JP3493959B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JP3493959B2 JP17916697A JP17916697A JP3493959B2 JP 3493959 B2 JP3493959 B2 JP 3493959B2 JP 17916697 A JP17916697 A JP 17916697A JP 17916697 A JP17916697 A JP 17916697A JP 3493959 B2 JP3493959 B2 JP 3493959B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、コーティング用組成物
に関し、さらに詳しくは、光触媒能を有する半導体成分
を含有するオルガノシラン系コーティング用組成物に関
する。 【0002】 【従来の技術】オルガノシラン系コーティング材は、耐
候(光)性、耐汚染性等に優れたメンテナンスフリーの
コーティング材として技術開発が進められているが、こ
のようなオルガノシラン系コーティング材に対する要求
性能はますます厳しくなっており、近年では塗膜外観、
密着性、耐候性、耐熱性、耐アルカリ性、耐有機薬品
性、耐湿性、耐(温)水性、耐絶縁性、耐摩耗性、耐汚
染性等に優れ、硬度の高い塗膜を形成することのできる
コーティング材が求められている。特に耐汚染性を改善
するためには、塗膜表面を親水性化するとよいことが認
められており、例えば親水性物質や水溶性物質を添加す
る方法が提案されているが、このような方法では、親水
性物質や水溶性物質が次第に光により劣化したり、水に
より洗い流されたりして、塗膜表面の親水性を十分なレ
ベルに長期にわたり持続することが困難であった。また
近年、光触媒成分を配合したコ−ティング用組成物が数
多く提案されており、その例として、チタン酸化物、加
水分解性珪素化合物(アルキルシリケートまたはハロゲ
ン化珪素)の加水分解物、および溶媒(水またはアルコ
ール)からなる光触媒用酸化チタン塗膜形成性組成物
(特開平8−164334公報)、少なくとも2個のア
ルコキシ基を有するケイ素化合物、少なくとも2個のア
ルコキシ基を有するチタン化合物またはジルコニウム化
合物、およびグアニジル基を有するアルコキシシランお
よび/またはポリシロキサンで処理された酸化チタン等
の親水性無機粉末からなる、抗菌防黴性を付与するため
の表面処理組成物(特開平8−176527公報)のほ
か、テトラアルコキシシラン20〜200重量部、トリ
アルコキシシラン100重量部およびジアルコキシシラ
ン0〜60重量部を原料とし、該原料から調整されるポ
リスチレン換算重量平均分子量が900以上の無機塗料
と光触媒機能を有する粉末との混合液から得られる塗膜
を酸またはアルカリで処理する無機塗膜の形成方法(特
開平8−259891公報)等が知られている。しかし
ながら、これらの塗膜形成用の組成物や混合液は、本質
的に光触媒成分あるいはグアニジル基を有するアルコキ
シシランおよび/またはポリシロキサン成分に基づく抗
菌・防黴、脱臭や有害物質の分解を意図したものであ
り、これらの作用に加えて、オルガノシラン系コーティ
ング材に求められる硬度、密着性、耐アルカリ性、耐有
機薬品性、耐候性、耐汚染性等を含めた塗膜性能が総合
的に検討されていない。一方、オルガノシラン系コーテ
ィング材に対する要求性能をある程度満たすコーティン
グ用組成物として、オルガノシランの部分縮合物、コロ
イダルシリカの分散液およびシリコーン変性アクリル樹
脂を配合した組成物(特開昭60−135465号公
報)、オルガノシランの縮合物、ジルコニウムアルコキ
シドのキレート化合物および加水分解性シリル基含有ビ
ニル系樹脂を配合した組成物(特開昭64−1769号
公報)、オルガノシランの縮合物、コロイド状アルミナ
および加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂を配合した
組成物(米国特許第4,904,721号明細書)等が
提案されている。しかしながら、前記特開昭60−13
5465号公報および米国特許第4,904,721号
明細書に記載されている組成物から得られる塗膜は、長
時間の紫外線照射により光沢が低下するという欠点があ
る。また、前記特開昭64−1769号公報に記載され
ている組成物は、保存安定性が充分ではなく、固形分濃
度を高くすると短期間でゲル化し易いという問題を有し
ている。さらに、本出願人は既に、オルガノシランの加
水分解物および/またはその部分縮合物、加水分解性お
よび/または水酸基と結合したけい素原子を有するシリ
ル基を有するビニル系樹脂、金属キレート化合物並びに
β−ジケトン類および/またはβ−ケトエスエル類を含
有するコーティング用組成物(特開平5−345877
号公報)を提案しており、該組成物は、オルガノシラン
系コーティング材に求められている前記塗膜性能のバラ
ンスに優れているが、これらの性能についても、さらな
る改善が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前記問題点を背景になされたものであり、その課
題は、特定のオルガノシラン成分と光触媒能を有する半
導体成分とを含有し、特に保存安定性が優れ、かつ密着
性、耐候性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐湿性、耐
(温)水性、耐汚染性等にも優れ、しかも硬度の高い塗
膜を形成することのできるコーティング用組成物を提供
することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)下記一般式(1) (R1)n Si(OR2)4-n ...(1) (式中、R1 は炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R
2 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のア
シル基を示し、nは0〜2の整数である。)で表される
オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および
該オルガノシランの部分縮合物の群から選ばれる少なく
とも1種、 (B)光触媒能を有する半導体の粉体および/またはゾ
ル、 (C)加水分解性基および/または水酸基と結合したケ
イ素原子を有するシリル基を重合体分子鎖の末端および
/または側鎖に有する重合体 (D)水および/または有機溶剤、 (E)下記一般式(5)で表される化合物あるいはこの
化合物の部分加水分解物 M(OR 10 ) p (R 11 COCHCOR 12 ) q ・・・(5) (式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
を示し、R 10 およびR 11 は、それぞれ独立にエチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等の炭素数1
〜6の1価の炭化水素基を示し、R 12 は、 10 およびR 11 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素
基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリ
ルオキシ基等の炭素数1〜16のアルコキシル基を示
し、pおよびqは0〜4の整数で、 (p+q)=(Mの原子価)である。)、並びに (F)下記一般式(6) 11 COCH 2 COR 12 ・・・(6) (式中、R 11 およびR 12 は一般式(5)のそれぞれR 11
およびR 12 と同義である。)で表されるβ−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類 を含有することを特
徴とするコーティング用組成物、 からなる。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明のコ−ティング用組
成物を構成する各成分について、順次説明する。 【0006】(A)成分 本発明における(A)成分は、前記一般式(1)で表さ
れるオルガノシラン(以下、「オルガノシラン(1)」
という。)、オルガノシラン(1)の加水分解物および
オルガノシラン(1)の部分縮合物の群から選ばれる少
なくとも1種からなり、本発明のコーティング用組成物
において主たる結合剤として作用するものである。一般
式(1)において、R1 の炭素数1〜8の1価の有機基
としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−
ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等
のアルキル基や、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、アシル基、グリシジル基、(メタ)ア
クリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセ
トアミド基、イソシアナート基等のほか、これらの基の
置換誘導体等を挙げることができる。R1 の置換誘導体
における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換
もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イ
ソシアナ−ト基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシ
クロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド
基、アンモニウム塩基等を挙げることができる。但し、
これらの置換誘導体からなるR1 の炭素数は、置換基中
の炭素原子を含めて8以下である。一般式(1)中に複
数存在するR1 は、相互に同一でも異なってもよい。ま
た、R2 の炭素数1〜5のアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基等を挙げることができ、炭素数1〜
6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基等を挙
げることができる。一般式(1)中に複数存在するR2
は、相互に同一でも異なってもよい。 【0007】このようなオルガノシラン(1)の具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラ
アルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシ
ラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピル
トリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエ
トキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−
ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキ
シシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,
3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメト
キシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラ
ン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−
ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラ
ン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシ
プロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルト
リメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシ
シラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロ
ピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシ
ラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プ
ロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシ
ラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペン
チルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシ
ラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘ
キシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシ
シラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−
オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキ
シシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、
ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジ
アルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類のほ
か、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセ
チルオキシシラン、トリメチルアセチルオキシシラン等
を挙げることができる。これらのうち、トリアルコキシ
シラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、またトリ
アルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシランが好ましく、またジアル
コキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシランが好ましい。本発明におい
て、オルガノシラン(1)としては、特に、トリアルコ
キシシランのみ、あるいはトリアルコキシシラン62.
5重量%以上とジアルコキシシラン37.5重量%未満
との組み合わせが好ましい。ジアルコキシシランをトリ
アルコキシシランと併用することにより、得られる塗膜
を柔軟化し、耐アルカリ性を向上させることができる。 【0008】オルガノシラン(1)は、そのまま、ある
いは加水分解物および/または部分縮合物として使用さ
れる。オルガノシラン(1)を加水分解物および/また
は部分縮合物として使用する場合は、予め加水分解・部
分縮合させて(A)成分として使用することもできる
が、後述するように、オルガノシラン(1)を残りの成
分と混合して組成物を調製する際に、適量の水を添加す
ることにより、オルガノシラン(1)を加水分解・部分
縮合させて、(A)成分とすることが好ましい。(A)
成分が部分縮合物として使用されるとき、該部分縮合物
のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」と
いう。)は、好ましくは800〜100,000、さら
に好ましくは1,000〜50,000である。また、
(A)成分の市販品には、三菱化学(株)製のMKCシ
リケート、多摩化学(株)製のシリケート、東レ・ダウ
コーニング社製のシリコンレジン、東芝シリコーン
(株)製のシリコンレジン、日本ユニカ(株)製のシリ
コンオリゴマー等があり、これらをそのまま、または縮
合させて使用してもよい。本発明において、(A)成分
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。 【0009】(B)成分 本発明における(B)成分は、光触媒能を有する半導体
の粉体および/またはゾルからなる。光触媒能を有する
半導体としては、例えば、TiO2 、TiO3 、SrT
iO3 、FeTiO3 、WO3 、SnO2 、Bi2
3 、In23 、ZnO、Fe23 、RuO2 、Cd
O、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO
3 、MoS2 、LaRhO3 、GaN、CdP、Zn
S、ZnSe、ZnTe、Nb2 5 、ZrO2 、In
P、GaAsP、InGaAlP、AlGaAs、Pb
S、InAs、PbSe、InSb等を挙げることがで
き、好ましくはTiO2 、ZnOである。本発明におい
ては、(B)成分の光触媒能により、微弱な光によって
も短時間で塗膜表面が親水性化され、その結果他の塗膜
性能を実質的に損なうことなく、塗膜の耐汚染性を著し
く改善できることが明らかとなった。しかも、本発明の
コーティング用組成物から得られる塗膜中では、(B)
成分が前記(A)成分等と共縮合しており、塗膜の親水
性、耐汚染性が長期にわたり持続される。 【0010】(B)成分の存在形態には、粉体、水に分
散した水系ゾル、イソプロピルアルコ−ル等の極性溶媒
やトルエン等の非極性溶媒に分散した溶媒系ゾルの3種
類がある。溶媒系ゾルの場合、半導体の分散性によって
は、さらに水や溶媒で希釈して用いてもよい。これらの
存在形態における半導体の平均粒子径は、光触媒能の観
点では小さいほど好ましい。この場合、半導体の平均粒
子径が0.1〜0.5μmであると、半導体の光隠ぺい
作用により塗膜が不透明となり、また0.05〜0.1
μmであると、塗膜が半透明となり、さらに0.05μ
m以下であると、塗膜が透明となり、半導体の平均粒子
径は、コーティング用組成物の用途に応じて適宜選択す
ることができる。(B)成分が水系ゾルあるいは溶媒系
ゾルである場合の固形分濃度は、50重量%以下が好ま
しく、さらに好ましくは40重量%以下である。(B)
成分を組成物中に配合する方法としては、前記(A)成
分と後述する(C)〜(G)成分等からなる組成物の調
製後に添加してもよく、あるいは該組成物の調製時に添
加して、(B)成分の存在下で(A)成分等を加水分解
・部分縮合させることもできる。(B)成分を組成物の
調製時に添加すると、(B)成分中の半導体化合物を
(A)成分等と共縮合させることができ、得られる塗膜
の長期耐久性が改善される。また、(B)成分が水系ゾ
ルである場合は、組成物の調製時に添加するのが好まし
く、さらに後述する(F)成分の配合により系内の粘性
が上昇する場合にも、(B)成分を組成物の調製時に添
加する方が好ましい。さらに、本発明のコーティング用
組成物が着色成分を含有するエナメルとして用いられる
場合は、(B)成分を組成物に添加したのち調色を行な
ってもよく、また(B)成分と着色成分とを同時に組成
物に添加してもよい。本発明において、(B)成分は、
単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。(B)成分の使用量は、(A)成分におけるオルガ
ノシラン(1)100重量部に対して、固形分で、通
常、1〜500重量部、好ましくは5〜400重量部で
ある。 【0011】(C)成分 本発明における(C)成分は、加水分解性基および/ま
たは水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基(以
下、「特定シリル基」という。)を重合体分子鎖の末端
および/または側鎖に有する重合体からなる。このよう
な(C)成分は、本発明のコーティング用組成物から得
られる塗膜を硬化させる際に、そのシリル基中の加水分
解性基および/または水酸基が前記(A)成分および
(B)成分と共縮合することにより、優れた塗膜性能を
もたらすことができる。(C)成分における特定シリル
基の含有量は、ケイ素原子の量に換算して、特定シリル
基の導入前の重合体に対して、通常、0.001〜20
重量%である。特定シリル基は、好ましくは下記一般式
(2) 【0012】 【化1】 【0013】(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基等の加水分解性基または水酸基
を示し、R3 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基
または炭素数1〜10のアラルキル基を示し、iは1〜
3の整数である。)で表される。(C)成分としては、
例えば、(イ)前記一般式(2)に対応するヒドロシラ
ン化合物(以下、「ヒドロシラン化合物(イ)」とい
う。)を、炭素−炭素二重結合を有するビニル系重合体
(以下、「不飽和ビニル系重合体」という。)中の該炭
素−炭素二重結合に付加反応させる方法、(ロ)下記一
般式(3) 【0014】 【化2】 【0015】(式中、X、R3 、iは一般式(2)にお
けるそれぞれX、R3 、iと同義であり、R4 は重合性
二重結合を有する有機基を示す。)で表されるシラン化
合物(以下、「不飽和シラン化合物(ロ)」という。)
と、他のビニル系単量体とを共重合する方法等により製
造されるものを挙げることができる。前記(イ)の方法
に使用されるヒドロシラン化合物(イ)としては、例え
ば、メチルジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニ
ルジクロルシラン等のハロゲン化シラン類;メチルジエ
トキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメ
トキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン等のアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラ
ン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラ
ン等アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、
トリアミノキシシラン、ジメチル・アミノキシシラン等
のアミノキシシラン類等を挙げることができる。これら
のヒドロシラン化合物(イ)は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。また、前記(イ)の
方法に使用される不飽和ビニル系重合体は、水酸基を有
する重合体以外であれば特に限定されず、例えば、下記
(イ−1)や(イ−2)の方法あるいはこれらの組み合
わせ等によって製造することができる。即ち、 (イ−1)官能基(以下、「官能基(α)」という。)
を有するビニル系単量体を(共)重合したのち、該
(共)重合体中の官能基(i)に、該官能基(α)と反
応しうる官能基(以下、「官能基(β)」という。)と
炭素・炭素二重結合とを有する不飽和化合物を反応させ
ることにより、重合体分子鎖の側鎖に炭素−炭素二重結
合を有する不飽和ビニル系重合体を製造することができ
る。 (イ−2)官能基(α)を有するラジカル重合開始剤
(例えば4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸等)を使
用し、あるいはラジカル重合開始剤と連鎖移動剤の双方
に官能基(α)を有する化合物(例えば4,4−アゾビ
ス−4−シアノ吉草酸とジチオグリコール酸等)を使用
して、ビニル系単量体を(共)重合して、重合体分子鎖
の片末端あるいは両末端にラジカル重合開始剤や連鎖移
動剤に由来する官能基(α)を有する(共)重合体を合
成したのち、該(共)重合体中の官能基(α)に、官能
基(β)と炭素・炭素二重結合とを有する不飽和化合物
を反応させることにより、重合体分子鎖の片末端あるい
は両末端に炭素−炭素二重結合を有する不飽和ビニル系
重合体を製造することができる。 (イ−1)および(イ−2)の方法における官能基
(α)と官能基(β)との反応の例としては、カルボキ
シル基と水酸基とのエステル化反応、カルボン酸無水物
基と水酸基との開環エステル化反応、カルボキシル基と
エポキシ基とのエステル化反応、カルボキシル基とアミ
ノ基とのアミド化反応、カルボン酸無水物基とアミノ基
との開環アミド化反応、エポキシ基とアミノ基との開環
付加反応、水酸基とイソシアネート基とのウレタン化反
応や、これらの反応の組み合わせ等を挙げることができ
る。 【0016】官能基(α)を有するビニル系単量体とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸
無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル等の水酸基含有ビニル系単量体;2−アミノ
エチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メ
タ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−
アミノエチルビニルエーテル、N,N−ジメチルアミノ
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ(メ
タ)アクリルアミド等のアミノ基含有ビニル系単量体;
1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミ
ド、1−メチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイ
ミド、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロキシプロピ
ル)アミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル
−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)ア
ミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−
(2’−ヒドロキシ−2’−フェノキシプロピル)アミ
ン(メタ)アクリルイミド等のアミンイミド基含有ビニ
ル系単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル
グリシジルエーテル等のエポキシ基含有ビニル系単量体
等を挙げることができる。これらの官能基(α)を有す
るビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。 【0017】官能基(α)を有するビニル系単量体と共
重合させる他のビニル系単量体としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸
i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレイン酸
ジアミド、フマル酸ジアミド、イタコン酸ジアミド、α
−エチルアクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等を挙げることができる。これらの他
のビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。官能基(β)と炭素・炭素二重
結合とを有する不飽和化合物としては、例えば、官能基
(α)を有するビニル系単量体と同様のビニル系単量体
や、前記水酸基含有ビニル系単量体とジイソシアネート
化合物とを等モルで反応させることにより得られるイソ
シアネート基含有不飽和化合物等を挙げることができ
る。 【0018】また、前記(ロ)の方法に使用される不飽
和シラン化合物(ロ)の具体例としては、CH2 =CH
Si(CH3)(OCH3)2 、CH2 =CHSi(OCH
3)3 、CH2 =CHSi(CH3)Cl2 、CH2 =CH
SiCl3 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH
3)(OCH3)2 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si
(OCH3)3 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(C
3)(OCH3)2 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si
(OCH3)3 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(C
3)Cl2 、CH2 =CHCOO(CH2)2 SiCl
3 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)Cl
2 、CH2 =CHCOO(CH2)3 SiCl3 、CH2
=C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)
2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(OCH
3)3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH
3)(OCH3)2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3
Si(OCH3)3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)
2 Si(CH3)Cl2 、CH2 =C(CH3)COO(C
2)2 SiCl3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)
3 Si(CH3)Cl2 、CH2 =C(CH3)COO(C
2)3 SiCl3 、 【0019】 【化3】 【0020】 【化4】 【0021】 【化5】 【0022】 【化6】 【0023】等を挙げることができる。これらの不飽和
シラン化合物(ロ)は、単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。また、不飽和シラン化合物
(ロ)と共重合させる他のビニル系単量体としては、例
えば、前記(イ−1)の方法について例示した官能基
(α)を有するビニル系単量体や他のビニル系単量体等
の1種以上を挙げることができる。以上のようにして得
られる(C)成分の好ましい例を、より具体的に示す
と、下記一般式(4) 【0024】 【化7】 【0025】(式中、R5 は水素原子またはメチル基を
示し、R6 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基
を示し、R7 はR5 と同義であり、R8 はメチレン基、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜
4のアルキレン基を示し、R9 はR6 と同義であり、j
およびkは各繰返し単位の数を示し、k/(j+k)=
0.01〜0.4、好ましくは0.02〜0.2であ
る。)で表されるトリアルコキシシリル基含有(メタ)
アクリレート系共重合体を挙げることができる。 【0026】また、(C)成分の他の具体例としては、
特定シリル基含有エポキシ樹脂、特定シリル基含有ポリ
エステル樹脂、特定シリル基含有フッ素樹脂等を挙げる
ことができる。前記特定シリル基含有エポキシ樹脂は、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル、脂肪族ポリグ
リシジルエステル等のエポキシ樹脂中のエポキシ基に、
特定シリル基を有するアミノシラン類、ビニルシラン
類、カルボキシシラン類、、グリシジルシラン類等を反
応させることにより製造することができる。また、前記
特定シリル基含有ポリエステル樹脂は、例えば、ポリエ
ステル樹脂中に含有されるカルボキシル基や水酸基に、
特定シリル基を有するアミノシラン類、カルボキシシラ
ン類、グリシジルシラン類等を反応させることにより製
造することができる。また、前記特定シリル基含有フッ
素樹脂は、例えば、フッ化エチレン等の(共)重合体中
に含有されるカルボキシル基や水酸基に、特定シリル基
を有するアミノシラン類、カルボキシシラン類、グリシ
ジルシラン類等を反応させることにより製造することが
できる。 【0027】(C)成分のポリスチレン換算数平均分子
量(以下、「Mn」という。)は、好ましくは2,00
0〜100,000、さらに好ましくは4,000〜5
0,000である。 本発明において、(C)成分は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。本発明における
(C)成分の使用量は、(A)成分におけるオルガノシ
ラン(I)100重量部に対して、通常、2〜900重
量部、好ましくは10〜400重量部である。この場
合、(C)成分の使用量が2重量部未満では、得られる
塗膜の耐アルカリ性が低下する傾向があり、一方900
重量部を超えると、塗膜の耐候性が低下する傾向があ
る。 【0028】さらに、本発明のコーティング用組成物に
は、下記する(D)〜(G)成分を配合することができ
る。(D)成分 (D)成分は、水および/または有機溶剤からなる。本
発明のコーティング用組成物は、前記(A)成分、
(B)成分および(C)成分を必須とし、場合により、
後述する(E)〜(G)成分等を含有するものである
が、通常、組成物を調製する際に、水が、オルガノシラ
ン(1)や(C)成分を加水分解・部分縮合反応させ、
あるいは粒子状成分を分散させるために添加される。本
発明における水の使用量は、(A)成分におけるオルガ
ノシラン(1)1モルに対して、通常、0.5〜3モ
ル、好ましくは0.7〜2モル程度である。 【0029】また、前記有機溶剤は、主として(A)成
分、(B)成分、(C)成分、(E)〜(G)成分等を
均一に混合させ、組成物の全固形分濃度を調整すると同
時に、種々の塗装方法に適用できるようにし、かつ組成
物の分散安定性および保存安定性をさらに向上させるた
めに使用される。このような有機溶剤としては、前記各
成分を均一に混合できるものであれば特に限定されない
が、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテ
ル類、ケトン類、エステル類等の1種類以上を挙げるこ
とができる。これらの有機溶剤のうち、アルコール類の
具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピ
ルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート等を挙げることができる。また、芳香族炭化水素
類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等
を、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を、ケトン類の具体例としては、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
ジイソブチルケトン等を、エステル類の具体例として
は、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロ
ピレン等を挙げることができる。これらの有機溶剤は、
単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。本発明のコーティング用組成物の全固形分濃度は、
好ましくは50重量%以下であり、使用目的に応じて適
宜調整される。例えば、薄膜形成基材への含浸を目的と
するときには、通常、5〜30重量%であり、また厚膜
形成を目的で使用するときには、通常、20〜50重量
%、好ましくは30〜45重量%である。組成物の全固
形分濃度が50重量%を超えると、保存安定性が低下す
る傾向がある。 【0030】(E)成分 (E)成分は、(A)成分、(C)成分等の加水分解・
縮合反応を促進する触媒である。本発明においては、
(E)成分を使用することにより、得られる塗膜の硬化
速度を高めるとともに、使用されるオルガノシラン成分
の重縮合反応により生成されるポリシロキサン樹脂の分
子量が大きくなり、強度、長期耐久性等に優れた塗膜を
得ることができ、かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易と
なる。このような(E)成分としては、酸性化合物、ア
ルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化
合物および/またはその部分加水分解物(以下、有機金
属化合物および/またはその部分加水分解物をまとめて
「有機金属化合物等」という。)が好ましい。(E)成
分のうち、酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、
硫酸、リン酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、フタル酸等を挙げることができ、好ましくは酢酸
である。また、アルカリ性化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることがで
き、好ましくは水酸化ナトリウムである。また、塩化合
物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝
酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸等のアルカリ金属塩等を
挙げることができる。また、アミン化合物としては、例
えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フ
ェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノー
ルアミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・ト
リメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシ
シラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・
トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミ
ノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエ
チル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、
3−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキ
ルアミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ
樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン等を挙げ
ることができ、好ましくは3−アミノプロピル・トリメ
トキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラ
ン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリ
エトキシシランである。 【0031】また、有機金属化合物等としては、例え
ば、下記一般式(5)で表される化合物(以下、「有機
金属化合物(5)」という。)、同一の錫原子に結合し
た炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価錫
の有機金属化合物(以下、「有機錫化合物」とい
う。)、あるいはこれらの化合物の部分加水分解物等を
挙げることができる。 M(OR10) p (R11COCHCOR12) q ・・・(5) (式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
を示し、R10およびR11は、それぞれ独立にエチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等の炭素数1
〜6の1価の炭化水素基を示し、R12は、R10およびR
11と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブ
トキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基等の
炭素数1〜16のアルコキシル基を示し、pおよびqは
0〜4の整数で、(p+q)=(Mの原子価)であ
る。) 【0032】有機金属化合物(5)の具体例としては、
テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキ
シ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブ
トキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウ
ム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)
ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセ
テート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセ
テート)ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;テ
トラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ
・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i
−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チ
タニウム等の有機チタン化合物;トリ−i−プロポキシ
アルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセ
テートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルア
セトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・
ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(ア
セチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセ
トナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム等の有機アルミニウム化合物等を挙げることができ
る。これらの有機金属化合物(5)およびその部分加水
分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセ
テートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・
エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチル
アセトアセテート)アルミニウム、あるいはこれらの化
合物の部分加水分解物が好ましい。 【0033】また、有機錫化合物の具体例としては、
(C49)2 Sn(OCOC1123)2、(C49)2
n(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(C49)2
n(OCOCH=CHCOOC49)2 、(C817)2
Sn(OCOC8 17)2、(C817)2Sn(OCOC
1123)2、(C817)2Sn(OCOCH=CHCOO
CH3)2 、(C817)2Sn(OCOCH=CHCOO
49)2 、(C817)2Sn(OCOCH=CHCO
OC817)2、(C817)2Sn(OCOCH=CHC
OOC1633)2、(C817)2Sn(OCOCH=CH
COOC1735)2、(C817)2Sn(OCOCH=C
HCOOC1837)2、(C817)2Sn(OCOCH=
CHCOOC2041)2、 【0034】 【化8】 、 【0035】(C49)Sn(OCOC1123)3、(C
49)Sn(OCONa)3等のカルボン酸型有機錫化合
物;(C49)2 Sn(SCH2 COOC817)2
(C49)2 Sn(SCH2 CH2 COOC817)2
(C817)2Sn(SCH2 COOC817)2、(C8
17)2Sn(SCH2 CH2 COOC817)2、(C8
17)2Sn(SCH2 COOC1225)2、(C817)2
Sn(SCH2 CH2 COOC1225)2、(C49)S
n(SCOCH=CHCOOC817)3、(C8 17
Sn(SCOCH=CHCOOC817)3、 【0036】 【化9】 【0037】等のメルカプチド型有機錫化合物;(C4
9)2 Sn=S、(C817)2Sn=S、 【0038】 【化10】 【0039】等のスルフィド型有機錫化合物;(C4
9)SnCl3 、(C4 9)2 SnCl2 、(C8 17)2
SnCl2 、 【0040】 【化11】 【0041】等のクロライド型有機錫化合物;(C4
9)2 SnO、(C817)2SnO等の有機錫オキサイド
や、これらの有機錫オキサイドとエチルシリケート、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオ
クチル等のエステル化合物との反応生成物等を挙げるこ
とができる。(E)成分は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の
反応遅延剤と混合して使用することもできる。(E)成
分は、コーティング用組成物を調製する際に配合しても
よく、また塗膜を形成する段階でコーティング用組成物
に配合してもよく、さらにはコーティング用組成物の調
製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
(E)成分の使用量は、有機金属化合物等以外の場合、
前記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重
量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは
0.01〜80重量部、さらに好ましくは0.1〜50
重量部であり、有機金属化合物等の場合、前記(A)成
分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対し
て、通常、0〜100重量部、好ましくは0.1〜80
重量部、さらに好ましくは0.5〜50重量部である。
この場合、(E)成分の使用量が100重量部を超える
と、組成物の保存安定性が低下したり、塗膜にクラック
が発生しやすくなる傾向がある。 【0042】(F)成分 (F)成分は、下記一般式(6) R11COCH2 COR12 ・・・(6) (式中、R11およびR12は、有機金属化合物(5)にお
ける前記各一般式のそれぞれR11およびR12と同義であ
る。)で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合
物、アミン化合物およびオキシアルデヒド化合物の群か
ら選ばれる少なくとも1種からなる。このような(F)
成分は、特に、前記(E)成分として有機金属化合物等
を使用する場合に併用することが好ましい。(F)成分
は、組成物の安定性向上剤として作用するものである。
即ち、(F)成分が前記有機金属化合物等の金属原子に
配位することにより、該有機金属化合物等による前記
(A)成分、(B)成分および(C)成分の共縮合反応
を促進する作用を適度にコントロールすることにより、
得られる組成物の保存安定性をさらに向上させる作用を
なすものと考えられる。(F)成分の具体例としては、
アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロ
ピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−
ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−
ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5
−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4
−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロ
ン酸、しゅう酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル
酸、アミノ酢酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢
酸、グリコール、カテコール、エチレンジアミン、2,
2−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、ジエチ
レントリアミン、2−エタノールアミン、ジメチルグリ
オキシム、ジチゾン、メチオニン、サリチルアルデヒド
等を挙げることができる。これらのうち、アセチルアセ
トン、アセト酢酸エチルが好ましい。(F)成分は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(F)成分の使用量は、前記有機金属化合物等における
有機金属化合物1モルに対して、通常、2モル以上、好
ましくは3〜20モルである。この場合、(F)成分の
使用量が2モル未満では、得られる組成物の保存安定性
の向上効果が不十分となる傾向がある。 【0043】(G)成分 (G)成分は、前記(B)成分以外の無機化合物の粉体
および/またはゾルもしくはコロイドからなり、塗膜の
所望の特性に応じて配合される。(G)成分をなす化合
物の具体例としては、SiO2 、Al23 、Al(O
H)3 、Sb25 、Si34 、Sn−In23
Sb−In23 、MgF、CeF3 、CeO2 、Si
2 、Al23 、3Al23 ・2SiO2 、Be
O、SiC、AlN、Al23 、Fe、Fe23
Co、Co−FeOX 、CrO2 、Fe4 N、Baフェ
ライト、SmCO5 、YCO5 、CeCO5 、PrCO
5 、Sm2 CO17、Nd2 Fe14B、ZrO2 、Al4
3 、AlN、SiC、α−Si、SiN4、CoO、
Sb−SnO2 、Sb2 5 、MnO2 、MnB、Co
3 4 、Co3 B、LiTaO3 、MgO、MgAl2
4 、BeAl2 4 、ZrSiO4 、ZnSb、Pb
Te、GeSi、FeSi2 、CrSi2 、CoS
2 、MnSi1.73、Mg2 Si、β−B、BaC、B
P、TiB2 、ZrB2 、HfB2 、Ru2 Si3 、B
aTiO3 、PbTiO3 、BaO−Al23 −Si
2 、Al2 TiO5 、Zn2 SiO4 、Zr2 SiO
4 、2MgO2 −Al23 −5SiO2 、Li2 O−
Al2 3 −4SiO2 、Mgフェライト、Niフェラ
イト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフ
ェライト等を挙げることができる。(G)成分の存在形
態には、粉体、水に分散した水系のゾルもしくはコロイ
ド、イソプロピルアルコ−ル等の極性溶媒やトルエン等
の非極性溶媒中に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイ
ドがある。溶媒系のゾルもしくはコロイドの場合、半導
体の分散性によってはさらに水や溶媒にて希釈して用い
てもよく、また分散性を向上させるために表面処理して
用いてもよい。(G)成分が水系のゾルもしくはコロイ
ドおよび溶媒系のゾルもしくはコロイドである場合の固
形分濃度は、40重量%以下が好ましい。(G)成分
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。(G)成分を組成物中に配合する方法としては、
コーティング用組成物の調製後に添加してもよく、ある
いはコーティング用組成物の調製時に添加して、(G)
成分を、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分等と
共加水分解・部分縮合させてもよい。(G)成分の使用
量は、前記(A)成分におけるオルガノシラン(1)1
00重量部に対して、固形分で、通常、0〜500重量
部、好ましくは0.1〜400重量部である。 【0044】他の添加剤 また、本発明のコーティング用組成物には、得られる塗
膜の着色、厚膜化等のために、別途充填材を添加・分散
させることもできる。このような充填材としては、例え
ば、非水溶性の有機顔料や無機顔料、顔料以外の、粒子
状、繊維状もしくは鱗片状のセラミックス、金属あるい
は合金、並びにこれらの金属の酸化物、水酸化物、炭化
物、窒化物、硫化物等を挙げることができる。前記充填
材の具体例としては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケ
ル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステン
レス鋼、二酸化ケイ素、顔料用酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジル
コニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミ
ニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸
バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バ
リウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバ
ルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シ
ェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群
青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、
セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、
コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオ
レット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫
化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム
黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化
銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベ
ンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン
白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン
白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン
白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、
サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィス
カー、二硫化モリブデン等を挙げることができる。これ
らの充填材は、単独でまたは2種以上を混合して使用す
ることができる。充填材の使用量は、組成物の全固形分
100重量部に対して、通常、300重量部以下であ
る。 【0045】さらに、本発明のコーティング用組成物に
は、所望により、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチ
ル、テトラエトキシシラン等の公知の脱水剤;ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボ
ン酸塩、ポリりん酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミド
エステル塩、ポリエチレングリコール等の分散剤;メチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等のセルロース類や、ひまし
油誘導体、フェロけい酸塩等の増粘剤;炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素
化ほう素ナトリウム、カルシウムアジド等の無機発泡剤
や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ジフ
ェニルスルホン−3,3’−ジスルホヒドラジン等のヒ
ドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾール
化合物、N−ニトロソ化合物等の有機発泡剤のほか、界
面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、染料等の他の添加剤を配合することもできる。ま
た、コーティング用組成物のコーティング性をより向上
させるためにレベリング剤を配合することができる。こ
のようなレベリング剤のうち、ふっ素系のレベリング剤
(商品名。以下同様)としては、例えば、ビーエムヘミ
ー(BM-CHEMIE)社のBM1000、BM1100;エフ
カケミカルズ社のエフカ772、エフカ777;共栄社
化学(株)製のフローレンシリーズ;住友スリーエム
(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフルオナール
TFシリーズ等を挙げることができ、シリコーン系のレ
ベリング剤としては、例えば、ビックケミー社のBYK
シリーズ;シュメグマン(Sshmegmann) 社のSshmego シ
リーズ;エフカケミカルズ社のエフカ30、エフカ3
1、エフカ34、エフカ35、エフカ36、エフカ3
9、エフカ83、エフカ86、エフカ88等を挙げるこ
とができ、エーテル系またはエステル系のレベリング剤
としては、例えば、日信化学工業(株)のカーフィノー
ル;花王(株)のエマルゲン、ホモゲノール等を挙げる
ことができる。このようなレベリング剤を配合すること
により、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても
均一に塗布することができる。レベリング剤の使用量
は、全コーティング用組成物に対して、好ましくは0.
01〜5重量%、さらに好ましくは0.02〜3重量%
である。レベリング剤を配合する方法としては、コーテ
ィング用組成物を調製する際に配合してもよく、また塗
膜を形成する段階でコーティング用組成物に配合しても
よく、さらにはコーティング用組成物の調製と塗膜の形
成との両方の段階で配合してもよい。 【0046】本発明のコーティング用組成物を調製する
に際しては、(E)成分と(F)成分とを使用しない場
合は、各成分の混合方法は特に限定されないが、(E)
成分と(F)成分とを使用する場合は、好ましくは、
(A)〜(F)成分のうち(F)成分を除いた混合物を
得たのち、これに(F)成分を添加する方法が採用され
る。コーティング用組成物の調製法の具体例としては、
下記〜の方法等を挙げることができる。 (A)成分を構成するオルガノシラン(1)、
(B)成分、(C)成分、(E)成分および必要量の有
機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解
・部分縮合反応を行ったのち、(F)成分を添加する方
法。 (A)成分を構成するオルガノシラン(1)、
(B)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、
所定量の水を加えて加水分解・部分縮合反応を行い、次
いで(C)成分および(E)成分を加えて混合して、さ
らに部分縮合反応を行ったのち、(F)成分を添加する
方法。 (A)成分を構成するオルガノシラン(1)、
(B)成分、(E)成分および必要量の有機溶剤からな
る混合物に、所定量の水を加えて加水分解・部分縮合反
応を行い、次いで(C)成分を加えて混合して、さらに
部分縮合反応を行ったのち、(F)成分を添加する方
法。 (A)成分を構成するオルガノシラン(1)の一
部、(B)成分、(C)成分、(E)成分および必要量
の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水
分解・部分縮合反応を行い、次いでオルガノシラン
(1)の残部を添加して、さらに加水分解・部分縮合反
応を行なったのち、(F)成分を添加する方法。また、
本発明のコーティング用組成物は、場合により、 (B)成分を除いた各成分を用いて前記、、
あるいはの方法を実施したのち、(B)成分を添加す
る方法によっても調製することができる。なお、本発明
においては、(A)〜(F)成分以外の成分は、組成物
を調整する適宜の段階で添加することができる。 【0047】本発明のコーティング用組成物を基材に塗
布する際には、刷毛、ロ−ルコ−タ−、フロ−コ−タ
−、遠心コ−タ−、超音波コ−タ−等を用いたり、ディ
ップコート、流し塗り、スプレ−、スクリ−ンプロセ
ス、電着、蒸着等の塗布方法により、1回塗りで厚さ1
〜40μm程度、2〜3回塗りでは厚さ2〜80μm程
度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥
するか、あるいは30〜200℃程度の温度で10〜6
0分程度加熱して乾燥することにより、各種の基材に塗
膜を形成することができる。本発明のコーティング用組
成物を適用しうる基材としては、例えば、鉄、アルミニ
ウム、ステンレス等の金属;セメント、コンクリ−ト、
ALC、フレキシブルボ−ド、モルタル、スレ−ト、石
膏、セラミックス、レンガ等の無機窯業系材料;フェノ
−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカ−ボネ
−ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂(ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)等のプラ
スチック成型品;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ビニルアルコ−ル、ポリカ−ボネ−ト、ポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリウレタン、ポリイミド等のプラスチ
ックフィルムや、木材、紙、ガラス等を挙げることがで
きる。また、本発明のコーティング用組成物は、劣化塗
膜の再塗装にも有用である。これらの基材には、下地調
整、密着性向上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付
け等を目的として、予め表面処理を施すこともできる。
例えば、金属系基材に対する表面処理としては、例え
ば、研磨、脱脂、メッキ処理、クロメ−ト処理、火炎処
理、カップリング処理等を挙げることができ、プラスチ
ック系基材に対する表面処理としては、例えば、ブラス
ト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処
理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、
イオン処理等を挙げることができ、無機窯業系基材に対
する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、模様付
け等を挙げることができ、木質基材に対する表面処理と
しては、例えば、研磨、目止め、防虫処理等を挙げるこ
とができ、紙質基材に対する表面処理としては、例え
ば、目止め、防虫処理等を挙げることができ、さらに劣
化塗膜に対する表面処理としては、例えば、ケレン等を
挙げることができる。 【0048】本発明のコーティング用組成物による塗布
操作は、基材の種類や状態、塗布方法によって異なる。
例えば、金属系基材の場合、防錆の必要があればプライ
マ−を用い、無機窯業系基材の場合、基材の特性(表面
荒さ、含浸性、アルカリ性等)により塗膜の隠ぺい性が
異なるため、通常はプライマ−を用いる。また、劣化塗
膜の再塗装の場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライ
マ−を用いる。それ以外の基材、例えば、プラスチッ
ク、木材、紙、ガラス等の場合は、用途に応じてプライ
マ−を用いても用いなくてもよい。プライマ−の種類は
特に限定されず、基材とコ−ティング用組成物との密着
性を向上させる作用を有するものであればよく、基材の
種類、使用目的に応じて選択する。プライマ−は、単独
でまたは2種以上を混合して使用することができ、また
顔料等の着色成分を含むエナメルでも、該着色成分を含
まいクリヤーでもよい。プライマ−の種類としては、例
えば、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ
素樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョ
ン、エポキシエマルジョン、ポリウレタンエマルジョ
ン、ポリエステルエマルジョンや、本発明における
(A)成分と(C)成分とからなる組成物、本発明にお
ける(A)成分と(C)成分と(G)成分とからなる組
成物等を挙げることができる。また、これらのプライマ
ーには、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な
場合、各種の官能基を付与することもできる。このよう
な官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、
カルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジル基、ア
ルコキシシリル基、エ−テル結合、エステル結合等を挙
げることができる。また、本発明のコーティング用組成
物から形成した塗膜の表面には、塗膜の耐摩耗性や光沢
をさらに高めることを目的として、例えば、米国特許第
3,986,997号明細書、米国特許第4,027,
073号明細書等に記載されたコロイダルシリカとシロ
キサン樹脂との安定な分散液のようなシロキサン樹脂系
塗料等からなるクリア層を形成することもできる。 【0049】本発明のコーティング用組成物を基材に適
用した形態には、次のようなものがある。 (a)基材/コーティング用組成物(クリア−、エナメ
ル) (b)基材/コーティング用組成物(エナメル)/コー
ティング用組成物(クリア−) (c)基材/コーティング用組成物(クリア−、エナメ
ル)/他の有機塗料/コーティング用組成物(クリア
−) (注) クリア−は着色成分を含まない組成物、エナメ
ルは着色成分を含む組成物である。 なお、前記(a)〜(c)の場合、必要に応じて基材に
予めプライマー層を設けることができるのは前述したと
おりである。 【0050】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形
態をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの
実施例に何ら制約されるものでない。実施例および比較
例中の部および%は、特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例における各種の測定・評価は、下記
の方法により行った。 MwおよびMn 下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法により測定した。 試料 : テトラヒドロフランを溶媒として使用し、オルガノシラ ンの部分縮合物1gまたはシリル基含有ビニル系樹脂0. 1gを、それぞれ100ccのテトラヒドロフランに溶解 して調製した。 標準ポリスチレン: 米国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使 用した。 装置 ; 米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマトグラ ム(モデル150−C ALC/GPC) カラム : 昭和電工(株)製のSHODEX A−80M(長さ5 0cm) 測定温度 : 40℃ 流速 : 1cc/分保存安定性 硬化促進剤を添加しない組成物を、ポリエチレン製ビン
内に、常温で3ヶ月密栓保存して、ゲル化の有無を目視
により判定した。ゲル化を生じていないものについて
は、東京計器(株)製のBM型粘度計による粘度測定を
行い、変化率が20%以内のものを、“変化なし”とし
た。硬度 JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。密着性 JIS K5400による碁盤目テスト(ます目100
個)により、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に
拠った。耐候性 JIS K5400により、サンシャインウエザーメー
ターで3,000時間照射試験を実施して、塗膜の外観
(割れ、はがれ等)を目視により観察した。また、試験
前後の塗膜の光沢を測定して、下記基準で評価した。 光沢保持率が90%以上 :○ 光沢保持率が50%〜90%未満:△ 光沢保持率が50%未満 :×耐アルカリ性 塗膜上に、濃度1〜40%の水酸化ナトリウム水溶液を
1cc滴下し、蓋付きシャーレ中で6時間静置後、水洗
したのち、塗膜の状態を目視により観察して、塗膜に異
常のない水酸化ナトリウム水溶液の最大濃度を求めた。耐アルカリ性 試験片を、飽和水酸化カルシウム水溶液中に60日間浸
漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。耐有機薬品性 塗膜上にイソプロピルアルコールを2cc滴下し、5分
後に布で拭き取ったのち、塗膜の状態を目視により観察
した。耐湿性 試験片を、温度50℃、湿度95%の環境下に、連続
1,000時間保持したのち、取り出して塗膜の状態を
目視により観察した。耐水性 試験片を、水道水中に常温で60日間浸漬したのち、塗
膜の状態を目視により観察した。耐温水性 無機質基材を用いた試験片を、60℃の温水中に14日
間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。親水性 塗膜に、0.05mW/cm2 ブラックライト蛍光灯で
5時間照射したのち、水の接触角を測定した。耐汚染性 塗膜上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)
の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間
放置したのち、スポンジを用いて水洗して、塗膜の汚染
状態を観察し、下記基準で評価した。 汚染なし :○ 少し汚染されている:△ 汚染が著しい :×透明性 各組成物を、石英ガラス上に、乾燥膜厚10μmとなる
ように塗布したのち、可視光の透過率を測定して、下記
基準で評価した。 透過率が80%を超える:◎ 透過率が60〜80% :○ 透過率が60%未満 :△ 【0051】参考例1((A)成分の調製) 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン30
部、イオン交換水25部、0.1規定塩酸0.01部を
加えて混合したのち、攪拌下、60℃で3時間反応させ
て、固形分濃度44%のオルガノシシラン(1)の部分
縮合物からなる(A)成分の溶液を得た。この部分縮合
物のMwは1,500であった。 【0052】参考例2((C)成分の製造) 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート90部、n−ブチルアクリレート40部、3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、キシ
レン130部を加えて混合したのち、攪拌下で80℃に
加温し、この混合物に、アゾビスイソバレロニトリル4
部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴
下し、さらに80℃で5時間反応させて、固形分濃度5
0%の(C)成分の溶液を得た。この(C)成分を、
(C−1)成分とする。(C−1)成分は、Mnが1
2,000であり、ポリマー1分子当たり平均6個のシ
リル基を含有していた。 【0053】 【実施例】 実施例1 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン50
部、酸化チタンの水系ゾル200部(酸化チタン含量4
0%、水10%、アルコール50%)、カネカゼムラッ
ク(固形分濃度50%)100部、ジ−i−プロポキシ
・エチルアセトアセテートアルミニウム20部、i−プ
ロピルアルコール200部を加えて混合し、攪拌下、6
0℃で4時間反応させた。次いで室温まで冷却し、アセ
チルアセトン20部を後添加して、固形分濃度30%の
組成物(I−a)を得た。また、組成物(I−a)を、
アルカリ脱脂したアルミニウム板(JIS H400
0,A1050P)に、乾燥膜厚20μmになるように
スプレー法により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥
して、試験片を作製した。組成物(I−a)の保存安定
性の評価結果および試験片の各種評価結果を、それぞれ
表1および表2に示す。 【0054】実施例2〜5 配合処方および反応条件を表1に示すとおりとした以外
は実施例1と同様にして反応させたのち、室温まで冷却
し、後添加の(F)成分と実施例によっては他の添加剤
を添加して、固形分濃度30%の組成物(I−b)〜
(I−e)を調製した。但し、実施例2、実施例3およ
び実施例5の酸化チタンの水系ゾルは酸化チタン含量4
0%、水10%およびアルコール50%、実施例4の酸
化チタンの水系ゾルは酸化チタン含量40%、水8%お
よびアルコール52%である。また、得られた各組成物
を用い実施例1と同様にして、試験片を作製した。各組
成物の保存安定性の評価結果および各試験片の各種評価
結果を、それぞれ表1および表2に示す。 【0055】実施例6 攪拌器、還流冷却器を備えた反応器に、参考例1で得た
(A)成分の溶液100部(固形分)、酸化チタンの水
系ゾル200部(酸化チタン含量40%、水10%、ア
ルコール50%)、参考例2で得た(C−1)成分の溶
液45部(固形分)、ジ−i−プロポキシ・エチルアセ
テートアルミニウム8部、i−プロピルアルコール10
0部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル1
00部を加えて混合し、攪拌下、60℃で2.5時間反
応させたのち、室温まで冷却し、アセチルアセトン20
部を後添加して、固形分濃度30%の組成物(I−f)
を得た。また、組成物(I−f)を用い実施例1と同様
にして、試験片を作製した。組成物(I−f)の保存安
定性の評価結果および試験片の各種評価結果を、それぞ
れ表1および表2に示す。 【0056】実施例7 攪拌器、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン50
部、カネカゼムラック(固形分濃度50%)100部、
ジ−i−プロポキシ・エチルアセテートアルミニウム2
0部、i−プロピルアルコール100部、エチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル100部を加えて混合
し、これにイオン交換水20を加え、攪拌下、60℃で
4時間反応させた。次いで、室温まで冷却したのち、酸
化チタンの溶媒系ゾル200部(酸化チタン含量40
%、アルコール60%)およびアセチルアセトン20部
を後添加して、固形分濃度30%の組成物(I−g)を
得た。また、組成物(I−g)を用い実施例1と同様に
して、試験片を作製した。組成物(I−g)の保存安定
性の評価結果および試験片の各種評価結果を、それぞれ
表1および表2に示す。 【0057】実施例8〜9 配合処方および反応条件を表1に示すとおりとした以外
は実施例1と同様にして反応させたのち、室温まで冷却
し、後添加の(B)成分と(F)成分を添加して、固形
分濃度30%の組成物(I−h)〜(I−i)を調製し
た。また、得られた各組成物に、さらにエチルセルロー
ス(増粘剤)、ポリカルボン酸型分散剤およびガラスビ
ーズを添加し、サンドミルで練合して、コンパウンドを
得たのち、実施例1と同様にして、試験片を作製した。
各組成物の保存安定性の評価結果および各試験片の各種
評価結果を、それぞれ表1および表2に示す。 【0058】比較例1〜11 配合処方および反応条件を表3に示すとおりとした以外
は実施例1と同様にして反応させたのち、室温まで冷却
し、比較例によっては後添加の(F)成分あるいは他の
添加剤を添加して、固形分濃度30%の組成物(II−
a)〜(II−k)を調製した。また、組成物(II−a)
〜(II−i)はそのまま用い、組成物(II−j)〜(II
−k)は、さらにエチルセルロース(増粘剤)、ポリカ
ルボン酸型分散剤およびガラスビーズを添加し、サンド
ミルで練合して、コンパウンドを得たのち、実施例1と
同様にして、試験片を作製した。各組成物の保存安定性
の評価結果および各試験片の各種評価結果を、それぞれ
表3〜4および表5に示す。 【0059】実施例10〜16 組成物(I−a)〜(I−g)に、さらにエチルセルロ
ース(増粘剤)、ポリカルボン酸型分散剤およびガラス
ビーズを添加したのち、サンドミルにより練合して、コ
ンパウンドを得た。次いで、各コンパウンドにジ−n−
ブチル錫ジラウレート(硬化促進剤)を2%混合して、
コーティング材を得た。また、各コーティング材を、ア
ルカリ脱脂したアルミニウム板(JIS H4000,
A1050P)に、乾燥重量で20g/m2 塗布したの
ち、120℃で10分間加熱乾燥して、試験片を作製し
た。各コーティング材の保存安定性の評価結果および各
試験片の各種評価結果を、表6に示す。 【0060】比較例12〜17 組成物(II−a)〜(II−f)に、さらにエチルセルロ
ース(増粘剤)、ポリカルボン酸型分散剤およびガラス
ビーズを添加したのち、サンドミルにより練合して、コ
ンパウンドを得た。得られた各コンパウンドを用い実施
例8〜14と同様にして、コーティング材の調製および
試験片の作製を行った。各コーティング材の保存安定性
の評価結果および各試験片の各種評価結果を、表7に示
す。 【0061】 【表1】 (*1) 鐘淵化学工業(株)製 【0062】 【表2】【0063】 【表3】(*1) 鐘淵化学工業(株)製 【0064】 【表4】(*1) 鐘淵化学工業(株)製 【0065】 【表5】 【0066】 【表6】【0067】 【表7】 【0068】実施例17 攪拌器、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン50
部、酸化チタンの溶媒系ゾル100部(酸化チタン含量
40%、アルコール60%)、特定シリル基含有エポキ
シ樹脂(固形分濃度50%)50部、ジ−i−プロポキ
シ・エチルアセテートアルミニウム20部、トルエン4
0部を加えて混合し、これにイオン交換水50を加え
て、攪拌下、60℃で4時間反応させた。次いで、室温
まで冷却したのち、アセチルアセトン20部を後添加し
て、固形分濃度30%の組成物(I−j)を得た。ま
た、組成物(I−j)を用い実施例1と同様にして、試
験片を作製した。組成物(I−j)の保存安定性の評価
結果および試験片の各種評価結果を、それぞれ表8およ
び表9に示す。 【0069】実施例18〜19 配合処方および反応条件を表8に示すとおりとした以外
は実施例17と同様にして、組成物(I−k)〜(I−
l)を調製した。また、得られた各組成物を用い実施例
1と同様にして、各試験片を作製した。各組成物の保存
安定性の評価結果および各試験片の各種評価結果を、そ
れぞれ表8および表9に示す。 【0070】 【表8】【0071】 【表9】 【0072】 【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、特に
保存安定性が優れ、しかも密着性、耐候性、耐アルカリ
性、耐有機薬品性、耐湿性、耐(温)水性、耐汚染性等
に優れ、しかも硬度の高い塗膜を形成しうるものであ
り、オルガノシラン系コーティング材として極めて高度
の特性バランスを有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−259891(JP,A) 特開 平7−133463(JP,A) 特開 平1−115966(JP,A) 国際公開96/29375(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 10/00 C09D 101/00 - 201/10 C09J 7/04 - 7/06 C09K 3/18

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)下記一般式(1) (R1)n Si(OR2)4-n ...(1) (式中、R1 は炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R
    2 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のア
    シル基を示し、nは0〜2の整数である。)で表される
    オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および
    該オルガノシランの部分縮合物の群から選ばれる少なく
    とも1種、 (B)光触媒能を有する半導体の粉体および/またはゾ
    ル、 (C)加水分解性基および/または水酸基と結合したケ
    イ素原子を有するシリル基を重合体分子鎖の末端および
    /または側鎖に有する重合体 (D)水および/または有機溶剤、 (E)下記一般式(5)で表される化合物あるいはこの
    化合物の部分加水分解物 M(OR 10 ) p (R 11 COCHCOR 12 ) q ・・・(5) (式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
    を示し、R 10 およびR 11 は、それぞれ独立にエチル基、
    n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、se
    c−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘ
    キシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等の炭素数1
    〜6の1価の炭化水素基を示し、R 12 は、 10 およびR 11 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素
    基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
    基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
    キシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリ
    ルオキシ基等の炭素数1〜16のアルコキシル基を示
    し、pおよびqは0〜4の整数で、 (p+q)=(Mの原子価)である。)、並びに (F)下記一般式(6) 11 COCH 2 COR 12 ・・・(6) (式中、R 11 およびR 12 は一般式(5)のそれぞれR 11
    およびR 12 と同義である。)で表されるβ−ジケトン類
    および/またはβ−ケトエステル類 を含有することを特
    徴とするコーティング用組成物。
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