JP4688277B2 - 紫外線安定性樹脂積層体および紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物 - Google Patents

紫外線安定性樹脂積層体および紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線安定性樹脂積層体と、該積層体を製造する際に、紫外線遮蔽性樹脂層の形成に用いられる紫外線遮蔽層形成用の樹脂組成物に関し、特に、例えばポリカーボネート系樹脂やポリエステル系樹脂の如き紫外線劣化性の樹脂からなる基材の表面に、紫外線劣化防止のための紫外線遮蔽層と耐擦傷性向上のためのハードコート層が形成された積層体、および、該積層体を製造する際に、紫外線遮蔽層形成用として使用される樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートを初めとする樹脂フィルムや樹脂シート、樹脂板の如き樹脂部材は、透明性や耐衝撃性、耐熱性、難燃性等に優れていることから、道路建材や建築資材等に広く用いられており、今後もその用途ますます拡大していくことが期待されている。しかしながらそれらの樹脂は、一般に耐候性が不十分であり、特に紫外線に曝されることにより表面が劣化したり変色するといった問題がある。
【0003】
ところで、基材樹脂を劣化させる紫外線を樹脂部材表面に到達させないための方法として、例えば特公昭60−53701号公報、特公平2−37938号公報、特開平10−245521号公報、特開平11−58654号公報などには、プライマー層や表面硬化層等の表層に紫外線吸収剤を含有させ、表層で紫外線を吸収する方法が提案されている。また含有させた紫外線吸収剤によって表層の耐溶剤性等が劣化するのを防止し、更に密着性を向上させるため表面硬化層やプライマー層の組成を改良する方法も多数提案されている(例えば特公平1−7582号公報、特公平1−32246号公報、特公平1−18944号公報、特公平2−37938号公報など)。これらの方法により基材樹脂表面の紫外線による劣化はある程度抑えられる様になった。
【0004】
しかしながら、表面硬化層やプライマー層で紫外線を完全に遮断するためには、これらの層に紫外線吸収剤を多量に添加する必要があり、そのため表面硬化層やプライマー層が着色したり濁りを生じ、樹脂積層体全体として見たときに樹脂の特徴である透明性が損なわれ、あるいは更に、紫外線吸収剤がブリードアウトして外観劣化を起こしたり耐擦傷性を低下させるといった問題が生じてくる。
【0005】
一方、樹脂基材の表面硬度を高めて耐擦傷性を改善するための手段として、真空蒸着による無機質皮膜を形成したり、熱硬化型や紫外線硬化型のシリコン系皮膜、電子線や紫外線照射により硬化する有機系ハードコート層を形成する方法などが知られている。しかしこれらのハードコート層は、高硬度で優れた耐擦傷性を有している反面、ハードコート層形成過程で高架橋密度の皮膜を形成するための昇温・硬化過程で大きな硬化収縮を起こし、皮膜にクラック(以下、本明細書ではこの現象を「初期クラック」という)を生じることがある。
【0006】
また、上記の如きハードコート層がプライマー層を介して樹脂基材表面に形成されている場合、上記硬化収縮によって生じる硬化歪みがプライマー層にまで伝播し内部歪みとして蓄積され、時間の経過によりプライマー層を起点としてクラックが生じたり、あるいは樹脂基材との層間剥離を起こす原因になる。
【0007】
こうした問題を回避するための手段として、ハードコート層を薄膜化して加熱硬化時の硬化収縮を低減することも考えられるが、あまりに薄肉化するとハードコート層本来の表面硬質化効果が満足に発揮されなくなり、所望の耐擦傷性が得られなくなる。ハードコート層を形成する際に、薄膜塗装と加熱硬化を複数回繰り返して行なえば、ハードコート層全体としての硬化収縮量を低減できるが、作業が煩雑で長時間を要するため実用にそぐわない。
【0008】
そのため、上記の様な問題を生じることなく、樹脂基材の表面に硬質で耐擦傷性に優れたハードコート層を形成し得る様な技術の開発が求められているが、現状では満足し得る方法は提示されていない。
【0009】
例えば、特開平4−120181号公報には、アルコキシシリル基含有モノマーと紫外線吸収性モノマー、およびその他のアクリル系モノマーを特定比率で共重合せしめてなる共重合体からなるプライマーが開示されている。このプライマーは、共重合成分として紫外線吸収性モノマーが含まれているため、樹脂基材を紫外線から保護する作用を発揮し、しかもプライマー塗膜中に低分子量の紫外線吸収剤を混入した場合に見られる、該紫外線吸収剤のブリードアウトといった問題を生じることもなく、長期間に亘って優れた耐黄変性を得ることができる。そしてこの公報によれば、アルコキシシリル基含有モノマーの共重合比率を45質量%以下に抑えることにより、樹脂基材との密着性も改善される旨記述されている。
【0010】
ところが上記公報開示のプライマーでは、アルコキシシリル基含有モノマーの共重合比率が45質量%以下に抑えられているため、プライマー層上にハードコート層を形成する際の該ハードコート層の硬化収縮に追従できず、硬化歪みの蓄積による初期クラックの発生が回避できない。また熱可塑性樹脂基材に適用する場合は、使用環境の温度変化に応じた樹脂基材の膨張・収縮に応じてプライマー層やハードコート層も膨張・収縮を繰り返す特性が要求されるが、上記アルコキシシリル基含有モノマーの共重合比率が低く抑えられたプライマー層では、架橋密度が低いため膨張・収縮の繰り返しに耐え切れず、耐候性試験においてプライマー層にクラックが生じたり、あるいはハードコート層もろとも樹脂基材から剥離するといった問題を生じることがある。しかもアルコキシシリル基含有モノマーの共重合比率が低いため、近年特に要望が高まっている高度の耐擦傷性にも対応できない。
【0011】
一方、紫外線吸収層を構成するプライマー層についても、樹脂基材の光劣化抑制作用や紫外線吸収性能を高めるため厚肉化することが望まれるが、上記公報記載のプライマー層では、厚肉化するとそれ自体が初期クラックを起こし易くなる。そのため、上記公報記載のプライマー樹脂組成物で初期クラック防止作用と耐擦傷性や耐候性の双方を改善するには、プライマー層およびハードコート層のいずれについても均一に薄肉塗装しなければならないが、それらを均一に薄肉塗装することは意外に困難であり、塗装方法が著しく制限される。具体的には、通常のフローコート法を採用すると流し塗り方向に膜厚の傾斜ができ、厚膜部で初期クラックを生じる原因になる。こうした膜厚の傾斜を抑えるには適正な塗料粘度の調整が必要となるが、その調整は容易でなく、また流し塗り基材の長さも自ずと制限される。また、スピンコート法、浸漬法、ロールコート法、スプレーコート法などでは比較的均一な膜厚が得られ易いが、数μmの範囲内で膜厚をコントロールすることは容易でない。
【0012】
更に特開平7−286013号公報には、アルコキシシリル基含有モノマーと紫外線吸収性モノマー、およびその他のアクリル系モノマーを特定比率で共重合せしめてなる被覆用の樹脂組成物が開示されている。そしてこの公報には、被覆層の耐摩耗性や光沢などを改善するため、該樹脂皮膜上にコロイダルシリカとシロキサン樹脂を含む分散液からなるクリアー樹脂層を形成し得る旨の記述もみられる。しかし、該公報の実施例として示された被覆用樹脂組成物をプライマーとして使用しても、前記アルコキシシリル基含有モノマーの共重合比率が少ないため、先の公開公報に開示の技術と同様に初期クラックが起こり易く、耐候性試験でも皮膜にクラックを生じることが避けられない。また、最表層側に形成されるハードコート層とプライマー層との密着性も低いため、満足のいく耐擦傷性も得られ難い。更に当該樹脂組成物は、実質的に紫外線吸収能を有していないため、樹脂基材を紫外線から保護する機能は期待できない。
【0013】
更に特開平7-26155号公報には、アルコキシシリル基含有モノマーと紫外線吸収性モノマー、およびその他のアクリル系モノマーを特定比率で共重合せしめてなる共重合体と硬化触媒を含む硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしこの公報ではハードコート層の形成については触れられておらず、当該硬化性樹脂単独の塗膜では、本発明で意図するレベルの耐擦傷性は得られない。しかもこの樹脂組成物では、ごく少量の紫外線吸収性モノマーが含まれているだけで紫外線吸収能が不足するため、紫外線劣化が懸念される樹脂基材の保護皮膜として満足のいく効果は期待できない。皮膜を厚肉化することにより紫外線劣化防止作用を高めることも可能ではあるが、そうすると樹脂基材の機械的性質や透明性を劣化させる原因になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線によって変色(着色)や劣化を起こし易い樹脂基材の表面にハードコート層を形成し耐擦傷性などの改善された積層体を製造する際に、樹脂基材の紫外線劣化を防止しつつハードコート層の密着性を改善し、紫外線に対して安定で且つ耐擦傷性にも優れた樹脂積層体を提供すると共に、該積層体の製造に好適に使用される紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る紫外線安定性樹脂積層体とは、紫外線劣化性樹脂基材の表面側に、紫外線遮蔽層を介してハードコート層が形成された紫外線安定性積層体であって、上記紫外線遮蔽層は、下記モノマー成分を重合してなる共重合体を含有するところに要旨を有している。
(1)反応性シリル基を有するモノマー:50〜90質量%、
(2)紫外線吸収性基を有するモノマー:10〜50質量%、および
(3)その他のモノマー:0〜40質量%。
【0016】
本発明の積層体を構成する上記紫外線遮蔽層においては、上記(3)のモノマー成分の一部として、(4)紫外線安定性基を有するモノマーを、全モノマー成分を100質量%としたときに0.1〜15質量%となる様に含有させて共重合させ、或いは紫外線遮蔽層内に添加型の紫外線安定剤を適量含有させれば、紫外線遮蔽層自体の紫外線安定性を高めてその劣化を抑制することができ、積層体としての性能を一段と高めることができるので好ましい。
【0017】
また本発明において、上記反応性シリル基を有するモノマーとして好ましく用いられるのは、加水分解性シリル基を有するものである。また前記ハードコート層としては、上記紫外線遮蔽層を構成する共重合体の主成分となる反応性シリル基を有するモノマー成分の特徴を活かして高レベルの密着性を確保する意味から、シリコン系の硬化性樹脂主体のものが好ましく使用される。
【0018】
また、本発明にかかる紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物とは、上記積層体における紫外線遮蔽層を形成するための樹脂組成物を提供するもので、下記モノマー成分を重合してなる共重合体を含有するところに要旨を有している。
(1)反応性シリル基を有するモノマー:50〜90質量%、
(2)紫外線吸収性基を有するモノマー:10〜50質量%、および
(3)その他のモノマー:0〜40質量%。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、例えばポリカーボネート系樹脂などが本来有している優れた透明性や耐衝撃性等の特性を保ちながら、従来問題とされていた紫外線劣化を防止すると共に、耐擦傷性などを改善するためハードコート層を形成し、紫外線に対して安定で且つ耐擦傷性にも優れた樹脂積層体を製造する際に、基材樹脂の紫外線劣化を防止するため優れた紫外線遮蔽性を有し、しかも基材樹脂の表面側に形成するハードコート層に対し優れた密着性を発揮して、高品質の紫外線安定性樹脂積層体を与えると共に、ハードコート層形成時に生じる初期クラックや、使用時に生じるクラックや剥離などについても可及的に抑えることのできる紫外線遮蔽層を明らかにすべく鋭意検討した。その結果、上記の如く、反応性シリル基を有するモノマーと紫外線吸収性基を有するモノマー、あるいは更にその他の共重合反応性モノマーを特定比率で共重合せしめてなる共重合体を含む紫外線遮蔽層は、前述した要求特性に合致するものになるとの知見を得、本発明をなすに至ったのである。
【0020】
従って本発明にかかる紫外線安定性積層体の特徴は、紫外線劣化性の樹脂基材を対象とし、その表面側にハードコート層を形成する際に、該ハードコート層の下層側に形成されて樹脂基材への紫外線を遮断する遮蔽層を形成してなるところに特徴を有している。そして特に、上記紫外線遮蔽層を構成する素材として、反応性シリル基を有するモノマーと紫外線吸収性基を有するモノマーを特定の比率で含有し、あるいは更にその他のモノマーを特定比率で重合して得られる共重合体を使用するところにあり、これらモノマーの種類とその含有比率を特定し、得られる共重合体を主成分とする紫外線遮蔽層をハードコート層と隣接して形成することによって、ハードコート層形成時に生じる初期クラックや、使用時に生じるクラックや剥離などについても可及的に抑えることができ、紫外線に対して安定でしかも最表層部は耐擦傷性の卓越した積層体を得ることに成功したものである。また上記紫外線遮蔽層は、ハードコート層との間の優れた密着性により優れた耐擦傷性が発現し、また基材樹脂に対し直接積層した場合でも、基材樹脂層との優れた密着性により長期間の使用による樹脂基材の膨張・収縮に対しても耐えることができ、更には該紫外線遮蔽層自身あるいはハードコート層のクラックや剥離などを可及的に抑制することに成功したものである。
【0021】
なお本発明の紫外線安定性積層体とは、樹脂基材の表面に紫外線遮蔽層とハードコート層を直接積層形成した3構造層のものが基本となるが、この他、樹脂基材の表面に接着性向上のためのプライマー層、印刷層、熱線遮蔽層などを介して前記紫外線遮蔽層とハードコート層を形成した4層構造以上の多層構造の積層体を包含する。
【0022】
従って本発明の紫外線安定性樹脂積層体を製造する方法としては、樹脂基材の表面に前記紫外線遮蔽層を形成してからその上にハードコート層を形成する方法、あるいは樹脂基材の表面にプライマー層や印刷層、熱線遮蔽層などを形成した後、その上に紫外線遮蔽層とハードコート層を形成する方法が包含される。
【0023】
また、ハードコート層と隣接して形成させた紫外線遮蔽層の層構造の状態であるが、本発明における特定の紫外線遮蔽層とハードコート層との間の優れた密着性や、ハードコート層形成時に生じる初期クラックや使用時に生じるクラック、剥離などについても可及的に抑える効果に影響を及ぼさない限り、基材と熱線遮蔽層との間に他の層が介在しても構わない。しかし本発明における効果の要因である「特定の紫外線遮蔽層とハードコート層との間の優れた密着性」のためには、ハードコート層と隣接して形成させた紫外線遮蔽層の層構造の状態が、直接積層されている状態であることが好ましい。
【0024】
本発明において、紫外線遮蔽層あるいは該遮蔽層形成用樹脂組成物の主成分となる共重合体のモノマー成分として用いられる反応性シリル基を有するモノマーとして好ましいのは、分子中に重合性二重結合と加水分解性シリル基を有するものであり、より具体的には、下記一般式(1)〜(3)で示される少なくとも1種のモノマーが単独で或いは2種以上を組合わせて使用される。ここで、加水分解性シリル基とは、加水分解反応によってシラノール基を生成する官能基である。
【0025】
【化1】
Figure 0004688277
【0026】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数1〜6の炭化水素基を表わし、aは1〜3の整数、bは0または1を表わす)
【0027】
【化2】
Figure 0004688277
【0028】
(式中、R3は前記R2と同じ意味もしくはアルキルオキシアルキル基を表わし、cは0または1を表わす)
【0029】
【化3】
Figure 0004688277
【0030】
(式中、R4はR2と同じ意味、dは0または1を表わす)。
【0031】
前記一般式(1)で示されるモノマーは、加水分解性のアルコキシシリル基を有するアクリル系モノマーであり、該一般式(1)において、式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜6の炭化水素基(メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;ビニル基、イソプロペニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基を含む)、aは1〜3の整数、bは0または1を表わす。
【0032】
該アルコキシシリル基を有するアクリル系モノマーの具体例としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロペノキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリブトキシシラン等が例示される。
【0033】
これらの中でも、取り扱い易さや反応性、架橋密度などを考慮して特に好ましいのは、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシトリエトキシシランである。
【0034】
また前記一般式(2)で示されるモノマーは、加水分解性のアルコキシシリル基を有するビニル官能性化合物、前記一般式(3)で示されるモノマーは、ビニル官能性アルコキシシラン化合物であり、これら一般式(2),(3)において、式中、R3、R4は前記R2と同じ意味もしくはアルキルオキシアルキル基を意味し、c、dは0または1を表わすビニル官能性モノマーである。
【0035】
これらビニル官能性モノマーの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)、3−ビニルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−ビニルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ビニルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが例示されるが、これらの中でも取り扱い易さや反応性を考慮して特に好ましいのは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−ビニルオキシプロピルトリメトキシシランなどである。
【0036】
これら加水分解性シリル基を有するモノマーを共重合成分として使用することで、紫外線遮蔽層を構成する共重合体に、加水分解反応によって生成したシラノール基同士が縮合反応して架橋し、これにより熱硬化性が付与され、薄膜としたときの機械的特性や耐候性を高める。特に、特定量以上の加水分解性シリル基含有モノマー成分が含まれる共重合体を含む紫外線遮蔽層であれば、ハードコート層の昇温・硬化過程で生じる大きな硬化収縮に追従できるため初期クラックが抑制される。特に紫外線遮蔽層やハードコート層が厚肉化された場合でも初期クラックが起こり難く、耐候性試験においてもクラックを生じることのない積層体となる。更にハードコート層との密着性がより強固となって耐擦傷性も飛躍的に改善される。また、樹脂基材に対し該紫外線遮蔽層を直接接して形成する際の基材樹脂との密着性も強固となるため、長期間使用による樹脂基材の膨張・収縮にも追従できる。
【0037】
加水分解性シリル基を有するモノマーと共重合される紫外線吸収性基を有するモノマーとしては、分子中に重合性二重結合と紫外線吸収性基を同時に有する全てのモノマーを使用できるが、本発明において特に好ましく用いられるのは、下記一般式(4)、(5)、(6)で表される紫外線吸収性基を有するモノマーから選ばれる少なくとも1種であり、これらのモノマーを共重合成分とし使用することにより、得られる共重合体に紫外線吸収能が付与されると共に、樹脂基材の紫外線劣化防止作用を更に高めることができる。
【0038】
【化4】
Figure 0004688277
【0039】
(式中、R5は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R6は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基またはニトロ基を表し、R7は炭素数1〜12の直鎖状もしくは枝分れ鎖状のアルキレン基または−O−R9−(R9は炭素数2または3の直鎖状もしくは枝分れ鎖状のアルキレン基を合わす)を表し、R8は水素原子またはメチル基を表す)で表されるベンゾトリアゾール化合物。
【0040】
【化5】
Figure 0004688277
【0041】
(式中、R8は上記と同じ意味を表し、R10は炭素数1〜12の直鎖状もしくは枝分れ鎖状のアルキレン基を表し、R11は水素原子または水酸基を表し、R12は水素原子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表す)で表されるベンゾフェノン化合物。
【0042】
【化6】
Figure 0004688277
【0043】
(式中、R8は上記と同じ意味を表し、R13は直接結合、−(CH2CH2O)n−または−CH2CH(OH)−CH2O−を表し、nは1〜5の整数を表す。R14,R15,R16,R17,R18,R19,R20,R21は各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、アルケニル基、アルキル基を表す)で表されるトリアジン化合物。
【0044】
従ってこの共重合体を主成分とする薄膜は、それ自身で優れた紫外線遮蔽性を示し、基材の紫外線劣化を防止する作用を発揮する。従って、この共重合体よりなる薄膜を樹脂基材とハードコート層の間に形成すると、紫外線が樹脂基材に達する前に当該遮蔽層で吸収され、紫外線による樹脂基材の劣化や変色を抑えることが可能となる。しかも、添加型紫外線吸収剤を配合した従来材の如く紫外線吸収剤がブリードアウトすることもないので、紫外線遮蔽性能の持続性が高められると共に、その上に形成されるハードコート層との密着性も良好である。
【0045】
上記共重合体を主成分とする紫外線遮蔽層には、耐候性試験におけるクラック防止の観点から、紫外線安定剤が含まれていることが好ましい。特に好ましいのは、共重合体を構成するモノマー成分として紫外線安定性基を有するモノマーの1種以上を共重合させたものであり、それにより共重合体の耐候性を一層高めることができるので好ましい。
【0046】
ここで用いられる紫外線安定性基を有するモノマーとしては、分子中に重合性二重結合と紫外線安定性基を同時に有するものであればその種類は構わないが、中でも特に好ましいのは、下記一般式(7)や(8)で示される紫外線安定性基を有するモノマーである。
【0047】
【化7】
Figure 0004688277
【0048】
(式中、R22は水素原子またはシアノ基を表し、R23、R24はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、R25は水素原子または炭化水素基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)
【0049】
【化8】
Figure 0004688277
【0050】
(式中、R22は水素原子またはシアノ基を表し、R23、R24、R23'、R24'はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Yは酸素原子またはイミノ基を表す。)。
【0051】
前記一般式(4)で表されるモノマーの好ましい具体例としては、例えば2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2'−ヒドロキシ−5'−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3'−tert−ブチルフェニル〕−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0052】
また前記一般式(5)で示されるベンゾフェノン化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]ブトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンなどを挙げることができる。
【0053】
また前記一般式(6)で示されるトリアジン化合物の具体例としては、例えば2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジンなどを挙げることができる。
【0054】
上記一般式(4)、(5)、(6)で示されるモノマー成分は、各々化合物特有の紫外線吸収特性を有しているため、紫外線により劣化する樹脂基材の種類、あるいは、紫外線遮蔽層及びハードコート層が積層された樹脂基材に求められる紫外線安定化性能に応じて単独で使用し、あるいは2種以上を適宜組合わせて使用できる。また、一般式(4)、(5)、(6)で示されるモノマー成分を各々単独重合し、もしくは2種以上を適宜共重合することによって得られる重合体を、単独で或いは2種以上をブレンドして紫外線遮蔽層中に含有させることもできる。
【0055】
具体的には、各種高分子樹脂基材は固有の劣化波長を有しているため、例えばポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹脂基材に適用する場合、これらの樹脂基材は280〜370nmの紫外線で最も劣化するため、一般式(6)で示されるトリアジン系化合物単独使用よりも、一般式(5)で示されるベンゾフェノン系化合物の単独使用や、一般式(4)で示されるベンゾトリアゾール系化合物単独使用の方が好ましく、更に好ましくは、一般式(6)のトリアジン化合物との2種併用が有効である。
【0056】
更に、本発明で必要により共重合することのできる前記一般式(7)、(8)で示されるモノマーにおいて、式中、R22で示される置換基は水素原子またはシアノ基、R23、R24、R23'、R24'で示される置換基はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R25で示される置換基は水素原子または炭化水素基、Yで示される置換基は酸素原子またはイミノ基であるピペリジン類である。
【0057】
前記一般式(7)で表される紫外線安定性基を有するモノマーのより具体的な例としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが非限定的に挙げられ、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組合わせて使用しても構わない。
【0058】
前記一般式(8)で表されるモノマーのより具体的な例としては、例えば1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが非限定的に挙げられ、これらも単独で使用し得る他、必要により2種以上を適宜組合わせて使用してもよい。
【0059】
本発明において、紫外線遮蔽層中に含有させることのできる上記紫外線安定剤として好ましいのは、立体障害ピペリジン化合物であり、例えば市販品としては、「チヌビン123」、「チヌビン144」、「チヌビン765」(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「アデカスタブLA−52」、「アデカスタブLA−57」、「アデカスタブLA−62」、「アデカスタブLA−77」(いずれも旭電化工業社製)等が挙げられるが、特に好ましいのは、前述した分子中に重合性二重結合を有する立体障害ピペリジン化合物である。
【0060】
次に本発明において、上記共重合体中に占める前記反応性シリル基を有するモノマーの全モノマー中に占める比率は、薄膜構成材としての機械的・化学的特性を高めると共に、ハードコート層との密着性や初期クラック防止作用、耐候性試験におけるクラック防止作用、耐擦傷性を高めることの必要上、共重合比率を50〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましい下限は55質量%、より好ましい上限は80質量%である。
【0061】
ちなみに、反応性シリル基を有するモノマーの共重合比率が50質量%未満では、ハードコート層との密着性向上効果が不十分になるばかりでなく、初期クラック抑制作用、耐候性試験におけるクラック防止作用、耐擦傷性も不十分となる。逆に共重合比率が90質量%を超えると、紫外線吸収性モノマー成分量が少なくなるため紫外線遮蔽効果が不十分となり、また共重合体の合成時にゲル化し易くなる傾向が生じてくる。
【0062】
該共重合体を得る際の前記紫外線吸収性基を有するモノマーの使用量は、共重合体を構成する全モノマー成分中に占める比率で10質量%以上、50質量%以下が好ましく、より好ましくは、下限側が15質量%、更に好ましくは22%、上限側が45質量%である。紫外線吸収性基を有する該モノマーの共重合比率が10質量%未満では、薄膜としたとき、或いは樹脂基材上に紫外線遮蔽層として形成したときの紫外線遮蔽効果が不十分になるため膜厚を厚くしなければならなくなり、樹脂基材が本来有している機械的、光学的特性の低下が避けられなくなる。逆に50質量%を超えて過多になると、反応性シリル基含有モノマーの共重合量が少なくなるため初期クラックが起こり易くなり、また基材樹脂やハードコート層との密着性や耐擦傷性を低下させる恐れが出てくる。
【0063】
また、前記一般式(7)、(8)で表されるモノマー成分の使用量は特に限定されないが、紫外線遮蔽層を構成する前記共重合体中に占める比率で0.1〜15質量%とすることが望まれる。より好ましい範囲は、下限側が0.5質量%、更に好ましくは1質量%、上限側が5質量%、好ましくは3質量%である。紫外線安定性基を有するモノマー成分の合計使用量が0.1質量%未満では、紫外線遮蔽層の耐候性試験におけるクラック防止効果が不足気味となり、他方15質量%を超えると、紫外線遮蔽層の機械的物性低下を招く恐れが生じてくる。
【0064】
紫外線遮蔽層中に共重合体と共に紫外線安定剤を配合する場合の好ましい配合量は、紫外線遮蔽層の主成分である前記共重合体100質量%に対して0.1〜15質量%の範囲が好ましい。ちなみに、0.1質量%未満では耐候性試験におけるクラック防止作用が有効に発揮され難く、逆に15質量%を超えて過度に添加するとブリードアウトし易くなり、ハードコート層との層間密着性や耐擦傷性を低下させる原因になる。
【0065】
本発明の前記共重合体には、前記モノマー成分以外の更に他の共重合可能な反応性モノマーも、紫外線遮蔽層に求められる紫外線吸収能やハードコート層との密着性などを阻害しない範囲であれば1種または2種以上を共重合することができる。それら他のモノマー成分としては、共重合体の耐候性や樹脂基材との密着性などの観点から、下記一般式(9)で表されるモノマーが好ましいものとして例示される。
【0066】
【化9】
Figure 0004688277
【0067】
(式中、R26は水素原子またはメチル基を表わし、Zは炭素数が4以上の炭化水素基を表わす)。
【0068】
上記式中、Zで表される置換基はシクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロドデシル基などの炭素数4以上の脂環式炭化水素基;ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基など炭素数4以上の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基;ボルニル基、イソボルニル基などの炭素数4以上の多環式炭化水素基であり、中でも脂環式炭化水素基、分枝鎖状アルキル基、炭素数6以上の直鎖状アルキル基が好ましい。
【0069】
上記一般式(9)で表されるモノマーのより具体的な例としては、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが非限定的に挙げられ、これらの1種または2種以上が使用できる。
【0070】
これら一般式(9)で表されるモノマーの使用量も特に限定されないが、前記共重合体中に占める比率で、好ましくは40質量%以下、より好ましくは5〜35質量%、更に好ましくは5〜30質量%の範囲である。該モノマーは、特に基材樹脂層に対する密着性を高める上で有効に作用するが、使用量が40質量%を超えると、相対的に反応性シリル基を有するモノマーや紫外線吸収性基を有するモノマーの比率が少なくなり、紫外線遮蔽層の耐候性向上作用やハードコート層との密着性向上作用が有意に発揮され難くなる。
【0071】
共重合可能な上記他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等の酸性リン酸エステル系モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル化学工業株式会社製;商品名「プラクセルFM」)等の活性水素を持った基を有するモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N,N'−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の含窒素モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2個の重合性二重結合を有するモノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノマー;ビニルエーテル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これら他のモノマーも、単独で使用し得る他、必要により2種以上を併用できる。
【0072】
上記共重合体を製造する際の重合方法にも格別の制限はなく、従来公知の重合法、例えば溶液重合法、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法などを使用できる。溶液重合法を採用してモノマー成分を重合する際に用いられる溶媒としては、トルエン、キシレン、その他の芳香族系溶媒;iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミドなどを使用できる。もちろん使用する溶媒の種類はこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合溶媒として使用してもよい。溶媒の使用量は、得られる共重合体の濃度などを考慮し適宜に定めればよい。
【0073】
また前記モノマー成分を共重合させる際には、通常重合開始剤が使用されるが、重合開始剤としては、たとえば2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。重合開始剤の使用量は、要求される共重合体の要求特性などに応じて適宜決定すべきもので特に限定はないが、モノマー成分全量に対し0.01〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜20質量%の範囲である。
【0074】
また、必要に応じて例えばn−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33、(CH3O)3Si−S4−Si(OCH33の如き連鎖移動剤の1種以上を添加し、共重合体の分子量を調整することも有効である。加水分解性シリル基を分子中に有する連鎖移動剤、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどをモノマー混合溶液に連続添加すれば、分子量調節作用と同時にビニル系モノマーの末端に加水分解性シリル基を導入することができるので好ましい。
【0075】
反応温度も特に限定されないが、室温〜200℃の範囲が好ましく、40〜140℃がより好ましい。なお反応時間は、用いるモノマー成分の組成や重合開始剤の種類などに応じて、重合反応が効率よく完結し得るように適宜設定すればよい。
【0076】
該共重合体の分子量(Mw)も特に限定されないが、質量平均分子量で2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは4,000〜250,000の範囲である。ここでいう質量平均分子量とは、ポリスチレン標準GPCで測定した値を意味する。
【0077】
当該紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物の塗布は、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコート、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、バーコート、静電塗装などの方法により行うことができる。
【0078】
本発明において樹脂基材として使用される紫外線により劣化する樹脂とは、紫外線により主鎖が切断して分子量低下や架橋によるゲルの形成、化学構造の変化を来たし、機械強度、黄変、透明性などの物性低下を起こす樹脂であり、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の紫外線により光劣化する樹脂基材を挙げることができる。また、該樹脂基材の形状や製法はどのようなものでもよく特に限定はないが、汎用性の高いのは平板状や曲板状、波板状などの板状あるいはフィルム状のものである。また、木目印刷などの印刷を施した意匠性のある樹脂基材を使用することも可能である。
【0079】
紫外線遮蔽層または該遮蔽層形成用樹脂組成物を構成する前記共重合体は、その分子中に導入された反応性シリル基の存在によって硬化反応性を示すが、更なる硬化促進のために硬化触媒を使用することも有効である。硬化触媒としては、例えばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステル;アルキルチタン酸塩;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムの様な有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムの様な有機ジルコニウム化合物;酢酸、プロピオン酸、マレイン酸およびこれらの酸無水物、パラトルエンスルホン酸等の酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどのアミン類;これらアミンと酸性リン酸エステルとの混合物または反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物などが非限定的に例示される。
【0080】
これら硬化触媒の中でも好ましいのは、触媒活性の特に高い有機スズ化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンの混合物または有機酸との混合物、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸またはその酸無水物、反応性シリコン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物またはこれらの混合物などである。
【0081】
これら硬化触媒の好ましい使用量は、共重合体中の反応性シリル基を有するモノマー単位に対して0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜3質量%の範囲である。
【0082】
シリコーン樹脂として、後述する様なアルコキシシランを出発原料とし、加水分解しても得られる樹脂を使用する場合、これらに含まれる水分やシラノール基縮合触媒も紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物の硬化触媒となる。そのため、紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物の乾燥条件の選択により、その上に積層されるハードコート層に含まれる硬化触媒が紫外線遮蔽層へしみ込み、紫外線遮蔽層の硬化を促進するばかりでなく、ハードコート層との密着性が向上する。例えば、紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物を基材に塗布してからハードコート層を積層して加熱硬化させる2コート1ベーク法の場合、耐候クラック性、耐候密着性が向上する。
【0083】
また反応性シリル基の導入された前記共重合体を含む上記紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物中には、保存時の加水分解とそれによる貯蔵安定性の低下を抑えるため、必要により脱水剤を含有させておくことも有効である。かかる脱水剤としては、例えばオルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケートなどの加水分解性エステル化合物等が非限定的に挙げられ、これらは1種または2種以上を使用できる。これらの加水分解性エステル化合物は、反応性シリル基を有するビニル系モノマーを共重合成分として含む場合は、共重合前、共重合中あるいは共重合後の何れの段階で加えても構わない。
【0084】
紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物として用いられる共重合体は上記の通りであるが、該共重合体を紫外線遮蔽層形成剤として実用化する際には、共重合反応により少なくとも反応性シリル基と紫外線吸収性基が導入された該共重合体と共に、他の重合体を併用することも可能である。かかる他の重合体としては、熱可塑性重合体、もしくは重合体自身の作用あるいは架橋剤によって架橋硬化する熱硬化性重合体が例示される。これら他の重合体の種類や使用量は、紫外線安定性樹脂積層体の用途や要求特性などに応じて適宜決定すればよい。当該他の重合体としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂等の熱可塑性重合体;ウレタン樹脂、アミノプラスト樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂等の如き単独硬化型の熱硬化性重合体;ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の如き硬化剤によって硬化する熱硬化性重合体を挙げることができる。
【0085】
紫外線遮蔽層中に含まれる該共重合体は、紫外線遮蔽層または紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物を構成する樹脂100質量%に50質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれていることが望ましい。50質量%未満では、初期クラックやハードコート層との密着性が不足気味となり、その結果として耐擦傷性や耐候性も不十分となる。
【0086】
該共重合体を含む紫外線遮蔽層形成剤を薄膜状に塗布して硬化させる場合、硬化温度は、紫外線遮蔽層形成剤の主成分である前記重合体に含まれる架橋性官能基の種類、使用量、使用する硬化触媒の種類、樹脂基材の耐熱性によって異なるが、一般的には室温〜200℃の温度で硬化するのが好ましい。
【0087】
紫外線遮蔽層の厚さは、Lambert−Beerの法則により共重合される紫外線吸収剤量に依存するため、紫外線安定性樹脂積層体に要求される耐候性や紫外線遮蔽性能を満足する範囲であれば特に限定されないが、特に紫外線遮蔽層として形成する際の好ましい厚さは40μm以下、より好ましくは0.5〜20μm、更に好ましくは2〜10μmである。厚さが40μmを超えると、樹脂基材が本来有している機械的および光学的特性を低下させるといった問題を起こし易くなる。逆に厚さが0.5μm未満では、基材上への均一塗工が困難となり、また紫外線吸収能も不十分になることがある。
【0088】
本発明の紫外線安定性樹脂積層体は、前述の如く樹脂基材の表面に直接、もしくは接着改善層(プライマー層など)や印刷層、熱線遮蔽層、粘着層などを介して形成した前記紫外線遮蔽層の更にその上に、耐擦傷性や表面硬度を高めるためハードコート層が形成されたものである。よって本発明の紫外線安定性積層体を得るために、前述の如く樹脂基材の表面に前記紫外線遮蔽層を形成もしくは塗工し、更にその上に耐擦傷性や表面構造を高めるためにハードコート層を形成あるいは塗工する方法は、好ましい実施形態である。
【0089】
該ハードコート層は、最終積層製品としての表面硬度を高めて耐擦傷性を改善するために形成されるもので、ハードコート層を構成する樹脂の種類は、高硬度で耐擦傷性向上作用を有する一般に硬化型の樹脂であればその種類の如何は特に問わず、シリコーン系硬化性樹脂や有機系硬化性樹脂などを使用できる。しかし、前述した紫外線遮蔽層のハードコート層との密着性、耐擦傷性、耐初期クラック性、耐候クラック性などの向上効果を有効に活用する上で特に好ましいのはシリコン系硬化性樹脂である。シリコン系硬化性樹脂とは、シロキサン結合を持った硬化性の樹脂であり、例えばトリアルコキシシランやテトラアルコキシシランまたはそれらのアルキル化物の部分加水分解物、メチルトリアルコキシシランやフェニルトリアルコキシシランの混合物を加水分解したもの、コロイド状シリカ充填オルガノトリアルコキシシランの部分加水分解縮合物等が挙げられる。市販品としては、例えば「Siコート2」(大八化学社製);「トスガード510」、「UVHC8553」、「UVHC8556」、「UVHC8558」(以上、東芝シリコーン社製);「KP−851」、「KP−854」、「X−12−2206」、「X−12−2400」、「X−12−2450」(以上、信越シリコーン社製);「ソルガードNP720」、「ソルガードNP730」、「ソルガードRF0831」(以上、日本ダクロシャムロック社製)等が例示される。
【0090】
また有機系硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、多官能アクリル樹脂等が挙げられ、多官能アクリル樹脂としては、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の樹脂が好ましいものとして例示される。
【0091】
特にハードコート層がシリコーン系樹脂の場合、硬度や耐擦傷性、耐候性の性能レベルに応じて、前述した有機系硬化性樹脂や紫外線遮蔽層の主成分である前記共重合体をブレンドすることもできるが、ハードコート層を構成する樹脂100質量%に対しシロキサン結合を持った硬化性の樹脂が60質量%以上含まれ、好ましくは80質量%以上含まれていることが望ましい。ちなみに60質量%未満では、硬度や耐擦傷性、耐候性不足となるからである。
【0092】
また、本発明において使用される前記紫外線遮蔽層形成剤、あるいは上記ハードコート層形成剤中には、前述した構成成分以外に他の種々の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、シラン、チタネート、アルミネート系のカップリング剤が挙げられ、シランカップリング剤としては、例えば日本ユニカー社製の「A−187」、「A−189」、「A−1100」、「A−1120」等が挙げられる。また、塗料などの層形成用組成物に一般に使用されるレベリング剤、酸化防止剤、タルクなどの充填剤、防錆剤、蛍光性増白剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、増粘剤などを含むものであってもよく、更には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系などの紫外線吸収剤や紫外線安定剤を含むものであっても構わない。
【0093】
また、ハードコート層の耐擦傷性や耐汚染性を更に高めるため、コロイド状に分散したシリカゾルやアルミナなどを紫外線遮蔽層あるいはハードコート層に含有させることも有効である。これらの市販品としては、たとえば「Nalcoag 1034A」(米国ナルコケミカル社製)、「Cataloid−OSCAL−1432」(触媒化成工業社製)、「スノーテックスC」(日産化学工業社製)などが挙げられる。また、特開平7−178335号公報や同9−302257号公報に記載されているような無機微粒子の表面に有機ポリマーが固定された複合無機微粒子を添加することもできる。
【0094】
上記紫外線遮蔽層形成剤の使い方としては、紫外線により劣化する樹脂基材を保護する場合と、内容物の紫外線劣化を防ぐ場合がある。前者の場合は、紫外線により劣化する樹脂基材、あるいは紫外線により劣化する印刷層が施された樹脂基材の片面あるいは両面に紫外線遮蔽層を形成し、更にその上に耐擦傷性や高硬度付与のためのハードコート層を形成して使用される。また後者の場合も、前者の場合と同じ構成の積層体として使用されるが、更に、積層構造内に熱線遮蔽層を設け、例えば建築物の樹脂窓ガラスに応用すれば、室内の家具などの紫外線劣化を防ぐと共に、室内の温度上昇を防いで冷暖房費の節減にも有効となる。
【0095】
熱線遮蔽機能を持たせるには、例えば、前述した樹脂基材を成形する際に、熱線遮蔽性物質を練り込んでから成形加工することにより熱線遮蔽機能を与えたフィルムやシート状の樹脂基材を使用したり、あるいは、予め成形した樹脂基材の片面もしくは両面に、熱線遮蔽性物質を含む塗剤を塗布することによって熱線遮蔽層を形成し、更にその上に紫外線遮蔽層とハードコート層を形成することも有効である。
【0096】
ここで用いられる熱線遮蔽性物質としては、近赤外線領域(700〜1800nm)に吸収を有する物質であれは特に制限されないが、用途によっては、可視光領域(400〜700nm)での着色が少なく且つモル吸光係数の大きいものが望ましく、それらの物質を1種もしくは2種以上組合わせて使用できる。また用途によっては可視光線領域の調色を行なったり、目的とする色に着色するために可視光線領域に吸収のある物質を含有させることもできる。
【0097】
該熱線遮蔽性物質としては、有機系熱線遮蔽性物質と無機系熱線遮蔽性物質が挙げられる。
【0098】
好ましい有機系熱線遮蔽性物質としては、例えば金属錯体化合物、フタロシアニン、ナフタロシアニン、アミニウム塩、アントラキノン、ナフトキノンなどが挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、フタロシアニン骨格の少なくとも1個以上、好ましくは4個以上に窒素原子が結合したフタロシアニン(例えば、フェニルアミノ基やアルキルアミノ基で置換されたフタロシアニン)である。更には、特開平5−345861号公報、特開平6−264050号、特開平6−25548号などに記載されたフタロシアニン等も好ましく使用できる。
【0099】
また、無機系熱線遮蔽性物質の種類も特に制限されず、例えば金属、金属窒化物、金属酸窒化物、金属炭化物、金属酸化物等が挙げられるが、無機系熱線遮蔽性物質としては分散媒体への溶解性が良好で耐候性を有しているものが好ましいので、金属酸化物の微粒子が特に好ましく使用される。かかる好ましい金属酸化物としては、酸化インジウムあるいはこれにIV価金属元素及び/又はFを含有させた酸化インジウム系酸化物;酸化スズ或いはこれにV価金属元素及び/又はFを含有させた酸化スズ系酸化物;酸化亜鉛にIIIB族金属元素やIVB族金属元素などのIII価金属元素、FおよびCの少なくとも1つの元素を含有させた酸化亜鉛系酸化物;スズ酸カドミウムなどの金属酸化物が例示される。
【0100】
これら有機系および無機系熱線遮蔽性物質の使用量は、使用目的や使用する物質のモル吸光係数の違い、更には有機系および無機系熱線遮蔽性物質の組み合わせなどによっても変わってくるので画一的に決められるものではないが、通常は基材樹脂に対して熱線遮蔽性物質の総使用量で0.001〜100g/m2の範囲から選択される。特に好ましい使用量は0.05〜30g/m2の範囲である。
【0101】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお下記実施例および比較例において、「部」および「%」とあるのは、質量部または質量%を表す。
【0102】
[合成例]
(紫外線遮蔽層形成剤の合成例1)
攪拌機、滴下口、温度計、冷却管および窒素ガス導入口を備えた500mlのフラスコに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン90g(信越化学工業社製、商品名「KBM503」)、2−[2’―ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学製、商品名「RUVA93」)10g、ダイアセトンアルコール120gを仕込み、窒素ガスを導入して攪拌しながら110℃に昇温させる。これに、開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0gとダイアセトンアルコール30gの混合物を2時間かけて滴下し、滴下後さらに4時間加熱することにより、不揮発分濃度が39.8%の共重合樹脂溶液を得た。なお、この共重合体の質量平均分子量は52,000であった。この反応性シリル基を有する紫外線吸収性共重合体(溶液)を共重合体1とする。表1にモノマーの種類などと配合量、および得られた共重合体1の特性を示す。
【0103】
(合成例2〜14)
表1に示すモノマー組成など及び配合量で、上記合成例1と同様にして共重合樹脂溶液を製造し、それらの特性を表1に併記した。製造した共重合体(溶液)を夫々共重合体2〜14とする。
【0104】
【表1】
Figure 0004688277
【0105】
(熱硬化型シリコンハードコート剤Aの合成)
攪拌機、滴下口、温度計、冷却管を備えた1000mlのフラスコに、メチルトリエトキシシラン164部とイソブタノール46部を仕込み、氷冷下に攪拌しながら5℃以下に維持し、これに、5℃以下に冷却したコロイダルシリカの水分散液(SiO2、20%含有)138部を滴下口から滴下し、氷冷下に2時間、更に20〜25℃で8時間攪拌する。その後、ジアセトンアルコール45部とイソブタノール50部を添加し、次いで10%プロピオン酸ナトリウム水溶液を1.5部添加した後、酢酸でpH6〜7に調整する。次いで、得られた溶液の不揮発分濃度が15%となる様にイソブタノールを加えて濃度調整し、常温で3日間熟成してハードコート剤Aを製造する。
【0106】
実施例1
前記合成例1で得た共重合体1の100gをダイアセトンアルコールで不揮発分濃度15%に希釈し、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、商品名「ルミラーT」)にバーコーターで乾燥厚さが約5μmとなる様に塗工し、室温で10分間乾燥した後、120℃で20分間加熱乾燥させる。その後、前記で得た熱硬化型シリコンハードコート層形成剤をバーコーターで約5μmとなる様に塗工した後、室温で10分間乾燥した後、120℃で60分間加熱乾燥して樹脂積層体を得る。得られる積層体(ポリエチレンテレフタレート積層フィルム)を下記項目について評価する。
【0107】
(1)初期クラック
ハードコート層を積層し、焼き付け乾燥後の塗膜外観を下記の基準に従って評価する。
〇;異常なし、△;僅かにクラックあり、×;塗膜全面にクラックあり。
【0108】
(2)1次密着性
JIS K5400(1990)8.5.2(碁盤目テープ法)に準拠して密着性試験を行ない、塗膜外観を下記の基準で評価する。
○;異常なし、△;紫外線遮蔽層と基材間で僅かに剥離、×;紫外線遮蔽層と基材間で完全に剥離。
【0109】
(3)耐水性
前記(1)と同様にして紫外線遮蔽層およびハードコート層を形成した積層フィルムを、60℃の温水中に7日間浸漬し後、前記(2)と同様にして密着性評価試験を行ない、下記の基準で耐水密着性と塗膜外観を評価する。
[耐水密着性の評価]
○;異常なし
△;紫外線遮蔽層と基材間でわずかに剥離
×;紫外線遮蔽層と基材間で完全に剥離
[塗膜外観の評価]
〇;異常なし
×;つや引け、変色、ふくれ等が見られる。
【0110】
(4)耐擦傷性
前記(1)で作成した被覆フィルムを使用し、ASTM D 1044に準拠し、テーバー摩耗試験機により摩耗輪CS−10Fを用いて試験片を摩耗する。このときの試験荷重は500gf、試験回数は500回および1000回とする。試験片の摩耗した部分の試験前後のヘイズ(曇価)変化をJIS K−7105に準拠して測定し、耐擦傷性を評価する。
【0111】
(5)耐候性
前記(1)で作成した積層フィルムを、スガ試験機社製の超エネルギー照射試験機を使用し、[温度70℃×湿度70%、光量:100m/wで6時間照射]→[温度80℃×湿度90%で6時間]を1サイクルとして40サイクル及び80サイクル繰り返す条件で各試験片を曝露し、耐候性試験前後の評価として、下記の耐候クラック性、耐候密着性、耐候黄変性を調べる。
[耐候クラック性]
耐候試験後の塗膜外観を下記の基準で評価
○:異常なし、△:僅かにクラックあり、×:塗膜全体にクラックあり
[耐候密着性]
耐候試験後の塗膜について前記(2)の方法で密着性試験を行ない、塗膜外観を下記の基準で評価する。
○;異常なし、△1;ハードコートと紫外線遮蔽層間で僅かに剥離、△2;紫外線遮蔽層と基材間で僅かに剥離、×1;ハードコートと紫外線遮蔽層間で剥離、×2;紫外線遮蔽層と基材間で完全に剥離。
【0112】
[耐候黄変性]
黄色度:Y1
JIS K−7103に準拠し雰囲気温度23℃における試験片の着色(特に黄色味)を示す黄色度(Y1)を測定、
黄変度:△Y1
耐候性試験後における初期黄色度からの変化を示すもので、「黄変度(△Y1)=(試験後の黄色度)−(初期の黄色度)」によって求める。黄変度(△Y1)の値が大きいものは初期値に比べて着色した(黄色味が濃くなった)ことを意味し、この黄変度(△Y1)が4を超えると着色したことが目視で明らかにわかる。
【0113】
実施例2〜18、比較例1〜6
上記実施例1と同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(同前)、ポリアリレートシート(PA:ユニチカ社製、商品名「U−100」、厚さ3mm)またはポリカーボネートシート(PC:旭硝子社製、商品名「レキサン9034」クリヤ、厚さ3mm)上に、表2〜4に示す所定の共重合体を含む紫外線遮蔽層を形成してからその上にハードコート層を形成し、同様にして評価試験を行なった。結果を表2〜4に示す。
【0114】
【表2】
Figure 0004688277
【0115】
【表3】
Figure 0004688277
【0116】
【表4】
Figure 0004688277
【0117】
表2〜4の結果より、次の様に考えることができる。
【0118】
実施例1〜18は本発明の規定要件を満たす例であり、総合的に見て優れた基材保護効果を有していることが分かる。このうち実施例4は、実施例3に対して紫外線遮蔽層の膜厚を厚くしたもので、実施例3に比べると耐候性試験後にクラックをやや起こし易くなる傾向が見られる。実施例5は、実施例4の紫外線遮蔽層中の架橋官能基であるアルコキシシリル基の硬化触媒を添加したもので、実施例4に比べると耐擦傷性、耐候クラック性が向上している。実施例6は、実施例4の紫外線遮蔽層構成成分である共重合体のメタクリロキシシリル基含有モノマーをアクリル系のアルコキシシリル基含有モノマーに変えたもので、実施例4に比べて耐候クラック性が向上している。
【0119】
実施例7は、ハードコート層に含まれるハードコート剤の硬化触媒成分を紫外線遮蔽層にしみ込ませ易くして紫外線遮蔽層の硬化促進のために、実施例6における紫外線遮蔽層形成時の乾燥温度を室温とし、次いでハードコート層の乾燥温度を120℃とする2コート1ベークの乾燥条件を選択した例で、実施例6に比べて耐候クラック性、耐候密着性が向上している。実施例8は、実施例5の紫外線遮蔽層構成成分に対し、共重合成分としてシクロヘキシルメタクリレートを共重合させたもので、実施例5に比べて耐候黄変性、耐候密着性、耐候クラック性が向上している。実施例9,10は、実施例5の紫外線遮蔽層構成成分に対し紫外線安定剤を添加した例、および紫外線安定性モノマー成分を共重合させた例であり、実施例9では実施例5に比べて耐候クラック性、耐候黄変性が向上しており、実施例10では、実施例9に比べて耐候密着性が向上している。尚実施例11は、実施例4の紫外線遮蔽層構成成分に対し、紫外線遮蔽層構成成分中に共重合成分としてシクロヘキシルメタクリレートと紫外線安定性モノマーを共重合させたもので、耐候黄変性、耐候クラック性、耐候密着性が向上している。
【0120】
実施例12,13は、前記一般式(5)または一般式(6)で示される紫外線吸収性基含有モノマーをそれぞれ単独で共重合させた紫外線遮蔽層形成剤を用いた例であり、実施例3に比べると何れも耐候黄変性がやや劣る。実施例14は、前記一般式(4)で示される紫外線吸収性基含有モノマーを単独で共重合して得られる共重合体と、一般式(6)で示される紫外線吸収性基含有モノマーを単独で共重合して得られる共重合体をブレンドして使用した例であり、実施例3に比べて優れた耐候クラック性、耐候密着性、耐候黄変性を示している。実施例15は、ハードコート層として紫外線遮蔽層構成成分である共重合体3をブレンドしたもので、実施例3に比べて一段と優れた耐候密着性を示している。実施例16は、紫外線遮蔽層側にハードコート層成分であるハードコート剤Aをブレンドしたもので、実施例3に比べて耐候クラック性が更に向上している。
【0121】
実施例17は、実施例10のハードコート層を厚膜にした例であるが、実施例10と同じ性能を有している。
【0122】
また実施例18は、有機系熱線遮蔽性物質としてフタロシアニン系化合物である「イーエクスカラーIR−10」(日本触媒社製)0.5部を、アクリル系樹脂である「ユーダブルS−5141」(日本触媒社製)100部に溶解させ、更にダイアセトンアルコールで不揮発分3%に希釈した後、厚さ3mmのポリカーボネート樹脂シート(旭硝子社製、商品名「レキサン9034」クリア)にバーコーターで乾燥厚さが約5μmとなる様に塗工し、室温で10分間放置後10分間加熱乾燥させ、次いで表3に示す所定の共重合体を含む紫外線遮蔽層を形成してから、その上にハードコート層を形成して得た積層体である。この実施例18からも明らかな様に、基材樹脂と紫外線遮蔽層との間に熱線遮蔽層を形成した積層体でも同様の性能を有しており、この実施例によれば紫外線遮蔽効果と共に熱線遮蔽性にも優れた積層体が得られることを確認できる。
【0123】
これらに対し、比較例1〜5は本発明で定める規定要件の何れかを欠く比較例であり、比較例1は、紫外線遮蔽層を構成する共重合体中の反応性シリル基を有するモノマーの量が不足するため、初期クラックが見られると共に、樹脂基材と紫外線遮蔽層の耐候密着性が低く、耐擦傷性、耐候クラック性、耐候黄変性のレベルも低い。比較例2は、比較例1の初期クラック性を向上させるため紫外線遮蔽層を薄肉にしたもので、初期クラック性は向上するものの、耐擦傷性、耐候クラック性、耐候密着性が殆ど改善されず、耐候黄変性が著しく低下する。比較例3も、比較例1の初期クラック性を向上させるためハードコート層を薄肉にした例であるが、耐候密着性、耐候黄変性の向上がみられず、耐擦傷性が著しく低下している。
【0124】
比較例4は、比較例1に対して紫外線遮蔽層を構成する共重合体中の反応性シリル基を有するモノマー量を多くして初期クラックの改善を試みたものであるが、その改善効果は不十分であり、また耐擦傷性、耐候クラック性、耐候密着性も改善できない。比較例5は、紫外線遮蔽層を最表層部としてハードコート層を形成しなかった例であり、耐擦傷性が劣悪である。比較例6は、紫外線遮蔽層を構成する共重合体中に紫外線吸収性基を有するモノマーが含まれていないため紫外線遮蔽能が発揮されず、耐候黄変性が劣悪で基材破壊を起こしている。
【0125】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、紫外線によって着色や劣化を起こし易い樹脂基材の表面側にハードコート層を形成して耐擦傷性などを改善する際に、紫外線遮蔽層として、反応性シリル基を有するモノマーと紫外線吸収性基を有するモノマーを特定比率で含有する共重合体を含む紫外線吸収性樹脂組成物を使用することにより、基材の紫外線劣化を防止しつつハードコート層との密着性や樹脂基材との密着性を改善し、耐候性や耐擦傷性、耐クラック性などの大幅に改善された樹脂積層体を提供し得ることになった。特に、紫外線劣化し易い樹脂基材の表面にシリコン樹脂系のハードコート層を形成して耐擦傷性を改善する際に、紫外線遮蔽層を下地層として使用することにより、基材樹脂の変色・劣化などを抑えて耐候性を高めると共にハードコート層との密着性も大幅に高めることができ、ハードコート層や紫外線遮蔽層を厚肉化しても、紫外線遮蔽層上に積層されるハードコート層の昇温、硬化過程で生ずるクラック防止効果や、耐候性試験中に生じるクラック防止効果および紫外線遮蔽層と樹脂基材との密着性の向上も含めて多くの特長が発揮される。
【0126】
従って本発明の紫外線安定性樹脂積層体は、例えば包装用(各種食品や、太陽電池、ポリマー電池等の包装材)、電縁用、光学用(レンズなど)、建築材料用(防音壁など)、防汚用シート・テント用、マーキングフィルム用、屋外展張用(農業ハウスなど)、屋内外のオーバーレイ(表示材料、電飾看板など)、窓用(車輌、建築、採光材など)等、紫外線に曝されると共に摩擦などを受け易い様々の用途に幅広く活用できる。

Claims (7)

  1. ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及び塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される、紫外線により光劣化する樹脂基材の表面側に、紫外線遮蔽層を介してハードコート層が形成された紫外線安定性積層体であって、上記紫外線遮蔽層は、下記モノマー成分を重合してなる共重合体を含有することを特徴とする紫外線安定性樹脂積層体。
    (1)下記一般式(1)〜(3)で示される反応性シリル基を有するモノマーの少なくとも一種:50〜90質量%、(2)紫外線吸収性基を有するモノマー:10〜50質量%。
    Figure 0004688277
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数1〜6の炭化水素基を表わし、aは1〜3の整数、bは0または1を表わす)
    Figure 0004688277
    (式中、R3は前記R2と同じ意味もしくはアルキルオキシアルキル基を表わし、cは0または1を表わす)
    Figure 0004688277
    (式中、R4は前記R2と同じ意味、dは0または1を表わす)
  2. 前記共重合体が、(1)の反応性シリル基を有するモノマー及び(2)の紫外線吸収性基を有するモノマーの他に、(3)下記一般式(9)で表されるその他のモノマーを5質量%以上40質量%以下含むモノマー成分100質量%を重合してなる請求項1に記載の紫外線安定性樹脂積層体。
    Figure 0004688277
    (式中、R26は水素原子またはメチル基を表わし、Zは炭素数が4以上の炭化水素基を表わす
  3. 前記共重合体が、(1)の反応性シリル基を有するモノマー、(2)の紫外線吸収性基を有するモノマー及び(3)のその他のモノマーの他に、(4)紫外線安定性基を有するモノマーを0.1〜15質量%含むモノマー成分100質量%を重合してなる請求項1または2に記載の紫外線安定性樹脂積層体。
  4. 前記紫外線遮蔽層が紫外線安定剤を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線安定性樹脂積層体。
  5. ハードコート層がシリコン系樹脂を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線安定性樹脂積層体。
  6. 前記請求項1〜5のいずれかに記載された積層体を製造するに当たり、紫外線遮蔽層を形成するための樹脂組成物であって、下記モノマー成分を重合してなる共重合体を含有することを特徴とする紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物。
    (1)下記一般式(1)〜(3)で示される反応性シリル基を有するモノマーの少なくとも一種:50〜90質量%、(2)紫外線吸収性基を有するモノマー:10〜50質量%。
    Figure 0004688277
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数1〜6の炭化水素基を表わし、aは1〜3の整数、bは0または1を表わす)
    Figure 0004688277
    (式中、R3は前記R2と同じ意味もしくはアルキルオキシアルキル基を表わし、cは0または1を表わす)
    Figure 0004688277
    (式中、R4は前記R2と同じ意味、dは0または1を表わす)
  7. 前記共重合体が、(1)の反応性シリル基を有するモノマー及び(2)の紫外線吸収性基を有するモノマーの他に、(3)下記一般式(9)で表されるその他のモノマーを5質量%以上40質量%以下含むモノマー成分100質量%を重合してなる請求項6に記載の紫外線遮蔽層形成用樹脂組成物。
    Figure 0004688277
    (式中、R26は水素原子またはメチル基を表わし、Zは炭素数が4以上の炭化水素基を表わす)
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