JP4811389B2 - 防曇性付与方法 - Google Patents

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本発明は、防曇性を有する親水性コーティングを基材表面に施す方法に関する。
4官能アルコキシドの加水分解物および/または部分加水分解物からなるシリコーンレジンと無機系フィラーとを含む塗料から得られるコーティング膜は、水に対する接触角が低く防曇性を示し、耐摩耗性も高いことが知られている。また、特許文献1によると、塗料を塗布した後に250〜350℃の焼成温度で硬化することでより高い防曇性が得られる。
さらには、シリコーンレジンを主成分とし、光半導体を含有する塗料を塗布、硬化して得られる塗膜においては、以下のような様々な効果が期待でき、各種基材に適用されている。
光半導体に励起波長(たとえば、400nm)の光(紫外線)が当たると、有機物を酸化分解することができる活性酸素が発生するため、光半導体を含有する塗料を基材の表面にコーティングした材料には、その表面に付着したカーボン系汚れ成分(たとえば、自動車の排気ガス中に含まれるカーボン留分や、たばこのヤニ等)を分解する自己洗浄効果;アミン化合物、アルデヒド化合物に代表される悪臭成分を分解する消臭効果;大腸菌、黄色ブドウ球菌に代表される菌成分の発生を防ぐ抗菌効果;防かび効果等が期待される。また、光半導体を含有する塗料を基材の表面にコーティングした材料に紫外線が当たると、光半導体がその光触媒作用で、空気中の水分または該材料表面に付着した水分を水酸化ラジカル化し、この水酸化ラジカルが、水をはじく有機物等(該材料表面に付着したものと該材料表面中に含まれるもの)を分解除去することにより、該材料表面に対する水の接触角が低下して該材料表面が水に濡れ(馴染み)やすくなるという親水性(水濡れ性)向上効果もある。この親水性向上効果から、屋内の部材においては、ガラスや鏡が水滴で曇りにくい防曇効果が期待され、屋外部材においては、付着した汚れが雨水によって洗浄される防汚効果が期待される。また、光半導体を含有する塗料を基材表面にコーティングした材料には、光半導体の光触媒作用による帯電防止機能もあり、この機能によっても防汚効果が期待される。
特開2001−146573号公報
ところが、上記の従来技術には、以下のような問題点があった。それは、シリコーンレジンが主に4官能シリコーンレジンから構成されている場合、製膜後初期は親水性が不十分な場合があり、また、光半導体が含有される場合、紫外線が照射されてから光触媒作用が発揮されるまでにある程度の時間がかかるため、製膜後、光触媒作用の効果が発揮されるまでの時間は親水性が得られず、紫外線の当たらない屋内等ではなかなか親水性にならないため、使用しにくかった。また、前記特許文献1の技術では、250〜350℃の温度で焼成することが必要であるため、耐熱性の低い基材に塗布する場合や、建物の外壁に塗布する等の加熱できないような場所に塗布する場合には、適用できないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術と同等以上の耐水性、耐摩耗性を維持しつつ、製膜後初期より紫外線の照射なしに防曇性を示すことができる親水性コーティングを基材表面に施す方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は種々検討を重ねた。その結果、シリコーンレジンに下記特定の有機金属化合物を配合すれば、耐水性、耐摩耗性等を低下させずに、塗膜形成初期より紫外線の照射なしに防曇性を示すことができることを実験で確認して、本発明の防曇性付与親水性コーティング方法を完成させた。
本発明にかかる防曇性付与方法は、基材の表面に、下記式(1)で示される加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解物であるシリコーンレジンとZr(OC(C)もしくはZr(OC)(C)(Cからなる有機Zr化合物とを含有する親水性コーティング材組成物を塗布することにより、紫外線の照射なしに水との接触角10°未満の防曇性を示す親水性コーティングを施すことを特徴とする。
Si(OR) (1)
(上記式(1)中のRは1価の炭化水素基を表す。)
本発明において「親水性」とは、初期から親水性に優れていることを意味する。
本発明の防曇性付与方法の実施に用いられる親水性コーティング材組成物(以下では、本発明の親水性コーティング材組成物と言うことがある。)は、上記特定のシリコーンレジンと上記特定の有機Zr化合物とを含有する。
発明において、前記親水性コーティング材組成物は、前記有機Zr化合物を親水性コーティング材組成物の全固形分に対し0.1〜30重量%含有させることができる。
本発明にかかる防曇性付与方法によれば、基材の表面に本発明の親水性コーティング材組成物を塗布するだけで、当該基材の表面に、製膜後初期より紫外線の照射なしに防曇性を示させることができる。
本発明の親水性コーティング材組成物の必須成分の一つであるシリコーンレジンは、バインダー樹脂および造膜成分として用いられる成分である。
シリコーンレジンは、その形態を特に限定されず、たとえば、溶液状のものでも分散液状のもの等でも構わない。
シリコーンレジンは、下記式(1)で示される加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解物である。なお、本明細書中、「(部分)加水分解」は「部分加水分解および/または加水分解」を意味する。
Si(OR) (1
(1)中のRは1価の炭化水素基であれば特に限定されないが、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が好適であり、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オクチル基等のアルキル基を例示することができる。これらアルキル基のうち、炭素数が3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい
式(1)で表される加水分解性オルガノシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどが例示される
水分解性オルガノシランは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーンレジンは、たとえば、加水分解性オルガノシランに硬化剤としての水および必要に応じて触媒等を必要量添加して、(部分)加水分解を行わせてプレポリマー化させることにより、調製することができる。
シリコーンレジンは、たとえば、加水分解性オルガノシランに硬化剤としての水および必要に応じて触媒等を必要量添加して、(部分)加水分解を行わせてプレポリマー化させることにより、調製することができる。
加水分解性オルガノシランを(部分)加水分解する際に用いられる水の量は、特に限定はされないが、たとえば、加水分解性オルガノシランの有する加水分解性基(OR)に対する水(H2O)のモル当量比(H2O/OR)で示せば、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.35〜4、さらに好ましくは0.4〜3.5の範囲である。上記モル当量比が0.3未満であると、加水分解が十分進行せず、硬化被膜が脆くなる恐れがあり、5を超えると、得られるシリコーンレンジが短時間でゲル化する傾向があるため、貯蔵安定性が低下する恐れがある。
また加水分解性オルガノシランを(部分)加水分解する際に必要に応じて用いられる触媒としては、特に限定はされないが、製造工程にかかる時間を短縮する点から、酸性触媒が好ましい。酸性触媒としては、特に限定はされないが、たとえば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チタニアゾル等の酸性ゾル状フィラー等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解は、必要に応じ、加温(たとえば、40〜100℃に加熱)して行っても良い。
加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解は、必要に応じ、加水分解性オルガノシランを適当な溶媒で希釈して行ってよい。そのような希釈溶媒(反応溶媒)としては、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等の1種もしくは2種以上も用いることができる。
本発明で用いられるシリコーンレジンの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン換算で500〜1000の範囲が好ましい。500未満の場合はシリコーンレジンが不安定であったり、1000より大きい場合はコーティング膜が十分な硬度を保てない等の不都合がある。
本発明の親水性コーティング材組成物は、上記シリコーンレジンに加え、さらに有機Zr化合物を必須成分として含む。有機Zr化合物は、脱水・脱アルコールによる縮合反応を促進し、塗膜の架橋密度を高めたり、基材との密着性を向上させる効果や、膜を硬くする効果、さらには疎水、耐水、耐アルカリ効果等を有する。
有機Zr化合物としては、
ZrO (OR
(ここで、RおよびRは同一または異種の1価の有機基または水素原子を示し、pは1〜4の整数、nは0または1であり、2n+m+p=4である。)
で表される化合物が好ましく用いられる。特にZr(OC(C)およびZr(OC)(C)(Cを使用した場合は、塗料の塗布後に室温で乾燥を行った場合でも、300℃程度で焼成を行った場合と同等に初期より高い防曇性を示す。
有機Zr化合物の含有量としては、親水性コーティング材組成物の全固形分に対し0.1〜30重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では添加効果が見られない場合があり、30重量%を越えるとコーティング材のゲル化や凝集が起こるおそれがある。
本発明の親水性コーティング材組成物は、必要に応じ、フィラーをも含有していてもよい。フィラーとしては、特に限定はされず、例えば、シリカ、アルミナ、光半導体等の無機酸化物等の無機系フィラー;カーボンブラック等の有機系フィラー等、公知のものを使用できる。これらの中でも、無機系フィラーが、耐溶剤性・耐酸性等の化学的安定性、シリコーンレジン中への分散性、硬化被膜の耐摩耗性等の点から特に好ましい。フィラーは、1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記無機系フィラーとして用いられるシリカの形態としては、特に限定はされず、例えば、粉体の形でもゾル状の形(コロイダルシリカ)でもよい。上記コロイダルシリカとしては、特に限定はされないが、たとえば、水分散性あるいはアルコール等の非水系の有機溶媒分散性コロイダルが使用できる。一般に、このようなコロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜50重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定できる。なお、水分散性コロイダルシリカを使用する場合には、同コロイダルシリカ中に固形分以外の成分として存在する水は、加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解に使用できる((部分)加水分解の際の水の使用量に加算される)。水分散性コロイダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、市販品として容易に入手することができる。また、有機溶媒分散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダルシリカの水を有機溶媒と置換することで容易に調製することができる。このような有機溶媒分散性コロイダルシリカも水分散性コロイダルシリカと同様に市販品として容易に入手できる。有機溶媒分散性コロイダルシリカにおいて、コロイダルシリカが分散している有機溶媒の種類は、特に限定はされないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは2種以上のものを使用することができる。これらの親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等の1種もしくは2種以上も使用することができる。
本発明の親水性コーティング材組成物は、後で述べる光触媒効果による各種機能を得るとともに、形成される塗膜の表面親水性を、光触媒効果でさらに高くしたり長期間維持させたりするために、前記無機系フィラーとして光半導体を含むことが好ましい。
光半導体としては、特に限定はされないが、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム等の金属酸化物の他、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらの中でも、上記金属酸化物が、実用的に容易に利用可能な点で好ましく、金属酸化物の中でも特に酸化チタンが、その光触媒性能、硬化促進性能、安全性、入手の容易さおよびコストの面で好ましい。なお、酸化チタンを光半導体として用いる場合は、結晶型がアナタース型(アナターゼ型)であるものを用いる方が、光触媒性能および硬化促進性能が最も強く、しかも長期間発現するとともに、光触媒性能および硬化促進性能がより短時間で発現する点で好ましい。
光半導体は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、光半導体の原料となるものも、最終的に光半導体の性質を示す物であれば使用可能である。
光半導体に励起波長(たとえば、400nm)の光(紫外線)が当たると活性酸素が発生することは公知である。活性酸素は有機物を酸化して分解することができるため、光半導体を含有するコーティング材組成物を基材の表面にコーティングした材料には、その表面に付着したカーボン系汚れ成分(たとえば、自動車の排気ガス中に含まれるカーボン留分や、たばこのヤニ等)を分解する自己洗浄効果;アミン化合物、アルデヒド化合物に代表される悪臭成分を分解する消臭効果;大腸菌、黄色ブドウ球菌に代表される菌成分の発生を防ぐ抗菌効果;防かび効果等が期待される。また、光半導体を含有するコーティング材組成物を基材の表面にコーティングした材料に紫外線が当たると、光半導体がその光触媒作用で、空気中の水分または該材料表面に付着した水分を水酸化ラジカル化し、この水酸化ラジカルが、水をはじく有機物等(該材料表面に付着したものと該材料表面中に含まれるもの)を分解除去することにより、該材料表面に対する水の接触角が低下して該材料表面が水に濡れ(馴染み)やすくなるという親水性(水濡れ性)向上効果もある。この親水性向上効果から、屋内の部材においては、ガラスや鏡が水滴で曇りにくい防曇効果が期待され、屋外部材においては、付着した汚れが雨水によって洗浄される防汚効果が期待される。さらには、光半導体の光触媒作用による帯電防止機能もあり、この機能によっても防汚効果がさらに向上する。
上記フィラーは、粉末、微粒子粉末、溶液分散ゾル粒子等、コーティング材組成物に分散可能なものであれば、いかなる形態のものでも構わないが、ゾル状、特にpH7以下のゾル状であれば、硬化がより短時間で進み、使用する上で利便性に優れる。
使用される分散媒としては、フィラーを均一に分散させることのできるものであれば特に限定はされず、水系、非水系のいずれの溶媒も用いることができる。
水系溶剤としては、特に限定はされないが、たとえば、水単独の他、親水性有機溶媒(たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ジアセトンアルコール等)の少なくとも1種と水との混合溶媒を用いることができる。これらの水系溶媒の中でも、水−メタノール混合溶媒が、フィラーの分散安定性と、塗布後の分散媒の乾燥性の点で好ましい。さらに、水系のゾルを用いることにより、これに、加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解時の酸性触媒の機能を兼ねさせることもできる。
フィラーの分散媒として使用可能な非水系溶媒としては、特に限定はされないが、たとえば、上記親水性有機溶媒と、トルエン、キシレン等の疎水性有機溶媒とからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を用いることができる。これらの非水系溶媒の中でも、メタノールが、フィラーの分散安定性と、塗布後の分散媒の乾燥性の点で好ましい。
フィラーを分散媒中に均一に分散させる方法としては、特に限定されるものではなく、たとえば、ホモジナイザー、ディスパー、ペイントシェーカー、ビーズミル等を用いた通常の各種分散方法を用いることができる。
本発明の親水性コーティング材組成物を製造する方法は、特に限定はされず、各成分を通常の方法および装置等を用いて混合すればよい。
本発明の親水性塗装品は、基材の表面に、本発明の親水性コーティング組成物の塗布硬化被膜からなる塗装層を備えたものである。
本発明の親水性コーティング材組成物を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、刷毛塗り、スプレーコート、浸漬(ディッピング、ディップコートとも言う)、ロールコート、フローコート(基材の被塗装部位の上部から塗料を流して塗装する流し塗り塗装法)、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、バーコート等の通常の各種塗布方法を選択することができる。
本発明の親水性コーティング材組成物の塗膜の硬化方法については、公知の方法を用いればよく、特に限定はされない。また、硬化の際の温度も特に限定はされず、所望される硬化被膜性能や、フィラーや基材の耐熱性等に応じて常温〜加熱温度の広い範囲をとることができる。
本発明の親水性コーティング材組成物が塗布される基材(本発明の親水性塗装品に用いられる基材でもある)としては、有機、無機を問わず、各種基材を用いることができ、特に限定はされないが、たとえば、ガラス、金属、プラスチック等が挙げられる。これらの基材は、塗装の際に塗膜を均一に形成できるようにするため、または、塗膜との密着性を向上させるために、前洗浄しておくと良い。その方法としては、特に限定はされないが、たとえば、アルカリ洗浄、ふっ化アンモニウム洗浄、プラズマ洗浄、UV洗浄等が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明する。実施例および比較例中、特に断らない限り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重量%」を表す。また、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、測定機種として東ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリスチレンで検量線を作成し、その換算値として測定したものである。なお、本発明は、下記の実施例に限定されない。
<実施例1>
テトラエトキシシラン208部にメタノール356部を加え、さらに水18部および0.01Nの塩酸18部を混合し、ディスパーを用いてよく混合することにより、コーティング溶液を得た。得られた液を60℃恒温槽中で2時間加熱して重量平均分子量を950に調製することにより、シリコーンレジン(A)を得た。
次に、このシリコーンレジン(A)に、フィラー成分(光半導体)として酸化チタン水ゾル(固形分21%、平均一次粒子径20nm)を光半導体/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の固形分基準で重量比が1.0となるように添加し、全固形分が5%になるようメタノールで希釈して基本コーティング材を得た。これに有機Zr化合物としてZr(OC(C)を、基本コーティング材固形分に対し1%添加することにより、親水性コーティング材組成物を得た。
これを1時間放置した後にスピンコータによりガラス基材に塗装し、300℃で焼成することにより、親水性塗装品を作製した。
<実施例2>
実施例1において、有機Zr化合物としてZr(OC)(C)(Cを添加する以外は実施例1と同様の操作を行って親水性コーティング材組成物を得た。次いで、この親水性コーティング材組成物を用い、実施例1と同様の方法で親水性塗装品を作製した。
<実施例3>
実施例1において、有機Zr化合物の添加量を基本コーティング材固形分に対し20%とする以外は実施例1と同様の操作を行って親水性コーティング材組成物を得た。次いで、この親水性コーティング材組成物を用い、実施例1と同様の方法で親水性塗装品を作製した。
<実施例4>
実施例2において、有機Zr化合物の添加量を基本コーティング材固形分に対し20%とする以外は実施例2と同様の操作を行って親水性コーティング材組成物を得た。次いで、この親水性コーティング材組成物を用い、実施例2と同様の方法で親水性塗装品を作製した。
<実施例5>
実施例3において、乾燥温度を30℃とする以外は実施例3と同様の操作を行って親水性コーティング材組成物を得た。次いで、この親水性コーティング材組成物を用い、実施例3と同様の方法で親水性塗装品を作製した。
<実施例6>
実施例1において、フィラー成分としてシリカメタノールゾル(商品名:メタノールシリカゾル、日産化学工業製、粒径10〜20nm)をフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の固形分基準で重量比が0.25となるよう添加する以外は実施例1と同様の操作を行って親水性コーティング材組成物を得た。次いで、この親水性コーティング材組成物を用い、実施例1と同様の方法で親水性塗装品を作製した。
<比較例1>
実施例1において、基本コーティング材に有機Zr化合物を添加せずに該基本コーティング材をガラス基材に塗装する以外は実施例1と同様の方法で塗装品を作製した。
<比較例2>
実施例5において、基本コーティング材に有機Zr化合物を添加せずに該基本コーティング材をガラス基材に塗装する以外は実施例5と同様の方法で塗装品を作製した。
<比較例3>
実施例6において、基本コーティング材に有機Zr化合物を添加せずに該基本コーティング材をガラス基材に塗装する以外は実施例6と同様の方法で塗装品を作製した。
[塗膜性能の評価]
以上のようにして得られた塗装品の塗膜性能を以下の方法で評価した。
(水との接触角)
塗膜形成後、紫外線があたらない状況下で室温まで十分冷却し、水との接触角を計測した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004811389
表1にみるように、実施例1〜6ではいずれも接触角が10゜未満であった。これに対して有機Zr化合物を使用しなかった比較例1〜3では、接触角が30゜を越えるものであった。このことより、有機Zr化合物を使用することにより、塗膜形成直後から優れた防曇性を示すことがわかる。

Claims (2)

  1. 基材の表面に、下記式(1)で示される加水分解性オルガノシランの(部分)加水分解物であるシリコーンレジンとZr(OC(C)もしくはZr(OC)(C)(Cからなる有機Zr化合物とを含有する親水性コーティング材組成物を塗布することにより、紫外線の照射なしに水との接触角10°未満の防曇性を示す親水性コーティングを施すことを特徴とする、防曇性付与方法。
    Si(OR) (1)
    (上記式(1)中のRは1価の炭化水素基を表す。)
  2. 前記有機Zr化合物を親水性コーティング材組成物の全固形分に対し0.1〜30重量%含有させる、請求項1に記載の防曇性付与方法。
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