JP2007227981A - 樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板 - Google Patents

樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】保護膜端部へのメッキ成分の浸透がなくかつ配線へメッキ層が拡散してなくなることなく、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れる樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板を提供する。
【解決手段】下記式(VI′):
【化1】
Figure 2007227981

で示されるジイソシアネート類を用いて得られる樹脂と、無機微粒子と、エポキシ樹脂と、有機溶剤とを含む樹脂ペーストであり、前記樹脂ペーストを80〜130℃で加熱した場合に、常温での、引張り弾性率が0.5GPa以下、及び引張り伸び率が50%以上である硬化膜が得られることを特徴とするフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板に関する。
従来、FC、TAB及びCOFといった実装方式を用いたフレキシブル配線板においては、リジッド配線板、ICチップ、電子部品又はLCDパネルと接続される配線パターン部分を除いて、熱硬化性樹脂ペーストをスクリーン印刷し、熱硬化して保護膜を形成した後、接続される配線パターン部分をAuやSnでメッキすることが一般的であった。しかし、このメッキ工程において、メッキ成分が、印刷・硬化された保護膜端部から浸透するため、配線パターンが腐食したり、保護膜端部が剥れる等の問題が生じていた。
一方、近年、電子機器の小型化、薄型化、高速化への対応から、フレキシブル配線板の配線ピッチはより一層ファイン化しており、信頼性の維持又は向上を図るために上記した保護膜端部へのメッキ成分の浸透が全く起こらない熱硬化性樹脂ペースト及びそのような熱硬化性樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板が求められている。
この課題を解決する方法として、フレキシブル配線板の配線パターン部の全てを予めメッキ処理してから、接続される配線パターン部分を除いて熱硬化性樹脂ペーストをスクリーン印刷、熱硬化させて保護膜を得る先メッキ法がある。この方法では保護膜がメッキ工程を通らないため、保護膜端部へメッキ成分が浸透することは全くない。
しかし、従来の熱硬化性樹脂ペーストは、保護膜を形成するために比較的高温(140℃以上)を必要とするものが多いため、先メッキ法においては、ペーストを硬化させる際の熱によって、メッキ層が配線のCuへ拡散して合金化してしまうという問題があった。一方、比較的低温(130℃程度)で保護膜を形成する熱硬化性樹脂ペーストを使用して先メッキ法を行った場合、メッキ層の拡散は抑えられるものの、保護膜の反り性、柔軟性に劣っていた。
本発明は、上記の従来技術の問題点を解消し、保護膜端部へのメッキ成分の浸透がなく、かつ配線へメッキ層が拡散してなくなることなく、フレキシブル配線板の保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れたフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストを提供するものである。本発明は、特に配線パターンの全てがメッキ処理されたフレキシブル配線板の表面の保護膜用樹脂ペーストとして有用である。さらに、本発明はこれらのフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板を提供するものである。
本発明は、樹脂と、無機微粒子及び/又は有機微粒子とを含む樹脂ペーストであり、前記樹脂ペーストを80〜130℃で加熱した場合に、常温での、引張り弾性率が0.5GPa以下、及び引張り伸び率が50%以上である硬化膜が得られることを特徴とするフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストである。
また、本発明は、前記樹脂が、イミド結合を含む樹脂を含有する、上記のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストであり、また、前記イミド結合を含む樹脂が、式(I):
Figure 2007227981
で示される繰り返し単位を有する樹脂、
式(II):
Figure 2007227981
で示される繰り返し単位を有する樹脂、
及び式(III):
Figure 2007227981
で示される繰り返し単位を有する樹脂
(式中、
複数個のRは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基であり、
m及びnは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、
Xは、2価の有機基であり、
は、−CH2−、−CO−、−SO2−、又は−O−であり、
は、基:
Figure 2007227981
である)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストである。
また、本発明は、前記樹脂ペーストの粘度が、0.5Pa・s〜500Pa・s(回転粘度計、25℃、10rpm)であり、かつチキソトロピー係数が1.1以上である、上記のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストであり、前記硬化膜の5%熱重量減少温度が、250℃以上であるフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストであり、前記樹脂が熱硬化性樹脂である、上記のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストである。
さらに、本発明は、上記のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストの樹脂ペーストの硬化膜を保護膜とした配線パターン部の全てがメッキ処理されたフレキシブル配線板である。
本発明の樹脂ペーストは、保護膜端部へのメッキ成分の浸透がなくかつ配線へメッキ層が拡散してなくなることなく、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れるものである。
また、本発明の樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板は、上記の優れた特性を兼ね備えたフレキシブル配線板である。
本発明の樹脂ペーストは、80〜130℃で加熱した場合に、常温での引張り弾性率が0.5GPa以下、及び引張り伸び率が50%以上である硬化膜が得られることを特徴とする。硬化膜の生成における温度範囲は、上記の範囲内であれば特に限定されない。また、加熱時間は、一般にフレキシブル配線板の表面保護膜を形成するのに採用される時間であり、例えば、60〜150分間、より好ましくは80〜120分間である。加熱温度及び時間は、例えば、120℃で120分間とすることができる。なお、上記の温度範囲は、引張り弾性率及び引張り伸び率を測定するために硬化膜を生成させる際の温度範囲であり、製造工程におけるフレキシブル配線板の表面の保護膜の形成条件とは異なっていてもよい。ただし、本発明の樹脂ペーストを用いて、上記の温度範囲でメッキ処理された配線パターンの保護膜を形成する場合、メッキ層が拡散してなくなることもない。ここで、メッキ層が拡散してなくなるとは、硬化膜形成のための加熱後のメッキ層の厚みが、加熱前のメッキ層の厚みの50%未満であることをいう。
本発明の樹脂ペーストは、上記の加熱条件下で硬化膜としたものの引張り弾性率が常温で0.5GPa以下であり、好ましくは0.3GPa以下、より好ましくは0.2GPa以下である。本明細書において、常温とは25〜40℃であり、例えば25℃での測定値とすることができる。硬化膜の引張り弾性率が、この範囲にあると、フレキシブル配線板用の保護膜として好ましい反り性、柔軟性が得られる。また、本発明の樹脂ペーストは、上記の加熱条件下で硬化膜としたものの引張り伸び率が常温で50%以上であり、好ましくは80%以上である。硬化膜の引張り伸び率がこの範囲にあると、フレキシブル配線板用の保護膜として好ましい柔軟性、耐折性が得られる。なお、引張り弾性率及び引張り伸び率は、上記の加熱条件下で、膜厚約30μm、幅1mm、長さ60mmの硬化膜を形成し、得られた硬化膜を用いてチャック間長さ20mm、引張り速度5mm/分の条件で引張り試験を行うことにより求めた値とする。
本発明の樹脂ペーストは、(A)樹脂と(B)無機及び/又は有機微粒子を必須成分として含有する。
〔(A)成分:樹脂〕
(A)成分の樹脂としては、ブタジエン構造やシリコン構造を有するエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリブタジエン、水添加ポリブタジエン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリテトラフルオロ樹脂、ポリシリコーン、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。耐熱性、電気特性、耐湿性、耐溶剤性及び耐薬品性に優れるため、これらの樹脂の中でも、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド結合を含む樹脂が好ましい。
本発明において、(A)成分として使用することができるイミド結合を含む樹脂は、イミド結合を必須成分として含有する樹脂であり、本発明の目的の範囲を満たすものであれば限定されないが、通常、(a)酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体、並びに酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸から選ばれる1種以上の化合物と、(b)イソシアネート化合物又はアミン化合物とを反応させて得られる。
(a)成分の酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体は、特に限定されないが、例えば、式(I′)及び(II′):
Figure 2007227981
(式中、R′は、水素、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、Yは、−CH2−、−CO−、−SO2−、又は−O−である)で示される化合物を使用することができる。耐熱性、コスト面等から、トリメリット酸無水物が、特に好ましい。
酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸は、特に限定されないが、例えば、式(III′):
Figure 2007227981
(式中、Yは、基:
Figure 2007227981
である)で示されるテトラカルボン酸二無水物を使用することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、これらのほかに必要に応じて、酸成分として、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オキシジ安息香酸等)等を併用することができる。この場合、分子鎖中にアミド結合も形成される。
(b)成分のイソシアネート化合物は、例えば、
式(VI′):
Figure 2007227981
(式中、
複数個のRは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基であり、
m及びnは、それぞれ独立に1〜20の整数である)で示されるジイソシアネート類を用いることができる(以下、(b−1)化合物とする)。
式(VI′)で示される化合物は、式(IV′):
Figure 2007227981
(式中、複数個のRは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基であり、
mは、1〜20の整数である)で示されるカーボネートジオール類と、
式(V′):
OCN−X−NCO (V′)
(式中、Xは、2価の有機基である)で示されるジイソシアネート類を反応させることにより得られる。式(V′)のジイソシアネート類のXは、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、又は非置換若しくはメチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されているフェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、より好ましくは1〜18である。ジフェニルメタン−4,4′−ジイル基、ジフェニルスルホン−4,4′−ジイル基等の芳香族環を2つ有する基も好ましい。
上記の式(IV)で示されるカーボネートジオール類としては、例えば、
α,ω−ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ(3−メチル−ペンタメチレンカーボネート)ジオール等が挙げられ、市販されているものとしては、ダイセル化学(株)製の商品名PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HLが挙げられる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記式(V′)で示されるジイソシアネート類としては、例えば、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;3,2′−、3,3′−、4,2′−、4,3′−、5,2′−、5,3′−、6,2′−又は6,3′−ジメチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;3,2′−、3,3′−、4,2′−、4,3′−、5,2′−、5,3′−、6,2′−又は6,3′−ジエチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;3,2′−、3,3′−、4,2′−、4,3′−、5,2′−、5,3′−、6,2′−又は6,3′−ジメトキシジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,4′−ジイソシアネート;ジフェニルエーテル−4、4′−ジイソシアネート;ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネート;ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート;トリレン−2,6−ジイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート;p−キシリレンジイソシアネート;ナフタレン−2,6−ジイソシアネート;4,4′−〔2,2ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の式(V′)において、Xが芳香族環を有する芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、式(V′)で示されるジイソシアネート類としては、本発明の目的の範囲内で、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート、あるいは3官能以上のポリイソシアネートを使用することができる
式(V′)で示されるジイソシアネート類は、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、アルコール、フェノール、オキシム等があるが、特に制限はない。
上記の式(IV′)で示されるカーボネートジオール類と式(V′)で示されるジイソシアネート類の配合量は、水酸基数とイソシアネート基数の比率が、イソシアネート基/水酸基=1.01以上になるようにすることが好ましい。
上記の式(IV′)で示されるカーボネートジオール類と式(V′)で示されるジイソシアネート類の反応は、無溶媒あるいは有機溶媒の存在下で行うことができる。反応温度は、60〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは80〜180℃である。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件等により適宜選択することができる。例えば、1〜5Lのフラスコスケールで2〜5時間とすることができる。
このようにして得られる化合物(b−1)のイソシアネート化合物の数平均分子量は、500〜10,000であることが好ましく、1,000〜9,500であることがより好ましく、1,500〜9,000であることが特に好ましい。数平均分子量が500未満であると、反り性が悪化する傾向があり、10,000を超えると、イソシアネート化合物の反応性が低下し、ポリイミド樹脂化することが困難となる傾向がある。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。
(b)成分のイソシアネート化合物として、化合物(b−1)以外の化合物(以下、化合物(b−2)とする)を使用することもできる。
化合物(b−2)としては、化合物(b−1)以外のイソシアネート化合物であれば特に限定されず、例えば、式(V′)で示されるジイソシアネート類、3価以上のポリイソシアネート類等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。化合物(b−2)のイソシアネート化合物の数平均分子量の好ましい範囲は、上記の化合物(b−1)と同様である。
特に耐熱性の点から、化合物(b−1)と化合物(b−2)とを併用することが好ましい。なお、化合物(b−1)及び化合物(b−2)をそれぞれ単独で用いる場合は、フレキシブル配線板用の保護膜としての柔軟性、反り性等の点から、化合物(b−1)を使用することが好ましい。
化合物(b−2)としては、その総量の50〜100重量%が芳香族ポリイソシアネートであることが好ましく、耐熱性、溶解性、機械特性、コスト面等のバランスを考慮すれば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
化合物(b−1)と化合物(b−2)を併用する場合、化合物(b−1)/化合物(b−2)の当量比で0.1/0.9〜0.9/0.1とすることが好ましく、0.2/0.8〜0.8/0.2とすることがより好ましく、0.3/0.7〜0.7/0.3とすることが特に好ましい。当量比がこの範囲にあると、良好な反り性、密着性と良好な耐熱性等の膜特性をともに得ることができる。
(b)成分のうちアミン化合物としては、上記の(b)成分のイソシアネート化合物におけるイソシアナト基をアミノ基に転換した化合物が挙げられる。イソシアナト基のアミノ基への転換は、公知の方法により行うことができる。アミン化合物の数平均分子量の好ましい範囲は、上記の化合物(b−1)と同様である。
また、(a)成分の酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/又は酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸の配合割合は、(b)成分中のイソシアネート基の総数に対する(a)成分中のカルボキシル基と酸無水物基の総数の比が、0.6〜1.4となるようにすることが好ましく、0.7〜1.3となるようにすることがより好ましく、0.8〜1.2となるようにすることが特に好ましい。この比が0.6未満又は1.4を超えると、ポリイミド結合を含む樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向がある。
なお、(a)成分として式(I′)で示される化合物、(b)成分として化合物(b−1)を用いた場合、
式(I):
Figure 2007227981
(式中、R、X、m、nは上記で定義したとおりである)で示される繰り返し単位を有するポリアミドイミド樹脂を得ることができる。
また、(a)成分として式(II′)で示される化合物、(b)成分として化合物(b−1)を用いた場合、
式(II):
Figure 2007227981
(式中、R、X、m、n、Yは上記で定義したとおりである)で示される繰り返し単位を有するポリアミドイミド樹脂を得ることができる。
また、(a)成分として式(III′)で示される化合物、(b)成分として化合物(b−1)を用いた場合、
式(III):
Figure 2007227981
(式中、R、X、m、n、Yは上記で定義したとおりである)で示される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を得ることができる。
本発明において、(A)成分として使用されるイミド結合を含む樹脂の製造法における(a)酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体、並びに酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸から選ばれる1種以上の化合物と、(b)イソシアネート化合物又はアミン化合物との反応は、有機溶媒、好ましくは非含窒素系極性溶媒の存在下に、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合させることにより行うことができる。
上記非含窒素系極性溶媒としてはエーテル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール ジエチルエーテル、トリエチレングリコール ジメチルエーテル、トリエチレングリコール ジエチルエーテル;含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン;エステル系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ;ケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン;芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。生成する樹脂を溶解する溶剤を選択して使用するのが好ましい。合成後、そのままペーストの溶媒として好適なものを使用することが好ましい。高揮発性であって、低温硬化性を付与でき、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。溶媒の使用量は、生成するイミド結合を含む樹脂の0.8〜5.0倍(重量比)とすることが好ましい。0.8倍未満では、合成時の粘度が高すぎて、攪拌不能により合成が困難となる傾向があり、5.0倍を超えると、反応速度が低下する傾向がある。
反応温度は、80〜210℃とすることが好ましく、100〜190℃とすることがより好ましく、120〜180℃とすることが特に好ましい。80℃未満では反応時間が長くなり過ぎ、210℃を超えると反応中に三次元化反応が生じてゲル化が起こり易い。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。また、必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、亜鉛、チタニウム、コバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行っても良い。
このようにして得られたイミド結合を含む樹脂の数平均分子量は、4,000〜40,000であることが好ましく、5,000〜38,000であることがより好ましく、6,000〜36,000であることが特に好ましい。数平均分子量が4,000未満であると、耐熱性等の膜特性が低下する傾向があり、40,000を超えると、非含窒素系極性溶媒に溶解しにくくなり、合成中に不溶化しやすい。また、作業性に劣る傾向がある。
また、合成終了後に樹脂末端のイソシアネート基をアルコール類、ラクタム類、オキシム類等のブロック剤でブロックすることもできる。
なお、(A)成分としては熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。上記のイミド結合を含む樹脂の場合、熱硬化性を向上させるために、(A)成分以外に各種エポキシ樹脂を添加することもできる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製の商品名エピコート828等)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成(株)製の商品名YDF−170等)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)性の商品名エピコート152、154;日本化薬(株)製の商品名EPPN−201;ダウケミカル社製の商品名DEN−438等)、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製の商品名EOCN−125S、103S、104S等)、多官能エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製の商品名Epon1031S;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名アラルダイト0163;ナガセ化成(株)製の商品名デナコールEX−611、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−421、EX−411、EX−321等)、アミン型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製の商品名エピコート604;東都化成(株)製の商品名YH434;三菱ガス化学(株)製の商品名TETRAD−X、TERRAD−C;日本化薬(株)製の商品名GAN;住友化学(株)製の商品名ELM−120等)、複素環含有エポキシ樹脂(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名アラルダイトPT810等)、脂環式エポキシ樹脂(UCC社製のERL4234、4299、4221、4206等)等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上組合せて使用することができる。
これらのエポキシ樹脂のうち、1分子中にエポキシ基を3個以上有するアミン型エポキシ樹脂は、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性の向上の点で特に好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、(A)成分であるイミド結合を含む樹脂全量に対して0〜20重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシル、メチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することができる。
これらのエポキシ樹脂の使用量は、(A)成分であるイミド結合を含む樹脂100重量部に対して好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜45重量部、さらに好ましくは3〜40重量部とされる。エポキシ樹脂の配合量が1重量部未満では、硬化性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性が低下する傾向にあり、50重量部を超えると、耐熱性及び粘度安定性が低下する傾向にある。
エポキシ樹脂の添加方法としては、添加するエポキシ樹脂を(A)成分であるイミド結合を含む樹脂を溶解する有機溶剤と同一の有機溶剤に溶解してから添加してもよく、また、直接添加してもよい。
〔(B)成分:無機及び/又は有機微粒子〕
また、本発明における(B)成分として用いられる無機及び/又は有機微粒子は、上記した(A)成分の熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂溶液中に分散してペーストを形成するものであれば、特に制限はない。
無機の微粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、チタニア(TiO2)、酸化タンタル(Ta25)、ジルコニア(ZrO2)、窒化ケイ素(Si34)、チタン酸バリウム(BaO・TiO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga23)、スピネル(MgO・Al23)、ムライト(3Al23・2SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al23/5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al23)、イットリア含有ジルコニア(Y23−ZrO2)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO2)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、有機ベントナイト、カーボン(C)等を使用することができ、これらの1種又は2種以上を使用することもできる。
有機微粒子としては、アミド結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を有する耐熱性樹脂の微粒子が好ましい。該耐熱性樹脂としては、耐熱性と機械特性の観点から好ましくはポリイミド樹脂若しくはその前駆体、ポリアミドイミド樹脂若しくはその前駆体、又はポリアミド樹脂の微粒子が用いられる。
耐熱性樹脂は以下のようにして製造することができる。まず、ポリイミド樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物とを反応させて得ることができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビスフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テロラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリテート無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリテート無水物)、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)等があり、これらを混合して用いてもよい。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物には、目的に応じて芳香族テトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物を芳香族テトラカルボン酸二無水物の50モル%を超えない範囲で用いることができる。このようなテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス{エキソービシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物}スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
芳香族ジアミン化合物としては、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルケトン、3,4′−ジアミノジフェニルケトン、4,4′−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4′−ジアミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,4′−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、3,3′−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスアニリン、3,4′−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスアニリン、4,4′−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスアニリン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等があり、これらを混合して用いてもよい。
上記芳香族ジアミン化合物には、目的に応じて芳香族ジアミン化合物以外のジアミン化合物を芳香族ジアミン化合物の50モル%を超えない範囲で用いることができる。このようなジアミン化合物としては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルポリシロキサン等が挙げられる。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と上記芳香族ジアミン化合物とは、ほぼ等モルで反応させることが膜特性の点で好ましい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物の反応は、有機溶媒中で行う。有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素化合物;スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコ−ルジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エーテル、トリエチレングリコール(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はジエチル、ジプロピル、ジブチル)エーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ブタノール、オクチルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、テトラエチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル等のアルコール類;フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トリクロロエタン、テトタクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が用いられる。
これらの有機溶媒は、単独又は混合して用いられる。溶解性、低吸湿性、低温硬化性、環境安全性等を考慮するとラクトン類、エーテル類、ケトン類等を用いることが好ましい。
反応温度は80℃以下、好ましくは0〜50℃で行う。反応が進行するにつれ反応液は徐々に増粘する。この場合、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸が生成する。このポリアミド酸を部分的にイミド化してもよく、これもポリイミド樹脂の前駆体に含まれる。
ポリイミド樹脂は上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環して選られる。脱水閉環は、120℃〜250℃で熱処理する方法(熱イミド化)や脱水剤を用いて行う方法(化学イミド化)で行うことができる。120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を共沸除去してもよい。
脱水剤を用いて脱水閉環を行う方法は、脱水剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いるのが好ましい。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミノピリジンイミダゾール等の脱水触媒を用いてもよい。脱水剤又は脱水触媒は、芳香族テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、それぞれ1〜8モルの範囲で用いることが好ましい。
ポリアミドイミド樹脂又はその前駆体は、前記ポリイミド樹脂又はその前駆体の製造において、芳香族テトラカルボン酸二無水物の代わりに、トリメリット酸無水物又はトリメリット酸無水物誘導体(トリメリット酸無水物のクロライド等)等の3価のトリカルボン酸無水物又はその誘導体を使用して製造することができる。また、芳香族ジアミン化合物及びその他のジアミン化合物の代わりに、アミノ基以外の残基がそのジアミン化合物に対応するジイソシアネート化合物を使用して製造することもできる。使用できるジイソシアネート化合物としては、前記芳香族ジアミン化合物又はその他のジアミン化合物とホスゲン又は塩化チオニルを反応させて得られるものがある。
ポリアミド樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、これらのジクロライド、酸無水物等の誘導体と前記した芳香族ジアミン化合物又はこれと他のジアミン化合物を反応させることにより製造することができる。
エステル結合を有する耐熱性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂が挙げられ、ポリエステル樹脂としては、上記のテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、これらのジクロライド、酸無水物等の誘導体と1,4−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールF、ビスフェノールA、4,4′−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール化合物を反応させて得られるものがある。
また、ポリアミドイミド樹脂としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物とイソフタル酸ジヒドラジドを必須成分として含有する芳香族ジアミン化合物とを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂が好ましく用いられる。芳香族テトラカルボン酸二無水物及び芳香族ジアミン化合物としては前記のものが用いられる。イソフタル酸ジヒドラジドの芳香族ジアミン化合物中のモル比は1〜100モル%とすることが好ましい。1モル%未満では変性ポリアミドイミド樹脂に対する耐溶解性が低下する傾向にあり、イソフタル酸ジヒドラジドの含有量が多いと本発明のペーストによって形成される層の耐湿性が低下する傾向にあるので10〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%が特に好ましく用いられる。このポリアミドイミド樹脂は芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物との配合比、使用有機溶媒、合成法等を前記ポリイミド樹脂の合成と同様にして得ることができる。
トリメリット酸無水物及び必要に応じてジカルボン酸とポリイソシアネートを反応させて得られるポリアミドイミド樹脂は、加熱することにより有機溶剤に不溶性になりやすく、このポリアミドイミド樹脂からなる有機微粒子を使用することもできる。このポリアミドイミド樹脂の製造法については、前記したポリアミドイミド樹脂の製造法と同様にして製造することができる。
微粒子化の方法としては、例えば、非水分散重合法(特公昭60−48531号公報、特開昭59−230018号公報)、沈殿重合法(特開昭59−108030号公報、特開昭60−221425号公報)、樹脂溶液から改修した粉末を機械粉砕する方法、樹脂溶液を貧触媒に加えながら高せん断下に微粒子化する方法、樹脂溶液の噴霧溶液を乾燥して微粒子を得る方法、洗剤又は樹脂溶液中で溶剤に対して溶解性の温度依存性を持つ樹脂を析出微粒子化する方法等がある。
本発明における無機及び/又は有機の微粒子としては、平均粒子径50μm以下、最大粒子径100μm以下の粒子径をもつものが好ましく用いられる。平均粒子径が50μmを超えると後述するチキソトロピー係数が1.1以上のペーストが得られにくくなり、最大粒子径が100μmを超えると塗膜の外観、密着性が不十分となる傾向がある。平均粒子径は、より好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは1μm以下であり、最大粒子径はより好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、特に好ましくは40μm以下である。
〔樹脂ペースト〕
本発明の樹脂ペーストは、(A)成分である樹脂を有機溶剤に溶解して樹脂溶液とし、(B)成分である無機及び/又は有機微粒子を分散させて製造することができる。
本発明の樹脂ペーストにおいて、(B)成分として用いる無機及び/又は有機微粒子の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜90重量部、より好ましくは2〜70であり、特に3〜50の範囲とすることが好ましい。これよりも少ない場合、ペーストの粘度及びチキソトロピー係数が低くなり、ペーストの糸引きが増加するとともに印刷後のペーストの流れ出しが大きくなり、膜厚も薄膜化する傾向がある。また、これより多い場合、ペーストの粘度及びチキソトロピー係数が高くなり、ペーストの基材への転写性が低下するとともに印刷膜中のボイド及びピンホールが増加する傾向がある。
(A)成分の樹脂を溶解する有機溶剤としては、非含窒素系極性溶媒としてエーテル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール ジエチルエーテル、トリエチレングリコール ジメチルエーテル、トリエチレングリコール ジエチルエーテル;含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホラン;エステル系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン、酢酸セロソルブ;ケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン;芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。生成する樹脂により溶解性が異なるので、樹脂を溶解可能な溶剤を選択して使用する。
熱硬化性樹脂の溶液に無機及び/又は有機の微粒子を分散させる方法としては、通常、塗料分野で行われているロール練り、ミキサー混合等が適用され、十分な分散が行われる方法であれば良い。
本発明の樹脂ペーストには、塗工時の作業性及び被膜形成前後の膜特性を向上させるため、消泡剤、レベリング剤等の界面活性剤類、染料又は顔料等の着色剤類、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤を添加することもできる。
本発明の樹脂ペーストは、回転型粘度計での粘度が25℃で0.5Pa・s〜500Pa・sであり、チキソトロピー係数が1.1以上であることが好ましい。粘度が0.5Pa・s未満であると、印刷後のペーストの流れ出しが大きくなるとともに膜厚が薄膜化する傾向があり、粘度が500Pa・sを超えるとペーストの基材への転写性が低下するとともに印刷膜中のボイド及びピンホールが増加する傾向がある。またチキソトロピー係数が1.1未満であると、ペーストの糸引きが増加するとともに印刷後のペーストの流れ出しが大きくなり、膜厚も薄膜化する傾向がある。粘度は、1〜250であることがより好ましく、特に10〜100が好ましい。また、チキソトロピー係数は、1.2以上であることがより好ましく、特に1.4以上が好ましい。
ここで、樹脂ペーストの粘度は、E型粘度計(東機産業社製、RE80U型)を用いて、試料量0.2ml又は0.5mlで測定した回転数10rpmの粘度として表される。またペーストのチキソトロピ−係数(TI値)はE型粘度計(東機産業社製、RE80U型)を用いて、試料量0.2ml又は0.5mlで測定した回転数1rpmと10rpmのペーストのみかけ粘度、η1とη10の比η1/η10として表される。
さらに、本発明の樹脂ペーストを硬化膜としたものの5%熱重量減少温度が250℃以上であることが好ましい。5%熱重量減少温度が250℃未満であると、リジッド配線板、ICチップ、電子部品又はLCDパネルとの接続時にかかる熱により、硬化膜が変形、分解する可能性がある。なお、5%重量減少温度は、引張り弾性率等の測定のための硬化膜の生成と同様の範囲、すなわち、80〜130℃で、通常のフレキシブル配線板の表面の保護膜を形成させる時間の範囲内で加熱し、膜厚約30μmの硬化膜を形成し、空気雰囲気中、10℃/分の昇温速度にて、TG−DTA法により測定した値とする。
本発明は、また上記の樹脂ペーストを、フレキシブル配線板の配線パターンにスクリーン印刷した後、熱硬化させて硬化膜を形成し、保護膜としたフレキシブル配線板である。特に、配線パターン部の全てがメッキ処理されたフレキシブル配線板の表面の保護膜用途に適している。熱硬化の条件は、メッキ層の拡散をふせぎ、かつ保護膜として好適な反り性、柔軟性を得る観点から、好ましくは、80℃〜130℃、特に好ましくは90℃〜120℃であるが、この範囲には限定されず、例えば、50〜200℃、中でも、50〜140℃の範囲で硬化させることもできる。また、加熱時間は、メッキ層の拡散をふせぎ、かつ保護膜として好適な反り性、柔軟性を得る観点から、60〜150分、好ましくは、80〜120分であるが、この範囲には限定されず、1〜1000分、例えば、5〜300分、中でも、10〜150分の範囲で硬化させることもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、油水分離器付き冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた5リットルの四つ口フラスコに、PLACCELCD−220(ダイセル化学(株)製1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートジオールの商品名)1000.0g(0.50モル)及び4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート250.27g(1.00モル)と、γ−ブチロラクトン833.51gを仕込み、140℃まで昇温し、140℃で5時間反応させ、化合物(b−1)のジイソシアネートを得た。
更に、この反応液に(a)成分として3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物358.29g(1.00モル)、化合物(b−2)として4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.14g(0.50モル)及びγ−ブチロラクトン584.97gを仕込み、160℃まで昇温した後、5時間反応させて、数平均分子量が17,000の樹脂を得た(式(III)において、Rがすべてヘキサメチレン基であり、Xがジフェニルメタン−4,4′−ジイル基であり、Yがジフェニルスルホン−3,3′,4,4′−テトライル基であり、mが13であり、nが1である繰り返し単位を有する樹脂である)。得られた樹脂をγ−ブチロラクトンで希釈し、粘度40Pa・s、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂溶液を得た。なお、化合物(b−1)/化合物(b−2)のモル比は、0.5/0.5である。
得られたポリイミド樹脂溶液1000gにアエロジル380(日本アエロジル(株)製商品名、平均粒子径0.2μm以下、シリカ微粒子)31.5gを加え、まず粗混練し、次いで高速3本ロールを用いて3回混練を繰り返して本混練を行い、均一にシリカ微粒子が分散したポリイミド樹脂ペーストを得た。このペーストは、粘度60Pa・s、TI値2.4であった。
実施例2
実施例1で得られたポリイミド樹脂ペーストの樹脂分100重量部に対してYH−434(東都化成(株)製アミン型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量約120、エポキシ基4個/分子)10重量部を加え、γ−ブチロラクトンで希釈して、粘度35Pa・s、TI値2.4、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
実施例3
実施例2において、YH−434、10重量部の代わりに、エピコート828(油化シェルエポキシ(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量約189、エポキシ基2個/分子)10重量部を用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度34Pa・s、TI値2.4、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
比較例1
実施例1と同様のフラスコに、シリコーンジオールBX16−001(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製ジメチルポリシロキサン系ジオールの商品名)700g(0.50モル)及び4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート250.27g(1.00モル)と、γ−ブチロラクトン316.76g及びN―メチル―2―ピロリドン316.76gを仕込み、140℃まで昇温し、140℃で3時間反応させた。更に、この反応液に3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物358.29g(1.00モル)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.14g(0.50モル)及びγ−ブチロラクトン269.75g及びN―メチル―2―ピロリドン269.75gを仕込み、160℃まで昇温した後、4時間反応させて、数平均分子量が15,000の樹脂を得た。得られた樹脂をγ−ブチロラクトンで希釈し、粘度30Pa・s、不揮発分52重量%のポリイミド樹脂溶液を得た。
得られたポリイミド樹脂溶液1000gにアエロジル380(日本アエロジル(株)製商品名、平均粒子径0.2μm以下、シリカ微粒子)36.4gを加え、まず粗混練し、次いで高速3本ロールを用いて3回混練を繰り返して本混練を行い、均一にシリカ微粒子が分散したポリイミド樹脂ペーストを得た。このペーストは粘度43Pa・s、TI値2.1であった。
比較例2
比較例1で得られたポリイミド樹脂ペーストの樹脂分100重量部に対してYH−434を10重量部を加え、γ−ブチロラクトンで希釈して、粘度25Pa・s、不揮発分52重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。
比較例3
フラスコを3Lとした以外は実施例1と同様のフラスコに、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物537.44g(1.50モル)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート382.9g(1.53モル)及びγ−ブチロラクトン1380.51gを仕込み、160℃まで昇温した。反応中、ワニスに濁りが生じ均一なポリイミド溶液を得ることはできなかった。
上記の実施例及び比較例で得られたポリイミド樹脂ペーストの特性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
(1)引張り弾性率及び引張り伸び率
120℃、120分間の加熱条件で、膜厚約30μm、幅1mm、長さ60mmのポリイミド樹脂ペーストの硬化膜を形成し、得られた硬化膜を用いて、25℃でチャック間長さ20mm、引張り速度5mm/分の条件で引張り試験を行い、引張り弾性率及び引張り伸び率を評価した。
(2)反り性
厚さ38μmのポリイミドフィルムと厚さ12μmのCuからなる2層フレキシブル基材をSnメッキし、縦35mm、横20mmの大きさに裁断する。この基材上に、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)について、塗布面を下にして定盤上に置き、反り高さを評価した。
(3)耐溶剤性
(2)反り性で用いた基材上に得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)について、室温でアセトン中に1時間硬化膜を浸漬させ、塗膜外観の変化について下記基準で評価した。
○:外観変化なし
△:一部外観に変化あり
×:全面外観に変化あり
(4)封止材に対する密着性
(2)反り性で用いた基材上に得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)上に、エポキシ系封止材(日立化成工業(株)製商品名CEL−C−5020)を0.06gポッティングし、120℃で120分、さらに150℃で120分加熱する。得られた試験片は、封止材側が外側になるように折り曲げ、剥離のモードを下記の基準で評価した。
○:基材/塗膜の界面剥離
△:塗膜/封止材の界面剥離
×:全く接着せず
(5)耐湿性(プレッシャークッカーテスト)
(2)反り性で用いた基材上に得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)についてプレッシャークッカーテスト(PCTと略す、条件121℃、2.0265×10Pa、100時間)を行った後の塗膜外観変化について下記の基準で評価した。
○:外観変化なし
△:一部外観に変化あり
×:全面外観に変化あり
(6)Snメッキ厚の変化
(2)反り性で用いた基材上に未塗布部分が得られるように、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、塗膜厚さ15μmの試験片を得た。この試験片のペースト未塗布部分のSnメッキ厚を測定し、下記の基準で評価した。なお、Snメッキ厚の減少率は、ペースト硬化前後のSnメッキ厚の変化率とする。
○:Snメッキ厚の減少率50%未満
×:Snメッキ厚の減少率50%以上
Figure 2007227981

Claims (7)

  1. 下記式(VI′):
    Figure 2007227981

    (式中、複数個のRは、それぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基であり、Xは2価の有機基であり、m及びnは、それぞれ独立に1〜20の整数である)で示されるジイソシアネート類を用いて得られる樹脂と、無機微粒子と、エポキシ樹脂と、有機溶剤とを含む樹脂ペーストであり、前記樹脂ペーストを80〜130℃で加熱した場合に、常温での、引張り弾性率が0.5GPa以下、及び引張り伸び率が50%以上である硬化膜が得られることを特徴とするフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト。
  2. 前記無機微粒子がシリカ微粒子を含む、請求項1記載のフレキシブル配線板の保護膜用ペースト。
  3. 前記無機微粒子の配合量が前記樹脂100重量部に対して1〜90重量部である、請求項1又は2記載のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト。
  4. 前記有機溶剤がγ−ブチロラクトンを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト。
  5. 前記樹脂ペーストの粘度が、0.5Pa・s〜500Pa・s(回転粘度計、25℃、10rpm)であり、かつチキソトロピー係数が1.1以上である、請求項1〜のいずれか1項記載のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト。
  6. 前記樹脂が熱硬化性樹脂である、請求項1〜のいずれか1項記載のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のフレキシブル配線板の保護膜用樹脂ペーストの硬化膜を保護膜とした配線パターン部がメッキ処理されたフレキシブル配線板。
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