JP2003238887A - 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体 - Google Patents

紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体

Info

Publication number
JP2003238887A
JP2003238887A JP2002040714A JP2002040714A JP2003238887A JP 2003238887 A JP2003238887 A JP 2003238887A JP 2002040714 A JP2002040714 A JP 2002040714A JP 2002040714 A JP2002040714 A JP 2002040714A JP 2003238887 A JP2003238887 A JP 2003238887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
ultraviolet
group
resin composition
shielding layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002040714A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4142306B2 (ja
Inventor
Nobuhisa Noda
信久 野田
Kenji Shimizu
健次 清水
Yuki Okada
ユキ 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2002040714A priority Critical patent/JP4142306B2/ja
Publication of JP2003238887A publication Critical patent/JP2003238887A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4142306B2 publication Critical patent/JP4142306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性とポットライフが両立する紫外線遮蔽
層形成用樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ポリシロキサン結合と反応性シリル基を
有するモノマー(A1)、紫外線吸収性基を有するモノ
マー(B)および炭素数6以上のアルキル基を有するモ
ノマー(C1)を必須的に含むモノマー混合物(D1)
から合成されるポリマーか、(A1)に変えて、分子中
にSi原子を1個のみ有し、かつ、炭素原子に直結する
反応性シリル基を有するモノマー(A2)を用いたモノ
マー混合物(D2)から合成されるポリマーに対し、有
機シラン化合物を反応させて得られる変性ポリマーを含
有する紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮蔽層の形
成に用いられる有機シラン系樹脂組成物に関し、例え
ば、プラスチック等の透明基材にコーティングして、太
陽光等の紫外線を吸収して内部への紫外線の侵入を遮断
し、紫外線による着色、退色、劣化を防止する紫外線遮
蔽能を付与する樹脂組成物であって、有機シラン系であ
りながら硬化性とポットライフを両立させ得た樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、例えば、ポリカーボネートを始め
とする樹脂フィルムや樹脂シート、樹脂板のような樹脂
成形部材は、透明性、耐熱性、難燃性等に優れているこ
とから、自動車部品、道路建材、建築資材等に広く用い
られており、今後もその用途がますます拡大していくこ
とが期待されている。しかしながらそれらの樹脂は、一
般に耐候性が不充分であり、特に紫外線に曝されること
により、表面が劣化したり変色するといった問題があ
る。また、ガラスに匹敵する硬さを得るために、最表層
には例えばシリコーン系樹脂等からなるハードコート層
が形成されるが、ハードコート層形成時にクラックが発
生し易いという問題があった。
【0003】本願発明者等は、上記問題につき検討した
結果、耐候性・耐擦傷性等に優れ、密着性にも優れた紫
外線遮蔽層形成用樹脂組成物を見出し、既に出願した
(特開2000-351642号)。この出願に記載された発明
は、反応性シリル基を有するモノマー:50〜90質量
%、紫外線吸収性基を有するモノマー:10〜50質量
%およびその他のモノマー:0〜40質量%を共重合し
て得られる共重合体を樹脂組成物の主成分とするという
ものである。この共重合体の反応性シリル基は加水分解
縮合反応を起こすため、自己架橋を行って、SiとOと
が交互に3次元的に結合した緻密な硬化塗膜を形成する
ことができる。また、反応性シリル基を有するモノマー
を多く使用することで硬化塗膜のクラックの発生も抑え
ることに成功した。さらに、紫外線吸収性基を共重合体
中に組み込んでいるので、低分子紫外線吸収剤を添加し
たときのブリードアウトといった問題も起こさず、長期
間に亘って優れた紫外線遮蔽効果を発揮する。
【0004】しかし、反応性シリル基を有するモノマー
の構成比率を例えば90質量%以上に高めすぎると、紫
外線吸収性モノマーの量や、用途に応じてポリマー設計
するために用いられるその他のモノマーの量を相対的に
少なくせざるを得ず、硬化塗膜の耐候性そのものや、最
終塗膜として必要な靭性・耐水性等の特性が低下するこ
とが見出された。また、反応点が多くなるために、ポリ
マー合成時にゲル化しやすく、樹脂組成物のポットライ
フ(安定に保存できる期間)も短くなって、塗工作業前
に樹脂組成物がゲル化により固化しやすくなるという実
操業上重要な問題が発生した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
硬化性が速く、しかもポットライフが長い樹脂組成物で
あって、耐候性、耐水性、硬度等の特性に優れた塗膜を
形成することができ、ハードコート層のプライマーとし
て使用する場合にも、紫外線劣化性樹脂基材とハードコ
ート層との密着性や耐候性に優れた塗膜を形成すること
のできる樹脂組成物の提供を課題として掲げた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の紫外線遮蔽層形成
用樹脂組成物の第1のタイプは、少なくとも末端に反応
性シリル基を有すると共に、この末端反応性シリル基
が、置換基を有していてもよいポリシロキサン結合を介
して炭素原子に連結した構造の反応性シリル基含有モノ
マー(A1)、紫外線吸収性基を有するモノマー(B)
および炭素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C
1)を必須的に含むモノマー混合物(D1)から合成さ
れるポリマーを含有するところに特徴を有する。
【0007】上記ポリシロキサン結合と反応性シリル基
を有するモノマー(A1)は、末端の反応性シリル基と
炭素原子の間にポリシロキサン結合(置換基を有してい
てもよい。以下単位「ポリシロキサン結合」という)が
位置しているモノマーであるため、重合の際にこのモノ
マー(A1)を多量に使用しなくても、ポリマー中にポ
リシロキサン結合を多く導入することができる。また、
ポリシロキサン結合が置換基を有する場合には、置換基
として反応性シリル基も多数存在しているので、これら
の反応によっても塗膜の硬化性が向上すると共に、硬度
や耐水性に優れた塗膜が得られる。
【0008】また、炭素数6以上のアルキル基を有する
モノマー(C1)を用いることで、ポリマーの疎水性が
高まったため、反応性シリル基が空気中の水分等で加水
分解縮重合反応を起こして自己架橋する速度および度合
いを抑制することができ、樹脂組成物としてのポットラ
イフ(保存安定性)を高めることができた。なお本発明
における「モノマー」はラジカル重合性単量体を意味
し、ポリマーというときは、2元以上の共重合体も含む
意味である。
【0009】本願の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物の第
2のタイプは、第1のタイプとは異なる原料から作られ
る。すなわち、分子中にSi原子を1個のみ有し、か
つ、炭素原子に直結する反応性シリル基を有するモノマ
ー(A2)と、紫外線吸収性基を有するモノマー(B)
および炭素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C
1)を必須的に含むモノマー混合物(D2)から合成さ
れるポリマーに対し、有機シラン化合物を反応させて得
られる変性ポリマーを含有する紫外線遮蔽層形成用樹脂
組成物である。
【0010】先に上記モノマー混合物(D2)を重合
し、その後、ポリマーに導入された反応性シリル基に有
機シラン化合物を反応させて、ポリマー側鎖にポリシロ
キサン結合を形成して変性ポリマーとするのである。タ
イプ1の場合と同様に、重合の際にモノマー(A2)を
多量に使用しなくても、得られる変性ポリマー中にポリ
シロキサン結合を多く導入することができ、塗膜の硬化
性が向上すると共に、硬度や耐水性に優れた塗膜が得ら
れる。また、炭素数6以上のアルキル基を有するモノマ
ー(C1)の効果もタイプ1と同様に発揮される。
【0011】上記モノマー(A2)は、下記一般式で示
されるモノマー(A−1)、(A−2)および(A−
3)よりなる群から選択される1種以上であることが好
ましい。なお、タイプ1のモノマー(A1)の原料とし
て用いられるモノマー(A2)と、タイプ2で用いられ
るモノマー(A2)は同一の化合物でも異なる化合物で
あってもよく、2種以上を併用するものであっても構わ
ない。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
表し、R2は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aは1
〜5の整数、bは0または1を表す)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R3は前記R2と同じ意味もしくは
アルキルオキシアルキル基を表し、cは0または1を表
す)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R4はR2と同じ意味、dは0また
は1を表す) タイプ1、タイプ2いずれの場合においても、モノマー
混合物(D1)または(D2)は、さらに、炭素数4〜
5のアルキル基を有するモノマー(C2)を含むもので
あることが好ましい。ポリマーの疎水性を維持しつつ、
樹脂組成物の硬化性とポットライフをコントロールする
ことができる。
【0018】モノマー混合物(D1)または(D2)
が、さらに、紫外線安定性基を有するモノマー(E)を
含むものであることも、紫外線遮蔽効果が一層高まるた
め、本発明の好ましい実施態様である。
【0019】上記紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物は、紫
外線劣化性樹脂基材とハードコート層との間に紫外線遮
蔽層を形成するために用いることが好ましく、紫外線劣
化性樹脂基材とハードコート層との間に、本願の紫外線
遮蔽層形成用樹脂組成物から得られた紫外線遮蔽層を備
える紫外線遮蔽性積層体も、本発明の範囲に包含され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明者等は、硬化が速く、しか
もポットライフが長い樹脂組成物を提供するために検討
した結果、樹脂組成物の主体となるポリマー中にポリシ
ロキサン結合および反応性シリル基を導入する2つの手
法を見つけた。さらに、反応性シリル基がポリマー中に
多数導入された結果、一層、空気中の水分によって加水
分解縮重合反応を起こし易くなり、樹脂組成物がゲル化
により固化してしまうという問題を、炭素数6以上のア
ルキル基を有するモノマー(C1)を併用することで解
決した。このため、硬化性とポットライフを両立させる
ことに成功した。
【0021】さらに、本発明で採用したポリマー中にポ
リシロキサン結合および反応性シリル基を導入する手法
では、反応性シリル基を有するモノマーを多く使う必要
がないため、必須モノマー以外のモノマーの選択肢が広
がり、用途に応じたポリマー設計が可能となる。従っ
て、本発明の樹脂組成物から得られる塗膜は、硬度、耐
水性等の塗膜としての基本物性を備えつつ、長期にわた
って紫外線遮蔽性能に優れたものとなり、さらに、ハー
ドコート層のプライマーとして使用する場合には、紫外
線劣化性樹脂基材とハードコート層との密着性や耐候性
に優れたものとなる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物の
第1のタイプは、少なくとも末端に反応性シリル基を有
すると共に、この末端反応性シリル基が、置換基を有し
ていてもよいポリシロキサン結合を介して炭素原子に連
結した構造の反応性シリル基含有モノマー(A1)、紫
外線吸収性基を有するモノマー(B)および炭素数6以
上のアルキル基を有するモノマー(C1)を必須的に含
むモノマー混合物(D1)から合成されるポリマーを主
成分とするものである。
【0023】また第2のタイプは、分子中にSi原子を
1個のみ有し、かつ、炭素原子に直結する反応性シリル
基を有するモノマー(A2)、紫外線吸収性基を有する
モノマー(B)および炭素数6以上のアルキル基を有す
るモノマー(C1)を必須的に含むモノマー混合物(D
2)から合成されるポリマーに対し、有機シラン化合物
を反応させて得られる変性ポリマーを含有する樹脂組成
物である。以下、各原料を説明する。
【0024】ポリシロキサン結合と反応性シリル基を有
するモノマー(A1) このモノマー(A1)は、少なくとも末端に反応性シリ
ル基を有すると共に、重合性二重結合を有するモノマー
である。そして、末端の反応性シリル基は、置換基を有
していてもよいポリシロキサン結合を介して、モノマー
中の炭素原子と連結している。ポリシロキサン結合と
は、通常−SiH2−O−SiH2−O−を示すが、置換
基を有していてもよい。すなわち、Siに結合するいず
れか1個以上の水素原子が、炭素数1〜6のアルコキシ
(アルキルオキシ)基や炭素数1〜10のアルキル基と
置換されていてもよい。もちろん各置換基は同一でも異
なっていても構わない。置換基としてアルコキシ基が存
在すればポリシロキサン結合部分にも反応性シリル基が
存在することとなる。なお、反応性シリル基とは、加水
分解性シリル基を意味し、加水分解反応によってシラノ
ール(Si−OH)基を生成することのできる官能基全
てを意味する。
【0025】上記モノマー(A1)は、具体的には、後
述する第2のタイプで使用される「分子中にSi原子を
1個のみ有し、かつ、炭素原子に直結する反応性シリル
基を有するモノマー(A2)」と有機シラン化合物を加
水分解縮合反応させることにより得られる。従って、モ
ノマー(A2)と有機シラン化合物について続いて説明
する。
【0026】炭素原子に直結する反応性シリル基を有す
るモノマー(A2) 分子中にSi原子を1個のみ有し、かつ、炭素原子に直
結する反応性シリル基を有するモノマー(A2)は、重
合性二重結合と、炭素原子に直結する反応性シリル基を
1個有する化合物である。具体例としては、前記一般式
(A−1)〜(A−3)で示される。
【0027】前記モノマー(A−1)は、加水分解性の
アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基を有す
るモノマーであり、前記一般式(A−1)において、式
中、炭素数1〜6の炭化水素基とは、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、イソプロペ
ニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基等のア
リール基を表す。
【0028】モノマー(A−1)の具体例としては、3
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシ
ラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロ
ペノキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリメト
キシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシ
シラン、(メタ)アクリロキシメチルトリブトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0029】取り扱い易さや反応性、架橋密度等を考慮
すれば、モノマー(A1)の原料としてあるいはモノマ
ー(A2)として特に好ましいのは、3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロキシトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシランである。
【0030】また前記モノマー(A−2)は、ビニル基
と、加水分解性のアルコキシシリル基を有するビニル官
能性モノマーであり、前記モノマー(A−3)は、ビニ
ル官能性アルコキシシラン化合物である。
【0031】これらビニル官能性モノマーの具体例とし
ては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジ
メトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のA
−2の具体例;3−ビニロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ビニロキシプロピルトリエトキシシラン、3
−ビニロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のA−
3の具体例等が挙げられる。取り扱い易さや反応性を考
慮してモノマー(A1)の原料としてあるいはモノマー
(A2)として特に好ましいのは、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニロキシプ
ロピルトリメトキシシラン等である。なお、後述するモ
ノマー(C1)との重合性の点からは、(メタ)アクリ
ロイル基を有する前記(A−1)の方が、(A−2)、
(A−3)よりも好ましい。
【0032】有機シラン化合物 有機シラン化合物は、下記一般式で示される有機シラン
化合物および/またはその加水分解縮合物である。 R5 mSi(OR6n (式中、R5は同一または異なっていてもよく、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−へキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖または分岐鎖
のアルキル基や、γ−クロロプロピル基、γ−ブロモプ
ロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、γ−
グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、
γ−アミノプロピル基、γ−ジメチルアミノプロピル
基、フェニル基、または3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチル基等を表し、R6は同一または異なっていても
よく、水素原子、低級(炭素数1〜5)アルキル基また
はアシル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上
の整数でかつm+nはSiの原子価と一致する)。
【0033】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロ
ポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラ
ン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブト
キシシラン、またはこれらの化合物を含む高分子有機化
合物類が挙げられ、これらの1種または2種以上を用い
ることができる。
【0034】有機シラン化合物としては、反応性に優
れ、塗膜が良好な耐湿性を示す点から、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。なお、
第1のタイプおよび第2のタイプで用いられる有機シラ
ン化合物は同じ化合物群であっても異なる化合物群であ
っても構わない。
【0035】反応性シリル基含有モノマー(A1)の合
上記反応性シリル基を有するモノマー(A2)と有機シ
ラン化合物の反応に際しては、反応物である反応性シリ
ル基含有モノマー(A1)の側鎖に導入したい−O−S
i結合の数によって有機シラン化合物の量を調整する。
例えば、平均5つの−O−Si結合を導入したい場合
は、モノマー(A2)1モルに対し、有機シラン化合物
が5モルとなるように反応させることが好ましい。ここ
で、(A2)と有機シラン化合物の合計を100モル%
として、(A2)が30モル%を超えると、反応物であ
るモノマー(A1)中に重合性二重結合が多数導入され
ることとなり、モノマー混合物(D1)を重合する際に
ゲル化しやすくなる。(A2)が0.1モル%よりも少
ないと、(A1)の中に重合性二重結合が導入されなく
なる場合があるため、好ましくない。(A1)中の好ま
しい二重結合量は、1分子当たり1〜4個の範囲であ
る。
【0036】両者の反応は、(A2)と有機シラン化合
物とを混合することにより行う。必要によりメタノール
や水等の溶媒を用いてもよい。加水分解縮合反応の進行
に応じてアルコールが生成するので、このアルコールを
留去しながら50〜100℃で10分から5時間程度反
応させるとよい。高温下で、あるいは長時間反応を行う
と、反応生成物である(A1)の重合が起きるおそれが
ある。なお、圧力は、0.13Pa〜1.0MPa程度
とするのが好ましい。
【0037】また、加水分解縮合反応の速度を高めるに
は触媒を用いることが好ましく、分離の容易な固体触媒
が好適である。固体触媒としては、「アンバーリスト1
5」、「アンバーライト15」、「アンバーライト20
0C」(いずれも商品名;ローム・アンド・ハース社
製)等の陽イオン交換樹脂が好ましいものとして挙げら
れる。触媒の使用量は特に限定されないが、(A2)と
有機シラン化合物との合計量に対して0.1〜20質量
%が好ましい。(A2)と有機シラン化合物との反応に
関しては、特許第2721106号にさらに詳細に記載
されている。
【0038】紫外線吸収性基を有するモノマー(B) 紫外線吸収性基を有するモノマー(B)としては、分子
中に重合性二重結合と紫外線吸収性基を同時に有する全
てのモノマーを使用できるが、本発明において特に好ま
しく用いられるのは、下記一般式(B−1)〜(B−
3)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種で
あり、これらのモノマーを共重合成分として使用するこ
とにより、得られるポリマーに紫外線吸収能が付与され
る。つまり、得られる塗膜に紫外線が照射されても、遮
蔽層で紫外線が吸収されてしまうので、遮蔽層よりも下
側の部材の変色や劣化を抑えることが可能となる。しか
も、添加型紫外線吸収剤を配合した場合のように紫外線
吸収剤がブリードアウトすることもないので、紫外線遮
蔽性能の持続性が高められると共に、その上にハードコ
ート層が形成される場合の密着性も阻害されない。
【0039】
【化7】
【0040】(式中、R7は水素原子または炭素数1〜
8の炭化水素基を表し、R8は水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R9は炭素数
1〜12の直鎖状もしくは枝分れ鎖状のアルキレン基ま
たは−O−R’−(R’は炭素数2または3の直鎖状も
しくは枝分れ鎖状のアルキレン基を合わす)を表し、R
10は水素原子またはメチル基を表す)で表されるベンゾ
トリアゾール化合物(B−1)。
【0041】
【化8】
【0042】(式中、R7、R10は上記と同じ意味を表
し、R11は水素原子または水酸基を表し、R12は水素原
子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R13は炭
素数1〜12の直鎖状もしくは枝分れ鎖状のアルキレン
基を表す。)で表されるベンゾフェノン化合物(B−
2)。
【0043】
【化9】
【0044】(式中、R10は上記と同じ意味を表し、R
14は直接結合、−(CH2CH2O)p−または−CH2
H(OH)−CH2O−を表し、pは1〜5の整数を表
す。R 15,R16,R17,R18,R19,R20,R21,R22
は各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ
基、アルケニル基またはアルキル基を表す。)で表され
るトリアジン化合物(B−3)。
【0045】モノマー(B−1)の好ましい具体例とし
ては、例えば2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)ア
クリロイルオキシメチルフェニル]−2H−ベンゾトリ
アゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アク
リロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルフェニル]−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリ
ロイルオキシヘキシルフェニル]−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチ
ル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロ
キシ−5'−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シ)−3'−tert−ブチルフェニル〕−5−ter
t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられ
る。
【0046】モノマー(B−2)の具体例としては、2
−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メ
タ)アクリロイルオキシ]ブトキシベンゾフェノン、2,
2'−ジヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキ
シ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2
−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシ−4'−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
3−tert−ブチル−4−[2−(メタ)アクリロイル
オキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3
−tert−ブチル−4−[2−(メタ)アクリロイルオ
キシ]ブトキシベンゾフェノン等を挙げることができ
る。
【0047】モノマー(B−3)の具体例としては、例
えば2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−
(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジ
ン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒ
ドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−
s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)
−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシ
エトキシ)]−s−トリアジン等を挙げることができる。
【0048】なお、モノマー(B−1)および/または
モノマー(B−2)を使用する場合、紫外線遮蔽層にア
ルカリ金属や塩基性の強い塩基性化合物が共存すると、
塗膜着色の問題や経時的な紫外線吸収性能の低下を招き
易いため、これらを抑制する点から、各々の一般式中の
7が、ヒドロキシル基に隣接した位置、すなわち3位
にあり、かつ、炭素数4以上のアルキル基であるモノマ
ーの使用が特に好ましい。
【0049】上記紫外線吸収性基を有するモノマー(B
−1)〜(B−3)は、各々化合物特有の紫外線吸収特
性を有しているため、紫外線により劣化する樹脂基材や
内容物の種類、あるいは、紫外線遮蔽層やハードコート
層が積層される透明基材に求められる紫外線遮蔽性能に
応じて、単独で使用したり2種以上を適宜組み合わせて
使用することが好ましい。
【0050】各種の樹脂製品や繊維製品は固有の劣化波
長を有しており、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂等の樹脂製品は、280〜370nm
の紫外線で最も劣化するため、トリアジン系モノマー
(B−3)を単独で使用するよりも、ベンゾフェノン系
モノマー(B−2)やベンゾトリアゾール系モノマー
(B−1)をそれぞれ単独で使用することが好ましい。
最も好ましいのは、モノマー(B−1)または(B−
2)と、モノマー(B−3)との2種併用パターンであ
る。
【0051】なお、上記紫外線吸収性基を有するモノマ
ー(B−1)〜(B−3)を各々単独で重合し、もしく
は2種以上を適宜共重合することによって得られるポリ
マーを、単独であるいは2種以上をブレンドして、樹脂
組成物中に含有させることもできる。
【0052】炭素数6以上のアルキル基を有するモノマ
ー(C1) このモノマー(C1)は、具体的には、下記一般式で表
される(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく用い
られる。
【0053】
【化10】
【0054】(式中、R23は水素原子またはメチル基を
表し、Zは炭素数が6以上のアルキル基を表す)。
【0055】上記モノマー(C1)は、得られるポリマ
ーの疎水性を高めることにより、ポリマー中の反応性シ
リル基が空気中の水分等で加水分解反応を起こす時の速
度と度合いを抑制する作用を有する。このため、樹脂組
成物のポットライフを長くすることができる。また、塗
膜の耐水性等も向上する。従って、(メタ)アクリレー
トのエステル結合に連結するアルキル基は疎水性が高い
ものでなければならず、炭素数6以上が必要である。さ
らにモノマー(C1)に限られず、(メタ)アクリレー
ト類は、耐候性に優れ、モノマー(B)の有する紫外線
吸収性基が光分解されるのを抑制する効果も発揮する。
【0056】上記式中、Zで表される置換基の具体例と
しては、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、
シクロドデシル基等の脂環式炭化水素基;2−エチルヘ
キシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシ
ル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等
の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基;ボルニル基、イ
ソボルニル基等の多環式炭化水素基であり、中でも脂環
式炭化水素基、分枝鎖状アルキル基、直鎖状アルキル基
が好ましい。
【0057】上記モノマー(C1)のより具体的な例と
しては、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロド
デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート等が非限定的に挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上が使用できる。中でも最も好ましいのは、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0058】本発明の第1のタイプで用いられるモノマ
ー混合物(D1)および第2のタイプで用いられるモノ
マー混合物(D2)には、これまで説明した各種モノマ
ー((A1)または(A2)および(B)と(C1))
が必須的に含まれるが、必要に応じて、以下のモノマー
((C2)、(C3)、(E)、(F)))を併用して
もよい。
【0059】炭素数4〜5のアルキル基を有するモノマ
ー(C2)および炭素数3以下のアルキル基を有するモ
ノマー(C3) 本発明では第1および第2のタイプいずれにおいても、
上記炭素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C
1)を必須成分とするが、ポリマーの疎水性を高めつ
つ、塗膜の物性を用途に応じて設計変更するために、炭
素数4〜5のアルキル基を有するモノマー(C2)や炭
素数3以下のアルキル基を有するモノマー(以下、C3
とする)を併用することができる。具体的には、モノマ
ー(C2)としては、炭素数4〜5のアルキル基を有す
る(メタ)アクリレートが、モノマー(C3)としては
炭素数3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレー
トが好ましいものとして挙げられる。
【0060】より具体的には、炭素数4〜5のモノマー
(C2)としては、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート等が
挙げられ、炭素数3以下のモノマー(C3)としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ートが挙げられる。
【0061】これらの(メタ)アクリレートは、前記し
たモノマー(A1)、(A2)、(B)および(C1)
との共重合性に優れ、硬く、耐水性や機械的強度に優れ
た遮蔽層を形成する役割を担う上、安価なため使いやす
い。中でも、紫外線遮蔽性積層体を形成するときの基材
として、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、あ
るいはポリエステル系樹脂を使用する場合は、基材との
密着性に優れた塗膜を形成するので、メチルメタクリレ
ートが特に好ましい。ただし、メチルメタクリレート
は、若干疎水性が低く、ポットライフ延長効果が発現し
にくいことから、炭素数6以上のモノマー(C1)と炭
素数4〜5のアルキル基を有するモノマー(C2)との
合計量(質量)と同量以下で使用することが好ましい。
【0062】紫外線安定性基を有するモノマー(E) 紫外線安定性基を有するモノマー(E)を共重合させる
と、塗膜に紫外線安定性が付与され、紫外線遮蔽効果が
一層高まる。また、モノマー(B)の紫外線吸収性基の
光分解が抑制され、紫外線遮蔽性能が長期間持続するこ
ととなる。紫外線安定性基を有するモノマー(E)と
は、分子中に重合性二重結合と紫外線安定性基を同時に
有するものであれば特にその種類は限定されないが、中
でも特に好ましいのは、下記一般式(E−1)や(E−
2)で示されるモノマーである。
【0063】
【化11】
【0064】(式中、R24は水素原子またはシアノ基を
表し、R25、R26はそれぞれ独立して水素原子またはメ
チル基を表し、R27は水素原子または炭化水素基を表
し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【0065】
【化12】
【0066】(式中、R28は水素原子またはシアノ基を
表し、R29、R30、R31、R32はそれぞれ独立して水素
原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子またはイミノ
基を表す。)。
【0067】上記モノマー(E−1)の具体例として
は、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイル
アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4
−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−
ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルア
ミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン等が非限定的に挙げられ、これらは単独で
も、必要により2種以上を適宜組み合わせて使用しても
構わない。
【0068】上記モノマー(E−2)の具体例として
は、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロ
イルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メ
タ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が非
限定的に挙げられ、これらも単独でも、必要により2種
以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0069】その他のモノマー(F) 本発明の第1のタイプで用いられるモノマー混合物(D
1)および第2のタイプで用いられるモノマー混合物
(D2)には、塗膜物性の調整の目的で、これまで説明
したモノマー以外のその他のモノマー(F)を含有させ
てもよい。このようなその他のモノマー(F)の具体例
としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等
の酸性リン酸エステル系モノマー;グリシジル(メタ)
アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレー
ト、脂環式エポキシ基含有(メタ)アクリレート(例え
ば、ダイセル化学工業社製;商品名「CYCLOMER
M−100」)等のエポキシ基含有(メタ)アクリレ
ート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、水酸基末端
可撓性(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル化学工
業株式会社製;商品名「プラクセルFM」)等の活性水
素基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、イミ
ド(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド等の含窒素モノマー;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等の2個の重合性二重結合を有す
るモノマー;塩化ビニル等のハロゲン含有モノマー;ス
チレン、α−メチルスチレン等の芳香族系モノマー;ビ
ニルエーテル等が挙げられるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0070】以上が、本発明の第1のタイプで用いられ
るモノマー混合物(D1)および第2のタイプで用いら
れるモノマー混合物(D2)として用いることのできる
モノマーである。なお、ポリシロキサン結合と反応性シ
リル基を有するモノマー(A1)と、分子中にSi原子
を1個のみ有し、かつ、炭素原子に直結する反応性シリ
ル基を有するモノマー(A2)以外は、第1のタイプと
第2のタイプで共通する上位概念のモノマーが用いられ
るが、その内容は同一である必要はなく、各モノマーの
下位概念から適宜1種または2種以上選択することがで
きる。すなわち、例えば、モノマー混合物(D1)に用
いられるモノマー(B)と、モノマー混合物(D2)に
用いられるモノマー(B)とは、モノマー(B)を構成
する化合物群が同じであっても異なっていてもよいとい
う意味である。また、タイプ1のモノマー(A1)の原
料として用いられるモノマー(A2)と、タイプ2で用
いられるモノマー(A2)は同一の化合物でも異なる化
合物であってもよく、2種以上を併用するものであって
も構わない。
【0071】モノマー混合物(D1)において用いるこ
とのできる各モノマーの好ましい量は、以下の通りであ
る。なお、下記の量範囲は、使用するモノマーの合計量
が100質量%になるように選択する場合の各モノマー
の好ましい使用量の目安である。
【0072】ポリシロキサン結合と反応性シリル基を有
するモノマー(A1);3質量%以上(より好ましくは
5質量%以上)、50質量%以下(より好ましくは30
質量%以下)、 紫外線吸収性基を有するモノマー(B);0.1質量%
以上(より好ましくは3質量%以上)、60質量%以下
(より好ましくは40質量%以下)、 炭素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C1);
3質量%以上(より好ましくは5質量%以上、さらに好
ましくは7質量%以上、最も好ましくは11質量%以
上)、80質量%以下(より好ましくは60質量%以
下)、 炭素数4〜5のアルキル基を有するモノマー(C2)お
よび炭素数3以下のアルキル基を有するモノマー(C
3);適宜調整、紫外線安定性基を有するモノマー
(E);0.1質量%以上(より好ましくは0.5質量
%以上)、30質量%以下(より好ましくは10質量%
以下)、 その他のモノマー(F);適宜調整
【0073】モノマー混合物(D2)において用いること
のできる各モノマーの好ましい量については、反応性シ
リル基を有するモノマー(A2)が3質量%以上(より
好ましくは5質量%以上)、50質量%以下(より好ま
しくは40質量%以下)である以外は、モノマー混合物
(D1)の場合のモノマー(B)、(C1)〜(C
3)、(D)、(E)および(F)の好ましい量と同じ
である。ポリマー合成後に、有機シラン化合物を反応さ
せるときには、モノマー(A2)と有機シラン化合物か
らモノマー(A1)を合成する反応の際と同様の理由
で、ポリマー中の(A2)と有機シラン化合物の合計を
100モル%として、有機シラン化合物が70モル%を
超えるように、(A2)が30モル%以下となるよう
に、使用することが好ましい。
【0074】いずれのモノマー混合物を用いる場合にお
いても、モノマー(A1)または(A2)の使用量が3
0質量%を超えると、反応点が増加する結果、樹脂組成
物のポットライフが短くなっていく。そして次第に、炭
素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C1)の存
在によってもゲル化の進行を止められなくなるため好ま
しくない。逆に、モノマー(A1)または(A2)の使
用量が3質量%未満では、速やかな硬化性を有する樹脂
組成物を提供するという本発明のもう一つの目的を達成
することが難しくなる。
【0075】次に本発明の樹脂組成物を製造する方法を
説明する。まず第1のタイプの樹脂組成物は、前記した
方法で合成したポリシロキサン結合と反応性シリル基を
有するモノマー(A1)と紫外線吸収性基を有するモノ
マー(B)と炭素数6以上のモノマー(C1)を必須的
に含むモノマー混合物(D1)を重合すればよい。ま
た、第2のタイプの樹脂組成物においては、炭素原子に
直結する反応性シリル基を有するモノマー(A2)と紫
外線吸収性基を有するモノマー(B)と炭素数6以上の
モノマー(C1)を必須的に含むモノマー混合物(D
2)を最初に重合する。
【0076】重合方法には格別の制限はなく、公知の重
合法、例えば溶液重合法、分散重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等を使用できる。溶液重合法では、得られた反
応生成物をそのままあるいは希釈するだけで、本発明の
樹脂組成物を得ることができるため、好ましい重合法で
ある。溶液重合の際に用いる溶媒としては、トルエン、
キシレン、その他の芳香族系溶媒;n−ブチルアルコー
ル、プロピレングリコールメチルエーテル、ダイアセト
ンアルコール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶
媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等
のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジメ
チルホルムアミド等を使用できる。使用する溶媒の種類
はこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は1
種のみを使用してもよいし、2種以上を混合溶媒として
使用してもよく、溶媒の使用量は、モノマー濃度、ポリ
マーの所望の分子量、ポリマー溶液濃度等を考慮し適宜
定めればよい。
【0077】またモノマー混合物(D1)や(D2)を
重合させる際には、重合開始剤が通常使用される。重合
開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビス−(2−
メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、2,2'−アゾビスイソ
ブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−te
rt−ブチルパーオキサイド等の公知のラジカル重合開
始剤が使用可能である。重合開始剤の使用量は、ポリマ
ーの要求特性等に応じて適宜決定すべきものであり、特
に限定はないが、モノマー混合物(D1)または(D
2)の全量に対し0.01質量%以上、50質量%以下
が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、20
質量%以下である。
【0078】また必要に応じて、例えば、n−ドデシル
メルカプタン、n−ブチルメルカプタン、3−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、(CH3O)3Si
−S−S−Si(OCH33のような連鎖移動剤を1種
以上添加し、ポリマーの分子量を調整してもよい。
【0079】重合反応の温度も特に限定されないが、室
温〜200℃の範囲が好ましく、40〜140℃がより
好ましい。なお反応時間は、用いるモノマー混合物の組
成や重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が効率よく
完結し得るように適宜設定すればよい。
【0080】ポリマーの分子量も特に限定されないが、
重量平均分子量(Mw)で2,000〜1,000,0
00が好ましい。また、より好ましいMwの下限は2
0,000、さらに好ましい下限は50,000であ
り、より好ましいMwの上限は800,000、さらに
好ましい上限は500,000である。ここでいう重量
平均分子量とは、GPCを用いて標準ポリスチレンを基
準として求めた値を意味する。
【0081】第1のタイプの樹脂組成物は、モノマー混
合物(D1)から得られたポリマーを含有するものであ
るが、塗工の際の作業性等の観点からは、溶媒でポリマ
ーを溶解させた溶液状態であることが好ましい。溶媒と
しては、前記溶液重合の際に例示した溶媒がいずれも使
用可能である。溶液重合以外の方法でポリマーを合成し
た場合は、重合後、ポリマーを分取して溶媒に溶解させ
ればよい。
【0082】第2のタイプの樹脂組成物を得るには、モ
ノマー混合物(D2)から得られたポリマーを有機シラ
ン化合物で変性する必要がある。変性ポリマーの合成反
応は、モノマー混合物(D2)から得られたポリマーと
有機シラン化合物を混合すればよく、前記したポリシロ
キサン結合と反応性シリル基を有するモノマー(A1)
と有機シラン化合物を反応させるときと同様に行えばよ
い。なお、第1のタイプの樹脂組成物と第2のタイプの
樹脂組成物を混合して用いても本願の目的を達成できる
ため、何ら差し支えない。
【0083】本発明の樹脂組成物(以下の説明では第1
および第2のタイプの樹脂組成物を単に樹脂組成物で代
表する)には、種々の添加剤が含まれていてもよい。以
下、添加剤として好適に使用できる化合物を説明する。
【0084】脱水剤 脱水剤は、保存時の加水分解反応とそれによるポットラ
イフの短縮化を抑える効果を有する。脱水剤としては、
例えば、オルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト
酢酸メチル、オルト酢酸エチル、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、メチルシリケート、エチル
シリケート等の加水分解性エステル化合物等が非限定的
に挙げられ、これらの1種または2種以上を使用でき
る。
【0085】硬化触媒 樹脂組成物の主成分のポリマー(第2のタイプの変性ポ
リマーも含む。以下同様)は、反応性シリル基の存在に
よって硬化反応性を示すが、さらに硬化反応を促進させ
たい場合には、硬化触媒を使用することも有効である。
硬化触媒としては、例えばジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレー
ト、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;リン酸、モノ
メチルホスフェート等のリン酸またはリン酸エステル;
アルキルチタン酸塩;トリス(エチルアセトアセテー
ト)アルミニウム等の有機アルミニウム化合物;テトラ
ブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナー
ト)ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;酢酸、
プロピオン酸、マレイン酸およびこれらの酸無水物、パ
ラトルエンスルホン酸等の酸性化合物;トリエチルアミ
ン、4級アンモニウム塩類の他、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノ基を有するシランカップリング剤類;アミンと
酸性リン酸エステルとの混合物または反応物;水酸化ナ
トリウム等のアルカリ性化合物等が非限定的に例示され
る。
【0086】これら硬化触媒の中でも好ましいのは、触
媒活性の特に高い有機スズ化合物、酸性リン酸エステ
ル、酸性リン酸エステルとアミンの混合物または有機ス
ズ化合物と有機酸との混合物、飽和もしくは不飽和多価
カルボン酸またはその酸無水物、アミノ基を有するシラ
ンカップリング剤、有機チタネート化合物、有機アルミ
ニウム化合物またはこれらの混合物等である。
【0087】これら硬化触媒の好ましい使用量は、ポリ
マーの固形分に対して、0.001〜20質量%、より
好ましくは0.01〜10質量%の範囲である。
【0088】紫外線安定剤 前記した紫外線安定性基を有するモノマー(E)を用い
ずにポリマーを合成した場合には、添加型の紫外線安定
剤を用いることもできる。添加型の紫外線安定剤として
好ましいのは、立体障害ピペリジン化合物であり、例え
ば市販品としては、「チヌビン123」、「チヌビン14
4」、「チヌビン765」(いずれもチバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。また、これらの
比較的低分子量の紫外線安定剤はブリードアウトの可能
性があるため、前記した紫外線安定性基を有するモノマ
ー(E)から別途ポリマー型の紫外線安定剤を合成し、
これを添加してもよい。なお、添加型の紫外線吸収剤は
ブリードアウトの影響が大きいため、使用しないことが
好ましい。
【0089】紫外線安定剤の好ましい配合量は、ポリマ
ー100質量%に対して0.1〜15質量%の範囲であ
る。0.1質量%未満では、特にモノマー(E)を使用
しない場合にモノマー(B)の紫外線吸収性基の光分解
抑制作用が不充分となり、紫外線遮蔽能を長期的に維持
できないことがあるが、15質量%を超えて過度に添加
するとブリードアウトし易くなったり、耐水性を低下さ
せるため好ましくない。
【0090】その他の樹脂 樹脂組成物中には、本発明の目的を阻害しない範囲であ
れば、その他の樹脂を一部共存させてもよい。例えば、
熱可塑性樹脂や樹脂自身の作用あるいは硬化剤(架橋
剤)によって架橋硬化する熱硬化性樹脂が挙げられる。
これら他の樹脂の種類や使用量は、紫外線遮蔽性樹脂積
層体の用途や要求特性等に応じて適宜決定すればよい。
その他の樹脂の具体例としては、塩化ビニル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂
等の熱可塑性樹脂;ウレタン系樹脂、アミノプラスト系
樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系
樹脂等の単独硬化型の熱・紫外線・電子線硬化性樹脂;
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂
等の硬化剤によって硬化する熱硬化性樹脂を挙げること
ができる。
【0091】その他の添加剤 塗料等の層形成用組成物に一般に使用されるレベリング
剤、酸化防止剤、タルク等の充填剤、防錆剤、蛍光性増
白剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、増粘剤、
コロイダルシリカ、アルミナゾル等の無機微粒子やポリ
メチルメタクリレート系のアクリル系微粒子等を添加し
てもよい。また、特開平7−178335号公報や同9
−302257号公報に記載されているような無機微粒
子の表面に有機ポリマーが固定された複合無機微粒子を
添加することもできる。さらには、本発明の目的を阻害
しない範囲であれば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系、トリアジン系、インドール系等の有機系紫外
線吸収剤や酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を一部含ん
でも構わない。
【0092】本発明の樹脂組成物は、基材の表面側に紫
外線遮蔽層を形成して、紫外線遮蔽性積層体を形成する
ために用いられる。このとき、基材の表面に直接または
必要に応じて接着改善層(プライマー層等)や印刷層、
熱線遮蔽層、粘着層、(半)透明無機蒸着膜等のガスバ
リヤー層等を介して形成することができる。樹脂組成物
から得られる乾燥塗膜(紫外線遮蔽層)100質量%中
の本願に係るポリマー(変性ポリマーも含む。以下同
じ)が50質量%以上、好ましくは80質量%以上含ま
れるように、上記各種添加剤の量を規制することが望ま
しい。50質量%未満では塗膜の耐候性が不充分となる
おそれがある。
【0093】紫外線遮蔽性積層体 以下、本発明の樹脂組成物を用いて形成される紫外線遮
蔽性積層体について説明する。基材として最適なのは、
紫外線により劣化し易い樹脂であり、このような樹脂基
材こそが本願の紫外線遮蔽層を必要とするからである。
紫外線により劣化するとは、紫外線により主鎖が切断し
て分子量が低下したり、逆に架橋によってゲルが形成す
る等の化学構造が変化して、その結果として、機械強度
・透明性低下あるいは黄変等の物性低下を起こすことを
いう。このような樹脂としては、ポリカーボネート系樹
脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
中でも、安価で軽くて丈夫でかつ透明性に優れたポリカ
ーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂が好ましい。
【0094】上記樹脂基材の形状や製法はどのようなも
のでもよく、特に限定はないが、汎用性の高いものは、
平板状や曲板状、波板状等の板状あるいはフィルム状の
ものである。また、木目印刷等の印刷を施した意匠性の
ある樹脂基材を使用することも可能である。さらに、ガ
ラス等の無機質透明基材で作られた容器等の内容物を紫
外線から守る目的で、無機質透明基材の表側に紫外線遮
蔽層を設けることもできる。
【0095】紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物を基材に塗
布する方法としては、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カー
テンフローコート、グラビアコート、ロールコート、ス
ピンコート、バーコート、静電塗装等の公知の塗工方法
がいずれも採用可能である。
【0096】紫外線遮蔽層の厚さは、Lambert−
Beerの法則により、ポリマーに導入されている紫外
線吸収性基の量、すなわち重合の際の紫外線吸収性基を
有するモノマー(B)の使用量に依存する。従って、ポ
リマー中の紫外線吸収性基の量と、紫外線遮蔽性積層体
に要求される耐候性や紫外線遮蔽性能を勘案して、層の
厚さを決定すればよい。通常、0.5〜500μmの範
囲内である。厚さが500μmを超えると、紫外線吸収
性能が飽和してコスト的に無駄である。逆に厚さが0.
5μm未満では、基材上へ均一に塗工するのが困難であ
り、紫外線遮蔽能も不充分になるおそれがある。より好
ましい厚さの範囲は1〜300μm、さらに好ましくは
2〜50μmである。
【0097】本発明の樹脂組成物を基材に薄膜状に塗布
して紫外線遮蔽層を形成するときの硬化温度は、樹脂組
成物の主成分であるポリマーに含まれる反応性シリル基
の量や使用する硬化触媒の種類によって異なるが、一般
的には室温〜200℃で硬化させるのが好ましい。
【0098】本発明の積層体は、基材と紫外線遮蔽層
(基材と紫外線遮蔽層との間に前記した他の層があって
も構わない)の積層構造であっても、紫外線遮蔽性層が
耐水性・強度・耐候性等種々の特性に優れているもので
あるため、このまま種々の用途に活用することができ
る。しかし、窓ガラス等の用途に用いるには、耐擦傷性
や表面硬度を一層高めるため、紫外線遮蔽層の表層(基
材と反対側)にハードコート層を備える構造のものが好
ましい。ハードコート層は、高硬度で耐擦傷性に優れた
塗膜を形成することのできる樹脂を用いて形成すること
が好ましく、このような樹脂であれば特に限定されない
が、シリコーン系硬化性樹脂や有機系硬化性樹脂等が好
ましく使用できる。
【0099】シリコーン系硬化性樹脂とは、シロキサン
結合を持った硬化性の樹脂であり、例えばトリアルコキ
シシランやテトラアルコキシシラン等のアルコキシシラ
ンまたはそれらのアルキル化物の部分加水分解物、メチ
ルトリアルコキシシランやフェニルトリアルコキシシラ
ン等の混合物を共加水分解したもの、コロイド状シリカ
充填オルガノトリアルコキシシランの部分加水分解縮合
物、ペルヒドロポリシラザン等が挙げられる。市販品と
しては、例えば「トスガード510」、「UVHC85
53」(以上、東芝シリコーン社製);「KP−85
1」、「X−12−2400」、(以上、信越シリコー
ン社製);「ソルガードNP720」、「ソルガードR
F0831」(以上、日本ダクロシャムロック社製)、
「P110」、「L110」、「V110」(以上、ク
ラリアントジャパン社製)等が例示される。
【0100】一方、有機系硬化性樹脂としては、例えば
メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル
樹脂、多官能アクリル樹脂等が挙げられ、多官能アクリ
ル樹脂としては、ポリオールアクリレート、ポリエステ
ルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアク
リレート等の樹脂が好ましいものとして例示される。
【0101】また、ハードコート層の形成のため、上記
シリコーン系硬化性樹脂と上記有機系硬化性樹脂をブレ
ンドして用いてもよく、さらに、本発明に係るポリマー
をブレンドしてもよい。ハードコート層に要求される硬
度や耐擦傷性等の性能レベルに応じて、ブレンド量は適
宜決定すればよいが、ハードコート層を構成する樹脂1
00質量%に対しシリコーン系硬化性樹脂が60質量%
以上含まれ、好ましくは80質量%以上含まれているこ
とが望ましい。60質量%未満では、硬度や耐擦傷性等
が不足するおそれがある。なお、前記した各種添加剤を
ハードコート層形成のために用いても構わない。
【0102】本発明の積層体は、ハードコート層と共
に、またはハードコート層を用いずに、積層構造内もし
くは積層体の最表層に熱線遮蔽層を備えるものであって
もよい。自動車用や建築物用の窓材として用いるとき
に、車内や室内の備品等の紫外線劣化を防ぐと共に、車
内や室内の温度上昇を防いで冷暖房費の節減に効果的で
ある。また積層体構造内もしくは積層体の最表層に、耐
汚染性向上のための光触媒機能層;ガスバリア層;導電
層、磁性層等;防曇層等を形成することも有効である。
さらに、有機系基材と無機系基材のような2枚の基材の
間に本発明の紫外線遮蔽層を中間層として形成し、合せ
ガラスとしての使用も可能である。
【0103】熱線遮蔽層を形成するには、例えば、基材
内部に熱線遮蔽性物質を分散させたり、基材の片面もし
くは両面に、熱線遮蔽性物質を含む塗料を塗布する方法
が採用可能である。また、本発明の樹脂組成物中に熱線
遮蔽性物質を添加して、紫外線と熱線を同時に遮蔽でき
る層を形成してもよい。
【0104】熱線遮蔽性物質としては、赤外線領域に吸
収を有する物質であれは特に制限されないが、用途によ
っては、可視光領域(400〜700nm)での着色が
少なく、かつモル吸光係数の大きいものが望ましく、有
機系・無機系の公知の熱線遮蔽性物質を1種もしくは2
種以上組合わせて使用できる。また用途によっては可視
光線領域の調色を行ったり、目的とする色に着色するた
めに可視光線領域に吸収のある物質を併用してもよい。
【0105】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわ
けではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に
変更して実施することも可能であり、それらはいずれも
本発明の技術的範囲に包含される。なお下記実施例およ
び比較例において、「部」および「%」とあるのは、質
量部または質量%を表す。
【0106】モノマー合成例(第1のタイプのモノマー
(A1)の合成) 攪拌機、温度計、冷却管を備えたフラスコに、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(モノマー(A
2))12.4部(0.05モル)、有機シラン化合物
として、テトラメトキシシラン106.4部(0.7モ
ル)とジメチルジメトキシシラン30部(0.25モ
ル)、メタノール100部、水18部(1モル)、固体
触媒(ローム・アンド・ハース・ジャパン社製の陽イオ
ン交換樹脂;商品名「アンバーリスト15」)5部を入
れ、メタノールの還流下(65℃)で2時間撹拌し、反
応させた。
【0107】反応混合物を室温まで冷却した後、冷却管
に変えて、冷却管と留出口を備えた蒸留塔をセットし、
常圧下で80℃まで2時間かけて昇温し、留出する液
(メタノール)が無くなるまで同温度で保持した。さら
に、26.6kPa(200mmHg)、90℃で留出
液が無くなるまで保持し、反応させた。再度、室温まで
冷却した後、固体触媒を濾別し、数平均分子量が180
0のポリシロキサン結合と反応性シリル基を有するモノ
マー(A1)を得た。
【0108】ポリマー合成例1(第1のタイプのポリマ
ーの合成) モノマー合成例1で合成したモノマー(A1)10部、
2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキ
シシエチル)フェニル]―2H−ベンゾトリアゾール
(モノマー(B);大塚化学社製;商品名「RUVA9
3」)20部、シクロヘキシルメタクリレート(モノマ
ー(C1))20部、2−エチルヘキシルアクリレート
10部(モノマー(C1))、ブチルアクリレート(モ
ノマー(C2))10部、メチルメタクリレート(モノ
マー(C3))30部、ダイアセトンアルコール110
部、メチルイソブチルケトン30部およびオルソ蟻酸メ
チル(脱水剤)10部を仕込み、窒素ガスを導入して撹
拌しながら110℃に昇温させた。開始剤としてter
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部
とメチルイソブチルケトン30部との混合物を2時間か
けて滴下し、滴下後さらに4時間加熱して、重合を行っ
た。不揮発分濃度が38.8%のポリマー溶液No.1
を得た。このポリマーの重量平均分子量(Mw)は56
000であった。なお各合成例において、不揮発分濃度
は、ポリマー溶液1gを秤量し、200℃で15分加熱
乾燥させて測定した値であり、重量平均分子量はGPC
を用いて標準ポリスチレンを基準として求めた値であ
る。表1にモノマーの種類等と仕込み・配合量等をまと
めた。
【0109】ポリマー合成例2〜13 表1に示したようにモノマー種類等と仕込み・配合量を
変えた以外は、上記ポリマー合成例1と同様にしてポリ
マー溶液No.2〜13を製造し、それらの特性を表1
に併記した。なお、合成例2では、添加型紫外線安定剤
(立体障害ピペリジン化合物;チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ社製;商品名「チヌビン123」)2部を、重
合終了後にフラスコ内へ添加した。
【0110】
【表1】
【0111】なお、表1中の略語は、下記の意味であ
る。 モノマー(A1):モノマー合成例1で合成したポリシ
ロキサン結合と反応性シリル基を有するモノマー(A
1) モノマー(B):紫外線吸収性基を有するモノマー
(B) UVA:2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリ
ロイルオキシエチル)フェニル]―2H−ベンゾトリア
ゾール(大塚化学社製;商品名「RUVA93」) UVA:2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオ
キシエトキシ)ベンゾフェノン(大阪有機化学工業社
製;商品名「BP−1A」) UVA:2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ
−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)−s−トリ
アジン モノマー(C1):炭素数6以上のアルキル基を有する
モノマー(C1) CHMA:シクロヘキシルメタクリレート 2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート モノマー(C2):炭素数4〜5のアルキル基を有する
モノマー(C2) t−BMA:tert−ブチルメタクリレート BA:ブチルアクリレート モノマー(C3):炭素数3以下のアルキル基を有する
モノマー(C3) MMA:メチルメタクリレート モノマー(E):紫外線安定性基を有するモノマー
(E) HALS:紫外線安定性基を有するモノマー(旭電化
工業社製;商品名「アデカスタブLA82」) DAA:ダイアセトンアルコール MIBK:メチルイソブチルケトン
【0112】ポリマー合成例14(第2のタイプのポリ
マーの合成および変性) 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(モノ
マー(A2))を用い、表2に示したようにモノマー種
類等と仕込み・配合量等を変えた以外はポリマー合成例
1と同様にしてポリマー(変性前)の合成を行い、不揮
発分38.7%のポリマー溶液を得た。このポリマー溶
液が入っているフラスコ内に、テトラメトキシシラン1
00部とジメチルメトキシシラン30部、メタノール1
3部、水18部、前記固体触媒5部を加え、撹拌しつつ
65℃で4時間反応させた。トルエンで不揮発分が15
%になるように希釈し、室温まで冷却した後、固体触媒
を濾別した。変性ポリマーが含まれたポリマー溶液N
o.14を得た。
【0113】ポリマー合成例15〜22 表2に示したようにモノマー種類等と仕込み・配合量等
を変えた以外は、上記ポリマー合成例14と同様にし
て、ポリマーの合成および変性を行って、ポリマー溶液
No.15〜22を製造した。特性を表2に併記した。
【0114】
【表2】
【0115】表2中の「モノマー(A2)」は、3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランの意味であ
る。
【0116】実験例1〜19 ポリマー合成例1〜11とポリマー合成例14〜21で
得られたポリマー溶液No.1〜11とNo.14〜2
1をトルエンで不揮発分が10%になるように希釈し、
硬化触媒としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシランを不揮発分に対して5
000ppm添加して混合した後、得られた溶液を、厚
さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム(商品名「ルミラーT」;東レ社製)にバーコ
ーターで乾燥厚さが約10μmとなるように塗工し、8
0℃で1時間乾燥させた。硬化塗膜(紫外線遮蔽層)が
形成された積層体が得られた。
【0117】各実験例において下記項目の評価を行い、
結果を表3および表4に示した。なお、一部の実験例
(比較実験例も含む)については、紫外線劣化性樹脂基
材として、厚さ500μmポリカーボネート(PC)シ
ート(商品名「レキサン9034クリヤ」;旭硝子社
製)を用いた。
【0118】比較実験例1〜3 ポリマー合成例12〜13とポリマー合成例22で得た
ポリマー溶液No.12〜13とNo.22をトルエン
で不揮発分が10%になるように希釈し、硬化触媒とし
てN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシランを不揮発分に対して5000ppm
添加して混合した後、得られたポリマー溶液を用いて、
実験例1〜19の場合と同様に硬化塗膜が形成された積
層体を作製した。下記項目の評価を行い、結果を表3お
よび表4に示した。
【0119】(1)硬化性 各基材上に積層された紫外線遮蔽層(塗膜)の表面を、
トルエンを充分に含ませた脱脂綿で50回擦り、硬化性
を下記の基準で評価した。 〇;塗膜に異常なし、△;塗膜に僅かに傷が付く、×;
塗膜全面に傷が付く、または塗膜が膨潤あるいは一部溶
解する。
【0120】(2)ポットライフ 硬化触媒を配合する前の各合成例で得られた不揮発分1
0%のポリマー溶液70gを100mlの容器に入れ、
蓋をすることなく、40℃、相対湿度90%に調湿され
た雰囲気下で、マグネットスターラーで撹拌しながら放
置した。ゲル化して内容物が完全に固化するまでの時間
を測定し、下記基準で評価した。○;30日間以上放置
してもゲル化しない、○〜△;20日間以上30日間未
満でゲル化した、△〜×;10日間以上20日間未満で
ゲル化した、×;10日間未満でゲル化した。
【0121】(3)耐候性1(UVカット率とその保持
率) 紫外線遮蔽層が積層された積層体試験片を、固定式メタ
ルハライドランプ型促進耐候性試験機であるスガ試験機
社製の超エネルギー照射試験機「UE−IDEC型」
(インナーフィルターとして石英、アウターフィルター
として#275を使用)に、紫外線入射側が紫外線遮蔽
層となるようにセットした。[70℃、70%RHの環
境下、100mW/cm2の紫外線を6時間照射]→
[50℃、90%RHの環境下、6時間放置]を1サイ
クルとし、20サイクル、40サイクル、60サイクル
と曝露を繰り返した。
【0122】島津製作所社製の分光光度計(「UV−3
100」)を使用して、ブランクとして各積層体の基材
のみの紫外線透過率(%)を測定すると共に、耐候性試
験前後の360nmにおける紫外線透過率(%)を測定
し、試験前(初期)のUVカット率[(100−紫外線
透過率)(%)]を求めた。また、この初期のUVカッ
ト率をX、各サイクル後のUVカット率をYとしたとき
に、[(X−Y)/X]×100(%)によって求めら
れる値をUVカット率の保持率(%)とした。なお、表
中「××」とあるのは基材(PETまたはPC)が劣化
して破壊してしまい、測定不能であったことを意味す
る。
【0123】(4)耐候性2(塗膜外観) 上記(3)の耐候性1の各サイクル毎に、紫外線遮蔽層
の外観を下記基準で評価した。 ○:異常なし、○〜△:マイクロクラックが僅かに入
る、△:僅かに艶引けまたは黄変、×:全体が艶引け・
黄変、××:基材破壊により評価不能
【0124】(5)耐湿性 紫外線遮蔽層が積層された積層体試験片を、50℃、9
5%RHの環境下に、1000時間および2000時間
保持した後の紫外線遮蔽層の外観をそれぞれ下記基準で
評価した。 ○:異常なし、△:僅かに艶引けまたは白化、×:全体
が艶引け・白化
【0125】(6)耐温水性 紫外線遮蔽層が積層された積層体試験片を、60℃の温
水中に14日間および28日間浸漬した後、取り出し、
紫外線遮蔽層の外観をそれぞれ下記基準で評価した。 ○:異常なし、△:僅かに艶引けまたは白化、×:全体
が艶引け・白化
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】表3の結果から、紫外線吸収性基を有する
モノマー(B)が用いられていない比較実験例1では初
期特性はともかく、耐候性、耐水性、耐温水性のいずれ
の特性も非常に劣った結果となった。比較実験例2およ
び3では、必須モノマー(C1)が用いられていないた
め、ポットライフが短い。他の特性も経時的に劣化して
おり、紫外線吸収性基が光分解しているためと考えられ
る。一方、実験例1〜19は、硬化性とポットライフが
両立していた上に、硬化塗膜の耐候性が長期に亘って優
れていた。また、耐湿性、耐温水性にも優れるものであ
った。なお、実験No.8、9、17、18の硬化性が
△になっているのは、モノマー(A1)または(A2)
の使用量が少ないため、No.11のポットライフが○
〜△になっているのは、モノマー(A1)の量に比べて
モノマー(C1)の使用量が少ないためであると考えら
れる。
【0129】実験例20〜38および比較実験例4〜6 実験例1〜19および比較実験例1〜3で得られた紫外
線遮蔽層積層体の紫外線遮蔽層の上に、シリコーン樹脂
系ハードコート剤として「ソルガードNP730」(日
本ダクロシャムロック社製)を乾燥後の塗膜厚が5μm
となるように塗工して、120℃で1時間加熱して硬化
させ、ハードコート層を形成した。得られた各ハードコ
ート層含有積層体について次のように評価し、その結果
を表5および表6に示した。
【0130】[耐候性促進条件]ハードコート層と紫外
線遮蔽層が積層された積層体試験片を、前記スガ試験機
社製のサンシャインウエザーメーターで、サンシャイン
スーパーロングライフカーボンを使用し、63℃で降雨
なし2時間と、同じく63℃で降雨18分間のサイクル
を繰り返す条件で、3000時間および5000時間の
曝露を行った。初期(促進試験前)、3000時間後、
5000時間後のそれぞれについて、塗膜外観、層間密
着性、表面硬さを評価した。
【0131】[塗膜外観]初期(促進試験前)、曝露3
000時間後および5000時間後に、積層体試験片の
外観を下記基準で評価した。 ○:異常なし、○〜△:マイクロクラックが僅かに入
る、△:僅かに艶引けまたは黄変、×:全体が艶引け・
黄変、××:基材破壊により評価不能
【0132】[層間密着性]初期(促進試験前)、曝露
3000時間後、曝露5000時間後の各積層体試験片
に、ハードコート層側から100個の碁盤目(1m
2)を刻み、碁盤目部分にセロファンテープを密着さ
せ、次いで密着したセロファンテープを、剥離角度が積
層体に対して直角となるように急激に手で剥がし、剥離
した碁盤目の個数を勘案しながら、積層体試験片の外観
を下記基準で評価した。○:異常なし、△1:碁盤目が
僅かにハードコート層と紫外線遮蔽層との間で剥離す
る、△2:碁盤目が僅かに紫外線遮蔽層と基材との間で
剥離する、×1:かなりの碁盤目がハードコート層と紫
外線遮蔽層との間で剥離する、×2:かなりの碁盤目が
紫外線遮蔽層と基材との間で剥離する。
【0133】[表面硬さ]ASTM D 1044に準
拠し、テーバー摩耗試験機で摩耗輪としてCS−10F
を用いハードコート層を摩耗させる。試験荷重は4.9
N(500gf)、試験回数は500回とした。試験片
の摩耗試験前後のヘイズの変化を、分光側色色差計
(「SZ−Σ90」;日本電色工業社製)を用いて測定
した。ブランクとして、試験前の積層体のヘイズを測定
してから、試験後の積層体のヘイズを測定し、下記基準
で表面硬さを評価した。 A:ヘイズ変化10%未満…充分な表面硬度がある、
B:ヘイズ変化10%以上20%未満…やや傷が付きや
すい、C:ヘイズ変化20%以上…傷が付きやすい。
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】
【0136】表5の結果から、紫外線吸収性基を有する
モノマー(B)が用いられていない比較実験例4は初期
特性は良好であるが、曝露3000時間後には層間密着
性試験においてかなりの碁盤目がハードコート層と紫外
線遮蔽層との間で剥離し、表面も傷が付きやすい状態と
なったため、以後の評価を中止した。比較実験例5(表
5)および6(表6)では、塗膜外観は良好であった
が、必須モノマー(C1)が用いられていないため、他
の特性が経時的に劣化しており、紫外線吸収性基が光分
解しているためと考えられる。一方、本発明例である実
験例20〜38では、塗膜外観、層間密着性、表面硬さ
が長期に亘って優れていた。なお、実験No.28およ
び37の層間密着性や表面硬さが、若干、経時低下して
いるのは、モノマー(A1)または(A2)の使用量が
少ないためであると考えられる。
【0137】
【発明の効果】紫外線遮蔽層形成用の樹脂組成物の主体
となるポリマー中に反応性シリル基を多数導入したの
で、硬化性に優れた樹脂組成物を得ることができた。ま
た、炭素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C
1)を併用することで、樹脂組成物がゲル化により固化
してしまうという問題を解決し、硬化性とポットライフ
を両立させることができた。
【0138】本発明の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物か
ら形成された紫外線遮蔽層は、紫外線遮蔽能を長期に亘
って発揮するので、紫外線により劣化する基材等に適用
することで、紫外線遮蔽性積層体を製造することができ
る。また、紫外線劣化し易い樹脂基材の表面にシリコー
ン樹脂系のハードコート層を形成して耐擦傷性を改善す
る際に、紫外線遮蔽層を下地層として使用することによ
り、基材樹脂の変色・劣化等を抑えて耐候性を高めると
共に、ハードコート層との密着性も大幅に高めることが
できた。
【0139】従って、本発明の紫外線遮蔽性積層体は、
例えば表面保護用(各種食品包材や、太陽電池、ポリマ
ー電池等)、絶縁用(絶縁膜や表示素子等)、光学用
(レンズ、反射防止膜等)、建築材料用(防音壁等)、
防汚用シート・テント用、マーキングフィルム用、屋外
展張用(農業ハウス等)、屋内外のオーバーレイ(表示
材料、電飾看板等)、窓用(車輌、建築、採光材等)
等、様々の用途に幅広く活用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/30 C08F 220/30 220/34 220/34 220/36 220/36 220/60 220/60 230/08 230/08 290/06 290/06 C09D 5/32 C09D 5/32 157/06 157/06 183/04 183/04 (72)発明者 岡田 ユキ 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK25 AK42 AK45 AK52A AK79A AL01A AL05A AR00A AS00C AT00B BA02 BA10B BA10C EH46 EH462 EJ86 EJ862 GB07 GB32 JD09 JD09A JK12C 4J027 AF03 AF05 AJ01 BA02 BA04 BA07 BA10 BA13 BA14 BA17 BA19 CA18 CB04 CC02 CD01 CD04 4J038 CG141 CG171 CH181 CH191 CL001 DL131 GA15 NA19 PC08 4J100 AE09P AJ02T AJ08T AK32T AL04R AL08P AL08Q AL08R AL08S AL08T AL09T AL10T AL62T AM15T AP16P BA03H BA03Q BA03T BA04Q BA14Q BA14S BA40Q BA40S BA41Q BA65T BA77P BB00Q BC02R BC04R BC07R BC43Q BC54T BC65S BC73Q BC75Q CA03 CA05 CA06 CA27 CA31 DA01 DA22 DA28 DA65 FA03 FA04 FA19 HA08 HA53 HC78 HC80 HE05 HE13 HE14 JA01 JA28 JA57 JA67

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも末端に反応性シリル基を有す
    ると共に、この末端反応性シリル基が、置換基を有して
    いてもよいポリシロキサン結合を介して炭素原子に連結
    した構造の反応性シリル基含有モノマー(A1)、紫外
    線吸収性基を有するモノマー(B)および炭素数6以上
    のアルキル基を有するモノマー(C1)を必須的に含む
    モノマー混合物(D1)から合成されるポリマーを含有
    することを特徴とする紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記反応性シリル基を有するモノマー
    (A1)が、分子中にSi原子を1個のみ有し、かつ、
    炭素原子に直結する反応性シリル基を有するモノマー
    (A2)と有機シラン化合物との反応物である請求項1
    に記載の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 分子中にSi原子を1個のみ有し、か
    つ、炭素原子に直結する反応性シリル基を有するモノマ
    ー(A2)、紫外線吸収性基を有するモノマー(B)お
    よび炭素数6以上のアルキル基を有するモノマー(C
    1)を必須的に含むモノマー混合物(D2)から合成さ
    れるポリマーに対し、有機シラン化合物を反応させて得
    られる変性ポリマーを含有することを特徴とする紫外線
    遮蔽層形成用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記モノマー(A2)が、下記一般式で
    示されるモノマー(A−1)、(A−2)および(A−
    3)よりなる群から選択される1種以上である請求項1
    〜3のいずれかに記載の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成
    物。 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭
    素数1〜6の炭化水素基を表し、aは1〜5の整数、b
    は0または1を表す) 【化2】 (式中、R3は前記R2と同じ意味もしくはアルキルオキ
    シアルキル基を表し、cは0または1を表す) 【化3】 (式中、R4はR2と同じ意味、dは0または1を表
    す)。
  5. 【請求項5】 上記モノマー混合物(D1)または(D
    2)が、さらに、炭素数4〜5のアルキル基を有するモ
    ノマー(C2)を含むものである請求項1〜4のいずれ
    かに記載の紫外線遮蔽性層形成用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 上記モノマー混合物(D1)または(D
    2)が、さらに、紫外線安定性基を有するモノマー
    (E)を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載
    の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 紫外線劣化性樹脂基材とハードコート層
    との間に紫外線遮蔽層を形成するために用いられるもの
    である請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線遮蔽層形
    成用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 紫外線劣化性樹脂基材とハードコート層
    との間に、請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線遮蔽
    層形成用樹脂組成物から得られた紫外線遮蔽層を備える
    ことを特徴とする紫外線遮蔽性積層体。
JP2002040714A 2002-02-18 2002-02-18 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体 Expired - Fee Related JP4142306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002040714A JP4142306B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002040714A JP4142306B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008076633A Division JP4272692B2 (ja) 2008-03-24 2008-03-24 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物に用いる変性ポリマーの製造方法、紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003238887A true JP2003238887A (ja) 2003-08-27
JP4142306B2 JP4142306B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=27781374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002040714A Expired - Fee Related JP4142306B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4142306B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005320517A (ja) * 2004-04-06 2005-11-17 Matsushita Electric Works Ltd 塗料組成物、塗膜付基材、照明器具及びランプ
WO2007086161A1 (ja) * 2006-01-25 2007-08-02 Toagosei Co., Ltd. 環状エーテル構造含有(共)重合体の製造方法及び粉体塗料組成物
JPWO2006022347A1 (ja) * 2004-08-26 2008-05-08 出光興産株式会社 コーティング組成物及び樹脂積層体
JP2008120986A (ja) * 2006-10-19 2008-05-29 Shin Etsu Chem Co Ltd プライマー組成物及び被覆物品
JP2008127526A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性塗料用耐候性向上材
JP2010261012A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 紫外線遮蔽性コーティング組成物及び被覆物品
JP2012092264A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Fujikura Kasei Co Ltd 一液型活性エネルギー線硬化性塗料組成物および複合塗膜
US20120258312A1 (en) * 2011-04-07 2012-10-11 Koichi Higuchi Weather-resistant hard coating composition and coated article
WO2018056420A1 (ja) * 2016-09-26 2018-03-29 三菱瓦斯化学株式会社 (メタ)アクリル系共重合体、樹脂組成物、その成形体及び成形体の製造方法
JP2018527420A (ja) * 2015-06-25 2018-09-20 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 紫外線吸収基を含むコポリマー及びそれを含む組成物
US10577467B2 (en) 2012-12-20 2020-03-03 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer composition including an oligomer having an ultraviolet absorbing group
WO2021259825A1 (en) * 2020-06-23 2021-12-30 Merck Patent Gmbh Polymerisable liquid crystal material and polymerised liquid crystal film
JP2022508051A (ja) * 2018-11-29 2022-01-19 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アクリル重合化ポリシロキサン、これを含んでなる組成物、およびこれを用いた硬化膜
CN116285554A (zh) * 2023-03-13 2023-06-23 华南农业大学 一种耐冲击的透明超疏水涂层的制备方法

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005320517A (ja) * 2004-04-06 2005-11-17 Matsushita Electric Works Ltd 塗料組成物、塗膜付基材、照明器具及びランプ
JP5289708B2 (ja) * 2004-08-26 2013-09-11 出光興産株式会社 コーティング組成物及び樹脂積層体
JPWO2006022347A1 (ja) * 2004-08-26 2008-05-08 出光興産株式会社 コーティング組成物及び樹脂積層体
WO2007086161A1 (ja) * 2006-01-25 2007-08-02 Toagosei Co., Ltd. 環状エーテル構造含有(共)重合体の製造方法及び粉体塗料組成物
JP2008120986A (ja) * 2006-10-19 2008-05-29 Shin Etsu Chem Co Ltd プライマー組成物及び被覆物品
JP2008127526A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性塗料用耐候性向上材
JP2010261012A (ja) * 2009-04-09 2010-11-18 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 紫外線遮蔽性コーティング組成物及び被覆物品
JP2012092264A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Fujikura Kasei Co Ltd 一液型活性エネルギー線硬化性塗料組成物および複合塗膜
US20120258312A1 (en) * 2011-04-07 2012-10-11 Koichi Higuchi Weather-resistant hard coating composition and coated article
JP2012219159A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 耐候性ハードコート組成物及び被覆物品
US10577467B2 (en) 2012-12-20 2020-03-03 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer composition including an oligomer having an ultraviolet absorbing group
JP2018527420A (ja) * 2015-06-25 2018-09-20 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 紫外線吸収基を含むコポリマー及びそれを含む組成物
US10519350B2 (en) 2015-06-25 2019-12-31 3M Innovative Properties Company Copolymer including ultraviolet light-absorbing group and compositions including the same
EP3313906A4 (en) * 2015-06-25 2019-03-13 3M Innovative Properties Company COPOLYMER COMPRISING A ULTRAVIOLET LIGHT-ABSORBING GROUP AND COMPOSITIONS COMPRISING SAME
JPWO2018056420A1 (ja) * 2016-09-26 2018-09-27 三菱瓦斯化学株式会社 (メタ)アクリル系共重合体、樹脂組成物、その成形体及び成形体の製造方法
KR20190055803A (ko) * 2016-09-26 2019-05-23 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 (메트)아크릴계 공중합체, 수지 조성물, 그의 성형체 및 성형체의 제조방법
CN109790366A (zh) * 2016-09-26 2019-05-21 三菱瓦斯化学株式会社 (甲基)丙烯酸类共聚物、树脂组合物、其成型体和成型体的制造方法
WO2018056420A1 (ja) * 2016-09-26 2018-03-29 三菱瓦斯化学株式会社 (メタ)アクリル系共重合体、樹脂組成物、その成形体及び成形体の製造方法
CN109790366B (zh) * 2016-09-26 2021-04-27 三菱瓦斯化学株式会社 (甲基)丙烯酸类共聚物、树脂组合物、其成型体和成型体的制造方法
US11078355B2 (en) 2016-09-26 2021-08-03 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. (Meth)acrylic copolymer, resin composition, molded body of same, and method for producing molded body
KR102361304B1 (ko) 2016-09-26 2022-02-10 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 (메트)아크릴계 공중합체, 수지 조성물, 그의 성형체 및 성형체의 제조방법
JP2022508051A (ja) * 2018-11-29 2022-01-19 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アクリル重合化ポリシロキサン、これを含んでなる組成物、およびこれを用いた硬化膜
JP7386860B2 (ja) 2018-11-29 2023-11-27 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アクリル重合化ポリシロキサン、これを含んでなる組成物、およびこれを用いた硬化膜
WO2021259825A1 (en) * 2020-06-23 2021-12-30 Merck Patent Gmbh Polymerisable liquid crystal material and polymerised liquid crystal film
CN116285554A (zh) * 2023-03-13 2023-06-23 华南农业大学 一种耐冲击的透明超疏水涂层的制备方法
CN116285554B (zh) * 2023-03-13 2023-09-29 华南农业大学 一种耐冲击的透明超疏水涂层的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4142306B2 (ja) 2008-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3841141B2 (ja) 下塗り剤組成物及びコーティング方法
TWI642732B (zh) 活性能量線硬化性樹脂組成物、樹脂成形品及樹脂成形品的製造方法
KR100377042B1 (ko) 피복용조성물,이의제조방법및이를사용한표면피복성형품
JP5102769B2 (ja) 紫外線吸収層形成用樹脂組成物および紫外線吸収層含有積層体
JP5272645B2 (ja) 被覆物品
JP4142306B2 (ja) 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
JP2008120986A (ja) プライマー組成物及び被覆物品
JP2014037453A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびそれを用いた積層体
JP4272692B2 (ja) 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物に用いる変性ポリマーの製造方法、紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
JP6156214B2 (ja) 反応性紫外線吸収剤、その製造方法、並びにそれを含むコーティング組成物及び被覆物品
JP2010065076A (ja) プライマー組成物の製造方法及び被覆物品
JP3533118B2 (ja) 紫外線吸収性樹脂部材
JP2011144309A (ja) 活性エネルギー線硬化型被覆組成物及び該組成物の硬化被膜を有する成形品
KR20150146428A (ko) 광경화성 코팅 조성물 및 피복 물품
JP2007231059A (ja) 硬化性組成物及び被覆物品
JP2002254560A (ja) 紫外線遮蔽性積層体および紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物
KR100365967B1 (ko) 자외선 흡수성 적층형 수지재
JP4116804B2 (ja) 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
JP2007231060A (ja) 硬化性組成物及び被覆物品
JP2001114841A (ja) 紫外線吸収性共重合体および該共重合体からなる薄膜、並びに該薄膜を含む多層積層体
JP2013010921A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物および積層体
JP4688277B2 (ja) 紫外線安定性樹脂積層体および紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物
JP2000177070A (ja) 紫外線吸収性積層型樹脂材
JP5006813B2 (ja) 紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物および紫外線遮蔽性積層体
TWI694105B (zh) 硬化性組成物、積層體及汽車前照燈鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040610

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071016

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080324

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080610

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080612

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110620

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120620

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130620

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees