを例示することが出
来る。
【0017】 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン ビニルトリメトキシシラン ビニルトリエトキシシラン ビニルトリブトキシシラン ビニルメチルジメトキシシラン 5−ヘキセニルトリメトキシシラン 9−デセニルトリメトキシシラン スチリルトリメトキシシラン γ−クロロプロピルトリメトキシシラン γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン トリフルオロプロピルトリメトキシシラン ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン γ−アミノプロピルトリメトキシシラン γ−アミノプロピルトリエトキシシラン γ−アミノプロピルトリブトキシシラン γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリブ
トキシシラン N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0018】これらの有機官能性基含有アルコキシシラ
ン化合物は、単独で使用しても良く、また複数種を混合
して使用してもよい。これらの化合物の中でも、耐汚れ
性、耐久性などの塗膜性能が優れることからγ−メタア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリ
フルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシランを使用すること
が好ましい。
【0019】上記有機官能基は、塗料の有機樹脂との間
に化学反応により化学結合を形成する、極性構造により
水素結合を形成する或いは親和性に基ずく相互作用など
により、シリコーン化合物の塗膜からの脱離を防止する
ように機能するものである。
【0020】もう一方の出発原料であるテトラアルコキ
シシラン化合物としては、以下のものを具体例として挙
げることが出来る。 テトラメトキシシラン テトラエトキシシラン テトライソプロポキシシラン テトラブトキシシラン これらの化合物は1種もしくは2種以上組合わせて使用
することができる。これらの中でもアルコキシシラン基
が容易に加水分解してシラノール基を生成し、耐汚れ性
に優れた塗膜を形成することから、テトラメトキシシラ
ン及びテトラエトキシシランを使用することが、特に好
ましい。
【0021】上記有機官能基含有アルコキシシラン化合
物及びテトラアルコキシシラン化合物の配合割合は、有
機官能基含有アルコキシシラン化合物100重量部に対
して、テトラアルコキシシランは20〜2000重量部
の範囲を満たす比率で使用するのが好ましい。20重量
部未満では、この共加水分解縮合物の親水性が低下する
結果、目的の耐汚れ性、耐酸性等が劣り好ましくない。
また、2000重量部を超えると、有機樹脂との親和
性、反応性が乏しくなり、塗膜中に本シリコーン化合物
を固定する能力が不足し、加水分解後塗膜から脱落しや
すくなるため好ましくない。更に、50〜1000重量
部の範囲を満たすのが、特に好ましい。
【0022】本発明で使用するシリコーン化合物は、平
均重合度3〜100の範囲であることが好ましい。重合
度が3未満では、揮発したり、塗膜表面に十分な親水性
を付与できなかったり、或いは塗膜中から溶出し易くな
るので好ましくない。一方、重合度が100を越える
と、シリコーン化合物は塗膜中で分散が悪く、均一な塗
膜の形成が難しくなるため好ましくない。更に、重合度
は5〜80の範囲内にあることが好ましい。
【0023】シリコーン化合物の製造方法は、従来から
公知の方法に基づき、例えば、加水分解触媒存在下、上
記有機官能基含有アルコキシシラン化合物及びテトラア
ルコキシシラン化合物の混合物中に、水を加え部分共加
水分解縮合反応をおこなうことにより得ることが出来
る。
【0024】部分共加水分解縮合において、部分共加水
分解の程度は、例えば、全く加水分解させない場合は平
均重合度が0であり、100%加水分解させた場合には
重合度が上がりすぎてゲル化するようにその重合度と密
接な関係があり、本発明で使用するシリコーン化合物に
おいては、平均重合度3〜100に調整される。
【0025】使用される加水分解縮合触媒としては、従
来から公知の種々のものを使用することが出来る。具体
例としては、例えば、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン
酸などの有機酸類、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無
機酸類;トリエチルアミンなどの塩基性化合物類;テト
ラブチルチタネート、ジブチル錫ジラウレートなどの有
機金属塩類;KF、NH4 Fなどの含F化合物類などを
挙げることが出来る。上記触媒は単独で使用しても良
く、或いは複数種を併用しても良い。触媒の使用量は、
0.0001〜1モル%の範囲が好ましい。これらの触
媒の中でも含F化合物は、反応活性に富むシラノール基
の縮合を促進する機能に優れているため、シラノール基
を少量しか含有しない物を合成するのに適しており、こ
れにより塗料貯蔵安定性が良好となることから、特にこ
のものを使用することが好ましい。
【0026】部分共加水分解縮合反応を実施するに際し
て、必要に応じて有機溶剤を使用しても良い。使用可能
な有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコー
ル類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、ジブチルエーテルなどのエーテル類;酢酸エチルな
どのエステル類;トルエンなどの芳香族類などを例示す
ることが出来る。特にメタノール、エタノール、アセト
ンなどの有機溶剤が好ましい。
【0027】部分共加水分解縮合反応に使用する水量
は、希望する重合度により決定する。過剰に添加する
と、アルコキシ基が破壊され、最終的にゲル化に至るた
め厳密に決定する必要がある。特に、触媒に含F化合物
を使用する場合、含F化合物が完全に加水分解縮合を進
行させる能力が有るため、添加する水量により重合度が
決定出来、任意の分子量の設定が可能となるので好まし
い。即ち、平均重合度Mの目的物を調製するためには、
Mモルのアルコキシシラン化合物に対して(M−1)モ
ルの水を使用すれば良い。その他の触媒の場合、これよ
り若干増量する必要がある。
【0028】部分共加水分解縮合反応は、室温或いは1
50℃以下の温度範囲でおこなうことができる。室温未
満では反応の進行が遅くなり実用的でなく、また、15
0℃を越えると有機官能基などの有機置換基の熱分解が
起こるため好ましくない。
【0029】上記シリコーン化合物の配合割合は、有機
溶剤系塗料組成物の有機樹脂固形分100重量部当たり
0.1〜50重量部、好ましくは1.0〜20重量部の
範囲が望ましい。配合割合が0.1重量部未満である
と、塗膜の耐汚れ性が十分得られず、一方、50重量部
を越えると塗膜の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性等が悪
くなるので好ましくない。
【0030】本発明の塗料組成物によって形成された塗
膜は、屋外に暴露した場合、雨等の作用により水接触角
は徐々に低下するが、暴露前の塗膜の表面を酸性処理
(2.5重量%硫酸水に20℃で24時間浸漬し、次い
で付着した硫酸水を水洗し乾燥を行った)後の水接触角
を測定することにより、暴露塗膜の最終到達水接触角を
予測することが出来る。
【0031】本発明の塗料組成物は、形成させた塗膜の
表面を酸処理(2.5重量%硫酸水に20℃で24時間
浸漬し、次いで付着した硫酸水を水洗し、乾燥を行っ
た)し、その塗膜表面が水に対する接触角で70度以
下、好ましくは10〜60の範囲に入ることが好まし
い。接触角が70度を上回ると耐汚れ性が低下するので
好ましくなく、接触角が10度を下回ると塗膜の耐水
性、耐酸性、耐アルカリ性等が低下するので好ましくな
い。
【0032】本発明の塗料組成物は、上記した塗料組成
物を基材に塗装し、室温もしくは加熱により乾燥して塗
膜を形成することが出来る。基材としては、例えば、ス
レート、コンクリート等の無機質基材;鉄鋼、アルミニ
ウム、亜鉛、ステンレス、これらのものをクロム酸、リ
ン酸亜鉛等で表面処理したもの等の金属質基材;ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
等のプラスチック基材等が挙げられる。また、これらの
基材に必要に応じて公知のプライマー、中塗り塗料、上
塗り塗料等を塗装した基材も使用することが出来る。
【0033】塗装方法は、例えば、刷毛塗装、吹き付け
塗装、ローラー塗装、浸漬塗装等の手段で行うことが出
来る。塗布量は、一般的には1〜100μm、好ましく
は10〜60μmの範囲が望ましい。
【0034】塗膜の乾燥は、塗料の種類によって条件を
選択すれば良いが、一般的には、室温乾燥では1時間〜
1週間程度、加熱乾燥では60〜300℃で30秒〜1
時間で十分と考える。
【0035】
【実施例】以下、フッ素樹脂塗料(実施例1〜6および
比較例1〜5)、ポリイソシアネートウレタン樹脂塗料
(実施例7〜12および比較例6〜10)、不飽和脂肪
酸変性アルキッド樹脂塗料(実施例13〜18および比
較例11〜15)を用いた実施例および比較例により本
発明を詳細に説明する。実施例中の「部」及び「%」は
重量基準である。
【0036】メタクリロイル基及びアルコキシ基含有シ
リコーン化合物の調製: シリコーン化合物Aの調製例 温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた2000ml
の反応容器に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン248g(1.00mol)、テトラメトキシ
シラン152g(1.00mol)、メタノール320
g(10mol)とNH4 F0.04g(0.001m
ol)を仕込み攪拌下室温で水28.8g(1.60m
ol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪
拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この
後、低沸分を減圧留去、濾過することにより無色透明液
体を266g得た。このようにして得た物質をGPC測
定した結果、平均重合度は5.3(設定重合度=5.
0)であり、ほぼ設定通りであった。アルコキシ基量を
アルカリクラッキング法で定量したところ、35.7重
量%(設定値36.1重量%)であり、アルコキシ基も
設定通りに残存していることが確認された。また、 1
−NMRの測定結果(メトキシ基とメタアクリロキシプ
ロピル基の積分比)から、得られた物質の構造は、設定
通り以下の構造であった。 平均組成式:
【0037】
【化1】
【0038】このようにして得たシリコーン化合物を化
合物Aとする。
【0039】化合物B〜Eおよび比較例用化合物F.G
の調製例 以下同様にして、使用する有機官能基含有アルコキシシ
ラン、テトラアルコキシシラン及び接触の種類及び設定
量を変化させて、表1に示すような設定構造の化合物B
〜E、及び比較例用化合物F、Gを調製した。表1中、
A〜Gの配合量はモル単位で表わす。
【0040】また、本発明における部分共加水分解縮合
法(以下、製造方法I)の代わりに、以下の製造方法も
検討した。 製造方法II 有機官能基含有アルコキシシランとテトラアルコキシシ
ランのオリゴマーとを縮合反応させる。 製造方法 III 事前に、有機官能基含有アルコキシシランを加水分解
し、次いで、テトラアルコキシシランのオリゴマーと縮
合反応させる。
【0041】実施例1〜6および比較例1〜5 表2記載の配合(単位:重量部)で、実施例1〜6、比
較例1〜5の塗料を作成した。 フッカロン白エナメル:商標名、関西ペイント(株)
製、未架橋型系フッ素樹脂系上塗り塗料、樹脂固形分=
35% リン酸亜鉛処理した亜鉛鋼板(亜鉛目付け:片面130
g/m2 、1.2mm厚さ)にフッカロンFRプライマ
ー(商標名、関西ペイント(株)製、未架橋型フッ素樹
脂系下塗り塗料)を乾燥膜厚が約10μmになるように
エアースプレー塗装を行った。20℃で10分間放置
後、実施例1〜6、比較例1〜5の塗料を乾燥膜厚が約
25μmになるようにエアースプレー塗装を行った後、
235℃で15分間乾燥を行って試験板を作成した。塗
膜性能試験結果を表2に示した。
【0042】実施例7〜12および比較例6〜10 表3記載の配合で、実施例7〜12、比較例6〜10の
塗料を作成した。 レタンPAQ白エナメル:商標名、関西ペイント(株)
製、ポリイソシアネートアクリル樹脂系上塗り塗料、樹
脂固形分=36% リン酸亜鉛処理した亜鉛鋼板(亜鉛目付け:片面130
g/m2 、1.2mm厚さ)にレタンCWプライマー
(商標名、関西ペイント(株)製、エポキシ樹脂系下塗
り塗料)を乾燥膜厚が約30μmになるようにエアース
プレー塗装を行い、80℃で30分間乾燥を行って基材
を作成した。次いで、得られた基材に、実施例7〜1
2、比較例6〜10の塗料を乾燥膜厚が約30μmにな
るようにエアースプレー塗装を行った後、80℃で30
分間乾燥を行って試験板を作成した。塗膜性能試験結果
を表3に示した。
【0043】実施例13〜18および比較例11〜15 表4記載の配合(単位:重量部)で、実施例13〜1
8、比較例11〜15の塗料を作成した。 ネオフタリット白エナメル:商標名、関西ペイント
(株)製、不飽和脂肪酸変性アルキッド樹脂系上塗り塗
料、樹脂固形分=32% #320サンドペーパー処理した磨き軟鋼板(SPC
C、0.8mm)にラスタイトNC(商標名、関西ペイ
ント(株)製、不飽和脂肪酸変性アルキッド樹脂系下塗
り塗料)を乾燥膜厚が約30μmになるようにエアース
プレー塗装を行った。20℃で10分間放置後、実施例
13〜18及び比較例11〜15の塗料を乾燥膜厚が約
30μmになるようにエアースプレー塗装を行った後、
20℃で7日間乾燥を行って試験板を作成した。塗膜性
能試験結果を表4に示した。
【0044】表2、表3、表4中の*1〜*8は下の意
味を示す。*1 ;商標名、コルコート(株)製、テトラメチルシリケ
ートの低縮合物*2 ;商標名、信越化学工業(株)製、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン*3 ;水接触角:試験板を2.5重量%硫酸水に20℃で
24時間浸漬し、次いで付着した硫酸水を水洗し、乾燥
を行った後、協和化学(株)製コンタクタングルメータ
ーDCAA型を用い、塗膜表面に脱イオン水0.03c
cの水滴を滴下し、20℃で3分後に測定した数値。*4 ;耐水性:試験板を40℃温水に24時間浸漬した後
の塗膜外観を目視で評価した。 ◎=試験前の塗板に対して、外観変化のないもの。 ○=試験前の塗板に対して、極わずかに外観変化が認め
られるもの。 ○- =試験前の塗板に対して、若干外観変化が認められ
るもの。 △=試験前の塗板に対して、外観変化が認められるも
の。 ×=試験前の塗板に対して、著しく外観変化が認められ
るもの。 外観変化とは、塗面の汚れ、色変化、膨れ、割れ、艶ぼ
け、剥がれ、軟化等を言う。*5 ;耐アルカリ性A:試験板を1%の苛性ソーダ水に2
0℃で3日間浸漬した後の塗膜外観を目視で観察した。
評価は*4と同様の方法で行った。*6 ;耐アルカリ性B:試験板を3%の炭酸ソーダ水に2
0℃で3日間浸漬した後の塗膜外観を目視で観察した。
評価は*4と同様の方法で行った。*7 ;屋外暴露試験:関西ペイント(株)東京工場・南面
30度の角度に試験板を設置した。それぞれ、3ケ月、
6ケ月、12ケ月暴露された試験板を、水洗い等の試料
調整をすること無しに、塗膜特性を評価した。 外観(汚れ):*4と同様な方法で、塗面の汚れ度合いを
評価した。 水接触角:試料調整(硫酸浸漬、水洗い等)すること無
しに、*4と同様な方法で測定した。 明度差(ΔL* ):暴露前と暴露後の明度(L値)の差
をΔL* とした。L値の測定には、ミノルタ(株)製の
色彩色差計CR−300を使用した。明度差ΔL* は、
数値が小さいほど汚れが少ないことを示す。*8 ;商標名、関西ペイント(株)製、HMDI系ウレタ
ン硬化剤
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明の塗料組成物から得られる硬化塗
膜は、屋外に暴露されても汚れが着かず、耐水性、耐酸
性、耐アルカリ性などが良好である。暴露後の塗膜の表
面特性は、暴露前と比較して水接触角が著しく低下し親
水性を示す。これは暴露環境における湿気、雨(特に酸
性雨)等が、塗膜中のシリコーン化合物に作用し、加水
分解により生成するシラノール基の作用により塗膜表面
の水接触角が低下し、親水化される。親水化された塗膜
は、大気中の汚れ成分の一つである油等の有機物質の付
着力を弱め、一旦、塗面に付着しても雨により容易に洗
い流され、また同時に塗膜は、表面固有抵抗(親水化)
を低下させるため、大気中の汚れ成分である砂塵、埃等
の静電気付着を防止し、耐汚れ性に優れた塗膜が形成で
きる。本発明の塗料組成物により形成された塗膜は屋外
暴露により早期に水接触角が低下し、3〜6ケ月後でほ
ぼ平衡に達する。この平衡に達したときの水接触角は、
暴露前の塗膜を2.5重量%硫酸水に24時間浸漬した
後の水接触角とほぼ等しくなる。即ち、暴露前の硬化塗
膜を、2.5重量%硫酸水に24時間浸漬した時の水接
触角を測定することにより暴露後の汚れの状態を推測す
ることが出来る。また、シリコーン化合物に由来する有
機官能基は、塗料中のポリマーと強く結び付くように作
用し、しかも本シリコーン化合物中には分子中に有機官
能性基を含有しない成分が極めて少量しか存在しないた
めに、水、酸性溶液、アルカリ性溶液等の環境での溶
出、加水分解が抑制され、塗膜に付与された耐汚れ性と
耐水性、耐酸性、耐アルカリ性等の性能を極めて耐久性
のあるものにすることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 和彦 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 山谷 正明 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子 材料技術研究所内 (72)発明者 吉沢 正博 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子 材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−347605(JP,A) 特開 平6−346025(JP,A) 特開 平5−311119(JP,A) 特開 平4−31475(JP,A) 特開 平1−245062(JP,A) 特開 昭61−162560(JP,A) 特開 昭59−212256(JP,A) 特開 平5−9439(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/07 - 183/08 C09D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋外用未架橋型または架橋型有機溶剤系
    塗料組成物に、 (1)(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ハロアルキル基、アミノ基から選 ばれる少なくとも1種の有機官能基を含有するアルコキシシラン化合物 100重量部、及び (2)テトラアルコキシシラン化合物 20〜2000重量部 のシラン混合物の部分共加水分解縮合物であるシリコー
    ン化合物を配合してなり、該シリコーン化合物が塗料組
    成物の樹脂固形分100重量部に対して0.1〜50重
    量部であり、該有機溶剤系塗料組成物が、硝化綿ラッカ
    ー、アクリルラッカー塗料、ビニル樹脂塗料およびフッ
    素樹脂塗料から選ばれる未架橋型塗料組成物、あるいは
    不飽和脂肪酸変性アルキッド樹脂塗料よりなる酸化架橋
    型塗料、ポリエステルメラミン樹脂塗料、アクリルメラ
    ミン樹脂塗料およびフッ素メラミン樹脂塗料よりなるメ
    ラミン架橋型塗料;(ブロック)ポリイソシアネートア
    クリル樹脂塗料、(ブロック)ポリイソシアネートポリ
    エステル樹脂塗料および(ブロック)ポリイソシアネー
    トフッ素樹脂塗料よりなるイソシアネート架橋型樹脂塗
    料;アルコキシシラン基含有アクリル樹脂塗料よりなる
    湿気架橋型樹脂塗料;エポキシ基含有アクリル樹脂塗料
    よりなるエポキシ架橋型樹脂塗料から選ばれる架橋型塗
    料組成物であることを特徴とする屋外用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーン化合物が平均重合度3〜10
    0であることを特徴とする請求項1記載の屋外用塗料組
    成物。
JP21305395A 1995-07-31 1995-07-31 塗料組成物 Expired - Fee Related JP3245520B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21305395A JP3245520B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 塗料組成物
US08/689,146 US5902847A (en) 1995-07-31 1996-07-30 Coating composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21305395A JP3245520B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0940909A JPH0940909A (ja) 1997-02-10
JP3245520B2 true JP3245520B2 (ja) 2002-01-15

Family

ID=16632755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21305395A Expired - Fee Related JP3245520B2 (ja) 1995-07-31 1995-07-31 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3245520B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3348635B2 (ja) * 1997-09-12 2002-11-20 信越化学工業株式会社 コーティング剤組成物及び親水性膜の形成方法並びに親水性膜被覆物品
US7138185B2 (en) 2002-07-05 2006-11-21 Fuji Photo Film Co., Ltd. Anti-reflection film, polarizing plate and display device
JP3919000B2 (ja) * 2002-07-30 2007-05-23 信越化学工業株式会社 非汚染性シリコーン樹脂系コーティング剤
US20050154086A1 (en) 2003-12-26 2005-07-14 Fuji Photo Film Co., Ltd. Fine inorganic oxide dispersion, coating composition, optical film, antireflection film, polarizing plate, and image display device
TWI400312B (zh) 2005-04-14 2013-07-01 Sumitomo Chemical Co 黏著劑
US7862886B2 (en) 2005-08-12 2011-01-04 Fujifilm Corporation Optical film, antireflection film, processes for producing the same, and polarizing plate and display employing the same
EP2565217B1 (en) * 2008-04-22 2014-05-14 Toagosei Co., Ltd. Curable composition and process for production of organosilicon compound

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0940909A (ja) 1997-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0548775B1 (en) Water-repellent metal oxide film coated on glass substrate and method of forming same
KR100325530B1 (ko) 기능성도장품과그제조방법및용도
EP0759457B1 (en) Weather and soiling-resistant silicone-containing coating composition
US5902847A (en) Coating composition
JP3232004B2 (ja) コーティング材組成物
JPH10152646A (ja) 非汚染塗料組成物
JP3245522B2 (ja) 塗料組成物
JP3245520B2 (ja) 塗料組成物
JP3245521B2 (ja) 塗料組成物
KR100463926B1 (ko) 다기능성 실리콘 폴리머 코팅제 조성물
WO2005083006A1 (ja) ケイ素含有液状組成物
JP3245519B2 (ja) 塗料組成物
JP2007268344A (ja) 旧塗膜の補修方法
JPH0369950B2 (ja)
JPH08119673A (ja) ガラスの親水化処理方法
EP0891953B1 (en) Glass plate with water-repellent film and method for producing same
JPH0812921A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP3599277B2 (ja) 親水化処理剤、その製法および塗膜の親水化方法
JP3754578B2 (ja) 光触媒含有塗膜積層構造
JP4374807B2 (ja) 親水性塗膜及び親水性塗膜の塗装方法
JP3676539B2 (ja) 親水化被覆フィルム
JP2000178504A (ja) コーティング組成物及び化粧シート
JPH0931401A (ja) 非汚染塗料用組成物
JP2001011386A (ja) 低汚染性上塗り塗料組成物
US4280947A (en) Paint containing silicone elastomer

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees