JP5185867B2 - 親水性シリコーン樹脂組成物及び塗装品 - Google Patents
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(R3は一価の炭化水素基を示す)
この場合、反応性金属化合物とフッ素系オリゴマーの親水性基とが高い反応性で反応して結合するとともに、この反応性金属化合物とシリコーン樹脂のアルコキシ基とも高い反応性で反応して結合し、フッ素系オリゴマーの被膜からの流出が著しく抑制されるようになる。また、このような反応性金属化合物を用いても組成物の高い安定性が維持される。
構造式(1)中のR1は一価の炭化水素基を示し、R1が複数ある場合は互いに同一であっても異種であってもよい。構造式(1)中のR2も一価の炭化水素基を示し、R2が複数ある場合は互いに同一であっても異種であってもよい。この一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。上記アルキル基のうち、炭素数3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。特にR1はメチル基、エチル基又はフェニル基であることが好ましく、R2は炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。また構造式(1)中のnは1〜3の整数を示す。このシリコーン樹脂は一種のみを使用しても、複数種を併用してもよい。
この式(a)中のnは1〜20の範囲の整数が好ましい。この場合、フッ素系オリゴマーにより被膜に充分な撥水性を付与するとともにフッ素系オリゴマーと他の成分との良好な相溶性を確保してフッ素系オリゴマーの組成物中での良好な分散性を確保することができる。
この式(b)中のRはCH3又はHを示す。特に式(b)中のRがHであれば、CH3の場合よりも親水性に優れ、水による易洗浄性が更に高くなる。また、式(b)中のmの値は1〜100の範囲の整数が好ましい。この場合、フッ素系オリゴマーにより被膜に充分な親水性を付与するとともに組成物中でのフッ素系オリゴマーのゲル化を抑制することができる。
構造式(2)中のR3は一価の炭化水素基を示し、四つのR3は互いに同一であっても異種であってもよい。この一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。上記アルキル基のうち、炭素数3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。また、R3は特にエチル基であることが好ましい。この構造式(2)で示されるテトラアルコキシシランは一種のみを使用しても、複数種を併用してもよい。
パナソニック電工株式会社製の品番N−A100のA液100gとB液240gとを混合して反応させるとともにその反応時間を調整して、固形分35質量%、重量平均分子量600のシリコーン樹脂を調製した。
実施例1と同一のシリコーン樹脂と、上記式(a)で示される撥水性基と上記式(b)で示される親水性基とを分子中に複数有し、式(b)中のRがHであり、且つRf:EOが15:85であるフッ素系オリゴマー(AGCセイミケミカル株式会社製「サーフロンS−385」、固形分20%)59gと、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
実施例1と同一のシリコーン樹脂と、上記式(a)で示される撥水性基と上記式(b)で示される親水性基とを分子中に複数有し、式(b)中のRがHであり、且つRf:EOが37:63であるフッ素系オリゴマー(AGCセイミケミカル株式会社製「サーフロンS−383」、固形分100%)11.9gと、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gとを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
実施例1と同一のシリコーン樹脂と、上記式(a)で示される撥水性基と上記式(b)で示される親水性基とを分子中に複数有し、式(b)中のRがHであり、且つRf:EOが67:33であるフッ素系オリゴマー(AGCセイミケミカル株式会社製「サーフロンKH−40」、固形分100%)11.9gと、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
実施例1と同一のシリコーン樹脂と、上記式(a)で示される撥水性基と上記式(b)で示される親水性基とを分子中に複数有し、式(b)中のRがHであり、且つRf:EOが15:85であるフッ素系オリゴマー(AGCセイミケミカル株式会社製「サーフロンS−385」、固形分20%)178gと、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
実施例1におけるA液の調製時に加水分解時間を短くすることによって得られた溶液100gと、実施例1におけるB液240gとを混合し、固形分35質量%、重量平均分子量260のシリコーン樹脂を調製した以外は実施例1と同様に被膜を形成した。
実施例1におけるA液の調製時に加水分解時間を長くし、反応温度を上げることによって得られた溶液100gと、実施例1におけるB液240gとを混合し、固形分35質量%、重量平均分子量750のシリコーン樹脂を調製した。
フッ素系オリゴマーを配合せず、実施例1と同一のシリコーン樹脂と、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
実施例1と同一のシリコーン樹脂と、上記式(a)で示される撥水性基を有さず、上記式(b)で示される親水性基を分子中に有するビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ライオン株式会社製、エソミンC/12)11.9gと、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
メチルトリメトキシシラン30gと、実施例1におけるB液240gのみとを混合し、分子量が200未満のシリコーン樹脂を調製した。
実施例1におけるB液280gのみからなる分子量2000のシリコーン樹脂と、上記式(a)で示される撥水性基と上記式(b)で示される親水性基とを分子中に複数有し、式(b)中のRがHであり、且つRf:EOが15:85であるフッ素系オリゴマー(AGCセイミケミカル株式会社製「サーフロンS−385」、固形分20%)59gと、反応性金属化合物としてテトラエトキシシラン11.9gを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
アクリル樹脂(三井化学株式会社製、「アルマテックスL1043」、固形分40%)200gと、上記式(a)で示される撥水性基と上記式(b)で示される親水性基とを分子中に複数有し、式(b)中のRがHであり、且つRf:EOが15:85であるフッ素系オリゴマー(AGCセイミケミカル株式会社製「サーフロンS−385」、固形分20%)40gとを攪拌混合することで、組成物を調製した。この組成物を用い、実施例1と同じ手法で厚み5μmの被膜を形成した。
各実施例及び比較例について下記の評価試験をおこなった。その結果は下記表1に示す。
各実施例及び比較例で調製された組成物を#20のバーコータを用いてガラス基材上に塗布、乾燥して被膜を形成し、この被膜を外観を目視で観察し、以下のように評価した。
○:外観異常なし。
×:ヨリ等の発生。
各実施例及び比較例で形成された被膜の塗膜硬度(鉛筆硬度)をJIS K 5600−5−4に従って測定した。
接触角測定装置(協和界面科学株式会社製、型式CW−A)を用い、各実施例及び比較例で形成された被膜表面での蒸留水の接触角を測定した。
各実施例及び比較例で形成された被膜の表面にイオン交換水をエアスプレーにて3秒間吹きつけ、10秒間静置した後、被膜の表面におけるイオン交換水の付着した様子を目視で観察し、下記のように評価した。
○:被膜の全面が濡れている。
△:被膜の表面にクレータ状のハジキが生じている。
×:濡れが広がらず、水滴が形成されている。
各実施例及び比較例で形成された被膜について、岩崎電気株式会社製の「アイ スーパーUVテスター」を用いた耐候性試験をおこなった。試験時間は1500時間とした。試験後に目視にて被膜の変色、割れ、剥がれを確認し、下記のように評価した。
○:被膜に外観変化なし。
×:被膜に変色、割れ、剥がれが確認される。
Claims (5)
- 重量平均分子量が200〜800の範囲にあるシリコーン樹脂と、
フルオロアルキル基からなる撥水性基及びエチレンオキサイド単位で構成される親水性基を有するフッ素系オリゴマーとを含有し、
前記シリコーン樹脂100質量部に対する前記フッ素系オリゴマーの含有量が1〜20質量部の範囲であることを特徴とする親水性シリコーン樹脂組成物。 - 上記フッ素系オリゴマーと上記シリコーン樹脂の両方に対する反応性を有するとともに重量平均分子量が150〜800の範囲にある反応性金属化合物を、上記シリコーン樹脂100質量部に対して1〜12質量部の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の親水性シリコーン樹脂組成物。
- 上記反応性金属化合物が下記構造式(2)に示す構造を有することを特徴とする請求項2に記載の親水性シリコーン樹脂組成物。
Si(OR3)4 …(2)
(R3は一価の炭化水素基を示す) - 上記フッ素系オリゴマー中における親水性基と撥水性基との前者対後者のモル比が50:50〜95:5の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の親水性シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の親水性シリコーン樹脂組成物から形成された塗装被膜を備えることを特徴とする塗装品。
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