JPH05345877A - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JPH05345877A
JPH05345877A JP4443393A JP4443393A JPH05345877A JP H05345877 A JPH05345877 A JP H05345877A JP 4443393 A JP4443393 A JP 4443393A JP 4443393 A JP4443393 A JP 4443393A JP H05345877 A JPH05345877 A JP H05345877A
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俊規 阪上
Koichi Nagano
浩一 長野
Tomonobu Shimizu
智信 清水
Kinji Yamada
欣司 山田
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に極めて優れており、かつ透明
で、かつ耐熱性、耐水性、耐海水性、耐有機薬品性、耐
酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、耐摩耗性、耐候性、耐湿
性、密着性などに優れ、しかも硬度の高い塗膜を形成さ
せることのできるコーティング用組成物を提供する 【構成】 (a)オルガノシランの加水分解物および/
またはその部分縮合物をオルガノシラン換算で100重
量部に対し、(b)ジオルガノシランの加水分解物およ
び/またはその部分縮合物をジオルガノシラン換算で0
〜150重量部、(c)シリル基含有ビニル系樹脂2〜
200重量部、(d)金属キレート化合物を0.01〜
50重量部、ならびに(e)有機溶媒を含む組成物に、
(f)β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類を、(d)金属キレート化合物1モルに対し2モル以
上添加してなるコーティング用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーティング用組成物
に関し、さらに詳細には、保存安定性に優れ、ステンレ
ス、アルミニウム、セラミックス、セメント、紙、ガラ
ス、プラスチック、無機窯業基板、布帛などの表面に、
優れた性能を有する塗膜を形成するために好適なコーテ
ィング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性、耐水性、耐汚染性、耐有
機薬品性、耐酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、耐摩耗性、
耐候性、耐湿性、密着性などに優れ、硬度の高い塗膜を
形成させることのできるコーティング用組成物が求めら
れている。このような要求の一部を満たすコーティング
用組成物として、オルガノシランの部分的縮合物とコロ
イダルシリカの分散液およびシリコーン変性アクリル樹
脂からなる組成物(特開昭60−135465号公
報)、あるいはオルガノシランの縮合物とジルコニウム
アルコキシドのキレート化合物および加水分解性シリル
基含有ビニル系樹脂とからなる組成物(特開昭64−1
769号公報)、あるいはオルガノシランの縮合物とコ
ロイド状アルミナおよび加水分解性シリル基含有ビニル
系樹脂とからなる組成物(米国特許第4,904,72
1号明細書)などが提案されている。しかしながら、前
記特開昭60−135465号公報および米国特許第
4,904,721号明細書に記載されているコーティ
ング用組成物を使用して塗膜を形成させても、長時間の
紫外線照射により該塗膜の光沢が低下する。また、特開
昭64−1769号公報に記載されている組成物は、保
存安定性が充分ではなく、固形分濃度を高くすると短期
間でゲル化し易いという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたもので、保存安定性に極め
て優れており、かつ透明で、かつ耐熱性、耐水性、耐海
水性、耐有機薬品性、耐酸性、耐アルカリ性、耐蝕性、
耐摩耗性、耐候性、耐湿性、密着性などに優れ、しかも
硬度の高い塗膜を形成させることのできるコーティング
用組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)一般式
1 Si(OR2 3 (式中、R1 は炭素数1〜8の有
機基、R2 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1
〜4のアシル基を示す)で表されるオルガノシラン(以
下「(a′)オルガノシラン」あるいは「(a′)成
分」ということがある)の加水分解物および/またはそ
の部分縮合物(以下「(a)成分」という)をオルガノ
シラン換算で100重量部に対し、(b)一般式R1 2
Si(OR2 2 (式中、R1 およびR2 は前記に同
じ)で表されるジオルガノシラン(以下「(b′)ジオ
ルガノシラン」あるいは「(b′)成分」ということが
ある)の加水分解物および/またはその部分縮合物(以
下「(b)成分」という)をジオルガノシラン換算で0
〜150重量部、(c)末端あるいは側鎖に加水分解性
基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有する
シリル基を重合体1分子中に少なくとも1個有するシリ
ル基含有ビニル系樹脂(以下「(c)シリル基含有ビニ
ル系樹脂」あるいは「(c)成分」という)2〜300
重量部、(d)一般式Zr(OR3 p (R4 COCH
COR5 4-p 、Ti(OR3 q (R4 COCHCO
5 4-q およびAl(OR3 r (R4 COCHCO
5 3-r (式中、R3 およびR4 は同一または異なり
炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素数1〜5のアル
キル基または炭素数1〜16のアルコキシ基、p〜qは
0〜3の整数、rは0〜2の整数を示す)で表される化
合物の群から選ばれた少なくとも1種の金属キレート化
合物(以下「(d)金属キレート化合物」あるいは
「(d)成分」という)を0.01〜50重量部、なら
びに(e)有機溶媒、を含む組成物に、(f)一般式R
4 COCH2 COR5 (式中、R4 およびR5 は前記に
同じ)で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類(以下「(f)β−ジケトン類および/ま
たはβ−ケトエステル類」あるいは「f)成分」とい
う)を、(d)金属キレート化合物1モルに対し2モル
以上添加してなるコーティング用組成物を提供するもの
である。
【0005】次に、本発明の組成物を構成要件別に詳述
する。(a)成分 (a)成分は、一般式R1 Si(OR2 3 で表される
(a′)オルガノシランを加水分解、縮合して得られる
加水分解物および/または部分縮合物であり、本発明で
得られる組成物中においては結合剤としての働きをする
ものである。かかる(a′)オルガノシラン中のR
1 は、炭素数1〜8の有機基であり、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアル
キル基、そのほかγ−クロロプロピル基、ビニル基、
3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリシドキシ
プロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メ
ルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチル基などが挙げられる。また、
(a′)オルガノシラン中のR2 は、炭素数1〜5のア
ルキル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、アセチル基などが挙げられる。
【0006】これらの(a′)オルガノシランの具体例
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−
プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキ
シシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピル
トリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ランなどを挙げることができるが、好ましくはメチルト
リメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランであ
る。
【0007】これらの(a′)オルガノシランは、1種
単独で使用することも、または2種以上を併用すること
もできる。また、前記(a′)オルガノシランのうち、
80モル%以上が、CH3 Si(OR2 3 である場合
が好ましい。なお、(a)成分の重量平均分子量は、好
ましくは800〜100,000、さらに好ましくは
1,000〜50,000である。
【0008】(b)成分 (b)成分は、一般式R1 2 Si(OR2 2 〔式中、
1 およびR2 は前記(a)成分に使用されるオルガノ
シランに使用されるR1 およびR2 に同じ)で表される
(b′)ジオルガノシランを加水分解、縮合して得られ
る加水分解物および/または部分縮合物であり、本発明
で得られる組成物中においては結合剤としての働きをす
るとともに、塗膜を柔軟化し耐アルカリ性を向上させる
ものである。かかる(b′)ジオルガノシラン中のR1
およびR2 は、前記オルガノシランのR1 およびR2
同様である。
【0009】これらの(b′)ジオルガノシランの具体
例は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n
−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメト
キシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン
などを挙げることができが、好ましくはジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これら
の(b′)ジオルガノシランは、1種単独であるいは2
種以上を併用することができる。なお、(b)成分は、
(a)成分との共縮合体として用いられ、この共縮合体
の重量平均分子量は好ましくは800〜100,00
0、さらに好ましくは1,000〜50,000であ
る。(b)成分の本発明の組成物中における割合は、
(a′)成分100重量部に対して0〜150重量部、
好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜
60重量部であり、150重量部を超えると得られる塗
膜の密着性、硬化性が低下する。
【0010】(c)シリル基含有ビニル系樹脂 (c)シリル基含有ビニル系樹脂は、主鎖がビニル系重
合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および
/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基
を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以
上含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、
アミノ基などの加水分解性基および/または水酸基、R
6 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭
素数1〜10のアラルキル基、nは1〜3の整数であ
る)で表される。
【0011】(c)シリル基含有ビニル系樹脂は、
(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有す
るビニル系樹脂と反応させることにより製造してもよ
く、また(ロ)下記一般式 (ただし、X、R6 、nは前記に同じ、R7 は重合性二
重結合を有する有機基である)で表されるシラン化合物
と、各種ビニル系化合物とを重合することにより製造し
てもよく、その製造方法は限定されるものではない。
【0012】ここで、前記(イ)で示される製造方法で
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0013】また、(イ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系樹脂としては、水酸基を含むビニル系樹脂
を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの
酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;
(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エ
チルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミ
ド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系
化合物を共重合したビニル系樹脂が好ましい。
【0014】一方、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れるシラン化合物としては、例えば
【0015】
【0016】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0017】などが挙げられる。また、(ロ)で示され
る製造方法で使用されるビニル系化合物としては、前記
(イ)の製造方法でビニル系樹脂の重合時に用いられる
ビニル系化合物を使用することが可能であるが、かかる
(イ)の製造方法に記載された以外に、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテ
ル、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基を含む
ビニル系化合物を挙げることもできる。
【0018】以上のようなシリル基含有ビニル系樹脂の
具体的な例としては、例えば下記一般式 (式中、R8 は水素原子またはメチル基、R9 はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素数
1〜6のアルキル基、R10はR8 と同様であり、R11
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基な
どの炭素数1〜4のアルキレン基、R12はR9 と同様で
あり、m/(l+m)=0.01〜0.4、好ましくは
0.02〜0.2である)で表されるトリアルコキシシ
リル基含有アクリル重合体を挙げることができる。この
シリル基含有ビニル系樹脂の数平均分子量は、好ましく
は2,000〜100,000、さらに好ましくは4,
000〜50,000である。
【0019】以上のような本発明に使用される(c)シ
リル基含有ビニル系樹脂の具体例としては、鐘淵化学工
業(株)製、カネカゼムラックなどが挙げられる。
(c)シリル基含有ビニル系樹脂の組成物中の割合は、
(a)成分の原料である(a′)オルガノシラン100
重量部に対し、2〜300重量部、好ましくは5〜20
0重量部、さらに好ましくは10〜100重量部であ
り、2重量部未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性が
低く、一方300重量部を超えると得られる塗膜の耐候
性の悪化を招く。
【0020】(d)金属キレート化合物 本発明の(d)金属キレート化合物は、一般式Zr(O
3 p (R4 COCHCOR5 4-p 、Ti(O
3 q (R4 COCHCOR5 4-q およびAl(O
3 r (R4 COCHCOR5 3-r で表される化合
物の群から選ばれた少なくとも1種であり、前記(a)
〜(b)成分と(c)シリル基含有ビニル系樹脂との縮
合反応を促進し、(a)〜(b)成分と(c)成分との
共重合体を形成する作用をなすものと考えられる。
【0021】(d)金属キレート化合物中のR3 および
4 は、同一または異なり炭素数1〜6のアルキル基、
具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R
5 は、前記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、
炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−
ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラ
ウリル基、ステアリル基などである。また、(d)金属
キレート化合物中のp〜qは0〜3の整数、rは0〜2
の整数を示す。
【0022】これらの(d)金属キレート化合物の具体
例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテー
トジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチ
ルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−
プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジル
コニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチ
タニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセ
トアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチル
アセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビ
ス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナ
ート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムな
どのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。こ
れらの(d)金属キレート化合物のうち好ましいもの
は、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコ
ニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナー
ト)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテ
ートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウムである。これらの(d)金属キレート化合
物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用するこ
とができる。また、(d)成分としては、これらの金属
キレート化合物の部分加水分解物を使用することもでき
る。
【0023】(d)金属キレート化合物の組成物中の割
合は、(a)成分の原料である(a′)オルガノシラン
100重量部に対し、0.01〜50重量部、好ましく
は0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜10
重量部であり、0.01重量部未満では、(a)〜
(b)成分と(c)成分との共重合体の生成が不充分で
あり、塗膜の耐候性が悪化し、一方50重量部を超える
と、組成物の保存安定性が悪化し、また得られる塗膜に
クラックが発生する場合があり好ましくない。
【0024】(e)有機溶媒 (e)有機溶媒は、主として(a)〜(d)成分を均一
に混合させ、本発明の組成物の固形分を調整すると同時
に、種々の塗装方法に適用できるようにし、組成物の分
散安定性および保存安定性を向上させるものである。こ
の(e)有機溶媒としては、(a)〜(d)成分を均一
に混合させるものであれば特に限定されないが、例えば
アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン
類、エステル類などが好適である。
【0025】このうち、アルコール類としては、例えば
1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることがで
き、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽
和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類
の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、エチレングリコール
モノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどを挙げることができる。
【0026】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げ
ることができる。これらの(e)有機溶媒は、1種単独
であるいは2種以上を混合して使用することもできる。
(e)有機溶媒の組成物中の割合は特に限定されるもの
ではなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量
が用いられる。
【0027】(f)成分 本発明で使用される(f)成分は、一般式R4 COCH
2 COR5 で表されるβ−ジケトン類および/またはβ
−ケトエステル類であり、本発明の組成物の安定性向上
剤として作用するものである。すなわち、前記(a)〜
(e)成分を主成分とする組成物中に存在する(d)金
属キレート化合物(ジルコニウム、チタニウムおよび/
またはアルミニウム化合物)中の金属原子に配位するこ
とにより、これらの金属キレート化合物による(a)〜
(b)成分および/または(c)成分の縮合反応を促進
する作用を抑制し、得られる組成物の保存安定性を向上
させる作用をなすものと考えられる。(f)成分を構成
するR4 およびR5 は、前記(d)金属キレート化合物
を構成するR4 およびR5 と同様である。
【0028】この(f)β−ジケトン類および/または
β−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセト
ン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢
酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト
酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4
−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,
4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−
メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。
これらのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセト
ンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これ
らのβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類
は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用すること
もできる。かかる(f)β−ジケトン類および/または
β−ケトエステル類は、(d)金属キレート化合物1モ
ルに対し2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、
2モル未満では得られる組成物の保存安定性に劣るもの
となる。
【0029】なお、本発明の組成物は、前記(a)〜
(f)成分を主成分とするが、通常、(a)〜(e)成
分を含有する組成物を調製する際に(a)成分を構成す
る(a′)オルガノシランおよび/または(b)成分を
構成する(b′)ジオルガノシランの加水分解・縮合用
として(g)水が添加される。(g)水の使用量は、
(a′)オルガノシラン1モルに対し、通常、1.2〜
3.0モル、好ましくは1.3〜2.0モル、また
(b′)ジオルガノシラン1モルに対し、通常、0・8
〜2.0モル、好ましくは0.9〜1.5モル程度であ
る。
【0030】本発明の組成物は、前記(a)〜(f)成
分を含有してなるが、その全固形分濃度は、好ましくは
50重量%以下であり、使用目的に応じてその全固形分
濃度を適宜調整して用いられる。薄膜形成基材への含浸
を目的とするときには、通常、全固形分濃度は5〜30
重量%である。また、厚膜形成や、後述の(h)充填材
を分散させる目的で使用するときには、通常、全固形分
濃度は20〜50重量%、好ましくは25〜40重量%
であり、50重量%を超えると、組成物の保存安定性が
悪化して好ましくない。
【0031】なお、本発明の組成物には、得られる塗膜
の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加するこ
とも可能である。このコロイド状シリルとしては、水分
散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピル
アルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げ
ることができる。
【0032】また、本発明の組成物には、得られる塗膜
の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付
与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、
(h)充填材を添加・分散させることも可能である。こ
の(h)充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料な
どの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状も
しくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化
物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられ
る。この(h)充填材の具体例としては、粒子状、繊維
状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、
銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス
鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、
酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水
酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレ
ー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト
緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェー
レ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、
紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セル
リアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバ
ルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレッ
ト、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化
鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム
黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化
銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベ
ンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン
白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン
白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン
白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、
サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィス
カー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
【0033】これらの(h)充填材の平均粒径または平
均長さは、通常、50〜50,000nm、好ましくは
100〜5,000nmである。(h)成分の組成物中
の割合は、(a)〜(f)成分の全固形分100重量部
に対し、10〜300重量部程度である。また、本発明
の組成物をより速く硬化させるにあたっては、硬化条件
により硬化促進剤を使用してもよく、比較的低い温度で
硬化させるためには、硬化促進剤を併用する方が効果的
である。
【0034】かかる硬化促進剤としては、ナフテン酸、
オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などの
アルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p
−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エ
チレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミン系化合物、(C4 9)2 Sn(OCOC
11232 、(C4 9)2 Sn(OCOCH=CHCO
OCH3)2 、(C4 9)2 Sn(OCOCH=CHCO
OC4 9)2 、(C8 17)2Sn(OCOC
11232 、(C8 17)2Sn(OCOCH=CHCO
OCH3)2 、(C8 17)2Sn(OCOCH=CHCO
OC4 9)2 、(C8 17)2Sn(OCOCH=CHC
OOC8 17)2、Sn(OCOCC8 172 などのカ
ルボン酸型有機スズ化合物;(C4 9 2 Sn(SC
2 COOC8 172 、(C4 9 2 Sn(SCH
2 COOC8 17)2、(C8 172 Sn(SCH2
OOC8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 CH
2 COOC8 172 、(C8 17)2Sn(SCH2
OOC8 17)2、(C8 17)2Sn(SCH2 COOC
1225)2
【0035】 などのメルカプチド型有機スズ化合物; などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0036】(C4 9 2 SnO、(C8 17)2Sn
O、または(C4 9 2 SnO、(C8 172 Sn
Oなどの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マレ
イン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオク
チルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機ス
ズ化合物などが使用される。これらの硬化促進剤の組成
物中における割合は、本発明の組成物の固形分100重
量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは
0.5〜10重量部用いられる。
【0037】なお、本発明の組成物には、そのほかオル
トギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシラ
ンなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分
散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加するこ
ともできる。
【0038】さらに、本発明の組成物中には、前記
(e)有機溶媒以外の有機溶剤を含有させることがで
き、かかる有機溶剤としては、前記(a)〜(d)成分
を混合した際に、沈澱を生起しない溶剤であればどのよ
うなものでもよく、一般の塗料、コーティング剤などに
用いられる脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロ
ゲン化炭化水素類、ケトン類、エステル類、エーテル
類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエ
ーテル類などを挙げることができ、この具体例としては
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル
などである。これらの有機溶剤は、本発明の組成物10
0重量部に対し、通常、100重量部以下程度使用され
る。
【0039】本発明の組成物を調製するに際しては、ま
ず前記(a)〜(e)成分を含有する組成物を調製し、
これに(f)成分を添加する方法であれば如何なる方法
でもよいが、例えば下記〜の調製方法が好ましい。 (a)成分を構成する(a′)オルガノシラン、
(b)成分を構成する(b′)ジオルガノシラン、
(c)シリル基含有ビニル系樹脂、(d)金属キレート
化合物および(e)有機溶媒からなる溶液に、(a′)
オルガノシラン1モルに対し1.2〜3モルの水、
(b′)ジオルガノシラン1モルに対して0.8〜2モ
ルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、(a)〜
(e)成分からなる組成物を形成させたのち、(f)β
−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を添加
する方法。
【0040】(a)成分を構成する(a′)オルガノ
シラン、(b)成分を構成する(b′)ジオルガノシラ
ンおよび(e)有機溶媒からなる溶液に、(a′)オル
ガノシラン1モルに対し1.2〜3モルの水、(b′)
ジオルガノシラン1モルに対して0.8〜2モルの水を
加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(c)シリル
基含有ビニル系樹脂、(d)金属キレート化合物を加え
て混合し、さらに縮合反応を行い、(a)〜(e)成分
からなる組成物を形成したのち、(f)成分を添加する
方法。 (a′)オルガノシラン、(b′)ジオルガノシラ
ン、(d)金属キレート化合物、(e)有機溶媒からな
る溶液に、(a′)オルガノシラン1モルに対し1.2
〜3モルの水、(b′)ジオルガノシラン1モルに対し
て0.8〜2モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行
い、次いで(c)シリル基含有ビニル系樹脂を加えて混
合し、さらに縮合反応を行い、(a)〜(e)成分から
なる組成物を形成したのち、(f)成分を添加する方
法。
【0041】本発明の組成物は、対象物である基材の表
面に刷毛、スプレー、ディッピングなどの塗装手段によ
り、1回塗りで厚さ1〜40μm程度、2〜3回の塗装
で厚さ2〜80μm程度の塗膜を形成することができ、
常温での乾燥、あるいは30〜200℃程度の温度で1
0〜60分間程度加熱し、乾燥することにより塗膜を形
成することが可能である。本発明の組成物がコーティン
グされる基材としては、例えばステンレス、アルミニウ
ム、セラミックス、セメント、紙、ガラス、プラスチッ
ク、無機窯業系基板、布帛などが挙げられる。
【0042】この基材にコーティングするに際し、基材
との密着性向上、あるいは多孔質基材の目止め、平滑
化、膜様付けなどを目的として、従来公知のアクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂系
などのプライマーをあらかじめ形成した基材を用いるこ
とも可能である。また、(h)充填材を含有する本発明
の組成物を用いて形成した塗膜の耐摩耗性、光沢を高め
ることを目的に、米国特許第3,986,997号明細
書、米国特許第4,027,073号明細書に記載のコ
ロイダルシリカとシロキサン樹脂の安定な分散液などの
ようなシロキサン樹脂を必須成分とするクリア層を形成
することも可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り
重量基準である。また、実施例中における各種の測定
は、下記のとおりである。
【0044】ポリスチレン換算重量平均分子量および数
平均分子量は、下記条件によるゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)法により測定した。試料
は、テトラヒドロフランを溶媒として使用し、オルガノ
ポリシロキサン1gを100ccのテトラヒドロフラン
に溶解して調製とした。また、標準ポリスチレンは、米
国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使用
した。また、シリル基含有ビニル系樹脂は、0.1gを
100ccのテトラヒドロフランに溶解して調整した。 装置;米国ウオーターズ社製、高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム;昭和電工(株)製、SHODEX A−80
M、長さ50cm 測定温度;40℃ 流速;1cc/分
【0045】保存安定性は、ポリエチレン製ビン中で硬
化促進剤を添加せずに常温で密栓保存し、目視によりゲ
ル化の有無を判定した。ゲル化を生じていないものにつ
いては、BM型粘度計〔東京計器(株)製〕による粘度
測定を行い、変化率が20%以内のものを変化なしとし
た。密着性は、JIS K5400による碁盤目テスト
後、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に拠った。
硬度は、JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。
耐アルカリ性は、濃度1〜40%水酸化ナトリウム水
溶液を塗膜上に1cc滴下し、蓋付きシャーレ中で6時
間日静置後、水洗し、塗膜の状態を観察した。そして、
塗膜に異常のない水酸化ナトリウム水溶液の最大濃度を
求めた。耐アルカリ性は、飽和水酸化カルシウム水溶
液中にコーティングした基板を60日間浸漬したのち、
塗膜の状態を観察した。
【0046】耐候性は、JIS K5400により、ウ
エザーメーターで3,000時間照射試験を実施し、塗
膜の状態を観察した。耐有機薬品性は、塗膜上にイソプ
ロピルアルコールを2cc滴下して5分後に布で拭き取
り塗膜の状態を観察した。耐湿性は、温度50℃、湿度
95%下に、連続1,000時間保持したのち、取り出
して塗膜の状態を観察した。耐水性は、水道水に常温で
60日間浸漬し、塗膜の状態を観察した。耐温水性は、
基板に無機質板を使用し、60℃温水浸漬14日間の塗
膜の状態を観察した。汚染回復性は、塗膜上にカーボン
ブラック/灯油(重量比)=1/2で混合したペースト
を塗り付け、室温で24時間放置したのち、スポンジを
用いて水洗し、塗膜の汚染回復状態を観察した。汚染が
ない場合を○、少し汚染されている場合を△、汚染が著
しい場合を×と判定した。
【0047】参考例1(シリル基含有ビニル系樹脂の調
製) 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート90部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、キシ
レン130部を加え混合したのち、攪拌しながら80℃
に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4
部をキシレン10部に溶解したものを30分間かけて滴
下し、さらに80℃で5時間反応させて固形分濃度50
%のシリル基含有ビニル系樹脂溶液(イ)を得た。この
シリル基含有ビニル系樹脂のゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量は
12,000であり、ポリマー1分子あたり平均6個の
シリル基を含有していることが推定された。
【0048】参考例2(オルガノポリシロキサンの調
製) 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、(a′)メチル
トリメトキシシラン100部、(b′)ジメチルジメト
キシシラン30部、イオン交換水25部、0.1規定の
塩酸水0.01部を加え混合したのち、攪拌しながら6
0℃に加温し、同温度で3時間反応させて固形分濃度4
4%のオルガノポリシロキサン溶液(ロ)を得た。この
オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、1,50
0であった。
【0049】実施例1〜5、比較例1〜9 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、(a′)メチル
トリメトキシシラン100部、(b′)ジメチルジメト
キシシラン50部、(c)カネカゼムラック〔鐘淵化学
工業(株)製、固形分含量50%〕、(d)ジイソプロ
ポキシアルミニウムエチルアセトアセテート20部
(0.07モル当量)、(e)i−プロパノール40部
を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60
℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、(f)ア
セチルアセトン20部(0.2モル当量)を添加し、コ
ーティング用組成物Aを得た。同様の反応器を用い、表
1〜2に示す組成物B〜Oを得た。なお、組成物Oは、
(a′)〜(f)成分を同時に添加して得た組成物であ
る。結果を表1〜2に示す。
【0050】実施例6 攪拌器、還流冷却器を備えた反応器に参考例2で得られ
たオルガノポリシロキサン溶液(ロ)を155部、参考
例1で得られたシリル基含有ビニル系樹脂(イ)を45
部、(d)ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテ
ート8部(0.029モル当量)、(e)i−プロピル
アルコール34部を加え、攪拌しながら50℃で2時間
反応させたのち、(f)アセチルアセトン20部(0.
2モル当量)を加え、室温まで冷却し、固形分濃度35
%の組成物Lを得た。これらの組成物A〜Lの保存安定
性、およびアルカリ脱脂したアルミニウム板(JIS
H4000、A1050P)に、乾燥膜厚20μmにな
るように塗布し、150℃で10分間加熱した試験片の
評価結果を表1に示す。
【0051】実施例7〜12、比較例10〜15 前記組成物A〜Mに、充填材、添加材を表2の割合で添
加し、サンドミルを用いて練合し、組成物a〜kを得
た。スレート板(JIS A5043F)に、マイティ
エポシーラー〔大日本塗料(株)製、エポキシ樹脂系シ
ーラー〕を乾燥重量で50g/m2 塗布し乾燥した基材
に、上記組成物a〜lに硬化剤としてジブチルスズジラ
ウレートを2%添加混合した塗料を、乾燥重量で50g
/m2 塗布し、120℃で10分間加熱して試験片を作
製した。これらの試験片を用いて、各種の試験を行った
結果を表3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、保存
安定性に極めて優れており、かつ透明で、かつ耐熱性、
耐水性、耐海水性、耐有機薬品性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐蝕性、耐摩耗性、耐候性、耐湿性、密着性などに
優れ、しかも硬度の高い塗膜を形成させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 欣司 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式R1 Si(OR2 3 (式
    中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素数1〜5
    のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で
    表されるオルガノシランの加水分解物および/またはそ
    の部分縮合物をオルガノシラン換算で100重量部、
    (b)一般式R1 2 Si(OR2 2 (式中、R1 およ
    びR2 は前記に同じ)で表されるジオルガノシランの加
    水分解物および/またはその部分縮合物をジオルガノシ
    ラン換算で0〜150重量部、(c)末端あるいは側鎖
    に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素
    原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも1
    個有するシリル基含有ビニル系樹脂2〜300重量部、
    (d)一般式Zr(OR3 p (R4 COCHCO
    5 4-p 、Ti(OR3 q (R4 COCHCO
    5 4-q およびAl(OR3 r (R4 COCHCO
    5 3-r (式中、R3 およびR4 は同一または異なり
    炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素数1〜5のアル
    キル基または炭素数1〜16のアルコキシ基、p〜qは
    0〜3の整数、rは0〜2の整数を示す)で表される化
    合物の群から選ばれた少なくとも1種の金属キレート化
    合物を0.01〜50重量部、ならびに(e)有機溶
    媒、を含む組成物に、(f)一般式R4 COCH2 CO
    5 (式中、R4 およびR5 は前記に同じ)で表される
    β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を、
    (d)金属キレート化合物1モルに対し2モル以上添加
    してなるコーティング用組成物。
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