JP4777171B2 - 塗装板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)基材の表面に、有機系樹脂を含む下層被膜(III)と、無機成分を含む平均膜厚が1.0〜5.0μmのバリア被膜(II)と、無機・有機複合体中に光触媒を含有した平均膜厚が0.5〜4.0μmの表層被膜(I)と、が順次積層され、前記バリア被膜(II)は、前記表層被膜(I)よりも軟質の被膜であり、更に、前記バリア被膜(II)が無機・有機複合体から成り、該被膜中の無機成分がSiと酸素とから構成される骨格であって有機成分がメチル基またはフェニル基であることを特徴とする塗装板。
(2)前記光触媒の平均粒径は、5.0〜100nmであることを特徴とする、(1)に記載の塗装板。
(3)前記光触媒は、前記表層被膜(I)中に5〜70体積%含有されることを特徴とする、(1)または(2)に記載の塗装板。
(4)前記表層被膜(I)の基材の表面の面積全体に対する被覆率は、50%以上であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の塗装板。
(5)前記表層被膜(I)中の無機成分の比率は、50〜95質量%であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の塗装板。
(6)前記バリア被膜(II)中の無機成分の比率は、40〜80質量%であることを特徴とする、(1)に記載の塗装板。
(7)基材の表面に有機系樹脂を含む下層被膜(III)を形成し、次いで、無機成分を含む塗料(ii)と無機・有機複合体中に光触媒を含有する塗料(i)とを前記下層被膜(III)上に同時に塗布した後に、同時に乾燥焼付けし、基材の表面に前記下層被膜(III)と、無機成分を含む平均膜厚が1.0〜5.0μmのバリア被膜(II)と、無機・有機複合体中に光触媒を含有する平均膜厚が0.5〜4.0μmの表層被膜(I)とが順次積層された多層被膜を形成することを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載された塗装板の製造方法。
(8)有機系樹脂を含む塗料(iii)と無機成分を含む塗料(ii)と無機・有機複合体中に光触媒を含有する塗料(i)とを基材の表面に同時に塗布した後に、同時に乾燥焼付けし、基材の表面に有機系樹脂を含む下層被膜(III)と、無機成分を含む平均膜厚が1.0〜5.0μmのバリア被膜(II)と、無機・有機複合体中に光触媒を含有する平均膜厚が0.5〜4.0μmの表層被膜(I)とが順次積層された多層被膜を形成することを特徴とする、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載された塗装板の製造方法。
まず、図1に基づいて、本発明に係る塗装板の構成について説明する。なお、図1は、本発明に係る塗装板の代表的な構成を示す断面図である。
本発明における塗装板の基材としては、有機系樹脂を含む下層被膜(III)との密着性が良く、耐汚染性と加工性の要求される基材であれば任意の材料を選択できる。この基材の代表例としては各種の金属板が挙げられる。例えば、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板、チタン板、銅板等が挙げられる。このうち鋼板の例としては、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、クロムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、錫めっき鋼板等が挙げられる。
表層被膜(I)は、無機・有機複合体中に光触媒を含有した被膜である。このような光触媒としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化錫、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ロジウム、酸化レニウム、チタン酸バリウム等が好適に用いられる。なかでも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニオブは、100℃以下の低温で処理を行った場合でも高い活性を示すことから、特に好適に用いられる。なお、光触媒は、上記の成分の1種を選択して用いることもできるが、2種以上を混合して使用することも可能である。
バリア被膜(II)は、表層被膜(I)よりも軟質で加工性に優れる機能を有し、なおかつ、光触媒粒子の酸化作用により下地層である下層被膜(III)を侵すことがないように保護する機能を有している。
本発明における有機系樹脂を含む下層被膜(III)は、基材との密着性を改善する目的で設けられたものであり、基材が金属である場合の下層被膜(III)を構成する有機系樹脂としては、例えば、従来のプレコート金属板で用いられるポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン樹脂等、様々な種類の中から選択することができる。下層被膜(III)の平均膜厚は、1.0〜35μmの範囲で適宜選択することができる。1.0μmよりも薄いと密着性が確保できない場合があり、35μmよりも厚いと経済性に劣るとともに、加工性が低下する場合がある。好ましい平均膜厚は2.0〜30μmである。下層被膜(III)にも、表層被膜(I)、バリア被膜(II)と同様、必要に応じて、微粒子状の充填剤、顔料、その他の添加剤を添加することができる。微粒子状の充填剤としては、例えば、SiO2、TiO2(光触媒効果が発現しないもの)、Al2O3、Cr2O3、ZrO2、Al2O3・SiO2、3Al2O3・2SiO2、ケイ酸ジルコニウム等の微粒子を使用することができる。顔料としては、例えば、光触媒効果が発現しない二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、各種焼成顔料、シアニンブルー、シアニングレー等の着色顔料や、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム等の体質顔料を使用することができる。この他に、例えば、アルミニウム粉末等の金属粉末、シリカ、アルミナ等の艶消し剤、紫外線吸収剤、ワックス等を含有することができる。
以上、本発明に係る塗装板の構成について説明したが、次に、図2及び図3に基づいて、上述した構成を有する本発明に係る塗装板を製造するための製造方法について詳細に説明する。
まず、上述した方法に従って塗装鋼板を製造し、表層被膜(I)の組成等の塗装鋼板の性質(耐汚染性及び加工性)に与える影響について検討を行った結果について説明する。
◎:雨だれの筋なし
○:雨だれの筋がわずか
△:雨だれの筋が明確に認識できる
×:雨だれの筋が20mはなれた場所からも認識できる
◎:跡残りなし
○:わずかに色残り
△:色残りあり
×:ほとんど消えない
次に、上述した方法に従って塗装鋼板を製造し、バリア被膜(II)の組成等の塗装鋼板の性質(加工性)に与える影響について検討を行った結果について説明する。
2 スライドホッパー
3 スライド傾斜面
3A 唇部
4a、4b、4c スリット状ノズル
5a、5b、5c 塗料供給部
6a、6b、6c 塗料膜
7 塗料カーテン
8 カーテンガイド
9 塗料膜層
10 塗料パン
S 金属板
P 塗料
Claims (8)
- 基材の表面に、有機系樹脂を含む下層被膜(III)と、無機成分を含む平均膜厚が1.0〜5.0μmのバリア被膜(II)と、無機・有機複合体中に光触媒を含有した平均膜厚が0.5〜4.0μmの表層被膜(I)と、が順次積層され、
前記バリア被膜(II)は、前記表層被膜(I)よりも軟質の被膜であり、更に、前記バリア被膜(II)が無機・有機複合体から成り、該被膜中の無機成分がSiと酸素とから構成される骨格であって有機成分がメチル基またはフェニル基であることを特徴とする塗装板。 - 前記光触媒の平均粒径は、5.0〜100nmであることを特徴とする、請求項1に記載の塗装板。
- 前記光触媒は、前記表層被膜(I)中に5〜70体積%含有されることを特徴とする、請求項1または2に記載の塗装板。
- 前記表層被膜(I)の基材の表面の面積全体に対する被覆率は、50%以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の塗装板。
- 前記表層被膜(I)中の無機成分の比率は、50〜95質量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の塗装板。
- 前記バリア被膜(II)中の無機成分の比率は、40〜80質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の塗装板。
- 基材の表面に有機系樹脂を含む下層被膜(III)を形成し、次いで、無機成分を含む塗料(ii)と無機・有機複合体中に光触媒を含有する塗料(i)とを前記下層被膜(III)上に同時に塗布した後に、同時に乾燥焼付けし、基材の表面に前記下層被膜(III)と、無機成分を含む平均膜厚が1.0〜5.0μmのバリア被膜(II)と、無機・有機複合体中に光触媒を含有する平均膜厚が0.5〜4.0μmの表層被膜(I)とが順次積層された多層被膜を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載された塗装板の製造方法。
- 有機系樹脂を含む塗料(iii)と無機成分を含む塗料(ii)と無機・有機複合体中に光触媒を含有する塗料(i)とを基材の表面に同時に塗布した後に、同時に乾燥焼付けし、基材の表面に有機系樹脂を含む下層被膜(III)と、無機成分を含む平均膜厚が1.0〜5.0μmのバリア被膜(II)と、無機・有機複合体中に光触媒を含有する平均膜厚が0.5〜4.0μmの表層被膜(I)とが順次積層された多層被膜を形成することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載された塗装板の製造方法。
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