JP2005298573A - 防汚性コーティング剤及び被覆物品 - Google Patents

防汚性コーティング剤及び被覆物品 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 (A)下記一般組成式(I)で表される有機ケイ素化合物、及び
(B)熱硬化性化合物
を質量比として(A)/(B)=0.01〜50/100の割合で含有することを特徴とする防汚性コーティング剤。
【化1】
Figure 2005298573

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
【効果】 本発明の防汚性コーティング剤は、表面保護機能に優れ、耐久性のある防汚性被膜を形成でき、安全性も高く、経済的にも有利である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、直鎖状ジオルガノシロキサン鎖が片末端で分子中に固定されており、同一分子中に加水分解性シリル基あるいはシラノール基を有するオリゴマー状あるいは高分子状の有機ケイ素化合物及び熱硬化性化合物を必須成分とし、耐久性に優れた防汚性被膜を形成し得る防汚性コ−ティング剤及びこのコーティング剤の硬化被膜が形成された被覆物品に関する。
基材表面に、撥水性、撥油性に優れた被膜を形成し、汚染防止性、汚染物質除去性、指紋付着防止性等の防汚性を付与する試みは、過去より種々なされている。
基材表面に、汚染防止性に優れたコーティング剤を、直接、薄膜で塗装・硬化し、薄膜の防汚性層を設ける方法がある。例えば、フッ素化アルキル置換アルコキシシランあるいはそのシラザン(特許文献1:特開平10−7438号公報参照)、パーフルオロポリエーテル基置換シラン(特許文献2:特開2000−143991号公報参照)を挙げることができる。これら含フッ素系の処理剤は、優れた撥水性、撥油性が得られ、耐久性も高いので性能的には好ましいが、原料のシラン化合物が高価であり、経済的に不利である。また、基材表面がプラスチック等の軟質基材の場合、別に基材との間に硬質の保護被膜を設ける必要があり、基本的に2層処理が必要となるため、加工費が高くなり、経済的に不利であり、好ましくない。
シリコーン系の防汚性コーティング剤も、経済的観点から検討されている。例えば、直鎖状シリコーンを3個有するシラン化合物にスペーサーを介して、Si−Cl、あるいはSi−NCO基等の加水分解性の極めて高い加水分解性シリル基を有する特定の化合物及び/又はその部分加水分解物(特許文献3:特開2000−129247号公報参照)を利用する系を例示できる。この系では、ガラス表面への単分子層での固定を狙ったもので、基材が限定され、また疎水性基が嵩高いため固着が十分に起こらず、トルエン等のシリコーンに対して良溶剤で表面汚れを除去しようとすると簡単に被膜が脱落し、耐久性に劣る欠点がある。また、軟質基材に適用する場合、前述した場合と同様に2層処理が必要となり、加工費が高くなり、経済的に不利であり、好ましくない。
硬質な保護被膜を形成する保護コート剤に、レベリング性を付与するオイル状成分を添加し、硬化被膜に潤滑性、汚染物質除去性を付与したり、耐擦傷性を向上させたりする試みもなされている。ポリエーテル変性シリコーンオイルを潤滑剤として使用する系(特許文献4:特開2001−139884号公報参照)が例示できる。初期は良好な潤滑性、汚染物除去性が得られるが、オイル成分が被膜中に固定されていないため、経時で徐々にブリードアウトし、両特性が徐々に低下し、遂には消失してしまうため、好ましくない。フッ素化アルキル基を導入したコーティング剤も検討されている。例えば、フッ素化アルキル置換アルコキシシランとテトラアルコキシシランとの酸性加水分解物(特許文献5:特開2000−351938号公報参照)、2種類のフッ素含有シランとフッ素非含有シランとの加水分解縮合物(特許文献6:特開2002−53804号公報参照)等を示すことができる。これら含フッ素系の処理剤は、良好な撥水性が得られ、耐久性も高いが、原料のシラン化合物が高価であり、経済的に不利である。また、良好な撥水性を得るためにフッ化アルキル置換アルコキシシランを多量に導入すると、フッ素化アルキル基が非架橋性のため、硬化被膜は架橋密度が低下し、やや軟質の被膜となり、表面保護の機能に欠ける。従って、基材表面がプラスチック等の軟質基材の場合、別に基材との間に硬質の保護被膜を設ける必要があり、基本的に2層処理が必要となるため、加工費が高くなり、経済的に不利であり、好ましくない。
シリカマトリックス中に両末端に加水分解性シリル基を含有するジメチルシリコーンを分散させた系(特許文献7:特開2003−206160号公報参照)、シリコーン系ハードコート剤中に両末端SiOH基含有ジメチルシリコーンを表面滑り剤として添加する系(特許文献8:特開平11−152446号公報参照)を具体例として示すことができる。いずれの系も、硬質の保護被膜としての機能は認められるが、滑性を与えるジメチルシリコーン部分がコーティング液との相溶性に欠けるため、コーティングするとハジキが発生したり、縮合反応性が乏しいことが原因で被膜中に固定され難く、その効果の持続性に問題があった。
フルオロアルキル基含有シランと、ポリジメチルシロキサン誘導体の加水分解物を、テトラアルコキシシランの加水分解物に添加し、混合直後に塗布する方式(特許文献9:特開平8−12375号公報参照)が提案されている。この系は、疎水性のフルオロアルキル基含有シランと、疎水性のポリジメチルシロキサン誘導体とを加水分解したものを使用するため、系中での分散性に乏しく、コーティングすると相分離を起し、被膜表面にこの成分が移行し、良好な撥水性が得られるとされる。しかしながら、実際塗装してみるとハジキが激しく、しかも硬化被膜本体との反応性に乏しいため、トルエン等の溶剤を含む布で清掃すると容易に脱落するため耐久性がなく、実用に耐えるものではない。
以上のように、1コートで、硬質の表面保護被膜の機能と、優れた防汚性の機能とを、基材表面に一度に処理できるコーティング剤はこれまでなかったものである。
特開平10−7438号公報 特開2000−143991号公報 特開2000−129247号公報 特開2001−139884号公報 特開2000−351938号公報 特開2002−53804号公報 特開2003−206160号公報 特開平11−152446号公報 特開平8−12375号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、表面保護機能に優れ、耐久性のある防汚、撥水性被膜を形成し得、しかも安全性の高い防汚性コーティング剤及び基材にこのコーティング剤の硬化被膜が形成された被覆物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、これまでに知られていなかった片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を有し、同一分子中に縮合硬化可能なシリル基を含む新規な下記有機ケイ素化合物(I)と、熱硬化性樹脂等の熱硬化性化合物とを含むコーティング剤を基材表面に処理すると、1コートで、優れた表面保護機能と、トルエン等の溶剤で洗滌しても脱落しないような耐久性に優れた撥水性及び防汚性を表面に与えることができることを見出した。特に、熱硬化性化合物として、シリコーン系樹脂を用いると、耐候性に富む硬質の保護被膜とすることができ、また特定のフッ素原子含有スペーサーを含むジシラン化合物を用いると、反射防止機能を更に付与できることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)下記一般組成式(I)で表される有機ケイ素化合物、及び
(B)熱硬化性化合物
を質量比として(A)/(B)=0.01〜50/100の割合で含有することを特徴とする防汚性コーティング剤を提供する。
Figure 2005298573
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
この場合、(A)成分の有機ケイ素化合物(I)が、(a)下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物と、(b)下記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物とを、(a)成分と(b)成分をモル比(a)/(b)=1/99〜99/1の割合で用いて、これら成分を(部分)共加水分解・縮合することによって得られたものであることが好ましく、また
(i)上記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物を加水分解する、
(ii)そこに、上記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を添加する、
(iii)この混合物を(部分)共加水分解・縮合する
という工程を経て調製されるものであることが好ましい。
Figure 2005298573
(式中、R、aは上記と同様の意味を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、bは0,1又は2である。またnは0,1又は2である。)
一方、(B)成分の熱硬化性化合物は、下記一般式(IV)
Figure 2005298573
(式中、R’は非置換又は置換の炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、nが2の場合、R’は互いに同一でも異なっていてもよい。Z、nは上記と同様の意味を示す。)
で示される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を含むものが好ましく、また下記一般式(V)
Figure 2005298573
(式中、Aはフッ素原子を含有する2価有機基、cは1,2又は3であり、R,Zは上記と同様の意味を示す。)
で示されるジシラン化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を含有するものであることが好ましい。
更に、本発明のコーティング剤には、(C)酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれた成分を主成分として含有する金属酸化物微粒子、これらの複合酸化物微粒子、及びこれらの中空微粒子から選ばれる微粒子を、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、0.1〜100質量%含むことが好ましく、また、(D)紫外線吸収基含有ビニルモノマーを共重合したビニル重合ポリマー等のアルコキシシリル基を含有するビニル重合ポリマーを(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、0.1〜100質量%含むことが好ましい。
また、本発明は、プラスチック、金属、ガラス、セラミック等の基材に、直接又は他の層(特に、金属酸化物又はSi−X基(Xは上記の通り)を含有する樹脂層)を介して、上記防汚性コーティング剤の硬化被膜が防汚性保護膜として形成された被覆物品を提供する。この場合、該被覆物品は、光学部品用の透明物品とすることができる。なお、コーティング剤中の硬化被膜形成性成分に含まれる(A)成分の存在率より、硬化被膜の最外表面に存在する(A)成分の存在率のほうが高いことが好ましい。
本発明の防汚性コーティング剤は、上述した通り、直鎖状ジオルガノポリシロキサン鎖が片末端で置換している加水分解性シリル基あるいはシラノール基を有する有機ケイ素化合物を、熱硬化性化合物、特に熱硬化性シリコーン系樹脂、あるいは主鎖に2価の含フッ素有機基を含むシリコーン系樹脂に配合したもので、この場合、有機ケイ素化合物(I)は、熱硬化性化合物に対して相溶性が低い片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン置換基を含み、同時に、溶剤あるいは熱硬化性化合物との相溶性に富む縮合可能なシリル基を同一分子内に含有しているという、特殊な構造のため、溶液の段階では各種有機ケイ素化合物の溶液中に均一分散するが、コーティング後、溶剤が揮発すると、有機ケイ素化合物には相溶せず、表面に移行しやすい性質がある。
一般的な熱硬化性化合物、特に熱硬化型シリコーン樹脂を含むコーティング剤は、硬質な被膜を形成する材料なので、従来公知のように、プラスチック、金属、セラミック基材等の保護被膜として有効である。しかしながら、これ単独では防汚性が不足していたり、表面の潤滑性が不十分な場合があったが、本発明の直鎖状ジオルガノポリシロキサン鎖が片末端で置換している特定の有機珪素化合物をコート液に配合すると、1コートで、撥水性、防汚性(汚染物除去性)、潤滑性、指紋付着防止性を硬化被膜表面に付与することができ、更に潤滑性により耐擦傷性も向上する。
そのため、本発明の防汚性コーティング剤は、以下の特徴を有する。
(a)高作業性である。
1コートで、保護被膜としての機能を果たす熱硬化性化合物(B)層と、有機ケイ素化合物(A)からなる防汚性コーティング層の2層を一度に処理することができる。
(b)撥水性、防汚性に優れた表面を形成できる。
塗布後、相溶性が乏しい片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン置換基が、外側表面に配向するため、最外層表面は良好な撥水性、汚染防止性(汚染物除去性)が得られる。
(c)防汚性は高耐久性である。
同一分子内に含まれるシリル基が、熱硬化性化合物と化学結合・水素結合により結合するので、熱硬化性化合物(B)層と有機ケイ素化合物(A)からなる防汚性コーティング層が強固に接着する。その結果、溶剤を含んだ布による洗滌にも耐え得る。
(d)経済的に有利である。
含フッ素化合物は優れた撥水性、撥油性を示すが、高価格である。一方、本発明による化合物は、シリコーンであり、撥油性は含フッ素化合物に比べ、やや劣るものの、経済的に有利である。
従って、本発明の防汚性コーティング剤は、自動車、電車のプラスチック製窓ガラス、コンピューター、テレビ、プラズマディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置、タッチパネル等の保護フィルム/板、各種計器カバー等の光学部品の保護被膜用、反射防止用に好適に適用できる。
本発明の防汚性コーティング剤は、表面保護機能に優れ、耐久性のある防汚性被膜を形成でき、安全性も高く、経済的にも有利である。
本発明の防汚性コーティング剤は、
(A)下記一般式(I)で表される有機ケイ素化合物、
(B)熱硬化性化合物
を含有する。
(A)有機ケイ素化合物(I)
本発明に係る有機ケイ素化合物は、下記一般平均式(I)で表される。
Figure 2005298573
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
ここで、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等を例示することができる。メチル基を用いると、良好な防汚性が得られ、経済的にも有利なので好ましい。
Xの具体例としては、OH基、Cl等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケノキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、−NCO基(イソシアネート基)等を挙げることができる。
Yは、片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を加水分解性基を有するオリゴマー状有機ケイ素化合物に結合させるためのスペーサー基を示す。Yの具体例としては、エーテル性酸素(この場合シロキサン結合を意味する)、−(CH22−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、−(CH22−C64−(CH22−、−(CH22−C610−等を挙げることができる。経済的有利性からエーテル性酸素、あるいは−(CH22−が好ましく、特に耐光性を求める場合には、全ての基本骨格がシロキサン結合で形成されているエーテル性酸素であるのが好ましい。
片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基の置換度を表すmは、0.01≦m<1の範囲を満たすのがよい。mが0.01未満では十分な防汚性が得られず、1以上では硬化性が悪くなり、また熱硬化性化合物との相溶性が低下し、被膜のハジキの原因となったり、更に硬化被膜への固定が不十分となり耐久性も低下するため、共に好ましくない。特に好ましくは、0.02≦m≦0.7を満たすのがよい。
pは置換基Rの置換度を示し、0≦p<1の範囲を満たすのがよい。1以上では、硬化被膜の架橋密度が低くなるため被膜の強度が低下し、耐久性が劣るため好ましくない。特に好ましくは、0≦p≦0.7を満たすのがよい。
qは、OH基あるいは加水分解性基の置換度を表し、0.5≦q<3の範囲を満たすのがよい。0.5未満では、硬化被膜の架橋密度が低くなるため被膜の強度が低下し、耐久性が劣るため好ましくない。3以上では、実質的には有機ケイ素化合物のモノマーを意味し、片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基が処理表面で上手く外側に配向せず、良好な防汚性が得られないため好ましくない。特に好ましくは、1≦q≦2.5を満たすのがよい。
また、m+p+qは、0.51≦m+p+q<4であるが、好ましくは0.6≦m+p+q≦3、特に好ましくは0.8≦m+p+q≦2.5である。
ジオルガノシロキシ単位の重合度を表すaは、a=1〜100の範囲を満たすのがよい。aが1未満では、ジオルガノシロキサン鎖長が短くて十分な防汚性が得られないため好ましくない。aが100を超過すると、処理時に表面での配向が上手く進行しないため満足すべき防汚性が得られず、また表面固定も十分とはいえず耐久性も不足するため好ましくない。より好ましくは、a=1〜50の範囲を満たすのがよい。
これらの条件を満たすものであれば、如何なるものでも使用することができるが、この場合、数平均分子量(Mw)は500〜50,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
上記有機ケイ素化合物(I)は、(a)下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物と、(b)下記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物とを、(a)成分と(b)成分をモル比(a)/(b)=1/99〜99/1の割合で用いて、これら成分を(部分)共加水分解・縮合することによって得ることができる。
Figure 2005298573
(式中、R、aは上記と同様の意味を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、bは0,1又は2である。またnは0,1又は2である。)
なお、本発明において、(部分)加水分解物とは、部分加水分解物、又は完全加水分解物又はこれらの混合物であるということを意味する。
ここで、Zは加水分解性基を表し、具体的には、Cl等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケノキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、−NCO基(イソシアネート基)等を挙げることができる。メトキシ基、エトキシ基のシラン化合物が取り扱いやすく、加水分解時の反応の制御もしやすいため、好ましい。
上記一般式(II)に示される有機ケイ素化合物の具体例としては下記のものが挙げられる。
Figure 2005298573
Figure 2005298573
上記一般式(II)に示される有機ケイ素化合物は、下記に示すような、従来公知の方法で合成することができる。
(A)R3Si−(O−R2Si−)a-1−R2Si−Y’−CH=CH2で表される末端に不飽和二重結合を有する化合物(但し、Y’はYから−CH=CH2を除いた残基)と、H−SiRb3-bとを、ヒドロシリル化触媒の存在下、ヒドロシリル化反応を行う方法。
(B)R3Si−(O−R2Si−)a-1−R2Si−Hで表される末端にSi−H基を有する化合物と、
CH2=CH−Y’−SiRb3-bとを、ヒドロシリル化触媒の存在下ヒドロシリル化反応を行う方法。
(C)R3Si−(O−R2Si−)a-1−R2Si−OHで表される末端にSiOH基を有する化合物と、過剰のSiRb4-bとを縮合させ、その後過剰のシランモノマーを減圧下除去する方法。
上記一般式(III)に示される有機ケイ素化合物の具体例としては、SiCl4、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494、Si(OCOCH34、Si(NCO)4、(C49O)2Si(OCOCH32、CH3SiCl3、CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、CH3Si(OC373、CH3Si(OC493、CH3Si(OCOCH33、CH3Si(OC(CH3)=CH23、CH3Si(NCO)3、C65Si(OCH33、C611Si(OCH33、C613Si(OCH33、(CH32SiCl2、(CH32Si(OCH32、(CH32Si(OC252、(CH32Si(OC372、(CH32Si(OC492、(CH32Si(OCOCH32、(CH32Si(NCO)2、(C652Si(OCH32等を挙げることができる。
上記一般式(II)の有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物(a)と上記一般式(III)の有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物(b)の配合比は、(a)/(b)=1/99〜99/1の範囲のモル比で使用するのがよい。1/99未満では、防汚性を発現する(a)成分の割合が低くなりすぎ、十分な防汚性が得られないため好ましくない。また、99/1を超えると、十分な架橋密度が達成されないため、耐久性が不十分となるため好ましくない。更に好ましくは、(a)/(b)=2/98〜70/30、特に好ましくは、(a)/(b)=3/97〜50/50の範囲で使用するのが好ましい。
なお、前記有機ケイ素化合物以外に、求める諸特性に影響を与えない範囲内において、基材に対する密着性を向上させる目的で、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤類等の化合物を併用、(部分)共加水分解をして用いることができる。
これらの化合物を使用する場合、その使用量は、化合物(I)100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましい。
有機ケイ素化合物(II)及び/又はその(部分)加水分解物と、有機ケイ素化合物(III)及び/又はその(部分)加水分解物から選ばれる1種類以上とを、(部分)共加水分解・縮合する方法としては、下記に示したような従来公知の方法を採用できる。
(イ)2種類の原料を混合し、共(部分)加水分解する。必要に応じて(部分)縮合させる。
(ロ)有機ケイ素化合物(II)を加水分解し、ここに有機ケイ素化合物(III)、及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を加え、共(部分)加水分解する。必要に応じて(部分)縮合させる。
(ハ)有機ケイ素化合物(II)を加水分解したものと、有機ケイ素化合物(III)を加水分解したものとを混合する。必要に応じて(部分)縮合させる。
以上のいずれの方法に準じてもよい。有機ケイ素化合物(II)の加水分解速度がやや遅いため、事前に有機ケイ素化合物(II)を加水分解する(ロ)の方法を採用すると、2種類の成分が均一に組み込まれるため、特に好ましい。即ち、好適な方法は、
(i)上記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物を加水分解する、
(ii)そこに、上記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物を添加する、
(iii)この混合物を(部分)共加水分解・縮合する
という工程を経る方法である。
加水分解・縮合を行うに際して、溶剤を使用してもよい。その具体例としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等を示すことができる。
また、加水分解・縮合を行うに際して、従来公知の種々の加水分解・縮合用触媒を使用することができる。具体的には、以下のものを例示することができる。即ち、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、メタンスルフォン酸等の酸類、NaOH、アンモニア、トリエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物、及びアミン化合物の塩類、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩等の塩基類、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムのようなフッ化塩、固体酸性触媒あるいは固体塩基性触媒(例えばイオン交換樹脂触媒等)、鉄−2−エチルヘキソエート、チタンナフテート、亜鉛ステアレート、ジブチル錫ジアセテート等の有機カルボン酸の金属塩、テトラブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、ジブトキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタン、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタン等の有機チタンエステル、テトラブトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、ジブトキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウム等の有機ジルコニウムエステル、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルコキシアルミニウム化合物、アルミニウムアセチルアセトナート錯体等のアルミニウムキレート化合物等の有機金属化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノアルキル置換アルコキシシランが例示され、これらを単独で又は混合して使用してもよい。また、これらの触媒は、緻密で強固な硬化被膜を得る目的で、コーティングする際、本防汚性コーティング剤に配合して使用してもよい。
この場合、上記成分(a),(b)の加水分解・縮合を行うに際し、加水分解・縮合用触媒の添加量は、原料100質量部に対して0.001〜10質量部である。
加水分解・縮合を行う条件は、室温(25℃)から100℃の温度域で、1分から10日程度反応を行えばよい。前記(ハ)の2種類の加水分解物を混合する系でも、室温で長時間保持している間に、適度に縮合が進行し、均一化するので、事前に十分経時保存すれば、混合する場合でも十分均一化する。
(B)熱硬化性化合物
次に、第2の成分である熱硬化性化合物に関して以下に説明する。本発明に用いることのできる熱硬化性化合物としては、従来公知の熱硬化性樹脂等の熱硬化性化合物であれば如何なるものでも使用することができる。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アミノ樹脂及びこれら有機樹脂をシリコーン変性したアルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の各変性シリコーン樹脂等を例示できる。これらの樹脂と、片末端封鎖ジメチルシリコーン鎖との相溶性が乏しいため、(A),(B)成分の両者を溶解・分散させる溶剤が揮散すると、(A)成分が(ミクロ)相分離を起し、その結果、1コートでも、2コートしたかの如く、外側表面に(A)成分が移行し、優れた防汚性被膜が得られる。
特に、熱硬化性化合物乃至熱硬化性樹脂として、下記一般式(IV)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を含む硬質の硬化被膜を形成し得るシリコーン系コーティング剤を用いると、耐候性に優れた保護被膜を同時に形成することができるため、プラスチック基材等に適用する場合に好ましい。
Figure 2005298573
(式中、R’は非置換又は置換の炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、nが2の場合、R’は互いに同一でも異なっていてもよい。Z、nは上記と同様の意味を示す。)
ここで、置換基としては、グリシドキシ基、エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、ウレイド基、アミノ基等が挙げられる。
上記一般式(IV)に示される有機ケイ素化合物の具体例としては、SiCl4、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494、Si(OCOCH34、Si(NCO)4、(C49O)2Si(OCOCH32、CH3SiCl3、CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、CH3Si(OC373、CH3Si(OC493、CH3Si(OCOCH33、CH3Si(OC(CH3)=CH23、CH3Si(NCO)3、C65Si(OCH33、C611Si(OCH33、C613Si(OCH33、(CH32SiCl2、(CH32Si(OCH32、(CH32Si(OC252、(CH32Si(OC372、(CH32Si(OC492、(CH32Si(OCOCH32、(CH32Si(NCO)2、(C652Si(OCH32、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。耐候性の良好な被膜を得るためには、有機置換基としてメチル基を用いるのがよい。硬質な被膜を使用する場合には、3官能シラン、4官能シランを用いるのがよい。被膜に可撓性を付与したい場合には、2官能シランを併用するのがよい。これらの(部分)加水分解・縮合したものとしては、縮合して数量体となったオリゴマー状のものから、分子量数万レベルの高分子体まで、どのような状態でも適用可能である。
また、含フッ素スペーサーを有する下記一般式(V)で表されるジシラン化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を用いると、硬化被膜の屈折率を低くすることができ、更に架橋密度も確保できるので、光学物品に反射防止機能も併せて付与することができるため、この機能を求める場合にはより好ましい。
Figure 2005298573
(式中、Aはフッ素原子を含有する2価有機基、cは1,2又は3であり、R,Zは上記と同様の意味を示す。)
Aは、フッ素原子を1個以上含有する2価有機基を表し、フッ素原子を含む2価有機基であれば如何なるものでも使用可能であるが、具体的構造としては以下のものを例示することができる。
Figure 2005298573
特に、
−CH2CH2−(CF2d−CH2CH2−、
−CH2CH2−CF(CF3)(CF2dCF(CF3)−CH2CH2
が好ましい。d=4〜10のものが、硬質で、反射防止性に優れた被膜を与えるので、より好ましい。これより少ないと、反射防止性、防汚性、撥水性等の諸機能、及び耐薬品性を十分に得ることができない場合があり、多すぎると、架橋密度が低下するため十分な耐擦傷性が得られない場合が生ずる。
これらの条件を満たすジシラン化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2005298573
これらの中でも、好ましくは、
(CH3O)3Si−CH2CH2−(CF24−CH2CH2−Si(OCH33
(CH3O)3Si−CH2CH2−(CF26−CH2CH2−Si(OCH33
(CH3O)3Si−CH2CH2−(CF28−CH2CH2−Si(OCH33
(C25O)3Si−CH2CH2−(CF24−CH2CH2−Si(OC253
(C25O)3Si−CH2CH2−(CF26−CH2CH2−Si(OC253
の各ジシラン化合物を使用するのがよい。
良好な反射防止性を得るために、硬化被膜の屈折率を下げる目的で、一般式(V)のジシラン化合物に、一般式(IV)で表されるシラン化合物、及び/又はフルオロアルキル基含有シラン化合物を特性に影響のない範囲で加えて共加水分解してもよい。フルオロアルキル基含有シラン化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
CF3CH2CH2−Si(OCH33
CF3(CF23CH2CH2−Si(OCH33
CF3(CF27CH2CH2−Si(OCH33
CF3(CF27CH2CH2−Si(OC253
CF3(CF27CH2CH2−SiCH3(OCH32
CF3(CF27CONHCH2CH2CH2−Si(OCH33
CF3(CF27SO2NHCH2CH2CH2−Si(OC253
37O(CF(CF3)CF2O)3CF(CF37OC36−Si(OCH33
一般式(I)で表される有機ケイ素化合物(A)と、熱硬化性化合物(B)との混合比率は、質量比として(A)/(B)=0.01〜50/100の比率で使用するのがよい。 この比率より低いと、成分(A)の含有率が低くなりすぎ、良好な防汚性が得られなくなるため、好ましくない。また、この比率より大きいと、防汚成分の量が多くなりすぎ、被膜の保護機能が発現し難くなるため、好ましくない。より好ましくは、(A)/(B)=0.02〜30/100の範囲を満たすのがよい。
更に、本発明の防汚性コーティング剤には、被膜の硬度、耐擦傷性、導電性、反射防止等の物性を調整することを目的として、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれる金属酸化物微粒子及びこれらの複合酸化物微粒子、及びこれらの中空微粒子から選ばれる微粒子を配合してもよい。これらの無機酸化物微粒子は、通常、分散媒中に分散された状態で使用される。ここに、分散媒としては、水及び有機溶剤を挙げることができる。無機酸化物微粒子の分散媒として水を使用する場合には、当該分散媒のpHが2〜10、好ましく3〜7に調整されていることが好ましい。無機酸化物微粒子の分散媒として好適な有機溶剤としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等のβ−ジケトン、β−ケトエステルを挙げることができ、これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独で又は2種以上混合して分散媒として使用することができる。この中で、被膜を低屈折率に維持し反射防止性を付与したい場合には、コロイダルシリカ、中空状シリカゾルを使用するのが好ましい。
好適な無機微粒子は、その平均一次粒子径が0.001〜0.1μmであることが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.05μmとされる。平均一次粒子径が0.1μmを超える場合には、調製される組成物によって形成される硬化被膜の透明性が低下する傾向がある。これらの無機酸化物微粒子は、その表面をシラン系、チタン系、アルミニウム系、あるいはジルコニウム系カップリング剤等の有機金属化合物で処理したものを使用してもよい。これらの微粒子を配合する場合、成分(A)及び成分(B)の合計量に対して、0.1〜100質量%含むのがよい。少なすぎると、目的とする特性が発現せず、多すぎると硬化被膜が硬くなりすぎ、被膜にクラックが発生しやすくなるため好ましくない。0.2〜80質量%の範囲を満たすのが、更に好ましい。
更に、本発明の防汚性コーティング剤には、被膜の接着性、可撓性の付与、耐候性の向上を目的として、アルコキシシリル基を含有するビニル重合ポリマーを含んでもよい。特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド等の各種(メタ)アクリル酸誘導体、あるいは酢酸ビニル等の各種ビニル重合性モノマーと、(メタ)アクリロキシ基を有するアルコキシシラン、あるいはビニル基及び/又はスチリル基含有アルコキシシランを共重合させたものが好ましい。その含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、0.1〜100質量%含むのがよい。
この場合、上記モノマーに加えて、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系の紫外線吸収性基を含有するビニルモノマーを共重合すると、更に耐候性が向上するので、より好ましい。紫外線吸収性基を含有するビニルモノマーとしては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン、4−(2−アクリロキシエトキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを具体例として示すことができる。
本発明の防汚性コーティング剤は、上記成分に加え、シリコーン樹脂用縮合触媒及び有機溶剤を含有してもよいが、この場合、本発明の防汚性コーティング剤中の式(I)の有機ケイ素化合物(A)の含有量は、0.001〜33質量%、特に0.1〜20質量%である。また、シリコーン樹脂用縮合触媒としては、上記加水分解・縮合用触媒で挙げたものを使用することができるが、その含有量は、防汚性コーティング剤中、0.001〜10質量%、特に0.01〜1質量%である。有機溶剤としては、上記加水分解・縮合において挙げた有機溶剤と同様のものを使用し得、その含有量はコーティング剤中0.1〜90質量%、特に10〜60質量%である。
上記方法にて得られた本発明の防汚性コーティング剤に、更に有機系及び無機系の紫外線吸収剤、レベリング剤、系内のpHをシラノール基が安定に存在しやすいpH2〜7に制御するための緩衝剤、例えば、酢酸−酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム−クエン酸等の任意成分が含まれていてもよい。
本発明の防汚性コーティング剤によって基材表面に形成される硬化被膜は単分子層以上の膜厚であれば機能する。目的によって膜厚は異なるが、通常膜厚は0.1nm〜30μm、好ましくは1nm〜10μmとされる。本コーティング剤を基材表面にコーティングする方法としては、ディッピング法、スピンコート法、フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法等特に限定されるものではないが、膜厚の制御を容易に行うことができることから、ディッピング法、スプレー法及びロールコート法で所定の膜厚になるように行うのが好ましい。使用する場合に、前記した反応時に使用可能な溶剤で稀釈して使用することができる。濃度としては、0.1〜40質量%まで適用できる。
なお、コーティング膜の硬化条件としては、室温〜300℃で1分より1週間を要して硬化させるとよい。
本コーティング剤を塗装する透明基材は、ガラス、各種セラミックス、金属、各種プラスチックが好適である。プラスチックの具体例としては、光学的特性に優れるものであれば全て適用可能であるが、ポリカーボネート系樹脂、PET等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート等の液晶性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、トリメチルペンテン、ポリビニルノルボルネン等のポリオレフィン樹脂、硫黄を含有する高屈折率樹脂、及びこれらの複合化樹脂を例示することができるが、これに限定されるものではない。特に好ましくは、ポリカーボネート樹脂、PET等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂である。透明基材は、成型部品、板状、フィルム状のいずれでもよい。
本発明による防汚性コーティング剤を塗装する基材表面が、事前に、金属酸化物層あるいはSi−X基(Xは上記の通り。)を含有する樹脂層を積層されたものを使用してもよい。プラスチック基材に適用すると、優れた密着性が得られるため、適当である。金属酸化物としては、SiO2、TiO2、ZrO2、InO2、Al23、ZnO、CeO2、SnO2、HfO2、Sb25、が好ましい。これらの金属酸化物は、CVD等の蒸着法、スパッタリング法、ゾル−ゲル法等によるコーティング等で基材表面に積層すればよい。また、Si−X基を含有する樹脂としては、シリコーン樹脂で変性したアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の各種有機樹脂、不飽和二重結合を有する加水分解性シラン化合物を共重合したアクリル樹脂、あるいは、Si−X基を含む有機ケイ素オリゴマー、シリコーン樹脂等を使用することができる。なお、金属酸化物層、Si−X基を含有する樹脂層の厚さは0.01〜10μm、特に好ましくは0.1〜5μmである。
以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%、部は質量部、本明細書中における平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCという。)によるポリスチレン換算の数平均分子量を示す。
[調製例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3リットルフラスコに、下記有機ケイ素化合物(i)を175g(0.20モル)、t−ブタノール700g、及び固体酸触媒8gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、イオン交換水36g(2.0モル)を10分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了し、系は透明になった。ここに、テトラエトキシシラン832g(4.0モル)を加えた。1時間室温で撹拌した後、イオン交換水288g(16.0モル)を30分で滴下した。徐々に発熱し、内温は最大55℃まで発熱した。滴下終了後、室温で24時間撹拌した。その後濾過して触媒の固体酸触媒を除去し、コーティング液(1)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が9,730であり、単一ピークのものであった。29Si−NMRの解析結果、各構成単位の比率が、M/D/Q−1/Q−2/Q−3/Q−4≒4/36/7/18/21/14であることから、一般式(I)における各パラメーターが、m=0.07、a=9、p=0、q=0.78で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3、OC25)。
有効成分量を把握するために、105℃で3時間加熱したところ、残存量は14.0%であった。
Figure 2005298573
[調製例2]
有機ケイ素化合物(i)の代わりに、下記有機ケイ素化合物(ii)を488.4g(0.20モル)使用する以外は、調製例1と同様にして、コーティング液(2)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が12,900であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.06、a=30、p=0、q=0.80で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=CH2CH2、X=OH、OCH3、OC25)。有効成分は15.0%であった。
Figure 2005298573
[調製例3]
有機ケイ素化合物(i)の代わりに下記有機ケイ素化合物(iii)を67.6g(0.20モル)、テトラエトキシシラン832g(4.0モル)の代わりにテトラエトキシシラン20.8g(0.10モル)とメチルトリメトキシシラン13.6g(0.1モル)の混合物を使用する以外は、調製例1と同様にしてコーティング液(3)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が3,450であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.50、a=1、p=0.25、q=0.76で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=CH2CH2、X=OH、OCH3、OC25)。有効成分は7.1%であった。
Figure 2005298573
[調製例4]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、有機ケイ素化合物(i)を175g(0.20モル)、t−ブタノール700gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、0.1N塩酸水36g(2.0モル)を10分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了し、系は透明になった。これをコーティング液(4)−Aとする。
別の撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、テトラエトキシシラン832g(4.0モル)を仕込んだ。ここに、0.25N酢酸水288g(16.0モル)を30分で滴下した。徐々に発熱し、内温は最大55℃まで発熱した。滴下終了後、室温で24時間撹拌し、コーティング液(4)−Bを調製した。
この両者を十分混合した後、室温で1週間保存し、コーティング液(4)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が8,120であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.07、a=9、p=0、q=0.78で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3、OC25)。有効成分は13.8%であった。
[調製例5]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、下記有機ケイ素化合物(iv)を338g(0.20モル)、t−ブタノール700g、及び固体酸触媒8gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、イオン交換水10.8g(0.6モル)を5分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了し、系は透明になった。ここにテトラエトキシシラン166.4g(0.8モル)を加えた。1時間室温で撹拌した後、イオン交換水4.2g(0.23モル)を加えた。滴下終了後、60℃で6時間加熱撹拌した。その後濾過して触媒の固体酸触媒を除去し、コーティング液(5)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が2,750であり、分子末端がアルコキシ基であり、一般式(I)における各パラメーターが、m=0.20、a=20、p=0、q=1.43で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3、OC25)。有効成分は36.5%であった。
Figure 2005298573
[調製例6]
有機ケイ素化合物(i)の代わりに、下記有機ケイ素化合物(ii)を488.4g(0.20モル)を使用し、テトラエトキシシラン832g(4.0モル)の代わりに、テトラエトキシシラン416g(2.0モル)及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン236g(1.0モル)の混合物を使用する以外は、調製例−1と同様にして、コーティング液(6)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が8,040であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=0.06、a=30、p=0、q=0.85で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=CH2CH2、X=OH、OCH3、OC25)。有効成分は14.2%であった。
[比較調製例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3リットルフラスコに、上記有機ケイ素化合物(i)を175g(0.20モル)、t−ブタノール700g、及び固体酸触媒8gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、イオン交換水36g(2.0モル)を10分で滴下した。滴下直後は白濁していたが、徐々に発熱し、1時間後には加水分解は完了したが、系はやや不透明のままであった。更に、室温で24時間撹拌した。その後濾過して触媒の固体酸触媒を除去し、コーティング液(7)を調製した。
このものをGPC分析したところ、数平均分子量が1,290であり、単一ピークのものであった。一般式(I)における各パラメーターが、m=1.00、a=9、p=0、q=2.1で表されるレジンの溶液が得られた(但し、R=CH3、Y=O、X=OH、OCH3)。
[比較調製例2]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、酢酸ブチル97.0g、下記3分岐型有機ケイ素化合物(ε)を3.00g(0.0030モル)を仕込み、25℃で24時間撹拌混合し、コーティング液(8)を調製した。
Figure 2005298573
[比較調製例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、テトラエトキシシラン312g(1.5モル)とエタノール450gを仕込み、30分間撹拌混合した。ここに、0.004N硝酸水216g(12モル)とエタノール20gを混合したものを添加し、室温で15時間撹拌することにより、シリカゾル溶液を調製した。
下記有機ケイ素化合物(vi)12.5g(0.0032モル)を酢酸エチルに溶解させた(10%)溶液125gとメチルエチルケトン3,500gとを撹拌混合した溶液を、上記シリカゾル溶液に添加し、室温で15時間撹拌してコーティング液(9)を調製した。
Figure 2005298573
[比較調製例4]
有機ケイ素化合物(vi)12.5g(0.0032モル)の代わりに、下記の有機ケイ素化合物(vii)を12.4g(0.0032モル)を用いる以外は、比較調製例3と同様にして、コーティング液(10)を調製した。
Figure 2005298573
[合成例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、メチルトリエトキシシラン178g(1.00モル)、イソブタノール140g、10%酢酸水2gを仕込み、25℃で撹拌混合した。系内の温度を5℃に冷却した後、酸性コロイダルシリカ水溶液(有効成分20%)を150g加えた。添加終了後、25℃に戻し、25℃で48時間撹拌し、透明な溶液を得た。ここに、プロピレングリコールモノメチルエーテルを60g、10%酢酸ナトリウム水溶液を0.2g加え、十分撹拌した後、濾過してシリコーンハードコート液(A)を調製した。
[合成例2]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3リットルフラスコに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを236g(1.00モル)、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを44g(0.20モル)、イソブタノールを450g、イオン交換樹脂1gを仕込み、25℃で撹拌混合した。ここに、純水を180g(10モル)加えた。25℃で5時間撹拌した後、表面をシリカで被覆した酸化チタンのゾルのメタノール溶液(有効成分25%)を1,200g加えた。添加終了後、25℃で48時間撹拌し、透明な溶液を得た。ここに、アルミニウムアセトアセトナート2gを加え、十分撹拌した後、濾過して高屈折率用シリコーンハードコート液(B)を調製した。
[合成例3]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた0.5リットルフラスコに、下記ジシラン化合物29.1g(0.05モル)、エタノール125gを仕込み、25℃で撹拌しているところに、イオン交換樹脂1gを加え、水10gを10分かけて滴下した。更に25℃で20時間撹拌し、加水分解を終了した。イオン交換樹脂を濾別した後、縮合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナート2gを加え、更に30分間撹拌し、濾過して低屈折率用シリコーンハードコート液(C)を調製した。
(C25O)3Si−C24−C48−C24−Si(OC253
[合成例4]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、ジアセトンアルコールとメチルイソブチルケトンの2:1の混合溶剤330gを仕込み、80℃まで昇温させた。窒素雰囲気下、加熱撹拌している上記溶媒中に、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン24.8g、メチルメタクリレート170g、グリシジルメタクリレート14.2g、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール10g、及びアゾビスイソブチロニトリル2gを混合したものを、30分を要して滴下した。更に80℃で加熱撹拌を5時間行った。これにより、数平均分子量116,000の加水分解性シリル基及び紫外線吸収性基を含有するアクリルポリマーの溶液が得られた。
これとは別に、メチルトリメトキシシラン136g(1.00モル)とイソプロパノール72gを混合した溶液に、室温で0.1N酢酸水60gを30分を要して滴下した。滴下終了後、この溶液に、上記アクリルポリマー溶液200g、縮合触媒として蟻酸ナトリウム0.1g、酢酸10gを加えて撹拌混合し、シリコーンハードコート溶液(D)を得た。
[実施例1〜5、比較例1,2]
各種基材に、下記表の配合比率に従い、混合したコーティング液を塗装し、硬化させた。その被覆物品の特性を評価した。結果を表1に纏める。
塗装方法
透明樹脂板としては、厚さ0.5mm、10cm×10cmの大きさのポリカーボネート(PC)樹脂及びアクリル樹脂板を用い、フィルムとしては厚さ50μm、10cm×10cmの大きさのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。表面を清浄化した透明樹脂板又はフィルムに、コーティング液を所定の膜厚となるようにバーコーターを用いて塗布するか、又は浸漬法で塗布した。
本発明のコーティング剤溶液を単独塗装する場合は、硬化被膜の膜厚を2〜3μmになるように塗装した。
反射防止を目的とし多層に積層する場合は、高屈折率層を0.1μm、低屈折率層を0.1μmになるように塗装した。被膜の外観を目視観察し、評価した。○は良好を示す。
硬化条件
溶液を基材に塗布後、30分間風乾させることにより溶剤分を揮発させ、80〜120℃の熱風循環オーブン中で60分間保持し、硬化させた。
耐擦傷性試験
(方式−1)
往復式引掻き試験機((株)ケイエヌテー製)にスチールウール#0000を装着し、荷重100g/cm2下で、10往復させた後のキズの本数を測定した。
<評価の基準>
◎:0本
○:1〜2本
△:3〜5本
×:6本以上
(方式−2)
方式−1において、スチールウールの代わりにネル布を装着し、1kgf荷重の条件で1,000回往復させた後のキズの本数を測定した。
<評価の基準>
○:キズ無し
△:曇り有り
×:剥離有り
反射防止性
光学式薄膜測定装置を用いて、波長550nmでの反射率を測定した。
防汚性
得られた硬化被膜に、黒色油性マジックでマーキングを行い、その後ティッシュペーパーで拭き取りを行い、汚染物が容易に除去できるかどうか確認した。容易に除去できた場合を○、残存した場合を×と判定した。
次いで、トルエンを含浸させた脱脂綿を用いて、被膜表面を繰返し擦る操作を往復10回行った。新たなトルエンを含浸させた脱脂綿に交換し、同様な操作を合計3回行った。 その後、再度黒マジックインキ試験を行い、マジックインキ除去性が持続しているかどうかを判定した。耐久性があった場合を○、除去性が消失した場合を×と判定した。
Figure 2005298573
PC基材、PET基材には、事前にアクリル系プライマーのPC−7A(商品名、信越化学工業(株)製)を塗装してから、上記塗装を行った。
実施例1の組成のコーティング液(1)を、テフロン(登録商標)膜上で硬化させ、硬化被膜を単独で得た。この被膜の基材側面と、外側面を、X線光電子分光法(XPS)で解析し、Si原子と炭素原子の存在比率を比較した。
基材面側 :C/Si=0.7
外側(表面):C/Si=1.3
明らかに、表面側に、本発明コート剤がリッチに存在している。
以上のように、本発明の片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を有し、同一分子中に縮合硬化可能なシリル基を含むシリコーン化合物(I)を、熱硬化性のシリコーン樹脂に配合すると、1コートで、良好な耐擦傷性と耐久性のある防汚性が一度に得られる。
[実施例6〜13、比較例3〜6]
実施例1と同様にして各種配合のコーティング剤を検討した。配合比率は、コート液((A)、(B)、(C)、(D))100質量部に対して、コーティング液((1)〜(10))を1.0質量部加えた。
Figure 2005298573
Figure 2005298573
以上のように、従来公知の材料を添加しても、耐久性のある防汚性は得られない。
[比較例7〜10]
基材にハードコート液(A)を硬化膜厚が3μmになるように塗装・硬化させた後、コーティング液(7)〜(10)を硬化膜厚=0.1μmになるように塗装・硬化させ、その被膜特性を調べた。
Figure 2005298573
以上のように、従来公知の材料では、2層コートしても耐久性良好な防汚性は得られない。
[実施例14〜19]
反射防止コート系の評価を行った。高屈折率層(B)を所定膜厚設けた上に、下記配合の低屈折率層形成性コーティング剤を塗装・硬化させた。配合比率は、コート液(C)100質量部に対して、コーティング液((1)〜(6))を2.0質量部加えたものを使用した。
Figure 2005298573

Claims (14)

  1. (A)下記一般組成式(I)で表される有機ケイ素化合物、及び
    (B)熱硬化性化合物
    を質量比として(A)/(B)=0.01〜50/100の割合で含有することを特徴とする防汚性コーティング剤。
    Figure 2005298573
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、各Rは同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、Yは−O−、又は炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基又はこれらが結合した基を示す。aは1〜100の整数、m、p、qは、0.01≦m<1、0≦p<1、0.5≦q<3、0.51≦m+p+q<4を満足する数である。)
  2. (A)成分の有機ケイ素化合物(I)が、(a)下記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物と、(b)下記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物とを、(a)成分と(b)成分をモル比(a)/(b)=1/99〜99/1の割合で用いて、これら成分を(部分)共加水分解・縮合することによって得られたものである請求項1記載の防汚性コーティング剤。
    Figure 2005298573
    (式中、R、aは上記と同様の意味を示し、Zはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示し、bは0,1又は2である。またnは0,1又は2である。)
  3. (A)成分の有機ケイ素化合物(I)が、
    (i)上記一般式(II)で表される有機ケイ素化合物を加水分解する、
    (ii)そこに、上記一般式(III)で表される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解物を添加する、
    (iii)この混合物を(部分)共加水分解・縮合する
    という工程を経て調製される請求項2記載の防汚性コーティング剤。
  4. (A)成分の有機ケイ素化合物(I)におけるジオルガノシロキシ単位(−O−SiR2−)の重合度aが1〜50である請求項1,2又は3記載の防汚性コーティング剤。
  5. (B)成分の熱硬化性化合物が、下記一般式(IV)
    Figure 2005298573
    (式中、R’は非置換又は置換の炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を示し、nが2の場合、R’は互いに同一でも異なっていてもよい。Z、nは上記と同様の意味を示す。)
    で示される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を含有するものである請求項1〜4のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  6. (B)成分の熱硬化性化合物が、下記一般式(V)
    Figure 2005298573
    (式中、Aはフッ素原子を含有する2価有機基、cは1,2又は3であり、R,Zは上記と同様の意味を示す。)
    で示されるジシラン化合物及び/又はその(部分)加水分解・縮合物を含有するものである請求項1〜5のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  7. 更に、(C)酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化鉄から選ばれた成分を主成分として含有する金属酸化物微粒子、これらの複合酸化物微粒子、及びこれらの中空微粒子から選ばれる微粒子を、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して0.1〜100質量%含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  8. 更に、(D)アルコキシシリル基を含有するビニル重合ポリマーを(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、0.1〜100質量%含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  9. (D)成分が、紫外線吸収性基含有ビニルモノマーを共重合したビニル重合ポリマーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤。
  10. 基材に直接又は他の層を介して請求項1〜9のいずれか1項記載の防汚性コーティング剤の硬化被膜が防汚性保護膜として形成された被覆物品。
  11. 他の層が、金属酸化物層又はSi−X基(Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基又はアルケノキシ基、又は−NCO基を示す。)を含有する樹脂層からなる請求項10記載の被覆物品。
  12. コーティング剤中の硬化被膜形成性成分に含まれる(A)成分の存在率より、硬化被膜の最外表面に存在する(A)成分の存在率のほうが高いことを特徴とする請求項11記載の被覆物品。
  13. 基材がプラスチック、金属、ガラス又はセラミックである請求項10〜12のいずれか1項記載の被覆物品。
  14. 光学部品用の透明物品である請求項10〜13のいずれか1項記載の被覆物品。
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