JP4325076B2 - コーティング膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコ−ンレジン及び無機フィラーを含有するコーティング用樹脂組成物を基材に塗装し、200℃以下の低温で硬化して低汚染性を有する膜を形成するコーティング膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンレンジを主成分とする無機塗料中にフィラーを含有してなる樹脂組成物を基材の表面に塗布し、硬化させることにより、シリコーンレンジ硬化体中にフィラーを含む塗膜を形成する方法が知られている。
【0003】
上記樹脂組成物として、シリコーンレジンに光半導体を含有したものが知られている。光半導体を有するコーティング膜の表面に紫外線が照射されると、上記コーティング膜は、光半導体の光触媒作用で水をはじく有機物等を分解し、除去することにより、コーティング膜の表面に対する水の接触角を低下し、水に濡れ易くなるという親水性が向上する効果を得るものである。この親水性が向上する効果から、付着した汚れが雨水によって流れる防汚効果が期待されている。
【0004】
一方、上記樹脂組成物として、シリコーンレジンにシリカ等からなる無機フィラーを含有したものが知られている。上記シリコーンレジンには、1〜4官能のものがあるが、1〜3官能のシリコーンレジンを用いると、得られるコーティング膜の防汚性、表面硬度および耐摩耗性の機能は低下するため、表面が汚れたり、表面を磨いたりする際に傷が付き易いものであった。そこで、コーティング膜の表面硬度の向上を目的として、本発明者は、先に、シリコーンレジンを主成分とする無機塗料中にフィラーを含有してなる塗料において、シリコーンレジンの90重量%以上を4官能シリコーンレジンからなるものを提案している(特願平10−292537号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記光半導体を有するコーティング膜は、紫外線が照射されてから光触媒作用が発揮されるまでにある程度の時間がかかるため、製膜後、光触媒作用の効果が発揮されるまでの時間は親水性が得られない。また、紫外線の当たらない屋内等ではなかなか親水性にならないため、使用しにくかった。また、防汚性を発揮するコーティング膜は、コーティング膜の表面に対する水の接触角が40度以下であれば、有機物の汚れに対しては効果を発現するものである。そのため、製膜当初から水の接触角が40度以下となる防汚性を有するコーティング膜を形成できる方法が望まれている。
【0006】
一方、4官能シリコーンレジンのみや90重量%以上を4官能シリコーンレジンとした無機塗料で塗布したコーティング膜は、過酷な条件下、例えば、温水に長時間曝す等の耐水性試験では、表面硬度が必ずしも十分とはいえず、コーティング膜の強度が低下する恐れがある。
【0007】
さらに、コーティング膜を塗布する基材としても、各種基材が利用されている。例えば、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック基材の場合、親水性を発揮するコーティング膜を形成する際に300℃などの高温で焼成する製造条件を採用することができない。また、コーティング膜を形成する際に高温加熱するとなると、塗布現場に使用可能な設備や環境を整えることが必要になってくる。そのため、広範囲な基材や塗布現場に採用できるものとして、コーティング膜の形成に際して、例えば200℃以下の低温の加熱で製膜が可能なものが求められている。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低温で製膜が可能な低汚染性を有する膜であって、製膜当初から水の接触角が40度以下であると共に、温水に曝すなどの過酷な条件下に置かれても、耐水性に優れるコーティング膜の形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のコーティング膜の形成方法は、下記(A)、(B)、(C)成分を構成材料とし、(A)成分がシリコーンレジンの主成分であり、(B)成分が、(A)成分と(C)成分の重合物からなるシリコーンレジンに対し、その重量比(B/A+C)が固形分換算で0.6〜2.0の範囲で含有し、(C)成分が、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計重量に対し、その重量比(C/A+B+C)が固形分換算で0.01〜0.5の範囲で含有するコーティング用樹脂組成物を、基材に塗装し、温度を20℃以上200℃以下の範囲で硬化して膜を形成する。
A)成分:一般式Si(OR)4(1)
(式中Rは同一又は異種の1価の炭化水素基を示す)で表される4官能アルコキシシラン又はその部分加水分解物、
B)成分:無機フィラー、
C)成分:一般式R1(CH3mSi(OR23-m (2)
(式中R1γ−グリシドキシプロピル基、R2 は同一又は異種の炭素数1〜8のアルキル基を示し、mは0又は1を示す)で表される3官能または2官能アルコキシシラン。
【0010】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、4官能アルコキシシラン又はその部分加水分解物と特定の割合で無機フィラーを配合した組成物に、上記アルコキシシランのうち、特定の構造式を有するアルコキシシランを併用し、それらを特定の配合割合で配合したコーティング用樹脂組成物を用いて塗布すると、製膜当初から水の接触角が40度以下であると共に、耐水性、特に温水に長時間曝す等過酷な条件下での耐水性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
これにより、(C)成分は反応型のOR基を有しているので、(A)成分と反応して塗膜中に固定化されることになるため、耐水性の機能が付加される。(A)成分、及び(B)成分は、表面硬度及び耐摩耗性を発揮すると共に、(C)成分が特定のR1 を有し、それらを特定の配合割合で配合すると、200℃以下の低温の加熱で製膜当初から親水性を発揮すると共に、耐水性を付与することができるものである。
【0012】
なお、本発明でいう、低汚染性を有する膜とは、膜の表面に0.2ccの蒸留水を滴下した後に、拡大カメラで観察し、水の接触角が40度以下のものをいう。また、加熱温度と製膜に要する時間の関係は加熱温度を高くすると製膜に要する時間を短くすることができる。ここで言う、低温の加熱で製膜が可能とは、膜厚が0.2〜0.3μmとなるように塗装して温度を20℃で製膜した際にコーティング膜が24時間以内に形成できることをいうものである。また、膜厚が0.2〜0.3μmとなるように塗装して温度を120℃で製膜した際にコーティング膜が2〜3時間で形成できることをいうものである。
【0013】
請求項2記載のコーティング膜の形成方法は、請求項1記載のコーティング膜の形成方法において、上記(B)成分である無機フィラーがシリカであることを特徴とする。上記によって、コーティング用樹脂組成物の上記4官能アルコキシシランの部分加水分解生成物への分散性を良好とするものである。
【0014】
請求項3記載のコーティング膜の形成方法は、請求項1記載のコーティング膜の形成方法において、上記(B)成分である無機フィラーが光半導体であることを特徴とする。これにより、コーティング膜に光触媒作用が付与されるため、紫外線が照射される環境下において、製膜からある程度の時間が経過すると光触媒作用による親水性が発揮されるので、長期間にわたり親水性を発揮するコーティング膜を形成することができるものである。
【0015】
請求項4記載のコーティング膜の形成方法は、請求項1乃至請求項3いずれか記載のコーティング膜の形成方法において、上記(B)成分である無機フィラーは、その平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする。上記によって、形成したコーティング膜の平滑性、透明性を確保すると共に、温水に曝すなどの過酷な条件下に置かれても、十分な耐水性を発揮し、コーティング膜表面の傷付きや摩耗による表面からのフィラーの欠落が発生しにくいコーティング膜を得ることができるものである。
【0016】
請求項5記載のコーティング膜の形成方法は、請求項1乃至請求項4いずれか記載のコーティング膜の形成方法において、上記フィラーが水、あるいは水と親水性有機溶媒との混合溶液に分散されたゾル状フィラーであり、このゾル状フィラーは、上記(A)成分と(C)成分と共に混合し、この混合物を重合反応させることを特徴とする。上記によって、ゾル状フィラーが樹脂と馴染み良く、造膜性に優れて製造工程の簡略化ができるものである。
【0017】
請求項6記載のコーティング膜の形成方法は、請求項1乃至請求項5いずれか記載のコーティング膜の形成方法において、上記基材が、プラスチック基材であることを特徴とする。上記によって、高温では基材自体が耐え難い、プラスチック基材の上に、製膜当初から水の接触角が40度以下であるので低汚染性を発揮すると共に、温水に曝すなどの過酷な条件下に置かれても、耐水性に優れるコーティング膜を得ることができるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のコーティング膜の形成方法で用いられるコーティング用樹脂組成物は、(A)成分として、上記一般式(1)で表される4官能アルコキシシラン又はその部分加水分解物を必須の構成材料とする。上記(A)成分は、バインダー樹脂および造膜成分として用いられるものである。
【0019】
上記4官能アルコキシシランは、上記一般式(1)で表される。この一般式(1)中のRは、同一又は異種の1価の炭化水素基を示し、なかでも、入手の容易さ、塗料の調製しやすさ等の点から、炭素数1〜8の1価の炭化水素基が適する。この1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。上記アルキル基のうち、炭素数3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。
【0020】
上記4官能アルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。
【0021】
上記4官能アルコキシシランは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。(A)成分は、4官能アルコキシシランのポリマーでも、4官能アルコキシシランに硬化剤としての水及び酸性触媒を添加して、部分加水分解を行わせたものでもよい。
【0022】
上記4官能アルコキシシランの部分加水分解をする際に用いられる水の量は、特に限定はされない。また、上記4官能アルコキシシランの部分加水分解する際に用いられる酸性触媒は、特に限定はされないが、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸、酸性コロイダルシリカ、酸性チタンゾル等の酸性ゾル状フィラー等が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。また、上記部分加水分解する際、必要に応じて、例えば、40〜100℃に加温してもよい。また、上記部分加水分解する際、溶媒で希釈を行なってもよい。この溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコール誘導体等の親水性有機溶媒が挙げられ、また、これら親水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等が使用できる。上記4官能アルコキシシランの部分加水分解する場合、部分加水分解生成物は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)で500〜3000の範囲に調製することが好ましい。上記重量平均分子量が500未満の場合は、コーティング膜が十分な耐摩耗性を保つことが難しく、また、上記重量平均分子量が3000を超える場合は、ゲル化し易く、コーティング用樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する恐れがある。
【0023】
上記コーティング用樹脂組成物は、(B)成分として、無機フィラーを必須の構成材料とする。上記無機フィラーとしては、例えば、シリカ、光半導体が挙げられる。シリカは、耐溶剤性、耐酸性等が良好であり、上記4官能アルコキシシランの部分加水分解生成物への分散性の点から、特に好ましい。フィラーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
上記シリカは、粉体でも、コロイダルシリカでもよく、このコロイダルシリカは、水分散性あるいはアルコール等の非水系である有機溶媒分散性のものでもよい。コロイダルシリカは、固形分が20〜50重量%であり、この値からシリカ量を決定できる。また、水分散性コロイダルシリカを使用する場合、水を上記加水分解の水成分として利用できる。また、有機溶媒分散性のシリカゾルにおいて、この有機溶媒の種類は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールの誘導体;およびアセトンアルコール等を挙げることができ、これらからなる1種もしくは2種以上のものを使用することができる。また、上記有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等も用いることができる。
【0025】
上記光半導体は、塗膜に光触媒性能を付与するために用いられる。上記光半導体を含有すると、紫外線が照射される環境下において、製膜からある程度の時間が経過すると形成されたコーティング膜に光触媒作用による親水性が付与されるので、長期間にわたり親水性を発揮することができるので好ましい。光半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。なかでも、酸化チタンが、光触媒性能、入手の容易性の点で好ましく、結晶性がアナターゼ型酸化チタンは、光触媒性能が高く短時間で発現する点で好ましい。光半導体は、1種のみでも、2種以上を併合して用いてもよい。
【0026】
上記光半導体は、励起波長(例えば400nm)の光(紫外線)が照射されると、活性酸素を発生することは(光触媒性)公知である。活性酸素は、有機物を酸化、分解させることができるため、その特性を利用して、塗装品に付着したカーボン系汚れ成分を分解する自己清浄効果、アミン化合物やアルデヒド化合物に代表される悪臭成分を分解する消臭効果、大腸菌や黄色ブドウ球菌に代表される菌成分の発生を防ぐ抗菌効果、防カビ効果等を得ることができる。また、光半導体を含むコーティング膜に紫外線が当たると、光半導体がその光触媒作用で水を水酸化ラジカル化し、この水酸化ラジカルが、コーティング膜に付着した、水をはじく有機物等の汚れを分解除去することにより、水に対するコーティング膜の親水性(濡れ性)がさらに向上する。このため、光半導体を含むコーティング膜は、屋外の部材においては、付着した汚れが雨水によって流れる防汚効果を長期間維持する効果がある。
【0027】
本発明のコーティング用樹脂組成物に使用可能なフィラーは、粉末、微粒子粉末、溶液分散ゾル粒子ら、コーティング用樹脂組成物中に分散可能なものであれば、いかなる形態のものでも構わない。なかでも、上記フィラーが水、あるいは水と親水性有機溶媒との混合溶液に分散されたゾル状フィラーであり、このゾル状フィラーは、上記(A)成分と(C)成分と共に混合し、この混合物を重合反応させることが好ましい。フィラーがゾル状であると、樹脂と馴染み良く、造膜性に優れて製造工程の簡略化ができる。また、フィラーが、pH7以下のゾル状であれば、硬化がより短時間で進み、使用する上で利便性に優れる。
【0028】
フィラーをコーティング用樹脂組成物中に分散させるための分散媒としては、フィラーを均一に分散させることのできるものであれば特に限定されず、水系、非水系のいずれの溶媒を用いることができる。
【0029】
フィラーの分散媒として使用可能な水系溶剤としては、例えば、水の単独の他、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコール誘導体など各種親水性有機溶媒、これらの混合溶剤が用いられる。上記フィラーを分散媒中に分散させる方法としては、例えば、ホモジナイザ、ディスパー、ペイントシェイカー、ビーズミル等を用いることができる。
【0030】
上記フィラーとしては、形成したコーティング膜の平滑性、透明性を確保すると共に、温水に曝すなどの過酷な条件下に置かれても、十分な耐水性を発揮し、コーティング膜表面の傷付きや摩耗による表面からのフィラーの欠落が発生しにくいコーティング膜を得るために、平均1次粒子径5〜100nmのものが好ましい。より好ましくは、フィラーの平均1次粒子径が10〜50nmであり、特に基材がガラス基材のような高水準の透明性や耐摩耗性が求められる基材に塗布する場合に好ましい。上記平均1次粒子径が小さいと耐摩耗性が低下する傾向にあるためフィラーの機能が低下する恐れがあり、平均1次粒子径が大きいと基材表面の平滑性、光沢性、塗膜の透明性が低下する傾向がある。
【0031】
上記コーティング用樹脂組成物は、下述する膜を形成する加熱条件が低温であるので、(B)成分の配合量が、上記(A)成分と下記に示す(C)成分の重合物からなるシリコーンレジンに対し、(B)成分の重量比(B/A+C)が固形分換算で、0.6〜2.0の範囲である。(B)成分の重量比(B/A+C)が、0.6未満であると、製膜当初からの水の接触角が40度以下のコーティング膜が得難く、また、上記(B)成分の重量比が、2.0を超えると、コーティング膜の耐水性、特に温水に長時間曝す等過酷な条件下での耐水性が低下する恐れがある。
【0032】
上記コーティング用樹脂組成物は、(C)成分として、上記一般式(2)で表される3官能または2官能アルコキシシランを必須の構成材料とする。一般式(2)中のR2 は、(1)中のRと同じであっても、異なっていてもよく、炭素数1〜8のアルキル基である。また、mは0又は1を示し、m=0は3官能アルコキシシランであり、m=1は2官能アルコキシシランである。一般式(2)中のR1 はCH2 OCHCH2 O(CH23である。
【0033】
上記R1 が、CH2 OCHCH2 O(CH23のものとしては、例えば、下記構造式(3)で表されるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、下記構造式(4)で表されるγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(5)で表されるγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0034】
【化1】
Figure 0004325076
【0035】
【化2】
Figure 0004325076
【0036】
【化3】
Figure 0004325076
【0037】
上記(C)成分は、下述する膜を形成する加熱条件が低温であるので、固形分換算で、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計重量に対し、その重量比(C/A+B+C)が0.01〜0.5の範囲である。上記(C)成分の範囲が0.01未満であると、耐水性、特に温水に長時間曝す等過酷な条件下での耐水性が低下する恐れがあり、また、上記(C)成分の範囲が0.5を超えると、製膜当初からの水の接触角が40度以下のコーティング膜が得難いものである。
【0038】
上記コーティング用樹脂組成物は、(C)成分を含有しすることで低温で乾燥が可能で、形成されたコーティング膜は、製膜初期から、水の接触角が低下して、表面が水に濡れ易くなるという親水性を発現するものである。
【0039】
また、上記コーティング用樹脂組成物は、必要に応じて硬化触媒を含有してもよく、この硬化触媒としては、製膜時間を短縮する点から、酸性触媒が好ましい。上記酸性触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸、酸性コロイダルシリカ、酸性チタンゾル等の酸性ゾル状フィラー等が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
【0040】
上記コーティング膜の形成方法は、上記コーティング用樹脂組成物を、基材に塗装し、温度を20℃以上200℃以下の範囲で硬化して膜を形成する。
【0041】
上記基材は、無機、有機を問わず、各種基材を用いることができ、例えば、プラスチック基材等の有機質基材;金属基材;ガラス基材、無機質硬化体の無機質建材、セラミック等の無機質基材が挙げられる。特に、本発明のコーティング膜の形成方法は、200℃以下の低温で硬化して膜を形成できるので、高温では基材自体が耐え難い、プラスチック基材に有効である。上記温度範囲は20℃以上200℃以下であるが、基材の種類と膜の特性から、下限温度は好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上であり、上限温度は好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下である。
【0042】
上記プラスチック基材としては、特に限定はされないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性もしくは熱可塑性プラスチック及びこれらのプラスチックをガラス繊維、ナイロン繊維、カーボン繊維等の繊維で強化した繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。
【0043】
上記ガラス基材としては、特に限定はされないが、例えば、ナトリウムガラス、パイレックスガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。上記金属基材としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、、鉄、鋼、ブリキ等が挙げられる。上記セラミック基材としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
【0044】
上記コーティング用樹脂組成物を基材に塗装する方法は、例えば、刷毛塗り、スプレーコ−ト、浸漬(ディピング、ディピコートともいう)、ロールコート、フローコート、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、バーコート等の各種塗装方法を選択できる。
【0045】
上記コーティング用樹脂組成物で形成されるコーティング膜の厚みは、クラックや剥離発生しないためには、例えば、0.1〜0.5μm程度であればよい。
【0046】
また、上記コーティング膜は、各基材との密着性を高くするために、必要に応じて、基材の表面に予めプライマー層を形成させておいてもよい。プライマー層としては、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、塩化ゴム樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等を含有するプライマー組成物が挙げられる。プライマー層の厚みは、特に限定はされないが、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。この厚みが薄すぎると密着が得られず、厚すぎると乾燥時に発泡等の恐れがある。
【0047】
上記コーティング膜の形成方法は、200℃以下の低温で乾燥が可能なものであって、製膜当初から水の接触角が40度以下であるので低汚染性を発揮すると共に、温水に曝すなどの過酷な条件下に置かれても、耐水性に優れるコーティング膜を得ることができるものである。
【0048】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、評価用の塗装品を作製し、評価試験を行った。実施例及び比較例中、特に断りらない限り、部は重量部を表し、%は重量%を表す。また、4官能アルコキシシランの部分加水分解生成物の分子量は、GPS(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、測定機種として東ソー(株)のHLC8020を用いて、標準ポリスチレン検量線を作成し、その換算値として測定した。シリカのフィラーの一次粒子径はTEM(透過型電子顕微鏡)で測定した。
【0049】
以下で、各例のコーティング用樹脂組成物を調製し、その後、これらコーティング用樹脂組成物を用いて塗布し、コーティング膜を形成し、その性能を評価した。
【0050】
(実施例1)
テトラエトキシシラン208部をメタノール356部で希釈し、さらに水18部および0.1N塩酸18部を混合し、ディスパーを用いて攪拌した。得られた液を60℃恒温槽中で2時間加熱して、重量平均分子量(Mw)を950に調製することにより、4官能アルコキシシランの部分加水分解生成物である(A)成分を得た。
【0051】
次に、この(A)成分に、(C)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを9.81部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.05)、(B)成分として平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾル(商品名:MA−ST、日産化学工業株式会社製)をフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.0の割合で配合し、40℃で1時間重合反応させた後に、全固形分が5%となるようメタノールで希釈し、コーティング用樹脂組成物を得た。
【0052】
このコーティング用樹脂組成物をガラス基材の表面にスピンコーター塗装機で塗装した後に120℃で30分加熱して、コーティング膜を形成し、評価用の塗装品を得た。なお、このコーティング膜の厚みは、0.2〜0.3μmであった。
【0053】
(実施例2)
実施例1において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを79.8部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.3)とした以外は実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0054】
(実施例3)
実施例1において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)、(B)成分の平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で0.67の割合で配合した以外は、実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0055】
(実施例4)
実施例3において、(B)成分の粒径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.85の割合で配合した以外は、実施例3と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0056】
(実施例5)
実施例1において、ガラス基材に代わりポリカーボネイトのプラスチック基材に塗装した以外は、実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0057】
(実施例6)
実施例5において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを79.8部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.3)とした以外は実施例5と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0058】
(実施例7)
実施例5において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)、(B)成分の平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で0.67の割合で配合した以外は、実施例5と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0059】
(実施例8)
実施例7において、(B)成分の粒径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.85の割合で配合した以外は、実施例7と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0060】
(実施例9)
実施例7において、(B)成分の粒径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.0の割合で配合したこと、及び、塗装した後に80℃で60分加熱したこと以外は、実施例7と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0061】
(実施例10)
実施例1において、(C)成分としてγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)とした以外は実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0062】
(実施例11)
実施例10において、(B)成分として平均一次粒子径70〜100nmのシリカメタノールゾル(商品名:ST−ZL、日産化学工業株式会社製)をフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.0の割合で配合した以外は実施例10と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0063】
(実施例12)
実施例10において、(B)成分として平均一次粒子径20nmの光半導体フィラー酸化チタン水ゾル(固形分25%)をフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.0の割合で配合した以外は、実施例10と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0064】
(実施例13)
実施例10において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを46.6部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.2)とし、(B)成分として平均一次粒子径20nmの光半導体フィラー酸化チタン水ゾル(固形分25%)と平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾル(商品名:MA−ST、日産化学工業株式会社製)を固形分換算で1/1の割合で混合したものを、フィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で1.0の割合で配合した以外は、実施例10と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0065】
(実施例14)
実施例10において、ガラス基材に代わりポリカーボネイトのプラスチック基材に塗装した以外は、実施例10と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0066】
(実施例15)
実施例10において、塗装した後に200℃で10分加熱した以外は、実施例10と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0067】
(実施例16)
実施例10において、塗装した後に60℃で80分加熱した以外は、実施例10と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0068】
(実施例17)
実施例14において、(C)成分としてγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)、とした以外は実施例14と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0069】
(実施例18)
実施例9において、塗装した後に20℃の雰囲気で24時間放置した以外は、実施例9と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0070】
(比較例1)
(C)成分を含まないコーティング用樹脂組成物を作製した。(C)成分を含まない以外は実施例1と同様にして、コーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0071】
(比較例2)
実施例1において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを227.8部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.55)、(B)成分の平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で0.67の割合で配合した以外は実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0072】
(比較例3)
実施例1において、(C)成分に代わり、アルコキシシランに下記構造式(6)で表されるγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)配合した以外は実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0073】
【化4】
Figure 0004325076
【0074】
(比較例4)
実施例1において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)、(B)成分の平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で0.4の割合で配合した以外は実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0075】
(比較例5)
実施例1において、(C)成分のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを20.7部(縮合化合物換算で固形分の重量比C/A+B+Cが0.1)、(B)成分の平均一次粒子径10〜20nmのシリカメタノールゾルをフィラー/全シリコーンレジン(縮合化合物換算)の重量比が固形分換算で3.0の割合で配合した以外は実施例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0076】
(比較例6)
比較例1において、ガラス基材に代わりポリカーボネイトのプラスチック基材に塗装した以外は、比較例1と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0077】
(比較例7)
比較例2において、ガラス基材に代わりポリカーボネイトのプラスチック基材に塗装した以外は、比較例2と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0078】
(比較例8)
比較例4において、ガラス基材に代わりポリカーボネイトのプラスチック基材に塗装した以外は、比較例4と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0079】
(比較例9)
比較例5において、ガラス基材に代わりポリカーボネイトのプラスチック基材に塗装した以外は、比較例5と同様にしてコーティング膜を形成した塗装品を得た。
【0080】
(塗膜の性能評価)
(温水試験)
60℃のイオン交換水(0.2μs/cm以下)中に2時間浸漬した後、自然乾燥のため1時間放置する。その後、綿布で塗膜表面を4〜5回擦り、塗膜表面を光学顕微鏡で観察した。表面に傷等ないものは○、傷が1cm2 当たり数本のものは△、傷が多発し剥離したものは×で評価した。
【0081】
(製膜初期の水の接触角)
実施例1〜17、比較例1〜9は、製膜後に塗装品を2時間20〜25℃の室内に放置して放冷した後に、実施例18は製膜後直ちに測定した。膜の表面に0.2ccの蒸留水を滴下した後に、拡大カメラで観察することにより行った。
【0082】
【表1】
Figure 0004325076
【0083】
(結果)
製膜条件及びその評価結果を表1に示す。実施例はいずれも製膜初期から水の接触角が40度以下と良好であった。また、実施例はいずれも、耐水性が比較例に比べ良好あった。また、(C)成分以外のアルコキシシランを用いた比較例3は、製膜初期の水の接触角が大きかった。
【0084】
【発明の効果】
請求項1〜6記載のコーティング膜の形成方法は、200℃以下の低温で乾燥が可能なものであって、製膜当初から水の接触角が40度以下であるので低汚染性を発揮すると共に、温水に曝すなどの過酷な条件下に置かれても、耐水性に優れるコーティング膜を得ることができる。

Claims (6)

  1. 下記(A)、(B)、(C)成分を構成材料とし、(A)成分がシリコーンレジンの主成分であり、
    B)成分が、(A)成分と(C)成分の重合物からなるシリコーンレジンに対し、その重量比(B/A+C)が固形分換算で0.6〜2.0の範囲で含有し、
    C)成分が、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計重量に対し、その重量比(C/A+B+C)が固形分換算で0.01〜0.5の範囲で含有するコーティング用樹脂組成物を、基材に塗装し、温度を20℃以上200℃以下の範囲で硬化して膜を形成するコーティング膜の形成方法。
    (A)成分:一般式Si(OR)4 (1)
    (式中Rは同一又は異種の1価の炭化水素基を示す)で表される4官能アルコキシシラン又はその部分加水分解物、
    B)成分:無機フィラー
    C)成分:一般式R1(CH3mSi(OR23-m (2)
    (式中R1γ−グリシドキシプロピル基、R2 は同一又は異種の炭素数1〜8のアルキル基を示し、mは0又は1を示す)で表される3官能または2官能アルコキシシラン。
  2. 上記(B)成分である無機フィラーがシリカであることを特徴とする請求項1記載のコーティング膜の形成方法。
  3. 上記(B)成分である無機フィラーが光半導体であることを特徴とする請求項1記載のコーティング膜の形成方法。
  4. 上記(B)成分である無機フィラーは、その平均一次粒子径が5〜100nmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載のコーティング膜の形成方法。
  5. 上記フィラーが水、あるいは水と親水性有機溶媒との混合溶液に分散されたゾル状フィラーであり、このゾル状フィラーは、上記(A)成分と(C)成分と共に混合し、この混合物を重合反応させることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか記載のコーティング膜の形成方法。
  6. 上記基材が、プラスチック基材であることを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれか記載のコーティング膜の形成方法。
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