JP2012219159A - 耐候性ハードコート組成物及び被覆物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機樹脂基材の少なくとも一方の面に直接被覆するための耐候性ハードコート組成物であって、下記成分を含む。(1)下記式(1-1)、(1-2)及び(1-3)で表されるアルコキシシラン並びにそれらの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジン、(R1)m(R2)nSi(OR3)4-m-n(1-1)、(R4O)3-p(R6)pSi-R8-Si(R7)q(OR5)3-q(1-2)、X-[(R15)Si(R16)y(OR17)3-y]z(1-3)、(2)有機系紫外線吸収性基及び反応性基を側鎖に有するビニル系共重合体、(3)硬化触媒、(4)溶剤。
【選択図】なし
Description
[I]有機樹脂基材の少なくとも一方の面に直接被覆するための耐候性ハードコート組成物であって、下記成分を含むことを特徴とする耐候性ハードコート組成物。
(1)下記一般式(1−1)、(1−2)及び(1−3)で表されるアルコキシシラン並びにそれらの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジン、
(R1)m(R2)nSi(OR3)4-m-n (1−1)
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、m、nは、各々独立に、0又は1であり、かつm+nは、0、1又は2である。)
(R4O)3-p(R6)pSi−R8−Si(R7)q(OR5)3-q (1−2)
(式中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基であり、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R8は、酸素原子、フェニレン基、又は非置換もしくは置換の炭素数2〜10のアルキレン基であり、p、qは、各々独立に、0又は1である。)
X−[(R15)Si(R16)y(OR17)3-y]z (1−3)
(式中、Xは、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン残基、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン残基、又はイソシアヌレート残基であり、R15は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、R16は、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R17は、炭素数1〜3のアルキル基であり、yは、0又は1であり、zは、3又は4である。)
(2)有機系紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボン酸基、アミノ基から選ばれる反応性基を側鎖に有するビニル系共重合体、
(3)硬化触媒、
(4)溶剤。
但し、(1)シリコーンレジンの固形分量と(2)ビニル系共重合体の固形分量の質量比率(1)/(2)が10/90〜50/50である。
[II](1)シリコーンレジンが、式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のSiモル%の比率(1−1)/〔(1−2)+(1−3)〕で、50/50〜0/100であることを特徴とする[I]記載の耐候性ハードコート組成物。
[III]式(1−1)中のR1がメチル基又は紫外線吸収性基で置換された一価炭化水素基、m=1、n=0、R3がメチル基であり、式(1−2)中のR8が非置換もしくは置換の炭素数2〜8のアルキレン基、p,q=0、R4,R5がメチル基であり、かつ式(1−3)中のXがイソシアヌレート残基、y=0、R17がメチル基、z=3であることを特徴とする[I]又は[II]記載の耐候性ハードコート組成物。
[IV](1)シリコーンレジンが、式(1−2)及び(1−3)で表されるアルコキシシラン並びにそれらの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジンであることを特徴とする[I]〜[III]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物。
[V](1)シリコーンレジンが、式(1−3)で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物を加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジンであることを特徴とする[I]〜[III]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物。
[VI](2)成分が、下記(2−1)〜(2−3)からなる単量体成分を共重合して得られる共重合体であることを特徴とする[I]〜[V]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物。
(2−1)有機系紫外線吸収性基を有するビニル系単量体:5〜50質量%、
(2−2)アルコキシシリル基、水酸基、又はエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する反応性基含有ビニル系単量体:2〜30質量%、
(2−3)これら単量体と共重合可能な他の単量体:20〜93質量%。
[VII](2−2)成分が、水酸基含有ビニル系単量体であることを特徴とする[VI]記載の耐候性ハードコート組成物。
[VIII]更に、(5)水を含むことを特徴とする[I]〜[VII]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物。
[IX]更に、(6)無機酸化物微粒子を含むことを特徴とする[I]〜[VIII]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物。
[X](6)成分がシリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[IX]記載の耐候性ハードコート組成物。
[XI]更に、(2)成分以外の有機系紫外線吸収剤及び/又は有機系紫外線安定剤を含むことを特徴とする[I]〜[X]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物。
[XII]有機樹脂基材の少なくとも一方の面に直接、[I]〜[XI]のいずれかに記載の耐候性ハードコート組成物からなる硬化被膜で被覆した物品であって、その性状が、接着試験を少なくとも97%の割合で合格し、テーバー摩耗試験において15%未満のデルタヘイズ値(ΔHz)を示すことを特徴とする被覆物品。
[XIII]有機樹脂基材がポリカーボネート樹脂による成形基材であることを特徴とする[XII]記載の被覆物品。
本発明の耐候性ハードコート組成物により被膜を施された有機樹脂物品、特にポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐候性を付与することができるばかりでなく、更に耐擦傷性、耐薬品性も併せて付与可能なため、車両、飛行機等の運送機の窓、風防、建物の窓、道路の遮音壁等屋外で使用される用途に好適なものである。
更に、本発明の耐候性ハードコート組成物を用いることで、従来よりも簡便な工程で被覆物品を製造することができる。
本発明の耐候性ハードコート組成物の第一の成分である特定のシリコーンレジン(1)は、下記一般式(1−1)、(1−2)及び(1−3)で表されるアルコキシシラン並びにそれらの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られる。
(R1)m(R2)nSi(OR3)4-m-n (1−1)
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、m、nは、各々独立に、0又は1であり、かつm+nは、0、1又は2である。)
(R4O)3-p(R6)pSi−R8−Si(R7)q(OR5)3-q (1−2)
(式中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基であり、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R8は、酸素原子、フェニレン基、又は非置換もしくは置換の炭素数2〜10のアルキレン基であり、p、qは、各々独立に、0又は1である。)
X−[(R15)Si(R16)y(OR17)3-y]z (1−3)
(式中、Xは、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン残基、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン残基、イソシアヌレート残基であり、R15は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、R16は、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R17は、炭素数1〜3のアルキル基であり、yは、0又は1であり、zは、3〜4の整数である。)
(R4O)3-p(R6)pSi−R8−Si(R7)q(OR5)3-q (1−2)
(式中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基であり、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R8は、酸素原子、フェニレン基、又は非置換もしくは置換の炭素数2〜10のアルキレン基であり、p、qは、各々独立に、0又は1である。)
X−[(R15)Si(R16)y(OR17)3-y]z (1−3)
(式中、Xは、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン残基、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン残基、又はイソシアヌレート残基であり、R15は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、R16は、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R17は、炭素数1〜3のアルキル基であり、yは、0又は1であり、zは、3〜4の整数である。)
R16は、式(1−2)中のR6,R7で示したものと同じ基が例示される。
R17は、同じく、R4,R5で示したものと同じ基が例示される。
R10で示される直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルテトラメチレン基、ブチレン基、オクチレン基、デシレン基等を挙げることができる。
2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロキシメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(2−(メタ)アクリロキシエチル)フェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(8−(メタ)アクリロキシオクチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
等を挙げることができる。
2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−(4−(メタ)アクリロキシブトキシ)ベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、
2,2’,4−トリヒドロキシ−4’−(2−(メタ)アクリロキシエトキシ)ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロキシ−1−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン
等を挙げることができる。
更に、上記紫外線吸収性ビニル系単量体は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコール単位数は例えば2〜20)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレングリコール単位数は例えば2〜20)等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリル酸エステル類;コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、コハク酸ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、アジピン酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、アジピン酸ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、フタル酸ジ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]等の非重合性多塩基酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとの(ポリ)エステル類;(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(N−メチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N−エチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。
(メタ)アクリルアミドの誘導体の具体例としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメトキシ(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエトキシ(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
アルキルビニルエステルの具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等を挙げることができる。
スチレン及びその誘導体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等を挙げることができる。
共重合可能な他の単量体(2−3)は、前記単量体を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
水の使用量は、(2)ビニル系共重合体に相溶し、均一になれば、特に制限はない。具体的にはビニル系共重合体(2)中における反応性基1モルに対して、5モル未満の水量であることが好ましく、0.1モル以上5モル未満の水量がより好ましく、更に好ましくは0.3〜3モルの水量である。水の使用量が多すぎると保存安定性が低下することがあり、保存中又は使用中に増粘もしくはゲル化する場合がある。
本発明で用いられる有機樹脂基材としては、プラスチック材料(有機樹脂基材)であればよく、特にポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、ハロゲン化ビスフェノールAとエチレングリコールの重縮合物、アクリルウレタン樹脂、ハロゲン化アリール基含有アクリル樹脂、含硫黄樹脂等が好ましい。更にこれらの樹脂基材の表面が処理されたもの、具体的には、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液での処理、及び基材本体と基材表層が異なる種類の樹脂で形成されている積層基体を用いることもできる。積層基体の例としては、共押し出し法やラミネート法により製造されるポリカーボネート樹脂基材の表層にアクリル樹脂層もしくはウレタン樹脂層が存在する積層基体、又はポリエステル樹脂基材の表層にアクリル樹脂層が存在する積層基体等が挙げられる。
ここで、初期密着性及び煮沸密着性試験とは、ASTM D870に準じた方法であり、カミソリ刃を用いて被膜に1mm間隔で縦、横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目を作製し、セロテープ(登録商標、ニチバン(株)製)をよく付着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存した面積を%で表示するものである。
また、テーバー摩耗試験とは、ASTM D1044に準じた方法であり、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下での500回転後のヘイズを測定し、試験後と試験前のヘイズ差をデルタヘイズ(ΔHz)%で表したものである。
[合成例1]
2Lのフラスコに、メチルトリメトキシシラン272g(2.0Siモル)及びテトラメチルシラン15g(0.1Siモル)を仕込み、液温が約10℃になるよう冷却後、スノーテックスO(日産化学工業(株)製:水分散シリカゾル、平均粒子径15〜20nm、SiO220%含有品)211g、0.25Nの酢酸水溶液93gを滴下し、内温が40℃を超えないように冷却しながら加水分解を行った。滴下終了後、40℃以下で1時間、次いで、60℃にて3時間撹拌し、加水分解を完結させた。
その後、シクロヘキサノン300gを投入し、加水分解で生成したメタノールを、常圧にて液温が92℃になるまで加熱留去すると共に、縮合させた後、希釈剤としてイソプロパノール400g、酢酸1.6g、及び25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH)1.6gを加え、撹拌した後、濾紙濾過を行い、不揮発分濃度19.2%、GPC分析による重量平均分子量2,510、分散度1.84の無色透明のシリコーンレジン溶液を得た。
得られたシリコーンレジン溶液に、塗膜表面を平滑にするレベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンKP−341(信越化学工業(株)製)0.1gを添加し、撹拌して、シリコーンレジン溶液(1−a)を得た。
1Lのフラスコに、1,2−エチレンビス(トリメトキシシラン)65g(0.48Siモル)、IPA−ST(日産化学工業(株)製:イソプロパノール分散シリカゾル、平均粒子径15〜20nm、SiO2 30%含有品)300g、イソプロパノール100g、レバチットK2649DR(ランクセス(株)製:陽イオン交換樹脂)2gを仕込み、室温下、純水40gを投入し、引き続き、内温が40℃にて3時間撹拌し、加水分解・縮合を完結させた。室温まで冷却後、アセチルアセトン170g、アルミニウムアセチルアセトナト6g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンKP−341(信越化学工業(株)製)0.1gを添加し、撹拌して、不揮発分濃度20.2%、GPC分析による重量平均分子量1,830、分散度1.72のシリコーンレジン溶液(1−b)を得た。
1,2−エチレンビス(トリメトキシシラン)代わりにヒドロキシベンゾフェノンオキシプロピルトリメトキシシラン40g(0.12Siモル)、1,6−へキシレンビス(トリメトキシシラン)19.6g(0.12Siモル)を用いた以外は合成例2と同様の操作を行い、イソプロパノールで不揮発分濃度20%になるように調製し、不揮発分濃度19.4%、GPC分析による重量平均分子量2,050、分散度1.82のシリコーンレジン溶液(1−c)を得た。
1,2−エチレンビス(トリメトキシシラン)の代わりにX−12−965(トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、信越化学工業(株)製)49.5g(0.24Siモル)を用いた以外は合成例2と同様の操作を行い、イソプロパノールで不揮発分濃度20%になるように調製し、不揮発分濃度18.9%、GPC分析による重量平均分子量1,830、分散度2.05のシリコーンレジン溶液(1−d)を得た。
[合成例5]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに溶剤としてジアセトンアルコール167gを仕込み、窒素気流下にて80℃に加熱した。ここに予め調製しておいた単量体混合溶液(2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93、大塚化学(株)製)81.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート67.5g、メチルメタクリレート301.5g、ジアセトンアルコール335g)を混合したもののうち390g、及び予め調製しておいた重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)2.3gをジアセトンアルコール177.7gに溶解した溶液のうち80gを順次投入した。80℃で30分反応させた後、残りの単量体混合溶液と残りの重合開始剤溶液を同時に80〜90℃で1.5時間かけて滴下した。更に80〜90℃で5時間撹拌して、有機系紫外線吸収性基及び水酸基を側鎖に有するビニル系重合体(2−a)を得た。
得られた有機系紫外線吸収性基及び水酸基を側鎖に有するビニル系重合体(2−a)の不揮発分濃度40.3%、粘度8,180mPa・s、またその共重合体中の紫外線吸収性単量体の含有量は18%、水酸基含有ビニル系単量体量は15%であった。また、GPC分析による重量平均分子量は62,300であった。
単量体の種類と配合量を表1のように変えて、合成例4と同様の操作で有機系紫外線吸収性基及び水酸基を側鎖に有するビニル系重合体(2−b)〜(2−e)を得た。
(6)成分として下記を用いた。
6−a:日産化学工業(株)製 PMA−ST(プロピレングリコールメチルエーテルアセテートに分散したシリカゾル、固形分濃度30%)
6−b:シーアイ化成(株)製RTTDNB15WT%−E88(直流アークプラズマ法で製造した酸化チタン微粒子をシリカ被覆した後、分散剤を用いて、混合アルコールに分散した分散体、固形分濃度15%、平均粒子径(体積平均粒子径D50)99nm)。
[実施例1]
合成例5のビニル系共重合体(2−a)35g、プロピレングリコールメチルエーテル15gをよく混合させた後、合成例1のシリコーンレジン溶液(1−a)30gを加え、よく撹拌して、ナイロンメッシュストレーナー(#100)を用いて濾過して、耐候性ハードコート組成物(a)を得た。
表2のように、ビニル系共重合体及びシリコーンレジン溶液の種類と配合量を変えて、場合によっては添加剤を加え、実施例1と同様の操作で耐候性ハードコート組成物(b)〜(e)及び比較例1(f)〜3(h)を得た。
[実施例6〜10]
実施例の耐候性ハードコート組成物(a)〜(e)を、表面清浄化したレキサン(Lexan)ポリカーボネート板(150mm×150mm×5mm厚)に硬化塗膜として約9〜14μmになるようにフローコートし、120℃にて60分加熱硬化させ、ハードコート層を被覆した物品を得た。得られた物品について下記評価を行い、その結果を表3に示す。
比較例1〜3で調製した耐候性ハードコート組成物を用いて、実施例6〜10と同様の操作により被覆物品を得た。得られた物品について、下記の評価を行い、その結果を表4に示す。
<透明性 Hz>
被覆物品のヘイズをヘイズメーター(NDH2000:日本電色工業(株))にて測定した。
ASTM D1044に準じ、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下での500回転後のヘイズを測定し、試験後と試験前のヘイズ差(ΔHz)を測定した。
ASTM D870に準じ、カミソリ刃を用いて、被膜に1mm間隔で縦、横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目を作製し、セロテープ(登録商標、ニチバン(株)製)をよく付着させた後、90°手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存した面積を%で表示した。
被覆物品を65℃に保ったイオン交換水中に3日間浸漬した後、前記初期密着性と同様にして密着性試験を行った。
被覆物品を沸騰したイオン交換水に6時間浸漬した後、前記初期密着性と同様にして密着性試験を行った。
岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターW−151を使用し、[ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH、照度50mW/cm2、降雨10秒/1時間で5時間]→[ブラックパネル温度30℃、湿度95%RHで1時間]を1サイクルとして、このサイクルを繰り返す条件で40サイクル及び70サイクルの試験を行った。
耐候性試験前後に、JIS K7103に準拠して黄変度の変化(ΔYI)を測定した。
また、被膜のクラック及び剥離の状態を下記評価基準にて目視又は顕微鏡(倍率250倍)にて観察した。
耐候性試験後の被膜外観を下記の基準で評価した。
○:異常なし
△:僅かにクラックあり
×:塗膜全体にクラックあり
耐候性試験後の被膜の状態を下記の基準で評価した。
○:異常なし
△:一部で剥離あり
×:全面剥離
RUVA−1:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(2−メタクリロキシエチル)フェニル
]−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93、大塚化学(株)製)
RUVA−2:2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロキシエチル)ベンゾフェノン(BP
−1A、大阪有機化学工業(株)製)
HEMA :2−エチルヒドロキシメタクリレート
MPTMS :γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
GMA :グリシジルメタクリレート
MMA :メチルメタクリレート
EMA :エチルメタクリレート
MHALS :1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート
PGM :プロピレングリコールメチルエーテル
DAA :ジアセトンアルコール
T400 :トリアジン系紫外線吸収剤(Tinuvin400、チバ・スペシャリティー製)
Claims (13)
- 有機樹脂基材の少なくとも一方の面に直接被覆するための耐候性ハードコート組成物であって、下記成分を含むことを特徴とする耐候性ハードコート組成物。
(1)下記一般式(1−1)、(1−2)及び(1−3)で表されるアルコキシシラン並びにそれらの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を(共)加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジン、
(R1)m(R2)nSi(OR3)4-m-n (1−1)
(式中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、置換基同士が相互に結合していてもよく、R3は、炭素数1〜3のアルキル基であり、m、nは、各々独立に、0又は1であり、かつm+nは、0、1又は2である。)
(R4O)3-p(R6)pSi−R8−Si(R7)q(OR5)3-q (1−2)
(式中、R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3のアルキル基であり、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R8は、酸素原子、フェニレン基、又は非置換もしくは置換の炭素数2〜10のアルキレン基であり、p、qは、各々独立に、0又は1である。)
X−[(R15)Si(R16)y(OR17)3-y]z (1−3)
(式中、Xは、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン残基、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン残基、又はイソシアヌレート残基であり、R15は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、R16は、水素原子、又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R17は、炭素数1〜3のアルキル基であり、yは、0又は1であり、zは、3又は4である。)
(2)有機系紫外線吸収性基及びアルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボン酸基、アミノ基から選ばれる反応性基を側鎖に有するビニル系共重合体、
(3)硬化触媒、
(4)溶剤。
但し、(1)シリコーンレジンの固形分量と(2)ビニル系共重合体の固形分量の質量比率(1)/(2)が10/90〜50/50である。 - (1)シリコーンレジンが、式(1−1)、(1−2)及び(1−3)のSiモル%の比率(1−1)/〔(1−2)+(1−3)〕で、50/50〜0/100であることを特徴とする請求項1記載の耐候性ハードコート組成物。
- 式(1−1)中のR1がメチル基又は紫外線吸収性基で置換された一価炭化水素基、m=1、n=0、R3がメチル基であり、式(1−2)中のR8が非置換もしくは置換の炭素数2〜8のアルキレン基、p,q=0、R4,R5がメチル基であり、かつ式(1−3)中のXがイソシアヌレート残基、y=0、R17がメチル基、z=3であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐候性ハードコート組成物。
- (1)シリコーンレジンが、式(1−2)及び(1−3)で表されるアルコキシシラン並びにそれらの部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物。
- (1)シリコーンレジンが、式(1−3)で表されるアルコキシシラン及びその部分加水分解縮合物を加水分解・縮合することにより得られたシリコーンレジンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物。
- (2)成分が、下記(2−1)〜(2−3)からなる単量体成分を共重合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物。
(2−1)有機系紫外線吸収性基を有するビニル系単量体:5〜50質量%、
(2−2)アルコキシシリル基、水酸基、又はエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する反応性基含有ビニル系単量体:2〜30質量%、
(2−3)これら単量体と共重合可能な他の単量体:20〜93質量%。 - (2−2)成分が、水酸基含有ビニル系単量体であることを特徴とする請求項6記載の耐候性ハードコート組成物。
- 更に、(5)水を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物。
- 更に、(6)無機酸化物微粒子を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物。
- (6)成分がシリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9記載の耐候性ハードコート組成物。
- 更に、(2)成分以外の有機系紫外線吸収剤及び/又は有機系紫外線安定剤を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物。
- 有機樹脂基材の少なくとも一方の面に直接、請求項1〜11のいずれか1項記載の耐候性ハードコート組成物からなる硬化被膜で被覆した物品であって、その性状が、接着試験を少なくとも97%の割合で合格し、テーバー摩耗試験において15%未満のデルタヘイズ値(ΔHz)を示すことを特徴とする被覆物品。
- 有機樹脂基材がポリカーボネート樹脂による成形基材であることを特徴とする請求項12記載の被覆物品。
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